JP2023009421A - 柱梁接合構造及び柱梁接合構造の施工方法 - Google Patents

柱梁接合構造及び柱梁接合構造の施工方法 Download PDF

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武 森田
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Abstract

【課題】接合部の納まりや見栄えを良好としつつ、優れた耐火性能を発揮する柱梁接合構造及び柱梁接合構造の施工方法を提供する。【解決手段】柱梁接合構造100は、木質柱1と梁2との接合部aの柱梁接合構造であって、梁2は、上側フランジ21と、下側フランジ22と、上側フランジ21と下側フランジ22とを連結するウェブと、接合部a側の領域b2において、ウェブの両側にコンクリートが充填されたコンクリート部26と、接合部a側の領域b2において、コンクリート部26の外側に耐火被覆材が被覆された耐火被覆部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、柱梁接合構造及び柱梁接合構造の施工方法に関するものである。
従来から、柱などの荷重支持部材に木材を用いた木質耐火部材の開発が進められている(下記の特許文献1,2参照)。木質耐火部材として、荷重を支持する木材に強化石膏ボードと耐火シートで耐火被覆したものが知られている。木質耐火部材を実際の建物に適用する場合、柱や梁を木質耐火部材にするだけでなく、鉄骨部材等とのハイブリッド構造にすることが考えられる。木質耐火部材と鉄骨部材とのハイブリッド構造となる耐火構造の場合、木材と鉄骨部材とが取り合うような接合部が生じる。
一般的には、木材は石膏ボード等の耐火被覆材で被覆することで、荷重を支持する木材の表面温度が約200~260℃以下になるように設計されている。鉄骨部材は吹付けロックウール、巻付けロックウール及びケイ酸カルシウム板等の耐火被覆材で被覆することで、鋼材の温度が約350~450℃以下になるように設計されている。
木材と鉄骨部材(鋼材)とが取り合う接合部が加熱された場合、木材及び鉄骨部材が上記のような耐火被覆材で被覆されていると、火災時に鉄骨部材側から木材側への熱伝導によって木材が炭化し、所定の耐火性能を確保できない可能性がある。
木質耐火部材と鉄骨部材とが取り合う接合部では、鉄骨部材の耐火被覆材を厚くする(増し張りする)方法が提案されている(下記の特許文献3参照)。
特開2015-129431号公報 特開2020-118001号公報 特開2016-217071号公報
しかしながら、木質耐火部材と鉄骨部材との接合部において、で鉄骨部材の耐火被覆材を厚くすると、接合部廻りで鉄骨部材の耐火被覆材の厚さが変わるため、複雑な納まりとなりうる。また、火災時において荷重を支持する木材の温度を抑制するために、鉄骨部材の耐火被覆材を厚くする範囲を1m以上にわたって施工しなければならない可能性もあり、コスト面や意匠面に課題がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、接合部の納まりや見栄えを良好としつつ、優れた耐火性能を発揮する柱梁接合構造及び柱梁接合構造の施工方法を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る柱梁接合構造は、木質柱と梁との接合部の柱梁接合構造であって、前記梁は、上側フランジと、下側フランジと、前記上側フランジと前記下側フランジとを連結するウェブと、前記接合部側の領域において、前記ウェブの両側にコンクリートが充填されたコンクリート部と、前記接合部側の領域において、前記コンクリート部の外側に耐火被覆材が被覆された耐火被覆部と、を備える。
このように構成された柱梁接合構造では、接合部側の領域において、梁のウェブの両側にコンクリートが充填されたコンクリート部が設けられ、コンクリート部の外側に耐火被覆材が被覆された耐火被覆部が設けられている。よって、梁の外周側に設けられる耐火被覆部の厚みを厚くしたり増し張りしたりする必要がなく、接合部側の領域において、連続した同じ納まりとなるため、接合部の納まりや見栄えを良好とすることができる。また、コンクリート部及び耐火被覆部が設けられているため、優れた耐火性能を発揮することができる。
また、本発明に係る柱梁接合構造では、前記コンクリート部の長さは、前記木質柱の柱芯材の表面から500mm以上であってもよい。
このように構成された柱梁接合構造では、接合部側の領域において、コンクリート部の長さは木質柱の柱芯材の表面から500mm以上であり、梁の鋼材温度を約160℃以下に抑えることができる。一般的に、木材の炭化温度は200~260℃程度である。よって、火災時に、木質柱の木材の炭化を抑制することができる。
また、本発明に係る柱梁接合構造では、前記接合部側の領域では、前記上側フランジが設けられていなくてもよい。
このように構成された柱梁接合構造では、接合部側の領域では上側フランジがないため、ウェブの両側にコンクリートが充填する際に、梁の上方から打設することができ、施工性が優れている。
また、本発明に係る柱梁接合構造の施工方法は、上記の柱梁接合構造の施工方法であって、接合部側の領域において、下側フランジ及びウェブを囲むように型枠を設置する型枠設置工程と、前記型枠の内部にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、前記コンクリート及び前記下側フランジを耐火被覆材で覆う耐火被覆材取付工程と、を備える。
このように構成された柱梁接合構造の施工方法では、接合部側の領域において、梁のウェブの両側にコンクリートが充填されたコンクリート部を設け、コンクリート部の外側に耐火被覆材が被覆された耐火被覆部を設ける。よって、梁の外周側に設ける耐火被覆部の厚みを厚くしたり増し張りしたりする必要がなく、接合部側の領域において、連続した同じ納まりとなるため、接合部の納まりや見栄えを良好とすることができる。また、耐火被覆部が設けられているため、優れた耐火性能を発揮することができる。
また、本発明に係る柱梁接合構造の施工方法では、コンクリート部の長さは、木質柱の柱芯材の表面から500mm以上であってもよい。
このように構成された柱梁接合構造の施工方法では、接合部側の領域において、コンクリート部の長さは木質柱の柱芯材の表面から500mm以上であり、梁の鋼材温度を約160℃以下に抑えることができる。一般的に、木材の炭化温度は200~260℃程度である。よって、火災時に、木質柱の木材の炭化を抑制することができる。
また、本発明に係る柱梁接合構造の施工方法では、接合部側の領域において、上側フランジを切断する上側フランジ切断工程を備えてもよい。
このように構成された柱梁接合構造の施工方法では、接合部側の領域では上側フランジがないため、コンクリート打設工程で、梁の上方から打設して、ウェブの両側にコンクリートが充填することができ、施工性が優れている。
本発明に係る柱梁接合構造及び柱梁接合構造の施工方法によれば、接合部の納まりや見栄えを良好としつつ、優れた耐火性能を発揮する。
本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の縦断面図である。 図1のA-A線断面図である。 図1のB-B線断面図である。 図1のC-C線断面図である。 本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の施工方法を示し、(a)上側フランジ切断工程前を示し、(b)上側フランジ切断工程を示し、(c)型枠設置工程を示す。 本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の施工方法を示し、(a)コンクリート打設工程を示し、(b)型枠解体工程を示し、(c)耐火被覆材取付工程を示す。 本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の解析モデルを示す縦断面図である。 図7のD-D線断面図である。 図7のE-E線断面図である。 本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の解析において、コンクリートの充填範囲と柱芯材(木材)に接する鉄骨梁との温度推移のグラフを示す。 本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の解析において、コンクリートの充填範囲と柱芯材(木材)に接する鉄骨梁との温度推移のグラフを示す。 本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の解析において、コンクリートの充填範囲と柱芯材(木材)に接する鉄骨梁との温度推移のグラフを示し、図10から温度範囲を変更したものである。 本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の解析において、コンクリートの充填範囲と柱芯材(木材)に接する鉄骨梁との温度推移のグラフを示し、図11から温度範囲を変更したものである。
本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の縦断面図である。なお、図1では、後述する梁コンクリート充填部26を通る断面図である。図2は、図1のA-A線断面図である。図3は、図1のB-B線断面図である。図4は、図1のC-C線断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の柱梁接合構造100では、耐火木質柱(木質柱)1と、梁2との接合部aの接合構造である。本実施形態では、耐火木質柱1に対して梁2が一方向から接合されているが、耐火木質柱1に対して二方向、三方向及び四方向等の複数方向から接合されていてもよい。
図1に示すように、本実施形態では、梁2の上側には床版4が設けられている。床版4は、例えば鉄筋コンクリート製である。
耐火木質柱1は、鉛直方向に延びている。耐火木質柱1は、柱芯材11と、柱耐火被覆部12と、を有している。
柱芯材11は、木製材料で構成されている。柱芯材11の水平断面は、正方形をしている。なお、柱芯材11の水平断面の形状は、長方形等適宜設定可能である。
柱耐火被覆部12は、柱芯材11の鉛直方向の略全長を被覆している。図2に示すように、柱耐火被覆部12は、柱芯材11の4箇所の表面11a~11dを被覆している。
柱芯材11の表面のうち接合部aとなる表面11aでは、後述する梁2の第二鉄骨梁24及び梁コンクリート充填部26が接合される部分(以下、「接合表面部」と称する)11eには、柱耐火被覆部12が設けられていない。換言すると、柱耐火被覆部12は、柱芯材11の接合表面部11eを被覆していない。
柱耐火被覆部12は、二層の耐火被覆材12aと、一層の耐火シート12bと、を有している。二層の耐火被覆材12a及び一層の耐火シート12bは、柱芯材11の各表面11a~11dに積層されている。なお、本実施形態では、耐火被覆材12aは二層であるが、一層であっても、三層以上であってもよい。耐火被覆材12aとして、例えば強化石膏ボード等を採用することができる。耐火シート12bは、耐火被覆材12aの外側を覆っている。
梁2は、水平方向に延びている。梁2の構成は、接合部a側(以下、「接合廻部」と称する)b2と、接合廻部b2以外の部分(以下、「一般部」と称する)b1とで異なる。一般部b1の梁2を第一梁部2Aとし、接合廻部b2の梁2を第二梁部2Bとする。
第一梁部2Aは、第一鉄骨梁20と、第一梁耐火被覆部25と、を有している。本実施形態では、第一鉄骨梁20は、H形鋼で構成されている。第一鉄骨梁20は、上側フランジ21と、下側フランジ22と、ウェブ23と、を有している。
図3に示すように、上側フランジ21は、板状に形成されている。上側フランジ21の板面は、水平面に沿っている。上側フランジ21の上側に床版4が当接配置されている。下側フランジ22は、上側フランジ21の鉛直下方に配置されている。下側フランジ22の板面は、水平面に沿っている。
ウェブ23は、上側フランジ21と下側フランジ22とを連結している。ウェブ23は、板状に形成されている。ウェブ23の板面は、鉛直面に沿っている。
第一梁耐火被覆部25は、耐火被覆材で上側フランジ21、下側フランジ22及びウェブ23を覆ったものである。耐火被覆材として、例えば吹付けロックウール、巻付けロックウール及びケイ酸カルシウム板等を採用することができる。
第一梁耐火被覆部25は、上側フランジ21の両側方を覆う部分25aと、上側フランジ21の下側を覆う部分25bと、ウェブ23の厚さ方向の両側を覆う部分25cと、下側フランジ22の上側を覆う部分25dと、下側フランジ22の両側方を覆う部分25eと、下側フランジ22の下側を覆う部分25fと、を有している。
図2に示すように、第二梁部2Bは、第二鉄骨梁24と、梁コンクリート充填部(コンクリート部)26と、第二梁耐火被覆部(耐火被覆部)27と、を有している。
図1に示すように、第二鉄骨梁24は、第一鉄骨梁20を構成するH形鋼が接合部aまで延びていて、上側フランジ21が切り欠かれた構成である。図4に示すように、第二鉄骨梁24は、下側フランジ22と、ウェブ23と、を有している。図1に示すように、第二鉄骨梁24の下側フランジ22及びウェブ23は、耐火木質柱1の接合表面部11eに突き付けられている(当接している)。第二鉄骨梁24は、ベースプレート29aを介して、耐火木質柱1の柱芯材11と接合されている。例えば、第二鉄骨梁24の下側フランジ22及びウェブ23に固定されたベースプレート29aが、耐火木質柱1の柱芯材11にボルト29bによって固定されている。
図4に示すように、梁コンクリート充填部26は、コンクリート26aが下側フランジ22の上側且つウェブ23の厚さ方向の両側に充填されたものである。下側フランジ22、ウェブ23及び梁コンクリート充填部26で、直方体状をなしている。梁コンクリート充填部26のコンクリート26aは、床版4のコンクリート4aと連続している。図1に示すように、梁コンクリート充填部26は、耐火木質柱1の接合表面部11eに突き付け(当接)している。
図2に示すように、梁コンクリート充填部26の端面(第一梁部2A側を向く面)には、ふさぎ板28が設けられている。ふさぎ板28は、ウェブ23の厚さ方向の両側に設けられている。
ふさぎ板28は、板状に形成されている。ふさぎ板28の板面は、梁2の延在方向を向いている。ふさぎ板28は、下側フランジ22及びウェブ23に固定されている。例えば、ふさぎ板28は、厚さ1.6mm以上の鋼板である。ふさぎ板28を設けることによって、後述するコンクリート打設工程でコンクリートを打設する際に、コンクリート26aが充填範囲外(第一梁部2A側)に流れ込まないようになる。
梁コンクリート充填部26の長さL1は、500mm以上である。これによって、第一鉄骨梁20及び第二鉄骨梁24の鉄骨側からの耐火木質柱1の木材側への熱伝導の影響を軽減することができる。長さL1は、耐火木質柱1の接合表面部11eからふさぎ板28までの長さである。
図4に示すように、第二梁耐火被覆部27は、耐火被覆材で下側フランジ22及び梁コンクリート充填部26を覆ったものである。第二梁耐火被覆部27の耐火被覆材として、例えば1時間耐火構造の場合には、ケイ酸カルシウム板20mmや、吹付けロックウール35mm等採用することができる。
第二梁耐火被覆部27は、下側フランジ22及び梁コンクリート充填部26の両側方を覆う部分27aと、下側フランジ22の下側を覆う部分27bと、を有している。第二梁耐火被覆部27の下側フランジ22の下側を覆う部分27bは、図1に示すように、第一梁耐火被覆部25の下側フランジ22の下側を覆う部分25fと連続している。第二梁耐火被覆部27は、耐火木質柱1の表面11aに設けられた柱耐火被覆部12の耐火被覆材12aに突き付けられている(当接している)。
次に、接合廻部b2の柱梁接合構造の施工方法について説明する。
第二梁部2Bの下側フランジ22及びウェブ23を、ベースプレート29aを介して、耐火木質柱1の柱芯材11と接合しておく。例えば、第二鉄骨梁24の下側フランジ22及びウェブ23に固定されたベースプレート29aを、耐火木質柱1の柱芯材11にボルト29bによって固定しておく。
まず、上側フランジ切断工程を行う。
図5(a)及び(b)に示すように、接合廻部b2において、第二鉄骨梁24のH形鋼の上側フランジ21を切断する。なお、鉄骨部材の製造工場で、事前に上側フランジ21を切断してから、現場に搬入してもよい。
次に、型枠設置工程を行う。
図5(c)に示すように、第二鉄骨梁24の下側フランジ22及びウェブ23を囲むとともに、施工される床版4の下面に沿うように型枠30を設置する。
型枠30は、下板31と、一対の側板32と、床用板33と、を有している。下板31を、第二鉄骨梁24の下側フランジ22の下面に沿って配置する。側板32を、下板31の幅方向の両端部に連結して立設させる。下板31及び一対の側板32で第二鉄骨梁24の両側方及び下方を覆う。床用板33を側板32の上端部に連結して、水平面に沿うようにする。床用板33を、第一梁部2A側にも連続させて、後述するコンクリート打設工程で、第二梁部2B側の床版4と第一梁部2A側の床版4とを同時に施工してもよい。
次に、コンクリート打設工程を行う。
図6(a)に示すように、型枠30の内部にコンクリートを打設する。打設されたコンクリート26aが第二鉄骨梁24のウェブ23の厚さ方向の両側を覆って、梁コンクリート充填部26が構築される。打設されたコンクリート4aが型枠30の床用板33の上側に充填され、床版4が構築される。
次に、型枠解体固定を行う。
図6(b)に示すように、型枠30を解体する。
次に、耐火被覆材取付工程を行う。
図6(c)に示すように、第二梁部2Bの下側フランジ22及び梁コンクリート充填部26を耐火被覆材で覆って、第二梁耐火被覆部27を構築する。
一般部b1では、従来のとおり、第一鉄骨梁20を耐火被覆材で覆って、第一梁耐火被覆部25を構築する。
次に、柱梁接合構造100について行った解析について説明する。
火災時に木材の柱芯材(耐火木質柱1の柱芯材11)が炭化しないように、鉄骨梁(第二鉄骨梁24)にコンクリートを充填する範囲を把握するために、簡易的な熱伝導解析を行った。
柱芯材(木材)に接する鉄骨梁の温度を把握するため、今回、木はモデル化せず、鉄骨梁、耐火被覆材及びコンクリートのみをモデル化した。図7~図9に示すように、今回は1時間耐火構造に相当する耐火被覆として、上側フランジ21は切断せずに、第一梁耐火被覆部25及び第二梁耐火被覆部27のケイ酸カルシウム板25mmを直貼りするモデルで検証した。なお、第一鉄骨梁20及び第二鉄骨梁24の寸法は、H-500×200×10×16である。図7に示す全長A1は10mであり、RC充填範囲A2を0~1mで検証した。
解析条件を、下記の表(1)に示す。
Figure 2023009421000002
材料の物性値を、下記の表(2)に示す。
Figure 2023009421000003
コンクリートの充填範囲と柱芯材(木材)に接する鉄骨梁との最高温度の関係を下記の表(3)に示し、温度推移のグラフを図10~図14に示す。
Figure 2023009421000004
コンクリートを充填しない場合、木材と取り合う鉄骨梁の温度は400℃以上となり、木材が炭化する。一方、コンクリートを充填した場合、コンクリートの充填範囲が0.5m程度までは、充填範囲を大きくすると鉄骨梁の鋼材温度が下がる傾向となった。ここで、木材の炭化温度は200~260℃程度であり、鋼材温度が木材の炭化温度以下となればよい。
今回の解析では木をモデル化せずに解析を実施したが、実際の接合部においては木と取合い部で耐火被覆材に隙間が生じる等の要因から温度が上がる可能性もある。そこで安全を見込んで、鋼材温度が160℃以下となる0.5m以上をコンクリートの充填範囲と設定した。
このように構成された柱梁接合構造100では、接合部a側の領域である接合廻部b2において、第二鉄骨梁24のウェブ23の両側にコンクリートが充填された梁コンクリート充填部26が設けられ、梁コンクリート充填部26の外側に耐火被覆材が被覆された第二梁耐火被覆部27が設けられている。よって、第二鉄骨梁24の外周側に設けられる耐火被覆部の厚みを厚くしたり増し張りしたりする必要がなく、接合廻部b2において、連続した同じ納まりとなるため、接合部aの納まりや見栄えを良好とすることができる。また、梁コンクリート充填部26及び第二梁耐火被覆部27が設けられているため、優れた耐火性能を発揮することができる。
また、接合廻部b2において、梁コンクリート充填部26の長さは耐火木質柱1の柱芯材11の接合表面部11eから500mm以上であり、第二鉄骨梁24の鋼材温度を約160℃以下に抑えることができる。一般的に、木材の炭化温度は200~260℃程度である。よって、火災時に、耐火木質柱1の木材の炭化を抑制することができる。
また、第二鉄骨梁24において上側フランジ21を切り欠くことで、床版4のコンクリート4aの打設時にあわせて梁コンクリート充填部26のコンクリート26aを充填でき、施工性が優れている。
また、下側フランジ22及びウェブ23は、ベースプレート29aを介して、耐火木質柱1の柱芯材11と接合されている。よって、湿式のコンクリートを充填することでベースプレート29a及びボルト29b廻り等が梁コンクリート充填部26で被覆され、火災時に構造上弱点となりやすい接合部aを保護することができる。
なお、上述した実施の形態において示した組立手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1…耐火木質柱(木質柱)
2…梁
21…上側フランジ
22…下側フランジ
23…ウェブ
26…梁コンクリート充填部(コンクリート部)
26a…コンクリート
27…第二梁耐火被覆部(耐火被覆部)
30…型枠
100…柱梁接合構造

Claims (6)

  1. 木質柱と梁との接合部の柱梁接合構造であって、
    前記梁は、
    上側フランジと、
    下側フランジと、
    前記上側フランジと前記下側フランジとを連結するウェブと、
    前記接合部側の領域において、前記ウェブの両側にコンクリートが充填されたコンクリート部と、
    前記接合部側の領域において、前記コンクリート部の外側に耐火被覆材が被覆された耐火被覆部と、を備える柱梁接合構造。
  2. 前記コンクリート部の長さは、前記木質柱の柱芯材の表面から500mm以上である請求項1に記載の柱梁接合構造。
  3. 前記接合部側の領域では、前記上側フランジが設けられていない請求項1または2に記載の柱梁接合構造。
  4. 請求項1に記載の柱梁接合構造の施工方法であって、
    接合部側の領域において、下側フランジ及びウェブを囲むように型枠を設置する型枠設置工程と、
    前記型枠の内部にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、
    前記コンクリート及び前記下側フランジを耐火被覆材で覆う耐火被覆材取付工程と、を備える柱梁接合構造の施工方法。
  5. コンクリート部の長さは、木質柱の柱芯材の表面から500mm以上である請求項4に記載の柱梁接合構造の施工方法。
  6. 前記接合部側の領域において、上側フランジを切断する上側フランジ切断工程を備える請求項4または5に記載の柱梁接合構造の施工方法。
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