JP2023168418A - 導電性粒子、導電性粒子の製造方法、導電材料及び接続構造体 - Google Patents

導電性粒子、導電性粒子の製造方法、導電材料及び接続構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】導電部に割れを生じ難くすることができ、耐酸性を高めることができ、従って接続信頼性を高めることができる導電性粒子を提供する。【解決手段】本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部とを備え、前記導電部が水素原子を含まないか、又は、前記導電部が水素原子を80μg/g以下で含む。【選択図】図1

Description

本発明は、基材粒子の表面上に導電部が配置されている導電性粒子及び導電性粒子の製造方法に関する。また、本発明は、上記導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。上記異方性導電材料では、バインダー樹脂中に複数の導電性粒子が分散されている。
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等に使用されている。
上記導電性粒子の一例として、下記の特許文献1には、基材粒子と、該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを有する導電性粒子が開示されている。上記導電性金属層はニッケル層を含む。上記導電性粒子では、粉末X線解析法により測定されるニッケルの[111]方向の結晶子径が3nm以下である。
WO2013/042785A1
異方性導電材料を用いて、例えば、半導体チップの電極とガラス基板の電極とを電気的に接続する際には、ガラス基板上に、導電性粒子を含む異方性導電材料を配置する。次に、半導体チップを積層して、加熱及び加圧する。これにより、異方性導電材料を硬化させて、導電性粒子を介して電極間を電気的に接続して接続構造体を得る。このような方法で得られる接続構造体の一例として、液晶表示素子が挙げられる。
上記液晶表示素子では、液晶パネルの狭額縁化及びガラス基板の薄型化が進行している。このため、実装部に歪みが生じて、表示むらが発生しやすくなっている。表示むらを抑えるために、圧着時に低い温度で圧着することが求められている。
しかし、低い温度での圧着では、異方性導電材料の溶融粘度が高くなる。このため、低い温度での圧着時には、ボイドを生じ難くするために、圧力を高くする必要がある。結果として、導電性粒子に大きな応力が付与される。なお、上記の接続構造体の製造方法以外の製造方法においても、また導電性粒子の使用前においても、導電性粒子に大きな応力が付与されることがある。
特許文献1に記載のような従来の導電性粒子では、導電性粒子に応力が付与されたときに、導電層に割れが生じることがある。この結果、電極間を接続して接続構造体を得た場合には、初期の接続抵抗が高くなったり、導通信頼性が低くなったりすることがある。
さらに、従来の導電性粒子を用いて導電接続が行われた接続構造体が、酸の存在下に晒されたときに、電極間の接続抵抗が上昇することがある。
さらに、特許文献1に記載のような従来の導電性粒子が酸の存在下に晒されると、導電層の腐食が生じることがある。また、従来の導電性粒子を用いて電極間を接続して接続構造体を得た場合には、接続構造体が酸の存在下に晒されたときに、電極間の接続抵抗が上昇することがある。
本発明の目的は、導電部に割れを生じ難くすることができ、耐酸性を高めることができ、従って接続信頼性を高めることができる導電性粒子及び導電性粒子の製造方法を提供することである。
また、本発明は、上記導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体を提供することも目的とする。
本発明の広い局面によれば、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部とを備え、前記導電部が水素原子を含まないか、又は、前記導電部が水素原子を80μg/g以下で含む、導電性粒子が提供される。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部が結晶構造を有する導電部を含み、前記結晶構造を有する導電部の断面観察において、前記結晶構造を有する導電部における結晶子サイズが50nm以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部が結晶構造を有する導電部を含み、前記結晶構造を有する導電部において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面の結晶子サイズの平均値による結晶子サイズが50nm以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部が結晶構造を有する導電部を含み、前記結晶構造を有する導電部において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とウィリアムソン-ホール式から求められる結晶子サイズが50nm以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、10%圧縮した時の圧縮弾性率が3000N/mm以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部のビッカース硬度が200以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部は、ニッケル、パラジウム、ルテニウム、銅、タングステン、モリブデン、リン、ボロン、金、白金又は錫を少なくとも含む。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部は、ニッケルを少なくとも含む。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記基材粒子が、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子は、前記導電部の外表面に複数の突起を有する。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子は、前記導電部の外表面上に配置された絶縁性物質を備える。
本発明の広い局面によれば、上述した導電性粒子の製造方法であって、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部を有する導電性粒子を用いて、前記導電性粒子を200℃以上にアニール処理する工程を備え、前記アニール処理によって、導電部が水素原子を含まないか、又は、導電部が水素原子を80μg/g以下で含む導電性粒子を得る、導電性粒子の製造方法が提供される。
本発明の広い局面によれば、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料が提供される。
本発明の広い局面によれば、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、上述した導電性粒子であるか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料である、接続構造体が提供される。
本発明に係る導電性粒子では、基材粒子の表面上に導電部が配置されており、上記導電部が水素原子を含まないか、又は、上記導電部が水素原子を80μg/g以下で含むので、導電部に割れを生じ難くすることができ、耐酸性を高めることができ、従って接続信頼性を高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図4は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に示す正面断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(導電性粒子)
本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、該基材粒子の表面上に配置された導電部とを備える。
本発明に係る導電性粒子では、上記導電部が水素原子を含まないか、又は、上記導電部が水素原子を80μg/g以下で含む。すなわち、本発明に係る導電性粒子では、導電部における水素原子の含有量が極めて少ない。
本発明では、上述した構成が備えられているため、導電部に割れを生じ難くすることができ、耐酸性を高めることができ、従って接続信頼性を高めることができる。
また、導電部の割れを生じ難くすることによって、導電材料を比較的低温で硬化させて、導電材料の溶融粘度が高い状態で圧着を行っても、電極間の接続抵抗が十分に低く、導通信頼性に優れた接続構造体を得ることができることができる。本発明に係る導電性粒子の使用により、接続対象部材の狭額縁化及び薄型化に対応できる。
さらに、本発明では、導電部の割れが生じにくいために、酸の存在下に晒された導電性粒子を用いて接続構造体を得たり、接続構造体が酸の存在下に晒されたりしても、接続抵抗を低く維持することができる。
導電部の割れをより一層抑え、耐酸性をより一層高める観点からは、上記導電部における水素原子の含有量は少ないほどよい。上記導電部における水素原子の含有量は好ましくは60μg/g以下、より好ましくは40μg/g以下、最も好ましくは0μg/g(未含有)である。
上記導電部における水素原子の含有量の測定方法としては、昇温脱離法、高温溶解水素抽出法、グリセリン置換法、及び電気化学的放出法等がある。昇温脱離法が好ましく、昇温脱離水素分析装置を用いた昇温脱離法がより好ましい。
上記導電部における水素原子の含有量は、以下のようにして測定できる。
昇温脱離水素分析装置を用いた昇温脱離法では、昇温脱離装置で導電部を昇温加熱し、発生する微量水素をセンサガスクロマトグラフで測定する。3GPaの一定圧力下で、50℃から400℃まで昇温速度5℃/分で、真空引きされた導電部を徐々に加熱する。放出された水素原子をセンサガスクロマトグラフで測定する。
上記導電部における水素原子の含有量の算出方法に関して、まず導電性粒子における水素原子の含有量を測定し、水素原子の含有量の測定値を得る。次に上記導電部を形成する前の基材粒子における水素原子の含有量を測定し、水素原子の含有量の測定値を得る。導電性粒子における水素原子の含有量の測定値から基材粒子における水素原子の含有量の測定値を差し引くことで、導電部中の水素原子の含有量の数値を得ることができる。
導電部中の水素原子の含有量=導電性粒子における水素原子の含有量-基材粒子における水素原子の含有量
また、上記導電部における水素原子の含有量の算出方法に関しては、導電性粒子から導電部を剥離し、導電部のみを採取し、導電部における水素原子の含有量を測定し、水素原子の含有量の測定値を得ることができる。測定する導電部の試料採取方法は、まず導電性粒子をジルコニアボールによるボールミルを用いて粉砕し、導電部を基材粒子から完全に剥離して、試料を得る。その試料を乾式篩により、導電部と基材粒子とに分離し、導電部のみを採取する。
一般に導電性粒子における導電部には、水素原子が比較的多く含まれる。例えば、無電解めっきにより導電部を形成した場合には、導電性粒子のめっき表面積が大きいので高濃度の還元剤を必要とする。このため、多量の還元剤の酸化分解による水素発生を伴うため、導電部に水素原子が比較的多く含まれる。本発明では、導電部における水素原子を積極的に少なくする。
上記導電部における水素原子の含有量を少なくする方法としては、導電部を形成した後にアニール処理する方法、めっき時に使用する還元剤濃度を低減する方法、めっき時に界面活性剤を添加し、基材粒子表面の表面張力を低くし、水素脱離性を高くする方法、めっき時にめっき液の攪拌速度を速くし、水素脱離性を高くする方法、並びにめっき時の反応温度及びpHを制御し、還元剤の自己分解反応を抑制する方法等が挙げられる。水素原子の含有量が充分に少なくなるように、これらの方法を併用することができる。
導電部の割れをより一層抑え、耐酸性をより一層高める観点からは、上記導電部における結晶子サイズは、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上である。導電部の割れをより一層抑え、耐酸性をより一層高める観点からは、上記導電部が結晶構造を有する導電部を含むことが好ましい。導電部の割れをより一層抑え、耐酸性をより一層高める観点からは、上記結晶構造を有する導電部における結晶子サイズは、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上である。
導電部の割れをより一層抑え、耐酸性をより一層高める観点からは、上記結晶構造を有する導電部において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とウィリアムソン-ホール式から求められる結晶子サイズは、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上である。
導電部の割れをより一層抑え、耐酸性をより一層高める観点からは、上記結晶構造を有する導電部において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面の結晶子サイズの平均値による結晶子サイズは、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上である。
上記結晶子サイズは、以下のようにして測定できる。
得られた導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。
FE-SEM-EBSPを用いて、導電性粒子における結晶構造を有する導電部の断面について、結晶粒マッピング測定を実施する。結晶子サイズの粒径分布チャートを確認することにより、結晶子サイズを判定する。
また、上記結晶子サイズは、以下のようにして測定することができる。
X線回折装置(理学電機社製「RINT2500VHF」)を用いて粉末X線回折測定を行う。CuKα線によるX線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面の結晶子サイズの平均値により、結晶子サイズを判定する。
上記導電性粒子は、基材粒子と、導電部とを備えており、上記導電部が、結晶構造を有する第1の導電部と、結晶構造を有する第2の導電部とを含み、上記第1の導電部が、上記基材粒子の表面上に配置されており、上記第2の導電部が、上記第1の導電部に接するように上記第1の導電部の外表面上に配置されている導電性粒子であることが好ましい。この導電性粒子における第1の導電部の結晶子サイズを測定してもよい。
上記導電性粒子は、基材粒子と、導電部とを備えており、上記導電部が、結晶構造を有する第1の導電部のみであり、上記第1の導電部が、上記基材粒子の表面上に配置されている導電性粒子であることが好ましい。この導電性粒子の第1の導電部の結晶子サイズを測定してもよい。
結晶子サイズは、下記のシェラーの式により算出することができる。
D=kλ/βcosθ
D:結晶子サイズ
K:シェラー定数
λ:X線の波長
β:半値幅[rad]
θ:回折角
結晶子サイズは、下記のウィリアムソン-ホール式により算出することができる。
Δ2θ・cosθ/λ=0.9/D+2ε・sinθ/λ
D:結晶子サイズ
λ:X線の波長
Δ2θ:半値幅[rad]
θ:回折角度
ε:格子ひずみ
結晶子サイズは、上記のウィリアムソン-ホール式により横軸に2sinθ/λ、縦軸にΔ2θ・cosθ/λを取ってプロットを行い、プロットの直線の切片の値から結晶子サイズを算出する。
導電部の割れをより一層抑え、耐酸性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)は、好ましくは3000N/mm以上、より好ましくは5000N/mm以上であり、好ましくは20000N/mm以下、より好ましくは10000N/mm以下である。
上記導電性粒子の上記10%K値は、以下のようにして測定できる。
微小圧縮試験機を用いて、円柱(直径50μm、ダイヤモンド製)の平滑圧子端面で、25℃、最大試験荷重90mNを30秒かけて負荷する条件下で導電性粒子を圧縮する。このときの荷重値(N)及び圧縮変位(mm)を測定する。得られた測定値から、上記圧縮弾性率を下記式により求めることができる。上記微小圧縮試験機として、例えば、フィッシャー社製「フィッシャースコープH-100」等が用いられる。
K値(N/mm)=(3/21/2)・F・S-3/2・R-1/2
F:導電性粒子が10%圧縮変形したときの荷重値(N)
S:導電性粒子が10%圧縮変形したときの圧縮変位(mm)
R:導電性粒子の半径(mm)
導電部の割れをより一層抑え、耐酸性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子における上記導電部のビッカース硬度は、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは500以上であり、好ましくは1000以下、より好ましくは800以下である。導電部の割れをより一層抑え、耐酸性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子における上記結晶構造を有する導電部のビッカース硬度は、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは500以上であり、好ましくは1000以下、より好ましくは800以下である。
接続抵抗をより一層低くし、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子は、上記導電部の外表面に複数の突起を有することが好ましい。さらに、上記導電性粒子は、上記導電部内において、複数の上記突起を形成するように、上記導電部の外表面を隆起させている複数の芯物質を備えることが好ましい。
接続抵抗をより一層低くし、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電性粒子の全表面積100%中、上記突起がある部分の表面積は好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上であり、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。
上記突起がある部分の表面積は、導電性粒子を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、突起がある部分の表面積の粒子の投影面積に対する百分率を算出することにより求められる。複数の導電性粒子の場合には、上記突起がある部分の表面積は、好ましくは、任意の導電性粒子10個を電子顕微鏡又は電界放射型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)にて観察し、突起がある部分の表面積の粒子の投影面積に対する百分率の平均値を算出することにより求められる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図1に示す導電性粒子1は、基材粒子2と、導電部3とを有する。導電部3は、基材粒子2の表面上に配置されている。導電部3は、基材粒子2の表面に接している。導電性粒子1は、基材粒子2の表面が導電部3により被覆された被覆粒子である。導電性粒子1では、導電部3は、単層の導電部(導電層)である。
導電性粒子1は、後述する導電性粒子11,21とは異なり、芯物質を有さない。導電性粒子1は導電性の表面に突起を有さず、導電部3の外表面に突起を有さない。導電性粒子1は球状である。
このように、本発明に係る導電性粒子は、導電性の表面に突起を有していなくてもよく、導電部の外表面に突起を有していなくてもよく、球状であってもよい。また、導電性粒子1は、後述する導電性粒子11,21とは異なり、絶縁性物質を有さない。但し、導電性粒子1は、導電部3の外表面上に配置された絶縁性物質を有していてもよい。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図2に示す導電性粒子11は、基材粒子2と、導電部12と、複数の芯物質13と、複数の絶縁性物質14とを有する。導電部12は、基材粒子2の表面上に基材粒子2に接するように配置されている。導電性粒子11では、導電部12は、単層の導電部(導電層)である。
導電性粒子11は、導電性の表面に、複数の突起11aを有する。導電部12は外表面に、複数の突起12aを有する。複数の芯物質13が、基材粒子2の表面上に配置されている。複数の芯物質13は導電部12内に埋め込まれている。芯物質13は、突起11a,12aの内側に配置されている。導電部12は、複数の芯物質13を被覆している。複数の芯物質13により導電部12の外表面が隆起されており、突起11a,12aが形成されている。
導電性粒子11は、導電部12の外表面上に配置された絶縁性物質14を有する。導電部12の外表面の少なくとも一部の領域が、絶縁性物質14により被覆されている。絶縁性物質14は絶縁性を有する材料により形成されており、絶縁性粒子である。このように、本発明に係る導電性粒子は、導電部の外表面上に配置された絶縁性物質を有していてもよい。但し、本発明に係る導電性粒子は、絶縁性物質を必ずしも有していなくてもよい。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図3に示す導電性粒子21は、基材粒子2と、導電部22と、複数の芯物質13と、複数の絶縁性物質14とを有する。導電部22は全体で、基材粒子2側に第1の導電部22Aと、基材粒子2側とは反対側に第2の導電部22Bとを有する。
導電性粒子11と導電性粒子21とでは、導電部のみが異なっている。すなわち、導電性粒子11では、1層構造の導電部12が形成されているのに対し、導電性粒子21では、2層構造の第1の導電部22A及び第2の導電部22Bが形成されている。第1の導電部22Aと第2の導電部22Bとは別の導電部として形成されている。
第1の導電部22Aは、基材粒子2の表面上に配置されている。基材粒子2と第2の導電部22Bとの間に、第1の導電部22Aが配置されている。第1の導電部22Aは、基材粒子2に接している。従って、基材粒子2の表面上に第1の導電部22Aが配置されており、第1の導電部22Aの外側の表面上に第2の導電部22Bが配置されている。第2の導電部22Bは基材粒子2に接していない。導電性粒子21は、導電性の表面に、複数の突起21aを有する。導電部22は外表面に、複数の突起22aを有する。第1の導電部22Aは外表面に、突起22Aaを有する。第2の導電部22Bは外表面に、複数の突起22Baを有する。導電性粒子21では、導電部22は、2層の導電部(導電層)である。上記導電性粒子は、上記第2の導電部の外側の表面上に配置された第3の導電部を備えていてもよい。上記導電部は、3層以上の導電部であってもよい。
以下、導電性粒子の他の詳細について説明する。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味する。
[基材粒子]
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを備えるコアシェル粒子であってもよい。上記コアが有機コアであってもよい。上記シェルが無機シェルであってもよい。なかでも、金属粒子を除く基材粒子が好ましく、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子がより好ましい。本発明の効果により一層優れることから、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子が特に好ましい。
上記基材粒子は、樹脂により形成された樹脂粒子であることが好ましい。上記導電性粒子を用いて電極間を接続する際には、上記導電性粒子を電極間に配置した後、圧着することにより上記導電性粒子を圧縮させる。上記基材粒子が樹脂粒子であると、上記圧着の際に上記導電性粒子が変形しやすく、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなる。このため、電極間の導通信頼性が高くなる。
上記樹脂粒子を形成するための樹脂として、種々の有機物が好適に用いられる。上記樹脂粒子を形成するための樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート及びポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。基材粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子を形成するための樹脂は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得る場合、上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合には、基材粒子を形成するための無機物としては、シリカ及びカーボンブラック等が挙げられる。上記無機物は金属ではないことが好ましい。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上有するケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子である場合に、該金属粒子の材料である金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。但し、上記基材粒子は金属粒子ではないことが好ましく、銅粒子ではないことが好ましい。
上記基材粒子の粒子径は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1.0μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、特に好ましくは2.0μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは300μm以下、更に好ましくは50μm以下、更に一層好ましくは30μm以下、更に一層好ましくは8.0μm以下、特に好ましくは5.0μm以下、最も好ましくは4.0μm以下である。上記基材粒子の粒子径が上記下限以上であると、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなるため、電極間の導通信頼性がより一層高くなり、導電性粒子を介して接続された電極間の接続抵抗がより一層低くなる。さらに基材粒子の表面に導電部を無電解めっきにより形成する際に凝集し難くなり、凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。上記基材粒子の粒子径が上記上限以下であると、導電部の割れがより一層生じ難く、導電性粒子が充分に圧縮されやすく、電極間の接続抵抗がより一層低くなり、更に電極間の間隔が小さくなる。
上記基材粒子の粒子径は、基材粒子が真球状である場合には、直径を示し、基材粒子が真球状ではない場合には、最大径を示す。
上記基材粒子の粒子径は、2μm以上、5μm以下であることが特に好ましい。上記基材粒子の粒子径が2~5μmの範囲内であると、電極間の間隔が小さくなり、かつ導電部の厚みを厚くしても、小さい導電性粒子が得られる。
さらに、上記基材粒子の粒子径は、1.0μm以上、4.0μm以下であることが特に好ましい。この基材粒子の粒子径を満足する場合に、導電部の割れがかなり生じ難くなり、接続抵抗がより一層効果的に低くなる。
[導電部]
上記導電部を形成するための金属は特に限定されない。該金属としては、例えば、金、銀、パラジウム、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、ルテニウム、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。なかでも、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができるので、錫を含む合金、ニッケル、パラジウム、銅又は金が好ましく、ニッケル又はパラジウムが好ましい。
導電部の割れをより一層抑え、耐酸性をより一層高める観点からは、上記導電部は、ニッケル、パラジウム、ルテニウム、銅、タングステン、モリブデン、リン、ボロン、金、白金又は錫を少なくとも含むことが好ましく、ニッケルを少なくとも含むことがより好ましい。上記導電部は、ニッケル、パラジウム、銅、タングステン、モリブデン、リン、ボロン、金、白金又は錫を少なくとも含むことが好ましく、ニッケルを少なくとも含んでいてもよい。導電部の割れをより一層抑え、耐酸性をより一層高める観点からは、上記結晶構造を有する導電部は、ニッケル、パラジウム、ルテニウム、銅、タングステン、モリブデン、リン、ボロン、金、白金又は錫を少なくとも含むことが好ましく、ニッケルを少なくとも含むことがより好ましく、ニッケル、パラジウム、銅、タングステン、モリブデン、リン、ボロン、金、白金又は錫を少なくとも含むことが好ましく、ニッケルを少なくとも含んでいてもよい。
導電性粒子1,11のように、上記導電部は、1つの層により形成されていてもよい。導電性粒子21のように、導電部は、複数の層により形成されていてもよい。すなわち、導電部は、2層以上の積層構造を有していてもよい。導電部が複数の層により形成されている場合には、最外層は、金層、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は錫と銀とを含む合金層であることが好ましく、金層であることがより好ましい。最外層がこれらの好ましい導電層である場合には、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、最外層が金層である場合には、耐腐食性がより一層高くなる。
上記基材粒子の表面上に導電部を形成する方法は特に限定されない。導電部を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを基材粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。なかでも、導電部の形成が簡便であるので、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上であり、好ましくは520μm以下、より好ましくは500μm以下、より一層好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは20μm以下である。導電性粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が十分に大きくなり、かつ導電部を形成する際に凝集した導電性粒子が形成されにくくなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電部が基材粒子の表面から剥離し難くなる。また、導電性粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を導電材料の用途に好適に使用可能である。
上記導電性粒子の粒子径は、導電性粒子が真球状である場合には直径を意味し、導電性粒子が真球状以外の形状である場合には最大径を意味する。
上記導電部の厚み(導電部全体の厚み)は、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.3μm以下である。上記導電部の厚みは、導電部が多層である場合には導電層全体の厚みである。導電部の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、十分な導電性が得られ、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子が十分に変形する。
上記導電部が複数の層により形成されている場合に、最外層の導電層の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。上記最外層の導電層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の導電層による被覆が均一になり、耐腐食性が十分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、上記最外層が金層である場合に、金層の厚みが薄いほど、コストが低くなる。
上記導電部の厚みは、例えば電界放射型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。
得られた導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中に分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。
そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、50個の導電性粒子を無作為に選択し、それぞれの導電性粒子の導電部を観察することが好ましい。得られた導電性粒子における導電部の厚みを計測し、それを算術平均して導電部の厚みとすることが好ましい。
導電性を効果的に高める観点からは、上記導電性粒子は、ニッケルを含む導電部を有することが好ましい。ニッケルを含む導電部100重量%中、ニッケルの含有量は好ましくは50重量%以上、より好ましくは65重量%以上、より一層好ましくは70重量%以上、更に好ましくは75重量%以上、更に一層好ましくは80重量%以上、特に好ましくは85重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。上記ニッケルを含む導電部100重量%中、ニッケルの含有量は好ましくは100重量%(全量)以下であり、99重量%以下であってもよく、95重量%以下であってもよい。ニッケルの含有量が上記下限以上であると、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、電極や導電部の表面における酸化被膜が少ない場合には、ニッケルの含有量が多いほど電極間の接続抵抗が低くなる傾向がある。
上記導電部に含まれる金属の含有量の測定方法は、既知の種々の分析法を用いることができ、特に限定されない。この測定方法として、吸光分析法又はスペクトル分析法等が挙げられる。上記吸光分析法では、フレーム吸光光度計及び電気加熱炉吸光光度計等を用いることができる。上記スペクトル分析法としては、プラズマ発光分析法及びプラズマイオン源質量分析法等が挙げられる。
上記導電部に含まれる金属の平均含有量を測定する際には、ICP発光分析装置を用いることが好ましい。ICP発光分析装置の市販品としては、HORIBA社製のICP発光分析装置等が挙げられる。
上記導電部は、ニッケルに加えて、リン又はボロンを含んでいてもよい。また、上記導電部は、ニッケル以外の金属を含んでいてもよい。上記導電部において、複数の金属が含まれる場合に、複数の金属は合金化していてもよい。
ニッケルとリン又はボロンとを含む導電部100重量%中、リン又はボロンの含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。リン又はボロンの含有量が上記下限及び上記上限以下であると、導電部の抵抗がより一層低くなり、上記導電部が接続抵抗の低減に寄与する。
[芯物質]
上記導電性粒子は、導電性の表面に、突起を有することが好ましい。上記導電性粒子は、上記導電部の外表面に、突起を有することが好ましい。上記突起は複数であることが好ましい。上記導電性粒子により接続される電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。さらに、上記導電性粒子の導電部の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。上記突起を有する導電性粒子の使用により、電極間に導電性粒子を配置した後、圧着させることにより、突起により酸化被膜が効果的に排除される。このため、電極と導電性粒子とをより一層確実に接触させることができ、電極間の接続抵抗を低くすることができる。さらに、上記導電性粒子が表面に絶縁性物質を有する場合、又は導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されて導電材料として用いられる場合に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間の樹脂を効果的に排除できる。このため、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
上記芯物質が上記導電部中に埋め込まれていることによって、上記導電部が外表面に複数の突起を有するようにすることが容易である。但し、導電性粒子の導電性の表面及び導電部の表面に突起を形成するために、芯物質を必ずしも用いなくてもよい。
上記突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電部を形成する方法、基材粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成する途中段階で芯物質を添加する方法等が挙げられる。
上記芯物質の材料としては、導電性物質及び非導電性物質が挙げられる。上記導電性物質としては、例えば、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム及びジルコニア等が挙げられる。なかでも、導電性を高めることができ、更に接続抵抗を効果的に低くすることができるので、金属が好ましい。上記芯物質は金属粒子であることが好ましい。上記芯物質の材料である金属としては、上記導電材料の材料として挙げた金属を適宜使用可能である。
上記芯物質の材料の具体例としては、チタン酸バリウム(モース硬度4.5)、ニッケル(モース硬度5)、シリカ(二酸化珪素、モース硬度6~7)、酸化チタン(モース硬度7)、ジルコニア(モース硬度8~9)、アルミナ(モース硬度9)、炭化タングステン(モース硬度9)及びダイヤモンド(モース硬度10)等が挙げられる。上記無機粒子は、ニッケル、シリカ、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが好ましく、シリカ、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることがより好ましく、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが更に好ましく、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが特に好ましい。上記芯物質の材料のモース硬度は好ましくは5以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは7以上、特に好ましくは7.5以上である。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の平均径(平均粒子径)は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の平均径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
上記芯物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。芯物質の平均径は、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求められる。
上記導電性粒子1個当たりの上記の突起の数は、好ましくは3個以上、より好ましくは5個以上である。上記突起の数の上限は特に限定されない。上記突起の数の上限は導電性粒子の粒子径等を考慮して適宜選択できる。
複数の上記突起の平均高さは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記突起の平均高さが上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
[絶縁性物質]
上記導電性粒子は、上記導電部の表面上に配置された絶縁性物質を備えることが好ましい。この場合には、導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡をより一層防止できる。具体的には、複数の導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁性物質が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁性物質を容易に排除できる。上記導電性粒子が導電部の外表面に複数の突起を有する場合には、導電性粒子の導電部と電極との間の絶縁性物質をより一層容易に排除できる。
電極間の圧着時に上記絶縁性物質をより一層容易に排除できることから、上記絶縁性物質は、絶縁性粒子であることが好ましい。
上記絶縁性物質の材料である絶縁性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン類、(メタ)アクリレート重合体、(メタ)アクリレート共重合体、ブロックポリマー、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の架橋物、熱硬化性樹脂及び水溶性樹脂等が挙げられる。
上記絶縁性物質の平均径(平均粒子径)は、導電性粒子の粒子径及び導電性粒子の用途等によって適宜選択できる。上記絶縁性物質の平均径(平均粒子径)は好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。上記絶縁性物質の平均径が上記下限以上であると、導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されたときに、複数の導電性粒子における導電部同士が接触し難くなる。上記絶縁性粒子の平均径が上記上限以下であると、電極間の接続の際に、電極と導電性粒子との間の絶縁性物質を排除するために、圧力を高くしすぎる必要がなくなり、高温に加熱する必要もなくなる。
上記絶縁性物質の「平均径(平均粒子径)」は、数平均径(数平均粒子径)を示す。絶縁性物質の平均径は、粒度分布測定装置等を用いて求められる。
(導電性粒子の製造方法)
本発明に係る導電性粒子の製造方法は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置された導電部を有する導電性粒子(アニール処理前導電性粒子)を用いて、上記導電性粒子を200℃以上にアニール処理する工程を備える。本発明に係る導電性粒子の製造方法では、上記アニール処理によって、導電部が水素原子を含まないか、又は、導電部が水素原子を80μg/g以下で含む導電性粒子を得る。特に、上記結晶構造を有する導電部が、上記アニール処理されていることが好ましい。
導電部における水素原子の含有量を少なくするために、アニール処理の温度は、好ましくは200℃以上、より好ましくは300℃以上である。また、アニール処理の温度は、基材粒子の熱分解温度以下かつ導電部の熱分解温度以下である。アニール処理の温度は、基材粒子の熱分解温度よりも30℃以上低いことが好ましい。アニール処理の温度は、好ましくは800℃以下、より好ましくは500℃以下である。
また、導電部における水素原子の含有量を少なくするために、アニール処理の時間は、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、更に好ましくは3時間以上である。
また、導電部における水素原子の含有量を少なくするために、アニール処理は高圧雰囲気下で行うことが好ましい。アニール処理時の真空度は、好ましくは10kPa以上、より好ましくは50kPa以上、更に好ましくは100kPa以上である。
また、導電部における水素原子の含有量を少なくするために、大気圧雰囲気下でアニール処理する際には、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下でアニール処理を行うことが好ましい。
また、均一な導電部を形成するために、上記導電部は無電解めっきにより形成されていることが好ましく、無電解めっき層であることが好ましい。
無電解めっきにより導電部を形成した場合には、導電性粒子のめっき表面積が大きいので、高濃度の還元剤を必要とする。よって、多量の還元剤の酸化分解による水素発生を伴うため、導電部に水素原子が比較的多く含まれる。
上記導電部における水素の含有量を制御する方法としては、例えば、無電解ニッケルめっきにより導電部を形成する際に、還元剤濃度を最小限に調整する方法、ニッケルめっき液のpHを制御する方法、ニッケルめっき液の温度を制御する方法、ニッケルめっき液の粒子攪拌速度を調整する方法、ニッケルめっき液中の粒子の表面張力を制御する方法、並びにニッケルめっき液中のニッケル濃度を調整する方法等が挙げられる。
上記導電部における水素の含有量を制御する方法として、還元剤濃度を最小限に調整する方法が挙げられる。上記還元剤として、リン含有還元剤が好適に用いられる。また、上記還元剤として、ボロン含有還元剤を用いることで、ボロンを含む導電層を形成できる。
上記リン含有還元剤としては、次亜リン酸ナトリウム等が挙げられる。上記ボロン含有還元剤としては、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム及び水素化ホウ素カリウム等が挙げられる。
上記還元剤を100g/L以下の濃度に調整したニッケルめっき液を用い、樹脂粒子が分散した懸濁液に100ml/分以下でゆっくりと滴下することにより、導電部における水素原子の含有量を少なくすることができる。
上記導電部における水素の含有量を制御する方法として、ニッケルめっき液のpHを制御する方法が挙げられる。ニッケルめっき液のpHが8.0を超えると還元剤の自己分解反応を多く伴うため、水素発生量が増加し、上記導電部における水素原子の含有量が増加する。よって、導電部における水素原子の含有量を少なくするために、ニッケルめっき液のpHは8.0以下にし、ニッケルめっき析出に寄与しない還元剤の自己分解反応を抑制することで、導電部における水素原子の含有量を少なくすることができる。
上記導電部における水素の含有量を制御する方法として、ニッケルめっき液の反応温度を制御する方法が挙げられる。ニッケルめっき液の反応温度が70℃を超えると還元剤の自己分解反応を多く伴うため、水素発生量が増加し、上記導電部における水素原子の含有量が増加する。よって、導電部における水素原子の含有量を少なくするために、ニッケルめっき液の反応温度は70℃以下にし、ニッケルめっき析出に寄与しない還元剤の自己分解反応を抑制することで、導電部における水素原子の含有量を少なくすることができる。
(導電材料)
本発明に係る導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散され、導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記導電性粒子及び上記導電材料はそれぞれ、電極間の電気的な接続に用いられることが好ましい。上記導電材料は、回路接続材料であることが好ましい。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂としては、一般的には絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル-スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料及び上記バインダー樹脂は、熱可塑性成分又は熱硬化性成分を含むことが好ましい。上記導電材料及び上記バインダー樹脂は、熱可塑性成分を含んでいてもよく、熱硬化性成分を含んでいてもよい。上記導電材料及び上記バインダー樹脂は、熱硬化性成分を含むことが好ましい。上記熱硬化性成分は、加熱により硬化可能な硬化性化合物と熱硬化剤とを含むことが好ましい。上記熱硬化剤は、熱カチオン硬化開始剤であることが好ましい。上記加熱により硬化可能な硬化性化合物と上記熱硬化剤とは、上記バインダー樹脂が硬化するように適宜の配合比で用いられる。上記バインダー樹脂が熱カチオン硬化開始剤を含むと、硬化物中に酸が含まれやすい。しかし、本発明に係る導電性粒子の使用により、電極間の接続抵抗を低く維持することができる。
上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。上記導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは、異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であり、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の導通信頼性がより一層高くなる。
上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、更に好ましくは40重量%以下、特に好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
(接続構造体)
上記導電性粒子を用いて、又は上記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。上記接続部が、上述した導電性粒子により形成されているか、又は、上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されていることが好ましい。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1,第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、該接続部の材料が上述した導電性粒子であるか、又は、上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料である接続構造体であることが好ましい。上記接続部が本発明の導電性粒子により形成されているか、又は該導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されている接続構造体であることが好ましい。導電性粒子が用いられた場合には、接続部自体が導電性粒子である。すなわち、第1,第2の接続対象部材が導電性粒子により接続される。
図4に、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に正面断面図で示す。
図4に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1,第2の接続対象部材52,53を接続している接続部54とを備える。接続部54は、導電性粒子1を含む導電材料を硬化させることにより形成されている。なお、図4では、導電性粒子1は、図示の便宜上、略図的に示されている。導電性粒子1にかえて、導電性粒子11,21等を用いてもよい。
第1の接続対象部材52は表面(上面)に、複数の第1の電極52aを有する。第2の接続対象部材53は表面(下面)に、複数の第2の電極53aを有する。第1の電極52aと第2の電極53aとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1,第2の接続対象部材52,53が導電性粒子1により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。上記接続構造体の製造方法の一例としては、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記加圧の圧力は9.8×10~4.9×10Pa程度である。上記加熱の温度は、120~220℃程度である。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板などの電子部品等が挙げられる。上記接続対象部材は電子部品であることが好ましい。上記導電性粒子は、電子部品における電極の電気的な接続に用いられることが好ましい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、銀電極、SUS電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)導電性粒子の作製
粒子径が3.0μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(基材粒子A、積水化学工業社製「ミクロパールSP-203」)を用意した。パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、上記樹脂粒子10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、樹脂粒子を取り出した。次いで、樹脂粒子をジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、樹脂粒子の表面を活性化させた。表面が活性化された樹脂粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(A)を得た。
次に、ニッケル粒子スラリー(平均粒子径150nm)1gを3分間かけて懸濁液(A)に添加し、芯物質が付着された基材粒子を得た。また、硫酸ニッケル50g/L、次亜リン酸ナトリウム50g/L及びクエン酸ナトリウム20g/Lを含むニッケルめっき液(pH5.0)3Lを用意した。
得られた懸濁液(A)を45℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液(A)に50ml/分で滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、ニッケル-リン導電層を形成した後、めっき液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、導電性粒子を得た。このようにして、上記基材粒子Aの表面上に導電部(厚み102nm)が形成された導電性粒子を得た。
次に、上記基材粒子Aの表面上に導電部が形成された導電性粒子を100KPaの気圧雰囲気下、温度300℃で4時間(アニール処理条件)アニール処理を行い、導電性粒子を得た。この導電性粒子を、異方性導電ペーストの作製に用いた。
(2)異方性導電ペーストの作製
熱硬化性化合物であるエポキシ化合物(ナガセケムテックス社製「EP-3300P」)20重量部と、熱硬化性化合物であるエポキシ化合物(DIC社製「EPICLON HP-4032D」)15重量部と、熱硬化剤である熱カチオン発生剤(三新化学社製 サンエイド「SI-60」)5重量部とを配合し、さらに得られた導電性粒子を配合物100重量%中での含有量が10重量%となるように添加した後、遊星式攪拌機を用いて2000rpmで5分間攪拌することにより、異方性導電ペーストを得た。
(3)接続構造体Aの作製
L/Sが20μm/20μmのAl-Ti4%電極パターン(Al-Ti4%電極厚み1μm)を上面に有するガラス基板を用意した。また、L/Sが20μm/20μmの金電極パターン(金電極厚み20μm)を下面に有する半導体チップを用意した。
上記ガラス基板の上面に、作製直後の異方性導電ペーストを厚さ20μmとなるように塗工し、異方性導電材料層を形成した。次に、異方性導電材料層の上面に上記半導体チップを、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電材料層の温度が170℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、150MPaの圧力をかけて、異方性導電材料層を180℃で硬化させ、接続構造体Aを得た。
(4)接続構造体Bの作製
半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、100MPaの圧力をかけて、異方性導電材料層を100℃で硬化させたこと以外は接続構造体Aと同様にして、接続構造体Bを得た。
(実施例2)
ニッケル粒子スラリー(平均粒子径150nm)をアルミナ粒子スラリー(平均粒子径150nm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例3)
硫酸ニッケル50g/L、次亜リン酸ナトリウム50g/L及びクエン酸ナトリウム20g/Lを含むニッケルめっき液(pH5.0)3Lを用意した。
次亜リン酸ナトリウム300g/Lを含む突起形成用めっき液(pH10.0)0.5Lを用意した。
実施例1で得られた懸濁液(A)を45℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液(A)に25ml/分で滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、ニッケル-リン導電層を形成した後、突起形成用めっき液を5ml/分で滴下し、突起形成を行った。突起形成用めっき液の滴下中は、発生したNi突起核を超音波攪拌により分散しながらニッケルめっきを施した。
次に、上記ニッケルめっき液を25ml/分で滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、基材粒子Aの表面上にニッケル-リン導電層を形成した。
めっき液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、導電性粒子を得た。このようにして、上記基材粒子Aの表面上に導電部(厚み102nm)が形成された導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例4)
硫酸ニッケル50g/L、次亜リン酸ナトリウム50g/L及びクエン酸ナトリウム20g/Lを含むニッケルめっき液(pH5.0)3Lを用意した。
次亜リン酸ナトリウム300g/Lを含む突起形成用めっき液(pH10.0)0.5Lを用意した。
シアン化金カリウム10g/L、クエン酸ナトリウム20g/L、エチレンジアミン四酢酸10g/L、及び水酸化ナトリウム15g/Lを含む金めっき液(pH9.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(A)を45℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液(A)に20ml/分で滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、ニッケル-リン導電層を形成した後、突起形成用めっき液を5ml/分で滴下し、突起形成を行った。突起形成用めっき液の滴下中は、発生したNi突起核を超音波攪拌により分散しながらニッケルめっきを施した。
次に、上記ニッケルめっき液を20ml/分で滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、基材粒子Aの表面上にニッケル-リン導電層を形成した。
その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、ニッケル-リン導電層が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(B)を得た。
その後、上記で得られた懸濁液(B)を55℃にて攪拌しながら、分散状態の懸濁液(B)に上記金めっき液を徐々に滴下し、金めっきを行った。金めっき液の滴下速度は2mL/分で滴下し、金めっきを行った。
懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、導電性粒子を得た。
このようにして、上記基材粒子Aの表面上にニッケル-リン及び金めっきされた導電部(厚み108nm)が形成された導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例5)
硫酸ニッケル50g/L、次亜リン酸ナトリウム50g/L及びクエン酸ナトリウム20g/Lを含むニッケルめっき液(pH5.0)3Lを用意した。
次亜リン酸ナトリウム300g/Lを含む突起形成用めっき液(pH10.0)0.5Lを用意した。
塩化パラジウム5g/L、ギ酸ナトリウム20g/L、エチレンジアミン5g/L、及びDL-りんご酸20g/Lを含むパラジウムめっき液(pH7.0)を用意した。
シアン化金カリウム7g/L、クエン酸ナトリウム15g/L、エチレンジアミン四酢酸7g/L、及び水酸化ナトリウム12g/Lを含む金めっき液(pH9.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(A)を45℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液(A)に15ml/分で滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、ニッケル-リン導電層を形成した後、突起形成用めっき液を5ml/分で滴下し、突起形成を行った。突起形成用めっき液の滴下中は、発生したNi突起核を超音波攪拌により分散しながらニッケルめっきを施した。
次に、上記ニッケルめっき液を15ml/分で滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、基材粒子Aの表面上にニッケル-リン導電層を形成した。
その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、ニッケル-リン導電層が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(B)を得た。
その後、上記で得られた懸濁液(B)を50℃にて攪拌しながら、分散状態の懸濁液(B)に上記パラジウムめっき液を徐々に滴下し、パラジウムめっきを行った。パラジウムめっき液の滴下速度は5mL/分で滴下し、パラジウムめっきを行った。
次に、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、ニッケル-リン及びパラジウム導電層が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(C)を得た。
その後、上記で得られた懸濁液(C)を55℃にて攪拌しながら、分散状態の懸濁液(C)に上記金めっき液を徐々に滴下し、金めっきを行った。金めっき液の滴下速度は2mL/分で滴下し、金めっきを行った。
懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、導電性粒子を得た。
このようにして、上記基材粒子Aの表面上にニッケル-リン、パラジウム及び金めっきされた導電部(厚み106nm)が形成された導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例6)
硫酸ニッケル50g/L、ジメチルアミンボラン20g/L及びクエン酸ナトリウム30g/Lを含むニッケルめっき液(pH6.0)3Lを用意した。
ジメチルアミンボラン120g/Lを含む突起形成用めっき液(pH10.0)0.5Lを用意した。
塩化パラジウム5g/L、ギ酸ナトリウム20g/L、エチレンジアミン5g/L、及びDL-りんご酸20g/Lを含むパラジウムめっき液(pH7.0)を用意した。
シアン化金カリウム7g/L、クエン酸ナトリウム15g/L、エチレンジアミン四酢酸7g/L、及び水酸化ナトリウム12g/Lを含む金めっき液(pH9.0)を用意した。
実施例1で得られた懸濁液(A)を45℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液に15ml/分で滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、ニッケル-ボロン導電層を形成した後、突起形成用めっき液を5ml/分で滴下し、突起形成を行った。突起形成用めっき液の滴下中は、発生したNi突起核を超音波攪拌により分散しながらニッケルめっきを施した。
次に、上記ニッケルめっき液を15ml/分で滴下し、無電解ニッケルめっきを行い、基材粒子の表面上にニッケル-ボロン導電層を形成した。
その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、ニッケル-ボロン導電層が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(B)を得た。
その後、上記で得られた懸濁液(B)を50℃にて攪拌しながら、分散状態の懸濁液(B)に上記パラジウムめっき液を徐々に滴下し、パラジウムめっきを行った。パラジウムめっき液の滴下速度は5mL/分で滴下し、パラジウムめっきを行った。
次に、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗することにより、ニッケル-リン及びパラジウム導電層が形成された粒子を得た。この粒子を十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、懸濁液(C)を得た。
その後、上記で得られた懸濁液(C)を55℃にて攪拌しながら、分散状態の懸濁液(C)に上記金めっき液を徐々に滴下し、金めっきを行った。金めっき液の滴下速度は2mL/分で滴下し、金めっきを行った。
懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、導電性粒子を得た。
このようにして、上記基材粒子Aの表面上にニッケル-ボロン、パラジウム及び金めっきされた導電部(厚み106nm)が形成された導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例7)
基材粒子Aの表面上に導電部が形成された導電性粒子を10KPaの気圧雰囲気下、温度300℃で4時間アニール処理するようにアニール処理条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例8)
基材粒子Aの表面上に導電部が形成された導電性粒子を100KPaの気圧雰囲気下、温度200℃で4時間アニール処理するようにアニール処理条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例9)
基材粒子Aを、基材粒子Aと粒子径のみが異なり、粒子径が2.5μmである基材粒子Bに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例10)
基材粒子Aを、基材粒子Aと粒子径のみが異なり、粒子径が3.5μmである基材粒子Cに変更したこと以外は実施例1と同様にして、導電性粒子、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例11)
粒子径が2.5μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールSP-2025」)の表面を、ゾルゲル反応による縮合反応を用いて無機シェル(厚み250nm)により被覆したコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子(基材粒子D)を得た。
基材粒子Aを基材粒子Dに変更したこと、並びに基材粒子Dの表面上に導電部が形成された導電性粒子を100KPaの気圧雰囲気下、温度400℃で4時間アニール処理するようにアニール処理条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例12)
攪拌機及び温度計が取り付けられた500mLの反応容器内に、0.13重量%のアンモニア水溶液300gを入れた。次に、反応容器内のアンモニア水溶液中に、メチルトリメトキシシラン4.1gと、ビニルトリメトキシシラン19.2gと、シリコーンアルコキシオリゴマー(信越化学工業社製「X-41-1053」)0.7gとの混合物をゆっくりと添加した。撹拌しながら、加水分解及び縮合反応を進行させた後、25重量%アンモニア水溶液2.4mLを添加した後、アンモニア水溶液中から粒子を単離して、得られた粒子を酸素分圧10-17atm、350℃で2時間焼成して、粒子径が3.0μmの有機無機ハイブリッド粒子(基材粒子E)を得た。
基材粒子Aを基材粒子Eに変更したこと、並びに基材粒子Eの表面上に導電部が形成された導電性粒子を100KPaの気圧雰囲気下、温度500℃で4時間アニール処理するようにアニール処理条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例13)
基材粒子Aを、基材粒子Aと粒子径のみが異なり、粒子径が5.0μmである基材粒子Fに変更したこと以外は実施例5と同様にして、導電性粒子、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例14)
基材粒子Aを、基材粒子Aと粒子径のみが異なり、粒子径が10.0μmである基材粒子Gに変更したこと以外は実施例5と同様にして、導電性粒子、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(実施例15)
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管及び温度プローブが取り付けられた1000mLのセパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル100mmolと、N,N,N-トリメチル-N-2-メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド1mmolと、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩1mmolとを含むモノマー組成物を固形分率が5重量%となるようにイオン交換水に秤取した後、200rpmで攪拌し、窒素雰囲気下、温度70℃で24時間重合を行った。反応終了後、凍結乾燥して、表面にアンモニウム基を有し、平均粒子径220nm及びCV値10%の絶縁性粒子を得た。
絶縁性粒子を超音波照射下でイオン交換水に分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液を得た。
実施例1で得られた導電性粒子10gをイオン交換水500mLに分散させ、絶縁性粒子の水分散液4gを添加し、室温で6時間攪拌した。3μmのメッシュフィルターでろ過した後、更にメタノールで洗浄し、乾燥し、絶縁性粒子が付着した導電性粒子を得た。
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、導電性粒子の表面に絶縁性粒子による被覆層が1層のみ形成されていた。画像解析により導電性粒子の中心より2.5μmの面積に対する絶縁性粒子の被覆面積(即ち絶縁性粒子の粒子径の投影面積)を算出したところ、被覆率は30%であった。
(比較例1)
基材粒子Aの表面上に導電部が形成された導電性粒子をアニール処理しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(比較例2)
基材粒子Aの表面上に導電部が形成された導電性粒子を窒素雰囲気下、温度280℃で2時間アニール処理するようにアニール処理条件を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、異方性導電ペースト、及び接続構造体A,Bを得た。
(評価)
(1)導電部の水素原子の含有量
測定する導電部(金属膜)の試料は、以下のようにして採取した。
導電性粒子をジルコニアボールによるボールミルを用いて粉砕し、導電部を基材粒子から完全に剥離した。導電部と基材粒子から完全に剥離した試料を篩により、導電部と基材粒子とに分離し、導電部のみを採取した。
水素原子の含有量の測定には、昇温脱離水素分析装置(エフアイエス社製「PDHA-1000」)を用いた。昇温脱離装置で導電部を昇温加熱し、発生する微量水素をセンサガスクロマトグラフで測定した。3GPaの一定圧力下で、50℃から400℃まで昇温速度5℃/分で、真空引きされた導電部を徐々に加熱した。放出された水素原子を検出器で測定した。
導電部の水素原子の含有量は、50℃から400℃までに放出された水素原子の量の総量とした。
(2)導電部(第1、第2、第3の導電部)の断面観察での結晶子サイズ
得られた導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製した。その検査用埋め込み樹脂中に分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出した。
FE-SEM-EBSP(TSL社製)を用いて、導電性粒子における導電部の断面について、結晶粒マッピング測定を実施した。結晶子サイズの粒径分布チャートを確認することにより、結晶子サイズを判定した。なお、上記第1の導電部における結晶子サイズ(1)と上記第2の導電部における結晶子サイズ(2)と上記第3の導電部における結晶子サイズ(3)の平均値により、結晶子サイズを算出した。
(3)各方位の結晶子サイズの平均値による結晶子サイズ
X線回折装置(理学電機社製「RINT2500VHF」)を用いて粉末X線回折測定を行った。CuKα線によるX線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面の結晶子サイズの平均値により、結晶子サイズを算出した。
XRD測定条件は45kV、50mAでスキャンレート4.0deg/min.、スキャンステップ0.02deg、測定範囲を2θで5.0degから110.0degで行った。
結晶子サイズは、下記のシェラーの式により算出した。
D=Kλ/βcosθ
D:結晶子サイズ
K:シェラー定数
λ:X線の波長
β:半値幅[rad]
θ:回折角
(4)XRD測定による導電部の結晶子サイズ
X線回折装置(理学電機社製「RINT2500VHF」)を用いて粉末X線回折測定を行った。CuKα線によるX線回折により得られる回折ピークの半値幅とウィリアムソン-ホール式から結晶子サイズを算出した。
XRD測定条件は45kV、50mAでスキャンレート4.0deg/min.、スキャンステップ0.02deg、測定範囲を2θで5.0degから110.0degで行った。
結晶子サイズは、下記のウィリアムソン-ホール式により算出した。
Δ2θ・cosθ/λ=0.9/D+2ε・sinθ/λ
D:結晶子サイズ
λ:X線の波長
Δ2θ:半値幅[rad]
θ:回折角度
ε:格子ひずみ
結晶子サイズは、上記のウィリアムソン-ホール式の横軸に2sinθ/λ、縦軸にΔ2θ・cosθ/λを取ってプロットを行い、プロットの直線の切片の値から結晶子サイズを算出した。
(5)導電性粒子を10%圧縮したときの圧縮弾性率(10%K値)
得られた導電性粒子の上記圧縮弾性率(10%K値)を、上述した方法により、微小圧縮試験機(フィッシャー社製「フィッシャースコープH-100」)を用いて測定した。
(6)導電部の割れ
得られた接続構造体A,Bにおいて、半導体チップを剥離した後に剥離面を観察した。50個の導電性粒子において、導電部に割れが生じているか否かを評価した。導電部の割れを下記の基準で判定した。
[導電部の割れの判定基準]
○○○:導電性粒子50個中、導電部に割れが生じている導電性粒子の個数の割合が0個以上、10個未満
○○:導電性粒子50個中、導電部に割れが生じている導電性粒子の個数の割合が10個以上、20個未満
○:導電性粒子50個中、導電部に割れが生じている導電性粒子の個数の割合が20個以上、30個未満
△:導電性粒子50個中、導電部に割れが生じている導電性粒子の個数の割合が30個以上、40個未満
×:導電性粒子50個中、導電部に割れが生じている導電性粒子の個数の割合が40個以上
(7)初期の接続抵抗X
接続抵抗の測定:
得られた接続構造体A,Bの対向する電極間の接続抵抗Xを4端子法により測定した。また、初期の接続抵抗Xを下記の基準で判定した。
[初期の接続抵抗Xの評価基準]
○○○:接続抵抗Xが2.0Ω以下
○○:接続抵抗Xが2.0Ωを超え、3.0Ω以下
○:接続抵抗Xが3.0Ωを超え、5.0Ω以下
△:接続抵抗Xが5.0Ωを超え、10Ω以下
×:接続抵抗Xが10Ωを超える
(8)酸の条件に晒された後の接続抵抗Y(長期信頼性)
得られた接続構造体A,Bを85℃及び湿度85%の高温高湿槽で、100時間放置した。接続構造体A,Bを上記条件で放置したことによって、バインダー樹脂中に浸入した水とバインダー樹脂中に含まれる酸の反応によって、接続構造体A,Bにおける電極間の接続部分が酸の存在下に一定期間晒された。放置後の接続構造体A,Bにおいて、接続構造体の対向する電極間の接続抵抗Yを4端子法により測定した。また、酸の存在下に晒された後の接続抵抗Yを下記の基準で判定した。
[酸の条件に晒された後の接続抵抗Yの評価基準]
○○○:接続抵抗Yが接続抵抗Xの1倍未満
○○:接続抵抗Yが接続抵抗Xの1倍以上、1.5倍未満
○:接続抵抗Yが接続抵抗Xの1.5倍以上、2倍未満
△:接続抵抗Yが接続抵抗Xの2倍以上、5倍未満
×:接続抵抗Yが接続抵抗Xの5倍以上
結果を下記の表1に示す。
Figure 2023168418000002
1…導電性粒子
2…基材粒子
3…導電部
11…導電性粒子
11a…突起
12…導電部
12a…突起
13…芯物質
14…絶縁性物質
21…導電性粒子
21a…突起
22…導電部
22a…突起
22A…第1の導電部
22Aa…突起
22B…第2の導電部
22Ba…突起
51…接続構造体
52…第1の接続対象部材
52a…第1の電極
53…第2の接続対象部材
53a…第2の電極
54…接続部

Claims (14)

  1. 基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部とを備え、
    前記導電部が水素原子を含まないか、又は、前記導電部が水素原子を80μg/g以下で含む、導電性粒子。
  2. 前記導電部が結晶構造を有する導電部を含み、
    前記結晶構造を有する導電部の断面観察において、前記結晶構造を有する導電部における結晶子サイズが50nm以上である、請求項1に記載の導電性粒子。
  3. 前記導電部が結晶構造を有する導電部を含み、
    前記結晶構造を有する導電部において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とシェラーの式から求められる(111)面、(200)面、(220)面、(311)面及び(222)面の結晶子サイズの平均値による結晶子サイズが50nm以上である、請求項1又は2に記載の導電性粒子。
  4. 前記導電部が結晶構造を有する導電部を含み、
    前記結晶構造を有する導電部において、X線回折により得られる回折ピークの半値幅とウィリアムソン-ホール式から求められる結晶子サイズが50nm以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  5. 10%圧縮した時の圧縮弾性率が3000N/mm以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  6. 前記導電部のビッカース硬度が200以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  7. 前記導電部は、ニッケル、パラジウム、ルテニウム、銅、タングステン、モリブデン、リン、ボロン、金、白金又は錫を少なくとも含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  8. 前記導電部は、ニッケルを少なくとも含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  9. 前記基材粒子が、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である、請求項1~8のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  10. 前記導電部の外表面に複数の突起を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  11. 前記導電部の外表面上に配置された絶縁性物質を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の導電性粒子の製造方法であって、
    基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部を有する導電性粒子を用いて、前記導電性粒子を200℃以上にアニール処理する工程を備え、
    前記アニール処理によって、導電部が水素原子を含まないか、又は、導電部が水素原子を80μg/g以下で含む導電性粒子を得る、導電性粒子の製造方法。
  13. 請求項1~11のいずれか1項に記載の導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料。
  14. 第1の接続対象部材と、
    第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材とを接続している接続部とを備え、
    前記接続部の材料が、請求項1~11のいずれか1項に記載の導電性粒子であるか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料である、接続構造体。
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