JP2004084493A - 補機駆動装置の取付構造 - Google Patents

補機駆動装置の取付構造 Download PDF

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Shinji Matsuo
松尾 真二
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Abstract

【課題】プーリ間距離の確保が困難な場合にも、ベルトとプーリとの擦れによる異音の発生を抑制することのできる補機駆動装置の取付構造を提供する。
【解決手段】補機駆動装置の取付構造において、複数の被駆動要素(補機類70、72、74、76、テンショナ30、アイドラ)はそれぞれの有するプーリに巻掛けられた共通のベルト50を介して駆動連結されている。ここでは特に、複数の被駆動要素のうちから選択された互いに近接した2つの被駆動要素(パワーステアリング装置用のオイルポンプ70、テンショナ30)のみが、エンジン10に取付けられる単一の取付部材(ブラケット36)に共に取付けられることで、同エンジン10に取付けられている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、補機駆動装置の取付構造、特に補機駆動装置を構成する補機類やテンショナなど、それぞれの有するプーリに巻掛けられた共通のベルトを介して駆動連結される複数の被駆動要素のエンジンへの取付構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンに設けられる各種補機類は一般に、それら補機類の回転軸、及びにエンジン出力軸であるクランク軸にそれぞれプーリを装着するとともに、それらプーリをベルトを介して駆動連結することで、駆動されるようになっている。また、そうした補機駆動装置には、ベルトを通じた補機類の駆動をより円滑に行えるように、ベルトに張力を付与するテンショナや、ベルトの走行経路を変更して各プーリのベルト巻掛け量を調整するアイドラなども設けられている。こうした補機類、テンショナ、アイドラ等の補機駆動装置の被駆動要素は、エンジンのシリンダブロックやシリンダヘット、チェーンカバー等にそれぞれ取付けられている。
【0003】
なお、こうした被駆動要素のベルト駆動時には、ベルトの弦振動やベルトとプーリとの擦れによって異音が発生することがある。特に、互いに隣接する被駆動要素のプーリ間距離が長い場合には、ベルトの弦振動が起こりやすくなり、これに起因した異音が発生しやすくなる。一方、プーリ間距離が短い場合には、これらプーリの軸方向の取付け位置や取付け角度のわずかなずれによっても、プーリに対してベルトが斜めに巻掛けられることとなるため、ベルトとプーリとの擦れによる異音が発生しやすくなる。そして、このような異音の発生は、そうした補機駆動装置の搭載される車両にあって、運転者の乗り心地を悪化させるとともに、ベルト及びプーリの寿命を低下させることともなる。
【0004】
そこで従来、ベルトの弦振動に起因する異音の発生に対しては、隣接する被駆動要素のプーリ間にアイドラプーリを介設して、プーリ間距離を短縮するといった対策がなされている。また、ベルトとプーリとの擦れによる異音の発生については、プーリ間距離の短い部位ができないように、各種被駆動要素の配設位置を変更するといった対策がなされている。このように従来にあっては、配設位置等の工夫により、各被駆動要素のプーリ間距離を適度に保つことで、上記異音の発生を抑制するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年においては、特に車載エンジン等では、補機駆動装置も含めたエンジン全体のコンパクト化が進められており、各被駆動要素の配設空間についても自ずと厳しい制限が加えられるようになっている。そのため、上記擦れによる異音の発生を抑制できるだけの十分なプーリ間距離を確保することが困難となっているのが実情である。
【0006】
ちなみに、特開2002−97964号公報には、補機駆動装置の被駆動要素の大部分を単一の取付部材に取付け、それをエンジンに取付けることで、エンジン全体の更なるコンパクト化を図る補機駆動装置の取付構造が提案されている。このような取付構造では、各被駆動要素が集約的に配設されることとなり、隣接する被駆動要素のプーリ間距離の確保が困難となっているが、それにより懸念される上記擦れによる異音の発生については、特に有効な対策はなされていない。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、プーリ間距離の確保が困難な場合にも、ベルトとプーリとの擦れによる異音の発生を抑制することのできる補機駆動装置の取付構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、それぞれの有するプーリに巻掛けられた共通のベルトを介して駆動連結される複数の被駆動要素を備える補機駆動装置にあって、前記複数の被駆動要素をエンジンに取付ける構造において、前記複数の被駆動要素のうちから選択された互いに近接した2つの被駆動要素のみが、前記エンジンに取付けられる単一の取付部材に共に取付けられることで、前記エンジンに取付けられてなることを要旨とする。
【0009】
2つの被駆動要素がエンジンの異なる部材にそれぞれ取付けられる場合には、これら部材同士の相対的な位置関係のずれによって、これら部材に取付けられる被駆動要素の相対的な位置関係もずれることとなる。また、互いに隣接する被駆動要素の有するプーリが近接して配設されるときには、これらプーリの軸方向の取付け位置又は取付け角度のわずかなずれによっても、プーリに対してベルトが斜めに巻掛けられることとなるため、ベルトとプーリとの擦れによって異音の発生する虞がある。
【0010】
そこで、請求項1記載の発明のこうした構成によれば、2つの被駆動要素がエンジンの異なる部材にそれぞれ取付けられる場合と比較して、これら被駆動要素間での相対的な位置関係のずれを小さくすることができる。そのため、これら被駆動要素の有する各プーリについても、相対的な位置関係のずれを小さくすることができるようになる。その結果、ベルトとプーリとの擦れによる異音の発生を抑制することができるようになる。さらに、上記構成によれば、互いに近接する被駆動要素のうち、ベルトとプーリとの擦れによって異音の発生する蓋然性の高い2つの被駆動要素のみを、単一の取付部材に共に取付けることができるようになる。すなわち、多数の被駆動要素を単一の取付部材に共に取付けた場合には、それら全ての被駆動要素について相対的な位置精度を確保することは難しくなる。そこで、互いに近接する2つの被駆動要素のみを単一の取付部材に共に取付けることによって、異音の発生する蓋然性の高い部分について、異音の発生を効果的に抑制することができるようになる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の補機駆動装置の取付構造において、前記取付部材は、前記2つの被駆動要素の少なくとも一方の構成部材を兼ねてなることを要旨とする。
【0012】
請求項2記載の発明のこうした構成によれば、取付部材と一方又は両方の被駆動要素とは一体化されることとなるため、取付部材にこれら被駆動要素を取付けるときの精度をより向上させることができるようになる。その結果、これら被駆動要素の有する各プーリ間での相対的な位置関係のずれをより小さくすることができるため、ベルトとプーリとの擦れによる異音の発生をより好適に抑制することができるようになる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の補機駆動装置の取付構造において、前記ベルトと前記2つの被駆動要素の有する各プーリとの接点間の距離は87mm以下であることを要旨とする。
【0014】
請求項3記載の発明のこうした構成によれば、プーリに対してベルトが斜めに巻掛けられる蓋然性が高い場合に、これを抑制することができるようになる。すなわち、上述したように、隣接する2つの被駆動要素が近接して配設されるときには、これら被駆動要素の有する各プーリの軸方向の取付け位置又は取付け角度のわずかなずれによっても、プーリに対してベルトが斜めに巻掛けられることとなる。特に、ベルトと2つのプーリとの接点間の距離が87mm以下であるような場合に、このような傾向は顕著となる。そこで、上記構成とすることによって、プーリに対してベルトが斜めに巻掛けられる蓋然性が高い場合に、ベルトとプーリとの擦れによる異音の発生を効果的に抑制することができるようになる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2記載の補機駆動装置の取付構造において、前記ベルトと前記2つの被駆動要素の有する各プーリとの接点間の距離は60mm以下であることを要旨とする。
【0016】
請求項4記載の発明のこうした構成によれば、プーリに対してベルトが斜めに巻掛けられる蓋然性がより高い場合に、これを抑制することができるようになる。すなわち、上述したように、プーリ間距離が短くなるほど、プーリに対してベルトが斜めに巻掛けられる蓋然性は高くなる。そのため、従来の補機駆動装置の取付構造にあって、ベルトと2つのプーリとの接点間の距離が60mm以下であるような場合は、異音が発生し易い状況であった。しかし、このような場合であっても上記構成によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様に、ベルトとプーリとの擦れによる異音の発生を効果的に抑制することができるようになる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の補機駆動装置の取付構造において、前記2つの被駆動要素のうちいずれか一方はテンショナであることを要旨とする。
【0018】
請求項5記載の発明のこうした構成によれば、ベルトの張力がある程度高くなる場合に、2つの被駆動要素が単一の取付部材に共に取付けられるようになる。すなわち、テンショナは、ベルトの緩みに応じて張力を付与することにより、同ベルトの張力を一定に保つ働きをする。そのため、テンショナの前後ではベルトの張力がある程度高くなるが、そのような場合に2つの被駆動要素の間での相対的な位置精度が確保されるようになる。その結果、ベルトの張力が高いために同ベルトとプーリとの擦れにより発生する異音が大きくなりやすい場合に、異音の発生を好適に抑制することができるようになる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の補機駆動装置の取付構造において、前記2つの被駆動要素はそれぞれ所定の補機及びテンショナであることを要旨とする。
【0020】
請求項6記載の発明のこうした構成によれば、所定の補記とテンショナとが近接して配設される場合に、これらが単一の取付部材に共に取付けられることとなる。また、例えば、取付部材はテンショナの構成部材を兼ねるようにすることによって、取付部材とテンショナとを一体化することができるようにもなる。その結果、所定の補記の有するプーリとテンショナの有するプーリとの間の相対的な位置関係のずれが小さくなるため、ベルトとプーリとの擦れによる異音の発生をより好適に抑制することができるようになる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項5記載の補機駆動装置の取付構造において、前記複数の被駆動要素として、(a)空調装置用コンプレッサ、(b)パワーステアリング装置用オイルポンプ、(c)前記テンショナ、(d)アイドラ、(e)エンジン冷却用ウォータポンプを有するとともに、前記ベルトの走行経路に沿って前記エンジンの出力軸から同ベルトの逆走行方向に前記各被駆動要素を(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の順に配設したことを要旨とする。
【0022】
請求項7記載の発明のこうした構成によれば、エンジンの駆動トルクは、ベルトを介してまず空調装置用コンプレッサに伝達され、その後同ベルトを介してパワーステアリング装置用オイルポンプ等に順次伝達されるようになる。ちなみに、上記補機類はその駆動負荷の大きい順に、空調装置用コンプレッサ、パワーステアリング装置用オイルポンプ、エンジン冷却用ウォータポンプとなっている。その結果、駆動負荷の大きい補機類から順次エンジンの駆動トルクが伝達されるようになるため、例えば空調装置用コンプレッサの有するプーリとベルトとの間の滑りが抑制されるようになる。また、テンショナ及びエンジン冷却用ウォータポンプの有する各プーリは、その間に介設されたアイドラプーリを中継してベルトが巻掛けられるようになる。その結果、例えばテンショナの有するプーリとエンジン冷却用ウォータポンプの有するプーリとの間の距離(ベルト)が長くなるような構成の場合でも、ベルトの弦振動に起因した異音の発生を抑制することができるようにもなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る補機駆動装置の取付構造を、車載エンジンの補機駆動装置に適用して具体化した一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
【0024】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る取付構造の採用される補機駆動装置の構成について説明する。同図1に示されるように、エンジン10のクランク軸にはクランクプーリ20が取付けられている。また、このエンジン10の周辺には、空調装置用のコンプレッサ72、パワーステアリング装置用のオイルポンプ70、エンジン冷却用のウォータポンプ74、及びモータジェネレータ76といった4つの補機類が配設されており、それら補機類にはそれぞれプーリが取付けられている。すなわち、上記コンプレッサ72の回転軸にはA/Cプーリ22が、上記オイルポンプ70の回転軸にはP/Sプーリ24が、上記ウォータポンプ74の回転軸にはW/Pプーリ42が、上記モータジェネレータ76の回転軸にはM/Gプーリ44がそれぞれ取付けられている。
【0025】
また、上記エンジン10の周辺には、テンショナ30が配設されている。このテンショナ30は、テンショナプーリ32及びアーム34を備えている。このアーム34は、テンショナ30の本体に揺動可能に軸支されており、上記テンショナプーリ32は、そのアーム34上の揺動中心とは異なる位置にて回転可能に軸支されている。そして、このアーム34は、上記テンショナ30の本体に内蔵されたスプリングによって、同図1に矢印で示す方向に付勢されている。
【0026】
更に、上記エンジン10には3つのアイドラプーリ40、46、48が配設されている。
そして、以上の各プーリには、共通のベルト50が巻掛けられており、そのベルト50を通じてそれらのプーリが駆動連結されている。詳しくは、上記クランクプーリ20からこのベルト50の逆走行方向に、A/Cプーリ22、P/Sプーリ24、テンショナプーリ32、アイドラプーリ40、W/Pプーリ42、M/Gプーリ44、アイドラプーリ46、48の順に配設され、同ベルト50がこれらの有する各プーリに巻掛けられている。こうして各プーリに巻掛けられたベルト50には、上記テンショナ30のアーム34の揺動に応じて張力が付与されるようになっている。なお本実施形態では、上記各補機類70、72、74、76、テンショナ30、アイドラプーリ40、46、48が、補機駆動装置の被駆動要素に相当する構成となっている。
【0027】
さて、こうした補機駆動装置では、上記エンジン10の始動時には、上記モータジェネレータ76において発生したトルクにより、上記ベルト50が駆動されるようにもなっている。また、上記エンジン10の運転中は、同エンジン10の発生する駆動トルクにて上記クランクプーリ20が回転され、上記ベルト50が同図1の時計回り方向に駆動される。そして、そうしたベルト50の駆動に応じて、このベルト50に連結された上記各被駆動要素のすべてのプーリが回転することとなる。このとき、上記エンジン10の駆動トルクは、上記ベルト50を介して、まずコンプレッサ72に伝達され、続いてオイルポンプ70に伝達されるようになる。そして、その後、上記エンジン10の駆動トルクは、テンショナ30等を間において、ウォータポンプ74、モータジェネレータ76の順で伝達されるようになる。
【0028】
一方、トルクの発生源としても機能する上記モータジェネレータ76を除いた各補機類はその駆動負荷の大きい順に、コンプレッサ72、オイルポンプ70、ウォータポンプ74となっている。このように、この補機駆動装置では、駆動負荷の大きい補機類から順に上記エンジン10の駆動トルクが伝達されるように、上記ベルト50の走行経路上での各補機類の配置がなされている。そしてそれにより、より駆動負荷の大きい補機類から優先的に上記エンジン10のトルクが伝達されるようになり、プーリと上記ベルト50とのすべりを生じさせることなく、各補機類へのトルク伝達をより適切に行えるようになっている。
【0029】
ちなみに、この補機駆動装置では、上記エンジン10の一側部(同図1の右側部)に配設される上記テンショナ30のテンショナプーリ32と、そのもう一方の側部(同図1の左側部)に配設される上記ウォータポンプ74のW/Pプーリ42との間に、アイドラプーリ40が介設されている。そしてこれにより、上記エンジン10の両側部にそれぞれ配設され、必然的に距離の長くなる上記テンショナプーリ32と上記W/Pプーリ42との間を、上記アイドラプーリ40にて中継することで、プーリ間距離の長い部位ができないようにしている。
【0030】
なお、図2は、こうしたアイドラプーリ40を省略した構成の補機駆動装置を示している。同図2に示されるように、上記アイドラプーリ40を省略した場合には、テンショナプーリ32とW/Pプーリ42との間では、それらプーリとベルト50との接点間距離L20が長くなり、異音の要因となる弦振動の発生を招き易い状態となっている。
【0031】
また、同図2の構成では、上記テンショナプーリ32と上記W/Pプーリ42との間に掛け渡された上記ベルト50とアイドラプーリ48との緩衝を避けるため、本実施形態のものよりもテンショナ30を上方に配設せざるを得なくなっている。またそのため、P/Sプーリ24もより上方に配設されることとなり、同P/Sプーリ24及びA/Cプーリ22と上記ベルト50との接点間距離L11も長くなっている。その点、本実施形態では、図1に示されるように、アイドラプーリ40にてテンショナプーリ32とW/Pプーリ42との間の部分を中継することで、ベルト50とアイドラプーリ48との緩衝を避けながらも、テンショナプーリ32は、より下方に配設されている。その結果、P/Sプーリ24及びA/Cプーリ22と上記ベルト50との接点間距離L10がより短縮されてもいる(L10<L11)。
【0032】
このように、本実施形態の補機駆動装置では、各補機類へのトルク伝達をより適切に行え、またプーリ間距離の長すぎる部位が存在しないように配設されている。しかしながら、その結果、上記P/Sプーリ24と上記テンショナプーリ32とは、図1に示されるように近接して配設されてしまっている。ちなみに、本実施形態では、それらP/Sプーリ24とテンショナプーリ32との上記ベルト50の接点間距離L30は、87mm以下に設定されている。また、上記テンショナ30のため、それらP/Sプーリ24とテンショナプーリ32との間に掛け渡された部分の上記ベルト50の張力は高くなっている。そのため、それらのプーリ間では、上述したようなベルトとプーリとの擦れによる異音が極めて発生しやすい状況となっている。
【0033】
そこで本実施形態では、そうした部位での上記ベルト50とプーリとの擦れによる異音の発生を好適に抑制可能なように、各被駆動要素の上記エンジン10への取付構造に改良が加えられている。以下、こうした補機駆動装置の各被駆動要素の上記エンジン10への取付構造について説明する。
【0034】
図1に示すように、上記アイドラプーリ40、48は、上記エンジン10のタイミングチェーンケース12にそれぞれ取付けられている。また、上記アイドラプーリ46は、上記エンジン10のシリンダブロックに取付けられている。更に、上記4つの補機類のうち、パワーステアリング用のオイルポンプ70を除いた3つ、すなわちコンプレッサ72、ウォータポンプ74、及びモータジェネレータ76は、上記エンジン10のシリンダブロックにそれぞれ個別に取付けられている。
【0035】
一方、上記エンジン10には、ブラケット36が取付けられている。そして、上述のようにプーリ同士が互いに近接して配設されたオイルポンプ70及びテンショナ30は、共にこのブラケット36に取付けられようになっている。
【0036】
次に、こうしたブラケット36の構造を図3及び図4を併せ参照して説明する。
図3にその側部構造を示すように、上記ブラケット36は、大きくは上記テンショナ30の本体部分を収容するケース部36aと、上記オイルポンプ70を取付けるための2本のアーム部36b、36cとを備えて構成されている。
【0037】
上記ケース部36aは、正面側が開口した略有蓋中空円筒形状をなし、その内部には、上記テンショナ30の上記アーム34を付勢するスプリングやそのアーム34の揺動中心軸の支持構造等が収容されている。なお、このアーム34は、上記ケース部36aの開口を塞ぐカバーともなっている。このように、このブラケット36は、上記テンショナ30が一体に組み付けられており、またその一部(ケース部36a)が、同テンショナ30の構成部材(ケース)を兼ねるようになっている。なお、こうしたブラケット36の側部には、これを上記エンジン10に締結するためのボルトが装着されるボルト孔39gが設けられている。
【0038】
一方、上記アーム部36b、36cは、上記ケース部36aの両端からそれぞれ延伸されるような態様で、これと一体に形成されている。図4にこのブラケット36の正面構造を示すように、各アーム部36b、36cの先端部には、上記オイルポンプ70をこれに取付けるためのボルトが装着される2つボルト孔39a、39bがそれぞれ形成されている(同図4ではアーム部36bのボルト孔のみを表示)。
【0039】
更に、このブラケット36の正面には、これを上記エンジン10に締結するためのボルトが装着される3つのボルト孔39c、39d、39eが設けられている。また、このブラケット36には、これを上記コンプレッサ72に締結するためのボルトが装着されるボルト孔39fも設けられている。
【0040】
図5は、こうしたブラケット36の取付け部分近傍における上記エンジン10の側部構造を示している。同図5に示されるように、上記オイルポンプ70は、上記ブラケット36の2本のアーム部36b、36cの間に挟み込まれる態様で、同ブラケット36に取付けられている。そして、各アーム部36b、36cに形成された上記ボルト孔39a、39bを通じて装着されるボルトによって、上記オイルポンプ70と上記ブラケット36とが締結固定されるようになっている。
【0041】
また、上記ブラケット36は、上記ボルト孔39c、39d、39eを通じて装着されるボルトによって、上記エンジン10の正面部に締結固定され、上記ボルト孔39gを通じて装着されるボルトによって同エンジン10の側部に締結固定される。一方、上記エンジン10には、上記ブラケット36に隣接して上記コンプレッサ72がボルト等により取付けられており、更に同ブラケット36は、上記ボルト孔39fを通じて装着されるボルトによって、上記のようにコンプレッサ72にも締結固定されている。
【0042】
以上説明したように、本実施形態では、オイルポンプ70とテンショナ30とを、エンジン10に取付けられる単一のブラケット36に共に取付けることで、それらをエンジン10に取付ける構造となっている。すなわち、これらオイルポンプ70とテンショナ30とは、このブラケット36を通じて一体化された状態で上記エンジン10に取付けられている。
【0043】
そのため、P/Sプーリ24とテンショナプーリ32との相対的な取付位置や取付角度の精度を容易に確保することができる。すなわち、上記取付構造によれば、ブラケット36、P/Sプーリ24及びテンショナプーリ32との三者の関係だけで、両プーリの相対的な取付位置や取付角度の精度を確保でき、そうした精度確保に際して考慮しなければならない要素が限定される。これにより、P/Sプーリ24とテンショナプーリ32とが近接して配設され、これらプーリ間に掛け渡された部分のベルト50の張力が高いにも関わらず、上記擦れによる異音の発生が好適に抑制されている。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に列記するような優れた効果を得ることができるようになる。
(1)本実施形態では、プーリ間距離が短く、且つプーリ間に掛け渡されるベルト50の張力が高くなるオイルポンプ70とテンショナ30とを、エンジン10に取付けられる単一のブラケット36に共に取付けることで、それらをエンジン10に取付ける構造としている。したがって、P/Sプーリ24とテンショナプーリ32との相対的な取付位置や取付角度の精度の確保が容易となり、ベルト50とプーリとの擦れによる異音の発生を好適に抑制することができるようになる。
【0045】
(2)本実施形態では、ブラケット36がテンショナ30のケース(構成部材)を兼ねる構成となっており、テンショナ30がブラケット36に一体化されている。そのため、ブラケット36に対するテンショナプーリ32の取付精度の確保がより容易となっている。また、そうした構成により、部品点数を削減して構成の簡易化を図ることもできるようになる。
【0046】
(3)単一のブラケット36に取付けられる2つの被駆動要素のうち、一方はテンショナ30であり、他方はオイルポンプ70(補機)である。すなわち、テンショナ30は、ベルト50の緩みに応じて張力を付与することにより、同ベルト50の張力を一定に保つ働きをする。そのため、テンショナ30の前後ではベルト50の張力がある程度高くなり、ベルト50と各プーリとの擦れによる異音が発生しやすくなるが、そのような場合に2つの被駆動要素の間での相対的な位置精度が確保されるようになる。
【0047】
(4)エンジン10の駆動トルクは、ベルト50を介してまずコンプレッサ72に伝達され、その後同ベルト50を介してオイルポンプ70等に順次伝達される。その結果、駆動負荷の大きい被駆動要素から順次上記エンジン10の駆動トルクが伝達されるようになるため、例えばコンプレッサ72の有するA/Cプーリ22とベルト50との間の滑りが抑制されるようになる。
【0048】
(5)テンショナ30及びウォータポンプ74がそれぞれ有するテンショナプーリ32及びW/Pプーリ42は、その間に介設されたアイドラプーリ40を中継してベルト50が巻掛けられている。その結果、テンショナ30の有するテンショナプーリ32とウォータポンプ74の有するW/Pプーリ42との間の距離(ベルト)が長くなるような構成の場合でも、ベルト50の弦振動に起因した異音の発生を抑制することができるようになる。
【0049】
なお、本発明にかかる補機駆動装置の取付構造は上記実施形態に限定されるものではなく、その実施形態を適宜変更した、例えば次のような形態として実現することもできる。
【0050】
・上記実施形態では、P/Sプーリ24とテンショナプーリ32とのベルト50の接点間距離L30は、87mm以下に設定するようにしたが、それらのプーリをさらに近付けて、この接点間距離L30が60mm以下となるように設定してもよい。このように2つのプーリとベルトの接点間距離L30が60mm以下となる構成では、ベルト50とこれらのプーリとの擦れによる異音がさらに発生し易くなる。しかし、上記実施形態同様、2つの被駆動要素の位置精度及び取付精度を十分に確保することにより、これら2つのプーリとベルト50の接点間距離L30が60mm以下となる設定をすることも可能となる。
【0051】
・上記実施形態では、オイルポンプ70及びテンショナ30を共に共通のブラケット36に取付けるようにしたが、共通の取付部材及び同取付部材に取付けられる被駆動要素はこれに限定されるものではない。例えば、タイミングチェーンケース12に、コンプレッサ72及びウォータポンプ74を取付けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態についてその補機駆動装置の配置を示す模式図。
【図2】同実施形態の比較例となる補機駆動装置の配置を示す模式図。
【図3】同実施形態のブラケットの側面構造を示す側面図。
【図4】同ブラケットの正面構造を示す正面図。
【図5】同ブラケットのエンジンへの取付け態様を示す模式図。
【符号の説明】
10…エンジン、12…タイミングチェーンケース、20…クランクプーリ、22…A/Cプーリ、24…P/Sプーリ、30…テンショナ、32…テンショナプーリ、34…アーム、36…ブラケット、36a…ケース部、36b、36c…アーム部、39a、39b、39c、39d、39e、39f、39g…ボルト孔、40、46、48…アイドラプーリ、42…W/Pプーリ、44…M/Gプーリ、50…ベルト、70…オイルポンプ、72…コンプレッサ、74…ウォータポンプ、76…モータジェネレータ。

Claims (7)

  1. それぞれの有するプーリに巻掛けられた共通のベルトを介して駆動連結される複数の被駆動要素を備える補機駆動装置にあって、前記複数の被駆動要素をエンジンに取付ける構造において、
    前記複数の被駆動要素のうちから選択された互いに近接した2つの被駆動要素のみが、前記エンジンに取付けられる単一の取付部材に共に取付けられることで、前記エンジンに取付けられてなる
    ことを特徴とする補機駆動装置の取付構造。
  2. 前記取付部材は、前記2つの被駆動要素の少なくとも一方の構成部材を兼ねてなる
    請求項1記載の補機駆動装置の取付構造。
  3. 前記ベルトと前記2つの被駆動要素の有する各プーリとの接点間の距離は87mm以下である
    請求項1又は2記載の補機駆動装置の取付構造。
  4. 前記ベルトと前記2つの被駆動要素の有する各プーリとの接点間の距離は60mm以下である
    請求項1又は2記載の補機駆動装置の取付構造。
  5. 前記2つの被駆動要素のうちいずれか一方はテンショナである
    請求項1〜4のいずれかに記載の補機駆動装置の取付構造。
  6. 前記2つの被駆動要素はそれぞれ所定の補機及びテンショナである
    請求項1〜4のいずれかに記載の補機駆動装置の取付構造。
  7. 請求項5に記載の補機駆動装置の取付構造において、
    前記複数の被駆動要素として、
    (a)空調装置用コンプレッサ、
    (b)パワーステアリング装置用オイルポンプ、
    (c)前記テンショナ、
    (d)アイドラ、
    (e)エンジン冷却用ウォータポンプ
    を有するとともに、前記ベルトの走行経路に沿って前記エンジンの出力軸から同ベルトの逆走行方向に前記各被駆動要素を(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の順に配設した
    ことを特徴とする補機駆動装置の取付構造。
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