JP4011997B2 - ダブルコグドvベルト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト幅方向に所定ピッチの螺旋を形成するように埋設された心線を有するエンドレスの心線埋設部と、心線埋設部の内周側に一体に設けられベルト長手方向に沿って一定ピッチで形成された下コグを有する下コグ形成部と、心線埋設部の外周側に一体に設けられベルト長手方向に沿って一定ピッチで形成された上コグを有する上コグ形成部と、を備えたダブルコグドVベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴム製の変速ベルトが2輪車(スクーター)のトランスミッション装置(自動変速装置)に使用されている。近年、エンジンの容量がアップし、また、トランスミッション装置をコンパクトにすることが要求され、従って、変速ベルトにより高い伝動能力が求められるようになっている。ゴム製の変速ベルトとしては、ローエッジVベルト(プーリと接触する面は繊維を混合したゴムで構成されている)が適用されている。かかるローエッジVベルトは、ベルト厚さに対するベルト幅の比であるアスペクト比を大きくすべく、短繊維を混合したゴム(短繊維強化ゴム)の短繊維の配向方向(以下「列理方向」という)がベルト幅方向となり且つ列理方向に垂直な方向(以下「反列理方向」)がベルト長手方向となるように構成されている。そして、ベルトの伝動能力を向上させるためには、列理方向の弾性率を高くすればよい。ところが、一般に、列理方向の弾性率を高めると、それに伴って反列理方向の弾性率も高められるので、ベルトの曲げ剛性が高くなり、ベルトを高速で走行させた場合に発熱が著しく、そのためにベルトにクラックが発生してベルトの寿命が短くなる。また、列理方向の弾性率を高めるために、ゴムの混合する短繊維の量を増やすことが考えられるが、そうすると反列理方向の伸び性が低くなり、ベルトが繰り返しの曲げ歪を受けた際の耐屈曲性(クラックの発生しにくさ)が低くなる。つまり、反列理方向の弾性率に対する列理方向の弾性率の比は大きいことが望ましいが、それには限界がある。
【0003】
そこで、ベルトの曲げ剛性及び受ける曲げ歪が低減されるものとして、ベルトの内周側にベルト長手方向に等ピッチにコグが形成されたコグドVベルト(シングルコグドVベルト)が使用されている。コグドVベルトは、コグが形成されていることにより、ベルトの曲げ剛性が低く、それによってベルトの自己発熱が抑えられると共に、ベルトの受ける曲げ歪が小さく、それによってクラックの発生が抑止され、それらの結果として高い耐屈曲性を有するものである。
【0004】
さらに、ベルトの耐屈曲性を低下させることなく伝動能力が向上されるものとして、ベルトの外周側にもベルト長手方向に等ピッチにコグが形成されたダブルコグドVベルトが使用されている。ダブルコグドVベルトは、ベルト内外両側に上下コグが形成されていることにより、ベルトの側圧による座屈変形が防止され、それによって伝動能力が高められ、また、ベルトの曲げ剛性が低く、それによってベルトの耐屈曲性が維持され、それらの結果として高い伝動能力と高い耐屈曲性とを併せ持つものである。
【0005】
列理方向、つまり、ベルト幅方向の弾性率を高め、心線として寸法安定性が優れるパラ系のアラミド繊維のものを用いたダブルコグドVベルトは、モーター駆動の走行試験では、ベルト内周側にのみコグが形成されたシングルコグドVベルトよりも優れた高負荷耐久性(高い伝動能力)及び高速耐久性(高い耐屈曲性)を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかるダブルコグドVベルトを実際の2輪車のトランスミッション装置に用いて走行試験をした場合、モーター駆動の走行試験で得られたような優れた高負荷耐久性及び高速耐久性が得られないという課題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、実際の2輪車のトランスミッション装置に用いて走行させた場合でも、高い伝動能力と高い耐屈曲性とを得ることができるダブルコグドVベルトを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ダブルコグドVベルトを実際の2輪車のトランスミッション装置に用いて走行させた場合に、モーター駆動の走行試験で得られたような優れた高負荷耐久性及び高速耐久性が得られない理由が、2輪車では1気筒又は2気筒エンジンが一般的であり、エンジンの回転変動、従ってトルク変動が大きく、ベルトの張力変動が著しいためであるということを見出し、本発明に想到したものである。
【0009】
本発明は、下コグ形成部を、引張弾性率40GPa以上の短繊維がベルト幅方向に配向するように所定量混合分散され、ベルト幅方向の動的弾性率が400MPa以上とされたゴム組成物で形成し、心線をポリエステル繊維で形成したものである。これによって、下コグ形成部のベルト幅方向の動的弾性率が極めて高くなり、それに伴って伝動能力も高くなる。しかも、ダブルコグドVベルトであり、シングルコグドVベルトと比べても、ベルトの曲げ剛性が低く、それによってベルトの自己発熱が抑えられると共に、ベルトの受ける曲げ歪が小さく、それによってクラックの発生が抑止され、それらの結果として高い耐屈曲性を示す。さらに、心線としてポリエステル繊維のものが用いられており、そのベルト長手方向の伸縮により張力変動が吸収される。
【0010】
つまり、本発明は、ベルト幅方向に所定ピッチの螺旋を形成するように埋設された心線を有するエンドレスの心線埋設部と、該心線埋設部の内周側に一体に設けられベルト長手方向に沿って一定ピッチで形成された下コグを有する下コグ形成部と、該心線埋設部の外周側に一体に設けられベルト長手方向に沿って一定ピッチで形成された上コグを有する上コグ形成部と、を備えたダブルコグドVベルトであって、
上記下コグ形成部は、引張弾性率40GPa以上の短繊維がベルト幅方向に配向するようにゴム成分100質量部に対して15〜25質量部混合分散されたゴム組成物で形成されていると共に、上記心線は、太さが15000dtex以上であるポリエステル繊維で形成されており、
上記下コグは、コグ高さが4〜6mmであると共に、上記下コグ形成部の溝の底と上記上コグ形成部の溝の底との間の距離に対するベルト厚さの比が2.5以上であることを特徴とする2輪車のトランスミッション装置用のものである
【0011】
なお、引張弾性率が40GPaよりも低い短繊維を用いた場合、高い伝動能力を発現させるためには短繊維の混合量をゴム成分100質量部に対して25質量部よりも多くする必要があり、そうすると反列理方向、つまりベルト長手方向において伸性や耐屈曲性の低下といった不具合が生じることとなる。また、短繊維の混合量をゴム成分100質量部に対して15質量部よりも少なくすると、列理方向、つまりベルト幅方向の動的弾性率が十分に高いものとならず、高い伝動能力を発現させることができない。短繊維の混合量をゴム成分100質量部に対して25質量部よりも多くした場合の不都合は上記の通りである。
【0012】
また、本発明は、ベルト幅方向に所定ピッチの螺旋を形成するように埋設された心線を有するエンドレスの心線埋設部と、該心線埋設部の内周側に一体に設けられベルト長手方向に沿って一定ピッチで形成された下コグを有する下コグ形成部と、該心線埋設部の外周側に一体に設けられベルト長手方向に沿って一定ピッチで形成された上コグを有する上コグ形成部と、を備えたダブルコグドVベルトであって、
上記下コグ形成部は、短繊維がベルト幅方向に配向するように混合分散されてベルト幅方向の動的弾性率が400MPa以上とされたゴム組成物で形成されていると共に、上記心線は、太さが15000dtex以上であるポリエステル繊維で形成されており、
上記下コグは、コグ高さが4〜6mmであると共に、上記下コグ形成部の溝の底と上記上コグ形成部の溝の底との間の距離に対するベルト厚さの比が2.5以上であることを特徴とする2輪車のトランスミッション装置用のものである
【0013】
ポリエステル繊維の心線の場合、寸法安定性がアラミド繊維等に比べて劣るため、伝動能力の低下を起こす虞があるが、本発明では、上記ポリエステル繊維の心線の太さが15000dtex以上であるので、かかる伝動能力の低下を抑えることが可能である。
【0014】
下コグのコグ高さが4mmよりも低いと、ベルトの曲げ剛性を低めてベルトの発熱を抑えると共にベルトの受ける曲げ歪を小さくしてクラックの発生を抑える効果を十分に得ることができない。また、下コグのコグ高さが6mmよりも高いと、エンジンの回転変動が生じたときに下コグが揺動して張力変動に対する耐久性が悪影響を受ける。本発明では、下コグのコグ高さが4mm以上6mm以下であるので、それらが問題とならない。
【0015】
近年、変速ベルトの伝動能力の向上が求められているが、そのためには、ベルトがプーリから受ける側圧に対して座屈しない強度を有していることが必要である。従って、本発明は、上記上コグ形成部もまた引張弾性率40GPa以上の短繊維がベルト幅方向に配向するようにゴム成分100質量部に対して15〜25質量部混合分散されたゴム組成物で形成されていることが好ましい。
【0016】
2輪車では1気筒又は2気筒エンジンが一般的であり、エンジンの回転変動、従ってトルク変動が大きい。従って、本発明は、2輪車のトランスミッション装置用に特に好適である。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、下コグ形成部のベルト幅方向の動的弾性率が極めて高くなるので、高い伝動能力を得ることができる。また、ダブルコグドVベルトであるので、シングルコグドVベルトと比べても、ベルトの曲げ剛性が低く、それによってベルトの自己発熱が抑えられると共に、ベルトの受ける曲げ歪が小さく、それによってクラックの発生が抑止され、それらの結果として高い耐屈曲性を得ることができる。そして、心線としてポリエステル繊維のものが用いられているので、そのベルト長手方向の伸縮により張力変動を吸収することができ、張力変動に対する耐久性が付与され、実際の2輪車のトランスミッション装置に用いて走行させた場合でも、高い伝動能力と高い耐屈曲性とを得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1及び2は、本発明の実施形態に係るダブルコグドVベルトBを示す。このダブルコグドVベルトBは、2輪車の変速用として用いられるものである。
【0020】
このダブルコグドVベルトBは、エンドレスの心線埋設部10と、心線埋設部10の内周側に一体に設けられた下コグ形成部20と、心線埋設部10の外周側に一体に設けられた上コグ形成部30と、からなる。
【0021】
心線埋設部10は、ゴム組成物で形成された心線埋設部本体11と、それにベルト幅方向に所定ピッチの螺旋を形成するように埋設された心線12と、からなる。心線埋設部本体を構成するゴム組成物は、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマーゴム(EPDM)、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴム(ACSM)、水素添加NBR(H−NBR)等のものである。心線12は、その太さが15000dtex以上であるポリエステル(PET)繊維の撚り糸にレゾルシン・ホルマリン・ラテックス水溶液に浸漬した後に乾燥させる接着処理を施した所定外径d(例えば、d=0.8〜1.5mm)ものからなる。
【0022】
下コグ形成部20は、短繊維21がベルト幅方向に配向するように混合分散されたゴム硬度が70度(JIS−C硬度)以上で且つ列理方向、つまりベルト幅方向の動的弾性率が400MPa以上のゴム組成物で形成された下コグ形成部本体22と、その表面を被覆する帆布23とからなり、その厚さが5.0〜8.0mmである。下コグ形成部本体22を構成するゴム成分は、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマーゴム(EPDM)、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴム(ACSM)、水素添加NBR(H−NBR)等である。短繊維21は、引張弾性率40GPa以上の例えば、高強力ポリビニルアルコール(PVA)繊維、パラ系アラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ヘテロ環含有芳香族繊維等であり、ゴム成分100質量部に対して15〜25質量部が混合されている。これらのうち、パラ系アラミド繊維(例えば、デュポン社製 商品名:ケブラー29、ケブラー119,帝人社製 商品名:テクノーラ)は、ゴム成分中に短繊維を混練した時の耐切断性が優れ(混練中に繊維が切断されにくい)、少量で弾性率を高めることができるという観点から好適に用いられる。帆布23は、ナイロン繊維、綿、それらの混合繊維、綿とポリエステル繊維との混合繊維、アラミド繊維等からなる伸性を有する織布にゴム糊に浸漬した後に乾燥させる接着処理を施したものからなる。下コグ形成部20は、ベルト長手方向に沿って一定ピッチP1(例えば、P1=6mm)で配設された下コグ24を有し、相互に隣接した下コグ24間にベルト幅方向に延びる溝25が構成されている。下コグ24の縦断面外形は、コグ高さD1が4〜6mmの略正弦波形に形成されており、溝25の底が外向きに凹である半径R1(例えば、R1=2.0mm)の円弧状に形成されている。
【0023】
上コグ形成部30は、短繊維31がベルト幅方向に配向するように混合分散されたゴム硬度が70度(JIS−C硬度)以上で且つ列理方向、つまりベルト幅方向の動的弾性率が400MPa以上のゴム組成物で形成されており、その厚さが1.5〜3.0mmである。上コグ形成部30を構成するゴム成分は、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマーゴム(EPDM)、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレンゴム(ACSM)、水素添加NBR(H−NBR)等である。短繊維31は、引張弾性率40GPa以上の例えば、高強力ポリビニルアルコール(PVA)繊維、パラ系アラミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、ヘテロ環含有芳香族繊維等であり、ゴム成分100質量部に対して15〜25質量部が混合されている。これらのうち、パラ系アラミド繊維(例えば、デュポン社製 商品名:ケブラー29、ケブラー119,帝人社製 商品名:テクノーラ)は、ゴム成分中に短繊維を混練した時の耐切断性が優れ(混練中に繊維が切断されにくい)、少量で弾性率を高めることができるという観点から好適に用いられる。上コグ形成部30は、ベルト長手方向に沿って一定ピッチP2(例えば、P2=6mm)で配設された上コグ34を有し、相互に隣接した上コグ34間にベルト幅方向に延びる溝35が構成されている。上コグ34の縦断面外形は、所定コグ高さD2(例えば、D2=2.2mm)の略台形に形成されており、溝35の底が外向きに凹である半径R2(例えば、R2=1.2mm)の円弧状に形成されている。
【0024】
下コグ24の配設ピッチP1は上コグ34の配設ピッチP2以下である。また、上コグ34のコグ高さD2に対する下コグ24のコグ高さD1の比D1/D2は1.7以上である。さらに、下コグ形成部20の溝25の底と上コグ形成部30の溝35の底との間の距離TC(TCは、下コグ形成部20の溝25の底から心線12の中心までの距離T1と上コグ形成部30の溝35の底から心線の中心までの距離T2との和である)に対するベルト厚さTの比T/TCは2.5以上である。これらの形状パラメータはダブルコグドVベルトBとして、優れた耐側圧性と耐屈曲性とを実現するための必要条件である。また、ベルト厚さTに対する心線12のベルト厚さ方向の中心位置でのベルト幅Wの比は1.5〜4.0である。この比が1.5より小さいと変速ベルトとして成立しないアスペクト比となってしまう。この比が4.0より大きいと側圧によるベルト幅方向の座屈変形が大きくなって伝動能力が低いものとなってしまう。
【0025】
上記構成のダブルコグドVベルトBによれば、短繊維21がベルト幅方向に配向するように混合分散されたゴム硬度が70度(JIS−C硬度)以上で且つ列理方向、つまりベルト幅方向の動的弾性率が400MPa以上のゴム組成物で下コグ形成部20が形成されているので、下コグ形成部20のベルト幅方向の動的弾性率が極めて高くなり、それに伴って伝動能力も高いものとなる。しかも、ダブルコグドVベルトBであることから、シングルコグドVベルトと比べても、ベルトの曲げ剛性が低く、それによってベルトの自己発熱が抑えられると共に、ベルトの受ける曲げ歪が小さく、それによってクラックの発生が抑止され、それらの結果として高い耐屈曲性を示す。さらに、心線12としてポリエステル繊維のものが用いられており、そのベルト長手方向の伸縮により張力変動を吸収することができる。2輪車では1気筒又は2気筒エンジンが一般的であり、エンジンの回転変動、従ってトルク変動が大きく、そのためトランスミッション装置用としてのダブルコグドVベルトの張力変動も大きくなるので、かかるポリエステル繊維の心線12による張力変動の吸収が特に顕著に機能する。
【0026】
また、上コグ形成部30もまた引張弾性率40GPa以上の短繊維31がベルト幅方向に配向するようにゴム成分100質量部に対して15〜25質量部混合分散されたゴム組成物で形成されているので、ダブルコグドVベルトBがプーリから受ける側圧に対して座屈しない強度を有し、従って、高い伝動能力を有することとなる。
【0027】
さらに、ポリエステル繊維の心線12の場合、寸法安定性がアラミド繊維等に比べて劣るため、伝動能力の低下を起こす虞があるが、その太さが15000dtex以上であるので、かかる伝動能力の低下を抑えることができる。
【0028】
また、下コグ24のコグ高さが4mm以上6mm以下であるので、ベルトの曲げ剛性を低めてベルトの発熱を抑えると共にベルトの受ける曲げ歪を小さくしてクラックの発生を抑える効果を十分に得ることができ、また、回転変動が生じたときに下コグ24が揺動して張力変動に対する耐久性に悪影響が及ぶのを阻止することができる。
【0029】
【実施例】
(ベルト用ゴム配合)
配合1〜6のベルト用ゴム配合を準備した。それぞれの構成は表1にも示す。
【0030】
<配合1>
クロロプレンゴム(CR)と、クロロプレンゴム(CR)100質量部に対して48質量部のカーボンブラックと、5質量部の酸化マグネシウムと、5質量部の酸化亜鉛と、2.5質量部の老化防止剤と、9質量部の加工助剤と及び可塑剤と、をインターナルミキサーに投入して混練した後に計量分割した。次に、これにクロロプレンゴム(CR)100質量部に対して3質量部の架橋促進剤と、20質量部の繊維長3mmの6,6−ナイロン短繊維とをさらに投入して混練して塊状のゴム組成物を形成した。次いで、これをカレンダロールで厚さ1.0mmに圧延し、長手方向に短繊維を配向させた。次いで、これを所定長さ毎に裁断し、それらを短繊維が幅方向に配向するようにジョイントした。これを配合1のゴム組成物とした。
【0031】
<配合2>
6,6−ナイロン短繊維の代わりに繊維長3mmのメタ系アラミド短繊維(帝人社製 商品名:コーネックス)を用いたことを除いて配合1と同一のゴム組成物を配合2とした。
【0032】
<配合3>
20質量部の6,6−ナイロン短繊維の代わりに15質量部の繊維長3mmのパラ系アラミド短繊維(帝人社製 商品名:テクノーラ)を用いたことを除いて配合1と同一のゴム組成物を配合3とした。
【0033】
<配合4>
6,6−ナイロン短繊維の代わりに繊維長3mmのメタ系アラミド短繊維(帝人社製 商品名:コーネックス)を用いたことを除いて配合1と同一、つまり、パラ系アラミド短繊維(帝人社製 商品名:テクノーラ)の混合量をクロロプレンゴム(CR)100質量部に対して20質量部としたことを除いて配合3と同一のゴム組成物を配合4とした。
【0034】
<配合5>
パラ系アラミド短繊維(帝人社製 商品名:テクノーラ)の混合量をクロロプレンゴム(CR)100質量部に対して25質量部としたことを除いて配合3と同一のゴム組成物を配合5とした。
【0035】
<配合6>
パラ系アラミド短繊維(帝人社製 商品名:テクノーラ)の混合量をクロロプレンゴム(CR)100質量部に対して28質量部としたことを除いて配合3と同一のゴム組成物を配合6とした。
【0036】
【表1】
Figure 0004011997
【0037】
(ベルト用心線)
心線1〜3のベルト用心線を準備した。それぞれの構成は表2にも示す。
【0038】
<心線1>
1650dtexの太さのパラ系アラミド繊維(帝人社製 商品名:テクノーラ)を2本集めて下撚り係数4.3で下撚りし、その下撚りしたものを3本集めて下撚り方向とは逆方向に上撚り係数3.6で上撚りしたトータル9900dtexの太さの心線を心線1とした。心線1は、引張り強度が1300N/本で、弾性率指標が44.6である。なお、撚り係数は下記関係式に示すものである。
【0039】
【数1】
Figure 0004011997
【0040】
また、弾性率指標は、試験長500mmの心線を250mm/minで引っ張り試験をして得られた荷重−伸び曲線より荷重変化率(傾斜)の最も高い点において接線を引き、その接線の横軸(伸び)との交点から10%大きい歪の位置における接線の荷重値を求め、それを10倍したものである。
【0041】
<心線2>
1100dtexの太さのポリエステル繊維を2本集めて下撚り係数2.6で下撚りし、その下撚りしたものを5本集めて下撚り方向とは逆方向に上撚り係数2.9で上撚りしたトータル11000dtexの太さの心線を心線2とした。心線2は、引張り強度が700N/本で、弾性率指標が9.9である。
【0042】
<心線3>
1100dtexの太さのポリエステル繊維を3本集めて下撚り係数3.3で下撚りし、その下撚りしたものを5本集めて下撚り方向とは逆方向に上撚り係数3.0で上撚りしたトータル16500dtexの太さの心線を心線3とした。心線3は、引張り強度が1100N/本で、弾性率指標が14.5である。
【0043】
【表2】
Figure 0004011997
【0044】
(試験用ダブルコグドVベルト)
ベルト1〜9の試験用ダブルコグドVベルトを準備した。それぞれの構成は表3にも示す。
【0045】
<ベルト1>
短繊維が幅方向に配向するようにジョイントした配合1のシート状のゴム組成物、アラミド繊維製の心線1及び伸縮性のナイロン帆布を円筒状金型にセットし、それらから円筒状のスラブを円筒金型の外周に成形加硫し、これを所定幅に幅切りした後にベルト横断面が32°の楔角度になるようにカットすると共に研磨して作製されたダブルコグドVベルトをベルト1とした。ベルト1は、ベルト厚さTが14.8mmで、心線のベルト幅方向の中心でのベルト幅Wが23.0mmで、従って、ベルト厚さTに対する心線のベルト幅方向の中心でのベルト幅Wの比が1.55である。下コグの配設ピッチP1が11.0mmで、上コグの配設ピッチP2が7.5mmで、従って、上コグの配設ピッチP2に対する下コグの配設ピッチP1の比P1/P2が1.47である。下コグ形成部の溝底の断面形状の半径R1が1.5mmで、上コグ形成部の溝底の断面形状の半径R2が1.0mmである。下コグのコグ高さD1が7.1mmで、上コグのコグ高さD2が3.6mmで、従って、上コグのコグ高さD2に対する下コグ24のコグ高さD1の比D1/D2が1.97である。下コグ形成部の溝の底から心線の中心までの距離T1が2.9mmで、上コグ形成部の溝の底から心線の中心までの距離T2が1.2mmで、従って、下コグ形成部の溝の底と上コグ形成部の溝の底との間の距離TCはT1+T2で4.1mm、また、下コグ形成部の溝の底と上コグ形成部の溝の底との間の距離TCに対するベルト厚さTの比T/TCが3.61である。
【0046】
<ベルト2>
配合2のゴム組成物を用いたことを除いてベルト1と同一構成のダブルコグドVベルトをベルト2とした。
【0047】
<ベルト3>
配合4のゴム組成物を用いたことを除いてベルト1と同一構成のダブルコグドVベルトをベルト3とした。
【0048】
<ベルト4>
ポリエステル繊維製の心線2を用いたことを除いてベルト3と同一構成のダブルコグドVベルトをベルト4とした。
【0049】
<ベルト5>
ポリエステル繊維製の心線3を用いたことを除いてベルト3と同一構成のダブルコグドVベルトをベルト5とした。
【0050】
<ベルト6>
配合3のゴム組成物を用いたことを除いてベルト5と同一構成のダブルコグドVベルトをベルト6とした。
【0051】
<ベルト7>
配合4のゴム組成物を用いたことを除いてベルト5と同一構成のダブルコグドVベルトをベルト7とした。ベルト7は、ベルト厚さTが12.0mmで、心線のベルト幅方向の中心でのベルト幅Wが23.0mmで、従って、ベルト厚さTに対する心線のベルト幅方向の中心でのベルト幅Wの比が1.92である。下コグの配設ピッチP1が9.5mmで、上コグの配設ピッチP2が6.3mmで、従って、上コグの配設ピッチP2に対する下コグの配設ピッチP1の比P1/P2が1.51である。下コグ形成部の溝底の断面形状の半径R1が1.5mmで、上コグ形成部の溝底の断面形状の半径R2が1.0mmである。下コグのコグ高さD1が5.5mmで、上コグのコグ高さD2が2.8mmで、従って、上コグのコグ高さD2に対する下コグのコグ高さD1の比D1/D2が1.96である。下コグ形成部の溝の底から心線の中心までの距離T1が2.5mmで、上コグ形成部の溝の底から心線の中心までの距離T2が1.2mmで、従って、下コグ形成部の溝の底と上コグ形成部の溝の底との間の距離TCはT1+T2で3.7mm、また、下コグ形成部の溝の底と上コグ形成部の溝の底との間の距離TCに対するベルト厚さTの比T/TCが3.24である。
【0052】
<ベルト8>
配合5のゴム組成物を用いたことを除いてベルト5と同一構成のダブルコグドVベルトをベルト8とした。
【0053】
<ベルト9>
配合6のゴム組成物を用いたことを除いてベルト5と同一構成のダブルコグドVベルトをベルト9とした。
【0054】
【表3】
Figure 0004011997
【0055】
(試験方法)
<ゴムの粘弾性特性>
配合1〜6の短繊維が配向したシート状の各ゴム組成物について、厚さ1.0mmのシート状ゴムを加硫成形した。
【0056】
配合1〜6の各シート状ゴムについて、列理方向が長手方向となるように幅5mmの短冊状の試験片を切り出し、それを粘弾性スペクトロメーターにセットし、試験温度25℃として試験片に29.4N/cm2の静荷重をかけると共に±0.1%の動歪みを加えることにより動的弾性率を測定した。
【0057】
同様に、配合1〜6の各シート状ゴムについて、反列理方向が長手方向となるように幅5mmの短冊状の試験片を切り出し、それを粘弾性スペクトロメーターにセットし、試験片に29.4N/cm2の荷重をかけると共に±1.0%の動歪みを加えることにより動的弾性率を測定した。
【0058】
<ゴムの引張り特性>
配合1〜6の各シート状ゴムについて、JIS K6251の3号ダンベルを打ち抜き、JIS K6251に従って引張り試験を行い、破断伸びを測定した。
【0059】
<ベルトの曲げ剛性>
図3は、ベルト曲げ剛性測定装置40を示す。このベルト曲げ剛性測定装置40は、上下に可動とされた上側プレート41と、ロードセルに繋がれた下側プレート42とを備えており、上側及び下側プレート41,42にそれぞれ上コグが当接するようにそれらでベルトBを挟み、上側プレート41を下方に移動させた際の荷重をロードセルで検知するものである。そして、下記関係式により曲げ剛性を算出する。なお、ベルトBの巻き掛け径は、上側プレート41側の心線中心と下側プレート42側の心線中心との間の距離である。
【0060】
【数2】
Figure 0004011997
【0061】
ベルト1〜9の各ダブルコグドVベルトについて、上記方法に従って曲げ剛性を求めた。
【0062】
<ベルトの幅方向動的圧縮バネ定数>
ベルト幅方向動的圧縮バネ定数の測定は島津製作所社製のサーボパルサーを用いて行った。図4(a)は、その測定装置50を示す。この測定装置50は、ロードセルに繋がれた上側プレート51と、上下に振動可能とされた下側プレート52とを備えており、ベルトから切り出した図4(b)に示すような幅10mmで長さ40mmの試験片Sを上側及び下側プレート51,52で挟み、雰囲気温度を23±2℃下で、下側プレートを上昇させて初荷重を与えた後、下側プレートを50Hzで繰り返し上下動させ、動荷重を与えるものである。荷重の設定は、直角にカットしたベルトの断面積を求め、単位面積当たりの荷重が同じになるように初荷重を1.56N/mm2 、動荷重を±0.31N/mm2となるように設定した。そして、ベルトの幅方向動的圧縮バネ定数(動的バネ定数:K値)は以下の関係から求められる。
【0063】
試験片Sに加わる荷重f、変形量X、変形速度Vの間には次式(1)の関係が成立する。
【0064】
f=K・X+C・V (1)
ここで、Kがベルトの幅方向動的圧縮バネ定数(動的バネ定数)、Cがダンピング係数である。負荷が正弦波であれば(1)式は、
F・sin(ωt+φ)=K・X・sin(ωt)+C・V・cos(ωt)
F・sin(ωt+φ)=Fx・sin(ωt)+Fv・cos(ωt)
ここで、Fx=F・cos(φ)・・・・fの変位成分
Fv=F・sin(φ)・・・・fの速度成分
K =F・cos(φ)/X
C =F・sin(φ)/(ωX)
X:変位振幅、F:荷重振幅、φ:位相差、ω:角速度(ω/2πが周波数)
ベルト1〜9の各ダブルコグドVベルトについて、上記方法に従ってベルトの幅方向動的圧縮バネ定数を求めた。
【0065】
<ベルトの伝動能力・伝達効率>
図5はベルト走行試験機60を示す。このベルト走行試験機60は、同一面内に配設された駆動プーリ61と従動プーリ62とからなる2軸のものである。駆動プーリ61は駆動軸63の一端に取り付けられている。また、駆動軸63の他端にはプーリ64が取り付けられており、それと駆動モータ65のモータ軸66に取り付けられたプーリ67とにベルト68が巻き掛けられている。そして、駆動モータ65の動力がベルト68を介して駆動軸63に伝えられ、駆動プーリ61が回転するようになっている。また、駆動軸63にはトルク計69が設けられている。従動プーリ62は従動軸70の一端に取り付けられている。また、従動軸70の他端にはプーリ71が取り付けられており、それと負荷機72の軸73に取り付けられたプーリ74とにベルト75が巻き掛けられている。そして、負荷機72の負荷がベルト75を介して従動軸70に伝えられるようになっている。また、従動軸70にはトルク計76が設けられている。駆動モータ65等の駆動系のものは移動台77上に設けられており、この移動台77を移動させることにより試験片たるベルトBに所定の荷重をかけることができ、その荷重をロードセル78で検出するようになっている。なお、駆動プーリ61及び従動プーリ62のV溝角度はいずれも30°である。
【0066】
ベルト1〜9の各ダブルコグドVベルトについて、図6に示すように、駆動プーリ61をプーリ径68mmのものとすると共に従動プーリ62をプーリ径112mmのものとし、それらにベルトBを巻き掛けて従動プーリ62に1178Nの軸荷重をかけ、駆動プーリ61を2000rpmで回転させた。そのとき、駆動プーリ61及び従動プーリ62の回転数を計測し、伝達トルクを変えたときの見掛けのスリップ率(ベルトの変形によるベルトのプーリ内側への落ち込み及びベルトの伸びによるスリップ率をも含むもの)を求めた。そして、伝達トルクと、理論駆動プーリ径(心線中心位置でのベルト幅(ベルトピッチ幅)が変化しないと仮定して、そのベルト幅と同一のプーリ幅を有する位置でのプーリ径)と、レイアウトとから下記関係式で定義されるST値をベルトの伝達能力指標として求めた。なお、伝達能力、すなわち、ST値は、スリップ率が4%のときのものとした。
【0067】
【数3】
Figure 0004011997
【0068】
また、伝達トルクを変量したときの駆動プーリの回転数(r1)及びトルク(Tr1)、従動プーリの回転数(r2)及びトルク(Tr2)、ベルトを巻き掛けない場合のロストルクを測定し、下記関係式によりベルトの伝達効率を算出した。なお、変動するデータのうち最大のものを採用した。
【0069】
【数4】
Figure 0004011997
【0070】
<ベルトの高負荷耐久性>
ベルト1〜9の各ダブルコグドVベルトについて、図5(a)に示す走行試験機60で、図7に示すように、駆動プーリ61をプーリ径68mmのものとすると共に従動プーリ62をプーリ径158mmのものとし、それらにベルトBを巻き掛けて従動プーリ62に1178Nの軸荷重をかけ、駆動プーリ61を5300rpmで回転させ、破損するまでベルトBを走行させた。
【0071】
<ベルトの高速耐久性>
ベルト1〜9の各ダブルコグドVベルトについて、図5(a)に示す走行試験機60で、図8に示すように、駆動プーリ61をプーリ径128mmのものとすると共に従動プーリ62をプーリ径106mmのものとし、それらにベルトBを巻き掛けて従動プーリ62に981Nの軸荷重をかけ、駆動プーリ61を6000rpmで回転させ、破損するまでベルトBを走行させた。
【0072】
<ベルトの実機走行耐久性>
ベルト1〜9の各ダブルコグドVベルトについて、250ccの1気筒エンジンを搭載した2輪スクーターに取り付け、ベルトが破損するまで2輪スクーターをシャーシダイナモで走行させ、その走行距離を計測した。
【0073】
(試験結果)
表4は、配合1〜6の各ゴム組成物の試験結果を示す。
【0074】
【表4】
Figure 0004011997
【0075】
配合1、2及び4を比較すれば、短繊維が6,6−ナイロン短繊維である配合1、メタ系アラミド短繊維である配合2、パラ系アラミド短繊維である配合3の順に列理方向の動的弾性率が大きいことが分かる。また、反列理方向の動的弾性率も同じ結果となっている。一方、破断伸びは配合1、配合2、配合4の順に小さいことが分かる。これは、短繊維自体の引張弾性率の大小に対応するものである。
【0076】
配合3〜6を比較すれば、短繊維の混合量が多い順に列理方向の動的弾性率が大きいことが分かる。また、反列理方向の動的弾性率も同じ結果となっている。一方、破断伸びは配合3〜6の順に小さいことが分かる。
【0077】
表5は、ベルト1〜9の試験結果を示す。
【0078】
【表5】
Figure 0004011997
【0079】
ベルト1及び2は、他のものに比べて伝動能力及び伝動効率が著しく低いことが分かる。これは、ベルトを構成する配合1及び2のゴム組成物の列理方向、つまりベルト幅方向の動的弾性率が低いためであると考えられる。
【0080】
ベルト3〜5を比較すると、ベルト3は、伝動能力及び伝動効率については優れるものの、実機走行耐久寿命が著しく低いのに対して、ベルト4及び5は、伝動能力、伝動効率及び実機走行耐久寿命のいずれもが優れるということが分かる。これは、ベルト3はパラ系アラミド繊維の心線であり、エンジンの回転変動(トルク変動)による張力変動を心線が吸収しきれないのに対し、ベルト4及び5はポリエステル繊維の心線であり、その回転変動による張力変動を心線の伸縮で吸収できるためであると考えられる。
【0081】
ベルト4及び5を比較すると、心線の太さが太い方が伝動能力が高いことが分かる。
【0082】
ベルト5及び6を比較すると、伝動能力及び伝動効率は同等であるが、クロロプレンゴム100質量部に対して短繊維を15質量部混合したベルト5よりも、20質量部混合したベルト6の方が実機走行耐久寿命が2倍以上長いことが分かる。これは、短繊維の混合量が多くなることによりその補強効果が高められるためであると考えられる。一方、ベルト7〜9を比較すると、伝動能力及び伝動効率は同等であるが、クロロプレンゴム100質量部に対して短繊維を20質量部混合したベルト7、25質量部混合したベルト8の方が実機走行耐久寿命が短く、28質量部混合したベルト9では実機走行耐久寿命が著しく短い。これは、短繊維の混合量が過剰となるとベルトを構成するゴム組成物の反列理方向、つまりベルト長手方向の動的弾性率が高くなると共に破断伸びが小さくなり、ベルトの耐屈曲性が低められてしまうためであると考えられる。
【0083】
ベルト5及び7を比較すると、伝動能力及び伝動効率は同等であるが、ベルト厚さがより薄く、下コグのコグ高さがより低いベルト7の方が実機走行耐久寿命が長いことが分かる。これは、下コグのコグ高さが低いことによって下コグの揺動が抑えられ、エンジンの回転変動が生じたときの張力変動に対する耐久性が下コグの揺動によって悪影響を受けることがないためであると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るダブルコグドVベルトの斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態に係るダブルコグドVベルトの縦断面図及び横断面図である。
【図3】 ベルト曲げ剛性測定装置の構成を示す図である。
【図4】 ベルト幅方向動的圧縮バネ定数測定装置の構成を示す図である。
【図5】 ベルト走行試験機の構成を示す図である。
【図6】 ベルトの伝動能力・伝達効率を求める走行試験のレイアウト図である。
【図7】 ベルトの高負荷耐久性を試験するための走行試験のレイアウト図である。
【図8】 ベルトの高速耐久性を試験するための走行試験のレイアウト図である。
【符号の説明】
B ダブルコグドVベルト
10 心線埋設部
12 心線
20 下コグ形成部
21,31 短繊維
24 下コグ
30 上コグ形成部
34 上コグ

Claims (3)

  1. ベルト幅方向に所定ピッチの螺旋を形成するように埋設された心線を有するエンドレスの心線埋設部と、該心線埋設部の内周側に一体に設けられベルト長手方向に沿って一定ピッチで形成された下コグを有する下コグ形成部と、該心線埋設部の外周側に一体に設けられベルト長手方向に沿って一定ピッチで形成された上コグを有する上コグ形成部と、を備えたダブルコグドVベルトであって、
    上記下コグ形成部は、引張弾性率40GPa以上の短繊維がベルト幅方向に配向するようにゴム成分100質量部に対して15〜25質量部混合分散されたゴム組成物で形成されていると共に、上記心線は、太さが15000dtex以上であるポリエステル繊維で形成されており、
    上記下コグは、コグ高さが4〜6mmであると共に、上記下コグ形成部の溝の底と上記上コグ形成部の溝の底との間の距離に対するベルト厚さの比が2.5以上であることを特徴とする2輪車のトランスミッション装置用のダブルコグドVベルト。
  2. ベルト幅方向に所定ピッチの螺旋を形成するように埋設された心線を有するエンドレスの心線埋設部と、該心線埋設部の内周側に一体に設けられベルト長手方向に沿って一定ピッチで形成された下コグを有する下コグ形成部と、該心線埋設部の外周側に一体に設けられベルト長手方向に沿って一定ピッチで形成された上コグを有する上コグ形成部と、を備えたダブルコグドVベルトであって、
    上記下コグ形成部は、短繊維がベルト幅方向に配向するように混合分散されてベルト幅方向の動的弾性率が400MPa以上とされたゴム組成物で形成されていると共に、上記心線は、太さが15000dtex以上であるポリエステル繊維で形成されており、
    上記下コグは、コグ高さが4〜6mmであると共に、上記下コグ形成部の溝の底と上記上コグ形成部の溝の底との間の距離に対するベルト厚さの比が2.5以上であることを特徴とする2輪車のトランスミッション装置用のダブルコグドVベルト。
  3. 請求項1又は2に記載されたダブルコグドVベルトにおいて、
    上記上コグ形成部は、引張弾性率40GPa以上の短繊維がベルト幅方向に配向するようにゴム成分100質量部に対して15〜25質量部混合分散されたゴム組成物で形成されていることを特徴とするダブルコグドVベルト。
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