JP6989890B2 - 柱梁接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、柱梁接合構造に関し、さらに詳しくは、木質ハイブリッド柱と鉄骨梁とを接合してなる柱梁接合構造に関するものである。
公共建築物における木造化の推進、環境負荷の低減、国産木材の安定供給・流通促進といった趨勢を受け、木質ハイブリッド柱を用いることが提案されている。木質ハイブリッド柱(EWECS柱)は、鉄骨周りをコンクリートで囲い、さらにその外側に集成材を配置した構造になっている。
熊谷将吾,外4名,「EWECS柱の構造性能に及ぼす外殻集成材の樹種の影響」,日本建築学会構造系論文集,2011年1月,第659号,p.195-203 瀧野敦夫,外3名,「変動軸力および高軸力を受けるEWECS柱の構造性能」,日本建築学会構造系論文集,2012年2月,第672号,p.309-314
上記文献では、木質ハイブリッド柱(EWECS柱)の構造性能について検討が行われているだけであり、木質ハイブリッド柱(EWECS柱)を用いた柱梁接合部の構造性能や耐火性に関する記載はない。
本発明が解決しようとする課題は、木質ハイブリッド柱を用いた場合において、耐火性に優れる柱梁接合構造を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る柱梁接合構造は、鉄骨コンクリートおよびその周囲を覆う木製パネルからなる木質ハイブリッド柱と鉄骨梁とを接合してなる柱梁接合構造であって、前記木製パネルは、柱と梁の接合部において前記鉄骨梁に直接接触しないように配置されていることを要旨とするものである。
前記接合部において、前記木製パネルと前記鉄骨梁との間には、コンクリート、鋼材、石膏ボード、ロックウール、ケイ酸カルシウム板の少なくとも1種の不燃材料が配置されており、当該不燃材料により前記木製パネルが前記接合部において前記鉄骨梁に直接接触しないようにされていることが好ましい。
前記木製パネルは、柱の高さ方向に柱から前記接合部まで一体であり、高さ方向に前記接合部まで構造用木材として前記鉄骨コンクリートの周囲を覆っていることが好ましい。前記木製パネルは、柱の高さ方向に柱から前記接合部下まで一体であり、高さ方向に前記接合部下まで構造用木材として前記鉄骨コンクリートの周囲を覆っていてもよい。これらの場合において、前記木質ハイブリッド柱が角柱であり、前記構造用木材の現場接合による周方向の継ぎ目が角のみに配置されていることが好ましい。
前記木製パネルが柱の高さ方向に柱から前記接合部まで一体である場合、前記接合部において、前記木製パネルの前記鉄骨梁に隣接する周方向端縁が、前記鉄骨梁のフランジおよびウェブで形成される凹部の外に配置されていることが好ましい。
前記木製パネルが柱の高さ方向に柱から前記接合部下まで一体である場合、前記接合部における前記鉄骨コンクリートの周囲が、鋼材、石膏ボード、ロックウールの少なくとも1種からなる不燃板または木製パネルからなる非構造材により覆われていることが好ましい。
本発明に係る柱梁接合構造によれば、木質ハイブリッド柱と鉄骨梁の接合部において木質ハイブリッド柱の木製パネルが鉄骨梁に直接接触しないように配置されていることから、耐火性に優れる。
本発明の第1実施形態に係る柱梁接合構造である。図1(a)は接合部の平面図であり、図1(b)は接合部の正面図である。 本発明の第2実施形態に係る柱梁接合構造である。図2(a)は接合部の平面図であり、図2(b)は接合部の正面図である。 本発明の第3実施形態に係る柱梁接合構造である。図3(a)は接合部の平面図であり、図3(b)は接合部の正面図である。 本発明の第4実施形態に係る柱梁接合構造である。図4(a)は接合部の平面図であり、図4(b)は接合部の正面図である。 本発明の第5実施形態に係る柱梁接合構造である。図5(a)は接合部の平面図であり、図5(b)は接合部の正面図である。 本発明の第6実施形態に係る柱梁接合構造である。図6(a)は接合部の平面図であり、図6(b)は接合部の正面図である。 本発明の第7実施形態に係る柱梁接合構造である。図7(a)は接合部の平面図であり、図7(b)は接合部の正面図である。 柱梁接合構造の一例である。図8(a)は接合部の平面図であり、図8(b)は接合部の正面図である。 第4、第5実施形態における非構造材の収まりを示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る柱梁接合構造が適用された木質ハイブリッド柱を含む鉄骨コンクリート造である。
以下、本発明の実施形態について、図を参照して詳細に説明する。
図10は、本発明に係る柱梁接合構造を備えた建物の一例であり、本発明の第1実施形態に係る柱梁接合構造が適用された木質ハイブリッド柱を含む鉄骨コンクリート造である。図1は、本発明の第1実施形態に係る柱梁接合構造である。
図10、図1に示すように、木質ハイブリッド柱10は、鉄骨コンクリート16およびその周囲を覆う木製パネル18からなる。鉄骨コンクリート16は、鉄骨12の周りをコンクリート14で囲ったものである。鉄骨コンクリート16の鉄骨12は、H形鋼、I形鋼、T形鋼、山形鋼、平形鋼、溝形鋼、Z形鋼、十字断面形鋼、これらの組み合わせなどの一般的な形鋼が用いられる。鉄骨コンクリート16のコンクリート14は、普通コンクリートが用いられる。鉄骨コンクリート16のコンクリート14内において、鉄骨12の周囲は配筋されていない。鉄骨コンクリート16の周囲を覆う木製パネル18は、柱について木の表面をあらわしとするものである。したがって、柱の視覚に映る部分は、基本的にコンクリート14の表面を木製パネル18で全て覆うようにしている。
木製パネル18は、耐火性評価において、燃えてもよい部分である。木製パネル18は炭化することから、耐火被覆としても機能する。また、燃え代層としても機能する。また、コンクリート14を拘束する拘束材としても機能する。このため、鉄骨12の周囲に鉄筋を配さなくてもコンクリート14を鉄骨12の周囲に維持することができる。また、コンクリート14の型枠としても機能する。木製パネル18は、集成材などからなる。木製パネル18は、CLT(直交集成板)、LVL(単板積層材)などであってもよい。
コンクリート14は、燃えない部分であり、耐火性を有する。鉄骨12は、鋼材からなる。鋼材は、350~700℃の高温の熱に弱く、熱によって変形したり強度が低下する。このため、耐火性が高くない。鉄骨コンクリート16の鉄骨12は、その周りをコンクリート14で覆われているので、コンクリート14によって熱変形による強度低下が抑えられている。
鉄骨梁20は、H形鋼などの形鋼で形成されている。H形鋼は、上下一対のフランジ20a,20bと、上下一対のフランジ20a,20bを繋ぐウェブ20cとを有している。鉄骨梁20は、木質ハイブリッド柱10の鉄骨12に接合された後、耐火被覆材によって耐火被覆される。耐火被覆材としては、耐火塗料や吹き付けロックウール、ケイ酸カルシウム板等の耐火ボード、巻き付け式のロックウールシート等の鉄骨に用いられる一般的な耐火被覆材が挙げられる。鉄骨梁20は、柱を構成する鉄骨コンクリート16のコンクリート14内で鉄骨コンクリート16の鉄骨12に接合されている。鉄骨コンクリート16のコンクリート14から、鉄骨梁20の鉄骨が水平方向に四方に延びている。
床スラブ22は、コンクリートからなる。床スラブ22の下に、梁や梁と柱の接合部24が配置されている。梁と柱の接合部24の下に、木質ハイブリッド柱10の柱部分26が配置されている。
本発明に係る柱梁接合構造は、木質ハイブリッド柱と鉄骨梁とを接合してなる柱梁接合構造に関するものである。
(第1実施形態)
図10、図1に示すように、木質ハイブリッド柱10は、接合部24下の柱部分26において木製パネル18(18a)が柱の高さ方向に一体となっている。接合部24の木製パネル18(18b)は、柱部分26の木製パネル18(18a)と分離している。木質ハイブリッド柱10の木製パネル18は、柱の高さ方向に柱から接合部24下まで一体であり、高さ方向に接合部24下まで構造用木材として鉄骨コンクリート16の周囲を覆っている。柱部分26の木製パネル18(18a)の上端と接合部24の木製パネル18(18b)の下端は、現場にて接合されている。ただし、その継ぎ目28は平坦面であり、このため、接合部24の木製パネル18(18b)は構造材としての機能が低い。一方、木質ハイブリッド柱10は、高さ方向に接合部24下までの範囲では、鉄骨コンクリート16およびその周囲を覆う木製パネル18(18a)が構造材として機能している。
木質ハイブリッド柱10は角柱(四角柱)である。柱部分26の木製パネル18(18a)は4枚で構成されている。柱部分26において、木製パネル18(18a)と木製パネル18(18a)の継ぎ目30(現場接合による周方向の継ぎ目)は、角柱の角のみに配置されている。木製パネルと木製パネルの継ぎ目が柱部分26の面の中央に現れないので、意匠性により優れる。柱部分26の木製パネル18(18a)は、鉄骨梁20の鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さが5cm以上となるように、鉄骨梁20に隣接する高さ方向端縁34が加工されている。接合部24の木製パネル18(18b)は8枚で構成されている。接合部24の木製パネル18(18b)は、鉄骨梁20の鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さが5cm以上となるように、鉄骨梁20に隣接する周方向端縁32が加工されている。具体的には、コンクリートのかぶり厚さを一定とすべく、鉄骨梁20の外形に合わせた形状に周方向端縁32が加工されている。ただし、5cm以上が確保されていれば、コンクリートのかぶり厚さは精密に合わせる必要がない。このため、鉄骨梁の外形に精密に(隙間なく)合わせる必要がある図8のものと比べて、施工の手間と時間は削減できる。そして、このように接合部24において、木製パネル18と鉄骨梁20との間にコンクリートが配置され、木製パネル18が鉄骨梁20に直接接触しないように構成されていると、2時間の耐火性能を持つ構造部材となるため、木質ハイブリッド柱10を用いた場合において、耐火性に優れる柱梁接合構造となる。
(第2実施形態)
図2に示すように、第2実施形態は、第1実施形態と比較して、接合部24の木製パネル18が柱部分26の木製パネル18と分離していない点が異なっている。接合部24の木製パネル18と柱部分26の木製パネル18の間に平坦面からなる継ぎ目がない。木質ハイブリッド柱10の木製パネル18は、柱の高さ方向に柱部分26から接合部24まで一体であり、高さ方向に柱部分26から接合部24まで構造用木材として鉄骨コンクリート16の周囲を覆っている。一方で、第1実施形態と同様、鉄骨梁20の鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さが5cm以上となるように、接合部24の木製パネル18は鉄骨梁20に隣接する周方向端縁32が加工されている。このため、木製パネル18を設置する施工上、木製パネル18と木製パネル18の継ぎ目36(現場接合による周方向の継ぎ目)が柱部分26の面に配置されている。そして、このように接合部26において、木製パネル18と鉄骨梁20との間にコンクリート14が配置され、木製パネル18が鉄骨梁20に直接接触しないように構成されていると、2時間の耐火性能を持つ構造部材となるため、木質ハイブリッド柱10を用いた場合において、耐火性に優れる柱梁接合構造となる。また、第2実施形態は、接合部24の木製パネル18が柱部分26の木製パネル18と分離していないことから、柱部分26の木製パネル18の位置を固定することで接合部24の木製パネル18も位置精度良く配置することができる。
第2実施形態は、接合部24の木製パネル18が柱部分26の木製パネル18と分離していない点、木製パネル18と木製パネル18の継ぎ目36(現場接合による周方向の継ぎ目)が柱部分26の面の中央に配置されている点が異なり、これ以外については第2実施形態と同様であり、その説明を省略する。第2実施形態において、木質ハイブリッド柱10は角柱(四角柱)である。木製パネル18は8枚で構成されている。第1実施形態と比べると、部品枚数が少ないという利点がある。
(第3実施形態)
図3に示すように、第3実施形態は、第1,2実施形態と比較して、木質ハイブリッド柱10の外面の位置で、鉄骨梁20の鉄骨のフランジ20a,20b間に鋼板38を接合している。この鋼板38は、鉄骨梁20の部分の型枠として機能することができる。このため、接合部24の木製パネル18の鉄骨梁20に隣接する周方向端縁32を鉄骨梁20の外形に合わせた形状に加工する必要がなく、木製パネル18をより簡単な形状にすることができる。具体的には、接合部24の木製パネル18の鉄骨梁20に隣接する周方向端縁32は、鉄骨梁20の鉄骨のフランジ20a,20bおよびウェブ20cで形成される凹部の外に配置されている。より具体的には、鉄骨梁20の鉄骨のフランジ20a,20b間に接合された鋼板38の高さ方向端縁38aに並行になるように、接合部24の木製パネル18の鉄骨梁20に隣接する周方向端縁32が高さ方向に真っ直ぐに加工されている。
第3実施形態は、第1,2実施形態と同様、鉄骨梁20の鉄骨に対するコンクリートのかぶり厚さが5cm以上となるように、接合部24の木製パネル18の鉄骨梁20に隣接する周方向端縁32が加工されている。そして、このように接合部24において、木製パネル18と鉄骨梁20との間にコンクリート14が配置され、木製パネル18が鉄骨梁20に直接接触しないように構成されていると、2時間の耐火性能を持つ構造部材となるため、木質ハイブリッド柱10を用いた場合において、耐火性に優れる柱梁接合構造となる。
第3実施形態は、接合部24の木製パネル18の鉄骨梁20に隣接する周方向端縁32が鉄骨梁20の鉄骨のフランジ20a,20bに干渉しないので、第2実施形態と同様に木製パネル18を柱の高さ方向に柱部分26から接合部24まで一体とし、かつ、第1実施形態と同様に木製パネル18と木製パネル18の継ぎ目30(現場接合による周方向の継ぎ目)を角柱の角のみに配置することができる。そして、このように簡素な構成となることから、木製パネル18は4枚で構成される。よって、第1,2実施形態と比べ、部品点数をさらに少なくできる。
(第4実施形態)
図4に示すように、第4実施形態は、第3実施形態と比較して、鉄骨梁20の鉄骨のフランジ20a,20b間に鋼板は接合されていない。木質ハイブリッド柱10の外面の位置で、木製パネル18と鉄骨梁20の間に石膏ボードからなる不燃材料40を配置している点で異なっている。石膏ボードからなる不燃材料40は、木製パネル18と鉄骨梁20の間に隙間なく配置されている。この不燃材料40は、この部分の型枠として機能することができる。かぶりを設ける必要がないため、かぶり厚さの分だけ鉄骨コンクリート16のコンクリート14が露出する第3実施形態と比較して、かぶりのための型枠を別途準備することが不要となり、第3実施形態よりも施工性の面でさらに優れる。この不燃材料40は、コンクリート14の拘束材としても機能することができる。木製パネル18の形状は、柱部分26および接合部24ともに第3実施形態と同様である。木製パネル18は柱の高さ方向に柱部分26から接合部24まで一体である。また、木製パネル18と木製パネル18の継ぎ目30(現場接合による周方向の継ぎ目)を角柱の角のみに配置されている。木製パネル18は4枚で構成されている。接合部24の木製パネル18の鉄骨梁20に隣接する周方向端縁32は、鉄骨梁20の鉄骨のフランジ20a,20bおよびウェブ20cで形成される凹部の外に配置されている。
第4実施形態は、接合部24の木製パネル18の鉄骨梁20に隣接する周方向端縁32が、鉄骨梁20のフランジ20a,20bの端縁から水平方向に2時間の耐火性能を満足する所定距離以上離れた位置に配置されている。また、木製パネル18の鉄骨梁20に隣接する高さ方向端縁34が、鉄骨梁20のフランジ20bの端縁から高さ方向に2時間の耐火性能を満足する所定距離以上離れた位置に配置されている。この間には、石膏ボードからなる不燃材料40が配置されている。このように接合部24において、木製パネル18と鉄骨梁20との間に石膏ボードからなる不燃材料40が配置され、木製パネル18が鉄骨梁20に直接接触しないように構成されていると、2時間の耐火性能を持つ構造部材となるため、木質ハイブリッド柱10を用いた場合において、耐火性に優れる柱梁接合構造となる。
(第5実施形態)
図5に示すように、第5実施形態は、柱部分26のみが木製パネル18で覆われており、接合部24は木製パネルで覆われていない。このため、施工性に優れる。木質ハイブリッド柱10の木製パネル18は、柱の高さ方向に柱から接合部24下まで一体である。木製パネル18と木製パネル18の継ぎ目30(現場接合による周方向の継ぎ目)は、角柱の角のみに配置されている。木製パネル18は4枚で構成されている。柱部分26の木製パネル18の高さ方向の上端18cは、鉄骨梁20に直接接触しない高さ(位置)に配置されている。その上端18cと鉄骨梁20の下端(フランジ20b)との間は、コンクリートのかぶり厚さと同様、5cm以上離されている。
接合部24における鉄骨コンクリート16の周囲は、石膏ボードからなる不燃材料40で覆われている。接合部24において、鉄骨コンクリート16のコンクリート14は露出していない。石膏ボードからなる不燃材料40は、木製パネル18と鉄骨梁20の間に隙間なく配置されている。この不燃材料40は、この部分の型枠として機能することができる。かぶりを設ける必要がないため、かぶり厚さの分だけ鉄骨コンクリート16のコンクリート14が露出する第3実施形態と比較して、かぶりのための型枠を別途準備することが不要となり、第3実施形態よりも施工性の面でさらに優れる。この不燃材料40は、コンクリート14の拘束材としても機能することができる。
第5実施形態は、柱部分26の木製パネル18の高さ方向の上端18cが、鉄骨梁20(フランジ20b)から高さ方向に2時間の耐火性能を満足する所定距離以上離れた位置に配置されており、その間には石膏ボードからなる不燃材料40が配置されている。このように接合部24において、木製パネル18と鉄骨梁20との間に石膏ボードからなる不燃材料40が配置され、木製パネル18が鉄骨梁20に直接接触しないように構成されていると、2時間の耐火性能を持つ構造部材となるため、木質ハイブリッド柱10を用いた場合において、耐火性に優れる柱梁接合構造となる。
(第6実施形態)
図6に示すように、第6実施形態は、第5実施形態と同様、柱部分26のみが木製パネル18で覆われており、接合部24は木製パネル18で覆われていない。柱部分26の木製パネル18の構成は、第5実施形態と同様である。第6実施形態は、第5実施形態と比較して、接合部24における鉄骨コンクリート16の周囲が石膏ボードからなる不燃材料ではなく鋼板38で覆われている。この鋼板38は、型枠として機能することができる。また、コンクリート14の拘束材としても機能することができる。鋼板38は伝熱性が高い。木製パネル18から鉄骨梁20への鋼板38を経由した伝熱を抑えるため、鋼板38の下端38aと木製パネルの上端18cとの間は5cm以上離されており、コンクリートのかぶり厚さが確保されている。また、柱部分26の木製パネル18の高さ方向の上端18cが、鉄骨梁20(フランジ20b)から高さ方向に5cm以上離れた位置に配置されている。このように接合部24において、木製パネル18と鉄骨梁20との間にコンクリート14が配置され、木製パネル18が鉄骨梁20に直接接触しないように構成されていると、2時間の耐火性能を持つ構造部材となるため、木質ハイブリッド柱10を用いた場合において、耐火性に優れる柱梁接合構造となる。
(第7実施形態)
図7に示すように、第7実施形態は、第5,6実施形態と同様、柱部分26のみが木製パネル18で覆われており、接合部24は木製パネル18で覆われていない。柱部分26の木製パネル18の構成は、第5,6実施形態と同様である。第7実施形態は、接合部24における鉄骨コンクリート16の周囲が覆われておらず、接合部24でコンクリート14が露出している。接合部24におけるコンクリート14を拘束する目的で、接合部24のみ鉄骨12の周囲に鉄筋42が配されている。すなわち、接合部24のみ鉄骨鉄筋コンクリート構造となっている。
第7実施形態は、柱部分26の木製パネル18の高さ方向の上端18cが、鉄骨梁20(フランジ20b)から高さ方向に5cm以上離れた位置に配置されている。このように接合部24において、木製パネル18と鉄骨梁20との間にコンクリート14が配置され、木製パネル18が鉄骨梁20に直接接触しないように構成されていると、2時間の耐火性能を持つ構造部材となるため、木質ハイブリッド柱10を用いた場合において、耐火性に優れる柱梁接合構造となる。
本発明に係る柱梁接合構造は、例えば次のようにして施工することができる。
(1)柱の鉄骨12を配置する。
(2)柱の鉄骨12と梁の鉄骨20を接合する。
(3)柱のコンクリート用の型枠を組む。
(4)柱のコンクリート14を型枠に流し込む。
(5)必要に応じて、所定部分の型枠を外す。
(6)鉄骨梁20の露出している鉄骨部分に耐火被覆材を吹き付ける。
柱部分26の型枠は、木の表面をあらわしとする木製パネル18で構成することができる。このため、柱部分26の型枠を外す必要がなく、施工がより簡便になる。接合部24周りの木製パネルが配置されていない部分は、別途型枠を組む必要がある。別途の型枠は、基本的に外す必要があるが、例えば第4,5実施形態の不燃材料40や第6実施形態の鋼板38は施工後にそのまま残すことができるため、施工がより簡便になる。
第1~第7実施形態は、いずれも木製パネル18が接合部24において鉄骨梁20に直接接触しないように配置されている。これに対し、図8に示す柱梁接合構造は、木製パネル18が接合部24において鉄骨梁20に接触するように配置されている。図8に示す柱梁接合構造は、第1実施形態と比較して、接合部24において木製パネル18が鉄骨梁20に接触するように配置されている点が相違する。木製パネル18の枚数は、第1実施形態と同じであり、柱部分26の木製パネル18(18a)は4枚で構成されている。接合部24の木製パネル18(18b)は8枚で構成されている。図8に示す柱梁接合構造は、木製パネル18が接合部24において鉄骨梁20に直接接触するように配置されているため、2時間の耐火性能を有していない。
以上、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能なものである。
例えば上記実施形態では、鉄骨コンクリート16のコンクリート14を普通コンクリートとしているが、コンクリート14は、繊維補強コンクリートや、鉄筋コンクリートであってもよい。
また、第3実施形態では、鉄骨梁20の鉄骨のフランジ20a,20b間に鋼板38を接合しているが、鋼板が接合されていない構成であってもよい。
また、第4,5実施形態では、木製パネル18の上端34,18cの外側面と石膏ボードからなる不燃材料40の下端の外側面が面一となっているが(図4(a)、図5(a)、図9(a))、図9(b)に示すように、木製パネル18の上端34,18cの外側面に石膏ボードからなる不燃材料40の下端の内側面を重ねるようにしてもよい。これにより、施工誤差を吸収することができるため、施工性が向上する。また、第4,5実施形態では、石膏ボードからなる不燃材料40を用いているが、これに代えてロックウール、ケイ酸カルシウム板などの他の不燃材料を用いてもよい。また、そうした不燃材料に代えて鋼板を用いてもよい。鋼板が単なる型枠であり非構造部材として扱われる場合には、木製パネルと接していてもよいと判断される場合もあるからである。
10 木質ハイブリッド柱
12 鉄骨
14 コンクリート
16 鉄骨コンクリート
18 木製パネル
20 鉄骨梁
24 接合部
26 柱部分
40 不燃材料

Claims (7)

  1. 鉄骨の周りをコンクリートで囲った鉄骨コンクリートおよびその周囲を覆う木製パネルからなる木質ハイブリッド柱と鉄骨梁とを接合してなる柱梁接合構造であって、
    前記木製パネルは、柱と梁の接合部において前記鉄骨梁に直接接触しないように配置されており、
    前記鉄骨コンクリートの前記鉄骨と前記鉄骨梁とが直接接合されていることを特徴とする柱梁接合構造。
  2. 前記接合部において、前記木製パネルと前記鉄骨梁との間には、コンクリート、鋼材、石膏ボード、ロックウール、ケイ酸カルシウム板の少なくとも1種の不燃材料が配置されており、当該不燃材料により前記木製パネルが前記接合部において前記鉄骨梁に直接接触しないようにされていることを特徴とする請求項1に記載の柱梁接合構造。
  3. 前記木製パネルは、柱の高さ方向に柱から前記接合部まで一体であり、高さ方向に前記接合部まで構造用木材として前記鉄骨コンクリートの周囲を覆っていることを特徴とする請求項1または2に記載の柱梁接合構造。
  4. 前記木製パネルは、柱の高さ方向に柱から前記接合部下まで一体であり、高さ方向に前記接合部下まで構造用木材として前記鉄骨コンクリートの周囲を覆っていることを特徴とする請求項1または2に記載の柱梁接合構造。
  5. 前記木質ハイブリッド柱が角柱であり、前記構造用木材の現場接合による周方向の継ぎ目が角柱の角のみに配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の柱梁接合構造。
  6. 前記接合部において、前記木製パネルの前記鉄骨梁に隣接する周方向端縁が、前記鉄骨梁のフランジおよびウェブで形成される凹部の外に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の柱梁接合構造。
  7. 前記接合部における前記鉄骨コンクリートの周囲が、鋼材、石膏ボード、ロックウールの少なくとも1種からなる不燃板または木製パネルからなる非構造材により覆われていることを特徴とする請求項4に記載の柱梁接合構造。
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