JP2502793B2 - 過電圧自己保護型半導体装置 - Google Patents

過電圧自己保護型半導体装置

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JP2502793B2
JP2502793B2 JP2194059A JP19405990A JP2502793B2 JP 2502793 B2 JP2502793 B2 JP 2502793B2 JP 2194059 A JP2194059 A JP 2194059A JP 19405990 A JP19405990 A JP 19405990A JP 2502793 B2 JP2502793 B2 JP 2502793B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、過電圧自己保護型半導体装置に係り、特
に、半導体装置の降伏電圧を越える過電圧が印加された
場合に安全にターンオフすることにより、半導体装置を
過電圧に対して保護することのできる過電圧自己保護型
半導体装置に関する。
[従来の技術] 過電圧に対して自己保護機能を有する半導体装置に関
する従来技術として、例えば、特開昭59−12300号公報
等に記載された技術が知られている。
この従来技術は、サイリスタの一部分に他の領域より
順方向阻止電圧が低くなるような電圧降伏領域を設ける
ものである。すなわち、サイリスタのpベース層の一部
を井戸型に食刻して、再度p型不純物を熱拡散してpベ
ース層を形成し、新たに形成したpベース層の湾曲部に
電界を集中させて、なだれ降伏を生じさせ、そのときの
電流をトリガー電流として、パイロットサイリスタを点
弧させるようにしたものである。
また、過電圧に対する自己保護機能を有する半導体装
置に関する他の従来技術として、例えば、特開昭59−15
8560号公報に記載された技術が知られている。
この従来技術は、サイリスタのpベース領域の一部分
に凹みを持たせ、nベースの厚みを少なくした部分サイ
リスタを形成し、順方向電圧が印加されたとき、この部
分サイリスタのpnp部分がパンチスルーするようにし、
これにより、過電圧から自己保護を行う光サイリスタに
関するものである。
[発明が解決しようとする課題] 前述した前者の従来技術は、いわゆる主サイリスタの
阻止電圧より低い阻止電圧を有する箇所を、サイリスタ
内に設けることができるという長所を有するものである
が、所定の電圧値を得るためには、新たに形成するpベ
ース拡散層の不純物濃度分布の最適化、湾曲部の曲率半
径の最適化を図る必要があるが、これらの最適化を行う
ことが困難であるという問題点を有している。また、こ
の従来技術は、降伏電圧を決定する動作原理がアバラン
シェであるために、降伏電圧の温度変化が大きく、使用
温度が高くなると、低い阻止電圧を有する箇所の降伏電
圧が本来の降伏電圧にまで達することがあり、過電圧保
護機能が高温では達成できないという問題点を有してい
る。
一方、前述した後者の従来技術は、いわゆるpnpトラ
ンジスタ部のパンチスルー現象を利用したものであり、
所定の電圧を得るのに適した構造であるが、高温になる
とリーク電流が増大するため、ブレークオーバ電圧が高
温において著しく低下するという問題点を有している。
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決
し、所定の値に設定されたブレークオーバ電圧を得るこ
とができ、また、その温度変化が極めて小さい過電圧自
己保護型半導体装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば前記目的は、一対の主表面を有し、少
なくとも3層以上の半導体層が隣接されて形成され、主
電流を流すサイリスタ部と、補助サイリスタ部と、パイ
ロットサイリスタ部と、ブレークオーバ部とを備える半
導体装置において、前記ブレークオーバ部が、一主表面
に、高不純物濃度の半導体層と、該半導体層に隣接する
反対導電型の高不純物濃度の半導体層とを備えて構成さ
れ、前記高不純物濃度のお互いに反対導電型の半導体層
の接合部が、該隣接部に熱平衡状態で存在する空乏層
と、半導体装置に順方向阻止電圧が印加されることによ
り、前記半導体層の下層に形成されている半導体層内に
延びる空乏層とが、前記高不純物濃度の半導体層の下部
に接した後に接触し、これによりアバランシェ降伏する
ようにすることにより達成される。
すなわち、本発明は、一対の主表面を有し、少なくと
も3層以上の半導体層が隣接されて形成され、一方の主
表面には第1の導電型を有する高不純物濃度の第1の半
導体層が下層に隣接する第2の半導体層上に隔離されて
複数個形成され、第2の半導体層の他方に隣接する第1
の導電型の第3の半導体層、第2の導電型の第4の半導
体層が順次形成され、さらに、第1の半導体層及び第4
の半導体層にはそれぞれ第1の電極、第2の電極が形成
されて構成される半導体装置において、第1の半導体層
の一部分に、第1の電極が形成されていない部分を設
け、この部分の第1の半導体層と第2の半導体層からな
る電位障壁を有するpn接合部分において第2の半導体層
が高不純物濃度となるように形成され、前記第1の半導
体層に第1の電極が形成されていない部分における第
1、第2、第3及び第4の半導体層からなる構造が、第
1の半導体層に第1の電極が形成されている部分の構造
が有する第1の耐圧より低い逆バイアス電圧で、第2の
半導体層内に拡がる空乏層が第1の半導体層に到達し、
前記高不純物濃度の第2の半導体層と第1の半導体層か
らなるのpn接合部分での電界強度が高くなり、これによ
りなだれ降伏を生じるように構成されている。
本発明の半導体装置は、このなだれ降伏により流れる
電流がトリガー電流となってブレークオーバすることに
なる。
また、本発明は、急峻な電圧上昇率を有する電圧が印
加された場合にも、半導体装置が誤動作あるいは破壊し
ないようにするために、前述の構造において、第1の半
導体層と第2の半導体層とが第1の電極で電気的に接続
されている部分を有するように構成されている。
さらに、本発明は、同様の機能を簡単な構造で実現す
るために、前記の構造において、第1の電極が形成され
ていない第1の半導体層と第2の半導体層の低不純物濃
度濃度とが第3の電極で電気的に接続されている部分を
有するように構成されている。
さらに、本発明は、第1の耐圧より低い電圧で第1の
半導体層あるいは第3の電極に空乏層を到達させるため
に、該空乏層が形成される第2の半導体層の一主表面か
ら見た単位面積当りの不純物濃度の総量及び単位体積当
りの不純物濃度が、他の第2の半導体層の一主表面から
見た単位面積当たりの不純物濃度の総量及び単位体積当
りの不純物濃度よりも少なくなるように形成し、ブレー
クオーバ電圧の制御性を著しく高めるように構成されて
いるいる。
[作 用] 本発明による過電圧自己保護型半導体装置によれば、
第1の主電極が接していない第1の半導体層と第2の半
導体層からなる第1のpn接合部分において第2の半導体
層の一部分が高不純物濃度となるように形成されている
ので、第1の電極が半導体領域に形成されている第1、
第2、第3及び第4の半導体層の構成からなる部分にお
ける耐圧より低い所定の高電圧が印加された場合、第1
の主電極が接していない部分における第2の半導体領域
がパンチスルーし、前記高不純物濃度の第2の半導体層
と第1の半導体層からなる第1のpn接合部分での電界強
度が高くなりなだれ降伏を生じさせることができる。こ
のなだれ降伏により流れる電流は、パイロットサイリス
タのトリガー電流として利用される。
また、本発明は、急峻な電圧上昇率を有する電圧が印
加された場合にも、誤動作しないようにするために、前
述の構造において、主電流が流れる第1の半導体層と第
2の半導体層とが第1の主電流で電気的に接続されてい
る部分を有するように、第1の半導体層と第2の半導体
層とが部分的に短絡されているので、変位電流を短絡抵
抗によりバイパスでき、高い電圧上昇率を有する電圧が
印加された場合にも破壊されることがない。
さらに、本発明は、同様な機能を簡単な構造で実現す
るために、前述の構造において、第1の主電極が形成さ
れていない第1の半導体層と第2の半導体層の低不純物
濃度領域とが第3の電極で電気的に接続されている部分
を有するように形成されている。これにより、第2の半
導体層が空乏化された場合、第3の電極、第2の半導体
層、及び第3の半導体層の構造がパンチスルーを起こ
す。このとき、第1の半導体層と第2の半導体層からな
る第1のpn接合部分において、第2の半導体層の一部分
が高不純物濃度となるように形成されているので、前記
高不純物濃度の第2の半導体層と第1の半導体層とによ
る第1の電位障壁を有するpn接合部分での電界強度が高
くなりなだれ降伏が生じ、このなだれ降伏により流れる
電流がトリガー電流となってパイロットサイリスタを点
弧させることができる。
さらに、本発明は、第1の耐圧より低い電圧で第1の
半導体層あるいは第3の電極に空乏層を到達させるため
に、該空乏層が形成される第2の半導体層の一主表面か
ら見た単位面積当りの不純物濃度の総量及び単位体積当
りの不純物濃度が、他の第2の半導体層の一主表面から
見た単位面積当たりの不純物濃度の総量及び単位体積当
りの不純物濃度よりも少なくなるように形成されている
ので、これまで述べてきたパンチスルーした後、なだれ
降伏により流れる電流をトリガー電流とする過電圧自己
保護型半導体装置を製造するプロセス上での制御性、す
なわち生産性を著しく高めることができる。
[実施例] 以下、本発明による過電圧自己保護型半導体装置の実
施例を図面により詳細に説明する。
第1図(a)、(b)は本発明の一実施例を示す平面
図及びA−A′断面図である。
第1図(b)において、Mは過電圧自己保護型半導体
装置の主電流が流れるサイリスタ部であり、該サイリス
タ部Mは、第1の半導体層であるnエミッタ層1、第2
の半導体層であるpベース層2、第3の半導体層である
nベース層3、第4の半導体層であるpエミッタ層4の
4層の半導体層と、pエミッタ層4に接続されたアノー
ド電極200と、pベース層2と部分的に短絡されてnエ
ミッタ層1に接続されたカソード電極100とを備えて構
成されている。
第1図(b)において、Aは補助サイリスタ部であ
り、該補助サイリスタ部Aは、nエミッタ層13、pベー
ス層2、nベース層3、pエミッタ層4の4層の半導体
層と、アノード電極200と、pベース層2と部分的に短
絡されてnエミッタ層13に接続されたカソード電極120
とにより構成されている。
また、Pはパイロットサイリスタ部であり、該パイロ
ットサイリスタ部Pは、nエミッタ層12、pベース層
2、nベース層3、pエミッタ層4の4層の半導体層
と、アノード電極200と、pベース層2と部分的に短絡
されてnエミッタ層12に接続されたカソード電極110と
により構成されている。
さらに、第1図(b)において、Tはパイロットサイ
リスタをトリガーするためのある電圧が印加されたとき
に電流が流れるようにしたブレークオーバ部であり、該
ブレークオーバ部Tは、高不純物濃度を有するn+層11、
n+層11に接して形成されているp+層20、pベース層2、
nベース層3、pエミッタ層4の5層の半導体層と、ア
ノード電極200とにより構成されている。
第1図(a)に示すように、前述のブレークオーバ部
T、パイロットサイリスタP、補助サイリスタ部Aは、
ターンオンの拡がりが均一になるように、ブレークオー
バ部Tの中央を中心として、同心円に形成されている。
なお、第1図(b)において、10はn+層11に連続して
その中央底部に形成されるn+層であり、21、31はそれぞ
れ順方向阻止電圧が印加されている場合のpベース層
2、nベース層3の内部に拡がる空乏層である。
第2図(a)、(b)は本発明の動作原理を説明する
図であり、以下、本発明の一実施例の動作を説明する。
第2図(a)は第1図に示す実施例におけるカソード
電極100が負、アノード電極200が正となる順方向阻止電
圧が印加され、かつ、この印加電圧が所定のブレークオ
ーバにまで達していない場合の空乏層の拡がりを示して
おり、第2図(b)はカソード電極100が負、アノード
電極200が正となる順方向阻止電圧が印加され、かつ、
この印加電圧が所定のブレークオーバにまで達している
場合の空乏層の拡がりを示している。
第1図(a)、(b)に示す半導体装置に、順方向阻
止電圧が印加され、その印加電圧が高くなると、第2図
(a)に示すように、pベース層2に空乏層21が拡が
る。この印加電圧がさらに大きくなると、第2図(b)
に示すように、空乏層21がn+層11の底部のn+層10に到達
し、その後、僅かの印加電圧の増加のみで、空乏層21
は、n+層11とpベース層2とからなるpn接合の熱平衡状
態で存在していた空乏層と接するようになり、n+層11と
p+層20との間の電界強度が著しく高くなり、アバランシ
ェ降伏が生じる。
このアバランシェ降伏による電流がベース電流となり
パイロットサイリスタが点弧することになる。
第2図(c)は電圧電流特性の一例を示したものであ
り、この図におけるA点、B点の電圧値は、半導体装置
が第2図(a)、(b)に示した状態となる電圧値に相
当する。すなわち、半導体装置に印加される順方向阻止
電圧が、所定のブレークオーバ電圧VBO以下の電圧(A
点)の場合、pベース層2内にのびる空乏層21は、n+
11に到達しておらず、パイロットサイリスタは、オフ状
態のままである。そして、印加される順方向阻止電圧
が、所定のブレークオーバ電圧VBOの電圧値(B点)に
達すると、pベース層2にのびる空乏層21は、n+層11に
到達して、その後、僅かに印加電圧が増加しただけで、
空乏層21は、n+層11とpベース層2からなるpn接合の熱
平衡状態で存在していた空乏層と接するようになり、n+
層11とp+層20との間の電界強度が著しく高くなり、第2
図(b)に示したAVの点でアバランシェ降伏が生じる。
このアバランシェ降伏によって流れる電流が、パイロ
ットサイリスタのベース電流となり、第1図に示すパイ
ロットサイリスタ部Pがオン状態になる。このパイロッ
トサイリスタがオン状態になると、アノードのpエミッ
タ層4から正孔が多数注入されるが、この正孔電流が第
1図のパイロットサイリスタ部Pから主サイリスタ部M
に流れるとき、この電流が補助サイリスタ部Aのベース
電流となるので補助サイリスタ部Aもトーンオフするこ
とになる。同様に、補助サイリスタ部Aがオン状態にな
ると、主サイリスタ部Mがオン状態になる。
なお、前述の説明では、補助サイリスタ部Aは、一つ
のみあるとしたが、必要によっては、複数個設けてもよ
い。
第3図は本発明の第2の実施例の構成を示す断面図で
あり、この第2の実施例は、本発明をプレーナ型の半導
体装置に適用したものである。第3図において、図の符
号のうち第1図に示したもと同一のものは、第1図に示
したものと同様の役割を果たす。
第1図により説明した実施例は、n+層10を、半導体基
板表面の凹部に形成していたが、第3図に示す本発明の
第2の実施例は、このn+ 10を、半導体基板表面から深
く形成したものである。この本発明の第2の実施例によ
っても、第1図の実施例の場合と同様な効果を得ること
ができる。
第4図は本発明の第3の実施例の構成を示す断面図で
あり、この第3の実施例は、第1図に示したようなn+
10を設けずに、電極300をpベース層2にはショットキ
ー接触し、n+層11にはオーミック接触させて設けたもの
である。
この本発明の第3の実施例においても、その動作原理
は、第1図及び第2図により説明した実施例の場合とほ
ぼ同様であり、pベース層2でパンチスルーした後、n+
層11とp+層20とのpn接合部でアバランシェ電流が流れ、
その電流がパイロットサイリスタをトリガすることにな
る。
第5図(a)、(b)、(c)、(d)は本発明の第
4〜第7の実施例の構成を示す断面図であり、これら
は、第1図及び第3図に示した実施例の変形例である。
第3図(a)に示す実施例は、第3図に示した実施例
におけるn+層10をパイロットサイリスタのnエミッタ層
12と同様のプロセスで形成して構成したものである。そ
して、パイロットサイリスタに対するトリガー電流を発
生するブレークオーバ部Tにおけるpベース層2の単位
体積当りの不純物濃度を下げた、すなわち、空乏層が広
がりやすいp−ベース層25を、図示のごとく新たに形成
している。
このような本発明の第4の実施例は、印加電圧が所定
のブレークオーバ電圧VBOに達したときに、p-ベース層2
5に拡がる空乏層がn+層10に届くように構成される。す
なわち、この場合、p-ベース層25には、所定のブレーク
オーバ電圧VBOに見合うp-ベース層25が完全に空乏化し
た場合の電荷量であればよく、p-ベース層25は、その厚
みと単位体積当りの電荷量との積が一定となるように設
定される。
第5図(b)の実施例は、同図(a)の場合と同様で
あるが、p-ベース層25がpベース層2より浅く形成され
ている点で相違する。
第5図(a)、(b)に示す本発明の第4、第5の実
施例は、基本的には印加電圧が所定のブレークオーバ電
圧VBOに達したときに、p-ベース層25に拡がる空乏層がn
+層10に届くようにしておけばよく、第5図(b)に示
すようにp−ベース層25とnベース層3との接合の位置
が、pベース層2とnベース層3との接合の位置より上
にあってもよい。
第5図(c)に示す第6の実施例も、同図(b)の場
合と同様であるが、p-ベース層25がpベース層2の横方
向拡散により形成されている点で、第5図(b)と相違
している。
第5図(d)に示す第7の実施例は、同図(a)の場
合と同様のp-ベース層25を形成しておき、この部分を、
第1図に示した実施例の場合のように、表面から食刻
し、その箇所にn+層10を形成したものである。
これらの本発明の第6、第7の実施例によっても、第
1図、第2図に示した本発明の実施例の場合と同様な効
果を得ることができる。
第6図(a)、(b)、(c)、(d)は本発明の第
8〜第11図の実施例の構成を示す断面図である。
これらの実施例は、第5図(a)、(b)、(c)、
(d)に示した実施例に第4図により説明した実施例の
原理を適用した変形例であり、基本的な動作は第4図で
説明したと同様であるので、これらの説明については省
略する。
なお、前述した本発明の実施例は、原理的な説明を容
易にするために、第1図ないし第6図において便宜上、
高不純物濃度のp+層20を設けたとして説明したが、通常
pベース層は拡散法で形成できることから、半導体基板
表面においては高不純物濃度になっていることが多い。
従って、pベース層2の表面が高不純物濃度である場合
には必ずしもp+層20を設ける必要はない。さらに、p+20
は、ブレークオーバ部のみに形成するとして説明した
が、パイロットサイリスタ部、補助サイリスタ部、主サ
イリスタ部のp層表面に形成してもよい。
前述したように、本発明による過電圧自己保護型半導
体装置の実施例は、所定の高電圧が印加された場合、第
2半導体領域がパンチスルーし、第1の半導体層と第2
の半導体層からなる第1のpn接合部分において第2の半
導体層の一部分が高不純物濃度となるように形成してお
くことにより、前記高不純物濃度の第2の半導体層と第
1の半導体層からなる第1の電位障壁を有するpn接合部
分での電界強度が高くなり、なだれ降伏を生じさせるこ
とができ、このなだれ降伏により流れる電流がトリガー
電流となってパイロットサイリスタを点弧させることが
できる。
従って、第2半導体領域がパンチスルーしている状態
においても、そのリーク電流は、第1の半導体層に電極
が形成されていない場合、単に空乏層内の発生電流だけ
であり、極めて低い値を有し、パイロットサイリスタが
誤動作することがない。また、第2半導体領域がパンチ
スルーした後、第1の半導体層と第2の半導体層からな
る第1のpn接合部分において第2の半導体層の一部分が
高不純物濃度となるように形成しておくことにより、前
記高不純物濃度の第2の半導体層と第1の半導体層から
なる第1の電位障壁を有するpn接合部分での電界強度が
高くなりなだれ降伏を生じるが、このなだれ降伏電圧は
高不純物濃度で形成されるもので、高々50V程度であ
り、温度変化を考慮しても100Vまでの変化が生じるだけ
であり、数kVのブレークオーバ電圧に対しては、ほとん
ど無視できうる変化であるのでブレークオーバ電圧の温
度変化が極めて小さいものとすることができる。
また、前述した本発明の実施例は、急峻な電圧上昇率
を有する電圧が印加された場合にも、誤動作を生起させ
ないようにするために、主電流が流れる第1の半導体層
と第2の半導体層とが第1の電極で電気的に接続されて
いる部分を有するように構成される。すなわち、本発明
の実施例は、第1の半導体層と第2の半導体層を部分的
に短絡しておくことにより、第1、第2、及び第3の半
導体層から構成さるトランジスタ構造の電流増幅率を低
減させておくことができ、これにより、dV/dt耐量を高
くすることができる。
さらに、本発明の実施例は、前述と同様の機能を簡単
な構造で実現するために、前述の構造において、第1の
電極が形成されていない第1の半導体層にはオーミック
接触し、第2の半導体層の低不純物濃度領域にはショッ
トキー接合するよう、第3の電極で電気的に接続されて
いる部分を有するように構成し、これにより、第2の半
導体層が空乏化された場合、第3の電極、第2の半導体
層、及び第3の半導体層による構造がパンチスルーを起
こすようにされ、第1の半導体層と第2の半導体層とか
らなる第1のpn接合部分において、第2の半導体層の一
部分が高不純物濃度となるように形成しておくことによ
り、前記高不純物濃度の第2の半導体層と第1の半導体
層からなる第1の電位障壁を有するpn接合部分での電界
強度が高くなってなだれ降伏を生じさせ、このなだれ降
伏により流れる電流がトリガー電流となってパイロット
サイリスタを点弧させることができるので、極めて簡単
な構成とすることができる。
さらに、前述した本発明の実施例は、第1の耐圧より
低い電圧で第1の半導体層あるいは第3の電極に空乏層
が到達し、該空乏層が形成される第2の半導体層の一主
表面から見た単位面積当りの不純物濃度の総量及び単位
面積当りの不純物濃度が他の第2の半導体層の一主表面
から見た単位面積当りの不純物濃度の総量及び単位面積
当りの不純物濃度よりも少ない部分とすることにより、
任意に設定したブレークオーバ電圧が印加された場合、
第2の半導体層の空乏層の幅を広く設定できるので、所
定のブレークオーバ電圧のばらつきを極めて小さくでき
るので、製造プロセス上での制御性を著しく高めること
ができる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、温度変化が極め
て小さい、所定の値に設定されたブレークオーバー電圧
を得ることができ、これにより、使用温度に影響される
ことなく、広い温度範囲に渡って、確実に過電圧自己保
護を行うことのできる半導体装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す平面図及び断面図、第
2図は本発明の動作原理を説明する図、第3図、第4
図、第5図及び第6図は本発明の他の実施例を示す断面
図である。 1、12、13……nエミッタ層、2……pベース層、3…
…nベース層、4……pエミッタ層、21、31……pベー
ス層、nベース層に拡がる空乏層、10、11……n+層、20
……p+層、25……p-層、110、120、100……カソード電
極、200……アノード電極、300……電極。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の主表面を有し、少なくとも3層以上
    の半導体層が隣接されて形成され、一方の主表面には第
    1の導電型を有する高不純物濃度の第1の半導体層が下
    層に隣接する第2の半導体層上に隔離されて複数個形成
    され、第2の半導体層の他方に隣接する第1の導電型の
    第3の半導体層、第2の導電型の第4の半導体層が順次
    形成され、さらに、第1の半導体層及び第4の半導体層
    にはそれぞれ第1の電極、第2の電極が形成されて構成
    される半導体装置において、第1の半導体層の一部分
    に、第1の電極が形成されていない部分を設け、この部
    分の第1の半導体層と第2の半導体層からなるpn接合部
    分において第2の半導体層が高不純物濃度となるように
    形成されたことを特徴とする過電圧自己保護型半導体装
    置。
  2. 【請求項2】前記第1の半導体層に第1の電極が形成さ
    れていない部分における第1、第2、第3及び第4の半
    導体層からなる構造は、第1の半導体層に第1の電極が
    形成されている部分の構造が有する第1の耐圧より低い
    逆バイアス電圧で、第2の半導体層内に拡がる空乏層が
    第1の半導体層に到達し、前記高不純物濃度の第2の半
    導体層と第1の半導体層からなるのpn接合部分での電界
    強度が高くなり、これによりなだれ降伏を生じることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の過電圧自己保護
    型半導体装置。
  3. 【請求項3】前記第1の半導体層と第2の半導体層とが
    第1の電極で電気的に接続されている部分を有すること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項記載の
    過電圧自己保護型半導体装置。
  4. 【請求項4】前記第1の電極が形成されていない第1の
    半導体層と第2の半導体層の低不純物濃度領域とが第3
    の電極により電気的に接続されている部分を有すること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項、第2項または第3
    項記載の過電圧自己保護型半導体装置。
  5. 【請求項5】前記第1の耐圧より低い電圧で第1の半導
    体層あるいは第3の電極に空乏層が到達し、該空乏層が
    形成される第2の半導体層の一主表面から見た単位面積
    当りの不純物濃度の総量及び単位体積当りの不純物濃度
    が、他の第2の半導体層の一主表面から見た単位面積当
    りの不純物濃度の総量及び単位体積当りの不純物濃度よ
    りも少ないことを特徴とする特許請求の範囲第2項、第
    3項または第4項記載の過電圧自己保護型半導体装置。
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