JP3176203B2 - 窒化珪素質焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化珪素質焼結体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は室温から高温までの強度
特性に優れ、特に、自動車用部品やガスタービンエンジ
ン用部品等に使用される窒化ケイ素質焼結体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、窒化ケイ素質焼結体は、耐熱
性、耐熱衝撃性、および、耐酸化特性に優れることから
エンジニアリングセラミックス、特に、ターボローター
等の熱機関用として応用が進められている。この窒化珪
素質焼結体は、一般には窒化珪素に対してY2 3 、A
2 3 あるいはMgOなどの焼結助剤を添加すること
により高密度で高強度の特性が得られている。このよう
な窒化珪素質焼結体に対しては、さらにその使用条件が
高温化するに際して、高温における強度および耐酸化特
性のさらなる改善が求められている。かかる要求に対し
て、これまで焼結助剤の検討や焼成条件等を改善する等
各種の改良が試みられている。
【0003】その中で、従来より焼結助剤として用いら
れてきたAl2 3 等の低融点酸化物が高温特性を劣化
させるという見地から、窒化珪素に対してY2 3 等の
周期律表第3a族元素酸化物(以下、RE2 3 という
ことがある)および酸化珪素からなる単純な3元系(S
3 4 −SiO2 −RE2 3 )の組成からなる焼結
体が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、焼結
助剤としてAl2 3 やMgO等を含む系に比較して、
上記Si3 4 −SiO2 −RE2 3 系の組成におい
ては液相の生成温度が高いため焼結しにくいという欠点
がある。そのため、一旦常圧焼成、ホットプレス焼成、
窒素ガス加圧焼成などにより焼成して相対密度90%以
上に緻密化した後、その焼結体を1000〜2000気
圧下の高圧下で焼成することにより緻密化を促進する方
法が提案されている。ところが、このような方法におい
ては、雰囲気中にカーボンが多量に存在するため、焼結
体の表面に荒れが生じ焼結体の焼き放し面の強度が劣化
するという問題が生じていた。この問題に対しては焼結
体表面を研磨処理すれば強度の回復を図ることができる
が、複雑形状品ではこのような研磨処理が難しく、また
寸法精度が要求される部品ではその研磨処理に高精度が
要求されたり、製造コストが高くなるという問題があ
る。
【0005】本発明は、特に焼き放し面強度に優れ、か
つ低温から高温までの耐酸化特性に優れ、自動車部品や
ガスタービンエンジン用等で使用されるに十分な強度特
性、特に、室温から1500℃の高温までの抗折強度に
優れる窒化珪素質焼結体の製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者は、高い焼き放
し面強度を持ち、焼結体の高温特性を高めるために検討
を重ねた結果、窒化珪素を主成分とし、周期律表第3a
族元素の1種以上を酸化物換算で0.3〜10mol%
含有し、Al、MgおよびCaが総量で0.5重量%以
下の組成からなる相対密度90%以上の焼結体を作製し
た後、該焼結体を窒素ガスと、アルゴンガスと、COガ
スあるいはSiOガスとを含み、前記窒素が1〜100
気圧、前記アルゴンガスが1000〜2000気圧、お
よび前記COガスあるいはSiOガスが0.01〜10
気圧の混合ガス中で焼成することにより上記目的が達成
されることを知見した。
【0007】以下、本発明を詳述する。本発明の窒化珪
素質焼結体の製造方法によれば、出発原料として窒化珪
素粉末、周期律表第3a族元素酸化物粉末、場合によっ
ては酸化珪素粉末を用いる。本発明によれば、添加され
る周期律表第3a族元素酸化物が0.3〜10mol%
であることが重要である。これは、周期律表第3a族元
素酸化物が10mol%を越えると焼結体中に占める粒
界相の体積分率が増加し、高温強度を劣化させてしまう
からである。また、0.3mol%未満では緻密体が得
られない。なお、本発明に用いられる、周期律表第3a
族元素としては、Yやランタノイド元素が挙げられるが
特にYb,Er,Luが好ましい。
【0008】また、本発明によれば、出発原料中にAl
2 3 、MgO、CaO等の酸化物を添加することな
く、具体的には総量で0.5重量%以下に抑制した組成
からなるものである。これは、焼結体の高温特性を改善
するために必要であり、これらの酸化物量が0.5重量
%を越えると高温特性が劣化する。
【0009】一方、用いる窒化珪素粉末は、それ自体α
−Si3 4 、β−Si3 4 のいずれでもよく、それ
らの粒子径は0.4〜1.2μmが適当である。また、
窒化珪素に対して、場合によっては珪素粉末を用いるこ
とができ、この場合には窒化工程にて窒化珪素を生成す
ればよい。
【0010】上記のように配合された混合粉末を十分に
攪拌混合した後に、その混合粉末を公知の成形方法、例
えば、プレス成形、鋳込み成形、押出成形、射出成形、
冷間静水圧成形等により所望の形状に成形する。
【0011】次に、得られた成形体を公知の焼成方法、
例えば、ホットプレス方法、常圧焼成、窒素ガス圧焼成
等を用いて一次焼成する。この際焼結体の相対密度は、
90%以上好ましくは95%以上が必要である。即ち、
90%より低いと、その後のHIP処理において緻密化
しない。そのために一次焼成時の焼成温度は1600〜
2000℃が好ましい。
【0012】本発明によれば、上記一次焼成により得ら
れた焼結体に対して熱間静水圧焼成(HIP)を施し、
緻密化を図る。その時、本発明によれば、HIP焼成を
窒素、アルゴン、および一酸化珪素もしくは一酸化炭素
の少なくとも一種の計三種類以上の混合ガスを用い、窒
素が1〜100気圧、アルゴンガスが1000〜200
0気圧、およびCOガスあるいはSiOガスが0.01
〜10気圧の混合ガス中で焼成することが重要である。
これらのガス比率は、焼結体の焼き放し面の強度を高め
る上で重要である。即ち、ガスの圧力を上記のように限
定した理由は、窒素ガス圧が1気圧未満では窒化珪素の
分解が促進し、100気圧を越えると酸化珪素の分解と
窒化珪素の生成が促進する。その結果いずれも焼き放し
面強度が劣化するためである。アルゴンガス圧は、10
00気圧未満では微小ボイドが残存し強度が低く、20
00気圧を越えると装置の制約が大きい。一酸化珪素も
しくは一酸化炭素のガス圧は0.01気圧未満では窒化
珪素、酸化珪素の分解が促進し、焼き放し面の強度が劣
化する。また、10気圧を越えると酸化反応が生じ、同
じく、焼き放し面の強度が劣化する。特に望ましくは、
窒素ガス圧10〜50気圧、アルゴンガス圧1500〜
2000気圧、COガスあるいはSiOガス0.1〜1
気圧がよい。このような構成により最終的には相対密9
8%以上の焼結体が得られるのである。
【0013】なお、混合ガス中、SiOガスは窒化珪
素、酸化珪素、珪素等の粉末を高温にする事によって発
生させることができ、COガスは成形体中に微量の炭素
を添加しておくことにより発生することができる。一酸
化炭素についてもカ−ボンを含んだ粉末を用いてもよ
く、もしくは通常のガスボンベを用いてもよい。熱間静
水圧焼成時の温度は、ボイド低減のため1500℃以
上、粒成長抑制のため2000℃以下が好ましい。
【0014】
【作用】本発明によれば、焼結体の組成として焼結助剤
として周期律表第3a族元素酸化物を用いるものの、従
来から一般に使用されるAl2 3 、MgO、CaOな
どの酸化物を低減した組成することにより高温特性を改
善するものであるが、かかる系は液相焼結時に焼結助剤
により形成される液相成分の融点が高いことから焼成が
難しく、高温で焼成することが必要であるが、その場
合、焼結体の表面には荒れが生じ、焼き放し面での強度
を低下する。
【0015】本発明によれば、熱間静水圧焼成工程にお
いて、窒素1〜100気圧、アルゴン1000〜200
0気圧、および一酸化珪素もしくは一酸化炭素0.01
〜10気圧の混合ガス中で熱間静水圧処理することによ
り焼き放し面強度を高めると同時に高温特性を高めるこ
とができる。
【0016】
【実施例】原料粉末として窒化珪素粉末(BET比表面
積8m2 /g、α率98%、酸素量1.2重量%)と周
期律表第3a族元素酸化物粉末、酸化珪素粉末、Al2
3 粉末を用いて表1に示す組成になるように調合して
混合後金形プレス成形にてテストピ−スを成形した。得
られた成形体を炭化珪素中の匣鉢に入れて、組成変動を
少なくするために、10気圧の窒素ガス圧中1850℃
で4時間焼成し、相対密度98%の焼結体を作製した。
その後、この一次焼結体に対して表1に示す条件下でH
IP処理を行い、20×50×100mmの形状の焼結
体を得た。
【0017】このHIP処理後の焼結体に対して、それ
ぞれアルキメデス法に基づく比重測定を行い、さらに試
料の一部は長手方向の4面をすべて研磨し、残りを焼き
放し面を一面残し残りの3面を研磨し、この2種の測定
用試料についてJIS−R1601に基づく室温および
1500℃での4点曲げ抗折試験を実施した。なお、1
面に焼き放し面を有する試料の試験では、焼き放し面が
下面になるようにして測定した。また、試料を1500
℃空気中に100時間暴露し、重量増加量と試料の表面
積から単位表面積当たりの重量変化を求めた。結果は表
2に示した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】実施例2 原料粉末として窒化珪素粉末(BET比表面積8m2
g、α率98%、酸素量1.2重量%)と周期律表第3
a族元素酸化物粉末、酸化珪素粉末、MgO粉末を用い
て表3に示す組成になるように調合して混合後、金形プ
レス成形にてテストピ−スを成形した。得られた成形体
を炭化珪素中の匣鉢に入れて、組成変動を少なくするた
めに、雰囲気を制御し、表3の条件で焼成した。これら
の試料についてそれぞれアルキメデス法に基づく比重測
定を行なった。その後さらに1900℃1時間窒素10
気圧、アルゴン1900気圧、一酸化珪素1気圧の条件
にてHIP処理した。
【0021】得られた焼結体に対し、実施例1と同様に
一部は4面研磨、残りを焼き放し面を一面残し3面研磨
した試料を作製し、これをJIS−R1601に基づく
室温および1500℃での4点曲げ抗折試験を実施し、
また、実施例1と同様にして酸化重量増加分の測定を行
った。結果は表4に示す。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】表1から表4の結果によると、HIP条件
が本発明の範囲を越える試料No.19〜23は、焼き
放し面強度が低下していることがわかる。また、周期律
表第3a族元素の一種以上が10mol%を越える試料
No.12は、強度及び耐酸化特性が劣化していた。
0.3mol%以下の試料No.11は緻密化しなかっ
た。また、GPS後の密度が低い試料No.28〜30
は、HIP後緻密化せず強度が低い。また、Al2 3
やMgOを0.5重量%を越えて含有する試料No.2
4,32はいずれも高温強度が低いものであった。
【0025】これらの比較例に対して、その他の本発明
に基づく試料は、いずれも優れた抗折強度、耐酸化特性
を示していた。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
周期律表第3a族元素のうちの一種以上とSiとOとN
からなる焼結体で、HIP時のガス圧を制御することに
より焼き放し面強度に優れ、室温から高温、特に150
0℃における強度劣化が小さく、優れた耐酸化特性を有
する窒化珪素焼結体を提供することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化珪素を主成分とし、周期律表第3a族
    元素の1種以上を酸化物換算で0.3〜10mol%含
    有し、Al、MgおよびCaが総量で0.5重量%以下
    の組成からなる相対密度90%以上の焼結体を作製した
    後、該焼結体を窒素ガスと、アルゴンガスと、COガス
    あるいはSiOガスとを含み、前記窒素が1〜100気
    圧、前記アルゴンガスが1000〜2000気圧、およ
    び前記COガスあるいはSiOガスが0.01〜10気
    圧の混合ガス中で焼成することを特徴とする窒化珪素質
    焼結体の製造方法。
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