JP2023141949A - パネル収納容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓋体とパネルとの間での静電気放電を抑制可能なパネル収納容器を提供すること。【解決手段】パネル収納容器は、開口を有し、複数のパネルPを上下方向に配列した状態で収納するための容器本体と、開口を閉塞するための蓋体と、を備え、蓋体は、蓋体が開口を閉塞している状態で、前後方向において複数のパネルPと向かい合う裏面31b及び裏面31bと反対側の前面31aを有する蓋本体31と、裏面31bに設けられ、複数のパネルPの前後方向における移動を規制するリテーナ34と、前面31aに設けられ、蓋体の開閉を行う開閉装置と蓋本体31とを電気的に接続するための導通部35と、を備える。【選択図】図4

Description

本開示は、パネル収納容器に関する。
液晶パネル用ガラス基板等のパネルを扱う製造工程において、矩形形状のパネルを製造装置から別工程の製造装置に移送する際、及びパネルを一時的に保管する際に、複数のパネルを収納するパネル収納容器が用いられる。例えば、特許文献1には、パネルを収納する容器本体と、容器本体に設けられた開口部を開閉自在に覆う蓋体と、を備えるパネル収納容器が記載されている。
特開2019-127272号公報
特許文献1に記載のパネル収納容器では、振動等によってパネルが前後方向に移動することによるパネルの破損を防止するために、パネル収納容器の蓋体の内面にリテーナが設けられている。例えば、リテーナが導電性部材で構成されている場合、蓋体の開閉時に蓋体とパネルとの間で静電気放電が発生するおそれがある。
本開示は、蓋体とパネルとの間での静電気放電を抑制可能なパネル収納容器を説明する。
本開示の一側面に係るパネル収納容器は、開口を有し、複数のパネルを第1方向に配列した状態で収納するための容器本体と、開口を閉塞するための蓋体と、を備える。蓋体は、蓋体が開口を閉塞している状態で、第1方向と交差する第2方向において複数のパネルと向かい合う第1面及び第1面と反対側の第2面を有する蓋本体と、第1面に設けられ、複数のパネルの第2方向における移動を規制するリテーナと、第2面に設けられ、蓋体の開閉を行う開閉装置と蓋本体とを電気的に接続するための導通部と、を備える。
このパネル収納容器においては、開閉装置と蓋本体とを電気的に接続するための導通部が蓋本体の第2面に設けられている。したがって、蓋体の開閉時に開閉装置と蓋体とが導通部を介して電気的に接続される。開閉装置は接地電位(アース)に電気的に接続されているので、蓋体から導電部及び開閉装置を通って接地電位に電流が流れ、蓋体が除電される。その結果、蓋体とパネルとの間で静電気放電が発生することを抑制することが可能となる。
いくつかの実施形態において、蓋体には、蓋体を施錠するための鍵穴が設けられてもよい。導通部は、鍵穴内に設けられた第1導通機構を含んでもよい。第1導通機構は、鍵穴に挿入される開閉装置の鍵と蓋本体とを電気的に接続してもよい。この構成では、開閉装置は鍵穴に鍵を挿入することによって蓋体を開閉するので、蓋体の開閉時に開閉装置の鍵と蓋本体とが電気的に接続される。したがって、蓋体から第1導電機構及び開閉装置を通って接地電位に電流が流れ、蓋体が除電される。その結果、蓋体とパネルとの間で静電気放電が発生することを抑制することが可能となる。
いくつかの実施形態において、第1導通機構は、第2方向に伸縮可能な第1弾性部材と、開閉装置が鍵穴に鍵を挿入した際に、鍵によって第2方向において蓋本体に向けて押圧されるように第1弾性部材に取り付けられた第1接触子と、を備えてもよい。この場合、開閉装置が鍵穴に鍵を挿入した際に、鍵が第1接触子を第2方向において蓋本体に向けて押圧する。これにより、第1弾性部材が押し縮められるので、第1弾性部材の弾性力によって、鍵と第1接触子とをより確実に接触させることができる。
いくつかの実施形態において、蓋体には、開閉装置を位置決めするための位置決め穴が設けられてもよい。導通部は、位置決め穴内に設けられた第2導通機構を含んでもよい。第2導通機構は、位置決め穴に挿入される開閉装置の位置決めピンと蓋本体とを電気的に接続してもよい。この構成では、開閉装置は位置決め穴に位置決めピンを挿入することによって蓋体に対する開閉装置の位置決めをして蓋体を開閉するので、蓋体の開閉時に開閉装置の位置決めピンと蓋本体とが電気的に接続される。したがって、蓋体から第2導電機構及び開閉装置を通って接地電位に電流が流れ、蓋体が除電される。その結果、蓋体とパネルとの間で静電気放電が発生することを抑制することが可能となる。
いくつかの実施形態において、第2導通機構は、第2方向に伸縮可能な第2弾性部材と、開閉装置が位置決め穴に位置決めピンを挿入した際に、位置決めピンによって第2方向において蓋本体に向けて押圧されるように第2弾性部材に取り付けられた第2接触子と、を備えてもよい。この場合、開閉装置が位置決め穴に位置決めピンを挿入した際に、位置決めピンが第2接触子を第2方向において蓋本体に向けて押圧する。これにより、第2弾性部材が押し縮められるので、第2弾性部材の弾性力によって、位置決めピンと第2接触子とをより確実に接触させることができる。
本開示によれば、蓋体とパネルとの間での静電気放電を抑制することができる。
図1は、一実施形態に係るパネル収納容器の分解斜視図である。 図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。 図3は、図1に示される蓋体の背面から見た斜視図である。 図4は、図1のIV-IV線に沿った断面図である。 図5は、図1のV-V線に沿った断面図である。 図6は、鍵が鍵穴に挿入されている状態を示す断面図である。 図7は、位置決めピンが位置決め穴に挿入されている状態を示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。なお、図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。各図には、XYZ座標系が示される。Y軸方向(第2方向)は、X軸方向及びZ軸方向(第1方向)と交差(ここでは、直交)する方向である。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向と交差(ここでは、直交)する方向である。一例として、X軸方向は、左右方向(幅方向)であり、Y軸方向は、前後方向(奥行方向)であり、Z軸方向は、上下方向(高さ方向)である。説明の便宜上、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、及び「右」の用語が用いられるが、これらの方向に限定されない。
図1を参照しながら、一実施形態に係るパネル収納容器を説明する。図1は、一実施形態に係るパネル収納容器の分解斜視図である。図1に示されるパネル収納容器1は、複数のパネルを収納するための容器である。パネル収納容器1は、例えば、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格を参考にして構成されている。パネルの例としては、液晶パネル用のガラス基板、及び電子部品を搭載したパネルが挙げられる。パネルは、矩形形状を有する。パネルのサイズの例としては、510mm×515mm及び600mm×600mmが挙げられる。パネル収納容器1に収納可能なパネルの枚数は、任意に定められており、例えば、6枚でもよく、12枚でもよく、16枚でもよく、24枚でもよい。
パネル収納容器1は、例えば、電子部品アセンブリを製造する製造装置に使用される。電子部品アセンブリは、例えば、ガラス板及びステンレス板といった大型のキャリアパネル上に多数の電子部品を搭載する工程、これらの電子部品をエポキシ樹脂等で封止する工程、封止された電子部品をパネル形態でキャリアパネルから剥がす工程、及びパネル形態の電子部品を個別に切り出す工程等を経て製造される。パネル収納容器1は、これらの工程間でパネルを移送するために用いられる。
パネル収納容器1は、容器本体2と、蓋体3と、を含む。
容器本体2は、正面(前面)が開放された直方体形状の容器である。言い換えると、容器本体2は、前面に開口2aが設けられたフロントオープンボックス型の容器である。容器本体2は、複数のパネルを収納する。具体的には、容器本体2は、複数のパネルを上下方向に配列した状態で収納する。開口2aを介してパネルが容器本体2に出し入れされる。容器本体2の詳細は後述する。
蓋体3は、容器本体2の開口2aを閉塞するための部材である。蓋体3は、開口2aを画定するフランジ25に着脱自在に取り付けられる。蓋体3の詳細は後述する。
容器本体2及び蓋体3は、金属材料又は樹脂材料で成形される複数の部品を組み合わせることによって構成される。樹脂材料の成形材料に含まれる樹脂の例としては、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂の例としては、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、液晶ポリマー、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、及びアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体が挙げられる。樹脂材料の成形材料に含まれる樹脂として、これらのアロイが用いられてもよい。
これらの樹脂には、導電物質、及び各種帯電防止剤が添加されてもよい。導電物質は、例えば、カーボン繊維、カーボンパウダー、カーボンナノチューブ、又は導電性ポリマー等からなる。帯電防止剤としては、アニオン系、カチオン系、及び非イオン系等の帯電防止剤が用いられ得る。ベンゾトリアゾール系、サリシレート系、シアノアクリレート系、オキザリックアシッドアニリド系、及びヒンダードアミン系の紫外線吸収剤が添加されてもよい。剛性を向上させるガラス繊維又は炭素繊維等も選択的に添加されてもよい。
次に、容器本体2を詳細に説明する。容器本体2は、天板21と、底板22と、一対の側壁23と、背面壁24と、フランジ25と、枠体26と、台座部27と、サイドプレート28と、を含む。
天板21、底板22、側壁23、及び背面壁24は、略矩形状の板材である。天板21と底板22とは、上下方向において互いに向かい合っており、略平行に配置されている。一対の側壁23は、左右方向において互いに向かい合っており、略平行に配置されている。背面壁24は、天板21の後端と底板22の後端とを連結するとともに、一対の側壁23の後端を連結している。天板21、底板22、一対の側壁23、及び背面壁24によって、収容空間20が画定される。
天板21、底板22、及び側壁23は、例えば、アルミニウム及びステンレス等の金属材料によって構成されている。背面壁24は、例えば、容器本体2の外部から収容空間20を目視可能な透明の樹脂材料によって構成される。背面壁24の一部が透明の樹脂材料で構成されてもよい。透明な樹脂材料の例としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、及びシクロオレフィンポリマーが挙げられる。
フランジ25は、矩形状の枠体であって、天板21の前端、底板22の前端、及び一対の側壁23の前端にわたって設けられている。フランジ25によって、開口2aが画定される。フランジ25は、例えば、上述の樹脂材料又はアルミニウム及びステンレス等の金属材料によって構成される。フランジ25の上枠部及び下枠部のそれぞれには、左右方向に離間して配列された2つの施錠穴25hが設けられている。上枠部の施錠穴25hと下枠部の施錠穴25hとは上下方向において互いに向かい合う位置に設けられている。
枠体26は、天板21、底板22、一対の側壁23、及び背面壁24を固定するために用いられる。枠体26は、例えば、アルミニウム及びステンレス等の金属材料によって構成されている。枠体26は、背面壁24の前面に設けられる。枠体26は、枠部26a(図2参照)と、支柱26b(図2参照)と、一対の支柱26c(図2参照)と、を有している。枠部26aは、矩形状の部材であって、背面壁24の周縁に沿って設けられている。
支柱26b及び一対の支柱26cは、上下方向に延びる柱状部材である。一方の支柱26c、支柱26b、及び他方の支柱26cは、左右方向においてその順に配列され、互いに略平行に配置されている。支柱26b及び一対の支柱26cは、枠部26aの上枠部から下枠部まで延びている。支柱26bは、枠体26の左右方向における中心に設けられ、一対の支柱26cは、枠体26の左右方向における両端近傍に設けられる。支柱26bには、後述するシャフト61aを取り付けるための複数の嵌合穴が設けられている。支柱26cには、後述するシャフト62aを取り付けるための複数の嵌合穴が設けられている。
台座部27は、容器本体2のベースとなる部分である。台座部27は、例えば、アルミニウム及びステンレス等の金属材料によって構成されている。台座部27は、底板22の下面に設けられる。台座部27は、複数の柱状の支持部材を組み合わせることによって構成されている。
サイドプレート28は、後述の支持体65を取り付けるための部材である。サイドプレート28は、上下方向に延びる板状部材である。サイドプレート28は、例えば、アルミニウム及びステンレス等の金属材料によって構成されている。サイドプレート28は、側壁23の外面に設けられる。本実施形態では、各側壁23に2つのサイドプレート28が設けられる。2つのサイドプレート28は、前後方向に配列され、互いに略平行に配置されている。1つのサイドプレート28は、側壁23の前後方向における中心付近に設けられ、もう1つのサイドプレート28は、側壁23の前後方向における前端近傍に設けられる。
容器本体2の角部には、収容空間20へのパーティクル(粒子)の侵入を防止するためのカバー部材が設けられている。
次に、図2を参照しながら、収容空間20内の構成を説明する。図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図2に示されるように、パネル収納容器1は、パネル支持部60を更に含む。パネル支持部60は、複数のパネルを支持するための部分である。パネル支持部60は、容器本体2の内部(収容空間20)に設けられている。パネル支持部60は、複数の支持部61と、複数の支持部62と、複数のストッパ64と、を含む。
支持部61、支持部62、及びストッパ64の数は、パネル収納容器1に収納可能なパネルの枚数に応じて変更される。本実施形態では、パネル支持部60は、1枚のパネル当たり、1つの支持部61と、2つの支持部62と、2つのストッパ64と、を含む。言い換えると、1つの支持部61と、2つの支持部62と、2つのストッパ64とによって、1枚のパネルを収納する収納段が形成される。
支持部61は、パネルの左右方向における中央部を支持するための部分である。支持部61は、シャフト61aと、複数の弾性体61bと、を有している。シャフト61aは、前後方向に延びる柱状(例えば、円柱状)の部材である。シャフト61aは、1枚のパネルを支持するために用いられる。シャフト61aの後端部が支柱26bの嵌合穴に嵌入され、ネジによって支柱26bに固定される。シャフト61aは、例えば、曲げ剛性の高い材料によって構成されている。シャフト61aの構成材料の例として、ステンレス及びアルミニウム等の金属、並びにカーボン繊維強化プラスチックが挙げられる。
弾性体61bは、シャフト61aの外周面に設けられた環状(例えば、円環状)の部材である。弾性体61bは、パネルの滑りを抑え、パネルの位置決め精度を向上させるために設けられる。パネルの滑り防止の観点から、弾性体61bは、シャフト61aよりも高い摩擦力を有してもよい。パネルの損傷防止の観点から、弾性体61bは、シャフト61aよりも高い弾力性(クッション性)を有してもよい。弾性体61bは、例えば、ゴム材によって構成される。ゴム材の例としては、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、シリコーンゴム、及びフッ素ゴムが挙げられる。弾性体61bは、例えばOリングである。複数の弾性体61bは、シャフト61aの延在方向に一定の間隔で配列されている。
支持部62は、パネルの左右方向の両端部を支持するための部分である。支持部62は、シャフト62aと、複数の弾性体62bと、複数の支持体65と、を有している。シャフト62aは、前後方向に延びる柱状(例えば、円柱状)の部材である。シャフト62aは、1枚のパネルを支持するために用いられる。シャフト62aの後端部が支柱26cの嵌合穴に嵌入され、ネジによって支柱26cに固定される。シャフト62aは、例えば、曲げ剛性の高い材料によって構成されている。シャフト62aの構成材料の例として、ステンレス及びアルミニウム等の金属、並びにカーボン繊維強化プラスチックが挙げられる。
シャフト62aの前後方向における長さは、パネルの前後方向における長さよりも僅かに長く、シャフト61aの前後方向における長さよりも長い。シャフト61aと一対のシャフト62aとは、左右方向に配列されている。一対のシャフト62aの間に、シャフト61aが配置されている。
弾性体62bは、シャフト62aの外周面に設けられた環状(例えば、円環状)の部材である。弾性体62bは、パネルの滑りを抑え、パネルの位置決め精度を向上させるために設けられる。弾性体62bの構成材料及び配列は、弾性体61bの構成材料及び配列と同様であるので詳細な説明を省略する。
支持体65は、シャフト62aを保持(支持)するとともに、パネルの左右方向における端部を支持するための部材である。支持体65の先端部分には、支持体65を前後方向に貫通する挿通孔が設けられており、シャフト62aが挿通孔を挿通している。
支持体65の基端部分が側壁23の内面に当接され、ノックピン(不図示)によってサイドプレート28、側壁23、及び支持体65が位置決めされる。この状態で、サイドプレート28の外側からサイドプレート28に設けられた挿通孔にネジが挿通され、支持体65の基端部分に設けられたネジ穴にネジが螺合される。これにより、支持体65とサイドプレート28とによって側壁23を挟み込んだ状態で、支持体65がサイドプレート28に固定される。
ストッパ64は、パネルの後端の位置を決めるための部材である。ストッパ64は、例えば、上述の樹脂材料で構成されている。ストッパ64は、シャフト62aの後端部に設けられている。ストッパ64は、ブロック状の形状を有している。ストッパ64には、前後方向にシャフト62aを挿通するための挿通孔が設けられている。ストッパ64の挿通孔にシャフト62aが挿通された状態で、ストッパ64の後面が支柱26cの前面に当接され、ネジによってストッパ64が支柱26cに固定される。
次に、図1及び図3~図5を参照しながら、蓋体3を詳細に説明する。図3は、図1に示される蓋体の背面から見た斜視図である。図4は、図1のIV-IV線に沿った断面図である。図5は、図1のV-V線に沿った断面図である。図1及び図3に示されるように、蓋体3は、蓋本体31と、カバー部材32と、施錠機構33と、リテーナ34と、を含む。
蓋本体31は、蓋体3の本体部分である。蓋本体31は、矩形状の板材である。蓋本体31は、例えば、アルミニウム及びマグネシウム合金等の金属材料(導電性材料)で構成されている。蓋本体31は、前面31a(第2面)と、裏面31b(第1面)と、を有している。裏面31bは、蓋体3が開口2aを閉塞している状態で、前後方向において複数のパネルと向かい合う面である。前面31aは、裏面31bと前後方向において反対側の面である。
カバー部材32は、蓋本体31の前面31aを覆う部材である。カバー部材32は、矩形状の板材である。カバー部材32は、例えば、ポリカーボネート等の樹脂材料(非導電性材料)で構成されている。カバー部材32には、鍵穴32aと、位置決め穴32bと、が設けられている。鍵穴32aは、蓋体3を施錠するための穴である。鍵穴32aには、後述の開閉装置70の鍵71が挿入される(図6参照)。開閉装置70は、蓋体3の開閉を行う装置であり、ロードポートとも称される。位置決め穴32bは、開閉装置70を位置決めするための穴である。位置決め穴32bには、後述の開閉装置70の位置決めピン72が挿入される(図7参照)。
本実施形態では、2つの鍵穴32aと、2つの位置決め穴32bとが設けられている。一方の位置決め穴32b、一方の鍵穴32a、他方の鍵穴32a、及び他方の位置決め穴32bが、カバー部材32の上下方向における中心線に沿って、その順に左右方向に配列されている。2つの位置決め穴32bは、カバー部材32の左右両端近傍に配置されている。2つの鍵穴32aは、左右方向において2つの位置決め穴32bの間に配置されている。
施錠機構33は、鍵穴32aに挿入された鍵71が操作されることによって、蓋体3を施錠又は解錠する。施錠機構33は、例えば、ポリアセタール及びポリブチレンテレフタレート等の樹脂材料(非導電性材料)で構成されている。施錠機構33は、蓋本体31とカバー部材32との間に設けられている。施錠機構33は、ラッチ33aと、部材33bと、を含む。蓋体3がフランジ25に取り付けられた状態で、鍵71の操作によりラッチ33aがフランジ25に設けられた施錠穴25hに嵌入されることによって蓋体3が施錠される。蓋体3が施錠されている状態で、鍵71の操作によりラッチ33aが施錠穴25hから引き抜かれることよって蓋体3が解錠される。部材33bは、回転軸部として機能する部材であり、滑りやすくするために設けられている。
リテーナ34は、容器本体2に収納されている複数のパネルの前後方向における移動(蓋体3に向かう移動)を規制する部材である。リテーナ34は、裏面31bに設けられている。リテーナ34は、容器本体2に収納されているすべてのパネルの前端を覆うように上下方向に延びている。本実施形態では、リテーナ34は、裏面31bの左右方向における両端部に設けられている。リテーナ34は、均一な断面形状を有する板状の弾性部材である。リテーナ34は、例えば、導電性を有する樹脂材料で構成されている。このような樹脂材料は、カーボン等の導電性物質を含んでいる。リテーナの構成材料の具体例としては、ポリカーボネートとカーボンナノチューブとの組み合わせ、及び導電性フッ素ゴムが挙げられる。
図4及び図5に示されるように、蓋体3は、導通部35を更に含む。導通部35は、開閉装置70(図6及び図7参照)と蓋本体31とを電気的に接続するための部分である。導通部35は、蓋本体31の前面31aに設けられている。導通部35は、導通機構51(第1導通機構)と、導通機構52(第2導通機構)と、を含む。
図4に示されるように、導通機構51は、鍵穴32a内に設けられている。導通機構51は、鍵穴32aに挿入される鍵71(図6参照)と蓋本体31とを電気的に接続する。導通機構51は、弾性部材53(第1弾性部材)と、接触子54(第1接触子)と、を含む。弾性部材53は、前後方向に伸縮可能に設けられている。弾性部材53は、例えば、ステンレス鋼材等の金属材料(導電性材料)で構成されている。本実施形態では、弾性部材53は、コイルばねであり、前面31aに設けられた収容部31cに収容されている。弾性部材53は、収容部31cの底面と後述の係止片54bとによって挟まれるように配置される。
接触子54は、鍵71の挿抜に応じて前後方向に進退可能に設けられた部材である。接触子54は、例えば、ステンレス鋼材等の金属材料(導電性材料)で構成されている。接触子54は、開閉装置70が鍵穴32aに鍵71を挿入した際に、鍵71によって前後方向において蓋本体31に向けて押圧されるように弾性部材53に取り付けられている。接触子54は、柱状部54aと、係止片54bと、を含む。
柱状部54aは、前後方向に延びる柱状(本実施形態では、円柱状)の部分である。柱状部54aは、鍵穴32a内に設けられた部材33bを貫通している。柱状部54aは、柱状部54aの先端(前端)が鍵71の先端に接触可能な位置まで前方に延びている。
係止片54bは、接触子54が前方に飛び出すことを防止するための部分である。係止片54bは、環状(本実施形態では、円環状)の形状を有し、柱状部54aの後端部に柱状部54aの軸回りに設けられている。係止片54bが部材33bに当接することで、接触子54が前方に移動することが規制される。上述のように、弾性部材53は、収容部31cの底面と係止片54bとによって挟まれるように配置されているので、接触子54が蓋本体31に向かって移動すると、係止片54bによって弾性部材53は押し縮められる。
図5に示されるように、導通機構52は、位置決め穴32b内に設けられている。導通機構52は、位置決め穴32bに挿入される位置決めピン72(図7参照)と蓋本体31とを電気的に接続する。導通機構52は、弾性部材55(第2弾性部材)と、接触子56(第2接触子)と、を含む。弾性部材55は、前後方向に伸縮可能に設けられている。弾性部材55は、例えば、ステンレス鋼材等の金属材料(導電性材料)で構成されている。本実施形態では、弾性部材55は、コイルばねであり、前面31aに設けられた収容部31dに収容されている。弾性部材55は、収容部31dの底面と後述の係止片56bとによって挟まれるように配置される。
接触子56は、位置決めピン72の挿抜に応じて前後方向に進退可能に設けられた部材である。接触子56は、例えば、ステンレス鋼材等の金属材料(導電性材料)で構成されている。接触子56は、開閉装置70が位置決め穴32bに位置決めピン72を挿入した際に、位置決めピン72によって前後方向において蓋本体31に向けて押圧されるように弾性部材55に取り付けられている。接触子56は、柱状部56aと、係止片56bと、を含む。
柱状部56aは、前後方向に延びる柱状(本実施形態では、円柱状)の部分である。柱状部56aは、位置決め穴32bを画定する底板部分を貫通している。柱状部56aは、柱状部56aの先端(前端)が位置決めピン72の先端に接触可能な位置まで前方に延びている。
係止片56bは、接触子56が前方に飛び出すことを防止するための部分である。係止片56bは、環状(本実施形態では、円環状)の形状を有し、柱状部56aの後端部に柱状部56aの軸回りに設けられている。係止片56bが位置決め穴32bを画定する底板部分に当接することで、接触子56が前方に移動することが規制される。上述のように、弾性部材55は、収容部31dの底面と係止片56bとによって挟まれるように配置されているので、接触子56が蓋本体31に向かって移動すると、係止片56bによって弾性部材55は押し縮められる。
図4~図7を参照して、導通機構51,52の動作を説明する。図6は、鍵が鍵穴に挿入されている状態を示す断面図である。図7は、位置決めピンが位置決め穴に挿入されている状態を示す断面図である。
図4に示されるように、鍵穴32aに鍵71が挿入されていない状態において、弾性部材53の弾性力によって接触子54は前方に力を受け、係止片54bが部材33bに当接している。このとき、柱状部54aの前端は、鍵穴32a内の鍵71が収容される空間に位置している。図6に示されるように、鍵穴32aに鍵71が挿入されると、鍵71が柱状部54aの前端に当接し、鍵71によって接触子54が後方に押し込まれる。このとき、係止片54bによって弾性部材53が押し縮められるので、弾性部材53には更なる弾性力が生じ、接触子54は鍵71に向かって更なる力を受ける。その結果、鍵71と接触子54とが確実に接触し得る。したがって、蓋本体31は、弾性部材53、接触子54、及び鍵71を介して、開閉装置70の接地電位(アース)に電気的に接続される。
図5に示されるように、位置決め穴32bに位置決めピン72が挿入されていない状態において、弾性部材55の弾性力によって接触子56は前方に力を受け、係止片56bが位置決め穴32bを画定する底板部分に当接している。このとき、柱状部56aの前端は、位置決め穴32b内の位置決めピン72が収容される空間に位置している。図7に示されるように、位置決め穴32bに位置決めピン72が挿入されると、位置決めピン72の先端が柱状部56aの前端に当接し、位置決めピン72によって接触子56が後方に押し込まれる。このとき、係止片56bによって弾性部材55が押し縮められるので、弾性部材55には更なる弾性力が生じ、接触子56が位置決めピン72に向かって更なる力を受ける。その結果、位置決めピン72と接触子56とが確実に接触し得る。したがって、蓋本体31は、弾性部材55、接触子56、及び位置決めピン72を介して、開閉装置70の接地電位(アース)に電気的に接続される。
図4~図7に示されるように、蓋体3が開口2aを閉塞している状態で、パネルPの前端はリテーナ34に当接していることがある。例えば、パネル収納容器1が導通部35を備えていないとすると、蓋体3が帯電していた場合には、蓋体3が開けられる際に蓋体3とパネルPとの間で静電気放電(スパーク)が発生するおそれがある。
これに対し、パネル収納容器1においては、開閉装置70と蓋本体31とを電気的に接続するための導通部35が蓋本体31の前面31aに設けられている。したがって、蓋体3の開閉時に開閉装置70と蓋体3(蓋本体31)とが導通部35を介して電気的に接続される。開閉装置70は接地電位に電気的に接続されているので、蓋体3から導通部35及び開閉装置70を通って接地電位に電流が流れ、蓋体3が除電される。その結果、蓋体3とパネルPとの間で静電気放電が発生することを抑制することが可能となる。
導通機構51は、鍵穴32a内に設けられ、鍵穴32aに挿入される開閉装置70の鍵71と蓋本体31とを電気的に接続する。開閉装置70は鍵穴32aに鍵71を挿入することによって蓋体3を開閉するので、蓋体3の開閉時に開閉装置70の鍵71と蓋本体31とが電気的に接続される。したがって、蓋体3から導通機構51及び開閉装置70を通って接地電位に電流が流れ、蓋体3が除電される。その結果、蓋体3とパネルPとの間で静電気放電が発生することを抑制することが可能となる。
導通機構51においては、開閉装置70が鍵穴32aに鍵71を挿入した際に、鍵71が接触子54を前後方向において蓋本体31に向けて押圧する。これにより、弾性部材53が押し縮められるので、弾性部材53の弾性力によって、鍵71と接触子54とをより確実に接触させることができる。
導通機構52は、位置決め穴32b内に設けられ、位置決め穴32bに挿入される開閉装置70の位置決めピン72と蓋本体31とを電気的に接続する。開閉装置70は位置決め穴32bに位置決めピン72を挿入することによって蓋体3に対する開閉装置70の位置決めをして蓋体3を開閉するので、蓋体3の開閉時に開閉装置70の位置決めピン72と蓋本体31とが電気的に接続される。したがって、蓋体3から導通機構52及び開閉装置70を通って接地電位に電流が流れ、蓋体3が除電される。その結果、蓋体3とパネルPとの間で静電気放電が発生することを抑制することが可能となる。
導通機構52においては、開閉装置70が位置決め穴32bに位置決めピン72を挿入した際に、位置決めピン72が接触子56を前後方向において蓋本体31に向けて押圧する。これにより、弾性部材55が押し縮められるので、弾性部材55の弾性力によって、位置決めピン72と接触子56とをより確実に接触させることができる。
なお、本開示に係るパネル収納容器は上記実施形態に限定されない。
容器本体2の各部材の連結方法は、上記実施形態と異なっていてもよい。上記実施形態では、容器本体2は、複数の部品を組み合わせることによって構成されているが、一体成形品であってもよい。
上記実施形態では、蓋体3には、2つの鍵穴32aと、2つの位置決め穴32bとが設けられているが、鍵穴32aの数及び位置決め穴32bの数は2つに限られない。蓋体3には、1つの鍵穴32aが設けられてもよく、3つ以上の鍵穴32aが設けられてもよい。蓋体3には、1つの位置決め穴32bが設けられてもよく、3つ以上の位置決め穴32bが設けられてもよい。鍵穴32aの数と位置決め穴32bの数とは互いに異なっていてもよい。いずれの場合も、蓋体3に設けられている鍵穴32a及び位置決め穴32bのうちの少なくとも1つに導通機構が設けられていればよい。言い換えると、導通部35は、導通機構51及び導通機構52の一方を含まなくてもよい。
導通機構51は、鍵71と蓋本体31とを電気的に接続し得る構成であればよく、上記実施形態の構成に限られない。導通機構52は、位置決めピン72と蓋本体31とを電気的に接続し得る構成であればよく、上記実施形態の構成に限られない。
1…パネル収納容器、2…容器本体、2a…開口、3…蓋体、31…蓋本体、31a…前面(第2面)、31b…裏面(第1面)、32…カバー部材、32a…鍵穴、32b…位置決め穴、33…施錠機構、34…リテーナ、35…導通部、51…導通機構(第1導通機構)、52…導通機構(第2導通機構)、53…弾性部材(第1弾性部材)、54…接触子(第1接触子)、55…弾性部材(第2弾性部材)、56…接触子(第2接触子)、70…開閉装置、71…鍵、72…位置決めピン、P…パネル。

Claims (5)

  1. 開口を有し、複数のパネルを第1方向に配列した状態で収納するための容器本体と、
    前記開口を閉塞するための蓋体と、
    を備え、
    前記蓋体は、
    前記蓋体が前記開口を閉塞している状態で、前記第1方向と交差する第2方向において前記複数のパネルと向かい合う第1面及び前記第1面と反対側の第2面を有する蓋本体と、
    前記第1面に設けられ、前記複数のパネルの前記第2方向における移動を規制するリテーナと、
    前記第2面に設けられ、前記蓋体の開閉を行う開閉装置と前記蓋本体とを電気的に接続するための導通部と、
    を備える、パネル収納容器。
  2. 前記蓋体には、前記蓋体を施錠するための鍵穴が設けられ、
    前記導通部は、前記鍵穴内に設けられた第1導通機構を含み、
    前記第1導通機構は、前記鍵穴に挿入される前記開閉装置の鍵と前記蓋本体とを電気的に接続する、請求項1に記載のパネル収納容器。
  3. 前記第1導通機構は、
    前記第2方向に伸縮可能な第1弾性部材と、
    前記開閉装置が前記鍵穴に前記鍵を挿入した際に、前記鍵によって前記第2方向において前記蓋本体に向けて押圧されるように前記第1弾性部材に取り付けられた第1接触子と、
    を備える、請求項2に記載のパネル収納容器。
  4. 前記蓋体には、前記開閉装置を位置決めするための位置決め穴が設けられ、
    前記導通部は、前記位置決め穴内に設けられた第2導通機構を含み、
    前記第2導通機構は、前記位置決め穴に挿入される前記開閉装置の位置決めピンと前記蓋本体とを電気的に接続する、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のパネル収納容器。
  5. 前記第2導通機構は、
    前記第2方向に伸縮可能な第2弾性部材と、
    前記開閉装置が前記位置決め穴に前記位置決めピンを挿入した際に、前記位置決めピンによって前記第2方向において前記蓋本体に向けて押圧されるように前記第2弾性部材に取り付けられた第2接触子と、
    を備える、請求項4に記載のパネル収納容器。
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