JP2023528442A - デキストラン-α-グルカングラフトコポリマー及びその誘導体 - Google Patents

デキストラン-α-グルカングラフトコポリマー及びその誘導体 Download PDF

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Abstract

約3.0までの置換度(DoS)を有する少なくとも1つのα-グルカングラフトコポリマー誘導体化合物(例えば、エーテル又はエステル)を含む組成物が、本明細書に開示される。これらの誘導体化合物の前駆体は、デキストラン骨格と、α-グルカン側鎖とを含むグラフトコポリマーである。α-グルカン側鎖のグリコシド結合の少なくとも約30%は、α-1,3グリコシド結合である。更に、グラフトコポリマー誘導体を生成する方法、並びに様々な用途及び製品におけるそれらの使用が開示される。

Description

本出願は、米国仮特許出願第63/034,437号明細書(2020年6月4日出願)の利益を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、多糖及び多糖誘導体の分野にある。例えば、本開示は、デキストラン-α-グルカングラフトコポリマー誘導体、それらの製造方法、及び様々な用途におけるこの材料の使用に関する。
多糖を様々な用途に使用することが望まれているため、研究者らは、生分解性であり、再生可能に供給される原料から経済的に製造することができる多糖を探求してきた。1つのこのような多糖は、α-1,3-グルカン、α-1,3-グリコシド結合を有することを特徴とする不溶性グルカンポリマーである。このポリマーは、例えば、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)から単離されたグルコシルトランスフェラーゼ酵素を用いて調製されてきた(Simpson et al.,Microbiology 141:1451-1460,1995)。また、例えば、米国特許第7000000号明細書は、酵素的に生成されたα-1,3-グルカンからの紡糸繊維の調製を開示している。また、様々な他のグルカン材料が、新規又は改良された用途を開発するために研究されてきた。例えば、米国特許出願公開第2015/0232819号明細書は、α-1,3及びα-1,6結合が混在するいくつかの不溶性グルカンの酵素的合成を開示している。
この研究にも関わらず、α-1,3-グルカンの新たな形態は、様々な用途でこの材料の経済的価値及び性能特性を向上させるように所望される。この必要性に対処するために、誘導体化されたグラフトコポリマーの形態のα-1,3-グルカンを含む組成物が、本明細書で開示される。
一実施形態では、本開示は、約3.0までの置換度(DoS)を有する少なくとも1つのグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を含む組成物に関し、この場合、グラフトコポリマーは、(i)デキストランを含む骨格と、(ii)少なくとも約30%のα-1,3グリコシド結合を含むα-グルカン側鎖とを含む。
別の実施形態では、本開示は、本明細書のグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を生成する方法に関し、この方法は、(a)反応において、グラフトコポリマーを、有機基を含む少なくとも1つのエーテル化剤又はエステル化剤と接触させる工程であって、少なくとも1つの有機基は、グラフトコポリマーにエーテル化又はエステル化され、これによりグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を生成し、グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物は、約3.0までの置換度(DoS)を有し、グラフトコポリマーは、(i)デキストランを含む骨格と、(ii)少なくとも約30%のα-1,3グリコシド結合を含むα-グルカン側鎖とを含む工程と、(b)任意選択的に、工程(a)で生成されたグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を単離する工程とを含む。
別の実施形態では、本開示は、(a)本明細書のグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を、懸濁固体を含む水性組成物に混合し、これにより、懸濁固体の少なくとも一部が凝集する工程と、(b)任意選択的に、(a)の凝集固体を水性組成物から分離する工程とを含む凝集方法に関する。
別の実施形態では、本開示は、本明細書のグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を水性液体含有組成物と接触させる工程を含む吸収方法に関し、この場合、化合物は、液体含有組成物から水性液体を吸収する。
引用される全ての特許及び非特許文献の開示の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
別段の開示がない限り、本明細書で使用される場合、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、参照される特徴の1つ以上(即ち、少なくとも1つ)を包含することを意図している。
存在する場合、特に記載されない限り、全ての範囲は、包括的であり、結合可能である。例えば、「1から5」の範囲(即ち、1~5)を含む場合、挙げられた範囲は、範囲「1から4」、「1から3」、「1~2」、「1~2及び4~5」、「1~3及び5」などを含むものと解釈されるべきである。
本明細書の用語「コポリマー」は、少なくとも異なるタイプの2つのαグルカン、例えば、デキストラン及びα-1,3-グルカンなどを含むポリマーを指す。
本明細書の用語「グラフトコポリマー」、「分岐コポリマー」などは、一般に、「骨格」(又は「主鎖」)と、骨格から分岐する側鎖とを含むコポリマーを意味する。側鎖は、骨格と構造的に異なる。
本明細書のグラフトコポリマーの例は、デキストランを含む骨格と、α-1,3-グルカンの側鎖とを含む「デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマー」(及び同様の用語)である。いくつかの態様における骨格は、それ自体が本明細書に開示される分岐デキストランであり得、このような骨格へのα-1,3-グルカン側鎖の付加(これにより本明細書のグラフトコポリマーを形成する)は、例えば、短い分岐(α-1,2、-1,3、又は-1,4分岐であり、それぞれが典型的には、単一のグルコ0ースモノマー、即ち、ペンダントグルコースで構成される)によって提示された非還元末端からの酵素的伸長によるものであり得る。短い分岐(α-1,3-グルカン側鎖に酵素的に伸長できる)は、そうでなければ直鎖状又はほぼ直鎖状のデキストランに存在することができる、又は分岐デキストランに存在することができる。いくつかの態様では、α-1,3-グルカンは、デキストラン骨格が直鎖状又はほぼ直鎖状である実施形態、又はデキストラン骨格が分岐している実施形態(例えば、樹状、又は非樹状[分岐はコアから出ていない]が、分岐オン分岐構造(branch-on-branch structure)を有する)など、デキストラン主鎖の非還元末端から合成することもでき、このようなα-1,3-グルカンは、技術的に言えば、デキストランの側鎖ではなく、むしろデキストラン主鎖からの伸長である。
用語「α-グルカン」、「α-グルカンポリマー」などは、本明細書では互換的に使用される。α-グルカンは、α-グリコシド結合によって一緒に結合したグルコースモノマー単位を含むポリマーである。代表的な実施形態では、本発明のα-グルカンは、α-グリコシド結合を少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%含む。本明細書のα-グルカンポリマーの例は、本明細書の誘導体(例えば、エーテル又はエステル)を調製するために使用される、本開示のグラフトコポリマーを含む。
用語「α-1,3-グルカン」、「ポリα-1,3-グルカン」、「α-1,3-グルカンポリマー」などは、本明細書では互換的に使用される。α-1,3-グルカンは、グリコシド結合により互いに結合されるグルコースモノマー単位を含むポリマーであり、少なくとも約30%のグリコシド結合がα-1,3である。特定の実施形態では、α-1,3-グルカンは、少なくとも約90%又は95%のα-1,3グリコシド結合を含む。本発明のα-1,3-グルカンにおける他の結合の大部分又は全ては、典型的には、α-1,6であるが、いくつかの結合は、α-1,2及び/又はα-1,4であり得る。本開示のα-1,3-グルカンは、本明細書のα-1,3-グルカン側鎖を特徴付けることができる。いくつかの態様では、α-1,3-グルカンは、デキストラン-α-1,3-グルカンコポリマー(又は他のコポリマー)の一部ではないα-1,3-グルカンであるα-1,3-グルカン「ホモポリマー」を特徴付けることができる。
本明細書の「デキストラン」、「デキストランポリマー」、「デキストラン分子」などの用語は、少なくとも50%、60%、70%、80%、又は90%のα-1,6グリコシド結合(結合の残りは典型的にはα-1,3である)を含む水溶性α-グルカンを指す。スクロースからデキストランを合成することができる酵素は、「デキストランスクラーゼ」(EC2.4.1.5)として記載され得る。本明細書の「実質的に直鎖状の」(「ほぼ直鎖状の」、及び同様の用語)デキストランは、α-1,3-グルカン側鎖を有するように本明細書で変性される前は、5%以下の分岐を有する。「直鎖状の」デキストランは、α-1,3-グルカン側鎖を有するように本明細書で変性される前は、分岐を有さない。分岐は、α-1,3-グルカン側鎖でデキストランを変性する前に存在する場合、短くすることができ、1つ(ペンダント)から3つのグルコースモノマーの長さである。それでも、いくつかの態様では、デキストランは「樹状」である場合があり、これは、互いに繰り返し分岐する鎖(ほとんど又は全てのα-1,6-結合を含む)が存在するコアから発する分岐構造である(例えば、鎖は別の鎖からの分岐である場合があり、順次、その鎖は別の鎖からの分岐であるなど)。それでも、いくつかの態様では、デキストランは、樹状ではなく、コアから発していない分岐オン分岐構造を有する。(デキストラン-α-1,3-グルカンコポリマーを生成するための)α-1,3-グルカン合成のための本明細書のグルコシルトランスフェラーゼ反応で使用されるデキストランは、任意選択的に「プライマー」又は「アクセプター」と特徴付けられることができる。
本明細書でいう「α-1,2分岐」(及び同様の用語)は、デキストラン骨格にα-1,2-結合しているグルコースを含み、従ってまた、本明細書のα-1,2分岐は、α-1,2,6結合と呼ばれることもある。本明細書のα-1,2分岐(デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを調製するためのα-1,3-グルカン合成グルコシルトランスフェラーゼによる可能な伸長の前)は、典型的には1つのグルコース基を有する(任意選択的に、ペンダントグルコースと称されることができる)。
本明細書でいう「α-1,3分岐」(及び同様の用語)は、デキストラン骨格にα-1,3-結合しているグルコースを含み、従って、本明細書のα-1,3分岐は、α-1,3,6結合と呼ばれることもある。本明細書のα-1,3分岐(デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを調製するためのα-1,3-グルカン合成グルコシルトランスフェラーゼによる可能な伸長の前)は、典型的には1つのグルコース基を有する(任意選択的に、ペンダントグルコースとして称されることができる)。α-1,3分岐は、いくつかの態様では、グルコシルトランスフェラーゼ酵素が最初にデキストラン骨格からα-1,3分岐を作成し、続いて酵素によるこの分岐の伸長から生じる可能性があると考えられる。
本明細書でいう「α-1,4分岐」(及び同様の用語)は、デキストラン骨格にα-1,4結合したグルコースを含み、従って、本明細書のα-1,4分岐は、α-1,4,6結合とも呼ばれることもある。本明細書のα-1,4分岐(デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを調製するためのα-1,3-グルカン合成グルコシルトランスフェラーゼによる可能な伸長の前)は、典型的には1つのグルコース基を有する(任意選択的に、ペンダントグルコースとして称されることができる)。
本明細書のα-グルカン中の分岐の割合は、分岐点に相当するα-グルカン中の全ての結合のパーセントを指す。例えば、本明細書のα-グルカンにおけるα-1,3分岐の割合は、α-1,3分岐点を表すグルカン中の全ての結合の割合を指す。別段の記載がない限り、本明細書に開示される結合のパーセントは、グルカンの全結合、又は開示が特に考慮するグルカンの部分に基づく。
用語「結合」、「グリコシド結合(linkage)」、「グリコシド結合(bond)」などは、糖化合物(オリゴ糖及び/又は多糖)内の糖モノマーを結合する共有結合を指す。グリコシド結合の例は、1,6-α-D-グリコシド結合(本明細書では「α-1,6」結合とも呼ばれる)、1,3-α-D-グリコシド結合(本明細書では「α-1,3」結合とも呼ばれる)、1,4-α-D-グリコシド結合(本明細書では「α-1,4」結合とも呼ばれる)、及び1,2-α-D-グリコシド結合(本明細書では「α-1,2」結合とも呼ばれる)を含む。本明細書のグルカンポリマーのグリコシド結合は、「グリコシド結合」と呼ばれることもできる。本明細書では、「α-D-グルコース」は、「グルコース」と呼ばれる。
本明細書のグラフトコポリマー又はその誘導体のグリコシド結合プロファイルは、当技術分野で知られている任意の方法を使用して決定することができる。例えば、結合プロファイルは、核磁気共鳴(NMR)分光法(例えば、13C NMR又はH NMR)を用いる方法により決定されることができる。用いることができるこれらの方法及び他の方法は、例えば、Food Carbohydrates:Chemistry,Physical Properties,and Applications(S.W.Cui,Ed.,Chapter 3,S.W.Cui,Structural Analysis of Polysaccharides,Taylor&Francis Group LLC,Boca Raton,FL,2005)に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書のグラフトコポリマー又はその誘導体の「分子量」は、重量平均分子量(Mw)又は数平均分子量(Mn)として表すことができ、その単位は、ダルトン(Da)又はグラム/モルである。いくつかの態様では、分子量は、DPw(重量平均重合度)又はDPn(数平均重合度)として表すことができる。いくつかの態様では、分子量は、「DP」(重合度)として提供されることができる場合があり、これは、個々の分子ベースでグラフトコポリマー又はその誘導体内に含まれるグルコースの数を単に指す。高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)又はゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)などにより、これらの様々な分子量の測定値を算出するための様々な手法が当技術分野において知られている。
本明細書で使用される場合、Mwは、次のように計算されることができる:Mw=ΣNiMi/ΣNiMi、式中、Miは、個々の鎖iの分子量であり、Niは、その分子量の鎖の数である。SECの使用に加えて、Mwは、静的光散乱、質量分析、特にMALDI-TOF(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間)、小角X線又は中性子散乱、及び/又は超遠心分離などの他の技術によって、決定されることができる。本明細書で使用される場合、Mnは、試料中の全てのポリマー鎖の統計的平均分子量を指す。Mnは、次のように計算されることができる:Mn=ΣNiMi/ΣNi、式中、Miは、鎖iの分子量であり、Niは、その分子量の鎖の数である。SECの使用に加えて、Mnは、蒸気圧浸透圧測定法、或いはプロトンNMR、FTIR、又はUV-visなどの分光法による末端基決定などの様々な束一的な方法によって決定されることができる。
本明細書で使用される場合、数平均重合度(DPn)及び重量平均重合度(DPw)は、対応する平均分子量Mw又はMnから1つのモノマー単位Mのモル質量で割ることによって計算される。非置換グルカンポリマーの場合、M=162.14である。置換グルカンポリマーの場合、M=162.14+Mf×DoSであり、式中、Mfは、置換基のモル質量であり、DoSは、その置換基の置換度(グルコースモノマー単位当たりの置換基の平均数)である。
本明細書の用語「スクロース」は、α-1,2-グリコシド結合によって結合したα-D-グルコース分子及びβ-D-フルクトース分子から構成される非還元二糖を指す。スクロースは、一般に、砂糖として知られている。代わりに、スクロースは、「α-D-グルコピラノシル-(1→2)-β-D-フルクトフラノシド」と呼ばれることができる。「α-D-グルコピラノシル」及び「グルコシル」は、本明細書では互換的に使用される。
用語「グルコシルトランスフェラーゼ」、「グルコシルトランスフェラーゼ酵素」、「GTF」、「グルカンスクラーゼ」などは、本明細書では互換的に使用される。本明細書のグルコシルトランスフェラーゼの活性は、生成物であるα-グルカン及びフルクトースを製造するための基質スクロースの反応を触媒する。GTF反応の他の生成物(副生成物)は、グルコース、様々な可溶性グルコオリゴ糖及びロイクロースを含み得る。グルコシルトランスフェラーゼ酵素の野生型形態は、一般に、(N末端からC末端の方向に)シグナルペプチド(これは、典型的には、切断プロセスにより除かれる)、可変ドメイン、触媒ドメイン及びグルカン結合ドメインを含む。本明細書のグルコシルトランスフェラーゼは、CAZy(Carbohydrate-Active EnZymes)データベース(Cantarel et al.,Nucleic Acids Res.37:D233-238,2009)によれば、グリコシドヒドロラーゼファミリー70(GH70)の下で分類される。用語「デキストランスクラーゼ」(及び同様の用語)を任意選択的に使用して、デキストランを生成するグルコシルトランスフェラーゼ酵素を特徴付けることができる。用語「分岐酵素」(及び同様の用語)を任意選択的に使用して、1つ以上のα-1,2、α-1,3、又はα-1,4分岐をデキストラン骨格(例えば、「α-1,3分岐酵素」)に導入するグルコシルトランスフェラーゼ酵素を特徴付けることができ、このような分岐は、典型的には、長さが1グルコースである。
本明細書の用語「グルコシルトランスフェラーゼ触媒ドメイン」は、グルコシルトランスフェラーゼ酵素にα-グルカン合成活性を付与するグルコシルトランスフェラーゼ酵素のドメインを指す。グルコシルトランスフェラーゼ触媒ドメインは、典型的には、この活性を有する任意の他のドメインの存在を必要としない。
用語「酵素反応」、「グルコシルトランスフェラーゼ反応」、「グルカン合成反応」などは、本明細書では互換的に使用され、一般に、最初に水、スクロース、少なくとも1つの活性グルコシルトランスフェラーゼ酵素、及び任意選択的に他の成分を含む反応を指す。グルコシルトランスフェラーゼ反応が典型的には開始した後、グルコシルトランスフェラーゼ反応に更に存在することができる成分は、フルクトース、グルコース、ロイクロース、可溶性グルコオリゴ糖(例えば、DP2~DP7)(これらは、使用されるグルコシルトランスフェラーゼに応じて生成物又は副生成物と考えられ得る)及び/又はDP8以上(例えば、DP100以上)の不溶性α-グルカン生成物を含む。少なくとも8又は9の重合度(DP)を有するα-1,3-グルカンなどの特定のグルカン生成物は、非水溶性であるため、グルカン合成反応で溶解されず、むしろ溶液外に存在する(例えば、反応から沈殿したため)可能性があることが理解されるであろう。それは、水、スクロース及びグルコシルトランスフェラーゼ酵素を接触させる工程が実施されるグルカン合成反応中である。用語「適切な反応条件下で」及び本明細書の同様の用語は、グルコシルトランスフェラーゼ酵素活性によるスクロースのα-グルカン生成物又は分岐への変換を支持する反応条件を指す。それは、投入されたスクロースに元来由来するグルコシル基が酵素的に転移され、α-グルカンポリマー又は分岐合成に使用されるこのような反応の間であり、従って、このプロセスに関与するグルコシル基は、任意選択的に、グルコシルトランスフェラーゼ反応のグルコシル成分又は部位(又は同様の用語)と呼ばれることができる。
特に明記しない限り、本明細書の用語「グラフトコポリマー誘導体」、「誘導体」などは、本開示のデキストラン-α-グルカングラフトコポリマーのエーテル、エステル、又は他の誘導体を指す。本明細書のグラフトコポリマー誘導体の「前駆体」は、誘導体を生成するために使用される非誘導体化グラフトコポリマーを指す(誘導体化合物のグラフトコポリマー部分とも呼ばれることができる)。
「エーテル」(例えば、グラフトコポリマーエーテル誘導体)に関して本明細書で使用される用語は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/179913号明細書、米国特許出願公開第2016/0304629号明細書、米国特許出願公開第2016/0311935号明細書、米国特許出願公開第2015/0239995号明細書、米国特許出願公開第2018/0230241号明細書及び/又は米国特許出願公開第2018/0237816号明細書に定義される通りであり得る。
「グラフトコポリマーエーテル化合物」、「グラフトコポリマーエーテル」、「グラフトコポリマーエーテル誘導体」などの用語は、本明細書では互換的に使用される。本明細書のグラフトコポリマーエーテル化合物は、化合物が1つ以上の有機基との置換度(DoS)が最大で約3.0(例えば、約0.001から約3.0)になるように、1つ以上の有機基(非荷電性、アニオン性、及び/又はカチオン性)でエーテル化されたグラフトコポリマーである。
グラフトコポリマーエーテル化合物は、部分構造-C-O-C-を含むことから、本明細書では「エーテル」と称され、式中、「-C-」は、グラフトコポリマーエーテル化合物のグルコースモノマー単位の炭素原子を表し(この炭素原子は、エーテルのグラフトコポリマー前駆体のヒドロキシル基[-OH]に結合したもの)、「C」は、有機基の炭素原子である。
本明細書で使用される場合、「有機基」という基は、(i)式-C2n+1(即ち、完全に飽和しているアルキル基)を有する、又は(ii)ほとんど飽和しているが、他の原子又は官能基(即ち、「置換アルキル基」)で置換された1つ以上の水素原子を有する、1つ以上の炭素の鎖を指すことができる。このような置換は、1つ以上のヒドロキシル基、酸素原子(これによりアルデヒド基又はケトン基が形成される)、カルボキシル基、又は他のアルキル基によるものであり得る。従って、例として、本明細書の有機基は、アルキル基、カルボキシアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり得る。本明細書の有機基は、いくつかの実施形態では、従って、非荷電性又はアニオン性であり得る(アニオン性有機基の例は、カルボキシアルキル基である)。
本明細書の「カルボキシアルキル」基は、アルキル基の1つ以上の水素原子がカルボキシル基で置換されている置換アルキル基を指す。本明細書の「ヒドロキシアルキル」基は、アルキル基の1つ以上の水素原子がヒドロキシル基で置換されている置換アルキル基を指す。
有機基は、「正荷電有機基」を指すことができる。本明細書で使用される場合、正荷電有機基は、他の原子又は官能基で置換された1つ以上の水素原子を有する、1つ以上の炭素からなる鎖(「炭素鎖」)(即ち、「置換アルキル基」)を指し、この場合、置換の1つ以上は、正荷電基による置換である。正荷電有機基が正荷電基との置換に加えて更に1つの置換を有する場合、このような更なる置換は、1つ以上のヒドロキシル基、酸素原子(これによりアルデヒド基又はケトン基を形成する)、アルキル基及び/又は更なる正荷電基とであり得る。正荷電有機基は、それが1つ以上の正荷電基を含むので、正味の正荷電を有する。「正荷電基」、「正荷電イオン基」、「カチオン基」等の用語は、本明細書では互換的に使用される。正荷電基は、1つのカチオン(正荷電イオン)を含む。正荷電基の例は、置換アンモニウム基、カルボカチオン基及びアシルカチオン基を含む。
用語「置換アンモニウム基」、「置換アンモニムイオン」及び「置換アンモニムカチオン」は、本明細書では互換的に使用される。本明細書の「置換アンモニウム基」は、構造I:
Figure 2023528442000001

(構造I中のR、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又はアルキル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、又はアルカリール基を表す)を含む。構造I中の炭素原子(C)は、正荷電有機基の1つ以上の炭素の鎖(「炭素鎖」)の一部である。炭素原子は、本明細書のグラフトコポリマーのグルコースモノマー単位に直接エーテル結合する、又はグルコースモノマー単位にエーテル結合する2つ以上の炭素原子の鎖の一部である。構造I中の炭素原子は、-CH-、-CH-(式中、1つのHがヒドロキシ基などの別の基で置換されている)、又は-C-(式中、両方のHが置換されている)であり得る。
置換アンモニウム基は、構造I中のR、R及びRの組成に応じて、「1級アンモニウム基」、「2級アンモニウム基」、「3級アンモニウム基」又は「4級アンモニウム基」であり得る。本明細書の「1級アンモニウム基」は、R、R及びRのそれぞれが水素原子である構造I(即ち、-C-NH )を指す。本明細書の2級アンモニウム基は、R及びRのそれぞれが水素原子であり、Rがアルキル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、又はアルカリール基である構造Iを指す。本明細書の3級アンモニウム基は、Rが水素原子であり、R及びRのそれぞれがアルキル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、又はアルカリール基である構造Iを指す。本明細書の4級アンモニウム基は、R、R及びRのそれぞれがアルキル、アリール、シクロアルキル、アラルキル、又はアルカリール基(即ち、R、R及びRのいずれも水素原子ではない)である構造Iを指す。
本明細書の4級アンモニウムグラフトコポリマーエーテルは、トリアルキルアンモニウム基(式中、R、R及びRのそれぞれはアルキル基である)を含み得、例えば、トリメチルアンモニウム基は、トリアルキルアンモニウム基の例であり、式中、R、R及びRのそれぞれは、メチル基である。この命名法において「4級」によって示される4員(即ち、R)は、グラフトコポリマーのグルコースモノマー単位にエーテル結合した正荷電有機基の1つ以上の炭素の鎖であることが理解されるであろう。
4級アンモニウムグラフトコポリマーエーテル化合物の例は、トリメチルアンモニウムヒドロキシプロピルデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーである。このエーテル化合物の正荷電有機基は、構造II:
Figure 2023528442000002

(式中、R、R及びRのそれぞれは、メチル基である)によって表され得る。構造IIは、4級アンモニウムヒドロキシプロピル基の1つの例である。
本明細書の用語「エーテル化反応」及び同様の用語は、少なくとも本開示のグラフトコポリマーと、エーテル化剤とを含む反応を指す。これらの成分は、典型的には、アルカリ性条件下で(典型的には、水酸化アルカリを含む水性溶媒中で)溶解及び/又は混合される。反応は、エーテル化剤がグラフトコポリマーのグルコースモノマー単位の1つ以上のヒドロキシル基を本明細書の有機基でエーテル化するのに適した条件(例えば、時間、温度)下に置かれ、これによりグラフトコポリマーエーテル化合物が得られる。
本明細書の用語「アルカリ性条件」は、pHが少なくとも11又は12の溶液又は混合物を指す。アルカリ性条件は、水性組成物に水酸化アルカリを溶解することによるなど、当技術分野で知られている任意の手段によって調製することができる。
「エーテル化剤」、「アルキル化剤」などの用語は、本明細書では互換的に使用される。本明細書のエーテル化剤は、グラフトコポリマーの1つ以上のグルコースモノマー単位の1つ以上のヒドロキシル基を有機基でエーテル化するために使用できる薬剤を指す。従って、エーテル化剤は少なくとも1つの有機基を含む。
本明細書で使用される場合、用語「モル置換」(M.S.)は、グラフトコポリマーのグルコースモノマー単位当たりの有機基のモル数を指す。本明細書のグラフトコポリマーのM.S.値は、例えば、数百又は数千という非常に高い上限を有することができることに留意されたい。例えば、ヒドロキシル基を含む有機基(例えば、ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル)がエーテル化されてグラフトコポリマーになると、エーテル化された有機基のヒドロキシル基が更に反応し、これにより、より多くの有機基がエーテル化合物に結合することができる。
「エステル」(例えば、グラフトコポリマーエステル誘導体)に関して本明細書で使用される用語は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0187767号明細書、米国特許出願公開第2018/0155455号明細書、又は米国特許出願公開第2020/0308371号明細書、又は国際公開第2018/098065号パンフレットに定義される通りであり得る。
グラフトコポリマーエステル誘導体化合物は、部分構造-C-O-CO-C-を含むことから、本明細書では「エステル」と呼ばれ、式中、「-C-」は、グラフトコポリマーエステル化合物のグルコースモノマー単位の炭素原子を表し(この炭素原子がエステルのグラフトコポリマー前駆体のヒドロキシル基[-OH]に結合したもの)、「-CO-C-」は、アシル基に含まれる。
用語「エステル化反応」及びいくつかの態様における同様の用語は、少なくとも本開示のグラフトコポリマーと、少なくとも1つの酸触媒と、少なくとも1つの酸無水物と、少なくとも1つの有機酸とを含む反応を指す。このような反応は、実質的に無水である。反応は、少なくとも酸無水物からのアシル基によるグラフトコポリマーのグルコース単位の1つ以上のヒドロキシル基のエステル化に適した条件(例えば、時間、温度)下に置かれ、これにより、グラフトコポリマーエステル化合物を生成する。本明細書の用語「実質的に無水」、「無水」などは、約1.5重量%又は2.0重量%未満の水が存在する条件を指す。このような条件は、例えば、反応又はその成分を特徴付けることができる。
本明細書では、エステル化処理のために「酸交換」されたグラフトコポリマーは、グラフトコポリマーから水を除去するために酸で処理されている。酸交換されたグラフトコポリマーを生成するための酸交換プロセスは、グラフトコポリマーを酸(例えば、有機酸)に入れ、次いで酸から除去する1つ以上の処理を含み得る。本明細書で使用される場合、用語「酸触媒」は、エステル化反応の進行を促進する任意の酸を指す。酸触媒の例は、硫酸(HSO)及び過塩素酸(HClO)などの無機酸である。
本明細書で使用される場合、用語「酸無水物」は、同じ酸素原子に結合した2つのアシル基を有する有機化合物を指す。典型的には、本明細書の酸無水物は、式(R-CO)Oを有し、式中、Rは、飽和直鎖状炭素鎖である。用語「有機酸」及び「カルボン酸」は、本明細書では互換的に使用される。有機酸は式R-COOHを有し、式中、Rは、有機基であり、COOHは、カルボキシル基である。
「グラフトコポリマーカルバメート誘導体」、「グラフトコポリマーカルバメート」、「カルバモイルグラフトコポリマー」などの用語は、本明細書では互換的に使用される。グラフトコポリマーのカルバメート誘導体は、結合部位-OCONH-又は
Figure 2023528442000003

を含み、従って、部分構造、-C-OCONH-C-又は-C-OCON-CR2-を含み、式中、「-C-」は、グラフトコポリマーカルバメート誘導体のモノマー単位(例えば、グルコース)の炭素を表し、「-C-」は、有機基に含まれる。いくつかの態様では、カルバメート/カルバモイル部位の窒素原子は、水素原子及び有機基に結合される。しかしながら、いくつかの態様では、カルバメート/カルバモイル部位の窒素原子は、同じであり得る(例えば、2つのメチル基、2つのエチル基)又は異なり得る(例えば、1つのメチル基と1つのエチル基)2つの有機基に結合している(上記の「-CR2-」で示されているように)。
「グラフトコポリマースルホニル誘導体」、「グラフトコポリマー」などの用語は、本明細書では互換的に使用される。グラフトコポリマースルホニル誘導体は、結合部位-OSO-を含み、従って、部分構造-C-O-SO-C-を含み、式中、「-C-」は、グラフトコポリマースルホニル誘導体のモノマー単位(例えば、グルコース)の炭素を表し、「-C-」は、有機基に含まれる。本明細書のスルホニル結合は、イオン化可能ではない。本明細書のグラフトコポリマースルホニル誘導体のスルホニル基は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第63/037076号明細書に開示される通りであり得る。
本明細書の「スルホン酸」基は、例えば、出願参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2019/246228号パンフレットに開示される通りであり得る。
本明細書で使用される場合、用語「置換度」(DoS又はDS)は、本明細書では、グラフトコポリマーエーテル又はエステル誘導体、又は他の誘導体の各モノマー単位(グルコース)において、(エーテル結合を介して有機基で、又はエステル結合を介してアシル基で、又は本明細書の他の結合を介して)置換されているヒドロキシル基の平均数を指す。本明細書のグラフトコポリマー誘導体のDoSは、特定の置換基のDoS、或いは混合エーテル又は混合エステル誘導体(又は他のタイプの混合置換基誘導体)の異なる置換基タイプのDoS値の合計である全体のDoSを参照して述べることができる。他に開示されていない限り、特定の置換基タイプを参照してDoSが述べられていない場合、全体的なDoSが意味される。
グラフトコポリマー誘導体化合物に適用される本明細書の「架橋」、「架橋された」などの用語は、ポリマーを結合する1つ以上の結合(典型的には共有結合)を指す。多重結合を有する架橋は、典型的には、架橋を形成するために使用された架橋剤の一部である1つ以上の原子を含む。本明細書の「架橋剤」、「クロスリンカー」などの用語は、グラフトコポリマー誘導体化合物間に架橋を形成することができる原子又は化合物を指す。本明細書の用語「架橋反応」及び同様の用語(例えば、「架橋組成」、「架橋調製」)は、典型的には、少なくとも溶媒、架橋剤、及びグラフトコポリマー誘導体を含む反応を指す。いくつかの態様における架橋反応は、水などの水性溶媒を含むが、他の態様では、溶媒は、非水性である。架橋反応は、その合成後に(典型的には、エーテル又はエステル誘導体化反応から単離される)、又はエーテル又はエステル誘導体化反応における合成中に、グラフトコポリマー誘導体で行うことができる。
「乾燥した」又は「乾燥された」グラフトコポリマー又はその誘導体を含む本明細書の組成物は、典型的には、その中に含まれる水を6、5、4、3、2、1、0.5、又は0.1重量%未満有する。
「生分解性」であるグラフトコポリマー又はその誘導体などの本明細書の材料は、例えば、二酸化炭素発生試験法(Carbon Dioxide Evolution Test Method)(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、OECDガイドライン301B)によって決定される、60日又は90日後少なくとも5%の生分解性を有する。この試験では、材料によって生成されたCOの量(ブランクの接種材料によって発生した量に対して補正される)は、材料の完全な生分解が起こった場合に生成された可能性があるCO(TCO)の理論量のパーセントとして表される。
用語「粒子」、「微粒子」及び同様の用語は、本明細書では互換的に使用され、微粒子系の最小の認識可能な単位を指す。
用語「体積によるパーセント」、「体積パーセント」、「体積%」、「v/v%」などは、本明細書では互換的に使用される。溶液中の溶質の体積によるパーセントは、以下の式を用いて決定することができる:[(溶質の体積)/(溶液の体積)]×100%。
用語「重量によるパーセント」、「重量パーセント(wt%)」、「重量-重量パーセント(%w/w)」などは、本明細書では互換的に使用される。重量によるパーセントは、組成物、混合物又は溶液中に材料を含む場合に質量基準での材料のパーセントを指す。
「重量/体積パーセント」、「w/v%」などの用語は、本明細書では互換的に使用される。重量/体積パーセントは、以下の通りに計算することができる:((材料の質量[g])/(材料+材料が入れられる液体の総体積[mL]))×100%。材料は、液体中で不溶性であり得る(即ち、液体相中の固体相、例えば、分散物である)、又は液体中で可溶性であり得る(即ち、液体中に溶解される溶質である)。
本明細書で使用される場合、用語「水性液体」、「水性流体」、「水性条件」、「水性設定」、「水性系」などは、水又は水溶液を指すことができる。本明細書の「水溶液」は、1つ以上の溶解塩を含み得、最大総塩濃度は、一部の実施形態では約3.5重量%であり得る。本明細書の水性液体は、典型的には、液体中の唯一の溶媒として水を含むが、水性液体は、任意選択的に、水に混和する1つ以上の他の溶媒(例えば、極性有機溶媒)を含み得る。従って、水溶液は、少なくとも約10重量%の水を有する溶媒を含み得る。
本明細書の「水性組成物」は、例えば、約又は少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、99又は100重量%の水を含む液体成分を有する。水性組成物の例は、例えば、混合物、溶液、分散物(例えば、懸濁液、コロイド分散物)及びエマルジョンを含む。いくつかの実施形態では、水性組成物のpHは、約2~約11(例えば、約4~約9)である。
本明細書で使用される場合、用語「コロイド分散物」は、分散相及び分散媒体を有する不均一系、即ち、微視的に分散した不溶性粒子が別の物質(例えば、水又は水性溶液などの水性組成物)全体に懸濁していることを指す。本明細書のコロイド分散物の例は、親水コロイドである。親水コロイドなどのコロイド分散物の粒子の全て又は一部は、本開示の不溶性グラフトコポリマー又はその不溶性誘導体を含み得る。用語「分散剤(dispersant)」及び「分散剤(dispersion agent)」は、本明細書では互換的に使用され、分散物の形成及び/又は安定化を促進する材料を指す。本明細書では、「分散」とは、水性液体中で材料の分散物を調製することの行為を指す。本明細書で使用される場合、用語「ラテックス」(及び同様の用語)は、水又は水溶液中の1つ以上のタイプのポリマー粒子の分散物を指し、いくつかの態様では、不溶性グラフトコポリマー又はその不溶性誘導体の粒子は、分散ポリマー成分としてラテックス組成物中に存在することができる。いくつかの態様では、ラテックスは、不溶性グラフトコポリマー又はその不溶性誘導体の粒子の分散物を含むエマルジョンである。本明細書の「エマルジョン」は、液滴が可溶性ではない、又は混合できない別の液体中の1つの液体の微小液滴の分散物である(例えば、水又は水溶液などの極性液体中の油又はアルカンなどの他の有機液体などの非極性物質)。エマルジョンは、例えば、任意選択的にエマルジョンを安定化することができる本明細書のα-グルカングラフトコポリマーを更に含み得る。
本開示のいくつかの態様におけるα-グルカングラフトコポリマー誘導体は、分散物又はエマルジョンに安定性を提供することができる。分散物又はエマルジョンの「安定性」(又は「安定である」ことの品質)は、本明細書では、例えば、分散物の分散した粒子、又は別の液体中に分散した液体液滴(エマルジョン)が、分散物又はエマルジョンの初期調製後、約又は少なくとも約2、4、6、9、12、18、24、30又は36ヵ月の期間、分散したままである(例えば、分散物の粒子又はエマルジョンの液体液滴の約又は少なくとも約70、75、80、85、90、95、96、97、98、99又は100重量%が分散した状態である)能力である。安定な分散物又はエマルジョンは、分散/乳化した材料の全体的なクリーム化、沈殿、凝集及び/又は会合に抵抗することができる。
本明細書において「不溶性」、「水不溶性(aqueous-insoluble)」、「水不溶性(water-insoluble)」(及び同様の用語)であるグラフトコポリマー又はその誘導体は、水又は他の水性条件で溶解せず(又はほとんど溶解しない)、任意選択的に、水性条件は、pH4~9(例えば、pH6~8)及び/又は約1~130℃(例えば、20~25℃)の温度である。いくつかの態様では、1.0グラム未満(例えば、検出不可能な量)の水不溶性グラフトコポリマー又はその誘導体は、1000ミリリットルのこのような水性条件(例えば、23℃の水)において溶解する。対照的に、「可溶性」、「水溶性(aqueous-soluble)」、「水溶性(water-soluble)」などであるグラフトコポリマー又はその誘導体は、上記の水性条件下でかなり溶解する。
本明細書で使用される場合、用語「粘度」は、流動を引き起こす傾向を示す力に(水性又は非水性の)流体が抵抗する程度の尺度を指す。本明細書において使用できる粘度の様々な単位は、例えば、センチポアズ(cP、cps)及びパスカル秒(Pa・s)を含む。1センチポアズは、1/100ポアズであり、1ポアズは、0.100kg・m-1・s-1に等しい。粘度は、いくつかの態様では、「固有粘度」(IV、η、単位dL/g)として報告され得、この用語はグルカンポリマーを含む液体(例えば、溶液)の粘度に対するグルカンポリマーの寄与の尺度を指す。本発明において、IV測定値は、例えば、全て参照により本明細書に組み込まれる、出願公開米国特許出願公開第2017/0002335号明細書、又は米国特許出願公開第2017/0002336号明細書、又は米国特許出願公開第2018/0340199号明細書、又はWeaver et al.(J.Appl.Polym.Sci.35:1631-1637)、又はChun and Park(Macromol.Chem.Phys.195:701711)に開示されるような任意の適切な方法を使用して得ることができる。例えば、約0.9~2.5重量%(例えば、1、2、1~2重量%)のLiClを含むDMSO中でグルカンポリマーを溶解することによって(任意選択的に、少なくとも2、4、又は8時間、約100℃で溶解)、IVは部分的に測定できる。本明細書のIVは、分子量の相対尺度として任意選択的に使用することができる。
本明細書で使用される場合、用語「吸収する」及び同様の用語は、水性液体を吸い上げる(吸い込む)作用を指す。本開示の組成物による吸収は、例えば、水保持値(WRV)及び/又は本明細書に開示されるような遠心分離保持容量(CRC)の観点から測定することができる。
用語「家庭用ケア製品」及び同様の用語は、典型的には、家財及びその中身の処理、清掃、手入れ及び/又は調整に関連する製品、商品及びサービスを指す。前述のものは、例えば、こうしたケアに用途を有する化学薬品、組成物、製品又はそれらの組み合わせを含む。
用語「織物」、「繊維製品」、「布」などは、天然及び/又は化学繊維の網状組織を有する織布材料を指すために本明細書では互換的に使用される。このような繊維は、例えば、撚り糸又は編み糸の形態であり得る。
「織物ケア組成物」及び同様の用語は、任意の方法で織物を処理するために適切な任意の組成物を指す。このような組成物の例は、洗濯用洗剤及び織物柔軟剤を含み、これらは、洗濯ケア組成物の例である。
本明細書の「洗剤組成物」は、典型的には、少なくとも1つの界面活性剤(洗剤化合物)及び/又は1つのビルダーを含む。本明細書の「界面活性剤」は、物質が溶解した液体の表面張力を低下させる傾向を有する物質を指す。界面活性剤は、例えば、洗剤、湿潤剤、乳化剤、起泡剤、及び/又は分散剤として機能し得る。
用語「ヘビーデューティ洗剤」、「万能洗剤」などは、本明細書では、互換的に使用され、任意の温度で白色及び着色繊維製品の標準的洗濯のために有用な洗剤を意味する。用語「ローデューティ洗剤」、「微細繊維洗剤」などは、本明細書では互換的に使用され、例えば、ビスコース、ウール、シルク、マイクロファイバー又は特別なケアを必要とする他の繊維などのデリケートな布のケアのために有用な洗剤を意味する。「特別なケア」は、例えば、過剰量の水、低撹拌、及び/又は漂白なしを使用する条件を含み得る。
本明細書の用語「ビルダー」、「ビルダー剤」などは、例えば、カルシウムカチオン及びマグネシウムカチオンなどの硬水カチオンと錯化することができる組成物を指す。このような複合体形成は、カチオンによる水不溶性塩及び/又は他の複合体の形成を防止すると考えられている。洗浄又はメンテナンス用途のための洗剤組成物に関して、そこに添加されるビルダーは、典型的には、洗剤組成物中に存在する界面活性剤の洗浄効率を向上又は維持することができる。用語「ビルダー能力」、「ビルダー活性」などは、本明細書では互換的に使用され、水性組成物中に存在する1つ以上のビルダーによって与えられる特徴を示す水性組成物の能力を指す。
用語「パーソナルケア製品」及び同様の用語は、典型的には、ヒトのトリートメント、浄化、洗浄、ケア又はコンディショニングに関連する製品、商品及びサービスを指す。前述のものは、例えば、こうしたケアに用途を有する化学薬品、組成物、製品又はそれらの組み合わせを含む。
本明細書の「口腔ケア組成物」は、歯(複数の歯)及び/又は歯肉表面などの口腔内の軟質又は硬質表面を処理するために適切な任意の組成物である。
用語「摂取可能な製品」及び「摂取可能な組成物」などは、消費が意図されているか否かにかかわらず、単独で又は他の物質と共に経口(即ち、口により)摂取され得る任意の物質を指す。従って、摂取可能な製品は、食品/飲料品を含む。「食品/飲料品」とは、固体、半固体又は液体など、ヒト又は動物によって消費(例えば、栄養の目的のため)が意図されている任意の食用製品を指す。例えば、本明細書の「食品」は、任意選択的に、「食料品」、「食品」又は他の同様の用語を指すことができる。「非食用製品」(「非食用組成物」)とは、食品又は飲料の消費以外の目的のために口により摂取され得る任意の組成物を指す。本明細書の非食用製品の例は、サプリメント、栄養補助食品、機能性食品、医薬品、オーラルケア製品(例えば、歯磨き剤、洗口液)、及び化粧品(甘いリップクリームなど)を含む。本明細書の「医薬品」、「薬」、「薬物」、「ドラッグ」又は同様の用語は、疾病又は怪我を治療するために使用される組成物を指し、経腸的又は非経口的に投与され得る。
用語「医療用製品」及び同様の用語は、典型的には、診断、治療、及び/又は患者のケアに関連する製品、商品及びサービスを意味する。
用語「工業用製品」及び同様の用語は、典型的には、工業環境で使用される製品、商品、及びサービスを指すが、典型的には、個々の消費者によっては使用されない。
本明細書の用語「凝集剤(flocculant)」、「凝集剤(flocculation agent)」、「凝集組成物」、「凝固剤」などは、水又は他の水性液体中に懸濁された不溶性粒子の凝固/凝結/合体を促進することができる物質を指し、これにより、沈降/沈殿、濾過、ペレット化、及び/又は他の適切な手段により、粒子をより容易に除去できる。粒子の凝集は、典型的には、水性懸濁液から粒子を除去/分離するプロセスで行うことができる。いくつかの態様では、グラフトコポリマー誘導体を凝集剤として使用することができる。
本明細書の用語「フィルム」、「シート」及び同様の用語は、薄い視覚的に連続した材料を指す。フィルムは、材料の上に層又はコーティングとして構成され得る、又は単独であり得る(例えば、材料表面に付着されない、自立型)。本明細書で使用される場合、「コーティング」(及び同様の用語)は、材料表面を覆う薄層を指す。本明細書のフィルム又はコーティングを特徴付けるために使用される用語「一様な厚さ」は、(i)フィルム/コーティングの全領域の少なくとも20%であり、(ii)厚さの標準偏差が例えば、約50nm未満である連続領域を指すことができる。用語「連続層」は、基材の少なくとも一部分に適用された組成物の層であって、組成物の乾燥層は、それが適用されている表面の99%以上を被覆し、層内において、その基材表面を露出させる1%未満の孔隙を有する、層を意味する。層が適用されている表面の99%以上は、層が適用されていない基材のいかなる領域も排除する。本明細書のコーティングは、いくつかの態様では連続層を生成することができる。本明細書のコーティング組成物(及び同様の用語)は、本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料、及び任意選択的に、顔料、界面活性剤、分散剤、バインダー、架橋剤、及び/又は他の添加物など、基材上に層を形成する全ての固体成分を指す。
本明細書の用語「塗料」(及び同様の用語)は、薄いコートの表面上に広げられたときに粘着性コーティングを形成するために使用され得る適切な液体(例えば、水性液体)中の顔料の分散物である一種のコーティング組成物である。表面に適用される塗料は、色/装飾、保護、及び/又は処理(例えば、プライマー)を表面に提供することができる。本明細書の塗料は、分散した不溶性α-1,3-グルカン(即ち、分散したポリマー)を更に含むことにより、ラテックス又はラテックス塗料として任意選択的に特徴付けられ得る。
(例えば、グルコシルトランスフェラーゼの)ポリペプチドアミノ酸配列に関して、本明細書で使用される場合、用語「配列同一性」、「同一性」などは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2017/0002336号明細書において定義及び決定される通りである。
本明細書では、様々なポリペプチドアミノ酸配列が、特定の実施形態の特徴として開示される。本明細書に開示される配列と少なくとも約70~85%、85~90%、又は90%~95%同一であるこれらの配列の変異体を使用又は参照することができる。或いは、変異アミノ酸配列は、本明細書に開示された配列と少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%の同一性を有することができる。変異アミノ酸配列は、開示された配列と同一の機能/活性、又は開示された配列の少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の機能/活性を有する。
用語「単離された」は、天然に存在しない形態又は環境にある物質(又はプロセス)を意味する。単離された物質の非限定的な例は、本明細書のグラフトコポリマー又はその誘導体(並びにこれらの材料を調製するために使用される酵素及び/又は化学反応)などの任意の非天然物質を含む。本明細書に開示される実施形態は、合成物/人工物(人間の介入/関与なしに製造することが不可能である)であり、且つ/又は天然に存在しない特性を有すると考えられる。
本明細書で使用される場合、用語「増加した」は、増加した量又は活性が比較される量又は活性よりも少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、50%、100%又は200%多い量又は活性を指すことができる。用語「増加した」、「上昇した」、「向上した」、「よりも多い」、「改善された」などは、本明細書では互換的に使用される。
α-1,3-グルカンの新たな形態は、様々な用途でこの材料の経済的価値及び性能特性を向上させるように所望される。この必要性に対処するために、グラフトコポリマー及びその誘導体の形態のα-1,3-グルカンを含む組成物が、本明細書で開示される。
本開示のいくつかの実施形態は、約3.0までの置換度(DoS)を有する少なくとも1つのグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物(又は本明細書の他の誘導体)を含む組成物に関し、この場合、化合物のグラフトコポリマー部分は、
(i)デキストランを含む骨格と、
(ii)少なくとも約30%のα-1,3グリコシド結合を含むα-グルカン側鎖と、
を含む。本開示のデキストラン-α-グルカンコポリマー誘導体は、いくつかの態様では、高い水性液体吸収能力及び/又は水性懸濁液中の粒子を凝集させる向上した能力を有するなど、いくつかの有利な特徴を有する。
本明細書の誘導体のグラフトコポリマー前駆体の骨格を形成するデキストランは、例えば、約又は少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のα-1,6-グルコシド結合を含み得る。このようなパーセントのα-1,6結合プロファイルは、デキストラン(α-1,6グルカンの主鎖、及び存在する場合、それからの分岐部分)における全ての結合の合計を考慮に入れる。本明細書の「デキストラン分岐」及び同様の用語は、本開示のグラフトコポリマーを調製するのに使用する前に、デキストランポリマーに存在する分岐のいずれも包含することを意味する。
本明細書のデキストランは、例えば、約、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、又は50%、又は約それ未満のα-1,4、α-1,3及び/又はα-1,2グリコシド結合を含み得る。典型的には、このような結合は、デキストランのα-1,6-グルカン鎖からの分岐点として、完全に、又はほぼ完全に存在し得る。いくつかの態様では、デキストラン分岐は、全てα-1,4、α-1,3、又はα-1,2、又はこれらのタイプの結合の2つ又は3つ全ての組み合わせであり得る。いくつかの態様では、約又は少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、92~98%、93~97%、又は94~96%のα-1,6結合を有する主鎖(例えば、樹状デキストラン、又は分岐しているが樹状ではない)を有するデキストランでなど、このようなデキストランは、約、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、2~8%、3~7%、又は4~6%、又は約それ未満の分岐におけるα-1,4、α-1,3、及び/又はα-1,2結合を含む。分岐は、典型的には、1グルコース単位(ペンダントグルコース)であるが、例えば、長さが2又は3グルコース単位であり得る。いくつかの態様では、本明細書のグラフトコポリマーの骨格として使用されるデキストランは、α-1,4、α-1,3、及び/又はα-1,2分岐をいずれも含まない。いくつかの態様では、グリコシド結合プロファイルは、H-NMR又は13C-NMR分光法などの核磁気共鳴(NMR)分光法を使用して測定される通りであり得る。
本明細書のグラフトコポリマーの骨格は、本開示のデキストランから完全に構成され得る。しかしながら、いくつかの態様では、骨格は、他の要素を含み得る。例えば、グラフトコポリマー骨格は、グラフトコポリマーの合成中にα-1,3-グルカン合成を開始するのに役立つ主鎖(その非還元末端で)のため、デキストラン主鎖の非還元末端(或いは樹状デキストラン、又は分岐しているが樹状ではないデキストランの主鎖の非還元末端)に由来するα-1,3-グルカンを含み得る。
本明細書のデキストラン(即ち、本明細書のグラフトコポリマーの骨格部分、又はグラフトコポリマーを合成するために使用されるデキストラン)の分子量(Mw[重量平均分子量])は、例えば、約、少なくとも約1000、2500、5000、7500、10000、25000、50000、75000、100000、150000、200000、250000、500000、750000、1000000、1000~10000、1000~100000、1000~1000000、10000~100000、10000~1000000、又は100000~1000000ダルトン、又は約それ未満であり得る。いくつかの態様では、Mwは、例えば、約、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、10~50、10~70、10~80、10~100、10~120、10~130、10~150、10~200、25~50、25~70、25~80、25~100、25~120、25~130、25~150、25~200、50~70、50~80、50~100、50~120、50~130、50~150、50~200、70~80、70~100、70~120、70~130、70~150、70~200、80~100、80~120、80~130、80~150、80~200、100~120、100~130、100~150、100~200、120~130、120~150、120~200、130~150、又は130~200百万ダルトン、又は約それ未満である。本明細書の任意のデキストランMwは、任意選択的に、Mwを162.14で割った重量平均重合度(DPw)として表すことができる(計算されたDPwは、最も近い整数に丸めることができる)。
いくつかの態様では、デキストランは、(i)1位及び6位でのみ結合した約87~91.5重量%のグルコース、(ii)1位及び3位でのみ結合した約0.1~1.2重量%のグルコース、(iii)1位及び4位でのみ結合した約0.1~0.7重量%のグルコース、(iv)1位、3位、及び6位でのみ結合した約7.7~8.6重量%のグルコース、並びに(v)(a)1位、2位及び6位のみ、又は(b)1位、4位及び6位のみで結合した約0.7~1.4重量%のグルコースを含み得る。特定の実施形態では、デキストランは、(i)1位及び6位でのみ結合した約89.5~90.5重量%のグルコース、(ii)1位及び3位でのみ結合した約0.4~0.9重量%のグルコース、(iii)1位及び4位でのみ結合した約0.3~0.5重量%のグルコース、(iv)1位、3位及び6位でのみ結合した約8.0~8.3重量%のグルコース、並びに(v)(a)1位、2位及び6位のみ、又は(b)1位、4位及び6位のみで結合した約0.7~1.4重量%のグルコースを含み得る。このようなグリコシド結合プロファイルは、例えば、メチル化分析、及び/又は質量分析又は水素炎イオン化検出と組み合わせたガスクロマトグラフィー(GC)を使用して測定される通りであり得る。いくつかの態様では、このようなグリコシド結合プロファイルは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0122445号明細書(例えば、その中のパラグラフ97又は実施例9)に開示されたプロトコルと類似又は同一のプロトコルを使用して決定することができる。
いくつかの態様におけるデキストラン骨格は、長鎖(例えば、≧90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のα-1,6-結合を含む)が相互に繰り返し分岐する構造(例えば、樹状、又は非樹状)において分岐し得る(長鎖は、別の長鎖からの分岐である可能性があり、これは、結果、それ自体が、別の長鎖からの分岐である可能性があるなど)。分岐デキストランの分岐点は、上記の通りであり得る。例えば、個々の分岐点は、長鎖からα-1,2-、α-1,3、又はα-1,4-分岐した単一のグルコース単位のものであり得、別の長鎖は、α-1,6を介してこのような分岐グルコース単位に結合することができる。例えば、分岐デキストランの全ての分岐点の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%が、長鎖に分岐(伸長)するが、これらの分岐点の残りは、末端である(即ち、ペンダントグルコース単位である)。例えば、約95%のα-1,6結合と5%の分岐結合(例えば、α-1,3、-1,2、又は-1,4)を有する分岐デキストランでは、いくつかの態様では、このようなデキストランは、約95%のα-1,6結合、約3%の末端分岐結合、及び約2%の伸長分岐結合(又は、別の態様では、約2%の末端分岐結合及び約3%の伸長分岐結合)を有すると言えることができる。分岐デキストランの長鎖は、いくつかの態様で長さが類似している場合がある。長さが類似しているとは、分岐デキストランの全ての長鎖の少なくとも70%、75%、80%、85%、又は90%の個々の長さ(重合度[DP])が、分岐デキストランの全ての長鎖の平均長のプラス/マイナス15%(又は10%、5%)内であることを意味する。いくつかの態様では、分岐点を有さない長鎖のα-1,6-結合領域の平均長(平均長さ)(分岐点間の距離)は、約10~75、10~60、10~55、20~75、20~60、20~55、30~75、30~60、30~55、40~75、40~60、40~55、45~75、45~60、又は45~55DPである。
本明細書の大きなデキストランのz平均慣性半径(例えば、本明細書で開示される任意のMw≧10百万ダルトン)は、約200~280nmであり得る。例えば、z平均Rgは、約200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、又は280nm(又は200~280nmの任意の整数)であり得る。他の例として、z平均Rgは、約200~280、200~270、200~260、200~250、200~240、200~230、220~280、220~270、220~260、220~250、220~240、220~230、230~280、230~270、230~260、230~250、230~240、240~280、240~270、240~260、240~250、250~280、250~270、又は250~260nmであり得る。本明細書の用語「慣性半径」(Rg)は、デキストランの平均半径を指し、分子の重心からデキストラン分子の構成要素(原子)の二乗平均平方根として算出される。Rgは、例えば、オングストローム又はナノメートル(nm)単位で提供することができる。本明細書のデキストランの「z平均慣性半径」は、光散乱法(例えば、MALS)を用いて測定されるようなデキストランのRgを指す。z平均Rgの測定方法は公知であり、それ相応に、本明細書で用いることができる。例えば、z平均Rgは、それらの全てが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第7531073号明細書、米国特許出願公開第2010/0003515号明細書及び米国特許出願公開第2009/0046274号明細書、Wyatt(Anal.Chim.Acta 272:140)、並びにMori and Barth(Size Exclusion Chromatography,Springer-Verlag,Berlin,1999)に開示される通りに測定できる。
いくつかの態様における大型デキストランのMw及び/又はz平均Rgは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0122445号明細書(例えば、その中のパラグラフ105又は実施例9)に開示されたプロトコルと類似又は同一のプロトコルに従って測定することができる。
いくつかの態様では、大型デキストランは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0122445号明細書の開示に従って酵素的に合成することができる。例えば、この参考文献に記載されるように、このようなデキストランは、GTF 0768(米国特許出願公開第2016/0122445号明細書の配列番号1又は2)、又は少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%GTF 0768のアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含むGTFを含む適切な反応において生成され得る。デキストランは、いくつかの態様では、全て参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2017/0218093号明細書及び米国特許出願公開第2018/0282385号明細書の開示に従って酵素的に合成することができる。例えば、米国特許出願公開第2018/0282385号明細書でGTF 8117(配列番号:30)、GTF 6831(配列番号:32)、又はGTF 5604(配列番号:33)として特定されるGTFは、所望により使用でき、又はGTFは、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%これらのGTF酵素のいずれかのアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、デキストランは、本明細書のα-グルカン側鎖を付加する前に、α-1,2、α-1,3、及び/又はα-1,4分岐を含むように酵素的に分岐して、化学的誘導体化のためのグラフトコポリマーを形成することができる。例えば、デキストランは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2018/0282385号明細書に開示される通り、GTF J18T1(配列番号:27)又はGTF 9905(配列番号:4の残基36~1672)などのα-1,2分岐酵素、或いは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%これらのGTF酵素のいずれかのアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含むGTFを使用する適切な反応においてα-1,2-分岐することができる。また例えば、デキストランは、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2021/007264号パンフレット又は米国特許出願公開第2016/0136199号明細書に開示されるα-1,3-分岐酵素、或いは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%これらのGTF酵素のいずれかのアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を含むGTFを使用する適切な反応でα-1,3-分岐することができる。
本開示の本明細書の誘導体のグラフトコポリマー前駆体は、少なくとも約30%のα-1,3グリコシド結合を含む1つ以上のα-グルカン側鎖を含む。
いくつかの態様におけるα-グルカン側鎖は、約又は少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のα-1,3グリコシド結合を含み得る。従って、いくつかの態様では、α-グルカン側鎖は、約70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又は0%、又は約それ未満のα-1,3ではないグリコシド結合を含む。典型的には、α-1,3でないグリコシド結合は、ほとんど又は全部がα-1,6である。側鎖内に存在するα-1,3結合のパーセントが高くなるほど、側鎖内で分岐点の一部であり得る特定の結合の発生率が低くなるため、側鎖が直鎖状である確率が高くなることが理解されるであろう。いくつかの態様では、α-グルカン側鎖は、分岐点を有さない、又は側鎖のグリコシド結合のパーセトとして約5%、4%、3%、2%、又は1%未満の分岐点を有する。
本明細書のα-グルカン側鎖を生成するのに有用であると考えられるグルコシルトランスフェラーゼ、反応条件、及び/又はプロセスは、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7000000号明細書、米国特許第8871474号明細書、米国特許第10301604号明細書及び米国特許第10260053号明細書、米国特許出願公開第2020/0165360号明細書、米国特許出願公開第2019/0112456号明細書、米国特許出願公開第2019/0078062号明細書、米国特許出願公開第2019/0078063号明細書、米国特許出願公開第2018/0340199号明細書、米国特許出願公開第2018/0021238号明細書、米国特許出願公開第2018/0273731号明細書、米国特許出願公開第2017/0002335号明細書、米国特許出願公開第2015/0232819号明細書及び米国特許出願公開第2015/0064748号明細書、並びに国際公開第2017/07959号パンフレットに開示される。第2017/079595号パンフレット(これらの全ては、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
いくつかの態様における1つ以上のα-グルカン側鎖のDPw、DPn、又はDPは、約又は少なくとも約11、12、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、又は1650であり得る。DPw、DPn、又はDPは、任意選択的に、これらの値の任意の2つの間の範囲として表すことができる。単なる例として、いくつかの態様における1つ以上のα-グルカン側鎖のDPw、DPn、又はDPは、約100~1650、200~1650、300~1650、400~1650、500~1650、600~1650、700~1650、100~1250、200~1250、300~1250、400~1250、500~1250、600~1250、700~1250、100~1000、200~1000、300~1000、400~1000、500~1000、600~1000、700~1000、100~900、200~900、300~900、400~900、500~900、600~900、700~900、11~25、12~25、11~22、12~22、11~20、12~20、20~300、20~200、20~150、20~100、20~75、30~300、30~200、30~150、30~100、30~75、50~300、50~200、50~150、50~100、50~75、75~300、75~200、75~150、75~100、100~300、100~200、100~150、150~300、150~200、又は200~300であり得る。グラフトコポリマーが複数のα-グルカン側鎖を有する典型的な態様では、側鎖の個々のDPは、互いに類似している(例えば、DPの変動は、2.5%、5%、10%、15%、又は20%未満である)。
デキストラン骨格からのα-グルカン側鎖は、α-1,2、-1,3、及び/又は-1,4分岐を介してデキストランに結合することができる。本明細書のα-グルカン側鎖は、例えば、α-1,2、-1,3、及び/又は-1,4分岐点の1つ以上のタイプを介して、約、少なくとも約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、0.5~10%、0.5~7%、0.5~5%、0.5~3%、1~10%、1~7%、1~5%、1~3%、2~10%、2~7%、2~5%、又は2~3%、又は約それ未満のデキストラン骨格のグルコース単位に結合することができる。いくつかの態様では、α-グルカン側鎖は、これらの分岐点タイプの1つのみ(例えば、α-1,3)を介してデキストランに結合される。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体前駆体のα-グルカン側鎖の数は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、500、1000、2500、5000、10000、15000、又は20000であり得る、少なくともそれであり得る、又はそれ未満であり得る、いくつかの態様では、グラフトコポリマーは、約、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%、又は約それ未満のα-グルカン側鎖に伸長されたその元のデキストラン分岐/ペンダントグルコースを有する。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体のグラフトコポリマー前駆体は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2020/0165360号明細書又は国際公開第2017/079595号パンフレットに開示される酵素反応を用いて生成することができる。PCT/WO2017/079595号明細書(これは参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているような酵素反応を使用して製造することができる。このような酵素反応は、典型的には、少なくとも:(i)水、(ii)スクロース、(iii)本明細書に開示される1つ以上のデキストラン化合物、及び(iv)α-グルカンを合成するグルコシルトランスフェラーゼ酵素(例えば、側鎖合成のために本明細書に開示されるGTF酵素)を含む。この反応におけるグルコシルトランスフェラーゼ酵素によるα-グルカン合成は、少なくとも部分的に、α-グルカン合成のためのプライマー/アクセプターとしてのデキストランの使用によるものであり得る。デキストラン-α-グルカングラフトコポリマーの酵素的生成に続いて、化学的に誘導体化して、本開示のデキストラン-α-グルカングラフトコポリマー誘導体(例えば、エーテル又はエステル)を生成することができる。
いくつかの態様では、α-グルカン側鎖を生成するためのグルコシルトランスフェラーゼ酵素は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、26、28、30、34、又は59、或いは配列番号4のアミノ酸残基55~960、配列番号65の残基54~957、配列番号30の残基55~960、配列番号28の残基55~960、又は配列番号20の残基55~960と、100%同一、又は少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%同一である、アミノ酸配列を含み得、グルコシルトランスフェラーゼ活性を有し、これらのアミノ酸配列は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2019/0078063号明細書に開示される通りである。米国特許出願公開第2019/0078063号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。配列番号2、4、8、10、14、20、26、28、30、34又は配列番号4のアミノ酸残基55~960、配列番号65の残基54~957、配列番号30の残基55~960、配列番号28の残基55~960、又は配列番号20の残基55~960を含むグルコシルトランスフェラーゼ酵素は、少なくとも約90%(約100%)のα-1,3結合を含むα-グルカンを合成することができる。上記グルコシルトランスフェラーゼ酵素アミノ酸配列のいずれも、生成物収率を増加させるために、以下に記載されるように変性することができる。
本明細書のα-グルカン側鎖を生成するためのグルコシルトランスフェラーゼ酵素は、いくつかの態様では、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、又は96%の収率で不溶性α-1,3-グルカンを合成することができる。いくつかの態様では、収率は、反応のグルコシル成分に基づいて、及び/又はHPLC又はNIR分光法を用いて測定して測定することができる。収率は、例えば、約16~24時間(例えば、約20時間)行われる反応において達成することができる。このようなグルコシルトランスフェラーゼ酵素の例は、一定量のスクロース基質から、酵素がより多くの生成物(α-1,3-グルカン及びフルクトース)を生成し、副生成物(例えば、グルコース、ロイクロースなどのオリゴ糖)をより少なくするように変性されたアミノ酸配列を有する酵素である。例えば、本発明のグルコシルトランスフェラーゼの触媒ドメインの1、2、3、4つ又はそれを超えるアミノ酸残基を変性/置換して、より多くの生成物を生成する酵素を得ることができる。適切な変性グルコシルトランスフェラーゼの触媒の例は、米国特許出願公開第2019/0078063号明細書の表3~7に開示されている。例えば、変性グルコシルトランスフェラーゼ酵素は、少なくとも40%のα-1,3-グルカン収率に関連した表3~7(同上)のものに対応する1つ以上のアミノ酸置換基を含み得る(米国特許出願公開第2019/0078063号明細書に開示される通り、このような少なくとも1つの置換の位置番号付けは、配列番号62の位置番号付けに対応する)。例えば、表6又は7(同上)に示したような一連のアミノ酸変性を使用することができる。
いくつかの態様におけるα-グルカン側鎖合成のためのグルコシルトランスフェラーゼ酵素のアミノ酸配列は、酵素が、対応する親グルコシルトランスフェラーゼによって生成されるα-1,3-グルカンの分子量よりも低い分子量(DPw)を有するα-1,3-グルカンを生成するように変性されている。適切な変性グルコシルトランスフェラーゼ酵素の例は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2019/0276806号明細書の表3及び4に開示される。例えば、変性グルコシルトランスフェラーゼ酵素は、表3及び/又は4(同上)のものに対応する1つ以上のアミノ酸置換を含み得、これは、親酵素によって生成されたα-1,3-グルカンの分子量よりも少なくとも5%小さいα-1,3-グルカン生成物の分子量に関連している(このような少なくとも1つの置換の位置番号付けは、配列番号62の位置番号付けに対応する)。例えば、表4(同書)に示された一連のアミノ酸変性を使用することができる。
いくつかの態様におけるα-グルカン側鎖合成のためのグルコシルトランスフェラーゼ酵素のアミノ酸配列は、酵素が、その対応する親グルコシルトランスフェラーゼによって生成されるα-1,3-グルカンの分子量よりも高い分子量(DPw)を有するα-1,3-グルカンを生成するように変性されている。適切な変性グルコシルトランスフェラーゼ酵素の例は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2019/0078062号の表3、4及び5に開示される。例えば、変性グルコシルトランスフェラーゼ酵素は、表3、4及び/又は5(同上)のものに対応する1つ以上のアミノ酸置換を含み得、これは、親酵素によって生成されたα-1,3-グルカンの分子量よりも少なくとも5%高いα-1,3-グルカン生成物の分子量に関連している(このような少なくとも1つの置換の位置番号付けは、配列番号62の位置番号付けに対応する)。例えば、表5(同書)に示された一連のアミノ酸変性を使用することができる。
いくつかの態様では、α-グルカン側鎖合成のための変性グルコシルトランスフェラーゼは、(i)少なくとも1つのアミノ酸置換又は一連のアミノ酸置換を含み(収率又は分子量に関して上述したように)、(ii)配列番号4のアミノ酸残基55~960、配列番号65の残基54~957、配列番号30の残基55~960、配列番号28の残基55~960、又は配列番号20の残基55~960と、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%同一である、グルコシルトランスフェラーゼ触媒ドメインを含む、又はこれからなる。これらの部分配列のそれぞれは、各それぞれの参照配列のおおよその触媒ドメインであり、少なくとも約50%(例えば、≧90%又は≧95%)のα-1,3結合を含むα-1,3-グルカンを生成できると考えられている。いくつかの態様では、変性グルコシルトランスフェラーゼは、(i)少なくとも1つのアミノ酸置換又は一連のアミノ酸置換(上記のとおり)を含み、(ii)配列番号62又は配列番号4(その開始メチオニンを有しない)又は配列番号4の55~960位(およその触媒ドメイン)などのその部分配列と少なくとも約40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、69%、70%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は99.5%同一であるアミノ酸配列を含む又はこれからなる。
本明細書のグラフトコポリマー生成におけるα-1,3-グルカン側鎖を合成するのに適切な条件及び/又は成分の更なる例は、公開参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0087431号明細書、米国特許出願公開第2017/0166938号明細書及び米国特許出願公開第2017/0002335号明細書に開示される。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体のグラフトコポリマー前駆体のMw(即ち、グラフトコポリマーのデキストラン骨格とα-1,3-グルカン側鎖とを合わせたMw)は、例えば、約、少なくとも約2000、2500、5000、7500、10000、25000、50000、75000、100000、150000、200000、250000、500000、750000、1000000、1000~10000、1000~100000、1000~1000000、10000~100000、10000~1000000、又は100000~1000000ダルトン、又は約それ未満であり得る。いくつかの態様では、Mwは、例えば、約、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、10~50、10~100、10~200、10~300、10~400、10~500、10~750、10~1000、25~50、25~100、25~200、25~300、25~400、25~500、25~750、25~1000、50~100、50~200、50~300、50~400、50~500、50~750、50~1000、75~100、75~200、75~300,75~400、75~500、75~750、75~1000、100~200、100~300、100~400、100~500、100~750、100~1000、200~300、200~400、200~500、200~750、200~1000、400~500、400~750、又は400~1000百万ダルトン、又は約それ未満である。いくつかの態様では、Mwは、デキストラン骨格において本明細書に開示される重量であるが、約0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75又は2百万ダルトンを加えた重量である。本明細書の誘導体のグラフトコポリマー前駆体の多分散指数(Mw/Mn)(PDI)は、例えば、約、少なくとも約5.0、4.75、4.5、4.25、4.0、3.75、3.5、3.25、3.0、2.75、2.5、2.25、又は2.0、又は約それ未満であり得る。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体のグラフトコポリマー前駆体は、約又は少なくとも約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は99.5重量%の本明細書に開示されるデキストラン骨格を含み得、100重量%までの残りは、本明細書に開示されるα-グルカン側鎖であり得る。例えば、グラフトコポリマー前駆体は、約95重量%のデキストラン骨格と、5%のα-グルカン側鎖とを含み得る。別の例として、グラフトコポリマー前駆体は、約80重量%のデキストラン骨格と、20%のα-グルカン側鎖とを含み得る。
エーテル誘導体又はエステル誘導体(又は本明細書の他の誘導体)を生成するための本明細書のグラフトコポリマーの調製物は、グラフトコポリマーに加えて、α-グルカンホモポリマーを含み得る場合がある。いくつかの態様では、このような調製物は、約1、2、5、10、15、20、又は25重量%、又は約それ未満のα-グルカンホモポリマーを有する多糖成分を含み得、多糖成分の100重量%までの残りは、グラフトコポリマーであり得る。α-グルカンホモポリマーは、α-グルカン側鎖について本明細書に開示されるα-1,3結合プロファイルを有することができる。
グラフトコポリマー前駆体は、いくつかの態様では水不溶性であるが、他のいくつかの態様では水溶性である。
1つ以上のエーテル化有機基/置換基又はエステル化アシル基/置換基(又は本明細書の他の誘導体基)による本明細書のデキストラン-α-グルカングラフトコポリマーの置換度(DoS)は、例えば、約3.0まで、又は約0.001~約3.0であり得る。いくつかの態様におけるDoSは、約又は少なくとも約又は最大約0.001、0.0025、0.005、0.01、0.025、0.05、0.075、0.1、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9又は3.0であり得る(DoSは、任意選択的に、これらの値のいずれか2つの間の範囲として表され得る)。本明細書のDoS範囲のいくつかの例は、0.05~1.5、0.05~1.25、0.05~1.0、0.05~0.9、0.05~0.8、0.05~0.7、0.05~0.6、0.05~0.5、0.1~1.5、0.1~1.25、0.1~1.0、0.1~0.9、0.1~0.8、0.1~0.7、0.1~0.6、0.1~0.5、0.15~1.5、0.15~1.25、0.15~1.0、0.15~0.9、0.15~0.8、0.15~0.7、0.15~0.6、0.15~0.5、0.2~1.5、0.2~1.25、0.2~1.0、0.2~0.9、0.2~0.8、0.2~0.7、0.2~0.6、0.2~0.5、0.25~1.5、0.25~1.25、0.25~1.0、0.25~0.9、0.25~0.8、0.25~0.7、0.25~0.6、0.25~0.5、0.3~1.5、0.3~1.25、0.3~1.0、0.3~0.9、0.3~0.8、0.3~0.7、0.3~0.6、0.3~0.5、0.4~1.5、0.4~1.25、0.4~1.0、0.4~0.9、0.4~0.8、0.4~0.7、0.4~0.6、及び0.4~0.5を含む。誘導体基は、アニオン性、非荷電(非イオン性)、又はカチオン性であり得、基の荷電は、グラフトコポリマー誘導体が本明細書の水性組成物中に存在する場合、例えば、水性組成物のpHを更に考慮して(いくつかの態様では、pHは、4~10又は5~9であり得る)、そのままであり得る。
本明細書のデキストラン-α-グルカングラフトコポリマーのグルコースモノマー単位には最大で3つのヒドロキシル基が存在するため、グラフトコポリマー誘導体の全体のDoSは、3.0以下であり得る。本開示のグラフトコポリマー誘導体は、少なくとも1つのタイプの基(例えば、エーテル又はエステル)(例えば、約0.001~約3.0)を有するDoSを有するので、グラフトコポリマー誘導体の全ての置換基は、ヒドロキシルだけではあり得ないことが当業者には理解されるであろう。本開示の任意のグラフトコポリマー誘導体(例えば、エーテル又はエステル)は、本明細書に開示されるデキストラン-α-グルカングラフトコポリマーから誘導されることができる。
デキストラン-α-グルカングラフトコポリマー誘導体は、いくつかの態様ではエーテル誘導体である。このような誘導体は、例えば、グラフトコポリマーエーテルと呼ばれることができる。
本明細書のグラフトコポリマーにエーテル結合している有機基は、例えば、アルキル基であり得る。アルキル基は、いくつかの態様では、直鎖状、分岐状、又は環状(「シクロアルキル」又は「脂環式」)であり得る。いくつかの態様では、アルキル基は、C~C18アルキル基、又はC~C10アルキル基(「C」では、#は、アルキル基の炭素原子の数を指す)などのC~C18アルキル基である。アルキル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデカニル、テトラデカニル、ペンタデカニル、ヘキサデカニル、ヘプタデカニル、又はオクタデカニル基であり得、このようなアルキル基は、典型的に直鎖状である。いくつかの態様では、アルキル基の1つ以上の炭素を別のアルキル基で置換して、アルキル基を分岐させることができる。直鎖アルキル基の分岐鎖異性体の適切な例は、イソプロピル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、ネオヘキシル、2-エチルヘキシル、2-プロピルヘプチル、及びイソオクチルを含む。いくつかの態様では、アルキル基は、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、又はシクロデシル基などのシクロアルキル基である。
いくつかの態様では、本明細書のグラフトコポリマーにエーテル結合している有機基は、アルキル基の1つ以上の炭素上に置換がある置換アルキル基であり得る。置換は、1つ以上のヒドロキシル、アルデヒド、ケトン、及び/又はカルボキシル基であり得る。例えば、置換アルキル基は、ヒドロキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基であり得る。適切なヒドロキシアルキル基の例は、ヒドロキシメチル(-CHOH)、ヒドロキシエチル(例えば、-CHCHOH、-CH(OH)CH)、ヒドロキシプロピル(例えば、-CHCHCHOH、-CHCH(OH)CH、-CH(OH)CHCH)、ヒドロキシブチル及びヒドロキシペンチル基である。他の例は、ジヒドロキシメチル、ジヒドロキシエチル(例えば、-CH(OH)CHOH)、ジヒドロキシプロピル(例えば、-CHCH(OH)CHOH、-CH(OH)CH(OH)CH)、ジヒドロキシブチル及びジヒドロキシペンチル基などのジヒドロキシアルキル基(ジオール)を含む。適切なカルボキシアルキル基の例は、カルボキシメチル(-CHCOOH)、カルボキシエチル(例えば、-CHCHCOOH、-CH(COOH)CH)、カルボキシプロピル(例えば、-CHCHCHCOOH、-CHCH(COOH)CH、-CH(COOH)CHCH)、カルボキシブチル及びカルボキシペンチル基である。
いくつかの態様では、本明細書のグラフトコポリマーにエーテル結合しているアルキル基の1つ以上の炭素は、別のアルキル基による置換を有することができる。このような置換基アルキル基の例は、メチル、エチル及びプロピル基である。具体例を挙げると、有機基は、例えば、-CH(CH)CHCH基又はCHCH(CH)CH基であり得るが、これらはどちらもメチル置換基を有するプロピル基である。
様々な置換アルキル基の上記の例から明らかなように、いくつかの態様におけるアルキル基の置換(例えば、ヒドロキシ又はカルボキシ基)は、アルキル基の末端炭素原子で行うことができ、この場合、末端炭素基は、グラフトコポリマーエーテル化合物のグルコースモノマー単位にエーテル結合しているアルキル基の側の反対である。この末端置換の例は、ヒドロキシプロピル基-CHCHCHOHである。代わりに、置換は、アルキル基の内部炭素原子上にあり得る。内部置換基の例は、ヒドロキシプロピル基-CHCH(OH)CHある。アルキル基は、同じもの(例えば、2つのヒドロキシル基[ジヒドロキシル])であり得る又は異なるもの(例えば、1つのヒドロキシル基及び1つのカルボキシル基)であり得る1つ以上の置換を有することができる。
任意選択的に、本明細書のエーテル化アルキル基は、炭化水素鎖内に酸素、硫黄、及び/又は窒素などの1つ以上のヘテロ原子を含み得る。例は、アルキルグリセロールアルコキシレート部位(-アルキレン-OCHCH(OH)CHOH)、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルの開環に由来する部位、及びテトラヒドロピラニル基(例えば、ジヒドロピラン由来)を含むアルキル基を含む。更なる例は、それらの末端がシアノ基(-C≡N)で置換されたアルキル基を含み、このような置換アルキル基は、任意選択的にニトリル又はシアノアルキル基と呼ばれることができる。本明細書のシアノアルキル基の例は、シアノメチル、シアノエチル、シアノプロピル及びシアノブチル基を含む。
いくつかの態様では、エーテル化有機基は、C~C18(例えば、C~C18)アルケニル基であり、アルケニル基は、直鎖状、分岐状、又は環状であり得る。本明細書で使用される場合、用語「アルケニル基」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む炭化水素基を指す。アルケニル基の例は、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキシル、及びアリル基を含む。いくつかの態様では、アルケニル基の1つ以上の炭素は、本明細書に開示されるようなアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はジヒドロキシアルキル基による置換を有することができる。このような置換基のアルキル基は、メチル基、エチル基、及びプロピル基を含む。任意選択的に、本明細書のアルケニル基は、炭化水素鎖内に酸素、硫黄、及び/又は窒素などの1つ以上のヘテロ原子を含み得、例えば、アルケニル基は、アリルグリシジルエーテルの開環に由来する部位を含み得る。
いくつかの態様では、エーテル化有機基は、C~C18アルキニル基である。本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖及び分岐炭化水素基を指す。本明細書のアルキニル基は、例えば、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、又はヘキシニルであり得る。アルキニル基は、アルキル、ヒドロキシアルキル、及び/又はジヒドロキシアルキル基などで任意選択に置換されることができる。任意選択的に、アルキニル基は、炭化水素鎖内に酸素、硫黄、及び/又は窒素などの1つ以上のヘテロ原子を含み得る。
いくつかの態様では、エーテル化有機基は、(-CHCHO-)、(-CHCH(CH)O-)、又はそれらの混合物の繰り返し単位を含むポリエーテルであり、この場合、繰り返し単位の総数は、2~100の範囲にある。いくつかの態様では、有機基は、(-CHCHO-)3~100又は(-CHCHO-)4~100を含むポリエーテルである。いくつかの態様では、有機基は、(-CHCH(CH)O-)3~100又は(-CHCH(CH)O-)4~100を含むポリエーテルである。本明細書で使用される場合、ポリエーテル基について、値の範囲を指定する下付き文字は、繰り返し単位の潜在的な数を指定し、例えば、(CHCHO)2~100は、2~100の繰り返し単位を含むポリエーテル基を意味する。いくつかの態様では、本明細書のポリエーテル基は、メトキシ、エトキシ、又はプロポキシ基などでキャップされることができる。
いくつかの態様では、エーテル化有機基は、アリール基である。本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、単環(例えば、フェニル)、複数環(例えば、ビフェニル)、又は少なくとも1つが芳香族である複数の縮合環(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、ナフチル、アントリル、又はフェナントリル)を有する芳香族/炭素環式基を意味し、これは、メチル、エチル、又はプロピル基などのアルキル基で任意選択的に一、二、又は三置換されている。いくつかの態様では、アリール基は、C~C20アリール基である。いくつかの態様では、アリール基は、トリル(-CCH)又はキシリル[-C(CH]基などの、メチル置換アリール基である。例えば、トリル基は、p-トリル基であり得る。いくつかの態様では、アリール基は、ベンジル基(-CH-フェニル)である。本明細書のベンジル基は、ハロゲン、シアノ、エステル、アミド、エーテル、アルキル(例えば、C~C)、アリール(例えば、フェニル)、アルケニル(例えば、C~C)、又はアルキニル(例えば、C~C)基で任意選択に(典型的にはそのフェニル環上で)置換されることができる。
本明細書のグラフトコポリマーにエーテル結合している有機基は、例えば、正荷電(カチオン性)基であり得る。正荷電基は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0311935号明細書に開示されるもののいずれかであり得る。正荷電基は、例えば、置換アンモニウム基を含み得る。置換アンモニウム基の例は、構造I及びIIによって表すことができるような、1級、2級、3級及び4級アンモニウム基である。アンモニウム基は、例えば、アルキル基及び/又はアリール基で置換されることができる。いくつかの態様では、1つ、2つ、又は3つのアルキル及び/又はアリール基が存在し得る。本明細書の置換アンモニウム基のアルキル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、ヘンニコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、C25,C26,C27,C28,C29,又はC30基などの、C~C30アルキル基であり得、各アルキル基は、2つ又は3つのアルキル置換を有する態様では、同じであり得る又は異なり得る。アルキル基は、いくつかの態様では、C~C24、C~C18、C~C20、C10~C16、又はC~Cであり得る。本明細書の置換アンモニウム基のアリール基は、例えば、上記に開示された通りであり得る。いくつかの更なる態様では、アリール基は、アルキル置換基(例えば、本明細書に開示される任意のアルキル基)で任意選択的に置換されるC~C24、C12~C24、又はC~C18アリール基であり得る。
本明細書の2級アンモニウムグラフトコポリマーエーテル化合物は、いくつかの態様では(例えば、構造Iに基づいて)モノアルキルアンモニウム基を含み得る。2級アンモニウムグラフトコポリマーエーテル化合物は、いくつかの態様では、モノメチル-、モノエチル-、モノプロピル-、モノブチル-、モノペンチル-、モノヘキシル-、モノヘプチル-、モノオクチル-、モノノニル-、モノデシル-、モノウンデシル-、モノドデシル-、モノトリデシル-、モノテトラデシル-、モノペンタデシル-、モノヘキサデシル-、モノヘプタデシル-、又はモノオクタデシル-アンモニウムグラフトコポリマーエーテルなどのモノアルキルアンモニウムグラフトコポリマーエーテルであり得る。また、これらのグラフトコポリマーエーテル化合物は、それぞれ、メチル-、エチル-、プロピル-、ブチル-、ペンチル-、ヘキシル-、ヘプチル-、オクチル-、ノニル-、デシル-、ウンデシル-、ドデシル-、トリデシル-、テトラデシル-、ペンタデシル-、ヘキサデシル-、ヘプタデシル-、又はオクタデシル-アンモニウムグラフトコポリマーエーテル化合物と呼ばれることができる。
本明細書の3級アンモニウムグラフトコポリマーエーテル化合物は、いくつかの態様では(例えば、構造Iに基づいて)ジアルキルアンモニウム基を含み得る。3級アンモニウムグラフトコポリマーエーテル化合物は、いくつかの態様では、ジメチル-、ジエチル-、ジプロピル-、ジブチル-、ジペンチル-、ジヘキシル-、ジヘプチル-、ジオクチル-、ジノニル-、ジデシル-、ジウンデシル-、ジドデシル-、ジトリデシル-、ジテトラデシル-、ジペンタデシル-、ジヘキサデシル-、ジヘプタデシル-、又はジオクタデシル-アンモニウムグラフトコポリマーエーテルなどのジアルキルアンモニウムグラフトコポリマーエーテルであり得る。
本明細書の4級アンモニウムグラフトコポリマーエーテル化合物は、いくつかの態様では(例えば、構造Iに基づいて)トリアルキルアンモニウム基を含み得る。4級アンモニウムグラフトコポリマーエーテル化合物は、いくつかの態様では、トリメチル-、トリエチル-、トリプロピル-、トリブチル-、トリペンチル-、トリヘキシル-、トリヘプチル-、トリオクチル-、トリノニル-、トリデシル-、トリウンデシル-、トリドデシル-、トリトリデシル-、トリテトラデシル-、トリペンタデシル-、トリヘキサデシル-、トリヘプタデシル-、又はトリオクタデシル-アンモニウムグラフトコポリマーエーテルなどのトリアルキルアンモニウムグラフトコポリマーエーテルであり得る。
置換アンモニウム基の基の1つは、グラフトコポリマーへのエーテル結合において、1つの炭素、又は炭素鎖(例えば、30まで)を含む。この文脈における炭素鎖は、例えば直鎖状であり得る。このような炭素又は炭素鎖は、例えば、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CH2(CHCH-、-CH2(CHCH-、-CH2(CHCH-、-CH2(CHCH-、-CH2(CHCH-、-CH2(CHCH-、-CH2(CHCH-、-CH2(CHCH-、又は-CH2(CH10CH-で表すことができる。いくつかの態様では、この文脈における炭素鎖は、例えば、1つ以上のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、又はブチルなどの上記で開示された任意のもの)で置換されることによってなどで分岐されることができる。置換点は、炭素鎖に沿ったどこでもあり得る。分岐炭素鎖の例は、-CH(CH)CH-、-CH(CH)CHCH-、-CHCH(CH)CH-、-CH(CHCH)CH-、-CH(CHCH)CHCH-、-CHCH(CHCH)CH-、-CH(CHCHCH)CH-、-CH(CHCHCH)CHCH-及び-CHCH(CHCHCH)CH-を含み、所望により、より長い分岐炭素鎖も使用できる。いくつかの態様では、1つ以上の炭素の鎖(例えば、上記の直鎖又は分岐鎖のいずれか)は、1つ以上のヒドロキシル基で更に置換される。ヒドロキシ又はジヒドロキシ(ジオール)置換鎖の例は、-CH(OH)-、-CH(OH)CH-、-C(OH)CH-、-CHCH(OH)CH-、-CH(OH)CHCH-、-CH(OH)CH(OH)CH-、-CHCHCH(OH)CH-、-CHCH(OH)CHCH-、-CH(OH)CHCHCH-、-CHCH(OH)CH(OH)CH-、-CH(OH)CH(OH)CHCH及び-CH(OH)CHCH(OH)CH-を含む。前述の例のそれぞれにおいて、鎖の最初の炭素原子は、グラフトコポリマーのグルコースモノマーにエーテル結合し、鎖の最後の炭素原子は、正荷電基(例えば、本明細書に開示される置換アンモニウム基)に結合する。いくつかの態様における1つ以上の正荷電有機基は、トリメチルアンモニウムヒドロキシプロピル基(R、R及びRのそれぞれがメチル基である場合、構造II)であり得る。
正荷電有機基の炭素鎖が、正荷電基による置換に加えて置換を有する態様では、このような更なる置換は、例えば、1つ以上のヒドロキシル基、酸素原子(これにより、アルデヒド又はケトン基を形成する)、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル)、及び/又は更なる正荷電基によるものであり得る。正荷電基は、典型的には、炭素鎖の末端炭素原子に結合している。正荷電基はまた、いくつかの態様では、イミダゾリン環含有化合物を含み得る。
本明細書の正荷電有機基の対イオンは、酢酸塩、ホウ酸塩、臭素酸塩、臭化物、炭酸塩、塩素酸塩、塩化物、亜塩素酸塩、リン酸二水素塩、フッ化物、炭酸水素塩、リン酸水素塩、硫酸水素塩、硫化水素、亜硫酸水素塩、水酸化物、次亜塩素酸塩、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、窒化物、亜硝酸塩、シュウ酸塩、酸化物、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、リン酸塩、リン化物、亜リン酸塩、ケイ酸塩、スズ酸塩、亜スズ酸塩、硫酸塩、硫化物、亜硫酸塩、酒石酸塩、又はチオシアン酸塩アニオンなどの任意の適切なアニオンであり得る。
いくつかの態様におけるデキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエーテル化合物は、1つのタイプのエーテル化有機基を含み得る。このような化合物の例は、唯一のエーテル化有機基としてカルボキシアルキル基を含む。このような化合物の特定の非限定的な例は、カルボキシメチルグラフトコポリマーである。他の例は、唯一のエーテル化有機基としてアルキル基を含むグラフトコポリマーエーテル化合物を含む。このような化合物の特定の非限定的な例は、メチルグラフトコポリマーである。他の例は、唯一のエーテル化有機基としてジヒドロキシアルキルを含むグラフトコポリマーエーテル化合物を含む。このような化合物の特定の非限定的な例は、ジヒドロキシプロピルグラフトコポリマーである。
いくつかの態様におけるデキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエーテル化合物は、2つ以上の異なるタイプのエーテル化有機基(即ち、グラフトコポリマーの混合エーテル)を含み得る。このような化合物の例は、(i)エーテル化有機基として2つの異なるアルキル基、(ii)エーテル化有機基としてアルキル基及びヒドロキシアルキル基(アルキルヒドロキシアルキルグラフトコポリマー)、(iii)エーテル化有機基としてアルキル基及びカルボキシアルキル基(アルキルカルボキシアルキルグラフトコポリマー)、(iv)エーテル化有機基としてヒドロキシアルキル基及びカルボキシアルキル基(ヒドロキシアルキルカルボキシアルキルグラフトコポリマー)、(v)エーテル化有機基として2つの異なるヒドロキシアルキル基、(vi)エーテル化有機基として2つの異なるカルボキシアルキル基、又は(vii)カルボキシアルキル基及びアリール(例えば、ベンジル)基を含む。このような化合物の非限定的な例は、エチルヒドロキシエチルグラフトコポリマー、ヒドロキシアルキルメチルグラフトコポリマー、カルボキシメチルヒドロキシエチルグラフトコポリマー、カルボキシメチルヒドロキシプロピル、及びカルボキシメチルベンジルグラフトコポリマーを含む。混合グラフトコポリマーエーテルは、場合によっては、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2020/0002646号明細書に開示される通りであり得る。
本明細書のデキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエーテル化合物は、例えば、少なくとも1つのタイプのエーテル化非イオン性有機基と、少なくとも1つのタイプのエーテル化負荷電(アニオン性)基とを含み得る。別の例として、本明細書のグラフトコポリマーエーテル化合物は、少なくとも1つのタイプのエーテル化非イオン性有機基と、少なくとも1つのタイプのエーテル化正荷電(カチオン性)有機基とを含み得る。別の例として、本明細書のグラフトコポリマーエーテル化合物は、少なくとも1つのタイプのエーテル化アニオン性有機基(例えば、カルボキシメチルなどのカルボキシアルキル)と、少なくとも1つのタイプのエーテル化カチオン性有機基(例えば、トリメチルアンモニウムヒドロキシプロピルなどの置換アンモニウム基)とを含み得る。これら全ての態様における様々な基の例は、本開示の通りである。
本明細書のα-グルカンホモポリマーのエーテル誘導体は、本開示のグラフトコポリマーエーテルの存在下又は非存在下で、前述のモノエーテル又は混合エーテルプロファイルのいずれかを有することができる(例えば、少なくとも1つのタイプのエーテル化アニオン性有機基と、少なくとも1つのタイプのエーテル化カチオン性有機基とを含む)。α-グルカホモポリマーモノ又は混合エーテル化合物は、デキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエーテルの有無にかかわらず、本明細書に記載の任意の組成物/製品/用途に含まれることができる。
デキストラン-α-グルカングラフトコポリマー誘導体は、本開示のいくつかの態様ではエステル誘導体である。このような誘導体は、例えば、グラフトコポリマーエステルと呼ばれることができる。本明細書のエステル化アシル基(エステル基)は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0187767号明細書、米国特許出願公開第2018/0155455号明細書、又は米国特許出願公開第2020/0308371号明細書、又は国際公開第2018/098065号パンフレットなどに開示されるいずれかであり得る。
いくつかの態様におけるグラフトコポリマーの少なくとも1つのエステル基は、アシル基-CO-R’を含み得、この場合、R’は、1~26の炭素原子の鎖を含む。R’は、例えば、直鎖状、分岐状、又は環状であり得る。本明細書の直鎖状であるアシル基の例は、エタノイル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、ノナデカノイル、エイコサノイル、ウネイコサノイル、ドコサノイル、トリコサノイル、テトラコサノイル、ペンタコサノイル、及びヘキサコサノイルを含む。上記のアシル基のいくつかの一般名は、アセチル(エタノイル基)、プロピオニル(プロパノイル基)、ブチリル(ブタノイル基)、バレリル(ペンタノイル基)、カプロイル(ヘキサノイル基)、エナンチル(ヘプタノイル基)、カプリリル(オクタノイル基)、ペラルゴニル(ノナノイル基)、カプリル(デカノイル基)、ラウロイル(ドデカノイル基)、ミリスチル(テトラデカノイル基)、パルミチル(ヘキサデカノイル基)、ステアリル(オクタデカノイル基)、アラキジル(エイコサノイル基)、ベヘニル(ドコサノイル基)、リグノセリル(テトラコサノイル基)、及びセロチル(ヘキサコサノイル基)である。
いくつかの態様では、グラフトコポリマーエステルは、アリールエステルである、即ち、少なくとも1つのエステル基は、アリールエステル基である。アリールエステル基は、例えば、ベンゾイル基(-CO-C)を含み得、これは、ベンゾエート基とも呼ばれることができる。いくつかの態様におけるアリールエステル基は、以下の構造III(a)からIII(r)で表されるなどの、少なくとも1つのハロゲン(「X」、例えば、Cl、F)、アルキル、ハロゲン化アルキル、エーテル、シアノ、又はアルデヒド基、又はそれらの組み合わせで置換されたベンゾイル基を含み得る:
Figure 2023528442000004
いくつかの態様におけるデキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエステル化合物は、1つのタイプのエステル化アシル基を含み得る。このような化合物の例は、唯一のエステル化アシル基としてアセチル基を含む。更に、いくつかの態様では、グラフトコポリマーエステル化合物は、2つ以上の異なるタイプのエステル化アシル基(即ち、グラフトコポリマーの混合エステル)を含み得る。このような混合エステルの例は、少なくとも(i)アセチル及びプロピオニル基、(ii)アセチル及びブチリル基、並びに(iii)プロピオニル及びブチリル基を有するものを含む。本明細書のα-グルカンホモポリマーのエステル誘導体は、本開示のグラフトコポリマーエステルの存在下又は非存在下で、前述のモノエステル又は混合エステルプロファイルのいずれかを有することができる。α-グルカンホモポリマーモノ又は混合エステル化合物は、デキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエーテルの有無にかかわらず、本明細書に記載の任意の組成物/製品/用途に含まれることができる。
デキストラン-αグルカングラフトコポリマー誘導体は、いくつかの態様では、カルバメート、スルホニル、又はスルホン酸誘導体である(エーテル又はエステルについて上記で開示された任意のDoS機能を伴う)。例えば、グラフトコポリマー誘導体は、グラフトコポリマーへのカルバメート結合又はスルホニル結合において、本開示の1つ以上の有機基(例えば、エーテル結合又はエステル結合することができる任意のもの)を含み得る。本明細書のグラフトコポリマー誘導体のカルバメート基は、例えば、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2020/131711号パンフレット又は米国特許出願公開第63/037076号明細書に開示される通りであり得る。
いくつかの態様におけるデキストラン-α-グルカングラフトコポリマー誘導体は、カルボキシレート(カルボン酸)基を有することにより、負に荷電されることができる。カルボン酸基は、例えば、単独で(例えば、グルコースの炭素6は、-COOHであり得る)、又は(i)グラフトコポリマーにエーテル、エステル、カルバメート、又はスルホニル結合し、(ii)カルボン酸基(例えば、カルボキシメチルなどのカルボキシアルキル基)を含む有機基を介して存在し得る。いくつかの態様では、カルボキシル基は、グラフトコポリマー又はグラフトコポリマー誘導体を酸化することによって(例えば、グルコースの炭素6及び/又は置換基の炭素で)導入されることができ、酸化は、例えば、その全てが参照により本明細書に組み込まれる、加国特許出願公開第2028284号明細書又は加国特許出願公開第2038640号明細書、又は米国特許第4985553号明細書、米国特許第2894945号明細書、米国特許第5747658号明細書、又は米国特許第7595392号明細書、又は米国特許出願公開第2015/0259439号明細書、米国特許出願公開第2018/0022834号明細書、又は米国特許出願公開第2018/0079832号明細書に開示されるプロセスを介して実行できる。
本明細書のデキストラン-α-グルカングラフトコポリマー誘導体は、水溶性又は水不溶性であり得る。いくつかの態様では、約0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.030、0.31、0.32、0.33、0.34、又は0.35、又は約それ超のDoSを有するグラフトコポリマー誘導体は、水溶性であり、このようなDoS未満の場合、水不溶性である。一般に、本開示の水不溶性グラフトコポリマー誘導体は、例えば、水性吸収用途において有用であるが、水不溶性及び水可溶性グラフトコポリマー誘導体は、例えば、凝集用途において有用であると考えられる。
本明細書のデキストラン-α-グルカングラフトコポリマー誘導体は、生分解性であると考えられる。いくつかの態様では、グラフトコポリマー誘導体は、二酸化炭素発生試験法(OECDガイドライン301B)によって決定されるような、60日又は90日後に、約、少なくとも約、又は多くとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、又は80%の生分解性を有することが考えられる。いくつかの実施形態における生分解性は、アクリルアミド/ポリアクリルアミドなどの既存の材料(例えば、既存の凝集剤)に関するものであり得る。本明細書のグラフトコポリマー誘導体の生分解性は、既存の材料の生分解性よりも、約、少なくとも約、又は多くとも約10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、250%、500%、750、又は1000%高くあり得ることが考えられ、このような生分解性は、例えば、上記で決定された通りであり得る。
本明細書のデキストラン-α-グルカングラフトコポリマー誘導体の分子量は、誘導体における付加された誘導体基及びその/それらのDoSを考慮して、その事前に誘導体化された形態の分子量に基づくことができる。
組成物は、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の異なる本明細書のデキストラン-α-グルカングラフトコポリマー誘導体を含み得る。例えば、組成物は、少なくとも1つのタイプのグラフトコポリマー非イオン性エーテルと、少なくとも1つのタイプのグラフトコポリマーアニオン性エーテルとを含み得る。別の例として、組成物は、少なくとも1つのタイプのグラフトコポリマー非イオン性エーテルと、少なくとも1つのタイプのグラフトコポリマーカチオン性エーテルとを含み得る。別の例として、組成物は、少なくとも1つのタイプのグラフトコポリマーアニオン性エーテル(例えば、カルボキシメチルなどのカルボキシアルキルを有する)と、少なくとも1つのタイプのグラフトコポリマーカチオン性エーテル(例えば、トリメチルアンモニウムヒドロキシプロピルなどの置換アンモニウム基を有する)とを含み得る。これら全ての態様における異なるエーテル誘導体の更なる例は、本開示の通りである。本明細書の組成物中のグラフトコポリマー誘導体は、集合的に組成物のグラフトコポリマー誘導体成分と呼ばれることができる。いくつかの態様では、コポリマー誘導体成分は、
約5、10、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は95重量%の1つのタイプのグラフトコポリマー誘導体と、残り(100重量%まで)の少なくとも1つの他のタイプのグラフトコポリマー誘導体とを含み得る。前述の実施形態は、例えば、2つ以上の異なるα-グルカンホモポリマー誘導体を含む組成物を同様に特徴付けることができる。
本明細書のデキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエーテル又はエステル誘導体(又は本明細書の他の誘導体)は、架橋されることができる。典型的な態様では、架橋グラフトコポリマー誘導体の1つ以上の架橋は、共有結合である(即ち、グラフトコポリマー誘導体は、互いに化学的に架橋されている)。しかしながら、いくつかの態様では、1つ以上の架橋が、非共有結合であり得ると考えられる。本明細書の架橋は、少なくとも2つのグラフトコポリマー誘導体の間(即ち、分子間架橋)であり得る。いくつかの態様における架橋は、同じグラフトコポリマー誘導体の別個のα-グルカン側鎖間、及び/又は同じグラフトコポリマー誘導体のデキストラン骨格の異なるセクション間など、分子内であり得ると考えられる。更に、いくつかの態様では、デキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエーテル又はエステル誘導体(又は本明細書の他の誘導体)は、架橋されない(架橋されていない)。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体を架橋するための適切な薬剤は、塩化ホスホリル(POCl)、ポリホスフェート、トリメタリン酸ナトリウム(STMP)、ホウ素含有化合物(例えば、ホウ酸、二ホウ酸塩、四ホウ酸塩十水和物などの四ホウ酸塩、五ホウ酸塩、Polybor(登録商標)などの高分子化合物、ホウ酸アルカリ)、多価金属(例えば、乳酸チタンアンモニウム、チタントリエタノールアミン、アセチルアセトン酸チタン、又はチタンのポリヒドロキシ錯体などのチタン含有化合物、乳酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、アセチルアセトン酸ジルコニウム、ジルコニウムトリエタノールアミン、乳酸ジルコニウムジイソプロピルアミン、又はジルコニウムのポリヒドロキシ錯体などのジルコニウム含有化合物)、グリオキサール、グルタルアルデヒド、ジビニルスルホン、エピクロロヒドリン、ポリカルボン酸(例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸)、ジクロロ酢酸、ポリアミン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、及びジグリシジルエーテル(例えば、ジグリシジルエーテル自体、エチレングリコールジグリシジルエーテル[EGDGE]、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル[BDDGE]、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル[PEG2000DGEなどのPEGDE]、ビスフェノールAジグリシジルエーテル[BADGE])を含むと考えられる。適切な架橋剤の更に他の例は、全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4462917号明細書、米国特許第4464270号明細書、米国特許第4477360号明細書及び米国特許第4799550号明細書、並びに米国特許出願公開第2008/0112907号明細書に記載されている。特定の態様におけるクロスリンカーは、本明細書の水性溶媒に溶解することができる。その上、いくつかの態様では、架橋剤は、ホウ素含有化合物(例えば、上に記載されたような)ではない。
本明細書の架橋グラフトコポリマー誘導体は、均一又は不均一なグラフトコポリマー誘導体成分を含み得る。均一なグラフトコポリマー誘導体成分を有する架橋グラフトコポリマー誘導体は、例えば、特定の酵素反応及び/又は誘導体化を用いて作製されるなど、グラフトコポリマー誘導体の1つの形態、ロット、又は調製物を用いて調製することができる。不均一グラフトコポリマー誘導体成分を有する架橋グラフトコポリマー誘導体は、典型的には、例えば、グラフトコポリマー誘導体の2つ以上の異なる形態、ロット、又は調製物を使用して調製することができる。例えば、それぞれ約60重量%のデキストラン又は90重量%のデキストラン(事前に誘導体化されたグラフトコポリマーに基づく重量%)を含むグラフトコポリマー誘導体を架橋して、不均一グラフトコポリマー誘導体成分を有する架橋グラフトコポリマー誘導体を形成することができる。
いくつかの実施形態における架橋グラフトコポリマー誘導体は、α-グルカンホモポリマー誘導体を更に含み得る。このような遊離α-グルカンホモポリマー誘導体は、これらの実施形態において化学的に架橋されることができる(例えば、グラフトコポリマー誘導体と架橋される)。
本開示の架橋グラフトコポリマー誘導体は、上記の定義により、水性条件下で不溶性(水不溶性)であり得る。例えば、架橋グラフトコポリマー誘導体は、約50、60、70、80、90、100、110、又は120℃までの温度で、水又は他の水性組成物に不溶性又は完全に溶解しない可能性がある。しかしながら、いくつかの態様における架橋グラフトコポリマー誘導体は、前述の条件のいずれかの下で水溶性であり得る。
本開示の架橋グラフトコポリマー誘導体は、例えば、本明細書のグラフトコポリマー誘導体を少なくとも架橋剤及び溶媒と接触させることによって生成されることができる。このプロセス工程は、任意選択的に、使用される溶媒に応じて、水性条件下又は非水性条件下でグラフトコポリマー誘導体を架橋剤と接触させることと任意選択的に特徴付けられることができる。従って、本明細書に開示される任意の架橋剤及び/又はグラフトコポリマー誘導体を使用することができる。以下に及び実施例に開示される任意のプロセスパラメータを、これらのプロダクトバイプロセス実施形態にも同様に適用することかできる。
本明細書に更に開示されるのは、架橋デキストラン-α-グルカングラフトコポリマー誘導体を生成する方法/プロセスである。この方法は、(a)少なくとも溶媒、架橋剤、及び本開示のグラフトコポリマー誘導体を接触させ、これにより架橋グラフトコポリマー誘導体を生成する工程と、(b)任意選択的に、工程(a)で生成された架橋グラフトコポリマー誘導体を単離する工程とを含み得る。方法工程(a)は、任意選択的に、水性又は非水性条件下で(溶媒に応じて)グラフトコポリマーを架橋剤と接触させることと特徴付けられることができ、及び/又は任意選択的に、架橋反応と特徴付けられることができる。従って、本明細書に開示される任意の架橋剤及び/又はグラフトコポリマー誘導体をこの方法で使用することができる。上記のプロセス及びプロダクトバイプロセス実施形態の接触工程において、このような工程は架橋剤に架橋を作らせるのに適切な条件下で行われることが一般に望ましい。架橋反応条件の及び架橋生成物を単離するための例は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2019/0359734号明細書及び米国特許出願公開第2020/0370216号明細書、又は国際公開第2019/055397号パンフレットに開示される通りであり得る。典型的には、本明細書の架橋反応は、グラフトコポリマーの誘導体化に続いて実施されるが、いくつかの態様では、架橋は、誘導体化と同じ工程で、又は誘導体化の前に実施することができる。
本開示のいくつかの実施形態は、デキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を生成する方法に関する。このような方法(誘導体化方法)は、(a)反応において、グラフトコポリマーを、有機基を含む少なくとも1つのエーテル化剤又はエステル化剤と接触させる工程であって、少なくとも1つの有機基がグラフトコポリマーにエーテル化又はエステル化され、これによりグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を生成し、グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物は、約3.0までの置換度(DoS)を有し、グラフトコポリマーは、(i)デキストランを含む骨格と、(ii)少なくとも約30%のα-1,3グリコシド結合を含むα-グルカン側鎖とを含む工程と、(b)任意選択的に、工程(a)で生成されたグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を単離する工程とを含み得る。従って本開示の任意のグラフトコポリマーは、誘導体化法に使用されて、本明細書の任意のエーテル又はエステル誘導体を生成することができる。
本明細書のいくつかの態様は、デキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエーテル化合物の生成方法に関し、これは、任意選択的に、エーテル誘導体化法又はエーテル化反応と特徴付けられることができる。エーテル誘導体化法は、アルカリ条件下での反応において、本明細書のグラフトコポリマーを、有機基を含む少なくとも1つのエーテル化剤と接触させる工程であって、少なくとも1つの有機基がグラフトコポリマーにエーテル化され、これにより本明細書に開示されるグラフトコポリマーエーテル化合物を生成する工程を含み得る。
エーテル化反応は、例えば、最初に本明細書のグラフトコポリマーを溶媒(例えば、水又はアルコール)及び1つ以上の水酸化アルカリと接触させて、調製物(例えば、グラフトコポリマーが水酸化アルカリ溶液に溶解している溶液)を生成することによって行うことができる。従って、いくつかの態様では、エーテル化反応のアルカリ性条件は、水酸化アルカリ溶液を含み得る。アルカリ性条件のpHは、例えば、少なくとも約11.0、11.2、11.4、11.6、11.8、12.0、12.2、12.4、12.6、12.8又は13.0であり得る。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム及び/又は水酸化テトラエチルアンモニウムなどの様々な水酸化アルカリを使用できる。本明細書のグラフトコポリマー及び溶媒を用いた調製物中の水酸化アルカリの濃度は、約1~54重量%、5~50重量%、5~10重量%、10~50重量%、10~40重量%、又は10~30重量%(又は1~54重量%の間の任意の整数)、又は以下の実施例で使用される任意の濃度(又はその±10%以内)であり得る。
エーテル化反応を調製する場合に、任意選択的に溶媒に含まれることができる、又は主溶媒として使用することができる様々な有機溶媒は、例えば、アルコール(例えば、イソプロパノール)、アセトン、ジオキサン、及びトルエンを含む。有機溶媒は、水酸化アルカリを添加する前又は後に加えることができる。グラフトコポリマー及び水酸化アルカリを含む調製物中の有機溶媒の濃度は、例えば、約又は少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は90重量%(又は10から90重量%の間の任意の整数)であり得る。
エーテル化剤は、グラフトコポリマーを含むアルカリ条件下で組成物に添加することができ、又はアルカリ条件を調製するときに含まれることができる(例えば、エーテル化剤は、アルカリ剤を溶解/混合する前に、グラフトコポリマー及び溶媒と混合することができる)。エーテル化反応には、1つ以上のエーテル化剤を使用することができる。
いくつかの態様では、エーテル化反応は、水などの溶媒をほとんど(約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10重量%、又は約それ未満)含まない、又は全く含まない。このようなプロセスは、任意選択的に、ハイソリッドエーテル化(high-solids etherification)と呼ばれることができる。ハイソリッドエーテル化は、溶媒をほとんど又は全く使用しないことを除いて、上記成分のいずれかを含み得る。このプロセスは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Cationic Modification of Glucan Polymer in a High Solids Process(IP.com Disclosure No. IPCOM000256600D,Dec. 13,2018)に従って行うことができる。
アルキルグラフトコポリマーエーテル化合物を調製するのに適したエーテル化剤は、例えば、硫酸ジアルキル、炭酸ジアルキル、ハロゲン化アルキル(例えば、塩化アルキル)、ヨードアルカン、トリフル酸アルキル(トリフルオロメタンスルホン酸アルキル)及びフルオロスルホン酸アルキルを含む。従って、本明細書のメチルグラフトコポリマーエーテルを生成するためのエーテル化剤の例は、硫酸ジメチル、炭酸ジメチル、塩化メチル、ヨードメタン、トリフル酸メチル及びフルオロスルホン酸メチルを含む。本明細書のエチルグラフトコポリマーエーテルを生成するためのエーテル化剤の例は、硫酸ジエチル、炭酸ジエチル、塩化エチル、ヨードエタン、トリフル酸エチル及びフルオロスルホン酸エチルを含む。本明細書のプロピルグラフトコポリマーエーテルを生成するためのエーテル化剤の例は、硫酸ジプロピル、炭酸ジプロピル、塩化プロピル、ヨードプロパン、トリフル酸プロピル及びフルオロスルホン酸プロピルを含む。本明細書のブチルグラフトコポリマーエーテルを生成するためのエーテル化剤の例は、硫酸ジブチル、炭酸ジブチル、塩化ブチル、ヨードブタン及びトリフル酸ブチルを含む。
ヒドロキシアルキルグラフトコポリマーエーテル化合物を調製するのに適したエーテル化剤は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド(例えば、1,2-プロピレンオキシド)、ブチレンオキシド(例えば、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、1,4-ブチレンオキシド)、又はそれらの組み合わせを含む。例として、プロピレンオキシドは、本明細書でヒドロキシプロピルグラフトコポリマーエーテルを調製するためのエーテル化剤として使用することができ、エチレンオキシドは、本明細書でヒドロキシエチルグラフトコポリマーエーテルを調製するためのエーテル化剤として使用することができる。いくつかの態様では、ハロゲン化ヒドロキシアルキル(例えば、塩化ヒドロキシアルキル)を、本明細書のヒドロキシアルキルグラフトコポリマーエーテルを調製するためのエーテル化剤として使用することができる。ハロゲン化ヒドロキシアルキルの例は、ハロゲン化ヒドロキシエチル、ハロゲン化ヒドロキシプロピル(例えば、2-ヒドロキシプロピルクロリド、3-ヒドロキシプロピルクロリド)及びハロゲン化ヒドロキシブチルを含む。いくつかの態様では、アルキレンクロロヒドリンは、本明細書でヒドロキシアルキルグラフトコポリマーエーテルを調製するためのエーテル化剤として使用することができる。使用できるアルキレンクロロヒドリンは、エチレンクロロヒドリン、プロピレンクロロヒドリン、及びブチレンクロロヒドリンを含むが、これらに限定されない。
ジヒドロキシアルキルグラフトコポリマーエーテル化合物を調製するのに適したエーテル化剤は、例えば、ジヒドロキシエチルハライド、ジヒドロキシプロピルハライド(例えば、2,3-ジヒドロキシプロピルクロリド[即ち、3-クロロ-1,2-プロパンジオール])などのジヒドロキシアルキルハライド(例えば、ジヒドロキシアルキルクロリド)、及びジヒドロキシブチルハライドを含む。
本明細書のカルボキシアルキルグラフトコポリマーエーテル化合物を調製するのに適したエーテル化剤は、ハロアルキル酸(例えば、クロロアルキル酸)を含む。ハロアルキル酸の例は、ハロ酢酸(例えば、クロロ酢酸)、3-ハロプロピオン酸(例えば、3-クロロプロピオン酸)、及び4-ハロ酪酸(例えば、4-クロロ酪酸)を含む。例えば、クロロ酢酸(モノクロロ酢酸)(例えば、クロロ酢酸ナトリウム又はクロロ酢酸)をエーテル化剤として使用して、本明細書でカルボキシメチルグラフトコポリマーエーテルを調製することができる。
いくつかの態様では、エーテル化剤を使用して、正荷電有機基をグラフトコポリマーにエーテル化することができる。このようなエーテル化剤の例は、硫酸ジアルキル、炭酸ジアルキル、ハロゲン化アルキル(例えば、塩化アルキル)、ヨードアルカン、トリフル酸アルキル(トリフルオロメタンスルホン酸アルキル)、及びフルオロスルホン酸アルキルを含み、この場合、これらの試薬のそれぞれのアルキル基は、正荷電基での1つ以上の置換を有する。このようなエーテル化剤の他の例は、硫酸ジメチル、炭酸ジメチル、塩化メチル、ヨードメタン、トリフル酸メチル、及びフルオロスルホン酸メチルを含み、この場合、これらの薬剤のそれぞれのメチル基は、正荷電基で置換されている。このようなエーテル化剤の他の例は、硫酸ジエチル、炭酸ジエチル、塩化エチル、ヨードエタン、トリフル酸エチル、及びフルオロスルホン酸エチルを含み、この場合、これらの薬剤のそれぞれのエチル基は、正荷電基で置換されている。このようなエーテル化剤の他の例は、硫酸ジプロピル、炭酸ジプロピル、塩化プロピル、ヨードプロパン、トリフル酸プロピル、及びフルオロスルホン酸プロピルを含み、この場合、これらの薬剤のそれぞれのプロピル基は、正荷電基での1つ以上の置換を有する。このようなエーテル化剤の他の例は、硫酸ジブチル、炭酸ジブチル、塩化ブチル、ヨードブタン、及びトリフル酸ブチルを含み、この場合、これらの薬剤のそれぞれのブチル基は、正荷電基での1つ以上の置換を有する。
エーテル化剤は、本明細書のグラフトコポリマーエーテルを正荷電有機基でエーテル化できるものであり得、この場合、正荷電有機基の炭素鎖は、正荷電基での置換に加えて置換(例えば、ヒドロキシル基)を有する。このようなエーテル化剤の例は、ハロゲン化ヒドロキシプロピル及びハロゲン化ヒドロキシブチルなどのハロゲン化ヒドロキシアルキル(例えば、塩化ヒドロキシアルキル)を含み、この場合、これらの試薬のそれぞれの末端炭素は、正荷電基での置換を有し、例は、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-トリメチルアンモニウムである。このようなエーテル化剤の他の例は、プロピレンオキシド(例えば、1,2-プロピレンオキシド)及びブチレンオキシド(例えば、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド)などのアルキレンオキシドを含み、この場合、これらの薬剤のそれぞれの末端炭素は、正荷電基での置換を有し、例は、塩化2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウム(EPTAC)である。
上記のエーテル化剤の例のいずれかに含まれる置換アンモニウム基は、1級、2級、3級又は4級アンモニウム基であり得る。2級、3級及び4級アンモニウム基の例は、構造I(式中、R、R及びRはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基などのアルキル基を表す)で表される。置換アルキル基の例は、トリフルオロメチルである。
本明細書のエーテル化剤は、典型的には、フッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物の塩(上記のハロゲン化物のそれぞれがアニオンとして作用する)として提供できる。
2つ以上の異なる有機基を有するグラフトコポリマーエーテル化合物を生成する場合、本明細書に開示されるもののいずれかなど、2つ以上の異なるエーテル化剤を使用することができる。このような2つ以上のエーテル化剤は、同時に反応に使用することができ、又は反応に連続して使用することができる。各有機基で所望のDoSを制御するために、エーテル化剤の順次導入を選択することができる。一般に、エーテル生成物中でそれが形成する有機基が添加すべき他の有機基のDoSと比較してより高いDoSであることが所望される場合は、最初に特定のエーテル化剤が使用されるであろう。
本明細書のいくつかの態様は、デキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエステル化合物の生成方法に関し、これは、任意選択的に、エステル誘導体化法又はエステル化反応と特徴付けられることができる。エステル誘導体化法は、実質的に無水の反応で、グラフトコポリマーを、少なくとも1つの酸触媒、少なくとも1つの酸無水物、及び少なくとも1つの有機酸と接触させる工程であって、酸無水物から誘導されたアシル基は、グラフトコポリマーにエステル化される工程を含み得る。本明細書のグラフトコポリマーをエステル化するための条件及び/又は試薬は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第第2014/0187767号明細書、米国特許出願公開第2018/0155455号明細書、又は米国特許出願公開第2020/0308371号明細書、又は国際公開第2018/098065号パンフレットに開示される通りであり得る。
本明細書では、特に開示しない限り、「グラフトコポリマー誘導体材料」(及び同様の用語)は、本開示のデキストラン-α-グルカンのエーテル誘導体又はエステル誘導体の架橋及び/又は非架橋形態を包含する。
本開示のグラフトコポリマー誘導体材料は、いくつかの態様では水性液体を吸収することができる。いくつかの態様では、このような吸収材料は、カチオン性及び/又はアニオン性グラフトコポリマー誘導体を含む。水性液体は、例えば、水であり得る。いくつかの態様における水性液体は、塩溶液(食塩溶液)などの水溶液を含む。塩溶液は、任意選択的に、約又は少なくとも約.01、.025、.05、.075、.1、.25、.5、.75、.9、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.5、3.0、.5~1.5、.5~1.25、.5~1.0、.75~1.5、.75~1.25、又は.75~1.0重量%の塩を含み得る(このような重量%値は、典型的には、1つ以上の塩の総濃度を指す)。本明細書の水溶液に使用することができる塩の例は、1つ以上のナトリウム塩(例えば、NaCl、NaSO)を含む。塩の他の例は、(i)アルミニウム、アンモニウム、バリウム、カルシウム、クロム(II又はIII)、銅(I又はII)、鉄(II又はIII)、水素、鉛(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(II又はIII)、水銀(I又はII)、カリウム、銀、ナトリウム、ストロンチウム、スズ(II又はIV)又は亜鉛カチオン、及び(ii)酢酸塩、ホウ酸塩、臭素酸塩、臭化物、炭酸塩、塩素酸塩、塩化物、亜塩素酸塩、クロム酸塩、シアナミド、シアン化物、重クロム酸塩、リン酸二水素、フェリシアン化物、フェロシアン化物、フッ化物、炭酸水素、リン酸水素、硫酸水素、硫化水素、亜硫酸水素、水素化物、水酸化物、次亜塩素酸塩、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、窒化物、亜硝酸塩、シュウ酸塩、酸化物、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、過酸化物、リン酸塩、リン化物、亜リン酸塩、ケイ酸塩、スズ酸塩、亜スズ酸塩、硫酸塩、硫化物、亜硫酸塩、酒石酸塩又はチオシアン酸塩アニオンを有するものを含む。従って、例えば、上記の(i)からのカチオン、及び上記の(ii)からのアニオンを有する任意の塩が、本開示の水性液体中に存在することができる。
架橋又は非架橋の、本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料による水性液体の吸収は、例えば、材料の水保持値(WRV)を測定することによって評価することができる。本明細書のWRVは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0175811号明細書(例えば、その中の実施例7)に開示された方法論を介してなど、当技術分野で知られている任意の方法によって測定できる。簡単に言うと、本明細書の材料のWRVは、以下の式を使用して計算できる:((湿潤した材料の質量-乾燥した材料の質量)/乾燥した材料の質量)*100。WRVは、例えば、本開示の任意の水性液体に関して測定することができる。このように、用語WRVは、「水」という単語を含むが、WRVは、水溶液などの、本開示の任意のタイプの水性液体に関して測定できることが理解されるであろう。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料は、例えば、約又は少なくとも約400、500、600、700、800、900、1000、1250、1500、1750、2000、2250、2500、2750、3000、又は3300のWRVを有することができる。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体による水性液体の吸収は、例えば、以下の実施例又は米国特許第8859758号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に開示される遠心分離保持容量(CRC)を測定することによって任意選択的に評価することができる。第8859758号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に開示のような遠心分離保水能(CRC)を測定することによって任意選択的に評価することができる。本明細書のCRC値は、グラフトコポリマー誘導体材料のグラム当たりの水性流体のグラム単位(「g/g」)で提供することができる。グラフトコポリマー誘導体材料は、いくつかの態様では、約又は少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、28~33、28~32、20~25、21~24、又は22~24g/gのCRCを有することができる。対応するWRVは、所望により、CRC測定値に100を乗じることによって得ることができる。又更に、本明細書の吸収は、米国特許第8859758号明細書又はEDANA(欧州不織布協会)規格試験WSP242.2.R3(12)(これらは共に参照により本明細書に組み込まれる)に開示の方法論などにより加圧吸収率(AUL)を決定することより任意選択的に測定することができる。AUL測定値は、グラフトコポリマー誘導体材料1グラム当たりの水性流体のグラム単位(「g/g」)で提供することができ、適切な圧力(例えば、約0.5~1.0、0.75~1.0、0.80~0.85、又は0.82のpsi)下で測定することができる。
グラフトコポリマー誘導体材料の吸収性は、典型的には、誘導体化及び/又は架橋される前に存在していた材料の吸収性よりも大きいと考えられる。例えば、グラフトコポリマー誘導体材料の吸収性は、誘導体化及び/又は架橋される前に存在していた材料の吸収性よりも約又は少なくとも約2、3、4、5、6、7、又は8倍大きくあり得る。
ここでの吸収は、一定量のグラフトコポリマー誘導体材料に浸して保持できる水性液体の最大量によって任意選択的に特徴付けられることができる。グラフトコポリマー誘導体材料の少なくとも15、20、又は15~20g(グラム)水性液体/gの吸収能力を有するグラフトコポリマー誘導体材料は、いくつかの態様で超吸収性であると特徴付けられることができる。
本開示のグラフトコポリマー誘導体材料を含む組成物は、例えば、パーソナルケア製品、家庭用製品、医療用製品、摂取可能な製品、又は工業用製品の形態であり得る、又はその中に含まれ得る。この文脈では、構成成分のグラフトコポリマー誘導体材料によって示される吸収の程度に応じて、いくつかの態様における組成物/生成物を、吸収性又は超吸収性材料として使用することができる。いくつかの態様におけるパーソナルケア製品、家庭用製品、医療用製品、摂取可能な製品、又は工業用製品は、任意選択的に、少なくとも部分的に、水性液体吸収を取り扱うように設計されている。
パーソナルケア製品及び/又は水性液体吸収におけるその使用の例は、赤ちゃん用おむつ、トイレトレーニングパンツ/ライナー、失禁用製品(例えば、パッド、大人用おむつ)、及び女性用衛生製品(例えば、生理用ナプキン/パッド、タンポン、陰唇間製品、パンティライナー)などの吸収性個人衛生製品を含む。従って、いくつかの態様におけるパーソナルケア製品は、身体から排出された又は発せられた流体を吸収する及び含有するために皮膚に接触して又は皮膚近くに置くことができるパーソナルケア吸収性物品と特徴付けられることができる。従って、本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料の吸収性を利用するように適合させることができるパーソナルケア製品の例(例えば、製品にて元々使用されていた吸収性材料を置換又は補足する)は、これらの特許出願及び特許公開は全て参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第1999/037261号パンフレット、米国特許出願公開第2004/0167491号明細書、米国特許出願公開第2009/0204091号明細書、米国特許出願公開第2001/0014797号明細書、米国特許出願公開第2013/0281949号明細書、米国特許出願公開第2010/0241098号明細書、米国特許出願公開第2011/0137277号明細書、及び米国特許出願公開第2007/0287971号明細書、並びに米国特許第4623339号明細書、米国特許第2627858号明細書、米国特許第3585998号明細書、米国特許第3964486号明細書、米国特許第6579273号明細書、米国特許第6183456号明細書、米国特許第5820619号明細書、米国特許第4846824号明細書、米国特許第4397644号明細書、米国特許第4079739号明細書、米国特許第8987543号明細書、米国特許第4781713号明細書、米国特許第5462539号明細書、米国特許第8912383号明細書、米国特許第3749094号明細書、米国特許第3322123号明細書、米国特許第4762521号明細書、及び米国特許第5342343号明細書に開示される。
工業用製品及び/又は水性液体吸収におけるその使用の例は、ケーブル被覆(例えば、電力ケーブル又は電気通信ケーブルの被覆)、フードパッド、土壌に水を保持するため、及び/又は植物の根に水を放出するためなどの農業及び林業用途、消火装置、並びに酸性又は塩基性水溶液のこぼれの除去を含む。従って、本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料の吸収性を利用するように適合させることができる工業用製品の例は、米国特許出願公開第2002/0147483号明細書、米国特許出願公開第2006/0172048号明細書、米国特許出願公開第20050008737号明細書、米国特許出願公開第2008/0199577号明細書、米国特許出願公開第2012/0328723号明細書、及び米国特許出願公開第2004/0074271号明細書、並びに米国特許第5906952号明細書、米国特許第7567739号明細書、米国特許第5176930号明細書、米国特許第6695138号明細書、米国特許第4865855号明細書、米国特許第7459501号明細書、米国特許第5456733号明細書、米国特許第9089730号明細書、米国特許第5849210号明細書、米国特許第7670513号明細書、米国特許第7670513号明細書、米国特許第5683813号明細書、米国特許第5342543号明細書、米国特許第4840734号明細書、及び米国特許第4894179号明細書に開示され、これらの特許出願及び特許公開は全て参照により本明細書に組み込まれる。
医療用製品及び/又は水性液体吸収におけるその使用の例は、包帯及び外科用パッドなどの創傷治癒包帯、病院用ベッドシーツ、生理用タオル/パッド、制御された薬物放出装置、細胞固定島、三次元細胞培養基材、再生医療のための生理活性スキャフォールド、ストマックバルキング装置(stomach bulking device)、及び規制薬物の廃棄を含む。本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料の吸収性を利用するように適合させることができる医療用製品の例は、これらの特許出願及び特許公開は、国際公開第1998/046159号パンフレット、米国特許出願公開第2005/0256486号明細書、米国特許出願公開第20030070232号明細書及び米国特許出願公開第20040128764号明細書、並びに米国特許第6191341号明細書、米国特許第7732657号明細書、米国特許第4925453号明細書、米国特許第9161860号明細書、米国特許第3187747号明細書、及び米国特許第5701617号明細書に開示され、全て参照により本明細書に組み込まれる。
一部のパーソナルケア製品、家庭用製品、医療用製品、摂取可能な製品、及び/又は工業用製品などのいくつかの態様の製品は、尿、血液、血清、液状糞便物(例えば、下痢)、胆汁、胃酸/胃液、嘔吐物、羊水、母乳、脳脊髄液、滲出液、リンパ液、粘液(例えば、鼻漏、痰)、腹水、胸膜液、膿汁、カタル性分泌物、唾液、喀痰、滑液、汗、及び/又は涙などの体液を吸収することができる。
少なくとも、本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料、又はこのような材料を含む製品を水性液体含有組成物と接触させることを含む吸収方法が、本明細書で開示され、この場合、材料/製品は、液体含有組成物から水性液体を吸収する。水性液体を含む組成物は、本明細書に開示されるような任意のものであり得る。例えば、このような組成物は、尿、血液、血清、液状糞便物、胆汁、胃酸/胃液、嘔吐物、羊水、母乳、脳脊髄液、滲出液、リンパ液、粘液、腹水、胸膜液、膿汁、カタル性分泌物、唾液、喀痰、滑液、汗、涙、水、又は生理食塩水であり得る。いくつかの態様では、吸収方法は、材料/生成物が組成物から水性液体を吸収した後に、水性液体含有組成物から材料/生成物を除去する工程を更に含む。
本開示のいくつかの態様は、(a)本明細書のグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物(又は本明細書の他の誘導体)を、懸濁固体/粒子を含む水性組成物に混合し、これにより、懸濁固体/粒子の少なくとも一部が凝集する工程と、(b)任意選択的に、(a)の凝集固体/粒子を水性組成物から分離する工程と、を含む凝集又は脱水方法に関する。従って、本明細書のグラフトコポリマー誘導体は、任意選択的に、凝集剤、脱水剤、清澄剤、及び/又は脱曇剤と特徴付けられることができる。処理された組成物の凝集粒子は、典型的には、沈降する(凝結する)、又は少なくとも分離手順(例えば、濾過)により影響を受けやすくなる。可溶性グラフトコポリマーエーテルを凝集方法で使用することができるが、不溶性グラフトコポリマーエーテルをいくつかの態様で使用することができる。典型的には、凝集用途のための本明細書のグラフトコポリマー誘導体は、(i)生分解性であり、且つ/又は(ii)架橋されていない。
1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の異なるタイプの本明細書のグラフトコポリマー誘導体は、例えば、凝集方法において使用することができる。いくつかの態様では、グラフトコポリマー誘導体が、使用される唯一の凝集剤であるが、他の態様では、別のタイプの凝集剤(例えば、アクリルアミドなどの市販の既存の凝集剤)に加えて、グラフトコポリマー誘導体を使用することができる。これらの後者の態様では、グラフトコポリマー誘導体は、例えば、水性組成物に添加される全ての凝集剤の約又は少なくとも約30、40、50、60、70、80、又は90重量%を構成することができる。
懸濁固体/粒子を含む水性組成物において工程(a)で混合されるグラフトコポリマー誘導体の量は、例えば、懸濁固体1kg(乾燥固形分基準)当たり、約又は少なくとも約2、4、6、8、10、12、14、2~14、2~12、2~10、2~8、4~14、4~12、4~10、4~8、6~14、6~12、6~10、6~8、8~14、8~12、又は8~10gであり得る。水溶性グラフトコポリマー誘導体は、典型的には、混合工程(a)の後に水性組成物に溶解されることが理解されるであろう。混合は、任意の標準的な手段で行うことができる。
グラフトコポリマー誘導体で処理された懸濁固体を有する水性組成物の温度及びpHは、水性組成物において本明細書に開示される任意の温度及びpHであり得る。いくつかの態様では、pHは、約4、5、6、7、8、9、10、4~10、5~9、又は6~8であり得、及び/又は温度は、約1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、5~80、5~70、5~60、5~50、5~40、5~30、15~80、15~70、15~60、15~50、15~40、又は15~30℃であり得る。グラフトコポリマー誘導体を水性組成物に加えて混合すると、懸濁固体の沈降は、例えば、約又は少なくとも約0.5、1、2、3、4、5、6、9、12、18、24、30、36、42、又は48時間などで開始することができる。
いくつかの態様では、グラフトコポリマー誘導体で処理した後に沈降する(即ち、もはや懸濁されない)最初に懸濁した固体のパーセントは、約又は少なくとも約30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98、99、又は100重量%である。典型的には、本明細書の凝集剤は、沈降した粒子が、より少ない空間を占有することを可能にする。例えば、本明細書のグラフトコポリマー誘導体で水性組成物(最初に懸濁粒子を有する)を処理した後の沈降粒子の総体積は、凝集剤の助けを借りずに(各系の他の全ての条件は同じである)水性組成物に沈降する沈降粒子の総体積の約90%、80%、70%、60%又は50%、又は約それ未満であり得る。以下の実施例に記載の方法など、任意の適切な方法を使用して沈降体積を決定することができる。
いくつかの態様では、懸濁固体/粒子を有する水性組成物の濁度(即ち、濁った、不透明の、及び/又は懸濁物質で濃厚な液体の品質)、色及び/又は不透明度は、本明細書のグラフトコポリマー誘導体で処理した場合。約又は少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、又は75%減少することができる。濁度は、例えば、比濁分析濁度単位(NTU)で測定することができる。参照により本明細書に組み込まれる、Progress in Filtration and Separation(Edition:1,Chapter 16.Turbidity:Measurement of Filtrate and Supernatant Quality?,Publisher:Academic Press,Editors:E.S.Tarleton,July 2015)に開示される方法論など、任意の適切な方法を使用して濁度を測定できる。本明細書において、液体の色を測定するために、例えば、分光比色法又は光電比色法などの任意の適切な方法を使用することができる。
いくつかの態様では、懸濁固体/粒子を有する水性組成物の濾過性は、本明細書のグラフトコポリマー誘導体で処理すると向上/増大することができる。液体組成物の濾過性は、キャピラリー吸引時間を測定するなどの任意の適切な方法を使用して測定することができる(例えば、以下の実施例で実施されるように)。いくつかの態様では、懸濁固体/粒子を有する水性組成物のキャピラリー吸引時間(例えば、秒単位で測定)は、本明細書のグラフトコポリマー誘導体で処理した場合、約又は少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は85%減少させることができる。以下の実施例に記載の方法など、任意の適切な方法を使用して、液体のキャピラリー吸引時間を測定することができる。
本明細書で凝集に供することができる懸濁粒子は、典型的にはコロイド粒子(即ち、安定に懸濁している未溶解の粒子[固体])である。従って、本明細書の凝集方法に供することができる水性組成物は、例えば、コロイドであり得る。本開示の凝集剤で処理できる懸濁固体/粒子を含む水性組成物は、例えば、廃水(例えば、都市、産業、農業)、排水/下水、汚泥(例えば、活性汚泥)、水体(body of water)からの水(例えば、川/小川、運河、堀、池、湿地、湖、海)、プールの水、冷却水、沈殿物(例えば、粘土沈殿物)及び/又は土壌を含む水、飲料用に処理される水、又は製紙プロセス(例えば、パルプ凝集)に存在するような繊維及び/又はフィラーを含む水であり得る。産業廃水の例は、製紙工場又は掘削/採掘作業からのものである。いくつかの態様では、懸濁固体は、細菌、酵母、及び/又は藻類などの微生物細胞(生きている及び/又は死んでいる)を含み得る。本明細書の凝集は、醸造(例えば、その発酵後の麦汁)、チーズカード形成又は大豆カード(豆腐)生成などの食品又は飲料生成プロセス中に存在する水性組成物に適用できると考えられる。開示された凝集方法を組み込むことができるシステム/操作には、例えば、廃水/排水/汚泥処理、製紙、浄水、土壌調整、及び/又は採掘/掘削/坑内作業、又は凝集を使用する任意の他のシステム/操作を含む。
本明細書の凝集方法は、処理された水性組成物から凝集した固体/粒子を分離する工程を任意選択的に更に含む。このような工程は、例えば、沈降/沈殿、濾過、遠心分離、及び/又はデカントを含み得る。
本開示のグラフトコポリマー誘導体材料は、水性組成物(例えば、コロイド分散物などの分散物)又は乾燥組成物などの組成物中において、例えば、約、少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.2、0.25、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.75、0.8、0.9、1.0、1.2、1.25、1.4、1.5、1.6、1.75、1.8、2.0、2.25、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98又は99重量%又はw/v%、又は約それ未満、或いはこれらの値のいずれか2つの間の範囲で存在し得る。水性組成物の液体成分は、例えば、水又は水溶液などの水性流体であり得る。水溶液の溶媒は、典型的には、水である、又は例えば、約又は少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、98又は99重量%の水を含み得る。
いくつかの態様における水性組成物の水溶液は、(検出可能な)溶解した糖を有さない、又は約0.1~1.5、0.1~1.25、0.1~1.0、0.1~.75、0.1~0.5、0.2~0.6、0.3~0.5、0.2、0.3、0.4、0.5又は0.6重量%の溶解した糖を有する。このような溶解した糖は、例えば、スクロース、フルクトース、ロイクロース及び/又は可溶性グルコ-オリゴ糖を含み得る。いくつかの態様における水性組成物の水溶液は、例えば、1つ以上の塩/緩衝液(例えば、Na、Cl、NaCl、リン酸塩、トリス、クエン酸塩)(例えば、≦0.1、0.5、1.0、2.0、又は3.0重量%)、及び/又は約4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、4.0~9.0、4.0~8.5、4.0~8.0、5.0~9.0、5.0~8.5、5.0~8.0、6.0~9.0、6.0~8.5、又は6.0~8.0、又は約それ未満のpHを有することができる。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を含む水性組成物は、例えば、約又は少なくとも約5、10、100、200、300、400、500、600、700、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、又は15000センチポアズ(cps)の粘度を有することができる。粘度は、例えば、約3℃~約80℃のいずれかの温度(例えば、4~30℃、15~30℃、15~25℃)で水性組成物を用いて測定される通りであり得る。粘度は、典型的には、大気圧(約760トル)又はその±10%である圧力で測定される。粘度は、例えば、粘度計又はレオメーターを使用して測定することができ、例えば、任意選択的に、約0.1、0.5、1.0、5、10、50、100、500、1000、0.1~500、0.1~100、1.0~500、1.0~1000、又は1.0~100s-1(1/s)の剪断速度(回転剪断速度)で測定されるものであり得る。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を含む組成物(例えば、水性組成物)の温度は、例えば、約、又は最大約0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、5~50、20~25、20~30、20~40、30~40、40~130、40~125、40~120、70~130、70~125、70~120、80~130、80~125、80~120、60~100、60~90、70~100、70~90、75~100、75~90、又は75~85℃であり得る。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を含む組成物は、いくつかの態様では、非水性(例えば、乾燥組成物)であり得る。このような実施形態の例は、粉末、顆粒、マイクロカプセル、フレーク又は微粒子物質の任意の他の形態を含む。他の例は、例えば、ペレット、バー、カーネル、ビーズ、タブレット、スティック又は他の凝固体などのより大きい組成物を含む。非水性又は乾燥組成物は、典型的には、約12、10、8、6、5、4、3、2、1.5、1.0、0.5、0.25、0.10、0.05又は0.01重量%又は約それ以下の水をその中に含む。いくつかの態様(例えば、洗濯又は食器洗浄洗剤に関するもの)において、本明細書の乾燥組成物は、小袋又はポーチ中に提供され得る。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を含む組成物は、いくつかの態様では、ナトリウム塩(例えば、NaCl、NaSO)などの1つ以上の塩を含み得る。塩の他の非限定的な例は、(i)アルミニウム、アンモニウム、バリウム、カルシウム、クロム(II又はIII)、銅(I又はII)、鉄(II又はIII)、水素、鉛(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(II又はIII)、水銀(I又はII)、カリウム、銀、ナトリウム、ストロンチウム、スズ(II又はIV)、又は亜鉛カチオン、及び(ii)酢酸塩、ホウ酸塩、臭素酸塩、臭化物、炭酸塩、塩素酸塩、塩化物、亜塩素酸塩、クロム酸塩、シアナミド、シアン化物、重クロム酸塩、リン酸二水素、フェリシアン化物、フェロシアン化物、フッ化物、炭酸水素、リン酸水素、硫酸水素、硫化水素、亜硫酸水素、水素化物、水酸化物、次亜塩素酸塩、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、硝酸塩、窒化物、亜硝酸塩、シュウ酸塩、酸化物、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、過酸化物、リン酸塩、リン化物、亜リン酸塩、ケイ酸塩、スズ酸塩、亜スズ酸塩、硫酸塩、硫化物、亜硫酸塩、酒石酸塩又はチオシアン酸塩アニオンを有するものを含む。従って、例えば、上記(i)からのカチオン及び上記(ii)からのアニオンを有する任意の塩が、組成物中に含まれ得る。塩は、本明細書の水性組成物中において、例えば、約又は少なくとも約.01、.025、.05、.075、.1、.25、.5、.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0、2.5、3.0、3.5、.01~3.5、.5~3.5、.5~2.5又は.5~1.5重量%(このような重量%値は、典型的には、1つ以上の塩の合計濃度を指す)の重量%で存在し得る。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を含む組成物は、任意選択的に、1つ以上の活性酵素を含み得る。適切な酵素の例は、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、脂肪分解酵素(例えば、金属脂肪分解酵素)、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ(例えば、アリールエステラーゼ、ポリエステラーゼ)、ペルヒドロラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ(例えば、コリンオキシダーゼ)、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、メラナーゼ、ベータ-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、メタロプロテイナーゼ、アマドリアーゼ、グルコアミラーゼ、アラビノフラノシダーゼ、フィターゼ、イソメラーゼ、トランスフェラーゼ、ヌクレアーゼ及びアミラーゼを含む。酵素を含む場合、酵素は、例えば、(例えば、純粋酵素タンパク質として計算して)約0.0001~0.1重量%(例えば、0.01~0.03重量%)の活性酵素で本明細書の組成物中に含まれ得る。織物ケア用途では、酵素(例えば、セルラーゼなどの上記のいずれか)は、例えば、その中で織物が処理される水性組成物(例えば、洗浄液)中において、最少約0.01~0.1ppmの全酵素タンパク質又は約0.1~10ppb(例えば、1ppm未満)の全酵素タンパク質から最大で約100、200、500、1,000、2,000、3,000、4,000又は5,000ppmの全酵素タンパク質の濃度で存在し得る。
水性組成物又は非水性組成物(上記)などの本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を含む組成物は、例えば、全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2018/0022834号明細書、米国特許出願公開第2018/0237816号明細書、米国特許出願公開第2018/0230241号明細書、米国特許出願公開第20180079832号明細書、米国特許出願公開第2016/0311935号明細書、米国特許出願公開第2016/0304629号明細書、米国特許出願公開第2015/0232785号明細書、米国特許出願公開第2015/0368594号明細書、米国特許出願公開第2015/0368595号明細書、米国特許出願公開第2016/0122445号明細書、又は米国特許出願公開第2019/0202942号明細書、或いは国際公開第2016/133734号パンフレット及び国際公開第2017/218391号パンフレットのいずれかに記載されるなどの、家庭用ケア製品、パーソナルケア製品、工業用製品、摂取可能な製品(例えば、食品)、又は医薬品の形態であり得る。いくつかの態様では、グラフトコポリマー誘導体材料を含む組成物は、前述の刊行物のいずれかで開示される且つ/又は本開示の、家庭用ケア製品、パーソナルケア製品、工業用製品、医薬品、又は摂取可能な製品(例えば、食品)の少なくとも1つの成分/内容物を含み得る。
本明細書に開示されるグラフトコポリマー誘導体材料は、パーソナルケア製品、医薬品、家庭用製品、工業用製品、又は摂取可能な製品(例えば、食品)に以下の物理的特性の1つ以上を提供するのに有用であると考えられる:例えば、増粘、凍結融解安定性、潤滑性、水分の保持及び放出、質感、稠度、形状保持性、乳化特性、結合性、懸濁性、分散性、ゲル化性、鉱物硬度の低減。製品中のグラフトコポリマー誘導体材料の濃度又は量の例は、例えば、本明細書で提供される重量パーセントのいずれかであり得る。
本明細書のパーソナルケア製品は、特に限定されるものではないが、例えば、スキンケア組成物、化粧品組成物、抗真菌性組成物及び抗菌性組成物を含む。本明細書のパーソナルケア製品は、例えば、ローション、クリーム、ペースト、鉱油、軟膏、ポマード、ジェル、リキッド、それらの組み合わせなどの形態であり得る。本明細書に開示されたパーソナルケア製品は、所望により、少なくとも1つの活性成分を含み得る。活性成分は、一般に、意図した薬理学的効果を引き起こす成分であると認識されている。
特定の実施形態では、スキンケア製品は、水分不足に関連する皮膚のダメージに対処するために皮膚に適用することができる。スキンケア製品は、皮膚の外観に対処するため(例えば、鱗状、ひび割れ及び/又は赤みがかった皮膚の外観を減らすため)及び/又は皮膚の触感に対処するため(例えば、皮膚の滑らかさ及び繊細さを改善しながら、皮膚の粗さ及び/又は乾燥度を減らすため)にも使用され得る。スキンケア製品は、典型的には、化粧効果を提供しながら、皮膚の病気を治療又は予防するため又は皮膚に保湿効果を提供するための少なくとも1つの活性成分、例えば、酸化亜鉛、ワセリン、白色ワセリン、鉱油、タラ肝油、ラノリン、ジメチコン、硬質脂肪、ビタミンA、アラントイン、カラミン、カオリン、グリセリン又はコロイド状オートミール及びそれらの組み合わせを含み得る。スキンケア製品は、1つ以上の天然保湿要素、例えば、セラミド、ヒアルロン酸、グリセリン、スクアラン、アミノ酸、コレステロール、脂肪酸、トリグリセリド、リン脂質、グリコスフィンゴ脂質、尿素、リノール酸、グリコサミノグリカン、ムコ多糖、乳酸ナトリウム又はピロリドンカルボン酸ナトリウムを含み得る。スキンケア製品に含まれ得る他の成分は、限定されるものではないが、グリセリド、杏仁油、キャノーラ油、スクアラン、スクアレン、ココナツ油、コーン油、ホホバ油、ホホバワックス、レシチン、オリーブ油、ベニバナ油、ゴマ油、シアバター、大豆油、甘扁桃油、ヒマワリ油、ティーツリー油、シアバター、パーム油、コレステロール、コレステロールエステル、ワックスエステル、脂肪酸及びオレンジ油を含む。スキンケア製品は、いくつかの態様では、軟膏、ローション、又は消毒剤(例えば、手の消毒剤)であり得る。
本明細書のパーソナルケア製品は、例えば、メーキャップ、リップスティック、マスカラ、ルージュ、ファンデーション、チーク、アイライナー、リップライナー、リップグロス、他の化粧品、サンスクリーン、サンブロック、マニキュア液、ネイルコンディショナー、バスジェル、シャワージェル、ボディソープ、洗顔料、リップバーム、スキンコンディショナー、コールドクリーム、保湿剤、ボディースプレー、石鹸、ボディスクラブ、落屑剤、収れん剤、スクラッフィングローション、脱毛剤、パーマネント液、ふけ防止配合物、制汗組成物、デオドラント、シェービング製品、プレシェーブ製品、アフターシェーブ製品、クレンジング剤、スキンジェル、リンス、歯磨き組成物、練り歯磨き又はマウスウォッシュの形態でもあり得る。パーソナルケア製品の例(例えば、クレンジング剤、石鹸、スクラブ、化粧品)は、担体又はスクラブ剤(例えば、ホホバビーズ[ホホバエステルビーズ])(例えば、約1~10、3~7、4~6又は5重量%)を含み、このような作用物質は、任意選択的に、製品内に分散され得る。
いくつかの態様におけるパーソナルケア製品は、ヘアケア製品であり得る。本明細書のヘアケア製品の例は、シャンプー、ヘアコンディショナー(リーブイン又はリンスアウト)、クリームリンス、染毛剤、ヘアカラー製品、ヘアシャイン製品、ヘアセラム、髪の縮れ防止製品、枝毛修復製品、ムース、ヘアスプレー(ヘアスタイリングスプレー)、及びスタイリングジェルを含む。いくつかの実施形態では、ヘアケア製品は、リキッド、ペースト、ジェル、固体又は粉末の形態であり得る。本開示のヘアケア製品は、典型的には、ヘアケア製品の配合に一般に使用される以下の成分:アニオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、カチオン性界面活性剤、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム及び/又は塩化ジステアリルトリメチルアンモニウム、ノニオン性界面活性剤、例えば、グリセリルモノステレアレート、ソルビタンモノパルミテート及び/又はポリオキシエチレンセチルエーテル、湿潤剤、例えば、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ピログルタミン酸塩、アミノ酸及び/又はトリメチルグリシン、炭化水素、例えば、液体パラフィン、ワセリン、固形パラフィン、スクアラン及び/又はオレフィンオリゴマー、高級アルコール、例えば、ステアリルアルコール及び/又はセチルアルコール、過脂肪剤、ふけ防止剤、消毒剤、抗炎症剤、生薬、水溶性ポリマー、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース及び/又は部分脱アセチル化キチン、防腐剤、例えば、パラベン、紫外線吸収剤、パール化剤、pH調整剤、香料、並びに顔料の1つ以上を含む。
本明細書の医薬品は、例えば、エマルジョン、リキッド、エリキシル、ジェル、懸濁剤、液剤、クリーム又は軟膏の形態であり得る。また、本明細書の医薬品は、本明細書に開示されたパーソナルケア製品のいずれかの形態、例えば、抗菌又は抗真菌組成物などの形態であり得る。医薬品は、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤及び/又は薬学的に許容される塩を更に含み得る。本明細書に開示されるグラフトコポリマー誘導体材料は又、カプセル、封入剤、錠剤、錠剤コーティング、及び医薬品及び薬物の賦形剤として使用することができる。
本明細書の家庭用及び/又は工業用製品は、例えば、ドライウォールテープ接合化合物、モルタル、グラウト、セメントプラスター、スプレープラスター、セメントスタッコ、接着剤、ペースト、壁/天井結着剤、テープキャスティング、押出成形、射出成形及びセラミック用バインダー及び加工助剤、殺虫剤、除草剤及び肥料用スプレー粘着剤及び懸濁化/分散助剤、織物ケア製品、例えば、織物用柔軟剤及び洗濯用洗剤、硬質表面洗浄剤、空気清浄剤、ポリマーエマルジョン、ラテックス、ゲル、例えば、水性ゲル、界面活性剤溶液、塗料、例えば、水性塗料、保護コーティング、接着剤、シーラント及びコーキング剤、インク、例えば、水性インク、金属切削液、フィルム又はコーティング、又は電気めっき、リン酸塩処理、亜鉛めっき及び/又は一般の金属洗浄作業で使用するエマルジョン系金属洗浄液の形態であり得る。いくつかの態様では、グラフトコポリマー誘導体材料は、粘度調整剤及び/又は摩擦低減剤として流体に含まれ、このような用途は、例えば、坑内作業/流体(例えば、水圧破砕及び石油回収の向上において)を含む。
本明細書のいくつかの態様は、(i)海水などの塩水、又は(ii)本開示の少なくとも1つの水溶性グラフトコポリマー誘導体を有する、約2.0、2.25、2.5、2.75、3.0、3.25、3.5、3.75、4.0、2.5~4.0、2.75~4.0、3.0~4.0、2.5~3.5、2.75~3.5、3.0~3.5、3.0~4.0、又は3.0~3.5重量%の1つの塩又は塩の組み合わせ(例えば、少なくともNaClを含む)を有する水溶液に関する。(i)又は(ii)のこのような水中のグラフトコポリマー誘導体の濃度は、例えば、約、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、0.1~0.6、0.1~0.5、0.1~0.4、0.1~0.3、又は0.1~0.2重量%、又は約それ未満であり得る。典型的には、このような水性組成物中の塩濃度が比較的高いにもかかわらず、本明細書のグラフトコポリマー誘導体は、完全に又は大部分が溶液のままであり得、粘度をもたらすことができる。本明細書のグラフトコポリマーエーテルによって粘度変性された(i)又は(ii)のこのような溶液は、このような溶液を利用するシステム(例えば、坑内作業などの本明細書のいずれか)内で使用されるようなものであり得る。
本明細書に開示されるグラフトコポリマー誘導体材料は、パーソナルケア製品、医薬品、家庭用製品、工業用製品、又は摂取可能な製品(例えば、食品)に、所望の程度の増粘及び/又は分散を提供する量で含まれ得る。製品中のグラフトコポリマー誘導体材料の濃度又は量の例は、上記の重量パーセントのいずれかである。
本明細書に開示される組成物は、織物ケア組成物などの洗剤組成物の形態であり得る。本明細書の織物ケア組成物は、手洗い、洗濯機洗浄及び/又は他の目的、例えば、織物の浸漬及び/又は前処理などの他の目的のために使用することができる。織物ケア組成物は、例えば、洗濯用洗剤、織物コンディショナー、任意の洗濯用製品、リンス用製品又は乾燥機添加製品、単位用量又はスプレーの形態を取り得る。液状の織物ケア組成物は、本明細書に開示される水性組成物の形態であり得る。他の態様では、織物ケア組成物は、乾燥形態、例えば、顆粒状洗剤又は乾燥機添加織物柔軟剤シートなどの乾燥形態であり得る。本明細書の織物ケア組成物の他の非限定的な例は、顆粒状又は粉末状の万能又は強力洗浄剤、液体、ジェル又はペースト形態の万能又は強力洗浄剤、液体又はドライの微細(例えば、繊細)繊維用洗剤、例えば、漂白用添加物、「ステインスティック」又は前処理剤などのクリーニング補助剤、基質積載製品、例えば、ドライワイプ又はウェットワイプ、パッド又はスポンジ、スプレー剤及びミスト剤を含む。
本明細書の洗剤組成物は、例えば、粉末、顆粒、ペースト、バー、単位用量又は液体などの任意の有用な形態であり得る。液体洗剤は、典型的には、最大で約70重量%までの水及び0重量%~約30重量%の有機溶媒を含む水性であり得る。液体洗剤は、水を約30重量%のみ含むコンパクトジェル型の形態でもあり得る。
本明細書の洗剤組成物は、典型的には、1つ以上の界面活性剤を含み、界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、半極性ノニオン性界面活性剤及びそれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、洗剤組成物の約0.1重量%~約60重量%の濃度で存在し、別の実施形態では、濃度は、約1重量%~約50重量%であり、更に他の実施形態では、濃度は、約5重量%~約40重量%である。洗剤は、通常、0重量%~約50重量%のアニオン性界面活性剤、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)、αオレフィンスルホン酸(AOS)、アルキル硫酸(高級アルコール硫酸エステル)(AS)、アルコールエトキシサルフェート(AEOS又はAES)、2級アルカンスルホン酸(SAS)、αスルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル-又はアルケニルコハク酸又は石鹸を含むであろう。更に、洗剤組成物は、任意選択的に、0重量%~約40重量%の非イオン性界面活性剤、例えば、(例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第92/06154号パンフレットに記載されている)アルコールエトキシレート(AEO又はAE)、カルボキシル化アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミン、脂肪酸モノエタノールアミド又はポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミドを含み得る。
本明細書の洗剤組成物は、典型的には、1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含む。いくつかの態様では、例えば、本明細書に開示されたいずれかなどの1つ以上の更なるビルダーと一緒に使用されるコビルダーとして、酸化ポリα-1,3-グルカンを含み得る。本明細書で使用するための酸化ポリα-1,3-グルカン化合物は、米国特許出願公開第2015/0259439号明細書に開示される。少なくとも1つのビルダーを組み込むいくつかの実施形態では、洗浄組成物は、ビルダーを組成物の少なくとも約1重量%、約3重量%~約60重量%又は更に約5重量%~約40重量%含む。ビルダーは、(酸化ポリα-1,3-グルカンに加えて)アルカリ金属、ポリリン酸のアンモニウム塩及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属炭酸塩、アルミノケイ酸塩、ポリカルボン酸塩化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、マレイン酸無水物とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン-2,4,6-トリスルホン酸及びカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸の様々なアルカリ金属、アンモニウム及び置換アンモニウム塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸など、並びにポリカルボン酸塩、例えば、メリット酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5-トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸及びこれらの可溶塩などを含むが、これらに限定されない。実際に、本開示の様々な実施形態では、任意の適切なビルダーの使用が見られると考えられている。洗剤ビルダー又は錯化剤の更なる例は、ゼオライト、二リン酸塩、三リン酸塩、ホスホン酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTMPA)、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸、可溶性ケイ酸塩又は層状ケイ酸塩(例えば、Hoechst製のSKS-6)を含む。
いくつかの実施形態では、ビルダーは、クエン酸塩及びポリリン酸塩(例えば、トリポリリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウム六水和物、トリポリリン酸カリウム、及び混合トリポリリン酸ナトリウム・カリウムなど)などの水溶性の硬質イオン錯体(例えば、金属イオン封鎖ビルダー)を形成する。いずれの適切なビルダーも、当技術分野において既知のビルダーも含めて、本開示で使用が見られると考えられる(例えば、欧州特許第2100949号明細書を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、適切なビルダーは、リン酸塩ビルダー及び非リン酸塩ビルダーを含み得る。いくつかの実施形態では、ビルダーは、リン酸塩ビルダーである。いくつかの実施形態では、ビルダーは、非リン酸塩ビルダーである。ビルダーは、組成物の0.1重量%~80重量%、又は5重量%~60重量%、又は10重量%~50重量%の濃度で使用され得る。いくつかの実施形態では、製品は、リン酸塩ビルダー及び非リン酸塩ビルダーの混合物を含む。適切なリン酸塩ビルダーは、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩又はオリゴマーポリリン酸塩、例えば、これらの化合物のアルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩を含む。いくつかの実施形態では、ビルダーは、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)であり得る。更に、組成物は、炭酸塩及び/又はクエン酸塩、好ましくは中性pH組成物を達成するのに役立つクエン酸塩を含み得る。他の適切な非リン酸塩ビルダーは、ポリカルボン酸及びこれらの部分又は完全中和塩のホモポリマー及びコポリマー、モノマーポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸並びにそれらの塩を含む。いくつかの実施形態では、上記化合物の塩は、アンモニウム塩及び/又はアルカリ金属塩、即ち、リチウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩、例えば、ナトリウム塩を含む。適切なポリカルボン酸は、非環式、脂環式、複素環式及び芳香族カルボン酸を含むが、この場合、いくつかの実施形態では、それらは、それぞれの場合に一部の例では2つ以下の炭素原子によって相互から分離できる少なくとも2つのカルボキシル基を含むことができる。
本明細書の洗剤組成物は、少なくとも1つのキレート剤を含み得る。適切なキレート剤は、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。少なくとも1つのキレート剤を使用する実施形態では、組成物は、組成物の約0.1重量%~約15重量%又は更に約3.0重量%~約10重量%のキレート剤を含む。
本明細書の洗剤組成物は、少なくとも1つの沈着助剤を含み得る。適切な沈着助剤は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカルボン酸塩、防汚ポリマー、例えば、ポリテレフタル酸、粘土、例えば、カオリナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、イライト、ベントナイト、ハロイサイト及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
本明細書の洗剤組成物は、1つ以上の染料移動阻害剤を含み得る。適切なポリマー染料移動阻害剤は、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドン及びN-ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。更なる染料移動阻害剤は、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドン及びN-ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール並びに/又はそれらの混合物を含む。そのキレート剤の例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、ヒドロキシ-エタン二リン酸(HEDP)、エチレンジアミンN,N’-ジコハク酸(EDDS)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド(HPNO)、又はメチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸N,N-二酢酸(N,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩)(GLDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸、クエン酸及びそれらの任意の塩、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)並びに単独又は上記のいずれかと組み合わせて使用できるそれらの誘導体を含む。少なくとも1つの染料移動阻害剤を使用する実施形態では、本明細書の組成物は、組成物の約0.0001重量%~約10重量%、約0.01重量%~約5重量%又は更に約0.1重量%~約3重量%を含み得る。
本明細書の洗剤組成物は、ケイ酸塩を含み得る。これらの実施形態のいくつかにおいて、ケイ酸ナトリウム(例えば、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及び/又は結晶性フィロケイ酸塩)の使用が見られる。いくつかの実施形態では、ケイ酸塩は、組成物の約1重量%~約20重量%の濃度で存在する。一部の実施形態では、ケイ酸塩は、組成物の約5重量%~約15重量%の濃度で存在する。
本明細書の洗剤組成物は、分散剤を含み得る。適切な水溶性有機材料は、ポリカルボン酸が2つ以下の炭素原子で相互から分離された少なくとも2つのカルボキシル基を含むホモポリマー酸又はコポリマー酸又はそれらの塩を含むが、これらに限定されない。
本明細書の洗剤組成物は、例えば、追加的に1つ以上の上記で開示された酵素を含み得る。いくつかの態様では、洗剤組成物は、それぞれが組成物の約0.00001重量%~約10重量%の濃度にある1つ以上の酵素及び残りの量のクリーニング補助物質を含み得る。いくつかの他の態様では、洗剤組成物は、各酵素を組成物の約0.0001重量%~約10重量%、約0.001重量%~約5重量%、約0.001重量%~約2重量%又は約0.005重量%~約0.5重量%の濃度でも含み得る。本明細書の洗剤組成物に含まれる酵素は、従来の安定剤、例えば、プロピレングリコール又はグリセロールなどのポリオール、糖又は糖アルコール、乳酸、ホウ酸又はホウ酸誘導体(例えば、芳香族ホウ酸エステル)を用いて安定化され得る。
いくつかの態様における洗剤組成物は、本明細書に開示されるグラフトコポリマー誘導体材料に加えて、1つ以上の他のタイプのポリマーを含み得る。本明細書で有用なポリマーの他のタイプの例は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デキストラン、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリカルボキシレート、例えば、ポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーを含む。
本明細書の洗剤組成物は、漂白系を含み得る。例えば、漂白系は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)又はノナノイルオキシベンゼンスルホン酸(NOBS)などの過酸形成漂白活性化剤と結合することのできる、過ホウ酸塩又は過炭酸塩などのH源を含み得る。代わりに、漂白系は、ペルオキシ酸(例えば、アミド、イミド又はスルホンタイプのペルオキシ酸)を含み得る。代わりに更に、漂白系は、例えば、国際公開第2005/056783号パンフレットに記載された系などのペルヒドロラーゼを含む酵素的漂白系であり得る。
本明細書の洗剤組成物は、織物コンディショナー、粘土、起泡力増進剤、抑泡剤、防食剤、汚れ懸濁剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、変色防止剤、蛍光増白剤又は香料などの従来の洗剤成分も含み得る。本明細書の洗剤組成物の(使用濃度で水溶液中において測定した)pHは、通常、中性又はアルカリ性(例えば、約7.0~約11.0のpH)である。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料は、所望により、再付着防止剤及び/又は粘土汚れ除去剤として、織物ケア組成物などの洗剤組成物に含まれることができると考えられる(このような薬剤は、特定の態様において、白色度維持剤と任意選択的に特徴付けられることができる)。本明細書の他の適切な再付着防止剤及び/又は粘土汚れ除去剤の例は、ポリエトキシ両性イオン性界面活性剤、アクリル酸又はメタクリル酸とアクリル酸又はメタクリル酸-酸化エチレン凝縮体との水溶性コポリマー(例えば、米国特許第3719647号明細書)、セルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース(例えば、米国特許第3597416号明細書及び米国特許第3523088号明細書)、並びにノニオン性アルキルポリエトキシ界面活性剤、ポリエトキシアルキル4級カチオン性界面活性剤及び脂肪酸アミド界面活性剤を含む混合物(例えば、米国特許第4228044号明細書)を含む。他の適切な再付着防止剤及び粘土汚れ除去剤の非限定的な例は、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4597898号明細書及び米国特許第4891160号明細書、並びに国際公開第95/32272号パンフレットに開示される。
本明細書に開示される目的に適合させることができる洗剤組成物の特定の形態は、例えば、その全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20090209445A1号明細書、米国特許出願公開第20100081598A1号明細書、米国特許第7001878B2号明細書、欧州特許第1504994B1号明細書、国際公開第2001085888A2号パンフレット、国際公開第2003089562A1号パンフレット、国際公開第2009098659A1号パンフレット、国際公開第2009098660A1号パンフレット、国際公開第2009112992A1号パンフレット、国際公開第2009124160A1号パンフレット、国際公開第2009152031A1号パンフレット、国際公開第2010059483A1号パンフレット、国際公開第2010088112A1号パンフレット、国際公開第2010090915A1号パンフレット、国際公開第2010135238A1号パンフレット、国際公開第2011094687A1号パンフレット、国際公開第2011094690A1号パンフレット、国際公開第2011127102A1号パンフレット、国際公開第2011163428A1号パンフレット、国際公開第2008000567A1号パンフレット、国際公開第2006045391A1号パンフレット、国際公開第2006007911A1号パンフレット、国際公開第2012027404A1号パンフレット、欧州特許第1740690B1号明細書、国際公開第2012059336A1号パンフレット、米国特許第6730646B1号明細書、国際公開第2008087426A1号パンフレット、国際公開第2010116139A1号パンフレット、及び国際公開第2012104613A1号パンフレットに開示される。
本明細書の洗濯用洗剤組成物は、任意選択的に、強力(万能)洗濯用洗剤組成物であり得る。典型的な強力洗濯用洗剤組成物は、アニオン性洗浄性界面活性剤(直鎖、又は分岐鎖、又はランダム鎖の置換又は未置換硫酸アルキル、スルホン酸アルキル、アルキルアルコキシル化スルフェート、リン酸アルキル、ホスホン酸アルキル、カルボン酸アルキル及び/又はそれらの混合物の群から選択される)、及び任意選択的に非イオン性界面活性剤(直鎖、又は分岐鎖、又はランダム鎖の置換又は未置換アルキルアルコキシル化アルコール、例えば、C8~C18アルキルエトキシル化アルコール及び/又はC6~C12アルキルフェノールアルコキシレートの群から選択される)を含む、洗浄性界面活性剤(10重量/重量%~40重量/重量%)を含み、この場合、アニオン性洗浄性界面活性剤(6.0~9の親水性指数(HIc)を備える)対非イオン性洗浄性界面活性剤の重量比は1:1より大きい。適切な洗浄性界面活性剤は、カチオン性洗浄性界面活性剤(アルキルピリジニウム化合物、アルキル4級アンモニウム化合物、アルキル4級ホスホニウム化合物、アルキル三元スルホニウム化合物及び/又はそれらの混合物の群から選択される)、両性イオン性及び/又は両性洗浄性界面活性剤(アルカノールアミンスルホ-ベタインの群から選択される)、両性界面活性剤、半極性ノニオン性界面活性剤並びにそれらの混合物も含む。
強力洗濯用洗剤組成物などの本明細書の洗剤は、任意選択的に、両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマー(分岐状親水性及び疎水性を有するアルコキシル化ポリマー、例えば、0.05重量%~10重量%の範囲のアルコキシル化ポリアルキレンイミンなどの群から選択される)及び/又はランダムグラフトポリマー(典型的には、不飽和C1~C6カルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位、アルコキシ単位、無水マレイン酸、グリセロールなどの飽和ポリアルコール及びそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含む親水性骨格と、C4~C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C1~C6モノ-カルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC1~C6アルキルエステル及びそれらの混合物からなる群から選択される疎水性側鎖とからなる)からなる界面活性増強性ポリマーを含み得る。
強力洗濯用洗剤組成物などの本明細書の洗剤は、任意選択的に、更なるポリマー、例えば、防汚ポリマー(例えば、SRP1などの非イオン性で末端キャップされたポリエステル、ランダム又はブロック構造にある、糖、ジカルボン酸、ポリオール及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのモノマー単位を含むポリマー、ランダム又はブロック構造にあるエチレンテレフタレートをベースとするポリマー及びそれらのコポリマー、例えば、REPEL-O-TEX SF、SF-2及びSRP6、TEXCARE SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325、MARLOQUEST SLを含む)、本明細書の再付着防止剤(0.1重量%~10重量%)を含み得、カルボキシレートポリマー、例えば、アクリル酸、マレイン酸(又はマレイン酸無水物)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸及びそれらの混合物任意の混合物から選択される少なくとも1つのモノマーを含むポリマー、ビニルピロリドンホモポリマー、及び/又はポリエチレングリコール(500~100,000Daの範囲内の分子量)、並びにポリマーカルボキシレート(例えば、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマー)を含む。
強力洗濯用洗剤組成物などの本明細書の洗剤は、任意選択的に、飽和又は不飽和脂肪酸、好ましくは飽和又は不飽和C12~C24脂肪酸(0重量%~10重量%)、沈着助剤(その例は、多糖、セルロースポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムハロゲン化物(DADMAC)、及びランダム又はブロック構造にあるDAD MACとビニルピロリドン、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリウムハロゲン化物及びそれらの混合物とのコポリマー、カチオン性グアールガム、カチオン性デンプン、カチオン性ポリアクリルアミド、及びそれらの混合物を含む)を更に含み得る。
強力洗濯用洗剤組成物などの本明細書の洗剤は、任意選択的に、その例として、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドン及びN-ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール並びに/又はそれらの混合物を含む染料移動阻害剤、その例として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)、ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンN,N’-ジコハク酸(EDDS)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド(HPNO)又はメチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸N,N-二酢酸(N,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸、クエン酸及びそれらの任意の塩、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)及びそれらの誘導体を含むキレート剤を含み得る。
強力洗濯用洗剤組成物などの本明細書の洗剤は、任意選択的に、シリコン又は脂肪酸をベースとする石鹸泡抑制剤、ぼかし染料、カルシウムカチオン及びマグネシウムカチオン、視覚的シグナル伝達成分、消泡剤(0.001重量%~約4.0重量%)、並びに/又はジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ゲランガム及びそれらの混合物からなる群から選択される構造化剤/増粘剤(0.01重量%~約5重量%)を含み得る。このような構造化剤/増粘剤は、いくつかの態様では、洗剤に含まれるグラフトコポリマー誘導体材料に加えられるであろう。構造化剤を構造剤と呼ぶこともできる。
本明細書の洗剤は、例えば、強力乾燥/固体洗濯用洗剤組成物の形態であり得る。このような洗剤は、(i)洗浄性界面活性剤、例えば、本明細書に開示された任意のアニオン性洗浄性界面活性剤、本明細書に開示された任意のノニオン性洗浄性界面活性剤、本明細書に開示された任意のカチオン性洗浄性界面活性剤、本明細書に開示された任意の両性イオン性及び/又は両性洗浄性界面活性剤、任意の両性界面活性剤、任意の半極性ノニオン性界面活性剤並びにそれらの混合物、(ii)ビルダー、例えば、任意の無リンビルダー(例えば、0重量%~10重量%未満の範囲内のゼオライトビルダー)、任意のリン酸塩ビルダー(例えば、0重量%~10重量%未満の範囲内のトリポリリン酸ナトリウム)、クエン酸、クエン酸塩及びニトリロ三酢酸、任意のケイ酸塩(例えば、0重量%~10重量%未満の範囲内のケイ酸ナトリウム又はカリウム又はメタケイ酸ナトリウム)、任意の炭酸塩(例えば、0重量%~80重量%未満の範囲内の炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウム)及びそれらの混合物、(iii)漂白剤、例えば、光漂白剤(例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料及びそれらの混合物)、任意の疎水性又は親水性漂白活性化剤(例えば、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸、デカノイルオキシ安息香酸又はそれらの塩、3,5,5-トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸、テトラアセチルエチレンジアミン-TAED、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸-NOBS、ニトリルクアット及びそれらの混合物)、過酸化水素の任意の供給源(例えば、その例は過ホウ酸塩、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩又は過ケイ酸塩のモノ又はテトラハイドレートナトリウム塩を含む無機ペルハイドレート塩)、任意の予備形成親水性及び/又は疎水性過酸(例えば、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキソ一硫酸及び塩並びにそれらの混合物)、並びに/又は(iv)任意の他の成分、例えば、漂白触媒(例えば、その例はイミニウムカチオン及びポリイオン、イミニウム両性イオン、改質アミン、改質アミンオキシド、N-スルホニルイミン、N-ホスホニルイミン、N-アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、ペルフルオロイミン、環状糖ケトン及びそれらの混合物を含むイミン系漂白増強剤)並びに金属含有漂白触媒(例えば、亜鉛又はアルミニウムなどの補助金属カチオン及び例えば、EDTA、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)などの金属イオン封鎖剤と一緒に、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン又はマンガンカチオン)を含み得る。
例えば、織物のケア(例えば、洗濯)のためのものなどの本明細書の洗剤は、単位用量(例えば、小袋又はポーチ)に含まれ得る。単位用量の形態は、液体又は固体洗剤組成物を完全に封入する水溶性外側フィルムを含み得る。単位用量は、単一の区画又は少なくとも2つ、3つ又はそれを超える(複数の)区画を含み得る。複数の区画は、重ね合わせる向き又は横並びの向きに配置され得る。本明細書の単位用量は、典型的には、水との接触前に含有物を放出することなく、その含有物の保持及び保護のために適切ないずれかの形態/形状の閉鎖構造である。
本明細書に開示された組成物は、例えば、食器洗い用洗剤組成物の形態であり得る。食器洗い用洗剤の例は、自動食器洗い機用洗剤(典型的には食器洗い機で使用される)及び手洗い食器用洗剤を含む。食器洗い用洗剤組成物は、例えば、本明細書に開示された任意の乾燥又は液体/水性形態であり得る。食器洗い用洗剤組成物の特定の実施形態に含まれ得る成分は、例えば、リン酸塩、酸素系又は塩素系漂白剤、ノニオン性界面活性剤、アルカリ性塩(例えば、メタケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム)、本明細書で開示される任意の活性酵素、防錆剤(例えば、ケイ酸ナトリウム)、消泡剤、セラミックスからの艶及び模様の除去を減速するための添加物、香料、固化防止剤(顆粒状洗剤中)、デンプン(錠剤系洗剤中)、ゲル化剤(液体/ジェル系洗剤中)、並びに/又は砂(粉末状洗剤)の1つ以上を含む。
自動食器洗い機用洗剤又は液体食器洗い用洗剤などの食器洗い用洗剤は、(i)0~10重量%の量で存在する任意のエトキシル化非イオン性界面活性剤、アルコキシル化アルコール界面活性剤、エポキシキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール又はアミンオキシド界面活性剤を含む非イオン性界面活性剤、(ii)約5~60重量%の範囲内の、任意のリン酸塩ビルダー(例えば、一リン酸塩、二リン酸塩、トリポリリン酸塩、他のオリゴマーポリリン酸塩、ナトリウムトリポリリン酸塩-STPP)、任意の無リンビルダー(例えば、メチル-グリシン二酢酸[MGDA]及びそれらの塩又は誘導体、グルタミン-N,N-二酢酸[GLDA]及びそれらの塩又は誘導体、イミノ二コハク酸(IDS)及びそれらの塩又は誘導体、カルボキシメチルイヌリン及びそれらの塩又は誘導体、ニトリロ三酢酸[NTA]、ジエチレントリアミン五酢酸[DTPA]、B-アラニン二酢酸[B-ADA]及びそれらの塩を含むアミノ酸ベースの化合物)、ポリカルボン酸及びそれらの部分又は完全中和塩のホモポリマー及びコポリマー、0.5重量%~50重量%の範囲内のモノマーポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸及びそれらの塩又は約0.1重量%~約50重量%の範囲内のスルホン化/カルボキシル化ポリマーを含むビルダー、(iii)0.1重量%~約10重量%の範囲内の乾燥助剤(例えば、任意選択的に又別の3~6つの官能基-典型的には重縮合を誘導する酸、アルコール又はエステル官能基を備えるモノマーと一緒にポリエステル、特にアニオン性ポリエステル、ポリカーボネート-、ポリウレタン-及び/又はポリウレア-ポリオルガノシロキサン化合物又はそれらの、特に反応性環状炭酸塩及びウレアタイプの前駆体化合物)、(iv)約1重量%~約20重量%の範囲内のケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム又はカリウム、例えば、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及び結晶性フィロケイ酸塩)、(v)無機漂白剤(例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩及び過ケイ酸塩などのペルハイドレート塩)及び/又は有機漂白剤(例えば、ジアシル-及びテトラアシルペルオキシド、特にジペルオキシドデカン二酸、ジペルオキシテトラデカン二酸、及びジペルオキシヘキサデカン二酸などの有機ペルオキシ酸)、(vi)漂白活性化剤(例えば、約0.1重量%~約10重量%の範囲内の有機過酸前駆体)及び/又は漂白触媒(例えば、マンガントリアザシクロノナン及び関連錯体、Co、Cu、Mn及びFeビスピリジルアミン及び関連錯体、及びペンタミンコバルト(III)酢酸塩及び関連錯体)、(vii)約0.1重量%~5重量%の範囲内の金属ケア剤(例えば、ベンザトリアゾール、金属塩及び錯体及び/又はケイ酸塩)、及び/又は(viii)自動食器洗い機用洗剤組成物1グラム当たり約0.01~5.0mgの範囲内の活性酵素の本明細書に開示された任意の活性酵素並びに酵素安定化剤(例えば、オリゴ糖、多糖及び無機二価金属塩)を含み得る。
食器のケアのためのものなどの本明細書の洗剤は、例えば、単位用量(例えば、小袋又はポーチ)に含まれ得、織物ケア洗剤に関して上記された通りであり得るが、適切な食器洗剤組成物を含み得る。
本明細書に開示される組成物は、例えば、口腔ケア組成物の形態であり得る。口腔ケア組成物の例は、何らかの形態の口腔ケア(例えば、虫歯[う蝕]、歯肉炎、歯垢、歯石及び/又は歯周疾患の治療又は予防)を提供する歯磨き剤、練り歯磨き、洗口液、口内洗浄剤、チューインガム及び可食ストリップを含む。口腔ケア組成物は、舌の表面、硬口蓋又は軟口蓋、頬粘膜、歯肉及び歯表面などを含む口腔内の柔らかい又は硬い表面を全て包含する「口腔面」の治療に用いることもできる。本明細書の「歯表面」は、例えば、天然歯の表面、又はクラウン、キャップ、詰め物、ブリッジ、義歯又は歯科用インプラントなどの人工歯の硬質表面である。
本明細書の口腔ケア組成物は、例えば、約0.01~15.0重量%(例えば、約0.1~10重量%又は約0.1~5.0重量%、約0.1~2.0重量%)の本明細書に開示されるグラフトコポリマー誘導体材料を含み得る。口腔ケア組成物に含まれるグラフトコポリマー誘導体材料は、組成物に所望の稠度及び/又は口当たりを与えるのに有用であり得る増粘剤及び/又は分散剤としてその中に提供されることができる場合がある。本明細書の口腔ケア組成物には、例えば、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン(例えば、L-カラギーナン)、天然ゴム(例えば、カラヤ、キサンタン、アラビアゴム、トラガカント)、コロイド状ケイ酸マグネシウムアルミニウム又はコロイドシリカなどの1つ以上の他の増粘剤又は分散剤も提供することができる。
本明細書の口腔ケア組成物は、例えば、練り歯磨き又は他の歯磨き剤であり得る。本明細書のこのような組成物及び他の任意の口腔ケア組成物は、限定はされないが、追加して虫歯予防薬、抗微生物剤又は抗菌剤、抗歯石剤又は歯石防止剤、界面活性剤、研磨剤、pH調節剤、起泡調節剤、保湿剤、香味剤、甘味料、顔料/着色料、増白剤及び/又は他の適切な成分の1つ以上を含み得る。本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を加えることができる口腔ケア組成物の例は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2006/0134025号明細書、米国特許出願公開第2002/0022006号明細書及び米国特許出願公開第2008/0057007号明細書に開示される。
本明細書の虫歯予防薬は、経口的に許容されるフッ化物イオン源であり得る。適切なフッ化物イオン源は、例えば、フッ素化合物、モノフルオロリン酸塩及びフルオロケイ酸塩並びにオラフルル(N’-オクタデシルトリメチレンジアミン-N,N,N’-トリス(2-エタノール)-ジヒドロフルオリド)を含むアミンフッ化物を含む。虫歯予防薬は、例えば、組成物に全体で約100~20000ppm、約200~5000ppm又は約500~2500ppmのフッ化物イオンを与える量で存在し得る。フッ化ナトリウムがフッ化物イオンの単独源である場合の口腔ケア組成物では、例えば、約0.01~5.0重量%、約0.05~1.0重量%又は約0.1~0.5重量%の量のフッ化ナトリウムが組成物中に存在し得る。
本明細書の口腔ケア組成物の使用に適切な抗微生物剤又は抗菌剤は、例えば、フェノール化合物(例えば、4-アリルカテコール、ベンジルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン及びプロピルパラベンなどのp-ヒドロキシ安息香酸エステル、2-ベンジルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、カプサイシンン、カルバクロール、クレオソール、オイゲノール、グアイアコール、ヘキサクロロフェン及びブロモクロロフェンなどのハロゲン化ビスフェノール、4-ヘキシルレゾルシノール、8-ヒドロキシキノリン及びその塩、サリチル酸メンチル、サリチル酸メチル及びサリチル酸フェニルなどのサリチル酸エステル、フェノール、ピロカテコール、サリチルアニリド、チモール、トリクロサン及びトリクロサン一リン酸などのハロゲン化ジフェニルエーテル化合物)、銅(II)化合物(例えば、塩化銅(II)、フッ化物、硫酸塩及び水酸化物)、亜鉛イオン源(例えば、亜鉛酢酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、グリシン酸塩、酸化物及び硫酸塩)、フタル酸及びその塩(例えば、フタル酸マグネシウム一カリウム)、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、塩化ベンザルコニウム、臭化ドミフェン、塩化アルキルピリジニウム(例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化テトラデシルピリジニウム、塩化N-テトラデシル-4-エチルピリジニウム)、ヨウ素、スルホンアミド、ビスビグアニド(例えば、アレキシジン、クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン)、ピペリジン誘導体(例えば、デルモピノール、オクタピノール)、マグノリア抽出物、グレープシード抽出物、ローズマリー抽出物、メンソール、ゲラニオール、シトラール、オイカリプトール、抗生物質(例えば、オウグメンチン、アモキシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、メトロニダゾール、ネオマイシン、カナマイシン、クリンダマイシン)、及び/又は参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5776435号明細書に開示された任意の抗菌剤を含む。1つ以上の抗微生物剤は、任意選択的に、開示された口腔ケア組成物中において、例えば、約0.01~10重量%(例えば、0.1~3重量%)で存在し得る。
本明細書の口腔ケア組成物の使用に適切な抗歯石剤又は歯石防止剤は、例えば、リン酸塩及びポリリン酸塩(例えば、ピロリン酸塩)、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリペプチド(例えば、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸)、ポリオレフィンスルホン酸塩、ポリオレフィンリン酸塩、ジホスホン酸塩(例えば、アザシクロヘプタン-2,2-ジホスホン酸などのアザシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸塩)、N-メチルアザシクロペンタン-2,3-ジホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸(EHDP)、エタン-1-アミノ-1,1-ジホスホン酸塩並びに/又はホスホノアルカンカルボン酸及びその塩(例えば、そのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩)を含む。有用な無機リン酸塩及びポリリン酸塩は、例えば、一塩基性、二塩基性及び三塩基性リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸塩、ピロリン酸一ナトリウム、二ナトリウム、三ナトリウム及び四ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、三メタリン酸ナトリウム、六メタリン酸ナトリウム又はそれらのナトリウムがカリウム又はアンモニウムで置換されたものを含む。特定の実施形態における他の有用な抗歯石剤は、アニオン性ポリカルボン酸塩ポリマー(例えば、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸コポリマーなどのアクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸のポリマー又はコポリマー)を含む。更に他の有用な抗歯石剤は、ヒドロキシカルボン酸などの金属イオン封鎖剤(例えば、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸及びシュウ酸並びにそれらの塩)及びアミノポリカルボン酸(例えば、EDTA)を含む。1つ以上の抗歯石剤又は歯石防止剤は、開示された口腔ケア組成物中において、任意選択的に、例えば、約0.01~50重量%(例えば、約0.05~25重量%又は約0.1~15重量%)で存在し得る。
本明細書の口腔ケア組成物での使用に適切な界面活性剤は、例えば、アニオン性、非イオン性又は両性であり得る。適切なアニオン性界面活性剤は、限定はされないが、C8~20アルキル硫酸塩の水溶性塩、C8~20脂肪酸のスルホン化モノグリセリド、サルコシン酸塩及びタウリン酸塩を含む。アニオン性界面活性剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油モノグリセリドスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、ラウレスカルボン酸ナトリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む。適切な非イオン性界面活性剤は、限定はされないが、ポロキサマー、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、脂肪アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、3級アミン酸化物、3級ホスフィン酸化物及びジアルキルスルホキシドを含む。適切な両性界面活性剤は、限定はされないが、カルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩又はホスホン酸塩などのアニオン基を有する、C8~20の2級及び3級脂肪族アミンの誘導体を含む。適切な両性界面活性剤の一例は、ココアミドプロピルベタインである。1つ以上の界面活性剤は、開示された口腔ケア組成物中において、任意選択的に、例えば、約0.01~10重量%(例えば、約0.05~5.0重量%又は約0.1~2.0重量%)の総量で存在する。
本明細書の口腔ケア組成物中での使用に適切な研磨剤は、例えば、シリカ(例えば、シリカゲル、ケイ酸、沈降シリカ)、アルミナ、不溶性リン酸塩、炭酸カルシウム及び樹脂研磨剤(例えば、尿素-ホルムアルデヒド縮合生成物)を含み得る。本明細書の研磨剤として有用な不溶性リン酸塩の例は、オルトリン酸塩、ポリメタリン酸塩及びピロリン酸塩であり、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸ベータ-カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウム及び不溶性ポリメタリン酸ナトリウムである。1つ以上の研磨剤は、開示された口腔ケア組成物中において、任意選択的に、例えば、約5~70重量%(例えば、約10~56重量%又は約15~30重量%)の総量で存在する。特定の実施形態における研磨剤の平均粒径は、約0.1~30ミクロン(例えば、約1~20ミクロン又は約5~15ミクロン)である。
特定の実施形態における口腔ケア組成物は、少なくとも1つのpH調節剤を含み得る。このような薬剤は、約2~10のpH範囲(例えば、約2~8、3~9、4~8、5~7、6~10又は7~9のpH範囲)に組成物のpHを酸性化する、より塩基性にする又は緩衝するために選択され得る。本明細書で有用なpH調節剤の例は、限定はされないが、カルボン酸、ホスホン酸及びスルホン酸、酸塩(例えば、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、マレイン酸一ナトリウム)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、セスキ炭酸塩)、ホウ酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩(例えば、リン酸一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸塩)、及びイミダゾールを含む。
本明細書の口腔ケア組成物での使用に適切な起泡調節剤は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)であり得る。例えば、約200000~7000000(例えば、約500000~5000000又は約1000000~2500000)の平均分子量を有するPEGを含む高分子量PEGが適切である。1つ以上のPEGは、任意選択的に、開示された口腔ケア組成物中において、例えば、約0.1~10重量%(例えば、約0.2~5.0重量%又は約0.25~2.0重量%)の総量で存在する。
特定の実施形態における口腔ケア組成物は、少なくとも1つの保湿剤を含み得る。特定の実施形態における保湿剤は、グリセリン、ソルビトール、キシリトール又は低分子量PEGなどの多価アルコールであり得る。最も適切な保湿剤は、本明細書の甘味料としても機能し得る。1つ以上の保湿剤は、任意選択的に、本明細書に開示された口腔ケア組成物中において、例えば、約1.0~70重量%(例えば、約1.0~50重量%、約2~25重量%又は約5~15重量%)の総量で存在する。
天然又は人工甘味料は、本明細書の口腔ケア組成物中に任意選択的に含まれ得る。適切な甘味料の例は、デキストロース、スクロース、マルトース、デキストリン、転化糖、マンノース、キシロース、リボース、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップ(例えば、高フルクトースコーンシロップ又は固形コーンシロップ)、部分加水分解デンプン、水素化デンプン加水分解物、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、アスパルテーム、ネオテーム、サッカリン及びその塩、ジペプチドをベースとする強力甘味料並びにシクラミン酸塩を含む。1つ以上の甘味料は、任意選択的に、本明細書に開示された口腔ケア組成物中において、例えば、約0.005~5.0重量%の総量で存在する。
本明細書の口腔ケア組成物中に任意選択的に天然又は人工香味剤を含み得る。適切な香味剤の例は、バニリン、セージ、マジョラム、オランダセリ油、スペアミント油、シナモン油、冬緑油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、カンキツ油、果実油、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、アンズ、バナナ、ブドウ、リンゴ、イチゴ、サクランボ又はパイナップルなどに由来する精油、コーヒー、ココア、コーラ、ピーナッツ又はアーモンドなどのマメ又はナッツに由来する香味料、並びに吸着及び封入香味剤を含む。更に本明細書の香味剤に包含されるのは、清涼又は温熱効果を含む、口中に芳香及び/又は他の感覚効果を与える成分である。このような成分は、限定はされないが、メンソール、酢酸メンチル、乳酸メンチル、樟脳、ユーカリ油、オイカリプトール、アネトール、オイゲノール、カッシア、オキサノン、Irisone(登録商標)、プロペニルグアエトール、チモール、リナロール、ベンズアルデヒド、桂皮アルデヒド、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミン、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタンアミド、3-(1-メントキシ)-プロパン-1,2-ジオール、桂皮アルデヒドグリセロールアセタール(CGA)及びメントングリセロールアセタール(MGA)を含む。1つ以上の香味剤は、任意選択的に、本明細書に開示された口腔ケア組成物中において、例えば、約0.01~5.0重量%(例えば、約0.1~2.5重量%)の総量で存在する。
特定の実施形態における口腔ケア組成物は、少なくとも1つの重炭酸塩を含み得る。例えば、重炭酸ナトリウム又は重炭酸カリウムなどの重炭酸アルカリ金属塩及び重炭酸アンモニウムを含む、経口的に許容される任意の重炭酸塩を使用することができる。1つ以上の重炭酸塩は、任意選択的に、本明細書に開示された口腔ケア組成物中において、例えば、約0.1~50重量%(例えば、約1~20重量%)の総量で存在する。
特定の実施形態における口腔ケア組成物は、少なくとも1つの増白剤及び/又は着色料を含み得る。適切な増白剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8540971号明細書に開示されるものなどの過酸化物である。本明細書の適切な着色料は、例えば、顔料、染料、レーキ及びパール剤などの特定の光沢又は反射率を付与する化学物質を含む。本明細書の有用な着色料の具体例は、タルク、マイカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、赤色、黄色、褐色及び黒色酸化鉄、第二鉄アンモニウムフェロシアン化合物、マンガンバイオレット、ウルトラマリン、チタン化マイカ、並びにオキシ塩化ビスマスを含む。1つ以上の着色剤は、任意選択的に、本明細書に開示された口腔ケア組成物中において、例えば、約0.001~20重量%(例えば、約0.01~10重量%又は約0.1~5.0重量%)の総量で存在する。
本明細書の口腔ケア組成物中に任意選択的に含まれ得る更なる成分は、例えば、1つ以上の(上記の)酵素、ビタミン及び抗接着剤を含む。本明細書で有用なビタミンの例は、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB5及び葉酸を含む。適切な抗接着剤の例は、ソルブロール、フィシン及びクオラムセンシング阻害剤を含む。
α-グルカングラフトコポリマー誘導体は、いくつかの態様ではビルダー活性を有する。例えば、グラフトコポリマー誘導体を含む本明細書の水性組成物は、少なくとも1つのカチオンを更に含む(例えば、に結合する)ことができる。このような結合は、典型的にはイオン結合によるものである。カチオンの例は、Ca2+及び/又はMg2+などの1つ以上の硬水カチオンを含む。本明細書の組成物と水性組成物/系中のカチオンとの結合は、水性組成物/系の水を軟化させる(ビルダーとして作用する)ように作用することができる。典型的には、この適用性を有する本明細書の組成物は、負荷電を有するグラフトコポリマー誘導体(例えば、カルボキシメチルグラフトコポリマー又はカルボキシル基で置換されたグラフトコポリマー)を含む。
本明細書の組成物がビルダーとして作用できる水性組成物/系は、例えば、本明細書の食器(例えば、自動食器洗浄機で)又は本明細書の織物含有物品(例えば、布、洗濯機でなど)を洗浄するために使用される洗浄液体/家庭雑排水(grey water)であり得、或いは、例えば、洗浄及び/又はメンテナンスを提供するために洗剤が加えられた任意の他の水性組成物/系であり得、このような水性組成物/系は、典型的には、1つ以上のカチオンの存在によって引き起こされる悪影響(例えば、スケールの堆積及び/又はスカムの形成)を防止/低減する本明細書の組成物の能力から利益を得ることができる。いくつかの態様では、本明細書の組成物が少なくとも1つのカチオンに結合できる水性組成物/系は、水又は水溶液が循環、輸送、及び/又は貯蔵される本明細書に開示の任意の系であり得(洗剤は必ずしもある必要はない)、このような系は、典型的には、上で開示したのと同じ理由で利益を得ることができる。典型的には、いくつかの態様における組成物は、カチオンを封鎖/キレート化及び/又は沈殿させることにより、ビルダー/柔軟剤として作用することができる。本明細書の組成物とカチオンとの間の結合(又は他の相互作用、場合にかかわらず)は、望ましくない不溶性塩(例えば、CaCO又はMgCOなどの炭酸塩、Mg(OH)などの水酸化物、CaSOなどの硫酸塩)、及び/又は他の不溶性化合物(例えば、ステアリン酸などの脂肪酸のカルシウム及び/又はマグネシウム塩)、及び/又は硬水カチオンを有する水性系で形成される可能性のあるそれらの堆積物(例えば、スケール、石鹸カスなどのスカム)の形成を防止/低減することができる(例えば、組成物を使用しない場合と比較して、約又は少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、又は80%)。
上記のものに加えて、本明細書の組成物で処理できる本明細書の水性系のいくつかの例は、工業環境のものを含む。本明細書の工業環境の例は、エネルギー(例えば、石油などの化石燃料)(例えば、採掘/掘削/坑内作業)、水(例えば、水処理及び/又は精製、工業用水、廃水又は汚泥処理、淡水化)、農業(例えば、穀物、果物/野菜、漁業、水産養殖、酪農、畜産、木材、植物、土壌改良)、化学(例えば、製薬、化学処理)、食品加工/製造、鉱業、製紙、又は輸送(例えば、淡水及び/又は海運、列車又はトラックコンテナ)産業のものを含む。本明細書の組成物で処理できる本明細書の水性系の更なる例は、水処理、水貯蔵、及び/又は他の水含有系(例えば、配管/導管、熱交換器、凝縮器、フィルター/濾過システム、貯蔵タンク、水冷却塔、低温殺菌装置、ボイラー、噴霧器、ノズル、船体、バラスト水)におけるものを含む。本明細書の組成物で処理できる本明細書の水性系の更なる例は、医療/歯科/ヘルスケア環境(例えば、病院、診療所、検査室、養護施設)、フードサービス環境(例えば、レストラン、売店のキッチン、カフェテリア)、小売環境(例えば、食料品、ソフトドリンクの機械/ディスペンサー)、ホスピタリティ/旅行環境(例えば、ホテル/モーテル)、スポーツ/レクリエーション環境(例えば、水泳/浴槽、スパ)、又はオフィス/家庭環境(例えば、バスルーム、浴槽/シャワー、キッチン、電化製品[例えば、洗濯機、自動食器洗い機、冷蔵庫、冷凍庫]、スプリンクラーシステム、住宅/建物の水道管、貯水タンク、給湯器)のものを含む。本明細書の組成物で処理できる本明細書の水性系の更なる例は、全て参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2013/0029884号明細書、米国特許出願公開第2005/0238729号明細書、米国特許出願公開第2010/0298275号明細書、米国特許出願公開第2016/0152495号明細書、米国特許出願公開第2013/0052250号明細書、米国特許出願公開第2015/009891号明細書、米国特許出願公開第2016/0152495号明細書、米国特許出願公開第2017/0044468号明細書、米国特許出願公開第2012/0207699号明細書、又は米国特許出願公開第2020/0308592号明細書、或いは米国特許第4552591号明細書、米国特許第4925582号明細書、米国特許第6478972号明細書、米国特許第6514458号明細書、米国特許第6395189号明細書、米国特許第7927496号明細書、又は米国特許第8784659号明細書のいずれかに開示されるものを含む。
本開示は、材料を処理する方法にも関する。この方法は、材料を、本明細書に開示されるグラフトコポリマー誘導体材料を含む水性組成物と接触させることを含む。
本明細書の接触方法において水性組成物と接触させる材料は、いくつかの態様では、織物を含み得る。本明細書の織物は、天然繊維、合成繊維、半合成繊維又はそれらのいずれかの組み合わせを含み得る。本明細書の半合成繊維は、化学的に誘導体化されている天然由来の材料を使用して製造され、その1つの例は、レーヨンである。本明細書の織物タイプの非限定的な例は、(i)セルロース繊維、例えば、綿(例えば、ブロードクロス、キャンバス、シャンブレー、シェニール、チンツ、コーデュロイ、クレトン、ダマスク、デニム、フランネル、ギンガム、ジャガード、ニット、マテラーゼ、オックスフォード、パーケール、ポプリン、プリッス、サテン、シャーサッカー、シアー、テリークロス、ツイル、ベルベット)、レーヨン(例えば、ビスコース、モーダル、リオセル)、リネン及びTencel(登録商標)、(ii)タンパク質性繊維、例えば、シルク、ウール及び関連哺乳動物繊維、(iii)合成繊維、例えば、ポリエステル、アクリル、ナイロンなど、(iv)ジュート、亜麻、ラミー、コイア、カポック、サイザル、ヘネッケン、アバカ、ヘンプ及びサンヘンプ由来の植物性長繊維、並びに(v)(i)~(iv)の織物の任意の組み合わせから作製された織物を含む。織物タイプ(例えば、天然及び合成)の組み合わせを含む織物は、例えば、綿繊維及びポリエステルの両方を備える織物を含む。本明細書の1つ以上の織物を含む材料/物品は、例えば、衣類、カーテン、ドレープ、室内装飾材料、カーペット、ベッド用シーツ類、浴用リネン、テーブルクロス、寝袋、テント、自動車内装などを含む。天然及び/又は合成繊維を含む他の材料には、例えば、不織布、詰め物、紙及び発泡体を含む。
織物と接触させる水性組成物は、例えば、織物ケア組成物(例えば、洗濯用洗剤、織物用柔軟剤)であり得る。従って、特定の実施形態における処理方法は、その中で織物ケア組成物を使用する場合に織物ケア法又は洗濯法であると見なすことができる。本明細書の織物ケア組成物は、以下の織物ケアの利点(即ち、実質的表面効果):しわ除去、しわ取り、防しわ性、織物摩耗減少、織物耐摩耗性、織物のけば立ち減少、織物の寿命延長、織物のカラー維持、織物の退色減少、染料移動の減少、織物の色復元、織物の汚れ減少、織物の汚れ放出、織物の形状保持、織物の平滑性増強、織物上への汚れ再付着防止、洗濯物の灰色化防止、織物の風合/手触りの向上、及び/又は織物の縮み減少の1つ以上を達成すると考えられる。
本明細書の織物ケア法又は洗濯法を実施するための条件(例えば、時間、温度、洗浄/すすぎ量)の例は、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第1997/003161号パンフレット並びに米国特許第4794661号明細書、米国特許第4580421号明細書及び米国特許第5945394号明細書に開示される。他の例では、織物を含む材料は、本明細書の水性組成物と、(i)少なくとも約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110又は120分間に渡り、(ii)少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95℃(例えば、洗濯洗浄又はすすぎのためには、約15~30℃の「低」温、約30~50℃の「中」温、約50~95℃の「高」温)の温度で、(iii)約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のpH(例えば、約2~12又は約3~11のpH範囲)で、(iv)少なくとも約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5又は4.0重量%の塩(例えば、NaCl)濃度で、又は(i)~(iv)の任意の組み合わせで接触させることができる。
織物ケア法又は洗濯法における接触させる工程は、例えば、洗浄工程、浸漬工程及び/又はすすぎ工程のいずれかを含み得る。なお更なる実施形態における材料又は織物の接触は、当技術分野で既知の方法、例えば、溶解、混合、振盪、噴霧、処理、浸漬、フラッシュ洗浄、上又は中への注入、結合、塗装、コーティング、塗布、貼付及び/又は有効量の本明細書に記載のグラフトコポリマー化合物の織物又は材料への移行によって実施することができる。なお更なる実施形態では、接触は、織物を処理して実質的表面効果を付与するために使用され得る。本明細書で使用される場合、用語「織物の風合」又は「手触り」は、物理的、生理学的、心理学的、社会的又はそれらの任意の組み合わせであり得る織物に対する個人の触覚感覚反応を指す。一実施形態では、織物の風合は、相対風合値を測定するためのPhabrOmeter(登録商標)システム(Nu Cybertek,Inc.Davis,CAから入手できる)を使用して測定できる(米国繊維化学者・色彩技術者協会[AATCC test method,“202-2012,Relative Hand Value of Textiles:Instrumental Method”])。
織物を含む材料を処理するいくつかの態様では、水性組成物のグラフトコポリマー誘導体材料成分が布地に吸着する。この特徴は、本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を、開示される織物ケア組成物における再付着防止剤及び/又は灰色化防止剤として有用にする(それらの粘度調整効果に加えて)と考えられる。本明細書の再付着防止剤又は灰色化防止剤は、汚れが取り除かれた後に洗浄水中の衣類に汚れが再付着しないようにするのに役立つ。本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料の織物への吸着は、織物の機械的特性を向上させることが更に考えられる。
本明細書の織物へのグラフトコポリマー誘導体材料の吸着は、例えば、比色法を使用して(例えば、Dubois et al.,1956,Anal.Chem.28:350-356;Zemljic et al.,2006,Lenzinger Berichte 85:68-76、これらの両方は、参照により本明細書に組み込まれる)、又は当技術分野で既知の他の任意の方法を用いて測定することができる。
上記の処理法において接触させることのできる他の材料は、食器用洗剤(例えば、自動食器洗い機用洗剤又は食器手洗い用洗剤)を用いて処理できる表面を含む。このような材料の例は、セラミック材料、磁器、金属、ガラス、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)及び木で作られた皿、グラス、ポット、鍋、グラタン皿、調理器具及び食卓食器(本明細書では集合的に「食器類」と呼ぶ)の表面を含む。従って、特定の実施形態における処理方法は、例えば、食器洗い法又は食器類洗浄法であると見なすことができる。本明細書の食器洗い法又は食器類洗浄法を実施するための条件(例えば、時間、温度、洗浄量)の例は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8575083号明細書に開示される。他の例では、食器製品は、本明細書の水性組成物を、例えば、織物を含む材料と接触させることに関して上記に開示された条件のいずれかなどの適切な一連の条件下で接触させることができる。
上記処理法において接触させることができる他の材料は、舌、硬口蓋及び軟口蓋、頬粘膜、歯肉及び歯の表面(例えば、天然の歯、又はクラウン、キャップ、詰め物、ブリッジ、義歯又は歯科用インプラントなどの人工歯の硬質表面)の表面を含む、口腔内の軟質又は硬質表面などの口腔表面を含む。従って、特定の実施形態における処理方法は、例えば、口腔ケア法又は歯科治療法であると見なすことができる。口腔表面を本明細書の水性組成物と接触させる条件(例えば、時間、温度)は、このような接触を行う使用目的に適したものでなければならない。処理法で接触させることのできる他の表面は、皮膚、毛髪又は爪などの外皮系の表面も含む。
従って、本開示の特定の実施形態は、本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を含む材料(例えば、織物)に関する。このような材料は、例えば、本明細書に開示された材料処理方法に従って生成することができる。グラフトコポリマー誘導体材料が材料の表面に吸着される、又はさもなければ接触している場合、材料は、いくつかの態様ではグラフトコポリマー誘導体材料を含み得る。
本明細書の材料を処理する方法のいくつかの態様は、材料を水性組成物と接触させた後、乾燥させる乾燥工程を更に含む。乾燥工程は、接触工程の直後又は接触工程に続き得る1つ以上の追加の工程後に実施することができる(例えば、本明細書の水性組成物中で洗浄した後、例えば、水で濯ぎ、その後、織物を乾燥させる)。乾燥は、風乾(例えば、約20~25℃)、又は例えば、少なくとも約30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、170、175、180又は200℃の温度でなど、当技術分野で既知のいくつかの任意の手段で実施することができる。本明細書における乾燥させた材料は、典型的には、その材料中に3、2、1、0.5又は0.1重量%未満の水を含む。織物は、任意選択の乾燥工程を実施するために好ましい材料である。
本明細書の処理方法において使用される水性組成物は、本明細書に開示されるいずれの水性組成物であることも可能である。水性組成物の例は、洗剤(例えば、洗濯用洗剤又は食器用洗剤)、織物用柔軟剤、及び練り歯磨きなどの水含有歯磨き剤を含む。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を含む組成物は、例えば、フィルム又はコーティングであり得る。フィルム又はコーティングは、いくつかの態様では、例えば、約3、2、1、0.5又は0.1重量%未満の水を含む乾燥したフィルム又はコーティングであり得る。いくつかの態様では、本明細書のフィルム又はコーティングに含まれるグラフトコポリマー誘導体材料の量は、例えば、約又は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、又は99.9重量%であり得る。
本明細書のフィルム又はコーティングは、例えば、約、少なくとも約又は最大で約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2、2.5、5、7.5、10、15.5、15、17.5、20、22.5、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、0.5~1.5、0.8~1.5、1.0~1.5、0.5~1.4、0.8~1.4又は1.0~1.4ミルの厚さを有し得る(1ミル=0.001インチ)。いくつかの態様では、このような厚さは、均一であり、これは、(i)フィルム/コーティングの全領域の少なくとも20%、30%、40%又は50%であり、(ii)約0.06、0.05又は0.04ミル未満の厚さの標準偏差を有する、連続した領域を有することにより特徴付けられることができる。本明細書のフィルム又はコーティングは、いくつかの態様では、薄いもの(例えば、<2ミル)と特徴付けられることができる。本明細書のフィルムは、典型的には、キャストフィルムである。
本明細書のフィルム又はコーティングは、所望の様々な透明度を示し得る。例えば、フィルム/コーティングは、高い透明度(例えば、高い光透過率及び/又は低いヘイズ)であり得る。本明細書で使用される場合、光透過性は、例えば、少なくとも約10~99%の光透過率、又は少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の光透過率、及び/又は30%、25%、20%、15%、10%、5%、2.5%、2%又は1%未満のヘイズを与えるフィルム又はコーティングを指すことができる。高い光透過性は、任意選択的に、少なくとも約90%の光透過率及び/又は10%未満のヘイズを有するフィルム/コーティングを指すことができる。本明細書のフィルム/コーティングの光透過率は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、ASTM D1746試験(2009,Standard Test Method for Transparency of Plastic Sheeting,ASTM International,West Conshohocken,PA)に従って測定することができる。本明細書のフィルム/コーティングのヘイズは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、ASTM D1003-13試験(2013,Standard Test Method for Haze and Luminous Transmittance of Transparent Plastics,ASTM International,West Conshohocken,PA)に従って測定することができる。
本明細書のフィルム又はコーティングは、任意選択的に、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール及び/又はポリエチレングリコールなどの可塑剤を更に含み得る。いくつかの態様では、他のフィルム構成要素(本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料に加えて)は、これらの全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2011/0151224号明細書、米国特許出願公開第2015/0191550号明細書、米国特許出願公開第20190153674号明細書、又は米国特許出願公開第20210095155号明細書、米国特許第9688035号明細書又は米国特許第3345200号明細書、又は国際公開第2018/200437号パンフレットに開示される通りであり得る。
乾燥形態の本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を含む接着剤、フィルム、コーティング、又はバインダーを含む物品も開示される。このような物品(任意選択的に「コーティングされた物品」)は、実質的に連続又は不連続な様式で、コーティング、接着剤、フィルム又はバインダーが配置/堆積される少なくとも1つの表面を有する基材を含む。いくつかの態様では、物品は、紙、皮革、木材、金属、ポリマー、繊維質材料、石造物、ドライウォール、石膏及び/又は建築表面を含む。「建築表面」は、本明細書では、建物又は他の人工構造の外部又は内部表面である。いくつかの態様では、物品は、紙、ボール紙、板紙、段ボール、セルロース基材、繊維製品又は皮革などの多孔性基材を含む。その上、いくつかの態様では、物品は、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)、アラミド、ポリエチレンスルフィド(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(環状オレフィン)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)(PTF)又はセロファンなどのポリマーを含み得る。いくつかの態様では、繊維基材を含む物品は、繊維、糸、織物、織物ブレンド、繊維製品、不織布、紙、又はカーペットである。繊維基材は、綿、セルロース、羊毛、絹、レーヨン、ナイロン、アラミド、アセテート、ポリウレタンウレア、アクリル、ジュート、サイザル、海藻、コイア、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリアラミド又はそれらのブレンドなどの天然及び/又は合成繊維を含み得る。
本明細書のフィルム又はコーティングは、いくつかの態様では、グリース/油及び/又は酸素バリア特性を有することができる。このようなフィルム又はコーティングは、本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料とともに、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20190153674号明細書又は米国特許出願公開第2021/0095155号明細書、又は国際公開第2018/200437号パンフレットに開示される1つ以上の成分を含み得る。例えば、本明細書のフィルム又はコーティングは、任意選択的にバインダーとして、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分けん化ポリ酢酸ビニル、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリウレタン、デンプン、コーンデキストリン、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸塩、アルギン酸ナトリウム、キサンタン、カラギーナン、カゼイン、大豆タンパク質、グアーガム、合成ポリマー、スチレンブタジエンラテックス、及び/又はスチレンアクリレートラテックスの1つ以上を含み得る。いくつかの態様ではフィルム又はコーティングを調製するための組成物は、約65、70、75、80、85、65~85、65~80、70~85、又は70~80重量%のポリビニルアルコールなどのバインダー、及び約35、30、25、20、15、15~35、20~35、15~30、又は20~30重量%の本開示のグラフトコポリマー誘導体材料を含み得る。いくつかの態様では、フィルム又はコーティングは、デンプンを含まないが、酸素バリアなどの他の態様では、デンプンを含めることができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、公開第2011/0135912号明細書又は米国特許第5621026号明細書又は米国特許第6692801号明細書に開示される通りである)。本明細書のコーティング組成物のグリース/油バリア特性は、例えば、Technical Association of the Pulp and Paper Industry(TAPPI)Test Method T-559 cm-02(Grease resistance test for paper and paperboard,TAPPI Press,Atlanta,GA,USA、参照により本明細書に組み込まれる)に従って、標準「KIT」型試験を使用して評価することができる。この試験では、良好なグリース/油バリア/抵抗機能は、1~12のスケールで12により近い値によって示される。本明細書のコーティング組成物の酸素バリア特性は、コーティングの酸素透過速度(OTR)を測定することによって評価することができ、OTRは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、ASTM F-1927-07(2007,Standard Test Method for Determination of Oxygen Gas Transmission Rate,Permeability and Permeance at Controlled Relative Humidity Through Barrier Materials Using a Coulometric Detector,ASTM International,West Conshohocken,PA)に従って決定することができる。
OTRは、例えば、約50%~80%の相対湿度条件下で決定することができる。グリース/油及び/又は酸素バリアコーティングを利用できる本明細書の基材の例は、セルロース(例えば、紙、板紙、厚紙、段ボール、繊維製品)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリ(エチレンテレフタレート)(例えば、MYLAR)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリアミド、又はポリ(トリメチレンフランジカルボキシレート)を含む基材を含む、前述の基材/表面のいずれかを含む。本明細書のコーティングされた材料のグリース/油及び/又は酸素バリア活性は、例えば、(i)コーティングされていない、又は(ii)グラフトコポリマー誘導体材料成分を欠いていることにより前述のコーティングとは異なるコーティングを含む材料のグリース/油及び/又は酸素バリア活性と比較して、約又は少なくとも約5%、10%、15%、又は20%増加させることができる。
いくつかの態様のフィルム又はコーティングは、食用フィルム又はコーティングの形態であり得る。このような材料は、いくつかの態様では、本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料と、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4710228号明細書、米国特許第4543370号明細書、米国特許第4820533号明細書、米国特許第4981707号明細書、米国特許第5470581号明細書、米国特許第5997918号明細書、米国特許第8206765号明細書、又は米国特許第8999413号明細書、又は米国特許出願公開第2005/0214414号明細書に記載の1つ以上の成分を含み得る。いくつかの態様では、グラフトコポリマー誘導体材料は、任意選択的に前述の参考文献のいずれかに開示されているように、食用フィルム又はコーティング中のデンプン及び/又はデンプン誘導体を置き換える。食用フィルム又はコーティングは、例えば、ジャガイモ製品(例えば、フライドポテトなどのポテトストリップ)、その他の野菜製品(例えば、ズッキーニ、サツマイモ、タマネギ、オクラ、ピーマン、サヤインゲン)、及びキノコに使用できる。本明細書の食用フィルム又はコーティングを有するこれら及び他の食品は、いくつかの態様では、揚げる又は焼くことができ、及び/又はこのフィルム又はコーティングは、柔らかさ、保湿性、サクサク感、及び/又は食物繊維(可消化デンプンの代わり)を提供する。
いくつかの態様では、本明細書のコーティングを調製するために使用可能であるコーティング組成物は、上記成分/材料/配合物のいずれかを含み得る。いくつかの態様では、コーティング組成物は、以下に記載されるものなどのラテックス組成物である。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を含む組成物は、ラテックス組成物であり得る。本明細書のラテックス組成物の例は、塗料(例えば、プライマー、仕上げ/装飾用)、接着剤、フィルム、コーティング及びバインダーを含む。本明細書のラテックス組成物の配合物及び/又は成分(本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料に加えて)は、例えば、全て参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6881782号明細書、米国特許第3440199号明細書、米国特許第3294709号明細書、米国特許第5312863号明細書、米国特許第4069186号明細書、又は米国特許第6297296号明細書、又は米国特許出願公開第2020/0263026号明細書、又は国際公開第2019046123号パンフレットに記載される通りであり得る。
本開示のグラフトコポリマー誘導体材料は、ラテックスの全分散ポリマー固形分の重量に基づいて、約又は少なくとも約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%,0.08%,0.09%,0.1%,0.2%,0.3%,0.4%,0.5%,0.6%,0.7%,0.8%,0.9%,1%,2%,3%,4%,5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、0.01%~75%、0.01%~5%、5%~20%、20%~50%、又は50%~75%など、任意の有用な量でラテックス組成物中に存在することができる。
いくつかの態様のラテックス組成物は、少なくとも1つのエチレン系不飽和モノマー(例えば、モノエチレン系不飽和モノマー)から重合されるポリマー、ポリウレタン、エポキシ及び/又はゴムエラストマーを含み得る。本明細書のモノエチレン系不飽和モノマーの例は、ビニルモノマー、アクリル系モノマー、アリル系モノマー、アクリルアミドモノマー、モノカルボキシル不飽和酸及びジカルボキシル不飽和酸を含む。
本明細書のラテックス組成物中のポリマーの適切なビニルモノマーの例は、ビニル官能性(即ち、エチレン不飽和)を有する任意の化合物、例えば、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ノナン酸ビニル、デカン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、イソプロピル酢酸ビニル)、ビニル芳香族炭化水素(例えば、スチレン、メチルスチレン及び類似の低級アルキルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン)、ビニル脂肪族炭化水素(例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、αオレフィン、例えば、エチレン、プロピレン及びイソブチレン、共役ジエン、例えば、1,3-ブタジエン、メチル-2-ブタジエン、1,3-ピペリレン、2,3-ジメチルブタジエン、イソプレン、シクロヘキセン、シクロペンタジエン及びジシクロペンタジエン)並びにビニルアルキルエーテル(例えば、メチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル)を含むが、アクリル官能性を有する化合物(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、このような酸のエステル、アクリロニトリル、アクリルアミド)は除外する。いくつかの態様では、本明細書のラテックス組成物は、酢酸ビニル-エチレンコポリマー、カルボキシル化酢酸ビニル-エチレンコポリマー及び/又はポリビニルアセテートを含む。
本明細書のラテックス組成物中のポリマーの適切なアクリル系モノマーの例は、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アクリレート酸、メタクリレート酸、アクリル及びメタクリル酸の芳香族誘導体、アクリルアミド及びアクリロニトリルを含む。典型的には、アルキルアクリレート及びメタクリレートモノマー(アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルとも呼ばれる)は、1分子当たり1~約18の炭素原子又は1分子当たり1~約8の炭素原子を含むアルキルエステル部分を有する。適切なアクリルモノマーは、例えば、メチルアクリレート及びメタクリレート、エチルアクリレート及びメタクリレート、ブチルアクリレート及びメタクリレート、プロピルアクリレート及びメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート及びメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート及びメタクリレート、デシルアクリレート及びメタクリレート、イソデシルアクリレート及びメタクリレート、ベンジルアクリレート及びメタクリレート、イソボルニルアクリレート及びメタクリレート、ネオペンチルアクリレート及びメタクリレート、並びに1-アダマンチルメタクリレートを含む。酸官能性が望まれる場合、アクリル酸又はメタクリル酸などの酸も使用することができる。
いくつかの態様のラテックス組成物は、ポリウレタンポリマーを含む。適切なポリウレタンポリマーの例は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2019/0225737号明細書又は国際公開第2018/017789号パンフレットに開示される多糖を含むものである。ポリウレタンを含むラテックスは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2016/0347978号明細書に開示されるように調製可能であり、且つ/又は1つ以上のポリイソシアネートと、1つ以上のポリオールとの反応生成物を含み得る。有用なポリオールは、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールを含む。本明細書のポリカーボネートポリウレタンは、ポリオール、例えば、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール又はテトラエチレングリコールと、ジアリールカーボネート、例えば、ジフェニルカーボネート又はホスゲンとの反応生成物として形成することができる。本明細書の少なくとも1つのポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、又は芳香族基及び脂肪族基の両方を有するポリイソシアネートであり得る。ポリイソシアネートの例は、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネートの混合物、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,3-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン、ビス(4-イソシアナトフェニル)メタン、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-ジイソシアナトトルエン、ビス(3-イソシアナトフェニル)メタン、1,4-ジイソシアナトベンゼン、1,3-ジイソシアナト-o-キシレン、1,3-ジイソシアナト-p-キシレン、1,3-ジイソシアナト-m-キシレン、2,4-ジイソシアナト-1-クロロベンゼン、2,4-ジイソシアナト-1-ニトロベンゼン、2,5-ジイソシアナト-1-ニトロベンゼン、m-フェニレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1-メトキシ-2,4-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ビフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’-4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート及び3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートを含む。また、例えば、アロファネート、ビウレット、イソシアヌレート、イミノオキサジアジンジオン又はカルボジイミド基を含むポリイソシアネートホモポリマーも本明細書で有用である。本明細書のポリオールは、2つ以上のヒドロキシ基を含む任意のポリオール、例えば、C2~C12アルカンジオール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ブタンジオールの異性体、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,2,3-プロパントリオール(グリセロール)、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパノール(トリメチロールエタン)、2-エチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール(トリメチロールプロパン)、2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール(ペンタエリスリトール)、1,4,6-オクタントリオール、クロロペンタンジオール、グリセロールモノアルキルエーテル、グリセロールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、1,3,6-ヘキサントリオール、2-メチルプロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ポリマーポリオール、例えば、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールであり得る。いくつかの態様では、本明細書のポリオールは、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリエチレングリコール、又はポリ1,3-プロパンジオールであり得る。いくつかの態様のポリオールは、脂肪族ジオールによる脂肪族二酸のエステル交換反応によって生成されるものなどのポリエステルポリオールであり得る。適切な脂肪族二酸は、例えば、C3~C10二酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸を含む。いくつかの態様では、ポリエステルポリオールを形成するために芳香族及び/又は不飽和二酸も使用することができる。
いくつかの態様のラテックス組成物は、エポキシポリマー/樹脂(ポリエポキシド)、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、Novolacエポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂又はグリシジルアミンエポキシ樹脂を含む。
いくつかの態様のラテックス組成物は、ゴムエラストマーを含む。いくつかの態様では、ゴムエラストマーは、例えば、動的機械分析によって決定されるような、-30℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する1つ以上のジエン系の硫黄加硫可能なエラストマーを含み得る。更なる例において、本明細書のゴムエラストマーは、例えば、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエンゴム、スチレン/ブタジエンコポリマーゴム、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム、水素化ニトリルブタジエンゴム、ネオプレン、スチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマーゴム、ブタジエン/アクリロニトリルゴム、ポリイソプレンゴム、イソプレン/ブタジエンコポリマーゴム、ニトリルゴム、エチレン-アクリルゴム、ブチル及びハロブチルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、フルオロエラストマー、炭化水素ゴム、ポリブタジエン及びシリコーンゴムを含む。
いくつかの態様におけるラテックス組成物は、分散物(上記のような他のポリマーは、任意選択的にグラフトコポリマー誘導体材料と共に分散させることができる)又はエマルジョンに分散されている不溶性グラフトコポリマー誘導体材料を含み、この場合、ラテックスの液体成分は、水又は水溶液であり得る。いくつかの態様のラテックスの水溶液は、水と混和性、又は非混和性の有機溶媒を含み得る。本明細書の適切な有機溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジエチルエーテル、グリセロールエーテル、ヘキサン、トルエン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドを含む。
本明細書のラテックス組成物は、いくつかの態様では、1つ以上の添加剤を更に含み得る。本明細書の添加剤の例は、分散剤、レオロジー助剤、消泡剤、発泡剤、接着促進剤、難燃剤、殺菌剤、防カビ剤、保存剤、光学増白剤、フィラー、抗沈殿剤、融合剤、湿潤剤、緩衝剤、顔料/着色剤(例えば、金属酸化物、合成有機顔料、カーボンブラック)、粘度調整剤、不凍剤、界面活性剤、バインダー、架橋剤、耐食剤、硬化剤、pH調整剤、塩、増粘剤、可塑剤、安定剤、増量剤及びマッティング剤を含む。本明細書の顔料の例は、二酸化チタン(TiO)、炭酸カルシウム、珪藻土、雲母、水和酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、粘土、シリカ、タルク、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、霞石閃長岩及びそれらの混合物を含む。いくつかの態様では、ラテックス組成物は、澱粉、澱粉誘導体(例えば、ヒドロキシアルキル澱粉)、セルロース及び/又はセルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース)を本質的に含まない(例えば、1、0.5、0.1又は0.01重量%未満の成分)。
本明細書の塗料又は他の着色剤の形態のラテックス組成物は、いくつかの態様では、約3%~約80%の顔料量濃度(PVC)を有することができる。例として、つやなし塗料は、約55~80%の範囲のPVCを有し得、プライマー又はアンダーコートは、約30~50%の範囲のPVCを有し得、且つ/又は光沢着色塗料は、約3~20%の範囲のPVCを有し得る。いくつかの態様の塗料又は他の着色剤は、約55%、60%、65%、70%、75%、80%、55~80%、55~75%、55~70%、60~80%、60~75%、60~70%、63~67%、64~66%、65~80%、65~75%又は65~70%のPVCを有し得る。本明細書のPVC値は、例えば、上記で開示されたもの(例えば、二酸化チタン)などの特定の顔料(又は顔料の混合物)のものであり得る。本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料は、ラテックス組成物に1つ以上の他の物理的特性を提供すると考えられている(例えば、塗料又は他の着色剤として使用するため):例えば、グラフトコポリマー誘導体材料を含まないことのみが異なるラテックス組成物と比較して、硬度の増加、粘着性の減少、光沢の減少(即ち、つや消し効果の提供)、剪断強度の増加、耐摩耗性の向上、乾燥時間の改善、色あせ防止の改善、膨れの低減、風合の改善(粘着感の減少)、不透明度の増加、及び/又は顔料の伸長(extension)。
当技術分野で既知のいずれかの方法を使用して、本明細書のラテックス組成物を物品の基材(上記)に適用することができる。典型的には、ラテックス組成物の適用後、水溶液の少なくとも一部は、例えば、乾燥によって除去されて、乾燥又は半乾燥形態におけるラテックス組成物を含む接着剤、フィルム、コーティング又はバインダーを提供する。適切な適用方法には、エアナイフコーティング、ロッドコーティング、バーコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング、ブラシコーティング、キャストコーティング、可撓ブレードコーティング、グラビアコーティング、ジェットアプリケータコーティング、ショートドエルコーティング、スライドホッパーコーティング、カーテンコーティング、フレキソ印刷コーティング、サイズ-プレスコーティング、リバースロールコーティング及び転写ロールコーティングを含む。ラテックス組成物を基材の少なくとも一部分上に適用し得、例えば、1回以上のコート/適用であり得る。
いくつかの態様では、グラフトコポリマー誘導体材料を含む組成物は、公開米国特許出願公開第2020/0181370号明細書又は米国特許出願公開第2019/0225737号明細書、又は国際公開第2018/081263号パンフレット又は国際公開第2018/017789号パンフレットに開示されるような複合体(例えば、ゴム複合体又はポリウレタン複合体)の形態であり得る。ラテックス組成物の上記の成分の1つ以上は、任意選択的に、このような複合体中に存在することができる。
本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を含む組成物は、紙/包装組成物又はセルロース繊維含有組成物であり得る。このような組成物の例は、本明細書に開示される任意のタイプの紙/包装又はセルロース繊維含有組成物、例えば、紙(例えば、筆記用紙、事務用紙、コピー用紙、クラフト用紙)、ボール紙、板紙、段ボール、ティッシュペーパー、ナプキン/ペーパータオル、ワイプ、又は不織布であり得る。本明細書の紙/包装組成物又はセルロース繊維含有組成物の配合物及び/又は成分(本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料に加えて)、及びこれらの組成物の形態は、例えば、全て参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2018/0119357号明細書、米国特許出願公開第2019/0330802号明細書、米国特許出願公開第2020/0062929号明細書、米国特許出願公開第2020/0308371号明細書、又は米国特許出願公開第2020/0370216号明細書、公開又は国際公開第2018/098065号パンフレット又は国際公開第2019/055397号パンフレットに記載される通りであり得る。いくつかの態様では、グラフトコポリマー誘導体材料は、紙又は他のセルロース繊維含有組成物の強化助剤として機能する。グラフトコポリマー誘導体材料が製紙プロセス(例えば、パルプ凝集)において繊維及び/又は他の不溶性材料を凝集させる能力は、本明細書のグラフトコポリマー誘導体材料を紙に又はその中に凝集を含む他の生成物に組み込むことができる手段である。しかし、いくつかの態様では、グラフトコポリマー誘導体材料は、凝集助剤としてその可能な添加とは独立した方法で、前述の組成物のいずれかの成分として添加することができる。
或いは、本明細書の任意の組成物/生成物は、グラフトコポリマー誘導体の代わりに、又はそれに加えて、本開示の非誘導体化/非架橋デキストラン-α-グルカングラフトコポリマー(即ち、グラフトコポリマー誘導体の前駆体)を含み得る。また、本明細書の任意の組成物/生成物は、グラフトコポリマー誘導体材料の代わりに、又はそれに加えて、本開示のα-グルカンホモポリマー又はその誘導体を含み得る。従って、例えば、当業者によって適切であると考えられる限り、本開示で使用される用語「デキストラン-α-グルカングラフトコポリマー誘導体」、「グラフトコポリマー誘導体材料」などは、任意選択的に、用語「非誘導体化/非架橋デキストラン-α-グルカングラフトコポリマー」、「α-グルカンホモポリマー」、又は「α-グルカンホモポリマー誘導体」と置き換わられることができる。いくつかの態様のα-グルカンホモポリマーは、高い固有粘度(IV)に反映される高分子量を有することができ、例えば、IVは、約又は少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、6~8、6~7,6~22,6~20,6~17,6~15,6~12,10~22,10~20,10~17、10~15,10~12,12~22,12~20、12~17、又は12~15dL/gであり得る。比較のために、少なくとも90%(例えば、約99%又は100%)のα-1,3結合と約800のDPwを有するα-グルカンのIVは、約2~2.5dL/gのIVを有することに留意されたい。本明細書のIVは、例えば、約0.9~2.5重量%(例えば、1、2、1~2重量%)のLiClを有するDMSOに溶解したα-グルカンポリマーを用いて測定される通りであり得る。
本明細書で開示される組成物及び方法の非限定的な例は、以下を含む:
1. 約3.0までの置換度(DoS)を有する少なくとも1つのグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を含む組成物であって、グラフトコポリマーは、(i)デキストランを含む骨格と、(ii)少なくとも約30%のα-1,3グリコシド結合を含むα-グルカン側鎖とを含む組成物。
2. グラフトコポリマーは、骨格の約20重量%~約80重量%、及びα-グルカン側鎖の約20重量%~約80重量%を含む、実施形態1の組成物。
3. α-グルカン側鎖は、少なくとも約90%のα-1,3グリコシド結合を含む、実施形態1又は2に記載の組成物。
4. α-グルカン側鎖の重量平均重合度(DPw)は、少なくとも約15である、実施形態1、2、又は3の組成物。
5. デキストランは、少なくとも約90%のα-1,6グリコシド結合を含む、実施形態1、2、3、又は4の組成物。
6. デキストランの重量平均分子量(Mw)は、少なくとも約5000ダルトンである、実施形態1、2、3、4、又は5の組成物。
7. デキストランのMwは、少なくとも約10百万ダルトンである、実施形態1、2、3、4、5、又は6の組成物。
8. グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物は、水溶性である、実施形態1、2、3、4、5、6、又は7の組成物。
9. グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物のDoSは、約0.05~約0.9である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、又は8の組成物。
10. グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物のDoSは、0.3より大きい、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、又は9の組成物。
11. 少なくとも1つのグラフトコポリマーエーテル化合物を含む、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10の組成物。
12. グラフトコポリマーエーテル化合物は、アニオン性エーテル化合物である、実施形態11の組成物。
13. アニオン性エーテル化合物は、カルボキシメチル基を含む、実施形態12の組成物。
14. グラフトコポリマーエーテル化合物は、カチオン性エーテル化合物である、実施形態11の組成物。
15. カチオン性エーテル化合物は、4級アンモニウム基を含む、実施形態14に記載の組成物。
16. 前記多糖がデキストランを含む、実施形態11、12、13、14、又は15に記載の組成物。(i)グラフトコポリマーエーテル化合物は、アニオン性エーテル基と、カチオン性エーテル基とを含む、又は(ii)組成物は、少なくとも1つのアニオン性グラフトコポリマーエーテル化合物と、少なくとも1つのカチオン性グラフトコポリマーエーテル化合物とを含む、実施形態11、12、13、14、又は15の組成物。
17. グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物は、架橋されている、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16の組成物。
18. 組成物は、家庭用ケア製品、パーソナルケア製品、工業用製品、医薬品、摂取可能な製品(例えば、食品)である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17の組成物。
19. 組成物は、(a)凝集剤、(b)吸収剤、(c)粘度調整剤、(d)紙、(e)エマルジョン、(f)ビルダー剤、又は(g)皮膚消毒剤などの消毒剤である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18の組成物。
20. ポリα-1,3-グルカンエステル化合物を生成する方法であって、前記方法が、(a)反応において、グラフトコポリマーを、有機基を含む少なくとも1つのエーテル化剤又はエステル化剤と接触させる工程であって、少なくとも1つの有機基は、グラフトコポリマーにエーテル化又はエステル化され、これによりグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を生成し(例えば、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17による)、グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物は、約3.0までの置換度(DoS)を有し、グラフトコポリマーは、(i)デキストランを含む骨格と、(ii)少なくとも約30%のα-1,3グリコシド結合を含むα-グルカン側鎖を含む工程と、(b)任意選択的に、工程(a)で生成されたグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を単離する工程とを含む、グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を生成する方法。
21.(a)実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17によるグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を、懸濁固体/粒子を含む水性組成物に混合し、これにより、懸濁固体/粒子の少なくとも一部が凝集する工程と、(b)任意選択的に、(a)の凝集固体/粒子を水性組成物から分離する工程と、を含む凝集方法。
22. 実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、又は17によるグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を水性液体含有組成物と接触させる工程を含む吸収方法であって、化合物は、液体含有組成物から水性液体を吸収する吸収方法。
23. 実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19の組成物、又は実施形態20、21、又は22の方法であって、ただし、グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物は、(i)本明細書のグラフトコポリマー前駆体(即ち、非誘導体化/非架橋グラフトコポリマー)、(ii)本明細書のα-グルカンホモポリマー(例えば、非常に高い分子量のα-グルカンホモポリマー)、又は(iii)α-グルカンホモポリマーの誘導体(例えば、本明細書のエーテル又はエステル)で置き換えられる、又は補完される組成物、又は方法。
24. 実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、又は19の組成物、又は実施形態20、21、又は22の方法であって、ただし、グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物は、本明細書の別のグラフトコポリマー誘導体(例えば、カルバメート、スルホニル、スルホネート)で置き換えられる、又は補完される組成物、又は方法。
以下の実施例において、本開示を更に例示する。これらの実施例は、本発明の特定の態様を示しているが、単に説明の目的でのみ示されていることが理解されるべきである。先の考察及びこれらの実施例から、当業者であれば、開示される実施形態の本質的な特徴を確認することができ、その趣旨及び範囲を逸脱することなく、開示される実施形態を様々な使用及び条件に適合させるための様々な変更形態及び修飾形態をなし得る。
材料及び方法
デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーは、出願一般に、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2017/079595号パンフレットに開示される以下の手順に従って調製した。一般に、グラフトコポリマーを、最初に、水、スクロース、及びグルコシルトランスフェラーゼ酵素(GTF0768、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10059779号明細書で配列番号1及び2として開示される)を含む反応においてデキストランを合成することによって調製した。次いで、デキストランをプライマー/アクセプターとして使用して、出願参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2017/079595号パンフレット(上記)及び米国特許出願公開第2019/0078063号明細書に記載される方法と同様の方法でα-1,3-グルカンを合成し、従って、α-1,3-グルカン側鎖は、デキストラン骨格から合成されて、デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを形成した。一般に、α-1,3-グルカン側鎖合成は、水、スクロース(56重量%溶液、反応に供給される)、緩衝液、デキストランプライマー(例えば、上記のようなもの)及びアミノ酸修飾された全て又はほぼ全てのα-1,3結合を有するα-1,3-グルカンを合成する高生成物産生のS.サリバリウス(S.salivarius)系のグルコシルトランスフェラーゼ酵素を含む反応で行われた。グラフトコポリマー生成物は、典型的には、水置換によって洗浄されて、酵素合成後に残ったほとんど又は全ての溶質(例えば、緩衝液、糖、可溶性オリゴマー)が除去され、次いで濾過されて湿潤ケーキが得られ、ポリマーは、本明細書の化学的誘導体化プロセスに入る前に乾燥されなかった(「未乾燥」)。約50重量%のデキストラン骨格成分及び50重量%のα-1,3-グルカン側鎖成分を含む生成物など、様々なグラフトコポリマー生成物が生成され、他のグラフトコポリマー生成物は、それぞれ約51、43、又は33重量%のデキストラン骨格成分及び49、57、又は67重量%のα-1,3-グルカン側鎖成分を含んだ。前述の手順及びそのグラフトコポリマー生成物は、化学的誘導体化のためのデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーをもたらすために本開示で使用できるものの例を表すに過ぎない。
水保持測定は、0.2gの乾燥ポリマー(誘導体化又は非誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマー)を55×70mmのティーバッグに充填することによって実行した。ティーバッグを密封し、次いで生理食塩水溶液(水中0.9重量%NaCl)に30分間浸した。次いで、ティーバッグを10分間吊るした後、秤量して、ポリマーの自由膨潤容量(FSC)値を決定した(以下に記載)。次いで、ティーバッグを多孔質底を有する遠心分離管に入れ、遠心分離機で中程度の速度(例えば、1500~2000rpm)で5分間回転させた。次いで、秤量して遠心分離保持容量(CRC)値を決定した(以下に記載)。最後に、ティーバッグを65℃の真空下で一晩乾燥させ、次いで秤量して%損失を決定した(以下に記載)。
自由膨張容量(FSC):ポリマーの乾燥重量(試験前に測定)で割った、ポリマーによって吸収された水/流体の重量。これは、湿潤したポリマーから水を除去するために重力を超える力が許可されない静的測定である。
遠心分離保持容量(CRC):ポリマーの乾燥重量(試験前に測定)で割った、湿潤したポリマーを遠心分離した後(例えば、約1500~2000rpmで約5分間)、ポリマーによって吸収及び保持された水/流体の重量。水/流体及び水溶性ポリマーは、遠心分離中にティーバッグから排出される。
%損失:上記の湿潤プロセス/測定中にティーバッグから失われたポリマーの重量%パーセント。%損失は、典型的には、水溶性ポリマーの損失によるものである。
実施例1
DoS<0.5のデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのカチオン性エーテル誘導体の生成
この実施例は、カチオン性エーテル基とのDoS(置換度)が0.5未満であるカチオン性エーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーの調製を記載する。この誘導体は、例えば、向上した水性液体吸収能力を示した。
デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーは、上記の材料及び方法のセクションに従って酵素的に合成され、12.9重量%の固形分(約87.1重量%の水)の未乾燥湿潤ケーキの形態でもたらされた。特に明記しない限り、この実施例及び以下の実施例において誘導体化に使用されるグラフトコポリマーは、約50重量%のデキストラン骨格成分及び50重量%のα-1,3-グルカン側鎖成分を含んだ。
撹拌されジャケットを備えた1リットルの樹脂ケトルに、124gのイソプロパノール及び179gのデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマー湿潤ケーキを添加し、スラリーが形成された。スラリーを48℃に加熱した後、10.2gの50重量%水酸化ナトリウムを添加した。9分後、46℃の調製内容物とともに、34mLの2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(EPTAC)をケトルに15mL/分の速度で投入して、エーテル化反応を行った。反応を50℃で70分間保持した後、反応内容物(329g)を取り出し、41mLの10%HClを添加してpH6.5に調整した。pH調整した材料を濾過して湿潤ケーキを形成し、次いでこれを45/45/10(v/v/v)イソプロパノール/メタノール/水の溶液にスラリー化した。このスラリー化及び濾過プロセスを更に2回繰り返し、透明な濾液及びわずかに黄色のポリマー生成物を得た。ポリマー生成物を真空下、65℃で一晩乾燥させた。全体として、反応中に6.4%の物質収支が失われた。
最終粉末生成物のNMR分析は、可能な3.0のうち0.19のアミン末端基含有量を示した。従って、上記のエーテル化反応は、0.19のDoSで、カチオン性エーテル誘導体、トリメチルアンモニウムヒドロキシプロピルデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを首尾よく生成した。乾燥粉末生成物は、DMSO/LiCl中で測定される3.07dL/gの還元粘度値を有することが示され、エーテル生成物は、水不溶性であった(例えば、水中のこの生成物の0.5重量%がゲルを形成する)。
上記の材料及び方法のセクションに従って、カチオン性エーテルグラフトコポリマー生成物を用いて水性液体吸収分析を実施した。乾燥粉末生成物は、14.6g/gの自由膨潤容量(FSC)値、6.5g/gの遠心分離保持容量(CRC)値、及び18.5の%損失を有することがわかった。カチオン性エーテル生成物の吸収性が、非誘導体化デキストランα-1,3-グルカングラフトコポリマー対応物(上記の材料及び方法のセクションに従って生成)よりも著しく高かったことは注目に値する。特に、この実施例で生成された誘導体の親グラフトコポリマーである、約50重量%のデキストラン骨格成分及び50重量%のα-1,3-グルカン側鎖成分を有する非誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーでは、FSC及びCRC値は、それぞれ8.3g/g及び4.0g/gであった(及び9.3%の%損失)。更に、約51、43、又は33重量%のデキストラン骨格成分を有する非誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーは、それぞれ約7.0、6.5、及び5.3g/gのFSC値を有したことに留意されたい。
実施例2
DoS>0.5のデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのカチオン性エーテル誘導体の生成
この実施例は、カチオン性エーテル基とのDoSが0.5より大きいカチオン性エーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーの調製を記載する。この誘導体は、例えば、向上した水性液体吸収能力を示した。
この実施例で使用されたデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーは、実施例1と同じであったが、20.7重量%の固形分(約79.3重量%の水)の未乾燥の湿潤ケーキの形態でもたらされた。
撹拌されジャケットを備えた1リットルの樹脂ケトルに、126gのイソプロパノール及び112グラムのデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマー湿潤ケーキを添加し、スラリーが形成された。スラリーを52℃に加熱した後、12.1gの50重量%水酸化ナトリウムを1分間かけて添加した。17分後、50℃の調製内容物とともに、108mLのEPTACをケトルに3mL/分の速度で投入して、エーテル化反応を行った。反応を50℃で106分間保持した後、反応内容物(351g)を取り出し、真空下で濾過した。得られたフィルターケーキを1Lの45/45/10(v/v/v)イソプロパノール/メタノール/水の溶液にスラリー化し、次いで38mLの10%HClを加えてpH7に調整した。次いで、pH調整された材料を濾過し、同じ溶液にスラリー化した。次いで、50/50(v/v)イソプロパノール/メタノールの溶液を使用して、2つの濾過及びスラリー化工程を行った。最終濾過により、粒状粉末を形成できる湿潤したケーキが得られた。この材料を真空下、65℃で一晩乾燥させた。全体として、反応中に5.6%の物質収支が失われた。
最終粉末生成物のNMR分析は、可能な3.0のうち0.78のアミン末端基含有量を示した。従って、上記のエーテル化反応は、0.78のDoSで、カチオン性エーテル誘導体、トリメチルアンモニウムヒドロキシプロピルデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを首尾よく生成した。乾燥粉末生成物は、水中で測定される245dL/gの還元粘度値を有することが示され、エーテル生成物は、水溶性であった。
上記の材料及び方法のセクションに従って、カチオン性エーテルグラフトコポリマー生成物を用いて水性液体吸収分析を実施した。乾燥粉末生成物は、49.33g/gのFSC値、2.2g/gのCRC値、及び58.2の%損失を有することがわかった。実施例1と同様に、カチオン性エーテル生成物のFSCが、非誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのFSC値よりも著しく高かったことは注目に値する。この実施例のカチオン性エーテルグラフトコポリマー生成物の%損失は、実施例1のそれと比較してより高く、おそらくそれを水溶性にするそのより高いDoSに関連することに留意されたい。
実施例3
DoS>0.5のデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのカチオン性エーテル誘導体の生成(22-Lスケール)
この実施例は、大容量(22L)のエーテル化反応を使用して、カチオン性エーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを調製することを記載する。カチオン性エーテル基を有する誘導体化生成物のDoSは、0.5を超えていた。この誘導体は、向上した水性液体吸収能力を示した。
この実施例で使用されたデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーは、実施例1と同じであったが、21.4重量%の固形分(約78.6重量%の水)の未乾燥の湿潤ケーキの形態でもたらされた。
撹拌されジャケットを備えた22リットルの丸底反応器に、5221gのイソプロパノール及び4500gのデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマー湿潤ケーキを添加し、スラリーが形成された。スラリーを43℃に加熱した後、434gの50重量%水酸化ナトリウムを5分間かけて添加した。11分後、48℃の調製内容物とともに、2271mLのEPTACを反応器に50mL/分の速度で投入して、エーテル化反応を行った。反応を51~54℃で120分間保持した後、反応内容物(12607g)を取り出し、10%HClの添加によりpH7.0に調整した。得られた濾液が透明になるまで、pH調整された材料をメタノールで数回スラリー化し、メタノールから濾過した。濾過した材料を真空下65℃で一晩乾燥させた。全体として、反応中に0.9%の物質収支が失われた。
最終粉末生成物のNMR分析は、可能な3.0のうち0.58のアミン末端基含有量を示した。従って、上記のエーテル化反応は、0.58のDoSで、カチオン性エーテル誘導体、トリメチルアンモニウムヒドロキシプロピルデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを首尾よく生成した。乾燥粉末生成物は、水中で測定される123.4dL/gの還元粘度値を有することが示され、エーテル生成物は、水溶性であった。
上記の材料及び方法のセクションに従って、カチオン性エーテルグラフトコポリマー生成物を用いて水性液体吸収分析を実施した。乾燥粉末生成物は、48.7g/gのFSC値、3.9g/gのCRC値、及び53.2の%損失を有することがわかった。実施例1及び2と同様に、カチオン性エーテル生成物のFSCが、非誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのFSC値よりも著しく高かったことは注目に値する。この実施例のカチオン性エーテルグラフトコポリマー生成物の%損失は、実施例1のそれと比較してより高く、おそらく水溶性にするそのより高いDoSに関連することに留意されたい。
実施例4
デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーの架橋カチオン性エーテル誘導体の生成
この実施例は、架橋されたカチオン性エーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーの調製を記載する。この架橋誘導体は、例えば、向上した水性液体吸収能力を示した。
この実施例で使用されたデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーは、実施例1と同じであったが、21.0重量%の固形分(約79.0重量%の水)の未乾燥の湿潤ケーキの形態でもたらされた。
撹拌されジャケットを備えた1リットルの樹脂ケトルに、354gのイソプロパノール及び276gのデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマー湿潤ケーキを添加し、スラリーが形成された。スラリーを34.5℃に加熱した後、30.3gの50重量%水酸化ナトリウムを1分間かけて添加した。10分後、45℃の調製内容物とともに、270mLのEPTACをケトルに6mL/分の速度で投入して、エーテル化反応を行った。この添加の間(約80%のEPTACを反応に添加した後)、5mLの架橋剤、ジエチレングリコールジメチルエーテル(MW134.2、CAS登録番号111-96-6)を添加した。全てのEPTACを添加したら、反応を50℃で101分間保持し、その後、反応内容物(932g)を取り出し、真空下で濾過した。得られたフィルターケーキを0.9Lの50/50(v/v)イソプロパノール/メタノールと0.2Lの水の混合物にスラリー化し、次いで100mLの10%HClを加えてpH8.3に調整した。次いで、pH調整した材料を濾過し、湿潤ケーキを1.4Lのイソプロパノールにスラリー化し、次いで再び濾過した。次いで、湿潤ケーキを800mLのイソプロパノールと100mLのメタノールの混合物にスラリー化すると、固体が粒状になった。固体を濾過した後、65℃で真空下で一晩乾燥させた。乾燥した固体を粉砕して20メッシュのスクリーンを通過させ、次いで400mLのイソプロパノールと100mLのメタノールの混合物にスラリー化した。次いで固体を濾過し乾燥させた。全体として、反応中に3.4%の物質収支が失われた。例えば、生成物は、水不溶性であった。
架橋剤(上記)の添加により、グラフトコポリマーはそのエーテル化と同時に架橋された。架橋された生成物は、NMRによる又は還元粘度によるアミン含有量(DoS)の測定に使用される溶媒に溶解しなかった。
上記の材料及び方法のセクションに従って、架橋エーテル化グラフトコポリマー生成物について水性液体吸収分析を実施した。乾燥生成物(粉末)は、23.1g/gのFSC値、12.4g/gのCRC値、及び11.5の%損失を有することがわかった。
実施例5
DoS<0.5のデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのアニオン性エーテル誘導体の生成
この実施例は、アニオン性エーテル基とのDoSが0.5未満であるアニオン性エーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーの調製を記載する。この誘導体は、例えば、向上した水性液体吸収能力を示した。
この実施例で使用されたデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーは、実施例1と同じであったが、21.0重量%の固形分(約79.0重量%の水)の未乾燥の湿潤ケーキの形態でもたらされた。
撹拌されジャケットを備えた1リットルの樹脂ケトルに、302gのイソプロパノール及び253グラムのデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマー湿潤ケーキを添加し、スラリーが形成された。スラリーを44℃に加熱した後、273gの50重量%水酸化ナトリウムを添加した。50℃の調製内容物とともに、イソプロパノール250gに溶解したクロロ酢酸129gをケトルに17分かけて投入して、エーテル化反応を行った。反応を79℃に加熱して3時間保持した後、反応内容物(1187g)を取り出し、濾過した。濾液のpHは9.9であった。濾過ケーキを0.8Lのメタノールと0.2Lの水の混合物にスラリー化し、233mLの10%HClを添加することによりスラリーのpHを6.75に調整した。次いでスラリーを濾過し、次いでフィルターケーキを0.8Lのエタノールと0.2Lの水の混合物にスラリー化した。次いで、固体を、濾過し800mLのメタノール中で2回スラリー化することにより洗浄した。最終濾過により得られた湿潤ケーキを真空下65℃で一晩乾燥させた。全体として、反応中に2.0%の物質収支が失われた。
最終粉末生成物のNMR分析は、可能な3.0のうち0.45のカルボキシメチル末端基含有量を示した。従って、上記のエーテル化反応は、0.45のDoSで、アニオン性エーテル誘導体、カルボキシメチルデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを首尾よく生成した。乾燥粉末生成物は、水中で測定される88.2dL/gの還元粘度値を有することが示され、エーテル生成物は、水溶性であった。
上記の材料及び方法のセクションに従って、アニオン性エーテルグラフトコポリマー生成物を用いて水性液体吸収分析を行った。乾燥粉末生成物は、35.2g/gのFSC値、15.8g/gのCRC値、及び9.6の%損失を有することがわかった。アニオン性エーテル生成物のFSCが、非誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのFSC値よりも著しく高かったことは注目に値する(実施例1を参照)。
実施例6
DoS>0.5のデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのアニオン性エーテル誘導体の生成
この実施例は、アニオン性エーテル基とのDoSが0.5より大きいアニオン性エーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーの調製を記載する。この誘導体は、例えば、向上した水性液体吸収能力を示した。
この実施例で使用されたデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーは、実施例1と同じであったが、21.0重量%の固形分(約79.0重量%の水)の未乾燥の湿潤ケーキの形態でもたらされた。
撹拌されジャケットを備えた1リットルの樹脂ケトルに、252gのイソプロパノール及び211グラムのデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマー湿潤ケーキを添加し、スラリーが形成された。スラリーを74℃に加熱した後、54gの50重量%水酸化ナトリウムを14分間かけて添加した。更なるイソプロパノール(50mL)を添加して、混合を改善した。148gのイソプロパノールに溶解したクロロ酢酸(58.2g)を18分かけてケトルに投入した。この工程に続いて、30.3gの50重量%水酸化ナトリウムを添加した。反応を78℃に加熱し、92分間保持した後、反応内容物(582g)を取り出し、濾過した。濾液のpHは、6.5であった。フィルターケーキを0.35Lのメタノールと0.15Lの水の混合物にスラリー化した。次いでスラリーを濾過し、フィルターケーキを0.35Lのエタノールと0.15Lの水の混合物にスラリー化した。次いで、固体を、濾過し500mLのメタノール中で2回スラリー化することによって洗浄した。最終濾過により得られた湿潤ケーキを真空下65℃で一晩乾燥させた。全体として、反応中に1.6%の物質収支が失われた。
最終粉末生成物のNMR分析は、可能な3.0のうち0.58のカルボキシメチル末端基含有量を示した。従って、上記のエーテル化反応は、0.58のDoSで、アニオン性エーテル誘導体、カルボキシメチルデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを首尾よく生成した。乾燥粉末生成物は、水中で測定される158.5dL/gの還元粘度値を有することが示され、エーテル生成物は、水溶性であった。
上記の材料及び方法のセクションに従って、アニオン性エーテルグラフトコポリマー生成物を用いて水性液体吸収分析を行った。乾燥粉末生成物は、47.1g/gのFSC値、6.4g/gのCRC値、及び52.1の%損失を有することがわかった。アニオン性エーテル生成物のFSCが、非誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのFSC値よりも著しく高かったことは注目に値する(実施例1を参照)。この実施例のアニオン性エーテルグラフトコポリマー生成物の%損失は、実施例5のそれと比較してより高く、おそらくそれを水溶性にするそのより高いDoSに関連することに留意されたい。
実施例7
約0.5のDoSのデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのアニオン性エーテル誘導体の生成(22Lスケール)
この実施例は、大容量(22L)のエーテル化反応を使用して、アニオン性エーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを調製することを記載する。カチオン性エーテル基を有する誘導体化生成物のDoSは、約0.5であった。この誘導体は、向上した水性液体吸収能力を示した。
この実施例で使用されたデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーは、実施例1と同じであったが、20.7重量%の固形分(約79.3重量%の水)の未乾燥の湿潤ケーキの形態でもたらされた。
撹拌されジャケットを備えた22リットルの樹脂ケトルに、5171gのイソプロパノール及び4400グラムのデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマー湿潤ケーキを添加し、スラリーが形成された。スラリーを46℃に加熱した後、1838gの50重量%水酸化ナトリウムを5分間かけて添加した。ケトルの内容物を75℃に加熱した後、2144gのイソプロパノールに溶解した1110gのクロロ酢酸を60分かけてケトルに投入して、エーテル化反応を行った。反応を79℃で5時間保持した後、反応内容物(14381g)を取り出し、濾過した。フィルターケーキを5Lのメタノールと0.5Lの水の混合物にスラリー化した。次いでスラリーを濾過し、次いでフィルターケーキを5Lのエタノールと0.5Lの水の混合物にスラリー化した。次いで、固体を、濾過し3Lのメタノール中で2回スラリー化することにより洗浄した。最終濾過により得られた湿潤ケーキを40℃で一晩真空乾燥した。乾燥固体を粉砕して20メッシュスクリーンを通過させ、次いで4Lのメタノールにスラリー化した。次いで固体を濾過し、真空下40℃で一晩乾燥させた。全体として、反応中に1.9%の物質収支が失われた。
最終粉末生成物のNMR分析は、可能な3.0のうち0.47のカルボキシメチル末端基含有量を示した。従って、上記のエーテル化反応は、0.47のDoSで、アニオン性エーテル誘導体、カルボキシメチルデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを首尾よく生成した。乾燥粉末生成物は、水中で測定される154.5dL/gの還元粘度値を有することが示され、エーテル生成物は、水溶性であった。
上記の材料及び方法のセクションに従って、アニオン性エーテルグラフトコポリマー生成物を用いて水性液体吸収分析を行った。乾燥粉末生成物は、58.6g/gのFSC値、4.1g/gのCRC値、及び55.2の%損失を有することがわかった。アニオン性エーテル生成物のFSCが、非誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのFSC値よりも著しく高かったことは注目に値する(実施例1を参照)。
実施例8
デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーの架橋アニオン性エーテル誘導体の生成
この実施例は、架橋されたアニオン性エーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーの調製を記載する。この架橋誘導体は、例えば、向上した水性液体吸収能力を示した。アニオン性エーテルを使用した以外に、この実施例は、アニオン性エーテルの調製後に架橋を行ったという点で実施例4(架橋カチオン性エーテルの生成)とは異なり、実施例4は、同じ反応容器において架橋及びカチオンエーテル化を行うことを開示した。
この実施例で使用されたカルボキシメチルデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーは、実施例7と同様の手順に従って、上記の実施例で使用されたのと同じグラフトコポリマーを使用して生成された。この誘導体は、0.46のDoS及び176.1dL/gの還元粘度(水中で測定)を有した。その吸収性プロファイルは、以下の通りである:62.3g/gのFSC値、5.4g/gのCRC、52.1の%損失。
100mLの丸底フラスコに、20gのアセトン、4gの水、及び1.5gの上記カルボキシメチルデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを加えて混合し、アセトンはコポリマーをスラリーにおいて懸濁するのに役立った。次いで、0.6mLのジエチレングリコールジメチルエーテル(上記)をスラリーに混合した。フラスコを80℃に保持した熱油浴中に降ろし、約1分後、真空にしてアセトンを除去した。次いで、フラスコを、真空下で150℃に保持されたオーブンに1時間入れ、架橋の大部分又は全ては、この工程中に発生したと考えられる。乾燥内容物(架橋カルボキシメチルデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマー)をフラスコから取り出し、粉末にした。
上記の材料及び方法のセクションに従って、架橋エーテル化グラフトコポリマー生成物について水性液体吸収分析を実施した。乾燥生成物(粉末)は、42.1g/gのFSC値、28.4g/gのCRC値、及び9.7の%損失を有することがわかり、架橋生成物は、水不溶性であった(例えば、水に溶解した0.9重量%のNaClでゲルを形成する)。更に、(1時間ではなく)150℃で2時間乾燥させた架橋エーテル化グラフトコポリマー生成物は、33.9g/gのFSC値、17.2g/gのCRC値、及び4.4の%損失を有した。
以下の表1に、この実施例及び上記の実施例で実施された吸収性試験を要約する。
Figure 2023528442000005
この実施例(架橋アニオンエーテル)及び実施例4(架橋カチオンエーテル)における架橋デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーエーテル誘導体の吸収プロファイルは注目に値する。例えば、架橋アニオン性エーテル(この実施例)のCRC値は、その架橋されていない親エーテル化合物のCRC値(5.4g/g)よりも5倍を超えて大きく、また、実施例5~7で生成された非架橋アニオン性グラフトコポリマーのCRC値よりも大きかった。同様に、実施例4で生成された架橋カチオン性エーテルは、実施例1~3で生成された非架橋カチオン性グラフトコポリマーのCRC値よりも大きいCRC値を有した。これらのCRC値は全て、生理食塩水(0.9重量%NaCl)で測定したものである。これらの結果は、米国特許出願公開第2019/0359734号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)の実施例8に開示されたものとは対照的であり、これは、非エーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマー(本開示と同様の方法で生成される)を架橋すると、生理食塩水で測定した場合、大部分において架橋グラフトコポリマーのCRC値はほとんど増加しなかったことを示す。生理食塩水でのこの低いCRCにもかかわらず、非エーテル誘導体化グラフトコポリマーは、架橋すると、DI水中で測定されるCRCの著しくより高い増加を示した。従って、本開示のエーテル誘導体化グラフトコポリマーを提供することにより、生理食塩水中での吸収活性(CRC)が向上した架橋生成物の生成が可能になり、これは一般に、吸収性生成物が対象とする水性流体をより代表するものである。
実施例8
凝集におけるデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのエーテル誘導体の使用
この実施例は、デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーエーテルを使用して、公共下水システムからの汚泥を凝集させることを記載する。特に、可溶性カチオン性グラフトコポリマーエーテルは、汚泥固体を凝集させ、汚泥水を精製することができた。従って、本明細書のグラフトコポリマーエーテルは、廃水処理操作及び凝集を利用する他のプロセスにおいて脱水剤として機能することができる。これらの材料は、凝集用途で使用される既存の化合物と比較して、より持続可能で生分解性であるという利点を与える。
58重量%のデキストラン骨格含有量及び42重量%のα-1,3-グルカン側鎖含有量を有するデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーを、上記の実施例1と同様の方法でカチオン化して、0.19のDoS、3.81dL/g(DMSO/LiCl中で測定)の還元粘度、及び24.7g/gのFSC値を有する水不溶性トリメチルアンモニウムヒドロキシプロピルグラフトコポリマーエーテルを生成した。このカチオン性エーテルは、本明細書では試料442と呼ばれる。45重量%のデキストラン骨格含有量と55重量%のα-1,3-グルカン側鎖含有量を有する別のグラフトコポリマーを同様にカチオン化して、0.43のDoS、2.65dL/g(水中で測定)の還元粘度、及び44.9g/gのFSC値を有する水溶性トリメチルアンモニウムヒドロキシプロピルグラフトコポリマーエーテルを生成した。このカチオン性エーテルは、本明細書では試料443と呼ばれる。試料442及び443は粉末形態でもたらされ、廃水汚泥凝集活性について試験した。この活性を、アクリルアミドと4級化カチオンモノマーとのコポリマーである、既存の凝集剤、BASF Zetag(登録商標)8127の活性と比較した。
上記の3つのエーテルポリマーは、それらが汚泥の凝集を促進できるかどうかを判断するために、標準的な凝集アッセイで使用された。一連の3つの試験は、2つの異なる居留区からの下水から消化された(即ち、微生物学的に分解された)廃水汚泥を使用して実行した。
汚泥沈降試験では、汚泥(水で1:10[v:v]に希釈)を、汚泥のkg当たり(乾燥固体ベース)、4、8、又は10gのいずれかの候補ポリマー(試料442又は443)、或いは既存の凝集剤(上記)と混合した。これらのスラリー(約1L)を個々の1Lシリンダーに注ぎ、30分間静置した後、汚泥層の量を記録し、各汚泥層は、シリンダーの底に形成された。平均30分間の量を以下の表2に示す。
第2の試験では、添加された各ポリマーがそのスラリーから懸濁固体を除去する効率(上記)を、スラリーを遠心分離し、次いで、Progress in Filtration and Separation(Edition:1,Chapter 16. Turbidity:Measurement of Filtrate and Supernatant Quality?,Publisher:Academic Press,Editors:E.S.Tarleton,July 2015、参照により本明細書に組み込まれる)に従って上澄みの濁度を測定することによって評価した。平均濁度は、以下の表2に比濁濁度単位(NTU)で示される。
キャピラリー吸引時間(CST)試験を適用して、濾過性と、スラリー及び汚泥からの水分除去の容易さを測定した。CSTは、中央漏斗に注がれた汚泥から水が排出され、設定された距離を移動する時間を秒単位で記録することによって測定される。CST試験の完全な説明は、Progress in Filtration and Separation(Edition:1,Chapter 17. Capillary Suction Time(CST),Publisher:Academic Press,Editors:E.S.Tarleton,July 2015、参照により本明細書に組み込まれる)に見られることができる。平均CST測定値を以下の表2に示す。
対照(ポリマーを添加せず)及び上記の3つのポリマーについての上記の試験のそれぞれの結果の平均値を、以下の表2に示す。上記の試験における凝集剤の目的は、汚泥固体の沈降量と汚泥水の濁度及びキャピラリー吸引時間の両方を最小限に抑えることである。表2に基づき、Zetag(登録商標)8127試薬は、対照と比較して最も低い沈降体積をもたらした。試料442は、低いカチオン性エーテル基のDoS(0.19)を有し、対照と比較して汚泥沈降の最小限の改善を示した。試料443は、カチオン性エーテル基でより高いDoS(0.43)を有し、特に8g/kg濃度でより良好な性能を示した。濁度アッセイでも同様の傾向が観察された。Zetag(登録商標)8127は、濁度が最も低く、試料443は、8及び10g/kgの濃度で最も高い性能を示した。キャピラリー吸引時間試験では、30秒未満の値は、良好な脱水特性を示し、150秒を超える値は、脱水特性が悪いことを示している。Zetag(登録商標)8127は、8~10g/kgの濃度で良好に機能したが、試料443と同じ濃度で処理すると、CST値は30~150秒になった。試料442及び443を比較すると、カチオン性エーテル基で誘導体化された本明細書のグラフトコポリマーに関して、凝集及び水処理機能を付与するには、より高いDoSが望ましいことが明らかである。全体として、試料443及び類似のエーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーは、廃水処理に適用でき、持続可能で生分解性であるという利点をもたらす。
Figure 2023528442000006
実施例9
パーソナルケア用途におけるデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのエーテル誘導体の使用
上記の実施例2で調製したカチオン性デキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエーテル誘導体を、皮膚/手の消毒剤配合物中の粘度調整剤として使用した。この配合物の組成は、エタノール70重量%、カチオン性グラフトポリマーエーテル0.5重量%、水29.5重量%であった。配合物は、最初にカチオン性グラフトポリマーエーテルを水に溶解し、次いで室温で攪拌しながらエタノールを加えることによって作成した。配合物の外観及び粘稠度は、現在市場で入手可能な皮膚/手の消毒剤配合物の外観及び粘稠度と同じ、又は非常に類似していた。この高アルコール濃度組成物に十分な粘度をもたらす比較的低い濃度(2重量%未満)のグラフトコポリマーの能力は、非常に有利である。
実施例10
生理食塩水の粘度調整におけるデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーとα-1,3-グルカンホモポリマーのエーテル誘導体の使用
この実施例は、例えば、石油(抽出)、水処理、及びパーソナルケア分野への適用についてであり、典型的には、これらは、重要なパラメータとして増粘を利用する。また、この実施例は、本明細書のエーテルが、様々なブライン系(例えば、高い濃度のCa2+及びMg2+を含む塩水)と適合性であることを実証している。
本開示の一連のα-グルカンエーテルを、水中での増粘効率及び生理食塩水との適合性について試験した。1350ppm(0.135重量%)又は5400ppm(0.540重量%)のデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーエーテル又はα-1,3-グルカンホモポリマーエーテル(これらの誘導体の特徴を以下の表4に示す)のいずれかを含む人工海水の試料(下の表3に示す配合)を調製し、試験した。エーテル誘導体を有する人工海水の各試料を調製するために、海水の5倍原液を調製し、次いで、エーテル誘導体溶液1対4の比で添加して、各成分の最終濃度を作成した。
Figure 2023528442000007
Figure 2023528442000008
各α-グルカン誘導体(表4)は、1350ppmの海水に適合することがわかった。例えば、人工海水の塩分濃度が高いにもかかわらず、誘導体のいずれのゲル化(沈殿)も観察されなかった。
脱塩水又は海水に溶解した各α-グルカン誘導体の粘度を評価した。粘度測定の設定は、以下の通りである:
1. ブルックフィールド粘度計を使用して粘度を測定した。
2. 水系溶液用に設計されたスピンドルLV-01を使用した。
3. 毎分回転数(rpm)の値は、トルク力に基づいて選択され、それは好ましくは5~80%であった。選択されたrpmは、典型的には50であった。
5. 濃度を上げた後の測定では、トルク力を正しいスペクトルにセットするために、他のスピンドルとrpm値が選択された。
脱塩水及び/又は海水中の各α-グルカン誘導体の粘度を表5及び6に示す。
Figure 2023528442000009
Figure 2023528442000010
結論:
1. 全てのポリマーは、非常に低い添加レベル(1重量%未満)で水の大幅な増粘を示し、これは、多くの産業で複数の目的に役立つ。
2. 全てのポリマーは、イオン強度にもかかわらず、海水中で部分的な粘度保持を示した。
3. 両方の化学(エーテル)官能基(アニオン性及びカチオン性)は、同等の増粘効果を示し、基礎となるポリマーMw(還元粘度[RV]で測定)の影響を浮き彫りにしている。
実施例11
エマルジョンにおけるデキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのエーテル誘導体の使用
本明細書のデキストラン-α-グルカングラフトコポリマーエーテル誘導体は、様々なエマルジョンの調製に使用された。
Figure 2023528442000011
手順(表7の相A~Dを使用):
1. Bをプレミックスし、次いでAに加え、次いでWARINGブレンダーを使用してブレンドした(最大rpm、3分)。
2. Cをプレミックスし、次いでA/Bに加え、次いでWARINGブレンダーを使用してブレンドした(低いrpm、1分)。
3. pHが7に達するまでDを添加した。
Figure 2023528442000012
表8の結果は、本明細書のα-グルカングラフトコポリマーのエーテルが、エマルジョンにおいて有用であり得る(例えば、エマルジョンに安定性をもたす)ことを示している。これは、例えば、既存のアクリレート成分を置き換えるために使用することができる。
これらのエマルジョンの触感を分析するために、更なる試験が行われた。具体的には、外観(ツヤ、ハリ)、擦れ(糸引き、べたつき、伸び、ぬめり、吸収性)、及び使用後(ツヤ、べたつき)の触感特性を分析した。各特性は、1(低い)から5(高い)で評価した。カチオン性(ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム)又はアニオン性(カルボキシメチル)エーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーのいずれかを有するエマルジョンは、以下の触感特性を有することがわかった(評価は括弧内に記載):外観ツヤ(3)、外観ハリ(3)、糸引き(4)、べたつき(4)、伸び(5)、ぬめり(3)、吸収性(3)、使用後のツヤ(3)、べたつき(2)。エーテル誘導体化デキストラン-α-1,3-グルカングラフトコポリマーの代わりに既存のアクリレート成分(CARBOPOL ULTREZ)を有するエマルジョンは、以下の触感特性を有したことに留意されたい:外観ツヤ(5)、外観ハリ(5)、糸引き(3)、べたつき(4)、伸び(4)、ぬめり(2)、吸収性(4)、使用後のツヤ(5)、べたつき(3)。従って、本明細書のα-グルカングラフトコポリマーエーテル誘導体を有するエマルジョンは、例えば、既存のアクリレート成分を含むエマルジョンのものと同等の触感を有することができる。

Claims (22)

  1. 約3.0までの置換度(DoS)を有する少なくとも1つのグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を含む組成物であって、前記グラフトコポリマーは、
    (i)デキストランを含む骨格と、
    (ii)少なくとも約30%のα-1,3グリコシド結合を含むα-グルカン側鎖と
    を含む組成物。
  2. 前記グラフトコポリマーは、前記骨格の約20重量%~約80重量%と、前記α-グルカン側鎖の約20重量%~約80重量%とを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記α-グルカン側鎖は、少なくとも約90%のα-1,3グリコシド結合を含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記α-グルカン側鎖の重量平均重合度(DPw)は、少なくとも約15である、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記デキストランは、少なくとも約90%のα-1,6グリコシド結合を含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記デキストランの重量平均分子量(Mw)は、少なくとも約5000ダルトンである、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記デキストランのMwは、少なくとも約10百万ダルトンである、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物は、水溶性である、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物のDoSは、約0.05~約0.9である、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物のDoSは、0.3より大きい、請求項1に記載の組成物。
  11. 少なくとも1つのグラフトコポリマーエーテル化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
  12. 前記グラフトコポリマーエーテル化合物は、アニオン性エーテル化合物である、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記アニオン性エーテル化合物は、カルボキシメチル基を含む、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記グラフトコポリマーエーテル化合物は、カチオン性エーテル化合物である、請求項11に記載の組成物。
  15. 前記カチオン性エーテル化合物は、4級アンモニウム基を含む、請求項14に記載の組成物。
  16. (i)前記グラフトコポリマーエーテル化合物は、アニオン性エーテル基と、カチオン性エーテル基とを含む、又は
    (ii)前記組成物は、少なくとも1つのアニオン性グラフトコポリマーエーテル化合物と、少なくとも1つのカチオン性グラフトコポリマーエーテル化合物とを含む、請求項11に記載の組成物。
  17. 前記グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物は、架橋されている、請求項1に記載の組成物。
  18. 前記組成物は、家庭用ケア製品、パーソナルケア製品、工業用製品、医薬品、又は摂取可能な製品(例えば、食品)である、請求項1に記載の組成物。
  19. 前記組成物は、
    (a)凝集剤、
    (b)吸収剤、
    (c)粘度調整剤、
    (d)紙、
    (e)エマルジョン、又は
    (f)ビルダー剤である、請求項1に記載の組成物。
  20. (a)反応において、グラフトコポリマーを、有機基を含む少なくとも1つのエーテル化剤又はエステル化剤と接触させる工程であって、少なくとも1つの有機基は、前記グラフトコポリマーにエーテル化又はエステル化され、これによりグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を生成し、前記グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物は、約3.0までの置換度(DoS)を有し、前記グラフトコポリマーは、
    (i)デキストランを含む骨格と、
    (ii)少なくとも約30%のα-1,3グリコシド結合を含むα-グルカン側鎖とを含む工程、並びに
    (b)任意選択的に、工程(a)で生成された前記グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を単離する工程
    を含む、グラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を生成する方法。
  21. (a)請求項1に記載のグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を、懸濁固体を含む水性組成物に混合し、これにより、前記懸濁固体の少なくとも一部が凝集する工程と、
    (b)任意選択的に、(a)の前記凝集固体を前記水性組成物から分離する工程と
    を含む凝集方法。
  22. 請求項1に記載のグラフトコポリマーエーテル又はエステル化合物を水性液体含有組成物と接触させる工程を含む吸収方法であって、前記化合物は、前記液体含有組成物から水性液体を吸収する吸収方法。
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