JP2024044440A - パテ状耐火組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性、非付着性、燃焼前の高温時形状安定性、熱膨張性、燃焼後の形状安定性、及び難燃性が優れたパテ状耐火組成物を提供する。【解決手段】本発明によれば、マトリクスポリマー100質量部に対し、無機化合物400~1200質量部、繊維状有機化合物1~30質量部、を含み、前記マトリクスポリマーが液状ゴム及び固形エラストマーを含み、かつ、前記液状ゴムと前記固形エラストマーの質量比が95:5~50:50であり、前記無機化合物が、無機亜リン酸系化合物0.10~13.00質量%と、セピオライト0.05~3.00質量%を含む、パテ状耐火組成物が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、主に建築物(建物や船舶等)における防火壁や床等に設けられた電線やケーブル・配管を挿通するための貫通部の隙間を閉塞するために用いられる、非硬化型のパテ状耐火組成物に関するものである。
建物や船舶などの建造物では、各設備・各部屋を画分する壁や床、天井などの防火区画体に貫通部を穿設し、その貫通部に空調設備の配管や各種電線ケーブルなどが挿通される。しかしながら、ある空間で火災が発生するとその熱や炎で前記樹脂パイプ,空調装置の配管の発泡断熱材,電線ケーブルの被覆などが燃焼したり溶融したりして消失してしまうため、前記貫通部が炎道になってここから隣の設備・部屋へと延焼が進んでしまう。
これらの貫通部の防火措置としては、耐火性もしくは不燃性を持つパテが使用されている。パテは開口内に充填、もしくはケイ酸カルシウム板等の不燃性のボード等と組み合わせて、その隙間を閉塞するために使用される。ここで使用されるパテには、施工後の時間経過とともに硬化する硬化型パテと、施工後も乾燥・硬化しない非硬化型のパテが挙げられる。また、非硬化型のパテとしては、熱で膨張する膨張型パテと、膨張しない非膨張型パテがある。
硬化型のパテは、施工後の貫通部を強固に保持できる利点があるが、建物のリフォームや設備の増設に伴う配線類の引き換え等には対応できない欠点があった。また、組成に水ガラスを使用したものは、耐水性に問題があり、屋外での雨風や結露に晒された場合に弱いという問題があった。
非硬化型のパテとしては、例えば、液状ゴムとブチルゴムとからなるゴム成分に、特定量の熱膨張性黒鉛を配合するパテ組成物が挙げられる(特許文献1)。しかしながら、熱で膨張したパテ組成物は非常に脆く形状安定性が低下しており、天井の貫通部に施工された場合は少しの衝撃で崩れてしまう場合があった。一方、非膨張型パテは熱膨張しないため形状安定性は良好だが、バインダー等として使用しているゴムなどの有機化合物成分の焼失による体積減少が発生し、亀裂や隙間が生じて炎道になってしまう場合があった(特許文献2)。
特開2007-254563号公報 特開平2-80468号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、加工性、非付着性、燃焼前の高温時形状安定性、熱膨張性、燃焼後の形状安定性、及び難燃性が優れたパテ状耐火組成物を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、特定の配合の組成物を用いることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]マトリクスポリマー100質量部に対し、無機化合物400~1200質量部、繊維状有機化合物1~30質量部、を含み、前記マトリクスポリマーが液状ゴム及び固形エラストマーを含み、かつ、前記液状ゴムと前記固形エラストマーの質量比が95:5~50:50であり、前記無機化合物が、無機亜リン酸系化合物0.10~13.00質量%と、セピオライト0.05~3.00質量%を含む、パテ状耐火組成物。
[2]前記無機化合物が、金属水酸化物を含む、[1]に記載のパテ状耐火組成物。
[3]前記無機亜リン酸系化合物が、亜リン酸水素アルミニウムを含む、[1]又は[2]に記載のパテ状耐火組成物。
[4]前記繊維状有機化合物の平均繊維長が、0.5~10mmである、[1]~[3]の何れか1つに記載のパテ状耐火組成物。
[5]貫通部の隙間を閉塞するために使用される、[1]~[4]の何れか1つに記載のパテ状耐火組成物。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
本実施形態のパテ状耐火組成物は、マトリクスポリマー、無機化合物、及び繊維状有機化合物を含む。以下、各成分について説明する。
1.マトリクスポリマー
マトリクスポリマーは、液状ゴム及び固形エラストマーを含み、かつ液状ゴム及び固形エラストマーの質量比が95:5~50:50である。この質量比は、好ましくは93:7~60:40であり、さらに好ましくは90:10~70:30である。液状ゴムの割合が高すぎると、非付着性が悪くなり、液状ゴムの割合が低すぎると、加工性が悪くなる。液状ゴム及び固形エラストマーの質量比の合計を100とすると、固形エラストマーの質量比は、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。液状ゴムの質量比は、100から固形エラストマーの質量比を引いた値となる。
<液状ゴム>
本発明において液状ゴムとは、室温において流動性のあるゴムであれば何れのものでも良く、例えば、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状ポリクロロプレン、液状ポリブテン、液状ブチルゴムなどが使用されるが、必ずしも1種のものに限ることなく、2種以上を混合してもよい。
<固形エラストマー>
本発明において固形エラストマーとは、室温において固形のエラストマーであれば何れのものでも良く、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2-ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エチレン-プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、エチレン・酢ビゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、再生ゴムなどの架橋可能なゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、ビニル芳香族炭化水素に由来する単量体単位を有する熱可塑性エラストマーである。熱可塑性エラストマーは、加熱によって軟化し流動性を示する性質を有するエラストマーであり、このような性質を有さないゴムと区別可能である。スチレン系熱可塑性エラストマーは、好ましくは、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロック及び共役ジエンを主体とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体が好ましい。ビニル芳香族炭化水素としては、例えば、スチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン等があり、これらは単体だけでなく2種以上を組み合わせて使用しても良い。共役ジエンとしては1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン等があり、これらは単体だけでなく2種以上を組み合わせて使用しても良い。
スチレン系熱可塑性エラストマーの具体的な例としては、スチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン(SEBS)共重合体、スチレン・イソプレン・水添スチレン・イソプレン・スチレン(SEPS)共重合体、スチレン・エチレンプロピレン(SEP)共重合体、スチレン・エチレンプロピレン・スチレン(SEPS)共重合体、スチレン・エチレン‐エチレンプロピレン・スチレン(SEEPS)共重合体等が挙げられる。スチレン系熱可塑性エラストマーのスチレン含有量は、例えば15質量%以上70質量%以下であり、20質量%以上60質量%以下が好ましい。
マトリクスポリマーは、液状ゴム及び固形エラストマーのみで構成されていてもよく、その他のポリマーを含んでいてもよい。その他のポリマーとしては、液状ゴムでも固形エラストマーでもない樹脂(ポリオレフィン、ポリスチレンなど)などが挙げられる。
2.無機化合物
無機化合物の含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対して400~1200質量部であり、500~1040質量部が好ましく、600~870質量部がさらに好ましい。無機化合物の含有量が少なすぎると、難燃性が悪くなる。無機化合物の含有量が多すぎると1200質量部を超えると、柔軟性が損なわれ加工性が悪くなる。この含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対して、例えば、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、870、900、950、1000、1040、1050、1100、1150、1200質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
無機化合物は、無機亜リン酸系化合物と、セピオライトと、その他の無機化合物を含む。以下、各成分について詳細に説明する。
<無機亜リン酸系化合物>
無機亜リン酸系化合物としては、例えば、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸水素アルミニウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛などが挙げられる。この中で、亜リン酸水素アルミニウムが好ましい。
無機亜リン酸系化合物の含有量は、無機化合物に対し、0.10~13.00質量%が好ましく、1.02~9.93質量%がさらに好ましく、1.88~6.85質量%がさらに好ましい。無機亜リン酸系化合物の含有量は、パテ状耐火組成物全体に対し、0.13~12.24質量%が好ましく、0.88~8.67質量%がさらに好ましく、1.62~5.95質量%がさらに好ましい。この含有量は、無機化合物(又はパテ状耐火組成物全体 )に対し、例えば、0.10、0.13、0.15、0.50、0.88、1.00、1.02、1.50、1.62、1.88、2.00、2.50、3.00、3.50、4.00、4.50、5.00、5.50、5.95、6.00、6.50、6.85、7.00、7.50、8.00、8.50、8.67、9.00、9.50、9.93、10.00、10.50、11.00、11.24、11.50、12.00、12.50、12.80、13.00質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
無機亜リン酸系化合物の含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対し、0.7~102質量部が好ましく、1~100質量部がさらに好ましく、7~75質量部がさらに好ましく、13~50質量部がさらに好ましい。この含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対し、例えば、0.7、1、5、7、10、13、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、102質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
亜リン酸系化合物の含有量が少なすぎるとと、燃焼時のパテ材の体積減少による壁や床との間の隙間が発生する。亜リン酸系化合物の含有量が多すぎるとと、過膨張発生による割れや欠けが発生する。
<セピオライト>
セピオライトの含有量は、無機化合物に対し、0.05~3.00質量%が好ましく、0.14~2.24質量%がさらに好ましく、0.29~1.41質量%がさらに好ましい。セピオライトの含有量は、パテ状耐火組成物全体に対し、0.06~2.42質量%が好ましく、0.12~1.94質量%がさらに好ましく、0.25~1.22質量%がさらに好ましい。この含有量は、無機化合物(又はパテ状耐火組成物全体)に対し、例えば、0.05、0.06、0.07、0.10、0.12、0.14、0.20、0.25、0.29、0.30、0.40、0.50、0.60、0.70、0.80、0.90、1.00、1.10、1.20、1.22、1.30、1.40、1.41、1.50、1.60、1.70、1.80、1.90、1.94、2.00、2.10、2.20、2.24、2.30、2.40、2.42、2.50、2.60、2.70、2.79、2.80、2.90、3.00質量%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
セピオライトの含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対し、0.4~22質量部が好ましく、0.5~20質量部がさらに好ましく、1~16質量部がさらに好ましく、2~10質量部がさらに好ましい。この含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対し、例えば、0.4、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
セピオライトの含有量が少なすぎると、高温時での形状安定性が悪くなる。セピオライトの含有量が多すぎると、柔軟性や加工性が悪くなる。
<その他の無機化合物>
その他の無機化合物としては、例えば、アルミナ、アルミノシリケート、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、等の金属水酸化物;ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土、パリゴルスカイト等の繊維状粘土、絹雲母(セリサイト)、イライト、海緑石(グローコナイト)、緑泥石(クロライト)、滑石(タルク)、沸石(ゼオライト)、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、クリストパライト、スメクタイト、カオリン、ハイドロタルサイト等の粘土鉱物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;ガラス繊維(Eガラス繊維、Cガラス繊維、Sガラス繊維、Dガラス繊維)、岩綿、セラミック繊維(シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維)、ジルコニア繊維、カーボン繊維、バルクアルカリアースシリケート繊維、石膏繊維、炭素繊維、金属繊維、スラグ繊維、バサルト繊維等の繊維状無機化合物;硫酸カルシウム、けい酸カルシウム等のカルシウム塩、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化けい素、カーボンブラック、グラファイト、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化けい素、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、フライアッシュ、無機中空フィラー、パーライト、黒曜岩、真珠岩、松脂岩、珪藻土、脱水汚泥、ホウ素、四ホウ酸ナトリウム水和物(ホウ砂)、無機亜リン酸系化合物以外の無機リン酸系化合物、シリカ等が挙げられる。これら無機化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
その他の無機化合物は、金属水酸化物を含むことが好ましい。これによって、難燃性を高めることができる。 金属水酸化物の含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対し、377~1177質量部が好ましく、477~1017質量部がさらに好ましく、577~847質量部がさらに好ましい。この含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対し、例えば、377、400、450、477、500、550、577、600、650、700、750、800、847、850、900、950、1000、1017、1050、1100、1150、1177質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
3.繊維状有機化合物
繊維状有機化合物の形状は繊維状であればよく、繊維の断面形状として例えば円形、楕円形、多角形などが挙げられる。繊維状有機化合物の平均繊維長をLとし、平均直径をDとすると、L/Dは、例えば10超であり、50以上が好ましく、100以上がさらに好ましい。上限は、特に規定されないが、例えば10000である。繊維状有機化合物の平均直径は、例えば1~100μmであり、2~50μmが好ましく、5~20μmがさらに好ましい。繊維状有機化合物の平均繊維長は、例えば、0.5~10mmが好ましい。この値は、例えば、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
繊維状有機化合物としては、例えば、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、アミド系繊維、セルロース繊維(例:パルプ繊維)、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維、ポリアリレート繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、アクリロニトリル繊維、レーヨン、絹、綿、麻、羊毛、等を挙げることができる。
繊維状有機化合物に平均繊維長及び平均直径は、十分大きな数、すなわち20本以上の繊維状有機化合物につき繊維長及び直径を測定し、その平均値を平均繊維長及び平均直径とする。
繊維状有機化合物の繊維長及び直径は、例えば電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて測定することができる。
繊維状有機化合物の含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対して1~30質量部であり、3~24質量部が好ましく、6~17質量部がさらに好ましい。繊維状有機化合物の含有量は、マトリクスポリマー100質量部に対し、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30質量部であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。繊維状化合物の含有量が少なすぎると、高温時での形状安定性が悪くなる。繊維状化合物の含有量が多すぎると、柔軟性が損なわれ加工性が悪くなる。
4.その他の成分
本実施形態では、その効果を阻害しない範囲で、通常のゴム配合物に使用される可塑剤(軟化剤)、老化防止剤、加工助剤、滑剤、難燃剤、粘着付与剤等を併用してもよい。その他の成分の総量は、マトリクスポリマー100質量部に対して、例えば0~100質量部であり、0~50質量部が好ましく、0~20質量部がさらに好ましい。
本実施形態のパテ状耐火組成物は、上記各成分をバンバリーミキサー、ニーダーミキサー、二本ロール等公知の混練装置を用いて混練されたものを、例えば、プレス成形、ロール成形、押し出し成形、カレンダー成形等の従来公知の成形方法で成形することが出来る。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものでない。
1.パテ状耐火組成物の作製
表1~表8の配合に示した成分を、容量3リットルのニーダーミキサーを用いて80℃で10分間混練して、実施例・比較例のパテ状耐火組成物を得た。
表中の成分の詳細は、以下の通りである。繊維についての表中のカッコ内の数値は、平均繊維長を示す。
(1)マトリクスポリマー
<液状ゴム>
・液状ポリイソプレン:株式会社クラレ製「LIR-30」、分子量28000、Tg:-63℃、粘度70Pa.s(38℃)
・液状ポリブタジエン:株式会社クラレ製「LBR-302」、分子量5500、Tg:-85℃、粘度0.6Pa.s(38℃)
・液状ポリブテン:JXエネルギー株式会社製、「HV-100」、分子量980、動粘度9,500mm2/s(40℃)
<固形エラストマー>
・ブチルゴム:JSR株式会社製「ブチル268」、ゴム状(40℃)
(2)無機化合物
<無機亜リン酸系化合物>
・亜リン酸水素アルミニウム:太平化学産業株式会社製「NSF」
・亜リン酸ナトリウム:米山化学工業株式会社製「亜リン酸ナトリウム」
<セピオライト>
・セピオライト:近江鉱業株式会社製「ミラクレーP150」
<その他の無機化合物>
・ベントナイト:株式会社ホージュン製「赤城」
・リン酸塩系ガラスフリット:岡谷理化株式会社製「FRM」
・水酸化アルミニウム:住友化学株式会社製「C-301N」
・水酸化マグネシウム:協和化学子業株式会社性「KISMA5A」
・炭酸カルシウム:秩父石灰工業株式会社製「TA-044」
・アルミナ繊維、平均繊維長0.5、7、10、11mm:株式会社ニチビ「ニチビアルフ」
(3)繊維状有機化合物
・パルプ繊維、平均繊維長1.2mm:王子製袋株式会社製「ネオファイバーNS-10」
・ポリアリレート繊維:平均繊維長2mm、株式会社クラレ製「ベクトランUM1580」
・アラミド繊維、0.25、0.5、3、10、12mm:帝人株式会社製「トワロンショートカットファイバー」
2.評価
各実施例、比較例の耐火材について、以下の測定及び評価を行った。結果を表1~表8に示す。同表に示すように、全ての実施例は、加工性、非付着性、高温時形状安定性、熱膨張性、燃焼後形状安定性、及び難燃性の全てが良好であった。一方、全ての比較例は、これらの評価項目のうちの少なくとも1つが良好でなかった。比較例10では、セピオライトと同様に粘土鉱物であるベントナイトを配合しているが、高温時形状安定性が良好でなかった。また、比較例13~16では、繊維状有機化合物の代わりに、繊維状無機化合物であるアルミナ繊維を配合しているが、高温時形状安定性が良好でなかった。
<加工性(軟度)>
試験片パテをJIS A5752に準拠し荷重150g、温度21℃において軟度の測定を行った。規定の円錐を試験片に垂直に貫入させ、その貫入深さを0.1mm単位で測定した。そして、貫入深さに基づいて、加工性を以下の基準で判定した。
◎:60[1/10mm]以上
○:50[1/10mm]以上60[1/10mm]未満
△:40[1/10mm]以上50[1/10mm]未満
×:40[1/10mm]未満
<非付着性>
ラテックスゴム手袋の質量を測定した後に、この手袋を装着し、100gの球状の試験片パテを10回握った後の手袋の質量を測定し、以下の式に基づいて付着物質量を算出した。そして、付着物質量に基づいて、非付着性を以下の基準で判定した。なお、非付着性が低いほど加工しやすいことを示す。
付着物質量(g)=(パテを10回握った後の手袋の質量)-(元の手袋の質量)
◎:0.02[g]未満
○:0.02[g]以上0.05[g]未満
△:0.05[g]以上0.10g未満
×:0.10[g]以上
<高温時形状安定性>
10gの球状の試験片パテをJIS H4000(A1050)で定めるAL板に載せ、200℃で60分加熱。その後試験片パテを取り外し、AL板に残った跡の直径を測定した。
◎:跡が10mm以下
〇:跡が10mm超15mm以下
△:跡が15mm超20mm以下
×:跡が20mm超
<熱膨張性>
厚さ4mm、幅30mm、長さ30mmの試験片パテを800℃で1時間加熱した後の体積を測定し、その体積から膨張倍率を算出した。そして、体積膨張倍率に基づいて、熱膨張性を以下の基準で判定した。
◎:1.0倍以上
○:0.85倍以上、1.0倍未満
△:0.7倍以上、0.85倍未満
×:0.7倍未満
<燃焼後形状安定性>
厚さ4mm、幅30mm、長さ30mmの試験片パテを800℃で1時間加熱し、外観を目視にて観察した。
◎:ひび割れ自体が無い
○:ひび割れ有るが表面のみ
×:内部までひび割れ有り
<難燃性>
JIS K6269に準じて燃焼試験装置(スガ試験機(株)製,ON-1型)を用いて試験片パテの酸素指数を測定し、以下の基準で難燃性を判定した。なお、酸素指数が大きいほど、難燃性が高いことを示す。
◎:酸素指数が65以上
○:酸素指数が60以上65未満
△:酸素指数が55以上60未満
×:酸素指数が55未満

Claims (5)

  1. マトリクスポリマー100質量部に対し、無機化合物400~1200質量部、繊維状有機化合物1~30質量部、を含み、
    前記マトリクスポリマーが液状ゴム及び固形エラストマーを含み、かつ、前記液状ゴムと前記固形エラストマーの質量比が95:5~50:50であり、
    前記無機化合物が、無機亜リン酸系化合物0.10~13.00質量%と、セピオライト0.05~3.00質量%を含む、パテ状耐火組成物。
  2. 前記無機化合物が、金属水酸化物を含む、請求項1に記載のパテ状耐火組成物。
  3. 前記無機亜リン酸系化合物が、亜リン酸水素アルミニウムを含む、請求項1に記載のパテ状耐火組成物。
  4. 前記繊維状有機化合物の平均繊維長が、0.5~10mmである、請求項1に記載のパテ状耐火組成物。
  5. 貫通部の隙間を閉塞するために使用される、請求項1~請求項4の何れか1つに記載のパテ状耐火組成物。
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