JP3236739B2 - 窒化珪素質焼結体およびその製造方法 - Google Patents
窒化珪素質焼結体およびその製造方法Info
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Description
度特性に優れた自動車用部品やガスタ−ビンエンジン用
部品等に使用される窒化珪素質焼結体と、その製造方法
に関する。
耐熱衝撃性および耐酸化性に優れることからエンジニア
リングセラミックス、特にタ−ボロ−タ等の熱機関用と
して応用が進められている。
体を作製する方法としては、窒化珪素粉末に対して、焼
結助剤としてY2O3などの希土類元素酸化物や酸化アル
ミニウムなどを添加し焼成することが特公昭52−36
49号にて提案されている。このような希土類元素酸化
物と酸化アルミニウムを焼結助剤として用いた窒化珪素
質焼結体は、窒化珪素主結晶相と、希土類元素、珪素、
アルミニウム、酸素、窒素からなる粒界相により構成さ
れる。
助剤として希土類元素酸化物と酸化アルミニウムを用い
た場合、その焼結性が高められることにより高密度化を
達成することができ、室温強度の高い焼結体となるが、
1000℃の高温特性の点では、希土類元素、珪素、ア
ルミニウム、酸素、窒素からなる粒界相自体が低融点で
あり、高温で軟化しやすいために焼結体全体としての高
温特性も実用的には未だ不十分であるがために、その使
用条件は低温域に限定されていた。よって、このような
焼結性を維持しながらも高温特性、特に高温強度の改良
が要求されている。
0℃の高温まで自動車用部品やガスタ−ビンエンジン用
部品などに使用されるに充分な機械的特性、特に室温か
ら1000℃の高温までの抗折強度に優れた窒化珪素質
焼結体を提供するとともに、その焼結体を容易に作製す
ることのできる窒化珪素質焼結体の製造方法を提供する
にある。
の機械的、熱的特性を高めるためには、焼結体の主結晶
相および窒化珪素相の粒界に存在する副相を制御するこ
とが重要であるという見地に基づき検討を重ねた結果、
焼結体の組織において、β−窒化珪素結晶相と、希土類
元素、珪素、アルミニウム、酸素および窒素を含む粒界
相からなる基本組織においてその粒界相中に微細なSi
2 N2 O粒子を分散させることより、上記目的が達成さ
れることを見いだし本発明に至ったのである。
窒化珪素結晶相と、希土類元素、珪素、アルミニウム、
酸素および窒素を含有する粒界相を含み、且つ平均粒径
5〜20μmのSi2N2O粒子相を分散含有するととも
に、前記アルミニウムを酸化物換算で2〜8重量%含有
することを特徴とするものであり、かかる焼結体の製造
方法として、窒化珪素、希土類元素酸化物、酸化アルミ
ニウム、及び平均粒径3μm以下の酸化珪素を含む成形
体を10torr以下の減圧中800〜1400℃の温
度域で加熱することによりSi2N2O粒子を析出させ、
その後焼結させることにより前述の目的が達成される事
を見出した。
素質焼結体は、基本的な組織として、β−窒化珪素を主
結晶相とし、希土類元素、珪素、アルミニウム、酸素お
よび窒素を含む粒界相を有するとともに、前記アルミニ
ウムを酸化物換算で2〜8重量%含有するものである。
本発明における大きな特徴は、この組織中にさらに平均
粒径が5〜20μmのSi2N2O粒子を分散させる点に
ある。
5〜20μmであることが必要である。分散されるSi
2 N2 O粒子は、それ自体耐熱性が高く、しかも耐酸化
特性に優れるため高温における粒界相の軟化をピニング
効果により防ぐことができるのである。従って、このS
i2 N2 O粒子の平均粒径が5μmより小さいと、その
ピニング効果が得られずに目的の特性が得られず、20
μmを越えるとそれ自体が破壊源となり焼結体の強度を
低下させてしまう。Si2 N2 O粒子の平均粒径は特に
10〜15μmが望ましい。
2 O粒子を組織中に分散させるには、窒化珪素を主成分
とし、焼結助剤として少なくとも希土類酸化物、酸化ア
ルミニウムを添加するとともに、平均粒径が3μm以下
の酸化珪素粉末を添加する。
ウム粉末が2〜8重量%であることが重要であり、希土
類元素酸化物粉末が1〜10重量%、酸化珪素粉末が1
〜10重量%であることが望ましい。なお、出発原料と
して用いる窒化珪素粉末はそれ自体α−Si3N4、β−
Si3N4のいずれでも用いることができ、それらの粒径
は0.4〜1.2μmが好ましい。
所望の成形手段、例えば、鋳込み成形,金型プレス,冷
間静水圧プレスあるいは押出し成形等により任意の形状
に成形する。
torr以下の減圧中、800℃〜1400℃の温度域
で加熱する。この高温の減圧化で加熱することにより、
SiO2 と窒化珪素との反応を促進し、かつ酸化物の窒
化や、各配合物間の反応の際生成する一酸化珪素ガスや
窒素ガスを成形体外部へ迅速に排出し、粒界相組成の変
化やボイドの生成を防ぐのである。この加熱処理条件を
上記のように範囲を限定したのは、10torrを越え
る圧力下、または800℃未満の温度では、いずれも一
酸化珪素ガスや窒素ガスの生成ガスの排出が十分でな
く、しかもSi2N2 Oの粒成長が不十分で目的の強度
が得られない。また1400℃を越える温度では、窒化
珪素が分解し始めるからである。特に本発明によれば、
酸化珪素の添加量が重要であり、酸化珪素の添加量の範
囲を上記のように限定したのは、10重量%を越えると
酸化珪素と窒化珪素との反応が完全には行われずにSi
2 N2 O粒子も巨大化し平均粒径が20μmを越えるこ
とになり、また1重量%未満では、Si2 N2 Oの生成
が行われず、いずれも目的の強度が得られないためであ
る。
ては、Y、Er、YbおよびLuなどが好適に用いられ
る。これらの希土類元素において特性上の有意差があま
り認められないが、安価に入手できる点からYが好まし
い。
例えば、ホットプレス方法、常圧焼成、窒素ガス圧力焼
成、さらにはこれらの焼成後の熱間静水圧焼成(HI
P)焼成、およびガラスシ−ルHIP焼成等で焼成する
ことにより緻密な焼結体を得る。この時の焼成は、高温
すぎると主相である窒化珪素結晶が粒成長し強度が低下
するため、非酸化性雰囲気中で1600〜1900℃、
特に1650〜1850℃の窒素ガス含有非酸化性雰囲
気であることが望ましい。この焼成により窒化珪素は、
原料がα、βのいずれの場合においてもβ−Si3 N4
となる。また、望ましくは窒素圧1.5〜100atm
の加圧中で行うのがよい。
おいては、上記の組織以外にTi、Zr、Ta,Nb、
Cr、W、Moなどの周期律表第4a、5a、6a族元
素金属や、それらの炭化物、窒化物、珪化物、またはS
iCなどが分散粒子やウイスカ−として、独立した相と
して存在しても本発明の特性への影響が少ないことか
ら、これらを周知技術の基づき、適量添加して複合材料
として特性の改善を行うことも当然可能である。
は、β−窒化珪素粒子と、その粒子間に存在する粒界相
の特性に決定される。本発明によれば、粒界相を希土類
元素と珪素とアルミニウムと酸素と窒素から構成させ
る、即ち、焼結助剤として少なくとも希土類元素酸化物
と酸化アルミニウムを併用することにより、焼結性を高
めることができ焼結体の緻密化を達成することができ
る。しかも本発明によれば、さらに粒界中に微細なSi
2 N2 O結晶粒子を分散させることにより、分散される
Si2 N2 O粒子自体耐熱性が高く、しかも耐酸化特性
に優れるため高温における粒界相の軟化をSi2 N2 O
粒子のピニング効果により防止することができ、室温か
ら1000℃まで優れた機械的特性を付与することがで
きる。
量1.2重量%)と各種の希土類元素酸化物粉末と酸化
アルミニウム粉末、および平均粒径が1μmの酸化珪素
粉末を用いて、表1に示す組成になるように調合後、1
t/cm2 で金型成形した。この成形体を炭化珪素質の
匣鉢に入れて表1の条件で熱処理および焼成を行った。
指定されている形状まで研磨し試料を作製し、この試料
についてJIS−R1601に基づく室温および100
0℃での4点曲げ抗折強度試験を実施した。また、焼結
体をX線回折測定を行い、Si2 N2 O結晶の存在と、
鏡面仕上げを行った試料の表面を光学顕微鏡観察により
観察しSi2 N2 O粒子の大きさを測定し、10個の平
均粒径を測定し、結果を表1に示した。
平均粒径が5μmより小さいか、または20μmより大
きい試料No.8,9はいずれも高温強度の低下が見られ
た。
低い試料No.18ではSi2 N2 O粒子径が5μmより
小さく、また処理温度が1400℃を越える試料No.1
9では、Siの溶融が確認された。また、熱処理時の圧
力が10torrを越える試料No.20においてもSi
2 N2 O粒子径が5μmより小さく、高温強度が低いも
のであった。
子が粒界に析出した本発明に基づく試料は、いずれも室
温強度900MPa以上、1000℃強度900MPa
以上の高い強度を有するものであった。
量1.2重量%)と粉末と、平均粒径の異なる酸化珪素
粉末、酸化アルミニウム粉末を用いて、表2に示す組成
になるように調合後、1t/cm2 で金型成形した。成
形体を炭化珪素質の匣鉢に入れて1100℃、1tor
r下で5時間熱処理した後、1800℃、N2 圧9at
m下で5時間焼成した。
指定されている形状まで研磨し試料を作製した。この試
料についてJIS−R1601に基づく室温および10
00℃での4点曲げ抗折強度試験を実施した。また鏡面
仕上げを行ったサンプルの光学顕微鏡観察によりSi2
N2 O粒子の大きさを測定した。
が20μmを越える試料No.24、25、26では強度
特性が低下していた。これらの比較例に対して、Si2
N2O粒子径が5〜20μmの本発明の試料はいずれも
高い抗折強度を示した。
焼結体は、室温から1000℃まで900MPa以上の
高い抗折強度を有するものであり、室温から高温まで使
用されるターボロータ,ピストンピン,バルブ,カムロ
ーラ,ホットプラグ,グロープラグなどの自動車用部品
やガスタ−ビンエンジン用部品等として要求される十分
な機械的特性を有するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】β−窒化珪素主結晶相と、希土類元素、珪
素、アルミニウム、酸素および窒素を含有する粒界相か
らなり、該粒界相中に平均粒径5〜20μmのSi2N2
O粒子を分散含有するとともに、前記アルミニウムを酸
化物換算で2〜8重量%含有することを特徴とする窒化
珪素質焼結体。 - 【請求項2】窒化珪素を主成分とし、助剤成分として希
土類元素酸化物、酸化アルミニウムとともに平均粒径3
μm以下の酸化珪素を1〜10重量%の割合で含む成形
体を10torr以下の減圧中、800℃〜1400℃
の温度で加熱してSi2N2O粒子を析出させた後、さら
に1600〜1900℃の非酸化性雰囲気中で焼成する
ことを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP20652194A JP3236739B2 (ja) | 1994-08-31 | 1994-08-31 | 窒化珪素質焼結体およびその製造方法 |
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Publications (2)
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JPH0867566A JPH0867566A (ja) | 1996-03-12 |
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WO2012092369A2 (en) * | 2010-12-30 | 2012-07-05 | Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. | Crucible body and method of forming same |
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- 1994-08-31 JP JP20652194A patent/JP3236739B2/ja not_active Expired - Fee Related
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