JP2023043384A - 粉体およびこれを用いた積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機材料を基材とする金属酸化物のコーティングに対して、簡単に強靱な金属酸化物表面を生成できる粉体を提供する。【解決手段】金属酸化物を含む粉体であって、かつ下記条件(1)および(2)を満足する粉体。(1)レーザ回折・散乱方式による体積基準の粒度分布測定により得られる頻度分布曲線において、0.1μm以上5μm未満、および、5μm以上50μm未満の範囲に粒径のピークトップを有する;(2)タップかさ密度と初期かさ密度の差が次の関係を有する。0.88g/cm3≦(タップかさ密度-初期かさ密度)≦0.94g/cm3【選択図】図1

Description

本発明は粉体およびこれを用いた積層体に関する。
常温で基材表面にセラミック層を形成する方法としてエアロゾルデポジッション法(AD法)が知られている。AD法はセラミックコーティングを施す基材にステンレス鋼や鉄などの金属材料やガラスを用いるのが一般であるが、近年、樹脂材料へのセラミックコーティング技術が開発されている。
樹脂材料へのセラミックコーティングでは基材に対するセラミック材料の接着性が十分であることが必要とされる。また、セラミックコーティング膜はバルクセラミックの性能に見合う強靱性が求められる。こうした樹脂材料へのセラミックコーティング技術を工業製品へ適応するとき、接着性とコーティング表面の強靱性を高める課題が残されていた。
国際公開WO2017/199968号パンフレット(特許文献1)によれば、1次無機粒子と有機ポリマーが共有結合する有機無機ハイブリッド部材を有機材料の基材へ中間層として設け、その中間層の上に無機材料からなる2次粒子の集合体層を形成することが提案されている。2次粒子の集合体層とはセラミック層と読み替えることができる。AD法によるセラミックコーティングに当たり、この中間層は、(1)樹脂基材の持つ弾性によって吹き付けられる無機粒子の弾きを抑制すること、(2)AD法によるセラミックコーティングにおける基材のブラスト耐性を強化すること、(3)基材のアンカー効果を改良する設計が施されている。有機無機ハイブリッド材料はアルコキシシランとポリアミック酸、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、フェノール類との共重合体が用いられている。
国際公開WO2018/194064号パンフレット(特許文献2)によれば、上記の基材と中間層の間に更にプライマーとも言える応力緩和層を形成することが提案されている。無機層を成膜する時に膜の収縮が生じると基材から無機層が剥がれてしまう。応力緩和層はこの剥離を防ぐ材料の粘弾性を設計することでセラミック層の剥離とクラックの生じない効果が得られている。
樹脂材料へのセラミックコーティングはこうした基材側の改良のみならず成膜されるセラミック材料の改良も重要である。
これに対し、特開2020-180346号公報(特許文献3)によれば、硬度の異なるセラミック材料を混合使用することでセラミック層の成膜で生じる残留圧縮応力を抑制したり、変形しやすい粒子が硬い粒子の隙間を埋めたりする作用が開示されている。こうして剥離しにくいセラミック積層体が製造されている。
特開2017-179421号公報(特許文献4)によれば、ジルコニア粉末を粉砕して生じる微粉と削られた粉体との集合体について、これら二つの粒度分布を特定の比率に調整することで基材上に数十μm以上の厚膜化と白色のジルコニア膜を成膜ができるようにしている。
特開2008-56948号公報(特許文献5)によれば、セラミック粉体に熱衝撃を加えることでセラミック粉体の微粒子表面および内部にクラックや応力歪を付与できることが提案されている。熱衝撃とはセラミック粉体を500℃~1100℃で10分間以上保持した後、急冷する処理である。その結果、AD法によるセラミックコーティングにおける基材との衝突時にセラミック粉体は微細化し易くなり、セラミック層の成膜効率が向上できる。
AD法によって生成される金属酸化物表面の強靱化は、成膜に供する粉体材料、基材、成膜条件によって変化するために条件を一義的に決定できない。強靱性を得るための成膜条件は個々の材料に応じたピンポイントの条件を見いだす必要がある。特に基材に有機材料を選ぶ場合はこうした条件が更に狭くなり成立点がないことも考えられる。このため、粉体材料、基材、成膜条件についてAD法の利用を可能にする成立条件の余裕度を拡げる技術開発が求められていた。
本発明の目的は、金属酸化物のコーティングに対して、簡単に強靱な金属酸化物表面を生成できる粉体を提供することである。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
金属酸化物を含む粉体であって、かつ下記条件(1)および(2)を満足する粉体。
(1)レーザ回折・散乱方式による体積基準の粒度分布測定により得られる頻度分布曲線において、0.1μm以上5μm未満、および、5μm以上50μm未満の範囲に粒径のピークトップを有する。
(2)タップかさ密度と初期かさ密度の差が次の関係を有する。
0.88g/cm≦(タップかさ密度-初期かさ密度)≦0.94g/cm
本発明によれば、金属酸化物のコーティングに対して、簡単に強靱な金属酸化物表面を生成できる粉体を提供することができる。
AD法におけるセラミックコーティングの機構を説明するための模式図である。 金属酸化物粉体の粒度分布の一例である。 金属酸化物粉体の別の粒度分布の一例である。 本発明の積層体の一例であるペロブスカイト型太陽電池を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
上述のように、本発明の粉体は金属酸化物を含むものであり、下記条件(1)および(2)を満足する必要がある。
(1)レーザ回折・散乱方式による体積基準の粒度分布測定により得られる頻度分布曲線において、
0.1μm以上5μm未満、および、5μm以上50μm未満の範囲に粒径のピークトップを有する。
(2)タップかさ密度と初期かさ密度の差が次の関係を有する。
0.88g/cm≦(タップかさ密度-初期かさ密度)≦0.94g/cm
本発明の粉体によれば、ガラス、金属、セラミックのような無機材料と一線を画す柔らかく脆弱な有機材料を基材とする金属酸化物のコーティングに対して、簡単に強靱な金属酸化物表面を生成できる。
本発明の粉体は、AD法によるセラミックコーティングに適用できる。特にAD法において、有機材料の基材に対して金属酸化物を強靭にコーティングできる材料として有利に用いられる。
AD法によるセラミックコーティングの機構は図1を用いて以下のように説明することができる。すなわち、AD法で基材(Substrate)に噴射(Spraying)されたセラミック粒子11は、衝突および衝撃(Impact)によりクラック12が生じる(図1a~b)。次いで、粒子は微細に破砕され(Crushing)、破砕された粒子の破断面に活性な新生面13が生成される(図1c)。このような新生面3を有する微細な結晶破片は慣性モーメントと衝突圧力によって基板上で移動したり、回転したりすることで緻密化(Densification)が進み(図1d)、新生面同士が再結合し、固化(Consolidation)する(図1e)。
図1は、AD法によりセラミック粒子1が成膜に至る現象を単純化した概念図である。セラミックの膜は図1のa~eの順にシーケンシャルな状態変化によって形成されると理解できる。しかし、実際は図1のa~eの状態が混在していると考えられる。セラミックコーティングはこれらの状態の確率に応じて多様な様相を呈すると推定する。
図1aの噴射(Spraying)のフェーズにおいて、基材表面のエロージョン(浸食)について着目する。セラミック粒子1が基材に衝突する状態がサンドブラストと大差が無いとき、基材表面はエロージョンが進行する。サンドブラストはメディアサイズに応じてインパクトが異なるように、原料粉に供するセラミック粒子の粒径がエロージョンの進行度合いを決定すると考える。
セラミックコーティングを施す基材がガラスや金属と異なる脆弱な有機材料を対象にする場合にはとりわけこうしたエロージョンの対策は重要である。一方、セラミックコーティングが基材表面の強靱化を目的とする場合、基材表面に原料粉が付着するだけの状態では施工の意味をなさないことになる。よってAD法によるセラミックコーティングにおける基材のエロージョンと強靱な金属酸化物表面の生成を同時に成立する対策が必要となる。
本発明の粉体はこの対策に対する実験を重ねて得られたものであり、上記条件(1)および(2)を満たすものである。上記条件(1)の、「レーザ回折・散乱方式による体積基準の粒度分布測定により得られる頻度分布曲線において、0.1μm以上5μm未満、および、5μm以上50μm未満の範囲に粒径のピークトップを有する」ことを満たすことにより、基材表面への圧粉体の単なる付着と異なり力学的に強度の高い表面層を形成するだけでなく、セラミックコーティングの成膜効率に優れる効果が得られる。
また本発明の効果向上の観点から、前記条件(1)において、1μm以上2μm以下、および、10μm以上12μm以下の範囲に粒径のピークトップを有するのがさらに好ましい。前記条件(1)における粒度分布の調整は、セラミック粒子の仕込み時の粒径を調節することにより達成できる。その他、セラミック粒子を乾式分散機に投じ、乾式分散機の分散条件を調節することにより達成できる。
本発明において、上記条件(1)に示される粒度分布は、以下の条件により測定される。
レーザ回折・散乱方式の粒子径分布測定装置:MT3300EX II、マイクロトラック・ベル社製
測定方式:乾式
測定時における試料の分散に用いる圧力空気:0.15MPa
測定時における温湿度環境:23±1℃、50±3%RH
後述する実施例1で得られた粉体の粒度分布を図2に示す。図2では、1.8μm、および、11.6μmに前記条件(1)で言うピークトップが認められる。ここで言うピークトップとは、前記条件(1)の粒径の範囲内における最も高いピークを意味する。一方、図3は従来技術において、図2と同一材料の粉体であるもののセラミックコーティングが不良だった粒度分布を示している。前記条件(1)で言うピークトップは、一つしか認められない。
AD法によって生成される金属酸化物表面は原料粉のかさ密度に応じて強靭性が変わる。この性質はAD法で吹き付けるエアロゾルの粒子密度が膜質に作用していると思われるが詳細は不明である。かさ密度は日本工業規格JIS R1628-1997(ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法)に準じて算定される。
初期かさ密度はエアロゾル生成のしやすさと関係がある。タップかさ密度は成膜時の膜の緻密性に影響する。均一で強靭な金属酸化物表面をつくるには、これらの密度の変化に最適な範囲があることが分かった。本発明の粉体はこの効果に対する実験を重ねて得られたものである。すなわち、前記条件(2)に示すように、タップかさ密度と初期かさ密度の差が次の関係を有する粉体をAD法に供することで、これまでよりも簡単に均質で強靭な金属酸化物表面が得られる。
0.88g/cm≦(タップかさ密度-初期かさ密度)≦0.94g/cm
また本発明の効果向上の観点から、前記条件(2)において、前記初期かさ密度が0.9g/cm以上1.0g/cm以下であるのがさらに好ましい。また、前記条件(2)において、タップかさ密度-初期かさ密度は、0.89g/cm以上0.94g/cm以下がさらに好ましい。
かさ密度の調整は粉体の粒度の変更や、公知の添加剤の適量の導入により、容易に行うことができる。また、上記粉体の粒度の変更において、粉体の粒度の平均粒子径を小さくすると、かさ密度を小さくしやすい。したがってかさ密度を小さくするには平均粒子径の小さい原料粉を用いることができる。また、粉体を乾式分散機に投じ、分散時間ないし分散に用いる動力(電力)を大きくすることで回収する粉体の平均粒子径を小さくすることができる。上記添加剤はフュームドシリカ、フュームドアルミナ、フュームドチタニアなどを用いると有利である。
本発明の粉体に含まれる金属酸化物としては、とくに制限されないが、例えば、CoO、NiO、FeO、Bi、MoO、Cr、SrCu、CaO-Al、CuO、CuAlO、CuAlO、CuGaO、などが挙げられる。これらの中でも金属酸化物がアルミニウム元素および/または銅元素を含む形態が好ましい。
本発明の粉体は、前記金属酸化物を主成分とするものであるが、必要に応じて例えば流動化や固結防止性を改善するための公知の添加剤を適宜含むこともできる。
本発明の積層体は、本発明の粉体を含む層を設けたことを特徴とする。
図4は、本発明の積層体の一例であるペロブスカイト型太陽電池を示す説明図である。
図4に示すように、ペロブスカイト型太陽電池モジュール100は、第1の電極2a,2bと、緻密な電子輸送層(緻密層)3と、多孔質な電子輸送層(多孔質層)4と、ペロブスカイト層5と、ホール輸送層6と、第2の電極7a,7bとを有する光電変換素子を、第1の基板1上に有する。
なお、第1の電極2a,2bのいずれか、及び第2の電極7a,7bのいずれかは、電極取出し端子まで導通する貫通部8をそれぞれ有している。
更に、ペロブスカイト型太陽電池モジュール100には、第2の基板10が上記の光電変換素子を挟むように第1の基板1と対向して配置され、封止部材9が第1の基板1と第2の基板10の間に配置される。
ペロブスカイト型太陽電池モジュール100においては、延設された連続層であるホール輸送層6で、第1の電極2aと第1の電極2bとが隔てられている。
電子輸送層、ペロブスカイト層、ホール輸送層のいずれかを本発明の粉体を用いて形成することができる。
また、本発明の積層体は、有機材料を含む層上に、前記本発明の粉体を含む層を設けたものであることができる。本発明の粉体を含む層は、公知のエアロゾルデポジッション法(AD法)により設けることができる。
有機材料を含む層としては、例えばプラスチック基材が挙げられる。
本発明の粉体を含む層の厚みは、例えば0.1μm以上100μm以下、好ましくは0.3μm以上10μm以下である。
また本発明の積層体の好適な形態では、有機材料を含む層と、前記有機材料を含む層に接して、シリコーン化合物を含む層と、前記シリコーン化合物を含む層に接して、本発明の粉体を含む層と、を有する。
シリコーン化合物を含む層としては、ポリシロキサン構造を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ポリシロキサン構造を有する前記シリコーン含有層を有することで、本発明の粉体を含む層の剥離を防いだりする効果がある。
前記シリコーン化合物を含む層は、例えば、水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物を架橋させてなり、更に必要に応じて触媒、架橋剤、オルガノシリカゾル、シランカップリング剤、アクリルポリマー等の重合体などを含むことができる。
前記架橋の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加熱架橋が好ましい。
前記水酸基及び加水分解性基のいずれかを有する有機ケイ素化合物としては、例えば、アルコキシシリル基を有する化合物、アルコキシシリル基を有する化合物の部分加水分解縮合物、又はこれらの混合物などが挙げられる。
前記アルコキシシリル基を有する化合物としては、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、メチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、などが挙げられる。なお、これらの化合物に、エポキシ基、メタクリロイル基、又はビニル基を導入したものも使用可能である。
前記アルコキシシリル基を有する化合物の部分加水分解縮合物は、前記アルコキシシリル基を有する化合物に所定量の水、触媒等を添加して反応させる等の公知の方法により製造可能である。
前記シリコーン化合物を含む層の原料としては、市販品を用いることができ、具体的には、GR-COAT(ダイセル化学工業社製)、Glass Resin(オーエンスコーニング社製)、ヒートレスグラス(大橋化学工業社製)、NSC(日本精化社製)、ガラス原液GO150SX、GO200CL(ファイングラステクノロジー社製)、アルコキシシリル化合物にアクリル樹脂やポリエステル樹脂を共重合したものとして、MKCシリケート(三菱化学社製)、シリケート/アクリルワニスXP-1030-1(大日本色材工業社製)、NSC-5506(日本精化株式会社製)などが挙げられる。
前記シリコーン含有層は、クラック防止を目的として、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリヘキシルエトキシシラン等のモノアルコシキシシランを構成成分として含むことができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。なお「部」とあるのは特記しない限り質量部を意味する。
(実施例1)
基材表面にドクターブレードで中間層塗工液を塗布し、次いで加熱乾燥することで基材表面に厚み2μmの中間層を形成した。この中間層に向けてエアロゾルデポジッション(AD法)で金属酸化物を原料とする粉体を吹き付けた。こうして金属酸化物で形成される最表面層を設けた金属酸化物有機物ハイブリッド部材を得た。
各層の成膜条件と成膜に用いた材料は次の通りである。
(中間層の塗布条件)
ドクターブレード(YD型、ミツトヨ精機)を用いて塗料を掃引することで成膜した。掃引時の基材とドクターブレードの隙間は50μmとした。
(中間層の加熱乾燥条件)
75℃の温度で20分間加熱乾燥した後、120℃の温度で20分間の加熱乾燥をした。
(基材)
・ポリエステルフィルム(ルミラー75T60、東レ)
(中間層用塗工液)
以下の材料を容器に入れて混合攪拌して均質な混合液にした後、容器全体の体積について40%となるようにφ1mmのPSZボールを仕込み、混合液を120rpmの回転速度で18時間のボールミル分散処理を施した。
(中間層用塗工液の材料)
・シリコーンオリゴマー(KR401、信越化学)333部
・シリカ(AEROSIL NA50A、日本アエロジル)167部
・シクロペンタノン(東京化成工業)444部
・テトラヒドロフラン(三菱ケミカル)1556部
(AD法の成膜条件)
・粉体の水分量:0.2%以下(カールフィッシャー水分量計による測定値)
・粉体を容器へ仕込むときの露点温度:-50℃以下
・エアロゾル化ガス種: ドライエアー
・エアロゾル化ガス流量:5L/min(総量)
・成膜チャンバー内の真空度:50Pa
・ノズルと被膜サンプルの角度:90度
・ノズルと被膜サンプルの距離:15mm
・塗工速度:20mm/min
・塗工回数:6回(3往復)
(AD法に供する粉体)
粒状の金属酸化物1に粉体全量の0.2質量%となるよう添加剤を添加した混合物を用いた。
(粉体材料)
・金属酸化物1(銅アルミニウム酸化物)99.8部
・添加剤(レオロシール ZD30S、トクヤマ)0.2部
金属酸化物1は次のようにして製造した。
(金属酸化物粉体1の製造)
酸化銅(I)(NC-803、日本化学工業株式会社)2kgとアルミナ(AA-03、住友化学株式会社)1.43kgを混合し、1,100℃の温度で40時間加熱し、銅アルミニウム酸化物を得た。
これを乾式分散機(ドライスターSDA1、アシザワ・ファインテック株式会社製)により粉砕を行った。本発明の前記条件(1)で言う粒度分布が第一ピーク(0.1μm以上5μm未満)と第二ピーク(5μm以上50μm未満)の2つのピークを持つよう粉砕条件を整えた。
前記条件(1)に示される粒度分布は、以下の条件により測定した。
レーザ回折・散乱方式の粒子径分布測定装置:MT3300EX II、マイクロトラック・ベル社製
測定方式:乾式
測定時における試料の分散に用いる圧力空気:0.15MPa
測定時における温湿度環境:23±1℃、50±3%RH
また、前記条件(2)におけるタップかさ密度および初期かさ密度は、JIS R1628-1997(ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法)に従い求めた。
(実施例2)
実施例1で用いたAD法に供する粉体を以下のものに変えた以外は実施例1と同様にして金属酸化物有機物ハイブリッド部材を得た。
(粉体材料)
・金属酸化物1(銅アルミニウム酸化物)99.5部
・添加剤(レオロシール ZD30S、トクヤマ)0.5部
(実施例3)
実施例1で用いたAD法に供する粉体を以下のものに変えた以外は実施例1と同様にして金属酸化物有機物ハイブリッド部材を得た。
(粉体材料)
・金属酸化物1(銅アルミニウム酸化物)99.0部
・添加剤(レオロシール ZD30S、トクヤマ)1.0部
(比較例1)
実施例1で用いたAD法に供する粉体を以下のものに変えた以外は実施例1と同様にして金属酸化物有機物ハイブリッド部材を得た。
(粉体材料)
・金属酸化物1(銅アルミニウム酸化物)100.0部
(比較例2)
実施例1で用いたAD法に供する粉体を以下のものに変えた以外は実施例1と同様にして金属酸化物有機物ハイブリッド部材を得た。
(粉体材料)
・金属酸化物1(銅アルミニウム酸化物)98.0部
・添加剤(レオロシール ZD30S、トクヤマ)2.0部
以上の実施例1~実施例3、比較例1~比較例2の金属酸化物有機物ハイブリッド部材をスクラッチ試験に供した。スクラッチ試験後、共焦点顕微鏡でスクラッチ部位を観測し、試験で生じる溝の深さを評価した。
溝の深さはスクラッチ試験のスタイラスの設定荷重に応じて変化する。この荷重に対する溝深さの変化率を以下の近似直線から得られる係数αを評価指標とした。
溝の深さ = α×(荷重)+切片 (式1)
(スクラッチ試験)
・試験器:超薄膜スクラッチ試験機CSR-2000(レスカ)
・スクラッチ速度:10μm/s
・バネ定数:100g/mm
・スタイラス径:5μmR
・励振レベル:100μm
・励振周波数:45Hz
・設定荷重:5、7、9、11、13、15(mN)
(溝深さの観測)
・試験器:共焦点顕微鏡OPTELICS H-1200(レーザーテック)
・レンズ倍率:50倍
・光源:白色
評価結果を次の表に記す。表1は本発明の前記条件(1)における粒度分布を示している。表2は、本発明の前記条件(2)におけるかさ密度を示している。表3は積層体のスクラッチ試験結果である。
Figure 2023043384000002
Figure 2023043384000003
Figure 2023043384000004
実施例1、実施例2、実施例3の金属酸化物有機物ハイブリッド部材は比較例1と比較例2の部材よりも強靱である。
これらの部材のスクラッチ試験から実施例2の金属酸化物有機物ハイブリッド部材が最も強靱であった。上記実施例および比較例から、「(タップかさ密度-初期かさ密度)」が最終製品として得られる部材の金属酸化物表面の強靱性を左右している。すなわち、本発明における「(タップかさ密度-初期かさ密度)」が0.88g/cm以上0.94g/cm以下であることが部材の強靱化に重要である。
1 第1の基板
2、2a、2b 第1の電極
3 緻密な電子輸送層(緻密層)
4 多孔質な電子輸送層(多孔質層)
5 ペロブスカイト層
6 ホール輸送層
7、7a、7b 第2の電極
8 貫通部
9 封止部材
10 第2の基板
100 光電変換モジュール
a、b 光電変換素子
11 セラミック粒子
12 クラック
13 新生面
国際公開WO2017/199968号パンフレット 国際公開WO2018/194064号パンフレット 特開2020-180346号公報 特開2017-179421号公報 特開2008-056948号公報

Claims (8)

  1. 金属酸化物を含む粉体であって、かつ下記条件(1)および(2)を満足する粉体。
    (1)レーザ回折・散乱方式による体積基準の粒度分布測定により得られる頻度分布曲線において、0.1μm以上5μm未満、および、5μm以上50μm未満の範囲に粒径のピークトップを有する。
    (2)タップかさ密度と初期かさ密度の差が次の関係を有する。
    0.88g/cm≦(タップかさ密度-初期かさ密度)≦0.94g/cm
  2. 前記条件(1)において、1μm以上2μm以下、および、10μm以上12μm以下の範囲に粒径のピークトップを有する請求項1に記載の粉体。
  3. 前記初期かさ密度が0.9g/cm以上1.0g/cm以下である請求項1または2に記載の粉体。
  4. 前記金属酸化物がアルミニウム元素および/または銅元素を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の粉体。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の粉体を含む層を設けた積層体。
  6. 有機材料を含む層上に、請求項1~4のいずれかに記載の粉体を含む層を設けた請求項5に記載の積層体。
  7. 有機材料を含む層と、
    前記有機材料を含む層に接して形成された、シリコーン化合物を含む層と、
    前記シリコーン化合物を含む層に接して形成された、請求項1~4のいずれかに記載の粉体を含む層と、
    を有する請求項6に記載の積層体。
  8. 有機材料を含む層上に、エアロゾルデポジッション法により請求項1~4のいずれかに記載の粉体を含む層を設ける工程を有する積層体の製造方法。

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