JP5170861B2 - グリース組成物およびグリース封入軸受 - Google Patents
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Description
この特異的な剥離は、通常の金属疲労により生じる転走面内部からの剥離と異なり、転走面表面の比較的浅いところから生じる破壊現象で、水素が原因の水素脆性による剥離と考えられている。このような早期に発生する白色組織変化を伴った特異な剥離現象を防ぐ方法として、例えばグリース組成物に不動態化剤を添加する方法が知られている(特許文献1参照)。またグリース組成物にビスマスジチオカーバメートを添加する方法が知られている(特許文献2参照)。
上記金属粉末またはその無機化合物の配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.05 重量部〜10 重量部であることを特徴とする。
上記金属粉末等を含有する添加剤を配合することにより、鉄系金属材を含む軸受部の摩擦摩耗面または摩耗により露出した金属新生面において上記添加剤が反応し、軸受転走面に被膜が生成すると考えられる。そして、この軸受転走面に生成した被膜が、グリース組成物の分解による水素の発生を抑制して、水素脆性による特異な剥離を防止できるため、転がり軸受の寿命が延長するものと考えられる。本発明はこれらの知見に基づくものである。
各金属粉末は、平均粒子径 150μm 以下、好ましくは 50μm 以下の粉末が使用できる。平均粒子径が 150μm をこえると金属新生面への反応性に劣る。
タングステン化合物としては、酸化タングステン、炭化タングステン、ほう化タングステン、窒化タングステン、硫化タングステン、けい化タングステンが挙げられる。
クロム化合物としては、酸化クロム(III)、炭化クロム、ほう化クロム、けい化クロム、リン酸クロムが挙げられる。
コバルト化合物としては、酸化コバルト、炭酸コバルト、リン化コバルト、けい化コバルト、チタン酸コバルト、モリブデン酸コバルト、タングステン酸コバルトが挙げられる。
上記金属粉末等の配合割合が 0.05 重量部未満であると水素脆性による転走面での剥離を効果的に防止できない。また、10 重量部をこえても剥離防止効果がそれ以上に向上しない。
これらの中で、耐熱性と潤滑性に優れたアルキルジフェニルエーテル油、または、ポリ-α-オレフィン油を用いることが好ましい。
これらの中で、耐熱性、コスト等を考慮するとウレア系化合物が望ましい。
ベースグリース 100 重量部中に占める増ちょう剤の配合割合は、1〜40 重量部、好ましくは 3〜25 重量部配合される。増ちょう剤の含有量が 1 重量部未満では、増ちょう効果が少なくなり、グリース化が困難となり、40 重量部をこえると得られたベースグリースが硬くなりすぎ、所期の効果が得られ難くなる。
グリース封入軸受1は、外周面に内輪転走面2aを有する内輪2と内周面に外輪転走面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面2aと外輪転走面3aとの間に複数個の転動体4が配置される。この転動体4は、保持器5により保持される。また、内、外輪の軸方向両端開口部がシール部材6によりシールされ、少なくとも転動体4の周囲に本発明のグリース組成物7が封入される。なお、内輪2および外輪3は鉄系金属である軸受鋼からなる。
表1に示した基油の半量に、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製ミリオネートMT、以下、MDIと記す)を表1に示す割合で溶解し、残りの半量の基油にMDIの2倍当量となるモノアミンを溶解した。それぞれの配合割合および種類は表1のとおりである。
MDIを溶解した溶液を撹拌しながらモノアミンを溶解した溶液を加えた後、100〜120℃で 30 分間撹拌を続けて反応させて、ジウレア化合物を基油中に生成させた。
これに金属粉末および酸化防止剤を表1に示す配合割合で加えてさらに 100℃〜120℃で 10 分間撹拌した。その後冷却し、三本ロールで均質化し、グリース組成物を得た。
電装補機の一例であるオルタネータを模擬し、回転軸を支持する内輪回転の転がり軸受(内輪・外輪は軸受鋼)に上記グリース組成物を封入し、急加減速試験を行なった。急加減速試験条件は、回転軸先端に取り付けたプーリに対する負荷荷重を 1960 N 、回転速度は 0 rpm〜18000 rpm で運転条件を設定し、さらに、試験軸受内に 0.1 A の電流が流れる状態で試験を実施した。そして、軸受内に異常剥離が発生し、振動検出器の振動が設定値以上になって発電機が停止する時間(剥離発生寿命時間、h )を計測した。なお、試験は、500 時間で打ち切った。
参考例1に準じる方法で、表1に示す配合割合で、増ちょう剤、基油を選択してベースグリースを調整し、さらに添加剤を配合してグリース組成物を得た。得られたグリース組成物を参考例1と同様の試験を行なって評価した。結果を表1に示す。
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 グリース組成物
Claims (5)
- 基油と、増ちょう剤とからなるベースグリースに添加剤を配合してなり、鉄系金属と接触する環境下で使用されるグリース組成物であって、
前記添加剤は、タングステン粉末、モリブデン粉末、コバルト粉末、およびコバルト化合物から選ばれた少なくとも一つの無機添加剤を含有することを特徴とするグリース組成物。 - 前記増ちょう剤は、ウレア系増ちょう剤であることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
- 前記基油は、アルキルジフェニルエーテル油およびポリ-α-オレフィン油から選ばれた少なくとも一つの油であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のグリース組成物。
- 前記無機添加剤の配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.05〜10 重量部であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載のグリース組成物。
- グリース組成物が封入されてなるグリース封入軸受であって、前記グリース組成物が請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載のグリース組成物であることを特徴とするグリース封入軸受。
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