JP7265137B2 - セラミックス積層体の製造方法およびそれによって製造されたセラミックス積層体 - Google Patents

セラミックス積層体の製造方法およびそれによって製造されたセラミックス積層体 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックス積層体の製造方法およびそれによって製造されたセラミックス積層体に関し、より詳しくはエアロゾルデポジション法を用いた、改善された耐摩耗性を有しつつ、セラミックス膜が剥離しにくいセラミックス積層体の製造方法およびそれによって製造されたセラミックス積層体に関する。
優れた機械的特性、耐反応性、耐熱性、絶縁性、放熱性などを有するセラミックス膜を、金属、セラミックス、樹脂などの基材上に形成したセラミックス積層体は、耐摩耗性部材、耐食性部材、絶縁放熱部材をはじめとして幅広く用いられている。このようなセラミックス積層体のセラミックス膜に使用されるセラミックス材料としては、酸化アルミニウム(Al23)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si34)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、炭化珪素(SiC)、酸化イットリウム(Y23)、酸化珪素(SiO2)などが挙げられる。
前記セラミックス材料の中でも、窒化珪素は、高い強度および破壊靱性を有し、耐摩耗性、耐反応性、耐熱性、絶縁性、放熱性が優れているため、耐摩耗性部材、耐食性部材、絶縁放熱部材などによく用いられている。このような窒化珪素の優れた特性を最大限に発揮させるためには、セラミックス膜において窒化珪素相以外の第2相(粒界相)がなるべく少ないこと、なおかつ、空隙が少なく緻密であることが重要となる。
セラミックスは一般的に原料粉末を高温で焼結することによって製造される。この際、緻密化を促進するために焼結助剤がよく添加されるが、この焼結助剤は焼結体内に目的のセラミックス相ではない第2相を形成させてしまい、この第2相が母相セラミックスの機械的特性、耐反応性、耐熱性、絶縁性、放熱性などを低下させる場合がある。窒化珪素は各種セラミックスの中でも特に焼結が難しい難焼結性セラミックスとされており、酸化珪素や酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリウム、酸化アルミニウムなどの焼結助剤を添加しなければ、空隙の少ない緻密な焼結体を得ることは一般的に難しい。
窒化珪素相以外の第2相が少ないかまたは全くなく、なおかつ、緻密であるセラミックス膜および当該セラミックス膜を含むセラミックス積層体を作製する方法として、セラミックス成膜法の1つであるエアロゾルデポジション法が挙げられる。エアロゾルデポジション法とは、セラミックス微粒子をガスと混合してエアロゾル化し、減圧された成膜室内で基材上に高速噴射することで、基材上に緻密なセラミックス膜を常温で形成する技術である。噴射されたセラミックス微粒子は、基材に衝突する際に変形することにより、微粒子/基材間あるいは微粒子/微粒子間の新生面同士で化学結合を形成することができ、さらには膜の緻密化を実現することができる。また、特に微粒子/基材間では、微粒子が基材表面を削り、めり込むことによって凹凸のアンカー結合を形成することができる。
このようなエアロゾルデポジション法を用い、窒化珪素をセラミックス膜として形成したセラミックス積層体が幾つか提案されている(特許文献1~3を参照)。
より具体的には、特許文献1には、エアロゾルデポジション法を用いて金属層上にセラミックス膜が形成されたセラミックス積層体であって、前記セラミックス膜は、最小膜厚が1μm以上であり、窒化珪素および不可避不純物を含んでなり、窒化珪素の結晶粒が膜厚方向で平均粒径300nm以下、面内方向で平均粒径500nm以下であることを特徴とするセラミックス積層体が記載されている。また、特許文献1では、これにより、特に優れた熱サイクル信頼性、高い絶縁耐圧を有した絶縁放熱体を実現することができると記載されている。
特許文献2には、エアロゾルデポジション法を用いて金属製転動体の表面に窒化珪素のセラミックス被膜を形成した焼付防止転がり軸受が記載されている。また、特許文献2では、上記の焼付防止転がり軸受は、エアロゾルの存在下において金属製転動体に衝突または摺接等の機械的衝撃力を連続的に付加することによりセラミックス微粒子が積層されて緻密なセラミックス被膜が形成されているので優れた耐焼付き性を有し、さらに、セラミックス被膜を形成する原料として窒化珪素を用いることにより摩擦摩耗特性に優れると記載されている。
同様に、特許文献3には、エアロゾルデポジション法を用いてボール、ニードルローラ等の金属製転動体の表面に窒化珪素のセラミックス被膜を形成した等速ジョイントが記載されている。また、特許文献3では、上記の等速ジョイントは、エアロゾルの存在下において金属製転動体に衝突または摺接等の機械的衝撃力を連続的に付加することによりセラミックス微粒子が積層されて緻密なセラミックス被膜が形成されているので優れた耐焼付き性を有し、さらに、セラミックス被膜を形成する原料として窒化珪素を用いることにより摩擦摩耗特性に優れると記載されている。
国際公開第2017/150572号 特開2007-292104号公報 特開2007-298096号公報
窒化珪素粒子を用いたエアロゾルデポジション法によるセラミックス膜の成膜の際には、比較的硬度の高い窒化珪素粒子が成膜中のセラミックス膜に衝突して当該セラミックス膜に過度な残留圧縮応力が導入されることになるため、膜厚を厚くしたときには、このような残留圧縮応力に起因してセラミックス膜が剥離してしまうという問題が生じ得る。しかしながら、特許文献1~3のいずれにおいても、セラミックス膜の耐剥離性向上という観点からは必ずしも十分な検討はなされていない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、エアロゾルデポジション法を用いたセラミックス積層体の製造方法であって、セラミックス膜を構成する窒化珪素に起因する改善された耐摩耗性を維持しつつ、当該セラミックス膜が剥離しにくいセラミックス積層体の製造方法およびそれによって製造されたセラミックス積層体を提供することにある。
上記目的を達成する本発明は下記のとおりである。
(1)基材上にセラミックス膜が形成されたセラミックス積層体の製造方法であって、
α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末とβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末とを配合して、窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(αβ)が5wt%以上90wt%以下であり、残部がβ-窒化珪素である窒化珪素および不可避不純物を含んでなるαβ-窒化珪素粉末を形成する工程、ならびに
前記αβ-窒化珪素粉末を用いてエアロゾルデポジション法により基材上にセラミックス膜を形成する工程
を含むことを特徴とする、セラミックス積層体の製造方法。
(2)前記α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末のメディアン径D50(α)が、前記β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末のメディアン径D50(β)より小さいことを特徴とする、上記(1)に記載のセラミックス積層体の製造方法。
(3)前記αβ-窒化珪素粉末は、窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(αβ)が30wt%以上90wt%以下であり、残部がβ-窒化珪素である窒化珪素および不可避不純物を含んでなることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のセラミックス積層体の製造方法。
(4)前記αβ-窒化珪素粉末は、窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(αβ)が70wt%以上90wt%以下であり、残部がβ-窒化珪素である窒化珪素および不可避不純物を含んでなることを特徴とする、上記(3)に記載のセラミックス積層体の製造方法。
(5)上記(1)~(4)のいずれか1項に記載のセラミックス積層体の製造方法により製造されたことを特徴とする、セラミックス積層体。
(6)前記基材が金属材料であることを特徴とする、上記(5)に記載のセラミックス積層体。
(7)上記(6)に記載のセラミックス積層体から構成されることを特徴とする、耐摩耗性部材。
(8)上記(6)に記載のセラミックス積層体から構成されることを特徴とする、絶縁放熱部材。
本発明によれば、β-窒化珪素に比べて硬度が高いα-窒化珪素をセラミックス膜中に含有させることで改善された耐摩耗性を維持しつつ、α-窒化珪素に比べて硬度がより低いβ-窒化珪素を適度な割合で含有させることで、エアロゾルデポジション法によるセラミックス膜の成膜時に硬度が高いα-窒化珪素粒子が成膜中のセラミックス膜に衝突することによって当該セラミックス膜に生じる過度な残留圧縮応力の発生を抑制することができ、さらにはエアロゾルデポジション法による成膜の際に、より変形しやすいβ-窒化珪素粒子がより変形しにくいα-窒化珪素粒子の間を変形しながら埋めていくため、粒子/粒子間がより強固に密着した緻密なセラミックス膜を形成することができ、その結果としてセラミックス膜が剥離しにくいセラミックス積層体を製造することができる。
本発明の実施形態に係るセラミックス積層体の膜厚方向の断面の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法で用いられるエアロゾルデポジション装置の一例を示す概略図である。
<セラミックス積層体の製造方法>
本発明の実施形態に係る基材上にセラミックス膜が形成されたセラミックス積層体の製造方法は、
α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末とβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末とを配合して、窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(αβ)が5wt%以上90wt%以下であり、残部がβ-窒化珪素である窒化珪素および不可避不純物を含んでなるαβ-窒化珪素粉末を形成する工程、ならびに
前記αβ-窒化珪素粉末を用いてエアロゾルデポジション法により基材上にセラミックス膜を形成する工程
を含むことを特徴としている。
一般に、窒化珪素の結晶には、三方晶のα相(α-窒化珪素)と六方晶のβ相(β-窒化珪素)が存在することが知られている。さらに、α-窒化珪素は低温相、β-窒化珪素は高温相であり、1400~1600℃周辺でα-窒化珪素からβ-窒化珪素へ相変態が起こり始めることが知られている。加えて、α-窒化珪素は、β-窒化珪素に比べて、硬度が高く(α-窒化珪素:23.0GPa、β-窒化珪素:20.4GPa)、熱膨張係数が大きい(α-窒化珪素:3.64×10-6/℃、β-窒化珪素:3.39×10-6/℃)などといった特徴を有する。そのため、例えば硬度に注目すると、α-窒化珪素が窒化珪素中に一定以上含まれていれば、その窒化珪素は、全てβ-窒化珪素である窒化珪素と比べて、さらに硬度が高く、耐摩耗性に優れた窒化珪素とすることができると考えられる。しかしながら、一般的な窒化珪素の製造方法である焼結法では、緻密な焼結体とするために、先に述べたとおり、酸化イットリウムなどの焼結助剤が添加されるため、当該焼結助剤によって焼結体内に目的のセラミックス相ではない第2相が形成されてしまう場合がある。
さらに、焼結法では、焼結の際の高温下でα-窒化珪素がβ-窒化珪素として再析出するため、焼結法で製造した窒化珪素は、ほぼβ-窒化珪素となることが大半であり、α-窒化珪素を含有しつつ緻密な窒化珪素を製造することは極めて難しい。仮にα-窒化珪素を含有する窒化珪素焼結体を製造することができたとしても、その焼結体内には、当然ながら上記のように焼結助剤由来の第2相が形成されていることから、窒化珪素に基づく母相セラミックスの機械的特性、耐反応性、耐熱性、絶縁性、放熱性などを低下させてしまうという問題がある。一方で、焼結法に代えてエアロゾルデポジション法を使用した場合でも、先に述べたとおり、窒化珪素粒子を用いたエアロゾルデポジション法によるセラミックス膜の成膜の際には、比較的硬度の高い窒化珪素粒子が成膜中のセラミックス膜に衝突して当該セラミックス膜に過度な残留圧縮応力が導入されることになるため、膜厚を厚くしたときには、このような残留圧縮応力に起因してセラミックス膜が剥離してしまうという問題が生じ得る。
そこで、本発明者らは、エアロゾルデポジション法を用いてセラミックス積層体を製造する際に用いられる原料窒化珪素粉末の組成に着目して検討を行った。その結果、本発明者らは、α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末とβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末とを配合して窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(αβ)を所定の範囲、具体的には5wt%以上90wt%以下の範囲に制御し、残部をβ-窒化珪素としたαβ-窒化珪素粉末を形成し、次いで当該αβ-窒化珪素粉末を用いてエアロゾルデポジション法により基材上にセラミックス膜を形成することで、窒化珪素に起因する改善された耐摩耗性を維持しつつ、当該セラミックス膜が剥離しにくいセラミックス積層体を製造することができることを見出した。
何ら特定の理論に束縛されることを意図するものではないが、β-窒化珪素に比べて硬度が高いα-窒化珪素を5wt%以上含有させることで、得られるセラミックス積層体において改善された耐摩耗性を維持しつつ、α-窒化珪素に比べて硬度がより低いβ-窒化珪素を適度な割合で含有させることで、エアロゾルデポジション法によるセラミックス膜の成膜時に硬度が高いα-窒化珪素粒子が成膜中のセラミックス膜に衝突することによって当該セラミックス膜に生じる過度な残留圧縮応力の発生を抑制することができるものと考えられる。加えて、硬度がより高いすなわちより変形しにくいα-窒化珪素粒子と硬度がより低いすなわちより変形しやすいβ-窒化珪素粒子とを適度な割合で配合した混合粉末を用いてエアロゾルデポジション法により成膜することで、β-窒化珪素粒子がα-窒化珪素粒子の間を変形しながら埋めていくため、粒子/粒子間がより強固に密着した緻密なセラミックス膜を形成することが可能になると考えられる。
その結果として、本発明によれば、窒化珪素に起因する改善された耐摩耗性を維持しつつ、膜厚を厚くした場合、例えば膜厚を30μmまたはそれ以上の厚さにまで厚くした場合でさえ、セラミックス膜が剥離しにくいセラミックス積層体を製造することが可能になる。以下、本発明の実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法についてより詳しく説明する。
(1)用語の説明
(A)窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(wt%)
「窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα」とは、X線回折プロファイルの各回折線の積分強度から算出された窒化珪素中のα-窒化珪素の割合を指す。以下にWαの測定方法(ガザーラ法)を示す。X線回折装置による測定の条件は下記とする。
光学系:集中法
X線管球:銅(Cu)ターゲット
走査範囲:回折角2θ=18~45°が含まれる範囲
走査ステップ幅:0.01~0.04°の範囲内の値
計数時間:分析対象となる回折ピーク強度が平均で1000カウント程度得られる時間
得られたX線回折プロファイルに対して、バックグラウンド除去と擬フォークト関数によるフィッティングを行い、回折線の積分強度を求め、以下の式を用いて窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wαを算出する。
Figure 0007265137000001
ここで、
Figure 0007265137000002
であり、Iαj:測定したα相のj番目の回折線の積分強度、Iβj:測定したβ相のj番目の回折線の積分強度、Rαj:α相のj番目の回折線に対する規格化因子、Rβj:β相のj番目の回折線に対する規格化因子である。番号jと規格化因子Rは以下の表1の通りである。
Figure 0007265137000003
(B)α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末
「α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末」とは、(A)で説明される「窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα」が70wt%以上100wt%以下、例えば80wt%以上100wt%以下、90wt%以上100wt%以下、92wt%以上100wt%以下または94wt%以上100wt%以下であり、残部がβ-窒化珪素である窒化珪素および不可避不純物を含んでなる窒化珪素粉末を指す。本粉末に関する物性値を表す記号には、末尾に(α)を付与する。
(C)β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末
「β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末」とは、(A)で説明される「窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα」が0wt%以上30wt%以下、例えば0wt%以上20wt%以下、0wt%以上10wt%以下、0wt%以上5wt%以下または0wt%であり、残部がβ-窒化珪素である窒化珪素および不可避不純物を含んでなる窒化珪素粉末を指す。本粉末に関する物性値を表す記号には、末尾に(β)を付与する。
(D)αβ-窒化珪素粉末
「αβ-窒化珪素粉末」とは、(B)で説明される「α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末」と(C)で説明される「β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末」が配合された、窒化珪素(α-窒化珪素とβ-窒化珪素)および不可避不純物を含んでなる窒化珪素粉末である。加えて、前記「α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末」由来のα-窒化珪素の質量Mα(α)が、前記「β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末」由来のα-窒化珪素の質量Mα(β)よりも大きく、なおかつ、前記「β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末」由来のβ-窒化珪素の質量Mβ(β)が、前記「α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末」由来のβ-窒化珪素の質量Mβ(α)よりも大きいものを指す。本粉末に関する物性値を表す記号には、末尾に(αβ)を付与する。参考までに、「α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末」、「β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末」および「αβ-窒化珪素粉末」の関係を下表2に示す。
Figure 0007265137000004
(E)メディアン径D50
メディアン径D50とは、湿式のレーザー回折散乱式粒子径分布測定において、粉末の粒子径の小さい側からの粒子の積算体積が50%に達したときの粒子径(一次粒子径)を指す。測定の際には、分散剤を添加した水溶液中で超音波を照射して一次粒子の凝集体を十分に解砕してから測定を行う必要がある。
(2)セラミックス積層体の製造方法の具体的な説明
図1は、本発明の実施形態に係るセラミックス積層体の膜厚方向の断面の一例を示す概略図である。セラミックス積層体1は、基材2と、基材2上に積層されたセラミックス膜3とでなる。基材2は、任意の適切な形状を有することができ、特に限定されないが、実際上、基材2は、例えば、板状、円柱状、円筒状などの部材でなり、基材2の表面全体あるいは一部にセラミックス膜3が形成されている。
図2は、本発明の実施形態に係るセラミックス積層体の製造方法で用いられるエアロゾルデポジション装置の一例を示す概略図である。前記セラミックス積層体1を図2に例示するエアロゾルデポジション装置11を用いて製造する。図2のエアロゾルデポジション装置11は、エアロゾル化容器12と、成膜室13と、エアロゾル搬送管14と、真空ポンプ15と、ガス供給系16とを備える。エアロゾル化容器12と成膜室13は、エアロゾル搬送管14によって接続されている。真空ポンプ15は、成膜室13に接続されており、成膜室13内を減圧する。ガス供給系16とエアロゾル化容器12は、調整ガス配管18と巻上ガス配管19によって接続されている。
エアロゾル化容器12には、容器内部にセラミックス粉末(セラミックス微粒子からなる粉末)17が収容されており、巻上ガス配管19からセラミックス粉末17に窒素(N2)ガス、ヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス、酸素(O2)ガス、空気などの成膜ガスが巻上ガスとして供給され、エアロゾル化容器12内部空間にも調整ガス配管18から前記成膜ガスが調整ガスとして供給される。なお、エアロゾル化容器12には、セラミックス粉末17を撹拌するための振動機構(図示せず)と、セラミックス粉末17を乾燥するための加熱機構(図示せず)とが設けられている。
成膜室13の内部には、エアロゾル搬送管14のノズル口に対して、基材固定面が対向するようにステージ20が設けられている。基材2は、ステージ20の当該基材固定面に固定される。ステージ20には、ステージ20を動かすことでエアロゾルが基材2に当たる位置を変え、エアロゾルを基材2表面に繰り返し吹き付けるための水平駆動機構21が設けられている。
以上のような構成を有したエアロゾルデポジション装置11では、ガス供給系16からエアロゾル化容器12内に巻上ガス配管19を通じて成膜ガスを供給し、セラミックス微粒子を含むエアロゾルをエアロゾル化容器12内に生成する。このとき、エアロゾルデポジション装置11は、調整ガス配管18を通じてエアロゾル化容器12内に成膜ガスを供給し、調整ガス配管18と巻上ガス配管19から供給された成膜ガスにより、エアロゾル化容器12内のエアロゾルを、エアロゾル搬送管14を通じて成膜室13に供給する。
真空ポンプ15により減圧された成膜室13内では、エアロゾル搬送管14のノズル口からステージ20に固定された基材2に向けてエアロゾルが噴射される。この際、エアロゾルデポジション装置11は、水平駆動機構21によってステージ20を水平方向(図2中の矢印の方向)に往復移動させ、エアロゾル搬送管14のノズル口から噴射されたエアロゾルを、基材2の表面上に繰り返し吹き付けさせる。
エアロゾルデポジション装置11は、エアロゾルを基材2の表面に噴射し、そして基材2にセラミックス微粒子を衝突させることで、セラミックス微粒子を運動エネルギーによって変形させる。それにより、粒子/基材間あるいは粒子/粒子間の新生面同士の化学結合の形成および膜の緻密化が行われる。加えて、粒子/基材間では、セラミックス微粒子が基材表面を削り、セラミックス微粒子が基材にめり込むことによってアンカー効果を発揮する凹凸が形成されたセラミックス積層体が作製される。
エアロゾルデポジション法で成膜されたセラミックス膜3は、成膜に用いたセラミックス粉末17のセラミックス材料(相)によって構成される多結晶体であり、セラミックス膜3の結晶粒径はセラミックス材料(相)の種類にもよるが、数~数100nm程度と微細である。例えば、仮にセラミックス粉末17が2種類以上のセラミックス材料(相)から成る場合、前記セラミックス粉末17を用いて成膜されたセラミックス膜3は、膜内で2種類以上のセラミックス材料(相)が互いに微細に分散した形態をとる。
エアロゾルデポジション法によるセラミックス膜3の成膜においては、最適な成膜条件が存在する。そのなかでも特に、原料粉末であるセラミックス粉末17の粒子径の効果が大きく、最適な粒子径のセラミックス微粒子からなるセラミックス粉末17を用いて成膜しなければ成膜現象を起こすことができない。例えば、粒子径が大きすぎる場合、セラミックス微粒子が変形せずに、ブラストのように基材2を削り取ってしまい、成膜されない。粒子径が小さすぎる場合、セラミックス微粒子が成膜ガスに追従してしまうことにより、基材2にセラミックス微粒子が衝突しなくなり、成膜されない。一般的に、エアロゾルデポジション法で成膜が可能なセラミックス粉末17の粒子径の範囲は、0.1~10μm程度である。なお、前記粒子径は、エアロゾルとなって噴射される最終的なセラミックス粉末17のメディアン径を言うものである。また、成膜ガス流量(調整ガスと巻上ガスの合計流量)とノズル口サイズ(面積)によってほぼ決まる成膜ガス流速も、成膜に比較的寄与する因子である。成膜ガス流量(調整ガスと巻上ガスの合計流量)をノズル口サイズ(面積)で除した値を成膜ガス流速とすると、一般的に、エアロゾルデポジション法で成膜が可能な成膜ガス流速の範囲は、10~1000m/s程度である。
また、エアロゾルデポジション法で成膜されたセラミックス膜3には、以下で説明するピーニング効果により面内方向に残留圧縮応力が生じていることが多い。エアロゾルデポジション法による成膜において噴射されたエアロゾル中のセラミックス微粒子(衝突粒子)は、セラミックス膜の最表面で既に膜化しているセラミックス微粒子(被衝突粒子)に衝突する。その際、衝突粒子自身が変形するだけでなく、被衝突粒子をも変形させ得る。一方、被衝突粒子のセラミックス膜側あるいは基材側に接している部分は、セラミックス膜あるいは基材によって拘束されているため、その領域で残留圧縮応力が生じる。以上のような機構から、衝突粒子が硬いほど、あるいは、大きいほど被衝突粒子が変形されやすくなり、形成される残留圧縮応力も大きくなると考えられる。ピーニングによって付与される残留圧縮応力は、適度であればセラミックス膜内の亀裂の進展を抑制することもあるが、大きくなり過ぎると、セラミックス膜自身を破壊してしまうことがある。特にエアロゾルデポジション法による成膜においては、成膜の過程で上述の現象が繰り返されることによってセラミックス膜全体に残留圧縮応力が形成され得るため、セラミックス膜の破壊あるいは剥離が生じやすい。
本発明の実施形態に係るエアロゾルデポジション法によるセラミックス積層体の製造方法においては、セラミックス粉末17が、上記(D)で説明されるαβ-窒化珪素粉末であり、これに含まれる窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(αβ)が5wt%以上90wt%以下である。上述のように、α-窒化珪素は、β-窒化珪素よりも硬度が高い。そのため、α‐窒化珪素の割合Wα(αβ)を5wt%以上とすることで、硬度が高いα-窒化珪素が膜中に含まれるようになるため、硬度および耐摩耗性に優れたセラミックス膜3および当該セラミックス膜3を含むセラミックス積層体1を製造することできる。一方、α-窒化珪素の割合Wα(αβ)が5wt%未満、例えば4wt%以下の場合、硬度が高いα-窒化珪素が膜中に少なくなるため、耐摩耗性に優れたセラミックス積層体1を製造しにくくなる。αβ-窒化珪素粉末に含まれる窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(αβ)の下限値は、例えば10wt%以上、20wt%以上、30wt%以上、40wt%以上、50wt%以上、60wt%以上、70wt%以上または80wt%以上であってもよい。α-窒化珪素の割合Wα(αβ)をより大きくすることで、硬度が高いα-窒化珪素が膜中に増加するため、さらに硬度および耐摩耗性に優れたセラミックス積層体1を製造することができる。
また、α-窒化珪素の割合Wα(αβ)を90wt%以下とすることで、変形しにくいα-窒化珪素粒子の替わりに変形しやすいβ-窒化珪素粒子が増加し、α-窒化珪素粒子の間を変形しながら埋めていくため、粒子/粒子間がより強固に密着した緻密なセラミックス膜とすることができる。加えて、粒子がセラミックス膜に衝突するエアロゾルデポジション法による成膜時において、硬度が高いα-窒化珪素粒子を減らせるため、上述したピーニングによる面内方向の過度な残留圧縮応力がセラミックス膜に生じにくくなる。そのため、膜厚を大きくしても(例えば30μmなど)、セラミックス膜が剥離しにくいセラミックス積層体1を製造することができる。一方、α-窒化珪素の割合Wα(αβ)が90wt%超、例えば91wt%以上の場合、粒子/粒子間が強固に密着しにくいことに加え、ピーニングによる面内方向の過度な残留圧縮応力が生じてしまうため、膜厚を大きくした際に(例えば30μmなど)、セラミックス膜の剥離などの問題を引き起こすことがある。
また、α-窒化珪素とβ-窒化珪素は、お互いに弾性係数が異なる(α-窒化珪素の方がβ-窒化珪素より大きい)。そのため、α-窒化珪素の割合Wα(αβ)を5wt%以上90wt%以下とすることで、お互いに弾性係数が異なるα-窒化珪素とβ-窒化珪素の両方を膜中に分散させることできるため、膜中に微視的で複雑な応力場が形成され、優れた破壊靱性を有するセラミックス膜3およびセラミックス積層体1を製造することができる。
α-窒化珪素の割合Wαが明確にわかっているα-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末とβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末とを所定の割合で配合する方法を用いることにより、例えば高温(1400~1600℃)かつ窒素(N2)雰囲気の熱処理によりWαを調整するといった他の方法に比べて、少ない工程および低コストで目的のWαに調整することができる。
なお、α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末とβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末とを配合する方法としては、当業者に公知の任意の方法であってよく、特に限定されないが、エアロゾルデポジション装置11においてガスあるいは加振などによりエアロゾルを生成する際に2つの粉末粒子がお互いに混ざり合うため、例えば、エアロゾル化容器12にα-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末とβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末とをそれぞれ所定の質量分直接投入する方法であってもよいし、あるいは、粉末投入前に別容器や別装置で所定の質量のα-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末と所定の質量のβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末とを撹拌してからエアロゾル化容器12にαβ-窒化珪素粉末を投入する方法であってもよい。もちろん、粉末投入前に、2つの粉末粒子をお互いに確実に混ぜ合わすことができる乳鉢、ボールミル、ビーズミルなどを用いてαβ-窒化珪素粉末を準備して用いてもよい。
窒化珪素は、エアロゾルデポジション法でよく用いられるセラミックス材料の中でも変形しにくい部類のため、αβ-窒化珪素粉末のメディアン径D50(αβ)は、0.1μm以上2.0μm以下であることが望ましい。メディアン径D50(αβ)が2.0μmより大きい場合、基材あるいはセラミックス膜を削り取ってしまい、一方で0.1μmより小さい場合、粒子のガス追従により粒子が基材に衝突しなくなる恐れがある。また、成膜ガス流量(調整ガスと巻上ガスの合計流量)をノズル口サイズ(面積)で除した値を成膜ガス流速とすると、成膜ガス流速は、10m/s以上700m/s以下であることが望ましい。成膜ガス流速が700m/sより大きい場合、基材あるいはセラミックス膜を削り取ってしまい、10m/sより小さい場合、衝突・成膜に必要なエネルギーが十分に得られない恐れがある。
本発明のエアロゾルデポジション法によるセラミックス積層体の製造方法においては、α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末のメディアン径D50(α)が、β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末のメディアン径D50(β)より小さいことが望ましい。硬度が高いα-窒化珪素が大半を占めるα-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末のメディアン径D50(α)を、α-窒化珪素に比べて硬度が低いβ-窒化珪素が大半を占めるβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末のメディアン径D50(β)よりも小さくすることで、これらを配合して作製されたαβ-窒化珪素粉末に含まれる高硬度のα-窒化珪素粒子の粒子径が、同じくαβ-窒化珪素粉末に含まれる低硬度のβ-窒化珪素粒子よりも小さくなる。これにより、粒子がセラミックス膜に衝突するエアロゾルデポジション法による成膜時において、衝突粒子を「硬度は高いが粒子径は小さい」、あるいは、「粒子径は大きいが硬度は低い」という形態にすることができるため、セラミックス膜の最表面で既に膜化している被衝突粒子が衝突粒子によって変形されにくくなる。したがって、ピーニングによる面内方向の過度な残留圧縮応力がセラミックス膜に生じにくくなるため、摩耗時など成膜後に何らかの外部応力が負荷された際に、セラミックス膜の剥離が起こりにくいセラミックス積層体1とすることができる。このような効果をより確実にまたは十分に達成するためには、α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末のメディアン径D50(α)は、β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末のメディアン径D50(β)の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下または50%以下とすることが好ましい。一方、α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末のメディアン径D50(α)が、α-窒化珪素に比べて硬度が低いβ-窒化珪素が大半を占めるβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末のメディアン径D50(β)よりも大きい場合、衝突粒子の中に、硬度が高い上に粒子径が大きい粒子が出てくるため、被衝突粒子が変形されピーニングによる面内方向の残留圧縮応力が生じてしまい、外部応力が負荷された際に、セラミックス膜の剥離などの問題を引き起こすことがある。
なお、上記(D)で説明されるように、αβ-窒化珪素粉末においては、α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末由来のα-窒化珪素の質量Mα(α)が、β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末由来のα-窒化珪素の質量Mα(β)よりも大きく、なおかつ、β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末由来のβ-窒化珪素の質量Mβ(β)が、α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末由来のβ-窒化珪素の質量Mβ(α)よりも大きい。つまり、αβ-窒化珪素粉末に含まれるα-窒化珪素粒子とβ-窒化珪素粒子はそれぞれ、粒子径が制御されたものが質量(体積)で過半となっている。もし仮に前記条件を満たさない場合、例えば、αβ-窒化珪素粉末に含まれるβ-窒化珪素粒子が、配合前のα-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末に含まれていた微量のβ-窒化珪素粒子(粒子径が明確でないβ-窒化珪素粒子)となってしまう可能性がでてくる。
(3)セラミックス積層体
本発明の実施形態に係るセラミックス積層体は、上記で説明されたセラミックス積層体の製造方法により製造されたものである。したがって、本発明の実施形態に係るセラミックス積層体1は、セラミックス膜3が、成膜の際に用いられる原料粉末のαβ-窒化珪素粉末と同様に、窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(αβ)が5wt%以上90wt%以下であり、残部がβ-窒化珪素である窒化珪素および不可避不純物を含んでなる。α-窒化珪素の割合Wα(αβ)を5wt%以上とすることで、硬度が高いα-窒化珪素が膜中に含まれるようになるため、硬度および耐摩耗性に優れたセラミックス積層体1とすることができる。本発明の実施形態に係るセラミックス積層体1は、α-窒化珪素の割合Wαを好ましくは30wt%以上、さらに好ましくは70wt%以上としている。これにより、硬度が高いα-窒化珪素が膜中に増加するため、さらに硬度および耐摩耗性に優れたセラミックス積層体1とすることができる。
また、α-窒化珪素の割合Wα(αβ)を90wt%以下とすることで、変形しにくいα-窒化珪素粒子の替わりに変形しやすいβ-窒化珪素粒子が増加して、α-窒化珪素粒子の間を変形しながら埋めていくため、粒子/粒子間が強固に密着した緻密なセラミックス膜とすることができる。加えて、粒子がセラミックス膜に衝突するエアロゾルデポジション法による成膜時において、硬度が高いα-窒化珪素粒子を減らせるため、上述したピーニングによる面内方向の残留圧縮応力がセラミックス膜に大きく生じにくくなる。そのため、膜厚を大きくしても(例えば30μmなど)、セラミックス膜が剥離しにくいセラミックス積層体1とすることができる。
本発明の実施形態に係るセラミックス積層体1は、エアロゾルデポジション法による成膜時に、α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末のメディアン径D50(α)をβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末のメディアン径D50(β)よりも小さくし、好ましくはα-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末のメディアン径D50(α)をβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末のメディアン径D50(β)の90%以下、80%以下、70%以下、60%以下または50%以下に小さくし、αβ-窒化珪素粉末に含まれる高硬度のα-窒化珪素粒子の粒子径を、同じくαβ-窒化珪素粉末に含まれる低硬度のβ-窒化珪素粒子よりも小さくして成膜された場合には、ピーニングによる面内方向の残留圧縮応力がセラミックス膜に生じにくくなり、摩耗時など成膜後に何らかの外部応力が負荷された際でも、セラミックス膜の剥離が起こりにくい。
本発明の実施形態に係るセラミックス積層体は、基材を金属材料としてもよい。基材を金属材料とすることで、お互いに物性が大きく異なるセラミックスと金属それぞれの優れた特徴を併せ持つセラミックス積層体とすることができる。このような金属材料としては、特に限定されないが、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、銀(Ag)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ニオブ(Nb)、コバルト(Co)、白金(Pt)、バナジウム(V)、パラジウム(Pd)、および金(Au)からなる群より選択される少なくとも1種であってもよく、またはこれらの元素のうち少なくとも1種を主体とする合金であってもよい。あるいはまた、金属材料は、これらの元素のうち少なくとも1種中にまたはこれらの元素のうち少なくとも1種を主体とする合金中に、セラミックスなどの金属以外の材料が含まれる複合材料であってもよい。また、本発明の実施形態に係るエアロゾルデポジション法によるセラミックス積層体の製造方法において基材として金属材料を使用する場合には、セラミックス粒子が、相対的な硬度が大幅に小さい金属基材にめり込むことによって、アンカー効果を発揮する凹凸が膜/基材間の界面に形成されるため、高い接合力を得やすくなる。
硬度および耐摩耗性に優れた本発明の実施形態に係るセラミックス積層体1は、例えば、搬送・圧延ロール、切削工具などの耐摩耗性部材として用いることができる。また、窒化珪素中にα-窒化珪素を含むセラミックス膜3が形成された本発明の実施形態に係るセラミックス積層体1は、α-窒化珪素をほとんど含まない一般的な窒化珪素に比べて、熱膨張係数が大きく、金属基材との熱膨張係数差を小さくすることができるため、熱サイクル信頼性に優れた耐摩耗性部材とすることができる。
本発明の実施形態に係るセラミックス積層体1は、上述のように、熱サイクル信頼性に優れているため、半導体モジュール向けの絶縁放熱部材として用いることができる。その際、セラミックス膜3は絶縁層、基材2はベース板あるいはヒートシンクとなる。
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例では、本発明に係るセラミックス積層体の製造方法に従って種々の条件下でセラミックス積層体を製造し、その耐摩耗性および耐剥離性について調べた。
まず、α-窒化珪素粉末として市販されている窒化珪素粉末と、β-窒化珪素粉末として市販されている窒化珪素粉末を準備した。これらの窒化珪素粉末をそれぞれ窒化珪素製の遊星型ボールミルで処理時間および回転数を変化させて湿式(溶媒:アセトン)粉砕することで、Wα(α)=94wt%であり、D50(α)=0.2μm、0.4μm、0.6μm、0.8μm、1.0μmおよび1.2μmの6種類のα-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末と、Wα(β)=0wt%であり、D50(β)=0.2μm、0.4μm、0.6μm、0.8μm、1.0μmおよび1.2μmの6種類のβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末を調製した。
ここで、Wα(α)とWα(β)は、上記「(A)窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(wt%)」で説明されるWαの測定方法に則って測定した。なお、X線回折測定の際には、X線回折装置(RINT‐TTR III、リガク)を用い、下記の条件で測定した。
検出器:D/teX Ultra
走査範囲:回折角2θ=5~80°
走査ステップ幅:0.01°
スキャンスピード:1.0°/min
また、D50(α)とD50(β)は、上記「(E)メディアン径D50」で説明されるD50の測定方法に則って測定した。なお、測定の際には、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(LA-960、堀場製作所)を用い、分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを添加した水溶液中で超音波を5分間以上照射して粉末粒子の凝集体を一次粒子まで解砕した後、測定を行った。
調製したα-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末とβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末とを、表3に示す組み合わせで配合し、αβ-窒化珪素粉末を作製した。なお、前記配合は、窒化珪素製の遊星型ボールミルによる湿式湿式(溶媒:アセトン)混合で行い、混合時に粒子がなるべく粉砕されないように、処理時間:10min、回転数:160rpmと粉砕能力を小さく設定した。作製したαβ-窒化珪素粉末のWα(αβ)とD50(αβ)は表3に示す通りである。ここで、Wα(αβ)とD50(αβ)は、上記のWα(α)、Wα(β)、D50(α)およびD50(β)と同様の方法で測定した。
次に、作製した各αβ-窒化珪素粉末をセラミックス粉末17として用い、上記「(2)セラミックス積層体の製造方法の具体的な説明」で説明したエアロゾルデポジション装置11によって基材2上にセラミックス膜3を形成し、セラミックス積層体1を作製した。基材2には厚さ5mmの無酸素銅基材を使用した。このとき、巻上ガスおよび調整ガスとしては窒素ガスを用い、搬送ガス流量と調整ガス流量の合計を7L/minとした。エアロゾル搬送管14先端のノズル口サイズは5×0.3mm2、基材2の法線とノズルの角度は30°、基材2を固定したステージ20の水平方向の繰り返し駆動数は、セラミックス膜3の膜厚が30μm程度になるように設定した。セラミックス積層体1の作製が完了した時点で、目視および光学顕微鏡でセラミックス膜3の剥離の有無を確認した。結果は表3に示す通りであった。
最後にセラミックス積層体1の耐摩耗性を評価した。ここでは、往復摺動摩擦摩耗試験機(トライボギア TYPE:40、新東科学)を用いて、セラミックス積層体1のセラミックス膜3上でφ5mmの炭化タングステン(WC)球を往復摺動させる往復摩耗試験を行った。荷重9.8N、摺動速度0.1m/s、摺動距離6mmとし、全摺動距離が100mに到達した時点での摩耗深さを測定した。この摩耗深さが小さいほど、耐摩耗性に優れていることになる。摩耗深さの測定は以下のように行った。ワンショット3D形状測定機(VR-3100、キーエンス)を用いて、摩耗部に対して、摺動方向と垂直方向に高さライン測定を行い、断面プロファイルを取得した。取得した断面プロファイルにおいて、摩耗部/非摩耗部の境界と摩耗部の最深部の高さの差を測定した。上記測定を3箇所分行い、それらの平均値を摩耗深さとした。前記摩耗深さが、0μm超6μm以下のものを◎、6μm超9μm以下のものを○、9μm超12μm以下のものを△、12μm超のものを×と評価し、評価が◎、○及び△の場合を合格とした。また、摩耗部周辺のセラミックス膜3の剥離の有無を確認した。結果は表3に示す通りであった。
Figure 0007265137000005
表3に示すように、セラミックス粉末17が、α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末とβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末とが配合されたαβ-窒化珪素粉末であって、そのWα(αβ)が5wt%以上90wt%以下である実施例7~24では、摩耗試験後に一部領域でセラミックス膜の剥離が見られたものの、基本的には摩耗深さが小さく耐摩耗性に優れたセラミックス積層体を作製できることが確認できた。また、実施例7~24では、成膜後のセラミックス膜の剥離は見られなかった。これは、硬度が高いα-窒化珪素を膜中に含ませつつも、粒子/粒子間が強固に密着した緻密なセラミックス膜とし、加えてピーニングによる面内方向の過度な残留圧縮応力を生じにくくさせることができたためと考えられる。
実施例7~24の中でも、Wα(αβ)が30wt%以上である実施例13~18では、特に摩耗深さが小さく耐摩耗性に優れ、また、Wα(αβ)が70wt%以上である実施例19~24では、より特に摩耗深さが小さく耐摩耗性に優れたセラミックス積層体を作製できることが確認できた。これは硬度が高いα-窒化珪素を膜中に増加させることができたためと考えられる。
比較のため、比較例1~6で、Wα(αβ)を4wt%以下としてセラミックス積層体を作製したところ、成膜後のセラミックス膜の剥離は見られなかったものの、耐摩耗性は実施例7~24に比べて劣っていた。これは、実施例7~24に比べて硬度が高いα-窒化珪素が膜中に少なくなったためと考えられる。また、比較例25~30で、Wα(αβ)を91wt%以上としてセラミックス積層体を作製したところ、成膜後にセラミックス膜の剥離が発生していた。硬度が高いα-窒化珪素粒子が多くなり過ぎ、粒子/粒子間が強固に密着しにくくなったことに加え、ピーニングによりセラミックス膜に面内方向の過度な残留圧縮応力が生じてしまったことで、膜厚を大きくした際に剥離が発生したと考えられる。
上記の実施例および比較例では、α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末のメディアン径D50(α)が、β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末のメディアン径D50(β)より大きい条件であったが、他の実施例および比較例では、D50(α)がD50(β)より小さい条件で製造を行っている。実施例37~54では、実施例7~24と同様に摩耗深さが小さく耐摩耗性に優れたセラミックス積層体を作製できることが確認できた。さらに、実施例7~24では発生していた摩耗試験後のセラミックス膜の部分剥離が、実施例37~54では見られなかったことから、実施例37~54で製造したセラミックス積層体は実施例7~24と比べて耐摩耗性に優れていることが確認できた。実施例37~54では、αβ-窒化珪素粉末に含まれる高硬度のα-窒化珪素粒子の粒子径が、同じくαβ-窒化珪素粉末に含まれる低硬度のβ-窒化珪素粒子よりも小さくなったことにより、ピーニングによる面内方向の残留圧縮応力が、実施例7~24と比べてさらに生じにくくなり、摩耗時に外部応力が負荷されてもセラミックス膜が剥離しなかったと考えられる。
1 セラミックス積層体
2 基材
3 セラミックス膜
11 エアロゾルデポジション装置
12 エアロゾル化容器
13 成膜室
14 エアロゾル搬送管
15 真空ポンプ
16 ガス供給系
17 セラミックス粉末
18 調整ガス配管
19 巻上ガス配管
20 ステージ
21 水平駆動機構

Claims (8)

  1. 基材上にセラミックス膜が形成されたセラミックス積層体の製造方法であって、
    α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末とβ-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末とを配合して、窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(αβ)が5wt%以上90wt%以下であり、残部がβ-窒化珪素である窒化珪素および不可避不純物を含んでなるαβ-窒化珪素粉末を形成する工程、ならびに
    前記αβ-窒化珪素粉末を用いてエアロゾルデポジション法により基材上にセラミックス膜を形成する工程
    を含むことを特徴とする、セラミックス積層体の製造方法。
  2. 前記α-窒化珪素を主体とするα-窒化珪素粉末のメディアン径D50(α)が、前記β-窒化珪素を主体とするβ-窒化珪素粉末のメディアン径D50(β)より小さいことを特徴とする、請求項1に記載のセラミックス積層体の製造方法。
  3. 前記αβ-窒化珪素粉末は、窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(αβ)が30wt%以上90wt%以下であり、残部がβ-窒化珪素である窒化珪素および不可避不純物を含んでなることを特徴とする、請求項1または2に記載のセラミックス積層体の製造方法。
  4. 前記αβ-窒化珪素粉末は、窒化珪素中のα-窒化珪素の割合Wα(αβ)が70wt%以上90wt%以下であり、残部がβ-窒化珪素である窒化珪素および不可避不純物を含んでなることを特徴とする、請求項3に記載のセラミックス積層体の製造方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のセラミックス積層体の製造方法により製造されたことを特徴とする、セラミックス積層体。
  6. 前記基材が金属材料であることを特徴とする、請求項5に記載のセラミックス積層体。
  7. 請求項6に記載のセラミックス積層体から構成されることを特徴とする、耐摩耗性部材。
  8. 請求項6に記載のセラミックス積層体から構成されることを特徴とする、絶縁放熱部材。
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