JP2502269Y2 - 洗濯機のブレ―キ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は一槽式脱水洗濯機その他の洗濯機のブレーキ
装置に関するものである。

従来の技術 従来の一槽式洗濯機の構成を第３図，第４図，第５
図，第６図を参照して説明する。

第３図は縦断面図、第４図は要部断面図、第５図は第
４図のブレーキ部要部Ａ−Ａ′線断面図、第６図は第４
図のブレーキ部要部Ｂ−Ｂ′線断面図を示す。

外枠１の上部に複数個の外枠受部２が設けられでお
り、この外枠受部２にスライダ３を介して吊り棒４が配
置され、吊り棒４の下端には棒振ばね（図示せず）を内
蔵した緩衝管５が設けられ、外枠受け部６との間で摺動
し、かつ弾性的に外装７を吊り下げている。外装７の底
部には基板８が固着されており、この基板８にクラッチ
ケース９が外装７に水密になるように固定されている。
また、基板８には駆動モータ10がボルトにより固定され
ており、モータ軸には冷却ファンを組み入れたモータプ
ーリ12が取りつけられ、ベルト13を介してクラッチケー
ス９のプーリ14に連結されている。

15は洗濯槽で、クラッチケース９に軸支された脱水軸
16に固定されており、この脱水軸16には第４図に示すよ
うにブレーキホイール17が固定されている。また、ブレ
ーキホイール17の外周部にはクラッチケース９に一端が
軸支されたプレーキ帯35があり、脱水運転時には小型モ
ータ18によりブレーキ帯35がブレーキホイール17から離
脱する。この小型モータ18はブレーキ帯35の制動作用と
共にコックの開閉動作を同時に行っている。

次にブレーキ帯35に関連したブレーキ装置について説
明する。

20はクラッチレバーで、クラッチケース９に支持され
たレバー支持ピン21に回転自在に取りつけられている。
22はクラッチレバー20に螺着しているクラッチ調整ボル
トで、このクラッチ調整ボルト22の先端はブレーキレバ
ーと当接しており、このブレーキレバー23はクラッチケ
ース９に支持されたブレーキピン24に回動自在に取りつ
けられている。25はブレーキスプリングで、一端はクラ
ッチケース９に、反対側の一端は前記ブレーキレバー23
に取りつけられている。このブレーキスプリング25の作
用によりブレーキ帯35はブレーキホイール17に緊締され
ており、排水時、あるいは脱水時には小型モータ18がＸ
方向にスライド動作する。

40は割りピン41により小型モータに連結したコックジ
ョイントで、中間部にストッパー42を有し、他端は排水
コックに連結してある。小型モータ18がＸ方向にスライ
ド動作することにより、ブレーキ帯35がブレーキホイー
ル17から離脱し、制動力が解除される。

26はクラッチレバースプリングで、ブレーキ調整ボル
ト22を介して、ブレーキレバー23を押圧するようにクラ
ッチレバー20に取り付けられている。27はクラッチスプ
リングで、脱水軸16およびプーリー14が固定されている
脱水メタル31の両方に捲着されており、かつこのクラッ
チスプリング27の下端は円周に爪28aを有するクラッチ
ボス28が固定されている。29はクラッチボス28の爪28a
と係合するクラッチ爪で、クラッチレバー20の先端部に
軸着されている。

以上のクラッチ機構の動作を説明する。

排水時あるいは脱水時には、小型モータ18がＸ方向に
スライド動作することにより、ブレーキレバー23、ブレ
ーキ調整ボルト22、およびクラッチレバー20を介してク
ラッチ爪29がクラッチボス28の爪28aから離脱し解除さ
れる。この状態でモータ10が回転すると、ベルト13,プ
ーリ14,脱水メタル31およびクラッチスプリング27を介
して脱水軸16が駆動される。洗濯時には小型モータ18が
解除すると共にクラッチレバースプリング26の作用で、
クラッチレバー20を介してクラッチ爪29がクラッチボス
28の爪28aに係合する。この係合時にクラッチ爪29はク
ラッチボス28を若干反脱水回転方向へ回転させると共
に、このクラッチボス28に固定されたクラッチスプリン
グ27を緩めて、脱水メタル31と遊嵌状態となり脱水軸16
への駆動力はここで離脱される。

考案が解決しようとする課題 以上のようなブレーキ装置においては、割りピンによ
り小型モータに連結したコックジョイントが必要であ
り、そのコックジョイントの中間部に樹脂を巻着したボ
ルトを、ストッパーとして、調整可能に螺着し、そのコ
ックジョイントの他端は排水バルブに連結するもので、
組み立て作業に非常に手間どる。さらにブレーキ帯の経
時変化で、ブレーキホイールになじみ、ブレーキレバー
がストッパー方向に移動しても、ストッパーに接触しな
いように調整する必要がある。

以上のような複雑な構造においては、コストアップの
みならず、ストッパーの調整などの工程アップおよび経
時変化によるブレーキ不良などの機構的問題も生じやす
くなる。

本考案は上記課題に鑑み、部品点数を削減し、組立作
業性の向上を図ることを目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案は、洗濯兼脱水槽に
連結されたブレーキホイールと、このブレーキホイール
に対応して設けた帯ブレーキを緊緩するブレーキレバー
と、このブレーキレバーに連係するストッパーを一体形
成した樹脂製の結合部材と、この結合部材の一端に連係
した駆動用の小型モータと、結合部材の他端に連係した
排水コックとを具備し、結合部材に対する小型モータの
連係部は、奥壁、頂壁、外壁からなり、これら奥壁、頂
壁、外壁に長手方向に連通して切溝を設けるとともに、
奥壁の切溝は逆Ｔ字状に設定した結合部材の接続部と、
小型モータ側より形成され、上記接続部における奥壁の
逆Ｔ字状切溝に嵌まるようにＴ字状とした接合部とで構
成し、小型モータを垂直としてそのＴ字状接合部を上記
接続部における奥壁の逆Ｔ字状切溝に通過させ、次いで
水平方向に変位させてＴ字状接合部を接続部の外壁に係
止させるように構成し、かつ、外壁の切溝の長さは、小
型モータのＴ字状接合部が水平状態にあるとき、奥壁の
逆Ｔ字状切溝の左右方向横溝部と非対向となるように設
定したものである。

作用 本考案の構成によれば、ボルトとそれに巻着した樹脂
からなるストッパーとコックジョイントが一体的に樹脂
成型しているため、コストダウンが可能であり、また、
結合部材を、小型モータに対して数ミリスライド移動可
能に保持することにより、ストッパーの調整作業も不必
要になる。

実施例 本考案の洗濯機のブレーキ装置の一実施例を第１図お
よび第２図にもとづいて説明する。なお、従来と同一部
品には同一番号を付しその説明を省略し、以下本考案の
特徴部分について説明する。

本考案は、ストッパーを別体に設けず、結合部材45の
中央部にストッパー部46を一体に設け、また、小型モー
タとの接続部方向の先端に、位置決め部48を設ける。

ここで結合部材45における小型モータとの連係部の構
成を第２図を参照して説明する。

上記連係部は、奥壁、頂壁、外壁からなり、これら奥
壁、頂壁、外壁に長手方向に連通して切溝を設けるとと
もに、奥壁の切溝は逆Ｔ字状に設定したものである。そ
して外壁の切溝の長さ、すなわち、位置決め部48の高さ
は、小型モータ側より形成した接合部49のＴ字状接合部
47が水平状態にあるとき、奥壁の逆Ｔ字状切溝の左右方
向横溝部と非対向となるように設定してある。

今、Ｔ字状接合部47の横片部の高さをａ、幅をｂ、位
置決め部48との当たり面と横片部の上面との寸法をｃ、
連係部における奥壁の逆Ｔ字状切溝の左右方向横溝部の
幅をｄ、位置決め部48の高さをｅ、連係部の奥壁と外壁
の内寸法をｆとしたとき、ａ＜ｄ＜ｂに設定してＴ字状
接合部47を上記接続部における奥壁の逆Ｔ字状切溝に通
過させ、次いで水平方向に変位させて接続部の外壁に係
止させるようにしてある。またｃ＝ｅとして連係部の奥
壁と外壁との間に水平方向のＴ字状接合部47を保持でき
るようになっている。またａ＜ｆの関係にしてスライド
ガタを設定し、ブレーキ帯の経時変化によるブレーキバ
ンドの移動に対処できるようにしてある。

考案の効果 このように本考案は、排水コックが連係される結合部
材にブレーキレバーのストッパーを樹脂で一体形成した
ため、部品点数を少なくし、コストダウンが図れると共
に、ストッパーの組み立て作業および調整作業も不必要
となり、また、経時変化によるブレーキ不良などの機構
的問題も未然に防ぐことができ、また、構造が簡単とな
るなどの効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の洗濯機のブレーキ装置の要部断面図、
第２図ａは同結合部材の斜視図、第２図b,cは同結合部
材と小型モータとの接続方法を示す断面図、第３図は従
来の脱水洗濯機の縦断面図、第４図はクラッチケースの
断面図、第５図は第４図のＡ−Ａ線断面図、第６図は第
４図のＢ−Ｂ線断面図である。 17……ブレーキホイール、18……小型モータ、19……排
水コック、35……ブレーキ帯、45……結合部材、46……
ストッパー。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗濯兼脱水槽に連結されたブレーキホイー
   ルと、このブレーキホイールに対応して設けた帯ブレー
   キを緊緩するブレーキレバーと、このブレーキレバーに
   連係するストッパーを一体形成した樹脂製の結合部材
   と、この結合部材の一端に連係した駆動用の小型モータ
   と、結合部材の他端に連係した排水コックとを具備し、
   結合部材に対する小型モータの連係部は、奥壁、頂壁、
   外壁からなり、これら奥壁、頂壁、外壁に長手方向に連
   通して切溝を設けるとともに、奥壁の切溝は逆Ｔ字状に
   設定した結合部材の接続部と、小型モータ側より形成さ
   れ、上記接続部における奥壁の逆Ｔ字状切溝に嵌まるよ
   うにＴ字状とした接合部とで構成し、小型モータを垂直
   としてそのＴ字状接合部を上記接続部における奥壁の逆
   Ｔ字状切溝に通過させ、次いで水平方向に変位させてＴ
   字状接合部を接続部の外壁に係止させるように構成し、
   かつ、外壁の切溝の長さは、小型モータのＴ字状接合部
   が水平状態にあるとき、奥壁の逆Ｔ字状切溝の左右方向
   横溝部と非対向となるように設定した洗濯機のブレーキ
   装置。