JP2023012585A - 容器保持構造 - Google Patents
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Abstract
Description
このような容器保持構造によれば、ホルダ本体の挿通開口に上方から挿通される飲料ボトルは、フラップを付勢手段の付勢力に抗して押し下げつつ下回りに回動させる。フラップの回動端部は、飲料ボトルが所定の配置位置に向けて下方に移動する飲料ボトルの胴部に摺接する。そして、所定の配置位置での飲料ボトルに対して、フラップの回動端部は、付勢手段の付勢力によって飲料ボトルの胴部に当接するとともに胴部をホルダ本体の挿通開口の内周縁部に向けて押圧する。これにより容器保持構造は、飲料ボトルを、フラップの回動端部と挿通開口の内周縁部との間で挟持することによって保持する。
また、フラップの回動端部は、ホルダ本体から飲料ボトルを取り出す際に、ホルダ本体の挿通開口から抜き出される方向に移動する飲料ボトルの胴部を挿通開口の内周縁部に押圧しつつ胴部に摺接する。これによりホルダ本体の挿通開口から抜き出される際の飲料ボトルのがたつきが防止される。
このようなくびれ容器を従来の容器保持構造(例えば、特許文献1参照)に適用すると、フラップの回動端部がくびれ容器のくびれ内に位置した状態でくびれ容器が保持されることがある。具体的には、下回りに回動することで下向きに傾斜したフラップの回動端部が、くびれの最縮径部を上下にそれぞれ挟むように形成される上側肩部及び下側肩部のうち、下側肩部に当接した状態となる。
しかしながら、従来の容器保持構造においては、このように保持されたくびれ容器をホルダ本体から取り出そうとする際に、フラップの回動端部がくびれ容器の胴部に対して摺動できずに噛み込むことで、くびれ容器が取り出せなくなるいわゆるデッドロック現象を生じる問題がある。
本実施形態の容器保持構造は、容器の移動動作にともなって変位しつつ容器の胴部に当接して容器を保持するフラップ部材が、くびれ容器に対しては、フラップ部材の容器対向面の中央部では当接せずに容器対向面の中央部を挟んだ少なくとも2点にて当接するように、容器対向面に当接箇所に応じた膨出部を有していることを主な特徴とする。
なお、以下に参照する図面において、前後左右上下の方向は、自動車の前後左右上下の方向に一致させた図1に示す矢示方向を基準とする。
具体的には、容器保持構造1は、図1に示すように、容器載置部2と、容器収容部3とを主に備えて構成されている。
図2に示すように、容器載置部2は、ペットボトルなどの容器20の底部が載る台で構成されている。
容器20は、その底部が容器載置部2に接することで、この容器保持構造1における予め定められた容器保持位置に配置されることとなる。
この周縁4aは、容器20(図2参照)の底径に対応して一般のインパネトレイの周縁よりも幅広に形成されている。ただし、容器載置部2は、これに限定されずに、インストルメントパネル10内に引出し可能に収納される図示しないトレイ部材にて構成することもできる。
容器収容部3は、図2に示すように、容器保持位置に収容された容器20を保持するものである。本実施形態での容器収容部3は、樹脂成形部品の組立体からなるものを想定している。
容器収容部3は、図3に示すように、平面視で、矩形の外形を有している。つまり、容器収容部3は、車幅方向(左右方向)に延びる後縁部9と、車幅方向(左右方向)の両側で前後方向に延びる側縁部11とを有している。
具体的には、容器収容部3は、図1に示すように、送風吹出口10aの下方でインストルメントパネル10に形成される収納開口10bを介してインストルメントパネル10の内側に収納されている。そして、収納時の容器収容部3は、図示は省略するが、図1に示す容器収容部3の後縁部9が、図1に示すインストルメントパネル10の室内側の面部10cと面一になる。
そして、ユーザが収納時の容器収容部3の後縁部9を把持して後方に向けて引き出すことで、図4に示すように、容器収容部3は、前記の案内部材(図示を省略)によって案内されつつインストルメントパネル10の収納開口10bから後方へと延出する。
枠部材5は、図3に示すように、容器収容部3の略外形を形成している。つまり、枠部材5は、後縁部9と、側縁部11とを有している。ちなみに、枠部材5の前縁部12(図4参照)は、インストルメントパネル10の内側に配置されている。
図3に示すように、枠部材5の開口部13は、平面視で略D字形状を呈してる。
このような枠部材5の開口部13のうち、前側部分には、後記する初期状態のフラップ部材6が配置されるようになっている。また、開口部13のうち、フラップ部材6の後側には、容器20の胴部22が収容されるようになっている。
この容器対向面14は、図3に示す平面視で、容器対向面14における横幅方向の両端部から中央部に向かうほどフラップ部材6(第2の当接部材)側から徐々に遠ざかるように円弧形状に湾曲している。
このような円弧形状の容器対向面14は、図3に示すように、前記の容器保持位置に位置決めされた容器20の胴部22の周方向に沿うように配置されることとなる。具体的には、後記するように、容器対向面14は、容器20のくびれ21(図4参照)内で胴部22の周方向に沿うように配置される。そして、容器対向面14は、容器20の胴部22に沿うように当接して容器20を保持する。
このような枠部材5の容器対向面14は、前記の容器保持位置に配置された容器20がくびれ容器である場合に、最もくびれた箇所Pの上方でくびれ21内に位置してその胴部22に当接するようになっている。
フラップ部材6は、図3に示すように、前方に向けて円弧状に凹む後縁部15を有する略板体にて形成されている。
図4に示すように、このようなフラップ部材6の前縁部16は、左右方向(図の紙面垂直方向)に延びる軸部7によって支持されている。具体的には、フラップ部材6の前縁部16は、枠部材5の開口部13の前方で、枠部材5の裏側(下側)にて延びる軸部7によって支持されている。これによりフラップ部材6は、軸部7を中心に後縁部15が回動するようになっている。
ちなみに、フラップ部材6の初期状態とは、図1に示すように、容器収容部3に容器20(図2参照)が収容される前の状態である。
具体的には、初期状態のフラップ部材6は、図4中、仮想線(二点鎖線)にて示したように、図4に示す容器収容部3の側面視で、枠部材5と重なる位置にあって、枠部材5の開口部13の前側部分を枠部材5の裏側(下側)から塞いでいる。
このような膨出部18は、図3に示す平面視で、所定の曲率で湾曲する容器対向面17の一般面17aよりも曲率中心に向かって部分的に突出する突起を形成している。
また、膨出部18でのフラップ部材6の縦断面(図3のV-V断面図)である図5に示すように、膨出部18は、図5中、隠れ線(点線)で示す容器対向面17の一般面17aに沿うように湾曲するとともに、容器対向面17の上下方向に延びる峰を形成している。
ちなみに、本実施形態でのフラップ部材6は、図3に示すように、容器対向面17の横幅方向の中央部Cを挟む両端部に1対の膨出部18を有するものを想定しているが、中央部Cを挟むように3つ以上膨出部18を有する構成とすることもできる。
つまり、フラップ部材6は、容器20の配置動作に応じて後縁部15が下回りに回動する。フラップ部材6の後縁部15における容器対向面17は、枠部材5の容器対向面14との間にて、容器20の胴部22を保持する。
つまり、くびれ容器は、容器保持位置で、くびれ21のない容器20と比べてくびれ21の深さに対応する長さ(距離)で後方にシフトする。
そして、フラップ部材6において、膨出部18がないものを想定した場合には、くびれ容器の後方へのシフト長さ(距離)に応じて、容器保持位置における当該フラップ部材6の回動角度は、小さくなる。これにより膨出部18がないフラップ部材6の後縁部15(容器対向面17)は、容器20のくびれ21内に位置することが懸念される。
つまり、膨出部18を有する本実施形態でのフラップ部材6は、膨出部18のないフラップ部材6と比べて、その後縁部15(容器対向面17)が、より下方に位置するように傾斜する。
ちなみにフラップ部材6は、図3に示すように、膨出部18によって、容器対向面17における横幅方向の中央部Cを挟んだ複数箇所(本実施形態では2箇所)にて容器20の胴部22と当接する。
なお、図6中、図4と同一の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態の容器保持構造1の奏する作用効果について説明する。
従来の容器保持構造(例えば、特許文献1参照)は、フラップの横幅方向の中央部にて容器の胴部に当接してこれを保持する構成となっている。
そのため従来の容器保持構造は、フラップの中央部から容器の胴部へと入力される荷重によって、当接箇所の容器が部分的に凹むことがある。
そして、当接箇所の容器が凹むと、フラップの容器に対する当接状態が一時的に解除されるとともに、フラップの付勢手段による復元力によってフラップの容器に対する当接位置は、上方へとシフトする。
このようなフラップによる容器の凹みは、ユーザが容器保持構造から容器を抜き取ろうとする際に発生することが多い。
そして、当接位置の下方での容器の凹みが復元すると、フラップが凹みの復元した位置に止まって、容器を容器保持構造から取り出せなくなるデッドロック現象を生じる。
特に、このようなデッドロック現象は、くびれ容器を容器保持構造に保持させた際に、くびれの下方で容器に凹みが形成されることによって、当接位置がくびれ内にシフトした場合に顕著に現われる。
このような容器保持構造1によれば、ユーザが容器保持構造から容器を抜き取ろうとする際に、フラップ部材6から容器20へと入力される荷重を従来と異なって分散させることができる。これにより容器保持構造1は、容器20の保持性を維持しつつ、容器が当接位置で凹むことを防止する。その結果、容器保持構造1は、容器20の抜き取り時におけるデッドロック現象の発生を効果的に防止することができる。
このような容器保持構造1によれば、容器20が容器保持構造1から取り出される方向に移動するとともにフラップ部材6を回動方向に押圧した場合であっても、フラップ部材6は、後縁部15がくびれ21から相対的に離れるように回動する。
これにより容器保持構造1は、デッドロック現象の発生をより確実に防止することができる。
このような容器保持構造1によれば、枠部材5の容器対向面14が容器20のくびれ21に対応するように配置された際に、容器20の胴部22に対して広い接触面積にて当接させることができる。これにより容器保持構造1は、容器20がくびれ容器であっても安定した収納が可能となる。
また、膨出部18は、容器対向面17の上下方向に延びる峰を形成している。このような膨出部18を有するフラップ部材6は、フラップ部材6の回動角度に関わらずに、容器対向面17の中央部Cにおいて、容器20の胴部22と容器対向面17との間に、より確実に隙間Gを形成することができる。容器保持構造1は、デッドロック現象の発生をさらに確実に防止することができる。
このような容器保持構造1によれば、複数の当接部を有するフラップ部材6は、容器20に対して過度の負荷を掛けることなく回動して容器20を所定の容器保持位置に誘導することができるので、容器20に対するフラップ部材6の当接部での凹みをより確実に防止することができる。容器保持構造1は、デッドロック現象の発生をさらに確実に防止することができる。
このような容器保持構造1の枠部材5(第1の当接部材)は、枠部材5の容器対向面14が、容器保持構造1から抜け出ようとする容器20を制止するように配置される。このような容器保持構造1によれば、容器保持位置での容器20の保持安定性を向上させることができる。
2 容器載置部
3 容器収容部
4 インパネトレイ
4a インパネトレイの周縁
5 枠部材(第1の当接部材)
6 フラップ部材(第2の当接部材)
7 軸部
8 ねじりコイルばね(付勢手段)
10 インストルメントパネル
14 枠部材の容器対向面
17 フラップ部材の容器対向面
18 膨出部
20 容器
21 容器のくびれ
22 容器の胴部
Ax 容器の中心軸
C フラップ部材の横幅方向の中央部
P 容器の最もくびれた箇所
Claims (6)
- 容器の胴部を挟持するように配置されて前記容器の胴部に当接して前記容器を保持する第1の当接部材と第2の当接部材とを備え、
前記第2の当接部材は、前記容器の位置に応じて変位自在となっているとともに、前記容器のうち胴部にくびれを有するくびれ容器に対しては、前記第2の当接部材の容器対向面における横幅方向の中央部では当接せずに前記容器対向面における横幅方向の中央部を挟んだ少なくとも2点にて当接するようになっていることを特徴とする容器保持構造。 - 前記第2の当接部材は、前記くびれ容器の最もくびれた箇所の下方にて当接するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の容器保持構造。
- 前記第1の当接部材の容器対向面は、当該容器対向面の横幅方向の両端部から中央部に向かうほど前記第2の当接部材から徐々に遠ざかるように変位して湾曲しているとともに、上方に向かうほど前記容器の中心軸から徐々に遠ざかるように変位して傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の容器保持構造。
- 前記第2の当接部材は、前記くびれ容器に対する当接部として、前記第2の当接部材の前記容器対向面が前記くびれ容器に向けて部分的に凸となるように膨出する膨出部を有していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の容器保持構造。
- 前記第2の当接部材は、所定の軸回りに回動可能なフラップ部材であり、前記容器の配置動作に応じて回動することで初期状態から変位して前記くびれ容器の最もくびれた箇所の下方にて当接するようになっていることを特徴とする請求項2に記載の容器保持構造。
- 前記第1の当接部材は、前記くびれ容器の最もくびれた箇所の上方でくびれ内に位置して前記くびれ容器に当接するようになっていることを特徴とする請求項5に記載の容器保持構造。
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