JP2002285811A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

内燃機関の動弁装置

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JP2002285811A
JP2002285811A JP2002005905A JP2002005905A JP2002285811A JP 2002285811 A JP2002285811 A JP 2002285811A JP 2002005905 A JP2002005905 A JP 2002005905A JP 2002005905 A JP2002005905 A JP 2002005905A JP 2002285811 A JP2002285811 A JP 2002285811A
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rocker
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JP2002005905A
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Takeya Harada
丈也 原田
Hisayoshi Kobayashi
寿喜 小林
Noriyuki Yamada
範之 山田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の動弁装置において、油圧室とロッ
カ軸の油路とを連通させる連通路が形成されるロッカア
ームの、ロッカ軸に支持される支持部の剛性を高めると
共に、ロッカアームの小型・軽量化を図る。 【解決手段】 内燃機関の動弁装置は、支持部7a,8aに
形成される支持孔7b,8bに挿入されるロッカ軸9と、油
圧室33とロッカ軸9の油路35とを連通する連通路34が形
成された第1ロッカアーム7と、連結ピストン30の位置
により第1,第2ロッカアーム7,8の連動および連動
解除の切換を行う切換機構10とを備える。第1支持壁7e
側での支持孔7bの開口端面7b1は、油圧室33よりもロッ
カ軸9の軸方向Aで突出した位置にあり、直線状の連通
路34は、開口端面7b1に向けて連通路34を延長した仮想
通路39が、開口端面7b1と交差するように支持孔7bに対
して軸方向Aで傾斜し、第1支持壁7eの軸方向Aでの最
外側面7e1は、連通路34に沿って軸方向Aで傾斜する傾
斜領域を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のロッカアー
ムの連動および連動解除を切り換える油圧式の切換機構
を備えた内燃機関の動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の内燃機関の動弁装置とし
て、特開平11−13443号公報に開示されたものが
知られている。この動弁装置は、図4および図5に図示
されるように、多気筒内燃機関の気筒毎に設けられた1
対の吸気弁a1,a2に連動、連結される第1,第2駆動
ロッカアームb1,b2と、両吸気弁a1,a2に対して自
由となり得る自由ロッカアームb3と、各ロッカアーム
1〜b3を揺動可能に支持するロッカシャフトcと、そ
れらロッカアームb1〜b3の連動および連動解除を切換
可能な油圧式の連動切換手段dとを備える。各駆動ロッ
カアームb1,b2は、その先端部に螺合されて吸気弁a
1,a2に当接するタペットねじe1,e2とロッカシャフ
トcとの間にローラf1〜f3が配置される開口部g1
3を有し、カムシャフトpのカムに転がり接触する該
ローラf1〜f3は、開口部g1〜g3の、ロッカシャフト
cの軸線方向で相互に対向する第1,第2支持壁部h1
〜h6に支持される円筒状の支軸k1〜k3に回転自在に
支持される。そして、第1駆動ロッカアームb1には、
円筒状の支軸k1に摺動可能に嵌合されるタイミングピ
ストンmとの間に油圧室nが画成され、さらに、その第
1支持壁h1には、一端が油圧室nに通じてロッカシャ
フトcに設けられた油路rと油圧室nとを連通する連通
路sが設けられる。そして、この連通路sの他端は、第
1駆動ロッカアームb 1の、ロッカシャフトcが挿入さ
れる支持孔tを挟んで、第1駆動ロッカアームb1の側
部に開口して貫通孔s0を形成している。また、タペッ
トねじe1,e2は、ロッカシャフトcの径方向において
ローラf1,f2よりも外方の外側壁w1,w2および第
1,第2支持壁部h1,h2,h3,h4の先端部側を含
む、各駆動ロッカアームb1,b2の先端部に位置する壁
のほぼ全体で支持される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
動弁装置では、第1駆動ロッカアームb1において、ロ
ッカシャフトcが挿入される支持孔tが形成される支持
部uには、油圧室nに至る連通路sのほかに、連通路s
の他端が貫通孔s0として残るため、支持部uの剛性が
低下する難点があった。また、前記従来の動弁装置のよ
うに、ローラf1,f2の軸線方向での幅があまり広くな
いものでは、各タペットねじe1,e2は、各駆動ロッカ
アームb1,b2の先端部の壁のほぼ全体で支持されるた
め、その支持剛性は十分なものとなるが、ローラの軸線
方向での幅が広いものの場合は、タペットねじをロッカ
アームの先端部の壁のほぼ全体で支持するようにしたの
では、ロッカアームの重量が増加して慣性重量が増加す
るする問題があり、またタペットねじを外側壁のみで支
持するものでは、ロッカアームの軽量化はできるもの
の、タペットねじの支持剛性に対する支持壁の寄与する
度合いが小さくなって、高い支持剛性を得るのが困難で
あった。
【0004】さらに、ロッカアームb1〜b3のように、
ロッカアームがローラを有するローラ式ロッカアームで
ある場合、回転するカムから作用する力がローラf1
fを介して伝達される支軸k1〜k3を支持する支持壁部
1〜h6の、支持孔tの軸方向での形成範囲に含まれる
支持部tの部分では剛性が高くされることが好ましい。
しかしながら、前記従来の動弁装置では、第1支持壁h
1に設けられる連通路sは、前記軸方向で支軸k1と重な
る位置にあるため、支軸k1を支持する第1支持壁部h1
および前記軸方向での第1支持壁部h1の形成範囲に含
まれる支持部tの部分の剛性を低下させていた。一方、
支持壁部h1〜h6に比べて高い剛性が必要とされない開
口部g1〜g3の前記軸方向での形成範囲に含まれる支持
孔tの部分では、軽量化を優先することにより、ローラ
式ロッカアームの軽量化を図ることが好ましい。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、請求項1ないし請求項6記載の発明は、
内燃機関の動弁装置において、油圧室とロッカ軸の油路
とを連通する連通路が形成されるロッカアームの、ロッ
カ軸に支持される支持部の剛性を高めると共に、ロッカ
アームの小型・軽量化を図ることを共通の目的とする。
そして、請求項2および請求項3記載の発明は、さら
に、ローラ式ロッカアームの、機関弁との当接部の支持
剛性を高めることを目的とし、請求項4記載の発明は、
さらに、油圧室とロッカ軸の油路とを連通する連通路が
形成されるローラ式ロッカアームの剛性を高めることを
目的とし、請求項5記載の発明は、さらに、ローラ式ロ
ッカアームを軽量化することを目的とし、請求項6記載
の発明は、さらに、ローラ式ロッカアームの剛性を高め
ると共に該ロッカアームを軽量化することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1記載の発明は、カムにより揺動されて機関弁を開閉作
動させる複数のロッカアームと、前記各ロッカアームの
支持部に形成される支持孔に挿入されて前記各ロッカア
ームを揺動自在に支持するロッカ軸と、前記複数のロッ
カアームのうちの特定ロッカアームに形成される油圧室
と、前記支持孔の軸方向での前記特定ロッカアームの一
側部に形成されて前記ロッカ軸に形成される作動油の油
路と前記油圧室とを連通する連通路と、前記油圧室の作
動油の油圧により変位される連結ピストンを有し、該連
結ピストンの位置により前記複数のロッカアームの連動
および連動解除の切換を行う切換機構とを備える内燃機
関の動弁装置において、前記一側部側での前記支持孔の
開口端面は、前記油圧室よりも前記軸方向で突出した位
置にあり、直線状の前記連通路は、前記開口端面に向け
て前記連通路を延長した仮想通路が、前記開口端面と交
差するように前記支持孔に対して前記軸方向で傾斜し、
前記一側部の前記軸方向での最外側面は、前記連通路に
沿って前記軸方向で傾斜する傾斜領域を有する内燃機関
の動弁装置である。
【0007】この請求項1記載の発明によれば、複数の
ロッカアームのうちの特定ロッカアームの一側部に形成
される直線状の連通路は、その仮想通路が、支持孔にお
ける一側部側での開口端面と交差するように軸方向で傾
斜しているため、連通路を例えばドリル等を使用して機
械加工により形成する場合にも、前記従来技術とは異な
り、支持孔を挟んで連通路と対向する貫通孔が支持部に
形成されないので、支持部の剛性が向上して、内燃機関
の高速回転域においても、特定ロッカアームの安定した
揺動運動が可能となる。しかも、支持部に形成される支
持孔の開口端面は、軸方向で油圧室よりも突出した位置
にあるため、連通路は支持部側から油圧室側に向かっ
て、軸方向で後退する向きに傾斜して延び、一側部の最
外側面も連通路に沿うように傾斜して後退するため、そ
の分、特定ロッカアームが小型化され、同時に軽量化さ
れる。さらに、一側部において、特定ロッカアームの油
圧室が位置する部分の最外側面の軸方向での外方には、
該最外側面が連通路に沿って後退した分に対応したスペ
ースが形成されるので、そのスペースを利用して例えば
動弁装置の構成部品を配置することが可能となって、ロ
ッカアームおよびその部品をコンパクトに配置できると
いった効果も期待できる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の内
燃機関の動弁装置において、前記複数のロッカアームの
少なくとも1つは、前記カムに転がり接触するローラが
配置される開口部を形成する第1支持壁、第2支持壁お
よび外側壁を有すると共に、該第1および第2支持壁が
それぞれ該外側壁と連なる2つの隅部を有するローラ式
ロッカアームであり、前記軸方向で対向して配置される
前記第1および第2支持壁は、前記ローラを回転自在に
支持する支持軸の両端部をそれぞれ保持し、前記外側壁
は、前記ローラに対して前記支持孔の径方向で外方に位
置し、前記両隅部のいずれか一方の隅部に前記機関弁と
当接する当接部が支持されるものである。
【0009】この請求項2記載の発明によれば、請求項
1記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。す
なわち、ローラ式ロッカアームにおいて、機関弁との当
接部が、剛性が高い第1支持壁が外側壁と連なることか
ら、開口部を形成する外側壁単独での当接部の支持剛性
よりも高い支持剛性を有する隅部により支持されるの
で、当接部の支持剛性を高めるための大型化や重量増を
回避できる。そして、この効果は、軸方向での幅が広い
ローラを使用する場合にさらに著しい。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載の内
燃機関の動弁装置において、前記特定ロッカアームは前
記ローラ式ロッカアームであり、前記一側部は前記第1
支持壁を含み、該第1支持壁に前記連通路が形成され、
該第1支持壁の前記軸方向での幅は前記第2支持壁の幅
よりも広く、該第1支持壁が前記外側壁と連なる前記隅
部に前記当接部が支持されるものである。
【0011】この請求項3記載の発明によれば、請求項
2記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。す
なわち、当接部が支持される隅部は、連通路が設けられ
るために第2支持壁に比べて軸方向での幅が広い第1支
持壁が外側壁と連なる部分であるので、該隅部の剛性は
一層高くなって当接部の支持剛性も高くなり、高速回転
域において機関弁のより安定した開閉作動が可能とな
る。また、軸方向で、ローラに対して当接部が設けられ
るのと同じ側で、支持部が突出することになるため、カ
ムからローラに作用する力および当接部に作用する力に
より発生する捩りモーメントによる支持部のロッカ軸に
対する押圧力を低減できて、この点でも機関弁の開閉作
動が安定する。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項2記載の内
燃機関の動弁装置において、前記特定ロッカアームは前
記ローラ式ロッカアームであり、前記一側部は前記第1
支持壁を含み、該第1支持壁に前記連通路が形成され、
前記支持孔を形成する壁面は、前記連通路と前記開口部
との前記軸方向での間で、前記径方向で内方に突出し
て、周方向に延びる円環状の突条となっており、かつ前
記連通路の前記支持孔への開口端面の形成範囲で、前記
突条よりも前記径方向で外方に後退した溝となっている
ものである。
【0013】この請求項4記載の発明によれば、請求項
2記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。す
なわち、支持部の支持孔を形成する壁面は、特定ロッカ
アームの第1支持壁に形成される連通路とローラが配置
される開口部との軸方向での間で、前記径方向で内方に
突出して、周方向に延びる円環状の突条となっているの
で、回転するカムから作用する力がローラを介して伝達
される支持軸を保持する第1支持壁側で連通路と開口部
との軸方向での間の支持部の剛性が高められ、ひいては
第1支持壁の剛性が高められる。さらに、支持孔の壁面
は、連通路の支持孔への開口端面の形成範囲で、突条よ
りも径方向で外方に後退した溝となっているので、連通
路を機械加工等により加工する場合には、その溝となっ
ている分、加工長さが短くなって、連通路の加工が容易
になる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項2記載の内
燃機関の動弁装置において、前記支持孔を形成する壁面
は、前記軸方向での前記開口部の形成範囲内で、前記径
方向で外方に後退して、周方向に延びる円環状の溝とな
っているものである。
【0015】この請求項5記載の発明によれば、請求項
2記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。す
なわち、支持部の支持孔を形成する壁面は、軸方向での
開口部の形成範囲内で、径方向で外方に後退して、周方
向に延びる円環状の溝となっているので、回転するカム
から作用する力がローラを介して伝達される支持軸を保
持する第1,第2支持壁の形成範囲に含まれる支持部の
部分に比べて高い剛性が必要とされない開口部の軸方向
での形成範囲内の支持部の部分に形成される円環状の溝
により、ロッカアームが軽量化される。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項2記載の内
燃機関の動弁装置において、前記軸方向での前記第1お
よび第2支持壁の形成範囲に含まれる前記支持孔は、前
記軸方向での前記開口部の形成範囲に含まれる前記支持
孔の径よりも小さい径を有するものである。
【0017】この請求項6記載の発明によれば、請求項
2記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。す
なわち、軸方向での第1,第2支持壁の形成範囲に含ま
れる支持孔は、軸方向での開口部の形成範囲に含まれる
支持孔の径よりも小さい径を有するので、回転するカム
から作用する力がローラを介して伝達される支持軸を保
持する第1,第2支持壁の軸方向での形成範囲に含まれ
る支持孔の部分が小径とされることにより、ロッカアー
ムの剛性が高められ、第1,第2支持壁に比べて高い剛
性が必要とされない開口部の軸方向での形成範囲に含ま
れる支持孔の部分が大径とされることにより、ロッカア
ームが軽量化される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図1ない
し図3を参照して説明する。図1および図2は本発明の
第1実施例を示し、この第1実施例において、内燃機関
は、車両に搭載されるDOHC型の4サイクル内燃機関
であり、ピストンが往復動自在に嵌合されるシリンダブ
ロックに結合されるシリンダヘッドには、吸気ポートお
よび排気ポートが設けられる。そして、内燃機関の1つ
の気筒について、吸気ポートの燃焼室側の1対の吸気口
をそれぞれ開閉する1対の機関弁である吸気弁1および
排気ポートの燃焼室側の1対の排気口をそれぞれ開閉す
る1対の機関弁である排気弁(図示されず)が設けら
れ、これら吸気弁1は、吸気カム軸6を含む吸気側動弁
装置V1により開閉作動され、前記排気弁は、排気カム軸
を含む排気側動弁装置により開閉作動される。
【0019】以下、図1および図2を参照して、1つの
気筒に対応する吸気側動弁装置V1について詳細に説明す
る。各吸気弁1の弁ステム2は、シリンダヘッドに圧入
された弁スリーブ3に摺動自在に嵌合し、弁ステム2に
結合されたリテーナ4とシリンダヘッドとの間に設けら
れた弁ばね5のばね力により、吸気弁1が前記吸気口を
閉じるように付勢される。
【0020】吸気側動弁装置V1は、前記ピストンにより
回転駆動されるクランク軸の動力がタイミングベルト等
の伝動機構を介して伝達されて該クランク軸の1/2の
回転速度で回転駆動される吸気カム軸6と、1対の吸気
弁1をそれぞれ開閉作動させる第1,第2ロッカアーム
7,8と、吸気カム軸6の回転軸線と平行な軸線を有し
てシリンダヘッドに固定されて両ロッカアーム7,8を
揺動自在に支持するロッカ軸9と、両ロッカアーム7,
8の連動および連動解除の切換を行う切換機構10とを備
える。
【0021】吸気カム軸6には、第1ロッカアーム7に
対応する第1カム11と第2ロッカアーム8に対応する第
2カム12とが、吸気カム軸6と共に回転するように形成
される。第1カム11は、対応する吸気弁1を所定の開弁
時期および所定のリフト量で開閉作動させるプロフィル
を有するものであり、吸気カム軸6の回転軸線を中心と
する円弧状のベース円部と、ベース円部から半径方向外
方に突出するノーズ部とを有し、第2カム12は、第1カ
ム11のベース円部と同一半径で、吸気カム軸6の回転軸
線を中心とする円形のプロフィルを有するか、または吸
気カム軸6の回転軸線を中心とする円弧状のベース円部
と、対応する吸気弁1を実質的に休止状態にするが、該
吸気弁1を僅かに開弁させる隆起部とからなるプロフィ
ルを有する。
【0022】ロッカ軸9が挿入される支持孔7b,8bが形
成される支持部7a,8aを有する第1,第2ロッカアーム
7,8は、該支持部7a,8aにてロッカ軸9に揺動自在に
支持され、さらに支持孔7b,8bの軸線Lと一致する軸線
を有するロッカ軸9に対して、軸方向(図中、符号Aで
示される方向であり、支持孔7b,8bの軸線Lが延びる方
向を意味し、以下、単に「軸方向A」という)で隣接し
て配置される。さらに、第1,第2ロッカアーム7,8
は、支持孔7b,8bの径方向((図中、符号Rで示される
方向であり、支持孔7b,8bの軸線Lから放射方向に延び
る方向を意味し、以下、単に「径方向R」という)での
外方である先端部7c,8cから突出した取付部7d,8dに、
進退位置が調整できるように螺合されて、弁ステム2の
先端面2aに当接し、両ロッカアーム7,8における吸気
弁1との当接部となるタペットねじ13,14をそれぞれ有
する。
【0023】ローラ式のロッカアームである第1ロッカ
アーム7には、支持孔7bとタペットねじ13との間に、第
1カム11に転がり接触する円筒状のローラ15が配置され
てその一部が収容される開口部17が設けられる。開口部
17は、軸方向Aにおいて対向する壁である第1支持壁7e
および第2支持壁7fと、径方向Rにおいて対向する壁で
あって、支持部7aの一部を形成する内側壁7a1および外
側壁7gとで囲まれる。第1支持壁7eには、第2支持壁7f
に向かって開放し、かつ底部7h1を有すると共に軸方向
Aの軸線を有する円柱状の第1嵌合孔7hが形成され、第
2ロッカアーム8寄りの第2支持壁7fには、第2支持壁
7fを貫通し、かつ軸方向Aの軸線を有する円柱状の第2
嵌合孔7kが形成されて、第1,第2嵌合孔7h,7kに円筒
状の支持軸19が嵌合される。そして、この支持軸19に、
その外周に配置された多数のニードル21を介して、後述
するローラ16よりも軸方向Aでの幅が広いローラ15が回
転自在に支持される。なお、23は、第2支持壁7fにおい
て支持軸19の軸方向Aでの移動を規制する止め輪であ
る。
【0024】軸方向Aでの第1支持壁7e側で、第1ロッ
カアーム7の支持部7aは、先端部7cよりも軸方向Aで突
出する突出部分7pを有し、その分、軸方向Aで広い範囲
に渡ってロッカ軸9に嵌合して支持される。そして、支
持孔7bの、軸方向Aと直交する平面上に位置する両開口
端面7b1,7b2のうち、第1支持壁7e側での開口端面7b1
は、先端部7cの軸方向Aでの最外側面7mよりも軸方向A
に突出した位置にある。他方、軸方向Aでの第2支持壁
7f側で、支持部7aの端部、すなわち支持孔7bの開口端面
7b2は、先端部7cの、軸方向Aと直交する平面上にある
最外側面7nとほぼ同じ位置にある。
【0025】また、両タペットねじ13,14の間隔は1対
の吸気弁1相互の軸方向Aでの間隔に依存するが、タペ
ットねじ13を支持する取付部7dは、第1,第2支持壁7
e,7fが外側壁7gと連なる部分に相当する第1ロッカア
ーム7における第1,第2支持壁7e,7f側の両隅部7r,
7sのうち、ローラ15における軸方向Aでの中央位置か
ら、軸方向Aで第1支持壁7e側に偏倚した位置にある第
1支持壁7e側の隅部7rにより支持される。したがって、
先端部7cは、外側壁7gと両隅部7r,7sにより構成され
る。
【0026】ローラ式のロッカアームである第2ロッカ
アーム8には、支持孔8bとタペットねじ14との間に、第
2カム12に転がり接触する円筒状のローラ16が配置され
てその一部が収容される開口部18が設けられる。開口部
18は、軸方向Aにおいて対向する壁である第1支持壁8e
および第2支持壁8fと、径方向Rにおいて対向する壁で
あって、支持部8aの一部を形成する内側壁8a1および外
側壁8gとで囲まれる。第1ロッカアーム7寄りの第1支
持壁8eには、第1支持壁8eを貫通し、かつ軸方向Aの軸
線を有する円柱状の第1嵌合孔8hが形成されて、第2支
持壁8fには、第1支持壁8eに向かって開放し、かつ底部
8k1を有すると共に軸方向Aの軸線を有する円柱状の第
2嵌合孔8kが形成され、第1,第2嵌合孔8h,8kに円筒
状の支持軸20が嵌合される。そして、この支持軸20に、
その外周に配置された多数のニードル22を介してローラ
16が回転自在に支持される。なお、24は、第1支持壁に
おいて支持軸20の軸方向Aでの移動を規制する止め輪で
ある。
【0027】そして、軸方向Aでの第1支持壁8e側で、
第1ロッカアーム7の支持部7aの端部と接触する第2ロ
ッカアーム8の支持部8aの端部、すなわち支持孔8bの開
口端面8b1は、第2ロッカアーム8の先端部8cの、軸方
向Aと直交する平面上にある最外側面8mとほぼ同じ位置
にあり、他方、軸方向Aでの第2支持壁8f側で、支持部
8aの端部、すなわち支持孔8bの開口端面8b2は、先端部8
cの、軸方向Aと直交する平面上にある最外側面8nより
も軸方向Aでやや突出した位置にある。
【0028】また、タペットねじ14を支持する取付部8d
は、第1,第2支持壁8e,8fが外側壁8gと連なる部分に
相当する第2ロッカアーム8における第1,第2支持壁
8e,8f側の両隅部8r,8sのうち、ローラ16における軸方
向Aでの中央位置から、軸方向Aで第2支持壁8f側に偏
倚した位置にある第2支持壁8f側の隅部8sにより支持さ
れる。したがって、先端部8cは、外側壁8gと両隅部8r,
8sにより構成される。
【0029】切換機構10は、第1,第2ロッカアーム
7,8の連動および連動解除の切換を行う円柱状の連結
ピストン30と、連結ピストン30に当接する底部を有する
円筒状の規制部材31と、規制部材31を連結ピストン30に
当接するように付勢する圧縮コイルばねからなる戻しば
ね32とを備える。
【0030】連結ピストン30は、支持軸19の内側にその
軸方向に摺動自在に嵌合され、第1ロッカアーム7の第
1嵌合孔7hの底部7h1との間に油圧室33を形成する。さ
らに、連結ピストン30の一部は、第1,第2ロッカアー
ム7,8の連動時には、支持軸20の内側にも摺動自在に
嵌合する。一方、規制部材31は、支持軸20の内側に摺動
自在に嵌合され、中心部に貫通孔31bを有する底部31a
が、連結ピストン30の端面に当接する。戻しばね32は、
規制部材31の底部31aと第2嵌合孔8kの底部8k1との間に
設けられる。また、底部8k1には、通気用および潤滑油
の侵入および排出用の貫通孔8k2が形成される。それゆ
え、第1ロッカアーム7は、両ロッカアーム7,8のう
ちの特定ロッカアームとなっている。
【0031】油圧室33は、第1支持壁7eに形成される、
例えば円形の横断面形状を有する真っ直ぐな、すなわち
直線状の連通路34を介して、ロッカ軸9の内部に形成さ
れた油路35と連通する。油路35には、図示されない制御
弁により内燃機関の機関回転速度に応じて制御される油
圧の作動油が供給される。なお、36は、第1ロッカアー
ム7の揺動状態に拘わらず、油路35と連通路34とを常時
連通させるための連通孔である。
【0032】連通路34は、該連通路34の支持孔7bへの開
口端面34aから開口端面7b1に向けて連通路34を延長した
仮想通路39が、第1ロッカアーム7の、軸方向Aでの一
側部側である第1支持壁7e側での開口端面7b1と、該開
口端面7b1の範囲内に収まる状態で交差するように、支
持孔7bに対して軸方向Aで傾斜する。また、連通路34
は、連結ピストン30の、油圧室33を形成する端面である
油圧の作用面30aに対して、そのほぼ全面に対応する油
圧室33側の開口端面34bを有する。
【0033】そして、連通路34を形成する通路壁37の外
面でもある第1支持壁7eの軸方向Aでの最外側面7e1
は、油圧室33の径方向Rでの最外端に対応する部分か
ら、突出部分7pに位置する開口端面34aに向かって支持
部7aまでの全領域に渡って、連通路34に沿って、支持孔
7bに対して軸方向Aで傾斜して延びる傾斜領域となって
いる。したがって、開口端面7b1を含み、かつ軸方向A
と直交する平面とほぼ同じ位置に最外側面(図2におい
て、一点鎖線で示されている)がある場合に比べると、
該平面と最外側面7e1との間には、スペースSが形成さ
れることになる。ここで、連通路34に沿って傾斜すると
は、スペースSが形成されることを前提に、図2に図示
されるように連通路34の中心軸線Cに対して平行に傾斜
する場合のほかに、中心軸線Cに対して非平行な状態で
傾斜する場合、または軸方向Aに対して中心軸線Cとは
異なる傾斜角で傾斜する場合も含む。
【0034】また、第2ロッカアーム8よりも軸方向A
での幅が広い第1ロッカアーム7に形成される支持孔7b
は径が異なる孔から構成される。具体的には、軸方向A
での第1,第2支持壁7e,7fの形成範囲に含まれる支持
孔7bの部分において、第1支持壁7e側では、支持軸19が
嵌合される第1嵌合孔7h内に位置する油圧室33に連通す
る連通路34の開口端面34aと開口部17との軸方向Aでの
間のほぼ全範囲、および第2支持壁7f側では、開口部17
と支持孔7bの開口端面7b2との軸方向Aでの間のほぼ全
範囲においては、支持孔7bを形成する壁面7wが、径方向
Rで内方に突出して、円環状の突条7w1となっていて、
支持孔7bの小径部を形成する。そして、少なくとも支持
軸19が、軸方向Aで、第1支持壁7eの第1嵌合孔7hおよ
び第2支持壁7fの第2嵌合孔7kに嵌合する嵌合範囲のほ
ぼ全範囲で、壁面7wは突条7w1となっている。特に、第
1支持壁7eにおける前記嵌合範囲は、連通路34の油圧室
33側の開口端面34bと開口部17との軸方向Aでの間に存
し、軸方向Aで支持軸19とは重ならない連通路34と開口
部17との軸方向Aでの間と一致する。
【0035】一方、第1支持壁7e側での支持部7aにおけ
る軸方向Aでの開口端面34aの形成範囲のほぼ全範囲、
および軸方向Aでの開口部17の形成範囲のほぼ全範囲で
は、前記小径部に対して壁面7wが、突条7w1から径方向
Rで外方に所定距離だけ後退して、円環状の溝7w2とな
っていて、支持孔7bの大径部を形成する。それゆえ、軸
方向Aでの第1,第2支持壁7e,7fの前記形成範囲に含
まれる支持孔7bの一部は、軸方向Aでの開口部17の前記
形成範囲に含まれる支持孔7bの径よりも小さい径を有す
る。
【0036】そして、第1ロッカアーム7は突条7w1で
ロッカ軸9に摺接する。また、溝7w2により第1ロッカ
アーム7とロッカ軸9との間に形成される円環状の間隙
には、吸気側動弁装置V1および排気側動弁装置が収納さ
れる動弁室内の潤滑油および連通孔36からの作動油でも
ある潤滑油が、第1ロッカアーム7とロッカ軸9との間
から侵入して貯留される。特に、連通孔36は、軸方向A
での開口端面34aの形成範囲に設けられる溝7w2に対向し
て開口しているため、該溝7w2には潤滑油が貯留され易
く、その貯留された潤滑油が第1ロッカアーム7とロッ
カ軸9との間に侵入し易くなっている。
【0037】ここで、吸気側動弁装置V1の切換機構10の
動作を説明すると、内燃機関の低速回転域では、前記制
御弁により低圧に制御された作動油が、連通路34を通っ
て油圧室33に存するため、油圧室33は低油圧状態にあ
り、図2に図示されるように、連結ピストン30と規制部
材31との当接面は第1,第2ロッカアーム7,8の間に
ある。そのため、第1,第2ロッカアーム7,8は連動
解除の状態にあって、両ロッカアーム7,8は相互に独
立して揺動可能であり、第1ロッカアーム7は、対応す
る吸気弁1を第1カム11により規定される開閉時期およ
びリフト量で開閉作動させ、第2ロッカアーム8は、対
応する吸気弁1を閉弁状態または実質的に閉弁状態とな
るようにする。
【0038】また、内燃機関の高速回転域では、前記制
御弁により高圧に制御された作動油が、連通路34を介し
て油圧室33に存するため、油圧室33は高油圧状態にあ
り、連結ピストン30の作用面30aに作用する高油圧によ
り、連結ピストン30は、戻しばね32のばね力に抗して規
制部材31を押圧しながら第2ロッカアーム8に向かって
変位し、支持軸19および支持軸20に嵌合する位置を占め
る。そのため、第1,第2ロッカアーム7,8は一体的
に連結されて連動する状態にあり、両ロッカアーム7,
8は、それぞれ両吸気弁1を、第1カム11により規定さ
れる開閉時期およびリフト量で開閉作動させる。
【0039】その後、内燃機関が高速回転域での運転か
ら低速回転域での運転に移行すると、前記制御弁による
油圧制御で、油圧室33が低油圧状態になり、連結ピスト
ン30は、戻しばね32のばね力により支持軸19内に押し戻
されて、図2に図示される位置を占める。
【0040】次に、前述のように構成された第1実施例
の作用および効果について説明する。第1ロッカアーム
7の一側部にある第1支持壁7eに形成される直線状の連
通路34は、その仮想通路39が、支持孔7bにおける第1支
持壁7e側での開口端面7b1と交差するように傾斜してい
るので、連通路34を、例えばドリル等を使用して機械加
工により形成する場合にも、前記従来技術とは異なり、
支持孔7bを挟んで連通路34と対向する貫通孔が支持部7a
に形成されないので、支持部7aの剛性が向上して、内燃
機関の高速回転域においても、第1ロッカアーム7の安
定した揺動運動が可能となる。しかも、支持部7aに形成
される支持孔7bの開口端面7b1は、軸方向Aで油圧室33
よりも突出した位置にあるため、連通路34は支持部7a側
から油圧室33側に向かって、軸方向Aで後退する向きに
傾斜して延び、第1支持壁7eの最外側面7e1も連通路34
に沿うように傾斜して後退するため、その分、第1ロッ
カアーム7が小型化され、同時に軽量化される。さら
に、第1支持壁7eの、油圧室33が位置する部分の、最外
側面7e1の軸方向Aでの外方には連通路34が後退した分
に対応したスペースSが形成されるので、そのスペース
Sを利用して、例えば動弁装置の構成部品を配置するこ
とが可能となって、第1ロッカアーム7およびその部品
をコンパクトに配置できるといった効果も期待できる。
【0041】気筒毎に、切換機構10を有すると共に、1
対の吸気弁1をそれぞれ開閉作動させる複数のロッカア
ームとして、第1,第2ロッカアーム7,8を備える吸
気側動弁装置V1において、両吸気弁1の弁ステム2の先
端面2aの間隔に基づいて設定されるタペットねじ13,14
は、剛性の高い第1支持壁7eが外側壁7gと連なることか
ら、開口部17を形成する外側壁7g単独でのタペットねじ
の支持剛性よりも高い支持剛性を有する隅部7rに支持さ
れるので、軸方向での幅が広いローラ15が使用されてい
るにも拘わらず、高い支持剛性が得られて、タペットね
じ13の支持剛性を高めるための大型化や重量増を防止で
きる。
【0042】タペットねじ13が支持される隅部7rは、連
通路34が設けられるために、第2支持壁7fに比べて軸方
向Aでの幅が広い第1支持壁7eが外側壁7gと連なる部分
であるので、隅部7rの剛性は一層高くなり、高速回転域
において吸気弁1のより安定した開閉作動が可能とな
る。また、ローラ15に対してタペットねじ13が設けられ
るのと同じ側で、支持部7aは突出部分7pを有するため、
第1カム11からローラ15に作用する力およびタペットね
じ13に作用する力により発生する捩りモーメントによる
支持部7aのロッカ軸9に対する押圧力を低減できて、こ
の点でも吸気弁1の開閉作動が安定する。
【0043】連通路34は直線状であると共に、連通路34
の油圧室33側の開口端面34bは、連結ピストン30の作用
面30aの全面に対応するので、油圧が連結ピストン30の
外周面に、連結ピストン30の径方向から作用して、ピス
トンを支持軸19の内周面に押し付けることがないので、
連結ピストン30と支持軸19との間の摺動抵抗が低減し
て、油圧室33の油圧の変化に応じた連結ピストン30の変
位の応答性が向上し、切換機構10の切換作動が円滑にな
る。
【0044】第1ロッカアーム7の第1支持壁7e側での
支持部7aでは、油圧室33に連通する連通路34の開口端面
34aと開口部17との軸方向Aでの間のほぼ全範囲、およ
び第2支持壁7f側の支持部7aでは、開口部17と支持孔7b
の開口端面7b2との軸方向Aでの間のほぼ全範囲であっ
て、少なくとも前記嵌合範囲のほぼ全範囲においては、
支持孔7bを形成する壁面7wが、円環状の突条7w1となっ
ていて、支持孔7bの小径部を形成するので、回転する第
1カム11から作用する力がローラ15を介して伝達される
支持軸19を保持する第1,第2支持壁7e,7fの軸方向A
での前記形成範囲に含まれる支持部7aの剛性が高めら
れ、ひいては該支持部7aに連なる第1,第2支持壁7e,
7fの剛性が高められる。特に、連通路34が形成される第
1支持壁7eにおいては、軸方向Aで、連通路34が支持軸
19または前記嵌合範囲と重ならないことにより、第1支
持壁7eの、支持軸19を保持するための剛性が高められる
うえ、第1支持壁7e側の支持部7aでは、連通路34が支持
部7a側から油圧室33側に向かって軸方向Aで後退する向
きに傾斜して延びることにより、軸方向Aで支持軸19と
重ならない連通路34の開口端面34aと開口部17との軸方
向Aでの間の支持部7aの部分には、前記嵌合範囲よりも
軸方向Aでより広い範囲に渡って突条7w1が形成される
ので、開口端面34aと開口部17との軸方向Aでの間の支
持部7aの剛性が高められ、ひいては該支持部7aと連なる
第1支持壁7eの剛性が高められる。さらに、支持孔7bの
壁面7wに溝7w1が形成された後に、前述のように連通路3
4が、例えばドリル等を使用して機械加工により形成さ
れる場合には、溝7w2となっている分、すなわち前記所
定距離に対応する分、加工長さが短くなって、連通路34
の加工が容易になる。
【0045】また、第1ロッカアーム7の支持孔7aを形
成する壁面7wは、軸方向Aでの開口部17の前記形成範囲
内で、周方向に延びる円環状の溝7w2となっていて、支
持孔7bの前記大径部を形成するので、第1カム11から作
用する力がローラ15を介して伝達される支持軸19を保持
する第1,第2支持壁7e,7fの前記形成範囲に含まれる
支持部7aの部分に比べて高い剛性が必要とされない開口
部17の軸方向Aでの前記形成範囲内の支持部7aの部分に
形成される溝7w2により、第1ロッカアーム7が軽量化
される。
【0046】そして、前記大径部においてロッカ軸9と
の間に形成される間隙に潤滑油が貯留されること、およ
びその貯留された潤滑油が第1ロッカアーム7とロッカ
軸9との摺動部に供給されることで、第1ロッカアーム
7とロッカ軸9との間の潤滑が良好となって、軸方向A
に幅が比較的広い第1ロッカアーム7の円滑な揺動運動
が確保される。特に、連通孔36は、軸方向Aでの開口端
面34aの形成範囲に設けられる溝7w2に対向して開口して
いるので、その溝7w2には潤滑油が貯留され易く、その
貯留された潤滑油が第1ロッカアーム7とロッカ軸9と
の間に侵入して、前記摺動部に十分な潤滑油を供給する
ことができる。
【0047】次に、図3を参照して、本発明の第2実施
例を説明する。この第2実施例において、内燃機関は、
シリンダヘッドに1本のカム軸40により吸気ロッカアー
ムおよび排気ロッカアームを揺動させるSOHC型の内
燃機関である。なお、第1実施例の部材と同一の部材ま
たは対応する部材については、同一の符号を使用した。
【0048】内燃機関のシリンダヘッドには、第1実施
例と同様に、1気筒について、1対の機関弁である吸気
弁(図示されず)および1対の機関弁である排気弁(図
示されず)が設けられ、前記吸気弁は、カム軸40を含む
吸気側動弁装置V2により開閉作動され、前記排気弁は、
カム軸40を含む排気側動弁装置V3により開閉作動され
る。
【0049】吸気側動弁装置V2は、カム軸40と、前記1
対の吸気弁をそれぞれ開閉作動させる第1,第2吸気ロ
ッカアーム41,42と、シリンダヘッドに固定されて両吸
気ロッカアーム41,42を揺動自在に支持する吸気ロッカ
軸43と、両吸気ロッカアーム41,42の連動および連動解
除の切換を行う切換機構10とを備える。そして、吸気ロ
ッカ軸43、切換機構10、油圧室33、連通路34の構造は、
第1実施例と同様である。また、排気側動弁装置V3は、
カム軸40と、前記1対の排気弁をそれぞれ開閉作動させ
る第1,第2排気ロッカアーム44,45と、シリンダヘッ
ドに固定されて両排気ロッカアーム44,45を揺動自在に
支持する排気ロッカ軸46とを備える。ここで、両ロッカ
軸43,46は、カム軸40の回転軸線と平行な軸線を有する
と共に、カム軸40に対して、燃焼室が位置する側とは反
対側に配置される。
【0050】カム軸40には、第1実施例の第1,第2カ
ム11,12に対応する第1,第2吸気カム11,12が設けら
れ、両吸気カム11,12を挟んで、軸方向Aでの両側に、
第1,第2排気ロッカアーム44,45に対応する1対の排
気カム47,48が形成される。第1,第2排気カム47,48
は、前記1対の排気弁を所定の開弁時期および所定のリ
フト量で開閉作動させる同一のプロフィルを有する。
【0051】第1,第2吸気ロッカアーム41,42は、支
持孔41b,42bが形成される支持部41a,42aを挟んで、ロ
ーラ15,16が配置される側とは反対側にある先端部41
t,42tに、前記吸気弁との当接部となるタペットねじ4
9,50を有する点、そして第1実施例の外側壁7g,8gに
相当する外側壁がない点で第1実施例とは異なり、その
他の構造については第1実施例と同様である。したがっ
て、開口部17,18は、径方向Rで開放した開口部となっ
ている。
【0052】ローラ式のロッカアームである第1,第2
排気ロッカアーム44,45は、排気ロッカ軸46が挿入され
る支持孔44b,45bが形成される支持部44a,45aを有し、
該支持部44a,45aにより排気ロッカ軸46に揺動自在に支
持される。そして、第1,第2排気ロッカアーム44,45
は、支持孔44b,45bを挟んで、第1,第2排気カム47,
48にそれぞれ転がり接触する円筒状のローラ51,52が配
置される側とは反対側にある先端部44t,45tに、進退位
置が調整できるように螺合され、両排気ロッカアーム4
4,45における排気弁との当接部となるタペットねじ5
3,54をそれぞれ有する。ローラ51,52は、各吸気ロッ
カアーム41,42のローラ15,16と同様に、各排気ロッカ
アーム44,45に設けられる開口部に配置されてその一部
が収容される。
【0053】また、第1排気ロッカアーム44において、
ローラ51が設けられる両支持壁44e,44fの、第1吸気ロ
ッカアーム41側の支持壁44fおよびローラ51の一部は、
第1吸気ロッカアーム41の軸方向Aでの第1支持壁41e
側の外方に形成されたスペースS内に、第1支持壁41e
に隣接して配置される。一方、第2排気ロッカアーム45
において、ローラ52が設けられる両支持壁45e,45fの、
第2吸気ロッカアーム42側の支持壁45eは、第2吸気ロ
ッカアーム42の軸方向Aでの第2支持壁42f側の外方に
該第2支持壁42fに隣接して配置される。
【0054】この第2実施例によれば、第1実施例の、
傾斜した連通路34を有することに基づく作用および効果
と同様の作用および効果が奏されるほか、次の作用およ
び効果が奏される。すなわち、第1排気ロッカアーム44
の支持壁44fおよびローラ51の一部が、スペースS内で
第1支持壁41eの軸方向Aでの最外側面41e1に隣接して
配置されるので、第1,第2吸気ロッカアーム41,42お
よび第1,第2排気ロッカアーム44,45を合わせたとき
の、カム軸40の回転軸線方向、すなわち軸方向Aでの幅
を小さくすることができて、吸気側および排気側動弁装
置V2,V3を軸方向Aにおいてコンパクトにすることがで
きる。
【0055】以下、前述した実施例の一部の構成を変更
した実施例について、変更した構成に関して説明する。
前記各実施例において、第2カム12は、対応する吸気弁
1を休止または実質的に休止させるものであったが、所
定の開閉時期および所定のリフト量で該吸気弁1を開弁
させるプロフィルを有するカムで形成されてもよく、そ
の場合には、第1カム11は、第2カム12よりも早い時期
に開弁すると共に遅い時期に閉弁する開閉時期とされ、
リフト量は第2カム12のリフト量よりも大きくされたプ
ロフィルを有するカムとされる。そして、この場合に
は、第2カム12により揺動される第2ロッカアーム2の
支持孔8bを、支持孔7bと同様に突条および溝を有する壁
面により形成することもでき、さらに排気弁を開閉作動
させる排気側動弁装置における2つの排気弁用のロッカ
アームにおいても、切換機構10と同様の切換機構を採用
することができる。
【0056】最外側面7e1は、油圧室33の径方向Rでの
最外端に対応する部分から、突出部分7pに位置する開口
端面34aに向かって支持部7aまでの全領域が傾斜領域と
なっていたが、最外側面7e1は、前記全領域において、
部分的に傾斜領域を有していてもよく、その場合にもス
ペースSを形成することができる。
【0057】さらに、1気筒について、1対の吸気弁ま
たは1対の排気弁である1対の機関弁に対して、各機関
弁との当接部を有する1対のロッカアームと、該ロッカ
アームと連動および連動解除の切換が可能であって、連
動状態で前記1対の機関弁を開閉作動することが可能
で、連動解除状態では機関弁に対して自由な状態になる
1つ以上の自由ロッカアームとからなる3つ以上のロッ
カアームに対しても、前述した連通路と同様の構造を採
用することができる。
【0058】前記各実施例では、吸気弁および排気弁と
の当接部はタペットねじにより構成されたが、ロッカア
ームの一部分が、吸気弁または排気弁と当接する当接部
を形成するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である内燃機関の動弁装置
の、一部を断面とした側面図である。
【図2】図1のII−II線での断面図である。
【図3】本発明の第2実施例である内燃機関の動弁装置
の平面図である。
【図4】従来の内燃機関の動弁装置の平面図である。
【図5】図4の断面図である。
【符号の説明】
1…吸気弁、2…弁ステム、3…弁スリーブ、4…リテ
ーナ、5…弁ばね、6…吸気カム軸、7,8…ロッカア
ーム、7a,8a…支持部、7b,8b…支持孔、7b1,7b2…開
口端面、7c,8c…先端部、7e,7f,8e,8f…支持壁、7e
1…最外側面、7g,8g…外側壁、7r,7s…隅部、7p…突
出部分、7w…壁面、7w1…突条、7w2…溝、9…ロッカ
軸、10…切換機構、11,12…カム、13,14…タペットね
じ、15,16…ローラ、17,18…開口部、19,20…支持
軸、21,22…ニードル、23,24…止め輪、30…連結ピス
トン、31…規制部材、32…戻しばね、33…油圧室、34…
連通路、35…油路、36…連通孔、37…通路壁、39…仮想
通路、40…カム軸、41,42…吸気ロッカアーム、41b,4
2b…支持孔、41e,41f…支持壁、41e1…最外側面、43…
吸気ロッカ軸、44,45…排気ロッカアーム、44e,44f…
支持壁、46…排気ロッカ軸、47,48…排気カム、49,50
…タペットねじ、51,52…ローラ、53,54…タペットね
じ、V1,V2…吸気側動弁装置、V3…排気側動弁装置、L
…軸線、S…スペース、C…中心軸線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 範之 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G016 AA02 AA08 BA03 BA06 BA35 BB22 CA05 CA12 CA13 CA22 CA27 CA29 CA36 CA41 CA44 CA45 CA52 DA06 FA36 GA00 GA01 3G018 AA06 AB04 BA13 CA19 CB02 CB06 DA15 DA18 DA28 DA29 DA52 DA62 DA63 DA83 DA84 DA85 EA03 EA04 FA02 FA06 FA07 GA00 GA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムにより揺動されて機関弁を開閉作動
    させる複数のロッカアームと、前記各ロッカアームの支
    持部に形成される支持孔に挿入されて前記各ロッカアー
    ムを揺動自在に支持するロッカ軸と、前記複数のロッカ
    アームのうちの特定ロッカアームに形成される油圧室
    と、前記支持孔の軸方向での前記特定ロッカアームの一
    側部に形成されて前記ロッカ軸に形成される作動油の油
    路と前記油圧室とを連通する連通路と、前記油圧室の作
    動油の油圧により変位される連結ピストンを有し、該連
    結ピストンの位置により前記複数のロッカアームの連動
    および連動解除の切換を行う切換機構とを備える内燃機
    関の動弁装置において、 前記一側部側での前記支持孔の開口端面は、前記油圧室
    よりも前記軸方向で突出した位置にあり、直線状の前記
    連通路は、前記開口端面に向けて前記連通路を延長した
    仮想通路が、前記開口端面と交差するように前記支持孔
    に対して前記軸方向で傾斜し、前記一側部の前記軸方向
    での最外側面は、前記連通路に沿って前記軸方向で傾斜
    する傾斜領域を有することを特徴とする内燃機関の動弁
    装置。
  2. 【請求項2】 前記複数のロッカアームの少なくとも1
    つは、前記カムに転がり接触するローラが配置される開
    口部を形成する第1支持壁、第2支持壁および外側壁を
    有すると共に、該第1および第2支持壁がそれぞれ該外
    側壁と連なる2つの隅部を有するローラ式ロッカアーム
    であり、前記軸方向で対向して配置される前記第1およ
    び第2支持壁は、前記ローラを回転自在に支持する支持
    軸の両端部をそれぞれ保持し、前記外側壁は、前記ロー
    ラに対して前記支持孔の径方向で外方に位置し、前記両
    隅部のいずれか一方の隅部に前記機関弁と当接する当接
    部が支持されることを特徴とする請求項1記載の内燃機
    関の動弁装置。
  3. 【請求項3】 前記特定ロッカアームは前記ローラ式ロ
    ッカアームであり、前記一側部は前記第1支持壁を含
    み、該第1支持壁に前記連通路が形成され、該第1支持
    壁の前記軸方向での幅は前記第2支持壁の幅よりも広
    く、該第1支持壁が前記外側壁と連なる前記隅部に前記
    当接部が支持されることを特徴とする請求項2記載の内
    燃機関の動弁装置。
  4. 【請求項4】 前記特定ロッカアームは前記ローラ式ロ
    ッカアームであり、前記一側部は前記第1支持壁を含
    み、該第1支持壁に前記連通路が形成され、前記支持孔
    を形成する壁面は、前記連通路と前記開口部との前記軸
    方向での間で、前記径方向で内方に突出して、周方向に
    延びる円環状の突条となっており、かつ前記連通路の前
    記支持孔への開口端面の形成範囲で、前記突条よりも前
    記径方向で外方に後退した溝となっていることを特徴と
    する請求項2記載の内燃機関の動弁装置。
  5. 【請求項5】 前記支持孔を形成する壁面は、前記軸方
    向での前記開口部の形成範囲内で、前記径方向で外方に
    後退して、周方向に延びる円環状の溝となっていること
    を特徴とする請求項2記載の内燃機関の動弁装置。
  6. 【請求項6】 前記軸方向での前記第1および第2支持
    壁の形成範囲に含まれる前記支持孔は、前記軸方向での
    前記開口部の形成範囲に含まれる前記支持孔の径よりも
    小さい径を有することを特徴とする請求項2記載の内燃
    機関の動弁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208746A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Otics Corp 可変動弁機構
EP3012422A1 (en) * 2014-10-21 2016-04-27 Otics Corporation Variable valve mechanism of internal combustion engine

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