JP2018053942A - ロボットおよび歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯車装置の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができるロボットおよび歯車装置を提供すること。
【解決手段】第1部材と、前記第1部材に対して回動可能に設けられた第2部材と、前記第1部材および前記第2部材の一方側から他方側へ駆動力を伝達する歯車装置と、を備え、前記歯車装置は、2つの面が互いに接触する接触部と、前記接触部に配置され、混和安定度試験による混和ちょう度の変化率が−16%以上+16%以下の範囲内にある潤滑剤と、を備えることを特徴とするロボット。
【選択図】図2

Description

本発明は、ロボットおよび歯車装置に関するものである。
少なくとも1つのアームを含んで構成されたロボットアームを備えるロボットでは、例えば、ロボットアームの関節部をモーターにより駆動するが、一般に、そのモーターからの駆動力を減速機により減速することが行われている。このような減速機として、例えば、特許文献1に記載されている波動歯車装置のような歯車装置が知られている。
特許文献1に記載の波動歯車装置は、環形状をした剛性の内歯歯車と、環形状をした可撓性の外歯歯車と、この外歯歯車を半径方向にて内歯歯車に部分的に噛み合わせるとともに当該噛み合わせ位置を円周方向に移動させる波動発生器と、を備える。そして、内歯歯車および外歯歯車の歯面部には、グリースが充填されている。
特開2002−349681号公報
しかし、特許文献1に記載の波動歯車装置では、焼き付きや摩耗等が比較的早期に生じやすいという問題があった。
本発明の目的は、歯車装置の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができるロボットおよび歯車装置を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のロボットは、第1部材と、
前記第1部材に対して回動可能に設けられた第2部材と、
前記第1部材および前記第2部材の一方側から他方側へ駆動力を伝達する歯車装置と、を備え、
前記歯車装置は、
2つの面が互いに接触する接触部と、
前記接触部に配置され、混和安定度試験による混和ちょう度の変化率が−16%以上+16%以下の範囲内にある潤滑剤と、を備えることを特徴とする。
このようなロボットによれば、歯車装置に用いた潤滑剤の耐久性の指標として高い相関性を有する混和安定度試験による混和ちょう度の変化率を最適化することで、歯車装置の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができる。
本発明のロボットでは、前記潤滑剤の前記混和安定度試験前における混和ちょう度は、271以上290以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、歯車装置の初期における潤滑剤の潤滑性能を優れたものとすることができる。
本発明のロボットでは、前記潤滑剤の前記混和安定度試験後における混和ちょう度は、251以上335以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、歯車装置の長期間使用後における潤滑剤の潤滑性能を優れたものとすることができる。
本発明のロボットでは、前記潤滑剤の前記混和安定度試験による混和ちょう度の変化率は、−10%以上+16%以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、歯車装置の初期と長期間使用後における潤滑剤の潤滑性能の差を低減しつつ、歯車装置の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができる。
本発明のロボットでは、前記潤滑剤の前記混和安定度試験による混和ちょう度の変化率は、−8%以上+8%以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、歯車装置の初期と長期間使用後における潤滑剤の潤滑性能の差をより低減しつつ、歯車装置の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができる。
本発明のロボットでは、前記潤滑剤の最大非焼付き荷重は、300N以上であることが好ましい。
これにより、歯車装置の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができる。
本発明のロボットでは、前記潤滑剤の融着荷重は、2400N以上であることが好ましい。
これにより、潤滑剤の最大非焼付き荷重と融着荷重との差をある程度確保することができる。
本発明のロボットでは、前記歯車装置は、
内歯車と、
可撓性を有し前記内歯車に部分的に噛み合う外歯車と、
前記外歯車に接触し、前記内歯車と前記外歯車との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器と、を有し、
前記内歯車と前記外歯車との噛合部、および、前記外歯車と前記波動発生器とが接触する部分のうちの少なくとも一方が前記接触部であることが好ましい。
このような歯車装置では、一般に、内歯車および外歯車が極めて少ないバックラッシュで互いに噛み合うため、潤滑剤の潤滑寿命に対する要求が極めて高い。また、外歯車の内周面は、波動発生器の回転に伴って変形しながら、波動発生器の外周面に対して接触と離間とを繰り返す。このような外歯車は、薄くしなければならないため、潤滑剤による潤滑性が低下すると、損傷しやすい。したがって、このような歯車装置において、内歯車と外歯車との噛合部、および、外歯車と波動発生器とが接触する部分のうちの少なくとも一方に、混和安定度試験による混和ちょう度の変化率が−16%以上+16%以下の範囲内にある潤滑剤を用いることにより、歯車装置の耐久性を格段に向上させることができる。
本発明の歯車装置は、2つの面が互いに接触する接触部と、
前記接触部に配置され、混和安定度試験による混和ちょう度の変化率が−16%以上+16%以下の範囲内にある潤滑剤と、を備えることを特徴とする。
このような歯車装置によれば、歯車装置に用いた潤滑剤の耐久性の指標として高い相関性を有する混和安定度試験による混和ちょう度の変化率を最適化することで、歯車装置の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができる。
本発明のロボットの実施形態の概略構成を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。 図2に示す歯車装置の縦断面図である。 図2に示す歯車装置の正面図である。 図2に示す歯車装置の噛合部および摺動部に配置された潤滑剤を説明する図である。 図2に示す歯車装置の製造方法を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。 図7に示す歯車装置の縦断面図である。
以下、本発明のロボットおよび歯車装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.ロボット
まず、本発明のロボットの実施形態について説明する。
図1は、本発明のロボットの実施形態の概略構成を示す図である。
図1に示すロボット100は、精密機器やこれを構成する部品(対象物)の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。
ロボット100は、6軸の垂直多関節ロボットであり、基台111と、基台111に接続されたロボットアーム120と、ロボットアーム120の先端部に設けられた力検出器140およびハンド130と、を有する。また、ロボット100は、ロボットアーム120を駆動させる動力を発生させる複数の駆動源(モーター150および歯車装置1を含む)を制御する制御装置110を有している。
基台111は、ロボット100を任意の設置箇所に取り付ける部分である。なお、基台111の設置箇所は、特に限定されず、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上等が挙げられる。
ロボットアーム120は、第1アーム121(アーム)と、第2アーム122(アーム)と、第3アーム123(アーム)と、第4アーム124(アーム)と、第5アーム125(アーム)と、第6アーム126(アーム)とを有し、これらが基端側(基台側)から先端側に向ってこの順に連結されている。第1アーム121は、基台111に接続されている。第6アーム126の先端には、例えば、各種部品等を把持するハンド130(エンドエフェクター)が着脱可能に取り付けられている。このハンド130は、2本の指131、132を有しており、指131、132で例えば各種部品等を把持することができる。
基台111には、第1アーム121を駆動するサーボモーター等のモーター150および歯車装置1(減速機)を有する駆動源が設けられている。また、図示しないが、各アーム121〜126にも、それぞれ、モーターおよび減速機を有する複数の駆動源が設けられている。そして、各駆動源は、制御装置110により制御される。
このようなロボット100では、歯車装置1が、第1アーム121を基台111に対して回動させる駆動力を基台111側から第1アーム121側へ伝達する。ここで、歯車装置1が減速機として機能することにより、駆動力を減速して第1アーム121を基台111に対して回動させることができる。なお、「回動」とはある中心点に対して一方向またはその反対方向を含めた双方向に動くこと、および、ある中心点に対して回転することを含むものである。
このように、ロボット100は、「第1部材」である基台111と、基台111に対して回動可能に設けられた「第2部材」である第1アーム121と、基台111(第1部材)および第1アーム121(第2部材)の一方側から他方側へ駆動力を伝達する歯車装置1と、を備えている。なお、第2〜第6アーム122〜126のうち第1アーム121側から順次任意の数選択したアームを「第2部材」と捉えてもよい。すなわち、第1アーム121、および、第2〜第6アーム122〜126のうち第1アーム121側から順次任意の数選択したアームからなる構造体が「第2部材」であるとも言える。例えば、第1、第2アーム121、122からなる構造体が「第2部材」であるとも言えるし、ロボットアーム120全体が「第2部材」であるとも言える。また、「第2部材」がハンド130を含んでいてもよい。すなわち、ロボットアーム120およびハンド130からなる構造体が「第2部材」であるとも言える。
以上説明したようなロボット100は、以下に説明するような歯車装置1を備えることにより、歯車装置1の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができる。
2.歯車装置
以下、本発明の歯車装置の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図2は、本発明の第1実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。図3は、図2に示す歯車装置の縦断面図である。図4は、図2に示す歯車装置の正面図である。なお、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各部の寸法を適宜誇張して図示しており、各部間の寸法比は実際の寸法比とは必ずしも一致しない。
図2ないし図4に示す歯車装置1は、波動歯車装置であり、例えば減速機として用いられる。この歯車装置1は、内歯車である剛性歯車2と、剛性歯車2の内側に配置されているカップ型の外歯車である可撓性歯車3と、可撓性歯車3の内側に配置されている波動発生器4と、を有している。
この歯車装置1では、可撓性歯車3の横断面が波動発生器4により楕円形または長円形に変形した部分を有し、当該部分の長軸側の両端部において可撓性歯車3が剛性歯車2と噛み合っている。そして、剛性歯車2および可撓性歯車3の歯数が互いに異なっている。
このような歯車装置1において、例えば、波動発生器4に駆動力(例えば、前述したモーター150からの駆動力)が入力されると、剛性歯車2および可撓性歯車3は、互いの噛み合い位置が周方向に移動しながら、歯数差に起因して軸線aまわりに相対的に回転する。これにより、駆動源から波動発生器4に入力された駆動力を減速して可撓性歯車3から出力することができる。すなわち、波動発生器4を入力軸側、可撓性歯車3を出力軸側とする減速機を実現することができる。
以下、歯車装置1の構成を簡単に説明する。
図2ないし図4に示すように、剛性歯車2は、径方向に実質的に撓まない剛体で構成された歯車であって、内歯23を有するリング状の内歯車である。本実施形態では、剛性歯車2が、平歯車である。すなわち、内歯23は、軸線aに対して平行な歯スジを有する。なお、内歯23の歯スジは、軸線aに対して傾斜していてもよい。すなわち、剛性歯車2は、ハスバ歯車またはヤマバ歯車であってもよい。
可撓性歯車3は、剛性歯車2の内側に挿通されている。この可撓性歯車3は、径方向に撓み変形可能な可撓性を有する歯車であって、剛性歯車2の内歯23に噛み合う外歯33(歯)を有する外歯車である。また、可撓性歯車3の歯数は、剛性歯車2の歯数よりも少ない。このように可撓性歯車3および剛性歯車2の歯数が互いに異なることにより、減速機を実現することができる。
本実施形態では、可撓性歯車3は、一端が開口したカップ状をなし、その開口側の端部に外歯33が形成されている。ここで、可撓性歯車3は、軸線aまわりの筒状(より具体的には円筒状)の胴部31(筒部)と、胴部31の軸線a方向での一端部側に接続されている底部32と、を有する。これにより、胴部31の底部32とは反対側の端部を径方向に撓み易くすることができる。そのため、剛性歯車2に対する可撓性歯車3の良好な撓み噛み合いを実現することができる。また、胴部31の底部32側の端部の剛性を高めることができる。そのため、底部32に入力軸または出力軸を安定的に接続することができる。
また、図3に示すように、底部32には、軸線aに沿って貫通した孔321と、孔321の周囲において貫通した複数の孔322と、が形成されている。孔321には、出力側の軸体を挿通することができる。また、孔322は、出力側の軸体を底部32に固定するためのネジを挿通するネジ孔として用いることができる。なお、これらの孔は、適宜設ければよく、省略することもできる。また、可撓性歯車3の形状は、前述したようなカップ状に限定されず、例えば、両端が開口する筒状の胴部の一端部(外歯とは反対側の端部)にフランジ部が外側に突出したハット状であってもよい。
図3に示すように、波動発生器4は、可撓性歯車3の内側に配置され、軸線aまわりに回転可能である。そして、波動発生器4は、可撓性歯車3の底部32とは反対側の部分の横断面を長軸Laおよび短軸Lbとする楕円形または長円形に変形させて外歯33を剛性歯車2の内歯23に噛み合わせる。ここで、可撓性歯車3および剛性歯車2は、同一の軸線aまわりに回転可能に互いに内外で噛み合わされることとなる。
本実施形態では、波動発生器4は、本体部41と、本体部41から軸線aに沿って突出した軸部42と、本体部41に対して軸線aに平行な軸線a1まわりに回転可能に設けられた1対のローラー43と、を有する。このような波動発生器4は、1対のローラー43が可撓性歯車3の内周面上を転動しながら可撓性歯車3を内側から押し広げて、本体部41、軸部42および1対のローラー43が軸線aまわりに回転可能である。したがって、例えば、駆動源から波動発生器4に駆動力が入力されると、剛性歯車2および可撓性歯車3の互いの噛み合い位置が周方向に移動する。
以上、歯車装置1の構成を簡単に説明した。このような歯車装置1では、前述したように、例えば、波動発生器4に駆動力(例えば、前述したモーター150からの駆動力)が入力されると、剛性歯車2および可撓性歯車3は、互いの噛み合い位置が周方向に移動しながら、歯数差に起因して軸線aまわりに相対的に回転する。このような歯車装置1では、剛性歯車2と可撓性歯車3との噛合部、および、可撓性歯車3と波動発生器4とが接触する部分のそれぞれに、摩擦を低減するため、潤滑剤が用いられる。以下、潤滑剤に関する事項について詳述する。
図5は、図2に示す歯車装置の噛合部および摺動部に配置された潤滑剤を説明する図である。
前述したように、歯車装置1は、「内歯車」である剛性歯車2と、可撓性を有し剛性歯車2に部分的に噛み合う「外歯車」である可撓性歯車3と、可撓性歯車3に接触し、剛性歯車2と可撓性歯車3との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器4と、を有する。そして、図5に示すように、剛性歯車2と可撓性歯車3との噛合部61には、潤滑剤51が配置されている。また、可撓性歯車3と波動発生器4とが接触する部分である摺動部62には、潤滑剤52が配置されている。
ここで、噛合部61は、剛性歯車2の内歯23の歯面231と可撓性歯車3の外歯33の歯面331との間の領域であって、「2つの面」である歯面231および歯面331が互いに接触する「接触部」である。また、摺動部62は、可撓性歯車3の胴部31の内周面311と波動発生器4のローラー43の外周面431との間の領域であって、「2つの面」である内周面311および外周面431が互いに接触する「接触部」である。
このように、歯車装置1は、2つの面が互いに接触する「接触部」である噛合部61および摺動部62(以下、これらを「潤滑対象部」ともいう)と、噛合部61に配置されている潤滑剤51と、摺動部62に配置されている潤滑剤52と、を有する。
潤滑剤51、52は、それぞれ、混和安定度試験による混和ちょう度の変化率が−16%以上+16%以下の範囲内にある。これにより、歯車装置1に用いた潤滑剤51、52の耐久性の指標として高い相関性を有する混和安定度試験による混和ちょう度の変化率を最適化することで、歯車装置1の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができる。
特に、歯車装置1では、剛性歯車2および可撓性歯車3が極めて少ないバックラッシュで互いに噛み合うため、潤滑剤51の潤滑寿命に対する要求が極めて高い。また、可撓性歯車3の内周面は、波動発生器4の回転に伴って変形しながら、波動発生器4の外周面に対して接触と離間とを繰り返す。このような可撓性歯車3は、薄くしなければならないため、潤滑剤52による潤滑性が低下すると、損傷しやすい。したがって、このような歯車装置1において、剛性歯車2と可撓性歯車3との噛合部61、および、可撓性歯車3と波動発生器4とが接触する部分である摺動部62のうちの少なくとも一方に、混和安定度試験による混和ちょう度の変化率が−16%以上+16%以下の範囲内にある潤滑剤を用いることにより、歯車装置1の耐久性を格段に向上させることができる。
ここで、「混和安定度試験」は、JIS K 2220に規定された試験である。この試験では、規定の混和器(ちょう度測定時に用いる試料容器)に試料(グリース)を充てんし、有孔板を用いて10万回混和(せん断)し、その後25℃に保持した後、さらに60回混和して、ちょう度を測定する。その測定したちょう度が「混和安定度」であり、この「混和安定度」が「混和安定度試験後における混和ちょう度」である。また、「混和安定度試験前における混和ちょう度」は、混和安定度試験の前に、JIS K 2220に準拠して測定される値であって、具体的には、試料(グリース)を規定の混和器で25℃に保ち、60回往復混和(せん断)した直後に、規定円錐が規定時間(5秒間)に試料に進入する深さ(mm)を測定し、その測定値に10を乗じて算出することで得られる。「混和安定度試験による混和ちょう度の変化率」とは、混和安定度試験前における混和ちょう度に対する混和安定度試験後における混和ちょう度の変化量を、混和安定度試験前における混和ちょう度を基準(100%)として百分率で示した値である。
また、潤滑剤51、52の混和安定度試験前における混和ちょう度は、それぞれ、271以上290以下の範囲内にあることが好ましく、271以上281以下の範囲内にあることがより好ましい。これにより、歯車装置1の初期における潤滑剤51、52の潤滑性能を優れたものとすることができる。また、混和安定度試験前における混和ちょう度がこのような範囲内であると、混和安定度試験後における混和ちょう度の変化量を小さくしやすいという利点もある。
一方、潤滑剤51、52の混和安定度試験後における混和ちょう度は、それぞれ、251以上335以下の範囲内にあることが好ましく、251以上323以下の範囲内にあることがより好ましい。これにより、歯車装置1の長期間使用後における潤滑剤51、52の潤滑性能を優れたものとすることができる。また、混和安定度試験後における混和ちょう度がこのような範囲内であると、混和安定度試験前における混和ちょう度を最適化しやすいという利点もある。
また、潤滑剤51、52の混和安定度試験による混和ちょう度の変化率は、それぞれ、−10%以上+16%以下の範囲内にあることが好ましく、−8%以上+8%以下の範囲内にあることがより好ましい。これにより、歯車装置1の初期と長期間使用後における潤滑剤51、52の潤滑性能の差をより低減しつつ、歯車装置1の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができる。
さらに、混和安定度試験後における混和ちょう度は、混和安定度試験前における混和ちょう度に対して、大きくてもよいが、小さいことが好ましい。これにより、混和安定度試験前における混和ちょう度を比較的大きくしても、潤滑剤51、52が使用に伴って潤滑対象部から流出することを低減することができる。
また、潤滑剤51、52のうちの少なくとも一方の最大非焼付き荷重は、300N以上であることが好ましい。これにより、歯車装置1の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができる。
「最大非焼付き荷重」(LNL値)は、潤滑剤による油膜(潤滑膜)が荷重により破断し、潤滑対象部の保護すべき2つの面同士が直接接触することにより焼き付きが生じるまでの限界荷重を示す。この「最大非焼付き荷重」は、ASTM D2596(潤滑剤がグリースである場合)またはASTM D2783(潤滑剤が潤滑油である場合)に準拠した高速四球式荷重能試験により測定される。また、この試験に用いる鉄球が融着により固着したときの荷重が「融着荷重」(WL値)である。すなわち、「融着荷重」(WL値)は、潤滑対象部の保護すべき2つの面同士の摺動により生じる摩擦熱によりこれらの面が溶融し互いに融合する荷重を示す。
また、潤滑剤51、52の最大非焼付き荷重をL[N]とし、潤滑剤51、52の融着荷重をW[N]としたとき、W/Lは、3.0以上であることが好ましく、3.0以上9.0以下であることがより好ましく、3.0以上7.0以下であることがさらに好ましい。これにより、歯車装置1が焼き付き状態となっても、歯車装置1が固着状態となるまでのある程度の長さの期間にわたって、ロボット100を動作させることができる。そのため、ロボット100の動作中に急に歯車装置1が固着状態となって損傷範囲が拡大したり、損傷個所の修復までの期間内におけるロボット100の作業の中断期間が長くなったりすることを低減することができる。
また、潤滑剤51、52の融着荷重は、それぞれ、2400N以上であることが好ましく、2400N以上5000N以下であることがより好ましい。これにより、潤滑剤51、52の最大非焼付き荷重と融着荷重との差をある程度確保することができる。
また、潤滑剤51、52の荷重摩耗指数は、250以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましい。これにより、潤滑剤51、52の耐摩耗性を優れたものとすることができる。ここで、「荷重摩耗指数」(LWI値)は、前述した高速四球式荷重能試験の試験結果から求められるものであり、潤滑対象部の保護すべき2つの面同士の接触が起こった荷重間の痕径から算出される数値であって、数値が高いほど耐摩耗性に優れることを示す、潤滑剤の耐荷重能の総合指標である。
また、潤滑剤51、52の主構成材料は、それぞれ、グリースであっても潤滑油であってもよいが、グリースであることが好ましい。すなわち、潤滑剤51、52は、それぞれ、基油および増ちょう剤を含んでいることが好ましい。これにより、潤滑剤51、52を固体状または半固体状のグリースとすることができる。したがって、潤滑剤51、52を必要箇所に留まらせやすくすることができる。また、潤滑剤51、52の最大非焼付き荷重および融着荷重の双方を効果的に大きくすることができる。したがって、前述したような範囲の最大非焼付き荷重および融着荷重となる潤滑剤51、52を容易に得ることができる。ここで、増ちょう剤としては、例えば、カルシウム石けん、カルシウム複合石けん、ナトリウム石けん、アルミニウム石けん、リチウム石けん、リチウム複合石けん等の石けん系、また、ポリウレア、ナトリウムテレフタメート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、有機ベントナイト、シリカゲル等の非石けん系等が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができるが、リチウム石けんを用いることが好ましい。増ちょう剤としてリチウム石けんを用いることにより、潤滑剤51、52のせん断安定性を優れたものとすることができる。また、潤滑剤51、52の潤滑剤としての特性のバランスを優れたものとすることができる。また、増ちょう剤の種類や含有量等を適宜調整することで、前述したような混和安定度試験による混和ちょう度の変化率を有する潤滑剤51、52を容易に実現することが可能である。特に、増ちょう剤としてリチウム石けんを用いると、混和安定度試験による混和ちょう度の変化率を小さくすることが容易である。
また、基油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系等の鉱油(精製鉱物油)、ポリオレフィン、エステル、シリコーン等の合成油が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、潤滑剤51、52が基油および増ちょう剤を含む場合、潤滑剤51、52は、それぞれ、酸化防止剤、極圧剤、防錆剤等の添加剤、また、黒鉛、硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の固体潤滑剤等を含んでいることが好ましい。これにより、長期にわたり高い最大非焼付き荷重および融着荷重を発揮可能な潤滑剤51、52を容易に得ることができる。また、混和安定度試験による混和ちょう度の変化率が小さくなるような添加剤(例えば、せん断安定性を向上させる添加剤)を適宜選択することが好ましい。
特に、潤滑剤51、52のそれぞれが極圧剤を含んでいることが好ましい。これにより、潤滑対象部が極圧潤滑状態となっても、焼き付きやスカッフィングを効果的に防止することができる。特に、極圧剤として、有機モリブデン化合物、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を用いることが好ましい。
潤滑剤51、52のそれぞれが有機モリブデン化合物を含んでいることにより、潤滑対象部における摩擦を効果的に低減することができる。特に、有機モリブデンは、二硫化モリブデンと同等の極圧性および耐摩耗性を発揮し、しかも、二硫化モリブデンに比べて酸化安定性に優れる。そのため、潤滑剤51、52の長寿命化を図ることができる。ここで、潤滑剤51、52中における有機モリブデン化合物の含有量は、例えば、1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。また、潤滑剤51、52中におけるジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量は、例えば、1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
また、潤滑剤51、52が固体潤滑剤を含んでいることにより、潤滑剤51、52の最大非焼付き荷重および融着荷重の双方を効果的に大きくすることができる。
このように、潤滑剤51、52の主構成材料がグリースであると、前述したような範囲の最大非焼付き荷重および融着荷重となる潤滑剤51、52を容易に得ることができる。以下、グリースの最大非焼付き荷重および融着荷重と、歯車装置の耐久性との関係について、以下の表1に示す具体例を挙げて説明する。
Figure 2018053942
表1中、「混和ちょう度(試験前)」は混和安定度試験前における混和ちょう度、「混和ちょう度(試験後)」は混和安定度試験後における混和ちょう度、「混和ちょう度変化率」は混和安定度試験による混和ちょう度の変化率、「LNL」は「最大非焼付き荷重」、「WL」は「融着荷重」、「LWI」は「荷重摩耗指数」を示す。また、「サンプル1〜4」は、それぞれ、精製鉱油からなる基油、リチウム石けんからなる増ちょう剤、有機モリブデンおよびジアルキルジチオリン酸亜鉛を含むグリース(潤滑剤)であり、これら成分の配合比および種類を適宜調整して混和ちょう度等の特性を互いに異ならせている。また、「混和ちょう度」は、JIS K 2220に準拠して測定したものである。また、「LNL」、「WL」および「LWI」は、前述したようなASTM D2596に準拠して測定したものである。また、表1中の「評価」は、サンプル1〜4を用いたそれぞれの減速機について、試験装置に組み込んで連続的に往復回動動作させ、動作がたつきが許容範囲を超えるまでの往復回動動作の回数を測定したときの測定結果に基づく相対的な評価である。ここで、測定した往復回動動作の回数の数が多いほど評価がよく、評価がよい方から悪い方へ「A」、「B」、「C」の順となっている。特に、評価「A」は、従来の減速機では実現できなかった優れた特性を示すものである。
なお、潤滑剤51と52を比べた場合、それらの構成材料や、混和ちょう度、混和ちょう度の変化率、LNL、WL、LWI等の特性は、各々同一でも異なっていてもよい。
以上説明したような歯車装置1は、以下のようにして製造することができる。
(歯車装置の製造方法)
以下、歯車装置の製造方法について、歯車装置1を製造する場合を例に説明する。
図6は、図2に示す歯車装置の製造方法を説明するフローチャートである。
図6に示すように、歯車装置1の製造方法は、[1]潤滑剤配置工程S10と、[2]組立工程S20と、を有する。以下、各工程を順次説明する。
[1]潤滑剤配置工程S10
まず、図示しないが、可撓性歯車3、剛性歯車2および波動発生器4を用意する。
これらの形成方法としては、特に限定されず、各種機械加工および各種成形方法を用いることができる。また、可撓性歯車3、剛性歯車2および波動発生器4の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種セラミックス材料、各種金属材料、各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
次に、図示しないが、可撓性歯車3の内側に潤滑剤52を配置する。また、潤滑剤51を可撓性歯車3の外周面および剛性歯車2の内周面のうちの少なくとも一方に配置する。また、必要に応じて、潤滑剤を波動発生器4上に配置する。
[2]組立工程S20
次に、図示しないが、可撓性歯車3の内側に波動発生器4を挿入しておき、可撓性歯車3および剛性歯車2を互いに内外で噛み合わせる。ここで、可撓性歯車3の内側に波動発生器4を挿入する際、可撓性歯車3の内側に配置された潤滑剤52が可撓性歯車3と波動発生器4との間に介在することとなる。そして、潤滑剤52が配置されている摺動部62が形成されることとなる。また、可撓性歯車3の内側に配置された潤滑剤52は、波動発生器4の内部にも供給することができる。また、可撓性歯車3および剛性歯車2を互いに内外で噛み合わせる際に、可撓性歯車3と剛性歯車2との間に潤滑剤51が介在することとなり、潤滑剤51が配置されている噛合部61が形成されることとなる。
以上説明したようにして歯車装置1を製造することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。図8は、図7に示す歯車装置の縦断面図である。
なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
図7および図8に示す歯車装置200は、円柱状の外形を有する本体部202を備えている。本体部202の軸線方向での一方側には、第1回転軸203が設けられ、一方、本体部202の軸線方向での他方側には、第2回転軸204が設けられている。第1回転軸203および第2回転軸204は、互いに同一の中心軸205を中心として回動する。ここで、中心軸205は、本体部202の軸線と同一線上に配置されている。本体部202を固定した状態で第1回転軸203を回動させると、その回動が後述するような本体部202内の機構によって減速されて第2回転軸204から出力される。つまり、第1回転軸203が高速回転する入力軸であり、第2回転軸204が低速回転する出力軸となる。
図8に示すように、歯車装置200は、空洞部206cを有する円筒形のリングギア206を備えている。リングギア206の内周には、複数のギア歯206aが形成されている。また、リングギア206の内側には、リングギア206の内周よりも少し小さい外周を有する第1公転ギア207および第2公転ギア208が設置されている。第1公転ギア207の外周には、ギア歯206aの歯数よりも少ない数の複数のギア歯207aが配置され、第2公転ギア208の外周には、ギア歯207aの歯数と同じ数の複数のギア歯208aが配置されている。そして、ギア歯207aおよびギア歯208aがギア歯206aと噛み合っている。
第1公転ギア207の中央には、軸孔207bが設けられ、同様に、第2公転ギア208の中央には、軸孔208bが設けられている。軸孔207bには、第1ベアリング209が設置され、同様に、軸孔208bには、第2ベアリング210が設置されている。
第1回転軸203には、中心軸205に対して互いに反対側に同量偏心している円形カムである第1偏心カム211および第2偏心カム212が設置されている。そして、第1偏心カム211が第1ベアリング209の内輪に設置され、同様に、第2偏心カム212が第2ベアリング210の内輪に設置されている。これにより、ギア歯207aがギア歯206aと噛み合う部分と、ギア歯208aがギア歯206aと噛み合う部分との間に、中心軸205が位置している。
第1公転ギア207には、第1公転ギア207の中央を中心とする同心円上の4か所に第1貫通孔207cが設けられている。同様に、第2公転ギア208には、第2公転ギア208の中央を中心とする同心円上の4か所に第2貫通孔208cが設けられている。各第1貫通孔207cおよび各第2貫通孔208cには、それぞれ、第1公転ギア207の自転の動きを取り出すための貫通ピン213が挿入されている。各第1貫通孔207cの内周壁には、弾性を有する略円筒形の第1弾性部214が圧入により嵌めこまれている。同様に、各第2貫通孔208cの内周壁には、弾性を有する略円筒形の第2弾性部215が圧入により嵌めこまれている。ここで、貫通ピン213は、第1弾性部214または第2弾性部215の内側を貫通している。
各貫通ピン213は、本体部202の第1回転軸203側において、円板状の下蓋板216に取り付けられ、第2回転軸204側において、ナット217によって円板状の上蓋板218に固定されている。下蓋板216および上蓋板218は、中心軸205の軸方向に沿って並んでおり、リングギア206に対して回動可能となるように隙間をもってリングギア206を挟んでいる。
下蓋板216の中央には、第1回転軸203が挿入されている中心孔216aが形成されている。そして、第1回転軸203の第1偏心カム211および第2偏心カム212側の一端部が下蓋板216から本体部202内へ突出し、第1回転軸203の他端部が下蓋板216から本体部202外に突出している。上蓋板218の中央には、第2回転軸204が固定されている。そして、上蓋板218の回転に伴って、上蓋板218の回転トルクが第2回転軸204に伝達される。
このように、歯車装置200は、「内歯車」であるリングギア206と、リングギア206に噛み合う「外歯車」である第1公転ギア207および第2公転ギア208と、リングギア206に対して摺動する「摺動部材」である下蓋板216および上蓋板218と、を有する。そして、図示しないが、リングギア206と第1公転ギア207および第2公転ギア208との噛合部、および、リングギア206と下蓋板216および上蓋板218との摺動部のうちの少なくとも一方は、2つの面が互いに接触する「接触部」であって、前述した第1実施形態の潤滑剤51、52と同様、混和安定度試験による混和ちょう度の変化率が−16%以上+16%以下の範囲内にある潤滑剤が配置されている。
以上説明したような第2実施形態によっても、歯車装置200の摩耗や焼き付き等の損傷を長期にわたり低減することができる。
以上、本発明のロボットおよび歯車装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
前述した実施形態では、ロボットが備える基台が「第1部材」、第1アームが「第2部材」であり、第1部材から第2部材へ駆動力を伝達する歯車装置について説明したが、本発明は、これに限定されず、第n(nは1以上の整数)アームが「第1部材」、第(n+1)アームが「第2部材」であり、第nアームおよび第(n+1)アームの一方側から他方側へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。また、第2部材側から第1部材側へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。
また、前述した実施形態では、6軸の垂直多関節ロボットについて説明したが、本発明は、可撓性歯車を有する歯車装置を用いるものであれば、これに限定されず、例えば、ロボットの関節数は任意であり、また、水平多関節ロボット(スカラロボット)にも適用可能である。
また、歯車装置の構成は、潤滑対象となる互いに接触する2つの面を有する歯車装置であればよく、前述した実施形態のものに限定されず、各種歯車装置に本発明を適用可能である。例えば、歯車装置が有する波動発生器は、玉軸受において内輪の外周面を楕円形とするとともに外輪を弾性変形な薄肉としたような形態であってもよい。
1…歯車装置、2…剛性歯車(内歯車)、3…可撓性歯車(外歯車)、4…波動発生器、23…内歯、31…胴部、32…底部、33…外歯、41…本体部、42…軸部、43…ローラー、51…潤滑剤、52…潤滑剤、61…噛合部、62…摺動部、100…ロボット、110…制御装置、111…基台、120…ロボットアーム、121…第1アーム、122…第2アーム、123…第3アーム、124…第4アーム、125…第5アーム、126…第6アーム、130…ハンド、131…指、132…指、140…力検出器、150…モーター、200…歯車装置、202…本体部、203…第1回転軸、204…第2回転軸、205…中心軸、206…リングギア、206a…ギア歯、206c…空洞部、207…第1公転ギア、207a…ギア歯、207b…軸孔、207c…第1貫通孔、208…第2公転ギア、208a…ギア歯、208b…軸孔、208c…第2貫通孔、209…第1ベアリング、210…第2ベアリング、211…第1偏心カム、212…第2偏心カム、213…貫通ピン、214…第1弾性部、215…第2弾性部、216…下蓋板、216a…中心孔、217…ナット、218…上蓋板、231…歯面(面)、311…内周面(面)、321…孔、322…孔、331…歯面(面)、431…外周面(面)、La…長軸、Lb…短軸、S10…潤滑剤配置工程、S20…組立工程、a…軸線、a1…軸線

Claims (9)

  1. 第1部材と、
    前記第1部材に対して回動可能に設けられた第2部材と、
    前記第1部材および前記第2部材の一方側から他方側へ駆動力を伝達する歯車装置と、を備え、
    前記歯車装置は、
    2つの面が互いに接触する接触部と、
    前記接触部に配置され、混和安定度試験による混和ちょう度の変化率が−16%以上+16%以下の範囲内にある潤滑剤と、を備えることを特徴とするロボット。
  2. 前記潤滑剤の前記混和安定度試験前における混和ちょう度は、271以上290以下の範囲内にある請求項1に記載のロボット。
  3. 前記潤滑剤の前記混和安定度試験後における混和ちょう度は、251以上335以下の範囲内にある請求項1または2に記載のロボット。
  4. 前記潤滑剤の前記混和安定度試験による混和ちょう度の変化率は、−10%以上+16%以下の範囲内にある請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロボット。
  5. 前記潤滑剤の前記混和安定度試験による混和ちょう度の変化率は、−8%以上+8%以下の範囲内にある請求項4に記載のロボット。
  6. 前記潤滑剤の最大非焼付き荷重は、300N以上である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のロボット。
  7. 前記潤滑剤の融着荷重は、2400N以上である請求項6に記載のロボット。
  8. 前記歯車装置は、
    内歯車と、
    可撓性を有し前記内歯車に部分的に噛み合う外歯車と、
    前記外歯車に接触し、前記内歯車と前記外歯車との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器と、を有し、
    前記内歯車と前記外歯車との噛合部、および、前記外歯車と前記波動発生器とが接触する部分のうちの少なくとも一方が前記接触部である請求項1ないし7のいずれか1項に記載のロボット。
  9. 2つの面が互いに接触する接触部と、
    前記接触部に配置され、混和安定度試験による混和ちょう度の変化率が−16%以上+16%以下の範囲内にある潤滑剤と、を備えることを特徴とする歯車装置。
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