以下に添付図面を参照して、本発明に係る商品収納装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
まず、本発明の実施例にかかる商品搬出装置を適用した自動販売機の全体構成を説明する。図1は本発明の実施例にかかる商品搬出装置を適用した自動販売機の正面図、図2は図1に示した自動販売機の平断面図、図3は図1に示した自動販売機の側断面図である。
図1〜図3に示すように、自動販売機は、本体ケース1内に商品を収納する。本体ケース1は、断熱筐体を構成し、前面側の略上半部に開口2を有している。開口2には、前面扉3が設けてある。前面扉3は、矩形の枠体3aにガラスなどの透明板材3bを嵌め込んだものである。前面扉3は、左右一対で構成されて開口2を塞ぎ、それぞれ開口2の左側縁と右側縁とに軸支されて本体ケース1の開口2を左右両開きで開閉する。また、本体ケース1と前面扉3との間には、施錠装置4が設けてある。施錠装置4は、本体ケース1の前面側からの施錠/解錠操作により前面扉3の開閉を許可/拒否状態とする。前面扉3は、通常、施錠装置4によって施錠されて開閉拒否状態とされている。なお、各前面扉3の開放端部には、前面扉3の開放に際して手を掛けられるように取手5が設けてある。
本体ケース1の前面側の下方には、商品取出口6が設けてある。図3に示すように、商品取出口6は、矩形状に開口して本体ケース1の内外に通じており、取出扉7にて開閉可能である。取出扉7は、その下部が商品取出口6の下縁に軸支され、前下方向に回動して商品取出口6を開放する。また、図3に示すように、取出扉7は、錘7aによって自動で商品取出口6を閉塞するように回動する。なお、取出扉7には、不図示の扉ロック機構が設けてあり、この扉ロック機構によって取出扉7の閉塞が維持される。
本体ケース1の内部後側であって、前面扉3で開閉される開口2の内側部位には、商品の収納庫8が構成してある。収納庫8には、複数段(本自動販売機では6段)の商品収容棚9が設けてある。各商品収容棚9は、商品収納ラック10(以下ラックという)を左右方向に複数列(本自動販売機では7列)並設することにより構成してある。
図3に示すように、ラック10は、収納庫8の奥方において片持ち支持されたスパイラル85からなる搬送手段11が設けてある。スパイラル85のピッチ間に商品が拘束された状態で、スパイラル85を回転させた場合に、商品を収納庫8の奥方から前方(商品搬送方向)に向けて搬送する。各ラック10は、各搬送手段11の商品搬送方向が相互に平行となる態様で左右方向に並設してある。
本体ケース1の内部前側であって、商品収容棚9の前方域には、商品搬出手段が設けてある。図2および図3に示すように、商品搬出手段は、商品受台12(以下受台という)を備えている。受台12は、1つの商品収容棚9に並べた全ラック10の総左右幅に対応した幅を有して形成してある。受台12は、左右幅方向の端に左右側壁13を有し、この左右側壁13の間に前下方向に傾斜する受取面14が設けてある。この受台12は、商品収容棚9の前方域にて上下方向に移動可能であり、各商品収容棚9に対応して商品を受け取る各受取位置(図3中二点鎖線で示す)と、商品取出口6に対応して商品を本体ケース1の外部に受け渡す取出位置(図3中実線で示す)との間を移動する。
また、商品搬出手段は、外部駆動手段としての駆動部15を備えている。駆動部15は、1つの商品収容棚9で並べた各ラック10の搬送手段11を駆動する。この駆動部15は、受台12に設けてあって、受台12の左右方向に移動可能であり、各ラック10に対応する駆動位置に移動して各ラック10の搬送手段11に駆動力を伝達する。駆動力が伝達されたラック10は、スパイラル85が回転してピッチ間に拘束された商品を受台12の受取面14に向けて商品搬送方向に搬送する。
また、商品搬出手段は、内扉16を備えている。内扉16は、板状に形成してあり、下端が受台12の前側下方に軸支されて前下方向に回動可能である。この内扉16は、受台12が取出位置にあるときに受台12の前側を開放するように回動が許される。このとき、内扉16は商品取出口6の取出扉7に重なる位置にあり、商品取出口6を開放するべく取出扉7を回動する内扉16も回動する。これにより、受台12の受取面14にある商品を商品取出口6から本体ケース1の外に取り出すことが可能となる。また、内扉16は、受台12が移動しているときや各受取位置に移動したときに受台12の前側を閉塞するように起立した位置で回動が規制される。これにより、各ラック10から搬送された商品が受台12から落下するのを防止できる。
本体ケース1の内部前側には、最下段の商品収容棚9の下側の位置であって、取出位置にある受台12の上部位置にカバー部材17が設けてある。図3に示すように、カバー部材17は、板状に形成してあり、略水平配置された状態で前端側が軸支されて前上方向に回動可能である。このカバー部材17は、受台12が取出位置にあるとき、略水平な位置に回動して受台12の上方を覆う。このとき、カバー部材17は、カバーロック機構18によって上記位置が維持される。これにより、商品取出口6から受台12にある商品を取り出す際に受台12がある領域と、商品収容棚9がある領域との間を仕切ることが可能となる。また、カバー部材17は、受台12が移動しているときや各受取位置に移動したときに、上記カバーロック機構18が解除されて略垂直な位置に回動して受台12の通過を許容する。
本体ケース1の外部であって、図1中、本体ケース1の右側部には、本体ケース1に連設された操作ユニット20が構成してある。操作ユニット20は、商品を自動販売する際に金銭などの受容や払出しを行う課金部21と、商品の選択を行う操作部22とを有している。課金部21としては、紙幣を受容する紙幣口21a、硬貨を受容する硬貨口21b、つり銭や紙幣・硬貨の返却を指示する返却レバー21c、つり銭などを返却する返却口21dなどがある。操作部22としては、商品選択用のテンキーおよび決定キーなどの操作ボタン22a、選択した商品に係る番号または受容した金額やつり銭金額などを表示する表示パネル22bなどがある。
ところで、上述した自動販売機は、商品を自動販売する自動販売機として使用可能であるとともに、有人販売を前提としたショーケースとしても使用することができる。自動販売機として使用する自動販売機モードでは、主に、前面扉3を施錠した状態とし、操作ユニット20を使用できるように設定する。ショーケースとして使用するショーケースモードでは、主に、前面扉3を解錠するとともに取出扉7を開閉不可とした状態とし、操作ユニット20を使用できないように設定する。また、ショーケースモードでは、商品搬出手段の受台12を取出位置にして、受台12の上側をカバー部材17で覆い隠す状態とする。
次に、商品搬出手段について説明する。図4は受台移動機構などを示す斜視図、図5は駆動部移動機構などを示す斜視図である。
図4に示すように、受台12を上下移動させる受台移動機構25は、本体ケース1の内部の左右側壁に沿って配置した各側板26に設けてある。各側板26には、上下端部にそれぞれプーリ27が設けてある。各プーリ27には、無端状のタイミングベルト28が掛け回して設けてある。そして、一方の側板26において、タイミングベルト28の一部には、受台12の左側壁13から延設した支持板29が固定してある。また、受台12が固定されたタイミングベルト28の位置に対して各プーリ27を介した対称位置のタイミングベルト28の部位には、受台12の重量を保持するバランサー30が固定してある。また、他方の側板26においても一方の側板26と同様に、タイミングベルト28に受台12の右側壁13から延設した支持板29、およびバランサー30が固定してある。さらに、各側板26の上端部のプーリ27は、回転軸31によって連結してある。この回転軸31は、モータ32によって回転駆動する。すなわち、モータ32の駆動により、各側板26にある各タイミングベルト28が同期して循環して、受台12がバランサー30によって重量を保持されつつ上下移動する。
また、上下移動する受台12の位置は、受台位置検出手段33によって検出される。受台位置検出手段33は、一方の側板26および受台12に配置してある。一方の側板26には、受台12が移動する上下方向に沿って位置検出板34および位置確認板35が並設してある。位置検出板34には、座標標識としての切欠溝34aが設けてあり、位置確認板35には、確認標識としての切欠溝35aが設けてある。各切欠溝34a,35aは、各受取位置および取出位置にある受台12の位置に対応して設けてある。これに対し、受台12の支持板29には、位置検出板34および位置確認板35をそれぞれ挟むようにフォトインタラプタからなる停止センサ36および確認センサ37が設けてある。各センサ36,37は、それぞれ切欠溝34a,35aの位置にくるとパルス信号を発生する。すなわち、上下移動する受台12は、受台位置検出手段33によって各受取位置および取出位置にあることを検出される。
図5に示すように、駆動部15を受台12における左右方向に移動させる駆動部移動機構40は、受台12の底部に配置した底板41に設けてある。底板41は、受台12の左右幅方向に沿って左右側壁13の間に配置してある。底板41には、左右端部にそれぞれプーリ42が設けてある。各プーリ42には、無端状のタイミングベルト43が掛け回して設けてある。タイミングベルト43の一部には、駆動部15が固定してある。また、一方のプーリ42は、モータ44によって回転駆動する。また、底板41には、左右方向であってタイミングベルト43と平行して受台12の左右幅方向に沿うガイド棒45が固定してある。駆動部15は、ガイド棒45に沿って摺動可能に設けてある。すなわち、モータ44の駆動により、タイミングベルト43が循環して、駆動部15がガイド棒45に案内されつつ左右方向に移動する。
左右移動する駆動部15の位置は、駆動部位置検出手段46によって検出される。駆動部位置検出手段46は、底板41および駆動部15に配置してある。底板41には、駆動部15が移動する左右方向に沿って位置検出板47および位置確認板48が並設してある。位置検出板47には、座標標識としての切欠溝47aが設けてあり、位置確認板48には、確認標識としての切欠溝48aが設けてある。各切欠溝47a,48aは、各駆動位置にある駆動部15の位置に対応して設けてある。これに対し、駆動部15には、位置検出板47および位置確認板48をそれぞれ挟むようにフォトインタラプタからなる停止センサ49および確認センサ50が設けてある。各センサ49,50は、それぞれ切欠溝47a,48aの位置にくるとパルス信号を発生する。すなわち、左右方向に移動する駆動部15は、駆動部位置検出手段46によって各駆動位置にあることを検出される。
また、上述したように、受台12には内扉16が設けてある。図5に示すように、内扉16を開閉する内扉駆動機構52は、右側壁13内に配置してある。この内扉駆動機構52は、モータ53の駆動によって回転する円板54にピン54aを設けている。ピン54aには、揺動可能に支持されたアーム55が当接可能である。アーム55は、不図示のバネ部材などで揺動端側が常に上方に付勢され、ピン54aに当接する。これにより、円板54の回転によって所定円軌道で移動するピン54aに当接したアーム55の揺動端側が上下に揺動する。また、内扉16を軸支する回転軸56には、アーム55の揺動端に当接する可動片57が固定してある。内扉16は、アーム55の揺動端が下方へ揺動することで可動片57が押されて閉塞状態とされる。また、内扉16は、アーム55の揺動端が上方へ揺動することで可動片57が押されず開放を許され、かつ、不図示のバネ部材によって開放側に付勢される。
内扉駆動機構52による内扉16の開放状態および閉塞状態は、内扉開閉検出手段58によって検出される。内扉開閉検出手段58は、円板54の外周縁の一部を延設した遮蔽片54bと、遮蔽片54bを挟むフォトインタラプタからなる開閉センサ59とで構成してある。そして、内扉開閉検出手段58は、遮蔽片54bが開閉センサ59から外れた状態から遮蔽したタイミングによって内扉16が閉塞状態であることを検出する。また、内扉開閉検出手段58は、遮蔽片54bが開閉センサ59を遮蔽した状態から外れたタイミングによって内扉16が開放状態にあることを検出する。
また、図5に示すように、受台12は、商品取込部材61を備えている。商品取込部材61は、受台12の後方であって傾斜した受取面14の上端側において、受台12の左右幅方向に渡って左右側壁13の間に軸支してある。商品取込部材61は、受台12の左右幅方向に長手状とされた棒状体であり、その長手方向に沿って不図示の羽根片が設けてある。商品取込部材61は、受台12の左側壁13内に設けた取込部材駆動機構62によって回転可能である。この取込部材駆動機構62は、商品取込部材61の軸支された一端に設けたプーリ63と、モータ64の駆動によって回転するプーリ63とに無端状のタイミングベルト65を掛け回してなる。すなわち、モータ64の駆動により、商品取込部材61が回転し、商品を受台12の受取面14側に取り込む。
さらに、図5に示すように、受台12は、商品検出手段66を備えている。商品検出手段は、受台の左右側壁にそれぞれ設けて、左右側壁の間で互いに対向する投光素子および受光素子で構成してある。この商品検出手段66は、商品取込部材61の上方位置、受取面14の傾斜の中程位置、受取面14の傾斜の下側位置の各位置にて対向している。すなわち、商品検出手段66は、上記各位置において遮光されることにより商品があることを検出する。そして、商品検出手段66による商品の検出によって、上記商品取込部材61の駆動を行い、あるいは駆動を停止することが可能である。
次に、駆動部15について説明する。図6は駆動部を示す正面図、図7は駆動部を示す側面図(図6の矢視A−A図)である。
上述したように、外部駆動手段としての駆動部15は各ラック10の搬送手段11を駆動する。駆動部15は、モータ70の出力軸に設けたモータ歯車71に減速歯車72を噛合している。減速歯車72には、同軸で回転するプーリ73が設けてある。このプーリ73と、別の支軸74に設けた他のプーリ73とには、無端状のタイミングベルト75が掛け回してある。他のプーリ73の支軸74には、連動歯車76が設けてある。また、連動歯車76には、駆動出力歯車77が噛合している。すなわち、モータ70の駆動によって駆動出力歯車77が回転する。
駆動出力歯車77は、連動歯車76に対してリンク78を介して連結してある。駆動出力歯車77は、リンク78によって連動歯車76との噛合状態を維持しつつ連動歯車76の周りを転動する。また、駆動出力歯車77の支軸79には、可動部材80が連結してある。可動部材80には、当接ピン81が設けてある。当接ピン81は、図7に示すように、別のモータ82にて駆動されるナピアネジ83によって移動可能とした押出部材84に当接する。すなわち、駆動出力歯車77は、押出部材84の移動に伴い、図7中実線で示す待避位置と二点鎖線で示す連結位置とに移動可能である。また、連結位置にある駆動出力歯車77は、上述した各ラック10の搬送手段11に駆動力を伝達する。なお、上記駆動出力歯車77の待避位置と連結位置とは、押出部材84の移動位置を不図示の検出手段にて検出することによって検出される。
次に、ラックについて説明する。図8はラックの斜視図、図9は図8に示したラックの正面図、図10は図8に示したラックの平断面図、図11は図8に示したラックの右側断面図、図12(a),(b)はラックの動作を示す左側面図、図10(a),(b)はラックの動作を示す平面図である。
ラック10は、搬送手段11として、商品を拘束するスパイラル85を備え、スパイラル85を回転させることにより、スパイラル85の先端において商品の拘束を解き、ラック10から商品を搬出するものである。ラック10はその基体をなすフレーム86を有している。このフレーム86には、回転軸87が貫通して回転可能に取り付けてある。回転軸87の左側端部、すなわち、フレーム86の左外側に位置する部分には、駆動歯車88が固着してある。一方、回転軸87の中途部分、すなわち、フレーム86の内側に位置する部分には、歯車89が固着してある。したがって、駆動歯車88と歯車89とは一体に回転する。
歯車89は歯車90と噛合している。歯車90の回転軸91は、上述した回転軸87と同様に、フレーム86を貫通して、回転可能に取り付けてある。この回転軸91の中途部分、すなわち、フレーム86の内側に位置する部分であって、歯車90の左方にはベベルギア92が取り付けてある。一方、回転軸91の右側端部、すなわち、フレーム86の右外側に位置する部分には、連結歯車93が取り付けてある。したがって、歯車90、ベベルギア92、連結歯車93は一体に回転する。
また、フレーム86の内部には、ベベルギア92と噛合するベベルギア94が回転可能に取り付けてある。ベベルギア94のボス部94aには、図10に示すように、回転軸95が嵌挿され、ボス部94aに形成した溝94bと、回転軸95に直交して固着したピン95aとが係合するように取り付けてある。また、フレーム86の奥方にはギアボックス120が配設してある。ギアボックス120は、回転可能に取り付けた小径歯車96と、小径歯車96と噛合する大径歯車97とを備えている。
小径歯車96のボス部96aには、図11に示すように、回転軸95が嵌挿され、ボス部94aに形成した溝94bと回転軸に直交して固着したピン95bとが係合するように取り付けてある。したがって、ベベルギア94と小径歯車96とは一体に回転する。
大径歯車97の回転軸となるボス部97aには、スパイラル85が取り付けてある。スパイラル85は、フレーム86の長手方向に配設され、スパイラル85の先端部はラック10前面に解放してある。したがって、大径歯車97が回転するとスパイラル85が回転する。
このため、駆動歯車88が回転すると、その駆動力は歯車89から歯車90に伝達され、ベベルギア92と連結歯車93とを回転させる。そして、ベベルギア94の回転により小径歯車96が回転し、さらに、大径歯車97が回転し、スパイラル85が回転する。
一方、駆動歯車88は中間歯車98と噛合し、中間歯車98は駆動伝達歯車99に噛合している。この駆動伝達歯車99には上述した駆動部15の駆動出力歯車77が噛合する。このため、駆動伝達歯車99から中間歯車98を介して駆動歯車88が駆動されてスパイラル85が回転する。なお、駆動伝達歯車99は、駆動歯車88および中間歯車98よりも左側に長く形成してあり、フレーム86の左外側に最も突出している。
また、上記中間歯車98および駆動伝達歯車99は、ベース部材100に軸支してある。ベース部材100は、回転軸87に回動可能に支持してある。すなわち、中間歯車98および駆動伝達歯車99は、ベース部材100を介して回転軸87を中心に回動可能である。この回動に際し、中間歯車98は、駆動歯車88および駆動伝達歯車99への噛合状態を維持する。また、ベース部材100には、長板状のリンク部材101の一端が軸支してある。リンク部材101の他端は、フレーム86の左側にて前後に延びる長穴部102に支持ピン103を介して支持してある。
フレーム86の左外側には、前後方向に長手状とされた連結レバー104が設けてある。連結レバー104は、フレーム86とは別体であり、上下に移動してフレーム86の上面に対して出没可能である。この連結レバー104は、前側に上下に延びる長穴部105を有し、後側に斜め後方に延びつつ折れて後方に延びる略逆L字形状の穴部106を有している。そして、長穴部105にリンク部材101の他端を支持する支持ピン103を挿通し、穴部106にフレーム86の左外側に延設された固定ピン107を挿通して、連結レバー104を略上下に移動可能に支持してある。
また、連結レバー104の前端下側には、後方に向くフック部108が形成してある。このフック部108は、連結レバー104を上方に移動した際に、フレーム86の左外側に延設した係止片109に係止する。また、連結レバー104の前側には、側方に折曲した係止部110が形成してある。この係止部110は、連結レバー104を下方に移動した際に、フレーム86の左外側に延設した係止片111に係止する。また、連結レバー98は、バネ部材112によって常に後方に引っ張られている。
このように構成したラック10は、図12(a)に示すように、連結レバー104を上方に突出することにより、連結レバー104が自身の長穴部105に案内されて上方に移動しつつ、穴部106に案内されて上前方に移動する。この際、リンク部材101は、連結レバー104の前方への移動に伴って支持ピン103がフレーム86の長穴部102に従って前方に移動するので、ベース部材100を前方に押し出す。すなわち、ベース部材100に設けた中間歯車98および駆動伝達歯車99が前進することとなる。これにより、図13(a)に示すように、駆動部15の駆動出力歯車77が、駆動伝達歯車99と噛合可能となって駆動部15の駆動力を搬送手段11に伝達することが可能となる。なお、連結レバー104の後端上側には、突出片104aが設けてある。そして、図12(b)の状態から突出片104aを下方に押すことによって固定ピン107を支点として連結レバー104の前端側が上方に持ち上がるので連結レバー104の上方への突出を容易に行うことが可能となる。そして、連結レバー104を上方に突出させた場合には、連結レバー104に仕切り板113を装着し、商品を収納するスペースを画定する。
一方、連結レバー104を下方に没入させる場合には、連結レバー104から仕切り板113を取り外した後に、図12(b)に示すように、連結レバー104を下方に没入させることにより、連結レバー104が自身の長穴部105に案内され下方に移動しつつ、穴部112に従って下後方に移動する。この際、リンク部材101は、連結レバー104の後方への移動に伴って支持ピン103がフレーム86の長穴部102に案内されて後方に移動するので、ベース部材100を後方に移動させる。すなわち、ベース部材100に設けた中間歯車98および駆動伝達歯車99が後退することになる。これにより、図13(b)に示すように、駆動部15の駆動出力歯車77が、駆動伝達歯車90と噛合できなくなって駆動部15の駆動力を搬送手段11に伝達することが不能となる。
そして、図13(b)に示すように、後退した駆動伝達歯車99は、左側に隣接する他のラック10の右外側にある連結歯車93に噛合する。これにより、駆動伝達歯車99が後退したラック10の搬送手段11と、その左側に隣接する他のラック10の搬送手段11とが連結される。駆動伝達歯車99が後退したラック10は、左側に隣接する他のラック10の駆動伝達歯車99に駆動部15の駆動出力歯車77が噛合して駆動部15の駆動力が伝達された場合に、左側に隣接する他のラック10から駆動力が伝達される。すなわち、左右隣接する各ラック10の搬送手段11が一体に駆動されて左右幅が連結された1つのラック10をなす。
上述の如く構成したラック10に関し、前進した位置にある駆動伝達歯車99に対して駆動部15の駆動出力歯車77は前側下方から噛合する。この際、駆動伝達歯車99を軸支するベース部材100は、リンク部材101による支持、およびフック部108と係止片109との係止によって駆動伝達歯車99の位置が後方に逃げることなく支持する。このため、駆動伝達歯車99と駆動出力歯車77との噛合が確実に行われ、駆動出力歯車77から駆動伝達歯車99に確実に駆動力が伝達される。また、後退した位置にある駆動伝達歯車99に対して連結歯車93は後側上方で噛合する。この際、駆動伝達歯車99を軸支するベース部材100は、バネ部材112による引っ張り、リンク部材101による支持、および係止部110と係止片111との係止によって駆動伝達歯車99の位置を前方に逃げることなく支持する。このため、駆動伝達歯車99と連結歯車93との噛合が確実に行われ、駆動伝達歯車99から連結歯車93に駆動力が確実に伝達される。
このように、駆動伝達歯車99は、ラック10ごとに駆動部15からの駆動力を受け入れる駆動力受入部を構成する。また、駆動伝達歯車99を移動可能にするベース部材100と、移動した駆動伝達歯車99が噛合する連結歯車93とは、隣接するラック10の搬送手段11を相互に連結した連結状態と、隣接するラック10の搬送手段11を互いに分離した分離状態とに切り換わり、隣接するラック10の搬送手段11を連動させるか否かを選択する駆動態様選択手段をなす。そして、駆動態様選択手段は、連結状態において駆動伝達歯車99から駆動力が与えられた場合に隣接するラック10の搬送手段11を連動させる。一方、駆動態様選択手段は、分離状態において駆動伝達歯車99から駆動力が与えられた場合に当該駆動伝達歯車99を有したラック10の搬送手段11のみを駆動する。
また、駆動態様選択手段は、分離状態にある場合に、個々のラック10の駆動伝達歯車99が駆動部15の駆動出力歯車77に噛合可能となるので、個々のラック10の駆動伝達歯車99から駆動部15の駆動力を受け入れる。一方、駆動態様選択手段は、連結状態にある場合に、隣接するラック10のいずれか一つの駆動伝達歯車99が駆動部15の駆動出力歯車77に噛合可能となるので、隣接するラック10のいずれか一つの駆動伝達歯車99からのみ駆動部15の駆動力を受け入れる。
また、リンク部材101や、リンク部材101を前後方向に移動させるための長穴部105および支持ピン103などの構成は、出没可能な連結レバー104と、上記駆動態様選択手段とを連係する連係手段をなす。そして、連係手段は、連結レバー104を突出させた場合に隣接するラック10の搬送手段11を分離状態に維持する。一方、連係手段は、仕切り板104を没入させた場合に隣接するラック10の搬送手段11を連結状態に切り換える。
次に、実施例3に係る商品収納装置について説明する。図18は実施例3に係る商品収納装置の正面図、図19は図18に示した商品収納装置の側断面図である。
この商品収納装置も吊り下げた状態で商品を収納するものであって、上述したラック10にアタッチメント130を二段重ねて取り付けたものであり、同一の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
ラック10に取り付けるアタッチメント130は、ギアボックス120の大径歯車97のボス部97aからスパイラル85を取り外した後に取り付けるものである。アタッチメント130は、上述したようにギアボックス120と同一構造を有し、ギアボックス120に2段重ねて取り付けられ、ギアボックス120の大径歯車97と下段のアタッチメント130の小径歯車96とが噛合し、下段のアタッチメント130の大径歯車97と上段のアタッチメント130の小径歯車96とが噛合する。このため、駆動伝達歯車99が回転すると、上段のアタッチメント130の大径ギア97が回転する。
上段のアタッチメント130の大径歯車97のボス部97には、ギアボックス120の大径歯車97のボス部97aから取り外したスパイラル85が取り付けてある。そして、スパイラル85と接するように棒状部材131が取り付けてある。また、上段のアタッチメント130にはスパイラル85を覆うようにカサ132が取り付けてある。
この商品収納装置の駆動伝達歯車99に駆動部15の駆動出力歯車77が噛合し、駆動力が伝達されると、スパイラル85が回転し、棒状部材131に吊り下げられ、スパイラル85のピッチ間に拘束された商品Sは棒状部材131に沿って受台12方向に搬送され、棒状部材131の先端から受台に搬出される。
この商品収納装置によれば、上述したラック10にギアボックス120と同一構造を有するアタッチメント130を重ねて取り付けるとともに、スパイラル85をギアボックス120の大径歯車97のボス部97aから取り外し、上段のアタッチメント130の大径歯車97のボス部97aに取り付けるだけで、吊り下げ寸法の大きな商品Sを吊り下げて収納し、受台12に搬出できる。また、スパイラルに拘束して収納する商品と、吊り下げて収納する商品とを簡単に入れ替えることができる。さらに、スパイラルのピッチを大きくできるので、嵩の高い商品Sを収納できる。
次に、上述した自動販売機の動作について説明する。図20は自動販売機の機能ブロック図、図21は制御手段の制御動作を示すフローチャートである。
上述した各構成は、制御手段300によって制御される。図20に示すように、制御手段300には、操作部22、受台位置検出手段33、駆動部位置検出手段46、商品検出手段66、内扉開閉検出手段58、メモリ301、駆動量検出手段302からの各信号を入力する。そして、制御手段300は、受台移動機構25、駆動部移動機構40、駆動部15、取込部材駆動機構62、内扉駆動機構52、カバーロック機構18、扉ロック機構303に動作を行わせる各信号を出力する。なお、メモリ301には、受台12における各商品収容棚9への各アクセス位置、および駆動部15における各ラック10へのアクセス位置が記憶してある。また、駆動量検出手段302は、駆動部15によるラック10の搬送手段11への駆動力の伝達量を検出して制御手段300に検出信号を出力する。この駆動量検出手段302は、駆動力の伝達量として駆動力の伝達時間、あるいは駆動力を発生する軸の回転数などを検出するものであればよい。
制御手段300は、操作部22の操作ボタン22aの操作に応じた操作信号を入力し、その旨を表示パネル22bに表示する。また、制御手段300は、受台移動機構25を駆動するとともに受台位置検出手段33からの検出信号により、操作部22で指定されたラック10(商品)のある商品収容棚9の位置に受台12を移動させる。また、制御手段300は、駆動部移動機構40を駆動するとともに駆動部位置検出手段46からの検出信号により、操作部22で指定されたラック10(商品)の位置に駆動部15を移動させる。また、制御手段300は、駆動部15の駆動出力歯車77をラック10の駆動伝達歯車99に噛合させ、駆動出力歯車77を駆動させる。また、制御手段300は、商品検出手段66からの検出信号により、取込部材駆動機構62を駆動あるいは停止させる。また、制御手段300は、受台移動機構25の駆動に際し、内扉駆動機構52を駆動あるいは停止させ、内扉16の開閉状態を内扉開閉検出手段58にて検出する。また、制御手段300は、受台移動機構25の駆動に際し、カバー部材を開放させるためのカバーロック機構18を駆動させる。また、制御手段300は、受台移動機構25の駆動に際し、商品取出口6の取出扉7を閉塞させるための扉ロック機構303を駆動させる。
制御手段300の制御動作は、図21に示すように、まず、課金部21の紙幣口21aや硬貨口21bに貨幣が投入され(ステップS1:YES)、操作ボタン22aが押下されて商品が選択されたとき(ステップS2:YES)、取出扉7をロックするとともに、内扉16を閉鎖する(ステップS3)。
商品の選択に際しては、例えば、最上段の商品収容棚9の各ラック10に左側から1〜7の番号が付され、以下の段の商品収容棚9の各ラック10にそれぞれ左側から8〜14、15〜21、…の番号が付されている。すなわち、ラック10の選択は、上記番号を操作ボタン22aの押下で指示する。
すると、制御手段115は、受台12を上昇する(ステップS4)。受台12は、販売初期の状態にて取出位置(商品取出口6の位置)にある。受台12は、取出位置から選択された商品が収納されているラック10のある商品収容棚9の位置に上昇する。
制御手段300は、上記受台12の上昇とともに、駆動部15を移動する(ステップS5)。駆動部15は、選択された商品が収納されているラック10の位置に移動する。
そして、制御手段300は、駆動部15を連結する(ステップS6)。すなわち、駆動部15の駆動出力歯車77を駆動位置に移動して選択された商品が収納されているラック10の駆動伝達歯車99に連結する。
つづいて、制御手段300は、駆動部15を駆動する(ステップS7)。すなわち、駆動部15の駆動出力歯車77を駆動してラック10の駆動伝達歯車99に駆動力を伝達しラック10の搬送手段11を駆動する。
そして、商品が払い出されたとき(ステップS8:YES)、制御手段300は、商品取込部材61を駆動して受台12の受取面14に商品を取り込んでから、駆動部15を離脱する(ステップS9)。商品の払出しや受取面14への商品の取り込みは、商品検出手段66によって検出できる。商品の取り込みを検出した後は、駆動部15の駆動出力歯車77を待避位置に移動してラック10の駆動伝達歯車99から離反させる。その後、制御手段115は、受台12を取出位置に下降させる(ステップS10)。そして、取出扉7のロックを解除するとともに、内扉16の閉塞を解除し、釣銭を放出する(ステップS11)。取出扉7は、開放可能となり、取出扉7の開放に従い内扉16が開放する。釣銭は、返却口21dに返却される。
最後に、制御手段300は、商品取出が行われれば(ステップS12:YES)、本動作を終了する。商品の取出しは、取出扉7を開放し、受台12の受取面14にある商品を取り出すことにより行われる。商品が取り出された旨は、受台12の受取面14の傾斜の中程位置、あるいは受取面14の傾斜の下側位置にある商品検出手段66によって商品が検出されなくなったことにより検出できる。
なお、制御手段300は、ステップS8において、商品が払い出されなければ(ステップS8:NO)、ステップS7で駆動した駆動部15が継続した所定駆動量が駆動されたかを判断する(ステップS13)。この所定駆動量とは、例えば、駆動部15がラック10の搬送手段11を駆動して、ラック10のスパイラル85に拘束されている全ての商品が受台12に払い出されるまでの駆動部15のモータ70の継続回転数、あるいはモータ70の継続駆動時間を予め設定した閾値である。
そして、制御手段300は、駆動部15を所定駆動量駆動した場合(ステップS13:YES)、売り切れ表示を行い(ステップS14)、選択した当該ラック10の以後の選択を不可にする(ステップS15)。すなわち、駆動部15を作用させた継続的な駆動量が予め設定した閾値を超えた場合に、当該ラック10を駆動部15の作用対象外に設定する。なお、当該ラック10に商品を補充して売り切れ解除の設定を行えば、そのラック10の選択が可能となる。
その後、制御手段300は、ステップS9〜ステップS12の動作を行う。この場合のステップS12では、商品の払い出しがなく商品が受台12の受取面14にないので、商品検出手段66によって商品が検出されず商品取出が行われたと同様であるため(ステップS12:YES)、本動作を終了する。