JP6186160B2 - 柱梁接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、柱梁接合構造に関する。
木製の荷重支持部と、荷重支持部の外周に設けられた燃え止まり層及び燃え代層とを備えた耐火性能を有する梁が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、木質梁の梁端面に形成されたスリットに、木質柱の側面から突出するガセットプレートを挿入し、これらの梁端部及びガセットプレートにボルト等を貫通させて接合する柱梁接合構造が知られている(例えば、特許文献3〜5参照)。
特開2005−36456号公報 特開2005−36457号公報 特開2010−255256号公報 特開平9−125532号公報 特開平10−018438号公報
ところで、特許文献1,2に開示されたような耐火性能を有する梁の梁端部の下面に、柱のガセットプレートを挿入するスリットを形成することが考えられる。
しかしながら、梁端部の下面にスリットを形成すると、スリットを介して耐火木質梁の内部に火災熱等が浸入する可能性がある。
この対策として、梁端部の上面にスリットを形成することが考えられる。
しかしながら、梁端部の上面にスリットを形成した場合、柱のガセットプレートの下側に梁を配置した後、当該梁を揚重機等で引き上げながらスリットにガセットプレートを挿入する必要がある。そのため、梁の下側に、当該梁を仮支持する仮サポート(支保工)等を予め設置することができず、施工性が低下する。
本発明は、上記の事実を考慮し、施工性を向上しつつ、耐火性能の低下を低減することができる柱梁接合構造を得ることを目的とする。
第1態様に係る柱梁接合構造は、側面に接合プレートが設けられた柱と、木質心部と、前記木質心部を耐火被覆する耐火被覆層とを有し、梁端部の下面から前記耐火被覆層を貫通して前記木質心部へ延びると共に前記接合プレートが挿入されるスリットが形成された梁と、前記梁端部の下面側から前記スリットに挿入され、前記耐火被覆層の一部を形成する耐火被覆部を有する栓部材と、を備えている。
第1態様に係る柱梁接合構造によれば、梁の梁端部には、その下面から耐火被覆層を貫通して木質心部へ延びるスリットが形成されている。これにより、柱の接合プレートに対して上側から梁を降ろすことにより、接合プレートをスリットに挿入することができる。したがって、梁の下側に仮サポート等を予め設置することができるため、施工性が向上する。
また、スリットには、栓部材が挿入される。この栓部材は、耐火被覆層の一部を形成する耐火被覆部を有している。したがって、スリットに栓部材を挿入することにより、火災時にスリットを介して梁の木質心部に浸入する火災熱等が抑制される。よって、梁の耐火性能が確保される。
このように本発明では、施工性を向上しつつ、梁の耐火性能を確保することができる。
第2態様に係る柱梁接合構造は、第1態様に係る柱梁接合構造において、前記耐火被覆層が、前記木質心部の下面を耐火被覆する複数のセメント硬化体を有し、前記スリットが、隣接する前記セメント硬化体の間に形成されている。
第2態様に係る柱梁接合構造によれば、耐火被覆層が、木質心部の下面を耐火被覆する複数のセメント硬化体を有している。そして、隣接するセメント硬化体の間にスリットが形成されている。これにより、セメント硬化体にスリットを形成する場合と比較して、梁の下面にスリットを形成し易くなる。したがって、梁の製作性が向上する。
また、スリットの両側にセメント硬化体を配置したことにより、スリット周辺の熱容量が大きくなる。これにより、火災時にスリットを介して梁の木質心部に浸入する火災熱等が抑制される。したがって、梁の耐火性能が確保される。
このように本発明では、梁の製作性を向上しつつ、梁の耐火性能を確保することができる。
第3態様に係る柱梁接合構造は、第1態様または第2態様に係る柱梁接合構造において、前記栓部材が、前記スリットに折り畳まれた状態で圧入される耐火シートである。
第3態様に係る柱梁接合構造によれば、梁の下面に形成されたスリットに耐火シートを折り畳んだ状態で圧入することにより、耐火シートによって耐火被覆層の一部が形成される。これにより、火災時にスリットを介して梁の木質心部に浸入する火災熱等が抑制される。したがって、梁の耐火性能が確保される。
また、耐火シートを折り畳んだ状態でスリットに圧入することにより、スリットの内壁に耐火シートが密着するため、当該スリットを密閉することができる。したがって、梁の耐火性能を確実なものとできる。
以上説明したように、本発明に係る柱梁接合構造によれば、施工性を向上しつつ、耐火性能を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造が適用された柱及び梁を示す立面図である。 図1の2−2線断面図である。 図1の3−3線断面図である。 図3の拡大断面図である。 図1に示される柱に梁を接合する前の状態を示す立面図である。 (A)はスリットにモルタル栓を挿入する前の状態を示す図4に対応する拡大断面図であり、(B)はスリットに木栓を挿入する前の状態を示す図4に対応する拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の変形を示す図4に対応する拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の変形を示す図4に対応する拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の変形を示す図4に対応する拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造の変形を示す図3に対応する拡大断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る柱梁接合構造について説明する。
図1には、本実施形態に係る柱梁接合構造10が適用された柱12及び梁40が示されている。梁40は、一対の柱12(図5参照)の間に架設されており、両側の梁端部40Aが柱12にそれぞれ接合されている。
図2に示されるように、柱12は、耐火構造が適用されている。この柱12は、断面矩形(本実施形態では略正方形)に形成されており、荷重を支持する木質心部13と、木質心部13を耐火被覆する耐火被覆層14とを有している。木質心部13は、木材を板状や角柱状に加工した複数の木製単材を接着剤等で一体化させた集成材によって断面矩形に形成され、柱12が負担する荷重等を支持可能に構成されている。
耐火被覆層14は、木質心部13の外側に配置された燃え止まり層16と、燃え止まり層16の外側に配置された燃え代層18とを有している。なお、燃え止まり層16及び燃え代層18は、後述する梁40の燃え止まり層46及び燃え代層48と同様の構成であるため、説明を省略する。
柱12の側面には、木質心部13の側面を露出させる溝部20が形成されている。この溝部20は上下方向に延びる矩形の長溝とされており、この溝部20を介して木質心部13にブラケット26が固定されている。なお、溝部20内の側面等には、木質心部13への熱の浸入を低減するモルタル板22がそれぞれ貼り合わされている。また、溝部20には、ロックウール等の断熱材24が設けられている。
ブラケット26は平断面視にて略T字形状に形成されており、木質心部13に固定されるフランジ26Aと、フランジ26Aから外側(梁40側)へ張り出し、梁40に接合される接合プレートとしてのガセットプレート26Bとを有している。フランジ26Aは、柱12の木質心部13の側面に重ねられており、木質心部13を貫通する複数のボルト28及びナット30によって木質心部13に固定されている。なお、木質心部13における溝部20と反対側の側面には、ナット30及び支圧板32が収容される溝部34が形成されている。
図2及び図3に示されるように、梁40には、耐火構造が適用されている。この梁40は、断面矩形(本実施形態では長手方向を上下方向(梁成方向)とした断面略長方形)に形成されており、荷重を支持する木質心部42と、木質心部42を耐火被覆する耐火被覆層44とを有している。木質心部42は、複数の木製単材を接着剤等で一体化させた集成材によって断面略矩形に形成され、梁40が負担する長期荷重及び短期荷重等を支持可能に構成されている。
耐火被覆層44は、木質心部42の外側に配置された燃え止まり層46と、燃え止まり層46の外側に配置された燃え代層48とを有している。燃え止まり層46は、火災時における燃え代層48の燃焼を停止(自然鎮火)させ、木質心部42の燃焼を抑制する層である。この燃え止まり層46は、上方が開口した断面略C字形状に形成されており、木質心部42の両側面及び下面を被覆している。
本実施形態では、燃え止まり層46は、木質心部42よりも熱容量が大きい高熱容量層(熱容量型)とされている。具体的には、燃え止まり層46は、木質心部42の両側面及び下面に沿って交互に配列された複数のモルタル硬化体(モルタル板)50及び木材(木板)52を有している。モルタル硬化体50及び木材52は断面略矩形に形成されており、長手方向を梁40の材軸方向として配置されている。
モルタル硬化体50は、木材52よりも熱容量が大きくなっている。このモルタル硬化体50と木材52とを交互に配置することにより、燃え止まり層46の熱容量が全体として木質心部42及び燃え代層48の熱容量よりも大きくなっている。また、木材52は、木質心部42に接着剤等で接合されている。
燃え止まり層46の外側には、木製の燃え代層48が配置されている。燃え代層48は、火災時に燃焼して炭化層(断熱層)を形成することにより、木質心部42への火災熱の浸入を抑制する層であり、木製単材を接着剤等で一体化させた集成材によって形成されている。この燃え代層48は、梁40の場合、上方が開口した断面略C字形状に形成されており、燃え止まり層46の両側面及び下面を被覆している。また、燃え代層48は、燃え止まり層46の木材52に接着剤等で接合されており、木材52を介して木質心部42に支持されている。なお、燃え代層48の厚み(層厚)は、梁40に求められる要求耐火性能(耐火時間)や燃え代層48の燃焼速度及び遮熱性能に応じて適宜設定されている。
梁40の下面40Lには、耐火被覆層44を貫通し、木質心部42へ延びるスリット54が形成されている。スリット54は、梁40の下面40Lにおける梁幅方向の中央部から木質心部42の上部へ延びており、梁40の下面40L及び端面40T(図2参照)を開口している。なお、スリット54は、梁40の上面40Uを開口しておらず、施工時に梁40の上面40Uから雨水等が梁40の内部へ浸入しないようになっている。
スリット54には、梁40の下面40L側からガセットプレート26Bが挿入されている。図2に示されるように、ガセットプレート26B及び梁端部40Aには、梁端部40Aの側面から複数のドリフトピン56が貫通されており、これらのドリフトピン56によってガセットプレート26Bと梁端部40Aとが接合されている。
なお、木質心部42の端面には、燃え止まり層46と同じ構成のモルタル硬化体58が設けられている。また、柱12の側面と梁40の端面40Tとの隙間には、当該隙間を塞ぐ木製の目地材60が挿入されている。
ここで、図4に示されるように、スリット54は、隣接するモルタル硬化体50の間に形成されている。具体的には、隣接するモルタル硬化体50の間には、木材52が配置されている。この木材52にスリット54が形成されている。スリット54は、木材52を上下方向に貫通しており、当該スリット54によって木材52が2つの木材52A,52Bに分割されている。
スリット54には、栓部材としてのモルタル栓62及び木栓64がこの順で挿入されている。燃え止まり層用栓部材としてのモルタル栓62は、モルタル硬化体50と同じモルタルによって断面略矩形の棒状に形成されており、梁40の下面40L側からスリット54に嵌め込まれている。このモルタル栓62は、燃え止まり層46に配置されてスリット54を塞ぐと共に、当該燃え止まり層46の一部を形成している。
また、モルタル栓62は、複数の釘66によって梁40に固定されている。複数の固定部材としての複数の釘66は、スリット54の両側の内壁にモルタル栓62の長手方向(梁40の軸方向)に間隔を空けて打ち込まれている。各釘66は、その頭部にモルタル栓62の角部が引っ掛けるようにスリット54の内壁に斜めに打ち込まれ、木材52Aまたは木材52Bを貫通して木質心部42に達している。これらの釘66によって、モルタル栓62が燃え止まり層46で保持されている。
燃え代層用栓部材としての木栓64は、燃え代層48と同じ木材によって断面略矩形の棒状に形成されており、梁40の下面40Lからスリット54に嵌め込まれている。この木栓64は、燃え止まり層46に配置されてスリット54を塞ぐと共に、当該燃え代層48の一部を形成している。
また、木栓64は、釘68によって梁40に固定されている。複数の固定部材としての複数の釘68は、スリット54の両側の内壁に木栓64の長手方向(梁40の軸方向)に間隔を空けて打ち込まれている。各釘68は、その頭部に木栓64の角部が引っ掛けるようにスリット54の内壁に斜めに打ち込まれ、燃え代層48を貫通して燃え止まり層46の木材52Aまたは木材52Bに達している。これらの釘68によって、木栓64が燃え代層48で保持されている。
次に、本実施形態に係る柱梁接合構造10の施工方法の一例について説明する。
先ず、図5に示されるように、一対の柱12を立てると共に、この一対の柱12の間に仮サポート(支保工)70を仮設する。次に、図示しない揚重機等によって吊り上げられた梁40を、一対の柱12の間に降ろす。この際、梁40の両側の梁端部40Aに形成されたスリット54に、一対の柱12の側面から張り出すガセットプレート26Bをそれぞれ挿入する。次に、梁端部40Aの側面からドリフトピン56(図2参照)を挿入し、梁端部40Aをガセットプレート26Bに接合する。
次に、図6(A)に示されるようにスリット54にモルタル栓62を挿入する(嵌め込む)すると共に、図6(B)に示されるようにスリット54の内壁に複数の釘66を打ち込んでモルタル栓62を梁端部40Aに固定する。このモルタル栓62によってスリット54が塞がれると共に、燃え止まり層46の一部が形成される。
次に、図6(B)に示されるようにスリット54に木栓64を挿入する(嵌め込む)と共に、図4に示されるようにスリット54の内壁に複数の釘68を打ち込んで木栓64を梁端部40Aに固定する。これにより、スリット54が塞がれると共に、燃え代層48の一部が形成される。その後、梁40の上に、図示しないコンクリートスラブ等が構築される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図4に示されるように、梁40の梁端部40Aには、その下面40Lから燃え代層48及び燃え止まり層46を貫通して木質心部42へ延びるスリット54が形成されている。したがって、前述したように、柱12の側面から張り出すガセットプレート26Bに対して上側から梁40を降ろすことにより、ガセットプレート26Bをスリット54に挿入することができる。したがって、梁40の下側に、仮サポート70を予め設置することができるため、施工性が向上すると共に、工期の短縮化を図ることができる。
また、スリット54は、梁40の上面40Uを開口していない。したがって、施工時に、梁40の上面40Uから梁40の内部に浸入する雨水等が抑制される。したがって、梁40の内部の腐食等が抑制されるため、腐食等に伴う梁40の耐力の低下や耐火性能の低下が抑制される。
さらに、スリット54には、モルタル栓62及び木栓64が挿入される。これらのモルタル栓62及び木栓64によってスリット54を塞ぐことにより、火災時にスリット54を介して梁40の木質心部42に浸入する火災熱等が抑制される。
また、モルタル栓62は、燃え止まり層46の一部を形成している。つまり、モルタル栓62は、火災時に燃え止まり層46として機能する。これと同様に、木栓64は、燃え代層48の一部を形成している。つまり、木栓64は、火災時に燃え代層48として機能する。これにより、火災時にスリット54を介して梁40の木質心部42に浸入する火災熱等がさらに抑制される。したがって、梁40の耐火性能の低下が低減される。
このように本実施形態では、施工性を向上しつつ、梁40の耐火性能を確保することができる。
また、スリット54は、隣接するモルタル硬化体50の間に形成されている。これにより、例えば、モルタル硬化体50にスリット54を形成する場合と比較して、梁40の下面40Lにスリット54を形成し易くなる。したがって、梁40の製作性が向上する。
さらに、スリット54の両側にモルタル硬化体50を配置したことにより、スリット54周辺の熱容量が大きくなる。したがって、火災時にスリット54を介して梁40の木質心部42に浸入する火災熱等がさらに抑制される。よって、梁40の耐火性能が確実に確保される。
しかも、スリット54に木栓64を挿入したことにより、木栓64によってモルタル栓62が見えなくなる。したがって、梁40の外観品質が向上する。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、スリット54にモルタル栓62及び木栓64を挿入した例を示したが、これに限らない。例えば、図7に示されるように、スリット54には、栓部材としてのロックウール72及び木栓74を挿入しても良い。この変形例では、燃え止まり層用栓部材としてのロックウール72の一部によって燃え止まり層46の一部が形成されると共に、燃え代層用栓部材としての木栓74によって燃え止まり層46の一部が形成されている。
また、図8に示されるように、スリット54には、栓部材のとしての耐火シート76及び木栓74を挿入しても良い。燃え止まり層用栓部材としての耐火シート76は、ロックウール等の不燃材をシート状に成形した巻き付け式の耐火被覆材で形成されている。この耐火シート76は、2つに折り畳まれた状態で梁40の下面40L側からスリット54に圧入されており、スリット54を塞ぐと共に、燃え止まり層46の一部を形成している。
このように本変形例では、燃え止まり層用栓部材として耐火シート76を用いることにより、スリット54を容易に塞ぐことができる。また、スリット54に耐火シート76を折り畳んだ状態で圧入することにより、スリット54の内壁に耐火シート76を密着させることができる。つまり、耐火シート76によってスリット54を密閉することができる。したがって、施工性を向上しつつ、梁40の耐火性能を確保することができる。
なお、耐火シート76は2つ折りに限らず、2つ折以上に折り畳んだ状態でスリット54に圧入しても良い。
また、上記実施形態では、モルタル栓62によって燃え止まり層46の一部を形成した例を示したが、これに限らない。前述したように、高熱容量層である燃え止まり層46は、燃え代層48の燃焼を停止(自然鎮火)可能な所定の熱容量を有していれば良い。
したがって、例えば、図9に示されるように、隣接するモルタル硬化体50の間隔Dが狭く、スリット54周辺部の熱容量が所定値(要求熱容量)以上の場合は、燃え止まり層用栓部材として、モルタル栓62よりも熱容量が小さく、軽量な木栓78を用いることができる。したがって、施工性が向上する。
なお、木栓78の上部は、燃え止まり層46の一部を形成し、燃え止まり層46を形成する木材52と同様に機能する。一方、木栓78の下部は、燃え代層48の一部を形成し、燃え止まり層46として機能する。
また、例えば、図10に示されるように、スリット54に隣接するモルタル硬化体80の厚みTを他のモルタル硬化体50よりも厚みTよりも厚くし、スリット54周辺部の熱容量を部分的に大きくしても良い。この場合も上記と同様に、モルタル栓62よりも熱容量が小さく、軽量な木栓78を用いることができる。したがって、施工性が向上する。
また、上記実施形態では、モルタル栓62の厚み(高さ)を燃え止まり層46の厚み(層厚)と略同じにすると共に、木栓64の厚み(高さ)を燃え代層48と略同じにした例を示したが、これに限らない。モルタル栓62及び木栓64の厚みは、求められる耐火性能に応じて適宜設定すれば良く、例えば、モルタル栓62の厚みを燃え止まり層46よりも厚くし、当該モルタル栓62を木質心部42及び燃え止まり層46に亘って配置しても良いし、燃え止まり層46及び燃え代層48に亘って配置しても良い。さらに、モルタル栓62は、木質心部42、燃え止まり層46、及びも燃え代層48の三層に亘って配置しても良い。なお、モルタル栓62を燃え代層48に配置する場合は、木栓64の厚みを薄くすれば良い。
また、木栓64の厚みを燃え代層48よりも厚くし、木栓64を燃え止まり層46及び燃え代層48に亘って、または木質心部42、燃え止まり層46、及び燃え代層48の三層に亘って配置することも可能である。さらに、モルタル栓62及び木栓64の何れか一方を省略することも可能である。
また、上記実施形態では、モルタル栓62及び木栓64を釘66,68によって梁端部40Aに固定した例を示したが、これに限らない。固定部材は、火災時にモルタル栓62及び木栓64が脱落しないように、モルタル栓62及び木栓64を梁40に固定可能であれば良く、例えば、ビスやネジ等であっても良い。なお、固定部材は、鉄等の金属のように火災熱等によって燃焼しないものが望ましい。また、モルタル栓62及び木栓64は、スリット54の内壁に耐火性能を有する接着剤等で接合しても良い。
また、上記実施形態では、燃え止まり層46をモルタル硬化体50及び木材52で形成した例を示したが、木材52は適宜省略可能である。さらに、上記実施形態では、梁40の木質心部42の下面を被覆するセメント系硬化体としてモルタル硬化体50を用いた例を示したが、これに限らない。セメント系硬化体としては、例えば、グラウト硬化体やコンクリート硬化体を用いても良い。また、燃え止まり層46は、セメント系硬化体に限らず、熱容量が大きく、不燃性の材料で形成しても良い。
また、木質心部42及び燃え代層48は、木材によって形成されていれば良く、例えば、米松、唐松、檜、杉、あすなろ等の一般の木造建築に用いられる木材(以下、「一般木材」とする)で形成される。また、木質心部42及び燃え代層48は、集成材に限らず、合板や単一材で形成しても良い。燃え止まり層46の木材52についても同様である。
さらに、燃え止まり層46、及び当該燃え止まり層46の一部を形成する燃え止まり層用栓部材は、火炎熱の浸入を抑えて燃え止まり効果を発揮可能な層であれば良く、例えば、難燃性を有する難燃性層(難燃性型)や熱の吸収が可能な吸熱性層(吸熱性型)であっても良い。
難燃性層としては、木材に難燃薬剤を注入して不燃化処理した難燃薬剤注入層が挙げられる。また、吸熱性層としては、一般木材よりも熱容量が大きな材料、一般木材よりも断熱性が高い材料、または一般木材よりも熱慣性が高い材料によって形成しても良いし、これらの材料と一般木材とを組み合わせて形成しても良い。さらに、難燃性層と、吸熱性層とを組み合わせて(例えば、難燃性層と、吸熱性層とを交互に配置して)燃え止まり層46等を形成しても良い。
なお、一般木材よりも熱容量が大きな材料としては、モルタル、石材、ガラス、繊維補強セメント、石膏等の無機質材料、各種の金属材料などが挙げられる。また、一般木材よりも断熱性が高い材料としては、けい酸カルシウム板、ロックウール、グラスウールなどが挙げられる。一般木材よりも熱慣性が高い材料としては、セランガンバツ、ジャラ、ボンゴシ等の木材が挙げられる。
また、上記実施形態では、耐火被覆層44を燃え止まり層46及び燃え代層48の二層構造にした例を示したが、これに限らない。例えば、燃え止まり層46を省略し、耐火被覆層44を燃え代層48のみで構成しても良いし、燃え代層48を省略し、耐火被覆層44を燃え止まり層46のみで構成しても良い。この場合、耐火被覆層の構造に応じて、燃え止まり層用栓部材及び燃え代層用栓部材を適宜設ければ良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 柱梁接合構造
12 柱
26 ブラケット
26A フランジ
26B ガセットプレート(接合プレート)
40 梁
40A 梁端部
40L 下面(梁の下面)
42 木質心部
44 耐火被覆層
46 燃え止まり層(耐火被覆層)
48 燃え代層(耐火被覆層)
50 モルタル硬化体(セメント硬化体)
54 スリット
62 モルタル栓(栓部材)
64 木栓(栓部材)
72 ロックウール(栓部材)
74 木栓(栓部材)
76 耐火シート(栓部材)
78 木栓(栓部材)
80 モルタル硬化体(セメント硬化体)

Claims (3)

  1. 側面に接合プレートが設けられた柱と、
    木質心部と、前記木質心部を耐火被覆する耐火被覆層とを有し、梁端部の下面から前記耐火被覆層を貫通して前記木質心部へ延びると共に前記接合プレートが挿入されるスリットが形成された梁と、
    前記梁端部の下面側から前記スリットに嵌め込まれた状態で、前記耐火被覆層の一部を形成する耐火被覆部を有する栓部材と、
    を備えた柱梁接合構造。
  2. 側面に接合プレートが設けられた柱と、
    木質心部と、前記木質心部を耐火被覆する耐火被覆層とを有し、梁端部の下面から前記耐火被覆層を貫通して前記木質心部へ延びると共に前記接合プレートが挿入されるスリットが形成された梁と、
    前記梁端部の下面側から前記スリットに挿入され、前記耐火被覆層の一部を形成する耐火被覆部を有する栓部材と、
    を備え、
    前記耐火被覆層が、前記木質心部の下面を耐火被覆する複数のセメント硬化体を有し、
    前記スリットが、隣接する前記セメント硬化体の間に形成されている、
    梁接合構造。
  3. 前記栓部材が、前記スリットに折り畳まれた状態で圧入される耐火シートである、
    請求項1または請求項2に記載の柱梁接合構造。
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