JP2023093240A - 自動販売機の防盗シャッタ機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】商品の防盗性を確保しつつ製造コストの低減化を図ること。【解決手段】自動販売機本体(1a)の内部に設けられたシャッタベース31と、シャッタベース31に係合手段を介して係合され、シャッタベース31に対して近接離反する態様で進退移動可能なシャッタ可動部32とを備えた防盗シャッタ機構であって、係合手段は、シャッタベース31に設けられたシャッタモータ(343)の出力軸(343a)に連係された回転軸(36)に基端部(40a)が連結され、シャッタモータの回転駆動に従って回転軸と一体的にその中心軸回りに所定方向に回転する第1リンク部材(40)と、一端部(41a)が第1リンク部材の先端部に回転可能に連結されるとともに他端部(41b)がシャッタ可動部32に回転可能に連結された第2リンク部材(41)とを備え、シャッタモータの一方向の回転駆動によりシャッタ可動部32を進退移動させる。【選択図】図4
Description
本発明は、自動販売機の防盗シャッタ機構に関するものである。
従来、商品の販売を行う自動販売機には、自動販売機本体の内部における商品収納領域の商品ラックに収納された商品を所定の商品取出領域に搬送するようにしたものが知られている。商品取出領域は、自動販売機本体に形成された商品取出口を介して自動販売機本体の外部に連通された空間であり、利用者が商品取出口から手を差し入れれば、該商品取出領域に搬送された商品を取り出すことが可能である。
通常、この種の自動販売機では、自動販売機本体の前面を構成する前面扉の一部がガラス等の透明な面板によって構成されており、商品収納領域の商品ラックに収納された商品を外部から視認して選択することが可能である。このように商品収納領域の内部が視認可能な自動販売機によれば、利用者の購買意欲を高めることができる等の利点がある。
そのような自動販売機では、自動販売機本体の内部に防盗板が設けられたものが知られている。防盗板は、前後方向に沿ってスライド可能に設けられており、自身に形成されたラックがモータの出力軸に連係されたピニオンに噛合している。この防盗板は、モータが正回転駆動する場合に前方に向けてスライドする一方、モータが逆回転駆動する場合に後方に向けてスライドするものである。
かかる自動販売機では、商品取出領域に商品が搬送された場合には、モータを正回転駆動させて防盗板を前方にスライドさせて商品収納領域と商品取出領域とを区画するようにし、悪意を持った者が商品取出口から手を差し入れて商品ラックの商品を取り出すことを防止していた(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記特許文献1に提案されている自動販売機では、防盗板をスライドさせるための駆動源であるモータは正逆回転駆動なものであり、しかもラックとピニオンとの噛合により防盗板をスライドさせるのでモータに対してもトルクが作用するため、高価なモータを必要とし、結果的に製造コストの増大化を招来していた。
本発明は、上記実情に鑑みて、商品の防盗性を確保しつつ製造コストの低減化を図ることができる自動販売機の防盗シャッタ機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る自動販売機の防盗シャッタ機構は、自動販売機本体の内部に設けられたシャッタベースと、前記シャッタベースに係合手段を介して係合され、かつ該シャッタベースに対して近接離反する態様で進退移動可能なシャッタ可動部とを備え、前記シャッタ可動部が前記シャッタベースから離隔する態様で進出移動して進出位置に配置された場合には、複数の商品ラックが設けられた商品収納領域と前記商品ラックから繰り出された商品が前記自動販売機本体に形成された商品取出口を通じて取り出されることを許容する商品取出領域とを区画する防盗シャッタ機構であって、前記係合手段は、前記シャッタベースに設けられたシャッタモータの出力軸に連係された回転軸に基端部が連結され、かつ該シャッタモータの回転駆動にしたがって前記回転軸と一体的にその中心軸回りに所定方向に回転する第1リンク部材と、一端部が前記第1リンク部材の先端部に回転可能に連結されるとともに他端部が前記シャッタ可動部に回転可能に連結された第2リンク部材とを備え、前記シャッタモータの一方向の回転駆動により前記シャッタ可動部を進退移動させることを特徴とする。
また本発明は、上記自動販売機の防盗シャッタ機構において、前記シャッタ可動部は、常態において、前記シャッタベースに対して近接する態様で退行移動した退行位置に配置され、かつ前記退行位置と前記進出位置との間で進退移動可能であり、前記係合手段は、前記シャッタモータが1回転だけ回転駆動することにより、前記シャッタ可動部を前記退行位置、前記進出位置、前記退行位置の順に進退移動させることを特徴とする。
また本発明は、上記自動販売機の防盗シャッタ機構において、前記第1リンク部材は、前記シャッタ可動部が前記進出位置に配置される場合、前記先端部が前記基端部よりも前記進出位置に近接し、かつ前記基端部から前記先端部に向けて該第1リンク部材の回転方向と逆方向に傾斜延在する進出姿勢となるもので、前記シャッタベースは、前記シャッタ可動部が前記退行位置から前記進出位置まで進出移動する際の前記第1リンク部材の回転域に設置され、かつ前記第1リンク部材が前記シャッタモータの回転駆動に伴って所定方向に回転することを許容する一方、該第1リンク部材が前記所定方向と逆方向に回転することを規制するストッパ部を備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記自動販売機の防盗シャッタ機構において、前記シャッタモータは、前記出力軸に連係しつつ前記回転軸に噛合する伝達ギアの中心軸回りに回動可能となる態様で前記シャッタベースに設けられた駆動筐体に収容され、前記駆動筐体は、常態においては、筐体用付勢手段に付勢されて基準姿勢に維持される一方、前記第1リンク部材が前記進出姿勢から前記所定方向と逆方向に回転する場合には、前記筐体用付勢手段の付勢力に抗して前記伝達ギアの中心軸回りに回動することを特徴とする。
また本発明は、上記自動販売機の防盗シャッタ機構において、前記第2リンク部材の他端部に回転可能に連結されるとともに前記シャッタ可動部にスライダ用付勢手段を介して連結されることにより、前記第2リンク部材と前記シャッタ可動部との間に介在し、かつ前記進出位置に配置された前記シャッタ可動部が前記スライダ用付勢手段の付勢力に抗して前記シャッタベースから離隔する方向に変位することを許容するスライダを備えたことを特徴とする。
また本発明は、上記自動販売機の防盗シャッタ機構において、前記シャッタ可動部が前記退行位置に配置されたことを検出する第1検出部と、前記シャッタ可動部が前記進出位置に配置されたことを検出する第2検出部と、電源が投入された場合に前記シャッタモータを強制的に回転駆動させ、前記第2検出部にて前記シャッタ可動部が前記進出位置に配置されたことが検出された後に前記第1検出部にて前記シャッタ可動部が前記退行位置に配置されたことが検出されたときに、前記シャッタモータを回転駆動停止にさせる制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、係合手段が、シャッタベースに設けられたシャッタモータの出力軸に連係された回転軸に基端部が連結され、かつ該シャッタモータの回転駆動にしたがって回転軸と一体的にその中心軸回りに所定方向に回転する第1リンク部材と、一端部が第1リンク部材の先端部に回転可能に連結されるとともに他端部がシャッタ可動部に回転可能に連結された第2リンク部材とを備え、シャッタモータの一方向の回転駆動によりシャッタ可動部を進退移動させるので、シャッタモータが一方向に回転駆動するものであれば十分であり、従来のように正逆回転駆動する必要がない。これによりシャッタモータとして安価なものを用いることができ、商品の防盗性を確保しつつ製造コストの低減化を図ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の防盗シャッタ機構の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1~図3は、それぞれ本発明の実施の形態である防盗シャッタ機構が適用された自動販売機を示すものであり、図1は、外観構成を示す正面図であり、図2は、内部構造を模式的に示す断面側面図であり、図3は、特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。
ここで例示する自動販売機1は、例えば店舗等に設置されて内部に収納された商品を販売するものであり、自動販売機本体1aを備えている。自動販売機本体1aは、本体キャビネット10及び前面扉20を備えている。
本体キャビネット10は、前面に開口(以下、前面開口ともいう)10aを有した直方状の筐体である。前面扉20は、平板状を成すもので、本体キャビネット10の前面開口10aを開閉する態様で該本体キャビネット10の一側部に揺動可能に保持されている。この前面扉20は、自動販売機本体1aの前面を構成している。
図には明示していないが、本体キャビネット10及び前面扉20は、それぞれ断熱機能を有しており、本体キャビネット10の前面開口10aを前面扉20によって閉塞した場合に、本体キャビネット10の内部に断熱空間となる商品収納庫11を構成する。
本体キャビネット10の商品収納庫11には、商品を収納するための空間である商品収納領域11Aが確保されており、この商品収納領域11Aには、上下方向に沿って複数段の商品ラック12が設けられている。
商品ラック12は、前後方向に沿って複数の商品を収納する商品コラム12aが左右に並設されて構成されている。商品コラム12aは、従来公知のものであり、前後方向に沿って延在するスパイラル12bの各ピッチ間に商品を拘束して、商品を収納するものである。
尚、上記商品コラム12aは、スパイラル12bを備えるものであったが、本発明においては、商品コラム12aは、前後一対のプーリ間に無端状に張設された搬送ベルトの上方側水平延在部分に商品を載置して、商品を収納するものであってもよい。
上記商品収納庫11には、蒸発器13aが設けられている。蒸発器13aは、商品収納庫11の下方域に画成された機械室14に配設された圧縮機13bや凝縮器13c、膨張機構13dと冷媒を循環させる冷却ユニット13を構成しており、自身の図示せぬ冷媒通路を通過する冷媒と、自身の周囲を通過する商品収納庫11の内部の空気とを熱交換させて該空気を冷却するものである。
蒸発器13aの周囲で冷却された空気は、庫内送風ファン15が駆動することにより、商品収納庫11の背面に設置された背面パネル16の吸込口16aより通風路16bに吸い込まれ、この通風路16bを通過した後に該背面パネル16に形成された各吹出口16cから吹き出されることにより、各商品ラック12に収納された商品を冷却することになる。
図1に示すように、前面扉20には、窓部21及び商品取出口22が設けられている。窓部21は、複層ガラス等の透明、かつ断熱性を有した面材21aが配設されることによって構成されている。この窓部21は、本体キャビネット10の前面開口10aが前面扉20によって閉塞された場合に、すべての商品ラック12の商品コラム12aにおいて最前列に収納された商品を外部から視認させることが可能である。
商品取出口22は、利用者が購入商品を受け取るための開口であり、前面扉20において窓部21よりも下方となる位置に形成されている。図2からも明らかなように、商品取出口22の開口上縁22aは、最下段に配設された商品ラック12よりもさらに下方に位置するように設定されている。
この商品取出口22は、前面扉20に設けられた商品取出扉23によって常時閉塞された状態にあり、商品取出扉23を内側に向けて押し回すことで開放することができる。商品取出扉23は、左右方向に沿った開閉軸23aにより、上端部を介して前面扉20に支持されたものである。
図には明示していないが、前面扉20において商品取出口22の周囲に位置する部分には、商品取出口22を通じて商品収納庫11の内部雰囲気と外気とが流通するのを防止するガスケットが商品取出扉23と対向する部分の全周に配設されている。
また前面扉20には、窓部21の側方となる部位に、商品選択部24、硬貨投入口25、紙幣挿入口26、カードリーダ27及び硬貨返却口28が設けられている。
商品選択部24は、押釦テンキーや表示器等を有しており、利用者が商品を選択するためのものである。硬貨投入口25は、硬貨を投入する開口である。紙幣挿入口26は、紙幣を挿入するための開口である。
カードリーダ27は、いわゆる電子マネーと称される金額情報が格納された記録媒体が所定の通信可能領域に保持される場合に、該記録媒体との間で金銭に関するデータの送受信を行うものである。硬貨返却口28は、投入された硬貨の返却、あるいは釣銭等を返却するための開口である。
図2に示したように、商品収納庫11の前端部には、商品取出領域11B及び搬送領域11Cが確保されている。商品取出領域11Bは、利用者の購入した商品が最終的に搬送される空間であり、前面扉20が前面開口10aを閉塞した状態にある場合に商品取出口22の開口上縁22a以下となる部位に構成されている。
搬送領域11Cは、商品ラック12の各商品コラム12aから繰り出された商品を商品取出領域11Bに搬送するための空間である。この搬送領域11Cは、商品収納領域11Aの前方であって商品取出領域11Bの上方に連続するように設けられている。搬送領域11Cの前後寸法及び左右寸法は、いずれも商品取出領域11Bと略同等となるように構成されている。
上記商品収納庫11の前端部に確保された商品取出領域11B及び搬送領域11Cには、その両側に左右一対となる態様で搬送レール17が配設されており、これら搬送レール17の間を搬送トレイ18が上下方向に沿って移動可能に設けられている。搬送トレイ18は、待機状態においては、商品取出領域11Bに配置されている。
搬送トレイ18は、一対の側板18aの間に中央板18bが配設されることによって構成されたもので、中央板18bの左右方向に沿った寸法が商品ラック12の全幅と略同じに設定されている。この搬送トレイ18は、左右方向の延在長さが前後方向の延在長さよりも十分に大きく、左右方向が長手方向となる長尺状部材である。
上記商品収納庫11において、商品収納領域11Aの下方、すなわち商品取出領域11Bと搬送領域11Cとの境界部分の後方には、防盗シャッタユニット30が設けられている。
図4及び図5は、それぞれ図2に示した防盗シャッタユニット30の構成を示す斜視図である。これら図4及び図5に示すように、防盗シャッタユニット30は、シャッタベース31とシャッタ可動部32とを備えて構成されている。
シャッタベース31は、複数の板金等が適宜組み合わされて構成され、上面に開口を有する箱状の形態を成している。このシャッタベース31は、左右方向の寸法及び前後方向の寸法が商品ラック12の左右方向の寸法及び前後方向の寸法にそれぞれ略等しい大きさを有しており、図6にも示すように、ベース底部311、ベース側壁部312、ベース前壁部313及びベース後壁部314を有している。
ベース底部311は、シャッタベース31の底部分を構成しており、上方から見た場合に矩形状を成している。このベース底部311は、中央領域部分311Cが上方に凸となる態様で適宜屈曲等して構成されており、該中央領域部分311Cの右側となる右側領域部分311Rには、駆動ユニット33及びストッパ部43が設けられている。
駆動ユニット33は、図7及び図8に示すように、ベース底部311における右側領域部分311Rに形成された矩形状の取付開口311aを貫通する態様で設けられている。この駆動ユニット33は、上下一対のユニットカバー33a,33bの相互間に、駆動機構34、伝達ギア35及び回転軸36が配設されて構成されている。
上下一対のユニットカバー33a,33bは、それぞれ板金等を屈曲等して構成されるものであり、取付開口311aの下方側に配置された下側のユニットカバー33bに対して、取付開口311aの上方側に配置された上側のユニットカバー33aが取付ネジ等を介して取り付けられるとともに、該上側のユニットカバー33aがベース底部311にも取付ネジ等を介して取り付けられている。
駆動機構34は、図9及び図10にも示すように、2つの駆動ケース341a,341bを上下一対となるように組み合わせた駆動筐体341の内部に出力ギア342を備えて構成されている。
出力ギア342は、略円環状の形態を成しており、内周縁部分に形成された内周出力歯部342aが駆動筐体341に形成された挿通孔341cの内面から露出する態様で該駆動筐体341の内部に収納されている。ここで挿通孔341cは、駆動筐体341の略中央部分において上下方向に沿って延在するものである。尚、出力ギア342は、中心軸が駆動筐体341の挿通孔341cの中心軸と一致するように該駆動筐体341に収納されている。
上記出力ギア342は、外周縁部分に形成された外周出力歯部342bが、駆動筐体341の内部に収納されたシャッタモータ343の出力軸343aと連係ギア344a,344bを介して連係している。ここでシャッタモータ343は、後述する制御ユニット70から与えられる指令に応じて駆動する防盗シャッタユニット30の駆動源であり、本実施の形態では、制御ユニット70から与えられる指令により一方向に回転駆動するもので、より詳細には、出力ギア342を上方から見た場合に反時計回りに回転させるよう回転駆動するものである。尚、出力ギア342の回転は、駆動筐体341の内部に設けられた回転検知スイッチ345により検知される。
伝達ギア35は、例えば樹脂材料により形成されている。この伝達ギア35は、伝達基部351と、第1伝達ギア部352と、第2伝達ギア部353とが一体的に成形されて構成されており、内部に上下方向に沿って延在する貫通孔部354が形成されている。
伝達基部351は、略円板状の形態を成している。第1伝達ギア部352は、伝達基部351の下面より下方に向けて突出する態様で形成された円筒状部分である。この第1伝達ギア部352は、駆動筐体341の挿通孔341cに挿通可能な外径を有している。また第1伝達ギア部352の下端部分には、互いに対向する部分に噛合片352aが形成されている。これら噛合片352aの各端部には、噛合突起352bが形成されており、出力ギア342の内周出力歯部342aの一部と噛合している。これにより伝達ギア35は、出力ギア342と一体的に自身の中心軸回りに回転可能、すなわち上方から見て反時計回りに回転可能なものである。ここで伝達ギア35の中心軸は、駆動筐体341の挿通孔341cの中心軸、並びに出力ギア342の中心軸と一致している。
第2伝達ギア部353は、伝達基部351の上面より上方に向けて突出する態様で形成されており、その中心軸が第1伝達ギア部352の中心軸と一致している。このような第2伝達ギア部353の外周部分には、伝達歯部353aが形成されている。
かかる伝達ギア35は、第1伝達ギア部352が駆動筐体341の挿通孔341cに挿通されて出力ギア342と噛合され、かつ貫通孔部354を相対的に貫通する伝達軸37が上下一対のユニットカバー33a,33bに支持されることにより、該ユニットカバー33a,33bの相互間に配設されている。ここで伝達軸37の中心軸は、伝達ギア35の中心軸に一致しており、これにより駆動筐体341の挿通孔341cの中心軸及び出力ギア342の中心軸にも一致している。
ところで、駆動筐体341は、図9に示したように支持板金38に固定されて支持されており、かかる支持板金38には、下方に突出する被係止部38aが形成されている。この被係止部38aは、図8に示したように、下側のユニットカバー33bに形成された長孔形状のカバー孔331を貫通してベース底部311の下面に一端が取り付けられた筐体用スプリング39の他端に係止されている。かかる筐体用スプリング39により、駆動筐体341は、伝達ギア35の中心軸を中心にして後方に常時付勢されており、被係止部38aがカバー孔331の後方縁部に当接することにより図7等に示した基準姿勢に維持されている。
回転軸36は、上下方向に沿って延在する長尺状部材であり、上記伝達軸37(伝達ギア35)の左方側において上下一対のユニットカバー33a,33bに回転自在に支持されている。この回転軸36は、上端部分36aが上側のユニットカバー33aよりも上方に突出している。
そのような回転軸36の上下方向の中間部分には、径方向外部に突出する円板状の回転ギア部361が一体的に形成されている。この回転ギア部361は、その外周部分に回転歯部361aが形成されており、上記伝達歯部353aと噛合している。
これにより回転軸36は、シャッタモータ343の出力軸343aに連係しており、該シャッタモータ343の回転駆動により伝達ギア35が上方から見て反時計回りに回転する場合に、上方から見て時計回りに回転するものである。
そのような回転軸36の上端部分36aには、図6に示したように第1リンク部材40の基端部40aが連結されている。第1リンク部材40は、図6において前後方向が長手方向となる長尺状平板部材であり、基端部40aに対して先端部40bが上方となるようその途中で屈曲されている。この第1リンク部材40は、基端部40aが回転軸36の上端部分36aに連結されており、該回転軸36とともに一体的に回転するものである。
そのような第1リンク部材40の先端部40bには、第2リンク部材41の一端部41aが第1連結ピン42aを介して連結されている。第2リンク部材41は、図6において前後方向が長手方向となる長尺状平板部材であり、一端部41aに対して他端部41bが上方となるようその途中で屈曲されている。
ストッパ部43は、伝達軸37の前方であって第1リンク部材40の回転域の下部に配設されている。このストッパ部43は、ストッパ本体431に対して上方に出没可能なストッパ片432を有している。このストッパ片432は、図示せぬストッパスプリングにより上方に向けて常時付勢されてストッパ本体431よりも上方に突出している。
そのようなストッパ部43は、第1リンク部材40が上方から見て時計回りに回転する場合には、ストッパ片432に形成された傾斜延在部432aに第1リンク部材40が当接することでストッパスプリングの付勢力に抗してストッパ片432が下方に変位してストッパ本体431に収容されて第1リンク部材40の回転を許容する一方、第1リンク部材40が上方から見て反時計回りに回転する場合には、ストッパ片432に形成された当接部432bに第1リンク部材40が当接することにより該第1リンク部材40の同方向への回転を規制するものである。
ベース側壁部312は、ベース底部311の左右両端部より上方に向けて延在する左右一対のものである。尚、以下においては、ベース側壁部312において互いに近接した方向を内側と称し、互いに離反した方向を外側とも称して説明する。
そのようなベース側壁部312には、固定ガイドローラ44及びガイドレール45が設けられている。固定ガイドローラ44は、ベース側壁部312の前方側の内面において、左右方向に沿って延在する中心軸回りに回転自在となる態様で設けられている。
ガイドレール45は、ベース側壁部312の上部において前後方向に沿って延在する態様で設けられている。このガイドレール45の外側部分には、上方に向けて延在した後に内側に屈曲されたレール上延部46が形成されている。またガイドレール45の前端部分には、補助ベースローラ45aが設けられている。補助ベースローラ45aは、上下方向に沿って延在する中心軸回りに回転自在となる態様で設けられている。
ベース前壁部313は、ベース底部311の前端部より上方に向けて延在するものであり、ベース側壁部312の前端部分同士を連結している。ベース後壁部314は、ベース底部311の後端部より上方に向けて延在するものであり、ベース側壁部312の後端部分同士を連結している。
図11及び図12は、それぞれ図4及び図5に示したシャッタ可動部32を示す分解斜視図である。これら図11及び図12に示すように、シャッタ可動部32は、ともに板金等を加工して形成された上側可動構成部321と下側可動構成部322とを重ね合わせるようにして構成されている。
このシャッタ可動部32は、左右方向の寸法及び前後方向の寸法がシャッタベース31の左右方向の寸法及び前後方向の寸法にそれぞれ略等しい大きさを有しており、スライダ47、可動ガイドローラ48及び押圧部材49が設けられている。
スライダ47は、図11に示したように前後方向が長手方向となる長尺状平板部材である。このスライダ47は、前端部及び後端部に前後方向が長手方向となる長孔形状の取付孔471が形成されている。
そして、スライダ47は、スライダ用取付ネジ472が取付孔471を上方から貫通することにより、下側可動構成部322に形成された連結孔322aを閉塞する態様で該下側可動構成部322に取り付けられている。
つまりスライダ47は、上側可動構成部321と下側可動構成部322との間において、スライダ用取付ネジ472が取付孔471を相対的に変位する態様で前後方向に沿ってスライド可能に取り付けられている。
このようなスライダ47は、一端が下側可動構成部322に係止されたスライダ用スプリング50の他端が前端部に係止されており、このスライダ用スプリング50により常時前方に向けて付勢されている。この結果、スライダ47は、スライダ用取付ネジ472が取付孔471の後方縁部に当接した状態でその姿勢が維持されている。
可動ガイドローラ48は、下側可動構成部322の後方側の外面において、左右方向に沿って延在する中心軸回りに回転自在となる態様で設けられている。
そのような下側可動構成部322の右端部分の下面には、前方右側補助可動ローラ51aと後方右側補助可動ローラ51bとが下方に突出する態様で設けられている。これら前方右側補助可動ローラ51aと後方右側補助可動ローラ51bとは、互いに前後に離隔しており、それぞれが上下方向に沿って延在する中心軸回りに回転自在となる態様で設けられている。
また下側可動構成部322の左端部分の下面には、前方左側補助可動ローラ51cが下方に突出する態様で設けられている。この前方左側補助可動ローラ51cは、前方右側補助可動ローラ51aと左右一対となるものであり、上下方向に沿って延在する中心軸回りに回転自在となる態様で設けられている。そして、前方左側補助可動ローラ51cの後方側には、上側可動構成部321に取り付けられたローラ支持片321aに、後方左側補助可動ローラ51dが設けられている。この後方左側補助可動ローラ51dは、後方右側補助可動ローラ51bと左右一対となるものであり、上下方向に沿って延在する中心軸回りに回転自在となる態様で設けられている。
押圧部材49は、例えば樹脂材料等により形成されるもので、前後方向が長手方向となる長尺状部材である。この押圧部材49は、下側可動構成部322の右端部分の下面であって前方右側補助可動ローラ51aの内側部分(左方側部分)に取り付けられている。かかる押圧部材49は、前後方向の中央部分に下方に向けて凸となる押圧部491を有している。この押圧部491の前端部分491aは、前方に向かうに連れて漸次上方に傾斜延在しており、押圧部491の後端部分491bは、後方に向かうに連れて漸次上方に傾斜延在している。
そのようなシャッタ可動部32は、連結孔322aを介して、スライダ47が第2リンク部材41の他端部41bに第2連結ピン42bを介して連結されている。これにより第2リンク部材41は、一端部41aが第1リンク部材40の先端部40bに第1連結ピン42aを介して回転可能に連結されるとともに他端部41bが第2リンク部材41を介してスライダ47(シャッタ可動部32)に回転可能に連結されている。
またシャッタ可動部32は、可動ガイドローラ48が対応するガイドレール45に転動可能に載置されるとともに、下側可動構成部322の左右両端部分の前端部が対応する固定ガイドローラ44に載置されることにより、シャッタベース31に対して近接離反する態様で前後方向に進退移動可能に配置されている。尚、レール上延部46により、シャッタ可動部32がシャッタベース31に対して左右方向に沿って変位することは規制されている。これにより第1リンク部材40及び第2リンク部材41は、シャッタベース31とシャッタ可動部32とを係合する係合手段を構成している。
そのような防盗シャッタユニット30の動作について説明する。防盗シャッタユニット30は、シャッタモータ343が回転駆動していない待機状態、すなわち常態において、第1リンク部材40が基端部40aに対して先端部40bが後方に配置されるよう前後方向に沿って配置されるとともに、図13に示すように第2リンク部材41が第1リンク部材40の上方に重なるようにして一端部41aに対して他端部41bが前方に配置されるよう前後方向に沿って配置されている。これによりシャッタ可動部32が、図14に示すように最も後方側の退行位置に配置されている。
シャッタ可動部32が退行位置に配置された状態でシャッタモータ343が回転駆動すると、伝達ギア35が上方から見て反時計回りに回転することにより、図15に示すように、第1リンク部材40が回転軸36と一体的に上方から見て時計回りに回転する。このように第1リンク部材40が時計回りに回転することにより、可動ガイドローラ48が対応するガイドレール45を前方に向けて転動しつつ第2リンク部材41も第1連結ピン42aの中心軸を軸心としてその軸心回りに回転し、図16に示すように、シャッタ可動部32がシャッタベース31に離反する態様で前方に向けて進出移動する。
そのようにしてシャッタ可動部32が前方に進出移動する途中において、時計回りに回転する第1リンク部材40がストッパ部43を通過することがあるが、上述したように第1リンク部材40がストッパ片432の傾斜延在部432aに当接することでストッパ片432がストッパスプリングの付勢力に抗して下方に変位してストッパ本体431に収容されることで、第1リンク部材40の時計回りの回転が許容される。尚、ストッパ片432は、かかる第1リンク部材40の通過後に、ストッパスプリングの付勢力により上方に向けて変位してストッパ本体431より上方に突出することになる。
その後、進出移動するシャッタ可動部32は、前方右側補助可動ローラ51a及び前方左側補助可動ローラ51cが対応する固定ガイドローラ44に当接することにより前方への移動が規制され、図17に示すように最も前方側の進出位置に配置される。
このようにシャッタ可動部32が進出位置に配置される場合、防盗シャッタユニット30は、図18に示すように、シャッタ可動部32の前端部分が前面開口10aを閉塞する前面扉20に当接することにより、商品取出領域11Bと搬送領域11C(商品収納領域11A)とを区画する。
またシャッタ可動部32が進出位置に配置される場合、図19に示すように、第1リンク部材40は、先端部40bが基端部40aよりも進出位置に近接し、かつ基端部40aから先端部40bに向けて該第1リンク部材40の回転方向(時計回りの回転方向)と逆方向(反時計回りの方向)に傾斜延在する進出姿勢となる。
シャッタ可動部32が進出位置に配置された状態においてシャッタモータ343が回転駆動することにより、伝達ギア35が上方から見て反時計回りに回転することにより、図20に示すように、進出姿勢の第1リンク部材40が回転軸36と一体的に上方から見て時計回りに回転する。このように第1リンク部材40が時計回りに回転することにより、可動ガイドローラ48が対応するガイドレール45を後方に向けて転動しつつ第2リンク部材41も第1連結ピン42aの中心軸を軸心としてその軸心回りに回転し、図21に示すように、シャッタ可動部32がシャッタベース31に近接する態様で後方に向けて退行移動する。
その後、シャッタモータ343が上記待機状態から1回転することで、図14に示すように、シャッタ可動部32が退行位置に配置される。つまり、シャッタ可動部32は、常態において、シャッタベース31に対して近接する態様で退行移動した退行位置に配置され、かつ退行位置と進出位置との間で進退移動可能である。そして、第1リンク部材40及び第2リンク部材41は、シャッタモータ343が1回転だけ回転駆動することにより、シャッタ可動部32を退行位置、進出位置、退行位置の順に進退移動させている。
そのような自動販売機1は、上記構成の他、図3にも示すように、払出機構61、搬送機構62、扉ロック機構63、商品検出センサ64、金銭処理ユニット65、第1検出部66、第2検出部67及び制御ユニット70を備えている。
払出機構61は、商品ラック12を構成する商品コラム12a毎に設けられており、払出モータ61aを備えている。払出モータ61aは、制御ユニット70から与えられる指令に応じて駆動する駆動源である。これにより、払出機構61は、払出モータ61aが駆動する場合に、該当する商品コラム12aのスパイラル12b等を回転させて最前の商品を前方側に払い出させるものである。
搬送機構62は、搬送モータ62a及びトレイ検知部62bを備えている。搬送モータ62aは、制御ユニット70から与えられる指令に応じて駆動する駆動源である。トレイ検知部62bは、搬送モータ62aの回転を検知するエンコーダ等により構成されるもので、搬送トレイ18の位置を検知するものである。これにより搬送機構62は、搬送レール17の間で、搬送トレイ18を上下に移動させるものである。また搬送機構62は、待機状態において、搬送トレイ18を所定の待機位置に配置させるものである。
扉ロック機構63は、商品取出口22の近傍に設けられている。この扉ロック機構63は、商品取出口22を閉塞する商品取出扉23が閉となる状態を保持させて該商品取出扉23が後方に向けて揺動することを規制するロック状態と、該商品取出扉23が後方に向けて揺動することを許容する解除状態との間で択一的に切替可能なものである。かかる扉ロック機構63は、制御ユニット70から与えられる指令に応じて、ロック状態と解除状態との切り替えを行うものである。
商品検出センサ64は、例えば光センサ等のように発光部と受光部とを有して構成されるもので、商品取出領域11Bの左右両側部分に設けられている。この商品検出センサ64は、商品取出領域11Bまで移動した搬送トレイ18の図示せぬ検知孔を発光部からの光が通過して、該搬送トレイ18に商品が載置されているか否かを検出するもので、その検出結果を制御ユニット70に与えるものである。
金銭処理ユニット65は、コインメック65aやビルバリデータ65bを有し、硬貨投入口25から投入された硬貨の金銭処理や、紙幣挿入口26から挿入された紙幣の金銭処理を行うものである。また金銭処理ユニット65は、カードリーダ27で読み込まれた金額情報の減算処理等の金銭処理を行うものである。
第1検出部66は、防盗シャッタユニット30を構成するものである。この第1検出部66は、図6等に示したように、ベース底部311の右側領域部分311Rにおいて駆動ユニット33の右側後方部分に設けられている。
この第1検出部66は、シャッタ可動部32が退行位置に配置される場合に押圧部材49に第1接触子66aが押圧されてオン状態となってオン信号を制御ユニット70に送出するものである。また第1検出部66は、シャッタ可動部32が退行位置以外に配置される場合には、第1接触子66aがフリーな状態となることでオフ状態となるものである。つまり第1検出部66は、シャッタ可動部32が退行位置に配置されたことを検出するものである。
第2検出部67は、防盗シャッタユニット30を構成するものである。この第2検出部67は、図6等に示したように、ベース底部311の右側領域部分311Rにおいて、第1検出部66の前方に設けられている。
この第2検出部67は、シャッタ可動部32が進出位置に配置される場合に押圧部材49に第2接触子67aが押圧されてオン状態となってオン信号を制御ユニット70に送出するものである。また第2検出部67は、シャッタ可動部32が進出位置以外に配置される場合には、第2接触子67aがフリーな状態となることでオフ状態となるものである。つまり第2検出部67は、シャッタ可動部32が進出位置に配置されたことを検出するものである。
制御ユニット70は、自動販売機1の各部と電気的に接続されており、同じく電気的に接続された記憶部71に記憶されたプログラムやデータに従って、自動販売機1の販売動作等を統括的に制御するものである。この制御ユニット70は、自販機制御部70aとシャッタ制御部70bとを備えている。
自販機制御部70aは、自動販売機1における商品の販売動作を統括的に制御するものであり、シャッタ制御部70bは、防盗シャッタユニット30の動作を統括的に制御するものである。
尚、制御ユニット70は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
以上のような構成を有する自動販売機1の販売動作について説明する。商品選択部24を通じて商品が選択されるとともに、金銭処理ユニット65を通じて適正に金銭処理がなされることで、自販機制御部70aが搬送モータ62aに指令を与えて搬送機構62を駆動させ、商品取出領域11Bに配置された搬送トレイ18を所定の商品ラック12の前方域に上方へ移動させる。
自販機制御部70aは、トレイ検知部62bにより搬送トレイ18が所定の商品ラック12の前方域に搬送されたことが検知された場合、搬送モータ62aの駆動を停止させ、該当する商品コラム12aの払出モータ61aを駆動させる。これにより払出機構61が駆動して該当するスパイラル12bを回転させ、該スパイラル12bの最前のピッチ間に拘束された商品が前方に向けて払い出され、搬送トレイ18が受容する。自販機制御部70aは、最前のピッチ間に拘束された商品が前方に払い出された後、払出モータ61aの駆動を停止させ、搬送モータ62aを駆動させる。これにより搬送トレイ18は、搬送機構62により商品取出領域11Bに向けて下方へ移動する。
搬送トレイ18が商品取出領域11Bに配置されたことがトレイ検知部62bに検知されると、自販機制御部70aは、搬送モータ62aの駆動を停止させる。そして、商品検出センサ64により搬送トレイ18に商品が載置されていることが検知された場合、シャッタ制御部70bが、シャッタモータ343に駆動指令を与えて該シャッタモータ343を回転駆動させる。
このようにシャッタモータ343が回転駆動することにより、退行位置に配置されたシャッタ可動部32が、上述したように進出位置まで進出移動する。そして、進出移動するシャッタ可動部32が進出位置に配置されて第2検出部67がオン状態となることにより、シャッタ制御部70bは、シャッタモータ343の回転駆動を停止させる。
そのようにしてシャッタ可動部32が進出位置に配置された場合に、自販機制御部70aは、扉ロック機構63をロック状態から解除状態へ切り替え、商品取出扉23が開く方向に揺動されることを許容し、商品取出口22を通じて商品が取り出されることを許容する。
商品検出センサ64により、搬送トレイ18に商品が載置されていないと検知された場合、自販機制御部70aは、扉ロック機構63を解除状態からロック状態へ切り替え、商品取出扉23が開く方向に揺動されることを規制する。
またシャッタ制御部70bは、シャッタモータ343に駆動指令を与えて該シャッタモータ343を回転駆動させる。このようにシャッタモータ343が回転駆動することにより、進出位置に配置されたシャッタ可動部32が、上述したように退行位置まで退行移動する。そして、退行移動するシャッタ可動部32が退行位置に配置されて第1検出部66がオン状態となることにより、シャッタ制御部70bは、シャッタモータ343の回転駆動を停止させる。このようにして防盗性を確保しながら商品を良好に販売することができる。
ところでシャッタ制御部70bは、自動販売機1に電力が投入された時点や、停電後に電力が復旧した時点において、次のようなイニシャル動作制御を実施する。
図22は、図3に示したシャッタ制御部70bが実施するイニシャル動作制御の処理内容を示すフローチャートである。
このイニシャル動作制御においてシャッタ制御部70bは、シャッタモータ343に駆動指令を送出し(ステップS101)、第2検出部67がオン状態からオフ状態に切り替わったか否かを判断する(ステップS102)。第2検出部67がオン状態からオフ状態に切り替わったと判断できない場合(ステップS102:No)、シャッタ制御部70bは、当該処理を繰り返す。
一方、第2検出部67がオン状態からオフ状態に切り替わったと判断した場合(ステップS102:Yes)、すなわちシャッタ可動部32が進出位置から退行移動した場合、シャッタ制御部70bは、予め決められた基準時間(例えば2~3秒間程度)が経過するまでに第1検出部66がオフ状態からオン状態に切り替わったか否かを判断する(ステップS103,ステップS104)。
基準時間が経過するまでに第1検出部66がオフ状態からオン状態に切り替わったと判断した場合(ステップS103:Yes,ステップS104:No)、すなわちシャッタ可動部32が退行位置に配置された場合、シャッタ制御部70bは、所定時間(例えば1秒間程度)が経過したことを条件としてシャッタモータ343に駆動停止指令を送出し(ステップS105,ステップS106)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、シャッタ可動部32を確実に退行位置に配置させることができ、上述した商品の販売動作に移行させることができる。
一方、第1検出部66がオフ状態からオン状態に切り替わったと判断できずに基準時間が経過した場合(ステップS103:No,ステップS104:Yes)、シャッタ制御部70bは、異常が発生した旨の異常判定を行い(ステップS107)、その後に手順をリターンさせて今回の処理を終了する。
これによれば、シャッタ可動部32が退行位置に配置されていないことが判断でき、その後に表示部に異常発生を表示させる等の報知動作を行うことで、自動販売機1の管理者に異常発生を認識させることができる。
以上説明したように、防盗シャッタユニット30及びシャッタ制御部70bは、本発明における防盗シャッタ機構を構成している。
そして、自動販売機1の防盗シャッタ機構においては、シャッタベース31に設けられたシャッタモータ343の出力軸343aに連係された回転軸36に基端部40aが連結され、かつシャッタモータ343の回転駆動にしたがって回転軸36と一体的にその中心軸回りに上方から見て時計回りに回転する第1リンク部材40と、一端部41aが第1リンク部材40の先端部40bに回転可能に連結されるとともに他端部41bがシャッタ可動部32に回転可能に連結された第2リンク部材41とが、シャッタモータ343の一方向の回転駆動によりシャッタ可動部32を進退移動させるので、シャッタモータ343が一方向に回転駆動するものであれば十分であり、従来のように正逆回転駆動する必要がない。これによりシャッタモータ343として安価なものを用いることができる。従って、商品の防盗性を確保しつつ製造コストの低減化を図ることができる。
上記自動販売機1の防盗シャッタ機構によれば、第1リンク部材40が、シャッタ可動部32が進出位置に配置される場合、先端部40bが基端部40aよりも進出位置に近接し、かつ基端部40aから先端部40bに向けて該第1リンク部材40の回転方向と逆方向に傾斜延在する進出姿勢となり(図19参照)、シャッタ可動部32が退行位置から進出位置まで進出移動する際の第1リンク部材40の回転域に設置されたストッパ部43が、第1リンク部材40がシャッタモータ343の回転駆動に伴って上方から見て時計回りに回転することを許容する一方、第1リンク部材40が上方から見て反時計回りに回転することを規制するので、進出位置に配置されたシャッタ可動部32が退行位置に向けて押圧された場合に、第1リンク部材40が上方から見て反時計回りに回転することになるが、ストッパ部43に当接することによりその回転が規制される。これにより、進出位置に配置されたシャッタ可動部32が退行位置に向けて押圧されてもその退行移動を規制することができる。
特に、シャッタモータ343を収容する駆動筐体341が、伝達ギア35の中心軸回りに回動可能となる態様でシャッタベース31に設けられており、常態においては、筐体用スプリング39に付勢されて基準姿勢に維持されているので、この駆動筐体341は、図23に示すように、第1リンク部材40が進出姿勢から上方から見て反時計回りに回転する場合には、筐体用スプリング39の付勢力に抗して伝達ギア35の中心軸回りに回動する。これにより、進出位置に配置されたシャッタ可動部32が退行位置に向けて悪戯に押圧された場合、ストッパ部43により退行移動が規制されるまでの間に駆動筐体341が筐体用スプリング39の付勢力に抗して伝達ギア35の中心軸回りに回動することになり、シャッタモータ343に対して過大な負荷が生ずる虞れがなく、シャッタモータ343が破損等することを防止することができる。
また上記自動販売機1の防盗シャッタ機構においては、第2リンク部材41の他端部41bに回転可能に連結されたスライダ47が、スライダ用スプリング50により常時前方に向けて付勢されることで、スライダ用取付ネジ472が取付孔471の後方縁部に当接した状態でその姿勢が維持されている。そのため、図24に示すように、進出位置に配置されたシャッタ可動部32が前方に向けて引き出された場合、スライダ用スプリング50の付勢力に抗してスライダ用取付ネジ472が取付孔471を相対的に変位することを許容する。つまり、シャッタ可動部32が進退移動可能な態様で該シャッタ可動部32にスライダ用スプリング50を介して連結されたスライダ47が、第2リンク部材41とシャッタ可動部32との間に介在しており、進出位置に配置されたシャッタ可動部32がスライダ47用スプリング50の付勢力に抗してシャッタベース31から離隔する方向(前方)に変位することを許容する。これにより、進出位置に配置されたシャッタ可動部32が悪戯にシャッタベース31から離隔する方向に引き出されても、シャッタモータ343に対して過大な負荷が生ずる虞れがなく、シャッタモータ343が破損等することを防止することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、第1リンク部材40がシャッタモータ343の回転駆動により上方から見て時計回りに回転するものであったが、本発明においては、第1リンク部材及び第2リンク部材を有する係合手段は、シャッタモータの一方向の回転駆動によりシャッタ可動部を進退移動させることができれば、その方向は特に限定されるものではない。
上述した実施の形態では、シャッタモータ343を収容する駆動筐体341が、伝達ギア35の中心軸回りに回動可能となる態様でシャッタベース31に設けられていたが、本発明においては、駆動筐体が伝達ギアの中心軸回りに回動可能となる態様でシャッタベースに設けられていなくてもよい。
上述した実施の形態では、シャッタ可動部32と、第2リンク部材41の他端部41bとの間にスライダ47が介在していたが、本発明においては、スライダが設けられていなくてもよい。
1…自動販売機、1a…自動販売機本体、10…本体キャビネット、11…商品収納庫、11A…商品収納領域、11B…商品取出領域、11C…搬送領域、12…商品ラック、12a…商品コラム、18…搬送トレイ、20…前面扉、22…商品取出口、30…防盗シャッタユニット、31…シャッタベース、311…ベース底部、312…ベース側壁部、313…ベース前壁部、314…ベース後壁部、32…シャッタ可動部、321…上側可動構成部、322…下側可動構成部、33…駆動ユニット、33a,33b…ユニットカバー、34…駆動機構、341…駆動筐体、341a,341b…駆動ケース、341c…挿通孔、342…出力ギア、343…シャッタモータ、343a…出力軸、344a,344b…連係ギア、35…伝達ギア、351…伝達基部、352…第1伝達ギア部、353…第2伝達ギア部、354…貫通孔部、36…回転軸、361…回転ギア部、37…伝達軸、38…支持板金、39…筐体用スプリング、40…第1リンク部材、40a…基端部、40b…先端部、41…第2リンク部材、41a…一端部、41b…他端部、43…ストッパ部、431…ストッパ本体、432…ストッパ片、44…固定ガイドローラ、45…ガイドレール、47…スライダ、471…取付孔、472…スライダ用取付ネジ、48…可動ガイドローラ、49…押圧部材、50…スライダ用スプリング、51a…前方右側補助可動ローラ、51b…後方右側補助可動ローラ、51c…前方左側補助可動ローラ、51d…後方左側補助可動ローラ、61…払出機構、62…搬送機構、63…扉ロック機構、64…商品検出センサ、65…金銭処理ユニット、66…第1検出部、67…第2検出部、70…制御ユニット、70a…自販機制御部、70b…シャッタ制御部、71…記憶部。
Claims (6)
- 自動販売機本体の内部に設けられたシャッタベースと、
前記シャッタベースに係合手段を介して係合され、かつ該シャッタベースに対して近接離反する態様で進退移動可能なシャッタ可動部と
を備え、
前記シャッタ可動部が前記シャッタベースから離隔する態様で進出移動して進出位置に配置された場合には、複数の商品ラックが設けられた商品収納領域と前記商品ラックから繰り出された商品が前記自動販売機本体に形成された商品取出口を通じて取り出されることを許容する商品取出領域とを区画する防盗シャッタ機構であって、
前記係合手段は、
前記シャッタベースに設けられたシャッタモータの出力軸に連係された回転軸に基端部が連結され、かつ該シャッタモータの回転駆動にしたがって前記回転軸と一体的にその中心軸回りに所定方向に回転する第1リンク部材と、
一端部が前記第1リンク部材の先端部に回転可能に連結されるとともに他端部が前記シャッタ可動部に回転可能に連結された第2リンク部材と
を備え、
前記シャッタモータの一方向の回転駆動により前記シャッタ可動部を進退移動させることを特徴とする自動販売機の防盗シャッタ機構。 - 前記シャッタ可動部は、常態において、前記シャッタベースに対して近接する態様で退行移動した退行位置に配置され、かつ前記退行位置と前記進出位置との間で進退移動可能であり、
前記係合手段は、前記シャッタモータが1回転だけ回転駆動することにより、前記シャッタ可動部を前記退行位置、前記進出位置、前記退行位置の順に進退移動させることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機の防盗シャッタ機構。 - 前記第1リンク部材は、前記シャッタ可動部が前記進出位置に配置される場合、前記先端部が前記基端部よりも前記進出位置に近接し、かつ前記基端部から前記先端部に向けて該第1リンク部材の回転方向と逆方向に傾斜延在する進出姿勢となるもので、
前記シャッタベースは、前記シャッタ可動部が前記退行位置から前記進出位置まで進出移動する際の前記第1リンク部材の回転域に設置され、かつ前記第1リンク部材が前記シャッタモータの回転駆動に伴って所定方向に回転することを許容する一方、該第1リンク部材が前記所定方向と逆方向に回転することを規制するストッパ部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の自動販売機の防盗シャッタ機構。 - 前記シャッタモータは、前記出力軸に連係しつつ前記回転軸に噛合する伝達ギアの中心軸回りに回動可能となる態様で前記シャッタベースに設けられた駆動筐体に収容され、
前記駆動筐体は、常態においては、筐体用付勢手段に付勢されて基準姿勢に維持される一方、前記第1リンク部材が前記進出姿勢から前記所定方向と逆方向に回転する場合には、前記筐体用付勢手段の付勢力に抗して前記伝達ギアの中心軸回りに回動することを特徴とする請求項3に記載の自動販売機の防盗シャッタ機構。 - 前記第2リンク部材の他端部に回転可能に連結されるとともに前記シャッタ可動部にスライダ用付勢手段を介して連結されることにより、前記第2リンク部材と前記シャッタ可動部との間に介在し、かつ前記進出位置に配置された前記シャッタ可動部が前記スライダ用付勢手段の付勢力に抗して前記シャッタベースから離隔する方向に変位することを許容するスライダを備えたことを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載の自動販売機の防盗シャッタ機構。
- 前記シャッタ可動部が前記退行位置に配置されたことを検出する第1検出部と、
前記シャッタ可動部が前記進出位置に配置されたことを検出する第2検出部と、
電源が投入された場合に前記シャッタモータを強制的に回転駆動させ、前記第2検出部にて前記シャッタ可動部が前記進出位置に配置されたことが検出された後に前記第1検出部にて前記シャッタ可動部が前記退行位置に配置されたことが検出されたときに、前記シャッタモータを回転駆動停止にさせる制御部と
を備えたことを特徴とする請求項2~5のいずれか1つに記載の自動販売機の防盗シャッタ機構。
Priority Applications (2)
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JP2021208760A JP2023093240A (ja) | 2021-12-22 | 2021-12-22 | 自動販売機の防盗シャッタ機構 |
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JP2021208760A JP2023093240A (ja) | 2021-12-22 | 2021-12-22 | 自動販売機の防盗シャッタ機構 |
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Family Applications (1)
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2021
- 2021-12-22 JP JP2021208760A patent/JP2023093240A/ja active Pending
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2022
- 2022-11-25 CN CN202211488955.7A patent/CN116343396A/zh active Pending
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Publication number | Publication date |
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CN116343396A (zh) | 2023-06-27 |
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