JPH0524636Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動二輪車のリアフオークに支持さ
れる後車軸の支持構造に関する。

〔従来の技術〕

自動二輪車のリアフオークに後車軸を支持する
この種従来技術としては、例えば実開昭59−
12790号公報に開示されるものがある。

この技術は、角パイプで形成したリアフオーク
の後端部の反後車輪側側壁を、後車軸を貫通する
軸孔より長く後方から切欠いて切欠き部を形成
し、一部に軸孔を穿設した平面Ｌ字状のエンドピ
ースを上記後端部に挿入して、Ｌ字状の折曲げ部
でリアフオークの開口を閉塞するように、該エン
ドピースをリアフオークに溶接固定して取付けら
れる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述のものでは、リアフオーク
の取付け部に溶接による熱変形を生じることがあ
つて好ましくなく、また溶接そのものも手狭で作
業性が悪かつた。

本考案は、かかる実情を背景にしてなされたも
ので、エンドピースの取付けが容易でかつ取付け
部の熱変形を防止した後車軸の支持構造を提供す
ることを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上述の目的を達成するため、車体に
上下揺動自在に枢支されるリアフオークを、後車
輪側側壁、反後車輪側側壁及び上・下壁からなる
角パイプで形成し、該リアフオークの後端部に後
車軸を軸支するエンドピースを挿着した自動二輪
車の後車軸支持構造において、該リアフオークの
後端部を、その左右幅が後端開口へ向けて幅狭に
なるように反後車輪側側壁からテーパ状に切欠い
て断面コ字状に形成し、該テーパ状に切欠かれた
部分の後車輪側側壁に車体前後方向に長手の軸孔
を形成し、前記エンドピースは、少なくとも前記
リアフオークの後車輪側側壁及び上壁内面に接着
される側壁及び上壁を有し、かつ前部に角パイプ
挿入部を、側壁後部に車体前後方向に長手の軸孔
を形成し、前記エンドピースの角パイプ挿入部を
前記リアフオークの角パイプ内に挿入してエンド
ピースの軸孔とリアフオークの軸孔とを一致させ
て前記エンドピースの側壁及び上壁を、前記リア
フオークの後車輪側側壁及び上壁内面に接着固定
して、前記後車軸をエンドピース及びリアフオー
クの軸孔に挿通支持すると共に、前記エンドピー
スの側壁前端と前記リアフオークの反後車輪側側
壁後端とに夫々係合する前部突起と後部突起を有
するアジヤストボルトホルダを前記リアフオーク
の角パイプ内に嵌着せしめ、該アジヤストボルト
ホルダに、前記後車軸の前側部に後端が当接する
アジヤストボルトを螺着したことを特徴としてい
る。

〔作用〕

上記の構成によれば、エンドピースをリアフオ
ークに接着固定すると共に、アジヤストボルトホ
ルダをエンドピース及びリアフオークに係合して
リアフオークの角パイプ内に嵌着したから、エン
ドピースやアジヤストボルトホルダの取付けが容
易でかつ取付け部の熱変形が防止される。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

前端部を車体に上下方向へ揺動自在に枢支され
るリアフオーク１は、後車輪側側壁１ａ、反後車
輪側側壁１ｂ、上壁１ｃ及び下壁１ｄからなる断
面縦長方形の角パイプで形成され、後車軸２を支
持する後端部は、その左右幅が後端１ｅの開口へ
向けて幅狭になるように反後車輪側側壁１ｂから
テーパ状に切欠いて断面コ字状に形成されてお
り、該テーパ状に切欠かれた部分の後車輪側側壁
１ａには、車体前後方向に長手の軸孔１ｆが形成
されている。

前記リアフオーク１の後端部に挿着されるエン
ドピース３は、断面コ字状の母材を押出し成形し
てなるもので、リアフオーク１の後車輪側側壁１
ａ、上壁１ｃ及び下壁１ｄ内面に夫々対向する側
壁３ａ、上壁３ｂ及び下壁３ｃを有しており、前
部に角パイプ挿入部３ｄを、側壁３ａ後部に車体
前後方向に長手の軸孔３ｅを形成し、上壁３ｂと
下壁３ｃの後部側を、リアフオーク１の切欠きと
同形に後端へ向けてテーパ状に切欠いている。

このエンドピース３は、角パイプ挿入部３ｄを
リアフオーク１の角パイプ内に挿入してエンドピ
ース３の軸孔３ｅとリアフオーク１の軸孔１ｆと
を一致させて、エンドピース３の側壁３ａ及び上
壁３ｂの外面を、リアフオーク１の後車輪側側壁
１ａ及び上壁１ｃの内面に接着剤により固着する
ことにより、リアフオーク１に接着固定される。

前記後車軸２は、軸部２ａをエンドピース３及
びリアフオーク１の軸孔３ｅ，１ｆに挿通し、頭
部２ｂとエンドピース３との間に、軸部２ａを挿
通したチエンテンシヨナー４を介装して、エンド
ピース３及びリアフオーク１に取付け支持される
もので、軸部２ａには後輪のハブ５が軸受６を介
して回転可能に支承されている。

前記リアフオーク１の角パイプ内には、アジヤ
ストボルトホルダ７が嵌着されている。このアジ
ヤストボルトホルダ７は、エンドピース３の側壁
３ａの前端３ｆとリアフオーク１の反後車輪側側
壁１ｂの後端１ｇとに夫々係合する前部突起７ａ
と後部突起７ｂとを有している。そして、前部突
起７ａをエンドピース３の前端３ｆに係合させ
て、アジヤストボルトホルダ７をエンドピース３
と共にリアフオーク１の角パイプ内に挿入し、後
部突起７ｂをリアフオーク１の反後車輪側側壁１
ｂの後端１ｇに当接係合させて、前述の如く、エ
ンドピース３の側壁３ａ及び上壁３ｂを、リアフ
オーク１の後車輪側側壁１ａ及び上壁１ｃに接着
剤により固着することにより、アジヤストボルト
ホルダ７は、リアフオーク１の角パイプ内に嵌着
される。

該アジヤストボルトホルダ７に形成される車体
前後方向の雌ねじ７ｃには、アジヤストボルト８
が螺着され、該アジヤストボルト８の後端が、チ
エンテンシヨナー４の前側部に当接し、後車軸２
の前側部に間接的に当接している。そして、チエ
ン調整時には、アジヤストボルト８を繰り出し
て、車体後方側へ移動したチエンテンシヨナー４
の前側部にアジヤストボルト８の後端を当接さ
せ、アジヤストボルト８をロツクナツト９でロツ
クして、後車軸２の調整位置を保持する。

尚、上記実施例は、アジヤストボルト８の後端
が、チエンテンシヨナー４を介して間接的に後車
軸２の前側部に当接しているが、チエンテンシヨ
ナーを設けずに、アジヤストボルト８の後端を後
車軸２の前側部に直接的に当接させても、後車軸
２の位置調整を行うことができる。

本実施例は以上のように構成されるもので、後
車軸２及びアジヤストボルトホルダ７を支持する
エンドピース４は、角パイプ挿入部３ｄをリアフ
オーク１の角パイプ内に挿入して、側壁３ａ及び
上壁３ｂの外面を、リアフオーク１の後車輪側側
壁１ａ及び上壁１ｃの内面に接着剤により固着す
ることにより、リアフオーク１の接着固定される
から、溶接による熱変形が防止されると共に取付
けが容易に行なえ、またリアフオーク１の下壁１
ｄに接着固定されない下壁３ｃによつて、リアフ
オーク１の走行中の揺動荷重や後輪から伝達され
る捩れ力を逃げてエンドピース３の負担を軽減で
きる。

しかも、エンドピース３は、下壁３ｃ側を規制
されない上下方向の寸法許容量を拡大できるか
ら、精度を必要とせず容易に製作することができ
る。

また、アジヤストボルトホルダ７は、エンドピ
ース３を、リアフオーク１に接着固定することに
より、リアフオーク１の角パイプ内に嵌着される
から、その取付けが簡単である。

尚、上記実施例では、エンドピース３を接着の
みでリアフオーク１に固定すると共に、アジヤス
トボルトホルダ７をリアフオーク１の角パイプ内
に嵌着したが、例えば、車体前後方向に長手の軸
孔１０ａを形成した補強プレート１０を、リアフ
オーク１の後車輪側側壁１ａの外面に当て、補強
プレート１０、リアフオーク１及びエンドピース
３に夫々形成したボルト孔１０ｂ，１ｈ，３ｇに
挿通させた取付けボルト１１を、アジヤストボル
トホルダ７に形成したねじ孔７ｄに締結すること
により、エンドピース３及びアジヤストボルトホ
ルダ７を一層強固にリアフオーク１に取付けるこ
とができる。

〔考案の効果〕

本考案は以上説明したように、後車輪側側壁、
反後車輪側側壁及び上・下壁からなる角パイプ状
のリアフオークの後端部を、その左右幅が後端開
口へ向けて幅狭になるように反後車輪側側壁から
テーパ状に切欠いて断面コ字状に形成し、該テー
パ状に切欠かれた部分の後車輪側側壁に車体前後
方向に長手の軸孔を形成し、前記リアフオークの
後端部に挿着されるエンドピースに、少なくとも
前記リアフオークの後車輪側側壁及び上壁内面に
接着される側壁及び上壁を、かつ前部に角パイプ
挿入部を、側壁後部に車体前後方向に長手の軸孔
を夫々形成して、角パイプ挿入部を前記リアフオ
ークの角パイプ内に挿入してエンドピースの軸孔
とリアフオークの軸孔とを一致させて前記エンド
ピースの側壁及び上壁を、前記リアフオークの後
車輪側側壁及び上壁内面に接着固定して、前記後
車軸をエンドピース及びリアフオークの軸孔に挿
通支持すると共に、前記エンドピースの側壁前端
と前記リアフオークの反後車輪側側壁後端とに
夫々係合する前部突起と後部突起を有するアジヤ
ストボルトホルダを前記リアフオークの角パイプ
内に嵌着せしめ、該アジヤストボルトホルダに、
前記後車軸の前側部に後端が当接するアジヤスト
ボルトを螺着したので、リアフオークの後端部に
溶接による熱変形がなく、また、エンドピース及
びアジヤストボルトホルダの取付けが極めて容易
となる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
要部の分解斜視図、第２図は同じく正面図、第３
図は第２図の−断面図、第４図は第２図の
−断面図である。 １……リアフオーク、１ａ……後車輪側側壁、
１ｂ……反後車輪側側壁、１ｃ……上壁、１ｄ…
…下壁、１ｅ……後端、１ｆ……軸孔、１ｇ……
反後車輪側側壁１ｂの後端、２……後車軸、３…
…エンドピース、３ａ……側壁、３ｂ……上壁、
３ｃ……下壁、３ｄ……角パイプ挿入部、３ｅ…
…軸孔、４……チエンテンシヨナー、７……アジ
ヤストボルトホルダ、７ａ……前部突起、７ｂ…
…後部突起、７ｃ……雌ねじ、８……アジヤスト
ボルト、９……ロツクナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に上下揺動自在に枢支されるリアフオーク
   を、後車輪側側壁、反後車輪側側壁及び上・下壁
   からなる角パイプで形成し、該リアフオークの後
   端部に後車軸を軸支するエンドピースを挿着した
   自動二輪車の後車軸支持構造において、該リアフ
   オークの後端部を、その左右幅が後端開口へ向け
   て幅狭になるように反後車輪側側壁からテーパ状
   に切欠いて断面コ字状に形成し、該テーパ状に切
   欠かれた部分の後車輪側側壁に車体前後方向に長
   手の軸孔を形成し、前記エンドピースは、少なく
   とも前記リアフオークの後車輪側側壁及び上壁内
   面に接着される側壁及び上壁を有し、かつ前部に
   角パイプ挿入部を、側壁後部に車体前後方向に長
   手の軸孔を形成し、前記エンドピースの角パイプ
   挿入部を前記リアフオークの角パイプ内に挿入し
   てエンドピースの軸孔とリアフオークの軸孔とを
   一致させて前記エンドピースの側壁及び上壁を、
   前記リアフオークの後車輪側側壁及び上壁内面に
   接着固定して、前記後車軸をエンドピース及びリ
   アフオークの軸孔に挿通支持すると共に、前記エ
   ンドピースの側壁前端と前記リアフオークの反後
   車輪側側壁後端とに夫々係合する前部突起と後部
   突起を有するアジヤストボルトホルダを前記リア
   フオークの角パイプ内に嵌着せしめ、該アジヤス
   トボルトホルダに、前記後車軸の前側部に後端が
   当接するアジヤストボルトを螺着したことを特徴
   とする自動二輪車の後車軸支持構造。