JP2017180526A - ロボット、歯車装置および歯車装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯車装置に用いる潤滑剤(介在物)の特性低下を低減することができるロボット、歯車装置および歯車装置の製造方法を提供すること。【解決手段】第1部材と、アームを含んで構成され、前記第1部材に対して回動可能に設けられた第2部材と、前記第1部材および前記第2部材の一方から他方へ駆動力を伝達する歯車装置と、を備え、前記歯車装置は、2つの面が互いに接触する第1接触部と、前記第1接触部とは異なる2つの面が前記第1接触部とは異なる摩擦力で互いに接触する第2接触部と、前記第1接触部および前記第2接触部のそれぞれに配置され、ナノセルロースを含んでいる介在物と、を備えることを特徴とするロボット。【選択図】図1
Description
本発明は、ロボット、歯車装置および歯車装置の製造方法に関するものである。
少なくとも1つのアームを含んで構成されたロボットアームを備えるロボットでは、例えば、ロボットアームの関節部をモーターにより駆動するが、一般に、そのモーターからの駆動力を減速機により減速することが行われている。このような減速機として、例えば、特許文献1に記載されている波動歯車装置のような歯車装置が知られている。
特許文献1に記載の波動歯車装置は、環形状をした剛性の内歯歯車と、環形状をした可撓性の外歯歯車と、この外歯歯車を半径方向にて内歯歯車に部分的に噛み合わせるとともに当該噛み合わせ位置を円周方向に移動させる波動発生器と、を備える。そして、内歯歯車および外歯歯車の歯面部には、グリースが充填されている。また、この歯面部とは摩擦接触形態が異なる、波動発生器内の摩擦接触部分、および、外歯歯車と波動発生器との摩擦接触部分のそれぞれには、固形潤滑剤が装着されている。
通常、波動歯車装置では、内歯歯車および外歯歯車の歯面部が、波動発生器内の摩擦接触部分や、外歯歯車と波動発生器との摩擦接触部分に空間を介して連通している。特許文献1に記載の波動歯車装置では、互いに空間を介して連通している複数の潤滑対象箇所に互いに異なる潤滑剤を用いるため、互いに異なる潤滑剤同士が混合して、潤滑剤の潤滑性能が低下するという問題がある。
本発明の目的は、歯車装置に用いる潤滑剤(介在物)の特性低下を低減することができるロボット、歯車装置および歯車装置の製造方法を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のロボットは、第1部材と、
アームを含んで構成され、前記第1部材に対して回動可能に設けられた第2部材と、
前記第1部材および前記第2部材の一方から他方へ駆動力を伝達する歯車装置と、を備え、
前記歯車装置は、
2つの面が互いに接触する第1接触部と、
前記第1接触部とは異なる2つの面が前記第1接触部とは異なる摩擦力で互いに接触する第2接触部と、
前記第1接触部および前記第2接触部のそれぞれに配置され、ナノセルロースを含んでいる介在物と、を備えることを特徴とする。
本発明のロボットは、第1部材と、
アームを含んで構成され、前記第1部材に対して回動可能に設けられた第2部材と、
前記第1部材および前記第2部材の一方から他方へ駆動力を伝達する歯車装置と、を備え、
前記歯車装置は、
2つの面が互いに接触する第1接触部と、
前記第1接触部とは異なる2つの面が前記第1接触部とは異なる摩擦力で互いに接触する第2接触部と、
前記第1接触部および前記第2接触部のそれぞれに配置され、ナノセルロースを含んでいる介在物と、を備えることを特徴とする。
このようなロボットによれば、介在物がナノセルロースを含んでいるため、介在物が潤滑剤として機能する。特に、同一または近似した構成の介在物を第1接触部および第2接触部に用いることができる。そのため、第1接触部と第2接触部とが空間を介して連通していて、これらの接触部に配置された介在物同士が混合しても、介在物の特性低下を低減することができる。また、第1接触部と第2接触部との間を遮るシール構造が不要となるため、歯車装置の構造の簡単化および小型化を図ることができる。
しかも、ナノセルロースは、介在物に含まれていることにより介在物の粘度を高めることができる。そのため、介在物が第1接触部および第2接触部から流出するのを低減することができる。また、ナノセルロースは、微細であるため、第1接触部および第2接触部のそれぞれの2つの面間に進入しやすく、当該2つの面間の圧力により介在物の粘度を低下させ、優れた潤滑性を発揮する。さらに、ナノセルロースは、優れた機械的強度を有し、介在物のせん断安定性を優れたものとすることができる。このようなナノセルロースの特性から、ナノセルロースを含んで互いに同一または近似した構成とした介在物を、摩擦力の異なる第1接触部および第2接触部に用いても、優れた潤滑性を発揮することができる。
本発明のロボットでは、前記歯車装置は、
内歯車と、
可撓性を有し前記内歯車に部分的に噛み合う外歯車と、
前記外歯車に接触し、前記内歯車と前記外歯車との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器と、を有し、
前記内歯車と前記外歯車との噛み合い部が、前記第1接触部であり、
前記波動発生器が有する2つの面が互いに接触する部分、および、前記外歯車と前記波動発生器とが接触する部分のうちの少なくとも一方が、前記第2接触部であることが好ましい。
内歯車と、
可撓性を有し前記内歯車に部分的に噛み合う外歯車と、
前記外歯車に接触し、前記内歯車と前記外歯車との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器と、を有し、
前記内歯車と前記外歯車との噛み合い部が、前記第1接触部であり、
前記波動発生器が有する2つの面が互いに接触する部分、および、前記外歯車と前記波動発生器とが接触する部分のうちの少なくとも一方が、前記第2接触部であることが好ましい。
このような剛性歯車、可撓性歯車(外歯車)および波動発生器を有する歯車装置、すなわち、波動歯車装置において、剛性歯車(内歯車)と可撓性歯車との噛み合い部、波動発生器が有する2つの面が互いに接触する部分、および、可撓性歯車と波動発生器とが接触する部分のそれぞれは、潤滑対象部である。そして、一般に、これらの潤滑対象部は、互いに空間を介して連通し、かつ、互いに摩擦状態が異なる。特に、剛性歯車と可撓性歯車との噛み合い部は、波動発生器が有する2つの面が互いに接触する部分、および、可撓性歯車と波動発生器とが接触する部分に対して摩擦力等の摩擦状態が大きく異なる。したがって、これらの潤滑対象部に、ナノセルロースを含む介在物を共通して用いることで、潤滑剤(介在物)の特性低下を低減する効果を顕著に発揮させることができる。
本発明のロボットでは、前記介在物は、基油およびリチウム石けんを含んでいることが好ましい。
これにより、介在物を固体状または半固体状のグリースとすることができる。したがって、介在物を第1接触部および第2接触部およびその周辺部に留まらせやすくすることができる。ここで、増ちょう剤としてリチウム石けんを用いることにより、介在物のせん断安定性を優れたものとすることができる。
本発明のロボットでは、前記介在物中における前記ナノセルロースの含有量は、前記介在物中における前記リチウム石けんの含有量よりも大きいことが好ましい。
これにより、介在物中のリチウム石けんの含有量を少なくして、介在物中の基油の含有量を相対的に多くすることができる。そのため、介在物の潤滑性能を向上させることができる。ここで、ナノセルロースが増ちょう剤としても機能するため、リチウム石けんの含有量を少なくしても、グリースのちょう度を小さくすることができる。
本発明のロボットでは、前記介在物は、極圧剤を含んでいることが好ましい。
これにより、第1接触部および第2接触部が極圧潤滑状態となっても、焼き付きやスカッフィングを効果的に防止することができる。
これにより、第1接触部および第2接触部が極圧潤滑状態となっても、焼き付きやスカッフィングを効果的に防止することができる。
本発明のロボットでは、前記介在物は、有機モリブデン化合物を含んでいることが好ましい。
これにより、第1接触部および第2接触部における摩擦を効果的に低減することができる。特に、有機モリブデン化合物は、二硫化モリブデンと同等の極圧性および耐摩耗性を発揮し、しかも、二硫化モリブデンに比べて酸化安定性に優れる。そのため、介在物の長寿命化を図ることができる。
本発明のロボットでは、前記介在物中における前記ナノセルロースの含有量は、1質量%以上10質量%以下の範囲内であることが好ましい。
これにより、介在物の粘度やちょう度を適正なものとしつつ、ナノセルロースによる潤滑性を発揮させることができる。
本発明の歯車装置は、2つの面が互いに接触する第1接触部と、
前記第1接触部とは異なる2つの面が前記第1接触部とは異なる摩擦力で互いに接触する第2接触部と、
前記第1接触部および前記第2接触部のそれぞれに配置され、ナノセルロースを含んでいる介在物と、を備えることを特徴とする。
このような歯車装置によれば、潤滑剤(介在物)の特性低下を低減することができる。
前記第1接触部とは異なる2つの面が前記第1接触部とは異なる摩擦力で互いに接触する第2接触部と、
前記第1接触部および前記第2接触部のそれぞれに配置され、ナノセルロースを含んでいる介在物と、を備えることを特徴とする。
このような歯車装置によれば、潤滑剤(介在物)の特性低下を低減することができる。
本発明の歯車装置の製造方法は、2つの面が互いに接触する第1接触部、および、前記第1接触部とは異なる2つの面が前記第1接触部とは異なる摩擦力で互いに接触する第2接触部を形成する工程と、
前記第1接触部および前記第2接触部のそれぞれに、ナノセルロースを含んでいる介在物を配置する工程と、を含むことを特徴とする。
前記第1接触部および前記第2接触部のそれぞれに、ナノセルロースを含んでいる介在物を配置する工程と、を含むことを特徴とする。
このような歯車装置の製造方法によれば、潤滑剤(介在物)の特性低下を低減することができる歯車装置を得ることができる。
以下、本発明のロボット、歯車装置および歯車装置の製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.ロボット
まず、本発明のロボットの実施形態について説明する。
図1は、本発明のロボットの実施形態の概略構成を示す図である。
まず、本発明のロボットの実施形態について説明する。
図1は、本発明のロボットの実施形態の概略構成を示す図である。
図1に示すロボット100は、精密機器やこれを構成する部品(対象物)の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。
ロボット100は、6軸の垂直多関節ロボットであり、基台111と、基台111に接続されたロボットアーム120と、ロボットアーム120の先端部に設けられた力検出器140およびハンド130と、を有する。また、ロボット100は、ロボットアーム120を駆動させる動力を発生させる複数の駆動源(モーター150および歯車装置1を含む)を制御する制御装置110と、を有している。
基台111は、ロボット100を任意の設置箇所に取り付ける部分である。なお、基台111の設置箇所は、特に限定されず、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などが挙げられる。
ロボットアーム120は、第1アーム121(アーム)と、第2アーム122(アーム)と、第3アーム123(アーム)と、第4アーム124(アーム)と、第5アーム125(アーム)と、第6アーム126(アーム)とを有し、これらが基端側から先端側に向ってこの順に連結されている。第1アーム121は、基台111に接続されている。第6アーム126の先端には、例えば、各種部品等を把持するハンド130(エンドエフェクター)が着脱可能に取り付けられている。このハンド130は、2本の指131、132を有しており、指131、132で例えば各種部品等を把持することができる。
基台111には、第1アーム121を駆動するサーボモーター等のモーター150および歯車装置1(減速機)を有する駆動源が設けられている。また、図示しないが、各アーム121〜126にも、それぞれ、モーターおよび減速機を有する複数の駆動源が設けられている。そして、各駆動源は、制御装置110により制御される。
このようなロボット100では、歯車装置1が、基台111(第1部材)および第1アーム121(第2部材)の一方から他方へ駆動力を伝達する。より具体的には、歯車装置1が、第1アーム121を基台111に対して回動させる駆動力を基台111側から第1アーム121側へ伝達する。ここで、歯車装置1が減速機として機能することにより、駆動力を減速して第1アーム121を基台111に対して回動させることができる。なお、「回動」とはある中心点に対して一方向またはその反対方向を含めた双方向に動くこと、および、ある中心点に対して回転することを含むものである。
本実施形態では、基台111が「第1部材」であり、第1アーム121が、アームを含んで構成され、第1部材である基台111に対して回動可能に設けられた「第2部材」である。なお、「第2部材」は、第2〜第6アーム122〜126のうち第1アーム121側から順次任意の数選択したアームを含んでいてもよい。すなわち、第1アーム121、および、第2〜第6アーム122〜126のうち第1アーム121側から順次任意の数選択したアームからなる構造体が「第2部材」であるとも言える。例えば、第1、第2アーム121、122からなる構造体が「第2部材」であるとも言えるし、ロボットアーム120全体が「第2部材」であるとも言える。また、「第2部材」がハンド130を含んでいてもよい。すなわち、ロボットアーム120およびハンド130からなる構造体が「第2部材」であるとも言える。
以上説明したようなロボット100は、以下に説明するような歯車装置1を備えることにより、歯車装置1に用いる潤滑剤(介在物)の特性低下を低減することができる。
2.歯車装置
以下、本発明の歯車装置の実施形態について説明する。
以下、本発明の歯車装置の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図2は、本発明の第1実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。図3は、図2に示す歯車装置の縦断面図である。図4は、図2に示す歯車装置の正面図である。なお、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各部の寸法を適宜誇張して図示しており、各部間の寸法比は実際の寸法比とは必ずしも一致しない。
図2は、本発明の第1実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。図3は、図2に示す歯車装置の縦断面図である。図4は、図2に示す歯車装置の正面図である。なお、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各部の寸法を適宜誇張して図示しており、各部間の寸法比は実際の寸法比とは必ずしも一致しない。
図2ないし図4に示す歯車装置1は、波動歯車装置であり、例えば減速機として用いられる。この歯車装置1は、内歯車である剛性歯車2と、剛性歯車2の内側に配置されているカップ型の外歯車である可撓性歯車3と、可撓性歯車3の内側に配置されている波動発生器4と、を有している。
この歯車装置1では、可撓性歯車3の横断面が波動発生器4により楕円形または長円形に変形した部分を有し、当該部分の長軸側の両端部において可撓性歯車3が剛性歯車2と噛み合っている。そして、剛性歯車2および可撓性歯車3の歯数が互いに異なっている。
このような歯車装置1において、例えば、波動発生器4に駆動力(例えば、前述したモーター150からの駆動力)が入力されると、剛性歯車2および可撓性歯車3は、互いの噛み合い位置が周方向に移動しながら、歯数差に起因して軸線aまわりに相対的に回転する。これにより、駆動源から波動発生器4に入力された駆動力を減速して可撓性歯車3から出力することができる。すなわち、波動発生器4を入力軸側、可撓性歯車3を出力軸側とする減速機を実現することができる。
以下、歯車装置1の構成を簡単に説明する。
図2ないし図4に示すように、剛性歯車2は、径方向に実質的に撓まない剛体で構成された歯車であって、内歯23を有するリング状の内歯車である。本実施形態では、剛性歯車2が、平歯車である。すなわち、内歯23は、軸線aに対して平行な歯スジを有する。なお、内歯23の歯スジは、軸線aに対して傾斜していてもよい。すなわち、剛性歯車2は、ハスバ歯車またはヤマバ歯車であってもよい。
図2ないし図4に示すように、剛性歯車2は、径方向に実質的に撓まない剛体で構成された歯車であって、内歯23を有するリング状の内歯車である。本実施形態では、剛性歯車2が、平歯車である。すなわち、内歯23は、軸線aに対して平行な歯スジを有する。なお、内歯23の歯スジは、軸線aに対して傾斜していてもよい。すなわち、剛性歯車2は、ハスバ歯車またはヤマバ歯車であってもよい。
可撓性歯車3は、剛性歯車2の内側に挿通されている。この可撓性歯車3は、径方向に撓み変形可能な可撓性を有する歯車であって、剛性歯車2の内歯23に噛み合う外歯33(歯)を有する外歯車である。また、可撓性歯車3の歯数は、剛性歯車2の歯数よりも少ない。このように可撓性歯車3および剛性歯車2の歯数が互いに異なることにより、減速機を実現することができる。
本実施形態では、可撓性歯車3は、一端が開口したカップ状をなし、その開口側の端部に外歯33が形成されている。ここで、可撓性歯車3は、軸線aまわりの筒状(より具体的には円筒状)の胴部31(筒部)と、胴部31の軸線a方向での一端部側に接続されている底部32と、を有する。これにより、胴部31の底部32とは反対側の端部を径方向に撓み易くすることができる。そのため、剛性歯車2に対する可撓性歯車3の良好な撓み噛み合いを実現することができる。また、胴部31の底部32側の端部の剛性を高めることができる。そのため、底部32に入力軸または出力軸を安定的に接続することができる。
また、図3に示すように、底部32には、軸線aに沿って貫通した孔321と、孔321の周囲において貫通した複数の孔322と、が形成されている。孔321には、出力側の軸体を挿通することができる。また、孔322には、出力側の軸体を底部32に固定するためのネジを挿通するネジ孔として用いることができる。なお、これらの孔は、適宜設ければよく、省略することもできる。
図3に示すように、波動発生器4は、可撓性歯車3の内側に配置され、軸線aまわりに回転可能である。そして、波動発生器4は、可撓性歯車3の底部32とは反対側の部分の横断面を長軸Laおよび短軸Lbとする楕円形または長円形に変形させて外歯33を剛性歯車2の内歯23に噛み合わせる。ここで、可撓性歯車3および剛性歯車2は、同一の軸線aまわりに回転可能に互いに内外で噛み合わされることとなる。
本実施形態では、波動発生器4は、本体部41と、本体部41から軸線aに沿って突出した軸部42と、本体部41に対して軸線aに平行な軸線a1まわりに回転可能に設けられた1対のローラー43と、を有する。このような波動発生器4は、1対のローラー43が可撓性歯車3の内周面上を転動しながら可撓性歯車3を内側から押し広げて、本体部41、軸部42および1対のローラー43が軸線aまわりに回転可能である。したがって、例えば、駆動源から波動発生器4に駆動力が入力されると、剛性歯車2および可撓性歯車3の互いの噛み合い位置が周方向に移動する。
以上、歯車装置1の構成を簡単に説明した。このような歯車装置1では、前述したように、例えば、波動発生器4に駆動力(例えば、前述したモーター150からの駆動力)が入力されると、剛性歯車2および可撓性歯車3は、互いの噛み合い位置が周方向に移動しながら、歯数差に起因して軸線aまわりに相対的に回転する。このような歯車装置1では、剛性歯車2と可撓性歯車3との噛み合い部、波動発生器4の本体部41とローラー43とが接触する部分、および、可撓性歯車3と波動発生器4のローラー43とが接触する部分のそれぞれに、摩擦を低減するため、潤滑剤が用いられる。以下、潤滑剤に関する事項について詳述する。
図5は、図2に示す歯車装置の第1接触部および第2接触部に配置された介在物(潤滑剤)を説明する図である。図6は、図2に示す歯車装置の他の第2接触部に配置された介在物(潤滑剤)を説明する図である。
図5に示すように、剛性歯車2の内歯23の歯面231と可撓性歯車3の外歯33の歯面331との間の領域である接触部61には、介在物51が配置されている。また、可撓性歯車3の胴部31の内周面311と波動発生器4のローラー43の外周面431との間の領域である接触部62には、介在物52が配置されている。さらに、図6に示すように、波動発生器4では、本体部41がローラー43を回転可能に支持する軸部411を有しており、ローラー43の内周面432と軸部411の外周面4111との間の領域である接触部63には、介在物53が配置されている。
ここで、接触部61は、2つの面である歯面231および歯面331が互いに接触する「第1接触部」である。接触部62は、第1接触部である接触部61とは異なる2つの面として内周面311および外周面431が接触部61とは異なる摩擦力で互いに接触する「第2接触部」である。接触部63も、第1接触部である接触部61とは異なる2つの面として内周面432および外周面4111が接触部61とは異なる摩擦力で互いに接触する「第2接触部」である。
このように接触部61、62、63に配置されている介在物51、52、53は、それぞれ、潤滑剤である。これにより、接触部61、62、63のぞれぞれの摩擦を低減することができる。
特に、介在物51、52、53には、それぞれ、ナノセルロースが含まれている。このように、歯車装置1は、第1接触部である接触部61および第2接触部である接触部62、63のそれぞれに配置され、ナノセルロースを含んでいる介在物51、52、53を備える。なお、接触部62、63の一方を「第1接触部」、他方を「第2接触部」として捉えることもできる。この場合、介在物51は、ナノセルロースを含んでいなくてもよく、例えば、公知のグリースを介在物51として用いることができる。
このような歯車装置1によれば、介在物51、52、53のそれぞれがナノセルロースを含んでいるため、介在物51、52、53が潤滑剤として機能する。特に、同一または近似した構成の介在物51、52、53を接触部61、62、63に用いることができる。そのため、接触部61、62、63が空間を介して互いに連通していて、これらの接触部61、62、63に配置された介在物51、52、53同士が混合しても、介在物51、52、53の特性低下を低減することができる。また、接触部61、62、63間を遮るシール構造が不要となるため、歯車装置1の構造の簡単化および小型化を図ることができる。
しかも、ナノセルロースは、介在物51、52、53に含まれていることにより介在物51、52、53の粘度を高めることができる。そのため、介在物51、52、53がそれぞれ接触部61、62、63から流出するのを低減することができる。また、ナノセルロースは、微細であるため、接触部61、62、63のそれぞれの2つの面間に進入しやすく、当該2つの面間の圧力により介在物51、52、53の粘度を低下させ、優れた潤滑性を発揮する。さらに、ナノセルロースは、優れた機械的強度を有し、介在物51、52、53のせん断安定性を優れたものとすることができる。このようなナノセルロースの特性から、ナノセルロースを含んで互いに同一または近似した構成とした介在物51、52、53を、摩擦力の異なる接触部61、62、63に用いても、優れた潤滑性を発揮することができる。
ここで、前述したように、歯車装置1は、内歯車である剛性歯車2と、剛性歯車2に部分的に噛み合う外歯車である可撓性歯車3と、可撓性歯車3に接触し、剛性歯車2と可撓性歯車3との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器4と、を有する。そして、剛性歯車2と可撓性歯車3との噛み合い部が接触部61(第1接触部)である。また、可撓性歯車3と波動発生器4とが接触する部分が接触部62(第2接触部)である。また、波動発生器4が有する2つの面が互いに接触する部分が接触部63(第2接触部)である。
このような剛性歯車2、可撓性歯車3および波動発生器4を有する波動歯車装置である歯車装置1において、剛性歯車2と可撓性歯車3との噛み合い部である接触部61、波動発生器4が有する2つの面が互いに接触する部分である接触部63、および、可撓性歯車3と波動発生器4とが接触する部分である接触部62のそれぞれは、潤滑対象部である。そして、これらの潤滑対象部は、互いに空間を介して連通し、かつ、互いに摩擦状態が異なる。特に、剛性歯車2と可撓性歯車3との噛み合い部である接触部61は、波動発生器4が有する2つの面が互いに接触する部分である接触部63、および、可撓性歯車3と波動発生器4とが接触する部分である接触部62に対して摩擦力等の摩擦状態が大きく異なる。したがって、これらの潤滑対象部に、ナノセルロースを含む介在物51、52、53を共通して用いることで、潤滑剤として機能する介在物51、52、53の特性低下を低減する効果を顕著に発揮させることができる。
このような介在物51、52、53に含まれる「ナノセルロース」とは、セルロースで構成されている繊維材料である。ナノセルロースは、(1)木材、ワラ等の植物を原料とするナノセルロース、(2)酢酸菌等の微生物により作られるナノセルロース、(3)電界紡糸法を用いて作られるナノセルロースの3種類に大別される。このうち、介在物51、52、53に用いるナノファイバーとしては、生産性およびコストの観点から、(1)木材、ワラ等の植物を原料とするナノセルロースを用いることが好ましい。
(1)木材、ワラ等の植物を原料とするナノセルロースには、さらに、(1a)繊維太さ4nm以上100nm以下、繊維長さが5μm以上のナノセルロースであるセルロースナノファイバー、(1b)繊維太さ10nm以上50nm以下、繊維長さ100nm以上500nm以下のナノセルロースであるセルロースナノクリスタルの2種類がある。なお、セルロースナノクリスタルは、セルロースナノウィスカーとも呼ばれる。セルロースナノファイバーの製造方法としては、例えば、高圧ホモジナイザー法、マイクロフリュイダイザー法、強せん断力混練法、ボールミル粉砕法、TEMPO(2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl radical)酸化法等が挙げられる。
介在物51、52、53に用いるナノセルロースは、繊維太さ4nm以上100nm以下、繊維長さが5μm以上であることが好ましい。例えば、介在物51、52、53に用いるナノセルロースは、セルロースナノファイバーであることが好ましい。これにより、接触部61、62、63へ介在物51、52、53を進入しやすくしつつ、介在物51、52、53の粘度を効果的に高めることができる。
また、介在物51、52、53は、前述したようなナノセルロースをそれぞれ含んでいれば、互いに組成が異なっていてもよいが、前述したような混合による特性低下を低減する観点から、互いに同一の組成であることが好ましい。
また、介在物51、52、53は、ナノセルロース以外の物質を含んでいることが好ましく、この場合、介在物51、52、53中におけるナノセルロースの含有量は、1質量%以上10質量%以下の範囲内であることが好ましい。これにより、介在物51、52、53の粘度やちょう度を適正なものとしつつ、ナノセルロースによる潤滑性を発揮させることができる。
具体的に説明すると、介在物51、52、53は、それぞれ、前述したナノセルロースの他に、基油および増ちょう剤を含んでいることが好ましい。これにより、介在物51、52、53を固体状または半固体状のグリースとすることができる。したがって、介在物51、52、53を接触部61、62、63およびその周辺部に留まらせやすくすることができる。ここで、増ちょう剤としては、例えば、カルシウム石けん、カルシウム複合石けん、ナトリウム石けん、アルミニウム石けん、リチウム石けん、リチウム複合石けん等の石けん系、また、ポリウレア、ナトリウムテレフタメート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、有機ベントナイト、シリカゲル等の非石けん系等が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができるが、リチウム石けんを用いることが好ましい。増ちょう剤としてリチウム石けんを用いることにより、介在物51、52、53のせん断安定性を優れたものとすることができる。また、介在物51、52、53の潤滑剤としての特性のバランスを優れたものとすることができる。
また、基油としては、例えば、パラフィン系、ナフテン系等の鉱油(精製鉱物油)、ポリオレフィン、エステル、シリコーン等の合成油が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような基油および増ちょう剤を介在物51、52、53が含む場合、介在物51、52、53中における基油の含有量が80質量%以上90質量%以下であり、かつ、介在物51、52、53中における増ちょう剤の含有量が5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。これにより、介在物51、52、53の特性を効果的に高めることができる。
また、介在物51、52、53が基油およびリチウム石けんを含む場合、介在物51、52、53中におけるナノセルロースの含有量[質量%]は、介在物51、52、53中におけるリチウム石けんの含有量[質量%]よりも大きいことが好ましい。これにより、介在物51、52、53中のリチウム石けんの含有量を少なくして、介在物51、52、53中の基油の含有量を相対的に多くすることができる。そのため、介在物51、52、53の潤滑性能を向上させることができる。ここで、ナノセルロースが増ちょう剤としても機能するため、リチウム石けんの含有量を少なくしても、グリースのちょう度を小さくすることができる。
また、介在物51、52、53が基油および増ちょう剤を含む場合、介在物51、52、53は、それぞれ、酸化防止剤、極圧剤、防錆剤等の添加剤、また、黒鉛、硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の固体潤滑剤等を含んでいてもよい。
介在物51、52、53のそれぞれが極圧剤を含んでいることにより、接触部61、62、63(第1、第2接触部)が極圧潤滑状態となっても、焼き付きやスカッフィングを効果的に防止することができる。特に、極圧剤として、有機モリブデン化合物、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を用いることが好ましい。
介在物51、52、53のそれぞれが有機モリブデン化合物を含んでいることにより、接触部61、62、63における摩擦を効果的に低減することができる。特に、有機モリブデンは、二硫化モリブデンと同等の極圧性および耐摩耗性を発揮し、しかも、二硫化モリブデンに比べて酸化安定性に優れる。そのため、介在物51、52、53の長寿命化を図ることができる。ここで、介在物51、52、53中における有機モリブデン化合物の含有量は、例えば、1質量%以上5質量%以下である。また、介在物51、52、53中におけるジアルキルジチオリン酸亜鉛の含有量は、例えば、1質量%以上5質量%以下である。
以上説明したような歯車装置1は、以下のようにして製造することができる。
以上説明したような歯車装置1は、以下のようにして製造することができる。
(歯車装置の製造方法)
以下、本発明の歯車装置の製造方法について、歯車装置1を製造する場合を例に説明する。
以下、本発明の歯車装置の製造方法について、歯車装置1を製造する場合を例に説明する。
図7は、図2に示す歯車装置の製造方法を説明するフローチャートである。
図7に示すように、歯車装置1の製造方法は、[1]接触部61、62、63を形成する工程(ステップS1)と、[2]介在物51、52、53を配置する工程(ステップS2)と、を有する。以下、各工程を順次説明する。
図7に示すように、歯車装置1の製造方法は、[1]接触部61、62、63を形成する工程(ステップS1)と、[2]介在物51、52、53を配置する工程(ステップS2)と、を有する。以下、各工程を順次説明する。
[1]接触部61、62、63を形成する工程(ステップS1)
まず、可撓性歯車3および剛性歯車2を用意する。また、本工程では、波動発生器4も用意する。
まず、可撓性歯車3および剛性歯車2を用意する。また、本工程では、波動発生器4も用意する。
これらの形成方法としては、特に限定されず、各種機械加工および各種成形方法を用いることができる。また、可撓性歯車3、剛性歯車2および波動発生器4の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種セラミックス材料、各種金属材料、各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
次に、可撓性歯車3の内側に波動発生器4を挿入しておき、可撓性歯車3および剛性歯車2を互いに内外で噛み合わせる。これにより、接触部61、62、63が形成される。
[2]介在物51、52、53を配置する工程(ステップS2)
次に、接触部61、62、63のそれぞれに、ナノセルロースを含む潤滑剤である介在物51、52、53を塗布して配置する。
介在物51、52、53の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、ナノセルロースを混入させる以外は、公知のグリースの製造方法と同様の方法を用いることができる。
以上説明したようにして歯車装置1を製造することができる。
次に、接触部61、62、63のそれぞれに、ナノセルロースを含む潤滑剤である介在物51、52、53を塗布して配置する。
介在物51、52、53の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、ナノセルロースを混入させる以外は、公知のグリースの製造方法と同様の方法を用いることができる。
以上説明したようにして歯車装置1を製造することができる。
以上説明した歯車装置1の製造方法は、2つの面が互いに接触する第1接触部である接触部61、および、接触部61とは異なる2つの面が接触部61とは異なる摩擦力で互いに接触する第2接触部である接触部62、63を形成する工程(ステップS1)と、接触部61、62、63のそれぞれに、ナノセルロースを含んでいる介在物51、52、53を配置する工程(ステップS2)と、を有する。これにより、潤滑剤(介在物51、52、53)の特性低下を低減することができる歯車装置1を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る歯車装置を示す分解斜視図である。図9は、図8に示す歯車装置の縦断面図である。
なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
図8および図9に示す歯車装置200は、円柱状の外形を有する本体部202を備えている。本体部202の軸線方向での一方側には、第1回転軸203が設けられ、一方、本体部202の軸線方向での他方側には、第2回転軸204が設けられている。第1回転軸203および第2回転軸204は、互いに同一の中心軸205を中心として回動する。ここで、中心軸205は、本体部202の軸線と同一線上に配置されている。本体部202を固定した状態で第1回転軸203を回動させると、その回動が後述するような本体部202内の機構によって減速されて第2回転軸204から出力される。つまり、第1回転軸203が高速回転する入力軸であり、第2回転軸204が低速回転する出力軸となる。
図8に示すように、歯車装置200は、空洞部206cを有する円筒形のリングギア206を備えている。リングギア206の内周には、複数のギア歯206aが形成されている。また、リングギア206の内側には、リングギア206の内周よりも少し小さい外周を有する第1公転ギア207および第2公転ギア208が設置されている。第1公転ギア207の外周には、ギア歯206aの歯数よりも少ない数の複数のギア歯207aが配置され、第2公転ギア208の外周には、ギア歯207aの歯数と同じ数の複数のギア歯208aが配置されている。そして、ギア歯207aおよびギア歯208aがギア歯206aと噛み合っている。
第1公転ギア207の中央には、軸孔207bが設けられ、同様に、第2公転ギア208の中央には、軸孔208bが設けられている。軸孔207bには、第1ベアリング209が設置され、同様に、軸孔208bには、第2ベアリング210が設置されている。
第1回転軸203には、中心軸205に対して互いに反対側に同量偏心している円形カムである第1偏心カム211および第2偏心カム212が設置されている。そして、第1偏心カム211が第1ベアリング209の内輪に設置され、同様に、第2偏心カム212が第2ベアリング210の内輪に設置されている。これにより、ギア歯207aがギア歯206aと噛み合う部分と、ギア歯208aがギア歯206aと噛み合う部分との間に、中心軸205が位置している。
第1公転ギア207には、第1公転ギア207の中央を中心とする同心円上の4か所に第1貫通孔207cが設けられている。同様に、第2公転ギア208には、第2公転ギア208の中央を中心とする同心円上の4か所に第2貫通孔208cが設けられている。各第1貫通孔207cおよび各第2貫通孔208cには、それぞれ、第1公転ギア207の自転の動きを取り出すための貫通ピン213が挿入されている。各第1貫通孔207cの内周壁には、弾性を有する略円筒形の第1弾性部214が圧入により嵌めこまれている。同様に、各第2貫通孔208cの内周壁には、弾性を有する略円筒形の第2弾性部215が圧入により嵌めこまれている。ここで、貫通ピン213は、第1弾性部214または第2弾性部215の内側を貫通している。
各貫通ピン213は、本体部202の第1回転軸203側において、円板状の下蓋板216に取り付けられ、第2回転軸204側において、ナット217によって円板状の上蓋板218に固定されている。下蓋板216および上蓋板218は、中心軸205の軸方向に沿って並んでおり、リングギア206に対して回動可能となるように隙間をもってリングギア206を挟んでいる。
下蓋板216の中央には、第1回転軸203が挿入されている中心孔216aが形成されている。そして、第1回転軸203の第1偏心カム211および第2偏心カム212側の一端部が下蓋板216から本体部202内へ突出し、第1回転軸203の他端部が下蓋板216から本体部202外に突出している。上蓋板218の中央には、第2回転軸204が固定されている。そして、上蓋板218の回転に伴って、上蓋板218の回転トルクが第2回転軸204に伝達される。
以上のように構成された歯車装置200において、リングギア206と第1公転ギア207および第2公転ギア208との噛み合い部、リングギア206と下蓋板216および上蓋板218とが接触する部分、第1ベアリング209および第2ベアリング210の内部の摩擦接触部は、それぞれ、潤滑対象部である。そして、これらの潤滑対象部は、互いに空間を介して連通し、かつ、互いに摩擦状態が異なる。したがって、これらの潤滑対象部のうちの任意の2つ以上の潤滑対象部を「第1接触部」および「第2接触部」とし、前述した第1実施形態の介在物51、52、53と同様の介在物を潤滑剤として用いることができる。
以上、本発明のロボット、歯車装置および歯車装置の製造方法を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、本発明の歯車装置の製造方法は、任意の工程を追加してもよい。
また、本発明の歯車装置の製造方法は、任意の工程を追加してもよい。
前述した実施形態では、ロボットが備える基台が「第1部材」、第1アームが「第2部材」であり、第1部材から第2部材へ駆動力を伝達する歯車装置について説明したが、本発明は、これに限定されず、第n(nは1以上の整数)アームが「第1部材」、第(n+1)アームが「第2部材」であり、第nアームおよび第(n+1)アームの一方から他方へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。また、第2部材から第1部材へ駆動力を伝達する歯車装置についても適用可能である。
また、前述した実施形態では、6軸の垂直多関節ロボットについて説明したが、本発明は、可撓性歯車を有する歯車装置を用いるものであれば、これに限定されず、例えば、ロボットの関節数は任意であり、また、水平多関節ロボットにも適用可能である。
また、本発明は、歯車装置が摩擦力の異なる2つ以上の接触部を有するものであれば適用可能であり、歯車装置の構成は、前述した実施形態に限定されない。
また、前述した実施形態では、6軸の垂直多関節ロボットについて説明したが、本発明は、可撓性歯車を有する歯車装置を用いるものであれば、これに限定されず、例えば、ロボットの関節数は任意であり、また、水平多関節ロボットにも適用可能である。
また、本発明は、歯車装置が摩擦力の異なる2つ以上の接触部を有するものであれば適用可能であり、歯車装置の構成は、前述した実施形態に限定されない。
1…歯車装置、2…剛性歯車(内歯車)、3…可撓性歯車(外歯車)、4…波動発生器、23…内歯、31…胴部、32…底部、33…外歯、41…本体部、42…軸部、43…ローラー、51…介在物、52…介在物、53…介在物、61…接触部(第1接触部)、62…接触部(第2接触部)、63…接触部(第2接触部)、100…ロボット、110…制御装置、111…基台、120…ロボットアーム、121…第1アーム、122…第2アーム、123…第3アーム、124…第4アーム、125…第5アーム、126…第6アーム、130…ハンド、131…指、132…指、140…力検出器、150…モーター、200…歯車装置、202…本体部、203…第1回転軸、204…第2回転軸、205…中心軸、206…リングギア、206a…ギア歯、206c…空洞部、207…第1公転ギア、207a…ギア歯、207b…軸孔、207c…第1貫通孔、208…第2公転ギア、208a…ギア歯、208b…軸孔、208c…第2貫通孔、209…第1ベアリング、210…第2ベアリング、211…第1偏心カム、212…第2偏心カム、213…貫通ピン、214…第1弾性部、215…第2弾性部、216…下蓋板、216a…中心孔、217…ナット、218…上蓋板、231…歯面(面)、311…内周面(面)、321…孔、322…孔、331…歯面(面)、411…軸部、431…外周面(面)、432…内周面(面)、4111…外周面(面)、La…長軸、Lb…短軸、S1…ステップ、S2…ステップ、a…軸線、a1…軸線
Claims (9)
- 第1部材と、
アームを含んで構成され、前記第1部材に対して回動可能に設けられた第2部材と、
前記第1部材および前記第2部材の一方から他方へ駆動力を伝達する歯車装置と、を備え、
前記歯車装置は、
2つの面が互いに接触する第1接触部と、
前記第1接触部とは異なる2つの面が前記第1接触部とは異なる摩擦力で互いに接触する第2接触部と、
前記第1接触部および前記第2接触部のそれぞれに配置され、ナノセルロースを含んでいる介在物と、を備えることを特徴とするロボット。 - 前記歯車装置は、
内歯車と、
可撓性を有し前記内歯車に部分的に噛み合う外歯車と、
前記外歯車に接触し、前記内歯車と前記外歯車との噛み合い位置を周方向に移動させる波動発生器と、を有し、
前記内歯車と前記外歯車との噛み合い部が、前記第1接触部であり、
前記波動発生器が有する2つの面が互いに接触する部分、および、前記外歯車と前記波動発生器とが接触する部分のうちの少なくとも一方が、前記第2接触部である請求項1に記載のロボット。 - 前記介在物は、基油およびリチウム石けんを含んでいる請求項1または2に記載のロボット。
- 前記介在物中における前記ナノセルロースの含有量は、前記介在物中における前記リチウム石けんの含有量よりも大きい請求項3に記載のロボット。
- 前記介在物は、極圧剤を含んでいる請求項3または4に記載のロボット。
- 前記介在物は、有機モリブデン化合物を含んでいる請求項3ないし5のいずれか1項に記載のロボット。
- 前記介在物中における前記ナノセルロースの含有量は、1質量%以上10質量%以下の範囲内である請求項1ないし6のいずれか1項に記載のロボット。
- 2つの面が互いに接触する第1接触部と、
前記第1接触部とは異なる2つの面が前記第1接触部とは異なる摩擦力で互いに接触する第2接触部と、
前記第1接触部および前記第2接触部のそれぞれに配置され、ナノセルロースを含んでいる介在物と、を備えることを特徴とする歯車装置。 - 2つの面が互いに接触する第1接触部、および、前記第1接触部とは異なる2つの面が前記第1接触部とは異なる摩擦力で互いに接触する第2接触部を形成する工程と、
前記第1接触部および前記第2接触部のそれぞれに、ナノセルロースを含んでいる介在物を配置する工程と、を含むことを特徴とする歯車装置の製造方法。
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-
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- 2016-03-28 JP JP2016064149A patent/JP2017180526A/ja active Pending
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