JP2023047750A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リードフレームにおける凹部の底面にバリが発生することを抑制可能な半導体装置の製造方法を得る。【解決手段】半導体装置の製造方法は、凹部5が形成されたリードフレーム1に半導体チップ6がボンディングされた状態で、半導体チップ6を樹脂材9により封止する樹脂封止工程と、凹部5に向かってレーザ光を照射し、凹部5内に樹脂材9の一部9cが残留するようにレーザ光により凹部5内の樹脂材9を除去するレーザ光照射工程と、リードフレーム1のうちの凹部5の底面4vを、凹部5内の樹脂材9の一部9cとともに切断する切断工程と、を含む。【選択図】図7
Description
本明細書は、半導体装置およびその製造方法に関する。
特許文献1(特開2019-102757号公報)に開示されているように、QFN(Quad Flat Non-leaded Package)パッケージ基板を分割することにより、QFNタイプの半導体装置が作製される。分割によって半導体装置の端面には、複数の微細な電極が露出する。特許文献1(段落[0003])は、これらの電極にバリが発生した場合、電極同士が繋がってしまったり(短絡)、半導体装置をマザー基板に設置する際にうまく半導体装置を基板上に載置出来なくなったりする可能性がある旨を開示している。
特許文献2(特開2011-077278号公報)に開示された半導体装置においては、リードフレームのリード部におけるチップ搭載面側とは反対側の部分に、凹部(凹状部)が形成されている。特許文献1(段落[0062]、[0063]等)は、凹部にレーザ光を照射することによって凹部に充填された樹脂材を除去し、これにより、凹部における下面側(チップ搭載面とは反対側)の部分を被覆するメッキ膜を外部に露出させ、その後、ブレードを用いて凹部に沿ってパッケージを分割することにより、半導体装置が得られる旨を開示している。
リードフレームに設けた凹部にレーザ光を照射し、凹部に充填された樹脂材をすべて除去したとする。この場合、ブレードを用いて凹部に沿ってパッケージを分割した際に、リードフレームにおける凹部の底面(凹部を形成していた部分の端面)に、バリが発生しやすくなる。リードフレ-ムは、銅から構成される場合が多く、一般的な金属材質の中で銅は比較的に柔らかい性質を有する。銅から構成されるリードフレームにおいて、バリの高さはばらつきやすい。QFNなど、端子側面を露出する半導体装置において、端子部の端面に種々の高さを有するバリが発生すると、バリの高さに応じて、個体ごとに実装高さおよび平坦度等がばらついてしまったり、実装強度が低下したりする可能性がある。
本明細書は、リードフレームにおける凹部の底面にバリが発生することを抑制可能な構成を備えた半導体装置およびその製造方法を開示することを目的とする。
本開示に基づく半導体装置の製造方法は、凹部が形成されたリードフレームに半導体チップがボンディングされた状態で、上記半導体チップを樹脂材により封止する樹脂封止工程と、上記凹部に向かってレーザ光を照射し、上記凹部内に上記樹脂材の一部が残留するように上記レーザ光により上記凹部内の上記樹脂材を除去するレーザ光照射工程と、上記リードフレームのうちの上記凹部の底面を、上記凹部内の上記樹脂材の上記一部とともに切断する切断工程と、を含む。
本開示に基づく半導体装置は、凹部が形成されたリードフレームと、上記リードフレームにボンディングされ、樹脂材によって樹脂封止された半導体チップと、を備え、上記リードフレームのうちの上記凹部の底面が切断されることで作製された、半導体装置であって、上記リードフレームにおける上記凹部の上記底面と、上記凹部内の上記樹脂材とが、上記リードフレームの高さ方向において相互に重なっている。
上記構成によれば、リードフレームにおける凹部の底面にバリが発生することを抑制可能な構成を備えた半導体装置およびその製造方法を得ることができる。
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。以下の説明において同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。実施の形態の半導体装置の製造方法は、準備工程、樹脂封止工程、レーザ光照射工程、メッキ工程、および切断工程を含む。以下、これらについて順に説明する。
(準備工程)
図1は、準備工程において準備されるリードフレーム1と、複数の半導体チップ6とを示す平面図である。リードフレーム1は、銅などの金属により平板状に形成されており、表面1aおよび裏面1bを有している。図1は、表面1aの側から視たリードフレーム1の平面図を示している。
図1は、準備工程において準備されるリードフレーム1と、複数の半導体チップ6とを示す平面図である。リードフレーム1は、銅などの金属により平板状に形成されており、表面1aおよび裏面1bを有している。図1は、表面1aの側から視たリードフレーム1の平面図を示している。
リードフレーム1は、行列状に配列された複数のダイパッド2と、各ダイパッド2の周囲(四方)に配置された複数のリード3と、各ダイパッド2の四方に配置された複数のリード3を連結しつつ取り囲むタイバー4とを含む。リードフレーム1(ダイパッド2)の表面1aの側にチップ搭載面が設けられ、リードフレーム1(タイバー4)の裏面1bの側に後述する凹部5が設けられている。図1には、各ダイパッド2上に半導体チップ6が配置されている状態が示されている。
タイバー4は、リードフレーム1において格子状に形成されている。リードフレーム1には、タイバー4に沿って延びる凹部5が予め形成されている。凹部5は、リードフレーム1の高さ方向(図2に示す矢印AR方向)に、裏面1bから表面1aに向かって凹むように形成されている。凹部5は、リードフレーム1の裏面1bにおいて溝状に延在しており、凹部5の延在方向に対して直交する方向において、凹部5は幅寸法W1(図1,図2)を有している。幅寸法W1は、例えば0.40mm~0.50mmである。
凹部5は、裏面1bの側から表面1aの側にリードフレーム1を貫通するものではなく、例えば、リードフレーム1の厚みの半分の高さ(ここでは、深さと同義)を有し、リードフレーム1をエッチング(ウェットエッチング)することによって形成可能である。凹部5の幅寸法W1及び高さ寸法は、後工程で変形等の不具合が生じない程度の強度を確保すること、後工程で良好な外観検査が行えること、完成品である半導体装置の良好な実装強度などを考慮し、最適な値に設定される。
図2は、図1中のII-II線に沿った矢視断面図であり、凹部5が形成されたリードフレーム1(ダイパッド2)上に半導体チップ6がボンディングされた状態を示している。図2に示すように、各半導体チップ6に設けられた複数の電極は、ボンディングワイヤ7を介してリード3(図1)に電気的に接続される。なお便宜上、図1にはボンディングワイヤ7を図示していない。
(樹脂封止工程)
図3は、樹脂封止工程が行なわれた状態を示す断面図である。樹脂封止工程においては、半導体チップ6がリードフレーム1にボンディングされた状態で、半導体チップ6を樹脂材9によりリードフレーム1上に封止する。図2および図3に示すように、樹脂封止工程の前に、リードフレーム1の凹部5側に保護フィルム8(例えばポリイミド樹脂テープ)を貼り付けて、保護フィルム8を貼り付けた上で樹脂封止を行なうとよい。
図3は、樹脂封止工程が行なわれた状態を示す断面図である。樹脂封止工程においては、半導体チップ6がリードフレーム1にボンディングされた状態で、半導体チップ6を樹脂材9によりリードフレーム1上に封止する。図2および図3に示すように、樹脂封止工程の前に、リードフレーム1の凹部5側に保護フィルム8(例えばポリイミド樹脂テープ)を貼り付けて、保護フィルム8を貼り付けた上で樹脂封止を行なうとよい。
樹脂封止工程を実施することによって、凹部5の内側に樹脂材9(9b)(図4参照)が充填される。リードフレーム1(タイバー4)のうち、凹部5を区画形成している部分4bの内壁面4w(図4)および底面4v(図4)が、樹脂材9(9b)によって覆い隠される。ここで、タイバー4の内壁面4wは、たとえば、タイバー4の裏面1bから高さ方向ARに延びる平面、または、タイバー4の裏面1bに対して直交する方向に延びる平面である。タイバー4の底面4vは、たとえば、タイバー4の裏面1bに対して平行に延びる平面、または、高さ方向ARに対して直交する方向に延びる平面である。底面4vと、底面4vの両外側に設けられた一対の内壁面4wとにより、空間としての凹部5が区画形成されている。
図4に示すように、次述するレーザ光照射工程を行なう前に、保護フィルム8がリードフレーム1の裏面1bから剥がされる。保護フィルム8の除去により、リードフレーム1の裏面1bと、リードフレーム1の凹部5内に形成されている樹脂材9(9b)とが露出する。
(レーザ光照射工程)
図5に示すように、レーザ光照射工程においては、凹部5内の樹脂材9にレーザ光L2を照射する。レーザ光L2としては、パルスレーザとして、レーザ光発振装置にYAGレーザやYVO4レーザ又はこれらから発せられたレーザ光を第2高調波発生(SHG:Second Harmonic Generation)材料により波長変換するグリーンレーザを利用可能である。また、走査光学系により走査することにより、レーザ光L2の照射領域を変化させることができる。
図5に示すように、レーザ光照射工程においては、凹部5内の樹脂材9にレーザ光L2を照射する。レーザ光L2としては、パルスレーザとして、レーザ光発振装置にYAGレーザやYVO4レーザ又はこれらから発せられたレーザ光を第2高調波発生(SHG:Second Harmonic Generation)材料により波長変換するグリーンレーザを利用可能である。また、走査光学系により走査することにより、レーザ光L2の照射領域を変化させることができる。
レーザ光L2の照射を続けることによって、樹脂材9(9b)が除去され、これに伴って、タイバー4(凹部5を形成している部分4b)の内壁面4wが露出する。凹部5を形成している内壁面4wの高さ寸法H1に対して、所定の高さ寸法H2の分の樹脂材9が除去される。ここでは、凹部5内の樹脂材9(9b)の全部を除去することは行なわず、凹部5内に樹脂材9(9b)のうちの一部9cが残留するように、レーザ光L2によって凹部5内の樹脂材9を除去する。樹脂材9の材質や樹脂材9のサイズ(凹部5の幅寸法W1等)に応じて、樹脂材9を所望の程度に残留させられるように、レーザ光L2の波長、出力、レーザ径、照射時間などが最適化される。
(メッキ工程)
図6に示すように、樹脂材9の一部9cが凹部5の内側に残留するようなかたちで凹部5内の樹脂材9を除去した後、すなわちレーザ光照射工程の後に、リードフレーム1にメッキ処理を行なう。これによって、リードフレーム1のダイパッド2(図示せず)の裏面1b、リードフレーム1のタイバー4の裏面1b、および内壁面4wに、メッキ層10が形成される。
図6に示すように、樹脂材9の一部9cが凹部5の内側に残留するようなかたちで凹部5内の樹脂材9を除去した後、すなわちレーザ光照射工程の後に、リードフレーム1にメッキ処理を行なう。これによって、リードフレーム1のダイパッド2(図示せず)の裏面1b、リードフレーム1のタイバー4の裏面1b、および内壁面4wに、メッキ層10が形成される。
メッキ層10の材料としては、実装に用いられるはんだ材料に応じて、はんだ濡れ性が良好な材料を選定することができる。例えば、Sn(錫)系のはんだを用いる場合には、錫(Sn)、錫-銅合金(Sn-Cu)、錫-銀合金(Sn-Ag)、錫-ビスマス(Sn-Bi)などを用いることができ、リードフレーム1側の下地にNiを用いた積層体のメッキ層10とすることもできる。メッキ工程においては、リードフレーム1に所定の洗浄処理を行なってからメッキ処理を行なうとよい。メッキ工程の前処理のリードフレーム1の表面処理として、洗浄処理に加え、酸化膜の除去、表面活性化などのための処理を行なってもよい。
(切断工程)
図7に示すように、リードフレーム1にメッキ処理を行なった後、リードフレーム1(タイバー4)のうちの凹部5の底面4v(凹部5を形成している部分4b)を、凹部5内の樹脂材9の一部9cとともに切断する。この切断工程では、ブレード12を用いて、樹脂材9の一部9c、リードフレーム1(タイバー4)の部分4b、および、リードフレーム1よりも表面9aの側に位置する樹脂材9を切断する。ブレード12の幅寸法W2は、凹部5の幅寸法W1(図1,図2,図5)よりも小さい値である。
図7に示すように、リードフレーム1にメッキ処理を行なった後、リードフレーム1(タイバー4)のうちの凹部5の底面4v(凹部5を形成している部分4b)を、凹部5内の樹脂材9の一部9cとともに切断する。この切断工程では、ブレード12を用いて、樹脂材9の一部9c、リードフレーム1(タイバー4)の部分4b、および、リードフレーム1よりも表面9aの側に位置する樹脂材9を切断する。ブレード12の幅寸法W2は、凹部5の幅寸法W1(図1,図2,図5)よりも小さい値である。
切断工程の実施により、複数の半導体装置11が得られる。半導体装置11における切断によって形成された端面には、樹脂端面9t,9sおよび金属端面4tが露出している。樹脂端面9tは、樹脂材9の一部9cを切断することによって形成されており、樹脂端面9sは、リードフレーム1よりも表面9aの側に位置する樹脂材9を切断することによって形成されている。金属端面4tは、リードフレーム1(タイバー4)の底面4v(凹部5を形成している部分4b)を切断することによって形成されている。
図8は、実施の形態の製造方法によって得られた半導体装置11を示す斜視図であり、図9は、半導体装置11を拡大して示す斜視図である。図8および図9に示すように、半導体装置11は、平面視した場合に製品の外部に電気的接続用のリードが突出していないQFNタイプのノンリード型の製品である。凹部5(図7参照)の内側、すなわち内壁面4wと底面4vとの間の角部の上には、樹脂材9の一部9cが残留したままとなっている。
図10に示すように、半導体装置11においては、各リード3の側部(片部)に段差が形成されており、リード3の金属端面4tにおいては、メッキ層10が形成されておらず元の金属が露出している。半導体装置11は例えば、リード3の側を下にして、プリント基板に実装される。プリント基板には、リード3に対応する位置にランド13が形成されており、はんだ14を介してリード3とランド13とが電気的に接続される。
半導体装置11においては、リード3の側部(片部)に形成された段差に、はんだ14のフィレットが形成されており、このフィレットの形状の状態に基づいて、はんだ接続が適切になされているかどうかを容易に判断することが可能である。
(作用及び効果)
以下、上述の実施の形態から得られる作用および効果について、図11、図12に示す比較例と対比しながら説明する。図11は、比較例における半導体装置の製造方法において、メッキ工程が行なわれた後の様子を示す断面図である。
以下、上述の実施の形態から得られる作用および効果について、図11、図12に示す比較例と対比しながら説明する。図11は、比較例における半導体装置の製造方法において、メッキ工程が行なわれた後の様子を示す断面図である。
図11に示すように比較例の場合、リードフレーム1に設けた凹部5にレーザ光を照射することにより、凹部5に充填されていた樹脂材9(図11において不図示)のすべてが除去され、その後、リードフレーム1に対してメッキ層10が形成されている。
図11に示す状態において切断工程を実施した場合、リードフレーム1(タイバー4)の部分4b(凹部5の底面4v)と、リードフレーム1よりも表面9aの側に位置する樹脂材9とが切断される。この際、タイバー4の部分4bの裏面1bの側(図11紙面内において、タイバー4の部分4b(底面4v)の上側)には、実施の形態の場合とは異なり、樹脂(樹脂材9の一部9c)が存在していない。
図12に示すように、ブレード12による切断を実施する際、タイバー4の部分4bのうち、ブレード12の切断によって形成される端面上に、バリ19の発生に対して抵抗となり得るものが何も存在していない。比較例の場合、実施の形態の場合に比べて、切断工程によってバリ19が発生しやすく、したがって図12に示すように、比較例の製造方法で作製された半導体装置11yにおいては、バリ19がリードフレーム1の高さ方向ARに延びて形成されている。冒頭でも述べたとおり、金属端面4tに種々の高さを有するバリ19が発生すると、バリ19の高さに応じて、実装高さおよび平坦度などがばらついてしまったり、実装強度が低下したりする可能性がある。
これに対して上述の実施の形態の場合には、ブレード12(図7参照)による切断を実施する際、タイバー4の部分4bのうち、ブレード12の切断によって形成される端面(図8における金属端面4tとなる部分)上に、樹脂材9の一部9c、あるいは樹脂材9の樹脂端面9tが存在している。樹脂材9の一部9cの存在は、バリ19の発生に対して抵抗となり得るため、比較例の場合に比べて、バリ19の発生を効果的に抑制することができ、実装高さおよび平坦度などがばらついてしまったり、実装強度が低下したりすることを、比較例の場合に比べて防止することが可能となっている。
好適な一例としては(図7参照)、リードフレーム1が切断工程において切断された状態で、リードフレーム1(タイバー4)における凹部5の底面4vと、凹部5内の樹脂材9の一部9bとが、リードフレーム1の高さ方向ARにおいて相互に重なっていることが好ましい。樹脂材9の一部9cが、金属端面4tに可能な限り近くに存在するように構成されている(凹部5の内側で残留している)ことにより、樹脂材9の一部9cがバリ19の発生に対してより効果的に抵抗となり得る。
同様な観点では(図7参照)、リードフレーム1が切断工程において切断された状態で、リードフレーム1(タイバー4)における凹部5を形成している部分4bの金属端面4tと、樹脂材9の一部9cに形成された樹脂端面9tとが、面一の関係を有していることも、バリ19の発生を抑制するという観点で有効である。樹脂材9の一部9cの樹脂端面9tが、金属端面4tに可能な限り近くに存在するように構成されている(凹部5の内側で残留している)ことにより、樹脂材9の一部9cがバリ19の発生に対してより効果的に抵抗となり得る。
図13は、別の比較例における半導体装置の製造方法によって得られた半導体装置が実装されている様子を示す断面図である。この別の比較例においては、レーザ光照射工程が実施されておらず、凹部5の内側に重点された樹脂材9が全く除去されていない。このようにして作製された半導体装置11zにおいては、凹部5の内側に、樹脂材9(9b)が充填された状態のまま残留しており、切断工程においてバリの発生に対して樹脂材9(9b)は抵抗となりえる。
しかしながら半導体装置11zの場合、リード3の側部(片部)にほとんど段差が形成されておらず、はんだ14のフィレットが形成されにくく、フィレットの形状の状態に基づいて、はんだ接続が適切になされているかどうかを判断することが容易ではない。この点に関しても、上述の実施の形態によれば(図10参照)、リード3の側部(片部)に形成された段差にはんだ14のフィレットが適切に形成されやすく、フィレットの状態に基づいて、はんだ接続が適切になされているかどうかを容易に判断することが可能である。
[実施の形態の変形例]
(変形例1)
上述の実施の形態においては、図2および図3に示したように、樹脂封止工程の前に、リードフレーム1の凹部5側に保護フィルム8(例えばポリイミド樹脂テープ)を貼り付けて、保護フィルム8を貼り付けた上で樹脂封止を行なっている。このような構成は必須ではない。例えば、樹脂封止工程の前にプレモールド(事前樹脂封止)されたリードフレームを用いて、保護フィルム8などのテープを貼り付けることなく、樹脂封止工程を実施することが可能である。
(変形例1)
上述の実施の形態においては、図2および図3に示したように、樹脂封止工程の前に、リードフレーム1の凹部5側に保護フィルム8(例えばポリイミド樹脂テープ)を貼り付けて、保護フィルム8を貼り付けた上で樹脂封止を行なっている。このような構成は必須ではない。例えば、樹脂封止工程の前にプレモールド(事前樹脂封止)されたリードフレームを用いて、保護フィルム8などのテープを貼り付けることなく、樹脂封止工程を実施することが可能である。
(変形例2)
上述の実施の形態においては、レーザ光照射工程の後にリードフレーム1にメッキ処理を行ない、メッキ層10(図6)をリードフレーム1の裏面1bなどに形成する。このような構成も必須ではない。すなわち、リードフレーム1に半導体チップ6をボンディングする前の状態で、リードフレーム1に予めメッキ層が形成されたものを用いることも有効である。換言すると、樹脂封止工程では、メッキ処理が既に施されたリードフレーム1を用いてもよい。予めメッキ処理をしたリードフレーム1を用いる場合は、メッキの材質として、Snではなく、耐熱温度が高いPd(Pd-PPF)を用いるとよい。
上述の実施の形態においては、レーザ光照射工程の後にリードフレーム1にメッキ処理を行ない、メッキ層10(図6)をリードフレーム1の裏面1bなどに形成する。このような構成も必須ではない。すなわち、リードフレーム1に半導体チップ6をボンディングする前の状態で、リードフレーム1に予めメッキ層が形成されたものを用いることも有効である。換言すると、樹脂封止工程では、メッキ処理が既に施されたリードフレーム1を用いてもよい。予めメッキ処理をしたリードフレーム1を用いる場合は、メッキの材質として、Snではなく、耐熱温度が高いPd(Pd-PPF)を用いるとよい。
図14は、実施の形態の変形例における半導体装置の製造方法において、レーザ光照射工程を行なっている様子を示す断面図である。リードフレーム1に予めメッキ層10a(図14)が形成されたものを用いた場合には、図14に示すようなレーザ光照射工程を実施した後に、リードフレーム1に、メッキ処理を行なうことは必須ではなくなる。なお、リードフレーム1に予めメッキ層10aが形成されている場合であっても、レーザ光照射工程において凹部5内に樹脂材9の一部9cが残留しているので、レーザ光の照射によるメッキ層10aの破損を抑制できる。
図14に示すように、樹脂材9の一部9cが残留するようにレーザ光照射工程を実施した後、そのまま切断工程へと移行することが可能になる。メッキ用の設備にパッケージを移送してメッキ処理を行ない、そこから切断装置にパッケージを移送するという工数の分、製造に要する時間を短縮することが可能となり、あるいはメッキ処理以外の製造に要する必要な設備を連続して配置することが可能となり、ひいては生産性を向上させることが可能となる。
[実験例]
図15は、実施の形態に関して行った実験例の条件を説明するための断面図である。図16は、この実験例の結果を示す表である。図15に示すように、リードフレーム1には、高さ方向ARに凹む凹部5が形成されており、凹部5(ここでは内壁面4wと同義)は、高さ方向ARにおいて高さ寸法H1を有している。
図15は、実施の形態に関して行った実験例の条件を説明するための断面図である。図16は、この実験例の結果を示す表である。図15に示すように、リードフレーム1には、高さ方向ARに凹む凹部5が形成されており、凹部5(ここでは内壁面4wと同義)は、高さ方向ARにおいて高さ寸法H1を有している。
リードフレーム1が切断工程において切断された状態では、凹部5内に残存している樹脂材9の一部9cは、切断によって露出した樹脂端面9tを有している。高さ方向ARにおいて、樹脂材9の一部9c(凹部5内に残存している樹脂材)の樹脂端面9tは、高さ寸法H3を有しており、幅方向において、樹脂材9の一部9c(凹部5内に残存している樹脂材)は、幅寸法W3を有している。
凹部5の高さ寸法H1と、凹部5内に残存している樹脂材の樹脂端面9tの高さ寸法H3と、凹部5内に残存している樹脂材の幅寸法W3との関係が、バリの発生にどのように影響するかを実験により検証したところ、図16に示すような結果が得られた。バリの発生の程度が一番小さかった場合を評価Aとし、バリの発生の程度が大きくなるにつれて、評価B、評価C、評価Dを付与した。なお、ここでは、凹部5の幅寸法W1(図5参照)は440μmとし、凹部5の高さ寸法H1は、100μmとした。
図16に示すように、凹部5内に残存している樹脂材の高さ寸法H3が80μmになるように設定し、凹部5内に残存している樹脂材の幅寸法W3がそれぞれ0μm、10μm、20μmになるように設定した場合には、評価D、B、Aがそれぞれ得られた。なお、凹部5内に残存している樹脂材の幅寸法W3が0μmである場合とは、凹部5内の樹脂材を全部除去していることと同義である。
図16に示すように、凹部5内に残存している樹脂材の高さ寸法H3が50μmになるように設定し、凹部5内に残存している樹脂材の幅寸法W3がそれぞれ0μm、10μm、20μmになるように設定した場合には、評価D、C、Cがそれぞれ得られた。
図16に示すように、凹部5内に残存している樹脂材の高さ寸法H3を0μmになるように設定した場合、つまり凹部5内の樹脂がすべて除去された状態では、評価Dが得られた。
図16に示す実験結果によれば、凹部5内に残存している樹脂材の幅寸法W3は、0μm(すなわち、凹部5内に樹脂が残存していない)の場合に比べて、10μmの場合の方がバリの発生を抑制でき、20μmの場合にはさらにバリの発生を抑制できることがわかる。凹部5内に残存している樹脂材の幅寸法W3が小さいと、ダイシング時にブレードが内壁面4w上のメッキ層10に接触し、メッキ伸びが発生することが考えられる。この観点からは、凹部5内に残存している樹脂材の幅寸法W3は、ある程度の大きさで確保しておくことが好ましいといえる。
図16に示す実験結果によれば、凹部5内に残存している樹脂材の樹脂端面9tの高さ寸法H3に着目した場合には、すなわち、リードフレーム1が切断工程において切断された状態では、凹部5内の樹脂材9の一部9bは、切断によって形成された樹脂端面9tを有しており、高さ方向ARにおける凹部5の高さ寸法H1(100μm)に対し、高さ方向ARにおける樹脂端面9tの高さ寸法H3が50μm以上80μm以下の大きさである場合に、評価C以上を得ることができる。凹部5の高さ寸法H1に対して樹脂端面9tの高さ寸法H3が50%以上80%以下の大きさであることが、バリの発生を抑制するという観点から好ましいといえる。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 リードフレーム、1a,9a 表面、1b 裏面、2 ダイパッド、3 リード、4 タイバー、4b 部分、4t 金属端面、4v 底面、4w 内壁面、5 凹部、6 半導体チップ、7 ボンディングワイヤ、8 保護フィルム、9 樹脂材、9b,9c 一部、9s,9t 樹脂端面、10,10a メッキ層、11,11y,11z 半導体装置、12 ブレード、13 ランド、14 はんだ、19 バリ、A,B,C,D 評価、AR 高さ方向、H1,H2,H3 高さ寸法、L2 レーザ光、W1,W2,W3 幅寸法。
Claims (7)
- 凹部が形成されたリードフレームに半導体チップがボンディングされた状態で、前記半導体チップを樹脂材により封止する樹脂封止工程と、
前記凹部に向かってレーザ光を照射し、前記凹部内に前記樹脂材の一部が残留するように前記レーザ光により前記凹部内の前記樹脂材を除去するレーザ光照射工程と、
前記リードフレームのうちの前記凹部の底面を、前記凹部内の前記樹脂材の前記一部とともに切断する切断工程と、を含む、
半導体装置の製造方法。 - 前記樹脂封止工程では、メッキ処理が施された前記リードフレームを用いる、
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記レーザ光照射工程の後に、前記リードフレームにメッキ処理を行なうメッキ工程をさらに含む、
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記リードフレームが前記切断工程において切断された状態では、前記リードフレームにおける前記凹部の前記底面と、前記凹部内の前記樹脂材の前記一部とが、前記リードフレームの高さ方向において相互に重なっている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記リードフレームが前記切断工程において切断された状態では、
前記凹部内の前記樹脂材の前記一部は、切断によって形成された樹脂端面を有しており、
前記凹部の高さ寸法に対し、前記樹脂端面の高さ寸法は、50%以上80%以下の大きさである、
請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。 - 凹部が形成されたリードフレームと、
前記リードフレームにボンディングされ、樹脂材によって樹脂封止された半導体チップと、
を備え、前記リードフレームのうちの前記凹部の底面が切断されることで作製された、半導体装置であって、
前記リードフレームにおける前記凹部の前記底面と、前記凹部内の前記樹脂材とが、前記リードフレームの高さ方向において相互に重なっている、
半導体装置。 - 前記凹部内の前記樹脂材は、切断によって形成された樹脂端面を有し、
前記凹部の高さ寸法に対し、前記樹脂端面の高さ寸法は、50%以上80%以下の大きさである、
請求項6に記載の半導体装置。
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