JP2024038027A - 相乗作用のある細菌組成物ならびにその製造及び使用方法 - Google Patents

相乗作用のある細菌組成物ならびにその製造及び使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒト等の哺乳類対象の細菌叢異常に関連する症状の予防、治療、及び低減のための、微生物集団を含有する治療組成物を提供する。【解決手段】治療上有効量の細菌組成物を含む組成物であって、前記組成物が、芽胞を形成可能な少なくとも第1の種類の単離細菌、芽胞を形成可能な第2の種類の単離細菌、及び任意選択で、芽胞を形成可能な第3の種類の単離細菌を含み、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の細菌が同一ではなく、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの少なくとも2つが、少なくとも1種類の病原菌の成長及び/またはコロニー形成を相乗的に低下及び/または阻害し得る、前記組成物である。【選択図】図1

Description

哺乳動物は、胃腸(GI)管内、皮膚上、ならびに、口腔、眼の表面、及び膣等の他の上皮及び組織のニッチにおいて、微生物のコロニーが形成される。胃腸管は、大量かつ多様な微生物群集を内部に有する。それは、多様な細菌の株を含む、多くの異なる種または生物の群集に環境またはニッチを提供する複雑な系である。何百もの異なる種が、健常なヒトのGI管内に共生群集を形成し得、また、この生物の補集合は、出生時から発達し、最終的には約3歳までに機能的に成熟した微生物集団を形成する。これらの集団における微生物株間の相互作用、ならびに微生物と宿主、例えば、宿主免疫系との間の相互作用は、微生物の分布に影響を及ぼす資源の利用可能性及び資源に対する競合によって、群集の構造を構築する。そのような資源は、食物、場所、及び成長するための空間または微生物が付着し得る物理的構造の利用可能性であり得る。例えば、宿主の食習慣は、GI管フローラの構築に関与する。
健康な微生物叢は、広範囲の病原体に対するコロニー形成耐性、必須栄養素の生合成及び吸収、ならびに健康な腸上皮を維持する免疫刺激及び適切に制御された全身性免疫を含む、複合的な利益を宿主に提供する。「細菌叢異常」、すなわち共生関係が崩壊した状況では、微生物叢の機能が喪失または混乱する可能性があり、病原体に対する感受性の増加、代謝プロファイルの変化、または局所的もしくは全身性の炎症もしくは自己免疫を引き起こし得る炎症誘発性シグナルの誘導をもたらす。よって、腸内微生物叢は、腸の様々な病原性感染を含む多くの疾患及び障害の病原体において重要な役割を果たしている。例えば、広域スペクトル抗生物質の使用のために正常な腸内微生物叢が乱された場合、対象は、病原性感染に対する感受性がより高くなる。これらの疾患及び障害のいくつかは、対象の生活の質を著しく低下させる慢性的状態であり、最終的に致死的となるものもある。
糞便移植は、主要な病原体の増殖及び生存にとって不利な生態学的環境を作り出すことによりそれらを制御する、多種多様な微生物を腸に再増殖させることによって、重度または難治性のGI感染症及び他の障害を患う対象に時折有効な治療であることが示されている。そのようなアプローチは、宿主の感染に対する感受性を低下させる可能性を示している。しかしながら、糞便移植は、宿主間で感染性またはアレルゲン性物質を伝播する可能性を有し、ドナーから対象への潜在的に何百という未知の株の伝播に関与し、大規模に行うことが困難であるため、通常、再発症例にのみ用いられる。更に、糞便移植は、本質的に標準化されておらず、所与の提供において異なる所望の及び/または所望でない物質が伝播され得る。よって、感染に対する感受性を低下させるために使用することができ、かつ/または健康な腸微生物叢の回復を促進する、規定された組成物の必要性が存在する。
また、医師は、現在、糞便移植を用いて実験ベースで治療されている障害のための安全かつ再現性のある治療を必要としている。
健康なGIマイクロバイオームの誘導によって調節することができる障害の安全で再現性のある治療の必要性を満たすため、及びGIマイクロバイオームに関連する疾患を治療するために、本出願人は、特に、細菌叢異常の治療(例えば、GIマイクロバイオームを健康な状態に回復させること)、及び腸内に見られる感染または微生物種の不均衡に関連する障害の治療に有用な、複数の機能特性を有する単離細菌株の細菌組成物を設計したが、これは、それらの細菌株に関連する本出願人の発見、ならびにそれらの株及びそれらの株の組み合わせに関連する特性の分析及び見識に基づいており、本明細書に開示される発明につながるものである。
第1の態様において、芽胞を形成可能な少なくとも第1の種類の単離細菌、芽胞を形成可能な第2の種類の単離細菌、及び任意選択で、芽胞を形成可能な第3の種類の単離細菌を含む有効量の細菌組成物を含む組成物であって、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類が同一ではなく、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの少なくとも2つが、少なくとも1種類の病原菌の成長及び/またはコロニー形成を相乗的に減少及び/または阻害し得る、組成物が提供される。いくつかの実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20種類の、芽胞を形成可能な単離細菌を含む。他の実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20種類の、少なくとも1つの芽胞形成関連遺伝子を含有しない単離細菌を含む。更なる実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20種類の単離細菌を芽胞型に含む。更なる実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20種類の単離細菌を栄養型に含む。更なる実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20種類の単離細菌を芽胞型に含み、また、細菌組成物は更に、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20種類の単離細菌を栄養型に含む。更なる実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、該単離細菌のうちの少なくとも約20%が、芽胞を形成可能であるか、または芽胞型である。更なる実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、該単離細菌のうちの少なくとも2種が、芽胞を形成可能であるか、または芽胞型である。更なる実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、組成物中におよそ等しい濃度で存在する。更なる実施形態において、第1の種類及び第3の種類は、組成物中におよそ等しい濃度で存在する。更なる実施形態において、第2の種類及び第3の種類は、組成物中におよそ等しい濃度で存在する。更なる実施形態において、第1の種類は、組成物中に第2の種類及び/または第3の種類の少なくとも約150%の濃度で存在する。更なる実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、組成物中に第3の種類の少なくとも約150%の濃度で個々に存在する。更なる実施形態において、組成物は、2~約20種類の単離細菌から本質的になり、少なくとも2種類の単離細菌が、独立して芽胞形成が可能である。更なる実施形態において、少なくとも2種類の単離細菌が、芽胞型である。更なる実施形態において、第1、第2、及び第3の種類が、独立して表1から選択される。更なる実施形態において、第1、第2、及び第3の種類が、操作的分類単位(OTU)区別を成す。更なる実施形態において、OTU区別が、約95%の同一性を下回る16S rRDNA配列類似性を含む。更なる実施形態において、第1、第2、及び第3の種類が、独立して表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌を含む。
別の態様において、第1の種類の単離細菌、第2の種類の単離細菌、及び第3の種類の単離細菌を含む有効量の細菌組成物を含む組成物であって、第1、第2、及び第3の種類のうちの少なくとも1つが、芽胞を形成可能であり、第1、第2、及び第3の種類が同一ではなく、第1、第2、及び第3の種類のうちの少なくとも2つの組み合わせが、少なくとも1種類の病原菌に対して阻害性である、組成物が提供される。いくつかの実施形態において、第1、第2、及び第3の種類の組み合わせは、病原菌に対して阻害性であり得る。他の実施形態において、第1、第2、及び第3の種類の組み合わせは、病原菌に対して細胞傷害性または細胞分裂抑制性であり得る。更なる実施形態において、第1、第2、及び第3の種類の組み合わせは、病原菌に対して細胞傷害性または細胞分裂抑制性であり得る。更なる実施形態において、第1、第2、及び第3の種類の組み合わせは、第1、第2、及び第3の種類の組み合わせの濃度と少なくとも等しい濃度で存在する病原菌の増殖を阻害することが可能である。更なる実施形態において、病原菌は、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ菌、リケッチア菌、シュードモナス、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フランシセラ、エシェリキア、エンテロコッカス、クレブシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルセラ、ボレリア、及びボルデテラからなる群から選択される。更なる実施形態において、第1、第2、及び第3の種類は、相乗的に相互作用する。更なる実施形態において、第1、第2、及び第3の種類のうちの少なくとも1つは、独立して芽胞を形成することが可能である。更なる実施形態において、第1、第2、及び第3の種類のうちの少なくとも2つは、独立して芽胞を形成することが可能である。更なる実施形態において、第1、第2、及び第3の種類は、独立して芽胞を形成することが可能である。
更なる実施形態において、第1、第2、及び第3の種類は、組成物が投与されるヒト対象の胃腸管で機能的に集団形成することが可能である。更なる実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の細菌叢異常(dysbiosis)を予防することを含む。更なる実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の細菌叢異常(dysbiosis)を治療することを含む。更なる実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の細菌叢異常の重症度を低減することを含む。更なる実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の細菌叢異常の1つ以上の症状を低減することを含む。更なる実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、病原菌による胃腸管でのコロニー形成を予防することを含む。更なる実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、病原菌による胃腸管でのコロニー形成を予防することを含む。更なる実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管内の1つ以上の種類の病原菌の数を低減することを含む。更なる実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管内の1つ以上の非病原菌の数を増加させることを含む。また、本明細書に提供される細菌組成物を含む単一用量単位、例えば、少なくとも1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、または1×1012コロニー形成単位(CFU)の生存可能な細菌を含む用量単位も提供される。また、本明細書に提供される有効量の組成物を含み、有効量の抗菌剤を更に含む薬学的製剤、有効量の細菌組成物を含み、有効量の抗真菌剤を更に含む薬学的製剤、有効量の細菌組成物を含み、有効量の抗ウイルス剤を更に含む薬学的製剤、及び有効量の細菌組成物を含み、有効量の抗寄生虫剤を更に含む薬学的製剤も提供される。
別の態様において、有効量の細菌組成物を、それを必要とするヒト対象に投与することを含み、有効量の抗生物質製剤をヒト対象に投与することを更に含む方法が提供される。いくつかの実施形態において、細菌組成物及び抗生物質製剤は、同時に投与される。他の実施形態において、細菌組成物は、抗生物質製剤の投与前に投与される。更なる実施形態において、ヒト対象の胃腸管に存在する病原菌の数が、一定期間にわたって検出可能なほどには増加しないか、または検出可能なほどに減少する方法が提供される。他の実施形態において、ヒト対象は、胃腸管の細菌叢異常を有すると診断されている。他の実施形態において、ヒト対象は、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ菌、リケッチア菌、シュードモナス、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フランシセラ、エシェリキア、エンテロコッカス、クレブシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルセラ、ボレリア、及びボルデテラからなる群から選択される病原菌に感染していると診断されている。他の実施形態において、抗菌剤は、細菌組成物の投与前にヒト対象に投与される。他の実施形態において、ヒト対象の胃腸管内に存在するまたは胃腸管から排泄される病原菌の数は、細菌組成物の投与の2週間以内に検出可能なほどに低減される。
別の態様において、第1、第2、及び第3の種類がヒト対象の胃腸管で機能的に集団形成するような条件下で、対象に有効量の本発明の細菌組成を投与することを含む、ヒト対象の胃腸管で機能的に集団形成させる方法が提供される。いくつかの実施形態において、細菌組成物は、経口投与されるか、直腸投与されるか、または経口投与と直腸投与の組み合わせである。他の実施形態において、細菌組成物は、局所投与もしくは鼻腔内投与されるか、または吸入される。
また、食用担体に本発明の細菌組成物を組み合わせることを含み、食用品は、非食用材料を実質的に含まない、食用品を調製する方法も提供される。
一態様において、芽胞を形成可能な少なくとも第1の種類の単離細菌及び芽胞を形成可能な第2の種類の単離細菌を含む有効量の細菌組成物であって、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類が同一ではなく、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1つが、少なくとも1種類の病原菌の成長及び/またはコロニー形成を低減及び/または阻害することが可能である、組成物が提供される。実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌を含む。実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌を含み、該単離細菌のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種は、芽胞を形成可能である。実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、該単離細菌のうちの少なくとも2種は、芽胞を形成可能である。実施形態において、細菌組成物は、i)芽胞を形成可能な少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくはそれよりも多くの種類の単離細菌、ii)芽胞を形成可能であるとは知られていない少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくはそれよりも多くの種類の単離細菌、またはiii)i)及びii)の任意の組み合わせを含む。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、組成物中におよそ等しい濃度または活性レベルで存在する。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、組成物中に実質的に等しくない濃度で存在する。実施形態において、第1の種類は、組成物中に第2の種類の少なくとも約150%の濃度で存在するか、または第2の種類は、組成物中に第1の種類の少なくとも約150%の濃度で存在する。実施形態において、組成物は、i)2~約20種類の単離細菌であって、少なくとも2種類の単離細菌は、独立して芽胞形成が可能である、単離細菌、ii)2~約20種類の単離細菌であって、少なくとも2種類の単離細菌が、芽胞形成が可能であるとは知られていない、単離細菌、またはiii)i)及びii)の任意の組み合わせから本質的になる。実施形態において、第1の種類の単離細菌及び第2の種類の単離細菌は、表1から選択される。実施形態において、第1の種類の単離細菌、第2の種類の単離細菌及び任意選択での第3の種類の単離細菌は、操作的分類単位(OTU)区別を成す。実施形態において、OTU区別は、約95%の同一性を下回る16S rDNA配列類似性を含む。実施形態において、第1の種類の単離細菌及び第2の種類の単離細菌は、独立して、表1から選択される細菌内に存在する16S
rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌を含む。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせは、i)細胞傷害性、ii)細胞分裂抑制性、iii)病原菌の成長を低下させることが可能、iv)病原菌の成長を阻害することが可能、v)病原菌のコロニー形成を低下させることが可能、vi)病原菌のコロニー形成を阻害することが可能、またはvii)i)~vi)の任意の組み合わせである。実施形態において、組み合わせは、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度に少なくとも等しい濃度で存在する、病原菌の増殖を阻害することが可能である。実施形態において、組み合わせは、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度の少なくとも約2倍の濃度で存在する、病原菌の増殖を阻害することが可能である。実施形態において、組み合わせは、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度の少なくとも約10倍の濃度で存在する、病原菌の増殖を阻害することが可能である。実施形態において、組み合わせは、病原菌の存在下で増殖可能である。実施形態において、病原菌は、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)からなる群から選択される。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、相乗的に相互作用する。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、相乗的に相互作用して病原菌を阻害する。実施形態において、組成物は、表4aもしくは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、または++++もしくは+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、または第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む。
別の態様において、少なくとも第1の種類の単離細菌、第2の種類の単離細菌、及び任意選択での第3の種類の単離細菌を含む有効量の細菌組成物を含む組成物であって、第1の種類第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの1つのみが、芽胞を形成可能であり、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1つが、少なくとも1種類の病原菌の成長及び/またはコロニー形成を低下させることが可能である、組成物が提供される。
別の態様において、少なくとも第1の種類の単離細菌、第2の種類の単離細菌、及び任意選択での第3の種類の単離細菌を含む有効量の細菌組成物を含む組成物であって、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類が、芽胞ではないか、または芽胞を形成可能であるとは知られておらず、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1つが、少なくとも1種類の病原菌の成長及び/またはコロニー形成を低下させることが可能である、組成物が提供される。
実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1つは、少なくとも1種類の病原菌の成長速度を低減することが可能である。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1つは、少なくとも1種類の病原菌に対して細胞傷害性である。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1つは、少なくとも1種類の病原菌に対して細胞分裂抑制性である。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、表1から選択される。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、異なる種を成す。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、異なる属を成す。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、異なる科を成す。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、異なる目を成す。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、表4aもしくは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、++++もしくは+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、または第75百分位表記を有する、表4aのいずれかを含む。
別の態様において、少なくとも第1の種類の単離細菌及び第2の種類の単離細菌を含む有効量の細菌組成物を含む組成物であって、i)第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、独立して芽胞を形成可能であり、ii)第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの1つのみは、芽胞を形成可能であり、iii)第1の種類も第2の種類も芽胞を形成可能ではなく、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、同一ではなく、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、組成物が投与されるヒト対象の胃腸管で機能的に集団形成することが可能である。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、表4aもしくは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、++++もしくは+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、または第75百分位表記を有する、表4aのいずれかを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の細菌叢異常(dysbiosis)を予防することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の細菌叢異常(dysbiosis)を治療することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の細菌叢異常の重症度を低減することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の細菌叢異常の1つ以上の症状を低減することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、病原菌の胃腸管での成長及び/またはコロニー形成を予防することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、病原菌の胃腸管での成長及び/またはコロニー形成を低減することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管内の1つ以上の種類の病原菌の数を低減することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管内の1つ以上の非病原菌の数を増加させることを含む。実施形態において、細菌組成物は、芽胞を形成可能な少なくとも約5種類の単離細菌を含む。実施形態において、細菌組成物は、芽胞を形成可能な少なくとも約7種類の単離細菌を含む。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、組成物中に実質的に等しくない濃度で存在する。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、組成物中におよそ等しい濃度で存在する。実施形態において、第1の種類は、組成物中に第2の種類の少なくとも約150%の濃度で存在する。実施形態において、第2の種類は、組成物中に第1の種類の少なくとも約150%の濃度で存在する。実施形態において、2~約10種類の単離細菌から本質的になり、少なくとも1種類の単離細菌は、独立して芽胞形成が可能である。実施形態において、第1の種類の単離細菌及び第2の種類の単離細菌は、表1から選択される。実施形態において、第1の種類の単離細菌、第2の種類の単離細菌、及び任意選択での第3の種類の単離細菌は、操作的分類単位(OTU)区別を成す。実施形態において、OTU区別は、約95%の同一性を下回る16S rDNA配列類似性を含む。実施形態において、第1の種類の単離細菌及び第2の種類の単離細菌は、独立して、表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA 配列を含む細菌を含む。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせは、病原菌に対して細胞傷害性または細胞分裂抑制性である。実施形態において、組み合わせは、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度に少なくとも等しい濃度で存在する、病原菌の増殖を阻害することが可能である。実施形態において、組み合わせは、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度の少なくとも約2倍の濃度で存在する、病原菌の増殖を阻害することが可能である。実施形態において、組み合わせは、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度の少なくとも約10倍の濃度で存在する、病原菌の増殖を阻害することが可能である。実施形態において、病原菌は、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)からなる群から選択される。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、相乗的に相互作用して病原菌に対して細胞傷害性となる。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、相乗的に相互作用して病原菌に対して細胞分裂抑制性となる。
別の態様において、本発明の組成物を含む単一用量単位が提供される。実施形態において、用量単位は、いずれかの少なくとも1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、または1×1011超の芽胞または栄養型細菌細胞のコロニー形成単位(CFU)である。実施形態において、用量単位は、薬学的に許容される賦形剤、腸溶コーティング、またはこれらの組み合わせを含む。実施形態において、用量単位は、コルチコステロイド、メサラジン、メサラミン、スルファサラジン、スルファサラジン誘導体、免疫抑制薬、シクロスポリンA、メルカプトプリン、アザチオプリン、プレドニゾン、メトトレキサート、抗ヒスタミン、糖質コルチコイド、エピネフリン、テオフィリン、クロモリンナトリウム、抗ロイコトリエン、鼻炎のための抗コリン作動薬、抗コリン作動性充血緩和剤、マスト細胞安定化剤、モノクローナル抗IgE抗体、ワクチン、及びこれらの組み合わせから選択され薬物を更に含み、薬物は、少なくとも1つの病原体の量及び/または活性を調節するのに有効な量で存在する。実施形態において、用量単位は、経口投与、直腸投与、もしくは経口及び直腸投与の組み合わせ用に製剤化されるか、または局所、鼻腔もしくは吸入投与用に製剤化される。実施形態において、用量単位は、表4aもしくは表4bの任意の行に記載される細菌、++++もしくは+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌(bacgeria)の組み合わせ、または第75百分位表記を有する、表4aのいずれかを含む。
別の態様において、生存可能な植物性細菌細胞を実質的に含まない第1の種類の細菌芽胞の第1の精製集団と、生存可能な植物性細菌細胞を実質的に含まない第2の種類の細菌芽胞の第2の精製集団と、任意選択で、生存可能な植物性細菌細胞を実質的に含まない第3の種類の細菌芽胞の第3の精製集団と、を含み、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の細菌芽胞が、同一ではなく、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の細菌芽胞が、それを必要とするヒト対象の胃腸管の標的領域において共局在化されるとき、胃腸管で機能的に集団形成することが可能である、キットが提供される。実施形態において、第1の精製集団及び第2の精製集団は、単一の容器中に存在する。実施形態において、第1の精製集団、第2の精製集団、及び任意選択での第3の精製集団は、2つまたは任意選択で3つの容器中に存在する。実施形態において、第1の精製集団及び第2の精製集団は、凍結乾燥または実質的に脱水されている。実施形態において、キットは、1つ以上の容器有効量の抗菌剤、有効量の抗ウイルス剤、有効量の抗真菌剤、有効量の抗寄生虫剤、またはこれらの組み合わせを1つ以上の容器中に更に含む。実施形態において、キットは、薬学的に許容される賦形剤または希釈剤を更に含む。実施形態において、第1の精製集団、第2の精製集団、及び任意選択での第3の精製集団は、表4aもしくは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、++++もしくは+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、または第75百分位表記を有する、表4aのいずれかを含む。
また、有効量の本発明の組成物を含み、有効量の抗菌剤、有効量の抗真菌剤、有効量の抗ウイルス剤、有効量の抗寄生虫剤を更に含む薬学的製剤も提供される。
また、第1の種類の細菌芽胞の第1の精製集団、第2の種類の細菌芽胞の第2の精製集団、及び任意選択で第3の種類の細菌芽胞の第3の精製集団を含む、食用品であって、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の細菌芽胞が、同一ではなく、食用品が、生存可能な植物性細菌細胞が実質的になく、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の細菌芽胞が、それを必要とするヒト対象に投与されるとき、ヒト対象の胃腸管で機能的に集団形成することが可能である、食用品も提供される。実施形態において、食用品は、食品もしくは食品添加剤、飲料もしくは飲料添加剤、または医療用食品を含む。実施形態において、食用品は、少なくとも1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、または1×1011超の生存可能な芽胞のコロニー形成単位(CFU)を含む。実施形態において、食用品は、表1から選択される第1の種類の細菌芽胞及び第2の種類の細菌芽胞を含むか、または第1の種類の細菌芽胞及び第2の種類の細菌芽胞は、独立して、表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌芽胞を含む。実施形態において、第1の精製集団、第2の精製集団、及び任意選択での第3の精製集団は、表4aもしくは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、++++もしくは+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、または第75百分位表記を有する、表4aの任意の行を含む。
また、少なくとも第1の種類の単離細菌、第2の種類の単離細菌、及び任意選択で第3の種類の単離細菌を含む有効量の細菌組成物を、それを必要とするヒト対象に投与することを含む方法であって、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類が独立して芽胞を形成可能であるか、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの1つのみが、芽胞を形成可能であるか、または第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のいずれも、芽胞を形成可能でなく、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類が、同一ではなく、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1つが、ヒト対象の胃腸管内に存在する病原菌に対して阻害効果を発揮し、その結果、胃腸管内に存在する病原菌の数が、一定期間にわたって検出可能なほどには増加しないか、または検出可能なほどに減少する、方法も提供される。実施形態において、組成物は、表4aもしくは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、++++もしくは+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、または第75百分位表記を有する、表4aのいずれかを含む。実施形態において、ヒト対象は、胃腸管の細菌叢異常を有すると診断されている。実施形態において、ヒト対象は、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)からなる群から選択される病原菌に感染していると診断されている。実施形態において、細菌組成物は、i)抗生物質、ii)プレバイオティクス、またはiii)i)及びii)の組み合わせと同時に投与される。実施形態において、細菌組成物は、i)抗生物質、ii)プレバイオティクス、またはiii)i)及びii)の組み合わせの投与に先立って投与される。実施形態において、細菌組成物は、i)抗生物質、ii)プレバイオティクス、またはiii)i)及びii)の組み合わせの投与に後続して投与される。実施形態において、ヒト対象の胃腸管内に存在するまたはヒト対象の胃腸管から排泄される病原菌の数が、細菌組成物の投与の1ヶ月以内、2週間以内、または1週間以内に、検出可能なほどに低減される。実施形態において、ヒト対象の胃腸管内に存在するまたはヒト対象の胃腸管から排泄される病原菌の数が、細菌組成物の投与の3日、2日、または1日以内に、検出可能なほどに低減される。実施形態において、ヒト対象が、細菌組成物の投与の1ヶ月、2週間、1週間、33日、または1日以内に、病原菌を検出上含まないとされる。実施形態において、細菌組成物が、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌を含む。実施形態において、細菌組成物が、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌を含み、該単離細菌のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種が、芽胞を形成可能である。実施形態において、細菌組成物が、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、該単離細菌のうちの少なくとも2種が、芽胞を形成可能である。実施形態において、細菌組成物は、i)芽胞を形成可能な少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくはそれよりも多くの種類の単離細菌、ii)芽胞を形成可能であるとは知られていない少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくはそれよりも多くの種類の単離細菌、またはiii)i)及びii)の任意の組み合わせを含む。実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、該単離細菌のうちの少なくとも1種が、芽胞を形成可能である。実施形態において、細菌組成物が、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、該単離細菌のうちの少なくとも1種が、芽胞を形成不可能である。実施形態において、細菌組成物が、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌を含み、i)少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌が、芽胞を形成可能であるか、ii)少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌が、芽胞を形成不可能であるか、あるいはiii)i)及びii)の任意の組み合わせである。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、組成物中におよそ等しい濃度で存在する。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、組成物中に実質的に等しくない濃度で存在する。実施形態において、第1の種類が、組成物中に第2の種類の少なくとも約150%の濃度で存在するか、または第2の種類が、組成物中に第1の種類の少なくとも約150%の濃度で存在する。実施形態において、組成物が、2~約10種類の単離細菌から本質的になり、少なくとも2種類の単離細菌が独立して芽胞形成が可能である。実施形態において、組成物が、2~約10種類の単離細菌から本質的になり、少なくとも2種類の単離細菌が、芽胞形成が不可能である。実施形態において、第1の種類の単離細菌及び第2の種類の単離細菌が、表1から選択される。実施形態において、第1の種類の単離細菌、第2の種類の単離細菌、及び任意選択での第3の種類の単離細菌が、操作的分類単位(OTU)区別を成す。実施形態において、OTU区別が、約95%の同一性を下回る16S rDNA配列類似性を含む。実施形態において、第1の種類の単離細菌及び第2の種類の単離細菌が独立して、表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌を含む。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせが、病原菌に対して細胞傷害性または細胞分裂抑制性である。実施形態において、組み合わせが、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度に少なくとも等しい濃度で存在する、病原菌の増殖を阻害することが可能である。実施形態において、組み合わせが、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度の少なくとも約2倍の濃度で存在する、病原菌の増殖を阻害することが可能である。実施形態において、組み合わせが、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度の少なくとも約10倍の濃度で存在する、病原菌の増殖を阻害することが可能である。実施形態において、病原菌は、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)からなる群から選択される。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、相乗的に相互作用して病原菌に対して細胞傷害性となる。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、相乗的に相互作用して病原菌に対して細胞分裂抑制性となる。
また、ヒト対象の胃腸管で機能的に集団形成させる方法であって、対象に、少なくとも第1の種類の単離細菌、第2の種類の単離細菌、及び任意選択で第3の種類の単離細菌を含む有効量の細菌組成物であって、i)第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類が独立して芽胞を形成可能であるか、ii)第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの1つのみが、芽胞を形成可能であるか、またはiii)第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のいずれも、芽胞を形成可能でなく、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類が、同一ではない、細菌組成物を、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類がヒト対象の胃腸管で機能的に集団形成するような条件下で、投与することを含む、方法も提供される。実施形態において、組成物が、表4aもしくは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、++++もしくは+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせ、または第75百分位表記を有する、表4aの任意の行を含む。実施形態において、細菌組成物は、経口投与される、直腸投与される、または経口投与及び直腸投与の組み合わせである。実施形態において、細菌組成物は、局所投与もしくは鼻腔内投与されるか、または吸入される。実施形態において、第1の種類の単離細菌及び第2の種類の単離細菌は、表1から選択される。実施形態において、細菌組成物は、芽胞から本質的になり、芽胞が、第1の種類の単離細菌の芽胞、第2の種類の単離細菌の芽胞、及び任意選択で第3の種類の単離細菌の芽胞を含む。実施形態において、第1の種類の単離細菌及び第2の種類の単離細菌が独立して、表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌芽胞を含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の細菌叢異常を予防することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の細菌叢異常を治療することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の重症度の細菌叢異常を低減することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管の細菌叢異常の1つ以上の症状を低減することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、病原菌による胃腸管でのコロニー形成を予防することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、病原菌の胃腸管でのコロニー形成及び/または成長を低減することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管内の1つ以上の種類の病原菌の数を低減することを含む。実施形態において、胃腸管での機能的集団形成は、胃腸管内の1つ以上の非病原菌の数を増加させることを含む。実施形態において、細菌組成物は、芽胞を形成可能な少なくとも約3、5、7、または9種類の単離細菌を含む。実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、該単離細菌のうちの少なくとも20%が、芽胞を形成可能である。実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、該単離細菌のうちの少なくとも2種が、芽胞を形成可能である。実施形態において、細菌組成物は、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌を含み、i)少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌が、芽胞を形成可能であるが、ii)少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌が、芽胞を形成不可能であるが、またはiii)i)及びii)の任意の組み合わせである。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、組成物中におよそ等しい濃度で存在する。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、組成物中に実質的に等しくない濃度で存在する。実施形態において、第1の種類が、組成物中に第2の種類の少なくとも約150%の濃度で存在するか、または第2の種類が、組成物中に第1の種類の少なくとも約150%の濃度で存在する。実施形態において、組成物が、2~約10種類の単離細菌から本質的になり、i)少なくとも1種類の単離細菌が、芽胞形成が可能であるか、ii)少なくとも1種類の単離細菌が、芽胞形成が不可能であるか、またはiii)i)及びii)の組み合わせである。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせは、病原菌に対して阻害性である。実施形態において、組み合わせは、病原菌の成長速度を低減する。実施形態において、組み合わせは、病原菌に対して細胞分裂抑制性または細胞傷害性である。実施形態において、組み合わせは、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度に少なくとも等しい濃度で存在する、病原菌の成長を阻害することが可能である。実施形態において、組み合わせは、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度の少なくとも約2倍の濃度で存在する、病原菌の成長を阻害することが可能である。実施形態において、組み合わせは、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の組み合わせの濃度の少なくとも約10倍の濃度で存在する、病原菌の増殖を阻害することが可能である。実施形態において、病原菌は、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)からなる群から選択される。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、相乗的に相互作用して病原菌の成長を低減または阻害する。実施形態において、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、相乗的に相互作用して病原菌のコロニー形成を低減または阻害する。実施形態において、方法は、ヒト対象に、少なくとも1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、または1×1011超の生存可能な細菌のコロニー形成単位(CFU)を含む単一用量単位を投与することを含む。実施形態において、用量単位は、実質的に芽胞の形態にある細菌集団を含む。実施形態において、用量単位は、薬学的に許容される賦形剤及び/または腸溶コーティングを含む。実施形態において、単位用量は、経口投与、直腸投与、または経口投与及び直腸投与の組み合わせ用に製剤化される。実施形態において、単位用量は、局所投与もしくは鼻腔内投与用、または吸入用に製剤化される。
別の態様において、ヒト対象の胃腸管内に存在する病原菌の数を低減する方法であって、対象に、有効量の請求項1、21、22または31のいずれか1項に記載の組成物を含み、有効量の抗微生物剤を更に含む、有効量の薬学的製剤を、ヒト対象の胃腸管内に存在する病原菌の数が薬学的製剤の投与の約1ヶ月以内に低減されるような条件下で、投与することを含む、方法が提供される。実施形態において、ヒト対象の胃腸管に存在する病原菌の数が、薬学的製剤の投与の約2週間以内に減少する。実施形態において、ヒト対象の胃腸管に存在する病原菌の数が、薬学的製剤の投与の約1週間以内に減少する。実施形態において、ヒト対象の胃腸管に存在する病原菌の数が、薬学的製剤の投与の約3日以内に減少する。実施形態において、ヒト対象の胃腸管に存在する病原菌の数が、薬学的製剤の投与の約1日以内に減少する。実施形態において、抗微生物剤は抗菌剤を含む。実施形態において、抗微生物剤は抗真菌剤を含む。実施形態において、抗微生物剤は抗ウイルス剤を含む。実施形態において、抗微生物剤は抗寄生虫剤を含む。
別の態様において、食用担体、少なくとも第1の種類の単離細菌を含む第1の精製集団、少なくとも第2の種類の単離細菌を含む第2の精製集団、及び任意選択で少なくとも第3の種類の単離細菌を含む第3の精製集団を組み合わせることを含む、食用品を調製する方法であって、i)第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類は、独立して芽胞を形成可能であるか、ii)第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のうちの1つのみが芽胞を形成可能であるか、またはiii)第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類のいずれも芽胞を形成可能でなく、第1の種類、第2の種類、及び任意選択での第3の種類の細菌が、同一ではなく、食用品は、非食用材料を実質的に含まない、方法が提供される。実施形態において、第1の精製集団、第2の精製集団、及び任意選択での第3の精製集団のうちの少なくとも1つは、生存可能な芽胞から本質的になる。実施形態において、第1の精製集団、第2の精製集団、及び任意選択での第3の精製集団は、生存可能な芽胞から本質的になる。実施形態において、食用品は、生存可能な植物性細菌細胞を実質的に含まない。実施形態において、生存可能な芽胞は、食用品がそれを必要とするヒト対象によって摂取されると、ヒト対象の胃腸管で機能的に集団形成することが可能である。実施形態において、食用品は、食品または食品添加剤を含む。実施形態において、食用品は、飲料または飲料添加剤を含む。実施形態において、食用品は、医療用食品を含む。実施形態において、食用品は、少なくとも1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、または1×1011超の生存可能な芽胞のコロニー形成単位(CFU)を含む。実施形態において、第1の精製集団、第2の精製集団、及び任意選択での第3の精製集団は、表4aもしくは表4bの任意の行、または++++表記もしくは+++表記を有する、表4aの任意の行、または第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載の細菌の組み合わせを含む。実施形態において、芽胞は、表1から選択される細菌の芽胞である。実施形態において、第1の精製集団及び第2の精製集団は、独立して、芽胞表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌を含む。
また、治療上有効量の組成物を投与すること、及び細菌組成物を対象の胃腸管内の病原体と競合させることを含む、対象の胃腸管内の病原体の存在量を低減する方法も提供される。
更に治療上有効量の細菌組成物を投与すること、及び細菌組成物に対象の胃腸管内の病原体の下痢作用を軽減させることを含む、下痢を治療する方法も提供される。実施形態において、病原体は、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)である。実施形態において、病原体は、クロストリジウム・ディフィシル、サルモネラ種、病原性大腸菌、またはバンコマイシン耐性エンテロコッカス種である。実施形態において、病原体は、クロストリジウム・ディフィシルである。実施形態において、組成物は、経口投与される。実施形態において、組成物は、表4aもしくは表4bの任意の行、または++++表記もしくは+++表記を有する、表4aの任意の行、または第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載の細菌の組み合わせを含む。
いくつかの態様において、本発明は、表10から選択されるネットワークエコロジーを含む組成物に関する。いくつかの実施形態において、ネットワークエコロジーは、表10に提供されるネットワーククレードを含む。他の実施形態において、ネットワークエコロジーは、表10に提供されるOTUを含む。いくつかの場合において、組成物は、ブラウティア・プロダクタ(Blautia producta)、クロストリジウム・ディスポリカム(Clostridium disporicum)、クロストリジウム・イノキューム(Clostridium innocuum)、クロストリジウム・マヨムベイ(Clostridium mayombei)、クロストリジウム・オルビシンデンス(Clostridium orbiscindens)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、及びラクノスピラ科(Lachnospiraceae)細菌 5_1_57FAAを含む。いくつかの実施形態において、組成物組成物は、細菌叢異常の少なくとも1つの徴候または症状を治療するのに有効であり、例えば、クロストリジウム・ディフィシル、クレブシエラ・ニューモニイ(Klebsiella pneumonii)、モーガネラ・モーガニイ(Morganella morganii)、またはバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に関連する感染または細菌叢異常の少なくとも1つの徴候または症状を低減するのに有効である。
別の態様において、ヘテロ三量体が、例えば、CivSimアッセイにおいて病原性共生生物の成長を阻害することができるように、本発明は、表4a、表4b、または表12に特定されるヘテロ三量体から選択される細菌のヘテロ三量体を含む組成物に関する。
いくつかの態様において、ヘテロ三量体の生物が、ヒト胃腸管において増大及び/または生着することができるように、本発明は、表14、表15、表16、表17、表17、表18、表19、表20、または表21に特定されるヘテロ三量体から選択される細菌ヘテロ三量体を含む組成物に関する。いくつかの実施形態において、生着及び/または増大は、細菌叢異常を有するヒトへの組成物の投与後に起こり得る。いくつかの実施形態において、細菌叢異常は、ヒトの胃腸管内のクロストリジウム・ディフィシルの存在に関連する。
更なる目的及び利点は、この後に続く明細書に一部記載され、明細書からある程度明白となるか、または実施形態の実施によって教示され得るであろう。目的及び利点は、添付の特許請求の範囲において具体的に指摘される要素及び組み合わせによって実現及び達成されるであろう。
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、どちらも例示的及び説明的であるに過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に組み込まれ、その一部を成す添付の図面は、いくつかの実施形態を例示し、明細書と一緒になって、実施形態を更に説明する役割を果たす。
[表の簡単な説明]
表1は、属、種、及び系統クレードに対してなされた分類学的帰属による操作的分類単位(OTU)のリストである。細菌OTUのクレードの構成要素は、16S配列データに基づいている。クレードは、系統学の当業者が精通している最尤法を使用して、完全長16S配列から構築される系統樹のトポロジーに基づいて定義される。クレードは、所与のクレード内の全てのOTUが、(i)既定の数のブートストラップで互いに支持されたノード内にあること、及び(ii)5%以内の遺伝的類似性であることを確実にするように構築される。同じクレード内のOTUは、16S-V4配列データに基づいて、異なるクレード内のOTUとは遺伝的及び系統的に異なると識別することができる一方で、同じクレードに属するOTUは近縁関係にある。同じクレードに属するOTUは、進化的に近縁関係にあり、16S-V4配列データを使用して互いに識別され得るかまたはされ得ない。同じクレードのメンバーは、それらの進化上の関連性に起因して、微生物エコロジーにおいて、ヒトの腸に見られるように類似する機能的役割を果たす。同じクレードからの別の種がある種の代わりとなる組成物は、保存された生態学的機能を有する可能性が高く、したがって、本発明において有用である。全てのOTUは、それらが芽胞を形成する推定上の能力、及びそれらが病原体または病原性共生生物であるかどうかに関して表される(「病原性共生生物」の説明については定義を参照のこと)。NIAID(National Institute of Allergy及びInfectious Disease)の優先病原体は、「カテゴリーA」、「カテゴリーB」、または「カテゴリーC」で表され、また日和見病原体は、「OP」で表される。病原性ではない、またはそれらが病原体として存在する能力が知られていないOTUは、「N」で表される。「配列番号」は、配列表ファイル内のOTUの識別子を表し、「公開DB受入番号」は、公的な配列リポジトリ内のOTUの識別子を表す。
表2は、系統クレード、及び16S全長及びV4のシーケンシングを用いて決定したそれらのメンバーを提供する。
表3は、提供された細菌組成物が有用であるヒト疾患、障害、及び状態のリストである。
表4a。インビトロで試験した本発明の代表的な組み合わせを提供する。
表4b。インビトロで試験した本発明の代表的な組み合わせを提供する。
表5は、CivSimアッセイ及びインビボにおける本発明の代表的な三元OTUの組み合わせの試験からのデータを提供する。
表6は、15個のメンバー細菌組成物がVREをインビトロで阻害する能力に関するデータを提供する。
表7は、15個のメンバー細菌組成物がクレブシエラ・ニューモニエをインビトロで阻害する能力に関するデータを提供する。
表8は、15個のメンバー細菌組成物がモーガネラ・モーガニイをインビトロで阻害する能力に関するデータを提供する。
表9は、クロストリジウム・ディフィシル感染予防マウスモデルに対する本発明の組み合わせの有効性を実証するデータを提供する。
表10は、クロストリジウム・ディフィシル感染予防マウスモデルに対して試験した本発明の例示的な組み合わせを提供する。
表11は、クロストリジウム・ディフィシル関連下痢性疾患に罹患した患者を治療するために用いられる細菌組成物に関連する細菌OTU、及び治療後の患者において、より多様な微生物エコロジーを確立するために生着及び生態学的増大を経るOTUを含むOTUを提供する。増大したエコロジーを含むOTUは、治療前の患者には存在せず、かつ/または極端に低い頻度で存在するため、それらは、著しい割合の総微生物保菌を含まず、ゲノム及び/または微生物学的アッセイ方法によって検出不可能である。生着中の及び増大したエコロジーのメンバーであるOTUは、治療後にそれらの相対的存在量が増加し、かつ、それぞれが、(i)エタノール処理した芽胞調製物中に存在し、治療前の患者には存在しないか、または(ii)エタノール処理した芽胞調製物中には存在しないが、治療による好ましい成長条件の形成によって本調製物での治療後の時間とともにそれらの相対的存在量が増加する、OTUを特性評価することによって同定した。とりわけ、増大するOTUは、対象における低い頻度のレゼルボアから成長させることができるか、または食事等の外来性源から導入され得る。治療細菌組成物中に「コア」組成物を含むOTUが示されている。
表12は、帰無仮説の99%信頼区間(CI)よりも高い平均対数阻害によって測定されるクロストリジウム・ディフィシルに対する阻害を示し(実施例6、++++を参照)、組成物を用いた治療後に、少なくとも1つの芽胞エコロジーによる治療において、またはヒト対象マイクロバイオームにおいて同定される細菌組成物を提供する。
表13は、クロストリジウム・ディフィシル関連下痢性疾患に罹患した対象に投与された細菌治療薬に含まれていた4mer~10merの細菌組成物の例を提供する。
表14は、芽胞エコロジー組成物を用いた治療後に、(治療に応答した29人のうちの)少なくとも1人の患者において生着または増大した例示的な三元OTUを提供する。各三元的組み合わせは、全ての用量に存在するか、または治療後のある時点で、三元的組み合わせの生物が全ての対象内に一緒に存在するかのいずれかであった。
表15は、少なくとも1つの対象内に生着させた例示的なOTUを提供する。三元的組み合わせは、投与された芽胞エコロジー組成物の用量のうち95%に見られた。
表16は、芽胞エコロジー組成物を用いて治療した後、少なくとも1人の患者において増大した例示的なOTUを提供する。三元的組み合わせは、治療後のある時点で対象の少なくとも75%に一緒に見られた。
表17は、投与された芽胞エコロジー組成物の用量のうち少なくとも75%に存在した例示的なOTUの組み合わせを提供する。列挙される三元的組み合わせを含有する全ての投与用量が、三元組成物を含有する用量を投与された対象において、増大しているかまたは生着しているかのいずれかであるOTUクロストリジウム種SM4/1を有していた。
表18は、投与された芽胞エコロジー組成物の用量のうち少なくとも75%に存在した例示的な三元OTUの組み合わせを提供する。列挙される三元的組み合わせを含有する全ての投与用量が、三元的組み合わせを含有する組成物を投与された対象において、増大しているかまたは生着しているかのいずれかであるOTUクロストリジウム種SSC/2を有していた。
表19は、投与された芽胞エコロジー組成物の用量のうち少なくとも75%に存在したOTUの例示的な三元的組み合わせを提供する。列挙される三元的組み合わせを含有する全ての投与用量が、三元的組み合わせを含有する組成物を投与された対象において、増大しているかまたは生着しているかのいずれかであるOTUクロストリジウム種NML 04A032を有していた。
表20は、投与された芽胞エコロジー組成物の用量のうち少なくとも75%に存在したOTUの例示的な三元的組み合わせを提供する。列挙される三元的組み合わせを含有する全ての投与用量が、三元的組み合わせを含有する組成物を投与された対象において、増大しているかまたは生着しているかのいずれかであるOTUクロストリジウム種NML 04A032、ルミノコッカス・ラクタリス、及びルミノコッカス・トルキースを有していた。
表21は、投与された芽胞エコロジー組成物の用量のうち少なくとも75%に存在するOTUの例示的な三元的組み合わせを提供する。列挙される三元的組み合わせを含有する全ての投与用量が、三元的組み合わせを含有する組成物を投与された対象において、増大しているかまたは生着しているかのいずれかであるOTUユウバクテリウム・レクターレ、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ、オスシリバクター(Oscillibacter)種G2、ルミノコッカス・ラクタリス、及びルミノコッカス・トルキースを有していた。
表22は、本発明の実施形態のOTUに見られる生物の代替名称を提供する。
例示的な系統樹、及びOTUとクレードの関係を示す。A、B、C、D、及びEは、系統樹の葉としても知られるOTUを表している。クレード1は、OTU A及びBを含み、クレード2は、OTU C、D及びEを含み、クレード3は、OTU D及びEを含むクレード2のサブセットである。系統樹内のクレードを定義する系統樹内のノードは、統計学的に支持されていてもまたは統計学的に支持されていなくてもよい。クレード内のOTUは、別のクレード内のOTUよりも互いに類似している:クレード帰属のロバスト性は、クレード内のOTUの上流にあるノードに対する統計的支持の程度によって示される。 16S rDNA遺伝子の略図を提供し、本発明の実施形態による超可変領域1~9 (V1~V9)の座標を示す。V1~V9の座標は、BrosiusらのComplete nucleotide sequence of a 16S ribosomal RNA gene(16S rRNA)from Escherichia coli, PNAS 75(10):4801-4805(1978)によって定義される大腸菌系の命名法を用いたナンバリングに基づいて、それぞれ、69-99、137-242、433-497、576-682、822-879、986-1043、1117-1173、1243-1294、及び1435-1465である Brosiusら(上記参照)によって記載される例示的な参照大腸菌16S配列内の各超可変領域のヌクレオチド配列を太字で強調表示している。 は、インビトロで試験した本発明の代表的な組み合わせ、及びこれらそれぞれの病原体成長の阻害を提供する。 本発明の実施形態に従って、ネットワークエコロジー細菌組成物の有効性を検証するために、ハムスターのクロストリジウム・ディフィシル再発防止インビボモデルを示す。 治療前及び微生物芽胞エコロジーを用いた治療後の、再発性クロストリジウム・ディフィシル関連疾患に罹患したヒト対象の腸内における全体的な微生物多様性の増加(Chao-1多様性指数を用いて測定される)を示す。 治療前及び微生物芽胞エコロジーを用いた治療後の、再発性クロストリジウム・ディフィシル関連疾患に罹患したヒト対象の腸内における、マイクロバイオームの組成変化(Bray-CurtisのPCoA測定基準を用いて測定される)を示す定義
本明細書で使用される場合、「抗酸化剤」という用語は、限定されないが、活性酸素種(「ROS」)ならびに他のラジカル種及び非ラジカル種によって促進される酸化または反応を阻害する、β‐カロチン(ビタミンA前駆体)、ビタミンC、ビタミンE、及びセレン等の種々の物質のうちのいずれか1つ以上を指す。
また、抗酸化剤は、他の分子の酸化を遅らせるかまたは防止することができる分子である。抗酸化剤の非限定例として、アスタキサンチン、カロテノイド、コエンザイムQ10(「CoQ10」)、フラボノイド、グルタチオン、ゴジ(ウルフベリー)、ヘスペリジン、ラクトウルフベリー、リグナン、ルテイン、リコペン、ポリフェノール、セレン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ゼアキサンチン、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
「バックボーンネットワークエコロジー」または単に「バックボーンネットワーク」は、ネットワークエコロジーまたは機能的ネットワークエコロジーが、それぞれ、特定の生物学的特徴を有するかまたは所望の機能的特性を含むように構築され得るかまたは差し引かれ得る、基礎を成す組成を形成する微生物の組成である。マイクロバイオーム治療薬は、それらの全体がこれらの「バックボーンネットワークエコロジー」からなってもよいか、または「バックボーンネットワーク」は、ネットワークエコロジーに所望の特徴及び特性を付与するように「R群」の付加または除去によって修飾されてもよい。本明細書で使用される「R群」は、限定されないが、個々のOTU、特定の系統クレードまたは芽胞を形成する能力等の所望の表現型に由来する個々のまたは複数のOTU、または機能的細菌組成物を含む複数の用語で定義することができる。「バックボーンネットワーク」は、その全体が計算に基づいて得られたネットワークエコロジーを含むことができるか、または、限定されないが、キーストーンOTUの組成物等の、有効性に寄与するネットワーク内のキーノードを代表する計算されたネットワークのサブセットであってもよい。ヒト胃腸管内の生物数、及び健常な個体間の多様性は、健康な腸マイクロバイオームエコロジーの機能的冗長性を示す。The Human Microbiome Consortia. 2012. Structure、functionand diversity of the healthy human Microbiome. Nature 486: 207-214.を参照のこと。この冗長性は、OTUまたは機能的経路(すなわち、「バックボーンネットワーク」)の非明確なサブセットが、健康な状態を維持するため、及び腸内菌共生バランス失調状態から健康状態のうちの1つへの移行を触媒するために不可欠である可能性を高める。この冗長性を活用する1つの方法は、所与のクレード(下記参照)を共有するOTUの置換によるか、またはバックボーンネットワークには見られないクレードのメンバーの付加によるものである。
「細菌組成物」は、2つ以上のOTUを含む微生物の共同体を指す。バックボーンネットワークエコロジー、機能的ネットワークエコロジー、ネットワーククラス、及びコアエコロジーは、あらゆる種類の細菌組成物である。「細菌組成物」はまた、1つの微生物または複数の微生物に由来する酵素の組成物も指すことができる。本明細書で使用去れる場合、細菌組成物は、治療用微生物組成物、予防用微生物組成物、芽胞集団、精製された芽胞集団、またはエタノール処理した芽胞集団を含む。
「クレード」とは、系統樹において統計学的に妥当なノードの下流にある、系統樹のOTUまたはメンバーを指す(図1)。クレードは、別個の単系統的な進化単位であり、ある程度の配列類似性を共有する系統樹内の一連の末端の葉を含む。クレードは階層的である。一実施形態において、クレードを定義するために選択される系統樹内のノードは、系統樹トポロジーを算出するために使用される基礎データに好適な解のレベルに依存する。例示的なクレードは、表1及び表2に表示される。本明細書で使用される場合、細菌OTUのクレード構成要素は、16S配列データに基づいている。クレードは、系統学の当業者が精通している最尤法を使用して、完全長16S配列から構築される系統樹のトポロジーに基づいて定義される。クレードは、所与のクレード内の全てのOTUが、(i)既定の数のブートストラップで互いに支持されたノード内にあること、及び(ii)5%以内の遺伝的同一性であることを確実にするように構築される。同じクレード内のOTUは、16S-V4配列データに基づいて、異なるクレード内のOTUとは遺伝的及び系統的に異なると識別することができる一方で、同じクレードに属するOTUは近縁関係にある。同じクレードに属するOTUは、進化的に近縁関係にあり、16S-V4配列データを使用して互いに識別され得るかまたはされ得ない。同じクレードのメンバーは、それらの進化上の関連性に起因して、微生物エコロジーにおいて、ヒトの腸に見られるように類似する機能的役割を果たすか、または果たすと予測される。いくつかの実施形態において、クレードからのあるOTUは、同じクレードからの異なるOTUによって組成物内で置換され得る。
宿主生物体の「コロニー形成」は、細菌または他の顕微鏡的生物体の非一過性の常在を包含する。本明細書で使用される場合、病原性細菌または非病原性細菌による宿主被験体の消化管(または任意の他の微生物叢ニッチ)の「コロニー形成を低減すること」は、消化管中の病原体の常在時間の短縮、ならびに消化管中の、または消化管の管腔面に接着される病原体の数(または濃度)の低減を含む。コロニー形成の低減は、永久的であってもよいか、または一時的な期間の間に生じてもよい。付着した病原体の減少は、例えば、生検試料中の病原体負荷量を決定することによって、直接的に実証することができるか、または低減は、例えば、哺乳動物宿主の糞便中の病原体負荷量を測定することによって直接的に測定されてもよい。
2つ以上の細菌の「組み合わせ」は、同じ材料もしくは生成物中、または物理的に連結された生成物中のいずれかにおける2つの細菌の物理的な共存、及び2つの細菌の時間的な同時投与または共局在を含む。
本明細書で使用される「本質的になる」という用語は、Manual of Patent Examination及びProcedure (MPEP; March 2014)に提供されるような定義に従う。本明細書において請求される発明の基本的及び新規特徴は、哺乳動物対象、例えば、ヒトの、腸内菌共生バランス失調からより規範的な状態へのマイクロバイオームエコロジーにおける変化を触媒する能力、及び本明細書に記載されるマイクロバイオーム構成成分の生着及び増大を促進する能力を含む(例えば、表14~21を参照のこと)。より規範的な状態は、非限定例において、細菌叢異常に関連する疾患または障害の徴候または症状の低減を含むことができる。
「細胞傷害性の」活性または細菌は、病原菌細胞等の細菌細胞を死滅させる能力を含む。「細胞分裂抑制性の」活性または細菌は、病原菌細胞等の細菌細胞の成長、代謝、及び/または増殖を部分的または完全に阻害する能力を含む。細胞傷害性の活性は、限定されないが、真核生物細胞等の他の細胞型にも提供され得る。
「二量体」は、2つのOTUからなる細菌の組み合わせを指す。「ホモ二量体」及び「ヘテロ二量体」という記載は、2つのOTUが、それぞれ同じかまたは異なる組み合わせを指す。
「腸内菌共生バランス失調」は、生態学的ネットワークの正常な多様性及び/または機能が混乱した腸または他の身体領域、例えば粘膜表面または皮膚表面の微生物叢またはマイクロバイオームの状態を指す。たとえ、そのような細菌叢異常が検出可能な健康の低下をもたらさなくても、微生物叢の好ましい(例えば、理想的な)状態からのあらゆる混乱を、細菌叢異常であるとみなすことができる。この状態の細菌叢異常は不健康であり得るか、特定の条件下でのみ不健康であり得るか、または対象がより健康になるのを妨げ得る。細菌叢異常は、多様性の低下、1つ以上の病原体もしくは病原性共生生物の過剰成長、対象に特定の遺伝的条件及び/もしくは環境的条件が存在する場合にのみ疾患を引き起こすことが可能な相利共生生物、または、もはや宿主に有益な機能を提供せず、したがってもはや健康を促進しない生態学的ネットワークへの移行に起因し得る。
「生態学的ニッチ」または単に「ニッチ」は、生物または生物の群が占有する生態学的空間を指す。ニッチは、生物または集団または生物が、資源の分布、物理的パラメータ(例えば、宿主の組織空間)、及び競合相手(例えば、資源が豊富である場合、ならびに捕食者、寄生虫、及び病原体が不足している場合に成長することによって)にいかに応答するか、また、それが、今度はそれらの同じ因子をいかに変更するか(例えば、他の生物による資源へのアクセスを制限し、餌の捕食者及び消費者のための食物源として作用する)を説明する。
「発芽誘起物質」は、宿主生物内で及び/またはインビトロで、直接的または間接的に、休眠芽胞型の細菌、または芽胞型の細菌群の栄養生長を誘導することが可能な材料または組成物または物理化学的プロセスである。
病原体または非病原体の「阻害」は、本発明の細菌組成物の任意の所望の機能または活性の阻害を包含する。病原菌の成長の低下または病原菌のコロニー形成レベルの低下等の阻害の実証は、本明細書に提供され、さもなければ当業者によって認識される。病原性細菌または非病原性細菌の「成長」の阻害は、病原性細菌または非病原性細菌のサイズ増加の阻害、及び/あるいは病原性細菌または非病原性細菌の増殖(もしくは増倍)の阻害を含み得る。病原性細菌または非病原性細菌のコロニー形成の阻害は、治療の前及び後に病原体の量または負荷量を測定することによって証明されてもよい。「阻害」または「阻害する」という行為は、病原体の1つ以上の活性、例えば、成長、増殖、コロニー形成、及び機能等の完全な停止及び部分的な停止を含む。機能の阻害は、例えば、細菌組成物によって誘導される毒素または侵入型の線毛等の病原遺伝子産物の発現の阻害を含む。
「単離された」は、(1)(自然において、または実験環境において)最初に生成されたときに、それが関連していた構成成分のうちの少なくともいくつかから分離された、ならびに/または(2)人の手によって生成、調製、精製、及び/もしくは製造された、細菌または他の物体もしくは物質を包含する。単離細菌は、たとえそのような培養物が単一栽培でない場合であっても、培養されるこれらの細菌を含む。単離細菌は、それらが最初に関連していた他の構成成分の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、またはそれ以上から分離されてもよい。いくつかの実施形態において、単離細菌は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%より高いか、または約99%よりも高い純度である。いくつかの実施形態において、単離細菌は、は、それらが最初に関連していた他の構成成分の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上から分離される。いくつかの実施形態において、単離細菌は、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%より高いか、または約99%よりも高い純度である。本明細書で使用される場合、他の構成成分を実質的に含まない場合、物質は「純粋」である。「精製する」、「精製すること」、及び「精製された」という用語は、(自然において、もしくは実験環境において)最初に生成もしくは作成されたときに、またはその初期生成後の任意の期間の間に、それが関連していた構成成分のうちの少なくともいくつかから分離された細菌または他の材料を指す。細菌または細菌集団は、例えば、細菌または細菌集団を含有する材料もしくは環境から、または継代培養によって、生成時または生成後にそれが単離される場合に、精製されたとみなされ得、また精製された細菌または細菌集団は、最大約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約90%超まで他の材料を含有してもよく、なおも「単離された」とみなされ得る。他の実施形態において、精製された細菌または細菌集団は、最大10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または90%まで他の材料を含有してもよく、なおも「単離された」とみなされ得る。いくつかの実施形態において、精製された細菌及び細菌集団は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%より高いか、または約99%よりも高い純度である。いくつかの実施形態において、精製された細菌及び細菌集団は、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99%よりも高い純度である。本明細書に提供される細菌組成物の場合、組成物中に存在する1つ以上の細菌の種類は、独立して、細菌の種類を含有する材料または環境において生成される及び/または存在する1つ以上の他の細菌から精製され得る。細菌組成物及びその細菌構成成分は、一般的に残留生息環境産物から精製される。
「キーストーンOTU」または「キーストーン機能」は、多くのネットワークエコロジーまたは機能的エコロジーに共通であり、多くの対象に生じる(すなわち、広がっている)ネットワークのメンバーである、1つ以上のOTUまたは機能的経路(例えば、KEGGまたはCOG経路)を指す。キーストーンOTU及びそれらの関連する機能経路の遍在的性質に起因して、それらは健常な対象におけるネットワークエコロジーの機能の中心であり、疾患を有する対象において欠如しているかまたはレベルが低い。キーストーンOTU及びそれらの関連する機能は、対象において、低い、中程度の、または高い存在量で存在し得る。「非キーストーンOTU」または「非キーストーン機能」は、ネットワークエコロジーまたは機能的ネットワークエコロジーにおいて観察される、キーストーンOTUまたは機能ではない、OTUまたは機能を指す。
「微生物叢」は、典型的にはヒト等の哺乳動物である動物対象内及び動物対象上に(持続的にまたは一過性に)生じる、真核生物、古細菌、細菌、及びウイルス(細菌ウイルス、すなわちファージを含む)を含む微生物の群集を指す。
「マイクロバイオーム」は、持続的及び一過性の両方で、真核生物、古細菌、細菌、及びウイルス(細菌ウイルス(すなわち、ファージ)を含む)を含む、人体内及び人体上に生息する微生物の群集の遺伝的内容を指し、「遺伝的内容」は、ゲノムDNA、リボソームRNA等のRNA、エピゲノム、プラスミド、及び全ての他の種類の遺伝情報を含む。
「微生物保菌」または単に「保菌」は、ヒトの体内または体表のニッチに生息する微生物の集団を指す。保菌は、しばしば相対的存在量の観点から定義される。例えば、OTU1が全微生物の保菌の60%を含むということは、測定が行われた試料中の他のOTUと比較して、OTU1が60%の相対的存在量を有することを意味する。保菌は、ほとんどの場合ゲノムシーケンシングデータに基づいており、単一のOTUまたはOTU OTUの群の相対的存在量または保菌は、試料のシーケンシングリードの総数と比較してそのOTU/sに割り当てられるシーケンシングリードの数によって定義される。代替として、保菌は、微生物学的アッセイを用いて測定されてもよい。
「微生物の増大」または単に「増大」は、(i)投与された治療的微生物組成物中において存在しないかまたは検出不能であり(標準的なゲノム技術及び微生物学的技術の使用によって決定される)、(ii)微生物組成物の送達の前に、宿主のニッチ(例えば、胃腸管、皮膚、前鼻孔、または腟)において存在しないか、検出不能であるか、または低い頻度で存在し、(iii)微生物組成物の投与後に見られるか、または低い頻度で存在する場合は有意に(例えば、2倍、5倍、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、または1×10超)増加する、微生物の集団の確立または著しい増加を指す。増大されたエコロジーを含む微生物は、食物及び環境等の外来性の供給源から得ることができるか、またはそれらが低い頻度で存在する宿主内の微小ニッチから生じる。細菌性微生物組成物の投与は、これらの共生微生物の成長に好都合な条件を促進する標的ニッチにおける環境移行を誘導する。細菌組成物を用いた治療が行われない場合、宿主はこれらの微生物に絶えず曝露され得るが、持続的な成長、及び増大したエコロジーを含む微生物のレベルの増加した安定な集団に関連する正の健康効果は観察されない。
「微生物の生着」または単に「生着」は、治療前には治療される宿主中に存在しない標的ニッチにおける、細菌組成物中に存在するOTUの確立を指す。生着したエコロジーを含む微生物は、治療用微生物組成物中に見られ、治療時に宿主の微生物エコロジーの構成成分として確立する。生着したOTUは、一時的な期間中に確立することができるか、または細菌組成物を用いた治療後に宿主に集団形成する微生物エコロジーにおける長期安定性を示すことができる。生着したエコロジーは、腸内菌共生バランス失調のエコロジーから代表的な健常状態のエコロジーへの移行を触媒することが可能な共生微生物の成長に好都合な条件を促進する標的ニッチにおける環境移行を誘導することができる。
本明細書で使用される場合、「鉱物」という用語は、ホウ素、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、カリウム、セレン、ケイ素、スズ、バナジウム、亜鉛またはこれらの組み合わせを含むと理解されたい。
「ネットワークエコロジー」は、いくつかの対象において同時に生じるクレードまたはOTUの共同体を指す。本明細書で使用される場合、「ネットワーク」は、クレードまたはOTUの共同体の構造的エコロジーを定義するために、特定のノード(すなわち、クレードまたはOTU)及びエッジ(特定のクレードまたはOTU間の連結)とどのように互いに関連しているかを表すグラフによって数学的に定義される。任意の所与のネットワークエコロジーが、固有の系統的多様性及び機能的特性を有する。またネットワークエコロジーは、例えば、ノードが、限定されないが、酵素、オルソログ群のクラスタ(COGS;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK21090)、またはKEGG経路(www.genome.jp/kegg/)等の要素を含む場合、その機能的能力の観点において定義することもできる:これらのネットワークは、「機能的ネットワークエコロジー」と称される。機能的ネットワークエコロジーは、一緒になって機能的ネットワークエコロジーによって定義される機能を含むOTUの群を定義することによって、実行のために減らすことができる。
「ネットワーククラス」及び「ネットワーククラスエコロジー」は、類似する系統的特徴及び/または機能的特徴を有するエコロジーを含むように計算によって決定されるネットワークエコロジーの群を指す。したがって、「ネットワーククラス」は、関連するネットワークエコロジーの群(すなわち、クラスタ)の、系統的にまたは機能的に定義された重要な生物学的特性を含む。ネットワーククラスエコロジーの1つの表現は、多くの異なる対象に見られる系統的または機能的に関連する一連のネットワークエコロジーの中心となる特性を表す、微生物、典型的には非病原菌の、設計された共同体である。いくつかの場合において、ネットワーククラスは、本明細書に記載されるように設計される一方で、1つ以上の対象において観察されるネットワークエコロジーとして存在する。ネットワーククラスエコロジーは、根底にある関連ネットワークエコロジーが崩壊している場合、対象における細菌叢異常を回復または低減するのに有用である。
「非食用品」を含まないということは、本明明細書に提供される細菌組成物または他の材料が、相当量の食用品、例えば、ヒト対象への投与、例えば、経口投与に好適な生成物中に、食べられないか、有害であるか、またはさもなければ望ましくない生成物または材料を有しないことを意味する。非食用品は、従来技術からの細菌の製剤中にしばしば見られる。
「操作的分類単位」及び「OTU」(または複数形の「OTUs」)は、系統樹における末端の葉を指し、核酸配列、例えば、ゲノム全体、または特定の遺伝子配列、及び種のレベルでこの核酸配列と配列同一性を共有する全ての配列によって定義される。いくつかの実施形態において、特定の遺伝子配列は、16S配列または16S配列の一部であってもよい。他の実施形態において、2つの物体のゲノム全体が配列決定され、比較される。別の実施形態において、選択領域、例えば、多座位配列タグ(MLST)、特定の遺伝子、または一連の遺伝子等が遺伝学的に比較され得る。16Sの実施形態において、16S全体、または16Sのいくつかの可変領域にわたって≧97%の平均ヌクレオチド同一性を共有するOTUが、同じOTUであると見なされる。例えば、Claesson et
al.,2010.Comparison of two next-generation sequencing technologies for resolving highly complex microbiota composition using tandem variable 16S rRNA gene regions.Nucleic Acids Res 38: e200.Konstantinidis et al.,2006.The bacterial species definition in the genomic era. Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci 361:1929–1940を参照のこと。完全ゲノム、MLST、16S以外の特定の遺伝子、または一連の遺伝子に関与する実施形態において、≧95%の平均ヌクレオチド同一性を共有するOTUが、同じOTUであると見なされる。例えば、Achtman and Wagner.2008.Microbial diversity and the genetic
nature of microbial species.Nat.Rev.Microbiol.6:431–440;Konstantinidis et al.,2006,supra.The bacterial species definition in the genomic era.Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci 361:1929–1940を参照のこと。OTUは、生物間で配列を比較することによって定義することができる。一般的に、95%未満の配列同一性を有する配列は、同じOTUの一部を形成するとは見なされない。OTUはまた、ヌクレオチドマーカーまたは遺伝子の任意の組み合わせ、具体的には高度に保存された遺伝子(例えば、「ハウスキーピング」遺伝子)、またはこれらの組み合わせによっても特徴づけられ得る。そのような特徴づけは、例えば、WGSデータまたは全ゲノム配列を利用する。本明細書で使用される場合、細菌の「種類」は、株、種、クレード、または科のレベルであり得るOTUを指す。
下記の表1は、属、種、及び系統クレードに対してなされた分類学的帰属による操作的分類単位(OTU)のリストを示す。細菌OTUのクレードの構成要素は、16S配列データに基づいている。クレードは、系統学の当業者が精通している最尤法を使用して、完全長16S配列から構築される系統樹のトポロジーに基づいて定義される。クレードは、所与のクレード内の全てのOTUが、(i)既定の数のブートストラップで互いに支持されたノード内にあること、及び(ii)5%以内の遺伝的類似性であることを確実にするように構築される。同じクレード内のOTUは、16S-V4配列データに基づいて、異なるクレード内のOTUとは遺伝的及び系統的に異なると識別することができる一方で、同じクレードに属するOTUは近縁関係にある。同じクレードに属するOTUは、進化的に近縁関係にあり、16S-V4配列データを使用して互いに識別され得るかまたはされ得ない。同じクレードのメンバーは、それらの進化上の関連性に起因して、微生物エコロジーにおいて、ヒトの腸に見られるように類似する機能的役割を果たす。同じクレードからの別の種がある種の代わりとなる組成物は、保存された生態学的機能を有する可能性が高く、したがって、本発明において有用である。全てのOTUは、それらが芽胞を形成する推定上の能力、及びそれらが病原体または病原性共生生物であるかどうかに関して表される(「病原性共生生物」の説明については定義を参照のこと)。NIAID優先病原体は、「カテゴリーA」、「カテゴリーB」、または「カテゴリーC」で表され、また日和見病原体は、「OP」で表される。病原性ではない、またはそれらが病原体として存在する能力が知られていないOTUは、「N」で表される。「配列番号」は、配列表ファイル内のOTUの識別子を表し、「公開DB受入番号」は、公的な配列リポジトリ内のOTUの識別子を表す。
「病原性共生生物」または「病原体」は、特定の遺伝的要因または環境的要因に応じて、免疫媒介性の病態及び/または疾患を引き起こし得る健常宿主に見出される特定の細菌種を指す(Chow et al.、2011.Curr Op Immunol.Pathobionts of the intestinal microbiota and inflammatory disease.23:473-80)。病原性共生生物は、後天性感染性生物とは機構的に異なる日和見微生物である。本明細書で使用される「病原体」という用語は、後天性感染性生物及び病原性共生生物の両方を含む。
細菌または任意の他の生物または物体に関連する「病原体」、「病原性共生生物」、及び「病原性」は、限定されないが、糖尿病前症、1型糖尿病、または2型糖尿病を含む生物または物体を含有する宿主生物の疾患、障害、または状態を引き起こすかまたはそれらに影響を与えることが可能な任意のそのような生物または物体を含む。
「表現型」は、個々の物体の一連の観察可能な特徴を指す。例として、個々の対象は、「健康」または「疾患」の表現型を有し得る。表現型は、物体の状態を説明し、表現型内の全ての物体は、表現型を説明する同じ一連の特徴を共有する。個体の表現型は、部分的にまたは全体的に、物体のゲノム及び/またはマイクロバイオームと環境との、特に食事を含む、相互作用によって生じる。
「系統的多様性」は、ネットワークを含むOTUに基づく、所与のネットワークエコロジーまたはネットワーククラスエコロジーに存在する生物多様性を指す生物学的特徴である。系統的多様性は、相対的な用語であり、別のネットワークよりも比較的より系統的に多様であるネットワークエコロジーまたはネットワーククラスが、より多数の特融の種、属、及び分類学上の科を含有することを意味する。種、属、または分類学上の科の特有性は、一般的に、互いと比較して全ての種、属、または分類学上の科の遺伝的多様性を表す系統樹を用いて定義される。別の実施形態において、系統的多様性は、系統樹の枝の長さの合計または枝の長さの平均を用いて測定されてもよい。系統的多様性は、幅広い生物多様性を含めることによって、細菌組成物において最適化され得る。
「系統樹」は、定義された一連の系統学的再構築アルゴリズム(例えば、最節約、最尤、またはベイズ)を用いて作成される、ある遺伝子配列の別の遺伝子配列に対する進化的関係の図的表現を指す。系統樹内のノードは、異なる祖先の配列を表し、任意のノードの信頼度は、枝の不確実性を測定するブートストラップまたはベイズ事後確率によって提供される。
「糖尿病前症」は、血糖値が正常よりも高いが、糖尿病として分類されるほど十分には高くない状態を指す。糖尿病前症を有する個体は、10年以内に2型糖尿病を発症するリスクが高い。CDCによれば、糖尿病前症は、100~125mg/dLの空腹時血糖値、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)における糖負荷後2時間後で140~199mg/dLの血漿グルコース、または5.7%~6.4%のヘモグロビンA1c検査によって診断することができる。
「rDNA」、「rRNA」、「16S-rDNA」、「16S-rRNA」、「16S」、「16Sシーケンシング」、「16S-NGS」、「18S」、「18S-rRNA」、「18S-rDNA」、「18Sシーケンシング」、及び「18S-NGS」は、リボソームのRNAサブユニットをコードする核酸を指す。rDNAは、RNAサブユニットを含むrRNAをコードする遺伝子を指す。リボソーム内には、小サブユニット(SSU)及び大サブユニット(LSU)と称される2つのRNAサブユニットが存在する:これらのサブユニットのRNA遺伝子配列(rRNA)は、遺伝子コードによってそれらをコードする遺伝子(rDNA)に関連する。rDNA遺伝子及びそれらの相補的RNA配列は、可変であるが、生物分子の相互比較を可能にするのに十分に保存されているため、それらは生物の間の進化関係の決定に広く用いられる。典型的には、30S SSUの16S rDNA配列(約1542ヌクレオチド長)は、原核生物の分子に基づく分類学的帰属に用いられ、40S SSUの18S rDNA配列(約1869ヌクレオチド長)は、真核生物に用いられる。16S配列は、概して高度に保存されるが、大半の細菌の属及び種を区別するのに十分なヌクレオチド多様性を有する特定の超可変領域を含有するため、これらは系統学的再構築に用いられる。
「残留生息環境産物」は、ヒトまたは動物の体内または体表の微生物叢の生息環境に由来する材料を指す。例えば、微生物叢は、胃腸管内の糞便中、皮膚自体の上、唾液中、気道の粘液中、または尿生殖路の分泌物中(すなわち、微生物群集に関連する生物学的物質)に生息する。残留生息環境産物を実質的に含まないとは、細菌組成物が、ヒトまたは動物対象の体表または体内の微生物環境に関連する生物学的物質をもはや含有しておらず、微生物群集に関連する任意の混入する生物学的物質を、100%、99%、98%、97%、96%、または95%含有しないことを意味する。残留生息環境産物は非生物的物質(未消化の食物を含む)を含む可能性があるか、または望ましくない微生物を含む可能性がある。残留生息環境産物を実質的に含まないとは、細菌組成物がヒトまたは動物由来の検出可能な細胞を含有していないこと、及び、微生物細胞のみが検出可能であることも意味し得る。一実施形態において、残留生息環境産物を実質的に含まないとは、細菌組成物が検出可能なウイルス性(例えば、細菌ウイルス、すなわち、ファージ)、真菌性、マイコプラズマ混入物を含有していないことも意味し得る。別の実施形態において、それは、微生物細胞と比較して、細菌組成物中の生存可能な細胞の1×10-2%未満、1×10-3%未満、1×10-4%未満、1×10-5%未満、1×10-6%未満、1×10-7%未満、1×10-8未満がヒトまたは動物であることを意味する。この純度の程度を達成するための多くの方法が存在し、それらのいずれも限定的ではない。よって、連続的な単一コロニーからの反復する(限定されないが、2本等の)画線が唯一のコロニー形態を示すまで、複数ステップの画線培養によって所望の構成成分を固体培地上の単一コロニーになるまで単離することによって混入が減少し得る。代替として、混入の減少は、複数回の10倍段階希釈等により、単一の所望の細胞になるまでの複数回の段階希釈(例えば、10-8または10-9の希釈)によって達成することができる。これは、複数の単離コロニーが類似する細胞形態及びグラム染色挙動を有することを示すことによって、更に確認することができる。十分な純度を裏付けるための他の方法は、遺伝子解析(例えば、PCR、DNAシーケンシング)、血清学的分析及び抗原分析、酵素的分析及び代謝分析、ならびに所望の構成成分を混入物と区別する試薬を用いたフローサイトメトリー等の計測手段を用いる方法を含む。
「相乗作用」は、組み合わせ構成成分の予想される相加効果よりも大きな、例えば、2つの微生物(例えば、微生物または2つの異なる種または2つの異なるクレード)の組み合わせによって引き起こされる効果を指す。特定の実施形態において、2つ以上の微生物間の「相乗作用」は、病原体が成長する能力の阻害をもたらすことができる。例えば、それらの平均対数阻害が、各株の3倍高い用量を説明するために3で除した各構成細菌のホモ三量体の対数阻害の合計よりも高い場合、三元的組み合わせが、クロストリジウム・ディフィシルを相乗的に阻害し、または二元的組み合わせの場合、2で除した各構成細菌のホモ二量体の対数阻害の合計よりも大きい場合に阻害する。別の例において、相乗作用は、別々に試験した各細菌の対数阻害の合計によって表されるよりも高い阻害を示すOTU組成物を定義することによって算出することができる。他の実施形態において、相乗作用は、独立して測定される各構成細菌のホモ二量体またはホモ三量体の間に見られる最大対数阻害よりも高い阻害を示す組成物の特性として定義することができる。本明細書で使用される場合、「相乗作用」または「相乗的な相互作用」は、2つ以上の微生物が、それらの別々の効果の合計よりも大きな複合効果をもたらすための相互作用または共同作用を指す。
「芽胞」または「芽胞」の集団は、一般的に、生存可能であり、同じ細菌の栄養型よりも熱及び静菌剤等の環境影響に対する耐性が高く、典型的には、発芽及び伸長することが可能な細菌(または他の単細胞生物)を含む。芽胞は、特定の環境シグナルに応答し、それらを発芽させるまで、活性な代謝が存在しないことによって特徴づけられる。「芽胞形成体」または「芽胞を形成可能な」細菌は、好適な環境条件下で芽胞を生成する遺伝子及び他の必要な能力を有する細菌である。
「芽胞集団」は、組成物中に存在する複数の芽胞を指す。本明細書で用いられる同義語は、芽胞組成物、芽胞調製物、エタノール処理した芽胞分画、及び芽胞エコロジーを含む。芽胞集団は、例えば、エタノール処理もしくは熱処理、または密度勾配分離、あるいは試料中の芽胞の純度、効力、及び/または濃度を増加させるための本明細書に記載される方法によって、提供糞便から精製され得る。代替として、芽胞集団は、栄養型または芽胞型のいずれかにおいて、単離された芽胞形成体種もしくは芽胞形成体OTUから、またはそのような種の混合物から出発する培養方法によって得られてもよい。
一実施形態において、芽胞調製物は芽胞形成種を含み、この場合、残留する非芽胞形成種は、エタノール、洗剤、熱、音波処理等を含む化学的もしくは物理的処理によって不活性化されているか;または非芽胞形成種は、密度勾配、遠心分離、濾過、及び/もしくはクロマトグラフィーを含む種々の分離ステップによって芽胞調製物から除去されているか;または不活性化と分離方法を組み合わせて芽胞調製物を作製する。更に別の実施形態において、芽胞調製物は、生育可能な非芽胞形成体または栄養型の芽胞形成体を上回って濃縮される芽胞形成種を含む。この実施形態において、芽胞は、全ての栄養型の細菌と比較して、2倍、5倍、10倍、50倍、100倍、1000倍、10,000倍、または10,000倍より高く濃縮される。更に別の実施形態において、最終組成物が芽胞及び芽胞形成種由来の栄養型細菌を含むように、芽胞調製物中の芽胞は、処理及び製剤化中に部分的な発芽を経験する。
「芽胞形成誘導剤」は、宿主生物内で及び/またはインビトロで、直接的または間接的に、細菌における芽胞形成を誘導することが可能な材料または物理的化学的プロセスである。
「細菌芽胞の生成を増加させる」ことは、活性または芽胞形成誘導剤を含む。「生成」は、栄養型細菌細胞の芽胞への変換、及びそのような変換の速度の増大、ならびに芽胞型の細菌の発芽の減少、インビボもしくはエキソビボにおける芽胞腐食速度の低下、または芽胞の全生産量の増加(例えば、糞便材料の容積測定結果における増加による)を含む。
「対象」は、ヒト、実験動物(例えば、非ヒト霊長類、ラット、マウス)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シチメンチョウ、及びニワトリ)、ならびに家庭用ペット(例えば、イヌ、ネコ、及びげっ歯類)を含む任意の動物対象を指す。対象は、限定されないが、内毒血症、一次胆汁酸の代謝変化、免疫系の活性化、酪酸塩、プロピオン酸塩、酢酸塩を含む短鎖脂肪酸、及び分岐鎖脂肪酸の産生の不均衡または減少等の機構を含む、糖尿病または糖尿病前症として分類される状態に寄与するかまたはそれらを引き起こす細菌叢異常を患っている場合がある。
「三量体」は、3つのOTUからなる細菌の組み合わせを指す。「ホモ三量体」及び「ヘテロ三量体」という記載は、3つ全てのOTUが、それぞれ同じかまたは異なる組み合わせを指す。「半ヘテロ三量体」は、2つの構成成分が同じであり、第3の構成成分が異なる組み合わせを指す。
本明細書で使用される場合、「ビタミン」という用語は、体の正常な成長及び活性に微量で不可欠であり、植物性及び動物性食品から自然に得られるか、または合成によって作製される、プロビタミン、誘導体、類似体である、種々の脂溶性または水溶性の有機物質(非限定例として、ビタミンA、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラミン)、ビタミンB3(ナイアシンまたはナイアシンアミド)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール、またはピリドキサミン、または塩酸ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸)、及びビタミンB12(種々のコバラミン、一般的には、ビタミン補助剤中のシアノコバラミン)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、K1及びK2(すなわち、MK-4、MK-7)、葉酸及びビオチンが挙げられる)のうちのいずれかを含むと理解されたい。
「V1~V9領域」または「16S V1~V9領域」は、細菌試料の遺伝子型決定に使用される16S rDNA遺伝子の第1~第9の超可変領域を指す。細菌内のこれらの領域は、大腸菌系の命名法に基づくナンバリングを用いて、それぞれ、ヌクレオチド69-99、137-242、433-497、576-682、822-879、986-1043、1117-1173、1243-1294及び1435-1465によって定義される(Brosius et al.、1978.Complete nucleotide sequence of16S ribosomal RNA gene from Escherichia coli, PNAS USA 75(10):4801-4805)。いくつかの実施形態において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、及びV9領域のうちの少なくとも1つが、OTUを特性評価するために用いられる。一実施形態において、V1、V2、及びV3領域が、OTUを特性評価するために用いられる。別の実施形態において、V3、V4、及びV5領域が、OTUを特性評価するために用いられる。別の実施形態において、V4領域が、OTUを特性評価するために用いられる。当該技術分野の当業者は、該当する候補配列を参照配列と比較し、参照超可変領域との類似性に基づいて超可変領域を同定することによって候補16S rRNAの特定の超可変領域を同定することができるか、または、微生物または微生物群集の全ゲノムショットガン(WGS)配列の特徴づけを用いることができる。
本出願人は、存在する場合、対象、例えば、クロストリジウム・ディフィシルに関連する細菌叢異常等の細菌叢異常を有する対象の、マイクロバイオームの改善に関連する細菌の組み合わせを発見した。また、微生物の組み合わせは、健康なマイクロバイオームに関連する微生物の生着及び/または増大に関連していると同定された。本出願人はまた、抗生物質耐性または他の病原菌状態を治療するために有用であり得る微生物の組み合わせも同定した。いくつかの実施形態において、そのような組成物の微生物の内容は、生物を含み、他の実施形態において、組成物の微生物の内容は、生物から本質的になり、及び他の実施形態において、組成物の微生物の内容は、生物からなる。全ての場合において、組成物は、非微生物構成成分を含み得る。いくつかの場合において、組成物は、本明細書に記載されるように、少なくとも2つの生物(例えば、3つの生物)またはそれ以上を含む。
細菌における抗生物質耐性の出現
抗生物質耐性は、新たに出現した公衆衛生上の課題である(Carlet et al.、2011.Society’s failure to protectprecious resource: antibiotics.Lancet 378:369–371)。細菌の多数の属が、抗生物質に対する耐性を獲得する種を有する。これらは、限定されないが、バンコマイシン耐性エンテロコッカス(VRE)及びカルバペネム耐性クレブシエラ(CRKp)を含む。クレブシエラ・ニューモニエ及び大腸菌株は、カルバペネムに対して耐性を示すようになっており、コリスチン等の高い毒性を特徴とする古い抗生物質の使用を必要とする(Cantón et al.2012.Rapid evolution and spread of carbapenemases among Enterobacteriaceae in Europe.Clin Microbiol Infect 18:413–431)。緑膿菌、エンテロバクター種、及びアシネトバクター種を含む多数の種の更なる多剤耐性株が、セフタジジム、カルバペネム、及びキノロンに対する耐性の高い分離株を含むことが臨床的に観察されている(European Centre for Disease Prevention and Control:EARSS net database.http://ecdc.europa.eu.)。Centers for Disease Control and Preventionは、2013年に、クロストリジウム・ディフィシル、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、多剤耐性アシネトバクター、薬物耐性カンピロバクター、腸内細菌科細菌(ESBL)を産生する広域スペクトルβ-ラクタマーゼ、バンコマイシン耐性エンテロコッカス(VRE)、多剤耐性緑膿菌、薬物耐性非チフス性サルモネラ菌、薬物耐性サルモネラ・チフィ、薬物耐性赤痢菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、薬物耐性レンサ球菌ニューモニエ、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、エリスロマイシン耐性A群レンサ球菌、及びクリンダマイシン耐性B群レンサ球菌を含む多数の細菌感染の脅威に言及したThreat Report(http://www.cdc.gov/drugresistance/threat-report-2013/)を公開した。耐性微生物の増加による抗生物質の増え続ける失敗は、細菌感染を治療するための新しい治療法を必要としている。マイクロバイオーム治療用細菌組成物の投与は、そのような治療法の可能性を提供する。
出願人は、再発性のクロストリジウム・ディフィシル関連下痢症(CDAD)を患う対象が、抗生物質耐性グラム陰性細菌、具体的には腸内細菌科細菌を保有していることが多く、細菌組成物を用いた治療が、CDADを効果的に治療し、抗生物質耐性グラム陰性細菌を減少させるということを発見した。胃腸管は、VRE、MRSA、緑膿菌、アシネトバクター、及びカンジダ酵母を含むこれらの生物の多くのためのレゼルボアとして(Donskey、Clinical Infectious Diseases 2004 39:214,The Role of the Intestinal Tract asReservoirand Source for Transmission of Nosocomial Pathogens)、ひいては院内感染の源として関与するとされている。抗生物質治療及び他の除染手順は、免疫抑制された人々を含む感染しやすい対象におけるこれらの生物のコロニー形成を低減するために使用されるツールの1つである。細菌ベースの治療法は、抗生物質治療がするようには抗生物質耐性を増進させないという重要な利益を有する、除菌のための新しいツールを提供するであろう。
細菌組成物
哺乳動物宿主に投与されたときに、健康な微生物叢の機能を提供するか、または常在マイクロバイオームへの増大を触媒する能力を有する、ヒト腸微生物叢の細菌及び組み合わせが提供される。具体的には、細菌叢異常に関連する疾患、障害、及び状態の症状を治療するか、予防するか、遅延させるか、または軽減する相乗的な組み合わせが提供される。本明細書に記載される組成物及び方法を用いた治療に好適な、細菌叢異常と潜在的に関連する代表的な疾患、障害、及び状態は、表3に提供される。特定の機序に限定されるものではないが、そのような組成物は、腸内菌共生バランス失調の微生物叢ニッチにおいて、1つまたは複数の病原菌の成長、増殖、及び/またはコロニー形成を阻害すると考えられるため、健康な、多様な、及び保護性の微生物叢は、腸管腔でコロニー形成及び集団形成し、病原体または潜在的な病原体に対する生態学的制御を確立または再確立する(例えば、腸内菌共生バランス失調ではない環境に存在する場合、いくつかの細菌は病原菌のみである)。病原体の阻害は、クロストリジウム・ディフィシル、サルモネラ種、腸管病原性大腸菌、多剤耐性菌、例えば、クレブシエラ、及び大腸菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌 (ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)等の病原体を含む。
本明細書に提供される細菌組成物は、本明細書において更に詳細に提供されるように生成され、病原菌を阻害する際のその有効性が実証される。
特に、哺乳動物の腸生息環境の動態に関連する腸共生生物間のこれらの拮抗関係を特性評価するために、細菌病原体または病原性共生生物、典型的には消化管微生物の成長を阻害する(または拮抗する)能力を含むこれらの細菌組成物の有効性を実証する、インビトロでのマイクロプレートに基づいたスクリーニング系が提供される。これらの方法は、重要な腸病原体または病原性共生生物のインビボでの生態学的制御を回復するかまたは強化することが可能な、超微生物叢の種及びOTUの新規組み合わせを提供する。
細菌組成物は、2種類の細菌(「二元的組み合わせ」または「二元的対」と称される)または2種類を超える細菌を含み得る。3種類の細菌を含む細菌組成物は、「三元的組み合わせ」と称される。例えば、細菌組成物は、種もしくは操作的分類単位(OTU)によって定義されるような、またはさもなければ本明細書に提供されるような、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、または少なくとも21、22、23、24、25、26、27、28、2930、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または少なくとも40、少なくとも50、または50を超える種類の細菌を含み得る。一実施形態において、組成物は、表1から選択される少なくとも2種類の細菌を含んでもよい。
別の実施形態において、細菌組成物中に存在する種類の細菌の数は、既知の値以下である。例えば、そのような実施形態において、細菌組成物は、50またはそれよりも少ない種類の細菌、例えば、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、もしくは10種類以下、または、9種類以下の細菌、8種類以下の細菌、7種類以下の細菌、6種類以下の細菌、5種類以下の細菌、4種類以下の細菌、または3種類以下の細菌を含む。別の実施形態において、細菌組成物は、2~40種類以下、2~30種類以下、2~20種類以下、2~15種類以下、2~10種類以下、または2~5種類以下の細菌を含む。
いくつかの実施形態において、病原菌を排除する能力を有する細菌組成物が提供される。例示的な細菌組成物は、実施例に提供されるように、病原体の1つであるクロストリジウム・ディフィシルの成長速度を低下させることが実証されており、この場合、細菌組成物の能力は、インビトロアッセイを用いて、所与の病原体に対するOTUまたは株の組み合わせの拮抗活性を評価することによって実証される。
いくつかの実施形態において、クロストリジウム・ディフィシルを永続的に排除する能力を有する細菌組成物は、ヒト微生物叢中の構成成分に関する生態学的制御因子(Ecological Control Factor(ECF))を推定するための方法論を用いて開発される。ECFは、インビトロアッセイを用いて、所与の病原体に対する所与の市販の株または株の組み合わせの拮抗活性を評価することによって決定され、加えられる共生株の種々の濃度で観察されるレベルの生態学的制御が得られる。共生株または株の組み合わせのECFは、抗生物質の評価において用いられる長期にわたる最小発育阻止濃度(MIC)評価に若干類似している。ECFは、胃腸病原体を拮抗する能力について、共生株及び株の組み合わせの相対的な作用強度の評価及びランク付けを可能にする。共生株または株の組み合わせのECFは、インビトロアッセイにおいて、標的病原体の所与の阻害率(例えば、少なくとも10%、20%、50%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%)を調節することが可能な組成物の濃度を評価することによって算出され得る。インビトロアッセイにおいて胃腸病原体の複製率を著しく減少させることが可能なヒト微生物叢内の株の組み合わせまたはOTUが本明細書に提供される。これらの組成物は、そのような細菌病原体の成長、複製、及び疾患の重症度に影響を与える安全かつ効果的な手段を提供することが可能である。
少なくとも2種類の単離細菌を含む細菌組成物が調製されてもよく、第1の種類及び第2の種類は、表1に列挙される種またはOTUから独立して選択される。二元的対を含有する少なくとも2種類の単離細菌を含む細菌組成物の特定の実施形態は、表4aに反映される。更に、少なくとも2種類の単離細菌を含む細菌組成物が調製されてもよく、第1のOTU及び第2のOTUは、独立して、すなわち、表1に列挙される配列に対する少なくとも95%、96%、97%、98%、99%の、または100%を含む配列同一性によって特徴づけられる。一般的に、第1の細菌及び第2の細菌は、同じOTUではない。表1のOTUの配列リストファイルに提供される配列は、完全16S配列である。したがって、一実施形態において、第1及び/または第2のOTUは、表1に列挙されるOTUの完全16S配列によって特徴づけられてもよい。別の実施形態において、第1及び/または第2のOTUは、16S配列の可変領域(V1~V9)のうちの1つ以上によって特徴づけられてもよい。細菌におけるこれらの領域は、大腸菌系の命名法に基づくナンバリングを用いて、それぞれ、ヌクレオチド69-99、137-242、433-497、576-682、822-879、986-1043、1117-1173、1243-1294及び1435-1465によって定義される(例えば、Brosius et al.、Complete nucleotide sequence of16S ribosomal RNA gene from Escherichia coli、PNAS 75(10):4801-4805(1978)参照のこと)。いくつかの実施形態において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、及びV9領域のうちの少なくとも1つが、OTUを特性評価するために用いられる。一実施形態において、V1、V2、及びV3領域が、OTUを特性評価するために用いられる。別の実施形態において、V3、V4、及びV5領域が、OTUを特性評価するために用いられる。別の実施形態において、V4領域が、OTUを特性評価するために用いられる。
種によって説明される細菌組成物
いくつかの実施形態において、組成物は、その組成物中に含まれる種によって定義される。種を同定する方法は、当該技術分野において既知である。
操作的分類単位(OTU)によって説明される細菌組成物
OTUは、rDNA遺伝子の完全16Sシーケンシングによって、この遺伝子の特定の超可変領域(すなわち、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、またはV9)のシーケンシングによって、またはこの遺伝子からの超可変領域の任意の組み合わせ(例えば、V1-3またはV3-5)のシーケンシングによって定義され得る。細菌の16S rDNAは、約1500ヌクレオチド長であり、系統発的アプローチを用いてある細菌の分離株を別の細菌の分離株との進化的関係及び配列類似性を再構築する際に用いられる。16S配列は、概して高度に保存されるが、大半の微生物の属及び種を区別するのに十分なヌクレオチド多様性を有する特定の超可変領域を含有するため、これらは系統学的再構築に用いられる。周知の技術を使用して、完全16S配列、または16S配列の任意の超可変領域の配列を決定するために、細菌試料からゲノムDNAを抽出し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて16S rDNA(完全領域または特定の超可変領域)を増幅し、PCR産物を洗浄し、ヌクレオチド配列を明確にし、16S遺伝子または該遺伝子のサブドメインの遺伝子組成を決定する。完全16Sシーケンシングが行われる場合、使用されるシーケンシング方法は、限定されないが、サンガー・シーケンシングであってもよい。1つ以上の超可変領域、例えばV4領域が用いられる場合、シーケンシングは、限定されないが、サンガー法を用いて、または次世代シーケンシング法、例えば、多重反応を可能にするバーコード化プライマーを用いるイルミナ(合成によるシーケンシング)法等を用いて、行われてもよい。
特定の細菌種または株を含まない細菌組成物
一実施形態において、細菌組成物は、エンテロコッカス・フェカリス(以前は、ストレプトコッカス・フェカリスとして知られていた)、クロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・ラモスム、バクテロイデス・オバツス、バクテロイデス・ブルガタス、バクテロイデス・シータイオタオミクロン、大腸菌(1109及び1108-1)、クロストリジウム・ビフェルメンタンス、及びブラウティア・プロダクタ(以前は、ペプトストレプトコッカス・プロダクタスとして知られていた)のうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、アシダミノコッカス・インテスティナリス、バクテロイデス・オバツス、2種のビフィドバクテリウム・アドレセンティス、2種のビフィドバクテリウム・ロングム、コリンゼラ・アエロファシエンス、2種のドレア・ロンギカテナ、大腸菌、ユウバクテリウム・エリゲンス、ユウバクテリウム・リモサム、4種のユウバクテリウム・レクターレ、ユウバクテリウム・ベントリオサム、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・パラカゼイ、パラカテロイデス・ジスタソニス、ラオウルテラ種、1種のロゼブリア(ロセブリア・フェカリスまたはロセブリア・フェシスから選択される)、ロゼブリア・インテスティナリス、2種のルミノコッカス・トルキース、及びストレプトコッカス・ミティスのうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、バルネシエラ・インテスティニホミニス;ラクトバチルス・ロイテリ;エンテロコッカス・ヒラエの1つとして特徴づけられる種、エンテロコッカス・フェシウス、またはエンテロコッカス・デュラン;アネロスチペス・カッセまたはクロストリジウム・インドリスの1つとして特徴づけられる種;スタフィロコッカス・ワーネリまたはブドウ球菌パステウリの1つとして特徴づけられる種;及びアドラークルーツィア・エクオーリファシエンスのうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、クロストリジウム・アブソヌム、クロストリジウム・アルガンチネンセ、クロストリジウム・バラチイ、クロストリジウム・ビフェルメンタンス、クロストリジウム・ボツリヌム、クロストリジウム・ブチリクム、クロストリジウム・カダベリス、クロストリジウム・カミス、クロストリジウム・セラツム、クロストリジウム・ショウベイ、クロストリジウム・クロストリジオフォルメ、クロストリジウム・コレアリウム、クロストリジウム・ディフィシル、クロストリジウム・ファラックス、クロストリジウム・フェルシネウム、クロストリジウム・ゴニイ、クロストリジウム・グリコリクム、クロストリジウム・ヘモリチクム、クロストリジウム・ハスチフォルメ、クロストリジウム・ヒストリチクム、クロストリジウム・インドリス、クロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・イレグラレ、クロストリジウム・リモサム、クロストリジウム・マレノミナツム、クロストリジウム・ノブイ、クロストリジウム・オロチクム、クロストリジウム・パラプトリフィクム、クロストリジウム・パーフリンゲンス、クロストリジウム・ピリフォルメ、クロストリジウム・プトレファシエンス、クロストリジウム・プトリフィクム、クロストリジウム・ラモスム、クロストリジウム・サルジニエンス、クロストリジウム・サルタゴフォルメ、クロストリジウム・シンデンス、クロストリジウム・セプチクム、クロストリジウム・ソルデリイ、クロストリジウム・スフェノイデス、クロストリジウム・スピロフォルメ、クロストリジウム・スポロゲネス、クロストリジウム・スブテルミナレ、クロストリジウム・シンビオサム、クロストリジウム・テルチウム、クロストリジウム・テタニイ、クロストリジウム・ウェルキイ、及びクロストリジウム・ビロスムのうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、クロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・ビフェルメンタンス、クロストリジウム・ブチリクム、バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・シータイオタオミクロン、バクテロイデス・ユニフォルミス、大腸菌の3つの株、及びラクトバチルス種のうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、クロストリジウム・ビフェルメンタンス、クロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・ブチリクム、大腸菌の3つの株、バクテロイデスの3つの株、及びブラウティア・プロダクタ(以前は、ペプトストレプトコッカス・プロダクタスとして知られていた)のうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、バクテロイデス種、大腸菌、及び非病原性クロストリジウム(クロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・ビフェルメンタンス、及びクロストリジウム・ラモスムを含む)のうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、バクテロイデス種、大腸菌、及び非病原性クロストリジウム(クロストリジウム・ブチリクム、クロストリジウム・ビフェルメンタンス、及びクロストリジウム・イノキューム等)のうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、バクテロイデス・カッセ、バクテロイデス・カピロズス、バクテロイデス・コアグランス、バクテロイデス・ディスタソニス、バクテロイデス・エゲルチイ、バクテロイデス・フォルシツス、バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・フラギリス‐リイム、バクテロイデス・グラシリス、バクテロイデス・レビイ、バクテロイデス・マカケ、バクテロイデス・メルデ、バクテロイデス・オバツス、バクテロイデス・ニューモシンテス、バクテロイデス・プトレディニス、バクテロイデス・ピロゲネス、バクテロイデス・スプランクニクス、バクテロイデス・ステルコリス、バクテロイデス・テクツム、バクテロイデス・シータイオタオミクロン、バクテロイデス・ユニフォルミス、バクテロイデス・ウレオリチクス、及びバクテロイデス・ブルガタスのうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、バクテロイデス・ユーバクテリア、フソバクテリア、プロピオニバクテリア、ラクトバシリ、嫌気性球菌、ルミノコッカス、大腸菌、ゲムニゲル、デスルフォモナス、及びペプトストレプトコッカスのうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、バクテロイデス・フラギリスss.ブルガツス、ユウバクテリウム・アエロファシエンス、バクテロイデス・フラギリスss.シータイオタオミクロン、ブラウティア・プロダクタ(以前は、ペプトストレプトコッカス・プロダクタスIIとして知られていた)、バクテロイデス・フラギリスss.ディスタソニス、フソバクテリウム・プラウスニッツィ、コプロコッカス・オイタクツス、ユウバクテリウム・アエロファシエンスIII、ブラウティア・プロダクタ(以前は、ペプトストレプトコッカス・プロダクタスIとして知られていた)、ルミノコッカス・ブロミイ、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス、ゲムニゲル・フォルミシリス、ビフィドバクテリウム・ロングム、ユウバクテリウム・シレウム、ルミノコッカス・トルキース、ユウバクテリウム・レクターレIII-H、ユウバクテリウム・レクターレIV、ユウバクテリウム・エリゲンス、バクテロイデス・エゲルシイ、クロストリジウム・レプツム、バクテロイデス・フラギリスss.A、ユウバクテリウム・ビフォルメ、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ユウバクテリウム・レクターレIII‐F、コプロコッカス・コメス、バクテロイデス・カピロズス、ルミノコッカス・アルブス、ユウバクテリウム・フォルミシゲネランス、ユウバクテリウム・ハリイ、ユウバクテリウム・ベントリオスムI、フソバクテリウム・ルシイ、ルミノコッカス・オベウム、ユウバクテリウム・レクターレII、クロストリジウム・ラモスムI、ラクトバチルス・レイクマニイ、ルミノコッカス・カイリヅス、ブチリビブリオ・クロソツス、アシダミノコッカス・フェルメンタンス、ユウバクテリウム・ベントリオスム、バクテロイデス・フラギリスss.フラギリス、バクテロイデスAR、コプロコッカス・カツス、ユウバクテリウム・ハドルム、ユウバクテリウム・シリンドイデス、ユウバクテリウム・ルミナンチウム、ユウバクテリウムCH‐1、スタフィロコッカス・エピデルミディス、ペプトストレプトコッカスBL、ユウバクテリウム・リモサム、バクテロイデス・プレアクツス、バクテロイデスL、フソバクテリウム・モルチフェルムI、フソバクテリウム・ナビフォルメ、クロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・ラモスム、プロピオニバクテリウム・アクネス、ルミノコッカス・フラベファシエンス、ルミノコッカスAT、ペプトコッカスAU‐1、ユウバクテリウムAG、-AK、-AL、-AL-1、-AN、バクテロイデス・フラギリスss.オバツス、‐ss.d、‐ss.f;バクテロイデスL‐1、L‐5;フソバクテリウム・ヌクレアツム、フソバクテリウム・モルチフェルム、大腸菌、ストレプトコッカス・モルビリオルム、ペプトコッカス・マグヌス、ペプトコッカスG、AU‐2;ストレプトコッカス・インテルメディウス、ルミノコッカス・ラクタリス、ルミノコッカスCOゲムニゲルX、コプロコッカスBH、‐CC;ユウバクテリウム・テヌエ、ユウバクテリウム・ラムルス、ユウバクテリウムAE、‐AG‐H、‐AG‐M、‐AJ、‐BN‐1;バクテロイデス・クロストリジフォルミス ss.クロストリジフォルミス、バクテロイデス・コアグランス、バクテロイデス・オラリス、バクテロイデス・ルミニコラss.ブレビス、‐ss.ルミニコラ、バクテロイデス・スプランキニクス、デスイフォルモナス・ピグラ、バクテロイデスL‐4、‐N‐i;フソバクテリウムH、ラクトバチルスG、及びスクシニビプリオAのうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、ビフィドバクテリウム・ビフィダムW23、ビフィドバクテリウム・ラクティスW18、ビフィドバクテリウム・ロングムW51、エンテロコッカス・フェシウムW54、ラクトバチルス・プランタルムW62、ラクトバチルス・ラムノーサスW71、ラクトバチルス・アシドフィラスW37、ラクトバチルス・アシドフィラスW55、ラクトバチルス・パラカゼイW20、及びラクトバチルス・サリバリウスW24.のうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、アナエロツルンカス・コリホミニスDSM 17241、ブラウティア・プロダクタJCM 1471、クロストリジウム細菌1 7 47FAA、クロストリジウム・アスパラギホルメ(asparagiforme)DSM 15981、クロストリジウム細菌JC13、クロストリジウム・ボルテアエATCC BAA 613、クロストリジウム・ハセワイDSM 13479、クロストリジウム・インドリス CM971、クロストリジウム・ラモスムDSM 1402、クロストリジウム・サッカログミアSDG Mt85 3Db、クロストリジウム・シンデンスVP 12708、クロストリジウム種7 3 54FAA、ユウバクテリウム・コントルタムDSM 3982、ラクノスピラ細菌3 1 57FAA CT1、ラクノスピラ細菌7 1 58FAA、及びルミノコッカス種ID8のうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、アナエロツルンカス・コリホミニス DSM 17241、ブラウティア・プロダクタJCM 1471、クロストリジウム細菌1 7
47FAA、クロストリジウム・アスパラギホルメ(asparagiforme)DSM 15981、クロストリジウム細菌JC13、クロストリジウム・ボルテアエATCC BAA 613、クロストリジウム・ハセワイ DSM 13479、クロストリジウム・インドリス CM971、クロストリジウム・ラモスムDSM 1402、クロストリジウム・サッカログミアSDG Mt85 3Db、クロストリジウム・シンデンス VP 12708、クロストリジウム種7 3 54FAA、ユウバクテリウム・コントルタムDSM 3982、ラクノスピラ細菌3 1 57FAA CT1、ラクノスピラ細菌7 1 58FAA、オシロスピラ科細菌NML 061048、及びルミノコッカス種ID8のうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、クロストリジウム・ラモスムDSM 1402、クロストリジウム・サッカログミアSDG Mt85 3Db、及びラクノスピラ細菌7 1 58FAA.のうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、クロストリジウム・ハセワイDSM 13479、クロストリジウム・サッカログミアSDG Mt85 3Db、クロストリジウムsp 7 3 54FAA、及びラクノスピラ細菌3 1 57FAA CT1のうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、アナエロツルンカス・コリホミニス DSM 17241、ブラウティア・プロダクタJCM 1471、クロストリジウム細菌JC13、クロストリジウム・シンデンスVP 12708、及びルミノコッカス種ID8.のうちの少なくとも1つを含まない。
別の実施形態において、細菌組成物は、クロストリジウム細菌1 7 47FAA、クロストリジウム・アスパラギホルメ(asparagiforme)DSM 15981、クロストリジウム・ボルテアエATCC BAA 613、クロストリジウム・インドリス CM971、及びラクノスピラ細菌7 1 58FAA.のうちの少なくとも1つを含まない。
細菌病原体の阻害
細菌組成物は、1つ以上の対象となるGI病原体による感染に対する保護効果または治療効果を提供し、そのいくつかを表3に列挙する。
いくつかの実施形態において、病原菌は、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、これらの病原体は、エロモナス・ハイドロフィラ、カンピロバクター・フィタス、プレジオモナス・シゲロイデス、バチルス・セレウス、カンピロバクター・ジェジュニ、クロストリジウム・ボツリヌム、クロストリジウム・ディフィシル、クロストリジウム・パーフリンジェンス、腸管凝集性大腸菌、腸管出血性大腸菌、腸管組織侵入性大腸菌、毒素原性大腸菌(限定されないが、LT及び/またはST等)、大腸菌O157:H7、フザリウム種、ヘリコバクター・ピロリ、クレブシエラ・ニューモニエ、クレブシエラ・オキシトカ、リステリア・モノサイトゲネス、モーガネラ種、プレジオモナス・シゲロイデス、プロテウス種、プロビデンシア種、サルモネラ種、サルモネラ・チフィ、サルモネラ・パラチフィ、赤痢菌種、ブドウ球菌種、黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性エンテロコッカス種、ビブリオ種、ビブリオ・コレラエ、ビブリオ・パラヘモリチカス、ビブリオ・バルニフィカス、及び腸炎エルシニアを含む。
一実施形態において、対象となる病原体は、クロストリジウム・ディフィシル、サルモネラ種、病原性大腸菌、バンコマイシン耐性エンテロコッカス種、及び基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)から選択される少なくとも1つの病原体である。
細菌組成物の保護効果を立証するインビトロアッセイ
一実施形態において、細菌組成物またはそのサブセットとクロストリジウム・ディフィシルとの間の競合を利用したインビトロアッセイが提供される。アッセイの例示的実施形態は、ここに及び実施例に提供される。
別の実施形態において、10%(wt/vol)滅菌濾過糞便(SFS)を用いたインビトロアッセイが提供される。提供されるのは、細菌組成物の保護効果を試験するため、及び病原体の成長を阻害する微生物の組み合わせについてインビトロでスクリーンするためのインビトロアッセイである。アッセイは、自動ハイスループットモードまたは手動モードで操作することができる。いずれのシステムの下でも、予備還元したPBSまたは他の好適な緩衝剤、遠心分離によって除去され、濾過滅菌された微粒子等の嫌気性緩衝液にヒトまたは動物の糞便を再懸濁してもよい。この10%滅菌濾過糞便材料は、インビトロアッセイの基本培地としての役割を果たす。細菌組成物を試験するために、治験責任者は、第1のインキュベーション期間の間、それを滅菌濾過糞便材料に加えてもよく、次いで、第2のインキュベーション期間の間、インキュベートした微生物溶液に対象となる病原体を播種してもよい。得られた病原体の力価は、後述するような任意の数の方法によって定量化されてもよく、病原体の量における変化を細菌組成物の非存在下で栽培した病原体を含む標準対照と比較する。アッセイは、少なくとも1つの対照を使用して実施される。健常な対象からの糞便は、陽性対照として使用され得る。陰性対照として、抗生物質で処理した糞便または熱処理した糞便が使用され得る。種々の細菌組成物が、この材料及び任意選択で陽性及び/または陰性対照と比較される細菌組成物中で試験され得る。病原体の成長を阻害する能力は、インキュベートした材料をクロストリジウム・ディフィシル選択培地に播種して、コロニーを計数することによって測定されてもよい。細菌組成物とクロストリジウム・ディフィシルとの競合後、インビトロアッセイプレートの各ウェルは、10倍段階希釈を6回行い、限定されないが、サイクロセリンセフォキシチンマンニトール寒天(CCMA)またはサイクロセリンセフォキシチンフルクトース寒天(CCFA)等の選択培地上に播種し、次いで、インキュベートしたクロストリジウム・ディフィシルのコロニーを計数して、競合終了時に各ウェル内の生存可能な細胞の濃度を算出する。クロストリジウム・ディフィシルのコロニーは、それらの特徴的な辺縁不整のコロニー形態、及び紫外線下の蛍光によって確認される。
別の実施形態において、インビトロアッセイは、抗生物質処理した糞便を用いる。代替の実施形態において、また10%滅菌濾過糞便を使用する代わりに、ヒトまたは動物の糞便を、予備還元したPBSまたは他の好適な緩衝剤等の嫌気性緩衝液に再懸濁してもよい。健常な対象からの糞便がクロストリジウム・ディフィシルの成長を阻害する能力を低下させるために、再懸濁した糞便は、クリンダマイシン等の抗生物質、またはいくつかの抗生物質のカクテルで処理される:この材料は、抗生物質処理マトリックスと称される。いずれかの機序に拘束されるものではないが、健常な対象において有益な細菌は、クロストリジウム・ディフィシルと競合することによって彼らを感染から保護すると考えられる。糞便を抗生物質で処理することによりこれらの有益な細菌の集団を死滅させるかまたは減少させ、クロストリジウム・ディフィシルがこのアッセイマトリクス中で成長できるようにする。正常なフローラを阻害するクリンダマイシンの他に、抗生物質としてセフトリアキソン及びピペラシリン・タゾバクタムが挙げられ、クリンダマイシンで置き換えられてもよい。あらゆる残留抗生物質を除去するために、抗生物質で処理したマトリックスを遠心分離にかけ、上清を除去し、パレット化した材料を濾過滅菌した希釈糞便に再懸濁する。この洗浄された抗生物質で処理したマトリックスは、10%滅菌濾過糞便の代わりに前述のインビトロアッセイに使用されてもよい。
また、細菌組成物またはそのサブセットとバンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウムとの間の競合を利用したインビトロアッセイも提供される。このアッセイの例示的な実施形態は、ここに及び実施例に提供される。
また、細菌組成物またはそのサブセットとモーガネラ・モーガニイとの間の競合を利用したインビトロアッセイも提供される。このアッセイの例示的な実施形態は、ここに及び実施例に提供される。
また、細菌組成物またはそのサブセットとクレブシエラ・ニューモニエとの間の競合を利用したインビトロアッセイも提供される。このアッセイの例示的な実施形態は、ここに及び実施例に提供される。
代替として、病原体の成長を阻害する能力は、定量PCR(qPCR)によって測定されてもよい。標準的な技術に従って対象となる病原体の標準曲線を作成してもよい。ゲノムDNAは、Mo Bio Powersoil(登録商標)-htp 96 Well
Soil DNA Isolation Kit(Mo Bio Laboratories、Carlsbad、CA)、Mo Bio Powersoil(登録商標)DNA Isolation Kit(Mo Bio Laboratories、Carlsbad、CA)、またはQIAamp DNA Stool Mini Kit(QIAGEN、Valencia、CA)等の市販のキットを使用して、製造者の指示に従って試料から抽出してもよい。qPCRは、HotMasterMix(5PRIME、Gaithersburg、MD)及び対象となる病原体に特異的なプライマーを使用して実施されてもよく、またMicroAmp(登録商標)Fast Optical 96-well Reaction Plate with Barcode(0.1mL)(Life Technologies、Grand Island、NY)上で実施されてもよく、FAM及びROXチャネルの蛍光測定値を用いてBioRad C1000(商標)Thermal Cycler equipped withCFX96(商標)Real-Time System(BioRad、Hercules、CA)上で行われてもよい。FAMチャネル上の各ウェルのCq値は、CFX Manager(商標)ソフトウェアバージョン2.1によって決定される。各実験試料のlog10(cfu/ml)は、標準曲線ウェルのCq値をこれらの試料の既知のlog10(cfu/ml)と比較した標準曲線から作成された線形回帰モデルに、所与の試料のCq値入力することによって算出される。当業者は、代替のqPCR様式を用いてもよい。
細菌組成物の保護効果を確立するインビボアッセイ
クロストリジウム・ディフィシルに対する細菌組成物の保護効果を試験するためのインビボマウスモデルが提供される。このモデル(Chen、et al.、A mouse model of Clostridium difficile associated disease、Gastroenterology 135(6):1984-1992(2008)に基づく)では、マウスの飲み水によって送達される5~7つの抗生物質(カナマイシン、コリスチン、ゲンタマイシン、メトロニダゾール、及びバンコマイシンを含み、任意選択で、アンピシリン及びシプロフロキサシンを含む)を用いた7日間の処置(実験の-12日目~-5日目)後、-3日目にクリンダマイシンを単回投与し、次いで、3日後の0日目に、経口胃管栄養(すなわち、口‐胃の強制栄養)を介してクロストリジウム・ディフィシルの104芽胞に曝露することにより、マウスをクロストリジウム・ディフィシルに感受性にする。細菌組成物は、クロストリジウム・ディフィシル強制栄養の前(予防的処置)または後(治療的処置)のいずれかに与えられ得る。更に、細菌組成物は、それらが再発を防止する能力、ひいては病原体をインビボで抑制する能力を評価するために、バンコマイシン処置(下を参照)の後(任意選択)に与えられてもよい。-1日目から6日目まで(または、再発防止のためにそれ以降)毎日評価した結果は、体重、臨床徴候、死亡率、及び糞便中のクロストリジウム・ディフィシルの排出である。処置を行わない場合、体重減少、疾患の臨床徴候、及びクロストリジウム・ディフィシルの排出が、典型的に観察される。-1日~4日目に経口胃管栄養によって提供されたバンコマイシンは、これらの結果から保護し、陽性対照としての役割を果たす。臨床徴候は、主観的であり、同じ熟練の観察者によって毎日スコア化される。体重の25%以上が減少した動物は、安楽死させ、感染に関連する死亡として計数する。マウスのケージ(ケージ1つ当たりマウス5匹)から毎日糞便を採取し、前述のインビトロアッセイに関して記載したような選択的播種アッセイを使用して、または本明細書に記載されるような毒素遺伝子のためのqPCRを介して、糞便中のクロストリジウム・ディフィシル芽胞の排出を検出する。ヒト糞便の10%懸濁液(陽性対照として)、細菌組成物、またはPBS(陰性ビヒクル対照として)を含む試験材料の効果は、体積0.2mLの被験物質を、クロストリジウム・ディフィシル曝露の1日前である-1日目、処置としての1日目、2日目、及び3日目、またはバンコマイシン処置後の5、6、7及び8日目に、経口胃管栄養によりマウスに導入することによって決定される。前述のように、バンコマイシンは、1~4日目に別の陽性対照として与えられる。被験物質の複数回投与を含む代替の投与計画及び投与経路(例えば、直腸内)が用いられてもよく、103~1010の所与の生物または組成物が送達されてもよい。
対象への投与のための細菌組成物の調製方法
細菌組成物を生成する方法は、1つ以上の混合ステップと組み合わせた3つの主要処理ステップを含んでもよい。ステップは、生物バンキング、生物生産、及び保存である。
バンキングの場合、細菌組成物中に含まれる株は、(1)検体から直接単離されるか、またはバンキングされたストックから採取されてもよく、(2)任意選択で、生存可能なバイオマスを生成するために成長を支持する栄養寒天またはブロス上で培養されてもよく、(3)バイオマスは、任意選択で、長期保存中に多数のアリコート中に保存されてもよい。
培養ステップを用いる実施形態において、寒天またはブロスは、成長を可能にする必須要素及び特定の因子を提供する栄養素を含有し得る。一例は、20g/Lのグルコース、10g/Lの酵母抽出物、10g/Lのダイズペプトン、2g/Lのクエン酸、1.5g/Lの一塩基性リン酸ナトリウム、100mg/Lのクエン酸第二鉄アンモニウム、80mg/Lの硫酸マグネシウム、10mg/Lの塩化ヘミン、2mg/Lの塩化カルシウム、1mg/Lのメナジオンからなる培地である。様々な微生物学的培地及び変形例が、当該技術分野で周知である(例えば、R.M. Atlas、Handbook of Microbiological Media(2010)CRC Press)。培地は、開始時に培養物に添加することができるか、培養中に添加されてもよいか、または培養を通して断続的に/連続的に流されてもよい。細菌組成物中の株は、単独で、細菌組成物のサブセットとして、または細菌組成物を含む収集物全体として栽培されてもよい。一例として、栽培から培養物が洗い流されるのを防ぐために、いずれの細胞の最大成長速度よりも遅い希釈速度で、混合連続培養において、第1の株を第2の株と一緒に栽培してもよい。
播種された培養物は、バイオマスを構築するのに十分な時間、好ましい条件下でインキュベートされる。ヒトに使用するための細菌組成物の場合、これは、37℃の温度、正常なヒトのニッチと同様の値を有するpH及び他のパラメータであることが多い。環境は、能動的に制御されてもよいか、受動的に制御されてもよいか(例えば、緩衝液を介して)、または浮動することを可能にしてもよい。例えば、嫌気性細菌組成物(例えば、腸微生物叢)の場合、無酸素/還元環境が用いられてもよい。これは、ブロスへのシステイン等の還元剤の添加、及び/または酸素の除去によって達成することができる。一例として、細菌組成物の培養物は、1g/Lの塩酸システインで予め還元された上記培地中で、37℃、pH7で成長させてもよい。
培養物が十分なバイオマスを生成した場合、それはバンキングのために保存されてもよい。生物は、凍結(「凍結保護剤」を添加する)、乾燥(「凍結乾燥保護剤」)、及び/または浸透圧ショック(「浸透圧保護剤」)から保護する化学的環境に置かれてもよく、複数の(任意選択で同一の)容器に分注http://astamuse.com/ja/keyword/10910117されて均一のバンクを作製し、次いで、保存のために培養物を処理する。容器は、一般的に不浸透性であり、環境からの単離を確実にするクロージャを有する。凍結保存処理は、液体を超低温(例えば、-80℃以下に)で凍結させることによって達成される。乾燥保護は、蒸発によって(噴霧乾燥もしくは「冷却乾燥」の場合)、または昇華によって(例えば、凍結乾燥、噴霧凍結乾燥のため)、培養物から水を除去する。水の除去は、極低温より高い温度での細菌組成物の長期貯蔵安定性を向上させる。細菌組成物が芽胞形成種を含み、芽胞の生成がもたらされる場合、最終組成物は、密度勾配遠心分離等の付加的手段によって精製され、前述の技術を用いて保存され得る。細菌組成物バンキングは、株を個々に培養して保存することによって、または株を一緒に混合してバンクの組み合わせを作製することによって行われ得る。極低温保存の一例として、細菌組成物培養物は、培地からの細胞をペレット化するために遠心分離によって採取され、上清がデカントされ、15%グリセロールを含有する新しい培養ブロスと交換される。次いで、培養物は、1mLクリオチューブ内にアリコートされ、密封され、長期生存能力保持のために-80℃に置かれてもよい。この手順によって、凍結貯蔵からの回復時に許容される生存能力が達成される。
生物生産は、培地組成及び培養条件を含む、バンキングと同様の培養ステップを用いて実施され得る。それは、特に、臨床開発または商業生産のために、より大規模に実施され得る。より大きな規模では、最終的な栽培の前に細菌組成物のいくつかのサブ栽培が存在し得る。栽培終了時に、培養物が採取され、投与のための剤形になるよう更なる製剤化を可能にする。これは、濃縮、望ましくない培地構成成分の除去、及び/または、細菌組成物を保存し、それを選定された経路を介した投与に許容可能にする化学的環境中への導入を含むことができる。例えば、細菌組成物は、1010CFU/mLの濃度で栽培され、次いで、接線流精密濾過により20倍に濃縮されてもよい:使用済みの培地は、2%ゼラチン、100mMトレハロース、及び10mMリン酸ナトリウム緩衝液からなる保存培地を用いた透析濾過によって交換されてもよい。次いで、懸濁液を凍結乾燥して粉末とし、滴定することができる。
乾燥後、粉末は、適切な作用強度http://astamuse.com/ja/keyword/195984になるよう混合され、一貫性及び扱いやすさのために他の培養物及び/または充填剤、例えば、微結晶セルロースと混合されてもよく、本明細書に提供されるように細菌組成物が製剤化される。
製剤
それを必要とするヒト及び他の対象に投与するための製剤が提供される。一般的に、細菌組成物は、単回投与単位または複数回投与形態であり得る最終生成物を生成するために、更なる活性材料及び/または不活性材料と組み合わされる。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの炭水化物を含む。「炭水化物」は、糖または糖のポリマーを指す。「糖類」、「多糖類」、「炭水化物」、及び「オリゴ糖」は、同義で用いられてもよい。ほとんどの炭水化物は、多くのヒドロキシル基(通常、分子の各炭素原子上に1個)を有するアルデヒドまたはケトンである。炭水化物は、一般的に、分子式CnH2nOnを有する。炭水化物は、単糖類、二糖類、三糖類、オリゴ糖類、または多糖類であってもよい。最も基本的な炭化水素は、単糖類、例えば、グルコース、スクロース、ガラクトース、マンノース、リボース、アラビノース、キシロース、及びフルクトース等である。例示的な二糖類として、スクロース、マルトース、セロビノース、及びラクトースが挙げられる。典型的には、オリゴ糖類は、3個~6個の単糖類単位(例えば、ラフィノース、スタキオース)を含み、多糖類は、6個以上の単糖類単位を含む。例示的な多糖類として、デンプン、グリコーゲン、及びセルロースが挙げられる。炭水化物は、修飾された糖類単位、例えば、ヒドロキシル基が除去された2’-デオキシリボース、ヒドロキシル基がフッ素で置換された2’-フルオロリボース、またはN-アセチルグルコサミン、グルコース(例えば、2’-フルオロリボース、デオキシリボース、及びヘキソース)の窒素含有形態等を含有し得る。炭水化物は、多くの異なる形態、例えば、配座異性体、環式形態、非環式形態、立体異性体、互変異性体、アノマー、及び異性体で存在し得る。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの脂質を含む。本明細書で使用される場合、「資質」は、脂肪、油、トリグリセリド、コレステロール、リン脂質、遊離脂肪酸を含む任意の形態の脂肪酸を含む。脂肪、油、及び脂肪酸は、飽和、不飽和(シスもしくはトランス)または部分飽和(シスもしくはトランス)であり得る。いくつかの実施形態において、脂質は、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、マルガリン酸(17:0)、ヘプタデカン酸(heptadecenoic acid)(17:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノレン酸(18:2)、リノール酸(18:3)、オクタデカテトラエン酸(18:4)、アラキジン酸(20:0)、エイコセン酸(20:1)、エイコサジエン酸(20:2)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5)(EPA)、ドコセン酸(22:0)、ドコセン酸(22:1)、ドコサペンタエン酸(22:5)、ドコサヘキサエン酸(22:6)(DHA)、及びテトラコサペンタエン酸(24:0)から選択される少なくとも1つの脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの修飾された脂質、例えば、調理によって修飾された脂質を含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの補助的な鉱物または鉱物源を含む。鉱物の例として、限定されないが、塩化物、ナトリウム、カルシウム、鉄、クロム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、及びセレンが挙げられる。上記鉱物のいずれかの好適な形態は、可溶性鉱物塩、やや可溶性の鉱物塩、不溶性鉱物塩、キレート化鉱物、鉱物錯体、カルボニル鉱物等の被反応性鉱物、及び還元鉱物、ならびにこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの補助的なビタミンを含む。少なくとも1つのビタミンは、脂溶性ビタミンまたは水溶性ビタミンであり得る。好適なビタミンは、限定されないが、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンK、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンD、ビタミンB6、葉酸、ピリドキシン、チアミン、パントテン酸、及びビオチンを含む。上記のいずれかの好適な形態は、ビタミンの塩、ビタミンの誘導体、ビタミンと同じかまたは類似の活性を有する化合物、及びビタミンの代謝産物を含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、賦形剤を含む。好適な賦形剤の非限定例として、緩衝剤、保存剤、安定剤、結合剤、圧縮剤、滑沢剤、分散促進剤、崩壊剤、香味剤、甘味剤、及び着色剤が挙げられる。
いくつかの実施形態において、賦形剤は、緩衝剤である。好適な緩衝剤の非限定例として、クエン酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、及び重炭酸カルシウムが挙げられる。
いくつかの実施形態において、賦形剤は、保存剤を含む。好適な保存剤の非限定例として、抗酸化剤、例えば、αトコフェロール及びアスコルビン酸塩等、ならびに抗菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、及びフェノール等が挙げられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、賦形剤として結合剤を含む。好適な結合剤の非限定例として、デンプン、α化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキソアゾリドン、ポリビニルアルコール、C12-C18脂肪酸アルコール、ポリエチレングリコール、ポリオール、糖、オリゴ糖、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、賦形剤として滑沢剤を含む。好適な滑沢剤の非限定例として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、硬化植物油、ステロテックス、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、タルク、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、及び軽鉱物油が挙げられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、賦形剤として分散促進剤を含む。好適な分散剤の非限定例として、デンプン、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、グアーガム、カオリン、ベントナイト、精製木材セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、イソアモルファスシリケート、及び高HLB乳化剤界面活性剤としての微結晶性セルロースが挙げられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、賦形剤として崩壊剤を含む。いくつかの実施形態において、崩壊剤は、非発泡性崩壊剤である。好適な非発泡性崩壊剤の非限定例として、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、それらのα化デンプン及び加工デンプン等、甘味剤、クレー、例えば、ベントナイト等、微結晶性セルロース、アルギン酸塩、デンプングリコール酸ナトリウム、ガム、例えば、アガー、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、及びトラガカント等が挙げられる。いくつかの実施形態において、崩壊剤は、発泡性崩壊剤である。好適な発泡性崩壊剤の非限定例として、クエン酸と組み合わせた重炭酸ナトリウム、酒石酸と組み合わせた重炭酸ナトリウムが挙げられる。
いくつかの実施形態において、賦形剤は、香味剤を含む。香味剤は、合成香味油及び香味芳香剤;天然油;植物、葉、花、及び果実からの抽出物;ならびにこれらの組み合わせから選択することができる。いくつかの実施形態において、香味剤は、桂皮油;ウインターグリーンの油;ペパーミント油;クローバー油;干草油;アニス油;ユーカリ;バニラ;レモン油、オレンジ油、ブドウ及びグレープフルーツ油等の柑橘油;ならびにリンゴ、モモ、セイヨウナシ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、及びアンズを含む果実エッセンスから選択される。
いくつかの実施形態において、賦形剤は、甘味剤を含む。好適な甘味剤の非限定例として、グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、及びそれらの混合物(担体として使用されない場合);サッカリン、及びナトリウム塩等のその種々の塩;アスパルテーム等のジペプチド甘味剤;ジヒドロカルコン化合物、グリシルリジン;ステビア(ステビオシド);スクラロース等のスクロースのクロロ誘導体;ソルビトール、マンニトール、シリトール等の糖アルコールが挙げられる。また、水添デンプン加水分解物、及び合成甘味剤3,6-ジヒドロ-6-メチル-1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2‐ジオキシド、特にカリウム塩(アセスルフェーム-K)、ならびにこれらのナトリウム及びカルシウム塩も企図される。
いくつかの実施形態において、組成物は、着色剤を含む。好適な着色剤の非限定例として、食品、薬品、及び化粧品用着色料(FD&C)、薬品及び化粧品用着色料(D&C)、ならびに外用薬品及び化粧品用着色料(Ext.D&C)が挙げられる。着色剤は、色素またはそれらの対応するレーキとして使用することができる。
製剤中の賦形剤または賦形剤の組み合わせの重量分立は、通常、組成物の総重量の約99%以下、例えば、約95%以下、約90%以下、約85%以下、約80%以下、約75%以下、約70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約2%以下、または約1%以下等である。
本明細書に開示される細菌組成物は、様々な形態に製剤化し、多数の異なる手段によって投与することができる。組成物は、必要に応じて、従来的に許容される担体、アジュバント、及びビヒクルを含有する製剤中で、経口的、直腸的、または非経口的に投与することができる。本明細書で使用される「非経口的」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射及び点滴技術を含む。例示的な実施形態において、細菌組成物は、経口投与される。
経口投与のための固体剤形は、カプセル、錠剤、カプレット、丸薬、トローチ、ロゼンジ、粉末、及び顆粒を含む。カプセルは、典型的には、細菌組成物を含むコア材料、及びコア材料を封入するシェル壁を含む。いくつかの実施形態において、コア材料は、固体、液体、及びエマルションのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、シェル壁材料は、軟質ゼラチン、硬質ゼラチン、及びポリマーのうちの少なくとも1つを含む。好適なポリマーは、限定されないが、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルローススクシネート及びカルボキシメチルセルロースナトリウム等;アクリル酸ポリマー及びコポリマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アンモニオメチルアクリレート、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル及び/またはメタクリル酸エチルから形成されるもの等(例えば、「Eudragit」という商標名で販売されるコポリマー);ビニルポリマー及びコポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテートフタレート、ビニルアセテートクロトン酸コポリマー、及びエチレン-ビニルアセテートコポリマー;ならびにシェラック(精製ラック)を含む。いくつかの実施形態において少なくとも1つのポリマーは、味マスキング剤として機能する。
錠剤、丸薬等は、圧縮、複数圧縮、多層化、及び/またはコーティングされてもよい。コーティングは、単一または複数であり得る。一実施形態において、コーティング材料は、植物、菌、及び微生物のうちの少なくとも1つから抽出された糖類、多糖類、及び糖タンパク質のうちの少なくとも1つを含む。非限定例として、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、セルロース、ヘミセルロース、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、ペクチン、マンナン、アラビアガム、ローカストビーンガム、メスキートガム、グアーガム、カラヤガム、ガティガム、トラガントガム、ふのり、カラギーナン、寒天、アルギン酸塩、キトサン、またはゲランガムが挙げられる。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、タンパク質を含む。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、脂肪及び油のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、脂肪及び油のうちの少なくとも1つは、高温溶融である。いくつかの実施形態において、脂肪及び油のうちの少なくとも1つは、硬化または半硬化される。いくつかの実施形態において脂肪及び油ののうちの少なくとも1つは、植物に由来する。いくつかの実施形態において脂肪及び油ののうちの少なくとも1つは、グリセリド、遊離脂肪酸、及び脂肪酸エステルのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、少なくとも1つの食用ワックスを含む。食用ワックスは、動物、昆虫、または植物に由来し得る。非限定例として、蜜ろう、ラノリン、ヤマモモワックス、カルナバワックス、及び米ぬかワックスが挙げられる。錠剤及び丸薬は、付加的に腸溶コーティングを用いて調製することができる。
代替として、本明細書に開示される細菌組成物を具現化する粉末または顆粒は、食品に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態において、食品は、経口投与のための飲料である。好適な飲料の非限定例として、果汁、果実飲料、人工風味飲料、人工甘味飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料、液体日記生成物、シェーク、アルコール飲料、カフェイン含有飲料、乳幼児用製粉乳等が挙げられる。経口投与のための他の好適な手段は、好適な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁剤、希釈剤、甘味剤、着色剤、及び香味剤のうちの少なくとも1つを含有する、水溶液及び非水溶液、エマルション、懸濁液及び溶液、ならびに/または非発泡性顆粒から再構成された懸濁液を含む。
いくつかの実施形態において、食品は、固形食品である。固形食品の好適な例として、限定されないが、食品バー、スナックバー、クッキー、ブラウニー、マフィン、クラッカー、アイスクリームバー、フローズンヨーグルトバー等が挙げられる。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、治療用食品に組み込まれる。いくつかの実施形態において、治療用食品は、任意選択で、いくつかまたは全ての必須多量養素及び微量栄養素を含有する、すぐに食べられる食品である。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される組成物は、既存の食事に配合されるように設計された補助食品に組み込まれる。いくつかの実施形態において、補助食品は、いくつかまたは全ての必須多量養素及び微量栄養素を含有する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される細菌組成物は、食品のタンパク栄養を強化するために既存の食品に配合されるかまたは加えられる。例として、主食(穀物、塩、砂糖、食用油、マーガリン)、飲料(コーヒー、紅茶、ソーダ、ビール、酒、スポーツ飲料)、軽食、甘い菓子類及び他の食品が挙げられる。
一実施形態において、製剤は、経口投与のためにゼラチンカプセルに充填される。適切なカプセルの例は、10(最大100mg)の凍結乾燥粉末(108~1011の細菌)、160mgの微結晶セルロース、77.5mgのゼラチン、及び2.5mgのステアリン酸マグネシウムを含有する250mgのゼラチンカプセルである。代替の実施形態において、105~1012(105~107、106~107、または108~1010)の細菌が使用されてもよく、必要に応じて、付添人が賦形剤を調節する。代替の実施形態において、腸溶コーティングカプセルもしくは錠剤、または緩衝組成物もしくは保護組成物を含むものが使用されてもよい。
一実施形態において、各種類の細菌の数は、同じ量または異なる量で表されてもよい。例えば、2種類の細菌を含む細菌組成物において、細菌は、1:10,000の比率~1:1の比率、1:10,000の比率~1:1,000の比率、1:1,000の比率~1:100の比率、1:100の比率~1:50の比率、1:50の比率~1:20の比率、1:20の比率~1:10の比率、1:10の比率~1:1の比率で存在してもよい。少なくとも3種類の細菌を含む細菌組成物の場合、細菌の種類の比率は、2種類の細菌を含む細菌組成物の比率から対で選択されてもよい。例えば、細菌A、B、及びCを含む細菌組成物において、細菌AとBとの比率、細菌BとCとの比率、及び細菌AとCとの比率のうちの少なくとも1つが、上記対の組み合わせから独立して選択されてもよい。
対象の治療方法
いくつかの実施形態において本明細書に開示されるタンパク質及び組成物は、対象または使用者(時として、集合的に「対象」と称される)に投与される。本明細書で使用される場合、「投与する」及び「投与」は、ある人物が別の人物に特定の様式で及び/または特定の目的のために細菌組成物を摂取するよう指示する実施形態、ならびに、使用者が、第2の人物から受ける任意の指示とは無関係にまたはそれに反して、特定の様式で及び/または特定の目的のために細菌組成物を使用する状況も包含する。ある人物が別の人物に特定の様式で及び/または特定の目的のために細菌組成物を摂取するよう指示する実施形態の非限定例として、医師が対象に行動の方針及び/または治療を指示する場合、親が未成年の使用者(小児等)に細菌組成物を摂取するよう命令する場合、トレーナーが使用者(アスリート等)に特定の行動の方針及び/または治療に従うよう助言する場合、ならびに製造者、販売者、またはマーケティング担当者が、例えば、製品の販売またはマーケティングに関連して提供されるパッケージ上または他の材料の上の広告または標示を通して、末端消費者に使用条件を推奨する場合が挙げられる。
細菌組成物は、1つ以上の対象となるGI病原体による感染に対する保護効果及び/または治療効果を提供し、よって、再発を防止するために感染の急性症例が回復された後に、細菌組成物がGI病原体と同じ抗生物質に感受性を示さない場合、抗生物質療法の補完として感染の急性症例間に、または感染を予防するためもしくは保菌者からの伝染を減少させるために、投与されてもよい。これらの病原体は、限定されないが、エロモナス・ハイドロフィラ、カンピロバクター・フィタス、プレジオモナス・シゲロイデス、バチルス・セレウス、カンピロバクター・ジェジュニ、クロストリジウム・ボツリヌム、クロストリジウム・ディフィシル、クロストリジウム・パーフリンジェンス、腸管凝集性大腸菌、腸管出血性大腸菌、腸管組織侵入性大腸菌、毒素原性大腸菌(LT及び/またはST)、大腸菌O157:H7、ヘリコバクター・ピロリ、クレブシエラ・ニューモニエ、リステリア・モノサイトゲネス、プレジオモナス・シゲロイデス、サルモネラ種、サルモネラ・チフィ、赤痢菌種、ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性エンテロコッカス種、ビブリオ種、ビブリオ・コレラエ、ビブリオ・パラヘモリチカス、ビブリオ・バルニフィカス、及び腸炎エルシニアを含む。
一実施形態において、病原体は、クロストリジウム・ディフィシル、サルモネラ種、病原性大腸菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)であってもよい。更に別の実施形態において、病原体は、クロストリジウム・ディフィシルであってもよい。
本発明の細菌組成物は、様々な臨床状況において有用であり得る。例えば、細菌組成物は、例えば、対象が急性感染を患っている場合、急性感染が沈静した後の再発のリスクを低下させるために、または、または対象が重度の胃腸感染症を有するかもしくはそのリスクのある人物(医師、看護師、病院従業者、病気であるかもしくは入院している人の家族)の近傍にいる場合に、抗生物質の補完的治療として単独で投与されてもよい。
本発明の細菌組成物は、ヒト、実験動物(例えば、霊長類、ラット、マウス)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シチメンチョウ、ニワトリ)、及び家庭用ペット(例えば、イヌ、ネコ、げっ歯類)を含む動物に投与されてもよい。
本発明の方法において、細菌組成物は、腸内に、換言すると胃腸管への到達経路によって、投与される。これは、本明細書において更に十分に詳述されるように、経口投与、直腸投与(浣腸、坐剤、または結腸内視鏡検査を含む)、経口または経鼻チューブ(経鼻胃、経鼻空腸、経口胃、または経口空腸を含む)による投与を含む。
GI細菌叢異常は、糖尿病と関連していると報告されている(Qin et al.、2012.Nature 490:55)。いくつかの実施形態において、本明細書に提供される組成物は、糖尿病を有するかまたは糖尿病に罹患しやすい対象の微生物叢を変更するために使用することができる。典型的には、そのような組成物は、当該技術分野において、インスリン感受性、または糖尿病、例えば、2型もしくは1型糖尿病に関連する他の徴候もしくは症状の改善に関連していると特定された、少なくとも1つ、2つ、または3つのOTUを提供する。いくつかの実施形態において、組成物は、糖尿病の少なくとも1つの徴候または症状の改善に関連する少なくとも1つ、2つ、または3つのOTUの生着及び/または増大の増加に関連する。
前処理プロトコル
細菌組成物の投与の前に、対象は、任意選択で、細菌組成物を受容するように胃腸管を整えるための前処理プロトコルを有し得る。特定の実施形態において、例えば、対象が回復力の高い病原体による急性感染を有する場合等に、前処理プロトコルが得策である。他の実施形態において、例えば、感染を引き起こす病原体が回復力を有しない場合、または、対象の急性感染の治療は成功したが、感染が再発し得ると医師が懸念している場合等には、前処理プロトコルは完全に任意である。これらの場合、前処理プロトコルは、対象のマイクロバイオームに影響を及ぼす細菌組成物の能力を増大し得る。
微生物生態系の投与のために対象を整える1つの方法として、少なくとも1つの抗生物質が、対象における細菌を変化させるために投与されてもよい。微生物生態系の投与のために対象を整える別の方法として、結腸の内容物を実質的に空にするために、結腸内視鏡検査のために対象を整えるために用いられるような標準的な結腸洗浄剤が対象に投与されてもよい。「結腸の内容物を実質的に空にする」とは、結腸の内容物の通常の体積の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または約100%を除去することを意味する。抗生物質による治療が結腸洗浄プロトコルに先行してもよい。
対象が、感染の治療のために抗生物質を投与された場合、または対象が、特定の前処理プロトコルの一貫として抗生物質を投与された場合、一実施形態において、細菌組成物が投与される前に、抗生物質の腸内濃度を実質的に低減させるのに十分な時間内に抗生物質が中止されるべきである。一実施形態において、抗生物質は、細菌組成物の投与前に1、2、または3日中断されてもよい。一実施形態において、抗生物質は、細菌組成物の投与の3、4、5、6、または7抗生物質半減期前に中断されてもよい。別の実施形態において、抗生物質は、細菌組成物中の構成成分が腸内の抗生物質の濃度よりも高いMIC50を有するように選択されてもよい。
細菌組成物または該組成物の要素のMIC50は、当該技術分野で周知の方法によって決定されてもよい。Reller et al.、Anti Antimicrobial Susceptibility Testing:A Review of General Principles及びContemporary Practices、Clinical Infectious Diseases 49(11):1749-1755(2009)。そのような実施形態において、抗生物質の投与と細菌組成物の投与との間に付加的時間は必要ではない。前処理プロトコルが急性感染の治療の一貫である場合、感染は抗生物質に感受性であるが、細菌組成物中の構成成分は抗生物質に感受性ではないように抗生物質が選択されてもよい。
投与経路
本発明の細菌組成物は、それを必要とする哺乳動物及び非哺乳動物への投与に適している。特定の実施形態において、哺乳動物対象は、細菌叢異常の1つ以上の症状を有するヒト対象である。
哺乳動物対象が、異常微生物叢によって特徴づけられる疾患、障害、または症状を患っている場合、本明細書に記載される細菌組成物がその治療に適している。いくつかの実施形態において、哺乳動物対象は、細菌組成物による治療以前に抗生物質を投与されていない。例えば、哺乳動物対象は、治療用組成物の投与前1週間以内には、バンコマイシン、メトロニダゾール、及び/または同様の抗生物質化合物のうちの少なくとも2用量を投与されていない。他の実施形態において、哺乳動物対象は、治療用組成物の投与前1ヶ月には、抗生物質化合物を以前に投与されていない。他の実施形態において、哺乳動物対象は、1つ以上の異なる抗生物質化合物を用いた1つ以上の治療を受けておらず、そのような治療(複数可)は、症候の改善をもたらさなかったか、または悪化させた。
いくつかの実施形態において、胃腸疾患、障害、または症状は、再発性クロストリジウム・ディフィシル感染を含むクロストリジウム・ディフィシルによって引き起こされる下痢、潰瘍性結腸炎、結腸炎、クローン病、または過敏性腸疾患である。有益には、治療用組成物が、疾患、障害、または症状の改善前に1回のみ投与される。いくつかの実施形態において、治療用組成物は、2日より長い間隔で、例えば、3、4、5、もしくは6日ごとに1回、または毎週、または毎週より低い頻度等で投与される。あるいは、製剤は、所定の計画に従って断続的に、例えば、1日1回、週1回、もしくは月1回、または対象が原発性疾病を再発したときに投与されてもよい。別の実施形態において、製剤は、侵襲性の医学的手法(外科手術等)を受けるか、入院するか、長期看護施設もしくはリハビリ施設に住んでいるか、彼らの職業(家畜及び動物処置業者)のために病原体に曝露されるか、または病原体の保有者であり得る(例えば、医師、看護師、及びその他の医療従事者等の病院従業者を含む)対象を含む、これらの病原体に感染する危険があるかまたはその保有者であり得る対象に、長期ベースで投与されてもよい。
実施形態において、細菌組成物は、腸内に投与される。これは、好ましくは、経口投与、または経口もしくは経鼻チューブ(経鼻胃、経鼻空腸、経口胃、または経口空腸を含む)による投与を含む。他の実施形態において、投与は、直腸投与(例えば、浣腸、坐剤、または結腸内視鏡検査)を含む。細菌組成物は、口腔、食道、胃、小腸、大腸、及び直腸を含む、胃腸管の少なくとも1つの領域に投与されてもよい。いくつかの実施形態において、それは、胃腸管の全ての領域に投与される。細菌組成物は、粉末、カプセル、錠剤、ゲル、または液体等の薬物の形態で経口投与されてもよい。細菌組成物は、経口経路によってもしくは経鼻胃チューブを通してゲルもしくは液体の形態で、またはゲルもしくは液体の形態で経口経路によって、結腸内視鏡を通して浣腸もしくは点滴により、または坐剤によって投与されてもよい。
組成物が結腸内視鏡的に投与される場合、及び任意選択で、細菌組成物が他の直腸経路(浣腸もしくは坐薬等)によって投与される場合、またはたとえ対象が経口投与を受ける場合であっても、対象は、結腸洗浄剤を有し得る。結腸洗浄剤は、結腸内視鏡または他の投与デバイスの適切な使用を容易にすることができるが、たとえそれが機械的目的を果たさない場合であっても、対象の胃腸管中に以前に存在していた他の生物と比較して、細菌組成物の割合を最大化することもできる。
投与量及び投与計画
いくつかの実施形態において、細菌及び細菌組成物は、剤形で提供される。いくつかの実施形態において、剤形は、本明細書に開示される少なくとも1つのOTUまたはこれら組合せの投与のために設計され、その場合、投与される細菌組成物の総量は、0.1ng~10g、10ng~1g、100ng~0.1g、0.1mg~500mg、1mg~100mg、または10~15mgから選択される。いくつかの実施形態において、細菌組成物は、1日0.1ng~10g、1日10ng~1g、1日100ng~0.1g、1日0.1mg~500mg、1日1mg~100mg、または1日10~15mg、またはそれ以上で消費される。
いくつかの実施形態において、治療期間は、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、または少なくとも1年である。いくつかの実施形態において、治療期間は、1日~1週間、1週間から4週間、1ヶ月~3ヶ月、3ヶ月~6ヶ月、6ヶ月~1年、または1年を上回る。
一実施形態において、全部で105及び1012マイクログラムが、所与の剤形で対象に投与されてもよい。ある様式において、有効量は、1ml当たりもしくは1グラム当たり107~1011の細菌を有する1~500mlまたは1~500グラムの細菌組成物として、または、107~1011の細菌を有する1mg~1000mgの凍結乾燥粉末を有するカプセル、錠剤、もしくは坐剤として提供されてもよい。短期治療を受けている人々は、長期投与を受けている人々(病院従業者または長期介護施設に入所している人々等)よりも高い用量を投与される場合がある。
本明細書に記載される製剤のいずれかが、1回または多数の機会に1回、例えば1日1回数日間、または投与の当日に1日1回より多く(1日2回、1日3回、または1日5回までを含む)、投与されてもよい。あるいは、製剤は、所定の計画に従って断続的に、例えば、週1回、月1回、または対象が原発性疾病を再発したときに投与されてもよい。別の実施形態において、製剤は、侵襲性の医学的手法(外科手術等)を受けるか、入院するか、長期看護施設もしくはリハビリ施設に住んでいるか、彼らの職業(家畜及び動物処置業者)のために病原体に曝露されるか、または病原体の保有者であり得る(例えば、医師、看護師、及びその他の医療従事者等の病院従業者を含む)個体を含む、これらの病原体に感染する危険があるかまたはその保有者であり得る個体に、長期ベースで投与されてもよい。
対象の選択
個々の対象のために、または特定のプロフィールを有する対象のために、特定の細菌組成物が選択され得る。例えば、16Sシーケンシングは、彼または彼女の微生物叢中に存在する細菌を同定するために、所定の対象のために行われてもよい。シーケンシングは、16Sシーケンシングを用いて対象の全マイクロバイオーム(科、属、または種のレベル)をプロファイルし得るか、16Sシーケンシングを用いて対象のマイクロバイオームの一部分をプロファイルし得るかのいずれかであるか、または、健康もしくは特定の疾患状態のバイオマーカー、例えば、多剤耐性生物もしくはエシェリキア等の対象となる具体的な属のマーカーである特定の候補細菌の存在もしくは非存在を検出するために用いられてもよい。健康を回復するため、または疾患を治療もしくは予防するために、バイオマーカーのデータに基づいて、対象への投与のため、または対象の微生物叢を補充もしくは捕捉するための特定の組成物が選択され得る。別の実施形態において、治療の成功の可能性を判定するために、対象の微生物叢の組成を決定するために対象がスクリーニングされてもよい。
併用療法
細菌組成物は、併用療法様式において、抗微生物剤及びプレバイオティクスを含む他の薬剤とともに投与されてもよい。投与は、時間または日数の期間にわたって逐次的、または同時的であり得る。
一実施形態において、細菌組成物は、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、及び抗寄生虫剤を含む、1つ以上の抗微生物剤との併用療法に含まれる。
抗細菌剤として、セファロスポリン系抗生物質(セファレキシン、セフロキシメ、セファドロキシル、セファゾリン、セファロシン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、及びセフトビプローレ);フルオロキノロン系抗生物質(シプロ、レバキン、フロキシン、テキン、アベロックス、及びノルフロックス);テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、及びドキシサイクリン);ペニシリン系抗生物質(アモキシシリン、アンピシリン、ペニシリンV、ジクロキサシリン、カルベニシリン、バンコマイシン、及びメチシリン);ならびにカルバペネム系抗生物質(エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、及びメロペネム)が挙げられる。
抗ウイルス剤として、アバカビル、アシクロビル、アデフォビル、アンプレナビル、アタザナビル、シドフォビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エファビエンツ、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エンフビルチド、エトラビリン、ファムシクロビル、フォスカルネット、フォミビルセン、ガンシクロビル、インジナビル、イドクスウリジン、ラミブジン、ロピナビルマラビロック、MK‐2048、ネルフィナビル、ネビラピン、ペンシクロビル、ラルテグラビル、リルピビリン、リトナビル、サキナビル、スタブジン、テノフォビルトリフルリジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビダラビン、イバシタビン、アマンタジン、オセルタミビル、リマンチジン、チプラナビル、ザルシタビン、ザナミビル、及びジドブジンが挙げられる。
抗真菌性化合物の例として、限定されないが、ポリエン系抗真菌剤、例えば、ナタマイシン、リモシジン、フィリピン、ニスタチン、アンフォテリシンB、カンディシン、及びハミシン;イミダゾール系抗真菌剤、例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール、シクロトリマゾール、エコナゾール、オモコナゾール、ビフォナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、及びチオコナゾール;トリアゾール系抗真菌剤、例えばフルコナゾール、イトラコナゾール、イサブコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、テルコナゾール、及びアルバコナゾール;チアゾール系抗真菌剤、例えば、アバフンギン;アリラミン系抗真菌剤、例えばテルビナフィン、ナフチフィン及びブタナフィン;ならびにエキノカンジン系抗真菌剤、例えばアニデュラファンギン、カスポファンギン及びミカファンギンが挙げられる。抗真菌特性を有する他の化合物として、限定されないが、ポリゴジアル、安息香酸、シクロピロックス、トルナフテート、ウンデシレン酸、フルシトシンまたは5‐フルオロシトシン、グリセオフルビン、及びハロプロジンが挙げられる。
一実施形態において、細菌組成物は、1つ以上のコルチコステロイド、メサラジン、メサラミン、スルファサラジン、スルファサラジン誘導体、免疫抑制薬、シクロスポリンA、メルカプトプリン、アザチオプリン、プレドニゾン、メトトレキサート、抗ヒスタミン、糖質コルチコイド、エピネフリン、テオフィリン、クロモリンナトリウム、抗ロイコトリエン、鼻炎のための抗コリン作動薬、抗コリン作動性充血緩和剤、マスト細胞安定化剤、モノクローナル抗IgE抗体、ワクチン、及びこれらの組み合わせとの併用療法に含まれる。
プレバイオティックスは、宿主の福祉及び健康に利益を付与する腸内微生物叢において組成物及び/または活性の両方の具体的な変化を可能にする、選択的に発酵させた成分である。プレバイオティックスは、複合炭水化物、アミノ酸、ペプチド、または細菌組成物の生存に不可欠な他の栄養成分を含み得る。プレバイオティックスとして、限定されないが、アミノ酸、ビオチン、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イヌリン、ラクツロース、マンナンオリゴ糖、オリゴフルクトース強化イヌリン、オリゴフルクトース、オリゴデキストロース、タガトース、トランス-ガラクトオリゴ糖、及びキシロオリゴ糖が挙げられる。
細菌組成物を特性評価する方法
特定の実施形態において、細菌組成物の特定の特徴を試験するための方法が提供される。例えば、所与の組成物、製剤、及び/または使用における特定の望ましい特徴について選択するために、例えば、特定の環境変数に対する細菌組成物の感受性が決定される。例えば、細菌組成物中の構成成分は、pH耐性、胆汁酸耐性、及び/または抗生物質感受性について、抗生物質ごとに独立して、または複数の細菌構成成分からなる細菌組成物として集合的に(本節では、集合的に細菌組成物として言及される)試験されてもよい。
pH感受性試験
細菌組成物が結腸または直腸意外に(すなわち、例えば、限定されないが経口経路を通して)投与される場合、任意選択で、pH耐性に関する試験は、GI管の異なる領域の様々なpH環境を通して考えられる最高収率で生き残るであろう細菌組成物の選択を強化する。細菌組成物がGI管のpHにどのように反応するかを理解することは、処方においても助けとなり、そのため、有益である場合には剤形中の細菌の数が増加する可能性があり、かつ/あるいは、組成物は、腸溶性カプセルもしくは錠剤中で、または緩衝組成物もしくは保護組成物とともに投与されてもよい。胃のpHは、高タンパク食の後、生理学的機序がそれを3~4のpHに調整するまで短時間の間1~2のpHに低下し、4~5の安静時pHに留まることが多く、また小腸のpHは6~7.4の範囲であり得るため、これらの様々なpH範囲で生き延びる細菌組成物が調製され得る(具体的には、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%もの細菌が、種々のpH範囲を通して腸通過時間を生き延びることができる)。これは、これらのpH範囲を通して予測される腸通過時間の間、様々なpH範囲に細菌組成物を曝露することによって試験されてもよい。したがって、単なる非限定例として、細菌組成物の18時間培養物は、標準培地、例えば腸微生物叢培地(「GMM」、Goodman et al.、Extensive
personal human gut microbiotaculture collections characterized and manipulated in gnotobiotic mice、PNAS 108(15):6252-6257(2011)を参照のこと)中で、または別の動物性生成物を含まない培地中で、1~2のpHでは30分間、3~4のpHでは1時間、4~5のpHでは1~2時間、6~7.4のpHでは2.5~3時間、pH調整剤を添加して成長させてもよい。酸に対する安定性を試験するための代替方法は、米国特許第4,839,281号に記載されている。細菌の生存は、細菌を培養して、適切な選択培地または非選択培地上のコロニーを計数することによって決定され得る。
胆汁酸感受性試験
更に、いくつかの実施形態において、胆汁酸耐性について試験することが、GI管を通って移動する間の胆汁酸への曝露を生き延びるであろう細菌組成物の選択を強化する。胆汁酸は、小腸に分泌され、pHのように、細菌組成物の生存に影響する。これは、予想される胆汁酸への腸曝露時間の間、胆汁酸に細菌組成物を曝露することによって試験されてもよい。例えば、0.05mMトリスをpH9で溶媒として使用して、所望の濃度の胆汁酸溶液を調製してもよい。胆汁酸が溶解した後、溶液のpHは、10%HClを用いて7.2に調整され得る。細菌組成物は、対象における胆汁酸の濃度及び種類を模倣する2.2mlの胆汁酸組成物、滅菌濾過した1.0mlの10%糞便培地、及び所与の細菌株の0.1mlの18時間培養物中で培養されてもよい。2.5~3時間またはそれよりも長くインキュベーションが実施されてもよい。胆汁酸に対する安定性を試験するための代替の方法は、米国特許第4,839,281号に記載されている。細菌の生存は、細菌を培養して、適切な選択培地または非選択培地上のコロニーを計数することによって決定され得る。
抗生物質感受性試験
更なる任意選択の感受性試験として、細菌組成物は、抗生物質に対する感受性について試験されてもよい。一実施形態において、必要であれば、細菌組成物を標的とする少なくとも1つの抗生物質によって対象の胃腸管からそれらを排除するかまたは実質的に減少させることができるように細菌構成成分が抗生物質に対して感受性であるように、細菌組成物が選択され得る。
胃腸細胞への付着性
細菌組成物は、任意選択で胃腸細胞に付着する能力について試験されてもよい。胃腸細胞への付着性を試験するために方法は、米国特許第4,839,281号に記載されている。
本明細書は、本明細書内に引用される参考文献の教示を考慮して最も徹底的に理解される。本明細書内の実施形態は、実施形態の実例を提供するものであって、範囲を制限するものであると解釈されるべきではない。当業者は、多くの他の実施形態が包含されることを容易に認識する。本開示に引用される全ての刊行物及び特許は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。参照によって組み込まれた材料が、本明細書と矛盾するかまたは食い違う程度まで、本明細書は任意のそのような材料に優先する。本明細書中のいずれの参考文献の引用も、そのような参考文献が従来技術であることを認めるものではない。
別途指示のない限り、特許請求の範囲を含む明細書において使用される、成分の量、反応状態等を表す全ての数は、「約」という用語によって、全ての場合において修飾されると理解されたい。したがって、別途そうではないという指示のない限り、数値パラメータは、近似値であり、また得られることが求められる所望の特性に応じて異なり得る。最低限でも、また、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有効数字の数及び通常の丸め手法を考慮して解釈されるべきである。
別途指示のない限り、一連の要素に先行する「少なくとも」という用語は、その系列内のあらゆる要素を指すことを理解されたい。
以下は、本発明を実行するための特定の実施形態の実施例である。この実施例は、説明のために提供されるにすぎず、いかなる方法においても本発明の範囲を制限することが意図されない。使用される数(例えば、量、温度など)に関する正確性を確保するための試みがなされているが、いくらかの実験的誤差及び偏差が当然ながら許容されるべきである。治療組成物に関して本明細書に記載される本明細書に記載される技術及びプロトコルの実施例は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th edition,Osol,A.(ed),1980に見出され得る。
実施例1。高スループット96ウェル形式/プレート調製における二元の対の構築
細菌の対を使用して、クロストリジウム・ディフィシルの阻害のために有用な二元の対を特定した。二元の対の高スループットスクリーニングアッセイのためのプレートを調製するために、-80℃のグリセロール保存液による細菌バンクのバイアルを解凍し、1e8CFU/mLに希釈した。その後、96ウェルプレートのウェル内に、200uLのPBS+15%のグリセロール中、各細菌株を10倍に(各株1e7CFU/mLの最終濃度に)希釈した。その後、プレートを-80℃で凍結させた。必要な際に、クロストリジウム・ディフィシルによるCivSimアッセイにおける試験のために、プレートを-80℃から取り出し、嫌気条件下、室温で解凍した。
実施例2。高スループット96ウェル形式における三元の組み合わせの構築
細菌の3つ組の組み合わせを使用して、クロストリジウム・ディフィシルの阻害のために有用な三元の組み合わせを特定した。三元の組み合わせの高スループットスクリーニングのためのプレートを調製するために、-80℃のグリセロール細菌による保存液バンクのバイアルを解凍し、1e8CFU/mLに希釈した。その後、96ウェルプレートのウェル内に、200uLのPBS+15%のグリセロール中、各細菌株を10倍に(各株の1e7CFU/mLの最終濃度に)希釈した。その後、プレートを-80℃で凍結させた。アッセイに必要な際に、クロストリジウム・ディフィシルによるCivSimアッセイにおける試験時、プレートを-80℃から取り出し、嫌気条件下、室温で解凍した。
実施例3。クロストリジウム・ディフィシルの増殖に対して阻害性である細菌組成物をスクリーニングするための、CivSimアッセイの構築
競合アッセイ(CivSimアッセイ)を使用して、クロストリジウム・ディフィシルの増殖を阻害し得る組成物を特定した。簡潔に述べると、クロストリジウム・ディフィシルの増殖のために、クロストリジウム・ディフィシルの一晩の培養物を、SweetBFosIn中、嫌気条件下で増殖させた。場合によっては、他の好適な培地が使用され得る。SweetB-FosInは、BHI(Remel R452472)を以下のようないくつかの構成成分で補充したバージョンである:(1リットル当たりの構成成分)5gの酵母抽出物UF(Difco210929)、1gのシステイン-HCl(Spectrum C1473)、1gのセロビオース(Sigma C7252)、1gのマルトース(Spectrum MA155)、1.5mlのヘミン溶液、1gの可溶性デンプン(Sigma-Aldrich S9765)、1gのフラクトオイイゴ糖(fructooiigosaccharide)/イヌリン(Jarrow Formulas103025)、及び50mL、1MのMOPS/KOH、pH7を補助した、37gのBHI粉末(Remel R452472)。ヘミン溶液を調製するために、ヘミン(Sigma51280)を、0.1MのNaOH中に溶解させて、10mg/mL保存液を作製した。
24時間の増殖後、培養物を、複合培地SweetB-FosIn中、100,000倍に希釈した。いくつかの実施形態において、全ての所望される生物が増殖し得る、すなわち、多様な嫌気、及び場合によっては通性嫌気細菌種の増殖のために好適な培地を使用のために選択する。その後、希釈されたクロストリジウム・ディフィシル混合物を、96ウェルプレートのウェルにアリコートした(各ウェルに180ul)。その後、20ulの細菌組成物を、各種、2種、または3種1e6CFU/mLの最終濃度で、各ウェルに添加した。あるいは、アッセイは、異なる初期濃度(1e9CFU/mL、1e8CFU/mL、1e7CFU/mL、1e5CFU/mL、1e4CFU/mL、1e3CFU/mL、1e2CFU/mL)の二元の対によって試験し得る。阻害なしでのクロストリジウム・ディフィシルの増殖に対する比較のために、クロストリジウム・ディフィシルのみを植え付けた対照ウェルを含めた。対照のために、クロストリジウム・ディフィシルの増殖を阻害する、または阻害しない、いずれかの、追加のウェルを使用した。増殖を阻害する陽性対照の一例は、ブラウティア・プロダクタと、クロストリジウムビファーメンタンスと、大腸菌との組み合わせであった。バクテロイデス・テタイオタオミクロンと、バクテロイデス・オバータスと、バクテロイデス・ブルガタスとの組み合わせとしての、クロストリジウム・ディフィシルの増殖の低減された阻害を示す対照の一例。プレートをパラフィルムで包み、37℃、嫌気条件下で、24時間インキュベートした。24時間後、クロストリジウム・ディフィシルのみを含有するウェルを段階希釈し、プレートして、力価を決定した。その後、96ウェルプレートを-80℃で凍結させてから、qPCRアッセイによってクロストリジウム・ディフィシルを定量した(実施例6を参照)。本アッセイにおいてクロストリジウム・ディフィシルを阻害する実験的組み合わせは、クロストリジウム・ディフィシル感染症の予防または治療のための組成物において有用である。
実施例4。フィルタ挿入物を使用して、クロストリジウム・ディフィシルの増殖に対して阻害性である拡散性産生物を産生する細菌組成物をスクリーニングするための、CivSimアッセイの構築
クロストリジウム・ディフィシルを阻害する拡散性産生物を産生し得る細菌組成物を特定するために、修正CivSimアッセイを設計した。この実験において、上述のCivSimアッセイを、96ウェル形式の0.22uMのフィルタ挿入物(Millipore(商標)MultiScreen(商標)96Well Assay Plate品目MAGVS2210)を使用して、クロストリジウム・ディフィシルを細菌組成物から物理的に分離させることによって修正した。クロストリジウム・ディフィシルを96ウェルプレート内にアリコートした一方で、細菌組成物をフィルタオーバーレイ上の培地内にアリコートした。栄養素/増殖培地は、0.22uMのフィルタの両面に接触し、拡散による栄養素、小分子、及び多くの巨大分子(例えば、バクテリオシン、細胞表面タンパク質、または多糖)の交換を可能にする。この実施形態において、24時間のインキュベーション後、細菌組成物を含有するフィルタ挿入物を取り除いた。その後、クロストリジウム・ディフィシルを含有するプレートを、600nmでの光学密度(OD)の測定に好適な96ウェルプレートリーダーに移動させた。異なる細菌組成物お存在下でのクロストリジウム・ディフィシルの増殖を、OD測定に基づいて比較した。これらの実験の結果は、組成物中の細菌とクロストリジウム・ディフィシルとの接触を許容しない条件下、共有された培地内で増殖される際、クロストリジウム・ディフィシルを阻害し得る組成物が特定され得ることを実証した。そのような組成物は、クロストリジウム・ディフィシル感染症を治療するのに効果的であり、かつ、例えば、感染の治療における使用のためにそのような拡散性産生物を単離させるためのプロセスの一部としての役割を果たし得る拡散性産生物を産生するための候補である。
実施例5。定量のために、クロストリジウム・ディフィシル選択的培地を使用して、クロストリジウム・ディフィシルの増殖に対して阻害性である細菌組成物をスクリーニングするための、CivSimアッセイの構築
上述のCivSimアッセイを修正して、段階希釈し、CCFA(サイクロセリンセフォキシチンフルクトース寒天、Anaerobe Systems)、CDSA(サイクロセリンセフォキシチンマンニトール寒天であるクロストリジウム・ディフィシル選択的寒天、Becton Dickinson)などのクロストリジウム・ディフィシル選択的培地(Bloedt et al.2009)にプレートすることによって、最終クロストリジウム・ディフィシル力価を決定し得る。
実施例6。定量的PCR(qPCR)を使用したクロストリジウム・ディフィシルの定量
A. 標準曲線調製
クロストリジウム・ディフィシルを定量するために、本明細書に提供されるSweetB+FosIn培地中で増殖した病原性クロストリジウム・ディフィシルのみを含有する、例えば、CivSimアッセイなどの中の各アッセイプレート上のウェルから標準曲線を作成し、選択的スポットプレートによって定量した。無菌リン酸塩緩衝生理食塩水中で、培養物の連続的希釈を実行した。標準曲線試料、及び他のウェルからゲノムDNAを抽出した。
B. ゲノムDNA抽出物
希釈、凍結/解凍、及び熱溶解プロトコルを使用して、5μlの各試料からゲノムDNAを抽出した。5μlの解凍された試料を、45μlのUltraPure水(Life
Technologies,Carlsbad,CA)に添加し、ピペッティングによって混合した。希釈された試料を有するプレートを、増幅前に加熱溶解ステップを含んだqPCRでの使用まで、-20℃で凍結させた。あるいは、ゲノムDNAは、製造者の指示書に従って、Mo Bio Powersoil(登録商標)-htp96Well Soil DNA Isolation Kit(Mo Bio Laboratories,Carlsbad,CA)、Mo Bio Powersoil(登録商標)DNA Isolation Kit(Mo Bio Laboratories,Carlsbad,CA)、またはQIAamp DNA Stool Mini Kit(QIAGEN,Valencia,CA)を使用して、単離されてもよかった。
C. qPCR組成物及び条件
qPCR反応混合物は、1×SsoAdvanced Universal Probes Supermixと、900nMのWr-tcdB-Fプライマー(AGCAGTTGAATATAGTGGTTTAGTTAGAGTTG、IDT,Coralville,IA)と、900nMのWr-tcdB-Rプライマー(CATGCTTTTTTAGTTTCTGGATTGAA、IDT,Coralville,IA)と、250nMのWr-tcdB-Pプローブ(6FAM-CATCCAGTCTCAATTGTATATGTTTCTCCA-MGB、Life Technologies,Grand Island,NY)と、Molecular Biology Grade Water(Mo Bio Laboratories,Carlsbad,CA)とを18μlまで(プライマーは、Wroblewski,D.et al.,Rapid Molecular Characterization of Clostridium difficile and Assessment of Populations of C.difficile in Stool Specimens,Journal of Clinical Microbiology47:2142-2148(2009)から適合)を含有した。この反応混合物を、Hard-shell Low-Profile Thin Wall96-well Skirted PCR Plate(BioRad,Hercules,CA)のウェルにアリコートした。この反応混合物に、2μlの希釈、凍結、及び解凍された試料を添加し、Microseal‘B’Adhesive Seal(BioRad,Hercules,CA)でプレートを密封した。CFX96(商標)Real-Time System(BioRad,Hercules,CA)を備えたBioRad C1000(商標)Thermal Cycler上で、qPCRを実行した。熱サイクル条件は95℃で15分間、その後95℃で5秒間、60℃で30秒間、及びFAMチャネルの蛍光読み取りのサイクルを45回であった。あるいは、qPCRは、当業者にとって既知である他の標準的方法で実行されてもよかった。
D. データ分析
CFX Manager(商標)3.0ソフトウェアによって、FAMチャネル上での各ウェルのCq値を決定した。所与の試料のCq値を、標準曲線ウェルのCq値と、それらの試料の既知のlog10(CFU/mL)とを比較する標準曲線から作成した直線回帰モデルに入力することによって、クロストリジウム・ディフィシル各試料のlog10(CFU/mL)を計算した。標準曲線の作成に使用された、追加で細菌が添加されていない各アッセイプレート上の試料中のクロストリジウム・ディフィシルのlog10(CFU/mL)から、試料中のクロストリジウム・ディフィシルのlog10(CFU/mL)を減算することによって、各試料のlog阻害を計算した。各組成物の全ての複製物について、平均log阻害を計算した。
各組成物の範囲及び標準偏差のヒストグラムをプロットした。全体的な分布とは異なるlog阻害の範囲または標準偏差を、可能性のある外れ値として検査した。単一のlog阻害のデータを、ヒストグラム中で特定された二元の対のうちの一方から取り除くと、大多数の試料からの範囲または標準偏差と一致する範囲または標準偏差がもたらされる場合、そのデータを外れ値として取り除き、平均log阻害を再計算した。
アッセイにおいて評価された全ての試料のプールされた分散を、試料の自由の程度によって重み付けした試料分散の平均として推定した。その後、プールされた分散の平方根を試料の数の平方根で割って、プールされた標準誤差を計算した。所与のパーセンテージ閾値に対応するzスコアに、プールされた標準誤差を掛けることによって、帰無仮説の信頼区間を決定した。信頼区間外の平均log阻害を、正の場合、阻害性であると見なし、または使用された区間に対応する信頼パーセントについて負の場合、刺激性であると見なした。帰無仮説の99%の信頼区間(C.I)よりも大きい平均log阻害を有する試料を++++として、95%<C.I.<99%を有するものを+++として、90%<C.I.<95%を有するもの++をとして、80%<C.I.<90%を有するもの+をとして報告する一方で、帰無仮説の99%の信頼区間(C.I)未満の平均log阻害を有する試料を----として、95%<C.I.<99%を有するものを---として、90%<C.I.<95%を有するもの--をとして、80%<C.I.<90%を有するもの-をとして報告する。
実施例7。細菌組成物によるクロストリジウム・ディフィシルの増殖の阻害
本明細書に記載される方法を使用して、クロストリジウム・ディフィシルを阻害し得る二元の対を特定した(表4を参照)。989個の組み合わせのうちの622個が>80%の信頼区間について阻害を示し、989個のうちの545個が>90%のC.Iについて阻害を示し、989個のうちの507個が>95%のC.Iについて阻害を示し、989個のうちの430個が>99%のC.Iについて阻害を示した。非限定的ではあるが、例示的な二元の対としては、例えば、アリスティペスと対になったブラウティア・プロダクタ、クロストリジウム・ハセワイ、もしくはコリンゼラ・アエロファシエンス、またはクロストリジウム・マヨムベイと対になったクロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・テルチウム、コリンゼラ・アエロファシエンス、あるいは表4に示す他の424個の組み合わせのうちのいずれかなどの、0.366よりも大きい平均log低減を有するものが挙げられる。等しく重要なCivSimアッセイは、クロストリジウム・ディフィシルを効果的に阻害しない二元の対を説明する。989個の組み合わせのうちの188個は>80%の信頼で増殖を促進し、989個のうちの52個は>90%の信頼で阻害の欠如を示し、989個のうちの22個は>95%の信頼で阻害の欠如を示し、ブラウティア・プロダクタとコプロコッカス・カツスとの組み合わせ、アリスティペス・シャヒーとドレア・フォルミシゲネランスとの組み合わせ、及びユーバクテリウムレクタレとローセブリア・インテスチナリスとの組み合わせを含む、989個のうちの3個は>99%の信頼で阻害の欠如を示す。989個のうちの249個の組み合わせは、アッセイにおいて中性であリ、これは、それらが、測定の限界までクロストリジウム・ディフィシルの増殖の促進も阻害もしないことを意味する。
帰無仮説の99%の信頼区間(C.I)よりも大きい平均log阻害を有する三元の組み合わせを++++として、95%<C.I.<99%を有するものを+++として、90%<C.I.<95%を有するもの++をとして、80%<C.I.<90%を有するもの+をとして報告する一方で、帰無仮説の99%の信頼区間(C.I)未満の平均log阻害を有する試料を----として、95%<C.I.<99%を有するものを---として、90%<C.I.<95%を有するもの--をとして、80%<C.I.<90%を有するもの-をとして報告する。
CivSimアッセイ結果は、多くの三元の組み合わせが、クロストリジウム・ディフィシルを阻害し得ることを実証する(表4)。632個の三元の組み合わせのうちの516個が>80%の信頼区間について阻害を示し、632個のうちの507個が>90%のC.Iについて阻害を示し、632個のうちの496個が>95%のC.Iについて阻害を示し、632個のうちの469個が>99%のC.Iについて阻害を示した。非限定的ではあるが、例示的な三元の対としては、コリンゼラ・アエロファシエンス、コプロコッカス・コメス、及びブラウティア・プロダクタなどの、++++のスコアを有するものが挙げられる。CivSimアッセイはまた、クロストリジウム・ディフィシルを効果的に阻害しない三元の組み合わせを説明する。632個の組み合わせのうちの76個は>80%の信頼で増殖を促進し、632個のうちの67個は>90%の信頼で増殖を促進し、632個のうちの61個は>95%の信頼で増殖を促進し、クロストリジウム・オルビセンデンス(orbiscendens)、コプロコッカス・コメス、及びフィーカリバクテリウム・プラウスニィッチーなどであるが、これらに限定されない、632個の組み合わせのうちの49個は>99%の信頼で増殖を促進する。632個のうちの40個の組み合わせは、アッセイにおいて中性であリ、これは、それらが、信頼の限界までクロストリジウム・ディフィシルの増殖の促進も阻害もしないことを意味する。
99%の信頼でクロストリジウム・ディフィシルを阻害する三元の組み合わせのうち、クロストリジウム・ディフィシルを強く阻害するものは、それらの平均log阻害を、試験された全ての三元の組み合わせの全ての結果の分布に対して比較することによって特定され得る。第75百分位よりも大きいものは、クロストリジウム・ディフィシルを強く阻害すると見なされ得る。あるいは、第50、第60、第70、第80、第90、第95、または第99百分位よりも大きいものは、クロストリジウム・ディフィシルを強く阻害すると見なされ得る。第75百分位よりも大きい、非限定的ではあるが、例示的な三元の対としては、ブラウティア・プロダクタ、クロストリジウム・テルチウム、及びルミノコッカス・グナバス、ならびにユーバクテリウム・レクタレ、クロストリジウム・マヨムベイ、及びルミノコッカス・ブロミイが挙げられる。
二元及び三元の組み合わせがクロストリジウム・ディフィシルを阻害するという実証に加えて、CivSimは、これらの組み合わせのうちの多くがクロストリジウム・ディフィシルを相乗的に阻害することを実証する。クロストリジウム・ディフィシルの増殖の阻害における相乗作用を実証する例示的な三元の組み合わせとしては、ブラウティア・プロダクタ、クロストリジウム・イノキューム、クロストリジウム・オルビセンデンス及びコリンゼラ・アエロファシエンス、ブラウティア・プロダクタ、ならびにユーバクテリウム・レクタレが挙げられるが、これらに限定されない。更なる有用な組み合わせは、本明細書を通して、例えば、表4a、4b、及び14~21に提供される。
2つの高次細菌組成物を、CivSimアッセイにおいて、クロストリジウム・ディフィシルの阻害について試験した。15メンバー組成物であるN1962(S030及びN1952としても知られる)は、0.58のlog10CFU/mLの標準偏差、平均2.73のlog10CFU/mLで、クロストリジウム・ディフィシルを阻害した一方で、9メンバー組成物であるN1984(S075としても知られる)は、0.45のlog10CFU/mLの標準偏差、平均1.42のlog10CFU/mLで、クロストリジウム・ディフィシルを阻害した。
これらのデータは合わせて、増殖を阻害するのに効果的であり、増殖を阻害するか、または生物、例えば、クロストリジウム・ディフィシルなどの病原性生物の増殖に対して影響を有しない、複数の種を含有する組成物を特定するために、CivSimアッセイが使用され得ることを実証する。
実施例8。クロストリジウム・ディフィシル感染症のマウスモデルにおける、三元の組み合わせの有効性のインビボ検証。
芽胞集団などであるが、これに限定されない細菌組成物の治療潜在性を試験するために、クロストリジウム・ディフィシル感染症の予防マウスモデルを使用した(モデルは、Chen et al..2008.A mouse model of Clostridium difficile-associated disease.Gastroenterology135:1984-1992に基づいた)。簡潔に述べると、各5匹のマウスがいる2つのケージを、実験の各群について試験した。全てのマウスは、その飲み水に、-14~-5日目を通して10%のグルコース、カナマイシン(0.5mg/ml)、ゲンタマイシン(0.044mg/ml)、コリスチン(1062.5U/ml)、メトロニダゾール(0.269mg/ml)、シプロフロキサシン(0.156mg/ml)、アンピシリン(0.1mg/ml)、及びバンコマイシン(0.056mg/ml)からなる抗生物質混合物を受け、強制経口投与によって、-3日目に10mg/kgの用量のクリンダマイシンを受けた。-1日目に、試験組成物を12,100rcfで5分間回転させ、それらの上清を取り出し、残りのペレットを無菌PBS中に再懸濁させ、細菌組成物が芽胞形状ではない場合、前還元し、強制経口投与を介して送達した。0日目に、強制経口投与を介して、マウスに約4.5のlog10cfuのクロストリジウム・ディフィシル(ATCC43255)または(未処置群に)無菌PBSの投与によって負荷を与えた。死亡率、体重、及び外観(標準、円背、立毛、または嗜眠に基づいて0~2点)、ならびに臨床的徴候(標準、湿潤した尾、触ると冷たい、または他の動物からの孤立)に基づいて0~2点)のスコアを組み合わせることによる、0~4の尺度に基づいた、クロストリジウム・ディフィシルの症状の臨床的スコア化を-2~6日目まで毎日評価し、死亡した場合4のスコアとした。-1日目と比較した平均最小体重、ならびに平均最大臨床的スコア及び平均累積死亡率を計算した。死亡を4のスコアに割り当てて、ビヒクル対照と比較して、低減した死亡率、-1日目と比較して増加した平均最小体重、及び低減した平均最大臨床的スコアを使用して、クロストリジウム・ディフィシルによる感染症を阻害する試験組成物の能力を評価した。
1株当たり1e9CFU/mLで、上述のマウスモデルにおいて、三元の組み合わせを試験した。結果を表5に示す。データは、CivSimアッセイ結果が、クロストリジウム・ディフィシル感染症における体重減少を阻害する組み合わせの能力を高度に予測することを実証する。このモデルにおけ体重減少は、一般に、疾患を示すと見なされる。
一実施形態において、インビボでの有効性についてスクリーニングする組成物は、インビトロでの増殖の阻害スコアなどであるが、これに限定されない機能的測定基準に基づいて、組成物を順位付けすることによって選択され得る。第75百分位以上に順位付けされる組成物は、増殖を強く阻害すると見なされ、インビボでの機能的表現型の検証のために選択され得る。他の実施形態において、第50、第60、第70、第80、第90、第95、または第99百分位よりも大きい組成物は、最適な候補であると見なされ得る。別の実施形態において、帰無仮説の99%の信頼区間(C.I)よりも大きい平均log阻害を有する組み合わせが選択される。他の実施形態において、95%、90%、85%、または80%の信頼区間(C.I)よりも大きい組成物が選択される。別の実施形態において、相乗的阻害を有することが実証された組成物が、上述のものなどのインビボモデルにおける試験のために選択される(実施例7を参照)。
インビボモデルにおける有効性のスクリーニングのために選択された組成物はまた、増殖阻害の測定基準の組み合わせを使用して選択され得る。非限定的な一実施例において、(i)組成物を、それらのlog阻害が帰無仮説の99%の信頼区間(C.I.)よりも大きいことに基づいて選択する、(ii)選択された組成物のサブセットを、全ての阻害スコアの分布において第75以上の百分位に順位付けされるものを表すように更に選択する、(iii)その後、(ii)のサブセットを、相乗的阻害を実証する組成物に基づいて更に選択する。いくつかの実施形態において、異なる信頼区間(C.I.)及び百分位を使用して、組成物サブセットを作製する。例えば、表4bを参照されたい。
選択された12個の例示的な三元の組み合わせのうち、CivSimアッセイ(実施例6を参照されたい)において、99%超の信頼で、全てがクロストリジウム・ディフィシルを阻害することを実証した。12個の組成物のうちの10個は、平均最小体重に関してビヒクル対照と比較すると、保護効果を実証した。12個全ての組成物が、平均最大臨床的スコアに関して、ビヒクルよりも優れていた一方で、12個の組成物のうちの11個は、累積死亡率でビヒクル対照に勝った。非限定的であるが、例示的な三元の組み合わせ、コリンゼラ・アエロファシエンス、クロストリジウム・バイトリカム(buytricum)、及びルミノコッカス・グナバスは、クロストリジウム・ディフィシル感染症の症状に対して保護性であり、それぞれ0.82、2.6、及び30%のビヒクル対照と比較して、0.96の平均最小相対体重、0.2の平均最大臨床的スコア、及び0%の累積死亡率をもたらした。これらの結果は、インビトロでのCivSimアッセイを使用して、インビボマウスモデルにおいて保護性である組成物を特定し得ることを実証する。インビボでの生物系の固有の動的性質、及びインビトロアッセイの固有の単純化を考えると、これは驚きである。阻害及び有効性のインビボの尺度において、インビトロの直接的な相関性が存在することは、予想されていないであろう。これは一部には、交絡因子が、インビトロで効果的であると見なされる組成物の能力をインビボで効果的であるように不明瞭にする、またはそれに影響を与えることが予想されている可能性がある治療のために、組成物が投与されるインビボ系の複雑性のためである。
実施例9。定量及び組成物スクリーニングのために、バンコマイシン耐性エンテロコッカス選択的培地を使用して、バンコマイシン耐性エンテロコッカス(VRE)の増殖に対して阻害性である細菌組成物をスクリーニングするための、CivSimアッセイの構築
病原菌、例えば、バンコマイシン耐性エンテロコッカスと競合する組成物の能力を決定するために、競合アッセイを開発した。これらの実験において、エンテロコッカス・フェシウムのバンコマイシン耐性株の一晩の培養を、SweetB-FosIn中で、24時間嫌気増殖させた。細菌組成物のグリセロール保存液を-80℃から解凍し、96ウェルプレートの適切なウェル内のSweetB-FosIn中、1株当たり1e6CFU/mLに希釈した。プレートを37℃、嫌気で1時間インキュベートして、以前に凍結された細菌を生き返らせた。1時間の初期インキュベーションの後、1e2または1e3CFU/mLの標的濃度で、VREを適切なウェルに植え付けた。ウェルにはまた、細菌組成物なしで、VREのみを植え付けた。プレートを37℃、嫌気で24時間インキュベートした。15時間及び24時間でアリコートを取り出し、VRE力価を決定した。各時点で、ウェル内容物を、段階希釈し、VREに選択的な寒天プレート(エンテロコッコセル寒天+8ug/mLの塩酸バンコマイシン)(BBL212205からのエンテロコッコセル寒天、Sigma94747からの塩酸バンコマイシン)にプレートした。選択的プレートを、37℃、好気で24時間インキュベートしてから、コロニーを計数して、CivSimプレートの各ウェル内のVREの最終力価を決定した。VREのみを含有するウェルの最終力価から、競合ウェルの最終力価を減算することによって、VREのlog阻害を決定した。VREと細菌組成物との開始濃度の複数の比率を試験して、最大信号をもたらす条件に最適化した。15時間の競合時間、1e2CFU/mLでのVREの開始濃度、及び1e6CFU/mLでのN1962(S030及びN1952としても知られる)の開始濃度が、対照と比較して、増殖の最大阻害を示した。
上述の条件を使用して、1個の15メンバー及び44個のヘテロ三量体細菌組成物をアッセイにおいて試験し、その結果を表4及び6に提供する。試験された44個のヘテロ三量体組成物のうち、43個が80%超の信頼でVREを阻害し、41個が95%超の信頼でVREを阻害し、39個が99%超の信頼でVREを阻害した。試験された1個の三元の組成物は、80%超の信頼での阻害または誘導を実証しなかった。
99%の信頼でVREを阻害する三元の組み合わせのうち、VREを強く阻害するものは、それらの平均log阻害を、試験された全ての三元の組み合わせの全ての結果の分布に対して比較することによって特定され得る。第75百分位よりも大きいものは、VREを強く阻害すると見なされ得る。あるいは、第50、第60、第70、第80、第90、第95、または第99百分位よりも大きいものは、VREを強く阻害すると見なされ得る。99%超の信頼でVREを阻害し、かつ第75百分位よりも大きい、非限定的であるが、例示的な三元の組み合わせとしては、ブラウティア・プロダクタ、クロストリジウム・イノキューム、及びルミノコッカス・グナバス、ならびにブラウティア・プロダクタ、クロストリジウム・ブチリカム、及びクロストリジウム・ハイレモンアエが挙げられる。
15メンバー組成物、N1962(S030及びN1952としても知られる)は、試験された全ての条件にわたって少なくとも0.7log10CFU/mLだけVREを阻害し、最適条件において5.7log10CFU/mLの阻害を実証した。
これらのデータは、VRE感染症の予防及び治療のために有用な組成物を特定する方法を実証する。
実施例10。定量のために、クレブシエラ選択的培地を使用して、クレブシエラ・ニューモニエの増殖に対して阻害性である細菌組成物をスクリーニングするための、CivSimアッセイの構築
病原菌、例えば、クレブシエラ・ニューモニエと競合する組成物の能力を決定するために、競合アッセイを開発した。これらの実験において、クレブシエラ・ニューモニエのバンコマイシン耐性株の一晩の培養を、SweetB-FosIn中で、24時間嫌気増殖させた。細菌組成物(N1962)のグリセロール保存液を-80℃から解凍し、96ウェルプレートの適切なウェル内のSweetB-FosIn中、1株当たり1e6CFU/mLに希釈した。プレートを37℃、嫌気で1時間インキュベートして、以前に凍結された細菌を生き返らせた。1時間の初期インキュベーション後、1e2または1e3CFU/mLの標的濃度で、クレブシエラ・ニューモニエを適切なウェルに植え付けた。ウェルにはまた、細菌組成物なしで、クレブシエラ・ニューモニエのみを植え付けた。プレートを37℃、嫌気で24時間インキュベートした。15時間及び24時間でアリコートを取り出して、競合の終了時にクレブシエラ・ニューモニエの最終濃度を滴定した。各時点で、ウェルを段階希釈し、クレブシエラ・ニューモニエに対して選択的な寒天プレート(MacConkey Lactose Agar,Teknova M0149)にプレートした。選択的プレートを、37℃、好気で24時間インキュベートしてから、コロニーを計数して、CivSimプレートの各ウェル内のクレブシエラ・ニューモニエの最終力価を決定した。クレブシエラ・ニューモニエのみを含有するウェルの最終力価から、競合ウェルの最終力価を減算することによって、クレブシエラ・ニューモニエのlog阻害を決定した。クレブシエラ・ニューモニエと細菌組成物との開始濃度の複数の比率を試験して、最大信号をもたらす条件に最適化した。このアッセイの結果を表7に示す。15時間の競合時間、1e2CFU/mLでのクレブシエラ・ニューモニエの開始濃度、及び1e6CFU/mLでのN1962(S030及びN1952としても知られる)の開始濃度が、対照と比較して、増殖の最大阻害を示した。15メンバー組成物であるN1962(S030及びN1952)は、試験された条件にわたって、0.1~4.2log10CFU/mLだけ、クレブシエラ・ニューモニエを阻害した。
実施例11。定量のために、モーガネラ選択的培地を使用して、モーガネラ・モーガニイの増殖に対して阻害性である細菌組成物をスクリーニングするための、CivSimアッセイの構築
病原菌、例えば、モーガネラ・モーガニイと競合する組成物の能力を決定するために、競合アッセイを開発した。この実験において、モーガネラ・モーガニイのバンコマイシン耐性株の一晩の培養を、SweetB-FosIn中で、24時間嫌気増殖させた。細菌組成物、N1962のグリセロール保存液を-80℃から解凍し、96ウェルプレートの適切なウェル内のSweetB-FosIn中、1株当たり1e6CFU/mLに希釈した。プレートを37℃、嫌気で1時間インキュベートして、以前に凍結された細菌を生き返らせた。1時間の初期インキュベーション後、1e2または1e3CFU/mLの標的濃度で、モーガネラ・モーガニイを適切なウェルに植え付けた。ウェルにはまた、細菌組成物なしで、モーガネラ・モーガニイのみを植え付けた。プレートを37℃、嫌気で24時間インキュベートした。15時間及び24時間でアリコートを取り出して、競合の終了時にモーガネラ・モーガニイの最終濃度を滴定した。各時点で、ウェルを段階希釈し、モーガネラ・モーガニイに対して選択的な寒天プレート(MacConkey Lactose Agar,Teknova M0149)にプレートした。選択的プレートを、37℃、好気で24時間インキュベートしてから、コロニーを計数して、CivSimプレートの各ウェル内のモーガネラ・モーガニイの最終力価を決定した。モーガネラ・モーガニイのみを含有するウェルの最終力価から、競合ウェルの最終力価を減算することによって、モーガネラ・モーガニイのlog阻害を決定した。モーガネラ・モーガニイと細菌組成物との開始濃度の複数の比率を試験して、最大信号を提供する条件に最適化した。15時間の競合時間、1e2CFU/mLでのモーガネラ・モーガニイの開始濃度、及び1e6CFU/mLでのN1962(S030及びN1952としても知られる)の開始濃度が、対照と比較して、増殖の最大阻害を示した。
15メンバー細菌組成物、N1962(S030及びN1952)をアッセイにおいて試験し、その結果を表8に提供する。15メンバー組成物であるN1962(S030及びN1952)は、試験された条件にわたって、1.4~5.8log10CFU/mLだけ、モーガネラ・モーガニイを阻害した。
実施例12。操作的分類単位(OTU)及び機能的遺伝子の配列に基づくゲノム特性評価
16S rDNA遺伝子配列を決定するための方法
上述のように、rDNA遺伝子の全16S配列決定によって、この遺伝子(すなわち、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、もしくはV9)特定の高頻度可変領域の配列決定によって、またはこの遺伝子(例えば、V1~3またはV3~5)からの任意の組み合わせの高頻度可変領域の配列決定によってのいずれかで、OTUを定義する。細菌16S rDNA遺伝子は、約1500ヌクレオチド長であり、系統発生アプローチを使用して、1つの細菌単離菌と、別の細菌単離菌との進化的関係及び配列類似性を再構築するのに使用される。16S配列は、一般に高度に保存されるが、ほとんどの微生物の属及び種を鑑別するために十分なヌクレオチド多様性を持つ、特定の高頻度可変領域を含有するため、16S配列を系統発生再構築のために使用する。rDNA遺伝子配列決定法は、非濃縮試料の分析だけでなく、微生物組成物もしくは微生物試料からの対象の微生物、及び/または後述する適切なrDNA遺伝子配列を持つ核酸を濃縮する濃縮ステップ後の、微生物の特定のための両方に対して適用可能である。例えば、16S rDNA遺伝子の特性評価前の濃縮処理は、16S、及び微生物から精製された、他の分子に基づく特性評価核酸の感受性を増加させるであろう。
当該技術分野において既知である技術を使用して、全16S配列または16S rDNA配列の任意の高頻度可変領域の配列を決定するために、細菌試料からゲノムDNAを抽出し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して16S rDNA(全領域または特定の高頻度可変領域)を増幅し、PCR産物を洗浄し、ヌクレオチド配列を描写して、16S遺伝子の遺伝子組成物またはこの遺伝子のサブドメインを決定した。全16S配列決定を実行し、使用した配列決定法は、サンガー配列決定法であり得るが、これに限定されない。V4領域などの1つ以上の高頻度可変領域が使用される場合、配列決定は、サンガー法を使用して、または多重反応を可能にするバーコード付けされたプライマーを使用するIllumina(合成による配列決定)法などの次世代配列決定法を使用して実行され得るが、これらに限定されない。
18SrDNA及びITS遺伝子配列を決定するための方法
遺伝子手段によって、真菌OTUを割り当て、特定するための方法は、18S配列及び内部転写スペーサー(ITS)を分析することによって達成され得る。リボソームのコアを形成する真菌のrRNAは、単一遺伝子として転写され、8Sと5.8S領域、及び5.8Sと28S領域の間にそれぞれITS4及び5を有する、8S、5.8S及び28S領域からなる。18Sと5.8S領域、及び5.8Sと28S領域の間のこれらの2つのシストロン間セグメントは、スプライシングすることによって取り除かれ、既に記載したバーコード付けの目的のために、種の間での著しい変異を含有する(Schoch et
al.Nuclear ribosomal internal transcribed spacer(ITS)region as a universal DNA barcode marker for Fungi.PNAS USA109:6241-6246.2012)。18SrDNAは、典型的に系統発生再構築のために使用されるが、ITSは、それが一般に保存されるが、ほとんどの真菌の属及び種を鑑別するために十分なヌクレオチド多様性を持つ高頻度可変領域を含有するため、この機能を果たし得る。
当該技術分野において既知である技術を使用して、全18S配列及びITS配列、またはこれらの配列のより小さい高頻度可変区分を決定するために、微生物試料からゲノムDNAを抽出し、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用してrDNAを増幅し、PCR産物を洗浄し、ヌクレオチド配列を描写して、遺伝子組成物rDNA遺伝子またはこの遺伝子のサブドメインを決定した。使用される配列決定法は、サンガー配列決定法、または多重反応を可能にするバーコード付けされたプライマーを使用するIllumina(合成による配列決定)法などの次世代配列決定法の使用であり得るが、これらに限定されない。
他のマーカー遺伝子配列を決定するための方法
16S及び18SrDNA遺伝子に加えて、OTUは、所与の種またはOTUの分類学的群の既知のマーカー遺伝子である、選択された遺伝子のセットまたは遺伝子の部分を配列決定することによって定義され得る。これらの遺伝子は、PCRに基づくスクリーニング戦略を使用して、代替的にアッセイされ得る。例えば、熱不安定性(LTI、LTIIa、及びLTIIb)毒素ならびに熱安定性(STI及びSTII)毒素と、ベロ毒素1型、2型、及び2e型(それぞれVT1、VT2、及びVT2e)と、細胞傷害性壊死因子(CNF1及びCNF2)と、結合及び削除機構(eaeA)と、腸管凝集性機構(Eagg)と、腸管侵入性機構(Einv)とをコードする遺伝子からのDNAを使用して、病原性大腸菌の様々な株を識別することができる。マーカー遺伝子の使用による、OTUの分類学的割り当ての利用のために最適な遺伝子は、配列に基づく分類学的特定の当業者に周知であろう。
ゲノムDNA抽出
ゲノムDNAは、熱アルカリ溶解法を使用して、純粋または濃縮微生物培養物から抽出され得る。例えば、1μlの微生物培養物を、9μlの溶解緩衝液(25mMのNaOH、0.2mMのEDTA)に添加し、混合物を95℃で30分間インキュベートする。その後、試料を4℃に冷却し、10μlの中和緩衝液(40mMのTris-HCl)の添加によって中和させ、その後、溶出緩衝液(10mMのTris-HCl)中で10倍に希釈する。あるいは、Mo Bio Ultraclean(登録商標)Microbial DNA Isolation Kit(Mo Bio Laboratories,Carlsbad,CA)などの商業的に入手可能なキットを使用して、または当業者に既知である方法によって、純粋または濃縮微生物培養物からゲノムDNAを抽出する。真菌試料について、DNA抽出は、機械粉砕法によって真菌子実体から可溶化液を産生するために、既に記載した方法(例えば、米国第20120135127号を参照)によって実行され得る。
下流サンガー配列決定法のための16S配列の増幅
(例えば、図2及び図3の)細菌16S rDNAを増幅するために、2μlの抽出されたgDNAを20μlの最終体積のPCR反応液に添加する。全長16配列決定のために、PCR反応液はまた、体積の平衡のためのPCR Water(Mo Bio Laboratories,Carlsbad,CA)とともに、1×HotMaster(登録商標)Mix(5PRIME,Gaithersburg,MD)、250nMの27f(AGRGTTTGATCMTGGCTCAG、IDT,Coralville,IA)、及び250nMの1492r(TACGGYTACCTTGTTAYGACTT、IDT,Coralville,IA)を含有する。
図2は、16S配列上にマッピングされた高頻度可変領域、及び配列マップ上でこれらの配列に対応する配列領域を示す。16S rDNA遺伝子の模式図を示し、図は、本発明の一実施形態に従う高頻度可変領域1~9(V1~V9)の座標を表す。V1~V9の座標は、Brosius et al.(Complete nucleotide sequence of a 16S ribosomal RNA gene(16S rRNA)from Escherichia coli,PNAS USA75(10):4801-4805.1978)によって定義される大腸菌系の命名法を使用する番号付けに基づいて、それぞれ、69~99、137~242、433~497、576~682、822~879、986~1043、1117~1173、1243~1294、及び1435~1465である。
あるいは、当業者に既知である他の普遍的細菌プライマーまたは熱安定性ポリメラーゼが使用される。例えば、16S rDNAの「V1~V9領域」の配列決定のために、プライマーは、当業者にとって入手可能である(例えば、図2)。これらの領域は、細菌試料の遺伝子分類のために使用される16S rDNA遺伝子の第1~9の高頻度可変領域を指す。細菌におけるこれらの領域は、大腸菌系の命名法に基づく番号付けを使用して、それぞれ、ヌクレオチド69~99、137~242、433~497、576~682、822~879、986~1043、1117~1173、1243~1294、及び1435~1465によって定義される。上記Brosius et al.,1978を参照されたい。いくつかの実施形態において、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、及びV9領域のうちの少なくとも1つを使用して、OTUを特性評価する。一実施形態において、V1、V2、及びV3領域を使用して、OTUを特性評価する。別の実施形態において、V3、V4、及びV5領域を使用して、OTUを特性評価する。別の実施形態において、V4領域を使用して、OTUを特性評価する。当業者は、(図3のように)問題の配列配列と参照配列とを比較し、参照高頻度可変領域に対する類似性に基づいて高頻度可変領域を特定することによって、候補16S rDNAの特定の高頻度可変領域を特定し得る(例えば、図2)。図3は、上記Brosius et al.によって説明される例示的参照大腸菌16S配列における、各高頻度可変領域のヌクレオチド配列を太字で強調する。
PCRは典型的に、BioRad MyCycler(商標)Thermal Cycler(BioRad,Hercules,CA)などの商業的に入手可能な熱サイクラー上で実行される。反応を、94℃で2分間実施し、その後、94℃で30秒間、51℃で30秒間、及び68℃で1分30秒間のサイクルを30回、その後、72℃で7分間の延長、及び4℃で不定保持をする。PCR後、反応産物の一部のゲル電気泳動を使用して、約1.5kbの産物の増幅の成功を確認する。
PCR産物からヌクレオチド及びオリゴヌクレオチドを取り出すために、2μlのHT
ExoSap-IT(登録商標)(Affymetrix,Santa Clara,CA)を、5μlののPCR産物に添加し、その後、37℃で15分間インキュベートし、その後、80℃で15分間不活性化する。
大規模並列配列決定技術による下流特性評価のための16S配列の増幅
Illuminaなどの短読み取り技術による下流配列決定のために実行される増幅は、当業者に既知である、配列に基づくバーコードタグを追加で含むプライマーを使用した増幅を必要とする。例えば、細菌16S rDNAの16S高頻度可変領域V4領域を増幅するために、2μlの抽出されたgDNAを20μlの最終体積のPCR反応液に添加する。PCR反応液はまた、体積の平衡のためのPCR Water(Mo Bio Laboratories,Carlsbad,CA)とともに、1×HotMasterMix(5PRIME,Gaithersburg,MD)、200nMのV4_515f_adapt(AATGATACGGCGACCACCGAGATCTACACTATGGTAATTGTGTGCCAGCMGCCGCGGTAA、IDT,Coralville,IA)、及び200nMのバーコード付けされた806rbc(CAAGCAGAAGACGGCATACGAGAT_12bpGolayBarcode_AGTCAGTCAGCCGGACTACHVGGGTWTCTAAT、IDT,Coralville,IA)を含有する。先行するプライマー配列において、非ACTGヌクレオチド表記は、当該技術分野において使用される従来の縮重コードを指す。これらのプライマーは、合成によるIllumina配列決定のために、バーコード付けされたアダプターを組み込む。任意選択で、同一の2連、3連、または4連反応が実行され得る。あるいは、異なる増幅及び配列決定の誤差割合、ならびに代替的な配列決定技術の結果を得るために、当業者に既知である他の普遍的細菌プライマーまたは熱安定性ポリメラーゼが使用される。
PCR増幅は、BioRad MyCycler(商標)Thermal Cycler(BioRad,Hercules,CA)などの商業的に入手可能な熱サイクラー上で実行される。反応を、94℃で3分間実施し、その後、94℃で45秒間、50℃で1分間、及び72℃で1分30秒間のサイクルを25回、その後、72℃で10分間の延長、及び4℃で不定保持をする。PCR後、反応産物の一部のゲル電気泳動を使用して、約1.5kbの産物の増幅の成功を確認する。上述のようにPCR精製を実行する。
純粋均質試料からの標的増幅産物のサンガー配列決定法
各試料の核酸を検出するために、2つの配列決定反応を実行して、順方向及び逆方向配列決定の読み取りを作成した。全長16S配列決定のために、プライマー27f及び1492rを使用する。40ngのExoSap-IT-洗浄PCR産物を、25pmolの配列決定プライマー及びMo Bio Molecular Biology Grade Water(Mo Bio Laboratories,Carlsbad,CA)と混合させて、15μgの総体積にする。この反応を、サンガー配列決定法のためにGenewiz(South Plainfield,NJ)などの商業的配列決定機構に提出する。
下流配列決定のための18S及びITS領域の増幅
18SまたはITS領域を増幅するために、2μLの真菌DNAを、15μLのAmpliTaq Gold360Mastermix、PCRプライマー、及び水で、30μLの最終体積に増幅した。ITS領域のPCRのための順方向及び逆方向プライマーは、5’-TCCTCCGCTTATTGATATGC-3’及び5’-GGAAGTAAAAGTCGTAACAAGG-3’であり、それぞれ0.2uMの濃度で添加する。18S領域の順方向及び逆方向プライマーは、5’-GTAGTCATATGCTTGTCTC-3’及び5’-CTTCCGTCAATTCCTTTAAG-3’であり、それぞれ0.4uMの濃度で添加する。PCRを以下のプロトコルで実行する。95℃で10分間、95℃で15秒間、52℃で30秒間、72℃で1.5秒間のサイクルを35回、及び最後に72℃で7分間、その後、4℃で貯蔵する。全ての順方向プライマーはM13F-20配列決定プライマーを含有し、逆方向プライマーはM13R-27配列決定プライマーを含有した。PCR産物(3μL)を酵素的に洗浄してから、1μLのExoSap-IT及び1μLのTris EDTAでサイクル配列決定し、37℃で20分間、その後、80℃で15分間インキュベートした。サイクル配列決定反応物は、5μLの洗浄PCR産物、2μLのBigDye(登録商標)Terminator v3.1Ready
Reaction Mix、1μLの5倍配列決定緩衝液、1.6pmolの当業者によって設計された適切な配列決定プライマー、及び10μLの最終体積での水を含有した。標準標準サイクル配列決定プロトコルは、96℃で10秒間、50℃で5秒間、60℃で4分間、及び4℃で保持のサイクルを27回である。BigDye XTerminator Purification Kitによって、製造者によって推奨されるように10μLの体積について、配列決定洗浄を実行する。サンガー配列決定法技術、またはIlluminaなどであるが、これに限定されない、次世代配列決定技術のいずれかを使用する、当業者に周知である方法を使用して、得られる18S及びITS配列の遺伝子配列を実行する。
大規模並列配列決定技術によるメタゲノム特性評価のための抽出された核酸の調製
当業者に周知である標準的な方法を使用する下流配列決定によって、ライブラリ調製のための配列決定技術の製造者の指示書によって記載されるように、抽出された核酸(DNAまたはRNA)を精製し、調製する。簡潔に述べると、Qiagen’s RNeasy(登録商標)KitまたはPromega’sゲノムDNA精製キットなどであるが、これらに限定されない、標準的な精製キットを使用してRNAまたはDNAを精製する。RNAについて、配列ライブラリ構築前にRNAをcDNAに転換する。核酸の精製後、製造者の指示書に従う、Nugen Ovation(登録商標)RNA-Seq SystemまたはIllumina Truseqなどであるが、これらに限定されない、逆転写技術を使用して、RNAをcDNAに転換する。物理的(例えば、Hydroshear)、音響的(例えば、Covaris)、または分子的(例えば、Nextera)技術を使用して、抽出されたDNAまたは転写されたcDNAを剪断し、その後、配列決定技術製造者の推奨に従ってサイズ選択する。サイズ選択後、ゲノム配列決定の当業者に周知である方法を使用して、試料指標付け及び配列決定アダプター連結のための製造者の指示書に従って、配列決定のために核酸を調製する。
異種試料からの標的増幅産物の大規模並列配列決定
DNA定量及びライブラリ構築
製造者の指示書に従って、Quant-iT(商標)PicoGreen(登録商標)dsDNA Assay Kit(Life Technologies,Grand Island,NY)を使用して、洗浄されたPCR増幅産物を定量する。定量後、異なる各PCR産物が等モル比率にあるように、バーコード付けされた洗浄されたPCR産物を組み合わせて、調製されたIlluminaライブラリを作製する。
核酸検出
クラスター産生、鋳型ハイブリダイゼーション、等温増幅、直線化、遮断及び変性によって、Illumina HiSeqまたはMiSeq sequencers(Illumina,San Diego,CA)上で調製されたライブラリを配列決定し、配列決定プライマーのハイブリダイゼーションを製造者の指示書に従って実行する。16SV4SeqFw(TATGGTAATTGTGTGCCAGCMGCCGCGGTAA)、16SV4SeqRev(AGTCAGTCAGCCGGACTACHVGGGTWTCTAAT)、及び16SV4Index(ATTAGAWACCCBDGTAGTCCGGCTGACTGACT)(IDT,Coralville,IA)を配列決定のために使用する。454、Pacific Biosciences、Helicos、Ion
Torrent、及びNanoporeなどであるが、これらに限定されない、ゲノム配列決定の当業者にとって標準的であるプロトコルを使用する他の配列決定技術が使用され得る。
実施例13。配列読み取りアノテーション
一次読み取りアノテーション
核酸配列を分析し、アノテートして、配列類似性及び系統発生配置法、または2つの戦略の組み合わせを使用して、分類学的割り当てを定義する。タンパク質の名称、タンパク質の機能、転写因子の名称、及び核酸配列のための任意の他の分類計画をアノテートするために、類似したアプローチが使用され得る。配列類似性に基づく方法としては、BLAST、BLASTx、tBLASTn、tBLASTx、RDP-classifier、DNAclust、及びQiimeまたはMothurなどの、これらのアルゴリズムの様々な実装例を含むが、これらに限定されない、当業者に周知であるものが挙げられる。これらの方法は、参照データベースに対する配列読み取りをマッピングすること、ならびに最良のスコア及びe値を有する適合を選択することに依存する。一般的なデータベースとしては、分類学的割り当てのためのHuman Microbiome Project、NCBI non-redundant database、Greengenes、RDP、及びSilvaが挙げられるが、これらに限定されない。機能的割り当てについて、読み取りは、COG、KEGG、BioCyc、及びMetaCycなどであるが、これらに限定されない、様々な機能的データベースにマッピングされる。更なる機能的アノテーションは、PICRUST(M.Langille,et al.2013.Nature Biotechnology31,814-821)などのプログラムを使用して、16S分類学的アノテーションから導出され得る。系統発生法を、配列類似性法との組み合わせで使用して、アノテーションまたは分類学的割り当ての呼び出し正確性を改善し得る。樹形及び節構造を使用して、分析の分解能を改良する。このアプローチにおいて、我々は、多数の配列類似性アプローチのうちの1つを使用して核酸配列を分析し、最尤系統発生再構築(例えば、Liu et al.,2011.RAxML and
FastTree:Comparing Two Methods for Large-Scale Maximum Likelihood Phylogeny Estimation.PLoS ONE6:e27731;McGuire et al.,2001.Models of sequence evolution for DNA sequences containing gaps.Mol.Biol.Evol18:481-490;Wróbel B.2008.Statistical
measures of uncertainty for branches in
phylogenetic trees inferred from molecular sequences by using model-based methods.J.Appl.Genet.49:49-67を参照)を含むが、これらに限定されない、当業者に既知である系統発生法を活用する。配列読み取り(例えば、16S、18S、またはITS)は、適切な参照配列で構成される参照系統発生に配置される。系統樹内の読み取りの配置に基づいて、アノテーションを行う。OTUアノテーションの確実性または有意性を、参照核酸配列に対するOTUの配列類似性、及び系統発生内の1つ以上の参照配列に対するOTU配列の近接性に基づいて定義する。一例として、分類学的割り当ての特異性は、科、属、種、または株のレベルで、信頼をもって定義され、この信頼は、調査されるOTU配列の配置に対する、参照系統樹内のブートストラップ支持分岐部の位置に基づいて決定される。上述の方法を使用して、核酸配列に、機能的アノテーションを割り当て得る。
クレード割り当て
クレード割り当ては、一般に、全長配列の16S rDNA及びV4を使用して行われる。OTUを特異な種として割り当てる、16S-V4OTU特定の能力は、特定の種または種の群にとって、16S遺伝子の16S-V4領域の分解能に一部には依存する。樹の異なる領域の、利用可能な参照16S配列の密度と、異なる種の間の16S遺伝子における固有の可変性との両方が、分類学的アノテーションの確定性を決定するであろう。系統樹の形態的性質と、樹が、OTUの配列類似性及び根底にある進化的モデルに基づいて、OTUの互いに対する階層関係を表すという事実とを考慮すると、読み取りの分類学的アノテーションを、クレードに基づく割り当て手順を使用して、より高レベルへと丸め得る。このアプローチを使用して、系統発生の当業者に周知である最尤または他の系統発生モデルを使用して、全長16S配列から構築される系統樹の形態に基づいて、クレードを定義する。クレードを構築して、所与のクレード内の全てのOTUが、(i)互い(一般に、1~5個のブートストラップ)からのブートストラップ支持結節の特定の数以内にあること、及び(ii)定義された類似性パーセント(16S分子データについては、典型的に95%~97%の配列類似性に設定される)を共有することを確保する。同一のクレード内にあるOTUは、16S-V4配列データに基づいて、異なるクレード内のOTUとは遺伝子的及び系統発生的に異なるものとして識別され得る。同一のクレード内にあるOTUは、進化的に密接に関連しており、16S-V4配列データを使用して、互いに識別可能でも、そうでなくてもよい。分析に基づくクレードの検出力は、同一のクレードのメンバーが、それらの進化的関連性のために、ヒトの腸に見出されるもののような微生物の生態において類似した機能的役割を果たす可能性が高いということである。1つの種を、同一のクレードからの別の種で置換する組成物は、保存された生態学的機能を有し、したがって、本発明において有用である可能性が高い。注目すべきことに、16S-V4配列に加えて、クレードに基づく分析を使用して、18S、ITS、及び他の遺伝子配列を分析し得る。
注目すべきことに、所与のOTUの単離菌の16S配列は、それらのそれぞれのクレード内に時折、16Sに基づく割り当てに先行している可能性のある種及び属の微生物学に基づく割り当てに矛盾して、系統発生的に配置される。微生物学的特性に基づく分類学的割り当てと、遺伝子配列決定との相違は、文献から、存在することが既知である。
所与のネットワークエコロジーまたは機能的ネットワークエコロジーについて、ネットワークの代表的クレードからOTUのセットを定義することができる。例として、ネットワークがクレード_100及びクレード_102で構成される場合、それは、コリネバクテリウム・コイレアエ、コリネバクテリウム・ムシファシエンス、及びコリネバクテリウム・ウレイセレリボランス(ureicelerivorans)からなる群からの少なくとも1つのOTUと、コリネバクテリウム・アペンディシス(appendicis)、コリネバクテリウム・ゲニタリウム、コリネバクテリウム・グラウクム、コリネバクテリウム・イミタンス、コリネバクテリウム・リエジェリイ、コリネバクテリウム菌種L_2012475、コリネバクテリウム菌種NML93_0481、コリネバクテリウム・スンドスバレンセ、及びコリネバクテリウム・タスカニエ(tuscaniae)(表1を参照)からなる群からの少なくとも1つのOTUとで構成されると言うことができる。逆に、例として、ネットワークがコリネバクテリウム・コイレアエ及び/またはコリネバクテリウム・ムシファシエンス及び/またはコリネバクテリウム・ウレイセレリボランスで構成され、コリネバクテリウム・アペンディシス及び/またはコリネバクテリウム・ゲニタリウム及び/またはコリネバクテリウム・グラウクム及び/またはコリネバクテリウム・イミタンス及び/またはコリネバクテリウム・リエジェリイ及び/またはコリネバクテリウム菌種L_2012475及び/またはコリネバクテリウム菌種NML93_0481及び/またはコリネバクテリウム・スンドスバレンセ及び/またはコリネバクテリウム・タスカニエでもまた構成されると言われる場合、それは、クレード_100及びクレード_102で構成されると言うことができる。
申請者らは、上述の方法を使用して、本明細書に開示される全てのOTUに対してクレード割り当てを行い、これらの割り当てを表1に報告する。ネットワーク分析の結果は、例えば、組成物のいくつかの実施形態において、クレード_172iによるクレード_172の置換を提供する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_198iによるクレード_198の置換を提供する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_260c、クレード_260g、またはクレード_260hによるクレード_260の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_262iによるクレード_262の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_309c、クレード_309e、クレード_309g、クレード_309h、またはクレード_309iによるクレード_309の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_313fによるクレード_313の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_325fによるクレード_325の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_335iによるクレード_335の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_351eによるクレード_351の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_354eによるクレード_354の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_360c、クレード_360g、クレード_360h、またはクレード_309iによるクレード_360の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_378eによるクレード_378の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_38eまたはクレード_38iによるクレード_38の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_408b、クレード_408d、クレード_408f、クレード_408g、またはクレード_408hによるクレード_408の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_420fによるクレード_420の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_444iによるクレード_444の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_478iによるクレード_478の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_479c、クレード_479g、またはクレード_479hによるクレード_479の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_481a、クレード_481b、クレード_481e、クレード_481g、クレード_クレード_481h、またはクレード_481iによるクレード_481の置換を許容する。別の実施形態において、クレード_497eまたはクレード_497fによるクレード_497の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_512iによるクレード_512の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_516c、クレード_516g、またはクレード_516hによるクレード_516の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_522iによるクレード_522の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_553iによるクレード_553の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_566fによるクレード_566の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_572iによるクレード_572の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_65eによるクレード_65の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_92eまたはクレード_92iによるクレード_92の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_96gまたはクレード_96hによるクレード_96の置換を許容する。別の実施形態において、ネットワーク分析は、クレード_96iによるクレード_98の置換を許容する。これらの許容されるクレード置換を、表2に記載する。
メタゲノム読み取りアノテーション
配列がアノテーション前にクラスター化される、または組み立てられるかのいずれかである、追加のステップをもって、メタゲノムまたは全ゲノムショットガン配列データは、上述のようにアノテートされる。上述の配列特性評価後、配列読み取りを、指標付け(すなわち、バーコード)を使用して逆多重化する。逆多重化後、配列読み取りを、(i)UCLUST(http://drive5.com/usearch/manual/uclust_algo.html)またはVICUNA(Xiao Yang,Patrick Charlebois,Sante Gnerre,Matthew G Coole,Niall J.Lennon,Joshua Z.Levin,James Qu,Elizabeth M.Ryan,Michael C.Zody,and Matthew R.Henn.2012.De novo assembly of highly diverse viral populations.BMC Genomics13:475)などのハッシュ法などであるが、これらに限定されない、急速クラスター化アルゴリズムを使用してクラスター化し、クラスター化後、「一次読み取りアノテーション」において上述するように各クラスターの代表的読み取りを特定し、基礎付け、分析し、その後、一次アノテーションの結果を、所与のクラスター内の全ての読み取りに適用すること、または(ii)メタゲノム配列分析の第2の戦略は、ゲノム組み立てをし、その後にMetAMOS(Treangen et al.2013Genome
Biology14:R2)、HUMAaN(Abubucker et al.2012.Metabolic Reconstruction for Metagenomic Data and Its Application to the Human Microbiome ed.J.A.Eisen.PLoS Computational Biology8:e1002358)、及び当業者にとって既知である他の方法などであるが、これらに限定されない、プラットフォームを使用して、ゲノム組み立て体のアノテーションをすること、のいずれかである。
実施例14。微生物培養技術を使用するOTU特定
複合画分から増殖する細菌種の同一性は、複数の方法で決定することができる。例えば、個々のコロニーを96ウェル形式の液体培地内に摘み入れ、増殖させ、-80℃で15%のグリセロール保存液として保存し得る。培養物のアリコートを細胞溶解緩衝液中に定置し、コロニーPCR法を使用して、16S rDNA遺伝子を増幅させ、それを配列決定し得る(実施例1)。あるいは、コロニーは、数継代、固体培地上で純粋になるまでストリークされ得る。よく分離されたコロニーを同一の種類の新しいプレート上にストリークし、37℃で48~72時間インキュベートする。このプロセスを複数回繰り返して、純粋性を確保する。純粋な培養物は、実施例1に記載するような、16S rDNA増幅及び配列決定を含む、表現型または配列に基づく方法によって分析され得る。純粋な単離菌または混合された共同体(例えば、プレート剥離物及び芽胞画分)の配列特性評価はまた、全ゲノムショットガン配列決定を含み得る。後者は、芽胞形成、抗生物質耐性、病原性、及び毒性に関連する遺伝子の存在を決定するのに貴重である。個々の16Sシグネチャーが複合混合物中で特定され得るように、コロニーはまた、プレートからまとめて剥離され、実施例1に記載するような大規模並列配列決定法を使用して配列決定され得る。任意選択で、試料を発芽前に配列決定(適切な場合、DNA単離手順を使用して、DNAを芽胞から溶解させ、遊離させる)して、発芽可能な種の多様性と芽胞試料中の種の総数とを比較し得る。16S分析に対する一代替的または相補的アプローチとして、MALDI-TOF質量分析がまた、種特定のために使用され得る(Barreau et al.,2013.Improving the identification of anaerobes in the clinical microbiology laboratory through MALDI-TOF mass spectrometry.Anaerobe22:123-125)。
実施例15。微生物学的株特定アプローチ
純粋な細菌単離菌を、Wadsworth-KTL Anaerobic Microbiology Manual(Jouseimies-Somer et al.,2002.Wadsworth-KTL Anaerobic Bacteriology
Manual)、及びThe Manual of Clinical Microbiology(ASM Press,10th Edition)に記載されるものなどの微生物学的方法を使用して特定し得る。これらの方法は、株の表現型に依存し、細胞外被のグラム陽性または陰性染色挙動を確認するためのグラム染色と、固体培地上のコロニー形態の観察と、運動性と、内生芽胞及び鞭毛を含む、60倍または100倍拡大で顕微鏡観察される細胞形態と、を含む。適切な選択的かつ鑑別的寒天、ならびに/またはRapID試験(Remel)もしくはAPI試験(bioMerieux)などの、グラム陰性もしくはグラム陽性細菌及び酵母の特定用の、商業的に入手可能なキットを使用して、属と種とを判別する生化学試験を実行する。Vitek2システム(bioMerieux)などの計測手段を使用して、類似した特定試験もまた実行され得る。属及び種と、種及び株(例えば、様々な炭素及び窒素源を使用する能力)とを判別する表現型試験もまた、増殖及び代謝活性検出法、例えば、Biolog微生物特定マイクロプレートを使用して実行され得る。特定の炭素源の発酵中の短鎖脂肪酸産生のプロファイルもまた、種と種とを判別するための方法として使用され得る(Wadsworth-KTL Anaerobic Microbiology Manual,Jousimies-Somer,et al 2002)。MALDI-TOF質量分析法もまた、(Anaerobe 22:123に概説されるように)種の特定のために使用され得る。
実施例16。大腸菌の増殖に対して阻害性である微生物の組み合わせをスクリーニングするための、インビトロアッセイの構築
本明細書に記載されるインビトロアッセイの修正を、大腸菌の増殖に対して阻害性である細菌の組み合わせをスクリーニングするために使用する。一般に、本アッセイは、病原体種菌の増殖のために好適な培地を使用することによって修正される。例えば、好適な培地としては、強化クロストリジウム培地(RCM)、ブレインハートインフュージョン培地(BHI)、またはLB培地(LB)(溶原培地としても知られる)が挙げられる。大腸菌に対して特異的な代替選択的培地を使用すること、またはその病原体に対して特異的なqPCRプローブを使用することによって大腸菌を定量する。例えば、MacConkeyラクトース培地上での好気増殖は、大腸菌を含む腸内グラム陰性細菌を選択する。病原性大腸菌の志賀毒素に対して特異的なプローブを使用して、qPCRを実行する。
一般に、本方法は、組成物を、培養され得る任意の病原体の増殖を阻害するその能力について、インビトロで試験するために使用され得る。
実施例17。バンコマイシン耐性エンテロコッカス(VRE)の増殖に対して阻害性である微生物の組み合わせをスクリーニングするための、インビトロアッセイの構築
インビトロアッセイは、病原体種菌の増殖に使用される培地を修正することによって、バンコマイシン耐性エンテロコッカス菌種(VRE)の増殖に対して阻害性である細菌の組み合わせをスクリーニングするために使用され得る。病原体の増殖のために、強化クロストリジウム培地(RCM)、ブレインハートインフュージョン培地(BHI)、またはLB培地(LB)などのいくつかの培地の選択を使用し得る。VREに対して特異的な代替選択的培地を使用すること、またはその病原体に対して特異的なqPCRプローブを使用することによってVREを定量する。例えば、アジ化ナトリウムを含有するm-エンテロコッカス寒天は、エンテロコッカス菌種、及び少数の他の種に対して選択的である。バンコマイシン耐性を与えるvan遺伝子に対して特異的である、当該技術分野において既知のプローブをqPCRにおいて使用するか、または当該技術分野において既知の方法を使用してそのようなプローブを設計してもよい。
実施例18。サルモネラ菌の阻害のためのインビトロアッセイスクリーニング細菌組成物
病原体種菌の増殖に使用される培地を修正することによって、本明細書に記載されるインビトロアッセイを、サルモネラ菌種の増殖に対して阻害性である細菌の組み合わせをスクリーニングするために使用する。病原体の増殖のために、強化クロストリジウム培地(RCM)、ブレインハートインフュージョン培地(BHI)、またはLB培地(LB)などのいくつかの培地の選択を使用する。サルモネラ菌種に対して特異的な代替選択的培地を使用すること、またはその病原体に対して特異的なqPCRプローブを使用することによって、サルモネラ菌種定量する。例えば、MacConkey寒天を使用して、サルモネラ菌種を選択し、invA遺伝子をqPCRプローブで標的化する。この遺伝子は、多くの病原性サルモネラ菌種が保有する侵入性タンパク質をコードし、真核細胞に侵入することに使用される。
実施例19。マウスモデルにおけるクロストリジウム・ディフィシル感染症の予防のための、ネットワークエコロジー細菌組成物の有効性のインビボ検証
細菌組成物の治療潜在性を試験するために、クロストリジウム・ディフィシル感染症の予防マウスモデルを使用した(モデルは、Chen et al.,2008.A mouse model of Clostridium difficile-associated disease.Gastroenterology 135:1984-1992に基づいた)。各5匹のマウスがいる2つのケージを、実験の各群について試験した。全てのマウスは、その飲み水に、-14~-5日目を通して10%のグルコース、カナマイシン(0.5mg/ml)、ゲンタマイシン(0.044mg/ml)、コリスチン(1062.5U/ml)、メトロニダゾール(0.269mg/ml)、シプロフロキサシン(0.156mg/ml)、アンピシリン(0.1mg/ml)、及びバンコマイシン(0.056mg/ml)からなる抗生物質混合物を受け、強制経口投与によって、-3日目に10mg/kgの用量のクリンダマイシンを受けた。-1日目に、試験物品を12,100rcfで5分間回転させ、それらの上清を取り出し、残りのペレットを無菌PBS中に再懸濁させ、細菌組成物が芽胞形状ではない場合、前還元し、強制経口投与を介して送達した。0日目に、強制経口投与を介して、それらに約4.5のlog10cfuのクロストリジウム・ディフィシル(ATCC43255)または(未処置群に)無菌PBSの投与によって負荷を与えた。任意選択で、陽性対照群は、上に特定される抗生物質プロトコル及びクロストリジウム・ディフィシル負荷に加えて、-1日目から3日目までバンコマイシンを受けた。細菌保菌の分析のために、ケージから便を採取した。死亡率、体重、及び外観(標準、円背、立毛、または嗜眠に基づいて0~2点)、ならびに臨床的徴候(標準、湿潤した尾、触ると冷たい、または他の動物からの孤立)に基づいて0~2点)のスコアを組み合わせることによる、0~4の尺度に基づいた、クロストリジウム・ディフィシルの症状の臨床的スコア化を-2~6日目まで毎日評価する。-1日目と比較した平均最小体重、死亡には4の臨床的スコアを割り当てた平均最大臨床的スコア、及び平均累積死亡率を計算した。死亡を4のスコアに割り当てて、ビヒクル対照と比較して、低減した死亡率、-1日目と比較して増加した平均最小体重、及び低減した平均最大臨床的スコアを使用して、試験物品の成功を評価する。
表9及び表10は、治療を細菌組成物で行った、クロストリジウム・ディフィシル感染症の予防マウスモデルにおける14の実験の結果を報告する。14の実験において、群のうちの157例でネットワークエコロジーを試験し、このうち86個の異なるネットワークエコロジーが試験された(表10)。これらの実験における組成物(試験物品)の有効性の兆候は、ビヒクル対照と比較した試験組成物の低い累積死亡率、少なくとも0.85(例えば、少なくとも0.90、少なくとも0.95、または少なくとも0.97)の平均最小相対体重、及び1未満、例えば、0.9、0.8、0.7、0.5、0.2、または0の平均最大臨床的スコアである。実験の157群のうち、群のうちの136例及びネットワークのうちの73個は、以下の測定基準:累積死亡率、平均最小相対体重、及び平均最大臨床的スコアのうちの少なくとも1つで、それぞれの実験のビヒクル対照群よりも良好な成果であった。効果的なネットワークの例としては、0%の累積死亡率、0.97の平均最小相対体重、及び0の平均最大臨床的スコアを有した、SP-361において試験されるネットワークN1979、または10%の累積死亡率、0.91の平均最小相対体重、及び0.9の平均最大臨床的スコアを有した、N2007(両方のネットワークは、30%の累積死亡率、0.88の平均最小相対体重、及び2.4の平均最大臨床的スコアを有した、SP-361におけるビヒクル対照と比較)が挙げられるが、これらに限定されない。SP-376において、N1962は累積死亡率を有せず、1e8及び1e7CFU/OTU/マウスの標的用量について、0.98及び0.95の平均最小相対体重で試験された両方の標的用量で、0の平均最大臨床的スコアを有した。これらの結果は、二元及び三元ならびにこれらの組み合わせで構成される細菌組成物が、マウスモデルを使用して実証されるように効果的であることを確認する。
実施例20。予防及び再発予防ハムスターモデルにおける、ネットワークエコロジー細菌組成物の有効性のインビボ検証
クロストリジウム・ディフィシルの毒素産生及び非毒素産生株を使用する、ハムスターによる以前の研究は、抗生物質治療後の再発、及びクロストリジウム・ディフィシル感染症における(Wilson et al.,1981.Infect Immun 34:626-628)、Wilson et al.,1983.J Infect Dis 147:733、Borriello et al.,1985.J Med Microbiol 19:339-350)盲腸フローラでの予防治療の効果を検査することにおける、及びより広くは胃腸感染疾患における、ハムスターモデルの有用性を実証した。したがって、クロストリジウム・ディフィシル感染症を寛解させるための、特定の操作的分類単位を含む細菌組成物の予防的使用を実証するために、以下のハムスターモデルを使用した。-5日目にクリンダマイシン(10mg/kg皮下)を動物に投与し、-3日目に試験組成物または対照物を投与し、0日目にクロストリジウム・ディフィシル負荷を発生させた。その後、1~5日目に陽性対照群にバンコマイシンを投与した(-3日目にビヒクル対照を送達した)。-5、-4、-1、1、3、5、7、9日目に便を採取し、微生物学的方法によって病原体保菌及び低減について糞便試料を評価した。当業者は、16S配列決定アプローチまたは他の方法を利用してもよかった。死亡率を、クロストリジウム・ディフィシル負荷後、21日間通して1日当たり複数回評価した。生存パーセント曲線は、インビトロ阻害アッセイにおいてクロストリジウム・ディフィシルに対して阻害性であることが示されたOTU(上の実施例を参照)で構成された細菌組成物(N1962)が、バンコマイシン対照及びビヒクル対照と比較して、ハムスターをより良好に保護したことを示した(図5)。
これらのデータは、インビボでの組成物の有効性、及び本明細書に記載されるようなインビトロ阻害法を使用して、インビボで活性を有する組成物を予測することの有用性を実証する。
実施例21。対象への投与のための細菌組成物を調製する方法
細菌組成物を含む2つ以上の株を独立して培養し、投与する前に混合した。両方の株を、37℃、pH7、GMM培地または他の動物産生物を含まない培地内で独立して増殖させ、1g/LのシステインHClで前還元した。各株が十分な生物量に達した後、15%のグリセロールを添加することによって、それをバンキングのために保存し、その後、1mlのクライオチューブ中、-80℃で凍結させる。
その後、各株を1010CFU/mLの濃度まで培養し、その後、接線流動精密濾過法によって20倍に濃縮する。限外濾過によって、消費された培地を、2%のゼラチン、100mMのトレハロース、及び10mMのリン酸ナトリウム緩衝液からなる保存培地、または他の好適な保存培地と交換する。懸濁液を粉末に凍結乾燥し、滴定する。
乾燥後、粉末を微結晶セルロース及びステアリン酸マグネシウムと混成し、10mgの凍結乾燥粉末(108~1011細菌)、160mgの微結晶セルロース、77.5mgのゼラチン、及び2.5mgのステアリン酸マグネシウムを含有する250mgのゼラチンカプセルに製剤化する。
細菌組成物は、便などであるが、これに限定されない生材料から、所望される細菌OTUを選択的に分画することによって導出され得る。一例として、PBS中、濾過された、ヒト便材料の10%のw/v懸濁液を調製し、低速で遠心分離し、その後、芽胞を含有する上清を無水エタノールと1:1の比率で混合し、ボルテックスして混合した。懸濁液を室温で1時間インキュベートした。インキュベートの後、懸濁液を高速で遠心分離して、芽胞を、精製された芽胞含有調製物を含有するペレットに濃縮させた。上清を廃棄し、ペレットを等しい質量のグリセロール中で再懸濁し、精製された芽胞調製物をカプセル中に配置し、-80℃で貯蔵した。この調製をエタノール処理した芽胞集団と呼ぶ。
実施例22。細菌組成物によって、再発性クロストリジウム・ディフィシル感染症を有する対象を治療する方法
一実施例において、対象は、クロストリジウム・ディフィシルの再発発作を患っている。この疾病の最近の急性期において、対象を、疾病の症状を寛解させるのに十分な抗生物質で治療する。クロストリジウム・ディフィシル感染症の別の再発を予防するために、本明細書に記載される細菌組成物を対照に投与する。例えば、1e107~1e1012の範囲内の用量で、例えば、10mgの凍結乾燥細菌及び安定化構成成分を含有する1つ以上のゼラチンカプセル(2、3、4、5、10、15以上のカプセル)中の凍結乾燥の形態で、本細菌組成物のうちの1つを対象に投与する。カプセルを経口投与し、対象は、4、8、12、または24時間後に通常の食事を再開する。別の実施形態において、対象は、食事前、食事中、または食事直後にカプセルを経口摂取し得る。更なる一実施形態において、対象は、特定の期間、用量を毎日摂取する。
治療の前及び後に、対象から便を採取する。一実施形態において、便は、投与の1日後、3日後、1週間後、及び1ヶ月後に採取する。細菌組成物の投与前、クロストリジウム・ディフィシルの存在は便中に見出されるが、投与後の便採取物は、qPCRによって測定して、及び適切な場合、上述の健康的な参照対象のマイクロバイオームと比較して、便中のクロストリジウム・ディフィシルのレベルの低減(例えば、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または95%少ない)から、検出可能なレベルのクロストリジウム・ディフィシルを含まないことを示す。典型的には、同一量の開始材料、例えば、便から抽出された材料を使用して、定量を実行する。毒素タンパク質のELISAまたは従来の微生物学的特定技術もまた、使用され得る。効果的な治療は、治療後に存在するクロストリジウム・ディフィシルの量の低減として定義される。
場合によっては、効果的な治療、すなわち、本明細書に開示される組成物による治療に対する陽性反応は、下痢の不在として定義され、下痢自体は、少なくとも連続する2日間で、1日当たり3回以上の軟便もしくは水様便、または48時間以内に8回以上の軟便もしくは水様便、あるいはクロストリジウム・ディフィシルの毒素に対して、繰り返す(3回の)陰性便試験を有する、(他の原因による)持続性の下痢として定義される。
治療の失敗は、陽性のクロストリジウム・ディフィシル毒素便試験を有する、持続性の下痢、またはqPCR配列決定によって測定されるクロストリジウム・ディフィシルのレベルに低減がないこととして定義される。ELISAまたは従来の微生物学的特定技術もまた、使用され得る。
場合によっては、効果的な治療は、例えば、治療後2週間、3週間、4週間、5週間、10週間、12週間、16週間、20週間、または24週間以内の、クロストリジウム・ディフィシル感染症の徴候または症状の再発の欠如によって決定される。
実施例23。細菌組成物による、クロストリジウム・ディフィシル関連下痢疾患を有する対象の治療
芽胞組成物によって治療された患者における、微生物集団生着、増大、及び病原体保菌の低減
相補的ゲノム及び微生物学的方法を使用して、細菌組成物によって治療される再発性クロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)を有する、15人の対象の微生物叢の組成物を特性評価した。治療前、及びまず治療の最大4週間後、更に24週間後まで、これらの対象のマイクロバイオームを特性評価した。追加の15人の対象を治療し、少なくとも治療の8週間後、及び治療の最大24週間後まで、これらの対象のデータを採取した。治療のために使用された細菌組成物は、芽胞形成細菌で構成され、健康なヒトの便に由来する微生物芽胞エコロジーを構成する。そのような組成物を調製するための方法は、国際特許出願第PCT/US2014/014715号に見出され得る。
初期組成物において特定される芽胞形成微生物の非限定的な例示的OTU及びクレードを、表11に提供する。治療された初期の15人の対象のうち1~15(表11)において、及び後続して治療された対象において、芽胞エコロジー治療におけるOTU及びクレードを観察した。微生物芽胞エコロジーによる対象の治療は、治療された全ての対象において、クロストリジウム・ディフィシル関連疾患(CDAD)を回復させた。更に、微生物芽胞組成物による治療は、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)及びカルバペネムもしくはイミペネム耐性細菌などであるが、これらに限定されない、複数薬物耐性を有する病原性共生生物を含むが、これに限定されない、グラム(-)及びグラム(+)病原性共生生物の低減または除去をもたらした。更に、治療は、対象の腸マイクロバイオームの総微生物多様性の増加をもたらし(図6)、微生物芽胞エコロジーによる治療の結果として確立した、得られる微生物共同体は、治療前のマイクロバイオームとは異なり、CDADを有する個体のマイクロバイオームよりもむしろ健康な個体のものをより密接に表した(図7)。
新規のコンピュータ的アプローチを使用して、出願人らは、生着及び生態学的増大に関連する細菌OTU、ならびにエタノール処理した芽胞調製物によって治療された患者における、より多様な微生物エコロジーの確立を描写した(表11)。増大されたエコロジーを含むOTUは、治療前の患者において検出限界未満のOTUであり、低い頻度かつ/または極端に低い頻度で存在するため、それらは、著しい割合の総微生物保菌を含まず、細菌組成物中のゲノム及び/または微生物学的アッセイ方法によって検出不可能である。生着中の及び増大したエコロジーのメンバーであるOTUを、治療後にそれらの相対的存在量が増加し、かつ、それぞれが、(i)エタノール処理した芽胞調製物中に存在し、治療前の患者では検出可能でないか(生着中のOTU)、または(ii)エタノール処理した芽胞調製物中には存在しないが、治療による好ましい成長条件の形成によって本調製物での治療後の時間とともにそれらの相対的存在量が増加する、OTUを特性評価することによって同定した。増大するOTUは、対象における低い頻度のレゼルボアから成長させることができるか、または食事等の外来性源から導入され得る。低い頻度
注目すべきことに、所与のOTUの単離菌の16S配列は、実際の種及び属の分類学的割り当てが、それらが、それらが当てはまるクレードの他メンバーとは分類学的に異なることを示唆し得るにも関わらず、それらのそれぞれのクレード内に系統発生的に配置される。OTUに与えられる分類学的名称間の相違は、微生物学的特性対遺伝子配列決定に基づくは、文献から、存在することが知られている。この表において脚注付けされたOTUは、分類学的名称を割り当てるための異なる方法間で相違していることが知られている。
コアエコロジーからの治療組成物の合理的設計
微生物芽胞細菌の顕著な臨床的有効性の根底にあるコアエコロジーを定義するために、以下の分析を実行した。16S-V4rDNA配列決定、及び実施例13に従うOTUのコンピュータ的割り当てによって、微生物芽胞エコロジーのOTU組成物を決定した。微生物芽胞エコロジーにおいて少なくとも10個の配列読み取りを検出する必要条件を、保存閾値として設定して、増幅または配列決定中の誤差から生じる可能性が極めて低いOTUのみを定義した。ゲノムに基づくマイクロバイオーム特性評価の当業者によって日常的に用いられる方法は、0.005%の読み取り相対存在量閾値を使用し(例えば、Bokulich et al.2013.Quality-filtering vastly improves diversity estimates from Illumina amplicon sequencing.Nature Methods 10:57-59を参照)、これは、この分析において使用される≧10の読み取りよりも実質的に低いカットオフ値として、この実施例において分析される試料のために得られる配列決定深度を考慮すると、≧2の読み取りに等しい。実施例13に記載されるように、各OTUについて、全ての分類学的及びクレード割り当てを行った。OTU、クレード割り当て、及び芽胞調製物における検出の頻度の得られる一覧を、表11に示す。
一実施形態において、微生物芽胞エコロジーの「コア」細菌組成物を含むOTU、増大されたエコロジー、または生着されたエコロジーは、それらが観察される全対象のパーセンテージによって定義され得る。このパーセンテージが大きいほど、それらは、腸内菌共生バランス失調エコロジーからの変化を触媒する原因となるコアエコロジーの一部である可能性がより高い。一実施形態において、治療細菌組成物は、評価される対象のうちの多数において発生するOTUを特定することによって、合理的に設計される。一実施形態において、100%の対象において発生するOTUは、治療細菌組成物を定義する。他の実施形態において、≧90%、≧80%、≧70%、≧60%、または≧50%の評価される対象において発生することが定義されるOTUは、治療細菌組成物を含む。更なる一実施形態において、100%、≧90%、≧80%、≧70%、≧60%、または≧50%のいずれかにあるOTUを更に改良して、系統発生パラメータ、または二次胆汁酸を代謝する、TH17免疫シグナル伝達を禁じる、もしくは短鎖脂肪酸を産生する、それらの能力などであるが、これらに限定されない、他の特徴を使用して、治療細菌組成物を合理的に設計する。
追加の一実施形態において、エコロジーにおいて優勢なOTUは、増大または生着されたエコロジーのいずれかにおいて、最大の相対存在量を有するOTUを定義すること、及び全相対存在量閾値を定義することを含むが、これらに限定されない、いくつかの方法を使用して特定され得る。例として、最大相対存在量を有するOTUを定義することによって、患者1の増大されたエコロジーにおいて優勢なOTUを特定し、このOTUはともに、治療後25日目までに、この患者の増大されたエコロジーにおいて微生物保菌のうちの60%を構成する。
更なる一実施形態において、OTUは、細菌組成物のコアエコロジーのメンバーになるように割り当てられ、このOTUは、患者内に生着することが示されなくてはならない。生着は、少なくとも2つの理由のために重要である。第1に、生着は、マイクロバイオームを再形成し、クロストリジウム・ディフィシルコロニー形成を排除するために、機構に絶対必要なものであると考えられる。より高い頻度で生着するOTUは、芽胞調製物のコアエコロジーの構成成分、またはおおまかに言ってセット細菌組成物である可能性が非常に高い。第2に、細菌組成物の配列決定によって検出されるOTUは、組成物と関連のない、非生存可能な細胞または他の汚染DNA分子を含み得る。OTUが患者内で生着することを示さなくてはならないという必要条件は、非生存可能な細胞または汚染配列を表すOTUを排除する。細菌組成物、例えば、分析されるエタノール芽胞調製物の大きなパーセンテージで存在するOTU、及び多数の患者内で生着するOTUは、腸内菌共生バランス失調疾患エコロジーから健康なマイクロバイオームへの変化を触媒する可能性が非常に高いコアエコロジーのサブセットを表す。生着するOTUに由来する、そのような治療細菌組成物を定義するOTUを、表11に表す。
第3のレンズを適用して、発見物を、細菌組成物のコアエコロジー(例えば、微生物芽胞エコロジー)に更に改良する。コンピュータに基づくネットワーク分析は、健康な固体の広範な集団の微生物叢中に存在する微生物エコロジーの記述を可能にした。これらのネットワークエコロジーは、複数のOTUで構成され、そのうちのいくつかは、キーストーンOTUとして定義される。キーストーンOTUは、大きなパーセンテージのコンピュータネットワークで発生し、それらが発生するネットワークに見合うは、評価される対象の集団において高度に蔓延している、計算的に定義されたOTUである。キーストーンOTUは、それらが見出され、そのようなものとして健康な対象におけるネットワークエコロジーの機能に対して中心的であるという点において、微生物エコロジーに対する基礎を形成する。健康な対象に関連する微生物エコロジーに関連するキーストーンOTUは、しばしば、疾患を有する対象において欠損しているか、または低減されたレベルで存在する。キーストーンOTUは、対象において低、中、または高存在量で存在し得る。
これらのデータからいくつかの重要な発見が存在する。比較的少数の種、合計で11種が、6人の提供者及び10人の提供者からの芽胞調製物のうちの全てにおいて検出される。HMPデータベース(www.hmpdacc.org)は、健康な固体にわたる共生種の莫大な可変性を記載するため、これは驚きである。少数の一貫したOTUの存在は、コアエコロジー及びバックボーンネットワークの概念に対する支持につながる。生着データは、この結論を更に支持する。
別の実施形態において、3つの因子(芽胞調製物、生着の頻度、及びキーストーンOTUとしての表記などであるが、これらに限定されない、細菌組成物中の蔓延)が、個々のOTUを順位付けするための「コアエコロジースコア」(CES)の作製を可能にした。CESを、以下のように定義した。
・芽胞調製物中のOTUの存在に対して40%の重み付け
○1~3個の芽胞調製物の存在に対して1本の増倍管
○4~8個の芽胞調製物の存在に対して2.5本の増倍管
○9個以上の芽胞調製物の存在に対して5本の増倍管
・患者内の生着に対して40%の重み付け
○1~4人の患者内の生着に対して1本の増倍管
○5~6人の患者内の生着に対して2.5本の増倍管
○7人以上の患者内の生着に対して5本の増倍管
・キーストーンOTUに対して20%の重み付け
○1つのキーストーンOTUに対して1本の増倍管
○1つの非キーストーンOTUに対して0本の増倍管
このガイドを使用すると、CESは、5の可能性のある最大スコア、及び0.8の可能性のある最小スコアを有する。一例として、3人の患者内に生着し、キーストーンOTUであった芽胞調製物などであるが、これらに限定されない、10個の細菌組成物のうちの8個に見られたOTUは、以下のCESを割り当られるであろう。
CES=(0.4×2.5)+(0.4×1)+(0.2×1)=1.6
表11は、CESによってOTUの順位を提供する。CESスコアを使用して合理的に設計された細菌組成物は、腸内菌共生バランス失調疾患エコロジーから健康なマイクロバイオームへの変化を触媒する可能性が非常に高い。追加の実施形態において、CESスコアは、他の因子と組み合わせて、治療細菌組成物の合理的設計を改良し得る。そのような因子としては、系統発生パラメータ、または二次胆汁酸を代謝する、TH17免疫シグナル伝達を禁じる、もしくは短鎖脂肪酸を産生する、それらの能力などであるが、これらに限定されない、他の特徴を使用することが挙げられるが、これらに限定されない。追加の一実施形態において、改良は、増大または生着されたエコロジーのいずれかにおいて、最大の相対存在量を有するOTUを特定すること、及び全相対存在量閾値を定義することによって行われ得る。
ヒト胃腸管内の生物の数、及び健康な個体間の多様性は、健康な腸マイクロバイオームエコロジーの機能的重複性を示す(The Human Microbiome Consortia.2012.Structure,function and diversity of the healthy human microbiome.Nature486:207-214を参照)。この重複性は、コアエコロジーのサブセットが、エタノール処理した芽胞調製物などであるが、これに限定されない、細菌組成物の治療的に有益な構成成分を記載する可能性、ならびにそのようなサブセット自体が、胃腸管の集団形成にとって、及びエコロジー機能的特性を考慮すると、クロストリジウム・ディフィシル感染症の治療にとって、有用な組成物であり得る可能性を非常に高くする。CES及び上に定義する他の重要な測定基準を使用して、個々のOTUは、コアエコロジーの効果的なサブセットとしての評価のために優先順位付けされ得る。
機能的重複性の別の態様は、進化的に関連する生物(すなわち、系統樹上で互いに近い生物、例えば、単一のクレードにグループ化される生物)はまた、クロストリジウム・ディフィシルを治療するためのコアエコロジーまたはそのサブセットにおける効果的な置換物であるだろう。
当業者にとって、インビトロまたはインビボでの試験のための適切なOTUサブセットの選択は、率直である。サブセットは、表11から任意の2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10以上のOTUを選び取ること、典型的にはより高いCESを有するものを選択することによって選択され得る。更に、上の実施例13及び表11に定義したクレード関係を使用して、関連するOTUは、許容されるCESを有するOTUの置換物として選択され得る。これらの生物は、適切な培地を使用してインビトロで嫌気培養され、その後所望される比率で組み合わせられ得る。マウスのクロストリジウム・ディフィシルモデルにおける典型的な実験は、組成物中の各微生物の少なくとも10、及び好ましくは少なくとも10、10、10、10、10、または10以上のコロニー形成単位を利用する。いくつかの組成物において、例えば、培養収率の変動などのため、生物は、例えば、1:10、1:100、1:1,000、1:10,000、1:100,000、または1:100,000以上などの不均等な比率で組み合わせられる。これらの組成物において重要なのは、コアエコロジーサブセットの有効性に対する株の寄与が、治療的に有効であり、場合によっては測定され得るように、各株が最小量で提供されることである。本明細書に記載される原理及び指示を使用して、当業者は、クレードに基づく置換物を作製して、コアエコロジーのサブセットの有効性を試験することができる。表11及び表2は、そのような置換物が導出され得る、各OTUのクレードを記載する。
インビトロ及び臨床的マイクロバイオームデータの統合による治療組成物の合理的設計
一実施形態において、治療微生物芽胞エコロジーの効果的なサブセット、及び治療後の対象の微生物エコロジーのサブセットは、合理的に調査すること、及び2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはいくらかのより大きな数のOTUを含む組成物に関するこれらのエコロジーの組成物によって定義される。一実施形態において、インビトロ病原体阻害アッセイにおける有効性を実証しており、対象の100%、≧90%、≧80%、≧70%、≧60%、または≧50%の、治療自体のエコロジー及び/または微生物エコロジーの成分として更に特定される細菌組成物は、当業者によって、機能的スクリーニングのために優先順位付けされ得る。機能的スクリーニングとしては、様々な病原体または非病原体モデル(例えば、マウスモデル、ハムスターモデル、霊長類モデル、またはヒトモデル)を使用するインビボスクリーニングが挙げられ得るが、これに限定されない。表12は、帰無仮説の99%の信頼区間(C.I)(実施例6、++++を参照)よりも大きい平均log阻害によって測定される、クロストリジウム・ディフィシルに対する阻害を呈した、かつ少なくとも1つの芽胞エコロジー治療または治療後の対象において特定される細菌組成物を提供する。別の実施形態において、95%、90%、または80%の信頼区間(C.I.)で見出され、かつ治療エコロジー及び治療後のエコロジーにおいて発生する組成物が選択される。他の実施形態において、細菌組成物を、治療エコロジー及び治療後のエコロジーにおいて発生するOTUを選択することによって、治療潜在性のスクリーニングのために選択し、測定された組成物の増殖の阻害を、全ての増殖阻害スコアの第75百分位以上に順位付けする。他の実施形態において、第50、第60、第70、第80、第90、第95、または第99百分位に順位付けされる組成物を選択する。別の実施形態において、相乗的阻害を有することが実証された組成物を選択する(実施例7を参照)。その上更なる一実施形態において、インビボモデルにおける有効性のスクリーニングのために選択された組成物は、増殖の阻害の測定基準の組み合わせを使用して選択される。非限定的な一実施例として、(i)組成物を、まずそれらのlog阻害が帰無仮説の99%の信頼区間(C.I.)よりも大きいことに基づいて選択する、(ii)その後、この組成物のサブセットを、全ての阻害スコアの分布において第75以上の百分位に順位付けされるものを表すように更に選択する、(iii)その後、このサブセットを、相乗的阻害を実証する組成物に基づいて更に選択する。いくつかの実施形態において、異なる信頼区間(C.I.)及び百分位を使用して、組成物をサブセットし、合理的に選択する。更に別の実施形態において、細菌組成物は、それらの治療潜在性について、特定の系統発生クレードの存在、または二次胆汁酸を代謝する、TH17免疫シグナル伝達を禁じる、もしくは短鎖脂肪酸を産生する、それらの能力などであるが、これらに限定されない、系統発生判断基準を使用して、更に合理的に定義される。
関連する一実施形態において、用量芽胞エコロジーのうちの100%において発生するOTUを使用して、インシリコで描写され得る全ての特有の細菌組成物が定義され、例示的な細菌組成物が表13に表される。他の実施形態において、組成物は、用量芽胞エコロジーのうちの≧90%、≧80%、≧70%、≧60%、または≧50%、または対象の治療後のエコロジーにおいて発生するOTUに由来する。当業者は、得られる細菌組成物を調査することができ、芽胞形成剤のパーセンテージ、キーストーンOTUの存在、系統発生組成物、または二次胆汁酸を代謝するOTUの能力もしくは短鎖脂肪酸を産生する能力を含むが、これらに限定されない、様々な測定基準を使用して、更なるスクリーニングのために、疑われる有効性及び好適性を有する細菌組成物を合理的に定義する。実施例24。投与される芽胞エコロジー用量組成物のコンピュータ分析、ならびに芽胞エコロジー用量の投与後の増大及び生着
実施例23に記載する臨床試験は、更に15人の対象を登録した。試験において治療に応答する全ての対象からのデータを組み合わせる情報について、更なる分析を実行した(30人の対象のうち29人)。治療は、ヒトの便に由来する微生物の複合製剤によってであった。これらの結果の分析を、表14~21に提供する。表22は、便宜性のために提供され、特定の生物の代替的な名称を列挙する。典型的には、OTUの存在は、当該技術分野において既知である方法を使用して、例えば、当該技術分野において既知であり、本明細書に記載される条件下でqPCRを使用して作製される。
この試験において使用される用量のセットは、少なくとも1つの患者に対して提供された用量の集まりである。したがって、ある用量は暗黙のうちに用量のセットの一員である。結果的に、用量における全てのOTUののセットは、各OTUが少なくとも1つの用量に存在するように、OTUの特有のセットとして定義される。
本明細書に記載される場合、生着するOTUは、患者において、例えば、彼らの便中、治療前に検出可能ではないが、対象に送達される組成物中に存在し、対象からの少なくとも1つの治療後試料において、対象において(例えば、対象の便中に)検出されるOTUである。全ての生着するOTUのセットは、少なくとも1つの対象において見出される、生着するOTUの特有のセットとして定義される。増大するOTUは、対象において検出される、生着しないOTUであり、治療後のある時点において、治療前の存在量よりも10倍大きい存在量を有する。全ての増大するOTUのセットは、少なくとも1つの対象において見出される、増大するOTUの特有のセットである。全ての増大及び生着するOTUのセットは、少なくとも1つの対象において増大しているかまたは生着しているかのいずれかであるOTUの特有のセットとして定義される。
全ての特有の三元の組み合わせのセットは、1)三元の各OTUが異なる、かつ2)3つのOTUが以前にともに使用されてないように、OTUの全ての組み合わせを考慮することによって、実験的に導出されたOTUのセットから作成され得る。コンピュータプログラムを使用して、そのような組み合わせを作成することができる。
表14は、全ての増大及び生着するOTUのセットから作成され、少なくとも1つの対象において、彼らが本組成物によって治療された後に、生着しているかまたは増大しているかのいずれかであることが見出されたOTUを提供する。列挙された各三元の組み合わせは、対象に提供される全ての用量であるか、または治療後のある時点で、全ての患者においてともに検出されたかのいずれかである。典型的には、有用な組成物は、三元の組成物のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、三元の組成物の全ての3つのメンバーは、少なくとも、例えば、対象のうちの68%、70%、71%、75%、79%、86%、89%、93%、または100%において生着しているかまたは増大しているかのいずれかである。分析された全ての対象が治療に応答したため、表に列挙された三元は、細菌叢異常の治療のための組成物において有用である。
表15は、用量のうち少なくとも95%(最近接の整数に丸める)に存在し、少なくとも1つの対象において生着したOTUの特有の三元の組み合わせの一覧を提供する。用量の100%に存在した三元の組み合わせが、表14に列挙されることに留意されたい。三元の組み合わせを含む組成物は、細菌叢異常を治療するための組成物において有用である。
表16は、各三元の組み合わせが、治療後のある時点で対象の少なくとも75%に検出されたような、増大するOTUの全ての特有の三元の組み合わせのセットを提供する。
表17は、用量のうち少なくとも75%に存在し、この三元の組み合わせを含有する用量を受ける対象が、生着または増大するOTUとして存在するクロストリジウム菌種SM4/1を有した、全ての特有の三元の組み合わせのセットを提供する。したがって、いくつかの実施形態において、表17から選択される三元の組み合わせからなる、それから本質的になる、またはそれを含む組成物は、対象におけるクロストリジウム菌種SM4/1を増加させるために有用である。
表18は、各三元が用量のうち少なくとも75%で存在するような、かつこの三元の組み合わせを含有する用量を受ける対象が、治療後に生着しているかまたは増大しているかのいずれかであるOTUとして存在するクロストリジウム菌種SSC/2を有した用量において、全てのOTUのセットから作成された、全ての特有の三元の組み合わせのセットを提供する。したがって、いくつかの実施形態において、表18から選択される三元の組み合わせからなる、それから本質的になる、またはそれを含む組成物は、対象におけるクロストリジウム菌種SSC/2を増加させるために有用である。
表19は、各三元が用量のうち少なくとも75%で存在するような、かつこの三元の組み合わせを含有する用量が投与される対象が、治療後に生着しているかまたは増大しているかのいずれかであるOTUとして存在するクロストリジウム菌種NML04A032を有した用量において、全てのOTUのセットから作成された、全ての特有の三元の組み合わせのセットを提供する。したがって、いくつかの実施形態において、表19から選択される三元の組み合わせからなる、それから本質的になる、またはそれを含む組成物は、対象におけるクロストリジウム菌種NML04A032を増加させるために有用である。
表20は、三元が用量のうち少なくとも75%で存在するような、かつこの三元を含有する用量が投与される対象が、生着しているかまたは増大しているかのいずれかであるOTUとして存在するクロストリジウム菌種NML04A032、ルミノコッカス・ラクタリス、及びルミノコッカス・トロクエスを有した用量において、全てのOTUのセットから作成された、全ての特有の三元の組み合わせのセットを提供する。したがって、いくつかの実施形態において、表20から選択される三元の組み合わせからなる、それから本質的になる、またはそれを含む組成物は、対象におけるクロストリジウム菌種NML04A032、ルミノコッカス・ラクタリス、及びルミノコッカス・トロクエスを増加させるために有用である。
表21は、各三元が用量のうち少なくとも75%で存在するような、かつこの三元の組み合わせを含有する用量が投与される対象が、生着しているかまたは増大しているかのいずれかであるOTUとして存在するユーバクテリウム・レクタレ、フィーカリバクテリウム・プラウスニィッチー、オシリバクター菌種G2、ルミノコッカス・ラクタリス、及びルミノコッカス・トロクエスを有した用量において、全てのOTUのセットから作成された、全ての特有の三元の組み合わせのセットを示す。したがって、いくつかの実施形態において、表21から選択される三元の組み合わせからなる、それから本質的になる、またはそれを含む組成物は、対象におけるユーバクテリウム・レクタレ、フィーカリバクテリウム・プラウスニィッチー、オシリバクター菌種G2、ルミノコッカス・ラクタリス、及びルミノコッカス・トロクエスを増加させるために有用である。
他の実施形態は、本明細書の考慮、及び本実施形態の実践によって、当業者に明らかになるであろう。本明細書及び実施例は例示的なものにすぎず、真の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲によって示されることを考慮されたい。












































































































































































































































































































































[関連出願]
本出願は、2013年11月25日に出願された共有に係る米国特許出願第PCT/US13/71758号、表題「SYNERGISTIC BACTERIAL COMPOSITIONS AND METHODS OF PRODUCTION AND USE THEREOF」に関し、その両方が、2012年11月23日に出願された米国仮特許出願第61/729,518号、2012年11月23日に出願された米国仮特許出願第61/729,519号、2012年11月23日に出願された米国仮特許出願第61/729,520号、2012年11月23日に出願された米国仮特許出願第61/729,521号、2012年11月23日に出願された米国仮特許出願第61/729,522号、2012年11月23日に出願された米国仮特許出願第61/729,524号、2012年11月23日に出願された米国仮特許出願第61/729,515号、2012年11月23日に出願された米国仮特許出願第61/729,517号、2012年11月23日に出願された米国仮特許出願第61/729,525号、2012年11月23日に出願された米国仮特許出願第61/729,526号、2012年11月23日に出願された米国仮特許出願第61/729,527号、2013年11月25日に出願された米国仮特許出願第61/908,698号、2013年11月25日に出願された米国仮特許出願第61/908,702号、及び2013年11月26日に出願された米国特許出願第14/091,201号に対する優先権を主張するものであり、参照により、それらの開示全体が全ての目的で本明細書に組み込まれる。
本出願は、2013年11月25日に出願された米国仮特許出願第61/908,698号、表題「Synergistic Bacterial Compositions
and Methods of Production and Use Thereof」、2013年11月25日に出願された米国仮特許出願第61/908,702号、表題「Defined Bacterial Compositions and Methods of Production and Use Thereof」、及び2014年5月28日に出願された米国仮特許出願第62/004,187号、表題「Synergistic Bacterial Compositions and Methods of Production and Use Thereof」の利益を主張するものであり、参照により、それらの開示全体が全ての目的で本明細書に組み込まれる。
[配列表の参照]
本出願は、2014年11月24日に作成された28155PCT_sequencelisting.txtと題されたテキストファイル(サイズ:4,196,247バイト)として電子的に提出された配列表を含む。配列表は、参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (245)

  1. 治療上有効量の細菌組成物を含む組成物であって、前記組成物が、芽胞を形成可能な少なくとも第1の種類の単離細菌、芽胞を形成可能な第2の種類の単離細菌、及び任意選択で、芽胞を形成可能な第3の種類の単離細菌を含み、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の細菌が同一ではなく、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの少なくとも2つが、少なくとも1種類の病原菌の成長及び/またはコロニー形成を相乗的に低下及び/または阻害し得る、前記組成物。
  2. 前記細菌組成物が、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、または15種類の単離細菌を含む、請求項1に記載の前記組成物。
  3. 前記細菌組成物が、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、または15種類の単離細菌を含み、前記単離細菌のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または15種が、芽胞を形成し得る、請求項1に記載の前記組成物。
  4. 前記細菌組成物が、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、前記単離細菌のうちの少なくとも2種が、芽胞を形成可能である、請求項1に記載の前記組成物。
  5. 前記細菌組成物が、i)芽胞を形成可能な少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくはそれよりも多くの種類の単離細菌、ii)芽胞を形成可能であるとは知られていない少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくはそれよりも多くの種類の単離細菌、またはiii)i)及びii)の任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の前記組成物。
  6. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、前記組成物中におよそ等しい濃度または活性レベルで存在する、請求項1に記載の前記組成物。
  7. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、前記組成物中に実質的には等しくない濃度または活性レベルまたは活性レベルで存在する、請求項1に記載の前記組成物。
  8. 前記第1の種類が、前記組成物中に前記第2の種類の少なくとも約150%の濃度で存在するか、または前記第2の種類が、前記組成物中に前記第1の種類の少なくとも約150%の濃度で存在する、請求項1に記載の前記組成物。
  9. 前記組成物が、i)少なくとも2種類の単離細菌が独立して芽胞形成が可能である、2~約20種類の単離細菌、ii)少なくとも2種類の単離細菌が芽胞形成が可能であるとは知られていない、2~約20種類の単離細菌、またはiii)i)及びii)の任意の組み合わせ、から本質的になる、請求項1に記載の前記組成物。
  10. 前記第1の種類の単離細菌及び前記第2の種類の単離細菌が、表1から選択される、請求項1に記載の前記組成物。
  11. 前記第1の種類の単離細菌、前記第2の種類の単離細菌、及び前記任意選択での第3の種類の単離細菌が、操作的分類単位(OTU)区別を成す、請求項1に記載の前記組成物。
  12. 前記OTU区別が、約95%の同一性を下回る16S rDNA配列類似性を含む、請求項11に記載の前記組成物。
  13. 前記第1の種類の単離細菌、及び前記第2の種類の単離細菌が独立して、表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌を含む、請求項1に記載の前記組成物。
  14. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の組み合わせが、i)細胞傷害性、ii)細胞分裂抑制性、iii)前記病原菌の前記成長を低下させることが可能、iv)前記病原菌の前記成長を阻害することが可能、v)前記病原菌の前記コロニー形成を低下させることが可能、vi)前記病原菌の前記コロニー形成を阻害することが可能、またはvii)i)~vi)の任意の組み合わせである、請求項1に記載の前記組成物。
  15. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度に少なくとも等しい濃度で存在する、前記病原菌の増殖を阻害することが可能である、請求項14に記載の前記組成物。
  16. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度の少なくとも約2倍の濃度で存在する、前記病原菌の増殖を阻害することが可能である、請求項14に記載の前記組成物。
  17. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度の少なくとも約10倍の濃度で存在する、前記病原菌の増殖を阻害することが可能である、請求項14に記載の前記組成物。
  18. 前記組み合わせが、前記病原菌の存在下で増殖可能である、請求項14~17のいずれか1項に記載の前記組成物。
  19. 前記病原菌が、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)からなる群から選択される、請求項14に記載の前記組成物。
  20. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、相乗的に相互作用する、請求項14に記載の前記組成物。
  21. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、相乗的に相互作用して前記病原菌を阻害する、請求項14に記載の前記組成物。
  22. 前記組成物が、表4aまたは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の前記組成物。
  23. 前記組成物が、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項22に記載の前記組成物。
  24. 前記組成物が、++++または+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項23に記載の前記組成物。
  25. 前記組成物が、第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項23に記載の前記組成物。
  26. 前記組成物が、表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項22に記載の前記組成物。
  27. 少なくとも第1の種類の単離細菌及び第2の種類の単離細菌を含む、有効量の細菌組成物を含む組成物であって、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの1種のみが、芽胞を形成可能であり、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3のうちの少なくとも1種が、少なくとも1種類の病原菌の前記成長及び/またはコロニー形成を低下させることが可能である、前記組成物。
  28. 少なくとも第1の種類の単離細菌及び第2の種類の単離細菌を含む、有効量の細菌組成物を含む組成物であって、前記第1の種類、及び/または前記第2の種類、及び/または前記任意選択での第3の種類が、芽胞ではないか、または芽胞を形成可能であるとは知られておらず、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1種が、少なくとも1種類の病原菌の前記成長及び/またはコロニー形成を低下させることが可能である、前記組成物。
  29. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1種が、少なくとも1種類の病原菌の成長速度を低減することが可能である、請求項1、27、及び28のいずれか1項に記載の前記組成物。
  30. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1種が、少なくとも1種類の病原菌に対して細胞傷害性である、請求項1、27、及び28のいずれか1項に記載の前記組成物。
  31. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1種が、少なくとも1種類の病原菌に対して細胞分裂抑制性である、請求項1、27、及び28のいずれか1項に記載の前記組成物。
  32. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、表1から選択される、請求項1、27、及び28のいずれか1項に記載の前記組成物。
  33. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、異なる種を成す、請求項1、27、及び28のいずれか1項に記載の前記組成物。
  34. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、異なる属を成す、請求項1、27、及び28のいずれか1項に記載の前記組成物。
  35. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、異なる科を成す、請求項1、27、及び28のいずれか1項に記載の前記組成物。
  36. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、異なる目を成す、請求項1、27、及び28のいずれか1項に記載の前記組成物。
  37. 前記組成物が、表4aまたは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項27~36のいずれか1項に記載の前記組成物。
  38. 前記組成物が、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項37に記載の前記組成物。
  39. 前記組成物が、++++または+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項38に記載の前記組成物。
  40. 前記組成物が、第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項38に記載の前記組成物。
  41. 前記組成物が、表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項37に記載の前記組成物。
  42. 少なくとも第1の種類の単離細菌、第2の種類の単離細菌、及び任意選択で第3の種類の単離細菌を含む、有効量の細菌組成物を含む組成物であって、
    i)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が独立して芽胞を形成可能であるか、
    ii)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの1種のみが、芽胞を形成可能であるか、または
    iii)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のいずれもが、芽胞を形成可能でなく、
    前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が同一ではなく、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、前記組成物が投与されるヒト対象の胃腸管で機能的に集団形成することが可能である、前記組成物。
  43. 前記組成物が、表4aまたは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項42に記載の前記組成物。
  44. 前記組成物が、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項42に記載の前記組成物。
  45. 前記組成物が、++++または+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項44に記載の前記組成物。
  46. 前記組成物が、第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項44に記載の前記組成物。
  47. 前記組成物が、表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項42に記載の前記組成物。
  48. 前記胃腸管での前記機能的集団形成が、前記胃腸管での細菌叢異常を予防することを含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  49. 前記胃腸管での前記機能的集団形成が、前記胃腸管での細菌叢異常を治療することを含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  50. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、前記胃腸管の細菌叢異常の重症度を低減することを含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  51. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、前記胃腸管の細菌叢異常の1つ以上の症状を低減することを含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  52. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、病原菌の前記胃腸管での成長及び/またはコロニー形成を予防することを含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  53. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、病原菌の前記胃腸管での成長及び/またはコロニー形成を低減することを含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  54. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、前記胃腸管内の1つ以上の種類の病原菌の数を低減することを含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  55. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、前記胃腸管内の1つ以上の非病原菌の数を増加させることを含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  56. 前記細菌組成物が、芽胞を形成可能な0、1、2、3種類、または3種類よりも多くの単離細菌を含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  57. 前記細菌組成物が、芽胞を形成可能な少なくとも約5種類の単離細菌を含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  58. 前記細菌組成物が、芽胞を形成可能な少なくとも約7種類の単離細菌を含む、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  59. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、前記組成物中に実質的には等しくない濃度または活性レベルで存在する、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  60. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、前記組成物中におよそ等しい濃度または活性レベルで存在する、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  61. 前記第1の種類が、前記組成物中に前記第2の種類の少なくとも約150%の濃度で存在する、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  62. 前記第2の種類が、前記組成物中に前記第1の種類の少なくとも約150%の濃度で存在する、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  63. 前記組成物が、2~約10種類の単離細菌から本質的になり、少なくとも1種類の単離細菌が独立して芽胞形成が可能である、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  64. 前記第1の種類の単離細菌及び前記第2の種類の単離細菌が、表1から選択される、請求項42に記載の前記組成物。
  65. 前記第1の種類の単離細菌、前記第2の種類の単離細菌、及び前記任意選択での第3の種類の単離細菌が、操作的分類単位(OTU)区別を成す、請求項42に記載の前記組成物。
  66. 前記OTU区別が、約95%の同一性を下回る16S rDNA配列類似性を含む、請求項65に記載の前記組成物。
  67. 前記第1の種類の単離細菌、及び前記第2の種類の単離細菌が独立して、表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌を含む、請求項42に記載の前記組成物。
  68. 前記第1の種類及び前記第2の種類の組み合わせが、前記病原菌に対して細胞傷害性または細胞分裂抑制性である、請求項42~47のいずれか1項に記載の前記組成物。
  69. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度に少なくとも等しい濃度で存在する、前記病原菌の増殖を阻害することが可能である、請求項68に記載の前記組成物。
  70. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度の少なくとも約2倍の濃度で存在する、前記病原菌の増殖を阻害することが可能である、請求項68に記載の前記組成物。
  71. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度の少なくとも約10倍の濃度で存在する、前記病原菌の増殖を阻害することが可能である、請求項68に記載の前記組成物。
  72. 前記組み合わせが、前記病原菌の存在下で増殖可能である、請求項68~71のいずれか1項に記載の前記組成物。
  73. 前記病原菌が、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)からなる群から選択される、請求項68に記載の前記組成物。
  74. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、相乗的に相互作用して前記病原菌に対して細胞傷害性となる、請求項68に記載の前記組成物。
  75. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、相乗的に相互作用して前記病原菌に対して細胞分裂抑制性となる、請求項68に記載の前記組成物。
  76. 請求項1、27、28、または42のいずれか1項に記載の前記組成物を含む、単一用量単位。
  77. 少なくとも1×104、1×105、1×106、1×107、1×108、1×109、1×1010、1×1011、または1×1011超の、芽胞または栄養型細菌細胞のいずれかのコロニー形成単位(CFU)を含む、請求項76に記載の前記用量単位。
  78. 薬学的に許容される賦形剤、腸溶コーティング、またはこれらの組み合わせを含む、請求項76に記載の前記用量単位。
  79. コルチコステロイド、メサラジン、メサラミン、スルファサラジン、スルファサラジン誘導体、免疫抑制薬、シクロスポリンA、メルカプトプリン、アザチオプリン、プレドニゾン、メトトレキサート、抗ヒスタミン、糖質コルチコイド、エピネフリン、テオフィリン、クロモリンナトリウム、抗ロイコトリエン、鼻炎のための抗コリン作動薬、抗コリン作動性充血緩和剤、マスト細胞安定化剤、モノクローナル抗IgE抗体、ワクチン、及びこれらの組み合わせから選択される薬物を更に含み、前記薬物が、少なくとも1つの病原体の量及び/または活性を調節するのに有効な量で存在する、請求項76に記載の前記用量単位。
  80. 経口投与、直腸投与、または前記経口及び直腸投与の組み合わせ用に製剤化される、請求項76に記載の前記用量単位。
  81. 局所、鼻腔内、または吸入投与用に製剤化される、請求項76に記載の前記用量単位。
  82. 前記用量単位が、表4aまたは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項76~81のいずれか1項に記載の前記用量単位。
  83. 前記用量単位が、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項82に記載の前記用量単位。
  84. 前記用量単位が、++++または+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項83に記載の前記用量単位。
  85. 前記用量単位が、第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項83に記載の前記用量単位。
  86. 前記用量単位が、表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項82に記載の前記用量単位。
  87. 1つ以上の容器中に、生存可能な植物性細菌細胞を実質的に含まない第1の種類の細菌芽胞の第1の精製集団と、生存可能な植物性細菌細胞を実質的に含まない第2の種類の細菌芽胞の第2の精製集団と、任意選択で、生存可能な植物性細菌細胞を実質的に含まない第3の種類の細菌芽胞の第3の精製集団と、を含み、前記第1の種類、前記第2の種類、及び任意選択での第3の種類の細菌芽胞が同一ではなく、前記第1の種類、前記第2の種類、及び任意選択での第3の種類の細菌芽胞が、必要性のあるヒト対象の胃腸管の標的領域において共局在化されるとき、前記胃腸管で機能的に集団形成することが可能である、キット。
  88. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、単一の容器中に存在する、請求項87に記載の前記キット。
  89. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び任意選択での第3の精製集団が、2つまたは任意選択で3つの容器中に存在する、請求項87に記載の前記キット。
  90. 前記第1の精製集団、第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、凍結乾燥または実質的に脱水されている、請求項87に記載の前記キット。
  91. 1つ以上の容器有効量の抗菌剤、有効量の抗ウイルス剤、有効量の抗真菌剤、有効量の抗寄生虫剤、またはこれらの組み合わせを1つ以上の容器中に更に含む、請求項87に記載の前記キット。
  92. 薬学的に許容される賦形剤または希釈剤を更に含む、請求項87に記載の前記キット。
  93. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、表4aまたは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項87~92のいずれか1項に記載の前記キット。
  94. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項93に記載の前記キット。
  95. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、++++または+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項94に記載の前記キット。
  96. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項94に記載の前記キット。
  97. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項93に記載の前記キット。
  98. 有効量の請求項1、27、28、及び42のいずれか1項に記載の前記組成物を含み、有効量の抗菌剤を更に含む、薬学的製剤。
  99. 有効量の請求項1、27、28、及び42のいずれか1項に記載の前記組成物を含み、有効量の抗真菌剤を更に含む、薬学的製剤。
  100. 有効量の請求項1、27、28、及び42のいずれか1項に記載の前記組成物を含み、有効量の抗ウイルス剤を更に含む、薬学的製剤。
  101. 有効量の請求項1、27、28、及び42のいずれか1項に記載の前記組成物を含み、有効量の抗寄生虫剤を更に含む、薬学的製剤。
  102. 前記組成物が、表4aまたは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項98~101のいずれか1項に記載の前記薬学的製剤。
  103. 前記組成物が、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項102に記載の前記薬学的製剤。
  104. 前記組成物が、++++または+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項103に記載の前記薬学的製剤。
  105. 前記組成物が、第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項103に記載の前記薬学的製剤。
  106. 前記組成物が、表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項102に記載の前記薬学的製剤。
  107. 第1の種類の細菌芽胞の第1の精製集団、第2の種類の細菌芽胞の第2の精製集団、及び任意選択で第3の種類の細菌芽胞の第3の精製集団を含む、食用品であって、前記第1の種類、前記第2の種類、及び任意選択での第3の種類の細菌芽胞が同一ではなく、前記食用品が、生存可能な植物性細菌細胞を実質的に含まず、前記第1の種類、前記第2の種類、及び任意選択での第3の種類の細菌芽胞が、必要性のあるヒト対象に投与されるとき、前記ヒト対象の前記胃腸管で機能的に集団形成することが可能である、前記食用品。
  108. 食品または食品添加剤を含む、請求項107に記載の前記食用品。
  109. 飲料または飲料添加剤を含む、請求項107に記載の前記食用品。
  110. 医療用食品を含む、請求項107に記載の前記食用品。
  111. 少なくとも1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、または1×1011超の、生存可能な芽胞のコロニー形成単位(CFU)を含む、請求項107に記載の前記食用品。
  112. 前記第1の種類の細菌芽胞及び前記第2の種類の細菌芽胞が、表1から選択される、請求項107に記載の前記食用品。
  113. 前記第1の種類の細菌芽胞及び前記第2の種類の細菌芽胞が独立して、表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌芽胞を含む、請求項107に記載の前記食用品。
  114. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、表4aまたは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項107~111のいずれか1項に記載の前記食用品。
  115. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項114に記載の前記食用品。
  116. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、++++または+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項115に記載の前記食用品。
  117. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項115に記載の前記食用品。
  118. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項114に記載の前記食用品。
  119. 前記食用品が、プレバイオティクスで強化されている、請求項107~118のいずれか1項に記載の前記食用品。
  120. 少なくとも第1の種類の単離細菌、第2の種類の単離細菌、及び任意選択で第3の種類の単離細菌を含む有効量の細菌組成物を、必要性のあるヒト対象に投与することを含む方法であって、
    i)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が独立して芽胞を形成可能であるか、
    ii)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの1種のみが、芽胞を形成可能であるか、または
    iii)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のいずれもが、芽胞を形成可能でなく、
    前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が同一ではなく、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの少なくとも1種が、前記ヒト対象の前記胃腸管内に存在する病原菌に対して阻害効果を発揮し、その結果、前記胃腸管内に存在する病原菌の数が、一定期間にわたって検出可能なほどには増加しないか、または検出可能なほどに減少する、前記方法。
  121. 前記組成物が、表4aまたは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項120に記載の前記方法。
  122. 前記組成物が、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項121に記載の前記方法。
  123. 前記組成物が、++++または+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項122に記載の前記方法。
  124. 前記組成物が、第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項122に記載の前記方法。
  125. 前記組成物が、表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項121に記載の前記方法。
  126. 前記ヒト対象が、前記胃腸管の細菌叢異常を有すると診断されている、請求項120~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  127. 前記ヒト対象が、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)からなる群から選択される病原菌に感染していると診断されている、請求項120~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  128. 前記細菌組成物が、i)抗生物質、ii)プレバイオティクス、またはiii)i)及びii)の組み合わせと同時に投与される、請求項127に記載の前記方法。
  129. 前記細菌組成物が、i)抗生物質、ii)プレバイオティクス、またはiii)i)及びii)の組み合わせの投与に先立って投与される、請求項127に記載の前記方法。
  130. 前記細菌組成物が、i)抗生物質、ii)プレバイオティクス、またはiii)i)及びii)の組み合わせの投与に後続して投与される、請求項127に記載の前記方法。
  131. 前記ヒト対象の前記胃腸管内に存在するまたは前記ヒト対象の前記胃腸管から排泄される病原菌の数が、前記細菌組成物の投与の1ヶ月以内、2週間以内、または1週間以内に、検出可能なほどに低減される、請求項127に記載の前記方法。
  132. 前記ヒト対象の前記胃腸管内に存在するまたは前記ヒト対象の前記胃腸管から排泄される病原菌の数が、前記細菌組成物の投与の3日、2日、または1日以内に、検出可能なほどに低減される、請求項127に記載の前記方法。
  133. 前記ヒト対象が、前記細菌組成物の投与の1ヶ月、2週間、1週間、3日、または1日以内に、前記病原菌を検出上含まないとされる、請求項127に記載の前記方法。
  134. 前記細菌組成物が、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌を含む、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  135. 前記細菌組成物が、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌を含み、前記単離細菌のうちの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種が、芽胞を形成可能である、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  136. 前記細菌組成物が、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、前記単離細菌のうちの少なくとも2種が、芽胞を形成可能である、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  137. 前記細菌組成物が、i)芽胞を形成可能な少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくはそれよりも多くの種類の単離細菌、ii)芽胞を形成可能であるとは知られていない少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくはそれよりも多くの種類の単離細菌、またはiii)i)及びii)の任意の組み合わせを含む、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  138. 前記細菌組成物が、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、前記単離細菌のうちの少なくとも1種が、芽胞を形成可能である、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  139. 前記細菌組成物が、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、前記単離細菌のうちの少なくとも1種が、芽胞を形成不可能である、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  140. 前記細菌組成物が、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌を含み、i)少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌が、芽胞を形成可能であるか、ii)少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌が、芽胞を形成不可能であるか、あるいはiii)i)及びii)の任意の組み合わせである、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  141. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、前記組成物中におよそ等しい濃度または活性レベルで存在する、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  142. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、前記組成物中に実質的には等しくない濃度または活性レベルで存在する、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  143. 前記第1の種類が、前記組成物中に前記第2の種類の少なくとも約150%の濃度で存在するか、または前記第2の種類が、前記組成物中に前記第1の種類の少なくとも約150%の濃度で存在する、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  144. 前記組成物が、2~約10種類の単離細菌から本質的になり、少なくとも2種類の単離細菌が独立して芽胞形成が可能である、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  145. 前記組成物が、2~約10種類の単離細菌から本質的になり、少なくとも2種類の単離細菌が、芽胞形成が不可能である、請求項103~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  146. 前記第1の種類の単離細菌及び前記第2の種類の単離細菌が、表1から選択される、請求項120に記載の前記方法。
  147. 前記第1の種類の単離細菌、前記第2の種類の単離細菌、及び前記任意選択での第3の種類の単離細菌が、操作的分類単位(OTU)区別を成す、請求項120に記載の前記方法。
  148. 前記OTU区別が、約95%の同一性を下回る16S rDNA配列類似性を含む、請求項147に記載の前記方法。
  149. 前記第1の種類の単離細菌、及び前記第2の種類の単離細菌が独立して、表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌を含む、請求項120に記載の前記方法。
  150. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の組み合わせが、前記病原菌に対して細胞傷害性または細胞分裂抑制性である、請求項120~125のいずれか1項に記載の前記方法。
  151. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度に少なくとも等しい濃度で存在する、前記病原菌の増殖を阻害することが可能である、請求項150に記載の前記方法。
  152. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度の少なくとも約2倍の濃度で存在する、前記病原菌の増殖を阻害することが可能である、請求項150に記載の前記方法。
  153. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度の少なくとも約10倍の濃度で存在する、前記病原菌の増殖を阻害することが可能である、請求項150に記載の前記方法。
  154. 前記組み合わせが、前記病原菌の存在下で増殖可能である、請求項150~151のいずれか1項に記載の前記方法。
  155. 前記病原菌が、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)からなる群から選択される、請求項150に記載の前記方法。
  156. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、相乗的に相互作用して前記病原菌に対して細胞傷害性となる、請求項150に記載の前記方法。
  157. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、相乗的に相互作用して前記病原菌に対して細胞分裂抑制性となる、請求項150に記載の前記方法。
  158. ヒト対象の胃腸管で機能的に集団形成させる方法であって、前記対象に、少なくとも第1の種類の単離細菌、第2の種類の単離細菌、及び任意選択で第3の種類の単離細菌を含む有効量の細菌組成物であって、
    i)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が独立して芽胞を形成可能であるか、
    ii)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの1種のみが、芽胞を形成可能であるか、または
    iii)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のいずれもが、芽胞を形成可能でなく、
    前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、同一ではない、細菌組成物を、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が前記ヒト対象の前記胃腸管で機能的に集団形成するような条件下で、投与することを含む、前記方法。
  159. 前記組成物が、表4aまたは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項158に記載の前記方法。
  160. 前記組成物が、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項158に記載の前記方法。
  161. 前記組成物が、++++または+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項160に記載の前記方法。
  162. 前記組成物が、第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項160に記載の前記方法。
  163. 前記組成物が、表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項158に記載の前記方法。
  164. 前記細菌組成物が、経口投与される、直腸投与される、または経口投与及び直腸投与の組み合わせである、請求項158のいずれか1項に記載の前記方法。
  165. 前記細菌組成物が、局所投与もしくは鼻腔内投与されるか、または吸入される、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  166. 前記第1の種類の単離細菌及び前記第2の種類の単離細菌が、表1から選択される、請求項158に記載の前記方法。
  167. 前記細菌組成物が、芽胞から本質的になり、前記芽胞が、前記第1の種類の単離細菌の芽胞、前記第2の種類の単離細菌の芽胞、及び前記任意選択で第3の種類の単離細菌の芽胞を含む、請求項158のいずれか1項に記載の前記方法。
  168. 前記第1の種類の単離細菌及び前記第2の種類の単離細菌が独立して、表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌芽胞を含む、請求項158に記載の前記方法。
  169. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、前記胃腸管の細菌叢異常を予防することを含む、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  170. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、前記胃腸管の細菌叢異常を治療することを含む、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  171. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、前記胃腸管の細菌叢異常の重症度を低減することを含む、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  172. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、前記胃腸管の細菌叢異常の1つ以上の症状を低減することを含む、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  173. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、病原菌の前記胃腸管でのコロニー形成を予防することを含む、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  174. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、病原菌の前記胃腸管でのコロニー形成及び/または成長を低減することを含む、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  175. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、前記胃腸管内の1つ以上の種類の病原菌の数を低減することを含む、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  176. 前記胃腸管の前記機能的集団形成が、前記胃腸管内の1つ以上の非病原菌の数を増加させることを含む、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  177. 前記細菌組成物が、芽胞を形成可能な少なくとも約3、5、7、または9種類の単離細菌を含む、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  178. 前記細菌組成物が、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、前記単離細菌のうちの少なくとも20%が、芽胞を形成可能である、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  179. 前記細菌組成物が、少なくとも約5種類の単離細菌を含み、前記単離細菌のうちの少なくとも2種が、芽胞を形成可能である、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  180. 前記細菌組成物が、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌を含み、i)少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌が、芽胞を形成可能であるか、ii)少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種類の単離細菌が、芽胞を形成不可能であるか、あるいはiii)i)及びii)の任意の組み合わせである、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  181. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、前記組成物中におよそ等しい濃度または活性レベルで存在する、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  182. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、前記組成物中に実質的には等しくない濃度または活性レベルで存在する、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  183. 前記第1の種類が、前記組成物中に前記第2の種類の少なくとも約150%の濃度で存在するか、または前記第2の種類が、前記組成物中に前記第1の種類の少なくとも約150%の濃度で存在する、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  184. 前記組成物が、2~約10種類の単離細菌から本質的になり、i)少なくとも1種類の単離細菌が、芽胞形成が可能であるか、ii)少なくとも1種類の単離細菌が、芽胞形成が不可能であるか、またはiii)i)及びii)の組み合わせである、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  185. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の組み合わせが、前記病原菌に対して阻害性である、請求項158~163のいずれか1項に記載の前記方法。
  186. 前記組み合わせが、前記病原菌の成長速度を低減する、請求項185に記載の前記方法。
  187. 前記組み合わせが、前記病原菌に対して細胞分裂抑制性または細胞傷害性である、請求項185に記載の前記方法。
  188. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度に少なくとも等しい濃度で存在する、前記病原菌の成長を阻害することが可能である、請求項185に記載の前記方法。
  189. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度の少なくとも約2倍の濃度で存在する、前記病原菌の成長を阻害することが可能である、請求項185に記載の前記方法。
  190. 前記組み合わせが、前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の前記組み合わせの濃度の少なくとも約10倍の濃度で存在する、前記病原菌の増殖を阻害することが可能である、請求項185に記載の前記方法。
  191. 前記組み合わせが、前記病原菌の存在下で増殖可能である、請求項187~190のいずれか1項に記載の前記方法。
  192. 前記病原菌が、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)からなる群から選択される、請求項185に記載の前記方法。
  193. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、相乗的に相互作用して前記病原菌の前記成長を低減または阻害する、請求項185に記載の前記方法。
  194. 前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が、相乗的に相互作用して前記病原菌の前記コロニー形成を低減または阻害する、請求項185に記載の前記方法。
  195. 前記ヒト対象に、少なくとも1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、または1×1011超の生存可能な細菌のコロニー形成単位(CFU)を含む単一用量単位を投与することを含む、請求項158のいずれか1項に記載の前記方法。
  196. 前記用量単位が、実質的に芽胞の形態にある細菌集団を含む、請求項195に記載の前記方法。
  197. 前記用量単位が、薬学的に許容される賦形剤及び/または腸溶コーティングを含む、請求項195に記載の前記方法。
  198. 前記単位用量が、経口投与、直腸投与、または経口投与及び直腸投与の組み合わせ用に製剤化される、請求項195に記載の前記方法。
  199. 前記単位用量が、局所投与もしくは鼻腔内投与用、または吸入用に製剤化される、請求項195に記載の前記方法。
  200. ヒト対象の胃腸管内に存在する病原菌の数を低減する方法であって、前記対象に、有効量の請求項1、22~27、27、25、37~41、28、または42のいずれか1項に記載の前記組成物を含み、有効量の抗微生物剤を更に含む、有効量の薬学的製剤を、前記ヒト対象の前記胃腸管内に存在する病原菌の数が前記薬学的製剤の投与の約1ヶ月以内に低減されるような条件下で、投与することを含む、前記方法。
  201. 前記ヒト対象の前記胃腸管内に存在する病原菌の数が、前記薬学的製剤の投与の約2週間以内に低減される、請求項200に記載の前記方法。
  202. 前記ヒト対象の前記胃腸管内に存在する病原菌の数が、前記薬学的製剤の投与の約1週間以内に低減される、請求項200に記載の前記方法。
  203. 前記ヒト対象の前記胃腸管内に存在する病原菌の数が、前記薬学的製剤の投与の約3日以内に低減される、請求項200に記載の前記方法。
  204. 前記ヒト対象の前記胃腸管内に存在する病原菌の数が、前記薬学的製剤の投与の約1日以内に低減される、請求項200に記載の前記方法。
  205. 前記抗微生物剤が抗菌剤を含む、請求項200に記載の前記方法。
  206. 前記抗微生物剤が抗真菌剤を含む、請求項200に記載の前記方法。
  207. 前記抗微生物剤が抗ウイルス剤を含む、請求項200に記載の前記方法。
  208. 前記抗微生物剤が抗寄生虫剤を含む、請求項200に記載の前記方法。
  209. 食用品を調製する方法であって、少なくとも第1の種類の単離細菌を含む第1の精製集団、少なくとも第2の種類の単離細菌を含む第2の精製集団、及び任意選択で、少なくとも第3の種類の単離細菌を含む第3の精製集団を、食用担体と組み合わせることを含み、
    i)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類が独立して芽胞を形成可能であるか、
    ii)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のうちの1種のみが、芽胞を形成可能であるか、または
    iii)前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類のいずれもが、芽胞を形成可能でなく、
    前記第1の種類、前記第2の種類、及び前記任意選択での第3の種類の細菌が同一ではなく、前記食用品が、非食用材料を実質的に含まない、前記方法。
  210. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団のうちの少なくとも1種が、生存可能な芽胞から本質的になる、請求項209に記載の前記方法。
  211. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、生存可能な芽胞から本質的になる、請求項209に記載の前記方法。
  212. 前記食用品が、生存可能な植物性細菌細胞を実質的に含まない、請求項209に記載の前記方法。
  213. 前記生存可能な芽胞が、前記食用品が必要性のあるヒト対象によって消費されるとき、前記ヒト対象の前記胃腸管で機能的に集団形成することが可能である、請求項211に記載の前記方法。
  214. 前記食用品が食品または食品添加剤を含む、請求項209に記載の前記方法。
  215. 前記食用品が飲料または飲料添加剤を含む、請求項209に記載の前記方法。
  216. 前記食用品が医療用食品を含む、請求項209に記載の前記方法。
  217. 前記食用品が、少なくとも1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011、または1×1011超の生存可能な芽胞のコロニー形成単位(CFU)を含む、請求項209に記載の前記方法。
  218. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、表4aまたは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項209~217のいずれか1項に記載の前記方法。
  219. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項218に記載の前記方法。
  220. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、++++または+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項219に記載の前記方法。
  221. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項219に記載の前記方法。
  222. 前記第1の精製集団、前記第2の精製集団、及び前記任意選択での第3の精製集団が、表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項218に記載の前記方法。
  223. 芽胞が、表1から選択される細菌の芽胞である、請求項209に記載の前記方法。
  224. 前記第1の精製集団及び前記第2の精製集団が独立して、表1から選択される細菌内に存在する16S rDNA配列と少なくとも95%同一の16S rDNA配列を含む細菌芽胞を含む、請求項209に記載の前記方法。
  225. 患者の前記胃腸管内の病原体の存在量を低減する方法であって、治療上有効量にある請求項1に記載の前記組成物を投与することと、前記細菌組成物を患者の前記胃腸管内の前記病原体と競合させることと、を含む、前記方法。
  226. 下痢を治療する方法であって、治療上有効量にある請求項1に記載の前記組成物を投与することと、前記細菌組成物により患者の前記胃腸管内の病原体の下痢作用を低減させることと、を含む、前記方法。
  227. 前記病原体が、エルシニア、ビブリオ、トレポネーマ、レンサ球菌、ブドウ球菌、赤痢菌、サルモネラ、リケッチア、オリエンティア、シュードモナス、プロビデンシア、プロテウス、プロピオニバクテリウム、ナイセリア、マイコプラズマ、マイコバクテリウム、モーガネラ、リステリア、レプトスピラ、レジオネラ、クレブシエラ、ヘリコバクター、ヘモフィルス、フソバクテリウム、フランシセラ、エシェリキア、エーリキア、エンテロコッカス、コクシエラ、コリネバクテリウム、クロストリジウム、クラミジア、クラミドフィラ、カンピロバクター、ブルクホルデリア、ブルセラ、ボレリア、ボルデテラ、ビフィドバクテリウム、バチルス、多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)、基質特異性拡張型βラクタム(extended spectrum beta-lactam)耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)である、請求項225または226に記載の前記方法。
  228. 前記病原体が、クロストリジウム・ディフィシル、サルモネラ菌種、病原性大腸菌、またはバンコマイシン耐性エンテロコッカス菌種である、請求項225または226に記載の前記方法。
  229. 前記病原体が、クロストリジウム・ディフィシルである、請求項225または226に記載の前記方法。
  230. 前記組成物が経口投与される、請求項225または226に記載の前記方法。
  231. 前記組成物が、表4aまたは表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項225~230のいずれか1項に記載の前記方法。
  232. 前記組成物が、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項231に記載の前記方法。
  233. 前記組成物が、++++または+++表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項232に記載の前記方法。
  234. 前記組成物が、第75百分位表記を有する、表4aの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項232に記載の前記方法。
  235. 前記組成物が、表4bの任意の行に記載される細菌の組み合わせを含む、請求項231に記載の前記方法。
  236. 表10から選択されるネットワークエコロジーを含むことを含む、組成物。
  237. 前記ネットワークエコロジーがネットワーククレードを含む、請求項236に記載の前記組成物。
  238. 前記ネットワークエコロジーがネットワークOTUを含む、請求項236に記載の前記組成物。
  239. 前記組成物が、ブラウティア・プロダクタ(Blautia producta)、クロストリジウム・ディスポリカム(Clostridium disporicum)、クロストリジウム・イノキューム(Clostridium innocuum)、クロストリジウム・マヨムベイ(Clostridium mayombei)、クロストリジウム・オルビシンデンス(Clostridium orbiscindens)、クロストリジウム・シンビオサム(Clostridium symbiosum)、及びラクノスピラ科(Lachnospiraceae)細菌5_1_57FAAを含む、請求項236に記載の前記組成物。
  240. 前記組成物が、細菌叢異常の少なくとも1つの徴候または症状を治療するのに有効である、請求項236~239のいずれか1項に記載の前記組成物。
  241. 前記組成物が、クロストリジウム・ディフィシル、クレブシエラ・ニューモニイ(Klebsiella pneumonii)、モーガネラ・モーガニイ(Morganella morganii)、またはバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)による感染の少なくとも1つの徴候または症状を低減するのに有効である、請求項236~239のいずれか1項に記載の前記組成物。
  242. 表4a、表4b、または表12に特定されるヘテロ三量体から選択される細菌ヘテロ三量体を含み、前記ヘテロ三量体が、CivSimアッセイにおいて病原性共生生物の成長を阻害し得る、組成物。
  243. 表14、表15、表16、表17、表17、表18、表19、表20、または表21に特定されるヘテロ三量体から選択される細菌ヘテロ三量体を含み、前記ヘテロ三量体の前記生物が、ヒト胃腸管内で増大及び/または生着し得る、組成物。
  244. 前記生着及び/または増大が、細菌叢異常を有するヒトへの前記組成物の投与後に生じ得る、請求項243に記載の前記組成物。
  245. 前記細菌叢異常が、前記ヒトの前記胃腸管内でのクロストリジウム・ディフィシルの存在に関連する、請求項244に記載の前記組成物。
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