JP2736386B2 - 窒化珪素質焼結体 - Google Patents

窒化珪素質焼結体

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JP2736386B2 JP1087807A JP8780789A JP2736386B2 JP 2736386 B2 JP2736386 B2 JP 2736386B2 JP 1087807 A JP1087807 A JP 1087807A JP 8780789 A JP8780789 A JP 8780789A JP 2736386 B2 JP2736386 B2 JP 2736386B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高温構造用材料等として用いることができ
る、高強度、高靱性であり、かつ耐酸化性に優れた窒化
珪素質焼結体に関するものである。
〔従来技術〕
窒化珪素(Si3N4)の焼結体は、高温強度、耐熱衝撃
性、耐食性が優れているために、ガスタービン部材、熱
交換器材料、高温用べアリングあるいは製鋼用高温ロー
ル材等の耐熱構造用材料に使用されている。
しかしながら、Si3N4は単独では焼結が困難なため
に、通常MgO、MgAl2O4、Al2O3、Y2O3等の酸化物を焼結
助剤として添加し、焼結している。これらの焼結助剤を
用いた焼結は、焼結時に生ずる液相を媒介とした液相焼
結によるものと考えられている。多くの場合、焼結後液
相はガラス相として焼結体中に残存し、高温強度、耐ク
リープ性などの高温特性を低下させる。
一方、Si3N4に種々の元素が固溶したもの(一般にサ
イアロンと呼ばれるもの)は、高温特性に優れ、高温構
造用材料として注目されている。例えば、α−Si3N4
造で、Si位置にAlが、N位置にOが置換し、更に格子間
位置に他の元素(Li,Mg,Ca,Y等)が侵入型として固溶し
た、一般式Mx(Si,Al)12(O,N)16(0<x≦2、MはLi,M
g,Ca,Y等のうちの少なくとも1種)で表されるα′−Si
3N4(一般にα−サイアロンと呼ばれる)、あるいはβ
−Si3N4構造で、Si位置にAlが、N位置にOが固溶し、
一般式Si6-yAlyOyN8-y(0<y≦4.2)で表されるβ′
−Si3N4(一般にβ−サイアロンと呼ばれる)が注目さ
れている。
しかしながら、これらのSi3N4は、α′−Si3N4または
β′−Si3N4のみからなる場合には、室温強度が他のSi3
N4質焼結体よりも劣り、また靱性も低いという欠点を有
している。また、α′−Si3N4とβ′−Si3N4とを混合し
た焼結体も以下のように開発されている。
J.Materials Sci.14(1979)P1749では、Si3N4-Y2O3-
AlNの混合粉末を焼結することによって、α′−Si3N4
単相あるいはα′−Si3N4とβ′−Si3N4との混合相から
なる焼結体が得られることを報告している。また、特開
昭58-185484号では、α′−Si3N4とβ′−Si3N4粉末を
原料として、α′−Si3N4とβ′−Si3N4との混合相から
なる焼結体を得ている。しかし、この2例の焼結体と
も、室温強度、高温強度が低い。
更に、特開昭59-182276号では、Si3N4-AlN-Y2O3-Al2O
3系の混合粉末を焼結することによりα′−Si3N4とβ′
−Si3N4とからなる焼結体を得ている。この例では、
α′−Si3N4の存在比率が0.05〜0.7、その結晶粒の大き
さが長径方向で40μm以下からなる焼結体は高温強度が
改善されるとしているが、1200℃以上での高温強度は不
充分である。
〔第1発明の説明〕 本第1発明(請求項(1)に記載の発明)は、上記従
来技術の欠点に鑑み、α′−窒化珪素とβ′−窒化珪素
との存在比率及び結晶粒の粒径について検討を重ねた結
果なされたものであり、室温、高温ともに高い強度を有
し、しかも高い靱性、優れた耐酸化性を有する窒化珪素
質焼結体を提供しようとするものである。
本第1発明は、α′−窒化珪素とβ′−窒化珪素とか
らなる窒化珪素質焼結体であってX線回折によるピーク
強度比における存在比率は、α′−窒化珪素0.05〜0.5
0、β′−窒化珪素0.95〜0.50であり、α′−窒化珪素
は、結晶粒の平均粒径が2.0μm以下であり、β′−窒
化珪素は、結晶粒の平均粒径が長径方向において5.0μ
m以下、短径方向において1.0μm以下であることを特
徴とする窒化珪素質焼結体である。
本第1発明によれば、室温でも高温でも高い強度を有
し、かつ高靱性で優れた耐酸化性を有する窒化珪素質焼
結体を提供することができる。
すなわち、本第1発明の焼結体は、靱性を損なわず、
室温、高温での強度が格段に高いものである。強度につ
いては、従来の窒化珪素質焼結体の最高レベルのものに
比しても大きな向上が得られている。しかも、1300℃の
ような高温になると従来の物では室温時に較べて急激に
強度が低下してしまうが、本第1発明のものでは、その
低下が極めて少なく安定している。また、破壊靱性につ
いても、従来の焼結体に比して大きな靱性値を有する。
更に、高温における耐酸化性も従来の焼結体に比して極
めて優れている。このように、本第1発明の焼結体は、
強度と靱性と耐酸化性の各面において従来技術では達し
得なかった優れた特性を有し、しかも高温でもその特性
が安定しており、特に高温で使用する耐熱性材料等とし
て有用である。
本第1発明にかかる焼結体が上記効果を奏する理由は
十分解明されていないが、以下のようなものであると考
えられる。
(1)柱状のβ′−窒化珪素の結晶粒の隙間が等軸状
の微細なα′−窒化珪素の結晶粒で埋められているた
め、高温での粒界すべりが生じにくい組織になっている
こと、及び(2)α′−窒化珪素およびβ′−窒化珪素
の結晶粒が非常に微細であるため、内部欠損が著しく小
さくなり、また、結晶粒界に存在するガラス相が分散し
て、その相対的な量が減少すること、などによる。
また、上記により、結晶粒界の間に存在するガラス相
の量が少なくなり、従って、結晶粒同士の接触面積の割
合が大きくなっており、このことも上記効果に寄与して
いると考えられる。
〔第2発明の説明〕 本第2発明(請求項(3)に記載の発明)は、上記従
来技術の欠点に鑑み、α′−窒化珪素とβ′−窒化珪素
との存在比率及び組成について検討を重ねた結果なされ
たものであり、室温、高温ともに高い強度を有し、しか
も高い靱性、優れた耐酸化性を有する窒化珪素質焼結体
を提供しようとするものである。
本第2発明は、α′−窒化珪素とβ′−窒化珪素とか
らなる窒化珪素質焼結体であって、X線回折によるピー
ク強度比における存在比率は、α′−窒化珪素0.05〜0.
50、β′−窒化珪素0.95〜0.50であり、α′−窒化珪素
は、Mx(Si,Al)12(O,N)16(Mは、リチウム、マグネシウ
ム、カルシウム、イットリウムのうちの少なくとも1種
である。0<x≦0.3)で表されるものであり、β′−
窒化珪素は、Si6-yAlyOyN8-y(0<y≦1.0)で表され
るものであることを特徴とする窒化珪素質焼結体であ
る。
本第2発明によれば、室温でも高温でも高い強度を有
し、かつ高靱性で優れた耐酸化性を有する窒化珪素質焼
結体を提供することができる。
すなわち、本第2発明の焼結体は、本第1発明と同様
に、強度と靱性と耐酸化性の各面において従来技術では
達し得なかった優れた特性を有し、しかも高温でもその
特性が安定しており、特に高温で使用する耐熱性材料等
として有用である。
本第2発明にかかる焼結体が上記効果を奏する理由は
十分解明されていないが、本第1発明と同様に、 (1)柱状のβ′−窒化珪素の結晶粒の隙間が等軸状
の微細なα′−窒化珪素の結晶粒で埋められているた
め、高温での粒界すべりが生じにくい組織になっている
こと、(2)α′−窒化珪素およびβ′−窒化珪素の結
晶粒が非常に微細であるため、内部欠損が著しく小さく
なり、また、結晶粒界に存在するガラス相が分散して、
その相対的量が減少すること、および(3)組成の限定
により、結晶粒界のガラス相の絶対量が少なくなるこ
と、などによると考えられる。
また、上記により、結晶粒界の間に存在するガラス相
の量が少なくなり、従って、結晶粒同士の接触面積の割
合が大きくなっており、このことも上記効果に寄与して
いると考えられる。
〔第1発明および第2発明のその他の発明の説明〕 以下、本第1発明および本第2発明をより具体的にし
たその他の発明について説明する。
本発明の窒化珪素(Si3N4)質焼結体は、α′−窒化
珪素とβ′−窒化珪素とを構成相とし、かつそれぞれの
結晶粒を非常に微細にするか、あるいはα′−窒化珪素
とβ′−窒化珪素とを特定の組成にしたものである。
本発明において、α′−窒化珪素(Si3N4)とは、α
−Si3N4構造で、Si位置にAlが、N位置にOが置換し、
更に格子間位置に他の元素(リチウム(Li)、マグネシ
ウム(Mg)、カルシウム(Ca)、イットリウム(Y)等
のうちの少なくとも1種)が侵入型に固溶した、一般式
Mx(Si,Al)12(O,N)16(MはLi,Mg,Ca,Y等のうちの少なく
とも1種である。0<x≦2)で示されるものであり、
α−サイアロンと呼ばれるものである。
また、β′−Si3N4とは、β−Si3N4構造で、Si位置に
Alが、N位置にOが固溶したもので、一般式Si6-yAlyOy
N8-y(0<y≦4.2)で示されるものであり、β−サイ
アロンと呼ばれるものである。
また、上記α′−Si3N4とβ′−Si3N4の一般式におい
て、0<x≦0.3、0<y≦1.0の範囲内が更に望まし
い。この範囲内であれば、結晶粒の粒界のガラス相が少
なくなり、高温での焼結体の強度が向上する。
α′−Si3N4とβ′−Si3N4との存在比率は、X線回折
ピークの強度比による割合で、α′−Si3N4が0.05〜0.5
0、残部(0.95〜0.50)がβ′−Si3N4となるようにす
る。α′−Si3N4の存在比率が0.05未満あるいは0.50を
越える場合には、焼結体の靱性が低下し、また十分な強
度向上が達成できない。なお、更に望ましくは、α′−
Si3N4の存在比率が0.07〜0.35であれば、より高い強度
が得られる。本発明では、存在比率をX線回折ピークの
強度比より求めており、回折ピークの最大強度と次に大
きい強度とを合計してα′,β′のそれぞれの合計を比
較した。
α′−Si3N4の結晶粒の大きさは、その平均粒径が2.0
μm以下とするのが望ましい。また、β′−Si3N4の結
晶粒の大きさは、その平均粒径が、長径方向において5.
0μm以下、短径方向において1.0μm以下とするのが望
ましい。これは、α′−Si3N4とβ′−Si3N4の結晶粒の
両方あるいはいずれか一方の結晶粒が上記範囲を越える
と、強度の向上が得られないためである。なお、より高
い強度が得られるのは、α′−Si3N4の結晶粒の平均粒
径が1.0μm以下、β′−Si3N4の結晶粒の平均粒径が長
径方向において2.5μm以下、短径方向において0.5μm
以下の範囲である。また、長径方向は短径方向に対して
2以上とするのがよい。2未満の場合には、結晶粒が等
軸状になり、強度及び靱性が低下しやすくなる。
次に、本発明にかかるSi3N4質焼結体を製造する方法
としては、α′−Si3N4原料とβ′−Si3N4原料とを混合
し、高温度において加熱、焼結する方法がある。
上記において、α′−Si3N4原料としては、焼結体中
においてα′−Si3N4の状態となる原料であり、これに
はα′−Si3N4自体及び加熱焼結時の反応によりα′−S
i3N4を生成する混合物がある。それ故、α′−Si3N4
料としては、この一方または双方を用いる。反応して
α′−Si3N4を形成する混合物としては、例えば、Yを
固溶したα′−Si3N4を形成する場合、Si3N4-AlN-Y
2O3、Si3N4-AlN-Al2O3-Y2O3、Si3N4-Al2O3-Y2O3-YN等の
混合物が挙げられる。
また、β′−Si3N4原料としては、焼結体中において
β′−Si3N4の状態となる原料であり、これにはβ′−S
i3N4自体及び加熱焼結時の反応によりβ′−Si3N4を生
成する混合物がある。それ故、β′−Si3N4原料として
は、この一方または双方を用いる。反応してβ′−Si3N
4を形成する混合物としては、Si3N4-Al2O3、Si3N4-AlN-
Al2O3、Si3N4-Al2O3-SiO2等の混合物が挙げられる。
また、α′−Si3N4原料のうちの加熱焼結時の反応に
よりα′−Si3N4を生成する混合物において、混合物の
配合割合を制御することによりα′−Si3N4を生成させ
ると同時にβ′−Si3N4も生成させることができる。例
えば、Yが固溶したα′−Si3N4とβ′−Si3N4とを同時
に形成させようとする場合、Si3N4に対するY2O3-AlN、Y
2O3-AlN-Al2O3、あるいはYN-Al2O3-Y2O3の配合割合を制
御することにより、α′−Si3N4とβ′−Si3N4とを同時
に生成させることができる。これは、Y、Al、OがSi3N
4に固溶してα′−Si3N4を形成すると同時にAl、OがSi
3N4に固溶してβ′−Si3N4を形成するためである。この
場合、同じ混合物であっても焼結温度、焼結時間によっ
てα′−Si3N4とβ′−Si3N4との生成割合が異なるた
め、焼結条件を制御することにより所望の生成割合の焼
結体を得ることができる。
なお、α′−Si3N4、β′−Si3N4の組成が2種以上の
もの(前記α′−Si3N4,β′−Si3N4の一般式における
x,yが2種以上のもの)からなる焼結体を得る場合に
は、粒度分布の広いα′−Si3N4原料粉末、β′−Si3N4
原料粉末を用いるか、あるいは組成の異なる2種以上の
α′−Si3N4粉末、β′−Si3N4粉末を用いればよい。
次に、α′−Si3N4原料とβ′−Si3N4原料との混合粉
末を成形し、加熱焼結する工程は、通常の非酸化物セラ
ミックスの製造工程を用いることができる。この成形法
としては、金型プレス、ラバープレス、押し出し、スリ
ップキャスト、射出成形等を用いることができる。ま
た、焼結は、N2ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲
気、あるいは真空中等の非酸化性雰囲気中で加熱焼結す
るのが望ましい。焼結方法としては、常圧焼結法、ガス
圧焼結法、熱間静水圧焼結(HIP)法、ホットプレス法
等を用いることができる。また、焼結温度は1650〜1900
℃が望ましい。焼結温度が1650℃より低いと十分に緻密
化が進行せず、1900℃を越えると粒成長が著しくなり、
十分な強度が得られない。
しかして、α′−Si3N4原料とβ′−Si3N4原料との混
合割合、焼結条件等を制御して、焼結体中のα′−Si3N
4とβ′−Si3N4との存在比率、および結晶粒の大きさ、
あるいは組成が前記範囲内となるようにする。
本発明の窒化珪素質焼結体は、高靱性であり、高温に
おいて高強度及び耐酸化性が優れているためガスタービ
ン部材、熱交換器材料等の耐熱構造用材料等として利用
することができる。
本発明の窒化珪素質焼結体には、用途に応じて各種耐
熱性物質、例えば酸化物、窒化物、炭化物、ケイ素化
物、ホウ素化物、硫化物などを第3成分として添加して
もよい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 出発原料として、平均粒径0.5μm以下のSi3N4(α率
95%以上)粉末、平均粒径0.5μm以下の高純度(99.9
%)Y2O3粉末、及び平均粒径0.5μm以下の高純度(99.
9%)AlN粉末を用いて、これを成形し、ホットプレス法
により第1表に示すような構成相、結晶粒を有するα′
−Si3N4とβ′−Si3N4とからなる焼結体を製造した。な
お、ホットプレスは1650〜1900℃、圧力200〜300kg/c
m2、0.5〜10時間の条件で行った。
また、比較のため、第1表中の比較例に示すように焼
結体中のα′−Si3N4の存在比率、あるいはα′−Si
3N4、β′−Si3N4の結晶粒の平均粒径が本第1発明の範
囲をはずれるものも上記と同様にして製造した。
得られた各焼結体から3×4×40mmの曲げ試験片を切
り出し、JISR-1601に準じた4点曲げ試験及び圧痕法
(ビッカース硬度計、荷重20kg)により破壊靱性
(KIC)の測定を実施した。その結果を第1表に示す。
なお、第1表中のα′−Si3N4の存在比率は、焼結体の
X線回折ピークの強度比より求めた値であり、α′−Si
3N4とβ′−Si3N4との存在比率の合計を1とした場合の
α′−Si3N4の存在比率である(以降の表についても同
様である。)。なお、第1図及び第2図に試料No.4、12
の焼結体のX線回折チャートを示す。存在比率の求め方
は、第1図においてα′型の強度の高い上位2個のピー
クa1、a2の合計とβ′型の強度の高い上位2個のピーク
b1、b2の合計とを比較した。
第1表より明らかなように、比較例では、室温での強
度が最高で93kg/mm2、KIC値が最高で6.6MPam1/2である
のに対して、本実施例のものでは、室温での強度がいず
れも100kg/mm2以上であり、しかもKIC値も7MPam1/2
越えている。しかも、室温から1300℃での強度の低下
は、比較例では21〜25kg/mm2であるのに対して、本実施
例では、10〜17kg/mm2と非常に小さい。また、本実施例
中には1300℃の高温での強度が100kg/mm2を越えるもの
があり、従来では達成し得なかった高温での4点曲げ強
度が100kg/mm2を本実施例では達成し得る。
次に、第1表の試料No.3、6、9、12、Cl、C4、C6の
7種類の試料に対して高温酸化試験を行った。この高温
酸化試験は、試料を静止大気中1200℃または1300℃で10
0時間酸化し、その後試料の重量変化を測定し、更にJIS
R1601に準じた4点曲げ試験を行った。その結果を第2
表に示す。
第2表より明らかなように、本実施例では、比較例に
比して重量増加及び4点曲げ強度の低下が非常に少な
く、耐酸化性に優れていることが分る。
このように、本実施例のものは、靱性と強度(特に高
温強度)と耐酸化性の各面において従来のものに比して
優れていることが分る。
実施例2 実施例1と同様な出発原料を用いて、これを成形し、
常圧焼結法により第3表に示すような構成相、結晶粒を
有するα′−Si3N4とβ′−Si3N4とからなる焼結体を製
造した。なお、常圧焼結は、N2中、1750〜1900℃、1〜
6時間の条件で行った。
また、比較のため、第3表中の比較例に示すように、
焼結体中のα′−Si3N4の存在比率、あるいはα′−Si3
N4、β′−Si3N4の結晶粒の平均粒径が本第1発明の範
囲をはずれるものも上記と同様にして製造した。
得られた各焼結体について実施例1と同様にして4点
曲げ試験及び破壊靱性の測定を実施した。その結果を第
3表に示す。
第3表より明らかなように、比較例では、室温での強
度が最高で80kg/mm2、KICが最高で6.6MPam1/2であるの
に対して、本実施例のものでは、室温での強度が83kg/m
m2以上と高く、またKICも7MPam1/2以上と高いものであ
る。また、本実施例のものは、1200℃、1300℃の高温で
の強度が比較例のものよりも10〜20MPam1/2高く、高温
での安定性に優れていることが分る。
次に、第3表の試料No.15、17、20、22、 C7、C9、C11の7種類の試料に対して実施例1と同様に
高温酸化試験を行った。その結果を第4表に示す。
第4表より明らかなように、本実施例では、比較例に
比して重量増加及び4点曲げ強度の低下が非常に少な
く、耐酸化性に優れていることが分る。
実施例3 平均粒径0.5μm以下の種々の組成のα′−Si3N4粉末
(Yx(Si,Al)12(O,N)16、0.3≦x≦0.6)、平均粒径0.7
μm以下の種々の組成のβ′−Si3N4粉末(Si6-yAlyOyN
8-y,0.5≦y≦3.0)の混合粉末、あるいは上記混合粉末
に必要に応じて平均粒径0.5μm以下のSi3N4粉末(α比
率95%以上)、平均粒径0.7μm以下のY2O3粉末、また
は平均粒径0.7μm以下のAlN粉末の少なくとも1種を添
加・混合した粉末を成形し、ホットプレス法によって第
5表に示すような構成相、結晶粒を有するα′−Si3N4
とβ′−Si3N4とからなる焼結体を製造した。なおホッ
トプレスは1600〜1900℃、圧力200〜300kg/cm2、0.25〜
4.0時間の範囲で行った。
得られた焼結体について、実施例1と同様に4点曲げ
試験および破壊靱性の測定を行った。その結果を第5表
に示す。
第5表から明らかなように、比較例では室温での強度
が最高95kg/mm2、KIC値が最高で6.6MPam1/2であるのに
対して、本実施例のものでは、室温での強度がいずれも
110kg/mm2以上であり、しかもKIC値7.1MPam1/2以上であ
る。また、1300℃での4点曲げ強度が10 0kg/mm2を超える例が多数あり、従来では達成し得なか
った高温での4点曲げ強度が100kg/mm2以上を本実施例
では達成し得ることが分る。
実施例4 実施例3と同様な出発原料を用いて、これを成形し、
常圧焼結法により第6表に示すような構成相、結晶粒を
有するα′−Si3N4とβ′−Si3N4とからなる焼結体を製
造した。なお、常圧焼結は、N2中、1750〜1900℃、1〜
6時間の条件で行った。
また、比較のため、第6表中の比較例に示すように、
焼結体中のα′−Si3N4の存在比率、あるいはα′−Si3
N4、β′−Si3N4の結晶粒の平均粒径が本第1発明の範
囲をはずれるものも上記と同様に製造した。
得られた各焼結体について実施例1と同様にして4点
曲げ試験及び破壊靱性の測定を実施した。その結果を第
6表に示す。
第6表より明らかなように、比較例では、室温での強
度が最高で75kg/mm2、KICが最高で6.6MPam1/2であるの
に対して、本実施例のものでは、室温での強度が85kg/m
m2以上と高く、またKICも7MPam1/2以上と高いものであ
る。また、本実施例のものは、1200℃、1300℃の高温で
の強度が比較例のものよりも10〜20kg/mm2高く、高温で
の安定性に優れていることが分る。
実施例5 出発原料として平均粒径0.5μm以下のYを固溶した
α′−Si3N4粉末、平均粒径0.5μm以下のβ′−Si3N4
粉末を用いて実施例1と同様な条件でホットプレス法に
より、第7表に示すような構成相、結晶粒を有するα′
−Si3N4とβ′−Si3N4とからなる焼結体を製造した。ま
た実施例1と同様にして4点曲げ強度、破壊靱性の測定
を実施した。その結果を第7表に示す。
第7表から明らかなように、比較例では室温での強度
が最高で93kg/mm2であるのに対して、本実施例のもので
は、室温で強度が109kg/mm2以上と高く、またKICも7.1M
Pam1/2以上と高い。さらに、本実施例のものは、1200
℃、1300℃での強度が比較例よりも非常に高く安定性に
優れていることが分かる。
実施例6 実施例5と同様な出発原料を用いて、これを成形し、
常圧焼結法により第8表に示すような構成相、結晶粒を
有するα′−Si3N4とβ′−Si3N4とからなる焼結体を製
造した。なお、常圧焼結は、N2中、1750〜1900℃、1〜
6時間の条件で行った。
また、比較のため、第8表中の比較例に示すように、
焼結体中のα′−Si3N4の存在比率、あるいはα′−Si3
N4、β′−Si3N4の結晶粒の平均粒径が本第1発明の範
囲をはずれるものも上記と同様に製造した。
得られた各焼結体について実施例1と同様にして4点
曲げ試験及び破壊靱性の測定を実施した。その結果を第
8表に示す。
第8表からも明らかなように、比較例では室温での強
度が最高で75kg/mm2であるのに対して、本実施例のもの
では、室温で強度が85kg/mm2以上と高く、またKICも7.0
MPam1/2以上と高い。さらに、本実施例のものは、1200
℃、1300℃での強度が比較例に比して高く、高温での安
定性に優れている。
実施例7 出発原料として平均粒径0.5μm以下のYを固溶した
α′−Si3N4粉末、平均粒径0.5μm以下のSi3N4粉末
(α率95%以上)を用いてこれを成形し、ホットプレス
法により第9表に示すような構成相、結晶粒を有する
α′−Si3N4とβ′−Si3N4とからなる焼結体を製造し
た。なおホットプレスは1650〜1900℃、圧力200〜300k
g、0.5〜10時間の条件で行った。
また、比較のため、第9表中の比較例に示すように焼
結体中のα′−Si3N4の存在比率、あるいはα′−Si
3N4、β′−Si3N4の組成が本第2発明の範囲をはずれる
ものも上記と同様にして製造した。
得られた各焼結体について、実施例1と同様にして4
点曲げ試験及び破壊靱性の測定を実施した。その結果を
第9表に示す。なお、第9表中のx、yはそれぞれα′
−Si3N4であるYx(Si,Al)12(O,N)16のx、β′−Si3N4
あるSi6-yAlOyN8-yのyである。また、yの値はX線回
折yによって得られた回折図形から格子定数を計算し、
y値に換算して求めた。xの値は、実施例1と同じ出発
原料をホットプレスによって長時間焼結し、ほぼ系を平
衡に達成せしめた後、急冷して得た試料の中からα′−
Si3N4とβ′−Si3N4との混合、およびα′−Si3N4のみ
からなる試料を選び、X線回折法によってα′−Si3N4
の格子定数を求め、出発原料中のYの量をxに換算し
て、α′−Si3 N4の格子定数とxの関係を求めて、検量線を作り、これ
に従ってxの値を求めた(以降の表についても同様であ
る)。
また、第9表中のα′−Si3N4の存在比率は、焼結体
のX線回折ピークの強度比より求めた値であり、α′−
Si3N4とβ′−Si3N4との存在比率の合計を1とした場合
のα′−Si3N4の存在比率である。
第9表より明らかなように、比較例では、室温での強
度が最高で90kg/mm2、KIC値が最高で6.6MPam1/2である
のに対して、本実施例のものでは、室温での強度がいず
れも100kg/mm2以上であり、しかもKIC値も7MPam1/2
越えている。しかも、室温から1300℃での強度の低下
は、比較例では25〜29kg/mm2であるのに対して、本実施
例では、9〜18kg/mm2と非常に小さい。また、本実施例
中には1300℃の高温での強度が100kg/mm2を越えるもの
が多数あり、従来では達成し得なかった高温での4点曲
げ強度が100kg/mm2を本実施例では達成し得る。
実施例8 実施例1と同様な出発原料を用いて、これを成形し、
常圧焼結法により第10表に示すような構成相、結晶粒を
有するα′−Si3N4とβ′−Si3N4とからなる焼結体を製
造した。なお、常圧焼結は、N2中、1750〜1900℃、1〜
6時間の条件で行った。
また、比較のため、第10表中の比較例に示すように、
焼結体中のα′−Si3N4の存在比率、あるいはα′−Si3
N4、β′−Si3N4の組成が本第2発明の範囲をはずれる
ものも上記と同様に製造した。
得られた各焼結体について実施例1と同様にして4点
曲げ試験及び破壊靱性の測定を実施した。その結果を第
10表に示す。
第10表より明らかなように、比較例では、室温での強
度が最高で75kg/mm2、KICが最高で6.6MPam1/2であるの
に対して、本実施例のものでは、室温での強度が85kg/m
m2以上と高く、またKICも7MPam1/2以上と高いものであ
る。また、本実施例のものは、1200℃、1300℃の高温で
の強度が比較例のものよりもかなり高く、高温での安定
性に優れていることが分る。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、実施例1における焼結体のX線
回折チャートである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α′−窒化珪素とβ′−窒化珪素とからな
    る窒化珪素質焼結体であって、X線回折によるピーク強
    度比における存在比率は、α′−窒化珪素0.05〜0.50、
    β′−窒化珪素0.95〜0.50であり、α′−窒化珪素は、
    結晶粒の平均粒径が2.0μm以下であり、β′−窒化珪
    素は、結晶粒の平均粒径が長径方向において5.0μm以
    下、短径方向において1.0μm以下であることを特徴と
    する窒化珪素質焼結体。
  2. 【請求項2】請求項(1)に記載の窒化珪素質焼結体に
    おいて、α′−窒化珪素は、結晶粒の平均粒径が1.0μ
    m以下であり、β′−窒化珪素は、結晶粒の平均粒径が
    長径方向において2.5μm以下、短径方向において0.5μ
    m以下であることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
  3. 【請求項3】α′−窒化珪素とβ′−窒化珪素とかなる
    窒化珪素質焼結体であって、X線回折によるピーク強度
    比における存在比率は、α′−窒化珪素0.05〜0.50、
    β′−窒化珪素0.95〜0.50であり、α′−窒化珪素は、
    Mx(Si,Al)12(O,N)16(Mは、リチウム、マグネシウム、
    カルシウム、イットリウムのうちの少なくとも1種であ
    る。0<x≦0.3)で表されるものであり、β′−窒化
    珪素は、Si6-yAlyOyN8-y(0<y≦1.0)で表されるも
    のであることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
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