JP2500817B2 - 焼結材溶接用溶加材 - Google Patents
焼結材溶接用溶加材Info
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Description
伝達系等に用いられる鉄基の多孔質の焼結部品同士或い
は前記焼結部品と鋼材とを溶融接合する際に用いられる
溶加材に関するものである。
或いは電子ビーム、レーザビームなどの高エネルギー密
度ビーム溶接により広く行なわれている。しかしなが
ら、鉄基焼結材の場合には、多孔質であるため、これら
の方法で溶接すると母材の空孔が集合し、大きなブロー
ホールが溶接金属に形成され、溶接部の強度が確保でき
なくなる。このため、従来、鉄基焼結材(以下、単に焼
結材という)の接合方法として、下記の方法が提案され
ているが、それぞれ問題があった。
性が良すぎると、ろうが母材の空孔に吸収され、接合界
面のろうが不足し、一方、ろう材の濡れ性が悪いと、特
に中、高炭素組成の焼結材に対しては良好な結合が行な
えない。また、ろう付時に接合界面の周辺の空孔が成長
することもあり、安定した強度が得にくい。
合したり、焼結後焼きばめ或いは冷しばめにより接合す
る方法であるが、このような方法で接合したものは、使
用環境により接合強度が経年劣化し易い。
を溶融させることによって接合部の空孔を溶融金属で満
たす方法であるが、接合強度は溶浸材に依存するため、
接合部の強度が母材に比べて著しく低くなる。また、こ
の方法では鋼材と焼結材の接合は基本的に不可能であ
る。
なう方法 特開平2−160185号公報に示されている方法であ
り、空孔を溶浸材で満たしたうえで、ビーム溶接するこ
とにより、ブローホールの発生に対しては改善される可
能性があるが、その他の欠陥の発生に対しては対策が施
されていない。すなわち、通常、鉄基焼結材には強度を
確保するために 0.4〜1 %程度の炭素が添加されるが、
これを冷却速度の早い高エネルギー密度ビーム溶接で溶
接すると、変態割れ、低温割れが発生する。また、銅を
代表とする溶浸材のため、溶接金属中の銅含有量が増加
し、母材中の S等の不純物とあいまって著しく高温割れ
感受性が高まり、溶接金属の高温割れ(凝固割れ)が避
けられない。また溶浸、ビーム溶接と2つの工程が必要
であり、生産性の面でも有利な方法とはいい難い。
加材は、欠陥発生防止、接合部の強度、生産性及び接合
部の靱性の点で不十分であり、すべてを満足できる方法
並びに溶加材は見当たらないのが現状である。
前記焼結材と鋼材の接合に対しては、前述の高エネルギ
ー密度ビーム溶接が適用できれば、溶込み深さ、強度、
生産性、歪みの面で有利と考えられる。しかしながら、
鉄基焼結材は、通常かなり高い C含有量であること、及
び空孔が存在することから、 Cに起因するマルテンサイ
ト変態による低温割れや空孔に起因するブローホール等
の欠陥発生は避けられない。また、高温割れは、軽微な
割れは許容できるものの、大きな割れの発生は避けるべ
きである。したがって、これを実用化するためには、特
に低温割れやブローホールの発生の防止を図ったうえ
で、適切な強度の溶接部が得られることが必要である。
更に、溶接そのものが安定して行えなければ、生産性を
極めて重視する分野においては実用化ができない。
たものであって、主として高エネルギー密度ビーム溶接
時に使用する溶加材であって、鉄基焼結材の接合におい
て低温割れやブローホール等の欠陥の発生がない焼結材
溶接用溶加材(フィラーワイヤ)を提供することを目的
とするものである。
め、本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、溶加材の組成
を規制することによって鉄基焼結材の接合が可能である
ことを見い出し、ここに本発明をなしたものである。
いは前記焼結部品と鋼材を溶融接合する際に用いる溶加
材において、軟鋼製シース内に金属粉を封入してなるコ
アドワイヤであって、封入する粉末組成が、ワイヤ全重
量に対して、C:0.05〜1 %及び Mn:15〜30%で、かつ、
Al及びTiのうちの少なくとも1種または合計が 0.2〜3
%で、残部がFe及び不可避的不純物である焼結材溶接用
コアドワイヤである。
結部品と鋼材を溶融接合する際に用いる溶加材におい
て、オーステナイト系ステンレス鋼製シース内に金属粉
を封入してなるコアドワイヤであって、封入する粉末組
成が、ワイヤ全重量に対して、C:0.05〜1 %及びMn:5〜
30%で、かつ、Al及びTiのうちの少なくとも1種または
合計が 0.2〜3 %で、残部がFe及び不可避的不純物であ
る焼結材溶接用コアドワイヤである。
結部品と鋼材を溶融接合する際に用いる溶加材におい
て、C:0.05〜1 %、Si:2%以下、Mn:5〜30%、Ni:7〜15
%及びCr:20%以下を含有し、かつ、Al及びTiのうちの
少なくとも1種または合計で 0.2〜3 %含有し、残部が
Fe及び不可避的不純物からなる焼結材溶接用ソリッドワ
イヤである。
に、強度改善のために、純鉄粉或いは合金粉に 0.4〜1
%の Cを添加し、焼結助剤として 2.5%以下のCuとバイ
ンダーを混ぜ合わせたうえで圧粉体を形成し焼結させ
る。すなわち、本発明の溶加材が対象とする鉄基焼結材
は、ほぼ C:0.4〜1 %、 Si:0.01〜0.1 %、 Mn:0. 05〜
0.5 %、Cu:3.0%以下、Ni:5%以下、Cr:2%以下、Mo:1
%以下、残部が鉄及び不可避的不純物からなるものであ
る。このような焼結材を高エネルギー密度ビーム溶接で
溶接すると、前述の如く、焼結材の空孔に起因するブロ
ーホールが発生すると共に、低温割れ、変態割れ、高温
割れなどが発生する。
を有している。まず、溶接金属のマルテンサイト変態に
起因する低温割れを防止するために、溶加材より所定の
成分を添加して、マルテンサイト変態を抑制し、溶接金
属の組織をオーステナイト或いはオーステナイトとマル
テンサイトの混合組織とするものである。すなわち、
C、Ni、Mn等のオーステナイト形成元素を、Cr、Mo、Si
を代表とするフェライト形成元素に対し、所定の比率以
上含有させる。
力な脱酸剤であるAl、Ti等を所定量添加することによ
り、防止する。これらの元素は脱酸剤であると同時に、
窒化物形成による窒素吸収作用がある。すなわち、焼結
材における空孔には酸素のみでなく、当然窒素が含まれ
るため、Mn、Si等の脱酸剤だけではブローホールの発生
防止に対して不充分であることから、上記脱窒兼脱酸剤
を所定量(0.2〜3 %) 添加することにより、完全にブロ
ーホールの発生を防止できるのである。
て説明する。
成が、ワイヤ全重量に対して、C:0.05〜1 %及び Mn:15
〜30%で、かつ、Al及びTiのうちの少なくとも1種また
は合計が 0.2〜3 %で、残部がFe及び不可避的不純物で
ある組成のものである。
或いはそれ以上に保持した上で、オーステナイト形成元
素であるMnを所定量含有させたものである。これによ
り、マルテンサイト変態が抑制され、溶接金属の組織が
オーステナイト或いはオーステナイトとマルテンサイト
の混合組織となり、低温割れが防止できる。また、Mnを
添加することにより、焼結材に含有する Sと結び付き、
高温割れの防止に対しても有効に作用する。更に、Mnは
強力な脱酸剤であることから、ブローホールの発生防止
に対しても寄与する。ここで、Mnが15%未満では溶接金
属中に歩留るMn量が不足し、一方、30%を超えても溶加
材の供給量を加減することにより接合可能であるが、溶
加材そのものの製造が困難となると共にその効果が飽和
する。したがって、金属粉中のMnの含有量の適正範囲
は、ワイヤ全重量に対して15〜30%である。
接金属のオーステナイト化に寄与するが、焼結材の C含
有量が 1%程度と極めて高い場合は、 C含有量が0.05%
程度の溶加材で充分溶接金属のオーステナイト化を図る
ことができる。一方、通常の機械部品として用いられる
焼結材は、強度改善のために Cが 0.4%程度以上含有し
ているため、 1%を超える C含有量とする必要がない。
したがって、金属粉中の Cの含有量の適正範囲は、ワイ
ヤ全重量に対して0.05〜1 %である。
共に窒素吸収に効果を発揮するが、この効果を得るため
には少なくとも1種または合計で 0.2%以上必要であ
る。しかし、 3%を超えて添加してもその効果は飽和す
る。したがって、金属粉中のAl及びTiの1種または合計
量の適正範囲は、ワイヤ全重量に対して 0.2〜3 %であ
る。
する場合、溶込み深さを確保するためには、溶加材の供
給量が制限される。このため、前述のC-高Mn-Al 、Ti系
の溶加材では、溶接金属の組織を完全にオーステナイト
にすることがむずかしく、かなりの割合のマルテンサイ
トが含まれるため、靱性に乏しい溶接金属となり易い。
この問題に対しては、上記C-高Mn-Al 、Tiの金属粉をス
テンレス鋼のシース、好ましくはオーステナイト系ステ
ンレス鋼のシースに封入することにより解決することが
できる。一般にオーステナイト系ステンレス鋼には、通
常7%程度以上のNiが含まれており、シースからこのNi
を溶接金属に添加することで、より少ない溶加材の供給
量で溶接金属の組織をオーステナイトにすることがで
き、優れた靱性の溶接金属が得られる。またシースのCr
成分も、窒化物形成による窒素吸収作用があるため、よ
りブローホールの発生防止に有利となる。
ンレス鋼製シース内に金属粉を封入してなるコアドワイ
ヤであって、封入する金属粉が、ワイヤ全重量に対し
て、少なくともMn:5〜30%を含有すると共に必要に応じ
てC:0.05〜1 %を含有し、かつ、Al及びTiのうちの少な
くとも1種または合計で 0.2〜3 %含有しているものが
可能である。コアドワイヤとすることにより、より少な
いワイヤ供給量で溶接金属のオーステナイト化が図られ
る点で優れている。
レス鋼とする理由は次のとおりである。軟鋼製のシース
に C、Mn、Al、Tiなどの金属粉を封入したフィラーワイ
ヤを用いて高エネルギー密度ビーム溶接した場合、溶接
金属の組織を完全なオーステナイトにすることはむずか
しく、かなりの割合のマルテンサイトが含まれるため、
靱性に乏しい溶接金属になり易い。これに対して、シー
スにオーステナイト系ステンレス鋼を用いた場合、ステ
ンレス鋼の必須成分として多量のCrが含まれており、Cr
そのものはフェライト形成元素であることから溶接金属
のオーステナイト化を阻止する元素であるものの、これ
に見合う C或いはMnを封入した場合の溶接金属の靱性
は、軟鋼製のシースを用いた場合よりも良好である。ま
た、前述のようにCrも窒素吸収作用があるため、よりブ
ローホールの発生防止に有利となる。更に、シースとし
てオーステナイト系ステンレス鋼を用いると、通常Crと
共に7%程度以上のNiが含まれていることから、より少
ないフィラーワイヤの供給量で溶接金属組織をオーステ
ナイトにすることができ、優れた靱性の溶接金属が得ら
れる。なお、シースをステンレス鋼製にすることによ
り、ワイヤ表面の錆の発生を防止し、よりブローホール
が発生しにくい溶加材を提供できる効果もある。
と共に、高温割れ防止及び脱酸剤として重要な役割を果
たすが、金属粉中に含有させるMn量が 5%未満では溶接
金属中に歩留るMn量が不足し、高温割れ、低温割れを防
止できない。また溶接金属の硬さが高くなり、靱性が確
保できない。一方、30%を超えてもフィラーワイヤの供
給量を制限することにより接合可能ではあるものの、フ
ィラーワイヤそのものの製造が困難となるばかりか、そ
の効果は飽和する。したがって、金属粉中のMn含有量の
適正範囲は、ワイヤ全重量に対して 5〜30%である。
ースにはオーステナイト形成元素であるNiが含まれてい
るので、その分、同じオーステナイト形成元素であるMn
含有量は、軟鋼製シース溶加材の含有量よりも下限を少
なくしている。また、13Crフェライト系や13Crマルテン
サイト系ステンレス鋼製シースであっても、内部に封入
する金属粉に C、Mn、Al、Tiの他に、Niをワイヤ全重量
に対して 7%以上添加することで、前述のオーステナイ
ト系ステンレス鋼製シースの溶加材と同じ特性を得るこ
とが可能である。
効果を発揮するため重要な成分である。その効果を発揮
させるためには少なくとも1種または合計で 0.2%以上
含有させることが必要である。しかし、 3%を超えて添
加してもその効果は飽和する。したがって、金属粉中の
Al及びTiの1種又は2種の合計量の適正範囲は、ワイヤ
全重量に対して 0.2〜3 %である。
り、溶接金属のオーステナイト化に寄与するが、焼結材
の C含有量が 1%程度と極めて高い場合は、 C含有量が
0.05%程度の溶加材で十分溶接金属のオーステナイト化
を図ることができる。一方、通常の機械部品として用い
られる焼結材は、強度改善のために Cが 0.4%程度以上
含有されているため、 1%を超える C含有量とする必要
がない。したがって、金属粉中の C量の適正範囲はワイ
ヤ全重量に対して0.05〜1 %である。
み深さの確保のための溶加材供給量の制限に起因する溶
接金属の完全オーステナイト化の困難化)と、コアドワ
イヤの問題点(供給時のワイヤの指向性、特に低出力ビ
ームに対しビームからのワイヤの離脱し易さ、合わせ目
に起因する製造後長期間放置での内部金属粉の吸湿、安
定供給のためのワイヤ径の細径化の困難性)を解決する
溶加材としてのソリッドワイヤであって、C:0.05〜1
%、Si:2%以下、Mn:5〜30%、Ni:7〜15%及び Cr:20%
以下を含有し、Al及びTiのうちの少なくとも1種または
合計で 0.2〜3 %含有し、残部がFe及び不可避的不純物
である組成のものである。
接金属のオーステナイト化に寄与するが、焼結材の C含
有量が 1%程度と極めて高い場合は、 C含有量が0.05%
程度の溶加材で充分溶接金属のオーステナイト化を図る
ことができる。一方、通常の機械部品として用いられる
焼結材は、強度改善のために Cが 0.4%程度以上含有し
ているため、 1%を超える C含有量とする必要がない。
したがって、 Cの適正範囲は0.05〜1 %である。また、
Siは脱酸剤として有効であるが、フェライト形成元素で
もあるので溶接金属のオーステナイト化を抑制する。し
たがって、Siの含有量は 2%以下に限定する。
に、高温割れの防止及び脱酸剤として重要な役割を果た
すが、 5%未満では溶接金属中に歩留るMn量が不足し、
高温割れ、低温割れが防止できない。また溶接金属の硬
さが高くなり、靱性が確保できない。一方、30%を超え
て添加しても溶加材(ソリッドワイヤ)そのものの伸線
性が劣り、製造がむずかしくなるばかりか、その効果は
飽和する。したがって、Mnの適正範囲は 5〜30%であ
る。また、本発明の溶加材(ソリッドワイヤ)にはオー
ステナイト形成元素であるNiが含まれているので、その
分、同じオーステナイト形成元素であるMn含有量は、軟
鋼製シース溶加材の含有量よりも下限を少なくしてい
る。
寄与すると共に、靱性の改善に有効であり、その効果を
発揮させるためには溶接金属の歩留りを考慮すると 7%
以上含有させる必要がある。しかし、15%を超えて添加
してもその効果は飽和すると共にワイヤのコストアップ
につながる。したがって、Niの適正範囲は 7〜15%であ
る。
に窒素吸収作用によるブローホールの発生防止に寄与す
るが、フェライト形成元素であるため、溶接金属のオー
ステナイト化を阻止し、20%を超えて添加すると溶接金
属のオーステナイト化が図れなくなる。したがって、Cr
の適正範囲は20%以下である。
に窒素吸収に効果を発揮するため重要な成分である。そ
の効果を発揮させるためには少なくとも1種または合計
で 0.2%以上含有させることが必要である。しかし、 3
%を超えて添加してもその効果は飽和する。したがっ
て、Al及びTiの1種又は2種の合計量の適正範囲は 0.2
〜3 %である。
結材である接合、具体的には、鉄基焼結部品同士、或い
は前記焼結部品と鋼材を溶融接合する際に用いるが、そ
の溶接方法は高エネルギー密度ビーム溶接、或いはTI
G、MIG等のアーク溶接であり、前者の高エネルギー
密度ビーム溶接である場合に効果が大きく、特に空気中
で溶接できるレーザビーム溶接が好適である。高エネル
ギー密度ビーム溶接に供給する溶加材の場合は、ワイヤ
径を 1.6mmφ以下とする。高エネルギー密度ビーム溶接
においてはビーム径が小さいため、これを超えるワイヤ
径では正常な供給ができないからであり、安定した供給
のためには 1mmφ以下が好ましい。
化学成分 (wt%) 及び密度の焼結材(20t ×20w ×100
l)に対し、種々の化学成分の溶加材を供給しながら表
2に示す条件でレーザ溶接した。用いた溶加材は 1.2mm
φの軟鋼製シースのコアドワイヤであり、表3に示す化
学成分(wt%) のものである。図1に溶接状況を示す。
溶接後、溶接部のX線検査及び断面検査により欠陥の有
無を調べた。その結果を表3に併記する。なお、表3に
示すSi量はシース中の値である。
いずれも溶接金属の低温割れ及び高温割れ、ブローホー
ルのすべての欠陥が解決されていることがわかる。な
お、図2に健全な溶接部が得られた本発明例No.12 の溶
接部の硬さ分布測定結果の例を示すように、充分な溶接
金属硬さを有しており、強度面においても問題のないこ
とが確認された。
した記号Aの焼結材(20t ×20w ×100l)とS45Cの鋼材
(20t ×20w×100l)を重ね、その突き合わせ面をレー
ザ溶接した。溶加材は表3におけるNo.12 のものを用
い、レーザ溶接条件は、溶接速度1.5m/min、出力6kW 一
定とし、ワイヤ供給速度を 0〜5m/minの範囲で変化させ
た。溶接後、X線検査及び断面検査により欠陥の有無を
調べた。その結果を表4に示すように、本発明による溶
加材を用いて所定量以上の速度で供給することにより、
健全な溶接部が得られることが確認された。
表1に示した焼結材(20t ×20w ×100l)に対し、表3
に示したNo.12 の溶加材を用いてMAG溶接によりビー
ドオンプレート溶接した。溶接条件は電流170A、電圧25
V 、溶接速度40cm/minとし、シールドガスはAr+20%CO
2 を用いた。
った結果、欠陥は認められず、健全な溶接部が得られて
いることが確認された。なお、溶接金属の硬さはレーザ
溶接の場合に比べて、母材成分の稀釈の影響が少ないこ
とから、HV200 程度と充分ではあるが、やや低い値とな
った。
化学成分 (wt%) 及び密度の焼結材(20t ×20w ×100
l)に対し、種々の化学成分の溶加材を供給しながらレ
ーザ溶接した。用いた溶加材は 1mmφの軟鋼製シースの
コアドワイヤで、表6に示す化学成分 (wt%) のもので
ある。レーザ溶接条件を表7に示す。溶接後、溶接部を
X線検査及び断面調査して欠陥の有無を調べると共に、
溶接金属の化学成分を調べた。その結果を表8に示す。
なお、表6に示すSi量はシース中の値である。
おいて、 C含有量が 0.3%以上でMn含有量が 3%以上、
かつAl及びTiの少なくとも1種の含有量が0.03%以上の
場合に、溶接金属のブローホール、高温割れ、低温割れ
のすべての欠陥が防止できることが確認された。なお、
図3に健全な溶接部が得られた本発明例No.5の溶接部の
硬さ分布測定結果を示すように、充分な溶接金属硬さを
有しており、強度面でも問題がないことが確認された。
した記号Aの焼結材(20t ×20w ×100l)とS45Cの鋼材
(20t ×20w×100l)を重ね、その突き合わせ面をレー
ザ溶接した。溶加材は表6に示した記号1のワイヤを用
いた。レーザ溶接条件を表9に示す。溶接部の評価を実
施例4の場合と同様に行った。その結果を表10に示す。
同表に示すように、焼結材と鋼材の溶接の場合において
も溶接金属の化学成分を実施例4に示した範囲に制御す
ることにより、健全な溶接部が得られることが確認され
た。
化学成分 (wt%) 及び密度の焼結材(12t ×20w ×100
l)に対し、表12に示すレーザ溶接条件でレーザ溶接し
た。用いた溶加材は表13に示す種々の化学成分 (wt%)
のワイヤであって、シースが軟鋼又はオーステナイト系
ステンレス鋼(SUS304)からなる 1.2mmφのコアドワイヤ
である。溶接後、溶接部のX線検査及び断面検査により
欠陥の有無を調べると共に溶接金属部の衝撃試験を行っ
た。その結果を表13に併記する。衝撃試験には焼結材表
裏面から同一条件でレーザ溶接したものを10×10×55mm
の試験片(2mmVノッチ) に加工したものを用いた。衝撃
試験における判定は常温での吸収エネルギーが1.2kgf・
m 以上得られるものを合格とした。なお、なお、表13に
示すのSi量はシース中の値である。
はいずれも、溶接金属のブローホール、高温割れ、低温
割れを防止でき、且つ所定の靱性が得られていることが
わかる。
した記号Aの焼結材(20t ×20w ×100l)とS45Cの鋼材
(20t ×20w×100l)を重ね、その突き合わせ面をレー
ザ溶接した。溶加材としては表13中のNo.10 のワイヤを
用い、レーザ溶接条件は溶接速度 1.5mm/min、出力 7kW
一定とし、ワイヤ供給速度を 0〜5m/minの範囲で変化さ
せた。溶接部の欠陥の有無及び溶接金属の硬さ、靱性を
調べた結果を表14に示す。同表より、本発明の溶加材を
用いると、このような組合せの母材においても、溶加材
を所定量以上の速度で供給することにより、健全且つ優
れた機械的性能を有する溶接部が得られることが確認さ
れた。
化学成分 (wt%) 及び密度の焼結材(12t ×20w ×100
l)に対し、種々の化学成分の溶加材を供給しながら表1
6の条件でレーザ溶接した。用いた溶加材は 1mmφのソ
リッドワイヤで、表17にその化学成分を示す。溶接後、
溶接部のX線検査及び断面検査により欠陥の有無を調べ
ると共に、溶接金属部の衝撃試験を行った。その結果を
表17に併記する。なお、衝撃試験要領及び判定は実施例
6の場合と同様である。表17に示すように、いずれの本
発明例も、溶接金属のブローホール、高温割れ、低温割
れの欠陥がなく、かつ優れた靱性が得られていることが
わかる。
ある。表15に示した化学成分で比較的長尺の焼結材(12
t ×20w ×300l)に対し、溶加材を用いて表18の条件で
レーザ溶接試験を行い、溶加材供給安定性を比較した。
溶加材としては表17中のNo.11 のソリッドワイヤ(1mm
φ) 及びこれと同等の成分組成のコアドワイヤ(1.2mm
φ) を用いた。試験は、各種レーザ溶接条件に対して所
定の供給速度でワイヤを供給しながら溶接し、ワイヤの
逸脱等、供給不良発生の有無を調べた。その結果を表18
に併記する。同表に示すように、比較的低いビーム出力
条件において、比較例のコアドワイヤは供給不良が発生
し易いのに対し、本発明例のソリッドワイヤは優れた供
給安定性を示している。
イヤを吸湿雰囲気に曝したうえでレーザ溶接に供し、溶
接欠陥の発生に及ぼす影響を調べた。比較として、コア
ドワイヤについても同様に試験を行った。母材は実施例
8に用いた焼結材を用い、ソリッドワイヤは表17におけ
るNo.11 のもの、コアドワイヤはこれと同等の化学成分
を有する 1.2mmφのものをそれぞれ用いた。なお、吸湿
性は、恒温恒湿室において30℃、80%雰囲気で所定の期
間放置することにより行った。溶接条件は溶接速度1.5m
/min、出力 7kWとし、ワイヤ供給速度をソリッドワイヤ
が4m/min、コアドワイヤが2.7m/minとした。
より欠陥、特にブローホールの有無について調べた。そ
の結果を表19に示す。同表より、コアドワイヤは2カ月
以上吸湿雰囲気に曝すと溶接に悪影響を及ぼすが、ソリ
ッドワイヤの場合はその影響が極めて少ないことが確認
された。
した焼結材(12t ×20w ×100l)とS48Cの鋼材(12t ×
20w ×100l)を突き合わせ、異材のレーザ溶接を行っ
た。溶加材は表17におけるNo.11 のソリッドワイヤを用
い、レーザ溶接条件は溶接速度1.5m/min、出力 7kW、ワ
イヤ供給速度4m/minとした。溶接後、溶接部のX線検査
及び断面検査により欠陥の有無を調べた結果、何らの欠
陥も認められず、健全な溶接部が得られることが確認さ
れた。
多孔質で且つ中、高炭素の鉄基焼結部品同士或いは前記
焼結部品と鋼材の接合において、従来法では得られなか
った健全な溶接部が得られると共に、特に高エネルギー
密度ビーム溶接が可能となるため、生産性のみならず信
頼性の高い接合技術を提供することができる。
ある。
の例を示す図である。
の例を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 鉄基の多孔質の焼結部品同士或いは前記
焼結部品と鋼材を溶融接合する際に用いる溶加材におい
て、軟鋼製シース内に金属粉を封入してなるコアドワイ
ヤであって、封入する粉末組成が、ワイヤ全重量に対し
て、C:0.05〜1 %及び Mn:15〜30%で、かつ、Al及びTi
のうちの少なくとも1種または合計が0.2〜3 %で、残
部がFe及び不可避的不純物であることを特徴とする焼結
材溶接用コアドワイヤ。 - 【請求項2】 鉄基の多孔質の焼結部品同士或いは前記
焼結部品と鋼材を溶融接合する際に用いる溶加材におい
て、オーステナイト系ステンレス鋼製シース内に金属粉
を封入してなるコアドワイヤであって、封入する粉末組
成が、ワイヤ全重量に対して、C:0.05〜1 %及びMn:5〜
30%で、かつ、Al及びTiのうちの少なくとも1種または
合計が 0.2〜3 %で、残部がFe及び不可避的不純物であ
ることを特徴とする焼結材溶接用コアドワイヤ。 - 【請求項3】 鉄基の多孔質の焼結部品同士或いは前記
焼結部品と鋼材を溶融接合する際に用いる溶加材におい
て、C:0.05〜1 %、Si:2%以下、Mn:5〜30%、Ni:7〜15
%及び Cr:20%以下を含有し、かつ、Al及びTiのうちの
少なくとも1種または合計で 0.2〜3 %含有し、残部が
Fe及び不可避的不純物からなることを特徴とする焼結材
溶接用ソリッドワイヤ。
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