JP2023539126A - Jak阻害剤を調製するための方法及び中間体 - Google Patents

Jak阻害剤を調製するための方法及び中間体 Download PDF

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Abstract

本発明は、ルキソリチニブまたはその塩、及びそれに関連する関連合成中間体を調製するための方法に関する。

Description

本発明は、ルキソリチニブ、その塩、ならびに関連合成中間体化合物及びその塩を調製するための方法に関する。ルキソリチニブ及びその塩は、炎症性疾患、骨髄増殖性障害、及び他の疾患の処置に対して、ヤヌスキナーゼファミリーのタンパク質チロシンキナーゼ(JAK)の阻害剤として有用である。
タンパク質キナーゼ(PK)は、とりわけ細胞の増殖、生存、及び分化、器官形成及び形態形成、新血管新生、組織の修復及び再生を含む、多様で重要な生物学的プロセスを調節する酵素の一群である。タンパク質キナーゼは、タンパク質(または基質)のリン酸化を触媒し、それによって種々の生物学的関連において基質の細胞活性を調節することによりそれらの生理機能を発揮する。正常な組織/器官における機能に加えて、多くのタンパク質キナーゼはまた、がんを含めた多くのヒト疾患においてより特化した役割を果たす。調節不全であるときタンパク質キナーゼのサブセット(発がん性タンパク質キナーゼとも称される)は、腫瘍の形成及び増殖を引き起こし得、さらに腫瘍の維持及び進行に寄与し得る(Blume-Jensen P.et al.,Nature 2001,411(6835):355-365)。これまでのところ、発がん性タンパク質キナーゼは、がん介入及び創薬のための最大かつ最も魅力的なタンパク質標的の群のうちの1つに相当する。
タンパク質キナーゼは、受容体型及び非受容体型として類別され得る。受容体型チロシンキナーゼ(RTK)は、細胞外部分、膜貫通ドメイン、及び細胞内部分を有する一方で、非受容体型チロシンキナーゼは、完全に細胞内にある。ヤヌスキナーゼファミリーのタンパク質チロシンキナーゼ(JAK)は、非受容体型のチロシンキナーゼに属し、JAK1(別名、ヤヌスキナーゼ-1)、JAK2(別名、ヤヌスキナーゼ-2)、JAK3(別名、ヤヌスキナーゼ、白血球;JAKL;L-JAK、及びヤヌスキナーゼ-3)、及びTYK2(別名、タンパク質-チロシンキナーゼ2)のファミリーメンバーを含む。
JAK及びシグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)を伴う経路は、広範なサイトカインのシグナル伝達に関与する。サイトカインは、事実上全ての細胞種において生物学的応答を刺激する低分子量ポリペプチドまたは糖タンパク質である。一般に、サイトカイン受容体は、内因性チロシンキナーゼ活性を有しないため、リン酸化カスケードを伝播するのに受容体関連キナーゼを必要とする。JAKはこの機能を遂行する。サイトカインはそれらの受容体に結合して、受容体の二量体化を引き起こし、これによりJAKが互いをリン酸化するのと同様に、サイトカイン受容体内の特定のチロシンモチーフをリン酸化することができるようになる。これらのホスホチロシンモチーフを認識するSTATが受容体に動員され、次いでそれら自体がJAK依存性チロシンリン酸化事象によって活性化される。活性化されると、STATは受容体から解離し、二量体化し、核に移行して特定のDNA部位に結合し、転写を変化させる(Scott,M.J.,C.J.Godshall,et al.(2002).“Jaks,STATs,Cytokines,and Sepsis.” Clin Diagn Lab Immunol 9(6):1153-9)。
JAKファミリーは、免疫応答に関与する細胞のサイトカイン依存的な増殖及び機能の調節において役割を果たす。JAK/STAT経路、特にJAKファミリーの4つの全てのメンバーは、喘息応答、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎、及び他の関連する下気道の炎症性疾患の病理発生において役割を果たすと考えられている。その上、JAKキナーゼを介してシグナル伝達する複数のサイトカインが、古典的アレルギー反応か否かにかかわらず鼻及び副鼻腔に影響するもの(例えば、鼻炎及び副鼻腔炎)等の上気道の炎症性疾患または病態に関連付けられている。JAK/STAT経路はまた、慢性アレルギー応答のみならず、虹彩炎、ブドウ膜炎、強膜炎、結膜炎を含むがこれらに限定されない眼の炎症性疾患/病態においても役割を果たすことが含意されている。したがって、JAKキナーゼの阻害は、これらの疾患の治療的処置において有益な役割を有し得る。
JAKキナーゼのレベルでのシグナル伝達の遮断は、ヒトがんに対する処置の開発に有望性がある。JAKキナーゼの阻害はまた、乾癬等の皮膚免疫障害及び皮膚感作を患う患者においても治療有益性を有することが想定される。したがって、ヤヌスキナーゼまたは関連するキナーゼの阻害剤が広く求められ、いくつかの刊行物が有効な化合物のクラスについて報告している。例えば、JAK阻害剤ルキソリチニブである、((R)-3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-シクロペンチルプロパンニトリル)が、米国特許出願公開第2007/0135461号、同第2010/190981号、及び同第2008/0312259号に報告されており、それらの開示は参照により本明細書に援用される。
ヤヌスキナーゼ等のキナーゼの阻害に関連する障害の処置のための化合物に対する需要の増大に鑑みて、ルキソリチニブ、その塩、及びそれに関連する中間体への新たな、より効率的な経路が必要とされる。本明細書に記載の方法及び化合物は、これら及び他の必要性を満たすのに役立つ。
本開示は、とりわけ、ルキソリチニブ、その塩、ならびに関連合成中間体化合物及び中間体の塩を調製する方法を提供する。
したがって、本開示は、式3の化合物:
またはその塩を、(i)式2aの塩及び(ii)式2bの化合物:
から選択される試薬と反応させることを含み、
式中、Xが、対アニオンである、ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法を提供する。
本開示はさらに、式2cの塩:
を式3の化合物:
のL-(+)-酒石酸塩と反応させて、ルキソリチニブまたはその塩を形成させることを含む、ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法を提供する。
本開示はまた、式2cの塩:
を式3aの塩:
と反応させて、ルキソリチニブまたはその塩を形成させることを含む、ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法も提供する。
本開示はさらに、
(a)式2dの塩:
を塩基と反応させて、式2cの塩:
を形成させることと、
(b)式2cの塩を式3aの塩:
と反応させて、ルキソリチニブまたはその塩を形成させることと、
を含む、ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法を提供する。
先の方法の一部の実施形態では、式2dの塩は、
(a)式2Pの化合物:
をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式1aPの化合物:
を形成させることと、
(b)式1aPの化合物を脱保護して、式1aの化合物:
またはその塩を形成させることと、
(c)式1aの化合物またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬及び塩素化剤と反応させて、式2dの塩を形成させることと、
を含む方法によって調製され、
式中、Pは、アミノ保護基である。
先の方法の一部の実施形態では、式2dの塩は、
(a)式22Pの化合物:
をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式23Pの化合物:
を形成させることと、
(b)式23Pの化合物を還元して、式1aの化合物:
またはその塩を形成させることと、
(c)式1aの化合物またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬及び塩素化剤と反応させて、式2dの塩を形成させることと、
を含む方法によって調製され、
式中、Pは、アミノ保護基である。
先の方法の一部の実施形態では、式3aの塩は、
(a)式6aの化合物:
をヒドラジンと反応させて、式7aの化合物:
を形成させることと、
(b)式6aの化合物をL-酒石酸と反応させて、式3aの塩を形成させることと、
を含む方法によって調製される。
本開示はさらに、
(a)
もしくはその塩、または
(b)
または
(c)
または
(d)
もしくはその塩、または
(e)
もしくはその塩、または
(f)
もしくはその塩、または
(g)
もしくはその塩、または
(h)
もしくはその塩、または
(i)
(式中、Xは、Cl以外の対アニオンである)、または
(j)
または
(k)
または
(l)
または
(m)
または
(n)
または
(o)
から選択される化合物または塩を提供する。
本開示はなおもさらに、形態I及び形態IIから選択される、式2dの塩:
の結晶形態を提供する。
本開示はまた、式3aの塩:
の結晶形態も提供する。
化合物2d、形態IのX線粉末回折(XRPD)パターンである。 化合物2d、形態Iの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムである。 化合物2d、形態Iの熱重量分析(TGA)サーモグラムである。 化合物2d、形態IIのXRPDパターンである。 化合物2d、形態IIのDSCサーモグラムである。 化合物2d、形態IIのTGAサーモグラムである。 化合物2のヘキサフルオロリン酸塩のXRPDパターンである。 化合物2のヘキサフルオロリン酸塩のDSCサーモグラムである。 化合物2のヘキサフルオロリン酸塩のTGAサーモグラムである。 1個の分子を示す、化合物3aのX線単結晶構造である。 化合物3aの繰り返し単位を示す、化合物3aのX線単結晶構造である。 化合物3aのXRPDパターンである。 化合物3aのDSCサーモグラムである。 化合物3aのTGAサーモグラムである。
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細が、添付の図面及び以下の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、ならびに特許請求の範囲から明らかとなろう。
本開示は、ルキソリチニブ、別名、(R)-3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-シクロペンチルプロパンニトリル、及びその中間体、ならびにルキソリチニブ及び中間体の塩及び結晶形態を調製する方法を提供する。ルキソリチニブ(別名、INCB018424)は、商標名JAKAFI及びJAKAVIの下でリン酸塩として販売され、以下の構造:
を有する。
(R)-3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-シクロペンチルプロパンニトリルは、本開示で化合物1とも称される。該化合物、及び該化合物を調製する種々の方法が、米国特許出願公開第2007/0135461号、同第2010/190981号、及び同第2008/0312259号に開示され、同文献はこれにより参照により本明細書に援用される。
本開示は、
式3の化合物:
またはその塩を、(i)式2aの塩またはその塩、及び(ii)式2bの化合物:
から選択される試薬と反応させることを含み、
式中、Xが、対アニオンである、ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法を提供する。
本開示は、
式3の化合物:
またはその塩を、(i)式2aの塩、及び(ii)式2bの化合物:
から選択される試薬と反応させることを含み、
式中、Xが、対アニオンである、ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法を提供する。
一部の実施形態では、試薬は、式2aの塩である。
一部の実施形態では、試薬は、式2bの化合物である。
一部の実施形態では、試薬は、式2aの塩の塩であり、式中、Xは、Clである。
一部の実施形態では、試薬は、式2aの塩の塩酸塩であり、式中、Xは、Clである。
一部の実施形態では、式3の化合物またはその塩は、式3の化合物のキラル塩である。
キラル塩は、式3の化合物を、マンデル酸、2-クロロマンデル酸、カンファースルホン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、3-ブロモカンファー-8-スルホン酸、3-ブロモカンファー-10-スルホン酸、10-カンファースルホン酸、ジベンゾイル酒石酸、ジ-p-トルオイル酒石酸、2-アミノ-7,7-ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン-1-メチレンスルホン酸、及び2-アクリルアミド-7,7-ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン-1-メチレンスルホン酸から選択される酸の光学活性形態と反応させることによって調製され得る。
一部の実施形態では、キラル塩は、式3の化合物のL-(+)-酒石酸塩である。一部の実施形態では、式3の化合物またはその塩は、式3a:
を有する。
一部の実施形態では、式3の化合物またはその塩に対して約1~約1.5モル当量の試薬((i)式2aの塩、または(ii)式2bの化合物)が利用される。例えば、式3の化合物またはその塩に対して約1.25モル当量の試薬が利用される。例えば、式3の化合物またはその塩に対して約1モル当量の試薬が利用される。
一部の実施形態では、試薬((i)式2aの塩、または(ii)式2bの化合物)と、式3の化合物またはその塩との反応は、溶媒成分S1中で実行される。溶媒成分S1は、極性プロトン性溶媒または極性非プロトン性溶媒を含み得る。一部の実施形態では、溶媒成分S1は、水を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S1は、アルコールを含む。一部の実施形態では、溶媒成分S1は、式C1-6アルキル-OHを含む。一部の実施形態では、溶媒成分S1は、エタノールである。一部の実施形態では、溶媒成分S1は、ジメチルホルムアミドを含む。一部の実施形態では、溶媒成分S1は、水、アルコール、またはそれらの組み合わせを含む。
一部の実施形態では、試薬は、式2aの塩である。Xは、Cl、Br、I、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択され得る。一部の実施形態では、Xは、Cl、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択される。一部の実施形態では、Xは、BF である。一部の実施形態では、Xは、PF である。一部の実施形態では、Xは、AsF である。一部の実施形態では、Xは、SbF である。一部の実施形態では、Xは、ClO である。一部の実施形態では、Xは、Clである。
一部の実施形態では、試薬は、式2bの化合物である。式2bの化合物は、式2aの塩を塩基B1と反応させることを含む方法によって調製され得る。一部の実施形態では、式2aの塩と塩基B1との反応は、水を含む溶媒成分S2中で実施される。一部の実施形態では、塩基B1は、強塩基である。一部の実施形態では、塩基B1は、水酸化物である。一部の実施形態では、塩基B1は、アルカリ金属水酸化物である。一部の実施形態では、塩基B1は、水酸化ナトリウムである。一部の実施形態では、式2aの塩またはその塩に対して約10~約15モル当量の塩基B1が利用される。一部の実施形態では、式2aの塩またはその塩に対して約12モル当量の塩基B1が利用される。一部の実施形態では、式2aの塩と塩基B1との反応は、約-10℃~約60℃の温度で実施される。一部の実施形態では、温度は、約0℃~室温である。一部の実施形態では、温度は、約40℃~約60℃である。一部の実施形態では、温度は、0℃~室温であり、次いで約40℃~約60℃に加熱される。
一部の実施形態では、式2aの塩または式2bの化合物は、
式1aの化合物:
またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬と反応させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、式2aの塩または式2bの化合物は、
式5aの化合物:
またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬と反応させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、式5aの化合物は、塩である。例えば、式5aの化合物は、ナトリウム塩である。
一部の実施形態では、ビルスマイヤー試薬との反応は、式2cの化合物:
を生成する。
一部の実施形態では、ビルスマイヤー試薬との反応後、式2cの化合物は、式Mの塩と反応させられ、式中、Mは、対カチオンである。
一部の実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、ジメチルホルムアミドを塩素化剤と反応させることを含む方法によって調製される。一部の実施形態では、塩素化剤は、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、トリホスゲン、塩化チオニル、塩化スルフリル、及び五塩化リンから選択される。一部の実施形態では、塩素化剤は、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、及びトリホスゲンから選択される。一部の実施形態では、塩素化剤は、塩化オキサリルである。一部の実施形態では、塩素化剤は、オキシ塩化リンである。一部の実施形態では、塩素化剤は、トリホスゲンである。
一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約1~約5モル当量の塩素化剤が利用される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約1~約4モル当量の塩素化剤が利用される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約1~約3モル当量の塩素化剤が利用される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約1モル当量の塩素化剤が利用される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約2モル当量の塩素化剤が利用される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約3モル当量の塩素化剤が利用される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約4モル当量の塩素化剤が利用される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約5モル当量の塩素化剤が利用される。
一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約10~約25モル当量のジメチルホルムアミドが利用される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約10~約20モル当量のジメチルホルムアミドが利用される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約10~約15モル当量のジメチルホルムアミドが利用される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩に対して約11~約14モル当量のジメチルホルムアミドが利用される。一部の実施形態では、式1aの化合物に対して約11~約13モル当量のジメチルホルムアミドが利用される。
一部の実施形態では、ビルスマイヤー試薬の調製は、溶媒成分S3中で実行される。一部の実施形態では、溶媒成分S3は、有機溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S3は、極性非プロトン性溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S3は、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、またはそれらの組み合わせを含む。
一部の実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、約-10℃~約60℃の温度で調製される。一部の実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、約-10℃~約30℃の温度で調製される。例えば、ビルスマイヤー試薬は、約-10℃~およそ室温の温度で調製される。例えば、温度は、約0℃~およそ室温である。一部の実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、およそ室温~約60℃の温度で調製される。一部の実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、約30℃~約70℃、約40℃~約70℃、約30℃~約60℃、または約40℃~約60℃の温度で調製される。一部の実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、約75℃~約80℃、80℃~90℃、または85℃~90℃の温度で調製される。
一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩と、ビルスマイヤー試薬との反応は、約40℃~約100℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩と、ビルスマイヤー試薬との反応は、約70℃~約100℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式1aもしくは5aの化合物、またはその塩と、ビルスマイヤー試薬との反応は、約40℃~約60℃の温度で実行される。
一部の実施形態では、ビルスマイヤー試薬との反応の生成物は、式2d:
を有する。
一部の実施形態では、式2aの塩は、
式2cの塩:
を式Mの塩と反応させることを含む方法によって形成され得、式中、
は、対カチオンであり、
は、Cl以外の対アニオンである。
一部の実施形態では、Mは、アルカリ金属対カチオンである。例えば、Mは、Li、Na、またはKである。一部の実施形態では、Mは、Naである。一部の実施形態では、Xは、Br、I、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択される。例えば、Xは、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択される。一部の実施形態では、Xは、BF である。一部の実施形態では、Xは、PF である。一部の実施形態では、Xは、AsF である。一部の実施形態では、Xは、SbF である。一部の実施形態では、Xは、ClO である。
一部の実施形態では、式2cの塩は、
式2dの塩:
を塩基と反応させることを含む方法によって生成され得る。
一部の実施形態では、式2bの化合物は、式2dの塩を塩基B2と反応させることを含む方法によって調製される。一部の実施形態では、(i)式2dの塩と塩基B2との反応、及び(ii)式2dの塩と式3の化合物との反応は、単一ポット中で実施される。一部の実施形態では、式2dの塩と塩基B2との反応は、水を含む溶媒成分中で実施される。一部の実施形態では、塩基B2は、強塩基である。一部の実施形態では、塩基B2は、水酸化物塩基である。一部の実施形態では、塩基B2は、アルカリ金属水酸化物である。例えば、塩基B2は、水酸化ナトリウムである。一部の実施形態では、式2dの塩と塩基B2との反応は、約-10℃~約15℃の温度で実施される。一部の実施形態では、式1aの化合物またはその塩は、塩酸塩である。
一部の実施形態では、式1aの化合物またはその塩は、
式1aPの化合物:
を脱保護することを含む方法によって調製され得、
式中、Pは、アミノ保護基である。
一部の実施形態では、Pは、(RSiから選択され、式中、Rは、C1-6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはt-ブチルである。一部の実施形態では、Pは、t-ブチルジメチルシリルである。一部の実施形態では、脱保護は、式1aPの化合物を塩基B3と反応させることによって実行される。一部の実施形態では、塩基B3は、水酸化物塩基である。例えば、塩基B3は、水酸化アンモニウムである。一部の実施形態では、脱保護は、溶媒成分S4中で実行される。一部の実施形態では、溶媒成分S4は、極性プロトン性溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S4は、アルコールを含む。一部の実施形態では、溶媒成分S4は、式C1-6アルキル-OHを含む。例えば、溶媒成分S4は、メタノールを含む。
一部の実施形態では、式1aPの化合物は、
式2Pの化合物:
をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させることを含む方法によって調製され得、
式中、Pは、アミノ保護基である。
一部の実施形態では、触媒は、鉄触媒である。一部の実施形態では、鉄触媒は、鉄(III)アセチルアセトナートである。一部の実施形態では、式2Pの化合物に対して約1~約2モル当量のMeMgClが利用される。一部の実施形態では、式2Pの化合物に対して約1%~約10%モル当量の触媒が利用される。一部の実施形態では、式2Pの化合物とMeMgClとの反応は、溶媒成分S5中で実行される。一部の実施形態では、溶媒成分S5は、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む。例えば、溶媒成分S5は、テトラヒドロフランを含む。一部の実施形態では、式2Pの化合物とMeMgClとの反応は、約-10℃~約30℃の温度で実行される。
一部の実施形態では、式2Pの化合物は、
式12aの化合物:
を保護して、式2Pの化合物を形成させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、保護は、式12aの化合物をアルカリ金属水素化物及びP-Yと反応させることを含み、式中、Yは、ハロである。一部の実施形態では、P-Yは、(RSi-Yであり、式中、Yは、ハロであり、Rは、C1-6アルキルである。一部の実施形態では、Pは、(RSiであり、式中、Rは、C1-6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはt-ブチルである。一部の実施形態では、Pは、t-ブチルジメチルシリルである。一部の実施形態では、アルカリ金属水素化物は、水素化ナトリウムである。一部の実施形態では、式12aの化合物に対して約1~約2モル当量のアルカリ金属水素化物が利用される。一部の実施形態では、式12aの化合物に対して約1~約2モル当量のP-Yが利用される。一部の実施形態では、式12aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応は、約-10℃~約20℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式12aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応は、溶媒成分S6中で実行され、ここで、溶媒成分S6は、有機溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S6は、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む。一部の実施形態では、溶媒成分S6は、テトラヒドロフランを含む。
一部の実施形態では、式1aの化合物またはその塩は、
式23Pの化合物:
を還元することを含む方法によって調製され得、
式中、Pは、アミノ保護基である。
一部の実施形態では、式23Pの化合物の還元は、式23Pの化合物を触媒の存在下で水素ガスと反応させることを含む方法によって遂行される。例えば、触媒は、Pd炭素である。一部の実施形態では、式23Pの化合物に対する触媒の量は、約5重量%~約15重量%である。一部の実施形態では、式23Pの化合物と水素及び触媒との反応は、約40℃~約70℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式23Pの化合物と水素及び触媒との反応は、約50℃~約60℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式23Pの化合物と水素及び触媒との反応は、約50℃~約55℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式23aPの化合物と水素及び触媒との反応は、溶媒成分S7中で実行される。一部の実施形態では、溶媒成分S7は、極性プロトン性溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S7は、アルコールを含む。一部の実施形態では、溶媒成分S7は、式C1-6アルキル-OHを含む。例えば、溶媒成分S7は、メタノールを含む。
一部の実施形態では、式23Pの化合物は、
式22Pの化合物:
をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させることを含む方法によって調製され得、
式中、Pは、アミノ保護基である。
一部の実施形態では、触媒は、鉄触媒である。例えば、鉄触媒は、鉄(III)アセチルアセトナートである。一部の実施形態では、式22Pの化合物に対して約1~約2モル当量のMeMgClが利用される。一部の実施形態では、式22Pの化合物に対して約1%~約10%モル当量の触媒が利用される。一部の実施形態では、式22Pの化合物とMeMgClとの反応は、溶媒成分S8中で実行される。一部の実施形態では、溶媒成分S8は、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む。例えば、溶媒成分S8は、テトラヒドロフランを含む。一部の実施形態では、式2Pの化合物とMeMgClとの反応は、約-10℃~約30℃の温度で実行される。
一部の実施形態では、式22Pの化合物は、
式22aの化合物:
を保護して、式22Pの化合物を形成させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、保護は、式22aの化合物をアルカリ金属水素化物及びP-Yと反応させることを含み、式中、Yは、ハロである。一部の実施形態では、Pは、(RSiであり、式中、Rは、C1-6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはt-ブチルである。一部の実施形態では、Pは、t-ブチルジメチルシリルである。一部の実施形態では、アルカリ金属水素化物は、水素化ナトリウムである。一部の実施形態では、式22aの化合物に対して約1~約2モル当量のアルカリ金属水素化物が利用される。一部の実施形態では、式22aの化合物に対して約1~約2モル当量のP-Yが利用される。一部の実施形態では、式22aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応は、約-10℃~約20℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式22aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応は、溶媒成分S9中で実行され、ここで、溶媒成分S9は、有機溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S9は、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む。例えば、溶媒成分S9は、テトラヒドロフランを含む。
一部の実施形態では、式1aの化合物またはその塩は、
式18aの化合物:
を酸A1と反応させて、式1aの化合物を形成させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、酸A1は、強酸である。例えば、酸A1は、塩酸である。一部の実施形態では、式18aの化合物と酸A1との反応は、溶媒成分S10中で実行され、ここで、溶媒成分S10は、極性プロトン性溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S10は、アルコールを含む。一部の実施形態では、溶媒成分S10は、式C1-6アルキル-OHを含む。例えば、溶媒成分S10は、イソプロピルアルコールを含む。
一部の実施形態では、式18aの化合物またはその塩は、
式17aの化合物:
をホルムアミジン酢酸塩及びオルトギ酸トリエチルと反応させて、式17aの化合物を形成させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、式17aの化合物に対して約10~約15モル当量のホルムアミジン酢酸塩が利用される。一部の実施形態では、式17aの化合物に対して約10、約11、約12、約13、約14、または約15モル当量のホルムアミジン酢酸塩が利用される。一部の実施形態では、式17aの化合物に対して約12モル当量のホルムアミジン酢酸塩が利用される。一部の実施形態では、式17aの化合物に対して約6~約10モル当量のオルトギ酸トリエチルが利用される。一部の実施形態では、式17aの化合物に対して約6、約7、約8、約9、または約10モル当量のオルトギ酸トリエチルが利用される。例えば、式17aの化合物に対して約8モル当量のオルトギ酸トリエチルが利用される。一部の実施形態では、式17aの化合物とホルムアミジン酢酸塩及びオルトギ酸トリエチルとの反応は、約100℃~約150℃の温度で実行される。例えば、温度は、約110℃~約120℃であり得る。一部の実施形態では、式17aの化合物とホルムアミジン酢酸塩及びオルトギ酸トリエチルとの反応は、溶媒成分S11中で実行され、ここで、溶媒成分S11は、極性プロトン性溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S11は、アルコールを含む。一部の実施形態では、溶媒成分S11は、式C1-6アルキル-OHを含む。例えば、溶媒成分S11は、1-ブタノールを含む。
一部の実施形態では、式17aの化合物またはその塩は、
式20aの化合物:
を式21aの化合物:
と反応させて、式17aの化合物を形成させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、式20aの化合物に対して約0.4~約1モル当量の式21aの化合物が利用される。一部の実施形態では、式20aの化合物と式21aの化合物との反応は、室温で実行される。一部の実施形態では、式20aの化合物と式21aの化合物との反応は、溶媒成分S12中で実行され、ここで、溶媒成分S12は、極性非プロトン性溶媒を含む。例えば、溶媒成分S12は、ジメチルホルムアミドを含む。
一部の実施形態では、式20aの化合物またはその塩は、
式19aの化合物:
をブロモ-1,1-ジメトキシエタン及び塩基B4と反応させて、式20aの化合物を形成させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、塩基B4は、アルカリ金属炭酸塩である。例えば、塩基B4は、炭酸セシウムである。一部の実施形態では、式19aの化合物に対して約1~約2モル当量の塩基B4が利用される。一部の実施形態では、式19aの化合物に対して約1~約2モル当量のブロモ-1,1-ジメトキシエタンが利用される。一部の実施形態では、式19aの化合物とブロモ-1,1-ジメトキシエタンとの反応は、約70℃~約100℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式19aの化合物とブロモ-1,1-ジメトキシエタンとの反応は、溶媒成分S13中で実行され、ここで、溶媒成分S13は、極性非プロトン性溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S13は、ジメチルホルムアミドを含む。
一部の実施形態では、式17aの化合物またはその塩は、
式16aの化合物:
を酢酸エチル及び塩基B5と反応させて、式17aの化合物を形成させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、塩基B5は、アルカリ金属アルコキシドである。例えば、塩基B5は、カリウムtert-ブトキシドである。一部の実施形態では、式16aの化合物に対して約1~約3モル当量の塩基B5が利用される。一部の実施形態では、式16aの化合物に対して約1~約2モル当量の酢酸エチルが利用される。一部の実施形態では、式16aの化合物に対して約2モル当量の塩基B5が利用される。一部の実施形態では、式17aの化合物と酢酸エチル及び塩基B5との反応は、室温で実行される。一部の実施形態では、式17aの化合物と酢酸エチル及び塩基B5との反応は、溶媒成分S14中で実行され、ここで、溶媒成分S14は、有機溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S14は、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む。例えば、溶媒成分S14は、テトラヒドロフランを含む。
一部の実施形態では、式5aの化合物またはその塩は、
式27aの化合物:
を塩基B6の存在下、水中で加水分解することを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、塩基B6は、アルカリ金属水酸化物である。例えば、塩基B6は、水酸化ナトリウムである。一部の実施形態では、式27aの化合物に対して約1~約2モル当量の塩基B6が利用される。一部の実施形態では、式27aの化合物に対して約1.5モル当量の塩基B6が利用される。一部の実施形態では、式27aの化合物の加水分解は、室温で実行される。一部の実施形態では、式27aの化合物の加水分解は、溶媒成分S15中で実行され、ここで、溶媒成分S15は、有機溶媒を含む。例えば、溶媒成分S15は、テトラヒドロフラン、アセトン、またはそれらの組み合わせを含む。
一部の実施形態では、式5aの化合物またはその塩は、式5aの化合物のナトリウム塩である。一部の実施形態では、式5aの化合物またはその塩は、式5aの化合物である。
一部の実施形態では、式5aの化合物は、式5aの化合物のナトリウム塩を強酸A2と反応させることを含む方法によって調製され得る。例えば、強酸A2は、塩酸である。一部の実施形態では、(a)式5aの化合物のナトリウム塩と強酸A2との反応、及び(b)式27aの化合物のナトリウム塩の加水分解は、単一ポット中で実行される。
一部の実施形態では、式27aの化合物は、
式26Pの化合物:
を強酸A3と反応させることを含む方法によって調製され得、式中、Pは、アミノ保護基である。
一部の実施形態では、Pは、p-トルエンスルホニルである。例えば、A3は、塩酸である。一部の実施形態では、式26Pの化合物と強酸A3との反応は、室温で実行される。一部の実施形態では、式26Pの化合物と強酸A3との反応は、溶媒成分S16中で実行される。一部の実施形態では、溶媒成分S16は、式C1-6アルキル-OHを含む。一部の実施形態では、溶媒成分S16は、エタノールを含む。
一部の実施形態では、式26Pの化合物は、
式25Pの化合物:
をアルカリ金属アルコキシドB8と反応させて、式26Pの化合物を形成させることを含む方法によって調製され得、式中、Pは、アミノ保護基である。
一部の実施形態では、式25Pの化合物に対して約0.1モル当量のアルカリ金属アルコキシドB8が利用される。一部の実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドB8との反応は、室温で実行される。一部の実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドB8との反応は、溶媒成分S17中で実行され、ここで、溶媒成分S17は、極性プロトン性溶媒を含む。例えば、アルカリ金属アルコキシドB8は、ナトリウムエトキシドである。一部の実施形態では、溶媒成分S17は、アルコールを含む。一部の実施形態では、溶媒成分S17は、式C1-6アルキル-OHを含む。例えば、溶媒成分S17は、エタノールを含む。
一部の実施形態では、式27aの化合物は、
式25Pの化合物:
をアルカリ金属アルコキシドB9と反応させて、式27aの化合物を形成させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、式25Pの化合物に対して約1~約2モル当量のアルカリ金属アルコキシドB9が利用される。一部の実施形態では、式25Pの化合物に対して約1モル当量のアルカリ金属アルコキシドB9が利用される。一部の実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドB9との反応は、約50℃~約80℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドB9との反応は、溶媒成分S18中で実行され、ここで、溶媒成分S18は、式C1-6アルキル-OHを含む。例えば、溶媒成分S18は、エタノールを含む。
一部の実施形態では、式25Pの化合物は、
式2Pの化合物:
をマロン酸ジエチル及び塩基B10と反応させることを含む方法によって調製され得、式中、Pは、アミノ保護基である。
一部の実施形態では、塩基B10は、アルカリ金属炭酸塩である。例えば、塩基B10は、炭酸セシウムである。一部の実施形態では、式2Pの化合物と塩基B10との反応は、約40℃~約70℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式2Pの化合物と塩基B10との反応は、溶媒成分S19中で実行され、ここで、溶媒成分S19は、極性非プロトン性溶媒を含む。例えば、溶媒成分S19は、ジメチルホルムアミドを含む。
一部の実施形態では、式2Pの化合物は、式12aの化合物を保護して、式2Pの化合物を形成させることを含む方法によって調製され得る。一部の実施形態では、保護は、式12aの化合物を塩基B11及びP-Yと反応させることを含み、式中、Yは、ハロである。例えば、Pは、p-トルエンスルホニルである。一部の実施形態では、塩基B11は、アルカリ金属水酸化物である。例えば、塩基B11は、水酸化ナトリウムである。一部の実施形態では、保護は、式12aの化合物を塩基B11と反応させることを含み、溶媒成分S20中で実行され、ここで、溶媒成分S20は、極性非プロトン性溶媒を含む。例えば、溶媒成分S20は、アセトンを含む。
一部の実施形態では、式12aの化合物は、式11aの化合物:
またはその塩を強酸A4と反応させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、強酸A4は、塩酸である。一部の実施形態では、式11aの化合物またはその塩と強酸A4との反応は、溶媒成分S21中で実行され、ここで、溶媒成分S21は、極性非プロトン性溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S21は、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む。例えば、溶媒成分S21は、テトラヒドロフランを含む。一部の実施形態では、式11aの化合物またはその塩と強酸A4との反応は、還流温度のテトラヒドロフランで実行される。
一部の実施形態では、式11aの化合物は、式10aの化合物:
またはその塩を(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド及び塩基B12と反応させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、塩基B12は、アルカリ金属アルコキシドである。例えば、塩基B12は、カリウムt-ブトキシドである。一部の実施形態では、式11aの化合物またはその塩と、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド及び塩基B12との反応は、約10℃~約30℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式11aの化合物またはその塩と、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド及び塩基B12との反応は、溶媒成分S22中で実行され、ここで、溶媒成分S22は、極性非プロトン性溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S22は、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む。例えば、溶媒成分S22は、テトラヒドロフランを含む。
一部の実施形態では、式10aの化合物またはその塩は、式9aの化合物:
をアンモニアと反応させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、式9aの化合物とアンモニアとの反応は、約40℃~約70℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式9aの化合物とアンモニアとの反応は、溶媒成分S23中で実行され、ここで、溶媒成分S23は、有機溶媒を含む。例えば、溶媒成分S23は、トルエンを含む。
一部の実施形態では、式9aの化合物は、式8aの化合物:
を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬と反応させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、ジメチルホルムアミドを塩素化剤と反応させることを含む方法によって調製される。一部の実施形態では、塩素化剤は、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、トリホスゲン、塩化チオニル、塩化スルフリル、及び五塩化リンから選択される。例えば、塩素化剤は、オキシ塩化リンである。一部の実施形態では、式8aの化合物に対して約4~約6モル当量(例えば、5モル当量)の塩素化剤が利用される。一部の実施形態では、式8aの化合物に対して約1~約3モル当量(例えば、2モル当量)のジメチルホルムアミドが利用される。一部の実施形態では、ジメチルホルムアミドと塩素化剤との反応は、約-10℃~約20℃(例えば、約0℃~約10℃)の温度で調製される。一部の実施形態では、式8aの化合物とビルスマイヤー試薬との反応は、約80℃~約130℃(例えば、約90℃~約120℃、または約95℃~約115℃)の温度で実行される。
一部の実施形態では、式12aの化合物は、式15aの化合物:
を塩素化剤と反応させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、塩素化剤は、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、トリホスゲン、塩化チオニル、塩化スルフリル、及び五塩化リンから選択される。一部の実施形態では、塩素化剤は、オキシ塩化リンである。一部の実施形態では、式15aの化合物と塩素化剤との反応は、約50℃~約100℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式15aの化合物とアンモニアとの反応は、溶媒成分S24中で実行され、ここで、溶媒成分S24は、有機溶媒を含む。例えば、溶媒成分S24は、トルエンを含む。
一部の実施形態では、式15aの化合物は、
(i)式14aの化合物:
をホルムアミジン酢酸塩及びアルカリ金属水酸化物と反応させて、式14aaの化合物:
を生じさせることと、
(ii)式14aaの化合物を強酸A4と反応させることと、
を含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、アルカリ金属水酸化物は、ナトリウムエトキシドである。一部の実施形態では、式14aの化合物とホルムアミジン酢酸塩及びアルカリ金属水酸化物との反応は、約50℃~約100℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式14aの化合物とホルムアミジン酢酸塩及びアルカリ金属水酸化物との反応は、溶媒成分S25中で実行され、ここで、溶媒成分S25は、極性プロトン性溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S25は、アルコールを含む。一部の実施形態では、溶媒成分S25は、式C1-6アルキル-OHを含む。例えば、溶媒成分S25は、エタノールを含む。例えば、強酸A4は、塩酸である。
一部の実施形態では、式14aの化合物は、式13aの化合物:
をブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドと反応させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、式13aの化合物とブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドとの反応は、約80℃~約100℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式13aの化合物とブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドとの反応は、溶媒成分S26中で実行され、ここで、溶媒成分S26は、極性非プロトン性溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S26は、ジメチルスルホキシドを含む。
一部の実施形態では、式3aの化合物またはその塩は、式3の化合物のL-酒石酸塩である。
一部の実施形態では、式3のL-酒石酸塩は、
化合物7a:
をL-酒石酸と反応させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、式7aの化合物に対して約1モル当量のL-酒石酸が利用される。一部の実施形態では、式7aの化合物とL-酒石酸との反応は、溶媒成分S27中で実行される。一部の実施形態では、溶媒成分S27は、水及び有機溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S27は、約1:1(v)の水対有機溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒成分S27は、極性非プロトン性溶媒を含む。例えば、溶媒成分S27は、アセトニトリルを含む。一部の実施形態では、式7aの化合物とL-酒石酸との反応は、約20℃~約30℃の温度で実行される。一部の実施形態では、式7aの化合物及びL-酒石酸の反応は、式3aの塩を播種することをさらに含む。
一部の実施形態では、式7aの化合物は、式6aの化合物:
をヒドラジンと反応させることを含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、化合物6aに対して約2~約3当量のヒドラジンが利用される。一部の実施形態では、ヒドラジンは、ヒドラジン水和物である。一部の実施形態では、式6aの化合物とヒドラジンとの反応は、約-10℃~約30℃の温度で実行される。
一部の実施形態では、ルキソリチニブの塩は、ルキソリチニブリン酸塩である。
一部の実施形態では、ルキソリチニブリン酸塩は、ルキソリチニブをリン酸と反応させることを含む方法によって調製され得る。一部の実施形態では、ルキソリチニブに対して約1~約2モル当量のリン酸が利用される。
一部の実施形態では、ルキソリチニブとリン酸との反応は、約20℃~約50℃の温度で実行される。一部の実施形態では、リン酸は、リン酸の水溶液である。
一部の実施形態では、ルキソリチニブリン酸塩は、
(i)第1の溶媒成分をルキソリチニブリン酸塩に添加して、第1の溶液を生じさせることと、
(ii)第1の溶液を濃縮して、第2の溶液を生じさせることと、
(iii)第2の溶媒成分を第2の溶液に添加して、第3の溶液を生じさせることと、
(iv)第3の溶媒成分を第3の溶液に添加して、第4の溶液を生じさせることと、
(v)第4の溶液を濃縮して、第5の溶液を生じさせることと、
(vi)ルキソリチニブリン酸塩を第5の溶液から単離することと、
を含む方法によって精製される。
一部の実施形態では、第1の溶媒成分は、C1-6アルキル-OHを含む。一部の実施形態では、第1の溶媒成分は、メタノールを含む。一部の実施形態では、第1の溶液は、約30℃~約80℃の温度まで加熱される。一部の実施形態では、第2の溶媒成分は、C1-6アルキル-OHを含む。例えば、第2の溶媒成分は、イソプロピルアルコールを含む。一部の実施形態では、第2の溶液の温度は、約30℃~約80℃である。一部の実施形態では、第3の溶媒成分は、非極性溶媒を含む。一部の実施形態では、第3の溶媒は、C1-8アルカンを含む。例えば、第3の溶媒は、n-ヘプタンを含む。一部の実施形態では、第3の溶液の温度は、約30℃~約80℃である。一部の実施形態では、第5の溶液は、約20℃~約30℃まで冷却される。
本開示はまた、
(a)式1aの化合物またはその塩:
を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬と反応させて、式2cの化合物:
を生じさせることと、
(b)式2cの化合物を式3の化合物:
のL-酒石酸塩と反応させて、ルキソリチニブをもたらすことと、
(c)ルキソリチニブをリン酸と反応させて、ルキソリチニブリン酸塩を生じさせることと、
を含む、ルキソリチニブリン酸塩を調製する方法も提供する。
一部の実施形態では、式1aの化合物またはその塩は、
(a)式12aの化合物:
をt-ブチルジメチルシリルクロリドと反応させて、式12bの化合物:
を生じさせることと、
(b)式12bの化合物をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式12cの化合物:
を生じさせることと、
(c)式12cの化合物を脱保護して、式1aの化合物またはその塩を生じさせることと、
を含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、式1aの化合物またはその塩は、
(a)式22aの化合物:
をグリニャール触媒の存在下でt-ブチルジメチルシリルクロリド及びMeMgBrと反応させて、式23aの化合物:
を生じさせることと、
(b)式23aの化合物を水素及びパラジウム炭素と反応させて、式1aの化合物またはその塩を生じさせることと、
を含む方法によって調製され得る。
一部の実施形態では、ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法は、式2aの塩:
を式3の化合物:
のL-(+)-酒石酸塩と反応させて、ルキソリチニブまたはその塩を形成させることを含み、式中、Xは、対イオンである。
一部の実施形態では、ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法は、式2cの塩:
を式3の化合物:
のL-(+)-酒石酸塩と反応させて、ルキソリチニブまたはその塩を形成させることを含む。
一部の実施形態では、ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法は、式2aの塩:
を式3aの塩:
と反応させて、ルキソリチニブまたはその塩を形成させることを含み、式中、Xは、対イオンである。
一部の実施形態では、ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法は、式2cの塩:
を式3aの塩:
と反応させて、ルキソリチニブまたはその塩を形成させることを含む。
一部の実施形態では、ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法は、
(a)式2dの塩:
を塩基と反応させて、式2cの塩:
を形成させることと、
(b)式2cの塩を式3aの塩:
と反応させて、ルキソリチニブまたはその塩を形成させることと、
を含む。
先の方法の一部の実施形態では、式2dの塩は、
(a)式2Pの化合物:
をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式1aPの化合物:
を形成させることと、
(b)式1aPの化合物を脱保護して、式1aの化合物:
またはその塩を形成させることと、
(c)式1aの化合物またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬及び塩素化剤と反応させて、式2dの塩を形成させることと、
を含む方法によって調製され、
式中、Pは、アミノ保護基である。一部の実施形態では、Pは、トリメチルシリルである。
他の実施形態では、式2dの塩は、
(a)式22Pの化合物:
をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式23Pの化合物:
を形成させることと、
(b)式23Pの化合物を還元して、式1aの化合物:
またはその塩を形成させることと、
(c)式1aの化合物またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬及び塩素化剤と反応させて、式2dの塩を形成させることと、
を含む方法によって調製され、
式中、Pは、アミノ保護基である。一部の実施形態では、Pは、t-ブチルジメチルシリルである。
先の方法の一部の実施形態では、式3aの塩は、
(a)式6aの化合物:
をヒドラジンと反応させて、式7aの化合物:
を形成させることと、
(b)式6aの化合物をL-酒石酸と反応させて、式3aの塩を形成させることと、
を含む方法によって調製される。
本開示はまた、
である化合物またはその塩も提供する。
一部の実施形態では、該化合物またはその塩は、
から選択される。
本明細書では、
である化合物またはその塩が提供される。
本明細書では、
である化合物またはその塩が提供される。
本明細書では、
である化合物またはその塩が提供される。
本明細書では、
である化合物またはその塩が提供される。
本明細書では、
である化合物またはその塩が提供される。
本明細書では、式2aの塩:
である化合物が提供され、式中、Xは、対アニオンであり、Xは、Cl以外である。一部の実施形態では、該化合物は、
から選択される。
一部の実施形態では、本開示は、式2dの塩:
を提供する。
一部の実施形態では、式2dの塩は、結晶性固体として単離され得る。一部の実施形態では、本明細書では、式2dの塩の結晶形態が提供される。一部の実施形態では、式2dの塩の結晶形態は、形態Iである。
一部の実施形態では、形態Iは、実質的に図1に示されるようなXRPDパターンを有する。形態Iは、実質的に図2に図示されるようなDSCサーモグラムを有し得る。一部の実施形態では、形態Iは、実質的に図3に図示されるようなTGAサーモグラムを有する。
一部の実施形態では、形態Iは、2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも1つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、形態Iは、2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも2つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、形態Iは、2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも3つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、形態Iは、2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも4つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、形態Iは、2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度にて特徴的なXRPDピークを有する。
一部の実施形態では、形態Iは、DSCサーモグラムにおいて、開始温度(±3℃)が56℃及び最大が101℃の吸熱ピークを有する。
一部の実施形態では、式2dの塩の結晶形態は、形態IIである。一部の実施形態では、形態IIは、実質的に図4に示されるようなXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、形態IIは、実質的に図5に図示されるようなDSCサーモグラムを有する。一部の実施形態では、形態II、実質的に図6に図示されるようなTGAサーモグラム。
一部の実施形態では、形態IIは、2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも1つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、形態IIは、2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも2つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、形態IIは、2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも3つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、形態IIは、2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも4つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、形態IIは、2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度にて特徴的なXRPDピークを有する。
一部の実施形態では、形態IIは、DSCサーモグラムにおいて、開始温度(±3℃)が47℃及び最大が99℃の吸熱ピークを有する。
一部の実施形態では、本明細書では、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩:
の結晶形態が提供される。
一部の実施形態では、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶形態は、実質的に図7に示されるようなXRPDパターンを有する。一部の実施形態では、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶形態は、実質的に図8に図示されるようなDSCサーモグラムを有する。一部の実施形態では、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶形態は、実質的に図9に図示されるようなTGAサーモグラムを有する。
一部の実施形態では、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶形態は、2シータ(±0.2度)で、10.8、12.0、13.9、14.3、15.2、16.6、17.0、17.6、18.1、20.1、20.4、21.3、21.5、22.1、24.2、24.7、25.0、及び26.3度から選択される少なくとも1つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶形態は、2シータ(±0.2度)で、10.8、12.0、13.9、14.3、15.2、16.6、17.0、17.6、18.1、20.1、20.4、21.3、21.5、22.1、24.2、24.7、25.0、及び26.3度から選択される少なくとも2つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶形態は、2シータ(±0.2度)で、10.8、12.0、13.9、14.3、15.2、16.6、17.0、17.6、18.1、20.1、20.4、21.3、21.5、22.1、24.2、24.7、25.0、及び26.3度から選択される少なくとも3つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶形態は、2シータ(±0.2度)で、10.8、12.0、13.9、14.3、15.2、16.6、17.0、17.6、18.1、20.1、20.4、21.3、21.5、22.1、24.2、24.7、25.0、及び26.3度から選択される少なくとも4つのXRPDピークを有する。一部の実施形態では、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶形態は、2シータ(±0.2度)で、10.8、12.0、13.9、14.3、15.2、16.6、17.0、17.6、18.1、20.1、20.4、21.3、21.5、22.1、24.2、24.7、25.0、及び26.3度にて特徴的なXRPDピークを有する。
一部の実施形態では、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶形態は、DSCサーモグラムにおいて、開始温度(±3℃)が232℃及び最大が233℃の第1の吸熱ピーク、ならびに開始温度(±3℃)が241℃及び最大が242℃の第2の吸熱ピークを有する。
一部の実施形態では、式3aの塩の結晶形態は、単結晶x線回折により、単斜P21空間群を有し、胞中の組成単位数(cell formula unit)(Z)が4であると特性評価される。一部の実施形態では、単斜P21空間群は、aが約7.68Åであり、bが約7.60Åであり、cが約13.72Åであり、ベータが約96.94°である、単位胞パラメータを有する。
一部の実施形態では、式3aの塩は、95%超のキラル純度を有する。一部の実施形態では、式3aの塩は、97%超のキラル純度を有する。一部の実施形態では、式3aの塩は、99%超のキラル純度を有する。
一部の実施形態では、本明細書では、ルキソリチニブ及びその塩、例えば、リン酸塩を調製する方法が提供される。例えば、ルキソリチニブ及びそのリン酸塩は、スキーム1に示される1つまたは複数のステップに従って調製され得る。
スキーム1
本開示はさらに、本明細書で提供される方法に従って調製される、ルキソリチニブまたはその塩を提供する。
本開示はさらに、本明細書で提供される方法に従って調製される、ルキソリチニブの塩を提供する。
本開示はさらに、本明細書で提供される方法に従って調製される、ルキソリチニブを提供する。
本開示はさらに、本明細書で提供される方法に従って調製される、ルキソリチニブまたはその薬学的に許容される塩を提供する。
本開示はさらに、本明細書で提供される方法に従って調製される、ルキソリチニブの薬学的に許容される塩を提供する。
本開示はさらに、本明細書で提供される方法に従って調製される、ルキソリチニブリン酸塩を提供する。
本明細書の種々の箇所で、本発明の化合物の置換基が群または範囲で開示される。本発明は、かかる群及び範囲の成員のありとあらゆる個々の部分的組み合わせを含むことが明確に意図される。例えば、「C1-6アルキル」という用語は、メチル、エチル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、及びCアルキルを個々に開示することが明確に意図される。
明確にするために別個の実施形態の文脈において記載される本発明のある特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることがさらに理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において記載される本発明の種々の特徴はまた、別個にまたは任意の好適な部分的組み合わせで提供され得る。
一部の実施形態では、試薬または溶媒成分は、番号(例えば、溶媒成分S1または塩基B1)によって言及され得る。これらの番号は、単に後の従属請求項のための先行詞を促進するために存在し、したがって、一部の実施形態では、除去されてもよい。
可変要素が2回以上現れる本発明の化合物に関して、各可変要素は、可変要素を定義する群から独立して選択される異なる部分であり得る。例えば、ある構造が、同じ化合物上に同時に存在する2つのR基を有するように説明される場合、これら2つのR基は、Rに関して定義される群から独立して選択される異なる部分を表し得る。別の例では、任意選択で複数である置換基が、下記の形態で指定される場合、
置換基Rは、当該環上でpの回数だけ出現し得、Rは、各出現例において異なる部分であり得ることが理解される。各R基は、(CHの水素原子の一方または両方を含めて、環原子に結合した任意の水素原子を置き換えてもよいことが理解される。さらに、上記の例において、QがCH、NH等であると述べられる場合等、可変要素Qが水素を含むように定義される場合、上記の例におけるR等の任意の浮動置換基(floating substituent)は、当該環のQ可変要素の水素ならびに任意の他の非可変要素である構成要素における水素を置き換えることができる。
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アルキル」という用語は、直鎖または分岐状であり得る飽和炭化水素基を指す。一部の実施形態では、アルキル基は、1~12個、1~8個、または1~6個の炭素原子を含有する。アルキル部分の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチル等の化学基、2-メチル-1-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピル、n-ヘプチル、n-オクチル等の高級同族体等が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、アルキル部分は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、または2,4,4-トリメチルペンチルである。一部の実施形態では、アルキル部分は、メチルである。
本明細書で使用されるとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。
本明細書で使用されるとき、「4~10員ヘテロシクロアルキルエーテル」という用語は、環構造の一部として1つまたは複数のアルケニレン基を任意選択で含有し、少なくとも1個の酸素ヘテロ原子環員及び4~10個の環員を有する、非芳香環または環系を指す。「ヘテロシクロアルキル」という用語には、単環式の4員、5員、6員、及び7員ヘテロシクロアルキル基が含まれる。4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルの例としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等が挙げられる。
本明細書に記載の方法は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法に従って監視することができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、もしくは分光光度法(例えば、紫外可視)等の分光手段によって、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)等のクロマトグラフィーまたは他の関連技法によって監視することができる。
本明細書で使用されるとき、「反応させること」及び「接触させること」という用語は、当該技術分野で既知のように使用され、一般に、化学試薬を、分子レベルでのそれらの相互作用が化学的変換または物理的変換を達成することを可能にするような様式で一緒にまとめることを指す。一部の実施形態では、反応は2つの試薬を伴い、第1の試薬に対して1当量以上の第2の試薬が使用される。本明細書に記載の方法の反応ステップは、特定される生成物を調製するのに好適な時間にわたって、かつそのような条件下で実施され得る。
本発明の化合物にはまた、本明細書に開示される化合物の薬学的に許容される塩も含まれる。本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的に許容される酸または塩基を本明細書に開示される化合物に付加することによって形成される塩を指す。本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される」という語句は、毒性学的観点から薬学的応用における使用に関して許容され、活性成分と有害な相互作用を起こさない物質を指す。単塩及び二塩を含めた薬学的に許容される塩には、限定されないが、酢酸、乳酸、クエン酸、ケイ皮酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、シュウ酸、プロピオン酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、グリコール酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、サリチル酸、安息香酸、及び同様に知られる許容される酸等の有機酸及び無機酸に由来する塩が含まれるが、これらに限定されない。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に見出され、同文献の各々は参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。
化合物の調製は、種々の化学基の保護及び脱保護を伴い得る。保護及び脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者によって容易に決定され得る。保護基の化学的性質は、例えば、Greene,et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,4d.Ed.,Wiley & Sons,2007に見出すことができ、同文献は参照によりその全体が本明細書に援用される。本明細書に記載の保護基に対する調整ならびに形成及び切断方法は、種々の置換基を考慮して必要に応じて調整されてもよい。
本明細書に記載の方法の反応は、有機合成の当業者によって容易に選択され得る好適な溶媒中で実行され得る。好適な溶媒は、反応が実行される温度(例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度の範囲であり得る温度)で出発物質(反応物)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であり得る。所与の反応は、1つの溶媒または1つよりも多くの溶媒の混合物中で実行され得る。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに好適な溶媒が選択され得る。一部の実施形態では、反応は、試薬のうちの少なくとも1つが液体または気体である場合等において、溶媒の不在下で実行され得る。
好適な溶媒には、四塩化炭素、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、クロロホルム、ブロモクロロメタン、ジブロモメタン、塩化ブチル、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1-ジクロロエタン、2-クロロプロパン、α,α,α-トリフルオロトルエン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジブロモエタン、ヘキサフルオロベンゼン、1,2,4-トリクロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、それらの混合物、及び同等物等のハロゲン化溶媒が含まれ得る。
好適な溶媒には、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、フラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、t-ブチルメチルエーテル、それらの混合物、及び同等物等のエーテル溶媒が含まれ得る。
好適なプロトン性溶媒には、例としてかつ限定することなく、水、メタノール、エタノール、2-ニトロエタノール、2-フルオロエタノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、エチレングリコール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メトキシエタノール、1-ブタノール、2-ブタノール、i-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、2-エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1-、2-、または3-ペンタノール、ネオ-ペンチルアルコール、t-ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノール、グリセロール、それらの混合物、及び同等物が含まれ得る。
好適な非プロトン性溶媒には、例としてかつ限定することなく、テトラヒドロフラン(THF)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(DMPU)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N-メチルピロリジノン(NMP)、ホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、ギ酸エチル、酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸エチル、スルホラン、N,N-ジメチルプロピオンアミド、テトラメチル尿素、ニトロメタン、ニトロベンゼン、ヘキサメチルホスホルアミド、それらの混合物、及び同等物が含まれ得る。
好適な炭化水素溶媒には、ベンゼン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン(例えば、n-ヘプタン)、エチルベンゼン、m-、o-、またはp-キシレン、オクタン、インダン、ノナン、ナフタレン、それらの混合物、及び同等物が含まれる。
超臨界二酸化炭素及びイオン液体もまた、溶媒として使用され得る。
本明細書に記載の方法の反応は、当業者によって容易に決定され得る適切な温度で実行され得る。反応温度は、例えば、試薬及び溶媒(存在する場合)の融点及び沸点、反応の熱力学(例えば、激しい発熱反応は低温で実行される必要があり得る)、ならびに反応の速度論(例えば、高い活性化エネルギー障壁は高温を必要とし得る)に依存しよう。「高温」は、室温(約22℃)を上回る温度を指す。
本明細書に記載の方法の反応は、空気中でまたは不活性雰囲気下で実行され得る。典型的には、空気と実質的に反応性のある試薬または生成物を含有する反応は、当業者に周知される空気感受性の合成技法を使用して実行され得る。
一部の実施形態では、化合物の調製は、例えば、所望の反応の触媒作用、または酸付加塩等の塩形態の形成に影響を及ぼすために、酸または塩基の付加を伴い得る。
例となる酸は、無機酸または有機酸であり得る。無機酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、及び硝酸が含まれる。有機酸には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸、4-ニトロ安息香酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、プロピオル酸、酪酸、2-ブチン酸、ビニル酢酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、及びデカン酸が含まれる。
例となる塩基には、アルカリ金属水酸化物(例えば、リチウム水酸化物、水酸化ナトリウム、及びカリウム水酸化物)、及びアルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウム)が含まれる。いくつかの例となる強塩基には、水酸化物、アルコキシド、金属アミド、金属水素化物、金属ジアルキルアミド、及びアリールアミンが含まれるが、これらに限定されず、ここで、アルコキシドには、メチル、エチル、及びt-ブチルオキシドのリチウム塩、ナトリウム塩、及びカリウム塩が含まれ、金属アミドには、ナトリウムアミド、カリウムアミド、及びリチウムアミドが含まれ、金属水素化物には、水素化ナトリウム、水素化カリウム、及び水素化リチウムが含まれ、金属ジアルキルアミドには、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、トリメチルシリル、及びシクロヘキシルで置換されたアミドのナトリウム塩及びカリウム塩が含まれる。
本発明にはまた、本明細書に記載の化合物の塩形態も含まれる。塩(または塩形態)の例としては、アミン等の塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩、カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩または有機塩等が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、塩形態は、好適な溶媒または溶媒の種々の組み合わせの中で、遊離塩基または酸を、化学量論的量または過剰の所望の塩を形成する無機酸もしくは有機酸または無機塩基もしくは有機塩基と反応させることによって調製され得る。好適な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418に見出され、同文献の開示は参照によりその全体が本明細書に援用される。
本明細書に記載の方法に従って化合物の調製を実行すると、濃縮、濾過、抽出、固相抽出、再結晶、クロマトグラフィー等のような通常の単離及び精製操作を使用して、所望の生成物を単離してもよい。
一部の実施形態では、本発明の化合物及びその塩は、実質的に単離される。「実質的に単離される」とは、化合物が、それが形成または検出された環境から少なくとも部分的または実質的に分離されることを意味する。部分的な分離は、例えば、本発明の化合物が濃縮された組成物を含み得る。実質的な分離は、本発明の化合物またはその塩を少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%含有する組成物を含み得る。化合物及びそれらの塩を単離するための方法は、当該技術分野で通例のことである。
一部の実施形態では、ルキソリチニブ)、ルキソリチニブ試薬を調製するための中間体、及びそれらの塩には、その物質の無水形態ならびにその物質の溶媒和/水和形態の両方が含まれ得る。同じ物質の異なる形態は、例えば、吸湿性、溶解性、安定性等に関して異なるバルク特性を有する。高い融点を有する形態は、良好な熱力学的安定性を有することが多く、これは、固体形態を含む薬物製剤の有効期間を長くするのに有利である。より低い融点を有する形態は、熱力学的安定性がより低いことが多いが、これらは、水への溶解度が高く、よって薬物のバイオアベイラビリティが高いという点で有利である。吸湿性が低い形態は、熱及び湿度に対するそれらの安定性のため望ましく、長期保管中の分解に耐える。
一部の実施形態では、化合物1の固体形態、化合物1を調製するための中間体、及びそれらの塩は、結晶質である。一部の実施形態では、本明細書で提供される化合物1の塩(例えば、化合物1のリン酸塩)は、結晶質である。本明細書で使用されるとき、「結晶質」または「結晶形態」は、結晶性物質のある特定の格子配置を指すことを意図する。同じ物質の異なる結晶形態は典型的に、結晶形態の各々に特有の異なる物理的特性に起因する、異なる結晶格子(例えば、単位胞)を有する。一部の事例では、異なる格子配置は、異なる水または溶媒含量を有する。
異なる固体形態及びその塩形態は、X線粉末回折(XRPD)等の固体特性評価法によって特定することができる。示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、動的水蒸気収着(DVS)、固体NMR等のような他の特性評価法はさらに、形態を特定するのに役立つと同時に、安定性及び溶媒/水含量を決定するのに役立つ。
反射(ピーク)のXRPDパターンは典型的に、特定の結晶形態の指紋とみなされる。XRPDピークの相対強度は、とりわけ、試料調製技法、結晶サイズ分布、使用される種々のフィルター、試料載置手順、及び用いられる特定の機器に応じて、大きく異なり得ることが周知である。一部の事例では、機器の種類または設定に応じて、新たなピークが観察され得るか、または既存のピークが消失し得る。本明細書で使用されるとき、「ピーク」という用語は、最大ピーク高さ/強度の少なくとも約4%の相対高さ/強度を有する反射を指す。その上、機器の変動及び他の要因が2シータ値に影響を及ぼし得る。故に、本明細書で報告されるもの等のピークの帰属は、プラスまたはマイナス約0.2°(2シータ)だけ変動し得、本明細書でXRPDの文脈において使用される「実質的に」及び「約」という用語は、上述の変動を包含することを意図する。
同様に、DSC、TGA、または他の熱実験に関連する温度読み取り値は、機器、特定の設定、試料調製等に応じて約±3℃変動し得る。したがって、「実質的に」図のうちのいずれかに示されるようなDSCサーモグラムを有する本明細書で報告される結晶形態、または「約」という用語は、かかる変動を考慮に入れていることが理解される。
一般に、「約」という用語は、±10%を意味する。一部の実施形態では、「約」という用語は、±5%を意味する。
一部の実施形態では、固体形態及び塩形態は、実質的に単離される。「実質的に単離される」とは、固体形態、その塩形態または結晶形態が、それが形成または検出された環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されることを意味する。部分的な分離は、例えば、固体形態及び塩形態が濃縮された組成物を含み得る。実質的な分離は、固体形態及び塩形態を少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%含有する組成物を含み得る。固体形態及びその塩形態を単離するための方法は、当該技術分野で通例のことである。
一部の実施形態では、本明細書に記載の固体形態及び塩形態は、水及び溶媒(例えば、水和物及び溶媒和物)等の他の物質と一緒に見出され得るか、または単離され得る。
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書において、賢明な医療判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適な、塩、材料、組成物、及び/または剤形を指して用いられる。
本明細書に記載の塩形成反応は、当業者によって容易に決定され得る適切な温度で実行され得る。反応温度は、例えば、試薬及び溶媒(存在する場合)の融点及び沸点、反応の熱力学(例えば、激しい発熱反応は低温で実行される必要があり得る)、ならびに反応の速度論(例えば、高い活性化エネルギー障壁は高温を必要とし得る)に依存しよう。
本明細書で使用される「周囲温度」及び「室温(room temperature)」または「室温(rt)」という表現は、当該技術分野で理解されており、温度、例えば反応温度、すなわち、ほぼ反応が実行される部屋の温度、例えば、約20℃~約30℃の温度を一般に指す。
本明細書に記載の保護基(例えば、P)には、Wuts and Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,4th ed.,John Wiley & Sons:New Jersey,696~887ページ(及び、特に872~887ページ)(2007)に描写されるアミンのための保護基が含まれるが、これらに限定されず、同文献は参照によりその全体が本明細書に援用される。本明細書に記載の保護基の例としては、CHOC(=O)C(CH、CHOCHCHSi(CH、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(Troc)、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、2-(4-トリフルオロメチルフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(Tsc)、t-ブトキシカルボニル(BOC)、1-アダマンチルオキシカルボニル(Adoc)、2-アダマンチルカルボニル(2-Adoc)、2,4-ジメチルペンタ-3-イルオキシカルボニル(Doc)、シクロヘキシルオキシカルボニル(Hoc)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(TcBOC)、ビニル、2-クロロエチル、2-フェニルスルホニルエチル、アリル、ベンジル、2-ニトロベンジル、4-ニトロベンジル、ジフェニル-4-ピリジルメチル、N’,N’-ジメチルヒドラジニル、メトキシメチル、t-ブトキシメチル(Bum)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2-テトラヒドロピラニル(THP)、トリ(C1-4アルキル)シリル(例えば、トリ(イソプロピル)シリルまたはt-ブチルジメチルシリル)、1,1-ジエトキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)、N-ピバロイルオキシメチル(POM)、p-ニトロフェニルスルホニル、p-トルエンスルホニル、フェニルスルホニル、メタンスルホニル等が挙げられる。一部の実施形態では、保護基は、トリ(C1-4アルキル)シリル(例えば、トリ(イソプロピル)シリルまたはt-ブチルジメチルシリル)である。一部の実施形態では、保護基は、t-ブチルジメチルシリルである。一部の実施形態では、保護基は、p-トルエンスルホニルである。
一部の実施形態では、本明細書に提示される化合物(生成物または合成中間体)の1個または複数の構成原子は、天然または非天然存在度で原子の同位体と置き換えまたは置換され得る。一部の実施形態では、該化合物は、少なくとも1個のジュウテリウム原子を含む。例えば、一部の実施形態では、本明細書に提示される化合物における1個または複数の水素原子が、ジュウテリウム原子で置き換えまたは置換され得る(例えば、-CDで-CHを置換する等、C1-6アルキル基の1個または複数の水素原子がジュウテリウム原子で置き換えられ得る)。一部の実施形態では、該化合物は、2個以上のジュウテリウム原子を含む。一部の実施形態では、該化合物は、1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、または1~8個のジュウテリウム原子を含む。
一部の実施形態では、ルキソリチニブまたはその塩の1個または複数の水素原子が、ジュウテリウム原子で置き換えられる。一部の実施形態では、ルキソリチニブまたはその塩のシクロペンチル環のCH基が、CD基で置き換えられる。
一部の実施形態では、式3の化合物またはその塩の1個または複数の水素原子が、ジュウテリウム原子で置き換えられる。一部の実施形態では、式3の化合物またはその塩のシクロペンチル環のCH基が、CD基で置き換えられる。
一部の実施形態では、式3aの塩の1個または複数の水素原子が、ジュウテリウム原子で置き換えられる。一部の実施形態では、式3aの塩のシクロペンチル環のCH基が、CD基で置き換えられる。
本発明は、具体的な実施例を用いてより詳細に記載される。以下の実施例は、例示目的で提示されるものであり、本発明をいかなる様式でも限定することは意図されない。当業者であれば、本質的に同じ結果をもたらすように変更または修正され得る、重要性の低い様々なパラメータを容易に認識しよう。
(R)-3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-シクロペンチルプロパンニトリル(化合物1)及びそのリン酸塩を下記のスキームに従って調製した。
スキーム2
化合物2aがクロリド塩である場合、それは化合物2のクロリド(化合物2c)または化合物2のクロリド塩酸塩(化合物2d):
として単離され得ることに留意されたい。
以下の実施例に記載されるように、LCMSによって、化合物2aについておよそm/e 244のMSデータが得られたが、これはアニオンなしの化合物2が検出されたことを意味する。
実施形態
1.ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法であって、
式3の化合物:
またはその塩を、式2aの塩もしくはその塩、または式2bの化合物:
である試薬と反応させることを含み、
式中、Xが、対アニオンである、前記方法。
2.前記式3の化合物または前記その塩が、前記式3の化合物のキラル塩である、実施形態1に記載の方法。
3.前記キラル塩が、前記式3の化合物を、マンデル酸、2-クロロマンデル酸、カンファースルホン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、3-ブロモカンファー-8-スルホン酸、3-ブロモカンファー-10-スルホン酸、10-カンファースルホン酸、ジベンゾイル酒石酸、ジ-p-トルオイル酒石酸、2-アミノ-7,7-ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン-1-メチレンスルホン酸、及び2-アクリルアミド-7,7-ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン-1-メチレンスルホン酸から選択される酸の光学活性形態と反応させることによって調製される、実施形態2に記載の方法。
4.前記キラル塩が、前記式3の化合物のL-(+)-酒石酸塩である、実施形態2に記載の方法。
5.前記式3の化合物または前記その塩が、式3a:
を有する、実施形態2に記載の方法。
6.前記式3の化合物またはその塩に対して約1~約1.5モル当量の前記試薬が利用される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
7.前記試薬と前記式3の化合物または前記その塩との前記反応が、溶媒成分S1中で実行される、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法。
8.前記溶媒成分S1が、水を含む、実施形態7に記載の方法。
9.前記溶媒成分S1が、アルコールを含む、実施形態7に記載の方法。
10.前記溶媒成分S1が、エタノールを含む、実施形態7に記載の方法。
11.前記溶媒成分S1が、ジメチルホルムアミドを含む、実施形態7または8に記載の方法。
12.前記溶媒成分S1が、水、アルコール、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態7または8に記載の方法。
13.前記試薬が、前記式2aの塩または式2bの化合物である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
14.前記試薬が、前記式2aの塩である、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
15.Xが、Cl、Br、I、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択される、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
16.Xが、Cl、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択される、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
17.Xが、BF である、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
18.Xが、PF である、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
19.Xが、AsF である、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
20.Xが、SbF である、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
21.Xが、ClO である、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
22.Xが、Clである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
23.前記試薬が、前記式2aの塩の塩酸塩であり、式中、Xが、Clである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
24.前記試薬が、前記式2bの化合物である、実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
25.前記式2bの化合物が、前記式2aの塩を塩基B1と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法。
26.前記式2aの塩と前記塩基B1との前記反応が、水を含む溶媒成分S2中で実施される、実施形態25に記載の方法。
27.前記塩基B1が、強塩基である、実施形態25または26に記載の方法。
28.前記塩基B1が、水酸化物である、実施形態25~27のいずれか1つに記載の方法。
29.前記塩基B1が、アルカリ金属水酸化物である、実施形態25~28のいずれか1つに記載の方法。
30.前記塩基B1が、水酸化ナトリウムである、実施形態25~29のいずれか1つに記載の方法。
31.前記式2aの塩または前記その塩に対して約10~約15モル当量の前記塩基B1が利用される、実施形態25~30のいずれか1つに記載の方法。
32.前記式2aの塩またはその塩に対して約12モル当量の前記塩基B1が利用される、実施形態25~30のいずれか1つに記載の方法。
33.前記式2aの塩と前記塩基B1との前記反応が、約-10℃~約60℃の温度で実施される、実施形態25~32のいずれか1つに記載の方法。
34.前記式2aの塩または前記式2bの化合物が、
前記式1aの化合物:
またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
35.前記式2aの塩または前記式2bの化合物が、
前記式5aの化合物:
またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態1~33のいずれか1つに記載の方法。
36.前記式5aの化合物または前記その塩が、塩である、実施形態35に記載の方法。
37.前記式5aの化合物または前記その塩が、ナトリウム塩である、実施形態35または36に記載の方法。
38.前記ビルスマイヤー試薬との前記反応が、式2cの化合物:
を生成する、実施形態34~37のいずれか1つに記載の方法。
39.ビルスマイヤー試薬との反応後、式2cの化合物が、式Mの塩と反応させられ、式中、Mが、対カチオンである、実施形態38に記載の方法。
40.前記ビルスマイヤー試薬が、ジメチルホルムアミドを塩素化剤と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態34~39のいずれか1つに記載の方法。
41.前記塩素化剤が、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、トリホスゲン、塩化チオニル、塩化スルフリル、及び五塩化リンから選択される、実施形態40に記載の方法。
42.前記塩素化剤が、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、及びトリホスゲンから選択される、実施形態40に記載の方法。
43.前記塩素化剤が、塩化オキサリルである、実施形態40に記載の方法。
44.前記塩素化剤が、オキシ塩化リンである、実施形態40に記載の方法。
45.前記塩素化剤が、トリホスゲンである、実施形態40に記載の方法。
46.前記式1aもしくは5aの化合物、または前記その塩に対して約1~約5モル当量の前記塩素化剤が利用される、実施形態40~45のいずれか1つに記載の方法。
47.前記式1aもしくは5aの化合物、または前記その塩に対して約1~約4モル当量の前記塩素化剤が利用される、実施形態40~45のいずれか1つに記載の方法。
48.前記式1aもしくは5aの化合物、または前記その塩に対して約1~約3モル当量の前記塩素化剤が利用される、実施形態40~45のいずれか1つに記載の方法。
49.前記式1aもしくは5aの化合物、または前記その塩に対して約10~約25モル当量のジメチルホルムアミドが利用される、実施形態34~48のいずれか1つに記載の方法。
50.前記式1aもしくは5aの化合物、または前記その塩に対して約10~約20モル当量のジメチルホルムアミドが利用される、実施形態34~48のいずれか1つに記載の方法。
51.前記式1aもしくは5aの化合物、または前記その塩に対して約10~約15モル当量のジメチルホルムアミドが利用される、実施形態34~48のいずれか1つに記載の方法。
52.前記式1aもしくは5aの化合物、または前記その塩に対して約11~約14モル当量のジメチルホルムアミドが利用される、実施形態34~48のいずれか1つに記載の方法。
53.前記式1aもしくは5aの化合物、または前記その塩に対して約11~約13モル当量のジメチルホルムアミドが利用される、実施形態34~48のいずれか1つに記載の方法。
54.前記ビルスマイヤー試薬の前記調製が、溶媒成分S3中で実行される、実施形態34~53のいずれか1つに記載の方法。
55.前記溶媒成分S3が、有機溶媒を含む、実施形態54に記載の方法。
56.前記溶媒成分S3が、極性非プロトン性溶媒を含む、実施形態54または55に記載の方法。
57.前記溶媒成分S3が、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態54~56のいずれか1つに記載の方法。
58.前記ビルスマイヤー試薬が、約-10℃~約60℃の温度で調製される、実施形態34~57のいずれか1つに記載の方法。
59.前記ビルスマイヤー試薬が、約-10℃~約30℃の温度で調製される、実施形態34~57のいずれか1つに記載の方法。
60.前記ビルスマイヤー試薬が、およそ室温~約60℃の温度で調製される、実施形態34~57のいずれか1つに記載の方法。
61.前記式1aもしくは5aの化合物、または前記その塩と前記ビルスマイヤー試薬との前記反応が、約40℃~約100℃の温度で実行される、実施形態34~60のいずれか1つに記載の方法。
62.前記式1aもしくは5aの化合物、または前記その塩と前記ビルスマイヤー試薬との前記反応が、約70℃~約100℃の温度で実行される、実施形態34~60のいずれか1つに記載の方法。
63.前記式1aもしくは5aの化合物、または前記その塩と前記ビルスマイヤー試薬との前記反応が、約40℃~約60℃の温度で実行される、実施形態34~60のいずれか1つに記載の方法。
64.前記ビルスマイヤー試薬との前記反応の生成物が、式2d:
を有する、実施形態34~63のいずれか1つに記載の方法。
65.前記式2aの塩が、
前記式2cの塩:
を式Mの塩と反応させることを含む方法によって形成され、式中、
が、対カチオンであり、
が、Cl以外の対アニオンである、
実施形態1~64のいずれか1つに記載の方法。
66.Mが、アルカリ金属対カチオンである、実施形態65に記載の方法。
67.Mが、Li、Na、またはKである、実施形態65に記載の方法。
68.Mが、Naである、実施形態65に記載の方法。
69.Xが、Br、I、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択される、実施形態65~68のいずれか1つに記載の方法。
70.前記式2cの塩が、
式2dの塩:
を塩基と反応させることを含む方法によって生成される、実施形態38~69のいずれか1つに記載の方法。
71.前記式2bの化合物が、式2dの塩を塩基B2と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態1~14、24、及び70のいずれか1つに記載の方法。
72.(i)前記式2dの塩と塩基B2との前記反応、及び(ii)前記式2aの塩と前記式3の化合物との前記反応が、単一ポット中で実施される、実施形態71に記載の方法。
73.前記式2dの塩と塩基B2との前記反応が、水を含む溶媒成分中で実施される、実施形態71または72に記載の方法。
74.前記塩基B2が、強塩基である、実施形態71~73のいずれか1つに記載の方法。
75.前記塩基B2が、水酸化物塩基である、実施形態71~74のいずれか1つに記載の方法。
76.前記塩基B2が、アルカリ金属水酸化物である、実施形態71~75のいずれか1つに記載の方法。
77.前記塩基B2が、水酸化ナトリウムである、実施形態71~76のいずれか1つに記載の方法。
78.前記式2dの塩と塩基B2との前記反応が、約-10℃~約15℃の温度で実施される、実施形態71~77のいずれか1つに記載の方法。
79.前記式1aの化合物または前記その塩が、前記塩酸塩である、実施形態34に記載の方法。
80.前記式1aの化合物または前記その塩が、
式1aPの化合物:
を脱保護することを含む方法によって調製され、
式中、Pが、アミノ保護基である、実施形態34または79に記載の方法。
81.Pが、(RSiから選択され、式中、Rが、C1-6アルキルである、実施形態80に記載の方法。
82.Rが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはt-ブチルである、実施形態81に記載の方法。
83.Pが、t-ブチルジメチルシリルである、実施形態80~82のいずれか1つに記載の方法。
84.前記脱保護が、前記式1aPの化合物を塩基B3と反応させることによって実行される、実施形態80~83のいずれか1つに記載の方法。
85.前記塩基B3が、水酸化物塩基である、実施形態84に記載の方法。
86.前記塩基B3が、水酸化アンモニウムである、実施形態84または85に記載の方法。
87.前記脱保護が、溶媒成分S4中で実行される、実施形態80~86のいずれか1つに記載の方法。
88.前記溶媒成分S4が、極性プロトン性溶媒を含む、実施形態87に記載の方法。
89.前記溶媒成分S4が、アルコールを含む、実施形態87または88に記載の方法。
90.前記溶媒成分S4が、式C1-6アルキル-OHを含む、実施形態87~89のいずれか1つに記載の方法。
91.前記溶媒成分S4が、メタノールを含む、実施形態87~90のいずれか1つに記載の方法。
92.前記式1aPの化合物が、
式2Pの化合物:
をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させることを含む方法によって調製され、
式中、Pが、アミノ保護基である、実施形態80~91のいずれか1つに記載の方法。
93.前記触媒が、鉄触媒である、実施形態92に記載の方法。
94.前記鉄触媒が、鉄(III)アセチルアセトナートである、実施形態92または93に記載の方法。
95.前記式2Pの化合物に対して約1~約2モル当量のMeMgClが利用される、実施形態92~94のいずれか1つに記載の方法。
96.前記式2Pの化合物に対して約1%~約10%モル当量の前記触媒が利用される、実施形態92~95のいずれか1つに記載の方法。
97.前記式2Pの化合物とMeMgClとの前記反応が、溶媒成分S5中で実行される、実施形態92~96のいずれか1つに記載の方法。
98.前記溶媒成分S5が、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む、実施形態97に記載の方法。
99.前記溶媒成分S5が、テトラヒドロフランを含む、実施形態97または98に記載の方法。
100.前記式2Pの化合物とMeMgClとの前記反応が、約-10℃~約30℃の温度で実行される、実施形態92~99のいずれか1つに記載の方法。
101.前記式2Pの化合物が、
式12aの化合物:
を保護して、前記式2Pの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、実施形態91~100のいずれか1つに記載の方法。
102.前記保護が、前記式12aの化合物をアルカリ金属水素化物及びP-Yと反応させることを含み、式中、Yが、ハロである、実施形態101に記載の方法。
103.P-Yが、(RSi-Yであり、式中、Yが、ハロであり、Rが、C1-6アルキルである、実施形態102に記載の方法。
104.Pが、(RSiであり、式中、Rが、C1-6アルキルである、実施形態103に記載の方法。
105.Rが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはt-ブチルである、実施形態102及び103に記載の方法。
106.Pが、t-ブチルジメチルシリルである、実施形態102~105のいずれか1つに記載の方法。
107.前記アルカリ金属水素化物が、水素化ナトリウムである、実施形態102~106のいずれか1つに記載の方法。
108.前記式12aの化合物に対して約1~約2モル当量の前記アルカリ金属水素化物が利用される、実施形態102~107のいずれか1つに記載の方法。
109.前記式12aの化合物に対して約1~約2モル当量のP-Yが利用される、実施形態102~108のいずれか1つに記載の方法。
110.前記式12aの化合物と前記アルカリ金属水素化物及びP-Yとの前記反応が、約-10℃~約20℃の温度で実行される、実施形態102~109のいずれか1つに記載の方法。
111.前記式12aの化合物と前記アルカリ金属水素化物及びP-Yとの前記反応が、溶媒成分S6中で実行され、前記溶媒成分S6が、有機溶媒を含む、実施形態102~110のいずれか1つに記載の方法。
112.前記溶媒成分S6が、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む、実施形態111に記載の方法。
113.前記溶媒成分S6が、テトラヒドロフランを含む、実施形態111または112に記載の方法。
114.前記式1aの化合物または前記その塩が、
式23Pの化合物:
を還元することを含む方法によって調製され、
式中、Pが、アミノ保護基である、実施形態34及び79~113のいずれか1つに記載の方法。
115.前記式23Pの化合物の前記還元が、前記式23Pの化合物を触媒の存在下で水素ガスと反応させることを含む方法によって遂行される、実施形態114に記載の方法。
116.前記触媒が、Pd炭素である、実施形態115に記載の方法。
117.前記式23Pの化合物に対する前記触媒の量が、約5重量%~約15重量%である、実施形態115または116に記載の方法。
118.前記式23Pの化合物と水素及び前記触媒との前記反応が、約40℃~約70℃の温度で実行される、実施形態115~117のいずれか1つに記載の方法。
119.前記式23aPの化合物と水素及び前記触媒との前記反応が、溶媒成分S7中で実行される、実施形態115~118のいずれか1つに記載の方法。
120.前記溶媒成分S7が、極性プロトン性溶媒を含む、実施形態119に記載の方法。
121.前記溶媒成分S7が、アルコールを含む、実施形態119または120に記載の方法。
122.前記溶媒成分S7が、式C1-6アルキル-OHを含む、実施形態119~121のいずれか1つに記載の方法。
123.前記溶媒成分S7が、メタノールを含む、実施形態119~122のいずれか1つに記載の方法。
124.前記式23Pの化合物が、
式22Pの化合物:
をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させることを含む方法によって調製され、
式中、Pが、アミノ保護基である、実施形態114~123のいずれか1つに記載の方法。
125.前記触媒が、鉄触媒である、実施形態124に記載の方法。
126.前記鉄触媒が、鉄(III)アセチルアセトナートである、実施形態125に記載の方法。
127.前記式22Pの化合物に対して約1~約2モル当量のMeMgClが利用される、実施形態124~126のいずれか1つに記載の方法。
128.前記式22Pの化合物に対して約1%~約10%モル当量の前記触媒が利用される、実施形態124~127のいずれか1つに記載の方法。
129.前記式22Pの化合物とMeMgClとの前記反応が、溶媒成分S8中で実行される、実施形態124~128のいずれか1つに記載の方法。
130.前記溶媒成分S8が、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む、実施形態129に記載の方法。
131.前記溶媒成分S8が、テトラヒドロフランを含む、実施形態129または130に記載の方法。
132.前記式2Pの化合物とMeMgClとの前記反応が、約-10℃~約30℃の温度で実行される、実施形態124~131のいずれか1つに記載の方法。
133.前記式22Pの化合物が、
式22aの化合物:
を保護して、前記式22Pの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、実施形態124~132のいずれか1つに記載の方法。
134.前記保護が、前記式22aの化合物をアルカリ金属水素化物及びP-Yと反応させることを含み、式中、Yが、ハロである、実施形態133に記載の方法。
135.Pが、(RSiであり、式中、Rが、C1-6アルキルである、実施形態134に記載の方法。
136.Rが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはt-ブチルである、実施形態135に記載の方法。
137.Pが、t-ブチルジメチルシリルである、実施形態134~136のいずれか1つに記載の方法。
138.前記アルカリ金属水素化物が、水素化ナトリウムである、実施形態134~137のいずれか1つに記載の方法。
139.前記式22aの化合物に対して約1~約2モル当量の前記アルカリ金属水素化物が利用される、実施形態134~138のいずれか1つに記載の方法。
140.前記式22aの化合物に対して約1~約2モル当量のP-Yが利用される、実施形態134~139のいずれか1つに記載の方法。
141.前記式22aの化合物と前記アルカリ金属水素化物及びP-Yとの前記反応が、約-10℃~約20℃の温度で実行される、実施形態134~140のいずれか1つに記載の方法。
142.前記式22aの化合物と前記アルカリ金属水素化物及びP-Yとの前記反応が、溶媒成分S9中で実行され、前記溶媒成分S9が、有機溶媒を含む、実施形態134~141のいずれか1つに記載の方法。
143.前記溶媒成分S9が、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む、実施形態142に記載の方法。
144.前記溶媒成分S9が、テトラヒドロフランを含む、実施形態142または143に記載の方法。
145.前記式1aの化合物または前記その塩が、
式18aの化合物:
を酸A1と反応させて、式1aの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、実施形態34及び79~113のいずれか1つに記載の方法。
146.前記酸A1が、強酸である、実施形態145に記載の方法。
147.前記酸A1が、塩酸である、実施形態145または146に記載の方法。
148.前記式18aの化合物と前記酸A1との前記反応が、溶媒成分S10中で実行され、前記溶媒成分S10が、極性プロトン性溶媒を含む、実施形態145~147のいずれか1つに記載の方法。
149.前記溶媒成分S10が、アルコールを含む、実施形態148に記載の方法。
150.前記溶媒成分S10が、式C1-6アルキル-OHを含む、実施形態148または149に記載の方法。
151.前記溶媒成分S10が、イソプロピルアルコールを含む、実施形態148~150のいずれか1つに記載の方法。
152.前記式18aの化合物またはその塩が、
式17aの化合物:
をホルムアミジン酢酸塩及びオルトギ酸トリエチルと反応させて、前記式17aの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、実施形態148~151のいずれか1つに記載の方法。
153.前記式17aの化合物が約10~約15であることに対して約10~約15モル当量のホルムアミジン酢酸塩が利用される、実施形態152に記載の方法。
154.前記式17aの化合物に対して約6~約10モル当量のオルトギ酸トリエチルが利用される、実施形態152または153に記載の方法。
155.前記式17aの化合物とホルムアミジン酢酸塩及びオルトギ酸トリエチルとの前記反応が、約100℃~約150℃の温度で実行される、実施形態152~154のいずれか1つに記載の方法。
156.前記式17aの化合物とホルムアミジン酢酸塩及びオルトギ酸トリエチルとの前記反応が、溶媒成分S11中で実行され、前記溶媒成分S11が、極性プロトン性溶媒を含む、実施形態152~155のいずれか1つに記載の方法。
157.前記溶媒成分S11が、アルコールを含む、実施形態156に記載の方法。
158.前記溶媒成分S11が、式C1-6アルキル-OHを含む、実施形態156または157に記載の方法。
159.前記溶媒成分S11が、1-ブタノールを含む、実施形態156~158のいずれか1つに記載の方法。
160.前記式17aの化合物またはその塩が、
式20aの化合物:
を式21aの化合物:
と反応させて、前記式17aの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、実施形態152~159のいずれか1つに記載の方法。
161.前記式20aの化合物に対して約0.4~約1モル当量の前記式21aの化合物が利用される、実施形態160に記載の方法。
162.前記式20aの化合物と前記式21aの化合物との前記反応が、室温で実行される、実施形態160または161に記載の方法。
163.前記式20aの化合物と前記式21aの化合物との前記反応が、溶媒成分S12中で実行され、前記溶媒成分S12が、極性非プロトン性溶媒を含む、実施形態160~162のいずれか1つに記載の方法。
164.前記溶媒成分S12が、ジメチルホルムアミドを含む、実施形態163に記載の方法。
165.前記式20aの化合物またはその塩が、
式19aの化合物:
をブロモ-1,1-ジメトキシエタン及び塩基B4と反応させて、式20aの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、実施形態160~164のいずれか1つに記載の方法。
166.前記塩基B4が、アルカリ金属炭酸塩である、実施形態165に記載の方法。
167.前記塩基B4が、炭酸セシウムである、実施形態165または166に記載の方法。
168.前記式19aの化合物に対して約1~約2モル当量の前記塩基B4が利用される、実施形態165~167のいずれか1つに記載の方法。
169.前記式19aの化合物に対して約1~約2モル当量のブロモ-1,1-ジメトキシエタンが利用される、実施形態165~168のいずれか1つに記載の方法。
170.前記式19aの化合物とブロモ-1,1-ジメトキシエタンとの前記反応が、約70℃~約100℃の温度で実行される、実施形態165~169のいずれか1つに記載の方法。
171.前記式19aの化合物とブロモ-1,1-ジメトキシエタンとの前記反応が、溶媒成分S13中で実行され、前記溶媒成分S13が、極性非プロトン性溶媒を含む、実施形態165~170のいずれか1つに記載の方法。
172.前記溶媒成分S13が、ジメチルホルムアミドである、実施形態171に記載の方法。
173.前記式17aの化合物またはその塩が、
式16aの化合物:
を酢酸エチル及び塩基B5と反応させて、式17aの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、実施形態152~159のいずれか1つに記載の方法。
174.前記塩基B5が、アルカリ金属アルコキシドである、実施形態173に記載の方法。
175.前記塩基B5が、カリウムtert-ブトキシドである、実施形態173または174に記載の方法。
176.前記式16aの化合物に対して約1~約3モル当量の前記塩基B5が利用される、実施形態173~175のいずれか1つに記載の方法。
177.前記式16aの化合物に対して約1~約2モル当量の酢酸エチルが利用される、実施形態173~176のいずれか1つに記載の方法。
178.前記式17aの化合物と酢酸エチル及び塩基B5との前記反応が、室温で実行される、実施形態172~177のいずれか1つに記載の方法。
179.前記式17aの化合物と酢酸エチル及び塩基B5との前記反応が、溶媒成分S14中で実行され、前記溶媒成分S14が、有機溶媒を含む、実施形態172~178のいずれか1つに記載の方法。
180.前記溶媒成分S14が、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む、実施形態179に記載の方法。
181.前記溶媒成分S14が、テトラヒドロフランを含む、実施形態179または180に記載の方法。
182.前記式5aの化合物または前記その塩が、
式27aの化合物:
を塩基B6の存在下、水中で加水分解することを含む方法によって調製される、実施形態35~79のいずれか1つに記載の方法。
183.前記塩基B6が、アルカリ金属水酸化物である、実施形態182に記載の方法。
184.前記塩基B6が、水酸化ナトリウムである、実施形態182または183に記載の方法。
185.前記式27aの化合物に対して約1~約2モル当量の前記塩基B6が利用される、実施形態182~184のいずれか1つに記載の方法。
186.前記式27aの化合物の前記加水分解が、室温で実行される、実施形態182~185のいずれか1つに記載の方法。
187.前記式27aの化合物の前記加水分解が、溶媒成分S15中で実行され、前記溶媒成分S15が、有機溶媒を含む、実施形態182~186のいずれか1つに記載の方法。
188.前記溶媒成分S15が、テトラヒドロフラン、アセトン、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態187に記載の方法。
189.前記式5aの化合物または前記その塩が、前記式5aの化合物のナトリウム塩である、実施形態182~188のいずれか1つに記載の方法。
190.前記式5aの化合物または前記その塩が、前記式5aの化合物である、実施形態182~188のいずれか1つに記載の方法。
191.前記式5aの化合物が、前記式5aの化合物のナトリウム塩を強酸A2と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態190に記載の方法。
192.前記強酸A2が、塩酸である、実施形態191に記載の方法。
193.(a)式5aの化合物の前記ナトリウム塩と強酸A2との前記反応、及び(b)前記式27aの化合物の前記ナトリウム塩の前記加水分解が、単一ポット中で実行される、実施形態191または192に記載の方法。
194.前記式27aの化合物が、
式26Pの化合物:
を強酸A3と反応させることを含む方法によって調製され、式中、Pが、アミノ保護基である、実施形態182~193のいずれか1つに記載の方法。
195.Pが、p-トルエンスルホニルである、実施形態194に記載の方法。
196.A3が、塩酸である、実施形態194または195に記載の方法。
197.前記式26Pの化合物と強酸A3との前記反応が、室温で実行される、実施形態194~196のいずれか1つに記載の方法。
198.前記式26Pの化合物と強酸A3との前記反応が、溶媒成分S16中で実行される、実施形態194~197のいずれか1つに記載の方法。
199.前記溶媒成分S16が、式C1-6アルキル-OHを含む、実施形態194~198のいずれか1つに記載の方法。
200.前記溶媒成分S16が、エタノールを含む、実施形態199に記載の方法。
201.前記式26Pの化合物が、
式25Pの化合物:
をアルカリ金属アルコキシドB8と反応させて、式26Pの化合物を形成させることを含む方法によって調製され、式中、Pが、アミノ保護基である、実施形態194~200のいずれか1つに記載の方法。
202.前記式25Pの化合物に対して約0.1モル当量のアルカリ金属アルコキシドB8が利用される、実施形態201に記載の方法。
203.前記式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドB8との前記反応が、室温で実行される、実施形態201または202に記載の方法。
204.前記式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドB8との前記反応が、溶媒成分S17中で実行され、前記溶媒成分S17が、極性プロトン性溶媒を含む、実施形態201~202のいずれか1つに記載の方法。
205.前記アルカリ金属アルコキシドB8が、ナトリウムエトキシドである、実施形態201~202のいずれか1つに記載の方法。
206.前記溶媒成分S17が、アルコールを含む、実施形態204または205に記載の方法。
207.前記溶媒成分S17が、式C1-6アルキル-OHを含む、実施形態204~206のいずれか1つに記載の方法。
208.前記溶媒成分S17が、エタノールを含む、実施形態204~207のいずれか1つに記載の方法。
209.前記式27aの化合物が、
式25Pの化合物:
をアルカリ金属アルコキシドB9と反応させて、前記式27aの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、実施形態182~193のいずれか1つに記載の方法。
210.前記式25Pの化合物に対して約1~約2モル当量のアルカリ金属アルコキシドB9が利用される、実施形態209に記載の方法。
211.前記式25Pの化合物に対して約1モル当量のアルカリ金属アルコキシドB9が利用される、実施形態209に記載の方法。
212.前記式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドB9との前記反応が、約50℃~約80℃の温度で実行される、実施形態209~211のいずれか1つに記載の方法。
213.前記式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドB9との前記反応が、溶媒成分S18中で実行され、前記溶媒成分S18が、式C1-6アルキル-OHを含む、実施形態209~212のいずれか1つに記載の方法。
214.前記溶媒成分S18が、エタノールを含む、実施形態213に記載の方法。
215.前記式25Pの化合物が、
式2Pの化合物:
をマロン酸ジエチル及び塩基B10と反応させることを含む方法によって調製され、式中、Pが、アミノ保護基である、実施形態201~214のいずれか1つに記載の方法。
216.前記塩基B10が、アルカリ金属炭酸塩である、実施形態215に記載の方法。
217.前記塩基B10が、炭酸セシウムである、実施形態215または216に記載の方法。
218.前記式2Pの化合物と塩基B10との前記反応が、約40℃~約70℃の温度で実行される、実施形態215~217のいずれか1つに記載の方法。
219.前記式2Pの化合物と塩基B10との前記反応が、溶媒成分S19中で実行され、前記溶媒成分S19が、極性非プロトン性溶媒を含む、実施形態215~218のいずれか1つに記載の方法。
220.前記溶媒成分S19が、ジメチルホルムアミドを含む、実施形態219に記載の方法。
221.前記式2Pの化合物が、式12aの化合物を保護して、前記式2Pの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、実施形態215~220のいずれか1つに記載の方法。
222.前記保護が、前記式12aの化合物を塩基B11及びP-Yと反応させることを含み、式中、Yが、ハロである、実施形態221に記載の方法。
223.Pが、p-トルエンスルホニルである、実施形態222に記載の方法。
224.前記塩基B11が、アルカリ金属水酸化物である、実施形態222または223に記載の方法。
225.前記塩基B11が、水酸化ナトリウムである、実施形態222~224のいずれか1つに記載の方法。
226.前記保護が、前記式12aの化合物を塩基B11と反応させることを含み、溶媒成分S20中で実行され、前記溶媒成分S20が、極性非プロトン性溶媒を含む、実施形態222~225のいずれか1つに記載の方法。
227.前記溶媒成分S20が、アセトンを含む、実施形態226に記載の方法。
228.前記式12aの化合物が、
式11aの化合物:
またはその塩を強酸A4と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態101~113及び221~227のいずれか1つに記載の方法。
229.前記強酸A4が、塩酸である、実施形態228に記載の方法。
230.前記式11aの化合物またはその塩と強酸A4との前記反応が、溶媒成分S21中で実行され、前記溶媒成分S21が、極性非プロトン性溶媒を含む、実施形態228または229に記載の方法。
231.前記溶媒成分S21が、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む、実施形態230に記載の方法。
232.前記溶媒成分S21が、テトラヒドロフランを含む、実施形態230または231に記載の方法。
233.前記式11aの化合物またはその塩と強酸A4との前記反応が、還流温度のテトラヒドロフランで実行される、実施形態228~232のいずれか1つに記載の方法。
234.前記式11aの化合物またはその塩が、
式10aの化合物:
またはその塩を(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド及び塩基B12と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態228~233のいずれか1つに記載の方法。
235.前記塩基B12が、アルカリ金属アルコキシドである、実施形態234に記載の方法。
236.前記塩基B12が、カリウムt-ブトキシドである、実施形態234または235に記載の方法。
237.前記式11aの化合物またはその塩と、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド及び塩基B12との前記反応が、約10℃~約30℃の温度で実行される、実施形態234~236のいずれか1つに記載の方法。
238.前記式11aの化合物またはその塩と、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド及び塩基B12との前記反応が、溶媒成分S22中で実行され、前記溶媒成分S22が、極性非プロトン性溶媒を含む、実施形態234~237のいずれか1つに記載の方法。
239.前記溶媒成分S22が、ジ-C1-6アルキルエーテルまたは4~10員ヘテロシクロアルキルエーテルを含む、実施形態238に記載の方法。
240.前記溶媒成分S22が、テトラヒドロフランを含む、実施形態238または239に記載の方法。
241.前記式10aの化合物またはその塩が、
式9aの化合物:
をアンモニアと反応させることを含む方法によって調製される、実施形態238~240のいずれか1つに記載の方法。
242.前記式9aの化合物とアンモニアとの前記反応が、約40℃~約70℃の温度で実行される、実施形態241に記載の方法。
243.前記式9aの化合物とアンモニアとの前記反応が、溶媒成分S23中で実行され、前記溶媒成分S23が、有機溶媒を含む、実施形態241または242に記載の方法。
244.前記溶媒成分S23が、トルエンを含む、実施形態243に記載の方法。
245.前記式9aの化合物が、
式8aの化合物:
を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態241~244のいずれか1つに記載の方法。
246.前記ビルスマイヤー試薬が、ジメチルホルムアミドを塩素化剤と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態245に記載の方法。
247.前記塩素化剤が、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、トリホスゲン、塩化チオニル、塩化スルフリル、及び五塩化リンから選択される、実施形態246に記載の方法。
248.前記塩素化剤が、オキシ塩化リンである、実施形態246または247に記載の方法。
249.前記式12aの化合物が、
式15aの化合物:
を塩素化剤と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態101~113及び221~237のいずれか1つに記載の方法。
250.前記塩素化剤が、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、トリホスゲン、塩化チオニル、塩化スルフリル、及び五塩化リンから選択される、実施形態249に記載の方法。
251.前記塩素化剤が、オキシ塩化リンである、実施形態249または250に記載の方法。
252.前記式15aの化合物と塩素化剤との前記反応が、約50℃~約100℃の温度で実行される、実施形態249~251のいずれか1つに記載の方法。
253.前記式15aの化合物とアンモニアとの前記反応が、溶媒成分S24中で実行され、前記溶媒成分S24が、有機溶媒を含む、実施形態249~252のいずれか1つに記載の方法。
254.前記溶媒成分S24が、トルエンを含む、実施形態253に記載の方法。
255.前記式15aの化合物が、
(i)式14aの化合物:
をホルムアミジン酢酸塩及びアルカリ金属水酸化物と反応させて、式14aaの化合物:
を生じさせることと、
(ii)前記式14aaの化合物を強酸A4と反応させることと、
を含む方法によって調製される、実施形態249~254のいずれか1つに記載の方法。
256.前記アルカリ金属水酸化物が、ナトリウムエトキシドである、実施形態255に記載の方法。
257.前記式14aの化合物とホルムアミジン酢酸塩及びアルカリ金属水酸化物との前記反応が、約50℃~約100℃の温度で実行される、実施形態255または256に記載の方法。
258.前記式14aの化合物とホルムアミジン酢酸塩及びアルカリ金属水酸化物との前記反応が、溶媒成分S25中で実行され、前記溶媒成分S25が、極性プロトン性溶媒を含む、実施形態255~257のいずれか1つに記載の方法。
259.前記溶媒成分S25が、アルコールを含む、実施形態258に記載の方法。
260.前記溶媒成分S25が、式C1-6アルキル-OHを含む、実施形態258または259に記載の方法。
261.前記溶媒成分S25が、エタノールを含む、実施形態258~260のいずれか1つに記載の方法。
262.前記強酸A4が、塩酸である、実施形態258~261のいずれか1つに記載の方法。
263.前記式14aの化合物が、
式13aの化合物:
をブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドと反応させることを含む方法によって調製される、実施形態258~262のいずれか1つに記載の方法。
264.前記式13aの化合物とブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドとの前記反応が、約80℃~約100℃の温度で実行される、実施形態263に記載の方法。
265.前記式13aの化合物とブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドとの前記反応が、溶媒成分S26中で実行され、前記溶媒成分S26が、極性非プロトン性溶媒を含む、実施形態263または264に記載の方法。
266.前記溶媒成分S26が、ジメチルスルホキシドを含む、実施形態265に記載の方法。
267.前記式3aの化合物または前記その塩が、前記式3の化合物のL-酒石酸塩である、実施形態1~266のいずれか1つに記載の方法。
268.前記式3のL-酒石酸塩が、
化合物7a:
をL-酒石酸と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態267に記載の方法。
269.前記式7aの化合物に対して約1モル当量のL-酒石酸が利用される、実施形態268に記載の方法。
270.前記式7aの化合物とL-酒石酸との前記反応が、溶媒成分S27中で実行される、実施形態268または269に記載の方法。
271.前記溶媒成分S27が、水及び有機溶媒を含む、実施形態270に記載の方法。
272.前記溶媒成分S27が、約1:1(v)の水対有機溶媒を含む、実施形態270または271に記載の方法。
273.前記溶媒成分S27が、極性非プロトン性溶媒を含む、実施形態270~272のいずれか1つに記載の方法。
274.前記溶媒成分S27が、アセトニトリルを含む、実施形態270~273のいずれか1つに記載の方法。
275.前記式7aの化合物とL-酒石酸との前記反応が、約20℃~約30℃の温度で実行される、実施形態268~274のいずれか1つに記載の方法。
276.前記式7aの化合物及びL-酒石酸の前記反応が、前記式3aの塩を播種することをさらに含む、実施形態268~275のいずれか1つに記載の方法。
277.前記式7aの化合物が、
前記式6aの化合物:
をヒドラジンと反応させることを含む方法によって調製される、実施形態268~276のいずれか1つに記載の方法。
278.化合物6aに対して約2~約3当量のヒドラジンが利用される、実施形態277に記載の方法。
279.前記ヒドラジンが、ヒドラジン水和物である、実施形態278に記載の方法。
280.前記式6aの化合物とヒドラジンとの前記反応が、約-10℃~約30℃の温度で実行される、実施形態278または279に記載の方法。
281.前記ルキソリチニブの塩が、ルキソリチニブリン酸塩である、実施形態1~280のいずれか1つに記載の方法。
282.ルキソリチニブリン酸塩が、ルキソリチニブをリン酸と反応させることを含む方法によって調製される、実施形態281に記載の方法。
283.ルキソリチニブに対して約1~約2モル当量のリン酸が利用される、実施形態282に記載の方法。
284.ルキソリチニブとリン酸との前記反応が、約20℃~約50℃の温度で実行される、実施形態282または283に記載の方法。
285.前記リン酸が、リン酸の水溶液である、実施形態282~284のいずれか1つに記載の方法。
286.ルキソリチニブリン酸塩が、
(i)第1の溶媒成分をルキソリチニブリン酸塩に添加して、第1の溶液を生じさせることと、
(ii)前記第1の溶液を濃縮して、第2の溶液を生じさせることと、
(iii)第2の溶媒成分を前記第2の溶液に添加して、第3の溶液を生じさせることと、
(iv)第3の溶媒を前記第3の溶液に添加して、第4の溶液を生じさせることと、
(v)前記第4の溶液を濃縮して、第5の溶液を生じさせることと、
(vi)ルキソリチニブリン酸塩を前記第5の溶液から単離することと、
を含む方法によって精製される、実施形態281~285のいずれか1つに記載の方法。
287.前記第1の溶媒成分が、C1-6アルキル-OHを含む、実施形態286に記載の方法。
288.前記第1の溶媒成分が、メタノールを含む、実施形態286または287に記載の方法。
289.前記第1の溶液が、約30℃~約80℃の温度まで加熱される、実施形態286~288のいずれか1つに記載の方法。
290.前記第2の溶媒成分が、C1-6アルキル-OHを含む、実施形態286~289のいずれか1つに記載の方法。
291.前記第2の溶媒成分が、イソプロピルアルコールを含む、実施形態286~290のいずれか1つに記載の方法。
292.前記第2の溶液の温度が、約30℃~約80℃である、実施形態286~291のいずれか1つに記載の方法。
293.前記第3の溶媒成分が、非極性溶媒を含む、実施形態286~292のいずれか1つに記載の方法。
294.前記第3の溶媒成分が、C1-8アルカンを含む、実施形態286~293のいずれか1つに記載の方法。
295.前記第3の溶媒が、n-ヘプタンを含む、実施形態286~294のいずれか1つに記載の方法。
296.前記第3の溶液の温度が、約30℃~約80℃である、実施形態286~295のいずれか1つに記載の方法。
297.前記第5の溶液が、約20℃~約30℃まで冷却される、実施形態286~296のいずれか1つに記載の方法。
298.ルキソリチニブリン酸塩を調製する方法であって、
(a)式1aの化合物またはその塩:
を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬と反応させて、式2cの化合物:
を生じさせることと、
(b)前記式2cの化合物を式3の化合物:
のL-酒石酸塩と反応させて、ルキソリチニブをもたらすことと、
(c)ルキソリチニブをリン酸と反応させて、ルキソリチニブリン酸塩を生じさせることと、
を含む、前記方法。
299.前記式1aの化合物またはその塩が、
(a)式12aの化合物:
をt-ブチルジメチルシリルクロリドと反応させて、式12bの化合物:
を生じさせることと、
(b)前記式12bの化合物をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式12cの化合物:
を生じさせることと、
(c)前記式12cの化合物を脱保護して、式1aの化合物またはその塩を生じさせることと、
を含む方法によって調製される、実施形態298に記載の方法。
300.前記式1aの化合物またはその塩が、
(a)式22aの化合物:
をグリニャール触媒の存在下でt-ブチルジメチルシリルクロリド及びMeMgBrと反応させて、式23aの化合物:
を生じさせることと、
(b)前記式23aの化合物を水素及びパラジウム炭素と反応させて、式1aの化合物またはその塩を生じさせることと、
を含む方法によって調製される、実施形態298に記載の方法。
301.
である化合物またはその塩。
302.前記化合物またはその塩が、
から選択される、実施形態301に記載の化合物。
303.下記である化合物:
またはその塩。
304.下記である化合物:
またはその塩。
305.下記である化合物:
またはその塩。
306.下記である化合物:
またはその塩。
307.下記である化合物:
またはその塩。
308.式2aの塩:
であり、
式中、Xが、Cl以外の対アニオンである、化合物。
309.前記化合物が、
から選択される、実施形態308に記載の化合物。
310.式2dの塩:
の結晶形態。
311.形態Iを有する、実施形態310に記載の結晶形態。
312.実質的に図1に示されるようなX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、実施形態311に記載の結晶形態。
313.実質的に図2に図示されるような示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、実施形態311または312に記載の結晶形態。
314.実質的に図3に図示されるような熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する、実施形態311~313のいずれか1つに記載の結晶形態。
315.2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも1つのXRPDピークを有する、実施形態311~314のいずれか1つに記載の結晶形態。
316.2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも2つのXRPDピークを有する、実施形態311~314のいずれか1つに記載の結晶形態。
317.2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも3つのXRPDピークを有する、実施形態311~314のいずれか1つに記載の結晶形態。
318.2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも4つのXRPDピークを有する、実施形態311~314のいずれか1つに記載の結晶形態。
319.2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度にて特徴的なXRPDピークを有する、実施形態311~314のいずれか1つに記載の結晶形態。
320.DSCサーモグラムにおいて、開始温度(±3℃)が56℃及び最大が101℃の吸熱ピークを有する、実施形態311~319のいずれか1つに記載の結晶形態。
321.形態IIを有する、実施形態310に記載の結晶形態。
322.実質的に図4に示されるようなXRPDパターンを有する、実施形態321に記載の結晶形態。
323.実質的に図5に図示されるようなDSCサーモグラムを有する、実施形態321または322に記載の結晶形態。
324.実質的に図6に図示されるようなTGAサーモグラムを有する、実施形態321~323のいずれか1つに記載の結晶形態。
325.2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも1つのXRPDピークを有する、実施形態321~324のいずれか1つに記載の結晶形態。
326.2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも2つのXRPDピークを有する、実施形態321~324のいずれか1つに記載の結晶形態。
327.2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも3つのXRPDピークを有する、実施形態321~324のいずれか1つに記載の結晶形態。
328.2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも4つのXRPDピークを有する、実施形態321~324のいずれか1つに記載の結晶形態。
329.2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度にて特徴的なXRPDピークを有する、実施形態321~324のいずれか1つに記載の結晶形態。
330.DSCサーモグラムにおいて、開始温度(±3℃)が47℃及び最大が99℃の吸熱ピークを有する、実施形態321~329のいずれか1つに記載の結晶形態。
331.化合物2のヘキサフルオロリン酸塩:
の結晶形態。
332.実質的に図7に示されるようなXRPDパターンを有する、実施形態331に記載の結晶形態。
333.実質的に図8に図示されるようなDSCサーモグラムを有する、実施形態331または332に記載の結晶形態。
334.実質的に図9に図示されるようなTGAサーモグラムを有する、実施形態331~333のいずれか1つに記載の結晶形態。
335.2シータ(±0.2度)で、10.8、12.0、13.9、14.3、15.2、16.6、17.0、17.6、18.1、20.1、20.4、21.3、21.5、22.1、24.2、24.7、25.0、及び26.3度から選択される少なくとも1つのXRPDピークを有する、実施形態331~334のいずれか1つに記載の結晶形態。
336.2シータ(±0.2度)で、10.8、12.0、13.9、14.3、15.2、16.6、17.0、17.6、18.1、20.1、20.4、21.3、21.5、22.1、24.2、24.7、25.0、及び26.3度から選択される少なくとも2つのXRPDピークを有する、実施形態331~334のいずれか1つに記載の結晶形態。
337.2シータ(±0.2度)で、10.8、12.0、13.9、14.3、15.2、16.6、17.0、17.6、18.1、20.1、20.4、21.3、21.5、22.1、24.2、24.7、25.0、及び26.3度から選択される少なくとも3つのXRPDピークを有する、実施形態331~334のいずれか1つに記載の結晶形態。
338.2シータ(±0.2度)で、10.8、12.0、13.9、14.3、15.2、16.6、17.0、17.6、18.1、20.1、20.4、21.3、21.5、22.1、24.2、24.7、25.0、及び26.3度から選択される少なくとも4つのXRPDピークを有する、実施形態331~334のいずれか1つに記載の結晶形態。
339.2シータ(±0.2度)で、10.8、12.0、13.9、14.3、15.2、16.6、17.0、17.6、18.1、20.1、20.4、21.3、21.5、22.1、24.2、24.7、25.0、及び26.3度にて特徴的なXRPDピークを有する、実施形態331~334のいずれか1つに記載の結晶形態。
340.DSCサーモグラムにおいて、開始温度(±3℃)が232℃及び最大が233℃の第1の吸熱ピーク、ならびに開始温度(±3℃)が241℃及び最大が242℃の第2の吸熱ピークを有する、実施形態331~339のいずれか1つに記載の結晶形態。
341.化合物3a:
の結晶形態。
342.実質的に図11に示されるようなXRPDパターンを有する、実施形態341に記載の結晶形態。
343.実質的に図12に図示されるようなDSCサーモグラムを有する、実施形態341または342に記載の結晶形態。
344.実質的に図13に図示されるようなTGAサーモグラムを有する、実施形態341~343のいずれか1つに記載の結晶形態。
345.2シータ(±0.2度)で、6.4、12.8、13.8、16.3、17.3、18.0、18.2、19.3、22.5、25.9、26.4、27.2、及び29.6度から選択される少なくとも1つのXRPDピークを有する、実施形態341~344のいずれか1つに記載の結晶形態。
346.2シータ(±0.2度)で、6.4、12.8、13.8、16.3、17.3、18.0、18.2、19.3、22.5、25.9、26.4、27.2、及び29.6度から選択される少なくとも2つのXRPDピークを有する、実施形態341~344のいずれか1つに記載の結晶形態。
347.2シータ(±0.2度)で、6.4、12.8、13.8、16.3、17.3、18.0、18.2、19.3、22.5、25.9、26.4、27.2、及び29.6度から選択される少なくとも3つのXRPDピークを有する、実施形態341~344のいずれか1つに記載の結晶形態。
348.2シータ(±0.2度)で、6.4、12.8、13.8、16.3、17.3、18.0、18.2、19.3、22.5、25.9、26.4、27.2、及び29.6度から選択される少なくとも4つのXRPDピークを有する、実施形態341~344のいずれか1つに記載の結晶形態。
349.2シータ(±0.2度)で、6.4、12.8、13.8、16.3、17.3、18.0、18.2、19.3、22.5、25.9、26.4、27.2、及び29.6度にて特徴的なXRPDピークを有する、実施形態341~344のいずれか1つに記載の結晶形態。
350.DSCサーモグラムにおいて、開始温度(±3℃)が55℃及び最大が79℃の第1の吸熱ピーク、ならびに開始温度(±3℃)が121℃及び最大が124℃の第2の吸熱ピークを有する、実施形態341~349のいずれか1つに記載の結晶形態。
351.単結晶x線回折により、単斜P21空間群を有し、胞中の組成単位数(Z)が4であると特性評価される、実施形態341に記載の結晶形態。
352.空間群が、aが約7.68Åであり、bが約7.60Åであり、cが約13.72Åであり、ベータが約96.94°である、単位胞パラメータを有する、実施形態351に記載の結晶形態。
353.化合物3aが、99%超のキラル純度を有する、実施形態341~352のいずれか1つに記載の結晶形態。
実施例1.(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2のクロリド塩酸塩)の調製
無水アセトニトリル(65mL)中の塩化オキサリル(21.88g、15.1mL、169mmol、2.25当量)の溶液を氷浴中で0~5℃まで冷却した。無水DMF(70.8g、75.0mL、969mmol、12.9当量)を溶液の中へ滴加して、対応するビルスマイヤー試薬を形成させた。DMFの添加中、内部温度は10℃未満に制御した。氷のバッチを取り除き、反応混合物を40分間かけて周囲温度まで徐々に温めた。メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1a、10.0g、75.1mmol)を、インサイチュ生成されたビルスマイヤー試薬の中へ固体として周囲温度で一度に投入し、得られたスラリーを周囲温度で5~10分間撹拌して、完全な混合を確実にしてから、85~90℃まで温めた。反応混合物を85~90℃で1時間撹拌してから、周囲温度まで徐々に冷却した。無水テトラヒドロフラン(THF、100mL)を投入し、得られたスラリーを周囲温度で2時間、続いて0~5℃で2時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、THF及びMTBEの1対1の混合物(2×100mL)で洗浄し、恒量まで真空乾燥させて、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(2d、24.38g、23.72g(理論収量)、HPLC面積%により98.9%、NMRにより90.2重量%、収率92.6%)を、6~7%のDMF及びアセトニトリルならびに1~2%の水を含有する黄色から褐色の結晶性固体(形態I)として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。化合物2dについて:H NMR(500MHz,DMSO-d)δ13.65(s,1H),8.99(s,1H),8.48(s,2H),7.99-7.94(m,1H),6.84(dd,J=3.6,1.6Hz,1H),3.48(s,6H),2.82(s,6H)ppm;13C NMR(DMSO-d,125MHz)δ163.8,151.3,147.6,145.0,132.1,117.5,102.9,91.6,48.9,42.1ppm;C1319Cl(MW,化合物2cについて279.77及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。
化合物2dの結晶形態IをXRPD、DSC、及びTGAによって特性評価した。
X線粉末回折(XRPD):X線粉末回折(XRPD)は、Bruker D8 Advance ECO X線粉末回折計(XRPD)機器から得た。XRPDのための一般的な実験手順は下記の通りであった:(1)1.5418Åでの銅からのX線照射及びLYNXEYE(商標)検出器、(2)40kV、25mAでのX線パワー、ならびに(3)試料粉末はゼロバックグラウンド試料ホルダー上に分散させた。XRPDのための一般的な測定条件は下記の通りであった:開始角度3度、停止角度30度、サンプリング0.015度、及び走査速度2度/分。
化合物2dの形態Iは、XRPD分析により結晶性固体であることが確認された。化合物2d、結晶形態IのXRPDパターンを図1に示し、ピークデータを表1に提供する。
示差走査熱量測定(DSC):DSCは、オートサンプラーを備えたTA Instruments示差走査熱量計、Discovery DSC2500から得た。DSC機器の条件は以下の通りであった:10℃/分で20~300℃、Tzeroアルミニウム試料パン及び蓋、ならびに50mL/分の窒素ガス流量。化合物2d、結晶形態IのDSC分析により、開始温度が55.6℃及び最大が100.6℃の1つの吸熱ピークが明らかになった。化合物2d、結晶形態IのDSCサーモグラムを図2に提供する。
熱重量分析(TGA):TGAは、オートサンプラーを備えたTA Instruments熱重量分析装置、Discovery TGA5500から得た。TGAのための一般的な実験条件は下記の通りであった:10℃/分で25℃から300℃の傾斜、25mL/分の窒素パージガス流量、白金試料ホルダー。化合物2d、結晶形態IのTGA分析により、分解に起因する、100℃未満で8.0%の重量減少及び175℃超で顕著な重量減少が明らかになった。化合物2d、結晶形態IのTGAサーモグラムを図3に提供する。
実施例2:(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2d)の代替的な調製
無水アセトニトリル(130mL)中の塩化オキサリル(43.76g、30.2mL、338mmol、2.25当量)の溶液を氷浴中で0~5℃まで冷却した。無水DMF(141.6g、140.0mL、1938mmol、12.9当量)を溶液の中へ滴加して、対応するビルスマイヤー試薬を形成させた。DMFの添加中、内部温度は10℃未満に制御した。氷浴を取り除き、反応混合物を40分間かけて周囲温度まで徐々に温めた。メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン塩酸塩(化合物1aの塩酸塩25.44g、150mmol)を、インサイチュ生成されたビルスマイヤー試薬の中へ固体として周囲温度で一度に投入し、得られたスラリーを周囲温度で5~10分間撹拌して、完全な混合を確実にしてから、85~90℃まで温めた。反応混合物を85~90℃で1時間撹拌してから、周囲温度まで徐々に冷却した。無水テトラヒドロフラン(THF、200mL)を投入し、得られたスラリーを周囲温度で48時間、続いて0~5℃で2時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、THF及びMTBEの1対1の混合物(2×200mL)で洗浄し、恒量まで真空乾燥させて、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2d)、46.17g、47.43g(理論収量)、HPLC面積%により99.5%、NMRにより95.2重量%、収率92.7%)を、2.3%のDMF及びアセトニトリルならびに0.8%の水を含有する黄色から褐色の結晶性固体(形態II)として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。化合物2dについて:H NMR(500MHz,DMSO-d)δ13.65(s,1H),8.99(s,1H),8.48(s,2H),7.99-7.94(m,1H),6.84(dd,J=3.6,1.6Hz,1H),3.48(s,6H),2.82(s,6H)ppm;13C NMR(DMSO-d,125MHz)δ163.8,151.3,147.6,145.0,132.1,117.5,102.9,91.6,48.9,42.1ppm;C1319Cl(MW,化合物2cについて279.77及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。
化合物2dの結晶形態IIをXRPD、DSC、及びTGAによって特性評価した。
X線粉末回折(XRPD):X線粉末回折(XRPD)は、Bruker D8 Advance ECO X線粉末回折計(XRPD)機器から得た。XRPDのための一般的な実験手順は下記の通りであった:(1)1.5418Åでの銅からのX線照射及びLYNXEYE(商標)検出器、(2)40kV、25mAでのX線パワー、ならびに(3)試料粉末はゼロバックグラウンド試料ホルダー上に分散させた。XRPDのための一般的な測定条件は下記の通りであった:開始角度3度、停止角度30度、サンプリング0.015度、及び走査速度2度/分。
化合物2dの結晶形態IIは、XRPD分析により結晶性固体であることが確認された。化合物2d、結晶形態IIのXRPDパターンを図4に示し、ピークデータを表2に提供する。
示差走査熱量測定(DSC):DSCは、オートサンプラーを備えたTA Instruments示差走査熱量計、Discovery DSC2500から得た。DSC機器の条件は以下の通りであった:10℃/分で20~300℃、Tzeroアルミニウム試料パン及び蓋、ならびに50mL/分の窒素ガス流量。化合物2d、結晶形態IIのDSC分析により、開始温度が46.6℃及び最大が99.2℃の1つの吸熱ピークが明らかになった。化合物2d、結晶形態IIのDSCサーモグラムを図5に提供する。
熱重量分析(TGA):TGAは、オートサンプラーを備えたTA Instruments熱重量分析装置、Discovery TGA5500から得た。TGAのための一般的な実験条件は下記の通りであった:10℃/分で25℃から300℃の傾斜、25mL/分の窒素パージガス流量、白金試料ホルダー。化合物2d、結晶形態IIのTGA分析により、分解に起因する、150℃未満で4.7%の重量減少及び175℃超で顕著な重量減少が明らかになった。化合物2d、結晶形態IIのTGAサーモグラムを図6に提供する。
実施例3:(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(2d)の代替的な調製
無水アセトニトリル(65mL)中のオキソ塩化リン(POCl、17.25g、10.5mL、112.5mmol、1.5当量)の溶液を氷浴中で0~5℃まで冷却した。無水DMF(70.8g、70.0mL、968mmol、12.9当量)を溶液の中へ滴加して、対応するビルスマイヤー試薬を形成させた。DMFの添加中、内部温度は10℃未満に制御した。氷のバッチを取り除き、反応混合物を周囲温度まで徐々に温めた。メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン塩酸塩(化合物1aの塩酸塩、12.72g、75.0mmol)を、インサイチュ生成されたビルスマイヤー試薬の中へ固体として周囲温度で一度に投入し、得られたスラリーを周囲温度で5~10分間撹拌して、完全な混合を確実にしてから、75~80℃まで温めた。反応混合物を75~80℃で1時間撹拌してから、周囲温度まで徐々に冷却した。無水テトラヒドロフラン(THF、100mL)を投入し、得られたスラリーを周囲温度で2時間、続いて0~5℃で2時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、THF及びMTBEの1対1の混合物(2×100mL)で洗浄して、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2d、27.83g、23.72g(理論収量)、HPLC面積%により96.1%、NMRにより69.0重量%、収率81.0%)を、11.49%のDMF及びアセトニトリルならびに1.38%の水を含有する黄色から褐色の結晶性(形態I)固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。化合物2dについて:H NMR(500MHz,DMSO-d)δ13.65(s,1H),8.99(s,1H),8.48(s,2H),7.99-7.94(m,1H),6.84(dd,J=3.6,1.6Hz,1H),3.48(s,6H),2.82(s,6H)ppm;13C NMR(DMSO-d,125MHz)δ163.8,151.3,147.6,145.0,132.1,117.5,102.9,91.6,48.9,42.1ppm;C1319Cl(MW,化合物2cについて279.77及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。
実施例4:(R)-3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-シクロペンチルプロパンニトリル(化合物1)の調製
水(22.7mL)中の(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2d、20.0g、55.8mmol)の溶液を、50%NaOH水溶液によりpH7~8になるまで0~5℃で処理した。得られた水溶液に炭(3.6g)を添加し、混合物を周囲温度で2~4時間撹拌した。炭をセライト床に通した濾過によって除去し、湿潤した炭ケークを水(20mL)で洗浄した。次いで、(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c)を含有する得られた水溶液を、エタノール(160mL)及び(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリルL-酒石酸塩二水和物(化合物3a、18.91g、55.8mmol、1.0当量)により周囲温度で処理した。次いで、得られた混合物を周囲温度で12~24時間撹拌した。反応が完了したときに、反応混合物を濾過して固体(L-酒石酸)を除去した。ケークをエタノール(2×25mL)で洗浄した。濾液及び洗浄液を合わせ、合わせた溶液を40~50℃で減圧濃縮して、エタノールの大部分を除去した。次いで、残渣にHO(70mL)及びジクロロメタン(DCM、200mL)を添加した。2つの層を分離させ、水層をDCM(80mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を重炭酸ナトリウム水溶液(4%のNaHCO水溶液、112mL)及び水(2×100mL)で洗浄し、所望の生成物である(R)-3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-シクロペンチルプロパンニトリル(化合物1)を含有する得られた溶液を減圧濃縮し、残渣(18.7g、17.1g(理論収量))をさらに精製することなく後続のリン酸塩形成反応に使用した。現行の合成方法によって得られた化合物1の遊離塩基は、以前に報告された合成方法(US8,410,265B2)によって得られた化合物とあらゆる比較可能な側面において同一である。化合物1について:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ12.10(br.s,1H),8.78(s,1H),8.67(s,1H),8.36(s,1H),7.58(dd,1H,J=2.3,3.4Hz),6.97(dd,1H,J=1.5,3.6Hz),4.50(td,1H,J=9.7,4.2Hz),3.26(dd,1H,J=17.5,10.2Hz),3.17(dd,1H,J=17.2,4.3Hz),2.40(m,1H),1.78(m,1H),1.85-1.10(m,7H)ppm;C1718(MW,306.37),LCMS(EI)m/e 307(M+H)。
実施例5:(R)-3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-シクロペンチルプロパンニトリル(化合物1)の代替的な調製
これは、出発物質として化合物2aの塩(例えば、化合物2の過塩素酸塩、化合物2のテトラフルオロホウ酸塩、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩、化合物2のヘキサフルオロヒ酸塩、または化合物2のヘキサフルオロアンチモン酸塩)のうちのいずれか1つを使用した、化合物1の調製のための一般的な手順であり、ここで、規模、モル濃度、及び体積は適宜、比例的に調整され得る。出発物質として化合物2の過塩素酸塩を使用した化合物1の調製が、例示的な例として本明細書に含められる。
エタノール(EtOH、2.0mL)中の(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩、200.0mg、0.582mmol)の溶液に、(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリルL-酒石酸塩二水和物(化合物3a、217.2mg、0.64mmol、1.1当量)を周囲温度で添加した。得られた反応混合物を周囲温度で5時間かき混ぜた。反応が完了したときに、反応混合物を濾過して固体(L-酒石酸)を除去した。ケークをエタノール(2.0mL)で洗浄した。濾液及び洗浄液を合わせ、合わせた溶液を40~50℃で減圧濃縮して、エタノールの大部分を除去した。次いで、残渣にHO(4.0mL)及びジクロロメタン(DCM、5.0mL)を添加した。2つの層を分離させ、水層をDCM(2×4.0mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(4.0mL)及び水(4.0mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧濃縮して、粗製の所望の生成物である(R)-3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-シクロペンチルプロパンニトリル(化合物1、174mg、178.3mg(理論収量)、収率97.6%)を黄色の油として得、これは実施例4、及び以前に報告された合成方法(US8,410,265B2)によって得られた化合物とあらゆる比較可能な側面において同一であり、これをさらに精製することなく後続のリン酸塩形成反応に使用した。
実施例6:(R)-3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-シクロペンチルプロパンニトリル(化合物1)の代替的な調製。
DMF(70.4mL)中の(E)-3-ヒドロキシ-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アクリルアルデヒド(化合物2b、5.0g、26.4mmol)のスラリーに、(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリルL-酒石酸塩二水和物(化合物3a、9.4g、27.7mmol、1.05当量)を添加した。得られた反応混合物を周囲温度で22時間かき混ぜた。反応が完了したときに、水(80mL)及び重炭酸ナトリウム(NaHCO、5.0g、59.5mmol、2.25当量)を添加し、得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌した。混合物をジクロロメタン(DCM、3×40mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)及び水(2×20mL)で洗浄した。粗製の所望の生成物である(R)-3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-3-シクロペンチルプロパンニトリル(化合物1)を含有する、DCMで得られた溶液を減圧濃縮し、残渣(7.88g、8.09g(理論収量))をさらに精製することなく後続のリン酸塩形成反応に使用した。現行の合成方法によって得られた化合物1の遊離塩基は、実施例4~5の下で列挙された手順、及び以前に報告された合成方法(US8,410,265B2)によって得られた生成物とあらゆる比較可能な側面において同一である。化合物1について:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ12.10(br.s,1H),8.78(s,1H),8.67(s,1H),8.36(s,1H),7.58(dd,1H,J=2.3,3.4Hz),6.97(dd,1H,J=1.5,3.6Hz),4.50(td,1H,J=9.7,4.2Hz),3.26(dd,1H,J=17.5,10.2Hz),3.17(dd,1H,J=17.2,4.3Hz),2.40(m,1H),1.78(m,1H),1.85-1.10(m,7H)ppm;C1718(MW,306.37),LCMS(EI)m/e 307(M+H)。
実施例7:POClを使用した(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2のクロリド)の調製
無水アセトニトリル(65mL)中のオキソ塩化リン(POCl、23.0g、14.0mL、150mmol、2.0当量)の溶液を氷浴中で0~5℃まで冷却した。無水DMF(70.8g、70.0mL、968mmol、12.9当量)を溶液の中へ滴加して、対応するビルスマイヤー試薬を形成させた。DMFの添加中、内部温度は10℃未満に制御した。氷のバッチを取り除き、反応混合物を周囲温度まで徐々に温めた。メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン塩酸塩(化合物1aの塩酸塩、12.72g、75.0mmol)を、インサイチュ生成されたビルスマイヤー試薬の中へ固体として周囲温度で一度に投入し、得られたスラリーを周囲温度で5~10分間撹拌して、完全な混合を確実にしてから、75~80℃まで温めた。反応混合物を75~80℃で1時間撹拌してから、周囲温度まで徐々に冷却した。無水テトラヒドロフラン(100mL)を投入し、得られたスラリーを周囲温度で2時間、続いて0~5℃で2時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、THF及びMTBEの1対1の混合物(2×100mL)で洗浄して、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2d)を黄色から褐色の湿潤ケークとして得た。次いで、湿潤ケークを水(120mL)中に溶解させ、得られた水溶液のpHを、50%水酸化ナトリウム水溶液(NaOH、19.06g)により0~5℃で処理することによって7~8に調整した。中和された水溶液を炭(5.5g)で処理し、周囲温度で12時間撹拌した。炭をセライト床に通した濾過によって除去し、セライト床を水(50mL)で洗浄した。所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c、HPLC面積%により99.0%超純粋)を含有する得られた水溶液を、さらに処理することなく後続の反応に使用した。
実施例8:トリホスゲンを使用した(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c)の合成
無水アセトニトリル(73mL)中のトリホスゲン((CClO)CO、37.4g、126mmol、1.5当量)の溶液を氷浴中で0~5℃まで冷却した。無水DMF(79.0g、84mL、1083mmol、12.9当量)を溶液の中へ滴加して、対応するビルスマイヤー試薬を形成させた。DMFの添加中、内部温度は10℃未満に制御した。氷のバッチを取り除き、反応混合物を40分間かけて周囲温度まで徐々に温めた。メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン塩酸塩(化合物1aの塩酸塩、14.25g、84.0mmol)を、インサイチュ生成されたビルスマイヤー試薬の中へ固体として周囲温度で一度に投入し、得られたスラリーを周囲温度で5~10分間撹拌して、完全な混合を確実にしてから、80~90℃まで温めた。反応混合物を80~90℃で1時間撹拌してから、周囲温度まで徐々に冷却した。無水テトラヒドロフラン(THF、112mL)を投入し、得られたスラリーを周囲温度で12時間、続いて0~5℃で2時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、THF及びMTBEの1対1の混合物(2×200mL)で洗浄し、恒量まで真空乾燥させて、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c)、28.3g、23.5g(理論収量)、HPLC面積%により98.8%、HPLCにより64.9重量%、収率78.2%)を、19.7%のDMF及び0.8%の水を含有する黄色から褐色の非晶質固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。化合物2cについて:H NMR(500MHz,DMSO-d)δ13.65(s,1H),8.99(s,1H),8.48(s,2H),7.99-7.94(m,1H),6.84(dd,J=3.6,1.6Hz,1H),3.48(s,6H),2.82(s,6H)ppm;13C NMR(DMSO-d,125MHz)δ163.8,151.3,147.6,145.0,132.1,117.5,102.9,91.6,48.9,42.1ppm;C1319Cl(MW,化合物2cについて279.77及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。
実施例9:(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム塩の調製
(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩):
水(8.06mL)中の(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c、2.94g、10.525mmol)の溶液に、過塩素酸ナトリウム(NaClO、1.933g、15.79mmol、1.50当量)を周囲温度で添加した。20~25℃で12時間かき混ぜた後、スラリーを氷浴中で2時間冷却した。固体を濾過し、冷HO(3×2mL)で洗浄し、真空乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩)を白色の固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.50-12.17(s,1H),8.94-8.73(s,1H),8.08-7.87(s,2H),7.77-7.57(dd,J=3.4,2.3Hz,1H),6.56-6.31(dd,J=3.5,1.7Hz,1H),3.54-3.04(s,6H),2.45-2.17(s,6H)ppm;C1318ClN(MW,化合物2の過塩素酸塩について343.77及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。
(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムテトラフルオロホウ酸塩(化合物2のテトラフルオロホウ酸塩):
水(8.06mL)中の(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c、2.94g、10.525mmol)の溶液に、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(NaBF、1.733g、15.79mmol、1.50当量)を周囲温度で添加した。20~25℃で12時間かき混ぜた後、スラリーを氷浴中で2時間冷却した。固体を濾過し、冷HO(3×2mL)で洗浄し、真空乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムテトラフルオロホウ酸塩(化合物2のテトラフルオロホウ酸塩、1.80g、3.49g(理論収量)、収率51.6%)を白色の固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.39-12.34(s,1H),8.85-8.80(s,1H),7.99-7.94(s,2H),7.71-7.65(dd,J=3.4,2.2Hz,1H),6.52-6.46(dd,J=3.5,1.7Hz,1H),3.34-3.29(s,6H),2.38-2.33(s,6H)ppm;11B NMR(DMSO-d,128MHz)δ-1.27ppm;19F NMR(DMSO-d,376.5MHz)δ-148.23及び-148.28ppm;C1318BF(MW,化合物2のテトラフルオロホウ酸塩について331.13及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。
(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロリン酸塩(化合物2のヘキサフルオロリン酸塩):
実施例1に記載される対応するビルスマイヤー反応を介して4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(12.19g、91.6mmol)から生成された、水(80mL)中の粗製(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2d、25.61g、91.6mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)を0~5℃で添加して、溶液のpHを7~8に調整した。得られた水溶液に炭(7.69g)を添加し、混合物を周囲温度で2~4時間撹拌した。炭をセライト床に通した濾過によって除去し、湿潤した炭ケークを水(15mL)で洗浄した。次いで、合わせた水溶液にヘキサフルオロリン酸ナトリウム(NaPF、20.08g、120mmol、1.31当量)を周囲温度で添加した。20~25℃で1時間かき混ぜた後、スラリーを氷浴中で30分間冷却した。固体を濾過し、冷HO(2×25mL)で洗浄し、真空乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロリン酸塩(化合物2のヘキサフルオロリン酸塩、24.30g、35.81g(理論収量)、収率67.9%、HPLC面積%により98.7%)を白色の結晶性固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。粗製の化合物2のヘキサフルオロリン酸塩は、水からの再結晶によって精製して、純生成物を白色の結晶性固体として得ることができる。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩について:H NMR(500MHz,DMSO-d)δ12.36(s,1H),8.83(s,1H),7.97(br s,2H),7.68(dd,J=3.2,2.6Hz,1H),6.48(dd,J=3.4,1.8Hz,1H),3.32(s,6H),2.36(br s,6H)ppm;13C NMR(125MHz,DMSO-d)δ163.7,152.9,151.4,151.0,128.9,120.7,101.5,99.8,48.9,40.0ppm;19F NMR(DMSO-d,470.6MHz)δ-70.2(d,J(PF)=711.1Hz)ppm;31P NMR(DMSO-d,162MHz)δ-144.19(七重線,J(PF)=711Hz)ppm.C1318P(MW,化合物2のヘキサフルオロリン酸塩について389.29及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶化度をXRPD、DSC、及びTGAによって特性評価した。
X線粉末回折(XRPD):X線粉末回折(XRPD)は、Bruker D8 Advance ECO X線粉末回折計(XRPD)機器から得た。XRPDのための一般的な実験手順は下記の通りであった:(1)1.5418Åでの銅からのX線照射及びLYNXEYE(商標)検出器、(2)40kV、25mAでのX線パワー、ならびに(3)試料粉末はゼロバックグラウンド試料ホルダー上に分散させた。XRPDのための一般的な測定条件は下記の通りであった:開始角度3度、停止角度30度、サンプリング0.015度、及び走査速度2度/分。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩は、XRPD分析により結晶性固体であることが確認された。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩のXRPDパターンを図7に示し、ピークデータを表3に提供する。
示差走査熱量測定(DSC):DSCは、オートサンプラーを備えたTA Instruments示差走査熱量計、Discovery DSC2500から得た。DSC機器の条件は以下の通りであった:10℃/分で20~300℃、Tzeroアルミニウム試料パン及び蓋、ならびに50mL/分の窒素ガス流量。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶性試料のDSC分析により、融点に起因する、開始温度が231.7℃及び最大が232.7℃の1つの吸熱ピーク、ならびに分解に起因する、開始温度が241.1℃及び最大が242.1℃の第2の吸熱ピークが明らかになった。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩のDSCサーモグラムを図8に提供する。
熱重量分析(TGA):TGAは、オートサンプラーを備えたTA Instruments熱重量分析装置、Discovery TGA5500から得た。TGAのための一般的な実験条件は下記の通りであった:10℃/分で25℃から300℃の傾斜、25mL/分の窒素パージガス流量、白金試料ホルダー。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶性試料のTGA分析により、分解に起因する、250℃超で顕著な重量減少が明らかになった。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩のTGAサーモグラムを図9に提供する。
(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロヒ酸塩(化合物2のヘキサフルオロヒ酸塩):
水(8.06mL)中の(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c、2.94g、10.525mmol)の溶液に、ヘキサフルオロヒ酸ナトリウム(NaAsF、3.35g、15.79mmol、1.50当量)を周囲温度で添加した。20~25℃で12時間かき混ぜた後、スラリーを氷浴中で2時間冷却した。固体を濾過し、冷HO(3×2mL)で洗浄し、真空乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロヒ酸塩(化合物2のヘキサフルオロヒ酸塩、4.51g、4.56g(理論収量)、収率99%)を白色の固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。化合物2のヘキサフルオロヒ酸塩について:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.38(s,1H),8.83(s,1H),7.97(s,2H),7.76-7.57(t,J=2.9Hz,1H),6.59-6.36(dd,J=3.2,1.8Hz,1H),3.32(s,6H),2.35(s,6H)ppm;19F NMR(DMSO-d,376.5MHz)δ-62.16(四重線,J(AsF)=937.5Hz)ppm;C1318As(MW,化合物2のヘキサフルオロヒ酸塩について433.23及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。
(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩(化合物2のヘキサフルオロアンチモン酸塩):
水(8.06mL)中の(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c、2.94g、10.525mmol)の溶液に、ヘキサフルオロアンチモン酸ナトリウム(NaSbF、4.08g、15.79mmol、1.50当量)を周囲温度で添加した。20~25℃で12時間かき混ぜた後、スラリーを氷浴中で2時間冷却した。固体を濾過し、冷HO(3×2mL)で洗浄し、真空乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩(化合物2のヘキサフルオロアンチモン酸塩、2.61g、5.05g(理論収量)、収率51.7%)を白色の固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。化合物2のヘキサフルオロアンチモン酸塩について:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.37(s,1H),8.83(s,1H),7.98(s,2H),7.68(s,1H),6.49(s,1H),3.32(s,6H),2.35(s,6H)ppm;19F NMR(DMSO-d,376.5MHz)δ-166.86ppm;C1318Sb(MW,化合物2のヘキサフルオロアンチモン酸塩について480.07及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。
実施例10:(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩)の代替的な調製
方法1
塩化オキサリル(20.0mL、228mmol、3.04当量)をDMF(107mL、1378mmol、18.4当量)に、内部温度を50℃未満に保ちながら15分間かけてゆっくりと投入した。添加後、得られたスラリーを周囲温度まで冷却し、周囲温度で2時間かき混ぜた。4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、10.0g、75mmol)をスラリーに周囲温度で添加し、得られた反応混合物を周囲温度で16時間、次いで50℃で5.5時間かき混ぜた。反応混合物を周囲温度まで冷却し、氷(60g)で反応停止処理した。反応停止処理した反応混合物を残渣に真空濃縮し、次いでこれを水(50mL)中に溶解させた。次いで、過塩素酸ナトリウム(NaClO、20.23g、165mmol、2.2当量)を水溶液に周囲温度で添加した。得られた混合物を氷浴中で冷却してから、水酸化ナトリウム(NaOH、7.5g、188mmol、2.5当量)をゆっくりと添加した。固体を濾過によって収集し、水(30mL)で洗浄し、真空乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩、18.7g、25.78g(理論収量)、収率72.5%)を灰色の固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応に使用した。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.50-12.17(s,1H),8.94-8.73(s,1H),8.08-7.87(s,2H),7.77-7.57(dd,J=3.4,2.3Hz,1H),6.56-6.31(dd,J=3.5,1.7Hz,1H),3.54-3.04(s,6H),2.45-2.17(s,6H)ppm;C1318ClN(MW,化合物2の過塩素酸塩について343.77及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。
方法2
無水DMF(2.92g、3.1mL、40mmol、20当量)中の2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸(化合物5a、354mg、2.0mmol)の溶液に、オキシ塩化リン(POCl、920mg、0.56mL、6.0mmol、3.0当量)を周囲温度で添加した。次いで、得られた反応混合物を80~90℃まで温め、80~90℃で30分間撹拌した。反応が完了したときに、反応混合物を周囲温度まで冷却した。冷却した反応混合物を氷(10g)の中へ注ぐことによって反応停止処理した。次いで、溶液を減圧濃縮し、得られた残渣を水(3mL)で処理した。水溶液をNaOH水溶液でpH7~8に中和してから、活性炭(50mg)で処理した。混合物を周囲温度で30分間撹拌してから、セライト床に通して濾過した。セライト床を水(2mL)で洗浄した。次いで、合わせた濾液及び洗浄液を固体過塩素酸ナトリウム(NaClO、367mg、3.0mmol、1.5当量)により周囲温度で処理した。混合物を周囲温度で1時間、続いて0~5℃で1時間かき混ぜた。次いで、固体を濾過によって収集し、水(2×2mL)で洗浄し、真空乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩)、330mg、688mg(理論収量)、収率48%)を灰色の固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応に使用した。化合物2の過塩素酸塩について:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.50-12.17(s,1H),8.94-8.73(s,1H),8.08-7.87(s,2H),7.77-7.57(dd,J=3.4,2.3Hz,1H),6.56-6.31(dd,J=3.5,1.7Hz,1H),3.54-3.04(s,6H),2.45-2.17(s,6H)ppm;C1318ClN(MW,化合物2の過塩素酸塩について343.77及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。
方法3
無水DMF(12.48g、13.2mL、171mmol、20当量)中の2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸ナトリウム(化合物5b、1.70g、8.54mmol)の溶液に、オキシ塩化リン(POCl、3.93g、2.4mL、25.6mmol、3.0当量)を周囲温度で添加した。次いで、得られた反応混合物を80~90℃まで温め、80~90℃で30分間撹拌した。反応が完了したときに、反応混合物を周囲温度まで冷却した。冷却した反応混合物を氷(40g)の中へ注ぐことによって反応停止処理した。次いで、溶液を減圧濃縮し、得られた残渣を水(10mL)で処理した。水溶液をNaOH水溶液でpH7~8に中和してから、活性炭(200mg)で処理した。混合物を周囲温度で30分間撹拌してから、セライト床に通して濾過した。セライト床を水(5mL)で洗浄した。次いで、合わせた濾液及び洗浄液を固体過塩素酸ナトリウム(NaClO、1.57g、12.8mmol、1.5当量)により周囲温度で処理した。混合物を周囲温度で1時間、続いて0~5℃で1時間かき混ぜた。次いで、固体を濾過によって収集し、水(2×5mL)で洗浄し、真空乾燥させて、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩、1.3g、2.94g(理論収量)、収率44.3%)を灰白色の固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応に使用した。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.50-12.17(s,1H),8.94-8.73(s,1H),8.08-7.87(s,2H),7.77-7.57(dd,J=3.4,2.3Hz,1H),6.56-6.31(dd,J=3.5,1.7Hz,1H),3.54-3.04(s,6H),2.45-2.17(s,6H)ppm;C1318ClN(MW,化合物2の過塩素酸塩について343.77及びアニオンなしの化合物2について244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,ベースピーク)。
実施例11:2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロンアルデヒド((E)-3-ヒドロキシ-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アクリルアルデヒド(化合物2b)の調製
塩化オキサリル(12.00 ml、137mmol、3.64当量)をDMF(50mL、646mmol、17.18当量)に、内部温度を50℃未満に保ちながら滴加した。得られた混合物を周囲温度で30分間かき混ぜた。4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、5.00g、37.6mmol)を固体として一度に添加し、得られた反応混合物を室温で3日間及び50℃で4時間かき混ぜた。ひとたび反応が完了すると、反応混合物を室温まで冷却し、氷(30g)で反応停止処理した。水酸化ナトリウム(NaOH、16.1g、403mmol、10.72当量)を反応停止処理した反応混合物に添加し、混合物を室温で26時間かき混ぜた。追加の水酸化ナトリウム(NaOH、2.2g、55.0mmol、1.46当量)を添加し、混合物を40℃で4時間かき混ぜた。ひとたび加水分解反応が完了すると、混合物を氷のバッチ中で0~5℃まで冷却してから、濃HCl溶液を添加してpHを5~6に調整した。混合物を周囲温度まで徐々に温め、周囲温度で2時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、冷水で洗浄し、真空乾燥させて、粗製の所望の生成物である2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロンアルデヒド((E)-3-ヒドロキシ-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アクリルアルデヒド(化合物2b、6.33g、7.113g(理論収量)、収率89%)を灰色の粉末として得、これをさらに精製することなく後続の反応で直接使用した。化合物2bについて:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.74(br s,2H),9.52(s,2H),8.73(s,1H),7.53(dd,J=3.4,2.3Hz,1H),7.46(dd,J=3.5,1.7Hz,1H)ppm;C(MW,189.17)LCMS(EI)m/e 190.1(M,ベースピーク)。
実施例12.(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリルL-酒石酸塩二水和物(化合物3a)の調製
ステップ1:3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリル(化合物7a):
20L反応槽に(E)-3-シクロペンチルアクリロニトリル(化合物6a、1040g、8.582mol、1.0当量)を投入し、窒素雰囲気下で氷浴によって冷却した。ヒドラジン水和物(902g、18.0mol、2.1当量)を反応槽の中へ、反応温度を0℃~5℃に制御しながら40分間かけてゆっくりと添加した。次いで、反応混合物を18℃~22℃の周囲温度で24~30時間かき混ぜた。反応の完了時に、反応混合物をDCM(2080mL)及びブライン(1040mL)によって希釈した。得られた二相混合物を10分間かき混ぜて、混合を確実にした。次いで、有機層を分離し、収集した。水層をDCM(1040mL)によってさらに1回抽出した。合わせた有機層を真空蒸発させた。粗製の所望の生成物である3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリル(化合物7a)を薄黄色のゲルとして得、これをさらに精製することなく次のステップで直接使用した。化合物7aについて:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ3.45(br,3H),2.79(dd,J=16.8,4.6Hz,1H),2.56(dd,J=16.8,4.6Hz,1H),2.49(dt,J=8.9,4.5Hz,1H),1.94-1.65(m,3H),1.62-1.44(m,4H),1.21(dtt,J=20.6,8.3,4.6Hz,2H)ppm;13C NMR(DMSO-d,101MHz)δ119.90,64.03,42.22,29.71(29.75,29.67),25.36(25.43,25.29),20.04ppm;C15(MW,153.23),LCMS(EI)m/e 154.2(M+H)。
ステップ2.(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリル(2R,3R)-2,3-ジヒドロキシコハク酸塩二水和物(化合物3a):
水及びアセトニトリルの1対1(体積対体積)の混合物(9.86L)中のL-酒石酸(1417g、9.44mol、1.1当量)の溶液に、水及びアセトニトリルの1対1(体積対体積)の混合物(3.29L)中の粗製3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリル(化合物7a、1315g、8.582mol、1.0当量)の溶液を1~1.5時間でゆっくりと添加した。反応混合物は、反応温度を水浴によって25℃未満に制御しながら窒素下で保護した。3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリル(化合物7a)の溶液の42~43%を添加したときに、反応物に所望の(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリル(2R,3R)-2,3-ジヒドロキシコハク酸塩二水和物(化合物3a、0.03~0.05重量%)の固体を播種した。播種後、反応物を10分間撹拌して、種が溶解していないことを確実にした。次いで、3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリル(化合物7a)の溶液の残りの部分を反応混合物に0.5~1時間以内でゆっくりと添加した。得られた反応混合物を周囲温度で2時間かき混ぜてから、2時間の期間をかけて-2℃~2℃までゆっくりと冷却した。-2℃~2℃でさらに2時間かき混ぜた後、固体を単離した。湿潤した固体ケークをアセトニトリル中5%v/vの水(毎回2L)の混合溶媒によって3回洗浄した。空気を24時間通過させることによって固体を乾燥させた後、所望の生成物である(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリル(2R,3R)-2,3-ジヒドロキシコハク酸塩二水和物(化合物3a)を白色の結晶性固体(1177g、2ステップにわたって40.4%)として得た。H NMR(DO,400MHz)δ4.79(br,11H),4.54(s,2H),3.26(dt,J=9.1,4.5Hz,1H),3.11-2.87(m,2H),2.12(h,J=9.2Hz,1H),1.92-1.88(m,2H),1.71-1.62(m,4H),1.38-1.25(m,2H)ppm;13C NMR(DO,101MHz)δ176.36,118.37,72.82,60.15,41.01,29.06(29.11,29.01),24.69(24.85,24.53),19.31ppm;C1225(MW,339.35),C15(153.23,遊離塩基についてのMW),LCMS(EI)m/e 154.2(M+H);キラル純度(er,R:S)=99.71:0.29;KF=9.98;塩比率=1(酸:塩基=1:1)。
キラル純度を改善するための化合物3aの任意選択的な再スラリー精製:
反応槽に、(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリル(2R,3R)-2,3-ジヒドロキシコハク酸塩二水和物(化合物3a、20g、1.0当量)及び10%水性アセトニトリル(水対アセトニトリル=体積に基づき1:9、200mL)を添加した。反応混合物を周囲温度で撹拌した。16時間後、反応混合物を濾過し、固体を収集した。湿潤した固体ケークを5%水性アセトニトリル(水対アセトニトリル=体積に基づき5:95、毎回40mL)によって2回洗浄した。空気を24時間通過させることによって固体を乾燥させ、精製された生成物である(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリル(2R,3R)-2,3-ジヒドロキシコハク酸塩二水和物(化合物3a)を白色の結晶性固体として得た。化合物3aの構造及び絶対立体化学もまた単結晶x線結晶構造解析により確認した(図10A及び10B)。
単結晶x線データ:C6 H12.50 N1.50 O4、水に由来、無色で長方形の板、約0.240×0.180×0.020mm、単斜、P21、a=7.6791(5)Å、b=7.5988(5)Å、c=13.7174(8)Å、ベータ=96.941(2)°、体積=794.57(9)Å、Z=4、T=-173.℃、式量=169.67、密度=1.418g/cm、μ(Cu)=1.02mm-1
単結晶x線データ収集:PhotonII検出器、Cuマイクロソースを備えたBruker D8 Venture、波長=1.5418、アノード電力=50.0kV×1.1mA、結晶からプレートまでの距離=2.7cm、768×1024ピクセル/フレーム、ビーム中心=(381.11,510.89)、総フレーム数=5679、振動/フレーム=0.00°、露光/フレーム=可変、SAINT積分、hkl最小/最大=(-9、9、-9、8、-16、16)、shelxへのデータ入力=19514、固有のデータ=3003、2シータ範囲=6.49~144.58°、2シータ144.58に対する完全性=99.80%、R(int-xl)=0.0416、SADABS補正を適用。
解明及び精密化:構造はXS(Shelxtl)を使用して解明し、shelxtlソフトウェアパッケージを使用して精密化、Fに対する完全行列最小二乗法による精密化、Int.Tab.Vol Cの表4.2.6.8及び6.1.1.4からの散乱因子、データ数=3003、抑制数=1、パラメータ数=308、データ/パラメータ比=9.75、Fに対する適合度=1.06、Rインデックス[I>4シグマ(I)]R1=0.0245、wR2=0.0586、Rインデックス(全てのデータ)R1=0.0256、wR2=0.0592、ピーク及びホールの最大差=0.250及び-0.137e/Å、精密化フラックパラメータ=0.08(5)、水素原子の全ては騎乗モデル(riding model)を使用して理想化されている。
単結晶x線研究により、図10A及び10Bにおいて50%の確率レベルで描かれた熱振動楕円体と共に示されるように、非対称単位が1個のC8N3H16分子[+1]、1個のL-酒石酸[-1]、及び2個の水分子を含有することが決定される。予測構造が確認される。エナンチオマーの設定は、L-酒石酸塩のキラリティー及び0.08(5)に精密化したFlackパラメータに基づいた。この研究により、キラル中心C1=Rの絶対配置が決定された。
(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリルL-酒石酸塩二水和物(化合物3a)の結晶化度をXRPD、DSC、及びTGAによって特性評価した。X線粉末回折(XRPD):X線粉末回折(XRPD)は、Bruker D8 Advance ECO X線粉末回折計(XRPD)機器から得た。XRPDのための一般的な実験手順は下記の通りであった:(1)1.5418Åでの銅からのX線照射及びLYNXEYE(商標)検出器、(2)40kV、25mAでのX線パワー、ならびに(3)試料粉末はゼロバックグラウンド試料ホルダー上に分散させた。XRPDのための一般的な測定条件は下記の通りであった:開始角度3度、停止角度30度、サンプリング0.015度、及び走査速度2度/分。
上述の方法によって得られた(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリルL-酒石酸塩二水和物(化合物3a)は、XRPD分析により結晶性固体であることが確認された。(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリルL-酒石酸塩二水和物(化合物3a)の結晶性試料のXRPDパターンを図11に示し、ピークデータを表4に提供する。
示差走査熱量測定(DSC):DSCは、オートサンプラーを備えたTA Instruments示差走査熱量計、Discovery DSC2500から得た。DSC機器の条件は以下の通りであった:10℃/分で20~300℃、Tzeroアルミニウム試料パン及び蓋、ならびに50mL/分の窒素ガス流量。(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリルL-酒石酸塩二水和物(化合物3a)のDSC分析により、脱水に起因する、開始温度が55.3℃及び最大が79.1℃の1つの吸熱ピーク、ならびに開始温度が121.0℃及び最大が123.5℃の第2の発熱ピークが明らかになった。化合物3aの結晶性試料のDSCサーモグラムを図12に提供する。
熱重量分析(TGA):TGAは、オートサンプラーを備えたTA Instruments熱重量分析装置、Discovery TGA5500から得た。TGAのための一般的な実験条件は下記の通りであった:10℃/分で25℃から300℃の傾斜、25mL/分の窒素パージガス流量、白金試料ホルダー。(R)-3-シクロペンチル-3-ヒドラジニルプロパンニトリルL-酒石酸塩脱水物(化合物3a)の結晶性試料のTGA分析により、120℃超での脱水分解に起因する、100℃未満で10.3%の重量減少が明らかになった。化合物3aの結晶性試料のTGAサーモグラムを図13に提供する。
実施例13:化合物1のリン酸塩の調製
粗製(3R)-シクロペンチル-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピラゾール-1-イル]プロピオニトリルリン酸塩(粗製の化合物1のリン酸塩):
先の方法ステップから生成された、ジクロロメタン(DCM、294mL)及びイソプロパノール(IPA、12.8mL)中の粗製(3R)-シクロペンチル-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピラゾール-1-イル]プロピオニトリル(化合物1の遊離塩基、18.7g、17.1g(理論収量)、55.8mmol)の溶液を36℃まで加熱してから、イソプロパノール(IPA、12.7mL)中のリン酸の溶液(85%HPO水溶液、7.40g、64.2mmol、1.15当量)を36℃で添加した。ほぼ即座に沈殿物が形成された。次いで、得られた混合物を36℃で1時間加熱し、次いで周囲温度まで徐々に冷却し、室温で1時間かき混ぜた。固体を濾過によって収集し、DCM(2×50.8mL)及びn-ヘプタン(22.6mL)で洗浄し、真空オーブン中、40~45℃で恒量まで乾燥させて、(3R)-シクロペンチル-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピラゾール-1-イル]プロピオニトリルリン酸塩(粗製の化合物1のリン酸塩、23.04g、22.56g(理論収量)、収率102%)を、いくらかの残留リン酸を含有する白色から灰白色の結晶性粉末として得、これを後続のステップでメタノール(MeOH)、イソプロパノール(IPA)、及びn-ヘプタンの混合物中の再結晶によって精製した。化合物1のリン酸塩について:H NMR(DMSO-d,500MHz)d ppm 12.10(s,1H),8.78(s,1H),8.68(s,1H),8.36(s 1H),7.58(dd,1H,J=1.9,3.5Hz),6.97(d,1H,J=3.6Hz),4.52(td,1H,J=3.9,9.7Hz),3.25(dd,1H,J=9.8,17.2Hz),3.16(dd,1H,J=4.0,17.0Hz),2.41,(m,1H),1.79(m,1H),1.59(m,1H),1.51(m,2H),1.42(m,1H),1.29(m,2H),1.18(m,1H);13C NMR(DMSO-d,125MHz)d ppm 152.1,150.8,149.8,139.2,131.0,126.8,120.4,118.1,112.8,99.8,62.5,44.3,29.1,29.0,24.9,24.3,22.5;C1718(MW,遊離塩基について306.37)LCMS(EI)m/e 307(M+H,ベースピーク),329.1(M+Na)。
粗製の化合物1のリン酸塩の精製:
(3R)-シクロペンチル-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピラゾール-1-イル]プロピオニトリルリン酸塩(化合物1のリン酸塩)
メタノール(MeOH、520mL)中の粗製の化合物1のリン酸塩(40.0g、100mmol)の懸濁液を50~60℃まで加熱して、均一溶液を生じさせる。溶液を50~60℃で研磨濾過(polish filtered)する。メタノール(287mL)を大気圧にて60~70℃で部分的に蒸留してから、IPA(320mL)を同じ温度で混合物に添加して、最終生成物(化合物1のリン酸塩)の結晶化を開始する。次いで、n-ヘプタン(1000mL)を60~70℃で混合物に添加し、蒸留を大気圧にて60~70℃で継続する。ひとたび蒸留が完了すると、混合物を60~70℃で10~60分間かき混ぜてから、室温まで徐々に冷却し、室温で3~6時間かき混ぜる。固体を濾過によって収集し、IPA及びn-ヘプタンの混合物、ならびにn-ヘプタンで順次に洗浄し、40~50℃で真空乾燥させて、最終生成物、(化合物1のリン酸塩、39.4g、98.5%)を白色の結晶性粉末として得る。化合物1のリン酸塩について:mp.197.6℃;H NMR(DMSO-d,500MHz)δ ppm 12.10(s,1H),8.78(s,1H),8.68(s,1H),8.36(s1H),7.58(dd,1H,J=1.9,3.5Hz),6.97(d,1H,J=3.6Hz),4.52(td,1H,J=3.9,9.7Hz),3.25(dd,1H,J=9.8,17.2Hz),3.16(dd,1H,J=4.0,17.0Hz),2.41,(m,1H),1.79(m,1H),1.59(m,1H),1.51(m,2H),1.42(m,1H),1.29(m,2H),1.18(m,1H);13C NMR(DMSO-d,125MHz)δ ppm 152.1,150.8,149.8,139.2,131.0,126.8,120.4,118.1,112.8,99.8,62.5,44.3,29.1,29.0,24.9,24.3,22.5;C1718(MW,遊離塩基について306.37)LCMS(EI)m/e 307(M+H,ベースピーク),329.1(M+Na)。
実施例14:4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a)の調製
ステップ1.4,6-ジクロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物9a):
メカニカルスターラー、添加漏斗、冷却器、熱電対、及びNaOHスクラビング水溶液の中へのNスイープを装着した5Lの四つ口フラスコ中、オキシ塩化リン(POCl、1L、10.572mol、4.82当量)を投入し、氷/塩浴中で冷却した。次いで、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、320mL、4.138mol、1.85当量)をフラスコに0±2℃で滴加した。およそ0.5時間かけておよそ100mLのDMFを添加した後に、結晶化が起こり、反応温度は0から10℃まで増加した。添加を停止し、混合物をおよそ2℃まで再度冷却させた。残りのDMFを8℃未満で2.5時間かけて添加した。懸濁液は非常に濃厚になり、撹拌が困難となった。DMFの添加が完了したときに、混合物を3~5℃で0.5時間かき混ぜた。4,6-ジヒドロキシピリミジン(化合物8a、250g、2.232mol)を固体として少量ずつ添加した。4,6-ジヒドロキシピリミジンの約3分の1を添加した後に、反応混合物はより流動性になり、ゆっくりとした発熱現象が起こり、反応温度が0.5時間かけておよそ12℃まで増加した。残りの4,6-ジヒドロキシピリミジンを0.25時間かけて少量ずつ添加し、反応温度が12℃から27℃まで増加した。反応温度を間欠的な冷却により25~27℃に維持し、その時間の間に黄色の懸濁液はより希薄になり、次いでもう一度より濃厚になった。約1時間で発熱現象が静まった後、反応混合物をゆっくりと加熱した。約55℃で、反応混合物は極めて濃厚になり、第2の穏やかな発熱現象が起こった。加熱マントルを除去したが、反応温度は約63℃まで増加し続け、この温度で数分間留まってから低下した。混合物の加熱を再開すると、やがて穏やかな還流(約100℃)が達成された。約95℃で、HClガスの安定したかなり急速な放散が開始し、反応混合物は徐々に希薄で薄黒くなった。約0.5時間後、明澄な褐色の溶液に発色し、還流温度が1.25時間かけて115℃までゆっくりと増加した。還流状態で総計2.5時間後、反応混合物を周囲温度まで冷却し、周囲温度で一晩かき混ぜた。過剰量のPOCl(可能な限り多く)を減圧下で除去した(浴温45~50℃)。残留する濃厚な褐色の油を、水性混合物を室温近くに維持するように必要に応じて氷を添加しながら、20L分液漏斗で冷HO(5L)の中へ非常にゆっくりと注いだ。水性混合物をEtOAc(2×3L、続いて1×2L)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をHO(2×2.5L)、飽和NaHCO水溶液(1L)、ブライン(1L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して(35℃の浴温)、粗製4,6-ジクロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物9a、270g、395g(理論収量)、68.4%)を黄橙色の固体として得た。この粗物質の20g分量をKugelrohr蒸留(90~100℃のオーブン温度、225mTorr)によって精製して、15.3gの純粋な4,6-ジクロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物9a)を白色の固体として得、これは室温で放置すると黄色に変化した。4,6-ジクロロピリミジン-5-カルバルデヒドについて:H NMR(300MHz,CDCl)δ10.46(s,1H),8.89(s,1H)ppm.
ステップ2.4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物10a):
MeOH(265mL、1.855mol、2.0当量)中の7MのNHの溶液を、トルエン(3L)中の4,6-ジクロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物9a、163.7g、0.9301mol)の溶液に周囲温度で1.25時間かけて添加した。反応温度は20℃から26℃までゆっくりと増加し、黄色の懸濁液が形成した。反応温度を26℃未満に維持するように穏やかな冷却を適用した。懸濁液を周囲温度で3.5時間かき混ぜてから、固体を濾過によって収集した。固体をEtOAc(1L)で洗浄した。濾液を減圧濃縮し、固体をトルエン及びn-ヘプタン(2:1v/v、600mL)でトリチュレーションし、濾過し、乾燥させて、71.1gの4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒドを黄色の固体として得た。反応混合物から濾過した元の固体は、追加量の4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒドを含有していた。EtOAc(1.25L)中で1.5時間かき混ぜ、濾過し、次いでTHF(750mL)中で1時間かき混ぜ、濾過することによって、濾過した固体から生成物を抽出した。EtOAc及びTHFの両方の濾液を減圧濃縮し、得られた固体をトルエン及びn-ヘプタン(2:1v/v、450mL)でトリチュレーションし、濾過し、乾燥させて、追加の44.1gの4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒドを黄色の固体として得た。4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒド(115.2g、146.5g(理論収量))の合わせた収率は78.6%であった。4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒドについて:HNMR(300MHz,DMSO-d)δ10.23(s,1H),8.71(bs,1H),8.55(bs,1H),8.39(s,1H)ppm;CClNO(MW,157.56),LCMS(EI)m/e 158(M+H)。
ステップ3.6-クロロ-5-(2-メトキシビニル)ピリミジン-4-イルアミン(化合物11a):
THF(1.5L)中の(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(276.0g、0.807mol、1.1当量)の懸濁液を氷/塩浴中で-2℃まで冷却し、THF(807mL、0.807mol、1.1当量)中の1Mのカリウムtert-ブトキシド(KOBu)を-2~-3℃で1.5時間かけて添加した。濃い赤味がかった橙色の混合物を-2~-3℃で1時間かき混ぜた。次いで、4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物10a、115.2g、0.7338mol、1.0当量)を、THF(200mL)を使用して容器及び漏斗をすすぎなら固体形態として反応混合物に少量ずつ添加した。添加中、反応温度は-3℃から13℃まで増加し、褐色に発色した。反応温度が10℃に低下したときに、冷却浴を除去し、反応混合物を周囲温度まで昇温させ、周囲温度で42時間かき混ぜた。反応混合物を-2℃まで冷却してから、飽和NHCl水溶液(750mL)のゆっくりとした添加によって反応停止処理した。混合物を減圧濃縮して、THFの大部分を除去した。残渣をEtOAc(3L)とHO(1L)との間で分配した。有機相を濾過して、界面の不溶性物質を除去し、次いで2NのHCl(4×250mL)、続いて3NのHCl(2×250mL)で抽出した。合わせたHCl抽出物をEtOAc(500mL)で逆抽出し、次いでセライトに通して濾過して、不溶性物質を除去した。濾液を氷/ブライン浴中で冷却し、6NのNaOH水溶液でpH8に調整し、EtOAc(3×1L)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブライン(1L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、炭(10g)及びシリカゲル(10g)と共に1時間かき混ぜた。混合物を、セライトパッドをEtOAc(1L)で洗浄しながら、セライトに通して濾過した。濾液を濃縮し、残留EtOAcをn-ヘプタン(500mL)と共蒸発させた。得られた茶褐色の固体を高真空下で2時間排気して、粗製6-クロロ-5-(2-メトキシビニル)ピリミジン-4-イルアミン(化合物11a、72.3g、136.2g(理論収量)、53.1%)を得た。粗製の所望の生成物である化合物11aをさらに精製することなく次に続く反応で使用した。粗製の生成物である化合物11aの試料(2.3g)を、0%から35%のEtOAc/n-ヘプタンで溶出しながら、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1.7gの純粋な6-クロロ-5-(2-メトキシビニル)ピリミジン-4-イルアミン(化合物11a)を白色の固体として得、これはE/Z異性体の1対2の混合物であることが見出された。6-クロロ-5-(2-メトキシビニル)ピリミジン-4-イルアミンについて:H NMR(300MHz,DMSO-d)E異性体について:δ8.02(s,1H),7.08(bs,2H),6.92(d,1H,J=13.1),5.35(d,1H,J=13.0Hz),3.68(s,3H)ppm及びZ異性体について:δ8.06(s,1H),7.08(bs,2H),6.37(d,1H,J=6.8Hz),5.02(d,1H,J=6.7Hz),3.69(s,3H)ppm;CClNO(MW,185.61),LCMS(EI)m/e 186/188(M+H)。
ステップ4.4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a):
濃塩酸水溶液(HCl、5mL)を、THF(700mL)中の粗製6-クロロ-5-(2-メトキシビニル)ピリミジン-4-イルアミン(化合物11a、70.0g、0.3784mol)の溶液に添加し、得られた反応混合物を7.5時間加熱還流させた。温まると、軽い懸濁液が形成され、これは徐々に再溶解した。HPLCにより監視して反応が完了したとみなされたときに、反応混合物を周囲温度まで冷却し、周囲温度で一晩かき混ぜた。固体NaHCO(15g)を反応混合物に添加し、得られた混合物を周囲温度で1時間かき混ぜた。炭(7g)、シリカゲル(7g)、及びNaSO(20g)を添加し、混合物を40℃まで1時間加熱した。次いで、混合物を周囲温度まで冷却し、セライトパッドをTHF(1L)で洗浄しながら、セライトに通して濾過した。濾液を減圧濃縮し、得られた固体を減圧下で乾燥させて、粗製4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a、58.1g、58.1g(理論収量)、100%)を黄褐色の固体として得た。この粗製の所望の生成物である化合物12をEtOAc(1.0L)中に50~55℃で溶解させ、活性炭(3g)で処理した。混合物を暖かいうちにセライトに通して濾過し、セライトパッドを暖かいEtOAc(250mL)で洗浄した。濾液を約500mLに濃縮し、懸濁液を周囲温度で一晩放置させた。その後、懸濁液を0~5℃まで2時間冷却してから、固体を濾過によって収集した。固体を乾燥させて、純粋な4-クロロ-7H-[ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a、54.5g、58.1g(理論収量)、94%)を黄褐色の結晶として得た。化合物12aについて:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.58(bs,1H),8.58(s,1H),7.69(d,1H,J=3.5Hz),6.59(d,1H,J=3.5Hz)ppm;LCMS(EI)m/e 154/156(M+H)。
実施例15:4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a)の代替的な調製
ステップ1.エチル2-シアノ-4,4-ジエトキシブタノアート(化合物14a):
シアノ酢酸エチル(化合物13a、182Kg、1609モル)及びDMSO(325Kg)の混合物に、ナトリウムtert-アミロキシド(AmONa、158.8Kg)を5℃で少量ずつ添加した。次いで、混合物を70~75℃まで温め、シアノ酢酸エチル(191Kg、1689モル、総計3298モル、5.0当量)を投入した。混合物を70~75℃で30分間かき混ぜてから、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(130.4Kg、665.2モル)を添加した。次いで、得られた反応混合物を90℃まで加熱し、反応が完了するまで90℃で撹拌した。反応混合物を5℃まで冷却し、16%塩化アンモニウム(NHCl)水溶液を添加した。混合物を30分間撹拌してから、酢酸エチル(490Kg)を投入した。有機相を分離し、水(695Kg)で洗浄した。水相を酢酸エチル(455Kg)で抽出した。合わせた有機相を17%塩化ナトリウム水溶液(NaCl、318Kg)及びブライン(325Kg)で洗浄した。有機溶液を硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧濃縮した。残渣を石油エーテル(390Kg)中に溶解させ、炭により60℃で処理した。混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固して、粗製エチル2-シアノ-4,4-ジエトキシブタノアート(化合物14a、146.6Kg、152.5Kg(理論収量)、96.1%)を黄色から褐色の油として得、これをさらに精製することなく後続の反応で直接利用した。
ステップ2.7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オール(化合物15a):
反応器に、エタノール中18%のナトリウムエトキシド(EtONa)の溶液(1558Kg)及びホルムアミジン酢酸塩(153.5Kg、1474.4モル)を投入した。混合物を周囲温度で1時間撹拌してから、エチル2-シアノ-4,4-ジエトキシブタノアート(化合物14a、269.8Kg、1176.7モル、1.25当量)を投入した。反応混合物を75℃まで加熱し、未反応のエチル2-シアノ-4,4-ジエトキシブタノアート(化合物14)が検出されなくなるまで75℃で撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、21%塩化アンモニウムの水溶液(NHCl、783Kg)を投入した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、減圧濃縮した。残留溶液を20~30℃まで冷却し、濾過した。ケークを水(493Kg)で再度スラリー化し、濾過した。固体を水(474Kg)中に懸濁させ、濃塩酸(HCl、89.2Kg)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで環化反応が完了するまで30℃まで温めた。次いで、混合物を5℃まで冷却し、水酸化アンモニウムの水溶液(NHOH、72Kg)を添加した。添加後、混合物を5℃で1時間撹拌し、次いで濾過した。湿潤ケークを水で洗浄し、真空オーブン中で乾燥させて、7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オール(化合物15a、99.6Kg、159Kg(理論収量)、62.6%)を灰白色から黄色の固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。
ステップ3.4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a):
7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オール(化合物15a、99.6Kg、737モル)を、トルエン(500Kg)中のDIEA(128.4Kg、99.5 3モル、1.35当量)の溶液に周囲温度で添加し、得られた混合物を0℃まで冷却した。次いで、POCl(338Kg、2202モル、3.0当量)を混合物に0℃で添加し、得られた反応混合物を70℃まで加熱し、反応が完了するまで70℃で撹拌した。反応混合物を30℃まで冷却し、水(3500Kg)、炭酸ナトリウム(NaCO、700Kg)、及び2-メチルテトラヒドロフラン(MeTHF、1200Kg)を添加した。次いで、得られた混合物を濾過した。濾液の有機相を分離し、ブライン(424Kg)で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、およそ1000KgのMeTHFを除去した。残りの溶液を炭(28Kg)により60℃で1時間処理し、濾過した。濾液を濃厚なスラリーに濃縮し、0℃まで冷却し、濾過した。ケークを減圧下で乾燥させて、純粋な4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a、71.9Kg、113.2Kg(理論収量)、63.5%)を黄色から褐色の結晶として得た。この合成方法によって製造された4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a)は、実施例14によって得られた化合物とあらゆる比較可能な側面において同一である。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.58(bs,1H),8.58(s,1H),7.69(d,1H,J=3.5Hz),6.59(d,1H,J=3.5Hz)ppm;LCMS(EI)m/e 154/156(M+H)。
実施例16.4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a)の調製
THF(4.0L)中の水素化ナトリウム(NaH、鉱油中60%懸濁液、309、7726mmol、1.211当量)の懸濁液を氷浴中で0~5℃まで冷却してから、4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a、980.0g、6381mmol)を投入した。混合物を0~15℃で30分間撹拌してから、THF中のTBDMS-Cl(1165g、7728mmol、1.211当量)の溶液を0~15℃で投入した。得られた混合物を0~15℃で1~2時間撹拌した。混合物を-10℃まで冷却し、鉄(III)アセチルアセトナート(Fe(acac)、113g、319mmol、0.05当量)を投入した。THF中の臭化メチルマグネシウムの溶液(3260mL、9780mmol、1.53当量)を混合物にゆっくりと投入し、内部温度を15℃未満に制御した。得られた反応混合物を15~30℃で2時間撹拌した。カップリング反応が完了すると、塩化アンモニウムの水溶液(NHCl、8.0L)を投入して反応混合物を反応停止処理し、反応停止処理の間、内部温度は10℃未満に制御した。メチルtert-ブチルエーテル(MTBE、5.0L)を反応停止処理した反応混合物の中へ投入し、得られた混合物をセライト床に通して濾過した。セライト床をMTBE(2×500mL)で洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液の2つの相を分離させ、水相をMTBE(2×5.0L)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧濃縮し、残渣をメタノール(MeOH、5.0L)中に溶解させた。次いで、溶液を26~28%水酸化アンモニウムの水溶液(NHOH、1.0L)で処理し、得られた混合物を15~40℃で16時間撹拌した。N-TBDMS脱保護反応が完了したときに、反応混合物を減圧濃縮し、n-ヘプタン(2×4.0L)を投入して、共沸条件下で水を除去した。次いで、残渣をn-ヘプタン(8.0L)で処理し、得られた混合物を周囲温度で少なくとも1時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、n-ヘプタン(2×1.0L)で洗浄して、粗製の所望の生成物である4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、840g、849.6g(理論収量)、98.9%)を褐色の粉末として得、これを酢酸エチル及びn-ヘプタンの混合物中の再結晶によって精製した。
メタノール(MeOH、8.0L)中の粗製メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、1640g)の溶液を炭(2.0Kg)で処理し、得られた混合物を周囲温度で16時間撹拌した。混合物をセライト床に通して濾過し、セライト床をMeOH(2×8.0L)で洗浄した。合わせたメタノール溶液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル(8.0L)を添加した。得られた溶液を減圧濃縮して、酢酸エチルの大部分(およそ6.0L)を除去してから、n-ヘプタン(8.0L)を導入した。得られた混合物を周囲温度で14時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、酢酸エチル及びn-ヘプタンの混合物、続いてn-ヘプタンによって洗浄し、恒量まで乾燥させて、精製されたメチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、1325g、1640g(理論収量)、再結晶による精製で80.8%及び全体で80%)を黄色から薄茶色の結晶性粉末として得た。化合物1aについて:H NMR(DMSO-d,500MHz)δ12.10(br s,1H),8.61(s,1H),7.47(dd,J=3.3,2.5Hz,1H),6.62(s,dd,J=3.5,1.7Hz,1H),2.64(s,3H)ppm;13C NMR(DMSO-d,125MHz)δ158.7,151.3,151.2,126.5,117.6,99.6,21.3ppm;C(MW,133.15)LCMS(EI)m/e 134.1(M+H,ベースピーク)。
実施例17.4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a)の代替的な調製
ステップ1.4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a):
THF(100mL)中のカリウムtert-ブトキシド(18.31g、163mmol、2.12当量)の混濁した混合物を氷浴中で冷却してから、THF(20mL)中の4,4-ジメトキシブタンニトリル(化合物16a、10.00g、77mmol)及び酢酸エチル(7.46g、85mmol、1.1当量)の溶液を15分間かけて投入した。混合物を室温まで昇温させ、周囲温度で3時間かき混ぜた。次いで、インサイチュ生成された2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンニトリルをホルムアミジン酢酸塩(65.0g、624mmol、8.1当量)、1-ブタノール(80mL)、及びオルトギ酸トリエチル(56.2mL、337mmol、4.38当量)により周囲温度で処理した。得られた混合物を110~120℃まで加熱し、110~120℃で1時間かき混ぜた。追加のオルトギ酸トリエチル(26.5mL、159mmol、2.06当量)を添加した。混合物を110℃でさらに16時間かき混ぜた。追加のホルムアミジン酢酸塩(31.38g、302mmol、3.92当量)及びオルトギ酸トリエチル(56.5mL、115mmol、1.5当量)を24時間かけて3回に分けて添加した。混合物をさらに24時間加熱し、残渣に減圧濃縮した。残渣を水(150mL)及びMeTHF(210mL)で処理した。得られた混合物をセライト床(12g)に通した。濾液の2つの相を分離させ、水相をMeTHF(175mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧濃縮し、得られた残渣をIPA中HCl溶液(5.5M、50.8g)、水(31mL)、及び濃HCl(12M、15.6g)で処理した。混合物を室温で3日間かき混ぜた。濃NHOH水溶液(38.6g、28~30%)を添加し、混合物を残渣に濃縮し、これをTHF(170mL、2×150mL)でトリチュレーションした。濾液を合わせ、残渣に濃縮し、これをDCM(30mL)中に溶解させ、DCM中0%から100%のEtOAcで溶出しながら、シリカゲル(SiO、120g)によるカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物である4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、5.1g、10.25g(理論収量)、3ステップで49.8%)を灰白色の結晶性固体として得、これは実施例16によって得られた化合物とあらゆる比較可能な側面において同一である。
ステップ2.2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンアミド(化合物20a):
DMF(15mL)中の3-オキソブタンアミド(化合物19a、5.0g、49.5mmol)の溶液を炭酸セシウム(CsCO、16.11g、49.5mmol、1.0当量)により周囲温度で処理した。得られた混合物を周囲温度でかき混ぜた。次いで、2-ブロモ-1,1-ジメトキシエタン(8.36g、49.5mmol、1.0当量)を混合物に添加し、得られた反応混合物を80℃まで5~8時間加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、次いで水(20mL)で反応停止処理した。次いで、反応停止処理した反応混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル(SiO)カラムクロマトグラフィーによって精製して、2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンアミド(化合物20a、5.8g、9.37g(理論収量)、61.9%)を、いくらかの残留DMFを含有する濃厚な油として得た。2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンアミドについて:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ6.70(s,1H),6.30(s,1H),4.28(dd,1H),3.47(t,1H),3.23(s,6H),2.25(s,3H),2.19,(m,1H),2.00(m 1H);C15NO(MW,189.21),LCMS(EI)m/e 190.2(M+H)。
ステップ3.2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンニトリル(化合物17a):
DMF(4mL)中の2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンアミド(化合物20a、1.0g、4.23mmol)の溶液をシアヌル酸クロリド(化合物21a、0.39g、2.11mmol、0.5当量)で処理した。得られた反応混合物を周囲温度で1時間かき混ぜた。ひとたび反応が完了すると、反応混合物を水(10mL)で反応停止処理し、反応停止処理した反応混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、減圧濃縮した。残渣をシリカゲル(SiO)カラムクロマトグラフィーによって精製して、2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンニトリル(化合物17a、280mg、724mg(理論収量)、38.7%)を濃厚な油として得た。2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンニトリルについて:H NMR(DMSO-d,400MHz,ケトン型及びエノール型の混合物が得られた)δ10.7(br.s,エノール型の-OHについては1/2H),4.38(m,1H),3.25(m,2つのOMeについては6H及びケトン型の-CH-については1/2H),2.25-2.50(m,2H),2.15及び2.25(s,3H);C13NO(MW,171.196),LCMS(EI)m/e 172.2(M+H)。この方法によって生成された2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンニトリル(化合物17a)を、ホルムアミジン酢酸塩と反応させ、続いてHClで処置して、上述の実施例16による4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a)を得る。
実施例18.4-メチル-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)塩酸塩(化合物1aの塩酸塩)の調製
窒素下で反応器に2,4-ジクロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物22a、200g、1.064モル)及びTHF(1.2L)を投入した。反応器中の内容物を-5℃未満まで冷却してから、鉱油中60%NaH(51g、1.28モル、1.2当量)を少量ずつ添加した。NaHの添加中、内部温度は-5~5℃に維持した。添加後、撹拌を30分間継続し、次いでTHF(200mL)中のTBDMS-Cl(193g、1.28モル、1.2当量)の溶液を、内部温度を-5~5℃に保つことによってゆっくりと添加した。反応混合物の撹拌を30分間継続し、次いでFe(acac)(18.8g、53.2mmol、0.05当量)を添加し、続いてTHF中3.0MのMeMgCl溶液(532mL、1.596モル、1.5当量)を-5~5℃で添加した。反応混合物をさらに1時間保ち、それまでにHPLCによるIPCによりカップリング反応の完了が示され、その後、反応混合物を水(2.0L)中のEDTA二ナトリウム塩二水和物(200g)の溶液の中に、内部温度を15℃未満に制御しながら注いだ。二相混合物をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、2.0L)で希釈し、セライト(150g)で処理し、遠心分離によって濾過した。固体ケークをMTBEで洗浄し、濾液を相分離させた。水相を分離し、MTBE(1.0L)で抽出した。有機相を合わせ、3%クエン酸水溶液(2×400mL)及びブライン(600mL)で順々に洗浄した。NaSOで乾燥させた後、有機相を濾過し、濃縮乾固した。残渣を石油エーテル(2.0L)にとり、シリカゲルの薄層に通した濾過によっていずれの不溶性物質も除去した。濾液を濃縮して、粗製の所望の生成物である7-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-クロロ-4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物22a、300g)を油性の残渣として得、これをさらに精製することなく後続の反応で直接使用した。
メタノール(1.8L)中の粗製7-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-クロロ-4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物22a、300g、1.064モル)及び5%パラジウム炭素(Pd/C、30g)の混合物を1気圧の水素下、50~55℃で3時間激しく撹拌した。HPLCによるIPCにより反応の完了が確認された後、反応混合物を20~25℃まで冷却し、濾過した。濾過ケークをメタノールで洗浄し、濾液を濃縮乾固した。残渣を酢酸エチル(EtOAc、225mL)中に懸濁させ、10~15℃で1時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、酢酸エチルで洗浄し、40~45℃で真空乾燥させて、4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン塩酸塩(化合物1aの塩酸塩、151.5g、180.5g(理論収量)、2ステップで収率84%)を薄黄色の結晶性粉末として得た。化合物1aの塩酸塩について:H NMR(DMSO-d,500MHz)δppm 13.54(br s,1H),9.04(s,1H),7.95(dd,J=3.4,2.4Hz,1H),7.13(s,dd,J=3.4,1.5Hz,1H),2.97(s,3H);13C NMR(DMSO-d,125MHz)δppm 154.0,151.0,144.0,131.6,117.2,103.1,17.6;CClN(MW,169.61;遊離塩基についてはC,MW133.15)LCMS(EI)m/e 134.1(M+H,ベースピーク)。
実施例19.2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸ナトリウム(5b)及び2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸(化合物5a)の調製
ステップ1.4-クロロ-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物24a):
アセトン(180mL)中の4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a、18.0g、117mmol)の懸濁液に50%水酸化ナトリウム水溶液(NaOH、14.07g、176mmol、1.5当量)を周囲温度で添加した。次いで、得られた混合物を、明澄な溶液が生じるまで周囲温度で撹拌した。p-トルエンスルホニルクロリド(pTsCl、25.7g、135mmol、1.15当量)を溶液に周囲温度で添加し、得られた反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。反応が完了したときに、反応混合物を濾過し、固体をアセトンで洗浄してから捨てた。次いで、濾液を減圧濃縮し、残渣をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、180mL)及びn-ヘプタン(180mL)で処理した。得られた混合物を周囲温度で1時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、n-ヘプタン(180mL)で洗浄し、真空オーブン中で恒量まで乾燥させて、所望の生成物である4-クロロ-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物24a、32.1g、36.0g(理論収量)、収率89.2%)を灰白色の粉末として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。4-クロロ-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンについて:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ8.78(s,1H),8.10(d,2H),7.79(d,1H),7.34(d,2H),6.72(d,1H),2.41(s,3H)ppm;C1310ClNS(MW,307.75),LCMS(EI)m/e 308.1(M+H)。
ステップ2.2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロン酸ジエチル(化合物25a):
無水DMF(30mL)中の4-クロロ-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物24a、7.0g、22.75mmol)及びマロン酸ジエチル(5,46g、34.1mmol、1.5当量)の溶液を固体炭酸セシウム(CsCO、18.53g、56.9mmol、2.5当量)により周囲温度で処理した。次いで、得られた反応混合物を50~60℃まで温め、50~60℃で2~3時間撹拌した。反応が完了したときに、反応混合物を周囲温度まで冷却してから、水(HO、80mL)で処理した。次いで、反応停止処理した反応混合物を周囲温度で1時間、続いて0~5℃で1時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、水(50mL)、続いてn-ヘプタン(50mL)で洗浄し、真空オーブン中、40℃で恒量まで乾燥させて、所望の生成物である2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロン酸ジエチル(化合物25a、6.2g、9.81g(理論収量)、収率63.2%)を灰白色の粉末として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロン酸ジエチルについて:H NMR(CDCl,400MHz)δ8.98(s,1H),8.12(d,2H),7.77(d,1H),7.34(d,2H),6.72(d,1H),5.10(s,1H),4.25(m,4H),2.42(s,3H),1.27(m,6H)ppm;C2021S(MW,431.46),LCMS(EI)m/e 432.3(M+H)。
ステップ3.2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物26a):
エタノール(EtOH、20mL)中の2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロン酸ジエチル(化合物25a、4.0g、9.27mmol)の溶液を、エタノール中21%のナトリウムエトキシド(NaOEt、21重量%、0.30g、0.927mmol、0.10当量)の溶液により周囲温度で処理し、得られた反応混合物を周囲温度で12時間撹拌した。反応混合物を0.1Nの塩酸水溶液(10mL)で反応停止処理し、得られた混合物を減圧濃縮した。次いで、残渣をシリカゲル(SiO)カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物である2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物26a、2.08g、3.33g(理論収量)、収率62.6%)を灰白色の粉末として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチルについて:H NMR(CDCl,400MHz)δ8.96(s,1H),8.11(d,2H),7.75(d,1H),7.33(d,2H),6.70(d,1H),4.19(q,2H),4.30(s,2H),2.41(s,3H),1.25(t,3H)ppm;C1717S(MW,359.40),LCMS(EI)m/e 360.2(M+H)。
ステップ4.2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物27a):
エタノール(EtOH、20mL)中の2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロン酸ジエチル(化合物25a、4.0g、9.27mmol)の溶液を、エタノール中21%のナトリウムエトキシド(NaOEt、21重量%、3.0g、9.27mmol、1.0当量)の溶液により周囲温度で処理した。得られた反応混合物を65~75℃まで加熱し、65~75℃で12時間撹拌した。反応混合物を1.0Nの塩酸水溶液で反応停止処理し、得られた混合物を減圧濃縮した。次いで、残渣をシリカゲル(SiO)カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物である2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物27a、1.3g、1.9g(理論収量)、収率68.3%)を灰白色の粉末として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチルについて:H NMR(CDCl,400MHz)δ11.40(br s,1H),8.90(s,1H),7.42(d,1H),6.65(d,1H),4.23(q,2H),4.13(s,2H),1.27(t,3H)ppm;C1011(MW,205.22),LCMS(EI)m/e 206.2(M+H)。
ステップ5.2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸ナトリウム(化合物5b):
アセトン(10mL)及びTHF(10mL)中の2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物27a,1.2g、5.85mmol)の溶液を、6Nの水酸化ナトリウムの水溶液(6NのNaOH、1.462mL、8.77mmol、1.5当量)により周囲温度で処理した。得られた反応混合物を周囲温度で5時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、単離された固体をメタノール(MeOH、4.0mL)中に懸濁させた。次いで、得られた懸濁液にアセトン(15mL)を添加し、混合物を周囲温度で1時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、アセトン(2×5mL)で洗浄し、真空乾燥させて、所望の生成物である2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸ナトリウム(化合物5b、1.1g、1.164g(理論収量)、収率94.5%)を灰白色の粉末として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸ナトリウムについて:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ8.36(s,1H),7.37(d,1H),6.40(d,1H),3.61(s,2H)ppm;CNaO(MW,199.15;対応する酸についてはC,MW177.16),LCMS(EI)m/e 178.1(M+H)。
ステップ6.2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸(化合物5a):
アセトン(10mL)及びTHF(10mL)中の2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物27a、1.2g、5.85mmol)の溶液を、6Nの水酸化ナトリウムの水溶液(6NのNaOH、1.462mL、8.77mmol、1.5当量)により周囲温度で処理した。得られた反応混合物を周囲温度で5時間撹拌した。次いで、反応混合物を1Nの塩酸水溶液(1NのHCl、9.0mL)で処理してから、減圧濃縮した。次いで、残渣をシリカゲル(SiO)カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物である2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸(化合物5a、0.83g、1.04g(理論収量)、収率79.8%)を灰白色の固体として得、これをさらに精製することなく後続の反応で使用した。2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸について:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ12.01(br s,1H),8.56(s,1H),7.36(d,1H),6.57(d,1H),3.66(s,2H)ppm;C(MW,177.16),LCMS(EI)m/e 178.1(M+H)。
本明細書に記載されるものに加えて、本発明の種々の修正形態が、前述の説明から当業者に明らかとなろう。かかる修正形態もまた、添付の特許請求の範囲内に該当することが意図される。本願に引用される全ての特許、特許出願、及び刊行物を含めた各参考文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される。

Claims (76)

  1. ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法であって、
    式3の化合物:
    またはその塩を、式2aの塩もしくはその塩、または式2bの化合物:
    である試薬と反応させることを含み、
    式中、Xが、対アニオンである、前記方法。
  2. 前記ルキソリチニブまたは前記その塩を調製する前記方法が、
    式3の化合物:
    またはその塩を、式2aの塩または式2bの化合物:
    である試薬と反応させることを含み、
    式中、Xが、対アニオンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記式3の化合物または前記その塩が、前記式3の化合物のキラル塩である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記キラル塩が、前記式3の化合物を、マンデル酸、2-クロロマンデル酸、カンファースルホン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、3-ブロモカンファー-8-スルホン酸、3-ブロモカンファー-10-スルホン酸、10-カンファースルホン酸、ジベンゾイル酒石酸、ジ-p-トルオイル酒石酸、2-アミノ-7,7-ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン-1-メチレンスルホン酸、及び2-アクリルアミド-7,7-ジメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン-1-メチレンスルホン酸から選択される酸の光学活性形態と反応させることによって調製される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記キラル塩が、前記式3の化合物のL-(+)-酒石酸塩である、請求項3に記載の方法。
  6. 前記式3の化合物または前記その塩が、式3a:
    を有する、請求項3に記載の方法。
  7. 前記式3のL-酒石酸塩が、
    化合物7a:
    をL-酒石酸と反応させることを含む方法によって調製される、請求項5~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記式7aの化合物が、
    前記式6aの化合物:
    をヒドラジンと反応させることを含む方法によって調製される、請求項7に記載の方法。
  9. が、Cl、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択される、請求項2~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. が、Clである、請求項2~8のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記試薬が、前記式2aの塩である、請求項2~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記試薬が、前記式2bの化合物である、請求項2~8のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記式2aの塩または前記式2bの化合物が、
    前記式1aの化合物:
    またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬と反応させることを含む方法によって調製される、請求項2~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記ビルスマイヤー試薬が、ジメチルホルムアミドを塩素化剤と反応させることを含む方法によって調製される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記塩素化剤が、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、及びトリホスゲンから選択される、請求項13に記載の方法。
  16. 前記塩素化剤が、塩化オキサリルである、請求項13に記載の方法。
  17. 前記ビルスマイヤー試薬との前記反応の生成物が、式2d:
    を有する、請求項13~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 式2dの塩:
    を塩基と反応させて、式2cの塩:
    を形成させることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ビルスマイヤー試薬との前記反応が、式2cの塩:
    を生成する、請求項13~16のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記式2cの塩:
    を式Mの塩と反応させて、前記式2aの塩を形成させることをさらに含み、式中、
    が、対カチオンであり、
    が、Cl以外の対アニオンである、
    請求項18~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記式2bの化合物が、前記式2aの塩または前記式2cの塩を塩基と反応させて、前記式2bの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、請求項18~20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記式1aの化合物または前記その塩が、
    式1aPの化合物:
    を脱保護することを含む方法によって調製され、
    式中、Pが、アミノ保護基である、請求項13~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. が、(RSiから選択され、式中、Rが、C1-6アルキルである、請求項22に記載の方法。
  24. が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはt-ブチルである、請求項23に記載の方法。
  25. 前記式1aPの化合物が、
    式2Pの化合物:
    をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させることを含む方法によって調製され、
    式中、Pが、アミノ保護基である、
    請求項22~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記式2Pの化合物が、
    式12aの化合物:
    を保護して、前記式2Pの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記保護が、前記式12aの化合物をアルカリ金属水素化物及びP-Yと反応させることを含み、式中、Yが、ハロである、請求項26に記載の方法。
  28. -Yが、(RSi-Yであり、式中、Yが、ハロであり、Rが、C1-6アルキルである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記式12aの化合物が、
    式11aの化合物:
    またはその塩を強酸と反応させることを含む方法によって調製される、請求項26~28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記式11aの化合物またはその塩が、
    式10aの化合物:
    またはその塩を(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド及び塩基と反応させることを含む方法によって調製される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記式10aの化合物またはその塩が、
    式9aの化合物:
    をアンモニアと反応させることを含む方法によって調製される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記式9aの化合物が、
    式8aの化合物:
    を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬と反応させることを含む方法によって調製される、請求項31に記載の方法。
  33. 前記ビルスマイヤー試薬が、ジメチルホルムアミドを塩素化剤と反応させることを含む方法によって調製される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記式12aの化合物が、
    式15aの化合物:
    を塩素化剤と反応させることを含む方法によって調製される、請求項26~28のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記式15aの化合物が、
    (i)式14aの化合物:
    をホルムアミジン酢酸塩及びアルカリ金属水酸化物と反応させて、式14aaの化合物:
    を生じさせることと、
    (ii)前記式14aaの化合物を強酸と反応させることと、
    を含む方法によって調製される、請求項34に記載の方法。
  36. 前記式14aの化合物が、
    式13aの化合物:
    をブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドと反応させることを含む方法によって調製される、請求項35に記載の方法。
  37. 前記式1aの化合物または前記その塩が、
    式23Pの化合物:
    を還元することを含む方法によって調製され、
    式中、Pが、アミノ保護基である、請求項13~21のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記式23Pの化合物の前記還元が、前記式23Pの化合物を触媒の存在下で水素ガスと反応させることを含む方法によって遂行される、請求項37に記載の方法。
  39. 前記式23Pの化合物が、
    式22Pの化合物:
    をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させることを含む方法によって調製され、
    式中、Pが、アミノ保護基である、請求項37~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記式22Pの化合物が、
    式22aの化合物:
    を保護して、前記式22Pの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、請求項39に記載の方法。
  41. 前記保護が、前記式22aの化合物をアルカリ金属水素化物及びP-Yと反応させることを含み、式中、Yが、ハロである、請求項40に記載の方法。
  42. が、(RSiであり、式中、Rが、C1-6アルキルである、請求項41に記載の方法。
  43. 前記式1aの化合物または前記その塩が、
    式18aの化合物:
    を酸と反応させて、前記式1aの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、請求項13~21のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記式18aの化合物またはその塩が、
    式17aの化合物:
    をホルムアミジン酢酸塩及びオルトギ酸トリエチルと反応させて、前記式17aの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記式17aの化合物またはその塩が、
    式20aの化合物:
    を式21aの化合物:
    と反応させて、前記式17aの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、請求項44に記載の方法。
  46. 前記式20aの化合物またはその塩が、
    式19aの化合物:
    をブロモ-1,1-ジメトキシエタン及び塩基と反応させて、前記式20aの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、請求項45に記載の方法。
  47. 前記塩基が、アルカリ金属炭酸塩である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記式17aの化合物またはその塩が、
    式16aの化合物:
    を酢酸エチル及び塩基と反応させて、前記式17aの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、請求項44に記載の方法。
  49. 前記塩基が、アルカリ金属アルコキシドである、請求項48に記載の方法。
  50. 前記式2aの塩または前記式2bの化合物が、
    式5aの化合物:
    またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬と反応させることを含む方法によって調製される、請求項2~12のいずれか1項に記載の方法。
  51. 前記ビルスマイヤー試薬が、ジメチルホルムアミドを塩素化剤と反応させることを含む方法によって調製される、請求項50に記載の方法。
  52. 前記塩素化剤が、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、及びトリホスゲンから選択される、請求項51に記載の方法。
  53. 前記塩素化剤が、塩化オキサリルである、請求項51に記載の方法。
  54. 前記ビルスマイヤー試薬との前記反応の生成物が、式2d:
    を有する、請求項50~53のいずれか1項に記載の方法。
  55. 前記式2dの塩:
    を塩基と反応させて、式2cの塩:
    を形成させることをさらに含む、請求項54に記載の方法。
  56. 前記ビルスマイヤー試薬との前記反応が、式2cの塩:
    を生成する、請求項50~53のいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記式2cの塩:
    を式Mの塩と反応させて、前記式2aの塩を形成させることをさらに含み、式中、
    が、対カチオンであり、
    が、Cl以外の対アニオンである、
    請求項55~56のいずれか1項に記載の方法。
  58. 前記式2bの化合物が、前記式2aの塩または前記式2cの塩を塩基と反応させて、前記式2bの化合物を形成させることを含む方法によって調製される、請求項55~57のいずれか1項に記載の方法。
  59. 前記式5aの化合物または前記その塩が、
    式27aの化合物:
    を塩基の存在下、水中で加水分解することを含む方法によって調製される、請求項50~58のいずれか1項に記載の方法。
  60. 前記式27aの化合物の前記加水分解のために存在する前記塩基が、水酸化ナトリウムであり、前記式5aの化合物または前記その塩が、前記式5aの化合物のナトリウム塩である、請求項60に記載の方法。
  61. 前記式5aの化合物の前記ナトリウム塩を強酸と反応させることをさらに含む、請求項61に記載の方法。
  62. 前記式27aの化合物が、
    式26Pの化合物:
    を強酸と反応させることを含む方法によって調製され、式中、Pが、アミノ保護基である、請求項59~61のいずれか1項に記載の方法。
  63. が、p-トルエンスルホニルである、請求項62に記載の方法。
  64. 前記式26Pの化合物が、
    式25Pの化合物:
    をアルカリ金属アルコキシドと反応させて、前記式26Pの化合物を形成させることを含む方法によって調製され、式中、Pが、アミノ保護基である、請求項62~63のいずれか1項に記載の方法。
  65. 前記式25Pの化合物が、
    式2Pの化合物:
    をマロン酸ジエチル及び塩基と反応させることを含む方法によって調製され、式中、Pが、アミノ保護基である、請求項64に記載の方法。
  66. 前記ルキソリチニブまたは前記その塩が、ルキソリチニブリン酸塩である、請求項1~65のいずれか1項に記載の方法。
  67. 前記ルキソリチニブリン酸塩が、前記ルキソリチニブをリン酸と反応させることを含む方法によって調製される、請求項66に記載の方法。
  68. ルキソリチニブまたはその塩を調製する方法であって、式2cの塩:
    を式3の化合物:
    のL-(+)-酒石酸塩と反応させて、前記ルキソリチニブまたは前記その塩を形成させることを含む、前記方法。
  69. 式3の化合物のL-(+)-酒石酸塩が、式3aの塩:
    である、請求項68に記載の方法。
  70. 前記式2cの塩が、式2dの塩:
    を塩基と反応させて、前記式2cの塩を形成させることを含む方法によって調製される、請求項69に記載の方法。
  71. 前記式2dの塩が、
    (a)式2Pの化合物:
    をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式1aPの化合物:
    を形成させることと、
    (b)前記式1aPの化合物を脱保護して、式1aの化合物:
    またはその塩を形成させることと、
    (c)前記式1aの化合物または前記その塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬及び塩素化剤と反応させて、前記式2dの塩を形成させることと、
    を含む方法によって調製され、
    式中、Pが、アミノ保護基である、請求項70に記載の方法。
  72. 前記式2dの塩が、
    (a)式22Pの化合物:
    をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式23Pの化合物:
    を形成させることと、
    (b)前記式23Pの化合物を還元して、式1aの化合物:
    またはその塩を形成させることと、
    (c)前記式1aの化合物または前記その塩を、ジメチルホルムアミドから形成されるビルスマイヤー試薬及び塩素化剤と反応させて、前記式2dの塩を形成させることと、
    を含む方法によって調製され、
    式中、Pが、アミノ保護基である、請求項70に記載の方法。
  73. 前記式3aの塩が、
    (a)式6aの化合物:
    をヒドラジンと反応させて、式7aの化合物:
    を形成させることと、
    (b)前記式6aの化合物をL-酒石酸と反応させて、前記式3aの塩を形成させることと、
    を含む方法によって調製される、請求項69~72に記載の方法。
  74. (a)
    もしくはその塩、または
    (b)
    または
    (c)
    または
    (d)
    もしくはその塩、または
    (e)
    もしくはその塩、または
    (f)
    もしくはその塩、または
    (g)
    もしくはその塩、または
    (h)
    もしくはその塩、または
    (i)
    (式中、Xは、Cl以外の対アニオンである)、または
    (j)
    または
    (k)
    または
    (l)
    または
    (m)
    または
    (n)
    または
    (o)
    から選択される、化合物または塩。
  75. 形態I及び形態IIから選択される、式2dの塩:
    の結晶形態。
  76. 式3aの塩:
    の結晶形態。
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