JP7131050B2 - 免震装置の耐火被覆構造 - Google Patents

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Description

本発明は、免震装置の耐火被覆構造に関する。
鉄骨柱を支持する免震装置の耐火被覆構造が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1に開示された耐火被覆構造では、鉄骨柱の柱脚部が、コンクリート部材を介して免震装置の上フランジ部に接合される。これにより、コンクリート部材によって免震装置が上側から耐火被覆される。
特開2010-281069号公報 特開2011-032697号公報
しかしながら、特許文献1に開示された耐火被覆構造では、前述したように、鉄骨柱の柱脚部と免震装置の上フランジ部とがコンクリート部材を介して接合されるため、鉄骨柱と免震装置との接合作業に手間がかかる可能性がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、施工性が向上された免震装置の耐火被覆構造を提供することを目的とする。
第1態様に係る免震装置の耐火被覆構造は、免震装置と、前記免震装置の上又は下に配置される鉄骨柱と、前記免震装置及び前記鉄骨柱の周囲に配置され、前記免震装置及び前記鉄骨柱を取り囲む縦耐火ボードと、前記鉄骨柱と前記縦耐火ボードとの間の空間を覆う耐火材と、を備える。
第1態様に係る免震装置の耐火被覆構造によれば、鉄骨柱は、免震装置の上又は下に配置される。この免震装置及び鉄骨柱の周囲には、免震装置及び鉄骨柱を取り囲む縦耐火ボードが配置される。また、縦耐火ボードと鉄骨柱との間の空間は、耐火材によって覆われる。これらの縦耐火ボード及び耐火材によって、免震装置が耐火被覆される。したがって、火災時における免震装置の温度上昇が抑制される。
また、本発明では、鉄骨柱と免震装置との間に、例えば、特許文献1のようなコンクリート部材が介在しない。そのため、鉄骨柱と免震装置との接合作業の手間が低減される。したがって、施工性が向上する。
第2態様に係る免震装置の耐火被覆構造は、第1態様に係る免震装置の耐火被覆構造において、前記縦耐火ボードは、第一耐火ボード部材と、前記第一耐火ボード部材とは異種の耐火材によって形成され、該第一耐火ボード部材の外側に配置される第二耐火ボード部材と、を有する。
第2態様に係る免震装置の耐火被覆構造によれば、縦耐火ボードは、第一耐火ボード部材と、第二耐火ボード部材とを有する。第二耐火ボード部材は、第一耐火ボード部材と異種の耐火材によって形成される。また、第二耐火ボード部材は、第一耐火ボード部材の外側に配置される。
ここで、縦耐火ボードに求められる耐火性能に応じて、異種の耐火材によって形成された第一耐火ボード部材及び第二耐火ボード部材を適宜選択することにより、縦耐火ボードの耐火性能を効率的に高めることができる。
第3態様に係る免震装置の耐火被覆構造は、第2態様に係る免震装置の耐火被覆構造において、前記第一耐火ボード部材は、結晶水又は自由水を含有する。
第3態様に係る免震装置の耐火被覆構造によれば、第一耐火ボード部材は、結晶水又は自由水を含有する。この第一耐火ボード部材の外側には、第二耐火ボード部材が配置される。
ここで、第一耐火ボード部材が加熱されると、第一耐火ボード部材中の結晶水又は自由水が蒸発し、第一耐火ボード部材の温度上昇が抑制される。この第一耐火ボード部材では、全ての結晶水又は自由水が蒸発するまでは、当該第一耐火ボード部材の温度上昇が継続的に抑制される。
一方、第一耐火ボード部材が直接的に炎に晒されると、結晶水又は自由水が瞬時に蒸発する可能性がある。この場合、第一耐火ボード部材の耐火性能が早期に失われてしまう。
これに対して本発明では、第一耐火ボード部材の外側に、第二耐火ボード部材が配置される。この第二耐火ボード部材によって、火災時に第一耐火ボード部材が炎に直接的に晒されなくなるため、第一耐火ボード部材中の結晶水又は自由水が瞬時に蒸発することが抑制される。したがって、第一耐火ボード部材の耐火性能が早期に失われることが抑制される。
以上説明したように、本発明によれば、施工性が向上された免震装置の耐火被覆構造を提供することができる。
一実施形態に係る免震装置の耐火被覆構造が適用された免震装置を示す立面図である。 図1の2-2線断面図である。 図1に示される横耐火ボードの施工方法を示す拡大立面図である。 一実施形態に係る免震装置の耐火被覆構造の変形例が適用された免震装置を示す立面図である。 一実施形態に係る免震装置の耐火被覆構造の変形例が適用された免震装置を示す立面図である。 図5に示される横耐火ボードの施工方法を示す平面図である。 一実施形態に係る免震装置の耐火被覆構造の変形例が適用された免震装置を示す立面図である。 一実施形態に係る免震装置の耐火被覆構造の変形例が適用された免震装置を示す立面図である。
以下、図面を参照しながら、一実施形態について説明する。
(免震装置の耐火被覆構造)
図1には、本実施形態に係る免震装置の耐火被覆構造12(以下、単に「耐火被覆構造12」ともいう)が適用された構造物10が示されている。構造物(建物)10は、複数層からなる。この構造物10は、下部構造体20と、下部構造体20の上に配置される上部構造体30とを有している。上部構造体30は、後述する複数の免震装置60を介して、下部構造体20に水平方向に変位可能に支持されている。
(免震装置)
耐火被覆構造12は、免震装置60と、上側柱32と、複数の縦耐火ボード70と、複数の横耐火ボード90とを備えている。免震装置60は、積層ゴム支承とされており、下部構造体20の下側柱22の柱頭部22U上に設置されている。この免震装置60は、免震装置本体62と、上フランジ部64と、下フランジ部66とを有している。
免震装置本体62は、例えば、上下方向に交互に積層される複数の金属層及びゴム層を有している。免震装置本体62の下端部には、下フランジ部66が設けられている。下フランジ部66は、鋼板等の金属板によって板状に形成されており、下部構造体20の下側柱22の柱頭部に載置されている。この下フランジ部66は、複数のボルト68によって鉄筋コンクリート造の下側柱22の柱頭部(上面)に固定されている。
免震装置本体62の上端部には、上フランジ部64が設けられている。上フランジ部64は、鋼板等の金属板によって板状に形成されている。この上フランジ部64の上には、上側柱32が立てられている。
なお、免震装置60は、積層ゴム支承に限らず、滑り支承や転がり支承であっても良い。また、下側柱22は、鉄筋コンクリート造に限らず、鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄骨造、CFT造とされても良い。
(上側柱)
上側柱32は、CFT造とされている。この上側柱32は、鋼管34と、鋼管34に充填されるコンクリート36とを有している。鋼管34の柱脚部32Lの下端部には、ベースプレート38が設けられている。
ベースプレート38は、鋼板等によって板状に形成されており、免震装置60の上フランジ部64の上に重ねられている。このベースプレート38は、複数のボルト68によって上フランジ部64に固定されている。
上側柱32の柱脚部32Lは、複数の補強リブ40によって補強されている。補強リブ40は、上側柱32の柱脚部32Lとベースプレート38とを接続している。なお、上側柱32の柱脚部32Lは、鉄骨梁50が接合される上側柱32の柱梁仕口部32Sから下方へ延出している。
上側柱32の柱梁仕口部32Sには、一対のダイアフラム42が設けられている。一対のダイアフラム42は、通しダイアフラムとされている。この一対のダイアフラム42は、鋼板等によって板状に形成されるとともに、上下方向に互いに対向している。また、ダイアフラム42の中央部には、コンクリート36を通す貫通孔42Aが形成されている。
なお、ダイアフラム42は、通しダイアフラムに限らず、外ダイアフラムや内ダイアフラムであっても良い。また、上側柱32は、鉄骨柱の一例である。また、本実施形態の鉄骨柱は、S造だけでなく、CFT造も含む概念である。
上側柱32の柱梁仕口部32Sには、鉄骨梁50が接合されている。鉄骨梁50は、H形鋼によって形成されている。この鉄骨梁50は、上下のフランジ部50Aと、上下のフランジ部50Aを接続するウェブ部50Bとを有している。なお、鉄骨梁50の上には、スラブ54が設けられている。
上下のフランジ部50Aの端部は、一対のダイアフラム42の外周部に突き当てられた状態で溶接等によって接合されている。また、ウェブ部50Bは、例えば、図示しないガセットプレート等を介して端梁仕口部に接合されている。これにより、上側柱32の柱梁仕口部32Sに、鉄骨梁50の端部が接合されている。なお、上側柱32と鉄骨梁50との接合構造は、適宜変更可能である。
ここで、上側柱32及び鉄骨梁50は、耐火被覆されている。具体的には、上側柱32の柱脚部32Lの周囲には、複数の柱用耐火材(柱脚用耐火材)44が配置されている。各柱用耐火材44は、例えば、けい酸カルシウムボード等の耐火ボードによって形成されている。これらの柱用耐火材44は、ベースプレート38と鉄骨梁50の下のフランジ部50Aとに亘って配置され、柱脚部32Lを囲んでいる。また、上側柱32の柱梁仕口部32Sは、吹付けロックウール等の柱用耐火材(仕口用耐火材)46によって耐火被覆されている。
なお、柱用耐火材44は、単層でも良いし、複数層でも良い。また、柱用耐火材44は、耐火ボードに限らず、吹付けロックウールや、耐火塗料でも良い。
鉄骨梁50は、梁用耐火材52によって耐火被覆されている。梁用耐火材52は、吹付けロックウール等の吹付け系耐火材によって形成されている。この梁用耐火材52は、鉄骨梁50の上下のフランジ部50A及びウェブ部50Bの外面を所定の被覆厚で耐火被覆している。
なお、梁用耐火材52は、吹付け系耐火材に限らず、けい酸カルシウムボード等の耐火ボードや、ロックウール等で形成されたシート状の巻き付け系耐火材、耐火塗料であっても良い。
また、本実施形態では、鉄骨梁50の下のフランジ部50Aのうち、柱用耐火材44によって耐火被覆される上側柱32側の端部には、梁用耐火材52が設けられていないが、この端部にも梁用耐火材が設けられても良い。
(縦耐火ボード)
免震装置60は、複数の縦耐火ボード70及び複数の横耐火ボード90によって耐火被覆されている。図2に示されるように、複数の縦耐火ボード70は、平面視にて矩形状に配置されており、免震装置60の全体を囲んでいる。各縦耐火ボード70は、積層される内側耐火ボード部材72及び外側耐火ボード部材74を有している。
内側耐火ボード部材72は、例えば、石こうボードのように結晶水を有する耐火ボードによって形成されている。一方、外側耐火ボード部材74は、内側耐火ボード部材72とは異種の耐火材によって形成されている。具体的には、外側耐火ボード部材74は、例えば、けい酸カルシウムボード等のように断熱性が高い耐火ボード(断熱ボード)によって形成されている。なお、外側耐火ボード部材74は、内側耐火ボード部材72よりも断熱性が高い耐火材によって形成することが好ましい。
なお、本実施形態では、内側耐火ボード部材72の外側に、2枚の外側耐火ボード部材74が積層されている。また、内側耐火ボード部材72は、第一耐火ボードの一例である。また、外側耐火ボード部材74は、第二耐火ボードの一例である。また、外側耐火ボード部材74は、例えば、石こうボードのように結晶水を含む耐火ボードや、自由水を含む耐火ボードで形成されても良い。
図1に示されるように、縦耐火ボード70は、下側柱22の柱頭部22Uから立ち上げられ、その上端部が免震装置60の上フランジ部64よりも上方へ延出している。また、縦耐火ボード70は、免震装置60の下フランジ部66から上フランジ部64に亘って免震装置60の側面を覆っている。
縦耐火ボード70は、免震装置60の高さ方向(上下方向)に分割された下側ボード部70L及び上側ボード部70Uを有している。下側ボード部70Lは、下地材80を介して下側柱22の柱頭部22Uに取り付けられている。下地材80は、免震装置60の周囲に柱状に立てられる複数の縦フレーム81を有している。この縦フレーム81には、下側ボード部70Lが取り付けられている。
上側ボード部70Uは、下地材82及びベースプレート38等を介して免震装置60の上フランジ部64に取り付けられている。図2に示されるように、下地材82は、外周フレーム84と、複数の取付フレーム86と、複数の縦フレーム88とを有している。
外周フレーム84は、平面視にて矩形状に形成されており、上側柱32の柱脚部32Lを囲んでいる。この外周フレーム84の各角部には、縦フレーム88が設けられている。縦フレーム88は、外周フレーム84から下方へ延出している。この縦フレーム88及び外周フレーム84に、縦耐火ボード70が取り付けられている。
外周フレーム84の内側には、複数の取付フレーム86が配置されている。複数の取付フレーム86は、ベースプレート38を介して免震装置60の上フランジ部64の上面に固定されている。これらの取付フレーム86を介して、外周フレーム84支持されている。なお、下地材80,82の構成は、適宜変更可能である。
(横耐火ボード)
図1に示されるように、横耐火ボード90は、免震装置60の上フランジ部64の上側に配置されており、縦耐火ボード70と柱用耐火材44との間の空間を覆っている。この横耐火ボード90は、積層される内側耐火ボード部材92及び外側耐火ボード部材94を有している。なお、横耐火ボード90は、耐火材の一例である。
内側耐火ボード部材92は、例えば、石こうボードのように結晶水を有する耐火ボードによって形成されている。一方、外側耐火ボード部材94は、内側耐火ボード部材92とは異種の耐火材によって形成されている。具体的には、外側耐火ボード部材94は、けい酸カルシウムボード等のように断熱性が高い耐火材(断熱材)によって形成されている。なお、外側耐火ボード部材94は、内側耐火ボード部材92よりも断熱性が高い耐火材によって形成することが好ましい。
なお、本実施形態では、内側耐火ボード部材92の外側に、2枚の外側耐火ボード部材94が積層されている。また、横耐火ボード90は、一枚の耐火ボード部材で形成されても良い。また、耐火材は、巻き付け系耐火材であっても良い。
図3に示されるように、横耐火ボード90は、縦耐火ボード70と柱用耐火材44との間に配置され、下地材82(外周フレーム84及び取付フレーム86)の上に載置されている。また、横耐火ボード90は、柱用耐火材44側に寄せて配置されている。この横耐火ボード90の一端部は、柱用耐火材44の外面に接触(密着)されている。
一方、横耐火ボード90の他端部と縦耐火ボード70との間には、隙間が形成されている。この隙間によって、横耐火ボード90及び縦耐火ボード70等の施工誤差が吸収可能になっている。また、図1に示されるように、横耐火ボード90と縦耐火ボード70との隙間には、目地材96が設けられている。
目地材96は、例えば、セラミックファイバーブランケットや、ロックウール等の断熱系耐火材によって形成されている。この目地材96によって、横耐火ボード90と縦耐火ボード70との隙間が塞がれている。
なお、横耐火ボード90を縦耐火ボード70側に寄せて配置し、横耐火ボード90と柱用耐火材44との隙間を目地材によって塞ぐことも可能である。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態に係る耐火被覆構造12によれば、免震装置60の上には、上側柱32が配置されている。上側柱32は、柱用耐火材44によって耐火被覆されている。この上側柱32及び免震装置60の周囲には、複数の縦耐火ボード70が配置されている。
複数の縦耐火ボード70は、免震装置60及び上側柱32の柱脚部32Lを囲んでいる。また、縦耐火ボード70と柱用耐火材44との間の空間は、横耐火ボード90によって覆われる。これらの縦耐火ボード70及び横耐火ボード90によって、免震装置60が耐火被覆される。したがって、火災時における免震装置60の温度上昇が抑制される。
また、上側柱32と免震装置60との間に、例えば、特許文献1のようなコンクリート部材が介在しない。そのため、上側柱32と免震装置60との接合作業の手間が低減される。したがって、施工性が向上する。
また、縦耐火ボード70は、下側ボード部70Lと上側ボード部70Uとに分離されている。これにより、地震に伴って免震装置60がせん断変形すると、下側ボード部70Lに対して上側ボード部70Uが水平方向に移動する。したがって、下側ボード部70L及び上側ボード部70Uの破損等が抑制される。
さらに、縦耐火ボード70の内側耐火ボード部材72は、結晶水を含有する石こうボードによって形成されている。この内側耐火ボード部材72の外側には、外側耐火ボード部材74が配置されている。外側耐火ボード部材74は、けい酸カルシウムボード等の断熱性が高い断熱材によって形成されている。
ここで、内側耐火ボード部材72が加熱されると、内側耐火ボード部材72中の結晶水が蒸発し、内側耐火ボード部材72の温度上昇が抑制される。この内側耐火ボード部材72では、全ての結晶水が蒸発するまでは、内側耐火ボード部材72の温度上昇が継続的に抑制される。
一方、内側耐火ボード部材72が直接的に炎に晒されると、結晶水が瞬時に蒸発する可能性がある。この場合、内側耐火ボード部材72の耐火性能が早期に失われてしまう。
これに対して本実施形態では、前述したように、内側耐火ボード部材72の外側に、外側耐火ボード部材74が配置されている。この外側耐火ボード部材74によって、火災時に内側耐火ボード部材72が炎に直接的に晒されなくなるため、内側耐火ボード部材72中の結晶水が瞬時に蒸発することが抑制される。したがって、内側耐火ボード部材72の耐火性能が早期に失われることが抑制される。
しかも、外側耐火ボード部材74は、けい酸カルシウムボード等の断熱材によって形成されている。したがって、火災時に、外側耐火ボード部材74は、炎に直接的に晒されても、内側耐火ボード部材72のように早期に耐火性能が失われることはない。したがって、縦耐火ボード70の耐火性能を効率的に高めることができる。
さらにまた、縦耐火ボード70に求められる耐火性能に応じて、異種の耐火材によって形成された内側耐火ボード部材72及び外側耐火ボード部材74を適宜選択することにより、縦耐火ボード70の耐火性能を効率的に高めることができる。なお、以上の縦耐火ボード70の効果は、横耐火ボード90についても同様である。
また、横耐火ボード90は、縦耐火ボード70と柱用耐火材44との間に配置されている。これにより、地震時に、横耐火ボード90が水平移動しようとすると、横耐火ボード90が縦耐火ボード70の上端部に接触する。これにより、横耐火ボード90の落下が抑制される。そのため、縦耐火ボード70や下地材82等に対する横耐火ボード90の固定作業が不要になる。したがって、横耐火ボード90の施工性が向上する。
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、柱用耐火材44が、石こうボード等の耐火ボード(ボード系耐火材)によって形成されるが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、図4に示される変形例では、ロックウール等の吹付け系耐火材100、及びけい酸カルシウムボード等の耐火ボード102によって柱用耐火材が形成されている。
また、上記実施形態では、柱用耐火材44と縦耐火ボード70との間に横耐火ボード90が配置されるが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、図5に示される変形例のように、柱用耐火材44の下部を省略し、上側柱32の柱脚部32Lと縦耐火ボード70との間に横耐火ボード90を配置しても良い。
この際、上側柱32の柱脚部32Lに設けられた補強リブ40と、横耐火ボード90とが干渉しないように、例えば、図6に示されるように、横耐火ボード90の端部にスリット(切欠き)98を形成しても良い。
また、上記実施形態では、上側柱32の柱脚部32Lが柱梁仕口部32Sから下方へ延出しているが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、図7に示される変形例のように、柱梁仕口部32Sから上側柱32の柱脚部を下方へ延出させずに、当該柱梁仕口部32Sの下面(下側のダイアフラム42)を、ベースプレート110を介して免震装置60の上フランジ部64に接合しても良い。この場合、横耐火ボード90は、例えば、鉄骨梁50及び梁用耐火材52と干渉しない位置に設置される。
また、上記実施形態では、上側柱32が鉄骨柱とされたが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、図8に示される変形例のように、下側柱120が鉄骨柱とされても良い。
具体的には、下側柱120は、CFT造とされている。この下側柱120は、鋼管122と、鋼管122に充填されるコンクリート124とを有している。鋼管122の柱頭部122Uの上端部は、ベースプレート126が設けられている。このベースプレート126に、免震装置60の下フランジ部66が重ねられた状態でボルト68等によって接合されている。
図8に示される変形例では、免震装置60及び下側柱120の柱頭部120Uの周囲に、複数の縦耐火ボード70が配置されており、これらの縦耐火ボード70によって免震装置60の全体及び下側柱120の柱頭部120Uが耐火被覆されている。また、縦耐火ボード70と下側柱120の柱頭部120Uとの間の空間は、横耐火ボード90によって覆われている。
横耐火ボード90は、免震装置60の下フランジ部66の下側に配置されており、下側柱120の柱頭部120Uと縦耐火ボード70との間の空間を覆っている。これらの縦耐火ボード70及び縦耐火ボード70によって、免震装置60が耐火被覆されている。なお、横耐火ボード90は、下地材80や縦耐火ボード70に適宜固定されている。
また、図示を省略するが、免震装置60の上下の柱が、鉄骨柱(鉄骨造)とされても良い。
また、上記実施形態では、上側柱32の柱脚部32L(柱用耐火材44)と縦耐火ボード70との間に横耐火ボード90が配置されるが、上記実施形態はこれに限らない。横耐火ボードは、例えば、縦耐火ボードの上端部の上に載置されても良い。この場合、横耐火ボードは、縦耐火ボードや下地材等に適宜固定しても良い。
また、縦耐火ボード70の内側耐火ボード部材72及び外側耐火ボード部材74、並びに横耐火ボード90の内側耐火ボード部材92及び外側耐火ボード部材94は、例えば、石こうボード、けい酸カルシウムボード、ロックウールボード、モルタルボード、セラミックファイバーボード、PCボード、ALCボード等の耐火ボードによって形成されても良い。また、内側耐火ボード部材72、外側耐火ボード部材74、内側耐火ボード部材92、及び外側耐火ボード部材94は、結晶水又は自由水を有する耐火ボード(ボード系耐火材)によって形成されても良い。
また、上記実施形態では、縦耐火ボード70の内側耐火ボード部材72及び外側耐火ボード部材74が異種の耐火材によって形成されるが、上記実施形態はこれに限らない。内側耐火ボード部材及び外側耐火ボード部材は、同種の耐火材によって形成されても良い。また、縦耐火ボードは、1枚の耐火ボードによって形成されても良い。
これと同様に、横耐火ボード90の内側耐火ボード部材92及び外側耐火ボード部材94が、異種の耐火材によって形成されるが、上記実施形態はこれに限らない。内側耐火ボード部材及び外側耐火ボード部材は、同種の耐火材によって形成されても良い。また、横耐火ボードは、1枚の耐火ボードによって形成されても良い。
また、上記実施形態では、上側柱32と縦耐火ボード70との間の空間を覆う耐火材として横耐火ボード90を用いたが、上記実施形態はこれに限らない。耐火材は、例えば、ロックウール等で形成されたシート状の巻き付け系耐火材によって形成されても良いし、耐火ボード及び巻き付け系耐火材によって形成されても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
12 免震装置の耐火被覆構造
32 上側柱(鉄骨柱)
60 免震装置
70 縦耐火ボード
72 内側耐火ボード部材(第一耐火ボード部材)
74 外側耐火ボード部材(第二耐火ボード部材)
90 横耐火ボード(耐火材)
120 下側柱(鉄骨柱)

Claims (3)

  1. 免震装置と、
    前記免震装置の上又は下に配置され、端部に設けられたベースプレートが前記免震装置に接合される鉄骨柱と、
    前記免震装置及び前記鉄骨柱の周囲に配置され、前記免震装置及び前記鉄骨柱を取り囲む縦耐火ボードと、
    前記ベースプレートの上方又は下方に配置されるとともに、前記鉄骨柱と前記縦耐火ボードとの間に配置され、該間の空間を覆う耐火材と、
    を備える免震装置の耐火被覆構造。
  2. 前記縦耐火ボードは、
    第一耐火ボード部材と、
    前記第一耐火ボード部材とは異種の耐火材によって形成され、該第一耐火ボード部材の外側に配置される第二耐火ボード部材と、
    を有する、
    請求項1に記載の免震装置の耐火被覆構造。
  3. 前記第一耐火ボード部材は、結晶水又は自由水を含有する、
    請求項2に記載の免震装置の耐火被覆構造。
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