JPS642875Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動二輪車におけるチエーンを覆うチ
エーンケースの構造に関する。

（従来の技術） チエーンケースの一例として、下向き開口をも
つ上ケース構成体と、上向き開口をもつ下ケース
構成体とを互いの開口で合わせてチエーンケース
を構成するようにしたものがある。この両ケース
構成体の一方にはケース長手方向に巾広になつた
舌片が、他方にはこの舌片に対向する溝があり、
両ケース構成体は舌片と溝との嵌合によつて接合
され、さらに、両ケース構成体に跨がる当て板に
ねじで結合することにより、一体になされてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の技術では、舌片と溝とがケース長手方向
に長いため、チエーンケースの組立てに際して舌
片と溝との位置合わせが難しく、両者の嵌合に手
間がかかるという問題があつた。

本考案はこの問題を解消し、組付作業性の向上
を図るものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案においては、舌片と溝とは別に２つのケ
ース構成体の一方に細長の突起を、他方にこの突
起が嵌まる穴を設け、突起と穴との嵌合ストロー
クを舌片と溝との嵌合ストロークよりも大とす
る。

（作用） ２つケース構成体を組付ける場合、嵌合ストロ
ークの長い突起と穴とが先に嵌合して舌片と溝と
の位置決めがなされ、しかる後、嵌合ストローク
の短いこの舌片と溝とが嵌合する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示す自動二輪車のチエーンケース１に
おいて、２は下向き開口をもつ車体長手方向に延
びた断面逆Ｕ字状の上ケース構成体、３は上向き
開口をもつ同方向に延びた断面Ｕ字状の下ケース
構成体であり、両ケース構成体２，３は互いの開
口を合わせて結合されている。４は前後のスプロ
ケツト５ａ，５ｂに懸回されたチエーン、６は後
輪である。

両ケース構成体２，３の内側の合わせ部と外側
の合わせ部とには第２図乃至第４図にも示す如く
前端がスイングアーム軸７ａに軸支されたスイン
グアーム７の通し孔８，９が開設されている。つ
まり、スイングアーム７はチエーンケース１（第
１図）の前部内側から後部外側へ斜方向に延び、
リヤクツシヨン１０（第１図）を介して車体１１
（第１図）に連結されている。

そうして、上記下ケース構成体３の内板部（車
体中央側）の内面には、第３図乃至第５図に示す
如く、先端を上向き開口の端縁１２より上方へ突
出せしめた板状の舌片１３，１４と板状の細長い
突起１５とが固定されている。舌片１３，１４は
ケース長手方向に巾広で、両舌片１３，１４の間
に突起１５があり、突起１５は舌片１３，１４よ
りも突出量が大である。

これに対し、上ケース構成体２の内板部には、
上記舌片１３，１４と対応し、かつ、下向き開口
の端縁１６より上方へ退いた位置に、内板部をケ
ース内側へ凹ませて形成した支持部１７，１８が
ある。そして、両支持部１７，１８に１枚板の板
体１９が跨がつて固定されており、支持部１７，
１８下方の内板部と板体１９とで舌片１３，１４
が嵌合する溝２０，２１が形成され、両支持部１
７，１８の間に突起１５が嵌まる穴２２が形成さ
れている。

この上ケース構成体２と下ケース構成体３と
は、その組付に際して、初めに嵌合ストロークの
長い突起１５と穴２２が嵌合することにより嵌合
ストロークの短い舌片１３，１４と溝２０，２１
の位置決めがなされ、そのまま、突起１５を穴２
２に挿入していくと、この突起１５と穴２２との
嵌合に案内されて舌片１３，１４と溝２０，２１
とが嵌合する。そして、第１図および第２図に示
されている如く、両ケース構成体２，３は、互い
の外板部に形成したボルト孔２３において裏当て
２４を設けてボルト２５により固定されている。

また、チエーンケース１の外板側のスイングア
ーム通し孔９の後方部には、第６図に示す如くア
クスル軸２６がカラー２７および樹脂（ゴム）製
の環状ダンパー２８を介して支持されている。な
お、第６図において、２９はスイングアームアク
スルブラケツト、３０はチエーンアジヤスターで
ある。

なお、上記実施例では下ケース構成体側に舌片
および突起を設ける一方、上ケース構成体側に溝
および穴を設けているが、逆に舌片および突起を
上ケース構成体側に設け、溝および穴を下ケース
構成体側に設けてもよく、さらに、突起と舌片は
必ずしも同じ側に設けること要するものではな
い。

また、本考案は、自動二輪車以外に、自転車そ
の他の機械器具におけるチエーンケースに適用す
ることができる。

（考案の効果） 本考案によれば、チエーンケースを構成する２
つケース構成体を組付ける場合、突起と穴との嵌
合によつて舌片と溝との位置決めおよび嵌合の案
内が行なわれるため、舌片が巾広であつてもこの
舌片と溝との嵌合を円滑に行なうことができ、チ
エーンケースの組立作業性の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は自
動二輪車のチエーンケースを示す側面図、第２図
は第１図のＡ−Ａ線での拡大断面図、第３図は第
１図のＢ−Ｂ線での拡大断面図、第４図は第１図
のＣ−Ｃ線での拡大断面図、第５図は２つのチエ
ーンケース構成体の嵌合関係を示す斜視図、第６
図はチエーンケースのアクスル軸部分での縦断面
図である。 １……チエーンケース、２……上ケース構成
体、３……下ケース構成体、４……チエーン、１
３，１４……舌片、１５……突起、２０，２１…
…溝、２２……穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いの対応する開口を合わせてチエーンケース
   を構成する第１のケース構成体と第２のケース構
   成体とがあり、両ケース構成体がケース長手方向
   に巾広となつた舌片と、この舌片に対向する溝と
   の嵌合によつて接合されるものにおいて、両ケー
   ス構成体の一方には細長の突起が、他方にはこの
   突起が嵌合する穴が設けられ、突起と穴との嵌合
   ストロークが舌片と溝との嵌合ストロークよりも
   大になされていることを特徴とするチエーンケー
   スの構造。