JP2024085673A - マウントブラケット構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】狭小な取付領域に取り付け可能なマウントブラケット構造を提供することを目的とする。【解決手段】マウントブラケット構造は、無端ベルトが巻回されるプーリと、前記プーリを周方向に回転可能に支持する支持部、エンジンに締結するための第1ボルトが挿通する第1挿通孔、及び、エンジンマウントを締結するための第2ボルトが挿通する第2挿通孔が設けられたマウントブラケットと、を有する。【選択図】図2
Description
本発明はマウントブラケット構造に関する。
プーリブラケットの取付部を内燃機関(以下、エンジンと記載)に対し適正な取付角度で取付け、異音の発生やベルトの偏摩耗を抑制する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
ところで、エンジンにはプーリブラケット以外にも、エンジンとエンジンマウントとを連結するマウントブラケットが取り付けられる場合がある。このため、エンジンはプーリブラケットとマウントブラケットの両方を取り付けることができる程度の領域を有していることが望ましい。
しかしながら、エンジンが有する気筒の気筒数が少ない(例えば2気筒や3気筒など)場合、エンジンの気筒配列方向に対応する側壁の領域が狭くなり、プーリブラケットとマウントブラケットの両方を取り付けることができなくなる可能性がある。
そこで、本発明では、狭小な取付領域に取り付け可能なマウントブラケット構造を提供することを目的とする。
本発明に係るマウントブラケット構造は、無端ベルトが巻回されるプーリと、前記プーリを周方向に回転可能に支持する支持部、エンジンに締結するための第1ボルトが挿通する第1挿通孔、及び、エンジンマウントを締結するための第2ボルトが挿通する第2挿通孔が設けられたマウントブラケットと、を有する。
上記構成において、前記マウントブラケットには、複数の前記第1挿通孔と前記プーリを支持する支持部の回転軸が挿通する第3挿通孔が設けられ、前記マウントブラケットは、複数の前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とを仮想的に結んだ三角錐から離隔した位置に前記第3挿通孔が設けられた箱型の形状を有してもよい。
上記構成において、前記マウントブラケットは、前記プーリに作用する前記無端ベルトの張力に起因する前記マウントブラケットの変形を抑制する補強部を含んでいてもよい。
上記構成において、前記エンジンに一列に配置された気筒の気筒数が3気筒以下であってもよい。
本発明に係るマウントブラケット構造よれば、狭小な取付領域に取り付けることが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、マウントブラケット構造1,2は、車両5に搭載されたパワーユニット50の左右両側に取り付けられている。図1における矢印Frは車両前後方向前側を、矢印Lfは車幅方向左側をそれぞれ示している。パワーユニット50はエンジン51とトランスミッション52とを含んでいる。
エンジン51は、例えば3つの気筒が直列に一列に配置された3気筒エンジンである。エンジン51は例えば3つの気筒を左右交互に1本のクランクシャフトに対してV字型に配置したV型6気筒エンジンであってもよいし、単気筒エンジンであってもよい。V型6気筒エンジンの場合、V型6気筒エンジンの片側には3つの気筒が一列に配置される、エンジン51とトランスミッション52が一体化されてパワーユニット50が実現されている。パワーユニット50はボデー(車体)7に対して吊り下げ支持されている。
パワーユニット50は、ロール軸周りの変位を抑制すべく、パワーユニット50の中央部もマウントブラケット構造3を介してボデー7と連結されている。すなわち、パワーユニット50は、ボデー7に対して3点支持されている。以下では、エンジン51を吊り下げ支持する左側のマウントブラケット構造1について説明する。
図2(a)に示すように、マウントブラケット構造1はエンジン51が有する気筒の気筒配列方向に対応する側壁に取り付けられる。マウントブラケット構造1はプーリ10とマウントブラケット20とを有する。プーリ10には無端ベルトとしての伝動ベルト30が巻回される。プーリ10はプーリ55に対する伝動ベルト30の巻付角を十分に確保して駆動力の伝達を確実なものにすべく伝動ベルト30を案内する。すなわち、プーリ10は例えばエアコンレス用プーリといったダミープーリである。
なお、プーリ55はエンジン51のクランクシャフトに装着されるクランクシャフトプーリである。プーリ55は、例えば空調機用コンプレッサ、パワーステアリングポンプ、エンジン冷却用ウォータポンプ、オルタネータといった各種補機の回転軸に装着される補機プーリであってもよい。エンジン51が稼働すると、エンジン51の稼働に起因して、プーリ10にはプーリ55の方向に向かう伝動ベルト30の張力が作用する。これにより、エンジン51の稼働中には、プーリ10はプーリ55の方向に押圧される。
図2(a)及び(b)に示すように、マウントブラケット20はプーリ10を周方向に回転可能に支持する支持部21と、複数のエンジン締結部22と、プーリ締結部23と、マウント締結部24とを含んでいる。支持部21は例えば回転軸と締結具とを含んでいる。
複数のエンジン締結部22のそれぞれにはボルトBTが挿通する挿通孔22A,22B,22C,22Dが設けられている。挿通孔22A,22B,22C,22Dは第1挿通孔の一例である。マウントブラケット構造1はボルトBTによってエンジン51に締結される。プーリ締結部23には支持部21の回転軸が挿通する挿通孔23Aが設けられている。挿通孔23Aは第3挿通孔の一例である。プーリ10は支持部21の締結具によってマウントブラケット20に締結される。
マウント締結部24には不図示のボルトが挿通する挿通孔24Aが設けられている。挿通孔24Aは第2挿通孔の一例である。エンジンマウント(不図示)は挿通孔24Aを挿通したボルトによってマウントブラケット構造1に締結される。このように、マウントブラケット構造1はエンジン51に締結される。また、マウントブラケット構造1にはエンジンマウントが締結される。すなわち、マウントブラケット構造1はエンジン51とエンジンマウントとを連結する。
ここで、上述したように、エンジン51の稼働中には、プーリ10はプーリ55の方向に押圧される。プーリ締結部23の挿通孔23Aにはプーリ10が装着された支持部21の回転軸が挿通しているため、この回転軸を介してプーリ締結部23にも伝動ベルト30の張力が作用する。このような張力に起因するマウントブラケット20の変形を抑制すべく、プーリ締結部23とマウント締結部24との間には補強部としてのリブ25が設けられている。リブ25により、マウントブラケット20が補強されて、マウントブラケット20の変形を抑制することができる。
また、マウントブラケット構造1には、上述した張力以外にも、車両5の走行状態(例えば縁石乗り上げや急ブレーキ、急旋回など)に基づいて、車両前後方向や車両上下方向、車両左右方向など様々な方向の外力が瞬間的又は突発的に発生する。このような外力は張力と共にマウントブラケット20に作用する。マウントブラケット20は外力と張力に起因する影響を受けるが、このような影響を抑制するために、マウントブラケット20は箱型の形状を有している。これにより、マウントブラケット20の剛性に対する外力に起因する影響と張力に起因する影響のバランスが確保される。特に、マウントブラケット20はエンジン締結部22の挿通孔22A,22B,22Cとマウント締結部24の挿通孔24Aを頂点として仮想的に結ぶ三角錐から離隔した位置にプーリ締結部23が設けられている。マウントブラケット20がこのような箱型の形状を有することにより、マウントブラケット20の剛性に対する、伝動ベルト30の張力に起因する影響と車両の走行状態に応じて発生する外力に起因する影響とのバランスが確保される。
なお、マウントブラケット構造1には挿通孔22A,22B,22Cが設けられていれば、エンジン51にマウントブラケット構造1を取り付けることができる。しかしながら、マウントブラケット20に挿通孔22Dを設けることにより、挿通孔22Dを設けない場合に比べて、マウントブラケット構造1をエンジン51に強固に締結できるだけでなく、剛性バランスをより確保することができる。
図3(a)乃至(c)を参照して、マウントブラケット構造1の比較例を説明する。なお、尚、図2(a)及び(b)に示される構成と同様の構成には基本的に同一の又は対応する符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図3(a)に示すように、プーリ10はエンジン51の側壁に取り付けられたプーリブラケット60にボルトBT1によって周方向に回転可能に締結される。図3(b)に示すように、プーリブラケット60は複数のエンジン締結部62とプーリ締結部63とを含んでいる。
複数のエンジン締結部62のそれぞれにはボルトBT2が挿通する挿通孔62A,62B,62Cが設けられている。プーリブラケット60はボルトBT2によってエンジン51に締結される。プーリ締結部63にはボルトBT1のボルト軸が挿通する挿通孔63Aが設けられている。プーリ10はボルトBT1によってプーリブラケット60に締結される。
一方、図3(c)に示すように、エンジンマウントが締結されるマウントブラケット70はプーリブラケット60と別体である。マウントブラケット70は実施例に係るマウントブラケット20と同様に複数のエンジン締結部72とマウント締結部74とを含んでいる。複数のエンジン締結部72のそれぞれにはボルトBTが挿通する挿通孔72A,72B,72C,72Dが設けられている。マウント締結部74には不図示のボルトが挿通する挿通孔74Aが設けられている。一方で、マウントブラケット70は実施例に係るマウントブラケット20と異なりプーリ締結部23を含んでいない。
エンジン51の側壁に対しプーリブラケット60と併せてマウントブラケット70の取り付けを試みた場合、エンジン51の側壁に十分な取付領域がない場合がある。例えば、エンジン51が有する気筒の気筒数が3気筒である場合、エンジン51の側壁に対しプーリブラケット60とマウントブラケット70の両方の取り付けを試みても、取付領域が十分に確保されておらず狭小である可能性がる。これにより、エンジン51の側壁にプーリブラケット60を取り付けられても、マウントブラケット70を取り付けられない可能性がある。
このように、プーリブラケット60とマウントブラケット70が別体である比較例に対し、実施例ではプーリ締結部23とマウント締結部24とを含むマウントブラケット20が実現されている。これにより、プーリ10とマウントブラケット20が一体化されたマウントブラケット構造1が実現されている。実施例に係るマウントブラケット構造1によれば、エンジン51の側壁が狭小な取付領域を備えていても、マウントブラケット構造1を取り付けることができる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 マウントブラケット構造
5 車両
10 プーリ
20 マウントブラケット
21 支持部
22 エンジン締結部
23 プーリ締結部
24 マウント締結部
22A,22B,22C,22D,23A,24A 挿通孔
30 伝動ベルト
51 エンジン
5 車両
10 プーリ
20 マウントブラケット
21 支持部
22 エンジン締結部
23 プーリ締結部
24 マウント締結部
22A,22B,22C,22D,23A,24A 挿通孔
30 伝動ベルト
51 エンジン
Claims (4)
- 無端ベルトが巻回されるプーリと、
前記プーリを周方向に回転可能に支持する支持部、エンジンに締結するための第1ボルトが挿通する第1挿通孔、及び、エンジンマウントを締結するための第2ボルトが挿通する第2挿通孔が設けられたマウントブラケットと、
を有するマウントブラケット構造。 - 前記マウントブラケットには、複数の前記第1挿通孔と前記プーリを支持する支持部の回転軸が挿通する第3挿通孔が設けられ、
前記マウントブラケットは、複数の前記第1挿通孔と前記第2挿通孔とを仮想的に結んだ三角錐から離隔した位置に前記第3挿通孔が設けられた箱型の形状を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のマウントブラケット構造。 - 前記マウントブラケットは、前記プーリに作用する前記無端ベルトの張力に起因する前記マウントブラケットの変形を抑制する補強部を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマウントブラケット構造。 - 前記エンジンに一列に配置された気筒の気筒数が3気筒以下である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のマウントブラケット構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022200326A JP2024085673A (ja) | 2022-12-15 | 2022-12-15 | マウントブラケット構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2022200326A JP2024085673A (ja) | 2022-12-15 | 2022-12-15 | マウントブラケット構造 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2024085673A true JP2024085673A (ja) | 2024-06-27 |
Family
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JP2022200326A Pending JP2024085673A (ja) | 2022-12-15 | 2022-12-15 | マウントブラケット構造 |
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2022
- 2022-12-15 JP JP2022200326A patent/JP2024085673A/ja active Pending
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