以下に添付図面を参照して、本発明に係る自動販売機の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1〜図4は本発明の実施の形態である自動販売機を示したものである。ここで例示する自動販売機は、複数種類の商品を陳列・販売するためのものである。販売商品としては、缶入り飲料、紙パック入り飲料、箱入り菓子等のように定形物として取り扱うことのできるものに限らず、袋入りパンや袋入り菓子等のように定形物として取り扱うことの困難なものも対象としている。また、パック入り惣菜や弁当等のように比較的大型で重量の嵩むものからサンドイッチやおにぎり等のように比較的小型で軽量のものまでをも販売商品とするものである。
図1〜図4に示すように、この自動販売機は、本体キャビネット1と前面扉2とを備えている。本体キャビネット1は、複数の鋼板を適宜組み合わせることによって堅牢に構成したもので、前面に開口1aを有した箱状を成している。
前面扉2は、本体キャビネット1の開口1aを覆うに十分な大きさを有したもので、鋼材により堅牢に構成してある。前面扉2は、左側縁部を介して本体キャビネット1に支承させてあり、本体キャビネット1の開口1aを開閉可能となっている。また、前面扉2には、ガラス等の透明部材21が嵌め込んであり、前面扉2の前面から本体キャビネット1の内部が視認可能となっている。
前面扉2は、図1に示すように購入操作部22、表示部23、商品取出口24を備えている。購入操作部22は、商品を販売する際に利用者によって操作される部分であり、前面扉2の正面に向かって右側部となる位置に設けてある。この購入操作部22は、課金部221及び入力部222を備えている。課金部221は、商品の購入に際して有価価値(硬貨、紙幣、プリペイドカード等)の収受を行う部分である。
具体的な課金部221の構成として、硬貨投入口223、紙幣挿入口224、カード提示部225、硬貨返却口226が設けてある。硬貨投入口223は、硬貨を投入するための開口である。紙幣挿入口224は、紙幣を挿入または返却するための開口である。カード提示部225は、利用者が提示したカードとの間で識別情報と残額情報とを送受信するもので、このカード提示部225に提示されたカードの識別情報と残額情報とは、リーダライタ(図示せず)において読み取られ、新たな残額情報がカードに書き込まれることになる。硬貨返却口226は、硬貨を返却するための開口である。
入力部222は、商品の購入に関わる指示情報を入力するための部分である。具体的な入力部222の構成として、商品を選択するためのテンキーなどの商品選択ボタン227、入力情報の実行や訂正を指示するための機能キー228、投入した有価媒体の返却操作を行うための返却レバー229が設けてある。
表示部23は、各種の情報を報知するためのものであり、購入操作部22の近傍となる部位に設けてある。表示部23として本実施の形態では、選択商品や入金額等、購入操作の際に必要となる視覚情報を表示するための表示装置であり、例えば、液晶表示器によって構成してある。
商品取出口24は、図1および図4に示すように、透明部材21よりも下方となる位置に設けたもので、当該透明部材21よりもわずかに幅の狭い矩形状に形成してある。この商品取出口24は、図4に示すように、本体キャビネット1の内部と外部とを互いに連通させるもので、取出扉25によって開閉することが可能である。取出扉25は、矩形の板状を成す取出扉本体25aと、この取出扉本体25aの下端部から下方に向けて突設した重錘25bとを備えたもので、取出扉本体25aの下端縁を介して前面扉2に支承させてある。この取出扉25は、重錘25bの作用により通常状態において商品取出口24を閉塞した位置に維持される一方、その上端縁部に設けた取手25cを介して手前側に向けて下方に揺動させることにより、前面扉2の商品取出口24を開放することができる。
取出扉25と前面扉2との間には、図1に示すように、取出扉ロック手段26および取出扉開閉検出センサ27が設けてある。取出扉ロック手段26は、電磁ソレノイド(図示せず)の駆動により、取出扉25と前面扉2との間を施錠/解錠するもので、施錠した場合に前面扉2の商品取出口24に対する取出扉25の開成移動を阻止する一方、解錠した場合に商品取出口24に対する取出扉25の開成移動を許容する。取出扉開閉検出センサ27は、前面扉2の商品取出口24に対して取出扉25が閉成状態にあるか否かを検出するためのものである。
また、上記本体キャビネット1には、図2〜図4に示すように、その内部に商品を収容するための収容庫4を有している。収容庫4は、複数段(本実施の形態では6段)の商品陳列棚50を備えて商品陳列装置5を構成するもので、商品陳列棚50に陳列した商品に応じた温度状態に維持できるように構成してある。具体的には、収容庫4の内部において最下段に位置する商品陳列棚50よりもさらに下方となる位置に冷却ユニット41が設けてあり、この冷却ユニット41を適宜駆動することにより商品を所望の温度状態に維持するようにしている。
商品陳列棚50は、それぞれの上面に複数列(図2および図3に示す形態では7列)の商品収納コラム51を左右方向に相互に平行に並設することによって構成したものである。個々の商品収納コラム51には、商品搬出部52が設けてある。商品搬出部52は、図5に示すように、前後一対のローラ53a,53bと、これらローラ53a,53bの間に架け渡した無端状の搬送ベルト54とを備えたもので、ローラ53a,53bの駆動によって搬送ベルト54を移動させることにより、該搬送ベルト54の上面に載置した商品を奥方から前方に向けて送り出すことが可能である。
商品搬出部52は、駆動伝達歯車55を有している。駆動伝達歯車55は、図5に示すように商品収納コラム51の前端部の左外側に設けられ、ローラ53aの回転軸と同軸上に配設されて該ローラ53aに固定してある。この駆動伝達歯車55は、後述するコンベア駆動装置80の駆動出力歯車802と歯合した場合に、該駆動出力歯車802からの駆動力を前方のローラ53aに伝達する。また、駆動伝達歯車55には、嵌合孔55aが設けてある。嵌合孔55aは、駆動伝達歯車55の左端に開口して設けられ、本実施の形態においては断面が十字形状に開設されている。
また、商品搬出部52は、連結部材57を有している。連結部材57は、図5に示すように商品収納コラム51の前端部の右外側に突出して設けられ、ローラ53aの回転軸と同軸上に配設されて該ローラ53aに固定してある。この連結部材57は、右側に隣接する商品収納コラム51の商品搬出部52における駆動伝達歯車55の嵌合孔55aに挿通して嵌合するように断面が十字形状に形成されている。
上記構成において、隣接する商品収納コラム51は、図6(a)に示す分離状態と、図6(b)に示す連結状態とに切り換えられる。この分離状態と連結状態とは、隣接する商品収納コラム51を左右方向に相対的に離隔または近接させることにより切り換えられる。図6(b)に示すように隣接する商品収納コラム51を相対的に近接させた場合には、商品収納コラム51の右外側に突出した連結部材57が、その右側にある商品収納コラム51における駆動伝達歯車55の嵌合孔55aに挿通し嵌合することで互いの商品搬出部52が連結される。この連結状態において、一方の商品搬出部52の駆動伝達歯車55に動力が与えられた場合には、当該動力が隣接する他方の商品搬出部52に伝達されて相互の商品搬出部52が連動することになる。すなわち、連結状態とした場合、隣接する商品収納コラム51に渡って商品Wを収納し、この商品Wを搬出することが可能である。一方、図6(a)に示すように隣接する商品収納コラム51を相対的に離隔させた場合には、商品収納コラム51の右外側に突出した連結部材57が、その右側にある商品収納コラム51における駆動伝達歯車55の嵌合孔55aから抜けることで互いの商品搬出部52が切り離された切離状態になる。この切離状態においては、隣接する搬出手段の動力の伝達が切り離される。すなわち、切離状態とした場合、個々の商品収納コラム51に商品Wを収納し、商品Wをそれぞれ搬出することが可能である。このように、嵌合孔55aおよび連結部材57は、隣接する商品収納コラム51の商品搬出部52を連結状態あるいは切離状態に切り換える動力伝達手段を構成している。
また、商品収納コラム51の前端部には、フロントプレート56が設けてある。フロントプレート56は、商品収納コラム51のベースを下方に屈曲延在して構成した部分である。このフロントプレート56は、後述するコラム識別部材8243を取り付けるためのものである。
また、収容庫4の内部には、図1〜図4に示すように、庫内照明装置60および商品受台70が設けてある。庫内照明装置60は、商品陳列棚50に陳列した商品の視認性を向上させるためのもので、例えば収容庫4の両側にそれぞれ蛍光灯を配設することにより構成してある。
商品受台70は、図7に示すように、左右幅方向の両端部にそれぞれ側壁71,71を備えるとともに、これら側壁71,71の間に前方に向けて漸次下方に傾斜する受取板72を備えたもので、商品陳列棚50に並べた全商品搬出部52の総左右幅に対応した幅を有して構成してある。この商品受台70は、受台駆動装置73によって商品陳列棚50(商品陳列装置5)の前方域を適宜上下方向に移動することにより、任意の商品陳列棚50に陳列された商品を受け入れ、さらに受け入れた商品を商品取出口24まで搬出することが可能である。
受台駆動装置73は、図7に示すように、左右一対の側板731,731と、それぞれの側板731,731に配設した昇降用タイミングベルト732,732とを備えて構成してある。側板731,731は、受台駆動装置73のベースとなるもので、それぞれ本体キャビネット1の側壁71,71に沿って上下方向に延設してある。昇降用タイミングベルト732,732は、商品受台70を支持するもので、無端状に形成してあり、それぞれ対応する側板731,731の上下両端部に配設した一対の昇降用プーリ735a,735bの間に巻回してある。各側板731,731の上端部に配設した昇降用プーリ735aは、左右方向に沿って配設した駆動軸735cによって互いに連結してある。この駆動軸735cは、昇降用モータ736に連係させたもので、該昇降用モータ736が駆動した場合に回転し、それぞれの側板731,731の上端部に配設した昇降用プーリ735aを同一方向に回転させることができる。
この受台駆動装置73では、昇降用モータ736を駆動することによって駆動軸735cを回転させると、昇降用プーリ735aを介して昇降用タイミングベルト732,732が適宜方向に周回し、さらに昇降用タイミングベルト732,732の周回に伴って商品受台70が商品陳列棚50の前方域を上下動することになり、それぞれの商品陳列棚50の商品搬出部52から払い出された商品を受け取ることが可能になる(例えば、図4において二点鎖線で示す位置であり、以下、単に受取位置と称する)。また、受台駆動装置73によって商品受台70を最も下動させた場合には、最下段に位置する商品陳列棚50よりもさらに下方に移動し、商品受台70が本体キャビネット1の商品取出口24に対向する位置に配置されるようになる(図4において実線で示す位置であり、以下、単に取出位置と称する)。
受台駆動装置73による商品受台70の移動は、受台位置検出手段74によってその位置が検出される。受台位置検出手段74は、図7に示すように、一方の側板731に設けた昇降位置検出板741および昇降位置確認板742と、商品受台70とともに移動する昇降停止センサ743および昇降確認センサ744とを備えたもので、商品受台70が受取位置や取出位置に配置された場合に、昇降停止センサ743および昇降確認センサ744が、昇降位置検出板741および昇降位置確認板742のそれぞれに設けた昇降用切欠溝741a,742aを検出するように構成してある。なお、昇降停止センサ743および昇降確認センサ744としては、昇降用切欠溝741a,742aを検出した場合にパルス信号を発生するフォトインタラプタを適用している。
上記商品受台70には、図7に示すように、商品検出センサ76が設けてある。商品検出センサ76は、一方の側壁71に設けた投光素子と、他方の側壁71に設けた受光素子とを互いに対向配置し、投光素子から照射された光が受光素子に入力しなかった場合に検出信号を出力するもので、受取板72の上面よりも上方となる位置の3カ所、具体的には、奥方側から手前側に向けて漸次低くなる態様の3カ所に設けてある。
また、商品受台70には、受取板72に商品を保持しておくための内蓋77が設けてある。内蓋77は、商品受台70の両側壁71,71の間において起立させた場合に該商品受台70の前方域を覆うことのできる大きさを有した透明樹脂製の板状を成すものである。図には明示しないが内蓋77は、その下端部の両側から突出する揺動支持軸をそれぞれ側壁71,71の前端下方部に支承させることにより、該揺動支持軸の軸心回りに揺動することが可能である。この内蓋77は、上述したように、商品受台70の両側壁71,71の間において上方に起立させた場合に該商品受台70の前方域を覆う一方、揺動支持軸の軸心回りに前方側へ揺動させた場合に商品受台70の前方域を開放することができる。内蓋77は、内蓋制御機構78(図20参照)によって制御される。内蓋制御機構78は、内蓋77を、モータの駆動で上方に起立した配置や前方側へ揺動した配置にし、かつこの配置を検出するものである。
さらに、商品受台70には、商品陳列棚50の商品搬出部52を駆動するためのコンベア駆動装置80、およびコンベア駆動装置80を商品受台70に対して移動させるためのスライド装置82が設けてある。
コンベア駆動装置80は、駆動伝達歯車55を通じて各商品搬出部52の搬送ベルト54を移動させるためのもので、図8に示すように、装置本体801に駆動出力歯車802を配置したものである。装置本体801は、奥方に向けて漸次高さが増大し、かつ奥方面および下面が開口したカバー状を成すものである。図からも明らかなように、この装置本体801は、その左右の幅が商品受台70よりも十分小さく構成してある。この装置本体801は、後述するスライド装置82のガイドロッド821を案内とし、走行ローラ803を介して左右方向に移動することが可能である。駆動出力歯車802は、図示せぬ駆動機構によって駆動力が与えられ、かつ、図示せぬ移動機構によって、装置本体801の内部に後退する後退位置(図8に実線で示す)と、装置本体801の外部に突出して商品搬出部52の駆動伝達歯車55に歯合可能となる突出位置(図8に二点鎖線で示す)とに移動可能に設けてある。
また、図2および図7に示すようにコンベア駆動装置80には、商品収納コラム51から商品受台70への商品の払い出しを補助する商品取込部材804が設けてある。商品取込部材804は、装置本体801の奥方において左右方向に延在し、かつ、コンベア駆動装置80の左右寸法とほぼ同じ長さに形成されたローラであり、図示せぬ駆動手段によって回転可能に設けられている。そして、商品取込部材804は、駆動出力歯車802が駆動伝達歯車55に噛合されて商品搬出部52の搬送ベルト54を移動させ、商品収納コラム51から商品受台70へ商品の払い出しが行われる場合に、払い出される商品に接触しつつ回転して当該商品の払い出しを補助する。
スライド装置82は、図8に示すように、商品受台70の底板75に設けたガイドロッド821および走行機構822を備えている。ガイドロッド821は、底板75に沿って左右方向にほぼ水平となるように配設したもので、コンベア駆動装置80の装置本体801に摺動可能に貫通することにより、当該装置本体801の移動を案内する。
走行機構822は、商品受台70の左右方向に沿ってコンベア駆動装置80の装置本体801を移動させるためのものである。本実施の形態では、装置本体801に設けた走行モータ8221と、商品受台70の左右方向に沿って底板75に設けたラック8222と、走行モータ8221の駆動軸8221aおよびラック8222の間に介在させた歯車列8223とを備えて構成してある。
このスライド装置82では、走行モータ8221を駆動すると、この走行モータ8221の駆動力が伝達された歯車列8223と、ラック8222との噛合によって、コンベア駆動装置80の装置本体801が駆動出力歯車802とともに商品受台70の底板75に対して左右方向に移動することになり、該商品受台70が受取位置に配置された場合に商品陳列棚50の各商品搬出部52に対してコンベア駆動装置80を択一的に対向させることができるようになる。
スライド装置82によるコンベア駆動装置80の移動は、コラム位置検出手段824によってその位置が検出される。コラム位置検出手段824は、商品受台70が受取位置にある状態において、コンベア駆動装置80を適宜移動させ、駆動出力歯車802を後退移動させた際に当該駆動出力歯車802を商品搬出部52の駆動伝達歯車55に歯合させることのできる位置(以下、単に駆動位置と称する)を検出するものである。このコラム位置検出手段824は、範囲規定ユニット8241、パルスエンコーダ8242、コラム識別部材8243およびコラムセンサ8244を備えている。
範囲規定ユニット8241は、商品受台70に対するコンベア駆動装置80の移動範囲を検出するものである。本実施の形態では、図8に示すように、コンベア駆動装置80の装置本体801に設けた光学式の原点センサ8241aと、商品受台70の左右方向に沿って底板75に設けたレール部材8241bとを備えて構成してある。原点センサ8241aは、例えば互いに対向する投光部及び受光部を有し、投光部から照射した光が受光部に入射された場合と、投光部からの照射光が遮られた場合とで検出信号が反転するものである。レール部材8241bは、原点センサ8241aの投光部と受光部との間に立設させた長尺の遮光部材であり、コンベア駆動装置80が商品収納コラム51に対向する位置に配置されている場合にのみ投光部から受光部への照射光を遮るように突出高さを変化させてある。
パルスエンコーダ8242は、図8に示すように、上記走行機構822における走行モータ8221の駆動軸8221aに付設してあり、走行モータ8221の回転数に応じたパルスを出力するものである。
コラム識別部材8243は、図5、図6および図8に示すように、商品収納コラム51のフロントプレート56に設けてある。コラム識別部材8243は、矩形状に構成した金属製のプレート状部材であり、正面向かって右側に位置する右エッジ8243aが鉛直方向に沿う態様で配設してある。コラム識別部材8243の外表面は、光が照射された場合にこれを良好に反射できるように例えば平滑に構成してある。
コラムセンサ8244は、図8に示すようにコンベア駆動装置80の装置本体801に設けてある。コラムセンサ8244は、例えば同一平面上に投光部及び受光部を有し、投光部から照射した光が反射して受光部に入射した場合と、投光部から照射した光が受光部に入射しない場合とで検出信号が反転するものである。
このコラム位置検出手段824によってコンベア駆動装置80の移動位置を検出する場合には、商品受台70が受取位置にある状態において、コンベア駆動装置80を商品受台70の右端に位置する部位に配置させた後、走行モータ8221の駆動により、コンベア駆動装置80を商品受台70の左端に位置する部位まで順次移動させる。これら右端および左端の位置は、範囲規定ユニット8241の原点センサ8241aによって検出される。この間のコンベア駆動装置80の移動距離は、右端を原点としたパルスエンコーダ8242の出力パルス数として表すことができる。一方、コラムセンサ8244は、各商品収納コラム51の商品搬出部52に設けたコラム識別部材8243を検出するたびに検出信号が反転することになる。従って、コラムセンサ8244の検出信号が反転する位置において都度出力パルスの累積数を対応付ければ、各商品搬出部52の位置を右端(原点)位置からの出力パルス数として特定することができる。
上記収容庫4には、図3および図4に示すように、商品陳列装置5の下方域であって、最下段に位置する商品陳列棚50よりも下方となる部位に金属製の仕切部材90が設けてある。仕切部材90は、商品受台70の上方域を覆うのに十分な大きさを有し、かつ多数の通気孔90aを有した板状を成すものである。この仕切部材90は、略水平に配置されて、図4に一点鎖線と実線とで示すように、商品陳列装置5の下方域と、該商品陳列装置5の前方域との間で水平方向にスライド移動可能に配設してある。
以下、上記仕切部材90を有した仕切ユニット9について説明する。仕切ユニット9は、仕切部材90、当該仕切部材90を移動する仕切移動手段92、およびこれらが配設された筐体91をユニット化したものである。
仕切部材90は、図4に示すように、商品陳列装置5の下方域であって冷却ユニット41の上方の部位に配置された直方体の筐体91に支持してある。筐体91は、図9および図10に示すように、上方および後方に開放して形成され、かつ前側には下方に延在する前カバー911が設けてある。前カバー911は、多数の通気孔911aを有した板状を成すものである。
仕切部材90は、筐体91の上方の開口を閉塞するように設けてある。仕切部材90の両側部には、本体キャビネット1の前後方向に沿うレール90bが設けてある。レール90bは、板金を折り曲げて側方に開放する断面横向きコ字形に形成したものである。また、仕切部材90には、前後方向に延在する長孔90cが設けてある。筐体91の側部内壁には、前後方向に複数のローラ912が並設してあり、このローラ912によって仕切部材90のレール90bが支持してある。また、筐体91には、仕切部材90の長孔90cに挿通するピン部材913が固定してある。すなわち、仕切部材90は、レール90bがローラ912に支持され、かつ長孔90cにピン部材913が挿通してあることによって、筐体91に対して前後方向にスライド移動が可能になっている。
上記仕切部材90は、仕切移動手段92によってスライド移動して商品陳列装置5の下方域と該商品陳列装置5の前方域とに配置される。仕切移動手段92は、筐体91内に配設され、駆動部93、駆動伝達機構94および仕切位置検出手段95を備えている。
駆動部93は、図11および図12に示すように、筐体91内の後部中央であって筐体91の底面に配設してあり、モータ931と、モータ931の回転を伝達するギアボックス932と、ギアボックス932の上方に略垂直に延在してモータ931の回転を出力する出力軸933とを備えている。この駆動部93は、モータ931がギアボックス932の上部に配置してあり、かつ出力軸933もギアボックス932の上部に配置してあり、ギアボックス932が筐体91の底面に固定してある。
駆動伝達機構94は、駆動部93におけるモータ931の回転を入力し、この回転を仕切部材90のスライド移動に変換して伝達するためのもので、回転部材941および連接部材942を備えている。回転部材941は、略円板状を成し、水平に配置された板状の仕切部材90の下方の部位に水平配置され、その下面の中心が回転軸941aの上端に固定してある。回転軸941aは、駆動部93の上方を覆う箱状の基台96に対して軸心を鉛直にして回転可能に支持され、その下端を駆動部93の出力軸933に連結して相互の軸心を合致してある。
連接部材942は、回転部材941と仕切部材90とを連結するもので、板状を成し、水平に配置された仕切部材90と回転部材941との間に挟まれるように水平配置してある。連接部材942の長手の一端は、回転部材941に軸942aを介して回転可能に支持してある。この軸942aは、回転軸941aの軸心から離れた回転部材941の部位に配設され、かつ回転軸941aに平行に設けてある。連接部材942の長手の他端は、仕切部材90に軸942bを介して回転可能に支持してある。この軸942bは、仕切部材90に配設され、かつ回転軸941aに平行に設けてある。
仕切位置検出手段95は、上記駆動伝達機構94によって移動する仕切部材90の位置を検出するためのものである。この仕切位置検出手段95は、仕切部材90の位置を回転部材941の回転位置によって検出している。具体的には、回転部材941の周縁を検出片とし、該周縁の半周部分が切り欠かれた切欠部951を設け、この切欠部951を仕切位置検出センサ952で検出する。仕切位置検出センサ952は、筐体91に固定してあり、例えば切欠部951を検出した場合にパルス信号を発生するフォトインタラプタが適用される。
また、上記仕切移動手段92は、位置決め手段97を備えている。位置決め手段97は、図11〜図13に示すように、ダンパー部材(位置決め部材)971と当接部材972とで構成してある。
ダンパー部材971は、回転部材941の下方であって、回転軸941aよりも前方の位置で、上記基台96に配設してある。ダンパー部材971は、略L字形に形成してあり、その一方の腕部971aの略中央が鉛直な軸971bを介して基台96に取り付けられ、該軸971bの軸心回りに回転可能に設けてある。また、一方の腕部971aの先端には、バネ部材971cの一端が取り付けてある。バネ部材971cは、他端が基台96に取り付けてあり、その引張力によってダンパー部材971を常に軸971bの軸心の反時計回りに回転するように付勢している。また、ダンパー部材971の他方の腕部971dには、軸971bの軸心を中心とした弧状の長孔971eが設けてある。長孔971eには、基台96に固定されたピン971fが挿通してある。ダンパー部材971は、長孔971eとピン971fとの係合によってバネ部材971cで付勢された反時計回りの回転が規制される。この回転が規制された位置において、ダンパー部材971の他方の腕部971dは、その先端を前方に向けつつ若干反時計回りに回転した形態で配置してある。また、他方の腕部971dの先端には、ローラ971gが鉛直な軸の軸心回りに回転可能に設けてある。
当接部材972は、回転部材941の周縁近傍の下面に固定してあって回転部材941の下方に延在する板状の部材である。当接部材972は、図11および図13に示すように、回転軸941aを中心とした円の軌跡に沿うように配置された基板において、回転部材941の回転方向(時計回り)に向く後端を、回転部材941に近接する態様で曲げた規制片972aを有している。この規制片972aが仕切移動手段92を構成する。また、当接部材972は、前記基部において、回転部材941の回転方向(時計回り)に向く先端を、回転部材941から離隔する態様で曲げつつさらに前記回転方向とは逆に曲げたフック片972bを有している。
また、上記仕切移動手段92は、回転規制手段98を有している。回転規制手段98は、図11〜図13に示すように、ストッパ部材981と上記当接部材972のフック片972bとで構成してある。
ストッパ部材981は、回転部材941の前方の位置であって、当該回転部材981よりも下方となる位置で筐体91の底面に固定したストッパケース99に配設してある。ストッパ部材981は、ストッパケース99に鉛直に固定した軸981aの軸心回りに回転可能に設けてある。ストッパ部材981は、回転部材941に向けて延在するストッパ片981bを有している。ストッパ片981bは、回転部材941の回転方向(時計回り)に先端を向けて設けてあり、ストッパ部材981の回転に伴って先端が回転部材941に近接もしくは離隔する。また、ストッパ部材981は、ストッパケース99との間に設けたバネ部材981cによって常にストッパ片981bの先端が回転部材941に近接し回転部材941の下方域に進出するように付勢されている。
上記仕切ユニット9は、仕切部材90、回転部材941および連接部材942が板状を成し、これらが上下に重なるように水平配置されていることで、上下方向の寸法が抑えられている。さらに、回転部材941の下方に配置された駆動部93は、モータ931がギアボックス932の上部に配置してあり、かつ出力軸933もギアボックス932の上部に配置してあることで、上下方向の寸法が抑えられている。さらにまた、位置決め手段97を構成するダンパー部材971および当接部材972、および回転規制手段98を構成するストッパ部材981およびストッパケース99は、回転部材941の下方の位置で、かつ駆動部93が配置された筐体91の底面と回転部材941との間の上下寸法の範囲内に配置してある。さらに、仕切位置検出センサ952は、回転部材941の周縁の切欠部951を検出するものである。このような仕切ユニット9は、全体として上下寸法が抑えられた薄型に構成してあるため、商品陳列装置5の下方域を拡張することなく配置することができ、本体キャビネット1の大型化を抑えることのできるものである。
上述した仕切ユニット9の一連の動作を説明する。図9および図11に示す状態では、仕切部材90が最も後方に移動した位置であり、図4に一点鎖線で示されて商品陳列装置5の下方域に移動した位置である。以下、図9および図11で示す仕切部材90の配置を後退位置という。
この後退位置において、駆動部93におけるモータ931の回転が回転軸941aに入力されると、回転部材941が回転軸941aの軸心の時計回りに回転する。この回転部材941の回転に伴い、当該回転部材941に連結した連接部材942の一端が、回転軸941aの軸心を中心として回転する。連接部材942の他端は、仕切部材90に連結してあり、この仕切部材90はスライド移動可能に支持されているから、連接部材942は、図10、図14および図15に示すように、前方に移動することで仕切部材90を前方に移動させる。
仕切部材90が前方に移動すると、図14および図15に示すように、仕切位置検出手段95は、回転部材941の切欠部951を検出していない状態から切欠部951を検出する。仕切位置検出手段95が切欠部951を検出した状態では、図10および図14に示すように仕切部材90が最も前方に移動した位置であり、図4に実線で示されて商品陳列装置5の前方域に移動した位置である。以下、図10および図14で示す仕切部材90の配置を前進位置という。
この前進位置において、駆動伝達機構94は、図14に示すように、回転軸941aの軸心と、連接部材942を連結する各軸942a,942bの軸心とが仕切部材90の移動方向に平行な直線S上に配置される。
また、仕切部材90が後退位置から前進位置に至る過程で、回転部材941の時計回りの回転に伴って当接部材972が回転移動する。そして、図15に示すように、回転移動する当接部材972の規制片972aがダンパー部材971のローラ971gに当接することで、回転部材941の配置が位置決めされることになる。この規制片972aがローラ971gに当接した位置が、仕切部材90の前進位置であり、回転軸941aの軸心と、連接部材942を連結する各軸942a,942bの軸心とが仕切部材90の移動方向に平行な直線S上に配置された位置となる。
なお、図15に示す状態において、仕切部材90に対して前進位置から後退位置に移動させる外力が作用した場合、この外力は、仕切部材90から連接部材942に伝達されることになる。しかし、図14に示すように、回転軸941aの軸心と、連接部材942を連結する各軸942a,942bの軸心とが仕切部材90の移動方向に平行な直線S上に配置されていることから、この外力が回転部材941を回転させるように作用しない。しかも、当接部材972の規制片972aにダンパー部材971のローラ971gが当接しているから、回転部材941の時計回りの回転を抑える。さらに、仕切部材90から連接部材942に伝達される外力によって、回転部材941を反時計回りに回転させる力が生じた場合、図16に示すように、ストッパ部材981におけるストッパ片981bの先端が、当接部材972のフック片972bに係合するから、回転部材941を反時計回りに回転させることはできない。
仕切部材90の前進位置において、駆動部93におけるモータ931の回転が回転軸941aに入力されると、回転部材941が回転軸941aの軸心の時計回りに回転する。この回転部材941の回転に伴い、当該回転部材941に連結した連接部材942の一端が、回転軸941aの軸心を中心として回転する。連接部材942の他端は、仕切部材90に連結してあり、この仕切部材90はスライド移動可能に支持されているから、連接部材942は、図9、図11および図13に示すように、後方に移動することで仕切部材90を後方に移動させる。
仕切部材90が後方に配置されると、図11および図13に示すように、仕切位置検出手段95は、切欠部951を検出している状態から切欠部951を検出しなくなる。仕切位置検出手段95が切欠部951を検出しなくなった状態では、図9および図11に示すように仕切部材90が最も後方に移動した位置、すなわち後退位置となる。
また、仕切部材90が前進位置から後退位置に至る過程で、回転部材941の時計回りの回転に伴って当接部材972が回転移動する。そして、図17に示すように、回転移動する当接部材972の規制片972aがダンパー部材971のローラ971gを押すことで、ダンパー部材971がバネ部材971cの弾性力に抗して軸971bの軸心の時計回りに回転して、当接部材972の移動を許容する。ダンパー部材971は、上述したように、仕切部材90から連接部材942に伝達される外力に対し、回転部材941の時計回りの回転を抑えるが、回転部材941が回転した場合には、当接部材972が移動するので、ダンパー部材971は、バネ部材971cの弾性力に抗して軸971bの軸心の時計回りに回転し、回転部材941の回転を許容する。
このように、回転部材941が1回転すると、連接部材942を介して仕切部材90が前後方向に往復移動する。すなわち、駆動伝達機構94は、回転部材941の回転運動を仕切部材90の往復運動に変換する往復スライダクランク機構を構成している。なお、駆動伝達機構94は、往復スライダクランク機構に限らず、仕切部材90を往復移動させるものであれば他のリンク機構などを用いてもよい。
上記の如く構成した仕切ユニット9は、商品陳列装置5の下方域において、冷却ユニット41を覆うように本体キャビネット1の内部に配設した取付台100の上部に取り付けてある。取付台100は、冷却ユニット41の上方および前方を覆う金属製のカバーを成している。取付台100は、仕切ユニット9を載置する第一取付部および第二取付部を有している。第一取付部は、図18に示すように、仕切ユニット9における筐体91の後端部の下面を支持する第一支持部101aと、筐体91の前カバー911を固定する第一前面部101bとを備えている。また、第二取付部は、図19に示すように、前記第一取付部の第一支持部101aよりも低い位置で筐体91の下面を支持する第二支持部102aと、前記第一取付部の第一前面部101bよりも前方位置で、筐体91の前カバー911を固定する第二前面部102bとを備えている。
第一前面部101bと第二前面部102bとの間には、前方および上方に開放するように段部103が設けてある。この段部103は、図18に示すように仕切ユニット9を第一取付部の第一支持部101aおよび第一前面部101bに取り付けた場合、すなわち、仕切ユニット9を後方および上方に変位させた場合、仕切ユニット9の前カバー911の前方と、取出位置に配置された商品受台70の後方との間に空間S1を形成する。この空間S1は、商品受台70が受け取った商品Wが、該商品受台70の後方にはみ出たままであっても、この商品Wを受け入れて取出位置に商品受台70を配置できるようにしている。このため、上下寸法や奥行寸法(前後寸法)の比較的大きな商品W(例えばペットボトル飲料や弁当など)を販売する場合では、これを受け取る商品受台70の前後寸法を大きくすることになるが、空間S1を形成することで商品受台70の前後寸法を大きくすることなく商品Wを搬出することが可能になる。この結果、自動販売機の前後寸法の小型化(薄型化)を図ることができる。
また、図19に示すように仕切ユニット9を第二取付部の第二支持部102aおよび第二前面部102bに取り付けた場合、すなわち、仕切ユニット9を前方および下方に変位させた場合、仕切ユニット9の上方域と商品陳列装置5の下方域との間に空間S2を形成する。この空間S2には、商品陳列棚50を配置することが可能になる。このため、商品の収納数を増すことができる。
また、商品受台70には、図18および図19に示すように、進出位置に配置した仕切部材90の移動先端を挿入する挿入部79が設けてある。挿入部79は、商品受台70の前側上部に水平配置された板状を成し、進出位置に配置した仕切部材90の移動先端の少なくとも上面部を覆うものである。また、挿入部79は、上記の如く仕切ユニット9を取付台100に対して変位させた場合でも、仕切部材90の移動先端を挿入できるように複数配設してある。この挿入部79は、進出位置に配置した仕切部材90の移動先端を挿入して上下方向(少なくとも上方向)への移動を規制する。
上述した自動販売機は、図20に示すように、取出扉ロック手段26、受台駆動装置73、コンベア駆動装置80、スライド装置82、内蓋制御機構78、仕切移動手段92などが自動販売機として機能するように販売動作制御部200によって制御される。
すなわち、販売動作制御部200は、取出扉ロック手段26を施錠状態に保持し、商品取出口24に対する取出扉25の開成移動を阻止するとともに、商品受台70を取出位置に配置した状態で仕切移動手段92により仕切部材90を進出位置に配置し、商品取出口24から商品陳列棚50に至る経路を閉鎖して販売待機状態となる。さらに、この販売待機状態では、内蓋制御機構78により内蓋77が開放可能状態に保持されており、取出扉25が開成されれば、該取出扉25とともに内蓋77が前方側に揺動し、商品受台70の前方域を開放することになる。
この販売待機状態から、例えば購入操作部22の課金部221を通じて貨幣が投入されると、販売動作制御部200は、投入された入金額が商品販売価格に達した場合に購入操作部22の入力部222を有効化する。その後、利用者から入力部222を通じて購入に関わる指示情報が入力されると、この指示情報が販売動作制御部200に対して販売指令として与えられる。販売指令が与えられた販売動作制御部200は、内蓋制御機構78により内蓋77の前方側への揺動を阻止し、かつ仕切移動手段92により仕切部材90を後退位置に配置した後に、受台駆動装置73を通じて商品受台70を適宜上動させることにより、商品受台70を取出位置から該当する商品陳列棚50の受取位置まで移動させ、この状態を維持したままスライド装置82を通じてコンベア駆動装置80を適宜左右移動させることで、該コンベア駆動装置80を該当する商品収納コラム51における商品搬出部52の駆動位置へ移動させる。
受台駆動装置73およびスライド装置82が動作している間、コンベア駆動装置80では、駆動出力歯車802が装置本体801に没入した状態に保持されており、この駆動出力歯車802が受台駆動装置73およびスライド装置82の動作に支障を来す虞れはない。また、販売動作制御部200は、利用者に対して入金額や選択商品等、表示部23から販売に関わる各種の情報を報知する処理を行う。
一方、コンベア駆動装置80が商品搬出部52の駆動位置に配置されると、販売動作制御部200は、駆動出力歯車802を最も後方側に位置させることにより当該駆動出力歯車802を商品搬出部52の駆動伝達歯車55に歯合させる。そして、駆動出力歯車802を回転駆動することにより、これに歯合する駆動伝達歯車55を通じて商品搬出部52の搬送ベルト54が商品を前方側へ払い出すように移動されることになる。
この間、商品受台70の内蓋77は、上述したように内蓋制御機構78によって前方側への揺動が阻止された状態にあり、商品搬出部52の搬送ベルト54から払い出された商品が商品受台70の受取板72から逸脱する事態が招来されることがない。また、販売動作制御部200は、駆動出力歯車802の回転とともに、商品取込部材804回転駆動し、商品搬出部52から商品受台70への商品の払い出しを補助する。
商品検出センサ76を通じて商品受台70に商品が払い出されたことを検出した販売動作制御部200は、直ちに駆動出力歯車802を停止することによって搬送ベルト54の移動を終了させ、商品搬出部52に載置された次の商品が商品受台70に払い出される事態を防止する。
駆動出力歯車802の回転を停止した後、販売動作制御部200は、予め設定した時間だけ、例えば1秒間だけ、商品取込部材804の回転を継続する。この結果、商品取込部材804の回転によって商品受台70への商品の払い出しがより確実になる。その後、販売動作制御部200は、駆動出力歯車802と商品搬出部52の駆動伝達歯車55との歯合状態を解除する。
駆動出力歯車802と駆動伝達歯車55との歯合状態を解除した販売動作制御部200は、受台駆動装置73を通じて商品受台70を取出位置に復帰移動させる。商品受台70が取出位置に配置されると、販売動作制御部200は、仕切移動手段92により仕切部材90を進出位置に配置し、商品取出口24から商品陳列棚50に至る経路を閉鎖する。またこの状態では、内蓋制御機構78により内蓋77が開放可能状態に復帰する。
その後、販売動作制御部200は、予め設定した時間だけ、あるいは商品受台70に払い出された商品が取り出されるまでの間、取出扉ロック手段26を解錠し、商品取出口24に対する取出扉25の開成移動を許容した状態となる。したがって、利用者が取出扉25を開成させれば、この取出扉25とともに内蓋77が開成されることになり、商品取出口24から直接手を差し入れて商品受台70の商品を取り出すことが可能となる。なお、商品を取り出した後においては、重錘25bの作用により取出扉25が商品取出口24を閉塞した状態に復帰されることになる。
以下、上述した動作が繰り返し行われ、自動販売機として商品の無人販売を行うことが可能になる。
上述した自動販売機によれば、商品を商品取出口24から取り出す際に商品取出口24が開成可能であるが、仕切移動手段92によって前進位置にスライド移動された仕切部材90により、商品取出口24から商品陳列棚50に至る経路が閉鎖されるため、商品取出口24から商品陳列棚50への手や長尺部材の侵入を防止できる。また、仮に悪意によって取出扉25を壊すなどして商品取出口24が開成されたとしても同様に、商品取出口24から商品陳列棚50への手や長尺部材の侵入を防止できる。
特に、上述した自動販売機は、仕切ユニット9を商品陳列装置5の下方域に配設し、この下方域から商品陳列装置5の前方域に仕切部材90をスライド移動させるものであるから、商品陳列装置5の前方域から下方域に仕切部材90を退避させるので、商品受台70の通過に伴い商品陳列装置5の前方域に防盗板を退避させる領域を確保しなければならない従来の自動販売機に比して、商品陳列装置5の前方域を狭めることができ、本体キャビネット1の前後寸法の厚さを薄くして、設置スペースの縮小化を図ることが可能となる。
また、上述した自動販売機は、前進位置にスライド移動した仕切部材90の移動先端を挿通する挿入部79を商品受台70に設けてあるから、仕切部材90を上方に押し上げても、その移動先端が上方に移動して手や長尺部材を挿入される隙間を生じる虞がなく、防盗性を備えることができる。また、挿入部79が商品受台70に設けてあることから、商品陳列装置5の前方域における商品受台70の移動を妨げることはなく、かつ挿入部79を設けるために商品陳列装置5の前方域を拡張する必要もないので、本体キャビネット1の大型化を防ぐことができる。
また、上記自動販売機によれば、仕切移動手段92の駆動伝達機構94が往復スライダクランク機構を構成し、仕切部材90を前進位置に配置した場合に、回転軸941aの軸心と、連接部材942を連結する各軸942a,942bの軸心とが仕切部材90の移動方向に平行な直線S上に配置している。このため、仕切部材90に対して前進位置から後退位置に移動させる外力が作用した場合、この外力が仕切部材90から連接部材942に伝達されて回転部材941を回転させる力となる事態を抑止し、仕切部材90の後退位置への移動を阻止することができ、防盗性を備えることができる。しかも、この仕切移動手段92は、仕切部材90を移動させる駆動伝達機構94によって仕切部材90の後退位置への移動を阻止しており、別途施錠装置を設けなくてもよいことから、従来のように開閉装置と施錠装置とを備える自動販売機と比して製造コストを低減することが可能になる。
さらに、仕切移動手段92は、所定の軸心回りに回転する板状の回転部材941と、回転部材941の軸心から離隔した回転部材941の部位に一端を回転可能に支持し、かつ仕切部材90に他端を回転可能に支持して回転部材941と仕切部材90とを連結する板状の連接部材942とを備えたもので、これらが重なるように水平配置してある。このため、回転部材941の下方に配置した駆動部93を含めて仕切ユニット9の上下寸法が抑えられるので、商品陳列装置5の下方域を拡張することなく配置することができ、本体キャビネット1の大型化を抑えることが可能である。
さらに、仕切移動手段92は、回転軸941aの軸心と、連接部材942を連結する各軸942a,942bの軸心とが仕切部材90の移動方向に平行な直線S上に配置された状態で、回転部材941における当接部材972の規制片972aにダンパー部材971のローラ971gが当接する位置決め手段97を備えているから、仕切部材90から連接部材942に伝達される外力によって回転部材941が時計回りに回転する事態を防いで、仕切部材90の後退位置への移動を阻止するので、防盗性を向上することができる。
さらに、仕切移動手段92は、仕切部材90を前進位置に配置し、回転部材941が逆方向(反時計回り方向)に回転する外力を加えられた場合に、ストッパ部材981のストッパ片981bの先端が、回転部材941における当接部材972のフック片972bに係合する回転規制手段98を備えているから、仕切部材90から連接部材942に伝達される外力によって回転部材941が反時計回りに回転する事態を防いで、仕切部材90の後退位置への移動を阻止するので、防盗性を向上することができる。
また、上記自動販売機においては、本体キャビネット1の内部に配設した取付台100に対して、仕切ユニット9を前後および上下に変位させて取り付けるように構成してある。そして、仕切ユニット9を後方および上方に変位させた場合、仕切ユニット9の前カバー911の前方と、取出位置に配置された商品受台70の後方との間に空間S1を形成し、この空間S1によって、受け取った商品Wが商品受台70の後方にはみ出たままの状態で取出位置に商品受台70を配置することが可能になる。このため、上下寸法や奥行寸法(前後寸法)の比較的大きな商品W(例えばペットボトル飲料や弁当など)を販売する場合、これを受け取る商品受台70の前後寸法を大きくすることなく商品Wを搬出することが可能になる。この結果、本体キャビネット1の前後寸法の厚さを薄くして、設置スペースの縮小化を図ることが可能となる。
一方、仕切ユニット9を前方および下方に変位させた場合、仕切ユニット9の上方域と商品陳列装置5の下方域との間に空間S2を形成し、この空間S2に商品陳列棚50を配置することが可能になることから、商品の収納数を増すことができる。