JP2009019703A - 車輪支持装置 - Google Patents

車輪支持装置

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Abstract

【課題】高荷重またはすべり運動が生じる状態での潤滑面での摩擦摩耗を防止し、長期耐久性に優れた車輪支持装置を提供する。
【解決手段】アクスル3の外径面上に取付けられたグリース封入転がり軸受4によって車輪とともに回転する回転部材を回転自在に支持する車輪支持装置であって、上記グリース封入転がり軸受に封入されるグリースは、基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含み、上記添加剤は、少なくとも芳香族スルホン酸リチウムを上記グリース全体に対して 0.1〜15 重量%含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の懸架装置に対して車輪を回転自在に支持するための車輪支持装置に関する。
後輪駆動型車両における前輪の如き非駆動輪を支持する車輪支持装置においては、ステアリングナックルに設けられたアクスル(ナックルスピンドル)上に2個の転がり軸受を取付け、その転がり軸受によって回転自在に支持されたアクスルハブの外径面にフランジを設け、このフランジに設けられたスタッドボルトと、これにねじ係合されるナットによってブレーキ装置のブレーキドラムおよび車輪のホイールディスクを取付けるようにしている。
また、ステアリングナックルに設けられたフランジにバックプレートを取付け、そのバックプレートによってブレーキドラムに制動力を付与する制動機構を支持するようにしている。
上記のような車輪支持装置においては、アクスルハブを回転自在に支持する転がり軸受として、負荷容量の大きい剛性の高い円すいころ軸受が用いられる。この円すいころ軸受は、アクスルとアクスルハブ間に充填されたグリースによって潤滑される。
車輪支持装置に用いられる軸受は、高速、高荷重という過酷な使用条件のため、特に、ころの大端面とつば部で軌道輪つばがすべり運動するため、潤滑グリースの潤滑油膜が破断しやすくなる。潤滑油膜が破断すると金属接触が起こり、発熱、摩擦摩耗が増大する不具合が発生する。
そのため、高速、高荷重下での潤滑性および耐荷重性を向上させ、潤滑油膜破断による金属接触を防止する必要があり、極圧剤含有グリースを使用して、その不具合を軽減している。
自動車車輪軸受におけるフレーキング寿命および潤滑寿命を延長し、フレッチングを低減した自動車車輪軸受用グリース組成物として(a)次の一般式(2)で表されるウレア系増ちょう剤、(b)有機モリブデン化合物および(c)基油を含有する自動車車輪軸受用グリース組成物が知られている(特許文献1参照)。R1−NHCONH−R2−NHCONH−R3 (2)(式中、R1およびR3 は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数 6〜12 の芳香族系炭化水素基を示し、R2 は炭素数 6〜15 の芳香族系炭化水素基を示す)
しかしながら、ころ軸受の使用条件が軸径dと回転数Nとの積の値であるdN値 10 万以上という高速条件下での潤滑など過酷になるにつれて、従来のグリースではころ軸受の使用が困難になるなどの問題がある。
車輪支持装置用ころ軸受は、内、外輪の転走面と転動体である「ころ」との間にころがり摩擦が、スラスト摺動面であるつば部と「ころ」との間にすべり摩擦が、それぞれ発生する。ころがり摩擦に比べるとすべり摩擦は大きいので、使用条件が過酷になるとつば部の焼付きが生じやすくなる。そのためグリースの交換作業等が頻繁になりメンテナンスフリー化を達成できないという問題がある。
特開2006−77056号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、高荷重またはすべり運動が生じる状態での潤滑面での摩擦摩耗を防止し、長期耐久性に優れた車輪支持装置を提供することを目的とする。
本発明の車輪支持装置は、アクスルの外径面上に取付けられたグリース封入転がり軸受によって車輪とともに回転する回転部材を回転自在に支持する車輪支持装置であって、上記グリース封入転がり軸受に封入されるグリースは、基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含み、上記添加剤は、少なくとも芳香族スルホン酸リチウムを含有することを特徴とする。
また、上記芳香族スルホン酸リチウムは、上記グリース全体に対して 0.1 重量%〜15 重量%含有することを特徴とする。
上記添加剤に硫黄系極圧剤が含まれ、該硫黄系極圧剤は、上記グリース全体に対して 0.1 重量%〜15 重量%含有することを特徴とする。
また、上記増ちょう剤は、ウレア系増ちょう剤であることを特徴とする。
また、上記グリース封入転がり軸受は、スラスト摺動面を有することを特徴とする。
本発明の車輪支持装置は、添加剤として芳香族スルホン酸リチウムを含有するグリースを封入した転がり軸受を使用しているので、芳香族スルホン酸リチウムが転がり滑り接触部に補給されることによって、極圧性効果を長期間持続することができる。そのため、上記転がり軸受は耐摩耗性とともに、長期間耐久性に優れ、車輪支持装置が長寿命となる。
また、硫黄系極圧剤を併用することで、より極圧性効果を高めることができる。
極圧剤含有グリースを封入した軸受を車輪支持装置に使用することによって、高速、高荷重下での潤滑性および耐荷重性を向上させる検討を行なった。この結果、グリース全体に対し、添加剤として芳香族スルホン酸リチウムを 0.01〜15 重量%配合したグリースを封入した転がり軸受は、これ以外の添加剤を含有するグリースを封入した転がり軸受に比べて、高荷重およびすべり運動下で摩耗が少なく、長期耐久性能が向上することがわかった。これは、芳香族スルホン酸リチウムがこれ以外の物質よりも耐熱耐久性に優れ、熱による化学変化を起こしにくいため、極圧性効果を長時間持続することができることによるものと考えられる。本発明はこのような知見に基づくものである。
本発明の車輪支持装置について、図1により説明する。図1は車輪支持装置の断面図である。図1に示すように、ステアリングナックル1にはフランジ2と、アクスル3とが設けられ、そのアクスル3の外径面上に取付けた一対の円すいころ軸受4a、4bによって回転部材としてのアクスルハブ5が回転自在に支持されている。
アクスルハブ5は、外径面にフランジ6を有し、そのフランジ6に設けたスタッドボルト7と、そのスタッドボルト7にねじ係合したナット8によってブレーキ装置のブレーキドラム9、および車輪のホイールディスク10が取付けられている。11はホイールディスク10の外径面に取付けられたリムを示し、そのリム上にタイヤが取付けられる。
上記ステアリングナックル1のフランジ2にはボルト7、ナット8の締付けによってブレーキ装置のバックプレート12が取付けられている。バックプレート12にはブレーキドラム9に制動力を付与する制動機構が支持されるが、図では省略してある。
アクスルハブ5を回転自在に支持する上記一対の円すいころ軸受4a、4bは、アクスルハブ5内に封入されたグリースによって潤滑される。その円すいころ軸受4bから外部にグリースが漏洩したり、外部から泥水が浸入するのを防止するため、アクスルハブ5の外側端面に円すいころ軸受4bを覆うようにしてグリースキャップ17が取付けられている。
本発明の車輪支持装置の円すいころ軸受の一例について図2により説明する。図2は円すいころ軸受の一部切り欠き斜視図である。円すいころ軸受4は内輪14と外輪13との間に円すいころ16が保持器15を介して配置されている。円すいころ16は内輪14の転走面14aと外輪13の転走面13aとの間でころがり摩擦を受け、内輪14のつば部14b、14cとの間ですべり摩擦を受ける。これらの摩擦を低減するためにころ軸受用グリースが封入されている。
本発明の車輪支持装置において、転がり軸受に封入するグリースとして使用することができる芳香族スルホン酸リチウム(リチウムスルホネート)は、例えば、重量平均分子量 100〜1500、好ましくは 200〜700 のアルキル芳香族化合物をスルホン化することによって得られるアルキル芳香族スルホン酸のリチウム塩が好ましく挙げられる。
また、芳香族スルホン酸リチウムとしては、通常、軽質潤滑油基油等で希釈された状態の市販品を使用することもできる。また、これらの芳香族スルホン酸リチウムは、1種類または、2種類を混合してグリースに添加してもよい。
アルキル芳香族スルホン酸としては、例えば、石油スルホン酸または合成スルホン酸等が挙げられる。
上記石油スルホン酸としては、一般に、鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルホン化したものや、ホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマホガニー酸等が用いられる。
また、上記合成スルホン酸としては、例えば、洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる、直鎖状または分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンを原料とし、これをスルホン化したもの、あるいはジノニルナフタレン等のアルキルナフタレンをスルホン化したもの等が挙げられる。
また、これらアルキル芳香族化合物をスルホン化する際のスルホン化剤としては特に限定されず、通常、発煙硫酸または無水硫酸等が用いられる。
芳香族スルホン酸リチウムの添加量は、グリース全体に対し 0.1〜15 重量%が好ましい。より好ましくは 1〜10 重量%、さらに好ましくは 1〜5 重量%である。添加量が 0.1 重量%未満では、耐摩耗性の向上効果が発揮されない。また、15 重量%をこえると、回転時のトルクが大きくなり、発熱が増大して回転障害を生じる。
本発明の車輪支持装置において、グリースに使用できる基油としては、例えば、鉱油、ポリ-α-オレフィン(以下、PAOと記す)油、エステル油、フェニルエーテル油、フッ素油、さらに、フィッシャートロプシュ反応で合成される合成炭化水素油(GTL基油)などが挙げられる。これらの基油は、単独で、または 2 種類以上組み合せて用いてもよい。
これらの中でも、PAO油、鉱油、エステル油およびエーテル油から選ばれた少なくとも一種を使用することが好ましい。
上記のPAO油としては、通常、α-オレフィンまたは異性化されたα-オレフィンのオリゴマーまたはポリマーの混合物である。α-オレフィンの具体例としては、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン等を挙げることができ、通常はこれらの混合物が使用される。
また、鉱油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等の通常潤滑油やグリースの分野で使用されているものをいずれも使用することができる。
本発明において、グリースに使用できる基油は、好ましくは、40℃における動粘度が 30〜200 mm2/s である。30 mm2/s 未満の場合は、蒸発量が増加し、耐熱性が低下するので好ましくなく、また、200 mm2/s をこえると回転トルクの増加による軸受の温度上昇が大きくなるので好ましくない。
本発明において、グリースに使用できる増ちょう剤としては、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、複合リチウム、複合カルシウム、複合アルミニウムなどの金属石けん系増ちょう剤、および、下記式(1)のジウレア化合物、ポリウレア化合物などのウレア系増ちょう剤が挙げられる。好ましくは、ジウレア化合物である。これらの増ちょう剤は、単独で、または 2 種類以上組み合わせて用いてもよい。
Figure 2009019703
(式(1)中のR2 は、炭素数 6〜15 の芳香族炭化水素基を、R1 およびR3 は、炭素数 6〜12 の芳香族炭化水素基または炭素数 6〜20 の脂環族炭化水素基または炭素数 6〜20 の脂肪族炭化水素基をそれぞれ示し、R1 およびR3 は、同一であっても異なっていてもよい。)
ジウレア化合物、ポリウレア化合物などのウレア系化合物は、イソシアネート化合物とアミン化合物を反応させることにより得られる。反応性のある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物のイソシアネート基とアミン化合物のアミノ基とは略当量となるように配合することが好ましい。
式(1)で表されるジウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンの反応で得られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、3,3-ジメチル-4,4-ビフェニレンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜等が挙げられる。
モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、p-トルイジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
基油に、ウレア系化合物などの増ちょう剤を配合して各種添加剤を配合するためのベースグリースが得られる。ウレア系化合物を増ちょう剤とする場合、ベースグリースは、基油中でイソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させて作製する。
基油の配合割合は、ベースグリース全体に対して、50〜95 重量%であることが好ましい。基油の配合割合が、50 重量%未満では、潤滑油が少なく潤滑不良となりやすい。また 95 重量%をこえるとグリースが軟化しやすくなるので、漏れやすくなる。
本発明の車輪支持装置に使用できるグリースは、その混和ちょう度が 200〜400 の範囲であることが好ましい。200 未満では低温時の潤滑性能が悪くなり、400 をこえるとグリースが漏れやすくなって好ましくない。
本発明の車輪支持装置に使用できるグリースは、上記芳香族スルホン酸リチウムに加えて、添加剤として硫黄系極圧剤を含有することが好ましい。硫黄系極圧剤としては、硫化油脂、二硫化ジベンジル、二硫化ジフェニルなどの有機硫黄化合物が挙げられる。硫黄系極圧剤を併用することで、より極圧性効果を高めることができる。
硫黄系極圧剤の添加量は、グリース全体に対して、0.1〜15 重量%であることが好ましい。添加剤の配合割合が、0.1 重量%未満では極圧性向上の効果が小さい。また 15 重量%をこえると発熱が大となり温度が上昇する。
また、本発明の車輪支持装置に使用できるグリースは、必要に応じてその他の公知の添加剤を含有させることができる。この添加剤として、例えば、有機亜鉛化合物、アミン系、フェノール系、イオウ系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール、亜硝酸ソーダなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤等が挙げられる。これらを単独で、または、2 種類以上組み合せて添加することができる。
本発明の車輪支持装置に使用できるグリースは、車輪支持装置以外の高負荷がかかる軸受にも使用することができる。
実施例1〜実施例3
鉱油( 40℃での動粘度が 100 mm2/s )2000 g 中で、ジフェニルメタン-4、4'-ジイソシアネー卜 60.6 g と、 オクチルアミン 31.3 g と、ステアリルアミン 66.2 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させてベースグリース1を得た。このベースグリース1に、表1および表2に示す配合で添加剤を配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して本発明の車輪支持装置に封入するグリースを得た。得られたグリースにつき、以下に記す極圧性評価試験およびころ軸受試験を行なった。結果を表1に併記した。
実施例4および実施例5
鉱油( 40℃での動粘度が 100 mm2/s )2000 g 中で、ジフェニルメタン-4、4'-ジイソシアネー卜 60.3 g と、ステアリルアミン 65.5 g と、シクロヘキシルアミン 24.1 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させてベースグリース2を得た。このベースグリース2に、表1に示す配合で添加剤を配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して本発明の車輪支持装置に封入するグリースを得た。得られたグリースにつき、以下に記す極圧性評価試験およびころ軸受試験を行なった。結果を表1に併記した。
比較例1および比較例2
鉱油( 40℃での動粘度が 100 mm2/s )2000 g 中で、ジフェニルメタン-4、4'-ジイソシアネー卜 60.6 g と、 オクチルアミン 31.3 g と、ステアリルアミン 66.2 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させてベースグリース1を得た。このベースグリース1に、表1および表2に示す配合で添加剤を配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して本発明の車輪支持装置に封入するグリースを得た。得られたグリースにつき、以下に記す極圧性評価試験およびころ軸受試験を行なった。結果を表1に併記した。
比較例3および比較例4
鉱油( 40℃での動粘度が 100 mm2/s )2000 g 中で、ジフェニルメタン−4、4'−ジイソシアネー卜 60.3 g と、ステアリルアミン 65.5 g と、シクロヘキシルアミン 24.1 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させてベースグリース2を得た。このベースグリース2に、表1に示す配合で添加剤を配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して本発明の車輪支持装置に封入するグリースを得た。得られたグリースにつき、以下に記す極圧性評価試験およびころ軸受試験を行なった。結果を表1に併記した。
<極圧性評価試験>
極圧性評価試験装置を図3に示す。評価試験装置は、回転軸18に固定されたφ40×10 のリング状試験片19と、この試験片19と端面21にて端面同士が擦り合わされるリング状試験片20とで構成される。グリースを端面21部分に塗布し、回転軸18を回転数 2000 rpm、図3中右方向Aのアキシアル荷重 490 N 、ラジアル荷重 392 N を負荷して、極圧性を評価した。極圧性は両試験片のすべり部の摩擦摩耗増大により生じる回転軸18の振動を振動センサにて測定し、その振動値が初期値の 2 倍になるまで試験を行ない、その時間を測定した。
回転軸18の振動値が初期値の 2 倍になるまでの時間が長いほど極圧性効果が大となり、優れた耐フレーキング性を示す。したがってグリースのフレーキング性の評価は、測定された上記時間の長さにて各実施例と各比較例とを対比させて行なった。
<ころ軸受試験>
30206円すいころ軸受にグリースを 3.6 g 封入し、アキシアル荷重 980 N 、回転数 2600 rpm 、室温にて運転し、回転中のつば部表面温度を測定した。運転開始後、4〜8 時間までのつば部表面温度の平均値を算出した。
つば部と「ころ」との間に発生するすべり摩擦が大きくなると回転中のつば部表面温度は上昇する。そのためグリースの耐熱耐久性の評価は、測定された上記温度の高さにて各実施例と各比較例とを対比させて行なった。上記温度の高さが 65℃以下であることが、グリースの耐久性に優れていると評価する基準とした。
Figure 2009019703
表1において、各実施例と各比較例とを対比すると、芳香族スルホン酸リチウム(リチウムスルホネート)が、極圧性評価試験およびころ軸受試験において優れた耐熱耐久性を示した。
本発明の車輪支持装置は、その軸受に耐熱耐久性に優れた芳香族スルホン酸リチウムを含有するグリースを封入しているので、極圧性効果を長期間持続できる。そのため耐摩耗性とともに、長期間耐久性の要求される車輪支持装置として好適に利用できる。
車輪支持装置の断面図である。 円すいころ軸受の一部切り欠き斜視図である。 極圧性評価試験装置を示す図である。
符号の説明
1 ステアリングナックル
2 フランジ
3 アクスル
4 円すいころ軸受(グリース封入転がり軸受)
5 アクスルハブ
6 フランジ
7 スタッドボルト
8 ナット
9 ブレーキドラム
10 ホイールディスク
11 リム
12 バックプレート
13 外輪
14 内輪
15 保持器
16 円すいころ
17 グリースキャップ
18 回転軸
19、20 リング状試験片
21 端面

Claims (5)

  1. アクスルの外径面上に取付けられたグリース封入転がり軸受によって車輪とともに回転する回転部材を回転自在に支持する車輪支持装置であって、
    前記グリース封入転がり軸受に封入されるグリースは、基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含み、前記添加剤は、少なくとも芳香族スルホン酸リチウムを含有することを特徴とする車輪支持装置。
  2. 前記芳香族スルホン酸リチウムは、前記グリース全体に対して 0.1〜15 重量%含有することを特徴とする請求項1記載の車輪支持装置。
  3. 前記添加剤に硫黄系極圧剤が含まれ、該硫黄系極圧剤は、前記グリース全体に対して 0.1〜15 重量%含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の車輪支持装置。
  4. 前記増ちょう剤は、ウレア系増ちょう剤であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の車輪支持装置。
  5. 前記グリース封入転がり軸受は、スラスト摺動面を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の車輪支持装置。
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