JP2009019129A - 自在継手用グリースおよび自在継手 - Google Patents

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英信 三上
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Abstract

【課題】転がり滑り運動におけるフレーキングの防止性能および耐熱性能に優れた自在継手用グリース、および、これを用いた自在継手を提供する。
【解決手段】外方部材1および内方部材2に設けられたトラック溝3、4とトルク伝達部材5との係り合いによって回転トルクが伝達され、上記トルク伝達部材5が上記トラック溝3、4に沿って転動することによって軸方向移動がなされる自在継手1であって、該自在継手1に封入される自在継手用グリース11が、基油と、増ちょう剤と、少なくとも芳香族スルホン酸リチウムを含有する添加剤とを含み、この芳香族スルホン酸リチウムは、グリース全体に対して 0.1〜15 重量%含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自在継手用グリースおよびこのグリースを封入した自在継手に関し、特に自動車に用いられるプランジング型等速ジョイントまたは固定型等速ボールジョイント用グリースおよびこれらグリースを封入した等速ジョイントに関する。
自在継手、特に等速自在継手(等速ジョイント)は、近年の高性能自動車において発生する厳しい作用条件の下では、必ずしも満足なものとはいえない。プランジング型等速ジョイントとして用いられているダブルオフセット型等速ジョイントやクロスグルーブ型等速ジョイントなど、また固定型等速ボールジョイントとして用いられるバーフィールドジョイントなどは、いずれも数個のボールでトルクを伝達する構造を有する。
これらの等速ジョイントでは、回転時高面圧下で複雑な転がり滑りの往復運動により、ボールおよびボールと接触する金属表面に繰り返し応力が加わり、金属疲労によるフレーキング現象が発生しやすい。近年のエンジンの高出力化、また燃費向上のための自動車の軽量化により、ジョイントのサイズも小さくなるため、相対的に高面圧となり、従来のグリースではフレーキング現象を十分に防止することはできない。また、グリースの耐熱性向上も必要になってきている。
従来、このような等速ジョイント用グリースでは、潤滑グリースの潤滑膜の破断を防止するため、極圧剤(EP剤)含有グリースを使用して、その潤滑油膜の破断を軽減している。
例えば、ウレア系グリースに有機モリブデン化合物を配合したグリース(特許文献1参照)、ウレア系グリースに二硫化モリブデン、モリブデンジチオカーバメートおよび硫黄含有有機スズ化合物を配合したグリース(特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、等速ジョイントが、高荷重下などで潤滑面に過酷な使用条件が付加されるにつれて、従来のグリースでは、フレーキング現象を充分に防止することはできず等速ジョイントの使用が困難になるなどの問題がある。
特開昭63−46299号公報 特開平10−183161号公報
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、転がり滑り運動におけるフレーキングの防止性能および耐熱性能に優れた自在継手用グリース、および、これを用いた自在継手を提供することを目的とする。
本発明の自在継手用グリースは、基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含む自在継手用グリースであって、前記添加剤は、少なくとも芳香族スルホン酸リチウムを含有することを特徴とする。
また、上記芳香族スルホン酸リチウムは、上記グリース全体に対して 0.1〜15 重量%含有することを特徴とする。
上記添加剤に硫黄系極圧剤が含まれ、該硫黄系極圧剤は、上記グリース全体に対して 0.1〜15 重量%含有することを特徴とする。
また、上記増ちょう剤は、ウレア系増ちょう剤であることを特徴とする。
本発明の自在継手は、外方部材および内方部材に設けられたトラック溝とトルク伝達部材との係り合いによって回転トルクが伝達され、上記トルク伝達部材が上記トラック溝に沿って転動することによって軸方向移動がなされる自在継手であって、該自在継手に封入されるグリースが上記自在継手用グリースであることを特徴とする。
また、上記自在継手は、等速自在継手であることを特徴とする。
本発明の自在継手用グリースは、添加剤として芳香族スルホン酸リチウムを含有するので、芳香族スルホン酸リチウムが転がり滑り接触部に補給されることによって、極圧性効果を長期間持続することができる。そのため、フレーキングを防止可能とする耐摩耗性とともに、長期間耐久性の要求される自在継手に好適に利用することができる。
また、硫黄系極圧剤を併用することで、より極圧性効果を高めることができる。
本発明の自在継手は、上記グリースを封入した自在継手であるので、転がり滑り運動によるフレーキングを防止でき、長期間耐久性に優れる。
極圧剤含有グリースを封入した自在継手の耐摩耗性および耐久性について検討した結果、グリース全体に対し、添加剤として芳香族スルホン酸リチウムを 0.1〜15 重量%含有するグリースを封入した自在継手は、これ以外の添加剤を含有するグリースを封入した自在継手に比べて、高荷重およびすべり運動下で摩耗が少なく、長期耐久性能が向上することがわかった。
本発明の自在継手用グリースに使用することができる芳香族スルホン酸リチウム(リチウムスルホネート)としては、例えば、重量平均分子量 100〜1500、好ましくは 200〜700 のアルキル芳香族化合物をスルホン化することによって得られるアルキル芳香族スルホン酸のリチウム塩が好ましく挙げられる。
また、芳香族スルホン酸リチウムとしては、通常、軽質潤滑油基油等で希釈された状態の市販品を使用することもできる。また、これらの芳香族スルホン酸リチウムは、1種類または、2種類を混合してグリースに添加してもよい。
アルキル芳香族スルホン酸としては、例えば、石油スルホン酸または合成スルホン酸等が挙げられる。
上記石油スルホン酸としては、一般に、鉱油の潤滑油留分のアルキル芳香族化合物をスルホン化したものや、ホワイトオイル製造時に副生する、いわゆるマホガニー酸等が用いられる。
また、上記合成スルホン酸としては、例えば、洗剤の原料となるアルキルベンゼン製造プラントから副生したり、ポリオレフィンをベンゼンにアルキル化することにより得られる、直鎖状または分枝状のアルキル基を有するアルキルベンゼンを原料とし、これをスルホン化したもの、あるいはジノニルナフタレン等のアルキルナフタレンをスルホン化したもの等が挙げられる。
また、これらアルキル芳香族化合物をスルホン化する際のスルホン化剤としては特に限定されず、通常、発煙硫酸または無水硫酸等が用いられる。
芳香族スルホン酸リチウムの添加量は、グリース全体に対し 0.1〜15 重量%が好ましい。より好ましくは 1〜10 重量%、さらに好ましくは 1〜5 重量%である。添加量が 0.1 重量%未満では、耐摩耗性の向上効果が発揮されない。また、15 重量%をこえると、回転時のトルクが大きくなり、発熱が増大して回転障害を生じる。
本発明の自在継手用グリースに使用できる基油としては、例えば、鉱油、ポリ-α-オレフィン(以下、PAOと記す)油、エステル油、フェニルエーテル油、フッ素油、さらに、フィッシャートロプシュ反応で合成される合成炭化水素油(GTL基油)などが挙げられる。これらの基油は、単独で、または 2 種類以上組み合せて用いてもよい。
これらの中でも、PAO油、鉱油、およびGTL基油から選ばれた少なくとも一種を使用することが好ましい。
上記のPAO油としては、通常、α-オレフィンまたは異性化されたα-オレフィンのオリゴマーまたはポリマーの混合物である。α-オレフィンの具体例としては、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン等を挙げることができ、通常はこれらの混合物が使用される。
また、鉱油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油等の通常潤滑油やグリースの分野で使用されているものをいずれも使用することができる。
本発明の自在継手用グリースに使用できる基油は、好ましくは、40℃における動粘度が 30〜500 mm2/s である。30 mm2/s 未満の場合は、蒸発量が増加し、耐熱性が低下するので好ましくなく、また、500 mm2/s をこえると回転トルクの増加により、自在継手の回転トルク伝達面であるボールとトラック溝との転動面および球面ローラとトラック溝との転動面の温度上昇が大きくなるので好ましくない。
本発明の自在継手用グリースに使用できる増ちょう剤としては、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、複合リチウム、複合カルシウム、複合アルミニウムなどの金属石けん系増ちょう剤、および、下記式(1)のジウレア化合物、ポリウレア化合物などのウレア系増ちょう剤が挙げられる。好ましくは、ジウレア化合物である。これらの増ちょう剤は、単独で、または 2 種類以上組み合わせて用いてもよい。
Figure 2009019129
(式(1)中のR2 は、炭素数 6〜15 の芳香族炭化水素基を、R1 およびR3 は、炭素数 6〜12 の芳香族炭化水素基または炭素数 6〜20 の脂環族炭化水素基または炭素数 6〜20 の脂肪族炭化水素基をそれぞれ示し、R1 およびR3 は、同一であっても異なっていてもよい。)
ジウレア化合物、ポリウレア化合物などのウレア系化合物は、イソシアネート化合物とアミン化合物を反応させることにより得られる。反応性のある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物のイソシアネート基とアミン化合物のアミノ基とは略当量となるように配合することが好ましい。
式(1)で表されるジウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンの反応で得られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、3,3-ジメチル-4,4-ビフェニレンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜等が挙げられる。
モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、p-トルイジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
基油に、ウレア系化合物などの増ちょう剤を配合して各種添加剤を配合するためのベースグリースが得られる。ウレア系化合物を増ちょう剤とする場合、ベースグリースは、基油中でイソシアネート化合物とアミン化合物とを反応させて作製する。
基油の配合割合は、ベースグリース全体に対して、50〜95 重量%であることが好ましい。基油の配合割合が、50 重量%未満では、潤滑油が少なく潤滑不良となりやすい。また 95 重量%をこえるとグリースが軟化しやすくなるので、漏れやすくなる。
本発明に使用できる自在継手用グリースは、その混和ちょう度が 200〜400 の範囲であることが好ましい。200 未満では低温時の潤滑性能が悪くなり、400 をこえるとグリースが漏れやすくなって好ましくない。
本発明の自在継手用グリースは、上記芳香族スルホン酸リチウムに加えて、添加剤として硫黄系極圧剤を含有することが好ましい。硫黄系極圧剤としては、硫化油脂、二硫化ジベンジル、二硫化ジフェニルなどの有機硫黄化合物が挙げられる。硫黄系極圧剤を併用することで、より極圧性効果を高めることができる。
硫黄系極圧剤の添加量は、グリース全体に対して、0.1〜15 重量%であることが好ましい。添加剤の配合割合が、0.1 重量%未満では極圧性向上の効果が小さい。また 15 重量%をこえると発熱が大となり温度が上昇する。
また、本発明の自在継手用グリースは、必要に応じてその他の公知の添加剤を含有させることができる。この添加剤として、例えば、有機亜鉛化合物、アミン系、フェノール系、イオウ系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール、亜硝酸ソーダなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤等が挙げられる。これらを単独で、または、2 種類以上組み合せて添加することができる。
本発明の自在継手用グリースは、自在継手以外の高負荷がかかる軸受にも使用することができる。
本発明の自在継手は、上記自在継手用グリースを封入したものであり、例えば、等速ジョイントを例にとるとプランジング型等速ジョイントには、代表的なものとして、ダブルオフセット型等速ジョイントとトリポード型等速ジョイントがある。
ダブルオフセット型等速ジョイントを図1に例示する。図1に示すように、この型の等速ジョイントは、外輪1の内面および球形内輪2の外面に軸方向の六本のトラック溝3、4を等角度に形成し、そのトラック溝3、4間に組み込んだボール5をケージ6で支持し、このケージ6の外周を球面7とし、かつ内周を内輸2の外周に適合する球面8とし、各球面7、8の中心(イ)、(ロ)を外輪1の軸心上において軸方向に位置をずらしてある。また、外輪1の外周とシャフト9の外周とをブーツ10で覆い、その内部に本発明の自在継手用グリース11が密封充填されている。プランジング型等速ジョイントは、上記のように転がりに比べて滑りの要素がきわめて多い。
トリポード型等速ジョイントを図2に例示する。図2に示すように、この型の等速ジョイントは、外輪12の内面に軸方向の三本の円筒形トラック溝13を等角度に形成し、外輪12の内側に組み込んだトリポード部材14には三本の脚軸15を設け、各脚軸15の外側に球面ローラ16を嵌合し、その球面ローラ16と脚軸15との間にニ一ドル17を組み込んで球面ローラ16を回転可能に、かつ軸方向にスライド可能に支持し、その球面ローラ16を上記トラック溝13に嵌合してある。また、外輪12の外周とシャフト9の外周とをブーツ10で覆い、その内部に本発明の自在継手用グリース11が密封充填されている。
上記の構成からなるプランジング型等速ジョイントにおいては、トラック溝3、4とボール5の係り合い、およびトラック溝13と球面ローラ16の係り合いによって回転トルクの伝達が行なわれ、プランジングに対しては、ボール5がトラック溝3に沿って、球面ローラ16がトラック溝13に沿ってそれぞれ転動してこれを吸収する。
ジョイントが作動角をとる状態で回転トルクを伝達する場合、ダブルオフセット型等速ジョイントにおいては、トラック溝3、4とボール5との嵌合において転がりと滑りが発生し、また、ケージ6と外輪1およびケージ6と内輪2との間において滑りが発生する。一方、トリポード型等速ジョイントにおいては、トラック溝13と球面ローラ16との間において転がりと滑りが発生する。本発明の自在継手は、芳香族スルホン酸リチウムを含有するグリースを封入しているので、芳香族スルホン酸リチウムが、上記転がり滑り接触部に補給されることによって、極圧性効果を長期間持続することができる。
本発明の自在継手を等速自在継手に利用した例としては、上記したダブルオフセット型等速ジョイント、トリポード型等速ジョイント、クロスグルーブ型等速ジョイントなどのプランジング型等速ジョイントの他に、バーフィールドジョイント、ボールフィクストジョイント、アンダカットフリージョイントなどの固定型等速ジョイントが挙げられる。
また、不等速自在継手としては、クロスジョイントなどが挙げられる。
実施例1〜実施例3
鉱油( 40℃での動粘度が 100 mm2/s )2000 g 中で、ジフェニルメタン-4、4'-ジイソシアネー卜 60.6 g と、 オクチルアミン 31.3 g と、ステアリルアミン 66.2 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させてベースグリース1を得た。このベースグリース1に、表1および表2に示す配合で添加剤を配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して等速ジョイント用グリースを得た。得られたグリースにつき、以下に記す極圧性評価試験およびころ軸受試験を行なった。結果を表1に併記した。
実施例4および実施例5
鉱油( 40℃での動粘度が 100 mm2/s )2000 g 中で、ジフェニルメタン-4、4'-ジイソシアネー卜 60.3 g と、ステアリルアミン 65.5 g と、シクロヘキシルアミン 24.1 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させてベースグリース2を得た。このベースグリース2に、表1に示す配合で添加剤を配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して等速ジョイント用グリースを得た。得られたグリースにつき、以下に記す極圧性評価試験およびころ軸受試験を行なった。結果を表1に併記した。
比較例1および比較例2
鉱油( 40℃での動粘度が 100 mm2/s )2000 g 中で、ジフェニルメタン-4、4'-ジイソシアネー卜 60.6 g と、 オクチルアミン 31.3 g と、ステアリルアミン 66.2 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させてベースグリース1を得た。このベースグリース1に、表1および表2に示す配合で添加剤を配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して等速ジョイント用グリースを得た。得られたグリースにつき、以下に記す極圧性評価試験およびころ軸受試験を行なった。結果を表1に併記した。
比較例3および比較例4
鉱油( 40℃での動粘度が 100 mm2/s )2000 g 中で、ジフェニルメタン−4、4'−ジイソシアネー卜 60.3 g と、ステアリルアミン 65.5 g と、シクロヘキシルアミン 24.1 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させてベースグリース2を得た。このベースグリース2に、表1に示す配合で添加剤を配合し、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう度No.1グレード(ちょう度:310〜340 )に調整して等速ジョイント用グリースを得た。得られたグリースにつき、以下に記す極圧性評価試験およびころ軸受試験を行なった。結果を表1に併記した。
<極圧性評価試験>
極圧性評価試験装置を図3に示す。評価試験装置は、回転軸18に固定されたφ40×10 のリング状試験片19と、この試験片19と端面21にて端面同士が擦り合わされるリング状試験片20とで構成される。グリースを端面21部分に塗布し、回転軸18を回転数 2000 rpm、図3中右方向Aのアキシアル荷重 490 N 、ラジアル荷重 392 N を負荷して、極圧性を評価した。極圧性は両試験片のすべり部の摩擦摩耗増大により生じる回転軸18の振動を振動センサにて測定し、その振動値が初期値の 2 倍になるまで試験を行ない、その時間を測定した。
回転軸18の振動値が初期値の 2 倍になるまでの時間が長いほど極圧性効果が大となり、優れた耐フレーキング性を示す。したがってグリースのフレーキング性の評価は、測定された上記時間の長さにて各実施例と各比較例とを対比させて行なった。
<ころ軸受試験>
30206円すいころ軸受にグリースを 3.6 g 封入し、アキシアル荷重 980 N 、回転数 2600 rpm 、室温にて運転し、回転中のつば部表面温度を測定した。運転開始後、4〜8 時間までのつば部表面温度の平均値を算出した。
つば部と「ころ」との間に発生するすべり摩擦が大きくなると回転中のつば部表面温度は上昇する。そのためグリースの耐熱耐久性の評価は、測定された上記温度の高さにて各実施例と各比較例とを対比させて行なった。上記温度の高さが 65℃以下であることが、グリースの耐久性に優れていると評価する基準とした。
Figure 2009019129
表1において、各実施例と各比較例とを対比すると、芳香族スルホン酸リチウム(リチウムスルホネート)が、極圧性評価試験およびころ軸受試験において優れた耐熱耐久性を示した。
本発明の自在継手用グリースは、芳香族スルホン酸リチウムを含有するので、極圧性効果を長期間持続でき、転がり滑り運動におけるフレーキングの防止性能等に優れ、自動車に用いられる各種等速ジョイントなどに好適に利用できる。
ダブルオフセット型等速ジョイントの一部切欠断面図である。 トリポード型等速ジョイントの一部切欠断面図である。 極圧性評価試験装置を示す図である。
符号の説明
1、12 外方部材
2 内方部材
3、4 トラック溝
5 ボール(トルク伝達部材)
6 ケージ
7、8 球面
9 シャフト
10 ブーツ
11 自在継手用グリース
13 トラック溝
14 トリポード部材
15 脚軸
16 球面ローラ
17 ニ一ドル
18 回転軸
19、20 リング状試験片
21 端面

Claims (6)

  1. 基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含む自在継手用グリースであって、
    前記添加剤は、少なくとも芳香族スルホン酸リチウムを含有することを特徴とする自在継手用グリース。
  2. 前記芳香族スルホン酸リチウムは、前記グリース全体に対して 0.1〜15 重量%含有することを特徴とする請求項1記載の自在継手用グリース。
  3. 前記添加剤に硫黄系極圧剤が含まれ、該硫黄系極圧剤は、前記グリース全体に対して 0.1〜15 重量%含有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の自在継手用グリース。
  4. 前記増ちょう剤は、ウレア系増ちょう剤であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の自在継手用グリース。
  5. 外方部材および内方部材に設けられたトラック溝とトルク伝達部材との係り合いによって回転トルクが伝達され、前記トルク伝達部材が前記トラック溝に沿って転動することによって軸方向移動がなされる自在継手であって、
    該自在継手に封入されるグリースが請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の自在継手用グリースであることを特徴とする自在継手。
  6. 前記自在継手は、等速自在継手であることを特徴とする請求項5記載の自在継手。
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