JP2005200728A - 二層コート粒子粉末の製造方法及びその製造方法で得られた二層コート粒子粉末 - Google Patents

二層コート粒子粉末の製造方法及びその製造方法で得られた二層コート粒子粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】コート層の密着安定性に優れ、且つ、導電性に優れた二層コート粒子粉末の製造方法及びその製造方法で得られた二層コート粒子粉末を提供する。
【解決手段】芯材粒子の表面にニッケルコート層と金コート層とを備える粒子粉末の製造方法であって、ニッケルコート層形成工程で芯材として用いる粉末を無電解ニッケルメッキ液と接触させスラリー状態として、これに攪拌を加えつつニッケルの還元触媒を滴下して、粉末の粉粒表面に無電解ニッケルを析出させ、突起形状を備えたニッケルコート層を形成し、金コート層形成工程で前記ニッケルコート層の表面に無電解金メッキ液を用いて、金コート層を形成することを特徴とする製造方法等を採用する。
【選択図】 図1

Description

本件出願に係る発明は、芯材である粉末の粉粒表面にニッケルコート層と金コート層とを備える二層コート粒子粉末の製造方法及びその二層コート粒子粉末に関する。特に煩雑なニッケルコート前の触媒化処理を簡略化した製造方法を提供し、かつ得られた粉末の導電性が、従来技術による同種粉末を上回る二層コート粒子粉末を提供する。
非導電性の粉末粒子を種々の金属でコートして製造した金属コート粉は、芯材となる素材の形状や材質を自由に選択することができ、かつ軽比重な材料であれば、導電性を付与する対象物への添加重量を減じることが可能な他、重金属による環境負荷の軽減や、高価な有価金属の減量によるコスト低減等が期待できる。
このようなことから、金属コート粉末は塗料、充填剤、コーティング剤等の広い分野への応用が期待でき、様々な製造手法が検討され、無電解メッキ法などにより実用化されてきた。中でも、シリカ、アルミナ、ケイ酸アルミナ、ガラス、雲母のような絶縁性無機粉末や、ポリスチレンやポリフェノール系カーボンによる樹脂粉末に対してメッキを施すことで金属コート粉末を得る技術が種々開示されている。
その代表例として、特許文献1や特許文献2に記載されているように、非導電性の粉末粒子に金属コロイドを担持させた後に、ニッケルメッキを施し、しかる後、金メッキを施した二層コート粒子粉末についての開示がある。
特開2000−243132号公報 特開平2001−23435号公報
上記の特許文献に記載の二層コート粒子粉末は、各種導電性を要する用途において、使用されるものである。そして、このような二層コート粒子粉末を得る方法については、無電解ニッケル層を形成する前に行う還元触媒の担持工程が必須であり、個別の工程として設けられるため、管理ポイントが増加し管理コスト面で優れているとは言い難かった。特に、特許文献1に開示されているように粉粒の表面に突起形状を備えさせようとしたときの製造安定性に欠け、常に目的の形状を得ることが困難であった。また、従来の二層コートされた状態の粉末では、メッキコート層の密着安定性に欠け、二層コート粒子粉末を用いるときの取り扱いによっては、コート層の剥離問題、導電性の安定化が図れないという問題があった。
これに対し、市場では我国の関連産業の国際競争力を高めるため、より低価格での二層コート粒子粉末の供給が求められてきた。二層コート粒子粉末の低価格を実現するためには、原材料のコストダウン、製造プロセスの簡略化等による製造コストのダウンの双方を考えなければならない。このとき原材料のコストダウンには原料金属の国際価格の変動等の不可避的な要因もあり一定の限界が認められる。従って、製造技術の進歩による製造コストのダウンが非常に重要となり、製造技術の改良が求められてきた。しかも、その新たな製造方法で得られる二層コート粒子粉末は、その二層コート粒子粉末を用いて形成した導体の導電性の安定化が図れるものであることが更に好ましいのである
そこで、本発明者等は、かかる二層コート粒子粉末の製造方法について鋭意検討した結果、還元触媒の使用方法に創意を凝らすことにより、より簡便で製造コストの低い製造方法とすることができ、しかも、得られた二層コート粒子粉末のコート層の密着安定性に優れ、この二層コート粒子粉末を用いて得られる導体が低い電気的抵抗値を持つこととなる、導電性優れた粒子粉末となることに想到したのである。以下、本発明に関して、製造方法と二層コート粒子粉末とに大別して説明する。
<二層コート粒子粉末の製造方法>
本件発明に係る二層コート粒子粉末の製造方法は、以下に示すA.ニッケルコート層形成工程とB.金コート層形成工程とを備えることを基本的な特徴とする。最初に、工程A.から順に説明する。
工程A.: この工程は、ニッケルコート層形成工程であり、芯材として用いる粉末を無電解ニッケルメッキ液と接触したスラリー状態として、これに攪拌を加えつつニッケルの還元触媒を滴下して、粉末の粉粒表面に無電解ニッケルを析出させ、突起形状を備えたニッケルコート層を形成するのである。
ここで芯材として用いる粉末は、ニッケルコート層を無電解ニッケルメッキ法を用いて形成するため、特に導電性を要する材質である必要はなく、また粉粒の形状も略球状に限らず紡錘状、フレーク状等のあらゆる形状のものを対象とすることができる。材質に関して、例示するとすれば、無機物系であれば金属、金属酸化物、金属ケイ酸塩、金属窒化物等、有機物系であればポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のプラスチック材等を広範に用いることが可能である。
更に、上述の芯材粉末の粉粒表面にケイ素系高分子層を設けることにより、その上に位置することとなるニッケルコート層との密着性を改善すること好ましいのである。このケイ素系高分子層の形成には、エポキシ系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、その他ポリシラン化合物を含む溶液を用いることが好ましいのである。特に、ポリシラン化合物は、その還元能が後述する金属コロイド状態のパラジウムを含む還元触媒のパラジウムに関してのみ選択的に作用するため、結果としてニッケルとの置換反応を促進し、芯材粉末の表面での確実な無電解ニッケルメッキ層の形成に寄与するのである。
無電解ニッケルメッキ液とは、ニッケルコート層の形成に用いる溶液である。そして、このニッケルコート層に関しては、純ニッケル層である場合と、ニッケル−リン合金、ニッケル−ホウ素合金等のニッケル基合金層である場合がある。従って、本件発明で言う無電解ニッケルメッキ液とは、純ニッケルを無電解で析出する場合に用いる溶液及びニッケル基合金の無電解析出に用いる溶液のことを意味している。そして、この無電解ニッケルメッキ液の組成等に関して、均一なメッキ層が粉粒表面に析出する限り、特に限定はない。しかしながら、この無電解ニッケルメッキ液のpH値を6以下の弱酸性領域に維持することが特に好ましいのである。このpH領域において、還元触媒の金属コロイドが最も芯材粉末の粉粒表面に沈着しやすくなるのである。また、ニッケル基合金層を形成する場合には、芯材の粉末の平均粒径等を考慮して、ニッケルコート層の脆化を招くほどの量のリンやホウ素等の合金元素量を制御する必要があるのである。
そして、無電解ニッケルメッキを行う際の還元触媒には、一般的なパラジウムを含む金属コロイドを使用することが最も一般的で好ましい。従来の方法では、還元触媒は、無電解ニッケルメッキを行う前に、芯材粉末の粉粒表面に担持させ、その後無電解ニッケルメッキ液に浸漬してニッケル層若しくはニッケル基合金層を形成していた。ところが、本件発明では、予め一定量の粉末と無電解ニッケルメッキ液とが混合接触したスラリー状態とし、そのスラリーを攪拌しつつ、そこに還元触媒を添加するのである。
このときの添加方法に関して、特に限定はなく、必要量の還元触媒を一括で添加して反応させることも可能である。ところが、還元触媒の一括添加を行うとニッケルの還元反応が急激に進行し、無電解ニッケルメッキ層の表面に不必要な荒れを生じやすくなる傾向となる。そこで、以下に述べる如き方法を採用することで無電解ニッケルメッキ層の成長速度の制御が容易となり、無電解ニッケルメッキ層に不必要な荒れを形成することなく突起形状の成長を更に容易とするのである。例えば、還元触媒の添加速度制御、滴下法による滴下量制御等を行い緩やかに添加することで、芯材粉末の粉粒表面に突起形状を備えたニッケルコート層を形成するのである。この時の還元触媒の添加速度は、パラジウム濃度が200〜300ppm程度の溶液を例に取れば、0.1ml/秒〜0.5ml/秒の範囲とすることが好ましい。このとき還元触媒の添加速度が0.1ml/秒未満であると、触媒の添加途中で反応が開始する現象が生じ、製品の安定した品質を保つためには困難な状態となるのである。また、還元触媒の添加速度が0.5ml/秒を超えると、同量の還元触媒を一括で添加したときと変わらない状態となるのである。この方法を採用することで、予め還元触媒を芯材粉末の粉粒表面に担持させておく方法に比べ、製造条件管理が容易で、且つ、前記ニッケルコート層の突起形状がほぼ確実に形成でき、溶液pHのコントロールを行うことで極めて良好な操業安定性が確保できるのである。
以上のようにして無電解ニッケルメッキを行うのであるが、メッキ操作を行う際の溶液温度は40℃〜90℃の範囲とする事が好ましい。ニッケルコート層の表面に凹凸形状を形成するためには、事後的に添加する還元触媒との反応速度の問題があるからである。このとき40℃未満の温度を採用すると、平滑なニッケルメッキ層が形成され易くなり、突起形状の形成が困難となり、同時に生産性が著しく低下するのである。これに対し、90℃以上の溶液温度を採用すると、反応速度が速くなりすぎて良好な突起形状の形成が困難となり、しかも溶液寿命が著しく短くなるのである。そして、この溶液温度の中でも、50℃〜80℃の範囲を採用することが、最も良好な操業安定性を確保できる結果となり、歩留まり良く本件発明に係る二層コート粒子粉末を得ることが出来るのである。
また、無電解ニッケルメッキを行うにあたって、芯材として用いる粉末を無電解ニッケルメッキ液に投入し、スラリー状態として、これに攪拌を加えつつニッケルの還元触媒を添加して、更に無電解ニッケルメッキ液を追加添加することで、粉末の粉粒表面に無電解ニッケルを析出させ、突起形状を備えたニッケルコート層を形成するニッケルコート層形成工程を採用することも可能である。例えば、芯材として用いる粉末に形成しようとするニッケルメッキ層を構成するのに必要なニッケル量の半分を含む無電解ニッケルメッキと芯材として用いる粉末とを接触させ、そこに還元触媒を加え、続いて残りのニッケル量に相当する無電解ニッケルメッキ液を添加するのである。このような、無電解ニッケルメッキ方法を採用することで、当初から存在する無電解ニッケルメッキ液により芯材となる粉粒表面に突起の基礎形状を形成し、更に無電解ニッケルメッキ液を添加することで、ニッケルの自己触媒反応により突起形状を成長させつつ突起形状の脱落を防止する被せメッキとしての効果を果たすのである。このときの、無電解ニッケルメッキ液及び還元触媒に関しては、上述のとおりであるため、ここでの重複した説明は省略する。
工程B.: この工程は、金コート層形成工程であり、前記工程A.で形成したニッケルコート層の表面に無電解金メッキ液を用いて、金コート層を形成するのである。この無電解金メッキ液の種類及び使用条件に関しても、特に制限はなく、市販の金メッキ液を用いることも可能である。
しかしながら、上述の突起形状を備えるニッケルコート層の表面に、置換反応を用いて金コート層を形成しようとする際には、無電解金メッキ液のpH値が非常に重要となってくる。即ち、pH値を3.0〜7.0の領域とするのである。このpH値が3.0未満の強酸領域になると、ニッケルコート層の損傷が激しくなり、得られる二層コート粒子粉末の粉粒表面の無用な粗化が起こり、この二層コート粒子粉末の色調が大きく変化し、導電性ペーストに加工したときのペーストの増粘を招く等の好ましくない事象を招くのである。一方、pH値が7.0を超えると、ニッケルとの置換反応が良好に行えなくなり、無電解金メッキの操業条件に合致しなくなるのである。そこで、無電解金メッキの操業安定性を確保しようとすると、pH値を4.5〜5.5の弱酸性領域で管理する事が好ましいのである。特に、pH4.0以下の領域になると、シアン化水素ガスの発生を招く危険性が高くなり、作業の安全面を考慮することも重要となるのである。
工程C.: この工程は、上述のA.ニッケルコート層形成工程とB.金コート層形成工程との間に、任意的に用いる結晶子径調整工程である。一般的に、金属材は結晶組織内に内蔵された歪み密度の高いほど電気的抵抗が上昇するため、コート層の歪み取り及びコート層の融着を助長して剥離防止を目的として加熱処理を行う場合には、完成した二層コート粒子粉末とした後に行われるのが通例である。しかしながら、このような手法を採用すると、粉粒の表層に金という電気的良導体が存在しているにも拘わらず、この二層コート粒子粉末を用いて形成した回路等の導体の電気的抵抗が高くなる傾向にあった。
そこで、本件発明者等は、本件発明に言う二層コート粒子粉末が使用されるプロセスを再考することにした。一般的に、二層コート粒子粉末は、導電性ペーストの如き状態に加工され、そのペースト状態で回路等の形状を形成し、それを焼成若しくは固化することにより導体を形成する用途に用いられる。即ち、この加工プロセスでは、かなりの高温負荷がなされるのであり、高温負荷により二層のコート層が変質していると考えたのである。思うに、高温負荷を一定時間以上受ければ、ニッケルコート層と金コート層とが相互拡散を起こしている可能性が高くなる。そうであるとすれば、焼成若しくは固化することにより形成された導体内では、二層コート粒子粉末の粉粒同士が接触して導通を確保しているのであり、その最外層の金コート層内に電気抵抗の高いニッケル元素が拡散すれば、期待どおりの低電気抵抗は得られないと考えられるのである。
以上のような、技術的考察を経て、本件発明者らは、ニッケルコート層を形成した粉末を、300℃〜600℃の不活性ガス雰囲気若しくは微還元雰囲気中で熱処理することに想到したのである。このようにニッケルコート層を形成した直後であれば、その表面に金コート層は存在していない状態である。従って、この状態で加熱処理を行っても、導電性ペーストに加工する前まで、ニッケルと金との相互拡散を完全に防止することが出来るのである。このときの加熱温度が300℃未満の場合には、ニッケルコート層の結晶の再結晶化が短時間では行えなくなり、加熱温度が600℃を超えると粉粒同士の凝集が著しくなるからである。
このときの熱処理温度には、ニッケルの再結晶化温度付近の温度を採用することが好ましく、少なくとも転位の再編成が可能で歪み取り可能な温度以上でなければならない。再結晶により、結晶粒が粗大化し結晶子径が大きくなれば、相互拡散が起こる場合に結晶粒界を基点とする粒界拡散を最小限抑制し、粒内拡散の占める割合が大きくなり、その後の加熱を受けても相互拡散を起こしにくくなるのである。しかも、この加熱雰囲気に不活性ガス雰囲気若しくは微還元雰囲気を採用することで、ニッケルコート層の表面酸化を防止し、電気的抵抗上昇の要因を除けることとなるのである。
このようにして、金コート層の下地となるニッケルコート層のニッケル層の結晶組織の歪み取り若しくは歪みのない再結晶粒を成長させることで、その上に形成する金コート層の金層が均一で且つ歪みのない状態となるのである。しかも、このような歪みのないメッキ層を形成することで、メッキ層を構成するニッケル及び金のそれぞれのメッキ層が脆化することなく、二層コート粒子粉末の粉粒表面からコート層が脱落剥離することも防止できるものとなるのである。
<二層コート粒子粉末>
本件発明に係る製造方法で得られた二層コート粒子粉末において、ニッケルコート層の厚さは、その厚さ(換算厚さ)が0.05μm〜1.2μmである事が好ましいのである。ニッケル層の換算質量厚さが0.05μm未満の場合には、金コート層の形成時に僅かではあるがニッケルコート層表面の溶解を伴うため、ニッケル層が薄くなり、芯材に対するバリア層としての機能を果たさなくなりニッケル層を設けた意義を没却することとなるのである。このニッケルコート層の下限値は、製品としての耐酸化性能等の品質を確保する上での安定性を得るためには0.08μm以上とする事が更に好ましいのである。そして、ニッケル層の換算厚さが1.2μmを超えると、例え表層に薄く金コート層が存在しても、導体形成に用いたときの低抵抗化が困難となるのである。
そして、金コート層は、その厚さ(換算厚さ)が0.01μm〜0.08μmとすることが好ましいのである。金コート層の換算質量厚さが0.01μm未満の場合には、二層コート粒子粉末の表面を均一に被覆することができず、二層コート粒子粉末を用いた導体の低抵抗化が安定して出来ないものとなるのである。そして、金コート層の換算質量厚さが0.08μmを超えても、それ以上に二層コート粒子粉末を用いた導体の低抵抗化が図れず、高価な材料の無駄となり製造原価の上昇に繋がるだけである。以上に述べてきた厚さは、コート層を形成するニッケル及び金のそれぞれの量と、被覆した後の平均粒径とから換算して得られる平均厚さの事である。
そして、上述した工程C.の結晶子径調整工程で熱処理を行い、ニッケルコート層を構成するニッケルメッキ層の結晶粒径を調整することで、以下の結晶子径を備えるものとするのである。この結晶子径に値をモニタすることにより、前述した論理により、低抵抗性の二層コート粒子粉末であるか否かの判断にもなる。通常の無電解ニッケルメッキを行った後の析出結晶組織はアモルファス状態であり結晶子径は測定できない。これに対し、本件発明では、二層コート粒子粉末のニッケルコート層が、Ni(111)面を用いて測定した結晶子径が50Å以上となるようにするのである。このように結晶子径が50Å以上となると、このようなニッケルコート層を備える二層コート粒子粉末を用いて製造した導体の電気抵抗が安定して低くなるのである。このときの結晶子径のサイズは、熱処理の供給熱量により変動するが、結晶子径が700Åを超えるような加熱処理を行うと、粉粒の凝集が著しくなる。そして、より好ましくは結晶子径を100Å〜500Åの範囲に調整するのである。結晶子径が100Åを超えると電気抵抗の低抵抗化が顕著になり、結晶子径が500Å程度となる加熱処理であれば粉粒が殆ど凝集を起こさないのである。
そして、無電解ニッケルメッキ液の種類によっては、形成された無電解ニッケル被膜に微量のリン、ホウ素等の添加元素が不可避的に混入する場合もあるが、係る場合には何ら問題なく純ニッケルとして捉えることが可能である。これに対し、むしろ積極的に合金元素を添加し、ニッケルコート層の硬度を上昇させ、接点材料等として用いる場合には耐摩耗性を向上させることも可能となる。そこで、積極的にリンやホウ素を添加し、ニッケル−リン合金若しくはニッケル−ホウ素でニッケルコート層を構成することも好ましい態様となる。係る場合には、リンやホウ素等の合金元素の含有量をあまりにも高くすると、ニッケルコート層の硬度は上昇しても、脆化して脆くなり、芯材の表面から剥離して脱落しやすくなるのである。そこで、合金元素を含ませる場合には、ニッケルコート層中の含有量として2.5wt%以下のレベルとすべきである。そして、ニッケルコート層を、ニッケル基合金で構成した場合にも、ニッケル基合金の結晶面、例えばNiP(321)面等を用いて測定した結晶子径が50Å以上である事が、上述したと同様の理由により好ましいのである。
なお、本件発明における結晶子径の測定は、以下のような算出方法を採用した。K=0.9、λ(CuKα1)=1.5406Å、B=X線回折測定における検出ピークの半値幅、θ=回折角として、[結晶子径]=K・λ/B・cosθの計算式により求めたものである。なお、本件明細書におけるX線回折測定には、パナリティカル(株)社製 X’PertPROを用いた。
本発明に係わる二層コート粒子粉末の製造方法は、芯材の粉末を無電解ニッケルメッキと接触させた反応系内に、還元触媒をゆっくりと添加することを基本とした製造方法を採用することにより、粉粒の表面に突起形状を効率よく作り出すことを可能とした。また、本件発明に係る二層コート粒子粉末は、その表面に備えた突起形状及びニッケルコート層が大きな結晶子径を備えているものとすることができるため、この二層コート粒子粉末を用いて導体形成を行ったときの導体抵抗を低くすることが可能となる。
以下、本発明を実施例を通じて、比較例と対比しつつ、より詳細に説明する。
この実施例では、平均粒径13μm、比重2.2g/cmのシリカ粉を芯材に用いた。最初に、このシリカ粉150gを、予め界面活性剤であるサーフィノール504(日信化学工業株式会社製)を50g /L濃度に調整した水溶液に入れ10分間攪拌しスラリー状態とし、その後、吸引濾過を行い、純水にて洗浄してシリカ粉を回収した。
工程A.: このニッケルコート層形成工程では、以下の手順でニッケルコート層の形成を行った。前記表面処理を施したシリカ粉を、1.14Lの純水へ投入し、5分間の攪拌分散を行いシリカ粉分散スラリーとした。そして、このシリカ粉分散スラリーにニッケル濃度が12.3g/Lとなるように無電解ニッケルメッキ液を添加し、溶液温度を70℃に調整した。溶液温度が70℃となったことを確認して、Pd含有量が0.1wt%の塩化パラジウム水溶液10mlを一括で添加し、無電解ニッケルメッキ反応を開始させた。
そして、無電解ニッケルメッキ反応が収まったことを確認し、吸引ろ過を行い、純温水にて洗浄、メタノール・アセトンにて置換し、60℃の大気雰囲気にて12時間乾燥し、芯材として用いたシリカ粉の粉粒表面にニッケルコート層を形成した。この段階での、ニッケルコート層を構成する結晶組織はアモルファス状態となっており結晶子径は確認できなかったが、ニッケルコート層は微細な突起形状を備えていた。
工程B.: この工程Bは、金コート層形成工程である。ここでは、工程A.で得られたニッケルコート層を備えたシリカ粉を篩にて整粒処理した後、pH4.8に調整した金濃度が1.93g/lのシアン系金メッキ液(メルテックス株式会社製)にて80℃で攪拌し、30分間反応を行わせた。反応終了後、吸引ろ過を行い、温純水にて洗浄、メタノール及びアセトンにて有機溶媒洗浄し、60℃の大気雰囲気にて12時間乾燥し、図1に示す二層コート粒子粉末を得たのである。
<二層コート粒子粉末の評価結果>
この得られた二層コート粒子粉末のニッケルコート層の換算厚さは0.151μm、金コート層の換算厚さは0.034μmであった。更に、ロレスタGP(三菱化学製)を用いて電気抵抗の測定を行った。測定方法は、圧縮ユニットに3gの二層コート粒子粉末を入れ、圧力を2.0kN〜20kNの間でスイープさせ、圧力が2.0kN変化するたびに抵抗値及び試料厚さを測定して、体積抵抗率を求めた。その結果、この実施例1で得られた二層コート粒子粉末の体積抵抗値は5.3mΩ・cmであった。また、本件発明に係る二層コート粒子粉末を、食品粉砕用途に多用されるMILLSER IFM−600(Iwatani社製)を用いて30秒間の粉砕処理を行い、その粉砕後の粉粒をサンプリングして走査型電子顕微鏡で観察し、粉粒表面のコート層の損傷状態を確認した。その結果、図2に示すように、コート層に亀裂が存在する箇所が確認できるものの、この実施例1で得られた二層コート粒子粉末のコート層が完全に脱落した箇所はなく、芯材への密着性に優れているという結果が得られた。
この実施例では、実施例1の工程A.における還元触媒の添加において、滴下法を用いた点が異なるのみである。従って、以下では、工程A.及び評価結果に関してのみ説明することとする。
工程A.: このニッケルコート層形成工程では、以下の手順でニッケルコート層の形成を行った。前記表面処理を施したシリカ粉を、1.14Lの純水へ投入し、5分間の攪拌分散を行いシリカ粉分散スラリーとした。そして、このシリカ粉分散スラリーにニッケル濃度が12.3g/Lとなるように無電解ニッケルメッキ液を添加し、溶液温度を70℃に調整した。溶液温度が70℃となったことを確認して、Pd含有量が250ppmの塩化パラジウム水溶液40mlを添加速度0.2ml/秒で添加し、無電解ニッケルメッキ反応を開始させた。
そして、無電解ニッケルメッキ反応が収まったことを確認し、吸引ろ過を行い、純温水にて洗浄、メタノール・アセトンにて置換し、60℃の大気雰囲気にて12時間乾燥し、芯材として用いたシリカ粉の粉粒表面にニッケルコート層を形成した。この段階での、ニッケルコート層を構成する結晶組織はアモルファス状態となっており結晶子径は確認できなかったが、ニッケルコート層は微細な突起形状を備えていた。以下、実施例1と同様の工程B.を経て、図3に示す二層コート粒子粉末を得たのである。
<二層コート粒子粉末の評価結果>
この得られた二層コート粒子粉末のニッケルコート層の換算厚さは0.157μm、金コート層の換算厚さは0.034μmであった。更に、ロレスタGP(三菱化学製)を用いて電気抵抗の測定を行った。測定方法は、圧縮ユニットに3gの二層コート粒子粉末を入れ、圧力を2.0kN〜20kNの間でスイープさせ、圧力が2.0kN変化するたびに抵抗値及び試料厚さを測定して、体積抵抗率を求めた。その結果、この実施例1で得られた二層コート粒子粉末の体積抵抗値は4.4mΩ・cmであった。また、実施例1と同様に二層コート粒子粉末を粉砕処理して、その粉粒をサンプリングして走査型電子顕微鏡で観察したものが図4である。図4から分かるように、この実施例2で得られた二層コート粒子粉末のコート層が完全に脱落した箇所はなく、芯材への密着性に優れているという結果が得られた。
この実施例では、実施例1と同様の表面処理を施したシリカ粉を芯材粉末として用いた。以下、工程ごとに説明する。
工程A.: このニッケルコート層形成工程では、以下の手順でニッケルコート層の形成を行った。前記表面処理を施したシリカ粉を、1.14Lの純水へ投入し、5分間の攪拌分散を行いシリカ粉分散スラリーとした。そして、このシリカ粉分散スラリーにニッケル濃度が12.3g/Lとなるように無電解ニッケルメッキ液を添加し、溶液温度を70℃に調整した。溶液温度が70℃となったことを確認して、Pd含有量が250ppmの塩化パラジウム水溶液40mlを添加速度0.2ml/秒で添加し、無電解ニッケルメッキ反応を開始させた。
そして、無電解ニッケルメッキ反応が、一旦収まったことを確認し、更にニッケル濃度が29g/Lの無電解ニッケルメッキ液1.1Lを分割投入し、無電解ニッケルメッキ反応を行わせた。
無電解ニッケルメッキ反応が終了したら、吸引ろ過を行い、純温水にて洗浄、メタノール・アセトンにて置換し、60℃の大気雰囲気にて12時間乾燥し、芯材として用いたシリカ粉の粉粒表面にニッケルコート層を形成した。この段階での、ニッケルコート層を構成する結晶組織はアモルファス状態となっており結晶子径は確認できなかったが、ニッケルコート層は微細な突起形状を備えていた。
工程B.: この工程Bは、金コート層形成工程である。ここでは、工程A.で得られたニッケルコート層を備えたシリカ粉を篩にて整粒処理した後、pH4.8に調整した金濃度が1.93g/lのシアン系金メッキ液(メルテックス株式会社製)にて80℃で攪拌し、30分間反応を行わせた。反応終了後、吸引ろ過を行い、温純水にて洗浄、メタノール及びアセトンにて有機溶媒洗浄し、60℃の大気雰囲気にて12時間乾燥し、図5に示す二層コート粒子粉末を得たのである。
<二層コート粒子粉末の評価結果>
ここで得られた二層コート粒子粉末のニッケルコート層の換算厚さは0.155μm、金コート層の換算厚さは0.034μmであった。更に、ロレスタGP(三菱化学製)を用いて実施例1と同様にして電気抵抗の測定を行った。その結果、この実施例3で得られた二層コート粒子粉末の体積抵抗値は4.6mΩ・cmであった。また、実施例1と同様に二層コート粒子粉末を粉砕処理して、その粉粒をサンプリングして走査型電子顕微鏡で観察したものが図6である。図6から分かるように、この実施例3で得られた二層コート粒子粉末のコート層が完全に脱落した箇所はなく、芯材への密着性に優れているという結果が得られた。
この実施例では、実施例1の工程A.と工程B.との間に、工程C.として結晶子径調整工程を設けたのである。従って、重複した説明となる工程A.と工程B.とに関する説明を省略し、工程C.及び得られた二層コート粒子粉末の評価結果に関してのみ説明することとする。
工程C.の結晶子径調整工程では、実施例1の工程A.にて得られたニッケルコート層を備えるシリカ粉を、400℃の水素を10vol%含む窒素ガス雰囲気中で1時間加熱処理した。その結果、ニッケルコート層を構成するニッケルの結晶組織の結晶子径は、Ni(111)面で測定すると185Å、NiP(321)面で測定すると228Åであった。以下、実施例1と同様の工程B.を経て、図7に示す二層コート粒子粉末を得た。
<二層コート粒子粉末の評価結果>
この二層コート粒子粉末のニッケルコート層の換算厚さは0.151μm、金コート層の換算厚さは0.034μmであった。更に、ロレスタGP(三菱化学製)を用いて実施例1と同様にして電気抵抗の測定を行った。その結果、この実施例4で得られた二層コート粒子粉末の体積抵抗値は3.2mΩ・cmであった。また、実施例1と同様に二層コート粒子粉末を粉砕処理して、その粉粒をサンプリングして走査型電子顕微鏡で観察したものが図8である。図8から分かるように、この実施例4で得られた二層コート粒子粉末のコート層が完全に脱落した箇所はなく、芯材への密着性に優れているという結果が得られた。
この実施例では、実施例3の工程A.と工程B.との間に、工程C.として結晶子径調整工程を設けたのである。そして、この工程C.に関しても、実施例4と同様である。従って、重複した説明となる工程A.、工程B.及び工程C.ともに説明を省略し、得られ二層コート粒子粉末の評価結果に関してのみ説明することとする。
実施例3の工程A.にて得られたニッケルコート層を備えるシリカ粉を、実施例3と同様にして結晶子径の調整を行った。その結果、ニッケルコート層を構成するニッケルの結晶組織の結晶子径は、Ni(111)面で測定すると240Å、NiP(321)面で測定すると298Åであった。以下、実施例1と同様の工程B.を経て、図9に示す二層コート粒子粉末を得た。
<二層コート粒子粉末の評価結果>
この二層コート粒子粉末のニッケルコート層の換算厚さは0.269μm、金コート層の換算厚さは0.039μmであった。更に、ロレスタGP(三菱化学製)を用いて実施例1と同様にして電気抵抗の測定を行った。その結果、この二層コート粒子粉末の体積抵抗値は2.0mΩ・cmであった。また、実施例1と同様に二層コート粒子粉末を粉砕処理して、その粉粒をサンプリングして走査型電子顕微鏡で観察したものが図10である。図10から分かるように、この実施例5で得られた二層コート粒子粉末のコート層が完全に脱落した箇所はなく、芯材への密着性に優れているという結果が得られた。
比較例1
この比較例では、上記実施例で用いたシリカ粉を芯材に用いた。そして、このシリカ粉150gを、予め分散剤であるOPC−370コンディクリーンM(奥野製薬株式会社製)を100ml/L濃度に調整した水溶液に入れ、10分間攪拌し、スラリー状態とし、その後、吸引濾過を行い濾別分離して、純水にて洗浄した。
次に、このシリカ粉を35wt%塩酸20ml/L、OPC−80キャタリスト(奥野製薬株式会社製)が5ml/L濃度とした水溶液に入れ、10分間攪拌し、スラリー状態とし、その後、吸引濾過を行い濾別分離して、純水にて洗浄し、触媒活性化されたシリカ粉を得た。更に、触媒活性化されたシリカ粉を35wt%塩酸100ml/Lの水溶液に入れ、10分間攪拌し、スラリー状態とし、その後、吸引濾過を行い濾別分離して、純水にて洗浄し、触媒活性化されたシリカ粉を回収した。
上述のようにして触媒活性化されたシリカ粉の表面に、以下の手順でニッケルコート層の形成を行った。即ち、前記触媒活性化されたシリカ粉を、1.14Lの純水へ投入し、5分間の攪拌分散を行いシリカ粉分散スラリーとした。そして、このシリカ粉分散スラリーにニッケル濃度が12.3g/Lとなるように無電解ニッケルメッキ液を添加し、溶液温度を60℃に調整し、無電解ニッケルメッキ反応を行った。そして、このニッケルコート層を備えるシリカ粉を、400℃の水素を10vol%含む窒素ガス雰囲気中で1時間加熱処理した。その結果、このときのニッケルの結晶組織の結晶子径は、Ni(111)面で測定すると197Å、NiP(321)面で測定すると244Å程度であった。そして、実施例3の工程B.を経て僅かに突起形状のある二層コート粉末粒子を得た。図11に、この比較例1で得られた二層コート粒子粉末を示した。
<二層コート粒子粉末の評価結果>
この二層コート粒子粉末のニッケルコート層の換算厚さは0.291μm、金コート層の換算厚さは0.067μmであった。更に、ロレスタGP(三菱化学製)を用いて実施例1と同様にして電気抵抗の測定を行った。その結果、この二層コート粒子粉末の体積抵抗値は5.7mΩ・cmであり、上述の結晶子径調整工程を設けた実施例4及び実施例5に比べ高い値となっていることが分かるのである。このことから、電気抵抗に関しては、二層コート粒子粉末の表面に突起形状が顕著に存在するという物理的要素と、ニッケルコート層の結晶子径という結晶レベルの構造との相乗効果として低抵抗化が達成できることが分かるのである。また、実施例1と同様に二層コート粒子粉末を粉砕処理して、その粉粒をサンプリングして走査型電子顕微鏡で観察したものが図12である。図12から分かるように、この比較例1で得られた二層コート粒子粉末のコート層が完全に脱落しており、芯材への密着性が極めて乏しいことが分かるのである。
比較例2
この比較例では、実施例1の工程A.と工程B.との後に、事後的な加熱処理工程を設けたのである。従って、重複した説明となる工程A.と工程B.とに関する説明を省略し、当該加熱処理工程及び得られ二層コート粒子粉末の評価結果に関してのみ説明することとする。
実施例1の工程A.及び工程B.を経て得られた二層コート粒子粉末を、400℃の水素を10vol%含む窒素ガス雰囲気中で1時間加熱処理した。その結果、ニッケルの結晶組織の結晶子径は、Ni(111)面で測定すると192Å、NiP(321)面で測定すると240Å程度であった。図13に、この比較例2で得られた二層コート粒子粉末を示した。
<二層コート粒子粉末の評価結果>
この二層コート粒子粉末のニッケルコート層の換算厚さは0.151μm、金コート層の換算厚さは0.034μmであった。更に、ロレスタGP(三菱化学製)を用いて実施例1と同様にして電気抵抗の測定を行った。その結果、この比較例2で得られた二層コート粒子粉末の体積抵抗値は4.8mΩ・cmと高くなっていた。従って、加熱処理のタイミングが金コート層の形成後となると、電気抵抗を劣化させることが分かるのである。また、実施例1と同様に二層コート粒子粉末を粉砕処理して、その粉粒をサンプリングして走査型電子顕微鏡で観察したものが図14である。図14から分かるように、この比較例2で得られた二層コート粒子粉末のコート層が完全に脱落した箇所は少なく、芯材への密着性という点に於いては優れているという結果が得られた。
本発明に係わる二層コート粒子粉末の製造方法は、効率よく粉粒の表面に突起形状を効率よく作り出すことを可能とし、製品歩留まりを飛躍的に向上させることとなる。しかも、本件発明に係る二層コート粒子粉末は、その表面に備えた突起形状及びニッケルコート層が大きな結晶子径を備えているものであるため、この二層コート粒子粉末を用いて導体形成を行ったときの導体抵抗を低くすることが可能となる。従って、本件発明に係る二層コート粒子粉末は導電材料、塗料、充填剤、コーティング剤等の広い分野での用途に好適である。
本件発明に係る二層コート粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 コート層の密着性評価試験後の粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 本件発明に係る二層コート粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 コート層の密着性評価試験後の粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 本件発明に係る二層コート粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 コート層の密着性評価試験後の粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 本件発明に係る二層コート粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 コート層の密着性評価試験後の粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 本件発明に係る二層コート粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 コート層の密着性評価試験後の粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 従来法により製造した二層コート粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 従来法により製造した二層コート粒子粉末のコート層密着性評価試験後の粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 従来法により製造した二層コート粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。 従来法により製造した二層コート粒子粉末のコート層密着性評価試験後の粒子粉末の走査型電子顕微鏡観察像。

Claims (10)

  1. 芯材粒子の表面にニッケル若しくはニッケル基合金コート層(以下、これを単に「ニッケルコート層」と称する。)と金コート層との二層のコート層を備える粒子粉末の製造方法であって、
    以下に示すA.ニッケルコート層形成工程とB.金コート層形成工程とを備えたことを特徴とする二層コート粒子粉末の製造方法。
    A.芯材として用いる粉末を無電解ニッケルメッキ液と接触させスラリー状態として、これに攪拌を加えつつニッケルの還元触媒を滴下して、粉末の粉粒表面に無電解ニッケルを析出させ、突起形状を備えたニッケルコート層を形成するニッケルコート層形成工程。
    B.前記ニッケルコート層の表面に無電解金メッキ液を用いて、金コート層を形成する金コート層形成工程。
  2. 芯材粒子の表面にニッケルコート層と金コート層との二層のコート層を備える粒子粉末の製造方法であって、
    以下に示すA)ニッケルコート層形成工程とB)金コート層形成工程とを備えたことを特徴とする二層コート粒子粉末の製造方法。
    A.芯材として用いる粉末を無電解ニッケルメッキ液と接触させスラリー状態として、これに攪拌を加えつつニッケルの還元触媒を滴下して、更に無電解ニッケルメッキ液を追加添加することで、粉末の粉粒表面に無電解ニッケルを析出させ、突起形状を備えたニッケルコート層を形成するニッケルコート層形成工程。
    B.前記ニッケルコート層の表面に無電解金メッキ液を用いて、金コート層を形成する金コート層形成工程。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の二層コート銅粉の製造方法であって、
    前記A.ニッケルコート層形成工程とB.金コート層形成工程との間に、以下に示すC.結晶子径調整工程を備えたことを特徴とする二層コート粒子粉末の製造方法。
    C.ニッケルコート層を形成した粉末を、300℃〜600℃の不活性ガス雰囲気若しくは微還元雰囲気中で熱処理することでニッケルコート層を構成するニッケル組織の結晶子径を調整する結晶子径調整工程。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の製造方法において用いる芯材粒子は、その粉粒表面にケイ素系高分子層を備えるものを用いる二層コート粒子粉末の製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製造方法によって製造されたニッケルコート層と金コート層との二層のコート層を備える粉末であって、
    ニッケルコート層は、その厚さ(換算厚さ)が0.05μm〜1.2μmである二層コート粒子粉末。
  6. 金コート層は、その厚さ(換算厚さ)が0.01μm〜0.08μmである請求項5に記載の二層コート粒子粉末。
  7. ニッケルコート層は、Ni(111)面を用いて測定した結晶子径が50Å以上である請求項5又は請求項6に記載の二層コート粒子粉末。
  8. ニッケルコート層は、ニッケル基合金で形成したものであり、且つ、その結晶子径が50Å以上である請求項5〜請求項7のいずれかに記載の二層コート粒子粉末。
  9. 芯材粒子が樹脂粒子又は無機粒子である請求項5〜請求項8のいずれかに記載の二層コート粒子粉末。
  10. 芯材粒子が樹脂粒子又は無機粒子であり且つその粉粒表面にケイ素系高分子層を備えるものである請求項5〜請求項8のいずれかに記載の二層コート粒子粉末。
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