JP2023032006A - コーティング剤、農業用フィルム及びその製造方法 - Google Patents

コーティング剤、農業用フィルム及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れる農業用フィルムが得られるコーティング剤と、耐久性に優れる農業用フィルム及びその製造方法の提供。【解決手段】下記単量体(a1)に由来する単位54~98.9質量%と、下記単量体(a2)に由来する単位1~34質量%と、下記単量体(a3)に由来する単位0.1~12質量%とを含有する共重合体(A)と、セルロース樹脂(B)とを含む、コーティング剤。単量体(a1):(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸からなる群より選ばれる1種以上。単量体(a2):ヒドロキシアルキル基を含有するエチレン性不飽和モノマー。単量体(a3):(メタ)アクリロイル基を含有するトリアルコキシシリケート及び(メタ)アクリロイル基を含有するジアルコキシシリケートからなる群より選ばれる1種以上。【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング剤、農業用フィルム及びその製造方法に関する。
ビニールハウス等に用いられる農業用フィルムには、主に塩化ビニル樹脂や、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオレフィン樹脂などが使用されている。近年、塩化ビニル樹脂が、他の樹脂に比べて省資源であり、優れたリサイクル適性等を有し、環境への負荷が少ない材料として注目されている。
農業用フィルムは高耐久化が進んでいるものの、ビニールハウス等に用いた場合には数年おきに張り替える必要があるため、農業用フィルムにはさらなる高耐久化が求められている。通常、農業用フィルムは屋外で使用されることから、農業用フィルムを高耐久化するためには、農業用フィルムの耐候性を向上させることが重要と考えられている。そこで、農業用フィルムの耐候性を上げるために、農業用フィルムや農業用フィルムのコーティング剤に、紫外線吸収剤やヒンダードアミン光安定剤を配合する方法が提案されている。
例えば特許文献1には、特定の構造を有するピペリジン環含有モノマー0.05~10質量%、アクリル系モノマー59.95~99.95質量%、及び他の共重合可能なコモノマー0~40質量%の共重合体を含む被覆用組成物(コーティング剤)を、塩化ビニル樹脂フィルムの少なくとも片面に塗布して被膜を設けた農業用樹脂被覆材が開示されている。特許文献1に記載の農業用樹脂被覆材では、ヒンダードアミン光安定剤であるピペリジン環含有モノマーを共重合成分としてコーティング剤中に導入している。これにより、ヒンダードアミン光安定剤を単に配合したコーティング剤から形成される被膜に比べて、ヒンダードアミン光安定剤がブリードアウトにより被膜から消失しにくくなり、耐候性を長期に渡り発揮できるとしている。
特開平2-124946号公報
しかしながら、特許文献1に記載の農業用樹脂被覆材は数年で劣化し破損してしまうため未だ改善の余地があり、さらなる耐久性の向上が求められている。
本発明の目的は、耐久性に優れる農業用フィルムが得られるコーティング剤と、耐久性に優れる農業用フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、紫外線吸収剤やヒンダードアミン光安定剤をコーティング剤に配合したり、共重合成分として導入したりしても、農業用フィルムは経時と共に柔軟性を失い、破損することが判明した。農業用フィルムを構成する塩化ビニル樹脂フィルムには、フィルムの柔軟性を高める目的で可塑剤が配合されることがあるが、この可塑剤が経時と共にブリードアウトし、コーティング剤から形成された被膜に移行することが、柔軟性の低下の原因となることを突き止めた。
そこで、本発明者らは農業用フィルムの柔軟性に着目し、塩化ビニル樹脂フィルム中の可塑剤のブリードアウトを防ぐ目的で、セルロース樹脂を配合したコーティング剤を塩化ビニル樹脂フィルムの表面に塗布することで、数年経過しても柔軟性を維持できることを知見した。さらに、特定の単量体単位を含有する共重合体をコーティング剤に配合することで、農業用フィルムの耐候性が向上することも知見した。このように柔軟性の維持と耐候性を向上させることで農業用フィルムの耐久性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1] 共重合体(A)と、セルロース樹脂(B)とを含むコーティング剤であって、
前記共重合体(A)は、下記単量体(a1)に由来する単位と、下記単量体(a2)に由来する単位と、下記単量体(a3)に由来する単位とを含有し、
前記単量体(a1)に由来する単位、前記単量体(a2)に由来する単位及び前記単量体(a3)に由来する単位は互いに異なる単量体単位であり、
前記共重合体(A)を構成する全単量体単位の総質量に対して、前記単量体(a1)に由来する単位の含有量が54~98.9質量%であり、前記単量体(a2)に由来する単位の含有量が1~34質量%であり、前記単量体(a3)に由来する単位の含有量が0.1~12質量%である、コーティング剤。
単量体(a1):(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸からなる群より選ばれる1種以上。
単量体(a2):ヒドロキシアルキル基を含有するエチレン性不飽和モノマー。
単量体(a3):(メタ)アクリロイル基を含有するトリアルコキシシリケート及び(メタ)アクリロイル基を含有するジアルコキシシリケートからなる群より選ばれる1種以上。
[2] 前記共重合体(A)100質量部に対して、前記セルロース樹脂(B)の含有量が0.01~40質量部である、前記[1]のコーティング剤。
[3] 有機溶剤(C)をさらに含み、
前記有機溶剤(C)がイソプロピルアルコールを含む、前記[1]又は[2]のコーティング剤。
[4] 前記イソプロピルアルコールの含有量が、前記有機溶剤(C)の総質量に対して10質量%以上である、前記[3]のコーティング剤。
[5] 塩化ビニル樹脂フィルムと、前記塩化ビニル樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、前記[1]~[4]のいずれかのコーティング剤より形成された被膜とを備える、農業用フィルム。
[6] 塩化ビニル樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、前記[1]~[4]のいずれかのコーティング剤を塗布して被膜を形成する工程を含む、農業用フィルムの製造方法。
本発明によれば、耐久性に優れる農業用フィルムが得られるコーティング剤と、耐久性に優れる農業用フィルム及びその製造方法を提供できる。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
本発明において、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及びメタクリル酸の総称である。
「(メタ)アクリロイル基」はアクリロイル基及びメタクリロイル基の総称である。
共重合体の重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう。)、数平均分子量(以下、「Mn」ともいう。)、Mnに対するMwの比である分子量分散度(以下、「Mw/Mn」ともいう。)はそれぞれ、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。
「被膜」とは、本発明のコーティング剤より形成される塗膜である。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
[コーティング剤]
本発明のコーティング剤は、以下に示す共重合体(A)と、セルロース樹脂(B)とを含む組成物である。
コーティング剤は、有機溶剤(C)をさらに含んでいてもよい。
コーティング剤は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、共重合体(A)、セルロース樹脂(B)及び有機溶剤(C)以外の成分(以下、「任意成分」ともいう。)をさらに含んでいてもよい。
<共重合体(A)>
共重合体(A)は、以下に示す単量体(a1)に由来する単位と、単量体(a2)に由来する単位と、単量体(a3)に由来する単位とを含有する。
共重合体(A)は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じて、単量体(a1)、単量体(a2)及び単量体(a3)以外の単量体(以下、「他の単量体」ともいう。)に由来する単位をさらに含有してもよい。
単量体(a1)に由来する単位、単量体(a2)に由来する単位、単量体(a3)に由来する単位及び他の単量体単位に由来する単位は、互いに異なる単量体単位である。
単量体(a1):(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸からなる群より選ばれる1種以上。
単量体(a2):ヒドロキシアルキル基を含有するエチレン性不飽和モノマー。
単量体(a3):(メタ)アクリロイル基を含有するトリアルコキシシリケート及び(メタ)アクリロイル基を含有するジアルコキシシリケートからなる群より選ばれる1種以上。
(単量体(a1))
単量体(a1)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸からなる群より選ばれる1種以上である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は、1~6が好ましく、1~4がより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、被膜の耐候性がより向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性もより向上する点で、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、メタクリル酸n-ブチルが好ましい。
単量体(a1)としては、タック性に優れた被膜を形成でき、加えて、被膜の耐候性がより向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性もより向上する点で、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸の両方を用いることが好ましい。
共重合体(A)が(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構成単位を含む場合、その(メタ)アクリル酸アルキルエステルの種類は、2種以上が好ましく、3種以上がより好ましい。
なお、単量体(a1)、単量体(a2)、単量体(a3)及び他の単量体は、互いに異なる単量体である。
(単量体(a2))
単量体(a2)は、ヒドロキシアルキル基を含有するエチレン性不飽和モノマーである。
ヒドロキシアルキル基の炭素数は、1~12が好ましく、2~10がより好ましく、2~8がさらに好ましい。
ヒドロキシアルキル基はアルキル基に結合する任意の水素原子の1つ以上がヒドロキシ基に置換された基である。ヒドロキシアルキル基が有するヒドロキシ基の数は1つ又は2つが好ましく、1つがより好ましい。
ヒドロキシアルキル基を含有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、アクリル酸10-ヒドロキシデシル、アクリル酸12-ヒドロキシドデシル等のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸8-ヒドロキシオクチル、メタクリル酸10-ヒドロキシデシル、メタクリル酸12-ヒドロキシドデシル等のメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、被膜の耐候性がより向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性もより向上する点で、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸8-ヒドロキシオクチル、アクリル酸4-ヒドロキシブチルが好ましい。
<単量体(a3)>
単量体(a3)は、(メタ)アクリロイル基を含有するトリアルコキシシリケート及び(メタ)アクリロイル基を含有するジアルコキシシリケートからなる群より選ばれる1種以上である。
(メタ)アクリロイル基を含有するトリアルコキシシリケートとしては、例えば、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を含有するジアルコキシシリケートとしては、例えば、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、被膜の耐候性がより向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性もより向上する点で、(メタ)アクリロイル基を含有するトリアルコキシシリケートが好ましく、その中でも3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシランがより好ましい。
(他の単量体)
他の単量体は、単量体(a1)、単量体(a2)及び単量体(a3)以外の単量体である。
他の単量体としては、単量体(a1)、単量体(a2)及び単量体(a3)の1種以上と共重合可能であれば特に限定されない。
(含有量)
共重合体(A)を構成する全単量体単位の総質量に対して、単量体(a1)に由来する単位の含有量は、54~98.9質量%であり、54~94質量%が好ましく、60~94質量%がより好ましく、65~91質量%がさらに好ましい。単量体(a1)に由来する単位の含有量が上記範囲内であれば、タック性に優れた被膜を形成できる。加えて、被膜の耐候性が向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性も向上する。
共重合体(A)を構成する全単量体単位の総質量に対して、単量体(a2)に由来する単位の含有量は、1~34質量%であり、5~34質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。単量体(a2)に由来する単位の含有量が上記下限値以上であれば、単量体(a2)と単量体(a3)との架橋点が増え、被膜の耐候性が向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性も向上する。単量体(a2)に由来する単位の含有量が上記上限値以下であれば、被膜中にヒドロキシ基が増えすぎるのを抑制できるので、タック性に優れた被膜を形成できる。加えて、被膜の耐候性が向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性も向上する。
共重合体(A)を構成する全単量体単位の総質量に対して、単量体(a3)に由来する単位の含有量は、0.1~12質量%であり、1~12質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。単量体(a3)に由来する単位の含有量が上記下限値以上であれば、単量体(a2)と単量体(a3)との架橋点、及び単量体(a3)とセルロース樹脂(B)との架橋点が増え、被膜の耐候性が向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性も向上する。単量体(a3)に由来する単位の含有量が上記上限値以下であれば、共重合体(A)のゲル化を防止できる。
(物性)
共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、60,000~200,000が好ましく、65,000~180,000がより好ましく、70,000~150,000がさらに好ましい。共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が上記範囲内であれば、コーティング剤が有機溶剤(C)を含む場合、塗装作業性を良好に維持できる。
共重合体(A)の数平均分子量(Mn)は、13,000~180,000が好ましく、14,000~160,000がより好ましく、15,000~140,000さらに好ましい。
共重合体(A)の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比である分子量分散度(Mw/Mn)は、1.1~4.5が好ましく、1.3~4.0がより好ましく、1.5~3.0がさらに好ましい。分子量分散度(Mw/Mn)が上記範囲内であれば、被膜の耐候性がより向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性もより向上する。
(製造方法)
共重合体(A)は、例えば、単量体(a1)、単量体(a2)及び単量体(a3)を含む単量体混合物(M)を重合することで得られる。すなわち、共重合体(A)の製造方法の一実施形態としては、単量体混合物(M)を重合する工程(重合工程)を含む。
単量体混合物(M)は、必要に応じて他の単量体を含んでいてもよい。
単量体混合物(M)の総質量に対する、単量体(a1)の含有量は54~98.9質量%であり、54~94質量%が好ましく、60~94質量%がより好ましく、65~91質量%がさらに好ましい。
単量体混合物(M)の総質量に対する、単量体(a2)の含有量は1~34質量%であり、5~34質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。
単量体混合物(M)の総質量に対する、単量体(a3)の含有量は0.1~12質量%であり、1~12質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。
なお、共重合体(A)を構成する全単量体単位の総質量に対する単量体(a1)に由来する単位の含有量は、単量体混合物(M)の総質量に対する単量体(a1)の含有量と同様とみなすことができる。単量体(a2)に由来する単位、単量体(a3)に由来する単位、及び他の単量体に由来する単位についても同じである。
単量体混合物(M)の重合方法としては特に限定されず、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等のいずれの重合方法でもよい。これらの中でも、有機溶剤中で重合を行う溶液重合が好ましい。
単量体混合物(M)の重合には、重合開始剤を用いてもよい。
重合の際に用いる有機溶剤としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル等のエステル類;n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;1-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類などの公知のものを使用できる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共重合体(A)を溶液重合で製造する場合、共重合体(A)は重合の際に使用した有機溶剤に溶解又は分散した溶液(以下、「共重合体(A)溶液」ともいう。)の状態で得られる。この共重合体(A)溶液をそのままコーティング剤の製造に用いてもよく、この場合、コーティング剤には溶液重合の際に使用した有機溶剤が含まれることとなる。このように、コーティング剤が溶液重合の際に使用した有機溶剤を含む場合、コーティング剤の保存安定性が良好となる観点から、溶液重合に使用する有機溶剤としては、イソプロピルアルコールが好ましい。
有機溶剤としてイソプロピルアルコールを用いる場合、イソプロピルアルコールを単独で用いてもよいし、イソプロピルアルコールとイソプロピルアルコール以外の有機溶剤(他の有機溶剤)の1種以上とを併用してもよい。
有機溶剤の使用量は特に限定されないが、単量体混合物(M)100質量部に対して、10~1000質量部が好ましいく、50~500質量部がより好ましい。
重合の際に用いる重合開始剤としては公知のものを使用でき、得られる共重合体(A)の特性や重合性に応じて重合開始剤を選択して用いればよい。
重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、ジメチル-2,2’-アゾビス(イソブチレート)、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロペン)2塩酸塩、2-tert-ブチルアゾ-2-シアノプロパン、2,2’-アゾビス(2-メチル-プロピオンアミド)2水和物、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロペン]、2,2’-アゾビス(2,2,4-トリメチルペンタン)等のアゾ化合物;過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、カリウムパーサルフェート、tert-ブチルパーオキシネオデカノエート、tert-ブチルパーオキシピバレート、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシイソブチレート、1,1-ビス-tert-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、tert-ブチルパーオキシーラウレート、tert-ブチルパーオキシイソフタレート、tert-ブチルパーオキシアセテート、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシド、ジ-tert-ブチルパーオキシド等のケトンパーオキシド系化合物などが挙げられる。
また、上述した以外にも重合開始剤として、例えば、パーオキシケタール系化合物、ハイドロパーオキシド系化合物、ジアルキルパーオキシド系化合物、ジアシルパーオキシド系化合物、パーオキシエステル系化合物、パーオキシジカーボネート系化合物、過酸化水素などを使用してもよい。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
コーティング剤中の共重合体(A)の含有量は、コーティング剤の固形分の総質量に対して、71.4質量%以上が好ましく、74.0質量%以上がより好ましく、76.5質量%以上がさらに好ましく、80.0質量%以上がよりさらに好ましく、83.0質量%以上が特に好ましく、86.0質量%以上が最も好ましい。また、コーティング剤中の共重合体(A)の含有量は、コーティング剤の固形分の総質量に対して、99.99質量%以下が好ましく、99.9質量%以下がより好ましく、99.8質量%以下がさらに好ましく、99.6質量%以下が特に好ましく、99.5質量%以下が最も好ましい。共重合体(A)の含有量が上記範囲内であれば、被膜の耐候性がより向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性もより向上する。前記の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。例えば、コーティング剤中の共重合体(A)の含有量は、コーティング剤の固形分の総質量に対して、71.4~99.99質量%が好ましく、74.0~99.9質量%がより好ましく、76.5~99.8質量%がさらに好ましく、80.0~99.6質量%がよりさらに好ましく、83.0~99.5質量%が特に好ましく、86.0~99.5質量%が最も好ましい。
なお、「コーティング剤の固形分」とは、コーティング剤に含まれる成分のうち、有機溶剤(C)以外の全成分を意味する。
コーティング剤が後述する有機溶剤(C)を含有する場合、コーティング剤中の共重合体(A)の含有量は、コーティング剤の総質量に対して、5~60質量%が好ましく、7~50質量%がより好ましく、9~40質量%がさらに好ましい。共重合体(A)の含有量が上記範囲内であれば、被膜の耐候性がより向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性もより向上する。
<セルロース樹脂(B)>
セルロース樹脂(B)としては、例えば、セルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレート(以下、「CAB」ともいう。)、セルロースアセテートプロピオネート(以下、「CAP」ともいう。)等のセルロースもしくはセルロースエステルの構造を有するものなどが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述した中でも、セルロース樹脂(B)としては、セルロースのヒドロキシ基が、ヒドロキシ基よりも水に対する親和性が低い、すなわち疎水性である置換基(例えば、アセチル基、ブチリル基など)で置換されている化合物が好ましく、CABがより好ましい。
セルロースのヒドロキシ基が疎水性である置換基で置換されている割合が高いほど、共重合体(A)との相溶性が高まる傾向にある。加えて、コーティング剤が後述する有機溶剤(C)を含有する場合、有機溶剤(C)への溶解性も高まる傾向にある。その結果、セルロース樹脂(B)がコーティング剤中でより均一に分散しやすくなり、セルロース樹脂(B)がより均一に分散した被膜が形成されやすくなる。被膜中でセルロース樹脂(B)が均一に分散するほど、塩化ビニル樹脂フィルムに含まれる可塑剤がブリードアウトして被膜に移行するのを抑制でき、塩化ビニル樹脂フィルムの柔軟性をより良好に維持でき、農業用フィルムの耐久性がより向上する。また、共重合体(A)との相溶性が高まるほど、被膜の透明性が高まるため、外観に優れた農業用フィルムが得られる。
CABにおいて、アセチル基の含有量は、CABの総質量に対して1~30質量%が好ましく、1~18質量%がより好ましい。
CABにおいて、ブチリル基の含有量は、CABの総質量に対して16~60質量%が好ましく、35~60質量%がより好ましい。
CABにおいて、ヒドロキシ基の含有量は、CABの総質量に対して0.8~5質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
アセチル基、ブチリル基及びヒドロキシ基の各含有量が上記範囲内であれば、被膜の耐候性がより向上する。加えて、被膜のタック性も向上する。その結果、農業用フィルムの耐久性がより向上し、タック性も向上する。
CABの数平均分子量は、10,000~70,000が好ましく、20,000~70,000がより好ましい。CABの数平均分子量が上記範囲内であれば、被膜の耐候性がより向上する。加えて、被膜のタック性も向上する。その結果、農業用フィルムの耐久性がより向上し、タック性も向上する。
コーティング剤中のセルロース樹脂(B)の含有量は、共重合体(A)100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上がさらに好ましく、0.4質量部以上が特に好ましく、0.5質量部以上が最も好ましい。また、コーティング剤中のセルロース樹脂(B)の含有量は、共重合体(A)100質量部に対して、40質量部以下が好ましく、35質量部以下がより好ましく、35質量部未満がさらに好ましく、30質量部以下がよりさらに好ましく、25質量部以下が特に好ましく、20質量部以下がより特に好ましく、15質量部以下が最も好ましい。セルロース樹脂(B)の含有量が上記下限値以上であれば、塩化ビニル樹脂フィルムに含まれる可塑剤がブリードアウトして被膜に移行するのをより抑制でき、塩化ビニル樹脂フィルムの柔軟性をより良好に維持でき、農業用フィルムの耐久性がより向上する。セルロース樹脂(B)の含有量が上記上限値以下であれば、被膜の耐候性がより向上し、その結果、農業用フィルムの耐候性もより向上する。特に、セルロース樹脂(B)の含有量が35質量部未満であれば、共重合体(A)との相溶性が高まり、被膜の透明性が高まるため、外観に優れた農業用フィルムが得られる。前記の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。例えば、コーティング剤中のセルロース樹脂(B)の含有量は、共重合体(A)100質量部に対して、0.01~40質量部が好ましく、0.01~35質量部がより好ましく、0.01質量部以上、35質量部未満がさらに好ましく、0.1~30質量部がよりさらに好ましく、0.1~25質量部がよりさらに好ましく、0.1~20質量部がよりさらに好ましく、0.2~20質量部がよりさらに好ましく、0.2~15質量部が特に好ましく、0.4~15質量部がより特に好ましく、0.5~15質量部が最も好ましい。
<有機溶剤(C)>
有機溶剤(C)としては、共重合体(A)の製造方法の説明において先に例示した有機溶剤が挙げられる。
有機溶剤(C)としては、コーティング剤の保存安定性が向上する点で、イソプロピルアルコールが好ましい。
有機溶剤(C)としてイソプロピルアルコールを用いる場合、イソプロピルアルコールを単独で用いてもよいし、イソプロピルアルコールとイソプロピルアルコール以外の有機溶剤(他の有機溶剤)の1種以上とを併用してもよい。
有機溶剤(C)中のイソプロピルアルコールの含有量は、有機溶剤(C)の総質量に対して、10~100質量%が好ましく、20~95質量%がより好ましく、30~90質量%がさらに好ましい。イソプロピルアルコールの含有量が上記範囲内であれば、コーティング剤の保存安定性がより良好となる。
コーティング剤中の有機溶剤(C)の含有量は、該コーティング剤の粘度に応じて適宜調整することができるが、コーティング剤の総質量に対して、10~94.99質量%が好ましく、20~93質量%がより好ましく、30~90.5質量%がさらに好ましい。有機溶剤(C)の含有量が上記範囲内であれば、コーティング剤の保存安定性が高まる。
<任意成分>
任意成分としては、例えば、顔料、充填剤、表面調整剤、分散剤、塗面調製剤、界面活性剤、酸化防止剤等の塗料用として通常用いられる添加剤などが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
コーティング剤中の任意成分の含有量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
<コーティング剤の製造方法>
コーティング剤は、例えば、共重合体(A)と、セルロース樹脂(B)と、必要に応じて有機溶剤(C)及び任意成分から選ばれる1種以上とを混合することで得られる。
共重合体(A)を溶液重合で製造する場合、上述した共重合体(A)溶液にセルロース樹脂(B)と必要に応じて任意成分とを添加してコーティング剤として用いてもよい。また、必要に応じて、共重合体(A)溶液にセルロース樹脂(B)等を添加したものを有機溶剤(C)でさらに希釈してもよい。希釈する場合の有機溶剤(C)は、共重合体(A)溶液中の有機溶剤と同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよいが、同じ種類の有機溶剤を用いることが好ましい。
共重合体(A)溶液中の有機溶剤、すなわち共重合体(A)の製造に用いた有機溶剤を、コーティング剤中の有機溶剤(C)としてもよい。
また、共重合体(A)溶液から有機溶剤等を除去して共重合体(A)を回収したものをコーティング剤に用いてもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明のコーティング剤は、上述した共重合体(A)及びセルロース樹脂(B)を含むので、耐久性に優れる被膜を形成できる。
被膜の耐久性が向上する理由としては、以下のように推測される。
一つ目の理由として、コーティング剤が単量体(a2)に由来する単位及び単量体(a3)に由来する単位を含有する共重合体(A)と、セルロース樹脂(B)とを含むので、これらによって被膜中に三次元架橋構造が形成され、被膜の耐候性が向上すると推測される。
二つ目の理由として、農業用フィルムを構成する塩化ビニル樹脂フィルムは、通常、可塑剤を含んでいるが、この可塑剤よりも被膜に含まれるセルロース樹脂(B)の溶解度パラメーター(SP値)が高いため、可塑剤がブリードアウトして被膜に移行するのを抑制でき、塩化ビニル系樹脂フィルムの柔軟性を長期間にわたって良好に維持できると推測される。また、被膜中に三次元架橋構造が形成されることによっても、可塑剤がブリードアウトして被膜に移行するのを抑制でき、塩化ビニル系樹脂フィルムの柔軟性を長期間にわたって良好に維持できると推測される。さらに、塩化ビニル系樹脂フィルム中の可塑剤がブリードアウトして被膜に移行するのを抑制できることから、被膜の耐候性も良好に維持できる。
このように、被膜の耐候性が向上するとともに、塩化ビニル系樹脂フィルムの柔軟性を長期間にわたって良好に維持できることから、被膜の耐久性が向上するものと考えられる。
よって、本発明のコーティング剤を用いれば、耐久性に優れる農業用フィルムが得られる。
特に、コーティング剤が有機溶剤(C)をさらに含む場合、有機溶剤(C)としてイソプロピルアルコールを含んでいれば、保存安定性が向上する。
コーティング剤の保存安定性が向上する理由としては、以下のように推測される。
共重合体(A)中の単量体(a3)に由来するアルコキシシリル基は、空気中の水により加水分解してシラノール基となる。イソプロピルアルコールがコーティング剤中に存在していない場合には、このシラノール基と、セルロース樹脂(B)中のヒドロキシ基もしくは共重合体(A)中の単量体(a2)に由来するヒドロキシ基とが脱水縮合反応して、共有結合が形成される。その結果、コーティング剤が増粘し、保存安定性が低下する。
一方、コーティング剤中にイソプロピルアルコールが存在していると、イソプロピルアルコール中のヒドロキシ基が、アルコキシシリル基から加水分解を経て生成したシラノール基に、水素結合により引き寄せられ移行し、配向する。これにより、セルロース樹脂(B)中のヒドロキシ基及び共重合体(A)中の単量体(a2)に由来するヒドロキシ基は、イソプロピルアルコールの立体障害により、アルコキシシリル基から加水分解を経て生成したシラノール基に近づきにくくなる。その結果、コーディング剤が増粘しにくくなり、保存安定性が良好となると推測される。なお、コーティング剤がイソプロピルアルコール以外のアルコール(他のアルコール)を含んでいても、アルコキシシリル基から加水分解を経て生成したシラノール基に引き寄せられ移行し、配向する。しかし、他のアルコールの場合では立体障害の効果が充分に得られにくいため、コーティング剤は有機溶剤(C)として少なくともイソプロピルを含むことが好ましい。
[農業用フィルム]
本発明の農業用フィルムは、塩化ビニル樹脂フィルムと、塩化ビニル樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、上述した本発明のコーティング剤より形成された被膜とを備える。
塩化ビニル樹脂フィルムは、塩化ビニルの単独重合体(ポリ塩化ビニル)及び塩化ビニルの共重合体の少なくとも一方を含む。
塩化ビニル樹脂フィルムとしては、可塑剤を含んだ軟質塩化ビニル樹脂フィルムが好ましい。可塑剤としては、例えば、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、ジ-n-オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;イソフタル酸エステル系可塑剤;トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;1,2-シクロヘキサンジカルポン酸ジエステル系可塑剤などが挙げられる。
軟質塩化ビニル樹脂フィルム中の可塑剤の含有量は、ポリ塩化ビニル及び塩化ビニルの共重合体の合計100質量部に対して、40~60質量部が好ましい。
塩化ビニル樹脂フィルムは、発明の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じて、紫外線吸収剤、ヒンダートアミン系光安定剤、安定剤、着色剤、エポキシ化合物、防曇剤、複合金属酸化物系保温剤、有機りん酸エステル、滑剤、酸化防止剤、β-ジケトン、防カビ剤、防藻剤等の添加剤を含んでいてもよい。
塩化ビニル樹脂フィルムの厚さは、50~250μmが好ましく、70~200μmがより好ましい。
本発明のコーティング剤より形成された被膜の厚さは、0.5~5μmが好ましく、1~3μmがより好ましい。被膜の厚さが上記範囲内であれば、農業用フィルムの耐久性がより向上する。
農業用フィルムは、塩化ビニル樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、本発明のコーティング剤より形成された被膜を形成することで得られる。
被膜の形成方法としては特に制限されないが、コーティング剤が有機溶剤(C)を含む場合は塗布しやすくなることから、塩化ビニル樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、コーティング剤を塗布して被膜を形成する方法が好ましい。すなわち、本発明の農業用フィルムの製造方法の好ましい実施形態は、塩化ビニル樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、本発明のコーティング剤を塗布して被膜を形成する工程を含む。
コーティング剤を塗布する方法としては特に制限されず、公知の方法を採用できるが、例えば、ドクターブレードコート法、グラビアロールコート法、エアーナイフコート法、リバースロールコート法、カーテンロールコート法、スプレーコート法、ロッドコート法、ディップコート法などが挙げられる。
また、被膜の形成方法としては上述した方法に限定されず、例えば、共押出しコーティング法、押出しラミネート法、ラミネート法などを用いて被膜を形成してもよい。
被膜は、塩化ビニル樹脂フィルムの片面のみに形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
被膜が塩化ビニル樹脂フィルムの片面のみに形成されている農業用フィルムを使用する際には、被膜が設けられている側が外側、すなわち日光の入射側となるように、農業用フィルムを設置するのが好ましい。
以上説明した本発明の農業用フィルムは、塩化ビニル樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に上述した本発明のコーティング剤より形成された被膜が形成されているので、耐久性に優れる。
本発明の農業用フィルムは、例えばビニールハウスなど好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例における各種測定及び評価方法は、以下の通りである。
[測定・評価方法]
<共重合体(A)の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)の測定>
共重合体(A)について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を測定した。GPCの測定条件は、以下の通りとした。
・GPC装置:GPC-101(昭光通商株式会社製)。
・カラム:Shodex A-806M×2本直列つなぎ(昭和電工株式会社製)。
・検出器:Shodex RI-71(昭和電工株式会社製)。
・移動相:テトラヒドロフラン。
・流速:1mL/分。
<保存安定性の評価>
コーティング剤を密閉した容器に入れ、40℃の恒温室で30日間保管した後のコーティング剤の液状態を以下の評価基準にて評価した。
〇:流動性があり、均一に塗布可能である。
×:流動性はあるものの増粘しており、均一に塗布できない。
<外観の評価>
農業用フィルムの外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて評価した。
〇:透明である。
×:不透明である。
<タック性の評価>
農業用フィルムを23℃の恒温室で14日間保管した後、以下の評価基準にて感触評価を実施した。べたつきが無いほど、剥離性(重ねた状態である農業用フィルムの剥がしやすさ)や耐汚染性が良好であることを意味する。
〇:べたつき無し。
△:ややべたつく。
×:かなりべたつく。
<耐久性の評価>
農業用フィルムを沖縄県にある角度20度の屋外ばく露台上に配置して5年間曝露し、暴露開始から1,3,5年後の農業用フィルムの柔軟性及び外観を以下の評価基準にて評価した。
〇:フィルムに柔軟性があり、外観も曝露当初(製造時)と大差ない。
△:フィルムに柔軟性はあるものの曝露当初に比べると硬くなっているが、外観は曝露当初と大差ない。
×:フィルムに柔軟性はなく、外観も黄変している。
[実施例1]
<共重合体(A-1)の製造>
単量体(a1)としてメタクリル酸5質量部、アクリル酸メチル39質量部、メタクリル酸メチル2質量部、アクリル酸エチル11質量部、メタクリル酸エチル12質量部、アクリル酸n-ブチル8質量部及びメタクリル酸n-ブチル14質量部と、単量体(a2)としてメタクリル酸2-ヒドロキシエチル5質量部と、単量体(a3)として3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4質量部とを混合し、単量体混合物(M-1)を得た。
冷却器、温度計、モノマー滴下装置、及び撹拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに、前記単量体混合物(M-1)100質量部と、重合開始剤として過酸化ベンゾイル1質量部と、有機溶剤(C)としてイソプロピルアルコール100質量部とを仕込み、フラスコ内温を75℃に昇温し、75℃で8時間反応させ、共重合体(A-1)を溶液の状態で得た。以下、この溶液を「共重合体(A-1)溶液」ともいう。
共重合体(A-1)の数平均分子量(Mn)は45,000であり、重量平均分子量(Mw)は100,000であり、分子量分散度(Mw/Mn)は2.2であった。
<コーティング剤の製造>
得られた共重合体(A-1)溶液に、セルロース樹脂(B)としてCABを5質量部と、有機溶剤(C)としてイソプロピルアルコール100質量部及び酢酸ブチル100質量部とを添加し、これらを撹拌し、コーティング剤を得た。
得られたコーティング剤について、保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
<農業用フィルムの製造>
得られたコーティング剤を、厚さ100μmの農業用軟質塩化ビニル樹脂フィルムに膜厚が2μmとなるように塗布した後、130℃で3分間熱処理して溶剤を揮散させることにより、農業用フィルムを作製した。
得られた農業用フィルムについて外観、タック性及び耐久性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2~19、比較例1~5]
単量体(a1)~(a3)の配合量と、有機溶剤(C)の種類及び配合量を表1~5に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして共重合体(A-2)~(A-23)を溶液の状態で得た。以下、これらの溶液を「共重合体(A-2)~(A-23)溶液」ともいう。
共重合体(A-2)~(A-23)の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)を表1~5に示す。
得られた共重合体(A-2)~(A-23)溶液を用い、CABの配合量と、有機溶剤(C)の種類及び配合量を表1~5に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてコーティング剤を製造し、保存安定性を評価した。結果を表1~5に示す。
得られたコーティング剤を用いた以外は、実施例1と同様にして農業用フィルムを作製し、外観、タック性及び耐久性を評価した。結果を表1~5に示す。
[比較例6]
冷却器、温度計、モノマー滴下装置、及び撹拌機を備えた2Lの4つ口フラスコに、単量体(a1)としてアクリル酸1質量部、メタクリル酸メチル54質量部及びメタクリル酸n-ブチル44質量部と、他の単量体として2,2,6,6-テトラメチル-4-アクリロイルオキシ-ピペリジン1質量部と、重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.5質量部と、有機溶剤(C)として酢酸エチル100質量部とを仕込み、フラスコ内温を80℃に昇温し、80℃で10時間反応させ、共重合体(A-24)を溶液の状態で得た。
共重合体(A-24)の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)を表6に示す。
得られた共重合体(A-24)の溶液を酢酸エチルで固形分が20質量%になるように希釈した後、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系の液状紫外線吸収剤(BASFジャパン株式会社製、商品名「Tinuvin 213」)0.1質量部を添加してコーティング剤を製造し、保存安定性を評価した。結果を表6に示す。
得られたコーティング剤を用いた以外は、実施例1と同様にして農業用フィルムを作製し、外観、タック性及び耐久性を評価した。結果を表6に示す。
[比較例7~8]
単量体(a1)~(a3)の配合量を表1~5に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして共重合体(A-25)を溶液の状態で得た。以下、この溶液を「共重合体(A-25)溶液」ともいう。
共重合体(A-25)の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)を表6に示す。
得られた共重合体(A-25)溶液を用い、CABの代わりに紫外線防止剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてコーティング剤を製造し、保存安定性を評価した。結果を表6に示す。紫外線防止剤としては、比較例7においてはトリアジン系化合物を使用し、比較例8においてはベンゾトリアゾール系化合物を使用した。
得られたコーティング剤を用いた以外は、実施例1と同様にして農業用フィルムを作製し、外観、タック性及び耐久性を評価した。結果を表6に示す。
Figure 2023032006000001
Figure 2023032006000002
Figure 2023032006000003
Figure 2023032006000004
Figure 2023032006000005
Figure 2023032006000006
なお、表1~6中の空欄は、その成分が配合されていないことを示す。
各実施例で得られたコーティング剤を用いた農業用フィルムの耐久性は、何れも優れていた。
農業用フィルムの外観については、実施例15を除いて、良好であった。実施例15ではCABの含有量が他の実施例よりも多いため、外観が劣っていた。
農業用フィルムのタック性については、実施例4を除いて、良好であった。実施例4では、単量体(a1)と単量体(a2)の相対的な含有比がタック性に影響を与えたと考えられる。
コーティング剤の保存安定性については、実施例19を除いて、良好であった。実施例19ではコーティング剤がイソプロピルアルコールを含んでいないため、保存安定性が劣っていた。
対して、比較例1では、共重合体(A-19)が単量体(a2)に由来する単位を含まないため、耐久性が劣っていた。
比較例2では、共重合体(A-20)における単量体(a2)に由来する単位の含有量が多いため、耐久性及びタック性が劣っていた。
比較例3では、共重合体(A-21)が単量体(a3)に由来する単位を含まないため、耐久性が劣っていた。
比較例4では、共重合体(A-22)における単量体(a3)に由来する単位の含有量が多いため、コーティング剤がゲル化した。このコーティング剤を用いて形成した被膜は透明であったが、均一な被膜を形成できず、耐久性及びタック性を評価できなかった。また、均一な被膜を形成できなかったため、保存安定性の評価は行わなかった。
比較例5では、コーティング剤がセルロース樹脂(B)を含まないため、耐久性が劣っていた。
比較例6では、共重合体(A-24)が単量体(a2)に由来する単位及び単量体(a3)に由来する単位を含まず、その代わりにヒンダードアミン光安定剤である2,2,6,6-テトラメチル-4-アクリロイルオキシ-ピペリジンに由来する単位を含み、かつ、コーティング剤がセルロース樹脂(B)を含まないため、耐久性が劣っていた。
比較例7~8では、コーティング剤がセルロース樹脂(B)を含まず、その代わりに紫外線防止剤を含むが、耐久性が劣っていた。
本発明のコーティング剤によれば、耐久性に優れる農業用フィルムを製造できる。

Claims (6)

  1. 共重合体(A)と、セルロース樹脂(B)とを含むコーティング剤であって、
    前記共重合体(A)は、下記単量体(a1)に由来する単位と、下記単量体(a2)に由来する単位と、下記単量体(a3)に由来する単位とを含有し、
    前記単量体(a1)に由来する単位、前記単量体(a2)に由来する単位及び前記単量体(a3)に由来する単位は互いに異なる単量体単位であり、
    前記共重合体(A)を構成する全単量体単位の総質量に対して、前記単量体(a1)に由来する単位の含有量が54~98.9質量%であり、前記単量体(a2)に由来する単位の含有量が1~34質量%であり、前記単量体(a3)に由来する単位の含有量が0.1~12質量%である、コーティング剤。
    単量体(a1):(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸からなる群より選ばれる1種以上。
    単量体(a2):ヒドロキシアルキル基を含有するエチレン性不飽和モノマー。
    単量体(a3):(メタ)アクリロイル基を含有するトリアルコキシシリケート及び(メタ)アクリロイル基を含有するジアルコキシシリケートからなる群より選ばれる1種以上。
  2. 前記共重合体(A)100質量部に対して、前記セルロース樹脂(B)の含有量が0.01~40質量部である、請求項1に記載のコーティング剤。
  3. 有機溶剤(C)をさらに含み、
    前記有機溶剤(C)がイソプロピルアルコールを含む、請求項1又は2に記載のコーティング剤。
  4. 前記イソプロピルアルコールの含有量が、前記有機溶剤(C)の総質量に対して10質量%以上である、請求項3に記載のコーティング剤。
  5. 塩化ビニル樹脂フィルムと、前記塩化ビニル樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、請求項1~4のいずれか一項に記載のコーティング剤より形成された被膜とを備える、農業用フィルム。
  6. 塩化ビニル樹脂フィルムの少なくとも一方の面上に、請求項1~4のいずれか一項に記載のコーティング剤を塗布して被膜を形成する工程を含む、農業用フィルムの製造方法。
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