JP4262630B2 - 鉄道車両用軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両に使用される軸受、例えば車軸用軸受、主電動機用軸受に関する。
グリース封入転がり軸受を鉄道車両用軸受として使用する場合には、高速、高荷重という過酷な使用条件のため、潤滑グリースの潤滑油膜が破断しやすくなる。潤滑油膜が破断すると金属接触が起こり、発熱、摩擦摩耗が増大する不具合が発生する。
そのため、高速、高荷重下での潤滑性および耐荷重性を向上させ、潤滑油膜破断による金属接触を防止する必要があり、極圧剤含有グリースを使用して、その不具合を軽減している。
鉄道車両用軸受については、ニッケル、テルル、セレン、銅、鉄の中から選択される有機金属化合物がグリース全量に対して、20重量%以下含まれることを特徴とするグリースを封入した鉄道車両用軸受が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、ころ軸受の使用条件がdN値 10 万以上という高速条件下での潤滑など過酷になるにつれて、従来のグリースではころ軸受の使用が困難になるなどの問題がある。
鉄道車両用ころ軸受は、内、外輪の転走面と転動体である「ころ」との間にころがり摩擦が、つば部と「ころ」との間にすべり摩擦が発生する。ころがり摩擦に比べるとすべり摩擦は大きいので、使用条件が過酷になるとつば部の焼付きが生じやすくなる。そのためグリースの交換作業等が頻繁になりメンテナンスフリー化を達成できないという問題がある。
特開平10-17884号公報(特許請求の範囲)
本発明における課題は、高荷重またはすべり運動が生じる状態での潤滑面での摩擦摩耗を防止し、長期耐久性に優れた鉄道車両用軸受を提供することである。
本発明の鉄道車両用軸受は、内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体の周囲にグリースを封入してなる鉄道車両用軸受であって、上記グリースは基油と、増ちょう剤と、添加剤とを配合してなり、上記増ちょう剤は、金属石けん系増ちょう剤およびウレア系化合物から選ばれた少なくとも一つの増ちょう剤であり、上記添加剤は、硫酸ビスマス、三酸化ビスマスおよびビスマス粉末から選ばれた少なくとも1つの無機ビスマス化合物であり、該無機ビスマス化合物が、上記グリース全体に対して 0.01〜15 重量%配合されていることを特徴とする。
上記基油は、ポリ-α-オレフィン(以下、PAOと略称する)油および鉱油から選ばれた少なくとも1つの油からなりかつ 40℃における基油の動粘度が 30〜200 mm2/s であることを特徴とする。
上記増ちょう剤は、ウレア系化合物であることを特徴とする。
上記鉄道車両用軸受は、つばのある転がり軸受を使用することを特徴とする。
本発明の鉄道車両用軸受は、耐熱耐久性に優れた無機ビスマス化合物を使用したグリースを封入しているので、極圧性効果を長期間持続することができる。そのため、耐摩耗性とともに、長期間耐久性の要求される鉄道車両に好適に利用することができる。
鉄道車両用軸受には、車軸用軸受、主電動機用軸受がある。
車軸用軸受に関しては、RCT軸受が使用されている。このRCT軸受においては特に、ころの大端面と鍔部で軌道輪つばがすべり運動するため、潤滑グリースの潤滑油膜が破断しやすくなる。潤滑油膜が破断すると金属接触が起こり、発熱、摩擦摩耗が増大する不具合が発生する。
また、主電動機用軸受に関しては、円筒ころ軸受、玉軸受が使用されている。円筒ころ軸受においては、上記のように、ころの大端面と鍔部で潤滑グリースの潤滑油膜が破断しやすくなる。また、玉軸受においては、転動体と保持器の間ですべりが生じ、さらに、転動体と軌道輪間で、差動すべりが生じるため、潤滑グリースの潤滑油膜が破断しやすくなる。
本発明の鉄道車両用軸受の車軸用軸受について、図1により説明する。図1は車軸用軸受の断面図である。車軸5aの両端部は車両台枠(図示せず)に取り付けられた円すいころ軸受10により支持され、この円すいころ軸受10は、内輪1と、外輪2と、この内輪1および外輪2間に介在し回転自在に転動する複数の円すいころ3aと、隣り合う内輪1の間に介在する内輪間座9と、この円すいころ3aにグリースを供給する注入孔11とが配置されている。
また、主電動機用軸受に関しては、電動機回転軸の出力側の両端部が車両台枠に取り付けられた円筒ころ軸受または玉軸受により支持され、この円筒ころ軸受または玉軸受は、内輪と、外輪と、この内輪および外輪間に介在し回転自在に転動する複数の円筒ころまたは玉と、この円筒ころまたは玉にグリースを供給する注入孔とが配置されている。
主電動機の回転出力は、主電動機の出力回転軸から、主電動機の出力回転軸に嵌合された歯車に伝達される。この歯車の回転は、車軸に嵌合された歯車に噛合伝達され、車軸の回転として伝達される。
本発明の鉄道車両用軸受のころ軸受について図2により説明する。図2はころ軸受の一部切り欠き斜視図である。ころ軸受は内輪1と外輪2との間にころ3が保持器4を介して配置されている。ころ3は内輪1の転走面1aと外輪2の転走面2aとの間でころがり摩擦を受け、内輪1のつば部1bとの間ですべり摩擦を受ける。これらの摩擦を低減するためにころ軸受用グリースが封入されている。
極圧剤含有グリースを封入した軸受を使用することによって、高速、高荷重下での潤滑性および耐荷重性を向上させる検討を行なった結果、グリース全体に対し、添加剤として無機ビスマス化合物を 0.01 〜 15 重量%配合したグリースを封入した転がり軸受は、無機ビスマス化合物以外の添加剤を配合したグリースを封入した転がり軸受に比べて、高荷重およびすべり運動下で摩耗が少なく、長期耐久性能が向上することがわかった。これは無機ビスマス化合物が無機ビスマス化合物以外の化合物よりも耐熱耐久性に優れ、熱分解しにくいため、極圧性効果を長時間持続することができることによるものと考えられる。本発明はこのような知見に基づくものである。
本発明の鉄道車両用軸受に封入するグリースに使用することができる無機ビスマス化合物としては、ビスマス粉末、炭酸ビスマス、塩化ビスマス、硝酸ビスマスおよびその水和物、硫酸ビスマス、フッ化ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、オキシフッ化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、オキシ臭化ビスマス、オキシヨウ化ビスマス、酸化ビスマスおよびその水和物、水酸化ビスマス、セレン化ビスマス、テルル化ビスマス、リン酸ビスマス、オキシ過塩素酸ビスマス、オキシ硫酸ビスマス、ビスマス酸ナトリウム、チタン酸ビスマス、ジルコン酸ビスマス、モリブデン酸ビスマス等が挙げられるが、本発明において、特に好ましいのは、耐熱耐久性に優れ、熱分解しにくいため、極圧性効果の高い硫酸ビスマス、三酸化ビスマスおよびビスマス粉末である。
ビスマスは、水銀を除く全ての金属中最低の熱伝導度を有し、比重 9.8 、融点 271.3 ℃の銀白色の金属である。ビスマス粉末は、比較的軟質の金属であり、極圧を受けると膜状になりやすい。そのため粉末の粒径は、グリース中に分散できる粒径であればよい。本発明の鉄道車両用軸受に封入するグリースに使用するビスマス粉末としては、 5 〜 500 μm であることが好ましい。
本発明の鉄道車両用軸受に封入するグリースには、無機ビスマス化合物を極圧剤として添加することを必須とする。この無機ビスマス化合物は、1種類または、2種類を混合してグリースに添加してもよい。
また、無機ビスマス化合物の添加量は、グリース全体に対し 0.01 〜 15 重量%である。好ましくは 1 〜 10 重量%である。添加量が 0.01 重量%未満では、耐摩耗性の向上効果が発揮されず、また、 15 重量%をこえると、回転時のトルクが大きくなって、発熱が増大し、回転障害を生じるためである。
本発明の鉄道車両用軸受に封入するグリースに使用できる基油としては、例えば、鉱油、PAO油、エステル油、フェニルエーテル油、フッ素油、さらに、フィッシャートロプシュ反応で合成される合成炭化水素油(GTL基油)などが挙げられる。この中でも、PAO油および鉱油から選ばれた少なくとも一種を使用することが好ましい。上記のPAO油としては、通常、α−オレフィンまたは異性化されたα−オレフィンのオリゴマーまたはポリマーの混合物である。α−オレフィンの具体例としては、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン等を挙げることができ、通常はこれらの混合物が使用される。また、鉱油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等の通常潤滑油やグリースの分野で使用されているものをいずれも使用することができる。
本発明の鉄道車両用軸受に封入するグリースに使用できる基油は、好ましくは、 40 ℃における動粘度が 30 〜 200 mm2/s である。 30 mm2/s 未満の場合は、蒸発量が増加し、耐熱性が低下するので好ましくなく、また、 200 mm2/s をこえると回転トルクの増加による軸受の温度上昇が大きくなるので好ましくない。
本発明の鉄道車両用軸受に封入するグリースに使用できる増ちょう剤として、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、複合リチウム、複合カルシウム、複合アルミニウムなどの金属石けん系増ちょう剤、および下記式(1)のジウレア化合物が挙げられる。好ましくは、ジウレア化合物である。これらの増ちょう剤は、1種類単独で用いても2種類以上組み合わせて用いてもよい。
Figure 0004262630
(式(1)中のR2 は、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基を、R1 およびR3 は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基または炭素数6〜20の脂環族炭化水素基または炭素数6〜20の脂肪族炭化水素基をそれぞれ示し、R1 およびR3 は、同一であっても異なっていてもよい。)
式(1)で表されるウレア系化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンの反応で得られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ビフェニレンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜等が挙げられ、モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、p−トルイジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
ウレア化合物は、イソシアネート化合物とアミン化合物を反応させることにより得られる。反応性のある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物のイソシアネート基とアミン化合物のアミノ基とは略当量となるように配合することが好ましい。
基油にウレア化合物を配合して各種配合剤を配合するためのベースグリースが得られる。ベースグリースは、基油中でイソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させて作製する。
本発明の鉄道車両用軸受に封入するグリースは、必要に応じて公知の添加剤をグリースに含有させることができる。この添加剤として、例えば、有機亜鉛化合物、アミン系、フェノール系、イオウ系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール、亜硝酸ソーダなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤等が挙げられる。これらを単独または 2 種類以上組み合せて添加することができる。
本発明の鉄道車両用軸受に使用できるグリースは、鉄道車両用軸受以外の高負荷がかかる軸受にも使用することができる。
実施例1〜実施例
反応容器中で、基油中に増ちょう剤を加え、3 本ロールミルを用いて均一化処理して、表1に示すLi石けん/鉱油系グリース( 40 ℃基油粘度 100 mm2/s 、混和ちょう度 220 )、ウレア/PAO系グリース( 40 ℃基油粘度 46 mm2/s 、混和ちょう度 280 )、Li石けん/エステル油系グリース( 40 ℃基油粘度 33 mm2/s 、混和ちょう度 250 )、ウレア/エーテル系グリース( 40 ℃基油粘度 100 mm2/s 、混和ちょう度 300 )を得た。さらに、極圧剤として無機ビスマス化合物を、表1に示す割合で上記グリースに添加して、各実施例のグリースを作製した。得られたグリースにつき、以下に記す極圧性評価試験およびころ軸受試験を行なった。結果を表1に併記した。
Figure 0004262630
比較例1〜比較例10
反応容器中で、基油中に増ちょう剤を加え、3 本ロールミルを用いて均一化処理して、表2に示すLi石けん/鉱油系グリース( 40 ℃基油粘度 100 mm2/s 、混和ちょう度 220 )、ウレア/PAO系グリース( 40 ℃基油粘度 46 mm2/s 、混和ちょう度 280 )、Li石けん/エステル油系グリース( 40 ℃基油粘度 30 mm2/s 、混和ちょう度 250 )、ウレア/エーテル系グリース( 40 ℃基油粘度 100 mm2/s 、混和ちょう度 300 )を得た。さらに、極圧剤として、有機ビスマス化合物、MoDTCまたは亜鉛粉末などを、表2に示す割合で上記グリースに添加して、各比較例のグリースを作製した。得られたグリースにつき、実施例と同様にして極圧性評価試験およびころ軸受試験を行なった。結果を表2に併記した。
Figure 0004262630
極圧性評価試験:
極圧性評価試験装置を図3に示す。評価試験装置は、回転軸5に固定されたφ40×10 のリング状試験片6と、この試験片6と端面8にて端面同士が擦り合わされるリング状試験片7とで構成される。ころ軸受用グリースを端面8部分に塗布し、回転軸5を回転数 2000 rpm、図3中右方向Aのアキシアル荷重 490 N 、ラジアル荷重 392 N を負荷して、極圧性を評価した。極圧性は両試験片のすべり部の摩擦摩耗増大により生じる回転軸5の振動を振動センサにて測定し、その振動値が初期値の 2 倍になるまで試験を行ない、その時間を測定した。
回転軸5の振動値が初期値の 2 倍になるまでの時間が長いほど極圧性効果が大となり、優れた耐熱耐久性を示す。したがってグリースの耐熱耐久性の評価は、測定された上記時間の長さにて各実施例と各比較例とを対比させて行なった。
ころ軸受試験:
30206円すいころ軸受にグリースを 3.6 g 封入し、アキシアル荷重 980 N 、回転数 2600 rpm 、室温にて運転し、回転中のつば部表面温度を測定した。運転開始後、 4 〜 8 時間までのつば部表面温度の平均値を算出した。
つば部と「ころ」との間に発生するすべり摩擦が大きくなると回転中のつば部表面温度は上昇する。そのためグリースの耐熱耐久性の評価は、測定された上記温度の高さにて各実施例と各比較例とを対比させて行なった。上記温度の高さが 70 ℃未満であることが、グリースの耐熱耐久性を有する基準とした。
表1および表2においてLi石けん/鉱油系グリースのデータを、各実施例と各比較例とを対比すると、極圧剤の種類では、有機ビスマス化合物よりも無機ビスマス化合物が、極圧性評価試験およびころ軸受試験において優れた耐熱耐久性を示した。
実施例および比較例5に示すように、特にビスマス粉末は、有機ビスマスに比して約 6 倍の耐熱耐久性を示すことがわかる。また、実施例2および比較例5において、三酸化ビスマスは、有機ビスマスに比して約 3 倍の耐熱耐久性を示すことがわかる。これらのことから無機ビスマス化合物が有機ビスマス化合物よりも耐熱耐久性に優れ、熱分解しにくいため、極圧性効果を長時間持続することができることによるものと考えられる。
また、硫酸ビスマス、三酸化ビスマスおよびビスマス粉末の中では、ビスマス粉末が最も良好な耐熱耐久性を示した。
実施例2、実施例5および実施例6に示すように、三酸化ビスマスの添加量が 1、5 、15 重量%と増加するにつれて極圧性効果が増加する傾向を示すが、三酸化ビスマスの添加量を 15 重量%と添加量 5 重量%の 3 倍に増加させても、極圧性効果の増加は約 1.4 倍に留まる。これは三酸化ビスマスの添加量が 15 重量%に近づくと、回転時のトルクが大きくなって、発熱が増大し、回転障害を生じる傾向にあるためと考えられる。
また、比較例8に示すように、亜鉛粉末を添加した場合には、耐熱耐久性が著しく悪化し、無機化合物ではあっても亜鉛粉末には極圧性効果が認められなかった。これは亜鉛の融点が低く、グリースの耐熱性を向上させることができなかったためと考えられる。
表1および表2においてウレア/PAO系グリース、Li石けん/エステル油系グリース、ウレア/エーテル系グリースのデータを、各実施例と各比較例とを対比すると、ウレア/PAO系グリースの場合、極圧剤の種類では、有機ビスマス化合物よりも硫酸ビスマスおよび三酸化ビスマスといった無機ビスマス化合物が優れた耐熱耐久性を示す。実施例3、実施例4および比較例7に示すように、硫酸ビスマスは有機ビスマスに比して約 3 倍の耐熱耐久性を示し、三酸化ビスマスは有機ビスマスに比して約 4 倍の耐熱耐久性を示すことがわかる。これは無機ビスマス化合物が有機ビスマス化合物よりも耐熱耐久性に優れ、熱分解しにくいため、極圧性効果を長時間持続することができることによるものと考えられる。
また、実施例7および比較例3に示すように、Li石けん/エステル油系グリースの場合、硫酸ビスマスを極圧剤として用いると極圧剤を使用しない場合に比して約 13 倍の耐熱耐久性を示した。
また、実施例8および比較例4に示すように、ウレア/エーテル系グリースの場合、三酸化ビスマスを極圧剤として用いると極圧剤を使用しない場合に比して約 6 倍の耐熱耐久性を示した。以上のことから、硫酸ビスマスおよび三酸化ビスマスといった無機ビスマス化合物が極圧性効果を長時間持続することがわかる。
本発明の鉄道車両用軸受は、耐熱耐久性に優れた無機ビスマス化合物を使用したグリースを封入しているので、極圧性効果を長期間持続することができる。そのため、耐摩耗性とともに、長期間耐久性の要求される鉄道車両、建設機械、自動車電装補機などに好適に利用することができる。
車軸用軸受の断面図である。 ころ軸受の一部切り欠き斜視図である。 極圧性評価試験装置を示す図である。
符号の説明
1 内輪
2 外輪
3 ころ
4 保持器
5 回転軸
6、7 リング状試験片
8 端面

Claims (4)

  1. 内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する複数の転動体と、この転動体の周囲にグリースを封入してなる鉄道車両用軸受であって、前記グリースは基油と、増ちょう剤と、添加剤とを配合してなり、
    前記増ちょう剤は、金属石けん系増ちょう剤およびウレア系化合物から選ばれた少なくとも一つの増ちょう剤であり、
    前記添加剤は、硫酸ビスマス、三酸化ビスマスおよびビスマス粉末から選ばれた少なくとも1つの無機ビスマス化合物であり、該無機ビスマス化合物が、前記グリース全体に対して 0.01〜15 重量%配合されていることを特徴とする鉄道車両用軸受。
  2. 前記基油は、ポリ-α-オレフィン油および鉱油から選ばれた少なくとも1つの油からなりかつ 40 ℃における基油の動粘度が 30〜200 mm2/s であることを特徴とする請求項記載の鉄道車両用軸受。
  3. 前記増ちょう剤は、ウレア系化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の鉄道車両用軸受。
  4. 前記鉄道車両用軸受は、つばのある転がり軸受を使用することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の鉄道車両用軸受。
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