JP2023037511A - パラレルリンク機構およびリンク作動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広作動範囲で高速動作が可能で、かつ長寿命化と滑らかな動きを実現するパラレルリンク機構およびリンク作動装置を提供する。【解決手段】パラレルリンク機構は、基端側のリンクハブ12と基端側の端部リンク部材15との回転対偶部、基端側および先端側のそれぞれの端部リンク部材と中央リンク部材17との回転対偶部、および先端側のリンクハブと先端側の端部リンク部材との回転対偶部を含む各回転対偶部に軸受23がそれぞれ設けられる。軸受23は、内外輪間の軸受空間に封入されたグリース組成物を備えたグリース封入軸受である。グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸である。【選択図】図2A

Description

本発明は、例えば、医療機器または産業機器等の高速、高精度、および広範な作動範囲を必要とする機器に用いられるパラレルリンク機構およびリンク作動装置に関する。
特許文献1では、ベースプレートとトラベリングプレートとを有し、両者の間を複数のリンクで結合し、これらのリンクを協調動作させることによりトラベリングプレートを移動させるパラレルリンク機構によって所定の作業を行う作業装置が提案されている。
特許文献2では、コンパクトでありながら、高速、高精度で、広範な作動範囲の動作が可能なリンク作動装置が提案されている。
特開2000-94245号公報 米国特許第5893296号明細書
小島肇著、「トライボロジスト」、第58巻、第11号、2013年、p.817-823
特許文献1のパラレルリンク機構では、各リンクの作動角が小さいため、トラベリングプレートの作動範囲を大きく設定するためには、リンク長さを長くする必要がある。それにより、機構全体の寸法が大きくなって、装置が大型になってしまうという問題があった。また、リンク長さを長くすると、機構全体の剛性の低下を招く。そのため、トラベリングプレートに搭載されるツールの重量、つまり、トラベリングプレートの可搬重量も小さいものに制限されるという問題もあった。
特許文献2に示すパラレルリンク機構およびリンク作動装置の構成では、各回転対偶部が揺動運動し、回転対偶部に設置される軸受にとっては、単位時間当りの停止-起動-運転-停止動作の切換えの回数が増加し、その都度軸受に加えられる加速度および減速度が大きくなり、それに伴い軸受に生じるすべりが大きくなっている。軸受に生じるすべりは、転動体と軌道輪の間に油膜切れを生じやすくし、転動体の表面または内・外輪の軌道面に、フレッチング摩耗と呼ばれる局部的な摩耗が発生しやすくなり、軸受寿命が低下する恐れがあった。また、高予圧状態で軸受を微小揺動させると、その後、軸受には、グリースの影響により回転時に軸受らしからぬ部分的に回転トルクが大きくなるいわゆる「引っ掛かり」が発生し、滑らかな回転ができなくなる恐れがあった。
本発明の目的は、広作動範囲で高速動作が可能で、かつ長寿命化と滑らかな動きを実現するパラレルリンク機構およびリンク作動装置を提供することである。
本発明の関節機構は、隣接する部材同士が回転対偶部を介して回転自在に連結され、前記回転対偶部に、グリース組成物が封入されたグリース封入軸受が設けられた関節機構であって、
前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、
前記増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸である。
前記「混和ちょう度」は、JIS K 2220に準拠した60回混和ちょう度である。
前記グリース組成物を適用することで、軸受内における、例えば、転動体と軌道輪の接触部分へのグリースの流入性が良好となり、耐フレッチング摩耗性に優れる。また、回転対偶部に前記グリース封入軸受を使用すると、高予圧状態で軸受を微小揺動させても、その後の回転時の引っ掛かりが低減され高速動作が可能となる。したがって、広作動範囲で高速動作が可能で、かつ長寿命化と滑らかな動きを実現する関節機構を実現し得る。
本発明のパラレルリンク機構は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構が、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、
前記基端側のリンクハブと前記基端側の端部リンク部材との回転対偶部、前記基端側および先端側のそれぞれの端部リンク部材と前記中央リンク部材との回転対偶部、および前記先端側のリンクハブと前記先端側の端部リンク部材との回転対偶部、を含む各回転対偶部に軸受がそれぞれ設けられ、複数の前記軸受における少なくともいずれか1つの軸受は、軌道輪である内外輪と、これら内外輪間に介在する複数の転動体と、前記内外輪間の軸受空間に封入されたグリース組成物とを備えたグリース封入軸受であるパラレルリンク機構であって、
前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、
前記増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸である。
前記「混和ちょう度」は、JIS K 2220に準拠した60回混和ちょう度である。
この構成によると、基端側のリンクハブと先端側のリンクハブと3組以上のリンク機構とで、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが直交2軸周りに回転自在な2自由度機構が構成される。言い換えると、基端側のリンクハブに対して先端側のリンクハブを、回転が2自由度で姿勢変更自在な機構としている。この2自由度機構は、コンパクトでありながら、基端側のリンクハブに対する先端側のリンクハブの可動範囲を広くとれる。
本パラレルリンク機構は、作動範囲となる最大折れ角θmaxに対し、各回転対偶部が±θmax/2付近となる揺動運動を行う。転動体の公転運動は前記回転対偶部の揺動運動の1/2となる。また、パラレルリンク機構の剛性は、軸受のモーメント剛性に寄与する部分が大きく、軸受を高予圧状態で使用する場合が多い。このような本パラレルリンク機構の回転対偶部に、以下のグリース組成物が封入されたグリース封入軸受を適用する。前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、前記増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸である。これにより、転動体と軌道輪の接触部分へのグリースの流入性が良好となり、耐フレッチング摩耗性に優れる。また、回転対偶部に前記グリース封入軸受を使用すると、高予圧状態で軸受を微小揺動させても、その後の回転時の引っ掛かりが低減され高速動作が可能となる。したがって、広作動範囲で高速動作が可能で、かつ長寿命化と滑らかな動きを実現するパラレルリンク機構を実現し得る。
前記グリース封入軸受は、前記軌道輪における最大接触面圧が2000MPa以上の高荷重条件、かつ、臨界揺動角未満の条件で使用されてもよい。
前記「最大接触面圧」は、軌道輪と転動体との接触面における面圧の最大値である。
前記「臨界揺動角」は、軸受における実用可能な最小な揺動角であり、軸受内部設計の主に一列に含まれる転動体数によって決定され、定格寿命が得られる最小の揺動角である。
このグリース封入軸受によると、前記高荷重条件、かつ、臨界揺動角未満の条件においても、十分な耐フレッチング摩耗性とシール性を有する。
前記グリース組成物は、前記増ちょう剤がカルシウムスルホネート複合石鹸で、かつ前記混和ちょう度が310~340であってもよい。この場合、グリースの流動性が所定の範囲に制限され、シール性により優れる。
前記グリース組成物の前記基油が、鉱油または合成炭化水素油であってもよい。基油と増ちょう剤の組み合わせは、基油中での増ちょう剤同士の相互作用に関わり、増ちょう効果に影響するため、適切な組み合わせを選択することが好ましい。前記基油が鉱油である場合、合成炭化水素油を用いるよりもコスト低減を図れる。前記基油が合成炭化水素油である場合、鉱油を用いるよりも高温での潤滑性能が得られる。
前記グリース封入軸受が、アンギュラ玉軸受であってもよい。この場合、アンギュラ玉軸受に予めアキシアル荷重を負荷して軸受の剛性を高めることができる。したがって、パラレルリンク機構の高精度化を図ることができる。
前記アンギュラ玉軸受は、背面合わせで使用する組合せアンギュラ玉軸受であってもよい。パラレルリンク機構の剛性は、軸受のモーメント剛性に大きく寄与するため、背面合わせで使用する組合せアンギュラ玉軸受を使用することで、安価な軸受構成で軸受のモーメント剛性を高くできる。このため、パラレルリンク機構の剛性を高めると共にコスト低減を図れる。
前記組合せアンギュラ玉軸受は、反合わせ面側である軸方向外側面にシール部材を備えてもよい。この場合、必要最低限の部品で、軸受に異物が侵入することおよび軸受からのグリース漏れを防止できる。また、パラレルリンク機構の組立時に設置する軸受の向きを、シール部材の有無で容易に判断できるため、組立性が向上し、コスト低減に繋がる。
本発明のグリース組成物は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構が、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有するパラレルリンク機構、に使用されるグリース組成物であって、
前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、
前記増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸である。
前記「混和ちょう度」は、JIS K 2220に準拠した60回混和ちょう度である。
前記パラレルリンク機構の各接触部分に前記グリース組成物を使用することで、同接触部分へのグリースの流入性が良好となり、耐フレッチング摩耗性に優れる。
本発明の軸受は、基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構が、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有するパラレルリンク機構、に使用される軸受であり、
前記軸受は、前記基端側のリンクハブと前記基端側の端部リンク部材との回転対偶部、前記基端側および先端側のそれぞれの端部リンク部材と前記中央リンク部材との回転対偶部、および前記先端側のリンクハブと前記先端側の端部リンク部材との回転対偶部、を含む各回転対偶部にそれぞれ設けられ、複数の前記軸受における少なくともいずれか1つの軸受は、軌道輪である内外輪と、これら内外輪間に介在する複数の転動体と、前記内外輪間の軸受空間に封入されたグリース組成物とを備えたグリース封入軸受であって、
前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、
前記増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸である。
前記「混和ちょう度」は、JIS K 2220に準拠した60回混和ちょう度である。
この場合、転動体と軌道輪の接触部分へのグリースの流入性が良好となり、耐フレッチング摩耗性に優れる。また、回転対偶部に前記グリース封入軸受を使用すると、高予圧状態で軸受を微小揺動させても、その後の回転時の引っ掛かりが低減され高速動作が可能となる。
本発明のリンク作動装置は、本発明の上記いずれかの構成のパラレルリンク機構における前記3組以上のリンク機構のうち2組以上のリンク機構に、前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に制御する姿勢制御用アクチュエータを備えた。そのため、本発明のパラレルリンク機構につき前述した各効果が得られる。
本発明のパラレルリンク機構およびリンク作動装置によれば、回転対偶部に設けられる軸受がグリース組成物を備えたグリース封入軸受であり、前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、前記増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸である。このため、広作動範囲で高速動作が可能で、かつ長寿命化と滑らかな動きを実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係るパラレルリンク機構の一部を省略した正面図である。 図1のIIA-IIA線の一部断面図である。 図2AのIIB部の部分拡大図である。 同パラレルリンク機構の1つのリンク機構を直線で表現した図である。 同パラレルリンク機構のグリース封入軸受の縦断面図である。 低面圧の耐フレッチング摩耗性の評価結果である。 高面圧の耐フレッチング摩耗性の評価結果である。 本発明の他の実施形態に係るパラレルリンク機構の正面図である。 同パラレルリンク機構の各基端側の端部リンク部材の水平断面図である。 同パラレルリンク機構の各先端側の端部リンク部材の水平断面図である。 本発明の実施形態に係るリンク作動装置の斜視図である。 同リンク作動装置の2つのリンク機構を省略した簡易モデルの正面図である。 図10のXIA-XIA線の一部断面図である。 図11AのXIB部の部分拡大図である。 同リンク作動装置の最大折れ角等を示す図である。
[第1の実施形態]
本発明の実施形態に係る関節機構としてのパラレルリンク機構を図1ないし図4と共に説明する。
図1に示すように、パラレルリンク機構(関節機構)9は、基端側のリンクハブ12に対し先端側のリンクハブ13を3組のリンク機構14を介して姿勢変更可能に連結したものである。リンク機構14の組数は4組以上であってもよい。なお図1では、1組のリンク機構14のみが示され、残りの2つのリンク機構が省略されている。
各リンク機構14は、基端側の端部リンク部材15、先端側の端部リンク部材16、および中央リンク部材17を有し、4つの回転対偶からなる4節連鎖のリンク機構をなす。
基端側および先端側の端部リンク部材15,16はL字形状(図2A)であり、一端がそれぞれ基端側のリンクハブ12および先端側のリンクハブ13に回転可能に連結されている。中央リンク部材17は、両端に基端側および先端側の端部リンク部材15,16の他端がそれぞれ回転可能に連結されている。
パラレルリンク機構9は、2つの球面リンク機構を組み合わせた構造である。基端側のリンクハブ12と基端側の端部リンク部材15の各回転対偶部、および基端側の端部リンク部材15と中央リンク部材17の各回転対偶部の中心軸が、基端側の球面リンク中心PAで交差している。同様に、先端側のリンクハブ13と先端側の端部リンク部材16の各回転対偶部、および先端側の端部リンク部材16と中央リンク部材17の各回転対偶部の中心軸が、先端側の球面リンク中心PBで交差している。
また、基端側のリンクハブ12と基端側の端部リンク部材15との回転対偶部の中心と基端側の球面リンク中心PA間の距離は同じである。基端側の端部リンク部材15と中央リンク部材17との回転対偶部の中心と基端側の球面リンク中心PA間の距離は同じである。同様に、先端側のリンクハブ13と先端側の端部リンク部材16との回転対偶部の中心と先端側の球面リンク中心PB間の距離は同じである。先端側の端部リンク部材16と中央リンク部材17との回転対偶部の中心と先端側の球面リンク中心PB間の距離は同じである。基端側および先端側の端部リンク部材15,16と中央リンク部材17との各回転対偶部の中心軸は、ある交差角γを持っていてもよいし、平行であってもよい。
図2Aに、基端側のリンクハブ12と基端側の端部リンク部材15の回転対偶部T1、基端側の端部リンク部材15と中央リンク部材17の回転対偶部T2が示されている。前記基端側のリンクハブ12と基端側の端部リンク部材15とが、「隣接する部材同士」に相当し、基端側の端部リンク部材15と中央リンク部材17とが、「隣接する部材同士」に相当する。図3に示す先端側の端部リンク部材16と中央リンク部材17の回転対偶部T3は、図2Bに拡大して示す回転対偶部T2と同様の形状である。図3に示す先端側のリンクハブ13と先端側の端部リンク部材16の回転対偶部T4は、図2Bに拡大して示す回転対偶部T1と同様の形状である。図3に示す先端側の端部リンク部材16と中央リンク部材17とが、「隣接する部材同士」に相当し、先端側のリンクハブ13と先端側の端部リンク部材16とが、「隣接する部材同士」に相当する。
また、図2Aに示すように、基端側のリンクハブ12と基端側の端部リンク部材15との各回転対偶部T1の中心軸O1と、基端側の端部リンク部材15と中央リンク部材17との各回転対偶部T2の中心軸O2とが成す角度αが例えば90°となっている。但し、前記角度αは90°以外であってもよい。
3組のリンク機構14は、幾何学的に同一形状をなす。幾何学的に同一形状とは、図3に示すように、各リンク部材15,16,17を直線で表現した幾何学モデル、すなわち各回転対偶部T1,T2,T3,T4と、これら回転対偶部T1,T2,T3,T4間を結ぶ直線とで表現したモデルが、どのような姿勢をとっていても、中央リンク部材17の中央部に対する基端側部分と先端側部分が対称を成す形状であることを言う。なお各回転対偶部T1,T2,T3,T4を、以下の説明において各回転対偶部T1等と言う場合がある。図3は、1組のリンク機構14を直線で表現した図である。この実施形態のパラレルリンク機構9は回転対称タイプで、基端側のリンクハブ12および基端側の端部リンク部材15と、先端側のリンクハブ13および先端側の端部リンク部材16との位置関係が、中央リンク部材17の中心線Cに対して回転対称となる位置構成になっている。
基端側のリンクハブ12と先端側のリンクハブ13と3組のリンク機構14とで、基端側のリンクハブ12に対し先端側のリンクハブ13が直交2軸周りに回転自在な2自由度機構が構成されている。言い換えると、基端側のリンクハブ12に対して先端側のリンクハブ13を、回転が2自由度で姿勢変更自在な機構としている。この2自由度機構は、コンパクトでありながら、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の可動範囲を広くとれる。
例えば、基端側および先端側の球面リンク中心PA,PBを通り、基端側および先端側のリンクハブ12,13と基端側および先端側の端部リンク部材15,16の各回転対偶の中心軸O1(図2A)と直角に交わる直線を基端側および先端側のリンクハブ12,13の中心軸QA,QBとした場合、基端側のリンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBとの折れ角θの最大値である最大折れ角θmaxを約±90°とすることができる。また、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の旋回角φを0°~360°の範囲に設定できる。折れ角θは、基端側のリンクハブ12の中心軸QAに対して先端側のリンクハブ13の中心軸QBが傾斜した垂直角度のことである。旋回角φは、基端側のリンクハブ12の中心軸QAに対して先端側のリンクハブ13の中心軸QBが傾斜した水平角度のことである。なお最大折れ角θmaxが90°以上であってもよい。
基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢変更は、基端側のリンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBとの交点Oを回転中心として行われる。図1は、基端側のリンクハブ12の中心軸QAと先端側のリンクハブ13の中心軸QBが同一線上にある状態を示し、図3は中心軸QAに対して中心軸QBが或る作動角(折れ角)をとった状態を示す。基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢が変化しても、基端側と先端側の球面リンク中心PA,PB間の距離Lは変化しない。
図1に示すように、基端側のリンクハブ12は、平板状の基端部材6と、この基端部材6と一体に設けられた3個の回転軸連結部材21(図2A)とを有する。図2Aに示す基端部材6は中央部に円形の貫通孔6aを有し、この貫通孔6aの周囲に3個の回転軸連結部材21が円周方向に等間隔で配置されている。貫通孔6aの中心は、基端側のリンクハブ12の中心軸QA(図1)上に位置する。
各回転対偶部T1等に軸受23がそれぞれ設けられている。図2Bに示すように、基端側のリンクハブ12(図2A)と基端側の端部リンク部材15の回転対偶部T1では、各回転軸連結部材21に軸受23を介して、回転軸22が回転自在に連結されている。この回転軸22の軸心は、基端側のリンクハブ12の中心軸QA(図1)と交差する。回転軸22に、この回転軸22と一体に回転するように、基端側の端部リンク部材15の一端が連結されている。
回転軸22は、軸方向に沿って順次、大径部、小径部、および雄ねじ部を有し、前記小径部で2個の軸受23を介して回転軸連結部材21に回転自在に支持されている。前記2個の軸受23は、回転軸連結部材21に設けられた内径溝に外輪外周面が嵌合状態で設定され固定されている。他の回転対偶部T2,T3,T4(図3)に設けられる軸受の種類および設置方法も略同様である。
基端側の端部リンク部材15の一端に切欠き部25が形成され、この切欠き部25の両側部分が内外一対の回転軸支持部27,26を構成している。これら一対の回転軸支持部27,26に貫通孔がそれぞれ形成されている。回転軸連結部材21が切欠き部25内に配置され、回転軸22の前記小径部が前記貫通孔および軸受23の内輪内周面に挿通されている。回転軸22の前記雄ねじ部は、内側の回転軸支持部27よりも内側(図2B下側)に突出している。前記雄ねじ部にナットNtが螺着されている。内側の回転軸支持部27と、この回転軸支持部27に対向する内輪端面との間に、スペーサSpが介在されると共に、外側の回転軸支持部26と、この回転軸支持部26に対向する内輪端面との間に、スペーサSpが介在されている。したがって、前記ナットNtの螺着時に軸受23に予圧が付与される。
基端側の端部リンク部材15と中央リンク部材17の回転対偶部T2には、中央リンク部材17の一端に軸受23を介して、回転軸22が連結されている。すなわち基端側の端部リンク部材15の他端には、中央リンク部材17の一端に回転自在に連結された回転軸22が連結されている。この回転軸22は、小径部で2個の軸受23を介して中央リンク部材17の一端に回転自在に支持されている。基端側の端部リンク部材15の他端に切欠き部37が形成され、この切欠き部37の両側部分が内外一対の回転軸支持部39,38を構成している。これら一対の回転軸支持部39,38に貫通孔がそれぞれ形成されている。
切欠き部37内に中央リンク部材17の一端が配置され、前記小径部が前記貫通孔および軸受23の内輪内周面に挿通されている。さらに回転軸22の雄ねじ部にナットNtが螺着されている。軸受23の内輪端面と一対の回転軸支持部39,38との間に、スペーサSp,Spが介在されており、前記ナットNtの螺着時に軸受23に予圧が付与される。
図1に示すように、先端側のリンクハブ13は、平板状の先端部材40と、この先端部材40の底面に円周方向等配で設けられた3個の回転軸連結部材41とを有する。各回転軸連結部材41が配置される円周の中心は、先端側のリンクハブ13の中心軸QB上に位置する。各回転軸連結部材41には、軸心が先端側のリンクハブ13の中心軸QBと交差する回転軸22が回転自在に連結されている。前記回転軸22に先端側の端部リンク部材16の一端が連結されている。先端側の端部リンク部材16の他端には、中央リンク部材17の他端に回転自在に連結された回転軸22が連結されている。
先端側のリンクハブ13と先端側の端部リンク部材16の回転対偶部T4(図3)には、各回転軸連結部材41に設けられた2個の軸受23(図4)を介して、回転軸22が回転自在に連結されている。
先端側の端部リンク部材16と中央リンク部材17の回転対偶部T3(図3)には、中央リンク部材17の他端に設けられた2個の軸受23(図4)を介して回転軸22が回転自在に連結されている。
<グリース封入軸受>
図4に示すように、軸受23は、軌道輪である内外輪2,3と、これら内外輪2,3間に介在する複数の転動体4と、これら転動体4を保持する保持器5と、内外輪2,3間の軸受空間を密封するシール部材6と、前記軸受空間に封入された後述するグリース組成物grとを備えたグリース封入軸受である。この例のグリース封入軸受はアンギュラ玉軸受であり、前記転動体4として例えば鋼球が適用される。前記アンギュラ玉軸受は、背面合わせで使用する組合せアンギュラ玉軸受である。前記組合せアンギュラ玉軸受は、反合わせ面側である軸方向外側面にシール部材6を備えている。換言すれば、この組合せアンギュラ玉軸受は、合わせ面側である軸方向内側面にシール部材が設けられておらず、軸方向外側面のみにシール部材6が設けられている。
外輪3の正面側の内周面には、シール部材6を嵌合固定する外輪シール取付溝3aが形成されている。シール部材6は、基端部が外輪シール取付溝3aに取り付けられ、先端部に内輪シール溝2aに非接触で挿入されるシールリップを有するいわゆる非接触シールである。シール部材6は、内輪シール溝または内輪外周面にシールリップが接触する接触シールであってもよい。なおシール部材は、鋼板のみからなるシールド板で構成することも可能である。
<グリース組成物grについて>
グリース組成物grは、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、前記増ちょう剤はカルシウムスルホネート複合石鹸である。
本発明に用いるカルシウムスルホネート複合石鹸は、カルシウムスルホネートと、カルシウムスルホネート以外のカルシウム塩とを組み合わせた複合石鹸である。グリース組成物の増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸のみであり、それ以外の金属石鹸やウレア化合物などは、増ちょう剤としては含まれないことが好ましい。それにより、カルシウム塩部分のイオン間相互作用が他の成分によって影響を受けずにグリースの性質が長期的に安定となり、ちょう度の低下などが起こりにくいため、良好なシール性に寄与するものと考えられる。
カルシウムスルホネートとしては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、ジラウリルセチルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、パラフィンワックス置換ベンゼンスルホン酸、ポリオレフィン置換ベンゼンスルホン酸、ポリイソブチレン置換ベンゼンスルホン酸などのアルキル芳香族スルホン酸のカルシウム塩や、芳香族スルホン酸のカルシウム塩、アルキルスルホン酸のカルシウム塩、石油スルホン酸のカルシウム塩などが挙げられる。
カルシウムスルホネート以外のカルシウム塩としては、例えば、炭酸、ホウ酸、リン酸、塩酸、スルホン酸などの無機酸のカルシウム塩、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ヘキサデカン酸、オクタン酸などの高級脂肪酸のカルシウム塩、または酢酸、酪酸、吉草酸などの低級脂肪酸のカルシウム塩、無機塩基のカルシウム塩などが挙げられる。また、例えば、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、マロン酸、およびシュウ酸などの二塩基性脂肪酸のカルシウム塩も挙げられる。カルシウムスルホネート以外のカルシウム塩は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
カルシウムスルホネート複合石鹸は、予め合成したものを基油に分散させてもよいし、基油中で合成することによって基油に分散させてもよい。後者の方法の方が、製造工程を簡略化できるとともに、基油中に増ちょう剤を良好に分散させられるため好ましい。
カルシウムスルホネート複合石鹸を基油中で合成する場合、例えば、基油に分散させたアルキル芳香族スルホン酸に、水、水酸化カルシウム、高級脂肪酸、低級脂肪酸、無機酸などを加えて加熱攪拌した後、過熱して水を除去することで、カルシウムスルホネート複合石鹸が得られる。
グリース組成物に用いる基油は、通常、転がり軸受に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油、PAO油、アルキルベンゼン油などの合成炭化水素油、エステル油、エーテル油、シリコーン油、フッ素油などが挙げられる。これらの基油は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
基油と増ちょう剤の組み合わせは、基油中での増ちょう剤同士の相互作用に関わり、増ちょう効果に影響するため、適切な組み合わせを選択することが好ましい。本発明で用いるカルシウムスルホネート複合石鹸に対して、基油は、鉱油または合成炭化水素油であることが好ましい。コストの観点からは、基油は鉱油であることが好ましい。また、高温での潤滑性能の観点からは、基油は合成炭化水素油であることが好ましい。
鉱油としては、潤滑性の観点からはパラフィン系鉱油が好ましく、コストの観点からはナフテン系鉱油が好ましい。鉱油は、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製などを、適宜組み合わせて精製したものを用いることができる。
合成炭化水素油としてはPAO油がより好ましい。PAO油は、α-オレフィンまたは異性化されたα-オレフィンのオリゴマーまたはポリマーの混合物である。α-オレフィンの具体例としては、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラドコセンなどが挙げられ、通常はこれらの混合物が使用される。
基油の動粘度(混合油の場合は、混合油の動粘度)としては、40℃において10~200mm2/sが好ましい。より好ましくは10~100mm2/sであり、さらに好ましくは30~100mm2/sである。
グリース組成物grには、本発明の目的を損なわない範囲でさらに他の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、アミン系やフェノール系、イオウ系の酸化防止剤、塩素系、イオウ系、りん系化合物、有機モリブデンなどの極圧剤、スルホン酸塩や、多価アルコールエステル、ソルビタンエステルなどの防錆剤、エステル、アルコールなどの油性剤などが挙げられる。本発明のグリース封入軸受は、主には高荷重条件下で使用されるため、極圧剤が含有されることが好ましい。添加剤を配合する場合、添加剤全体としての含有量は、グリース組成物全体に対して5質量%以下であることが好ましい。
カルシウムスルホネート複合石鹸は、基油への配合により増ちょうさせる増ちょう作用だけでなく、接触する金属を錆びにくくする防錆作用も有する。よって、カルシウムスルホネート複合石鹸は増ちょう剤と防錆剤の両方の役割を果たすことができるため、グリースには別途防錆剤を含まなくてもよい。
グリース組成物grの混和ちょう度は、310以上である。混和ちょう度をこの範囲とすることで、転動体4と軌道輪の接触部分へのグリースの流入性が良好となり、耐フレッチング摩耗性に優れる。グリース組成物grの混和ちょう度は、310~340であることがさらに好ましい。この範囲であれば、グリースの流動性が所定の範囲に制限され、シール性により優れる。
本発明のグリース封入軸受は、グリースの増ちょう剤がカルシウムスルホネート複合石鹸であるため、高荷重に耐える増ちょう剤膜が形成される。それにより、このグリース封入軸受は、軌道輪における最大接触面圧が2000MPa以上の高荷重条件、かつ、臨界揺動角未満の条件で使用可能である。そのため、汎用の深溝玉軸受ではフレッチング摩耗が起こりやすい、高精度を必要とする用途にも、グリース封入軸受を適用できる。前記軌道輪における最大接触面圧は、2300MPa以上であることがより好ましく、2700MPa以上であることがさらに好ましい。
グリース封入軸受がアンギュラ玉軸受である場合の臨界揺動角は、内輪揺動の場合、以下の関係で表される。
臨界揺動角=(360°/Z)・(Dpw/(Dpw-DwCOSα))
上式中、Zは単列アンギュラ玉軸受の一列当たりの玉数、Dpwは玉のピッチ円径、Dwは玉の直径、αは接触角を意味する。なお、外輪揺動の場合は、右辺分母はDpw+DwCOSαとなる。
<作用効果>
以上説明したパラレルリンク機構9によると、基端側のリンクハブ12と先端側のリンクハブ13と3組以上のリンク機構14とで、基端側のリンクハブ12に対し先端側のリンクハブ13が直交2軸周りに回転自在な2自由度機構が構成される。言い換えると、基端側のリンクハブ12に対して先端側のリンクハブ13を、回転が2自由度で姿勢変更自在な機構としている。この2自由度機構は、コンパクトでありながら、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の可動範囲を広くとれる。
本パラレルリンク機構9は、作動範囲となる最大折れ角θmaxに対し、各回転対偶部が±θmax/2付近となる揺動運動を行う。転動体4の公転運動は前記回転対偶部の揺動運動の1/2となる。また、パラレルリンク機構9の剛性は、軸受23のモーメント剛性に寄与する部分が大きく、軸受23を高予圧状態で使用する場合が多い。このような本パラレルリンク機構9の回転対偶部に、以下のグリース組成物grが封入されたグリース封入軸受を適用する。前記グリース組成物grは、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、前記増ちょう剤はカルシウムスルホネート複合石鹸である。これにより、転動体4と軌道輪の接触部分へのグリースの流入性が良好となり、耐フレッチング摩耗性に優れる。また、回転対偶部に前記グリース封入軸受を使用すると、高予圧状態で軸受23を微小揺動させても、その後の回転時の引っ掛かりが低減され高速動作が可能となる。したがって、広作動範囲で高速動作が可能で、かつ長寿命化と滑らかな動きを実現するパラレルリンク機構9を実現し得る。
パラレルリンク機構9の剛性は、軸受23のモーメント剛性に大きく寄与するため、回転対偶部に適用する軸受23として背面合わせで使用する組合せアンギュラ玉軸受を使用することで、安価な軸受構成で軸受23のモーメント剛性を高くできる。このため、パラレルリンク機構9の剛性を高めると共にコスト低減を図れる。
前記組合せアンギュラ玉軸受が、反合わせ面側である軸方向外側面にシール部材6を備えている場合、必要最低限の部品で、軸受23に異物が侵入することおよび軸受23からのグリース漏れを防止できる。また、パラレルリンク機構9の組立時に設置する軸受23の向きを、シール部材6の有無で容易に判断できるため、組立性が向上し、コスト低減に繋がる。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成は同一の作用効果を奏する。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
[第2の実施形態:図6~図8]
図6に示すパラレルリンク機構9は、基端側のアーム長L2Aと先端側のアーム長L2Bとを互いに異ならせている。図7は図6のVII-VII線の一部断面図であり、図8は図6のVIII-VIII線の一部断面図である。図6に示すように、基端側および先端側において、それぞれの球面リンク中心PA,PBから端部リンク部材15,16と中央リンク部材17との各回転対偶中心点C1A(図7),C1B(図8)までの距離(以下、「リンク長」とする)L1A(図7),L1B(図8)は互いに同じである。
これに対し、それぞれの球面リンク中心PA,PBからリンクハブ12,13と端部リンク部材15,16との各回転対偶中心点C2A(図7),C2B(図8)までの距離(以下、「アーム長」とする)L2A,L2Bは、基端側と先端側とで異なる。この実施形態の場合、基端側のアーム長L2Aが、先端側のアーム長L2Bよりも長い。
ここで、回転対偶中心点C1A(図7),C1B(図8),C2A(図7),C2B(図8)は、各回転対偶部における回転対偶軸O1A,O1B,O2A,O2Bに沿う端部リンク部材15,16の幅方向の中心点を指す。
このパラレルリンク機構9は、基端側のアーム長L2Aと先端側のアーム長L2Bとを互いに異ならせている。このため、設計自由度が広がり、可動範囲の拡大および先端側の軽量化等を行うための設計変更が容易である。基端側のアーム長L2Aと先端側のアーム長L2Bとが互いに異なっていても、基端側と先端側とが幾何学的に同一形状であれば、基端側のリンクハブ12に対して先端側のリンクハブ13が回転2自由度で姿勢変更可能な2自由度機構が構成される。
この実施形態のように、先端側のアーム長L2Bが基端側のアーム長L2Aよりも短い場合、パラレルリンク機構9の構成部品同士が干渉しにくくなり、コンパクトな構成で可動範囲を広くとれる。また、先端側を軽量化できるため、先端側の慣性モーメントが小さくなり、高速動作が可能になる。その他前述の実施形態と同様の作用効果を奏する。
<リンク作動装置:図9~図12>
図9に示すように、リンク作動装置7は、いずれかの実施形態に係るパラレルリンク機構9と、このパラレルリンク機構9の先端側のリンクハブ13の姿勢を任意に制御する姿勢制御用アクチュエータ10とを備える。
<姿勢制御用アクチュエータ>
姿勢制御用アクチュエータ10は、図11Bに示す減速機構52を備えたロータリアクチュエータであり、基端側のリンクハブ12の基端部材6(図10)の表面に回転軸22と同軸上に設置されている。姿勢制御用アクチュエータ10は減速機構52と一体に設けられ、モータ固定部材53により減速機構52が基端部材6(図10)に固定されている。なお、姿勢制御用アクチュエータ10は、ブレーキ付きのものを使用してもよい。
この例では、図11Aに示すように、3組のリンク機構14のすべてに姿勢制御用アクチュエータ10が設けられているが、3組のリンク機構14のうち少なくとも2組に姿勢制御用アクチュエータ10を設ければ、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢を確定することができる。
図10に示すように、リンク作動装置7は、各姿勢制御用アクチュエータ10を回転駆動することで、パラレルリンク機構9が作動する。詳しくは、姿勢制御用アクチュエータ10を回転駆動すると、その回転が図11Bに示す減速機構52を介して減速して回転軸22に伝達される。それにより図12に示すように、基端側のリンクハブ12に対する先端側のリンクハブ13の姿勢が任意に変更される。先端側のリンクハブ13の先端部材40には、図示外のエンドエフェクタが取り付けられている。前記エンドエフェクタは、例えば、グリッパを含むハンド、洗浄用ノズル、ディスペンサ、溶接トーチ、画像処理機器等が挙げられる。
本リンク作動装置7は、細かい動きを高速で動作することが得意なため、「動作-停止-エンドエフェクタで作業」を頻繁に繰り返して使用される場合が多く、その都度図11Bに示す軸受23に加えられる加速度および減速度が大きくなり、それにともない軸受23に生じるすべりが大きくなってきている。また、図12に示すリンク作動装置7の作動範囲となる最大折れ角θmax[deg]に対し、各回転対偶部が±θmax/2[deg]付近となる揺動運動を行う。このため、リンク作動装置7は、一般的なロボットよりも回転対偶部の揺動角が小さい。また、リンク作動装置7の剛性は、軸受のモーメント剛性に寄与する部分が大きく、軸受23を高予圧状態で使用する場合が多い。前記回転対偶部に、前述のグリース組成物が封入されたグリース封入軸受を適用することで、耐フレッチング摩耗性に優れる。また、回転対偶部に前記グリース封入軸受を使用すると、高予圧状態で軸受23を微小揺動させても、その後の回転時の引っ掛かりが低減され高速動作が可能となる。したがって、広作動範囲で高速動作が可能で、かつ長寿命化と滑らかな動きを実現するリンク作動装置7を実現し得る。
グリース封入軸受の増ちょう剤は、後述する実施例に示すように、増ちょう剤がリチウム石鹸であってもよい。この場合、増ちょう剤がカルシウムスルホネート複合石鹸であるグリース封入軸受よりもシール性が劣るものの十分な耐フレッチング摩耗性を有する。
アンギュラ玉軸受を正面合わせとした組合せアンギュラ玉軸受とすることも可能である。
グリース封入軸受は、アンギュラ玉軸受に代えて、深溝玉軸受またはクロスローラー軸受としてもよい。
各回転対偶部における一部の回転対偶部のみ、本発明のグリース封入軸受を採用してもよい。
垂直多関節ロボットまたは水平多関節ロボットの関節機構における回転対偶部に、前述のグリース組成物が封入されたグリース封入軸受を適用してもよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例により何ら限定されるものではない。
表1に示す組成のグリース組成物7種をそれぞれ調整した。実施例1および実施例2のグリース組成物はそれぞれ、増ちょう剤がカルシウムスルホネート複合石鹸であり、混和ちょう度は、NLGI番号で1号(310~340)である。実施例3のグリース組成物は増ちょう剤がリチウム石鹸であり、混和ちょう度は、NLGI番号で0号(355~385)である。
(1)耐フレッチング摩耗性試験
シール付きアンギュラ玉軸受を背面合わせした組合せアンギュラ玉軸受、つまりシール付きアンギュラ玉軸受DBセットにつき、ファフナー型微動摩耗試験を行い、上記7種の各グリースの耐フレッチング摩耗性を評価した。試験条件は、ASTM D 4170に準拠した。具体的には、グリース封入量1±0.05gとし、大気中、室温下でモータを回転させ、揺動角12deg、揺動サイクル30Hzの条件で試験を行った。試験後の軌道輪の質量の減少量(以下、「摩耗量」という)により、耐フレッチング摩耗性を評価した。
荷重条件は以下の2水準で評価した。1つ目の条件は、ASTM D 4170に準拠して接触面圧を1700MPaとし(以下、「低面圧」という)。2つ目の条件は、高モーメント荷重を想定し、接触面圧を3000MPaとした(以下、「高面圧」という)。
耐フレッチング摩耗性の試験結果を図5A、図5Bおよび表1に示す。図5A、図5Bには、各グリースについてn=3の試験で得られた摩耗量と混和ちょう度の関係を示す。図5Aは低面圧条件での結果であり、図5Bは高面圧条件での結果である。図5A、図5B中の点線で表す基準線は実使用条件下(加減速を伴って軸受回転方向が変化して揺動する条件下)でフレッチング摩耗が発生しないグリースをもとに決定した。
表1のファフナー試験摩耗量の低面圧、高面圧の欄には、それぞれ、各条件でのn=3の摩耗量の平均値が、所定の値よりも多いが否かにより判断した耐フレッチング摩耗性の結果を記載する。
〇: 基準線以下
×: 基準線以上
(2)軸受シール性試験
上記7種のグリースを封入したシール付きアンギュラ玉軸受DBセット(軸受内径6mm)について臨界揺動角未満(臨界揺動角は44.8deg)での軸受揺動試験をn=3で実施し、目視によりグリース漏れの有無を確認した。軸受シール性は、軸受揺動試験実施後の軸受から、外観上グリースの漏れが確認できるか否かにより判断した。この場合に、全ての軸受でグリース漏れなしのとき軸受シール性が良好と判断し、1つ以上の軸受でグリース漏れありのとき軸受シール性が劣ると判断した。
Figure 2023037511000002
図5A、図5Bの結果から、混和ちょう度の数値が高いほど摩耗量が低下し、耐フレッチング摩耗性が良化することがわかる。また、荷重条件が高面圧条件の場合、低面圧条件の場合と比べ、全体的に摩耗量が大きくなる傾向を示した。高面圧条件であっても、実施例1、実施例2、および実施例3は比較的低摩耗量であったことから、増ちょう剤に金属石けん基(カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸)を含み、混和ちょう度が310以上のグリースでは、摩耗量が低くなり、耐フレッチング摩耗性に優れる結果であった。
また、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、および参考提案例2では、グリース漏れは確認されず、混和ちょう度がNLGI番号で2号(265~295)、または増ちょう剤としてカルシウムスルホネート複合石鹸を含んだグリースは軸受シール性が良好であることが分かった。
実施例2と参考提案例1を比較すると、両者は基油がともに合成炭化水素油で、混和ちょう度も同じであるが、増ちょう剤としてウレア化合物を含む参考提案例1はカルシウムスルホネート複合石鹸を含む実施例2よりもシール性が劣る結果であった。増ちょう剤としてのカルシウムスルホネート複合石鹸は、せん断応力を受けた際のチキソトロピー性が低く、グリースのちょう度変化が小さいことが知られている(非特許文献1)。よって、増ちょう剤としてカルシウムスルホネート複合石鹸を使用することで、他の増ちょう剤を用いた場合に比べて運転時のグリースのちょう度変化が少なく、非運転時の混和ちょう度が比較的高い水準でも、良好なシール性を発現したと考えられる。
以上より、耐フレッチング摩耗性および軸受シール性試験の結果を総合すると、実施例1および実施例2は、耐フレッチング摩耗性およびシール性ともに良好な結果を示した。本結果より、増ちょう剤としてカルシウムスルホネート複合石鹸を用い、基油として鉱油または合成炭化水素油を含み、混和ちょう度が310~340のグリースとすることは、耐フレッチング摩耗性とシール性の両立に効果的といえる。
<参考提案例1>
前記実施例の参考提案例1より、パラレルリンク機構において、グリース封入軸受の増ちょう剤として「ウレア化合物」を適用することも考えられる。この場合、カルシウムスルホネート複合石鹸を含む実施例1,2よりもシール性が劣るものの、低面圧の耐フレッチング摩耗性に優れる。
この参考提案例1に係るパラレルリンク機構は、以下のように記載される。
基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構が、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、
前記基端側のリンクハブと前記基端側の端部リンク部材との回転対偶部、前記基端側および先端側のそれぞれの端部リンク部材と前記中央リンク部材との回転対偶部、および前記先端側のリンクハブと前記先端側の端部リンク部材との回転対偶部、を含む各回転対偶部に軸受がそれぞれ設けられ、複数の前記軸受における少なくともいずれか1つの軸受は、軌道輪である内外輪と、これら内外輪間に介在する複数の転動体と、前記内外輪間の軸受空間に封入されたグリース組成物とを備えたグリース封入軸受であるパラレルリンク機構であって、
前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、
前記増ちょう剤はウレア化合物である、パラレルリンク機構。
<参考提案例2>
前記実施例の参考提案例2より、パラレルリンク機構において、グリース封入軸受のグリース組成物の混和ちょう度が265以上295以下で、かつ、増ちょう剤として「ウレア化合物」を適用することも考えられる。この場合、高面圧の耐フレッチング摩耗性に劣るものの、低面圧の耐フレッチング摩耗性に優れるうえシール性に優れる。
この参考提案例2に係るパラレルリンク機構は、以下のように記載される。
基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構が、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、
前記基端側のリンクハブと前記基端側の端部リンク部材との回転対偶部、前記基端側および先端側のそれぞれの端部リンク部材と前記中央リンク部材との回転対偶部、および前記先端側のリンクハブと前記先端側の端部リンク部材との回転対偶部、を含む各回転対偶部に軸受がそれぞれ設けられ、複数の前記軸受における少なくともいずれか1つの軸受は、軌道輪である内外輪と、これら内外輪間に介在する複数の転動体と、前記内外輪間の軸受空間に封入されたグリース組成物とを備えたグリース封入軸受であるパラレルリンク機構であって、
前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が265以上295以下であり、前記増ちょう剤はウレア化合物である、パラレルリンク機構。
以上、実施形態に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2…内輪、3…外輪、4…転動体、6…シール部材、9…パラレルリンク機構(関節機構)、10…姿勢制御用アクチュエータ、12…基端側のリンクハブ、13…先端側のリンクハブ、14…リンク機構、15…基端側の端部リンク部材、16…先端側の端部リンク部材、17…中央リンク部材、23…軸受、gr…グリース組成物

Claims (11)

  1. 隣接する部材同士が回転対偶部を介して回転自在に連結され、前記回転対偶部に、グリース組成物が封入されたグリース封入軸受が設けられた関節機構であって、
    前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、
    前記増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸である、関節機構。
  2. 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構が、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、
    前記基端側のリンクハブと前記基端側の端部リンク部材との回転対偶部、前記基端側および先端側のそれぞれの端部リンク部材と前記中央リンク部材との回転対偶部、および前記先端側のリンクハブと前記先端側の端部リンク部材との回転対偶部、を含む各回転対偶部に軸受がそれぞれ設けられ、複数の前記軸受における少なくともいずれか1つの軸受は、軌道輪である内外輪と、これら内外輪間に介在する複数の転動体と、前記内外輪間の軸受空間に封入されたグリース組成物とを備えたグリース封入軸受であるパラレルリンク機構であって、
    前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、
    前記増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸である、パラレルリンク機構。
  3. 請求項2に記載のパラレルリンク機構において、前記グリース封入軸受は、前記軌道輪における最大接触面圧が2000MPa以上の高荷重条件、かつ、臨界揺動角未満の条件で使用されるパラレルリンク機構。
  4. 請求項2または請求項3に記載のパラレルリンク機構において、前記グリース組成物は、前記増ちょう剤がカルシウムスルホネート複合石鹸で、かつ前記混和ちょう度が310~340であるパラレルリンク機構。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載のパラレルリンク機構において、前記グリース組成物の前記基油が、鉱油または合成炭化水素油であるパラレルリンク機構。
  6. 請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載のパラレルリンク機構において、前記グリース封入軸受が、アンギュラ玉軸受であるパラレルリンク機構。
  7. 請求項6に記載のパラレルリンク機構において、前記アンギュラ玉軸受は、背面合わせで使用する組合せアンギュラ玉軸受であるパラレルリンク機構。
  8. 請求項7に記載のパラレルリンク機構において、前記組合せアンギュラ玉軸受は、反合わせ面側である軸方向外側面にシール部材を備えるパラレルリンク機構。
  9. 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構が、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有するパラレルリンク機構、に使用されるグリース組成物であって、
    前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、
    前記増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸である、グリース組成物。
  10. 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブが3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結され、前記各リンク機構が、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび前記先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有するパラレルリンク機構、に使用される軸受であり、
    前記軸受は、前記基端側のリンクハブと前記基端側の端部リンク部材との回転対偶部、前記基端側および先端側のそれぞれの端部リンク部材と前記中央リンク部材との回転対偶部、および前記先端側のリンクハブと前記先端側の端部リンク部材との回転対偶部、を含む各回転対偶部にそれぞれ設けられ、複数の前記軸受における少なくともいずれか1つの軸受は、軌道輪である内外輪と、これら内外輪間に介在する複数の転動体と、前記内外輪間の軸受空間に封入されたグリース組成物とを備えたグリース封入軸受であって、
    前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含み、混和ちょう度が310以上であり、
    前記増ちょう剤は、カルシウムスルホネート複合石鹸またはリチウム石鹸である、
    軸受。
  11. 請求項2ないし請求項8のいずれか1項に記載のパラレルリンク機構における前記3組以上のリンク機構のうち2組以上のリンク機構に、前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に制御する姿勢制御用アクチュエータを備えたリンク作動装置。
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