JP2024037629A - スプーン - Google Patents
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Abstract
【課題】ヨーグルトやジャムなどのペースト状で容器内にはりついてしまう内容物を、湾曲した容器や狭い角などの複雑な部分にも残すことなく掬い、さらには平らな面の物をかきだして取り出すことのできるスプーンを提供する。【解決手段】先端部に向かって鋭角なつぼ部を形成する剛性を備えた芯部材を有し、前記つぼ部の左右両側に柔軟なヘラ部を有することを特徴とするスプーン。【選択図】 図1
Description
本発明は、瓶詰のジャムやヨーグルト、マーガリン等のペースト状食品をすくうのに適したスプーンに関するものである。
この種のスプーンとしては、主にシリコンゴムなどのゴム素材で形成され、その柄とつぼ部の剛性を補強するために、芯材を内包しているものが知られている。
瓶容器のジャムやカップ容器のヨーグルト、または皿に入れたペースト状の食品などを食べる時に、通常の金属や樹脂などのスプーンでは容器内の湾曲面、平面、角などと、スプーンの先やツボ部分と形状が違うため、スプーンとの接する面が少なく、容器内に残ってしまうことがあっ た。
特許文献1は、スプーンすくい部の先端部は芯材部の周縁にシリコンゴムで連設かつ被膜させて形成されシリコンゴム部分が容器内に湾曲弾性変形されて密着されるが、芯部材自体の先端が略四角形のため、きつめの内湾曲面や内角面には密着することができなかった。
特許文献2は、すくい取る部分の表面と周縁のみをシリコンにすることによって、元のスプーンよりは皿との接着面が増えているが、きつい角に密着してすくいとることはできなかった。
特許文献1は、スプーンすくい部の先端部は芯材部の周縁にシリコンゴムで連設かつ被膜させて形成されシリコンゴム部分が容器内に湾曲弾性変形されて密着されるが、芯部材自体の先端が略四角形のため、きつめの内湾曲面や内角面には密着することができなかった。
特許文献2は、すくい取る部分の表面と周縁のみをシリコンにすることによって、元のスプーンよりは皿との接着面が増えているが、きつい角に密着してすくいとることはできなかった。
上記欠点を解決するために本発明のスプーンは、先端部に向かって鋭角なつぼ部を形成する剛性を備えた芯部材を有し、前記つぼ部の左右両側に柔軟なヘラ部を有することを特徴とする。
本発明のスプーンは、内面が湾曲した容器や内面が角柱形の容器の複雑な形状の内面に合わせてヘラ部の先端辺を密着させることができ、へばりついている粘液状の内容物をかき出したり、すくい上げ取り出すことができる。
以下、本発明のスプーンを、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施例を説明する。図1に示すように、スプーン(1)は柄(2)と、その他端にすくったものが保持される窪みを備えたつぼ部(3)が連設され、前記つぼ部(3)の先端部(4)は、柄(2)の延長上付近を頂点とし鋭角に形成され、かつ前記つぼ部(3)は剛性を備えた芯部材(5)であり、そのつぼ部(3)の左右両側には柔軟な素材で相対的に他の部分よりも幅広なヘラ部(6)、本実施例では左右両側に突出あるいは膨出したヘラ部(6)が設けられている。すなわち、へラ部(6)は、例えば後述するようにシリコンゴムでできており、図7に示すように芯部材(5)の縁から、柔軟なヘラ部(6)の外側の縁までの幅が、他の部分、例えば、図6のつぼ部(3)、すなわち芯部材(5)の一番幅広な個所におけるシリコンゴム部分の幅に比較して幅広になっている。また、図2にも示すように前記つぼ部(3)とヘラ部(6)とによって、全体がほぼ四角形であり、先端辺(7)を有するすくい部(8)が形成される。
第1の実施例を説明する。図1に示すように、スプーン(1)は柄(2)と、その他端にすくったものが保持される窪みを備えたつぼ部(3)が連設され、前記つぼ部(3)の先端部(4)は、柄(2)の延長上付近を頂点とし鋭角に形成され、かつ前記つぼ部(3)は剛性を備えた芯部材(5)であり、そのつぼ部(3)の左右両側には柔軟な素材で相対的に他の部分よりも幅広なヘラ部(6)、本実施例では左右両側に突出あるいは膨出したヘラ部(6)が設けられている。すなわち、へラ部(6)は、例えば後述するようにシリコンゴムでできており、図7に示すように芯部材(5)の縁から、柔軟なヘラ部(6)の外側の縁までの幅が、他の部分、例えば、図6のつぼ部(3)、すなわち芯部材(5)の一番幅広な個所におけるシリコンゴム部分の幅に比較して幅広になっている。また、図2にも示すように前記つぼ部(3)とヘラ部(6)とによって、全体がほぼ四角形であり、先端辺(7)を有するすくい部(8)が形成される。
図2に示すように、前記すくい部(8)の先端辺(7)は、つぼ部(3)の先端部(4)より、2~5mmほど外側に設けると、先端辺(7)は先端部(4)近傍からほどよく折れ曲がりやすくなる。また、先端辺は(7)は薄く成形し、ほぼ直線状に、または先端側に凸状にゆるく湾曲した辺を形成してもよい。つぼ部(3)は、先端部(4)を頂点とした鋭角をなしながら、柄(2)側に向かうに従って広がっていく。この時、先端部(4)の角度は70度~30度の範囲内が好ましく、すくい部(8)の横幅が口に入れられる幅までに設定することが好ましい。また、先端辺(7)の横幅も同様にするとよい。
図3、4に示すように、柄(2)とつぼ部(3)は連設されている。
図5、6、7に示すように、つぼ部(3)は窪みを有しており、その窪み形状に連設されるようにヘラ部(6)が湾曲して設けられており、すくい部(8)全体として、窪みが形成されている。また、図6に示すようにB-B‘の断面図はすくい部(8)の柄に近い方でありつぼ部(3)に連設されたヘラ部(6)の幅は少ないが、図7に示すC-C’の断面図ではすくい部(8)の先端辺(7)寄りの位置になり、つぼ部(3)に連設されたヘラ部(6)の幅が広くはっている。このように、つぼ部(3)の芯部材(5)より柔軟な素材のヘラ部(6)の幅を広くとることで、平面から曲面、内角までの幅広い角度に対応してヘラ部(6)を容器内に密着させることができる。
柄(2)に連設されたつぼ部(3)の芯部材(5)は、力を加えたときに簡単にたわまないほどの剛性がある素材が好ましい。例えば、硬質なプラスチックや金属、木などでもよい。柄(2)とつぼ部(3)は一体で形成してもよいし、それぞれに分割成形したものを後につなぎ合わせて連設させてもよい。ヘラ部(6)は、押し付けられると折れ曲がり、力を抜くと元に戻るような、柔軟性と弾力性を備えた、シリコンゴムなどの素材で作ることが好ましい。ここでいうシリコンゴムは、ヘラ部(6)を形成するだけではなく、ヘラ部(6)に連設してつぼ部(3)を被覆している。またヘラ部(6)は、つぼ部(3)の芯部材(5)の縁の近くまで折れ曲がるような厚みと柔軟性がある。
図8に示すように、3つの面からなる内角部分からすくいとるとき、角に向かってスプーン(1)の先端部(4)を押し付けると、幅広で柔軟な左右のヘラ部(6)は押し当てられた分、容器の内壁の角度に合わせて折れ曲がり、先端辺(7)が内壁に密着されながらかき出し、かき出された内容物はすくい部(8)の窪みに載せることができる。この時、スプーン(1)を差し込む角度によっては先端辺(7)が上を向いて折れ曲がるか、下側に折れ曲がるか、使い方や力加減によってどちらにでもなる。図8、図9では先端辺(7)が上側に折れ曲がっているが、図10、図11では下側に折れている。どちらの場合でもすくい部(8)を内壁面から離したときには弾力により元の窪みがある形状に復元されるため、内容物はすくい部(8)上に留まる。とくにヘラ部(6)も湾曲しているから、内容物はすくい部(8)にとどまりやすい。一方で芯部材(5)につぼ部(3)が形成されているので比較的重たい内容物もしっかりと受け止めることができる。また、角柱の容器は角がおおよそ90度なので、段落0009で述べたようにつぼ部(3)先端部(4)の角度は90度以下にすることが必要であり70度以下が望ましい。さらに芯部材(5)のつぼ部(3)を形成するためには、先端部(4)の角度を30度以上にすることが望ましい。
図10、図11に示すように容器内の平らな面にもおいても、柄(2)から先端部(4)に力が加わりヘラ部(6)が折れ曲がり、先端辺(7)全体が内壁面に密着される。
図12に示すように、球湾曲された容器内面にすくい部(8)側面のヘラ部(6)を押し付けて曲面に密着させることができる。図13、図14に示すように、湾曲した面に先端部(4)を押し付けると、先端部(4)を基点として先端辺(7)の左右は曲面に沿って折れ曲がる。この場合の前記段落0013に記載と同様に、すくい部(8)の窪みに内容物を載せることができる。
第2の実施例は、図15に示すようにスプーン(1)は、柄(2)から連設されたつぼ部(3)とで形成された芯部材(5)全体を樹脂製被覆層(9)で覆い、同時につぼ部(3)とヘラ部(6)を連設かつ被覆成形してもよい。この場合、被覆する樹脂製被覆層(9)は、ヘラ部(6)の柔軟さに合わせた、例えば硬度の低いシリコンゴムなどを使用しても剛性のある芯部材(5)があるので、スプーン(1)としての使い勝手と強度を保つことができる。
また、剛性を備えた平板を打ち抜いて、その後成形加工をしてくぼみを有するつぼ部(3)と柄(2)が一体となった芯部材(5)を製作し、柄(2)の部分などは握りやすい形状になるよう、樹脂製被覆層(9)で立体的になるように成形してもよい。
第3の実施例では、図16に示すように、つぼ部(3)は硬度が高いシリコンゴムで柄(2)と一体で厚みを持たせて剛性を維持したつぼ部(3)を形成し、つぼ部(3)の左右には薄くすることで柔軟性を持たせたヘラ部(6)を連設し、すくい部(8)を形成してもよい。この実施例では、剛性を有するツボ部(3)を形成する硬度の高いシリコンゴム自体が芯部材(5)に相当している。また、柄(2)から先端部(4)までを補強する必要がある時は、1本の細い補助芯材(10)を設けるとよい。
また、硬度があるシリコンゴムでなく、軟質なプラスチックで成形し、段落0018で述べたように成形することもできる。
第2、第3の実施例の図15、図16のように、スプーン(1)全体をシリコンゴムなどで被覆しかつ一体成型すると、段差あるいは接続部分がなくなるため、そこから水分などが入り込んで段差や接続部分に汚れがこびりついたりすることがなく衛生的である。
以上すべての実施例のように、ヘラ部(6)は特に先端辺(7)を薄くし、硬度の低い柔軟な素材で形成し、ヘラ部(6)自体は力が加わることで変形するが、剛性のあるつぼ部(3)が支えとなりすくい部(8)上に載る量の重さについては、窪みの形状を維持することができる。
また、先端辺(7)は柔軟であるが、つぼ部(3)の先端部(4)はアイスクリームやゼリーなどの形状保持されたものでも差し込むことができ、そこを基点とし切り込むことができるので、ヘラ部(6)自体に切り込む硬度がなくても、一口分を切り取りすくい上げることができる。
同じ構造で大きさを変える(大きくする)と、調理用スプーンとして、即ち調理用のゴムベラ、スパチュラとして使うことも可能である。また、皿や容器を洗う前にできるだけ内容物を取り除くことで、洗剤や油汚れを下水道に流さなくて済み、環境にもよい。そのために使うことも可能である。その場合、先端辺(7)を先端部(4)より飛び出させる長さは幅とのバランスを鑑みて、段落0009で述べたスプーンの場合よりも長くなる。
1 スプーン
2 柄
3 つぼ部
4 先端部
5 芯部材
6 ヘラ部
7 先端辺
8 すくい部
9 樹脂製被覆層
10 補助芯材
2 柄
3 つぼ部
4 先端部
5 芯部材
6 ヘラ部
7 先端辺
8 すくい部
9 樹脂製被覆層
10 補助芯材
Claims (4)
- 先端部に向かって鋭角なつぼ部を形成する剛性を備えた芯部材を有し、
前記つぼ部の左右両側に柔軟なヘラ部を有することを特徴とするスプーン。 - 前記へラ部は左右対称に形成されており、その先端辺は、互いに連続するほぼ直線的な辺、または、互いに連続し、先端側に凸状にゆるく湾曲した辺を形成していることを特徴とする請求項1記載のスプーン。
- 前記芯部材は、一端に前記つぼ部を形成し、他端に柄を形成していることを特徴とする請求項1又は2記載のスプーン。
- 前記芯部材のつぼ部には、その周囲を被覆する樹脂製被覆層が形成され、前記へラ部は前記樹脂製被覆層と同一の樹脂材料で一体的に連設されていることを特徴とする請求項1又は2記載のスプーン。
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