JP2016079933A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

内燃機関の可変動弁機構 Download PDF

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Abstract

【課題】ロッカアームの構造をシンプルにするとともに、ロッカアームを幅方向にコンパクトにする。
【解決手段】可変動弁機構1は、ローラアーム31とサイドアーム41とを備えてバルブ7を駆動するロッカアーム30と、油圧室73の油圧変化で切換ピン66をローラアーム31とサイドアーム41との間を跨ぐ連結位置と跨がない非連結位置とに変位させてバルブ7の駆動状態を切り換える切換装置60とを備えている。
そして、ローラアーム31は、ローラ38を軸支したローラシャフト36を備え、切換ピン66と油圧室73とは、ローラシャフト36の内部に設けられている。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関のバルブを駆動するとともに、その駆動状態を内燃機関の運転状況に応じて変更する可変動弁機構に関する。
特許文献1〜5の可変動弁機構は、いずれも次のように構成されている。すなわち、例えば図10に示す従来例1(特許文献1)の可変動弁機構80のように、バルブ7を駆動するロッカアーム82を備えている。そのロッカアーム82は、カム81に回転可能に当接するローラ83aを備えたローラアーム83と、ローラアーム83の側方に設けられたサイドアーム84とを備えている。
そして更に、ロッカアーム82の内部にそれぞれ設けられた切換ピン86,86と油圧室87とを備えている。そして、油圧室87の油圧変化で切換ピン86をローラアーム83とサイドアーム84との間を跨ぐ連結位置と跨がない非連結位置とに変位させてバルブ7の駆動状態を切り換える。
米国2004/0074459号公報 米国2005/0247279号公報 独国102004027054号公報 米国2006/0157011号公報 米国2003/0200947号公報 特開2008−208746号公報
これらの特許文献1〜5の可変動弁機構は、いずれも従来例1(特許文献1)の可変動弁機構80と同様、切換ピン86,86がローラアーム83の揺動中心部の近くにあり、カム81に駆動されるローラ83aの近くにない関係上、非連結時におけるローラアーム83とサイドアーム84との相対変位が複雑になる。そのため、ロッカアーム82の構造が複雑になってしまう。
そこで、本出願人は、図11に示す従来例2(特許文献6)の可変動弁機構90を開発した。この可変動弁機構90では、切換ピン96が、カムに駆動されるローラ93aの軸線上にある関係上、非連結時におけるローラアーム93とサイドアーム94,94との相対変位がシンプルになる。そのため、ロッカアーム92の構造がシンプルになる。
しかしながら、次に示す課題がある。すなわち、サイドアーム94の内部に油圧室97があるため、油圧室97によってサイドアーム94が幅広になってしまう。そのため、ロッカアーム92が全体として幅広になってしまう。そのため、1つのロッカアーム92で2つのバルブ7,7を駆動する2弁一体形の態様でなら、問題なく採用することができるが、1つのロッカアームで1つのバルブのみを駆動する単弁形の態様で採用する際には無理が生じる。また、2弁一体形の態様で採用する場合にも、幅方向にコンパクトになるのであれば、その方が好ましい。
そこで、非連結時におけるローラアームとサイドアームとの相対変位をシンプルにしてロッカアームの構造をシンプルにするとともに、ロッカアームを幅方向にコンパクトにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の内燃機関の可変動弁機構は、次のように構成されている。すなわち、カムに回転可能に当接するローラを備えたローラアームと、ローラアームの側方に設けられたサイドアームとを備え、バルブを駆動するロッカアームと、ロッカアームの内部にそれぞれ設けられた切換ピンと油圧室とを備え、油圧室の油圧変化で切換ピンをローラアームとサイドアームとの間を跨ぐ連結位置と跨がない非連結位置とに変位させてバルブの駆動状態を切り換える切換装置とを備えた内燃機関の可変動弁機構において、切換ピンは、ローラの軸線上に設けられ、かつ、油圧室は、ローラアームの内部に設けられたことを特徴とする。
切換ピンと油圧室との態様は、特に限定されないが、次のa,bの態様を例示する。但し、よりコンパクトにまとまる点でbの態様であることが好ましい。
[a]切換ピンは、ローラを軸支し、油圧室は、ローラアームのローラの側方に位置する部位に設けられた態様。
[b]ローラアームは、ローラを軸支したローラシャフトを備え、切換ピンと油圧室とは、ローラシャフトの内部に設けられた態様。
本発明によれば、カムに駆動されるローラの軸線上に切換ピンがあるため、揺動中心の近くに切換ピンがある場合に比べて、非連結時におけるローラアームとサイドアームとの相対変位がシンプルになる。そのため、ロッカアームの構造がシンプルになる。
また、ローラがあることで幅広なローラアームの内部に油圧室があるので、サイドアームの内部に油圧室がある場合に比べて、ロッカアームが幅広になり難い。そのため、ロッカアームを幅方向にコンパクトにまとめることができる。
実施例1の可変動弁機構のロッカアームを示す斜視図である。 実施例1の可変動弁機構を示す、aは側面図、bは側面断面図(図3に示すIIb−IIb断面図)である。 実施例1の可変動弁機構を示す、平面断面図(図2bに示すIII−III断面図)である。 実施例1の可変動弁機構において、aは非連結時を示す平面断面図、bは連結時を示す平面断面図である。 実施例1の可変動弁機構において、aは非連結時(ノーズ時)を示す側面図、bは連結時(ノーズ時)を示す側面図である。 実施例1の可変動弁機構の連結時において、aはノーズ時からベース円時に移行する直前を示す側面図、bは直後を示す側面図である。 実施例1の可変動弁機構の連結時において、aはノーズ時からベース円時に移行する直前を示す正面断面図(図6aに示すVIIa−VIIa断面図)、bは直後を示す正面断面図(図6bに示すVIIb−VIIb断面図)である。 実施例1の可変動弁機構のカムのプロフィールを示すグラフである。 実施例2の可変動弁機構を示す側面図である。 従来例1の可変動弁機構を示す斜視図である。 従来例2の可変動弁機構を示す平面断面図である。
上記bの態様(ローラシャフトの内部に切換ピン及び油圧室)において、ローラシャフト、切換ピン及び油圧室の態様は、特に限定されないが、次の態様を例示する。すなわち、ローラシャフトは、筒状のシャフトであって、切換ピンは、ローラシャフトの長さ方向に並べて大径部と小径部とを備え、大径部は、その外周面がローラシャフトの内周面に隙間なく摺接する寸法で形成され、小径部は、その外周面とローラシャフトの内周面との間に隙間ができる寸法で形成され、ローラシャフトの内側には、筒状のガイド部材がローラシャフトの長さ方向に相対変位不能に取り付けられ、ガイド部材は、その外周面がローラシャフトの内周面に隙間なく当接し、内周面が小径部の外周面に隙間なく摺接する寸法で形成され、油圧室は、ローラシャフトの内周面と小径部の外周面と大径部の端面とガイド部材の端面との間に形成された態様である。
また、同bの態様(ローラシャフトの内部に切換ピン及び油圧室)において、油圧室の数等は、特に限定されないが、次のb1,b2の態様を例示する。但し、油圧系統が、1つで済む点でb2の態様が好ましい。
[b1]前記油圧室は、連結用油圧室と非連結用油圧室とからなり、切換装置は、連結用油圧室の油圧で切換ピンを連結位置に変位させ、非連結用油圧室の油圧で切換ピンを非連結位置に変位させる構成である態様。
[b2]切換装置は、ローラシャフトの内部に設けられたリターンスプリングを備え、油圧室の油圧で切換ピンを連結位置及び非連結位置の一方に変位させ、リターンスプリングの付勢力で切換ピンを連結位置及び非連結位置の他方に変位させる構成である態様。
上記のb2(リターンスプリング)の態様において、ロッカアーム及び切換装置の態様は、特に限定されないが、次のb2a,b2bの態様を例示する。但し、ロッカアームの幅方向のバランスが良くなる点で、b2bの態様が好ましい。
[b2a]ローラアームは、相対的に幅方向の一方側に設けられ、サイドアームは、相対的に幅方向の他方側に設けられ、切換ピン、油圧室及びリターンスプリングは、それぞれ1つのみである態様。
[b2b]ローラアームは、サイドアームの幅方向の内側に設けられたインナアームであり、サイドアームは、ローラアームの幅方向の外側に設けられたアウタアームであり、前記切換ピンは、ローラシャフトの長さ方向に間隔をおいて並設された一方の切換ピン及び他方の切換ピンであり、前記油圧室は、ローラシャフトの長さ方向に間隔をおいて並設された一方の油圧室及び他方の油圧室であり、リターンスプリングは、一方の切換ピンと他方の切換ピンとの間に介装された態様。
ロッカアームで駆動するバルブの数は、特に限定されないが、次のc,dの態様を例示する。但し、ロッカアームを幅方向にコンパクトにまとめられるという本発明の効果をより顕著に活かせる点で、dの態様であることが好ましい。
[c]1つのロッカアームで複数のバルブを駆動する態様。
[d]1つのロッカアームで1つのバルブのみを駆動し、複数のバルブを駆動しない態様。
図1〜図8に示す本実施例1の内燃機関の可変動弁機構1は、バルブ7を開く方向に周期的に押圧することで、バルブ7を周期的に開閉する機構である。そのバルブ7には、バルブ7を閉じる方向に付勢するバルブスプリング9が外嵌されている。また、そのバルブ7のステムエンドには、バルブ7の高さを調整するためのシム8が嵌められている。そのバルブ7は、吸気バルブであっても、排気バルブであってもよい。この可変動弁機構1は、カム10と、支持部材20と、ロッカアーム30と、ロストモーションスプリング50と、切換装置60とを含み構成されている。
[カム10]
カム10は、内燃機関が2回転する毎に1回転するカムシャフト19に突設されている。このカム10は、断面形状が真円形のベース円11と、ベース円11から突出したノーズ12とを備えている。このカム10のプロフィールPは、横軸にカム10の回転角度θをとり、縦軸にベース円11からの突出高さHをとった図8に示すグラフでみて、次のように構成されている。すなわち、ノーズ区間Bの両端部にある接続区間B1,B1の内側に、前記プロフィールPの傾きP’が一定になる2つの等速度区間B2,B2を備え、その更に内側にメインリフト区間B3を備えている。なお、本実施例1の可変動弁機構1は、このカム10とは別の、サイドアーム41に当接するカムは備えていない。
[支持部材20]
支持部材20は、シリンダヘッドから上方に突出する形で設置されており、上端部にロッカアーム30を揺動可能に支持するための半球状の半球部23を備えている。この支持部材20は、タペットクリアランスCを自動で埋めることのない単なるピボットである。
[ロッカアーム30]
ロッカアーム30は、ローラアーム31とサイドアーム41とを備えている。そして、支持部材20によって揺動可能に支持されている。詳しくは、ローラアーム31の基端部の下面に半球状に凹む半球状凹部32を備えており、その半球状凹部32が支持部材20の半球部23の上に揺動可能に載置されたことで、支持部材20にロッカアーム30が揺動可能に支持されている。このロッカアーム30は、1つのバルブ7のみを駆動する。よって、複数のバルブを駆動するものではない。
ローラアーム31は、サイドアーム41の幅方向の内側に設けられたインナアームであって、カム10に駆動される。このローラアーム31は、その先端部にローラシャフト36とローラ38とを備えている。そのローラシャフト36は、筒状のシャフトであって、固定部材36aによってローラアーム31の本体部分に対して相対回動不能に固定されている。また、ローラ38は、ローラシャフト36にベアリング37,37・・を介して回転可能に軸支されて、カム10に当接している。
サイドアーム41は、ローラアーム31の幅方向の両外側に設けられたアウタアームであって、揺動時にはバルブ7を駆動する。このサイドアーム41は、その基端部が支点ピン44を介してローラアーム31の基端部に相対揺動可能に連結されている。そして、先端部がバルブ7に当接している。
そして、図4aに示すように切換装置60の切換ピン66が非連結位置に配される非連結時には、図5aに示すように、支点ピン44を中心にローラアーム31がサイドアーム41に対して相対変位(相対揺動)をする。それにより、バルブ7の駆動を休止する休止状態になる。
その一方、図4bに示すように切換装置60の切換ピン66が連結位置に配される連結時には、図5bに示すように、前記相対変位(ローラアーム31のサイドアーム41に対する相対変位をいう。以下同じ)が規制されて、ローラアーム31と共にサイドアーム41が揺動する。それにより、バルブ7を駆動する通常状態になる。
[ロストモーションスプリング50]
ロストモーションスプリング50,50は、非連結時には、ローラアーム31をカム10に付勢するとともに、その反力でサイドアーム41をバルブ7に付勢する。このロストモーションスプリング50は、ローラアーム31の長さ方向中間部の両側部に凹設された凹部35,35の内周面と、サイドアーム41の基端部に設けられたスプリング当接部45との間に介装されている。
[切換装置60]
切換装置60は、一方のピン穴63と、他方のピン穴64,64と、切換ピン66と、ガイド部材67と、油路72,72と、油圧室73と、リターンスプリング79とを含み構成されている。そして、この切換装置60は、油路72及び油圧室73,73の油圧変化とリターンスプリング79の付勢力との協働で、切換ピン66,66を連結位置と非連結位置とに変位させて、バルブ7の駆動状態を通常状態と休止状態とに変更する。
一方のピン穴63は、ローラアーム31に設けられており、具体的には、ローラシャフト36の筒穴である。また、他方のピン穴64,64は、サイドアーム41に設けられており、具体的には、一方のピン穴63の長さ方向の両側に設けられている。その他方の各ピン穴64は、相対変位方向(前記相対変位の方向をいう。以下同じ。)に長い、すなわち、支点ピン44を中心にした円周方向に長い長穴である。
そして、非連結位置は、一方のピン穴63と他方のピン穴64,64との間を跨がない位置であり、詳しくは、図4aに示すように、切換ピン66,66が一方のピン穴63内に収まる位置である。また、連結位置は、一方のピン穴63と他方のピン穴64,64との間を跨ぐ位置であり、詳しくは、図4bに示すように、切換ピン66,66の先端が他方のピン穴64,64内に突出する位置である。よって、非連結位置は、相対的にロッカアーム30の幅方向の内側にあり、連結位置は、相対的にロッカアーム30の幅方向の外側にある。そして、切換ピン66,66は、ロッカアーム30の幅方向に変位する。
そして、図4aに示すように、油圧室73,73の油圧を上げて(ONにして)該油圧で切換ピン66,66を非連結位置に変位させることで、図5aに示す休止状態(非連結状態)に切り換える。また、図4bに示すように、油圧室73,73の油圧を下げて(OFFにして)リターンスプリング79の付勢力で切換ピン66,66を連結位置に変位させることで、図5bに示す通常状態(連結状態)に切り換える。
そして、連結時(通常状態の時)には、図6に示すように、他方の各ピン穴64の内周面と切換ピン66の外周面との間に、相対変位方向の変位用クリアランスc1が形成されて、変位用クリアランスc1の範囲内で前記相対変位が許容される。そのため、連結時にも、ロストモーションスプリング50によってローラアーム31がカム10に付勢される。そのため、連結時におけるベース円時(ベース円11がローラアーム31に作用する時をいう。以下同じ。)にも、図6bに示すように、ベース円11とローラアーム31との間にタペットクリアランスCが形成されない。なお、図6に示す「C」は、本実施例1では形成されないが、本来なら形成されるタペットクリアランスCを示している。
詳しくは、変位用クリアランスc1は、連結時に前記相対変位を、図8に示すように、接続区間B1,B1及び等速度区間B2,B2の両区間内に収まる範囲Bc,Bcでのみ許容し、メインリフト区間B3では許容しない大きさで形成されている。そして、連結時におけるベース円時には、次のようになる。すなわち、図6bに示すように、他方の各ピン穴64の内周面の相対変位方向の一端と切換ピン66の外周面との間に、変位用クリアランスc1が形成される。また、該内周面の相対変位方向の他端と切換ピン66の外周面との間に、前記相対変位を許容することのない調整用クリアランスc2が形成される。変位用クリアランスc1の大きさは、0.15mm程度である。また、調整用クリアランスc2の大きさは、0.75mm程度である。
切換ピン66,66は、ローラ38の軸線上に設けられており、具体的には、ローラシャフト36の内部に設けられている。この切換ピン66,66は、ローラシャフト36の長さ方向に間隔を置いて並設された一方の切換ピン66と他方の切換ピン66とからなる。そして、各切換ピン66は、ローラシャフト36の長さ方向に並べて大径部66aと小径部66bとを備えている。詳しくは、ロッカアーム30の幅方向内側に大径部66aを備え、幅方向外側に小径部66bを備えている。そして、大径部66aは、その外周面がローラシャフト36の内周面に隙間なく摺接する寸法で形成されている。また、小径部66bは、その外周面とローラシャフト36の内周面との間に隙間ができる寸法で形成されている。
ガイド部材67,67は、ローラシャフト36の内側にその長さ方向に変位不能に取り付けられた筒状の部材である。各ガイド部材67は、その外周面がローラシャフト36の内周面に隙間なく当接し、内周面が小径部66bの外周面に隙間なく摺接する寸法で形成されている。
油路72は、支持部材20とローラアーム31とを経由して油圧室73,73にまで延びている。その油圧室73,73は、ローラアーム31の内部に設けられており、具体的には、ローラシャフト36の内部に設けられている。詳しくは、油圧室73,73は、ローラシャフト36の長さ方向に間隔をおいて並設された一方の油圧室73と他方の油圧室73とからなる。そして、各油圧室73は、ローラシャフト36の内周面と小径部66bの外周面と大径部66aの端面とガイド部材67の端面との間に形成されている。そして、リターンスプリング79は、ローラシャフト36の内部において、一方の切換ピン66と他方の切換ピン66との間に介装されている。
本実施例1によれば、次のA〜Gの効果を得ることができる。
[A]変位用クリアランスc1を設けることで、ラッシュアジャスタ等とは異なる簡単な構造でタペットクリアランスCをなくすことができる。
[B]タペットクリアランスCがなくなるので、油路72に加わる切換油圧によって、支持部材20からロッカアーム30がタペットクリアランスCの分だけ浮上って切換油圧が低下してしまうといった心配がない。よって、支持部材20とロッカアーム30との境界部分での油路72のシール性を確保して、切換油圧の安定性を確保することができる。
[C]ロストモーションスプリング50は、非連結時に、ローラアーム31をカム10に付勢する反力でサイドアーム41をバルブ7に付勢するので、前記別のカムがなくても非連結時にサイドアーム41がバタつく心配がない。
[D]他方のピン穴64,64は、連結時に前記相対変位を、接続区間B1,B1及び等速度区間B2,B2の両区間内に収まる範囲Bc,Bcでのみ許容し、メインリフト区間B3では許容しないので、連結時における前記相対変位のストロークが大きくなり過ぎる心配がない。そのため、バルブリフト量が無駄に小さくなるといった心配や、連結時における前記相対変位の終了点での衝撃が大きくなり過ぎるといった心配がない。
[E]連結時におけるベース円時には、切換ピン66の相対変位方向の両側にそれぞれ変位用クリアランスc1と調整用クリアランスc2とが形成されるので、バルブ7のステムエンドに嵌めるシム8を、厚さの異なるものに交換調整するだけで、変位用クリアランスc1と調整用クリアランスc2との割合を変更することができる。そのため、変位用クリアランスc1の大きさ(本来なら形成されるタペットクリアランスCの大きさ)を簡単に調整することができる。また更に、調整用クリアランスc2が形成されることで、ローラアーム31をベース円11に付勢するロストモーションスプリング50の付勢力が、連結時におけるベース円時にも失われずに確保されるので、ローラアーム31をベース円11に確実に当接させることができる。
[F]カム10に駆動されるローラ38の軸線上に切換ピン66,66があるため、揺動中心の近くに切換ピンがある場合に比べて、非連結時における前記相対変位がシンプルになる。そのため、ロッカアーム30の構造がシンプルになる。
[G]ローラ38があることで幅広なローラアーム31の内部に油圧室73,73があるので、サイドアーム41の内部に油圧室がある場合に比べて、ロッカアーム30が幅広になり難い。そのため、ロッカアーム30を幅方向にコンパクトにまとめることができる。そのため、本実施例のように1つのロッカアーム30で1つのバルブ7のみを駆動する態様でも、問題なく実施することができる。
図9に示す本実施例2の内燃機関の可変動弁機構2は、次に示す点で実施例1と相違し、その他の点で同様である。すなわち、他方の各ピン穴64は、その内周面が切換ピン66の外周面に隙間なく当接する寸法で形成されている。よって、連結時に、変位用クリアランスc1及び調整用クリアランスc2は形成されない。そして、その連結時には、リターンスプリング79は、ローラアーム31を切換ピン66を介してサイドアーム41に付勢する。
また、支持部材20は、カム10とローラ38との間に生じたタペットクリアランスを過不足なく自動で埋める油圧式のラッシュアジャスタである。その支持部材20(ラッシュアジャスタ)は、上方に開口した有底筒状のボディ21と、下部がボディ21に挿入されたプランジャ22とを含み構成されている。そして、そのプランジャ22の上端に、ロッカアーム30を揺動可能に支持する半球部23を備えている。
本実施例2によっても、上記のC,F,Gの効果を得ることができる。
なお、本発明は前記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で、例えば次の変更例のように、適宜変更して具体化することもできる。
[変更例1]
サイドアーム41を、カム10よりもリフト量又は作用角の小さい小リフトカムで駆動するようにしてもよい。この場合には、非連結時には、休止状態ではなく、バルブ7を通常状態よりも小さいリフト量又は作用角で駆動する小リフト状態になる。
[変更例2]
1つのロッカアーム30で2つのバルブ7,7を駆動するようにしてもよい。
1 可変動弁機構(実施例1)
2 可変動弁機構(実施例2)
7 バルブ
10 カム
30 ロッカアーム
31 ローラアーム
36 ローラシャフト
38 ローラ
41 サイドアーム
50 ロストモーションスプリング
60 切換装置
66 切換ピン
66a 大径部
66b 小径部
67 ガイド部材
72 油路
73 油圧室
79 リターンスプリング

Claims (6)

  1. カム(10)に回転可能に当接するローラ(38)を備えたローラアーム(31)と、ローラアーム(31)の側方に設けられたサイドアーム(41)とを備え、バルブ(7)を駆動するロッカアーム(30)と、
    ロッカアーム(30)の内部にそれぞれ設けられた切換ピン(66)と油圧室(73)とを備え、油圧室(73)の油圧変化で切換ピン(66)をローラアーム(31)とサイドアーム(41)との間を跨ぐ連結位置と跨がない非連結位置とに変位させてバルブ(7)の駆動状態を切り換える切換装置(60)とを備えた内燃機関の可変動弁機構において、
    切換ピン(66)は、ローラ(38)の軸線上に設けられ、かつ、油圧室(73)は、ローラアーム(31)の内部に設けられたことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. ローラアーム(31)は、ローラ(38)を軸支したローラシャフト(36)を備え、
    切換ピン(66)と油圧室(73)とは、ローラシャフト(36)の内部に設けられた請求項1記載の内燃機関の可変動弁機構。
  3. ローラシャフト(36)は、筒状のシャフトであって、
    切換ピン(66)は、ローラシャフト(36)の長さ方向に並べて大径部(66a)と小径部(66b)とを備え、大径部(66a)は、その外周面がローラシャフト(36)の内周面に隙間なく摺接する寸法で形成され、小径部(66b)は、その外周面とローラシャフト(36)の内周面との間に隙間ができる寸法で形成され、
    ローラシャフト(36)の内側には、筒状のガイド部材(67)がローラシャフト(36)の長さ方向に相対変位不能に取り付けられ、ガイド部材(67)は、その外周面がローラシャフト(36)の内周面に隙間なく当接し、内周面が小径部(66b)の外周面に隙間なく摺接する寸法で形成され、
    油圧室(73)は、ローラシャフト(36)の内周面と小径部(66b)の外周面と大径部(66a)の端面とガイド部材(67)の端面との間に形成された請求項2記載の内燃機関の可変動弁機構。
  4. 切換装置(60)は、ローラシャフト(36)の内部に設けられたリターンスプリング(79)を備え、油圧室(73)の油圧で切換ピン(66)を連結位置及び非連結位置の一方に変位させ、リターンスプリング(79)の付勢力で切換ピン(66)を連結位置及び非連結位置の他方に変位させる構成である請求項2又は3記載の内燃機関の可変動弁機構。
  5. ローラアーム(31)は、サイドアーム(41)の幅方向の内側に設けられたインナアームであり、サイドアーム(41)は、ローラアーム(31)の幅方向の外側に設けられたアウタアームであり、
    前記切換ピン(66)は、ローラシャフト(36)の長さ方向に間隔をおいて並設された一方の切換ピン(66)及び他方の切換ピン(66)であり、
    前記油圧室(73)は、ローラシャフト(36)の長さ方向に間隔をおいて並設された一方の油圧室(73)及び他方の油圧室(73)であり、
    リターンスプリング(79)は、一方の切換ピン(66)と他方の切換ピン(66)との間に介装された請求項4記載の内燃機関の可変動弁機構。
  6. 1つのロッカアーム(30)で1つのバルブ(7)のみを駆動し、複数のバルブを駆動しない請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁機構。
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