JP2001248692A - 多軸伝動装置 - Google Patents

多軸伝動装置

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JP2001248692A
JP2001248692A JP2000058259A JP2000058259A JP2001248692A JP 2001248692 A JP2001248692 A JP 2001248692A JP 2000058259 A JP2000058259 A JP 2000058259A JP 2000058259 A JP2000058259 A JP 2000058259A JP 2001248692 A JP2001248692 A JP 2001248692A
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belt
pulley
ribbed belt
ribbed
shaft transmission
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JP2000058259A
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Takeru Takahashi
長 高橋
Hiroshi Fujimoto
浩 藤本
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H2007/0802Actuators for final output members
    • F16H2007/081Torsion springs

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  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 VリブドベルトBを伝動ベルトとしてオート
テンショナ20を用いた多軸伝動装置において、オート
テンショナ20の揺動量を減少させることによって、ベ
ルトBとテンションプーリ21とが発生する騒音を抑制
し、更にオートテンショナ20の長寿命化を図る。 【解決手段】 VリブドベルトBの3%伸張した際の見
掛けの弾性率が1リブあたり19,600〜100,0
00Nであるようにする。さらにこのとき、ベルトBの
心線25,25,…に総デニール数1,500〜8,0
00のアラミド繊維、または総デニール数3,000〜
8,000のPVA、または総デニール数4,500〜
8,000のPENを使用することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Vリブドベルトを
用いた多軸伝動装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数の補機を駆動するため
に、伝動ベルトとして複数のVベルトを利用することが
知られていたが、この伝動ベルトには、高伝動能力を有
し、長寿命であるとの理由によってVベルトからVリブ
ドベルトに代わってきている。しかし、市場の要求に
は、伝動装置のコンパクト化及びメンテナンスフリー化
という課題がある。
【0003】かかる要求に応えるべく、近年、オートテ
ンショナを用い、各補機を1本のVリブドベルトによっ
て駆動するサーペンタインドライブ方式が多く採用され
ている。そして、この従来のオートテンショナを用いた
サーペンタインドライブ方式の多軸伝動装置に使用する
Vリブドベルトの心線には、主にポリエチレンテレフタ
レート繊維(以後「PET」と称する)が使用されてお
り、例えば自動車のエンジンのような大きな回転変動を
もつ駆動源から、大きな回転慣性をもつ発電機や大きな
変動負荷を発生するエアコン等の補機へ1本のVリブド
ベルトによって伝動して、オートテンショナによってベ
ルトの張力を調整するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
場合、駆動側のトルクと補機側のトルクとが共振して、
オートテンショナの揺動が非常に大きくなるという現象
が発生し、そのために、オートテンショナの構成部品の
寿命が低下するという問題がある。更に、ベルトの共振
に対してオートテンショナが追従できなくなるために、
オートテンショナのテンションプーリ上でベルトの叩き
音が発生するという問題もあった。
【0005】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、Vリブドベルトを伝
動ベルトとしてオートテンショナを用いた多軸伝動装置
において、そのVリブドベルト自体の特性を適正に設定
することで、オートテンショナの揺動量を減少させて、
ベルトとテンションプーリとが発生する騒音を防止し、
更にオートテンショナの長寿命化を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、Vリブドベルトにおける引張弾性
率やベルトの心線の材質及び太さを以下の如く設定する
ようにした。
【0007】すなわち、請求項1の発明では、駆動及び
従動プーリと、上記駆動及び従動プーリ間に巻き掛けら
れたVリブドベルトと、上記Vリブドベルトを押圧して
張力を付与するオートテンショナとを備えた多軸伝動装
置において、上記Vリブドベルトの3%伸張した際の見
掛けの弾性率が1リブあたり19,600〜100,0
00Nであるようにした。
【0008】上記の構成により、Vリブドベルトの引張
弾性率を1リブあたり19,600N以上に大きくする
ことによって、ベルトの伝動能力を高く維持することが
でき、ベルトの伸び及び縮み量が小さくなり、オートテ
ンショナの揺動量を小さくすることができる。
【0009】更にこの引張弾性率を1リブあたり10
0,000N以下にする理由は、心線の径と打ち込みピ
ッチとの関係上限界と考えるためである。
【0010】また、請求項2の発明では、上記請求項1
の多軸伝動装置におけるVリブドベルトの心線を、総デ
ニール数1,500〜8,000のアラミド繊維からな
るものとし、請求項3の発明では、総デニール数3,0
00〜8,000のポリビニルアルコール(以後「PV
A」と称する)繊維からなるものとし、さらに請求項4
の発明では、総デニール数4,500〜8,000のポ
リエチレンナフタレート(以後「PEN」と称する)繊
維からなるものとした。
【0011】上記の構成により、ベルトの心線にアラミ
ド繊維を使用する場合には、その総デニール数を1,5
00以上に、またPVA繊維を使用する場合には、その
総デニール数を3,000以上に、さらに、PEN繊維
を使用する場合には、その総デニール数を4,500以
上にそれぞれ大きくすることによって、ベルトの強力及
び弾性率を高い水準に維持して、オートテンショナの揺
動量を小さくすることができる。
【0012】一方、各繊維の総デニール数を8,000
以下に小さくすることによって、心線径が大きくなるこ
とによって起こるベルトの耐屈曲疲労性の悪化を防止す
ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態に係る多
軸伝動装置Tを示し、この多軸伝動装置Tは、自動車に
搭載されたエンジンにより補機を駆動するために用いら
れる。すなわち、図1中、1は駆動プーリとしてのVリ
ブドプーリからなるクランクプーリで、このクランクプ
ーリ1は、車載エンジン(図示せず)の出力軸としての
クランク軸2上に回転一体に取り付けられていて、その
クランク軸2による所定の回転変動をもって図で時計回
り方向に回転する。
【0014】4は上記クランク軸2の略上方に配置され
たVリブドプーリからなる従動プーリとしてのパワステ
プーリで、このパワステプーリ4は自動車のパワーステ
アリング装置用ポンプ(全体を図示せず)の入力軸5に
回転一体に取り付けられている。
【0015】7は上記パワステプーリ4の側方にそれと
略同じ高さ位置に配置されたVリブドプーリからなる従
動プーリとしてのウォータポンププーリで、このウォー
タポンププーリ7はウォータポンプ(全体を図示せず)
の入力軸8に回転一体に取り付けられている。
【0016】10は上記ウォータポンププーリ7の側方
に配置されたVリブドプーリからなる従動プーリとして
のオルタネータプーリで、このオルタネータプーリ10
はオルタネータ(全体を図示せず)の入力軸11に回転
一体に取り付けられている。
【0017】さらに、13は上記パワステプーリ4の略
下方に配置されたVリブドプーリからなる従動プーリと
してのエアコンプーリで、このエアコンプーリ13は自
動車のエアコン用コンプレッサ(全体を図示せず)の入
力軸14に回転一体に取り付けられている。
【0018】また、上記クランクプーリ1及びエアコン
プーリ13の間には蛇行規制用フランジ(図示せず)を
有する平プーリからなるアイドラプーリ16が配置され
ている。
【0019】そして、上記クランクプーリ1(駆動プー
リ)と、パワステプーリ4、ウォータポンププーリ7、
オルタネータプーリ10及びエアコンプーリ13(いず
れも従動プーリでかつ補機プーリ)との間には伝動ベル
トとしてのVリブドベルトBがクランクプーリ1、オル
タネータプーリ10、ウォータポンププーリ7、パワス
テプーリ4、及びエアコンプーリ13にあっては内面掛
けにて、またアイドラプーリ16にあっては外面掛けに
てそれぞれ巻き掛けられていて、ベルト伝動装置Tはサ
ーペンタインドライブレイアウトとされている。
【0020】そして、図1に示す如く、上記クランクプ
ーリ1とオルタネータプーリ10との間、つまり図1で
時計回り方向に回行するベルトBにおいて緩み側となる
スパンSには、該ベルト緩み側スパンSをベルトBの内
面側に向かってテンションプーリ21により常時押圧し
てベルト張力を自動調整するオートテンショナ20が設
けられている。
【0021】上記オートテンショナ20は、図2に示す
ように、エンジンに回転不能に取付固定される先細りテ
ーパ円筒状のスピンドル23を備え、このスピンドル2
3の基端にはリアカップ部41が一体に形成されてい
る。上記スピンドル23には、所定の摩擦係数を持つ樹
脂等からなるインサートベアリング42を介して2重円
筒状の回動部材43が先端側から回動可能に外嵌合され
ている。この回動部材43は、スピンドル23に上記イ
ンサートベアリング42を介して外嵌合された円筒状の
内筒部29と、この内筒部29の外側に同心に配置され
た円筒状の外筒部30と、内外筒部29,30同士を基
端側(スピンドル23先端側)で接続する円板状のフラ
ンジ部31とが一体形成されたもので、この回動部材4
3は、スピンドル23先端部にかしめ結合した円板状の
フロントプレート32により上記フランジ部31にて抜
け止めされて結合され、このフランジ部31とフロント
プレート32との間には所定の摩擦係数を有する樹脂等
からなる円板状のスラストワッシャ33が介在されてい
る。上記回動部材43の外筒部30には半径方向に延び
るアーム22が一体に形成され、このアーム22の先端
部には、スピンドル23と平行な回転軸心を持ったフラ
ンジ付平プーリからなる上記テンションプーリ21がベ
アリング36を介して回転可能に支持されており、この
テンションプーリ21に対し上記VリブドベルトBの緩
み側スパンSが外面掛けにて巻き掛けられる。
【0022】さらに、上記回動部材43の内筒部29外
面には円筒状のスプリングサポート37が外嵌合され、
このスプリングサポート37はそのスピンドル23基端
側に該スピンドル23のリアカップ部41に接触するフ
ランジ部37aを有する。そして、回動部材43の内外
筒部29,30内には上記スプリングサポート37の周
りに捻りコイルばねからなるスプリング38が配置さ
れ、このスプリング38の一端部はスピンドル23のリ
アカップ部41に切欠き形成した係止部39に、また他
端部は回動部材43の外筒部30基端側に切欠き形成し
た係止部40にそれぞれ係合されており、このスプリン
グ38の捻りばね力により回動部材43、アーム22及
びテンションプーリ21をスピンドル23回りに一方向
(図3で時計回り方向)に回動付勢して、そのテンショ
ンプーリ21によりベルトBの緩み側スパンSを常時押
圧するとともに、スプリング38のばね力やベルトBか
らの反力により回動部材43、アーム22及びテンショ
ンプーリ21がスピンドル23回りに回動したときに、
その回動をインサートベアリング42及びスラストワッ
シャ33により所定のダンピング係数DIで減衰制動さ
せることにより、ベルト張力を自動調整するようにして
いる。
【0023】すなわち、上記オートテンショナ20は、
アーム22及びテンションプーリ21をスピンドル23
回りに一方向(図1で時計回り方向)に回動付勢して、
そのテンションプーリ21によりベルトBの緩み側スパ
ンSを常時押圧して、ベルト張力を自動調整するように
している。
【0024】また、上記VリブドベルトBは、図3に示
すように、接着ゴム層26によりベルト本体部が形成さ
れており、このベルトBの背面側となる接着ゴム層26
上面側には背面帆布層28が貼付されている。また、接
着ゴム層26の下側(ベルト内面側)にリブゴム層27
が一体に形成されており、そのリブゴム層27の底面側
にはそれぞれベルト長さ方向に延びるように設けられた
3つのリブ部27a,27a,…がベルト幅方向に所定
ピッチで形成されている。そして、接着ゴム層26のベ
ルト厚さ方向中心には、略ベルト長さ方向に延び且つベ
ルト幅方向に所定ピッチをおいて螺旋状に設けられた心
線25,25,…を有している。
【0025】接着ゴム層26は、クロロプレンゴム(C
R)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPD
M)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、アルキル化
クロロスルフォン化ポリエチレン(ACSM)等のゴム
組成物からなり、ベルト本体部を形成し且つ心線25,
25,…を保持するゴム層としての役割を担う。
【0026】背面帆布28は、ナイロン、綿等の織布に
ゴムを溶剤に溶かしたゴム糊による接着処理が施されて
ベルト背面に貼付されており、ベルト背面がフラットな
プーリに当接するように巻き掛けられた場合には動力伝
達の一端を担う。
【0027】リブゴム層27は、接着ゴム層同様にクロ
ロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンジエンモノ
マー(EPDM)、水素化ニトリルゴム(H−NB
R)、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン(A
CSM)等のゴム組成物からなり、ベルト幅方向の弾性
率を向上させるべくベルト幅方向に配向したナイロン繊
維、アラミド繊維、綿、ビニロン等の短繊維27b,2
7b,…が混入されている。そして、ベルトがプーリに
巻き掛けられた際、このリブゴム層27がプーリに当接
し、動力伝達の主体となる。
【0028】そして、心線25,25,…はアラミド繊
維(テクノーラ 帝人)からなる。心線25,25,…
の総デニール数は1500〜8000であり、構成は特
に限定されるものではないが、例えば1500de/1
×3構成の撚り糸等が用いられる。心線25,25,…
の構造は、撚り糸、組み紐等、特に限定されるものでは
ない。そして、VリブドベルトBの引張弾性率は1リブ
あたり19,600〜100,000Nである。
【0029】すなわち、オートテンショナ20を備えた
多軸伝動装置Tに設けるVリブドベルトBの3%伸張し
た際の見掛けの弾性率を1リブあたり19,600N以
上に大きくすることによって、ベルトBの伸び及び縮み
量が小さくなるので、オートテンショナ20の揺動量を
減少させることができる。またベルトBの伝動能力を高
く維持することもできる。また、この見掛けの弾性率を
1リブあたり100,000N以下に小さくする理由
は、心線の径と心線の打ち込みピッチとの関係上限界と
考えられるためである。
【0030】そして、VリブドベルトBの心線25,2
5,…をアラミド繊維とし、その総デニール数を1,5
00よりも大きくすることによって、ベルトBの強力及
び弾性率を高い水準に維持するため、オートテンショナ
20の揺動量を小さくすることができる。そのため、テ
ンションプーリ21における騒音の発生を防止すること
ができ、更にオートテンショナ20の寿命を向上させる
ことができる。
【0031】さらに、アラミド繊維の総デニール数を
8,000よりも小さくすることによって、心線径が大
きくなることによって起こるベルトBの耐屈曲疲労性の
悪化を防止することができる。
【0032】尚、VリブドベルトBの心線には、アラミ
ド繊維以外の繊維を使用してもよく、特に総デニール数
3,000〜8,000のPVA繊維もしくは総デニー
ル数4,500〜8,000のPEN繊維を使用しても
よい。
【0033】
【実施例】Vリブドベルトとして、本発明に係る実施例
1〜3と比較例を作製し、テスト1及び2のテスト評価
を行った。 (テスト評価用ベルトの作製) −実施例1− 周長1000mmの円筒金型にゴム糊による接着処理を
施したナイロン帆布を被せ、その上にクロロプレンゴム
組成物からなる第1接着ゴム用シートを巻き付けた。そ
して、その上から接着処理及び延伸熱固定処理された1
500de/1×3構成のアラミド繊維(テクノーラ
帝人社製)の心線を巻き付けた。さらに、心線の上から
第1接着ゴム用シートと同一素材からなる第2接着ゴム
用シートを巻き付け、その上に短繊維が配合されたクロ
ロプレンゴム組成物からなるリブゴム用シートを巻き付
けた。
【0034】以上の材料がセットされた円筒金型を加硫
缶に入れ、所定温度及び所定圧力を所定時間かけること
によりゴム円筒体を得た。
【0035】次に、ゴム円筒体外周面を砥石で研削し、
周方向に延び且つ円筒軸方向に所定ピッチで形成された
複数の突条を設けた。
【0036】そして、上記突条3つ分の幅でゴム円筒体
を輪切りにすることにより実施例1に係るVリブドベル
トを得た。得られたベルトは、ベルト総厚さが4.0m
m、リブ高さが2.0mmであった。そして、このベル
トは3pk1000と称され、これはリブ数が3でベル
ト周長が1000mmであることを意味する。
【0037】−実施例2− 心線をPVA繊維の1000de/2×3構成として、
ベルト総厚さを4.3mmとした他は実施例1と同一の
方法により製造され、同一の構成を有するVリブドベル
トを実施例2とした。
【0038】−実施例3− 心線材料をPENとした他は実施例2と同一の方法によ
り製造され、同一の構成を有するVリブドベルトを実施
例3とした。
【0039】−比較例− 心線材料をPETとした他は実施例2と同一の方法によ
り製造され、同一の構成を有するVリブドベルトを比較
例とした。
【0040】以上の実施例1〜3及び比較例のVリブド
ベルトの諸元について表1にまとめた。
【0041】
【表1】
【0042】(テスト1)上記実施例1〜3及び比較例
に係る各Vリブドベルトを切断し、長さ310mmの短
冊状のテストピースを作成し、それぞれに間隔が100
mmとなるような標線を描き入れた。そして、このテス
トピースの両端をチャックで掴み、引張スピード50m
m/minで引張テストを行った。そして、ベルトの伸
び率が1〜3%となる領域で得られる張力と伸び率との
比例関係から1リブあたりのベルト弾性率を求めた。ま
た、ベルトの伸び率が3%の際の張力を読み、その値を
リブ数である3で除して1つのリブ当たりに換算し、さ
らにこれを歪み量である0.03(3%)で除して見掛
けのベルト弾性率とした。なお、計測は室温条件下(2
5℃)で行った。
【0043】評価結果を図4に示し、図4から得られた
ベルト弾性率の値を表2上欄及び中欄に示す。同表に示
されているように、PET心線を適用した比較例に係る
Vリブドベルトでは、ベルト伸び率1〜3%時のベルト
弾性率(以後「ベルト弾性率」という。)が1リブ当た
り16007N、ベルト伸び率3%時の見掛けのベルト
弾性率(以後「見掛けのベルト弾性率」という。)が1
つのリブ当たり18293Nであった。これに対し、ア
ラミド繊維の心線を適用した実施例1に係るVリブドベ
ルトではベルト弾性率が1リブ当たり76603N、見
掛けのベルト弾性率が1つのリブ当たり67402Nと
なり、またPVA心線を適用した実施例2に係るVリブ
ドベルトではベルト弾性率が1リブ当たり37403
N、見掛けのベルト弾性率が1つのリブ当たり4018
0Nとなり、さらにPEN心線を適用した実施例3に係
るVリブドベルトではベルト弾性率が1リブ当たり18
783N、見掛けのベルト弾性率が1つのリブ当たり2
5589Nとなった。すなわち、上記の実施例1〜3
は、比較例と比べて大きいベルト弾性率及び見掛けのベ
ルト弾性率を示した。従って、実施例1〜3に係るVリ
ブドベルトは比較例に係るVリブドベルトよりも伝動能
力が高いといえる。
【0044】
【表2】
【0045】(テスト2)上記実施例1〜3及び比較例
に係る各Vリブドベルトをそれぞれ上記実施形態で説明
した図1に示す多軸伝動装置の伝動ベルトとしてテスト
を行った。
【0046】このテスト2では、オルタネータプーリの
プーリ径を55mm、この負荷を1103Wとし、エア
コンプーリのプーリ径を95mm、この負荷を809W
とし、またパワステプーリのプーリ径を115mm、こ
の負荷を588Wとし、さらにウォータポンププーリの
プーリ径を115mm、この負荷を37Wとした。
【0047】また、アイドラプーリのプーリ径を90m
mとし、またテンションプーリのプーリ径を70mm、
そのアーム長さを75mm、ベルトに加える張力を14
7Nとし、さらにクランクプーリのプーリ径を120m
m、その回転数を1000rpm、駆動軸回転変動率を
±10%とした。そして、以上の条件をまとめて表3に
示した。
【0048】
【表3】
【0049】そして、このテスト2ではベルトは4pk
1550のものを使用し、室温条件下(25℃)で行っ
た。
【0050】以上の条件の下で、この多軸伝動装置を作
動させてオートテンショナの揺動量を測定した。
【0051】評価結果を表2下欄及び図5に示す。表2
に示されているように、比較例のPET心線ではオート
テンショナ揺動量は28mmであった。これに対して、
実施例1のアラミド繊維の心線、実施例2のPVAの心
線及び実施例3のPENの心線では、オートテンショナ
揺動量はそれぞれ12mm,15mm,22mmとな
り、比較例と比べて小さな揺動量であった。
【0052】また、Vリブドベルトとテンションプーリ
とが発生する叩き音はオートテンショナの揺動量が23
mm以上の場合に極端に大きくなる。そして、このオー
トテンショナの揺動量が小さくなるに従って、そのテン
ションプーリにおける騒音は小さくなり、実施例1〜3
のアラミド繊維、PVA及びPENのものは、比較例の
PETのものよりも騒音レベルは小さいことが判る。そ
して、図4に示すように、実施例1〜3のものは騒音発
生境界線よりも下にあり、その騒音が発生しないことが
分かる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、駆動及び従動プーリと、駆動及び従動プーリ間
に巻き掛けられたVリブドベルトと、Vリブドベルトを
押圧して張力を付与するオートテンショナとを備えた多
軸伝動装置において、Vリブドベルトの3%伸張した際
の見掛けの弾性率が1リブあたり19,600〜10
0,000Nであるようにしたことにより、ベルトの伝
動能力を高く維持することができ、ベルトの伸び及び縮
み量が小さくなるので、オートテンショナの揺動量を減
少させることができる。
【0054】また、Vリブドベルトの心線をそれぞれ、
請求項2の発明では、総デニール数1,500〜8,0
00のアラミド繊維からなるように、そして請求項3の
発明では、総デニール数3,000〜8,000のPV
A繊維からなるように、さらに請求項4の発明では、総
デニール数4,500〜8,000のPEN繊維からな
るようにしたことにより、ベルトの強力及び弾性率を高
い水準に維持するため、オートテンショナの揺動量を小
さくすることができる。そのため、心線にPEN繊維を
使用する場合は、従来のPET繊維のものよりもテンシ
ョンプーリにおける騒音を小さくすることができ、また
PVA繊維及びアラミド繊維を使用する場合は騒音の発
生を防止することができる。さらに、オートテンショナ
の寿命を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る多軸伝動装置を示す図
である。
【図2】オートテンショナの拡大断面図である。
【図3】VリブドベルトBの斜視図である。
【図4】ベルトの伸び率と3リブあたりのベルト引張力
との関係を示すグラフ図である。
【図5】ベルト引張り弾性率とオートテンショナ揺動量
との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
T 多軸伝動装置 B Vリブドベルト 1 クランクプーリ(駆動プーリ) 4 パワステプーリ(従動プーリ) 7 ウォータポンププーリ(従動プーリ) 10 オルタネータプーリ(従動プーリ) 13 エアコンプーリ(従動プーリ) 20 オートテンショナ 25 心線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動及び従動プーリと、該駆動及び従動
    プーリ間に巻き掛けられたVリブドベルトと、該Vリブ
    ドベルトを押圧して張力を付与するオートテンショナと
    を備えた多軸伝動装置において、 上記Vリブドベルトの3%伸張した際の見掛けの弾性率
    が1リブあたり19,600〜100,000Nである
    ことを特徴とする多軸伝動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の多軸伝動装置において、 Vリブドベルトの心線は、総デニール数1,500〜
    8,000のアラミド繊維からなるものであることを特
    徴とする多軸伝動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の多軸伝動装置において、 Vリブドベルトの心線は、総デニール数3,000〜
    8,000のポリビニルアルコール繊維からなるもので
    あることを特徴とする多軸伝動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の多軸伝動装置において、 Vリブドベルトの心線は、総デニール数4,500〜
    8,000のポリエチレンナフタレート繊維からなるも
    のであることを特徴とする多軸伝動装置。
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