JP2541499B2 - 可変バルブタイミング機構 - Google Patents

可変バルブタイミング機構

Info

Publication number
JP2541499B2
JP2541499B2 JP6051574A JP5157494A JP2541499B2 JP 2541499 B2 JP2541499 B2 JP 2541499B2 JP 6051574 A JP6051574 A JP 6051574A JP 5157494 A JP5157494 A JP 5157494A JP 2541499 B2 JP2541499 B2 JP 2541499B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
hole
rocker arm
shaft
rocker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6051574A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06299820A (ja
Inventor
真一 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP6051574A priority Critical patent/JP2541499B2/ja
Publication of JPH06299820A publication Critical patent/JPH06299820A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2541499B2 publication Critical patent/JP2541499B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可変バルブタイミング
機構に関する。
【0002】
【従来の技術】可変バルブタイミング機構は、プロフィ
ールの異なる低速用と高速用の2種類のカムをカムシャ
フトに設定し、エンジンの低速回転域では低速用カム
で、高速回転域では高速用カムでバルブを駆動するよう
に油圧を利用して切り替える機構である。低速用カム
は、高速用カムよりも小さく、バルブのオーバラップと
リフトは共に小さくなっている。
【0003】可変バルブタイミング機構の採用により、
実用エンジンの低回転域における使いやすさ即ち、低速
高トルクを保持しつつ高速域におけるエンジンの出力ト
ルクの向上を図ることができる。このような可変バルブ
タイミング機構は、種々の構造のものが提案されてい
る。ところで、可変バルブタイミング機構には、ロッカ
アームを揺動可能に軸支するロッカシャフトに径方向に
貫設したピストン孔に、スプリングを介してピストンを
嵌挿し、ばね力により当該ピストンを押し出してその先
端を前記ロッカアームのピストン孔に嵌合させてロッカ
シャフトにロッカアームを結合し、油圧により前記スプ
リングのばね力に抗してピストンをロッカシャフトのピ
ストン孔に押し込めてロッカシャフトとロッカアームと
の結合を解除するような構造のものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この場合、前記スプリ
ングの一端を、ピストンの一端に穿設された穴に嵌挿さ
れ且つその底面に、他端をロッカアームのロッカシャフ
トと嵌合する軸孔の内周面に圧接させてこれら両者間に
縮設する構造にすると、ピストンが油圧によりスプリン
グを圧縮しながらロッカシャフトのピストン孔に押し込
まれる際に、スプリングを噛み込む虞れがある。そし
て、ピストンがスプリングを噛み込むと、ロッカシャフ
トのピストン孔内に当該ピストン全体が押し込まれなく
なる。この結果、当該ピストンの先端がロッカアームの
ピストン孔から抜脱し得なくなり、最悪の場合にはロッ
カシャフトとロッカアームとの結合を解除できなくなる
虞れがある。また、ロッカシャフトのピストン孔を有底
とした場合には加工特に、研磨加工が困難となる。
【0005】また、ピストン孔を貫通孔とし、開口端の
内面にスナップリングを装着してスプリングの他端を支
持する構造では、スナップリング溝を加工しなければな
らず、加工に手間がかかると共に、スナップリングの挿
入に手間が掛かる。しかも、ピストンの突出時における
ロッカシャフトのピストン孔によるピストンガイド長さ
を余り長くとることができないために強度的に不利であ
る等の問題がある。
【0006】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、ピストンによるスプリングの噛み込みを防止し、更
に加工性、組立性、及び信頼性の高い可変バルブタイミ
ング機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、直径方向にピストン孔が貫設された
ロッカシャフトと、基端の軸孔に前記ロッカシャフトが
嵌合されて揺動自在に軸支され且つ前記ピストン孔と対
向してピストン嵌入孔が穿設され、先端がバルブ駆動用
のカムに当接するロッカアームと、前記ロッカシャフト
のピストン孔に入出可能に嵌挿され、突出時に先端が前
記ロッカアームのピストン嵌入孔に嵌合して前記ロッカ
シャフトと前記ロッカアームとを結合し、基端面に軸方
向に穴が穿設されたピストンと、前記ロッカシャフトの
ピストン孔に前記ピストンの基端と対向して軸方向に摺
動可能に嵌挿されると共に前記ロッカアームの軸孔の内
周面に当接するばね座と、一端が前記ピストンの穴に嵌
挿されてその底面に圧接し、他端が前記ばね座に圧接し
て前記ピストンに突出方向のばね力を付与するスプリン
グとを備えた構成としたものである。
【0008】
【作用】ピストンは、スプリングのばね力によりロッカ
シャフトのピストン孔から押し出され、その先端がロッ
カアームのピストン嵌入孔に嵌入する。これによりロッ
カシャフトにロッカアームが結合される。油圧が加えら
れると、ピストンがスプリングのばね力に抗してロッカ
シャフトのピストン孔内に押し込まれる。スプリング
は、当該ピストンの穴内に収納且つその底面とばね座と
の間に縮設されており、ピストンがロッカシャフトのピ
ストン孔に押し込まれるに伴い当該ピストンの穴内に収
納させる。これによりピストンがスプリングを噛み込む
ことを防止される。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。図1及び図2において、可変バルブタイミン
グ機構1は、2本の吸気バルブ2、3と、これらの吸気
バルブ2、3を開閉するためのロッカシャフト4、4'と
一体のT型ロッカアーム5と、低速用ロッカアーム6、
高速用ロッカアーム7と、T型ロッカアーム5に内蔵さ
れ、当該T型ロッカアーム5に低速用ロッカアーム6又
は高速用ロッカアーム7を選択的に結合するためのピス
トン8、9及びカムシャフト13に設けられた低速用カム
14、高速用カム15等により構成されている。
【0010】T型ロッカアーム5の両端のロッカシャフ
ト4、4'は、ロッカシャフトジャーナル12、12' に回転
可能に軸支されており、ジャーナル12' 、シャフト4'に
設けられた油路12'a、4'a を通してピストン8に油圧P
が、ジャーナル12、シャフト4の油路12a 、4aを通して
ピストン9に油圧Pが供給されるようになっている。低
速用ロッカアーム6、高速用ロッカアーム7は、各基端
の軸孔6a、7aに夫々T型のロッカアーム5の両側のロッ
カシャフト4'、4が嵌合されて揺動可能に軸支されお
り、各先端には夫々ローラベアリング10、11が軸支され
ている。これらのローラベアリング10、11は、夫々低速
用カム14、高速用カム15に当接されて転動する。尚、低
速用ロッカアーム6、高速用ロッカアーム7は、各基端
側に配設されたロストモーションアセンブリ(図示せ
ず)により各ローラベアリング10、11が低速用カム14、
高速用カム15に常時当接される。
【0011】T型ロッカアーム5のロッカシャフト4'の
低速用ロッカアーム6と嵌合する嵌合部には図3に示す
ように直径方向にピストン孔4'b が穿設されており、更
に一端が当該ピストン孔4'b の所定位置に開口し、他端
がバルブの駆動時に低速用カム14とローラベアリング10
との摺動面に臨んで外周面に開口する小孔4'd が穿設さ
れている。この小孔4'd は、油路とされる。
【0012】ピストン8は、ロッカシャフト4'のピスト
ン孔4'b に嵌挿されており、その長さがロッカシャフト
4'の直径よりも短く設定され、先端8aは、ロッカシャフ
ト4'の外径を直径とする球面の一部をなして形成され、
端面中央には軸方向に穴8cが穿設されている。また、基
端8bには軸方向に大径の穴8dが穿設れている。更に、こ
のピストン8には直径方向に孔8eが穿設されており、軸
心において前記穴8cと連通されている。そして、この孔
8eの両側開口端は、当該ピストン8の外周面に形成され
た環状溝8fの底部に連通されている。この環状溝8fは、
油溝とされ、ロッカシャフト4'の軸心に設けられた前記
油路4'a に常時連通されている。
【0013】ピストン孔4'b 内には、ピストン8の基端
8bと低速用ロッカアーム6の軸孔6aの内周面との間にば
ね座16が嵌挿されている。このばね座16は断面略T字状
をなし、底部16a はピストン孔4'b に嵌合され、且つそ
の底面はロッカシャフト4'の外径と略同径の球面の一部
をなして軸孔6aの内周面に当接し、軸部16b はピストン
8の穴8dよりも僅かに小径とされ、軸心には小径の呼吸
孔16c が貫設されている。スプリング17は、ピストン8
とばね座16との間に縮設されており、一端が当該ピスト
ン8の穴8dに嵌挿且つ底端面に圧接され、他端がばね座
16の軸部16b に外嵌されている。このスプリング17は、
ピストン8をピストン孔4'b から押し出す方向にばね力
を付与する。
【0014】低速用ロッカアーム6にはロッカシャフト
4'のピストン孔4'b と対応する位置にピストン嵌入孔
(以下「ピストン孔」という)6bが穿設されており、ピ
ストン8の先端8aが嵌入、抜脱可能とされている。ま
た、この低速用ロッカアーム6には、ロッカシャフト4'
と結合されたときに一端が低速用カム14とローラベアリ
ング10との摺動面に臨み、他端が当該ロッカシャフト4'
の孔4'd に連通される少孔6dが穿設されている。即ち、
ロッカシャフト4'のピストン孔4'b と、低速用ロッカア
ーム6のピストン孔6bの中心が一致したときに少孔4'd
と6dとが連通する。更に低速用ロッカアーム6にはピス
トン孔6bの反対側にばね座16の呼吸孔16c と合致する少
孔の呼吸孔6eが穿設されている。
【0015】低速用ロッカアーム6のピストン孔6bの開
口端には蓋18が嵌合され、カシメ止めにより液密に固定
されている。この蓋18は、図4に示すように内面18a が
ピストン8の先端8aの曲面よりも半径の小さい球面の一
部をなす曲面をなして形成されており、当該内面18a と
ピストン8の先端面との間に凸レンズ状の油室20が形成
されている。
【0016】T型ロッカアーム5のロッカシャフト4の
高速用ロッカアーム7と嵌合する嵌合部には図7に示す
ように直径方向にピストン孔4bと当該ピストン孔4bより
も僅かに大径の油室4cとが同心的に穿設されており、こ
れらのピストン孔4b、油室4cは軸心付近で段差をなして
連通されている。高速用ロッカアーム7には更に、一端
が当該ピストン孔4bの油室4cとの連通部近傍所定位置に
開口し、他端がバルブの駆動時に高速用カム15とローラ
ベアリング11との摺動面に臨んで外周面に開口する小孔
4dが穿設されている。この小孔4dは、油路とされる。ま
た、油室4cは、ロッカシャフト4の軸心に設けられた油
路4aに常時連通されている。
【0017】ピストン9は、ロッカシャフト4のピスト
ン孔4b、油室4cに嵌挿されており、その長さがロッカシ
ャフト4の直径よりも僅かに短く設定され、先端9aは、
ロッカシャフト4の外径を直径とする球面の一部をなし
て形成され、端面中央には軸方向にねじ穴9cが穿設され
ている。このねじ孔9cにはバルブクリアランス調整時に
ピストン引き上げ治具の先端が螺合される。基端9bは、
フランジ状をなしてばね座とされている。この基端9bも
先端9aと同様の曲面をなし、且つ中央に大径の穴9dが穿
設されている。更に、図8に示すようにピストン9の基
端9bから中央に向かって略1/3 程度の長さに亘る部分は
僅かに小径な小径部(ぬすみ部)9eとされている。この
小径部9eは、油室4cの内周面と僅かな間隙を存してと対
抗している。油室4c内には、ピストン孔4bとの段差部と
ピストン9の基端9bとの間にスプリング21が縮設されて
いる。このスプリング21は、ピストン9をピストン孔4b
内に引き込む方向にばね力を付与する。
【0018】高速用ロッカアーム7にはロッカシャフト
4のピストン孔4bと対応する位置にピストン嵌入孔(以
下「ピストン孔」という)7bが穿設されており、ピスト
ン9の先端9aが嵌入、抜脱可能とされている。また、こ
の高速用ロッカアーム7には、ロッカシャフト4と結合
されたときに一端が低速用カム15とローラベアリング11
との摺動面に臨み、他端が当該ロッカシャフト4の孔4d
に連通される少孔7dが穿設されている。即ち、ロッカシ
ャフト4のピストン孔4bと高速用ロッカアーム7のピス
トン孔7bの中心が一致したときに孔4dと7dとが連通す
る。高速用ロッカアーム7のピストン孔7bの内周面開口
端近傍には環状溝7cが設けられており、当該環状溝7cに
はストッパリング22が嵌合されてピストン9の逸脱を防
止している。
【0019】以下に作用を説明する。エンジンの低速回
転域においては、ロッカシャフト4'の油路4'a には低圧
の油圧が供給されており、ピストン8は、図3に示すよ
うにスプリング17のばね力によりピストン孔4'b から押
し出されてその先端8aが低圧用ロッカアーム6のピスト
ン孔6bに嵌入して蓋18の内面18a の周縁に当接してい
る。これによりT型ロッカアーム5に低速用ロッカアー
ム6が結合されて一体となり、低速用カム14により当該
低速用ロッカアーム6、T型ロッカアーム5を介して吸
気バルブ2、3が駆動される。即ち、低速用ロッカアー
ム6のピストン8は、油圧が低圧のときにスプリング17
のばね力によりロッカシャフト4'に当該低速用ロッカア
ーム6を結合(ロック)する「ノーマルオン」タイプの
ピストンである。
【0020】この状態においてロッカシャフト4'の小孔
4'd と低速用ロッカアーム6の小孔6dとが合致し、且つ
小孔6dが低速用カム14とローラベアリング10との摺動面
に臨んで開口しており、油路4'a 内のオイルが、ピスト
ン8の環状溝8f、小孔4'd を経て小孔6dから矢印で示す
ように噴出(オイルジェット)し、低速用カム14と低速
用ロッカアーム6のローラベアリング10との摺動面を積
極的に潤滑する。
【0021】また、ばね座16は、ロッカシャフト4'のピ
ストン孔4'b に嵌合されて常時ガイドされている上、ス
プリング17によっても調心されるために、底面即ち、シ
ート面が傾くことなく軸孔6aの内面に圧接する。これに
より安定したスプリング力が得られる。また、ピストン
孔4'b によるピストン8のガイド長さを長くとることが
でき、ピストン8のがたが少なくなり、強度上有利であ
る。
【0022】一方、高速用ロッカアーム4の油路4aにも
低圧の油圧が供給されており、ピストン9は、図7に示
すようにスプリング21のばね力により後退されてピスト
ン孔4b内に引き込まれている。これにより高速用ロッカ
アーム7は、T型ロッカアーム5との結合を解除されて
自由に揺動可能とされている。即ち、高速用ロッカアー
ム7のピストン9は、油圧が低圧のときにスプリング21
のばね力によりロッカシャフト4から当該高速用ロッカ
アーム7を解除する「ノーマルオフ」タイプのピストン
である。
【0023】そして、ローラ11は、ロストモーションア
センブリ(図示せず)により高速用カム15に当接して転
動する。この状態においてピストン9が、小孔4dを塞ぎ
高速カム15とローラベアリング11との間の摺動面へのオ
イルの供給を停止する。また、このときには高速用ロッ
カアーム7には、バルブ2、3を開閉させるための負荷
が働かないためにロッカシャフト4に対して9図に示す
ように公差等に起因して僅かに相対回転し、ピストン孔
4bと7bの中心がずれて小孔7dと小孔4dとの連通が遮断さ
れる。そして、このときには高速用カム15とローラベア
リング11との摺動面は、シリンダヘッド内の雰囲気中に
飛散した油滴で潤滑される。
【0024】エンジンが高速回転域に入ると、ロッカシ
ャフト4の油路4a(2図)に高圧の油圧が供給され、当
該油圧がロッカシャフト4の油室からピストン9の基端
9b側の穴9d(図7)に供給される。これにより図10に
示すようにピストン9がスプリング21のばね力に抗して
ピストン孔4bから押し出され、その先端9aが高速用ロッ
カアーム7のピストン孔7bに嵌入する。そして、高速用
ロッカアーム7がT型ロッカアーム5に結合されて一体
となり、高速用カム15により当該高速用ロッカアーム
7、T型ロッカアーム5を介して吸気バルブ2、3が駆
動される。尚、ピストン9は、ストッパリング22により
ピストン孔7bからの突出が防止される。
【0025】このときロッカシャフト4の油室4c内の作
動油(オイル)が、ピストン9の小径部(ぬすみ部)9
e、小孔4dを経て小孔7dから矢印で示すように噴出(オ
イルジェット)し、高速用カム15とローラベアリング11
との摺動面を積極的に潤滑する。高速用ロッカアーム7
がT型ロッカアーム5に結合された後、ロッカシャフト
4'の油路4'a に高圧の油圧が供給される。この油路4'a
内の油圧は、図3に示すピストン8の環状溝8fから孔8
e、8cを経て当該ピストン8の先端8aと蓋18との間の油
室20に供給される。この油室20内に供給された油圧は、
ピストン8の先端面を押圧して押し下げ、これに伴い更
にピストン孔6b内に圧油が供給されて図5に示すように
スプリング17のばね力に抗してピストン8をピストン孔
4'b 内に押し込む。このピストン孔6bは油室を形成す
る。これにより低速用ロッカアーム6は、ロッカシャフ
ト4'との結合を解除される。
【0026】ピストン8の先端面と蓋18の内面18a との
間に油室20が形成されているために、ピストン8は、前
記ノーマルオンの状態においても穴8cが常に開口された
状態にあり、従って、当該穴8cから吐出された油圧は、
直ちにピストン8の先端面の押圧力として作用する。こ
の結果、ピストン8の応答が迅速となる。また、スプリ
ング17は、一端がピストン8の穴8d内に嵌挿されて底端
面に圧接され、他端がばね座16に外嵌して穴8d内に同心
的に保持されているために、ピストン8がピストン孔4'
b 内に押し込まれて圧縮される際に当該ピストン8の穴
8d内にずれることなく確実に収納される。この結果、図
5に示すようにピストン8の基端8bの端面がスプリング
17を噛み込むことなくばね座16に確実に当接する。従っ
て、ピストン8は、ロッカシャフト4'のピストン孔4'b
内に確実に引き込まれ、ロッカシャフト4から低速用ロ
ッカアーム6を確実に解除することができる。
【0027】この状態においてピストン8 が、小孔4'd
を塞ぎ低速カム14とローラベアリング10との間の摺動面
へのオイルの供給を停止する。また、このときには低速
用ロッカアーム6は、バルブ2、3を開閉させるための
負荷が働かないためにロッカシャフト4'に対して図6に
示すように公差等に起因して僅かに相対回転し、ピスト
ン孔4'b と6bの中心がずれて小孔6dと小孔4'd との連通
が遮断される。そして、このときには低速用カム14とロ
ーラベアリング10との摺動面は、シリンダヘッド内の雰
囲気中に飛散した油滴で潤滑される。
【0028】尚、本実施例においては、図1に示すよう
にロッカアームがローラベアリングを介してカムに当接
するタイプの可変バルブタイミング機構に適用した場合
について説明したが、他の構造例えば、ロッカアームが
カムに滑動するスリッパ式のロッカアームを使用した可
変バルブタイミング機構にも適用し得ることは勿論であ
る。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
径方向にピストン孔が貫設されたロッカシャフトと、基
端の軸孔に前記ロッカシャフトが嵌合されて揺動自在に
軸支され且つ前記ピストン孔と対向してピストン嵌入孔
が穿設され、先端がバルブ駆動用のカムに当接するロッ
カアームと、前記ロッカシャフトのピストン孔に入出可
能に嵌挿され、突出時に先端が前記ロッカアームのピス
トン嵌入孔に嵌合して前記ロッカシャフトと前記ロッカ
アームとを結合し、基端面に軸方向に穴が穿設されたピ
ストンと、前記ロッカシャフトのピストン孔に前記ピス
トンの基端と対向して軸方向に摺動可能に嵌挿されると
共に前記ロッカアームの軸孔の内周面に当接するばね座
と、一端が前記ピストンの穴に嵌挿されてその底面に圧
接し、他端が前記ばね座に圧接して前記ピストンに突出
方向のばね力を付与するスプリングとを備えたことによ
り、前記ピストンが前記スプリングを噛み込むことを防
止され、ロッカシャフトとロッカアームとの結合を確実
に解除することが可能となる。
【0030】また、ロッカシャフトのピストン孔による
ピストンのガイド長さを長くすることができるためにピ
ストンのがたが少なくなり、強度上有利である。更に、
ロッカシャフトのピストン孔を貫通孔とすることにより
加工特に、研磨加工が容易となる。これにより可変バル
ブタイミング機構の加工性、組立性、信頼性等を向上さ
せることができる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可変バルブタイミング機構の一実
施例を示す組立斜視図である。
【図2】図1の矢線II−IIに沿う断面図である。
【図3】図2の矢線III−IIIに沿う断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図3のピストンの解除状態を示す図である。
【図6】図5のロッカシャフトに対してロッカアームが
僅かに相対回転した状態を示す図である。
【図7】図2の矢線VII−VIIに沿う断面図である。
【図8】図7のピストンの斜視図である。
【図9】図7のロッカシャフトに対してロッカアームが
僅かに相対回転した状態を示す図である。
【図10】図7のピストンが結合した状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 可変バルブタイミング機構 2、3 吸気弁 4、4' ロッカシャフト 4a、4'a 油路 4b、4'b 、6b、7b ピストン孔 4c 油室 5 T型ロッカアーム 6 低速用ロッカアーム 7 高速用ロッカアーム 8、9 ピストン 10、11 ローラベアリング 13 カムシャフト 14 低速用カム 15 高速用カム 16 ばね座 17、21 スプリング 18 蓋 20 油室 22 ストッパリング

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径方向にピストン孔が貫設されたロッ
    カシャフトと、 基端の軸孔に前記ロッカシャフトが嵌合されて揺動自在
    に軸支され且つ前記ピストン孔と対向してピストン嵌入
    孔が穿設され、先端がバルブ駆動用のカムに当接するロ
    ッカアームと、 前記ロッカシャフトのピストン孔に入出可能に嵌挿さ
    れ、突出時に先端が前記ロッカアームのピストン嵌入孔
    に嵌合して前記ロッカシャフトと前記ロッカアームとを
    結合し、基端面に軸方向に穴が穿設されたピストンと、 前記ロッカシャフトのピストン孔に前記ピストンの基端
    と対向して軸方向に摺動可能に嵌挿されると共に前記ロ
    ッカアームの軸孔の内周面に当接するばね座と、 一端が前記ピストンの穴に嵌挿されてその底面に圧接
    し、他端が前記ばね座に圧接して前記ピストンに突出方
    向のばね力を付与するスプリングと を備えた ことを特徴
    とする可変バルブタイミング機構。
JP6051574A 1994-03-23 1994-03-23 可変バルブタイミング機構 Expired - Lifetime JP2541499B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6051574A JP2541499B2 (ja) 1994-03-23 1994-03-23 可変バルブタイミング機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6051574A JP2541499B2 (ja) 1994-03-23 1994-03-23 可変バルブタイミング機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06299820A JPH06299820A (ja) 1994-10-25
JP2541499B2 true JP2541499B2 (ja) 1996-10-09

Family

ID=12890728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6051574A Expired - Lifetime JP2541499B2 (ja) 1994-03-23 1994-03-23 可変バルブタイミング機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2541499B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI708900B (zh) 2016-01-20 2020-11-01 奧地利商奧羅科技有限公司 旋轉式滑動軸承、具有旋轉式滑動軸承之裝置、具有旋轉式滑動軸承之裝置的用途及高爾夫球車

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06299820A (ja) 1994-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4864975A (en) Compression ratio-changing device for internal combustion engines
US5603294A (en) Variable valve lift device
US4463714A (en) Hydraulic lifter
JPH01178710A (ja) エンジンのバルブ駆動装置
DE10053776A1 (de) System zum Antreiben und Steuern einer Nocke für einen Verbrennungsmotor
JP2541499B2 (ja) 可変バルブタイミング機構
JP2503934B2 (ja) 可変バルブタイミング機構
US20020092490A1 (en) Valve train for internal combustion engine
JPH06299822A (ja) 可変バルブタイミング機構
JP2991008B2 (ja) チェーンテンショナ装置
JP2986955B2 (ja) エンジンの弁作動装置
JP2541500B2 (ja) 可変バルブタイミング機構
JPH06123209A (ja) エンジンの弁作動装置
JP2541498B2 (ja) 可変バルブタイミング機構におけるロッカア―ムの構造
JPH0472403A (ja) 自動車用弁装置
JPH0989083A (ja) シザーズギアの潤滑構造
JP3200157B2 (ja) エンジンの弁作動装置
JPH075202Y2 (ja) カムシヤフトのスラスト軸受構造
JPH07259521A (ja) 可変バルブタイミング機構
JPH0726927A (ja) 可変バルブタイミング機構
JPH0429044Y2 (ja)
JP4041203B2 (ja) 可逆転オイルポンプ
JP2557920Y2 (ja) エンジンの弁作動装置
JPH06123208A (ja) エンジンの弁作動装置
JPH04127815U (ja) 可変バルブタイミング機構

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960604