JP2024505807A - 遺伝子bbd29 14900を改造した組換え菌株及びその構築方法と応用 - Google Patents

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Abstract

遺伝子BBD29 14900を改造した組換え菌株及びその構築方法と応用を提供した。その具体的な応用は、L-グルタミン酸の生産に用いる。コリネバクテリウムにおいてBBD29_14900遺伝子コード配列に点変異を導入する又はその発現を改善する方法も提供されている。この方法は変異を持つ菌株によりグルタミン酸の発酵生産量を増加させるために用いることができる。点変異により、BBD29_14900遺伝子配列の1114番目の塩基がグアニン(G)からアデニン(A)に変異し、コードされた対応するアミノ酸配列の372番目のアスパラギン酸がアスパラギンで置換される。【選択図】なし

Description

本発明は、遺伝子工学と微生物技術分野に属し、具体的に遺伝子BBD29_14900を改造した組換え菌株及びその構築方法と応用に関し、具体的な応用は、L-グルタミン酸生産である。
よく知られているように、日常的に使われる調味料である味の素は、L-グルタミン酸単ナトリウム塩である。1909年に日本で味の素が発明され、工業的に生産されて以来、幾多の変遷を経て、グルタミン酸発酵をテーマとした世界的なアミノ酸発酵工業へと発展してきた。味の素のグルタミン酸などのアミノ酸を生産する発酵は、従来の醸造や抗生物質発酵とは異なり、微生物の代謝を変える代謝制御発酵である。
現在、メーカーがブドウ糖発酵に使用した菌種は、主にいくつかの変異株であり、前記生産菌種は、主に変異誘導を主とする微生物育種によって得られたものである。しかし、既存の酸産生能力の下で、古典的な微生物育種技術、例えば変異誘導、細胞融合などの手段を引き続き採用すれば、酸産生率と糖酸転化率を大幅に向上させることは、かなり困難になっている。そのため、現代の遺伝子工学的手段を用いて菌種を改造し、酸産生率と糖酸転化率を高めることは、現在最も有効な方法である。
遺伝子工学的手段を用いて菌種を改造して生産することができれば、グルタミン酸の酸産生率と糖酸転化率に大きな突破がある。
本発明は、遺伝子BBD29_14900を改造した組換え菌株及びその構築方法と応用を提供した。
本発明の目的は、細菌のL-グルタミン酸生産能力を改善するための新技術を開発することによって、L-グルタミン酸を効率的に製造する方法を提供することである。
上記目的を実現するために、本発明の発明者らは、遺伝子BBD29_14900又はその相同遺伝子について、前記遺伝子を修飾するか又はその発現を改善することにより、増強されたL-グルタミン酸生産能力を有する細菌を得られることを研究により発見した。これらの発見に基づいて、本発明を完了した。
本発明は、L-グルタミン酸生産細菌を提供し、ここで、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列又はその相同配列をコードするポリヌクレオチドの発現が改善された。本発明は、前記微生物を用いたL-グルタミン酸の製造方法をさらに提供した。
本発明の第一の態様によれば、L-グルタミン酸生産細菌を提供し、そのSEQ ID NO:3のアミノ酸配列又はその相同配列をコードするポリヌクレオチドの発現は、改善されている。本発明によれば、前記改善された発現は、前記ポリヌクレオチド発現が増強されていること、又はSEQ ID NO:3のアミノ酸配列又はその相同配列をコードするポリヌクレオチドが点変異を有していること、又はSEQ ID NO:3のアミノ酸配列又はその相同配列をコードするポリヌクレオチドが点変異を有し且つ発現が増強されていることである。
前記SEQ ID NO:3のアミノ酸配列又はその相同配列は、遺伝子BBD29_14900又はその相同遺伝子コードのタンパクである。
前記細菌は、未修飾菌株と比べて増強されたL-グルタミン酸生産能力を有する。
本発明において、用語である「L-グルタミン酸生産能力を有する細菌」とは、細菌が培地で培養される時にL-グルタミン酸を収集できるように、培地及び/又は細菌の細胞において以下の程度で目的L-グルタミン酸を生産、蓄積能力を有する細菌を指す。L-グルタミン酸生産能力を有する細菌は、未修飾菌株の取得可能な量よりも多い量で培地及び/又は細菌の細胞において目的L-グルタミン酸を蓄積できる細菌であってもよい。
用語である「未修飾菌株」とは、特定の特徴を有するように修飾されていない対照菌株を指す。即ち、未修飾菌株の例は、野生型菌株と親株を含む。
L-グルタミン酸生産能力を有する細菌は、培地において好ましくは0.5g/L以上、さらに好ましくは1.0g/L以上の量で目的L-グルタミン酸を蓄積できる細菌であってもよい。
本発明において、別段の説明がない限り、用語である「L-グルタミン酸」とは、遊離形態のL-グルタミン酸、その塩又はその混合物を指す。
前記ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列と約90%以上、約92%以上、約95%以上、約97%以上、約98%以上、又は約99%以上の配列相同性を有するアミノ酸配列をコードすることができる。本明細書で使用されるように、用語である「相同性」とは、2つのポリヌクレオチド又は2つのポリペプチドモジュール間のパーセンテージ同一性を指す。当分野で既知の方法であるモジュールと別のモジュールとの間の配列相同性を測定することができる。例えば、BLASTアルゴリズムによってこのような配列相同性を測定することができる。
ポリヌクレオチドの発現は、置換又は変異(Mutation)による発現調節配列、ポリヌクレオチド配列への変異導入、染色体挿入又はベクターを介して導入されるポリヌクレオチドコピー数の増加、又はその組み合わせなどによって増強されることができる。
ポリヌクレオチドの発現調節配列を修飾してもよい。発現調節配列は、それに操作可能に連結されたポリヌクレオチドの発現を制御し、且つ例えば、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、サイレンサーなどを含んでもよい。ポリヌクレオチドは、開始コドンの変化を有してもよい。ポリヌクレオチドを染色体の特定の部位に配合することによって、コピー数を増加させてもよい。本明細書において、特定の部位は、例えばトランスポゾン部位又は遺伝子間部位を含んでもよい。また、ポリヌクレオチドを発現ベクターに配合し、前記発現ベクターを宿主細胞に導入することによって、コピー数を増加させてもよい。
本発明の一つの実施の形態において、ポリヌクレオチド又は点変異を有するポリヌクレオチドを微生物染色体の特定の部位に配合することによって、コピー数を増加させる。
本発明の一つの実施の形態において、プロモーター配列付きポリヌクレオチド又は点変異を有するプロモーター配列付きポリヌクレオチドを微生物染色体の特定の部位に配合することによって、前記核酸配列を過剰発現させる。
本発明の一つの実施の形態において、ポリヌクレオチド又は点変異を有するポリヌクレオチドを発現ベクターに配合し、前記発現ベクターを宿主細胞に導入することによって、コピー数を増加させる。
本発明の一つの実施の形態において、プロモーター配列付きポリヌクレオチド又は点変異を有するプロモーター配列付きポリヌクレオチドを発現ベクターに配合し、前記発現ベクターを宿主細胞に導入することによって、前記アミノ酸配列を過剰発現させる。
本発明の一つの具体的な実施の形態において、変異前の前記ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1のヌクレオチド配列を含んでもよい。
本発明の一つの実施の形態において、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドが点変異を有していることによって、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列の372番目のアスパラギン酸(D)は、異なるアミノ酸で置換される。
本発明によれば、好ましくは、372番目のアスパラギン酸は、アスパラギンで置換される。
本発明によれば、SEQ ID NO:3に示されるアミノ酸配列であって、372番目のアスパラギン酸がアスパラギンで置換された後のアミノ酸配列は、SEQ ID NO:4に示される。
本発明の一つの実施の形態において、前記点変異を有するポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:1に示されるポリヌクレオチド配列の1114番目の塩基の変異により形成される。
本発明によれば、前記変異は、SEQ ID NO:1に示されるポリヌクレオチド配列の1114番目の塩基のグアニン(G)からアデニン(A)への変異を含む。
本発明の一つの実施の形態において、前記点変異を有するポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:2に示されるポリヌクレオチド配列を含む。
本明細書で使用されるように、用語である「操作可能な連結」とは、調節配列とポリヌクレオチド配列との間の機能的連結を指し、それによって調節配列は、ポリヌクレオチド配列の転写及び/又は翻訳を制御する。調節配列は、ポリヌクレオチドの発現レベルを向上させることができる強力なプロモーターであってもよい。調節配列は、コリネバクテリウム属に属する微生物由来のプロモーターであってもよく、又は他の微生物由来のプロモーターであってもよい。例えば、プロモーターは、trcプロモーター、gapプロモーター、tacプロモーター、T7プロモーター、lacプロモーター、trpプロモーター、araBADプロモーター又はcj7プロモーターであってもよい。
本発明の一つの具体的な実施の形態において、前記プロモーターは、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド(BBD29_14900遺伝子)のプロモーターである。
本明細書で使用されるように、用語である「ベクター」とは、遺伝子の調節配列と遺伝子配列を含み且つ適切な宿主細胞において標的遺伝子を発現するように構成されたポリヌクレオチド構築体を指す。又は、ベクターは、相同組換えに利用可能な配列を含むポリヌクレオチド構築体をさらに指してもよく、それによって宿主細胞に導入されたベクターにより、宿主細胞のゲノムにおける内因性遺伝子の調節配列を変更することができ、又は発現可能な標的遺伝子を宿主のゲノムの特定の部位に挿入することができる。この点では、本発明で使用されるベクターは、ベクターの宿主細胞への導入又はベクターの宿主細胞の染色体への挿入を決定する選択マーカーをさらに含んでもよい。選択マーカーは、選択可能な表現型、例えば薬物耐性、栄養欠損型、細胞毒剤に対する耐性、又は表面タンパクの発現を与えるマーカーを含んでもよい。このような選択剤で処理された環境では、選択マーカーを発現させた細胞のみが生存できるか又は異なる表現型性状を示すため、形質転換された細胞を選択してもよい。
本発明のいくつかの具体的な実施の形態において、使用されるベクターは、pK18mobsacBプラスミド、pXMJ19プラスミドである。
本明細書で使用されるように、用語である「形質転換」とは、ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入することによって、ポリヌクレオチドがゲノム外素子とするか又は宿主細胞に挿入されたゲノムで複製できることを指す。本発明で使用されるベクターを形質転換する方法は、核酸を細胞に導入する方法を含んでもよい。また、関連技術に開示されるように、宿主細胞に応じて電気パルス法を実施することができる。
本発明によれば、前記細菌は、コリネバクテリウム属に属する微生物、例えばコリネバクテリウム・アセトアシドフィルム(Corynebacterium acetoacidophilum)、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)、コリネバクテリウム・カルナエ(Corynebacterium callunae)、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)、コリネバクテリウム・ペキネンシス(Corynebacterium pekinense)、ブレビバクテリウム・サッカロリチカム(Brevibacterium saccharolyticum)、ブレビバクテリウム・ロゼウム(Brevibacterium roseum)、ブレビバクテリウム・チオゲニタイス(Brevibacterium thiogenitalis)などであってもよい。
本発明の一実施形態において、前記コリネバクテリウム属に属する微生物は、コリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13869である。
本発明の一実施形態において、前記コリネバクテリウム属に属する微生物は、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)YPGLU001であり、該菌は、多収型グルタミン酸であり、保存情報は、以下のとおりである。菌種名:コリネバクテリウム・グルタミクム、ラテン名:Corynebacterium glutamicum、菌株番号:YPGLU001、保存機構:中国微生物菌種保存管理委員会普通微生物センター、保存機構略称:CGMCC、住所:北京市朝陽区北辰西路1号院3号、保存日:2020年11月23日、保存センター登録簿番号:CGMCC No. 21220。
本発明によれば、前記細菌は、L-グルタミン酸の生産量の向上に関連する他の改良、例えば、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、グルタミンシンセターゼ、グルタミン-ケトグルタル酸アミノトランスフェラーゼなどの酵素の活性又は遺伝子の増強又は低下の発現をさらに有してもよく、又は遺伝子を外来遺伝子に置換させてもよい。
本発明の第二の態様によれば、ポリヌクレオチド配列、該ポリヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列、前記ポリヌクレオチド配列を含む組換えベクター、前記ポリヌクレオチド配列を含む組換え菌株を提供する。
本発明によれば、前記ポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:3に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、且つ前記配列の372番目のアスパラギン酸は、異なるアミノ酸で置換される。
本発明によれば、好ましくは、372番目のアスパラギン酸は、アスパラギンで置換される。
本発明によれば、SEQ ID NO:3に示されるアミノ酸配列であって、372番目のアスパラギン酸がアスパラギンで置換された後のアミノ酸配列は、SEQ ID NO:4に示される。
本発明によれば、好ましくは、前記SEQ ID N0:3に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:1に示されるポリヌクレオチド配列を含む。
本発明の一つの実施の形態において、前記ポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:1に示されるポリヌクレオチド配列の1114番目の塩基の変異により形成される。
本発明によれば、前記変異とは、前記部位の塩基/ヌクレオチドが変化することを指し、前記変異方法は、変異誘導、PCR固定点変異法、及び/又は相同組換えなどの方法から少なくとも一つを選択してもよい。本発明において、好ましくは、PCR固定点変異法及び/又は相同組換えを採用する。
本発明によれば、前記変異は、SEQ ID NO:1に示されるポリヌクレオチド配列の1114番目の塩基のグアニン(G)からアデニン(A)への変異を含む。
本発明の一つの実施の形態において、前記ポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:2に示されるポリヌクレオチド配列を含む。
本発明によれば、前記アミノ酸配列は、SEQ ID N0:4に示されるアミノ酸配列を含む。
本発明によれば、前記組換えベクターは、前記ポリヌクレオチド配列をプラスミドに導入して構築される。
本発明の一つの実施の形態において、前記プラスミドは、pK18mobsacBプラスミドである。
本発明の別の実施の形態において、前記プラスミドは、pXMJ19プラスミドである。
具体的には、NEBuider組換え系を介して前記ポリヌクレオチド配列と前記プラスミドを組換えベクターとして構築してもよい。
本発明によれば、前記組換え菌株は、前記のポリヌクレオチド配列を含む。
本発明の一実施形態として、前記組換え菌株の出発菌は、コリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC No. 21220である。
本発明の一実施形態として、前記組換え菌株の出発菌は、ATCC 13869である。
本発明の第三の態様によれば、L-グルタミン酸を生成する組換え菌株の構築方法をさらに提供する。
本発明によれば、前記構築方法は、
宿主菌株におけるSEQ ID NO:1に示される野生型BBD29_14900遺伝子のポリヌクレオチド配列を改造し、その1114番目の塩基に変異を生じさせ、変異BBD29_14900コード遺伝子を含む組換え菌株を得るステップを含む。
本発明の構築方法によれば、前記改造は、変異誘導、PCR固定点変異法、及び/又は相同組換えなどの方法のうちの少なくとも一つを含む。
本発明の構築方法によれば、前記変異とは、SEQ ID NO:1における1114番目の塩基がグアニン(G)からアデニン(A)に変化することを指し、具体的には、前記変異BBD29_14900コード遺伝子を含むポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:2に示される。
さらに、前記構築方法は、
SEQ ID NO:1に示される野生型BBD29_14900遺伝子のヌクレオチド配列を改造し、その1114番目の塩基に変異を生じさせ、変異BBD29_14900遺伝子ポリヌクレオチド配列を得るステップ(1)と、
前記変異多核酸配列とプラスミドとを連結して、組換えベクターを構築するステップ(2)と、
前記組換えベクターを宿主菌株に導入し、前記変異BBD29_14900コード遺伝子を含む組換え菌株を得るステップ(3)とを含む。
本発明の構築方法によれば、前記ステップ(1)は、点変異のBBD29_14900遺伝子の構築を含み、即ち、未修飾菌株のゲノム配列に基づいて、BBD29_14900遺伝子断片を増幅するプライマーPlとP2及びP3とP4を2組合成し、PCR固定点変異法によって野生型BBD29_14900遺伝子SEQ ID N0:lに点変異を導入し、点変異BBD29_14900遺伝子ヌクレオチド配列SEQ ID NO:2を得、BBD29_14900G1114Aとする。
本発明の一つの実施の形態において、前記未修飾菌株ゲノムは、ATCC 13869菌株に由来してもよく、そのゲノム配列は、NCBIサイトから取得されてもよい。
本発明の一実施形態において、前記ステップ(1)において、前記プライマーは、以下のとおりである。
P1(SEQ ID NO:5):
5’-CAGTGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACTCTAGCGCTGTGGTTATCCTCGCTG-3’
P2(SEQ ID N0:6):5’-CTGGGGCGACGCGGGGATTCAAGGCGGTCG-3’
P3(SEQ ID N0:7):5’-CGACCGCCTTGAATCCCCGCGTCGCCCCAG-3’
P4(SEQ ID NO:8):
5’-CAGCTATGACCATGATTACGAATTCGAGCTCGGTACCCTGAGTGTCACTAGGCTAGTC-3’
本発明の一実施形態において、前記PCR増幅は、94℃で5分間の予備変性、94℃で30秒間の変性、52℃で30秒間のアニール、及び72℃で40秒間の伸長、30サイクル、72℃で10分間の過剰伸長の方式で行われる。
本発明の一実施形態において、前記オーバーラップPCR増幅は、94℃で5分間の予備変性、94℃で30秒間の変性、52℃で30秒間のアニール、及び72℃で90秒間の伸長、30サイクル、72℃で10分間の過剰伸長の方式で行われる。
本発明の構築方法によれば、前記ステップ(2)は、組換えプラスミドの構築を含み、分離精製されたBBD29_14900G1114AとpK18mobsacBプラスミドを、NEBuider組換え系により組み立て、組換えプラスミドを得ることを含む。
本発明の構築方法によれば、前記ステップ(3)は、組換え菌株の構築を含み、即ち組換えプラスミドを宿主菌株に形質転換し、組換え菌株を得る。
本発明の一実施形態において、前記ステップ(3)の形質転換は、電気変換法である。
本発明の一つの実施の形態において、前記宿主菌株は、ATCC 13869である。
本発明の一つの実施の形態において、前記宿主菌株は、コリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC No. 21220である。
本発明の一つの実施の形態において、前記組換えは、相同組換えによって実現される。
本発明の第四の態様によれば、L-グルタミン酸を生成する組換え菌株の構築方法をさらに提供する。
本発明によれば、前記構築方法は、
BBD29_14900の上下流相同アーム断片、BBD29_14900遺伝子コード領域及びそのプロモーター領域配列を増幅し、相同組換えの方式で宿主菌株のゲノムにBBD29_14900又はBBD29_14900G1114A遺伝子を導入し、前記菌株がBBD29_14900又はBBD29_14900G1114A遺伝子を過剰発現させることを実現するステップを含む。
本発明の一つの実施の形態において、上流相同アーム断片を増幅するプライマーは、以下のとおりである。
P7(SEQ ID NO:11):
5’-CAGTGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACTCTAGGACCCGCTTGCCATACGAAG-3’
P8(SEQ ID NO:12):5’-AGTGGGCTGAATTTGGGCTGATCTACTCATCTGAAGAATC-3’
本発明の一つの実施の形態において、下流相同アーム断片を増幅するプライマーは、以下のとおりである。
P11(SEQ ID NO:15):5’-CCGAAGCGCAAAACGCTTAGTTCGTGGGCACTCTGGTTTG-3’
P12(SEQ ID NO:16):
5’-CAGCTATGACCATGATTACGAATTCGAGCTCGGTACCCCATAAGAAACAACCACTTCC-3’
本発明の一つの実施の形態において、前記遺伝子コード領域及びそのプロモーター領域配列を増幅するプライマーは、以下のとおりである。
P9(SEQ ID NO:13):5’-GATTCTTCAGATGAGTAGATCAGCCCAAATTCAGCCCACT-3’
P10(SEQ ID NO:14):5’-CAAACCAGAGTGCCCACGAACTAAGCGTTTTGCGCTTCGG-3’
本発明の一つの実施の形態において、さらに前記P7/P12をプライマーし、増幅された上流相同アーム断片、下流相同アーム断片、遺伝子コード領域及びそのプロモーター領域配列断片の三つの断片混合物をテンプレートとして増幅し、統合相同アーム断片を得る。
本発明の一つの実施の形態において、採用されたPCR系は、l0×Ex Taq Buffer 5μL、dNTP Mixture(各2.5mM)4μL、Mg2+(25mM)4μL、プライマー(l0pM)各2μL、Ex Taq(5U/μL)0.25μL、総容積50μLであり、PCR増幅は、94℃で5分間の予備変性、94℃で30秒間の変性、52℃で30秒間のアニール、72℃で120秒間の伸長(30サイクル)、72℃で10分間の過剰伸長の方式で行われる。
本発明の一つの実施の形態において、NEBuider組換え系を採用し、シャトルプラスミドPK18mobsacBと統合相同アーム断片を組み立て、統合プラスミドを得る。
本発明の一つの実施の形態において、統合プラスミドを宿主菌株にトランスフェクトし、相同組換えの方式で宿主菌株のゲノムにBBD29_14900又はBBD29_14900G1114A遺伝子を導入する。
本発明の一つの実施の形態において、前記宿主菌株は、コリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC No. 21220である。
本発明の一つの実施の形態において、前記宿主菌株は、ATCC 13869である。
本発明の一つの実施の形態において、前記宿主菌株は、SEQ ID NO:2に示されるポリヌクレオチド配列を有する菌株である。
本発明の第五の態様によれば、L-グルタミン酸を生産する組換え菌株の構築方法をさらに提供する。
本発明によれば、前記構築方法は、
BBD29_14900遺伝子コード領域及びプロモーター領域配列、又はBBD29_14900G1114A遺伝子コード領域及びプロモーター領域配列を増幅し、過剰発現プラスミドベクターを構築し、前記ベクターを宿主菌株に導入し、前記菌株がBBD29_14900又はBBD29_14900G1114A遺伝子を過剰発現させることを実現するステップを含む。
本発明の一つの実施の形態において、前記遺伝子コード領域及びそのプロモーター領域配列を増幅するプライマーは、以下のとおりである。
P17(SEQ ID N0:21):
5’-GCTTGCATGCCTGCAGGTCGACTCTAGAGGATCCCCCAGCCCAAATTCAGCCCACT-3’
P18(SEQ ID NO:22):
5’-ATCAGGCTGAAAATCTTCTCTCATCCGCCAAAACCTAAGCGTTTTGCGCTTCGG-3’
本発明の一つの実施の形態において、前記PCR系は、l0×Ex Taq Buffer 5μL、dNTP Mixture(各2.5mM)4μL、Mg2+(25mM)4μL、プライマー(10pM)各2μL、Ex Taq(5U/μL)0.25μL、総容積50μLであり、前記PCR増幅は、94℃で5分間の予備変性、94℃で30秒間の変性、52℃で30秒間のアニール、72℃で90秒間の伸長(30サイクル)、72℃で10分間の過剰伸長の方式で行われる。
本発明の一つの実施の形態において、NEBuider組換え系を採用し、シャトルプラスミドpXMJ19と自己プロモーターを持つBBD29_14900又はBBD29_14900G1114A断片を組み立て、過剰発現プラスミドを得る。
本発明の一つの実施の形態において、前記宿主菌株は、コリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC No. 21220である。
本発明の一つの実施の形態において、前記宿主菌株は、ATCC 13869である。
本発明の一つの実施の形態において、前記宿主菌株は、SEQ ID NO:2に示されるポリヌクレオチド配列を有する菌株である。
本発明で得た組換え菌株は、単独でL-グルタミン酸の発酵生産に応用されてもよく、L-グルタミン酸を生産する他の細菌と混合してL-グルタミン酸を発酵生産してもよい。
本発明の別の態様によれば、L-グルタミン酸の製造方法を提供し、該方法は、前記細菌を培養し、且つ培養物からL-グルタミン酸を得ることを含む。
当分野の既知の培養条件で適切な培地において細菌の培養を行うことができる。培地は、炭素源、窒素源、微量元素、及びその組み合わせを含んでもよい。培養において、培養物のpHを調整してもよい。また、培養の際に、気泡の発生を防止することを含んでもよく、例えば消泡剤を用いて気泡の発生を防止する。また、培養の際に、培養物にガスを注入することを含んでもよい。ガスは、培養物の好気条件を維持できる任意のガスを含んでもよい。培養において、培養物の温度は、20~45℃であってもよい。生成されたL-グルタミン酸を培養物から回収し、即ち硫酸又は塩酸などで培養物を処理し、そして例えばアニオン交換クロマトグラフィー、濃縮、晶析と等電点沈殿の方法を組み合わせて行ってもよい。
本発明は、タンパク質(変異タンパクであって、BBD29_14900D372Nタンパクと命名される)を提供し、BBD29_14900タンパクの372番目のアミノ酸残基をアスパラギン酸からアスパラギンに変異して得られたものであり、
前記BBD29_14900タンパクは、
(a1)SEQ ID NO:3に示されるタンパク質、又は
(a2)細菌由来であり且つ(a1)と95%以上の同一性を有し且つ細菌のグルタミン酸生産に関連するタンパク質、又は
(a3)(a1)に示されるタンパク質を、一つ又は複数のアミノ酸残基の置換及び/又は欠失及び/又は添加を経て得られ且つ細菌のグルタミン酸生産に関連する(a1)から誘導されるタンパク質である。
ここで使用される用語である「同一性」とは、天然アミノ酸配列との配列類似性を指す。同一性は、肉眼又はコンピュータソフトウェアで評価されることができる。コンピュータソフトウェアを使用して、2つ又は複数の配列間の同一性をパーセンテージ(%)で表示することができ、関連する配列間の同一性を評価するために用いられてもよい。
前記95%以上の同一性は、具体的に96%以上の同一性又は97%以上の同一性又は98%以上の同一性又は99%以上の同一性であってもよい。
具体的には、前記BBD29_14900D372Nタンパクは、SEQ ID NO:4に示される。
BBD29_14900遺伝子は、前記BBD29_14900タンパクをコードする遺伝子である。
具体的には、前記BBD29_14900遺伝子は、
(b1)コード領域はSEQ ID N0:1に示されるDNA分子である、又は
(b2)細菌由来であり且つ(b1)と95%以上の同一性を有し且つ前記タンパク質をコードするDNA分子又は、
(b3)厳格な条件で(b1)とハイブリダイズし且つ前記タンパク質をコードするDNA分子である。
ここで使用される用語である「同一性」とは、天然核酸配列との配列類似性を指す。同一性肉眼又はコンピュータソフトウェアで評価されることができる。コンピュータソフトウェアを使用して、2つ又は複数の配列間の同一性をパーセンテージ(%)で表示することができ、関連する配列間の同一性を評価するために用いられてもよい。
前記95%以上の同一性は、具体的に96%以上の同一性又は97%以上の同一性又は98%以上の同一性又は99%以上の同一性であってもよい。
前記厳格な条件は、0.1×SSPE(又は0.1×SSC)、0.1%SDSの溶液において、65℃の条件でハイブリダイズして膜を洗浄することであってもよい。
前記BBD29_14900D372Nタンパクのコード遺伝子(BBD29_14900G1114A遺伝子と命名される)も、本発明の保護範囲に属する。
具体的には、BBD29_14900G1114A遺伝子は、
(c1)コード領域はSEQ ID NO:2に示されるDNA分子である、又は
(c2)細菌由来であり且つ(c1)と95%以上の同一性を有し且つ前記タンパク質をコードするDNA分子、又は
(c3)厳格な条件で(c1)とハイブリダイズし且つ前記タンパク質をコードするDNA分子である。
ここで使用される用語である「同一性」とは、天然核酸配列との配列類似性を指す。同一性肉眼又はコンピュータソフトウェアで評価されることができる。コンピュータソフトウェアを使用して、2つ又は複数の配列間の同一性をパーセンテージ(%)で表示することができ、関連する配列間の同一性を評価するために用いられてもよい。
前記95%以上の同一性は、具体的に96%以上の同一性又は97%以上の同一性又は98%以上の同一性又は99%以上の同一性であってもよい。
前記厳格な条件は、0.1×SSPE(又は0.1×SSC)、0.1%SDSの溶液において、65℃の条件でハイブリダイズして膜を洗浄することであってもよい。
BBD29_14900G1114A遺伝子を有するDNA分子、BBD29_14900G1114A遺伝子を有する発現カセット又はBBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換えベクター又はBBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換え菌は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
例示的に、BBD29_14900G1114A遺伝子を有するDNA分子は、SEQ ID NO:30に示されるDNA分子又はSEQ ID NO:31に示されるDNA分子であってもよい。
例示的に、BBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換えベクターは、SEQ ID NO:30に示されるDNA分子を有するプラスミド又はSEQ ID NO:31に示されるDNA分子を有するプラスミドであってもよい。
例示的に、BBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換えベクターは、実施例における統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900G1114A又は過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900G1114Aであってもよい。
前記組換え菌は、具体的に組換え細菌であってもよい。
例示的に、BBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換え菌は、SEQ ID NO:30に示されるDNA分子を有する組換え菌又はSEQ ID NO:31に示されるDNA分子を有する組換え菌又はSEQ ID NO:2に示されるDNA分子を有する組換え菌であってもよい。
BBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換え菌は、具体的に細菌ゲノムにおけるBBD29_14900遺伝子をBBD29_14900G1114A遺伝子に置き換える方式で製造されてもよい。
例示的に、細菌ゲノムにおけるBBD29_14900遺伝子をBBD29_14900G1114A遺伝子に置き換える実現方式は、SEQ ID NO:29に示されるDNA分子を細菌に導入することである。
例示的に、細菌ゲノムにおけるBBD29_14900遺伝子をBBD29_14900G1114A遺伝子に置き換える実現方式は、実施例におけるベクターpK18-BBD29_14900G1114Aを細菌に導入することである。
前記組換え菌において、BBD29_14900G1114A遺伝子をゲノムDNAに統合して発現させてもよくプラスミドで発現させてもよい。
例示的に、BBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換え菌は、具体的にSEQ ID NO:30に示されるDNA分子又はSEQ ID NO:31に示されるDNA分子を細菌に導入する方式で製造されてもよい。
例示的に、BBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換え菌は、具体的にSEQ ID NO:30に示されるDNA分子を有するプラスミド又はSEQ ID NO:31に示されるDNA分子を有するプラスミドを細菌に導入する方式で製造されてもよい。
例示的に、BBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換え菌は、具体的に実施例における統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900G1114A又は過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900G1114Aを細菌に導入する方式で製造されてもよい。
本発明は、BBD29_14900D372Nタンパク、BBD29_14900G1114A遺伝子、BBD29_14900G1114A遺伝子を有する発現カセット又はBBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換えベクター又はBBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換え菌の応用をさらに保護し、
前記応用は、
(I)細菌グルタミン酸の生産量の向上への応用、又は
(II)グルタミン酸生産への応用である。
本発明は、特定物質の応用をさらに保護し、
前記応用は、
(I)細菌グルタミン酸の生産量の向上への応用、又は
(II)グルタミン酸生産への応用である。
前記特定物質は、
(d1)BBD29_14900G1114A遺伝子の発現を向上させるための物質、
(d2)BBD29_14900D372Nタンパクの存在度を向上させるための物質、
(d3)BBD29_14900D372Nタンパクの活性を向上させるための物質、
(d4)BBD29_14900遺伝子の発現を向上させるための物質、
(d5)BBD29_14900タンパクの存在度を向上させるための物質、又は
(d6)BBD29_14900タンパクの活性を向上させるための物質である。
例示的に、前記を向上させるためのBBD29_14900G1114A遺伝子の発現の物質は、具体的にBBD29_14900G1114A遺伝子又はBBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換えプラスミドであってもよい。例示的に、前記組換えプラスミドは、実施例における統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900G1114A又は過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900G1114Aであってもよい。
例示的に、前記を向上させるためのBBD29_14900遺伝子の発現の物質は、具体的にBBD29_14900遺伝子又はBBD29_14900遺伝子を有する組換えプラスミドであってもよい。例示的に、前記組換えプラスミドは、実施例における統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900又は過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900であってもよい。
本発明は、組換え菌をさらに提供し、細菌においてBBD29_14900G1114A遺伝子又はBBD29_14900を過剰発現させて得られたものである。
例示的に、過剰発現BBD29_14900G1114A遺伝子実現方式は、細菌にBBD29_14900G1114A遺伝子又はBBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換えプラスミドを導入することである。例示的に、前記組換えプラスミドは、実施例における統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900G1114A又は過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900G1114Aであってもよい。
例示的に、過剰発現BBD29_14900遺伝子実現方式は、細菌にBBD29_14900遺伝子又はBBD29_14900遺伝子を有する組換えプラスミドを導入することである。例示的に、前記組換えプラスミドは、実施例における統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900又は過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900であってもよい。
本発明は、前記組換え菌の、グルタミン酸の製造における応用をさらに保護する。
本発明は、細菌ゲノムにおけるBBD29_14900遺伝子をBBD29_14900G1114A遺伝子に置き換えるステップを含む、細菌のグルタミン酸の生産量を向上させる方法をさらに保護する。
例示的に、細菌ゲノムにおけるBBD29_14900遺伝子をBBD29_14900G1114A遺伝子に置き換える実現方式は、実施例におけるベクターpK18-BBD29_14900G1114Aを細菌に導入することである。
本発明は、細菌においてBBD29_14900G1114A遺伝子を過剰発現させるか又は細菌においてBBD29_14900遺伝子を過剰発現させるか又は細菌におけるBBD29_14900D372Nタンパクの存在度を向上させるか又は細菌におけるBBD29_14900タンパクの存在度を向上させるか又は細菌におけるBBD29_14900D372Nタンパクの活性を向上させるか又は細菌におけるBBD29_14900タンパクの活性を向上させるステップを含む、細菌のグルタミン酸の生産量を向上させる方法をさらに提供する。
例示的に、過剰発現BBD29_14900G1114A遺伝子実現方式は、細菌にBBD29_14900G1114A遺伝子又はBBD29_14900G1114A遺伝子を有する組換えプラスミドを導入することである。例示的に、前記組換えプラスミドは、実施例における統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900G1114A又は過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900G1114Aであってもよい。
例示的に、過剰発現BBD29_14900遺伝子実現方式は、細菌にBBD29_14900遺伝子又はBBD29_14900遺伝子を有する組換えプラスミドを導入することである。例示的に、前記組換えプラスミドは、実施例における統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900又は過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900であってもよい。
本発明は、BBD29_14900D372Nタンパク又はBBD29_14900タンパクの、細菌のグルタミン酸の生産量の制御における応用をさらに保護する。
前記制御は、正の制御であり、即ちBBD29_14900D372Nタンパクの含有量が増加し、グルタミン酸の生産量が増加する。
前記制御は、正の制御であり、即ちBBD29_14900D372Nタンパクの含有量が減少し、グルタミン酸の生産量が減少する。
前記制御は、正の制御であり、即ちBBD29_14900タンパクの含有量が増加し、グルタミン酸の生産量が増加する。
前記制御は、正の制御であり、即ちBBD29_14900タンパクの含有量が減少し、グルタミン酸の生産量が減少する。
前記組換え菌を用いてグルタミン酸を製造する時に、具体的な方法は、前記組換え菌を発酵させるステップを含む。
当業者は、従来技術における発酵方法を採用して発酵を行うことができる。通常の試験によって発酵方法の最適化と改良を行うこともできる。当分野で既知の発酵条件で適切な培地において細菌の発酵を行うことができる。培地は、炭素源、窒素源、微量元素、及びその組み合わせを含んでもよい。培養において、培養物のpHを調整してもよい。また、培養の際に、気泡の発生を防止し、例えば消泡剤を用いて気泡の発生を防止することを含んでもよい。また、培養の際に、培養物にガスを注入することを含んでもよい。ガスは、培養物の好気条件を維持できる任意のガスを含んでもよい。培養において、培養物の温度は、20~45℃であってもよい。
前記方法は、培養物からグルタミン酸を得るステップをさらに含んでもよい。培養物からグルタミン酸を得ることは、様々な方式で実現されることができ、硫酸又は塩酸などで培養物を処理し、そして例えばアニオン交換クロマトグラフィー、濃縮、晶析と等電点沈殿の方法を組み合わせて行うことを含むが、それらに限らない。
前記発酵中、例示的に発酵培地の処方は、表3に示され、残量は、水である。
前記発酵中、例示的に発酵制御プロセスは、表4に示される。
例示的に、前記発酵において、系における菌濃度は、15g/Lである。
例示的に、前記発酵の発酵過程において、ブドウ糖水溶液を補充することによって系の糖度(残糖)を制御する。
上記のいずれか一つの前記細菌は、コリネバクテリウム属細菌、好ましくは、コリネバクテリウム・アセトアシドフィルム(Corynebacterium acetoacidophilum)、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)、コリネバクテリウム・カルナエ(Corynebacterium callunae)、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)コリネバクテリウム・ペキネンシス(Corynebacterium pekinense)、ブレビバクテリウム・サッカロリチカム(Brevibacterium saccharolyticum)、ブレビバクテリウム・ロゼウム(Brevibacterium roseum)、ブレビバクテリウム・チオゲニタイス(Brevibacterium thiogenitalis) を含むが、それらに限らない。
上記のいずれか一つの前記細菌は、グルタミン酸生産能力を有する細菌である。
「グルタミン酸生産能力を有する細菌」とは、培地及び/又は細菌の細胞においてグルタミン酸を生産して蓄積する能力を有する細菌を指す。これによって、細菌培地において培養する際にグルタミン酸を収集することができる。
前記細菌は、自然に採取された野生型細菌であってもよく、修飾後の細菌であってもよい。
「修飾後の細菌」とは、自然に採取された野生型細菌を人工的に変異し及び/又は変異誘導して得られた改造後の細菌を指す。
具体的には、前記コリネバクテリウム・グルタミクムは、コリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21260であってもよい。
コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)CGMCC21220は、菌株名がYPGLU001であり、コリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220と略称され、2020年11月23日に中国微生物菌種保存管理委員会普通微生物センター(CGMCCと略称され、住所:北京市朝陽区北辰西路1号院3号、中国科学院微生物研究所)に保存されており、保存登録番号がCGMCC 21220である。
上記のいずれか一つの前記グルタミン酸の意味は、広義のグルタミン酸であり、遊離形態のグルタミン酸、グルタミン酸の塩又は両者の混合物を含む。
具体的には、前記グルタミン酸は、L-グルタミン酸である。
上記のいずれかの方法又は応用はさらに、グルタミン酸の下流製品の製造に用いられてもよい。
コリネバクテリウム・グルタミクムにおけるBBD29_14900タンパクは、SEQ ID NO:3に示され、そのコード遺伝子は、SEQ ID N0:1に示される。本発明では、点変異を導入することにより、SEQ ID NO:4に示されるBBD29_14900D372Nタンパクを得、BBD29_14900D372Nタンパクのコード遺伝子は、SEQ ID N0:2に示される。BBD29_14900遺伝子の相であるBBD29_14900G1114A遺伝子との相違点は、1114番目がグアニンデオキシリボヌクレオチド(G)からアデニンデオキシリボヌクレオチド(A)に変化することである。BBD29_14900タンパクと比べて、BBD29_14900D372Nタンパクの相違点は、372番目のアミノ酸残基がアスパラギン酸(D)からアスパラギン(N)に変化することである。
本発明は、BBD29_14900タンパクが細菌のグルタミン酸の生産量を正の制御し、即ちBBD29_14900タンパクの含有量が増加し、グルタミン酸の生産量が増加し、BBD29_14900タンパクの含有量が減少し、グルタミン酸の生産量が減少することを発見した。BBD29_14900遺伝子の発現を抑制することにより、グルタミン酸の生産量を減少させることができ、BBD29_14900遺伝子の過剰発現により、グルタミン酸の生産量を増加させることができる。さらに、本発明は、点変異により、BBD29_14900D372Nタンパクを得ており、その機能は、BBD29_14900タンパクよりも優れる。本発明は、グルタミン酸の産業化生産に対して、重要な応用価値を有する。
以下の実施例は、本発明のより良い理解を容易にするが、本発明を限定するものではない。下記の実施例における実験方法は、別段説明がない限り、通常の方法である。下記の実施例において使用される試験材料は、別段説明がない限り、通常の生化学試薬販売店から購入されたものである。
下記の実施例において菌株を培養するために使用される培地は、いずれも基礎培地の上に他の成分を添加して得たものである。他の成分は、ショ糖、カナマイシン又はクロラムフェニコールなどである。固体培地には、アガロースが含まれる。基礎培地の構成は、表1に示される。別段説明がない限り、実施例における菌株の培養温度は、いずれも32℃である。
Figure 2024505807000001
sscp電気泳動におけるPAGEの処方は、表2に示される。電気泳動条件は、電気泳動槽を氷に入れ、1×TBE緩衝液を使用し、120Vの電圧で、電気泳動時間を10hとすることである。
Figure 2024505807000002
コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)CGMCC21220は、菌株名がYPGLU001であり、コリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220と略称され、2020年11月23日に中国微生物菌種保存管理委員会普通微生物センター(CGMCCと略称され、住所:北京市朝陽区北辰西路1号院3号、中国科学院微生物研究所)に保存されており、保存登録番号がCGMCC 21220コリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13869、即ちコリネバクテリウム・グルタミクムCICC20216であり、CICCのフルネームは、中国工業微生物菌種保存管理センターである。
実施例1、点変異のBBD29_14900遺伝子コード領域を含む形質転換ベクターpK18-BBD29_14900G1114Aの構築
NCBIにより公表されたコリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13869ゲノム配列に基づいて、BBD29_14900遺伝子コード領域配列を増幅するプライマーを2組設計して合成し、アレル置換の方式でコリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220(シークエンスによりコリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220染色体上のBBD29_14900遺伝子コード領域とコリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13869染色体上のBBD29_14900遺伝子コード領域とが一致していることが確認された)に点変異を導入した。変異前の対応するコードタンパクのアミノ酸配列は、SEQ ID NO:3であり、変異前のBBD29_14900遺伝子のヌクレオチド配列は、SEQ ID N0:1遺伝子に単一点変異が導入され、即ちコード領域1114番目がグアニンデオキシリボヌクレオチド(G)からアデニンデオキシリボヌクレオチド(A)に変化したものである。それに応じて、タンパク質の単一点変異を引き起こし、即ち372番目のアミノ酸残基は、アスパラギン酸(D)からアスパラギン(N)に変化した。変異後の遺伝子は、BBD29_14900G1114A遺伝子と呼ばれ、SEQ ID NO:2に示される。変異後のタンパクは、BBD29_14900D372Nタンパクと呼ばれ、SEQ ID NO:4に示される。
プライマーは、以下のとおりである(上海invitrogen公司により合成された)。
P1(SEQ ID NO:5):
5’-CAGTGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACTCTAGCGCTGTGGTTATCCTCGCTG-3’
P2(SEQ ID NO:6):5’-CTGGGGCGACGCGGGGATTCAAGGCGGTCG-3’
P3(SEQ ID NO:7):5’-CGACCGCCTTGAATCCCCGCGTCGCCCCAG-3’
P4(SEQ ID NO:8):
5’-CAGCTATGACCATGATTACGAATTCGAGCTCGGTACCCTGAGTGTCACTAGGCTAGTC-3’
1.コリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13869をテンプレートとし、それぞれP1とP2からなるプライマーセットを採用し又はP3とP4からなるプライマーセットを採用し、PCR増幅を行った。
PCR系(50μL):テンプレート、10×Ex Taq Buffer 5μL、dNTP Mixture(各2.5mM)4μL、Mg2+(25mM)4μL、プライマー(10μM)各2μL、Ex Taq(5U/μL)0.25μL、残量が水である。
PCR増幅は、94℃で5分間の予備変性、94℃で30秒間の変性、52℃で30秒間のアニール、72℃で40秒間の伸長、30サイクル、72℃で10分間の過剰伸長の方式で行われた。
2.回収ステップ1の2つのPCR系の増幅産物をそれぞれ回収するとともに、テンプレートとし、P1とP4からなるプライマーセットを採用してPCR増幅を行った。
PCR系(50μL):テンプレート、10×Ex Taq Buffer 5μL、dNTP Mixture(各2.5mM)4μL、Mg2+(25mM)4μL、プライマー(10μM)各2μL、Ex Taq(5U/μL)0.25μL、残量が水である。
PCR増幅は、94℃で5分間の予備変性、94℃で30秒間の変性、52℃で30秒間のアニール、72℃で90秒間の伸長、30サイクル、72℃で10分間の過剰伸長の方式で行われた。
3.ステップ2のPCR増幅により得られた約1253bpの増幅産物を回収し、該回収されたDNA断片は、BBD29_14900G1114A断片である(シークエンスを経て、該DNA断片は、SEQ ID NO:29に示される)。
BBD29_14900G1114A断片は、相同組換えによってコリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220に統合されることができ、これによってBBD29_14900遺伝子コード領域の1114番目のヌクレオチドは、グアニンデオキシリボヌクレオチド(G)からアデニンデオキシリボヌクレオチド(A)に変異し、最終的にコードされたタンパク質の372番目のアミノ酸残基は、アスパラギン酸(D)からアスパラギン(N)に変異した。
4.制限酵素Xba I酵素を採用してpK18mobsacBプラスミド(Addgene社製品)を切断し、リニアプラスミドを回収した。
5.ステップ3で得られたBBD29_14900G1114A断片とステップ4で得られたリニアプラスミドとをNEBuider組換え系によって組み立て、ベクターpK18-BBD29_14900G1114Aを得た。ベクターpK18-BBD29_14900G1114Aは、シークエンス検証されており、その中には、SEQ ID NO:29に示されるBBD29_14900G1114A断片を有した。ベクターpK18-BBD29_14900G1114Aには、カナマイシン耐性マーカーを有した。
実施例2、点変異のBBD29_14900G1114Aを含む工学的菌株の構築
実施例1で構築されたベクターpK18-BBD29_14900G1114Aを電撃形質転換によりコリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220に導入し、培養により生じた単一コロニーをそれぞれプライマーP1と汎用プライマーM13R(M13R:5’-CAGGAAACAGCTATGACC-3’)からなる誘導対でPCR鑑定し、約1260bpバンドの菌株を陽性菌株として増幅することができた。陽性菌株は、15%のショ糖を含む培地板上で培養され、培養により生じた単一コロニーは、それぞれカナマイシンを含む培地板とカナマイシンを含まない培地板上で培養され、カナマイシンを含まない培地上で成長し且つカナマイシンを含む培地上で成長しない菌株は、さらにP5とP6からなるプライマーセット(上海invitrogen公司により合成された)を採用してPCR鑑定された。PCR鑑定におけるPCR増幅産物を回収し、高温変性、氷浴後にsscp電気泳動(ベクターpK18-BBD29_14900G1114Aの増幅断片を陽性対照とし、コリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13869の増幅断片を陰性対照、水を空白対照とする)を行い、断片構造が異なり、電気泳動位置が異なるため、断片の電気泳動位置が陰性対照断片の位置と一致せず且つ陽性対照断片の位置と一致する菌株を、アイソサイト置換に成功した菌株とする。スクリーニングしたアイソサイト置換に成功した菌株を、プライマーP5とP6からなるプライマーセットを採用してPCR増幅を行い、増幅産物を回収してPMD19-Tベクターに連結してシークエンスを行い、配列比によりアイソサイト置換に成功した菌株を検証してコリネバクテリウム・グルタミクムYPG-019と命名された。
P5(SEQ ID NO:9):5’-GCAGCCAAGGCCAAGAAGAT-3’
P6(SEQ ID NO:10):5’-TCCCTGTTTAAGACTGCATT-3’
コリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220と、コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-019との相違点は、コリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220ゲノムにおける配列表の配列1に示されるBBD29_14900遺伝子を配列表の配列2に示されるBBD29_14900G1114A遺伝子に置換したことだけである。配列1と配列2には、1114番目に位置するヌクレオチドの相違点が1つしか存在しない。
実施例3、ゲノムにおいてBBD29_14900又はBBD29_14900G1114A遺伝子を過剰発現させた工学的菌株の構築
I. 統合プラスミドの構築
NCBIにより公表されたコリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13869ゲノム配列に基づいて、プライマーを3組設計して合成し、それぞれ上流相同アーム断片、BBD29_14900遺伝子コード領域(又はBBD29_14900G1114A遺伝子コード領域)、下流相同アーム断片を増幅し、相同組換えの方式でコリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220ゲノムDNAにBBD29_14900遺伝子又はBBD29_14900G1114A遺伝子を統合した。
プライマーは、以下のとおりである(上海invitrogen公司により合成された)。
P7(SEQ ID NO:11):
5’-CAGTGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACTCTAGGACCCGCTTGCCATACGAAG-3’
P8(SEQ ID NO:12):5’-AGTGGGCTGAATTTGGGCTGATCTACTCATCTGAAGAATC-3’
P9(SEQ ID NO:13):5’-GATTCTTCAGATGAGTAGATCAGCCCAAATTCAGCCCACT-3’
P10(SEQ ID NO:14):5’-CAAACCAGAGTGCCCACGAACTAAGCGTTTTGCGCTTCGG-3’
P11(SEQ ID NO:15):5’-CCGAAGCGCAAAACGCTTAGTTCGTGGGCACTCTGGTTTG-3’
P12(SEQ ID NO:16):
5’-CAGCTATGACCATGATTACGAATTCGAGCTCGGTACCCCATAAGAAACAACCACTTCC-3’
コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-019をテンプレートとし、それぞれ以P7/P8からなるプライマーセット、P9/P10からなるプライマーセット、P11/P12からなるプライマーセット、PCR増幅を行い、上流相同アーム断片約806bp、BBD29_14900G1114A遺伝子断片約1494bp、下流相同アーム断片約788bpを得、そしてP7/P12からなるプライマーセットを採用し、以上増幅された三つの断片混合をテンプレートとして増幅を行い、約3008bpの統合相同アーム断片(シークエンスを経て、SEQ ID NO:30に示される)を得た。米用NEBuider組換え系は、統合相同アーム断片とXba I酵素切断により回収されたシャトルプラスミドPK18mobsacBを連結し、統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900G1114Aを得た。統合プラスミドには、カナマイシン耐性マーカーが含まれており、カナマイシンスクリーニングによりプラスミドがゲノムに統合された組換え子を得ることができる。PCR系(50μL):テンプレート、l0×Ex Taq Buffer 5μL、dNTP Mixture(各2.5mM)4μL、Mg2+(25mM)4μL、プライマー(10μM)各2μL、Ex Taq(5U/μL)0.25μL、残量が水である。PCR増幅は、94℃で5分間の予備変性、94℃で30秒間の変性、52℃で30秒間のアニール、72℃で120秒間の伸長、30サイクル、72℃で10分間の過剰伸長の方式で行われた。
コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-019の代わりとしてコリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13869を用いて上記ステップを行い、統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900を得た。
II. 組換え菌の製造
統合プラスミド電気変換をコリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220に導入し、培養により生じた単一コロニーをP13/P14からなるプライマーセットによりPCR鑑定し、PCRが増幅できた大きさ約1827bpの断片を含むのは、形質転換に成功した陽性菌株であり、断片を増幅できなかったのは、形質転換に成功しなかった菌株である。陽性菌株は、15%のショ糖スクリーニングを経てた後に、それぞれカナマイシンを含む培地板とカナマイシンを含まない培地板上で培養され、カナマイシンを含まない培地上で成長し且つカナマイシンを含む培地上で成長しない菌株は、さらにP15/P16からなるプライマーセットを採用してPCR鑑定され、増幅できた大きさ約1517bpの菌は、目的遺伝子としてコリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220ゲノムに統合された菌株である。
P13(SEQ ID NO:17):5’-GTCCAAGGTGACGGCCGCAC-3’
P14(SEQ ID NO:18):5’-GCAGCCTTAACTGGGGAAAG-3’
P15(SEQ ID NO:19):5’-GGAGCGCCGCCTCATCGAGC-3’
P16(SEQ ID NO:20):5’-ATATTCGGCCCAGCAGCAGC-3’
統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900で上記ステップを行い、得られた組換え菌は、コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-020である。コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-020は、ゲノムDNAにおいてBBD29_14900遺伝子を過剰発現させた組換え菌である。
統合プラスミドPK18mobsacB-BBD29_14900G1114Aで上記ステップを行い、得られた組換え菌は、コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-021である。コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-021は、ゲノムDNAにおいてBBD29_14900G1114A遺伝子を過剰発現させた組換え菌である。
実施例4、プラスミド上においてBBD29_14900又はBBD29_14900G1114A遺伝子を過剰発現させた工学的菌株の構築
I.組換えプラスミドの構築
NCBIにより公表された野生型コリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13869ゲノム配列に基づいて、BBD29_14900遺伝子コード領域及びプロモーター領域配列を増幅するプライマーを1組設計して合成し、P17とP18とした(上海invitrogen公司により合成された)。
P17(SEQ ID NO:21):
5’-GCTTGCATGCCTGCAGGTCGACTCTAGAGGATCCCCCAGCCCAAATTCAGCCCACT-3’
P18(SEQ ID NO:22):
5’-ATCAGGCTGAAAATCTTCTCTCATCCGCCAAAACCTAAGCGTTTTGCGCTTCGG-3’
コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-019をテンプレートとし、プライマーP17/P18からなるプライマーセットでPCR増幅を行い、1524bpのBBD29_14900G1114A遺伝子断片(シークエンスを経て、BBD29_14900G1114A遺伝子断片は、SEQ ID NO:31に示される)を得た。NEBuider組換え系を採用してBBD29_14900G1114A遺伝子断片とEcoR I酵素切断により回収されたシャトルプラスミドpXMJ19とを連結し、過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900G1114 Aを得た。過剰発現プラスミドには、クロラムフェニコール耐性マーカーが含まれており、クロラムフェニコールスクリーニングにより得られたプラスミドを菌株に形質転換することができる。PCR系(50μL):テンプレート、10×Ex Taq Buffer 5μL、dNTP Mixture(各2.5mM)4μL、Mg2+(25mM)4μL、プライマー(l0pM)各2μL、Ex Taq(5U/μL)0.25μL、残量が水である。PCR増幅は、94℃で5分間の予備変性、94℃で30秒間の変性、52℃で30秒間のアニール、72℃で90秒間の伸長、30サイクル、72℃で10分間の過剰伸長の方式で行われた。
コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-019の代わりとしてコリネバクテリウム・グルタミクムYPG-020を用いて上記ステップを行い、過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900を得た。
II.組換え菌の製造
過剰発現プラスミド電気変換をコリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220に導入し、培養により生じた単一コロニーをM13R(-48)とP18からなるプライマーセットでPCR鑑定し、PCRが約1563bpの断片を増幅したのは、組換え菌である。M13R(-48):5’-AGCGGATAACAATTTCACACAGGA-3’である。
過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900で上記ステップを行い、得られた組換え菌は、コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-022である。コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-022は、プラスミドがBBD29_14900遺伝子を過剰発現させた組換え菌である。
過剰発現プラスミドpXMJ19-BBD29_14900G1114Aで上記ステップを行い、得られた組換え菌は、コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-023である。コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-023は、プラスミドがBBD29_14900G1114A遺伝子を過剰発現させた組換え菌である。
実施例5、ゲノムにおいてBBD29_14900遺伝子を欠失させた工学的菌株の構築
I.ノックアウトプラスミドの構築
NCBIにより公表されたコリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13869のゲノム配列に基づき、BBD29_14900遺伝子コード領域両端断片を増幅するプライマーを2組合成し、上、下流相同アーム断片の増幅に用いられた。
プライマーは、以下のとおりである(上海英俊公司により合成された)。
P19(SEQ ID NO:23):
5’-CAGTGCCAAGCTTGCATGCCTGCAGGTCGACTCTAGTCGCTGAAACAGCAGGGGAC-3’
P20(SEQ ID NO:24):5’-AGGCGTCGATAAGCAAATTTATCATTTAGCCTTGTTAATC-3’
P21(SEQ ID NO:25):5’-GATTAACAAGGCTAAATGATAAATTTGCTTATCGACGCCT-3’
P22(SEQ ID NO:26):
5’-CAGCTATGACCATGATTACGAATTCGAGCTCGGTACCCAACTTGCCATGAGTCGTCTT-3’
コリネバクテリウム・グルタミクムATCC 13869をテンプレートとし、それぞれP19/P20からなるプライマーセット又はP21/P22からなるプライマーセットを採用してPCR増幅を行い、それぞれ上流相同アーム断片(約804bp)と下流相同アーム断片(約791bp)を得た。同時に上流相同アーム断片と下流相同アーム断片作をテンプレートとし、プライマーP19/P22からなるプライマーセットを採用してPCR増幅を行い、相同アーム断片全体(約1555bp、シークエンスを経て、SEQ ID NO:32に示される)を得た。NEBuider組換え系によって相同アーム断片全体とXba I酵素切断により回収されたシャトルプラスミドpkl8mobsacBプラスミドとを連結し、ノックアウトプラスミドを得た。ノックアウトプラスミドには、カナマイシン耐性マーカーが含まれた。
II.組換え菌の製造
ノックアウトプラスミド電気変換をコリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220に導入し、培養により生じた単一コロニーをそれぞれP23とP24からなるプライマーセット(上海英俊公司により合成された)でPCR鑑定された。PCRが増幅できた大きさ1481bp及び2660bpのバンド菌株は、形質転換に成功した陽性菌株であり、1481bpバンドのみを増幅した菌株は、形質転換に成功しなかった菌株である。陽性菌株は、15%のショ糖培地上でスクリーニングされた後に、それぞれカナマイシンを含む培地板とカナマイシンを含まない培地板上で培養され、カナマイシンを含まない培地上で成長し、カナマイシンを含む培地上で成長しない菌株は、さらにP23とP24からなるプライマーセットを採用してPCR鑑定され、増幅産物が1つのみで且つ1481bpである菌株は、BBD29_14900遺伝子コード領域がノックアウトされた遺伝子工学的菌株であり、コリネバクテリウム・グルタミクムYPG-024と命名された。
P23(SEQ ID NO:27):5’-TCGCTGAAACAGCAGGGGAC-3’
P24(SEQ ID NO:28):5’-AACTTGCCATGAGTCGTCTT-3’
実施例6、L-グルタミン酸発酵実験
以上の実施例で構築された各組換え菌及びコリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC21220をBLBI0-5GC-4-H型番の発酵槽(上海百崙生物科技有限公司から購入された)で発酵させた。
発酵培地処方を表3(残量が水である)に示し、d1の意味は、0.1Lである。
制御プロセスを表4に示す。接種完了の初期時刻で、系における菌濃度は、15g/Lである。発酵中に、50-55%のブドウ糖水溶液を補充することによって系の糖度(残糖)を制御した。
いずれも3つの繰り返し処理を設定し、結果を表5に示す。
Figure 2024505807000003
Figure 2024505807000004
Figure 2024505807000005
結果は、表5に示すように、コリネバクテリウム・グルタミクムにおいてBBD29_14900遺伝子コード領域に対して点変異BBD29_14900G1114A及び過剰発現を行うことにより、L-グルタミン酸の生産量の向上に有利であるが、遺伝子を弱化又はノックアウトすることにより、L-グルタミン酸の蓄積に不利である。
以上、本発明について詳細に記述した。当業者にとって、本発明の主旨と範囲を逸脱することなく、及び不必要な実験を行うことなく、同等のパラメータ、濃度と条件で、より広範囲内で本発明を実施することができる。本発明は、特別な実施例を与えるが、本発明をさらに改良できると理解されるべきである。要すると、本発明の原理によれば、本出願は、任意の変更、用途又は本発明の改良を含むことが望ましく、本出願において開示された範囲から逸脱し、本分野で既知の従来技術を用いた変更を含む。以下に付随する請求項の範囲によれば、いくつかの基本的特徴の応用を行うことができる。
本発明は、本発明がBBD29_14900遺伝子を弱化又はノックアウトすることにより、該遺伝子のコードする産物がL-グルタミン酸生産能力に影響を与えることを発見し、コード配列に点変異を導入し、又は該遺伝子のコピー数を増加又は過剰発現させることによりを得組換え菌株、得られた菌株が未改造菌株と比べて、高濃度のグルタミン酸を生産するのに有利であるという役割を開示した。
菌種名:コリネバクテリウム・グルタミクム:Corynebacterium glutamicum、菌株番号:YPGLU001、受託番号:CGMCC 21220

Claims (20)

  1. L-グルタミン酸生産細菌であって、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列又はその相同配列をコードするポリヌクレオチドの発現が改善されており、
    好ましくは、前記改善された発現は、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列又はその相同配列をコードするポリヌクレオチドの発現が増強されていること、又はSEQ ID NO:3のアミノ酸配列又はその相同配列をコードするポリヌクレオチドが点変異を有していること、又はSEQ ID NO:3のアミノ酸配列又はその相同配列をコードするポリヌクレオチドが点変異を有し且つ発現が増強されていることである、ことを特徴とするL-グルタミン酸生産細菌。
  2. SEQ ID NO:3のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの点変異により、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列の372番目のアスパラギン酸は、異なるアミノ酸で置換され、好ましくは、372番目のアスパラギン酸は、アスパラギンで置換される、ことを特徴とする請求項1に記載の細菌。
  3. SEQ ID NO:3のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:1のヌクレオチド配列を含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の細菌。
  4. 前記点変異を有するポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:1に示されるポリヌクレオチド配列の1114番目の塩基の変異により形成され、
    好ましくは、前記変異は、SEQ ID NO:1に示されるポリヌクレオチド配列の1114番目の塩基のグアニン(G)からアデニン(A)への変異を含み、
    好ましくは、前記点変異を有するポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:2に示されるポリヌクレオチド配列を含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の細菌。
  5. 前記細菌は、コリネバクテリウム属細菌であり、好ましくは、コリネバクテリウム・アセトアシドフィルム(Corynebacterium acetoacidophilum)、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム(Corynebacterium acetoglutamicum)、コリネバクテリウム・カルナエ(Corynebacterium callunae)、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)、コリネバクテリウム・ペキネンシス(Corynebacterium pekinense)、ブレビバクテリウム・サッカロリチカム(Brevibacterium saccharolyticum)、ブレビバクテリウム・ロゼウム(Brevibacterium roseum)、ブレビバクテリウム・チオゲニタイス(Brevibacterium thiogenitalis)であり、さらに好ましくは、コリネバクテリウム・グルタミクムCGMCC No. 21220又はATCC 13869である、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の細菌。
  6. ポリヌクレオチド配列であって、SEQ ID NO:3に示されるアミノ酸配列を含むポリヌクレオチドをコードすることを含み、ここで、372番目のアスパラギン酸は、異なるアミノ酸で置換され、好ましくは、372番目のアスパラギン酸は、アスパラギンで置換され、
    好ましくは、前記ポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:4に示されるアミノ酸配列を含むポリヌクレオチドをコードすることを含み、
    好ましくは、前記ポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:1に示されるポリヌクレオチド配列の1114番目の塩基の変異により形成され、好ましくは、前記変異は、SEQ ID NO:1に示されるポリヌクレオチド配列の1114番目の塩基のグアニン(G)からアデニン(A)への変異であり、
    好ましくは、前記ポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:2に示されるポリヌクレオチド配列を含む、ことを特徴とするポリヌクレオチド配列。
  7. 前記配列は、SEQ ID NO:4に示される、ことを特徴とするタンパク質。
  8. 請求項6に記載のポリヌクレオチド配列を含む、ことを特徴とする組換えベクター。
  9. 請求項6に記載のポリヌクレオチド配列を含む、ことを特徴とする組換え菌株。
  10. 請求項1~5のいずれか1項に記載の細菌を培養し、前記培養物からL-グルタミン酸を回収することを含む、L-グルタミン酸の製造方法。
  11. BBD29_14900D372Nタンパクと命名されたタンパク質であって、BBD29_14900タンパクの372番目のアミノ酸残基をアスパラギン酸からアスパラギンに変異して得られたものであり、
    前記BBD29_14900タンパクタンパクは、
    (a1)配列表の配列3に示されるタンパク質、又は
    (a2)細菌由来であり且つ(a1)と95%以上の同一性を有し且つ細菌のグルタミン酸生産に関連するタンパク質、又は
    (a3)(a1)に示されるタンパク質を、一つ又は複数のアミノ酸残基の置換及び/又は欠失及び/又は添加を経て得られ且つ細菌のグルタミン酸生産に関連する(a1)から誘導されるタンパク質である、タンパク質。
  12. 請求項11に記載のBBD29_14900D372Nタンパクのコード遺伝子。
  13. 請求項12に記載のコード遺伝子を有する発現カセット又は組換えベクター又は組換え菌。
  14. (I)細菌グルタミン酸の生産量の向上への応用、又は
    (II)グルタミン酸生産への応用である、請求項11に記載のタンパク質、請求項12に記載のコード遺伝子、請求項13に記載の発現カセット、請求項13に記載の組換えベクター又は請求項13に記載の組換え菌の応用。
  15. 特定物質の応用であって、
    (I)細菌グルタミン酸の生産量の向上への応用、又は
    (II)グルタミン酸生産への応用であり、
    前記特定物質は、
    (d1)BBD29_14900G1114A遺伝子の発現を向上させるための物質、
    (d2)BBD29_14900D372Nタンパクの存在度を向上させるための物質、
    (d3)BBD29_14900D372Nタンパクの活性を向上させるための物質、
    (d4)BBD29_14900遺伝子の発現を向上させるための物質、
    (d5)BBD29_14900タンパクの存在度を向上させるための物質、又は
    (d6)BBD29_14900タンパクの活性を向上させるための物質であり、
    前記BBD29_14900D372Nタンパクは、請求項11に記載のBBD29_14900D372Nタンパクであり、
    前記BBD29_14900G1114A遺伝子は、前記BBD29_14900D372Nタンパクをコードする遺伝子であり、
    前記BBD29_14900タンパクは、請求項11に記載のBBD29_14900タンパクであり、
    前記BBD29_14900遺伝子は、前記BBD29_14900タンパクをコードする遺伝子である、特定物質の応用。
  16. 組換え菌であって、細菌においてBBD29_14900G1114A遺伝子又はBBD29_14900を過剰発現させて得られたものであり、前記BBD29_14900G1114A遺伝子は、請求項15に記載のBBD29_14900G1114A遺伝子であり、前記BBD29_14900遺伝子は、請求項15に記載のBBD29_14900遺伝子である、組換え菌。
  17. 請求項16に記載の組換え菌の、グルタミン酸の製造における応用。
  18. 細菌のグルタミン酸の生産量を向上させる方法であって、細菌ゲノムにおけるBBD29_14900遺伝子をBBD29_14900G1114A遺伝子に置き換えるステップを含み、
    前記BBD29_14900G1114A遺伝子は、請求項15に記載のBBD29_14900G1114A遺伝子であり、前記BBD29_14900遺伝子は、請求項15に記載のBBD29_14900遺伝子である、細菌のグルタミン酸の生産量を向上させる方法。
  19. 細菌のグルタミン酸の生産量を向上させる方法であって、細菌においてBBD29_14900G1114A遺伝子を過剰発現させるか又は細菌においてBBD29_14900遺伝子を過剰発現させるか又は細菌におけるBBD29_14900D372Nタンパクの存在度を向上させるか又は細菌におけるBBD29_14900タンパクの存在度を向上させるか又は細菌におけるBBD29_14900D372Nタンパクの活性を向上させるか又は細菌におけるBBD29_14900タンパクの活性を向上させるステップを含み、
    前記BBD29_14900D372Nタンパクは、請求項11に記載のBBD29_14900D372Nタンパクであり、
    前記BBD29_14900G1114A遺伝子は、前記BBD29_14900D372Nタンパクをコードする遺伝子であり、
    前記BBD29_14900タンパクは、請求項11に記載のBBD29_14900タンパクであり、
    前記BBD29_14900遺伝子は、前記BBD29_14900タンパクをコードする遺伝子である、細菌のグルタミン酸の生産量を向上させる方法。
  20. 前記BBD29_14900D372Nタンパクは、請求項11に記載のBBD29_14900D372Nタンパクであり、前記BBD29_14900タンパクは、請求項11に記載のBBD29_14900タンパクである、BBD29_14900D372Nタンパク又はBBD29_14900タンパクの、細菌のグルタミン酸の生産量の制御における応用。

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