JP2503934B2 - 可変バルブタイミング機構 - Google Patents

可変バルブタイミング機構

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JP2503934B2
JP2503934B2 JP5157594A JP5157594A JP2503934B2 JP 2503934 B2 JP2503934 B2 JP 2503934B2 JP 5157594 A JP5157594 A JP 5157594A JP 5157594 A JP5157594 A JP 5157594A JP 2503934 B2 JP2503934 B2 JP 2503934B2
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変バルブタイミング
機構に関する。
【0002】
【従来の技術】可変バルブタイミング機構は、プロフィ
ールの異なる低速用と高速用の2種類のカムをカムシャ
フトに設定し、エンジンの低速回転域では低速用カム
で、高速回転域では高速用カムでバルブを駆動するよう
に油圧を利用して切り替える機構である。低速用カム
は、高速用カムよりも小さく、バルブのオーバラップと
リフトは共に小さくなっている。
【0003】可変バルブタイミング機構の採用により、
実用エンジンの低回転域における使いやすさ即ち、低速
高トルクを保持しつつ高速域におけるエンジンの出力ト
ルクの向上を図ることができる。このような可変バルブ
タイミング機構は、種々の構造のものが提案されてい
る。ところで、可変バルブタイミング機構には、ロッカ
アームを揺動可能に軸支するロッカシャフトに径方向に
貫設したピストン孔に、スプリングを介してピストンを
挿入し、当該スプリングのばね力によりピストンを押し
出してその先端をロッカアームのピストン孔に嵌入させ
てロッカシャフトにロッカアームを結合し、油圧により
スプリングのばね力に抗してピストンをロッカシャフト
のピストン孔に押し込めてロッカシャフトとロッカアー
ムとの結合を解除するようにした構造のものがある。
【0004】前記ピストンには先端の中央に軸方向に穿
設され、一端が当該ピストンの先端面に開口し、他端が
ロッカシャフトの軸心に設けられた油路に連通される孔
(油路)が設けられており、当該油路を介してピストン
の一端とロッカアームのピストン孔に油密に嵌合された
蓋との間に油圧を供給して、当該ピストンを前記スプリ
ングのばね力に抗してロッカシャフトのピストン孔に押
し込むようにしている。そして、ピストンは、ロッカア
ームのピストン孔に嵌入している結合時には、その先端
が前記蓋の内面に当接している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ピスト
ンの先端がロッカアームのピストン孔に嵌入された前記
結合時に、当該先端が前記蓋の内面に当接されている
と、当該先端に開口する油路が前記蓋により閉塞された
状態となり、ピストンの結合を解除すべく油圧を供給し
ても当該ピストンの応答性が悪くなるという問題があ
る。
【0006】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、油圧によりスプリングのばね力に抗してピストンを
押圧してロッカシャフトとロッカアームとの結合を解除
する際におけるピストンの応答性を良するようにした可
変バルブタイミング機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、ロッカシャフトに径方向に穿設され
たピストン孔にピストンを収納し、スプリングにより当
該ピストンを押し出しその先端をロッカアームのピスト
ン孔に嵌合させると共に当該ピストン孔に嵌合された蓋
の内面に当接させ、ロッカシャフトにロッカアームを結
合し、前記ピストンの先端に一端が開口し他端が前記ロ
ッカシャフトの軸心に設けられた油路に連通する油路か
ら当該ピストンの先端と蓋との間に油圧を供給し、当該
ピストンを押圧してロッカシャフトのピストン孔に押し
込み前記結合を解除する可変バルブタイミング機構の、
前記ピストンの先端が当接する蓋の内面を、当該ピスト
ンの先端の曲面よりも小さい半径の曲面とし、ピストン
の先端が蓋の内面に当接した際に前記油路の開口端と蓋
との間に油室を形成した構成としたものである。
【0008】
【作用】ピストンは、油圧が供給されていないときに
は、ロッカシャフトのピストン孔からスプリングにより
押し出されてその先端がロッカアームのピストン孔に嵌
合し、且つ当該ピストン孔の蓋の内面に当接している。
この状態においてピストンの先端に開口する油路の開口
端と蓋の内面との間に油室が形成されている。ピストン
の油路に油圧が加えられると、当該油圧は前記油室に供
給されてピストンを瞬時に押圧し、スプリングに抗して
ロッカシャフトのピストン孔に押し込む。これによりピ
ストンの作動応答性が向上する。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。図1及び図2において、可変バルブタイミン
グ機構1は、2本の吸気バルブ2、3と、これらの吸気
バルブ2、3を開閉するためのロッカシャフト4、4'と
一体のT型ロッカアーム5と、低速用ロッカアーム6、
高速用ロッカアーム7と、T型ロッカアーム5に内蔵さ
れ、当該T型ロッカアーム5に低速用ロッカアーム6又
は高速用ロッカアーム7を選択的に結合するためのピス
トン8、9及びカムシャフト13に設けられた低速用カム
14、高速用カム15等により構成されている。
【0010】T型ロッカアーム5の両端のロッカシャフ
ト4、4'は、ロッカシャフトジャーナル12、12' に回転
可能に軸支されており、ジャーナル12' 、シャフト4'に
設けられた油路12'a、4'a を通してピストン8に油圧P
が、ジャーナル12、シャフト4の油路12a 、4aを通して
ピストン9に油圧Pが供給されるようになっている。低
速用ロッカアーム6、高速用ロッカアーム7は、各基端
の軸孔6a、7aに夫々T型のロッカアーム5の両側のロッ
カシャフト4'、4が嵌合されて揺動可能に軸支されお
り、各先端には夫々ローラベアリング10、11が軸支され
ている。これらのローラベアリング10、11は、夫々低速
用カム14、高速用カム15に当接されて転動する。尚、低
速用ロッカアーム6、高速用ロッカアーム7は、各基端
側に配設されたロストモーションアセンブリ(図示せ
ず)により各ローラベアリング10、11が低速用カム14、
高速用カム15に常時当接される。
【0011】T型ロッカアーム5のロッカシャフト4'の
低速用ロッカアーム6と嵌合する嵌合部には図3に示す
ように直径方向にピストン孔4'b が穿設されており、更
に一端が当該ピストン孔4'b の所定位置に開口し、他端
がバルブの駆動時に低速用カム14とローラベアリング10
との摺動面に臨んで外周面に開口する小孔4'd が穿設さ
れている。この小孔4'd は、油路とされる。
【0012】ピストン8は、ロッカシャフト4'のピスト
ン孔4'b に嵌挿されており、その長さがロッカシャフト
4'の直径よりも短く設定され、先端8aは、ロッカシャフ
ト4'の外径を直径とする球面の一部をなして形成され、
端面中央には軸方向に穴8cが穿設されている。また、基
端8bには軸方向に大径の穴8dが穿設れている。更に、こ
のピストン8には略中央に直径方向に孔8eが穿設されて
おり、軸心において前記穴8cと連通されている。そし
て、この孔8eの両側開口端は、当該ピストン8の外周面
に形成された環状溝8fの底部に連通されている。この環
状溝8fは、油溝とされ、ロッカシャフト4'の軸心に設け
られた前記油路4'a に常時連通されている。
【0013】ピストン孔4'b 内には、ピストン8の基端
8bと低速用ロッカアーム6の軸孔6aの内周面との間にば
ね座16が嵌挿されている。このばね座16は断面略T字状
をなし、底部16a はピストン孔4'b に嵌合され、且つそ
の底面はロッカシャフト4'の外径と同径の球面の一部を
なして当該孔6aの内周面に当接し、軸部16b はピストン
8の穴8dよりも僅かに小径とされ、軸心には小径の呼吸
孔16c が貫設されている。スプリング17は、ピストン8
とばね座16との間に縮設されており、一端が当該ピスト
ン8の穴8dに嵌挿且つ底端面に圧接され、他端がばね座
16の軸部16b に外嵌されている。このスプリング17は、
ピストン8をピストン孔4'b から押し出す方向にばね力
を付与する。
【0014】低速用ロッカアーム6にはロッカシャフト
4'のピストン孔4'b と対応する位置にピストン孔6bが穿
設されており、ピストン8の先端8aが嵌入、抜脱可能と
されている。また、この低速用ロッカアーム6には、ロ
ッカシャフト4'と結合されたときに一端が低速用カム14
とローラベアリング10との摺動面に臨み、他端が当該ロ
ッカシャフト4'の孔4'd に連通される小孔6dが穿設され
ている。即ち、ロッカシャフト4'のピストン孔4'b と、
低速用ロッカアーム6のピストン孔6bの中心が一致した
ときに小孔4'd と6dとが連通する。更に低速用ロッカア
ーム6にはピストン孔6bの反対側にばね座16の呼吸孔16
c と合致する小孔の呼吸孔6eが穿設されている。
【0015】低速用ロッカアーム6のピストン孔6bの開
口端には蓋18が嵌合され、カシメ止めにより液密に固定
されている。この蓋18は、図4に示すように内面18a が
ピストン8の先端8aの曲面よりも半径の小さい球面の一
部をなす曲面をなして形成されており、当該内面18a と
ピストン8の先端面との間に凸レンズ状の油室20が形成
されている。これによりピストン8の先端が、蓋18の内
面18a に当接しても、当該先端に開口する孔8cの開口端
は、油室20に連通する。
【0016】T型ロッカアーム5のロッカシャフト4の
高速用ロッカアーム7と嵌合する嵌合部には図7に示す
ように直径方向にピストン孔4bと当該ピストン孔4bより
も僅かに大径の油室4cとが同心的に穿設されており、こ
れらのピストン孔4b、油室4cは軸心付近で段差をなして
連通されている。高速用ロッカアーム7には更に、一端
が当該ピストン孔4bの油室4cとの連通部近傍所定位置に
開口し、他端がバルブの駆動時に高速用カム15とローラ
ベアリング11との摺動面に臨んで外周面に開口する小孔
4dが穿設されている。この小孔4dは、油路とされる。ま
た、油室4cは、ロッカシャフト4の軸心に設けられた油
路4aに常時連通されている。
【0017】ピストン9は、ロッカシャフト4のピスト
ン孔4b、油室4cに嵌挿されており、その長さがロッカシ
ャフト4の直径よりも僅かに短く設定され、先端9aは、
ロッカシャフト4の外径を直径とする球面の一部をなし
て形成され、端面中央には軸方向にねじ穴9cが穿設され
ている。このねじ孔9cにはバルブクリアランス調整時に
ピストン引き上げ治具の先端が螺合される。基端9bは、
フランジ状をなしてばね座とされている。この基端9bも
先端9aと同様の曲面をなし、且つ中央に大径の穴9dが穿
設されている。更に、図8に示すようにピストン9の基
端9bから中央に向かって略1/3 程度の長さに亘る部分は
僅かに小径な小径部(ぬすみ部)9eとされている。この
小径部9eは、油室4cの内周面と僅かな間隙を存してと対
抗している。油室4c内には、ピストン孔4bとの段差部と
ピストン9の基端9bとの間にスプリング21が縮設されて
いる。このスプリング21は、ピストン9をピストン孔4b
内に引き込む方向にばね力を付与する。
【0018】高速用ロッカアーム7にはロッカシャフト
4のピストン孔4bと対応する位置にピストン孔7bが穿設
されており、ピストン9の先端9aが嵌入、抜脱可能とさ
れている。また、この高速用ロッカアーム7には、ロッ
カシャフト4と結合されたときに一端が低速用カム15と
ローラベアリング11との摺動面に臨み、他端が当該ロッ
カシャフト4の孔4dに連通される小孔7dが穿設されてい
る。即ち、ロッカシャフト4のピストン孔4bと高速用ロ
ッカアーム7のピストン孔7bの中心が一致したときに孔
4dと7dとが連通する。
【0019】高速用ロッカアーム7のピストン孔7bの内
周面開口端近傍には環状溝7cが設けられており、当該環
状溝7cにはストッパリング22が嵌合されてピストン9の
逸脱を防止している。以下に作用を説明する。エンジン
の低速回転域においては、ロッカシャフト4'の油路4'a
には低圧の油圧が供給されており、ピストン8は、図3
に示すようにスプリング17のばね力によりピストン孔4'
b から押し出されてその先端8aが低圧用ロッカアーム6
のピストン孔6bに嵌入して蓋18の内面18a の周縁に当接
している。これによりT型ロッカアーム5に低速用ロッ
カアーム6が結合されて一体となり、低速用カム14によ
り当該低速用ロッカアーム6、T型ロッカアーム5を介
して吸気バルブ2、3が駆動される。即ち、低速用ロッ
カアーム6のピストン8は、油圧が低圧のときにスプリ
ング17のばね力によりロッカシャフト4'に当該低速用ロ
ッカアーム6を結合(ロック)する「ノーマルオン」タ
イプのピストンである。
【0020】この状態においてロッカシャフト4'の小孔
4'd と低速用ロッカアーム6の小孔6dとが合致し、且つ
小孔6dが低速用カム14とローラベアリング10との摺動面
に臨んで開口しており、油路4'a 内のオイルが、ピスト
ン8の環状溝8f、小孔4'd を経て小孔6dから矢印で示す
ように噴出(オイルジェット)し、低速用カム14と低速
用ロッカアーム6のローラベアリング10との摺動面を積
極的に潤滑する。
【0021】一方、高速用ロッカアーム4の油路4aにも
低圧の油圧が供給されており、ピストン9は、図7に示
すようにスプリング21のばね力により後退されてピスト
ン孔4b内に引き込まれている。これにより高速用ロッカ
アーム7は、T型ロッカアーム5との結合を解除されて
自由に揺動可能とされている。即ち、高速用ロッカアー
ム7のピストン9は、油圧が低圧のときにスプリング21
のばね力によりロッカシャフト4から当該高速用ロッカ
アーム7を解除する「ノーマルオフ」タイプのピストン
である。
【0022】そして、ローラ11は、ロストモーションア
センブリ(図示せず)により高速用カム15に当接して転
動する。この状態においてピストン9が、小孔4dを塞ぎ
高速カム15とローラベアリング11との間の摺動面へのオ
イルの供給を停止する。また、このときには高速用ロッ
カアーム7には、バルブ2、3を開閉させるための負荷
が働かないためにロッカシャフト4に対して図9に示す
ように公差等に起因して僅かに相対回転し、ピストン孔
4bと7bの中心がずれて小孔7dと小孔4dとの連通が遮断さ
れる。そして、このときには高速用カム15とローラベア
リング11との摺動面は、シリンダヘッド内の雰囲気中に
飛散した油滴で潤滑される。
【0023】エンジンが高速回転域に入ると、ロッカシ
ャフト4の油路4a(図2)に高圧の油圧が供給され、当
該油圧がロッカシャフト4の油室からピストン9の基端
9b側の穴9d(図7)に供給される。これにより図10に
示すようにピストン9がスプリング21のばね力に抗して
ピストン孔4bから押し出され、その先端9aが高速用ロッ
カアーム7のピストン孔7bに嵌入する。そして、高速用
ロッカアーム7がT型ロッカアーム5に結合されて一体
となり、高速用カム15により当該高速用ロッカアーム
7、T型ロッカアーム5を介して吸気バルブ2、3が駆
動される。尚、ピストン9は、ストッパリング22により
ピストン孔7bからの突出が防止される。
【0024】このときロッカシャフト4の油室4c内の作
動油(オイル)が、ピストン9の小径部(ぬすみ部)9
e、小孔4dを経て小孔7dから矢印で示すように噴出(オ
イルジェット)し、高速用カム15とローラベアリング11
との摺動面を積極的に潤滑する。高速用ロッカアーム7
がT型ロッカアーム5に結合された後、ロッカシャフト
4'の油路4'a に高圧の油圧が供給される。この油路4'a
内の油圧は、図3に示すピストン8の環状溝8fから孔8
e、8cを経て当該ピストン8の先端8aと蓋18との間の油
室20に供給される。この油室20内に供給された油圧は、
ピストン8の先端面を押圧して押し下げ、これに伴い更
にピストン孔6b内に圧油が供給されて図5に示すように
スプリング17のばね力に抗してピストン8をピストン孔
4'b 内に押し込む。このピストン孔6bは油室を形成す
る。これにより低速用ロッカアーム6は、ロッカシャフ
ト4'との結合を解除される。
【0025】ピストン8の先端面と蓋18の内面18a との
間に油室20が形成されているために、ピストン8は、前
記ノーマルオンの状態においても穴8cが常に開口された
状態にあり、従って、当該穴8cから吐出された油圧は、
直ちにピストン8の先端面の押圧力として作用する。し
かも、油室20の形状が凸レンズ状をなしているために油
圧がピストン8の先端に楔状に作用することとなり、少
量の油量でもピストン8が迅速に応答する。
【0026】また、スプリング17は、一端がピストン8
の穴8d内に嵌挿されて底端面に圧接され、他端がばね座
16に外嵌して穴8d内に同心的に保持されているために、
ピストン8がピストン孔4'b 内に押し込まれて圧縮され
る際に当該ピストン8の穴8d内にずれることなく確実に
収納される。この結果、図5に示すようにピストン8の
基端8bの端面がスプリング17を噛み込むことなくばね座
16に確実に当接する。従って、ピストン8は、ロッカシ
ャフト4'のピストン孔4'b 内に確実に引き込まれ、ロッ
カシャフト4から低速用ロッカアーム6を確実に解除す
ることができる。
【0027】この状態においてピストン8 が、小孔4'd
を塞ぎ低速カム14とローラベアリング10との間の摺動面
へのオイルの供給を停止する。また、このときには低速
用ロッカアーム6は、バルブ2、3を開閉させるための
負荷が働かないためにロッカシャフト4'に対して図6に
示すように公差等に起因して僅かに相対回転し、ピスト
ン孔4'b と6bの中心がずれて小孔6dと小孔4'd との連通
が遮断される。そして、このときには低速用カム14とロ
ーラベアリング10との摺動面は、シリンダヘッド内の雰
囲気中に飛散した油滴で潤滑される。
【0028】尚、本実施例においては、図1に示すよう
にロッカアームがローラベアリングを介してカムに当接
するタイプの可変バルブタイミング機構に適用した場合
について説明したが、他の構造例えば、ロッカアームが
カムに滑動するスリッパ式のロッカアームを使用した可
変バルブタイミング機構にも適用し得ることは勿論であ
る。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ロ
ッカシャフトに径方向に穿設されたピストン孔にピスト
ンを収納し、スプリングにより当該ピストンを押し出し
その先端をロッカアームのピストン孔に嵌合させると共
に当該ピストン孔に嵌合された蓋の内面に当接させ、ロ
ッカシャフトにロッカアームを結合し、前記ピストンの
先端に一端が開口し他端が前記ロッカシャフトの軸心に
設けられた油路に連通する油路から当該ピストンの先端
と蓋との間に油圧を供給し、当該ピストンを押圧してロ
ッカシャフトのピストン孔に押し込み前記結合を解除す
る可変バルブタイミング機構の、前記ピストンの先端が
当接する蓋の内面を、当該ピストンの先端の曲面よりも
小さい半径の曲面とし、ピストンの先端が蓋の内面に当
接した際に前記油路の開口端と蓋との間に油室を形成し
た構成としたので、油圧を加えた瞬間のピストンの作動
応答性が良好となり、迅速に結合を解除することがで
き、また、必要な油量を少なくすることが可能となる。
更に、加工工数や部品点数を増やすことなく実施するこ
とができる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可変バルブタイミング機構の一実
施例を示す組立斜視図である。
【図2】図1の矢線II−IIに沿う断面図である。
【図3】図2の矢線III−IIIに沿う断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図3のピストンの解除状態を示す図である。
【図6】図5のロッカシャフトに対してロッカアームが
僅かに相対回転した状態を示す図である。
【図7】図2の矢線VII−VIIに沿う断面図である。
【図8】図7のピストンの斜視図である。
【図9】図7のロッカシャフトに対してロッカアームが
僅かに相対回転した状態を示す図である。
【図10】図7のピストンが結合した状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 可変バルブタイミング機構 2、3 吸気弁 4、4' ロッカシャフト 4a、4'a 油路 4b、4'b 、6b、7b ピストン孔 4c 油室 5 T型ロッカアーム 6 低速用ロッカアーム 7 高速用ロッカアーム 8、9 ピストン 10、11 ローラベアリング 13 カムシャフト 14 低速用カム 15 高速用カム 16 ばね座 17、21 スプリング 18 蓋 20 油室 22 ストッパリング

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロッカシャフトに径方向に穿設されたピ
    ストン孔にピストンを収納し、スプリングにより当該ピ
    ストンを押し出しその先端をロッカアームのピストン孔
    に嵌合させると共に当該ピストン孔に嵌合された蓋の内
    面に当接させ、ロッカシャフトにロッカアームを結合
    し、前記ピストンの先端に一端が開口し他端が前記ロッ
    カシャフトの軸心に設けられた油路に連通する油路から
    当該ピストンの先端と蓋との間に油圧を供給し、当該ピ
    ストンを押圧してロッカシャフトのピストン孔に押し込
    み前記結合を解除する可変バルブタイミング機構の、前
    記ピストンの先端が当接する蓋の内面を、当該ピストン
    の先端の曲面よりも小さい半径の曲面とし、ピストンの
    先端が蓋の内面に当接した際に前記油路の開口端と蓋と
    の間に油室を形成したことを特徴とする可変バルブタイ
    ミング機構。
JP5157594A 1994-03-23 1994-03-23 可変バルブタイミング機構 Expired - Lifetime JP2503934B2 (ja)

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