JP2023003022A - 車両側部構造 - Google Patents

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靖之 日原
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Abstract

Figure 2023003022000001
【課題】ロッカーモールの意匠自由度を高めた車両側部構造を提供する。
【解決手段】ロッカー2の車両幅方向外側及び下側を覆うようにロッカー2に固定されたロッカーモール3は、ロッカー2の車両幅方向外側に固定され、前後方向に延びる第1の直線で折り曲げ可能な前側インテグラルヒンジ34が前部の下端に設けられ、前後方向に延びる第2の直線で折り曲げ可能な後側インテグラルヒンジ35が後部の下端に設けられた外側パネル31と、外側パネル31と一体に接続され、前側インテグラルヒンジ34で折り返されてロッカー2に固定される前側折り返しパネル32と、外側パネル3と一体に接続され、後側インテグラルヒンジ35で折り返されてロッカー2に固定される後側折り返しパネル33と、を備え、前側インテグラルヒンジ34が後側インテグラルヒンジ35とは上下方向に異なる位置に配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両側面下部で前後のホイールハウスの間を前後方向に延びるロッカーと、ロッカーの車両幅方向外側及び下側を覆うようにロッカーに固定されたロッカーモールを備える車両側部構造に関する。
特許文献1には、車両側面下部で前後のホイールハウスの間を前後方向に延びるサイドシル(ロッカー)と、サイドシルの車両幅方向外側及び下側を覆うようにサイドシルに固定されたサイドシルガーニッシュ(ロッカーモール)とを備え、サイドシルガーニッシュの下端部が車両幅方向外側から見て前後方向に延びる直線となるように形成されている車両側部構造が開示されている。
特開2018-203078号公報
ロッカーの車両幅方向外側及び下側を覆うロッカーモールは、ロッカーの車両幅方向外側を覆う外側パネルと、外側パネルの下端に設けられたインテグラルヒンジで車両幅方向内側へ折り返される折り返しパネルとを一体として成形されることがある。このようなロッカーモールは、外側パネルと折り返しパネルとの間に直線状に板厚を薄くしたインテグラルヒンジを設け、型と型との間に樹脂を流し込んでインテグラルヒンジを折り曲げない形状で成形し、型から外した後にインテグラルヒンジで折り返しパネルを折り返した形状に変形した上でロッカーに固定される。
このように外側パネルと折り返しパネルを一体として成形するロッカーモールで、型と型の間に樹脂を流し込んで成形する段階ではインテグラルヒンジで折り曲げた形状とせず、型から外した後にインテグラルヒンジで折り曲げた形状に変形する理由は、インテグラルヒンジで折り曲げた形状で型と型の間に樹脂を流し込んで成形すると、片方の型を囲むような形状で樹脂が成形され、成形後に型を外すことができなくなるためである。
しかし、このようにインテグラルヒンジを備えたロッカーモールは、外側パネルの下端全部に、車両前後方向に延びる直線で折り曲げ可能なインテグラルヒンジが設けられるため、車両幅方向外側から見て外側パネルの下端が前後方向に延びる直線となる形状の意匠にせざるをえない。そのため、外側パネルの下端部に車両幅方向外側から見て曲線となる部分を設ける意匠などが実現できず、ロッカーモールの意匠自由度が制約されていた。
そこで、本発明は、ロッカーモールの意匠自由度を高めた車両側部構造を提供することを目的とする。
本発明に係る車両側部構造は、車両側面下部で前後のホイールハウスの間を前後方向に延びるロッカーと、前記ロッカーの車両幅方向外側及び下側を覆うように前記ロッカーに固定されたロッカーモールと、を備える車両側部構造であって、前記ロッカーモールは、前記ロッカーの車両幅方向外側に固定され、前後方向に延びる第1の直線で折り曲げ可能な前側インテグラルヒンジが前部の下端に設けられ、前後方向に延びる第2の直線で折り曲げ可能な後側インテグラルヒンジが後部の下端に設けられた外側パネルと、前記外側パネルと一体に接続され、前記前側インテグラルヒンジで折り返されて前記ロッカーに固定される前側折り返しパネルと、前記外側パネルと一体に接続され、前記後側インテグラルヒンジで折り返されて前記ロッカーに固定される後側折り返しパネルと、を備え、前記前側インテグラルヒンジが前記後側インテグラルヒンジとは上下方向に異なる位置に配置されていることを特徴とする。
この車両側部構造によれば、ロッカーモールの外側パネルに前側インテグラルヒンジ及び後側インテグラルヒンジが上下方向に異なる位置に設けられることにより、ロッカーモールの外側パネルの下端全部に1つのインテグラルヒンジが設けられた車両側部構造と比較して、ロッカーモールの意匠自由度を高めることができる。
本発明の車両の一態様において、前記前側折り返しパネルの一部が前記後側折り返しパネルの一部と重ね合わされた状態で、前記前側折り返しパネルが前記後側折り返しパネルに固定されていてもよい。
この態様によれば、ロッカーモールの剛性を向上させることができる。
本発明の車両の一態様において、前記前側インテグラルヒンジと前記後側インテグラルヒンジとの間で、前記外側パネルの下端部が車両幅方向外側から見て曲線となるように形成されていてもよい。
この態様によれば、外側パネルの下端部に車両幅方向外側から見て曲線となる形状を設けることができる。
本発明は、ロッカーモールの意匠自由度を高めた車両側部構造を提供することができる。
本開示の実施形態の車両側部構造を車両幅方向外側から見た側面図である。 ロッカーモールの前部を車両幅方向内側から見た側面図である。 図2におけるA-A線断面図である。 図2におけるB-B線断面図である。 図2におけるC-C線断面図である。 図2におけるD-D線断面図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態の車両側部構造10について説明する。以下説明する各図に示す矢印FR、矢印UP、矢印RHは、車両の前方向(進行方向)、上方向、右方向をそれぞれ示している。また、各矢印FR、UP、RHの反対方向は、それぞれ車両後方向、下方向、左方向を示す。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車両幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
図1は、本実施形態の車両側部構造10を車両幅方向外側から見た側面図であり、車両右側の車両側部構造10を示している。車両側部構造10は、車両側面下部で前後のホイールハウス1の間を前後方向に延びるロッカー2と、ロッカー2の車両幅方向外側及び下側を覆うようにロッカー2に固定されたロッカーモール3とを備える。ロッカー2及びロッカーモール3は、車両側面に設けられた前側ドア4及び後側ドア5の下側に配置される。ロッカーモール3は、車両走行中に飛び跳ねた小石等からロッカー2を保護するための樹脂製の装飾用部材である。なお、図1に示すように、車両幅方向外側から見た場合、ロッカー2はロッカーモール3の陰に隠れて見ることができない。
図2は、図1に示した車両右側のロッカーモール3の前部を車両幅方向内側から見た側面図である。図2に示すように、ロッカーモール3は、外側パネル31と前側折り返しパネル32と後側折り返しパネル33とを備える。前側折り返しパネル32は前側インテグラルヒンジ34を介して外側パネル31に接続し、後側折り返しパネル33は後側インテグラルヒンジ35を介して外側パネル31に接続している。外側パネル31、前側折り返しパネル32及び後側折り返しパネル33は、型と型との間に樹脂を流し込むことによって一体として成形される。
図1及び図2に示すように、外側パネル31の前部の下端には、前後方向に延びる第1の直線で折り曲げ可能な前側インテグラルヒンジ34が設けられている。そして、前側インテグラルヒンジ34より後方には、前後方向に延びる第2の直線で折り曲げ可能な後側インテグラルヒンジ35が外側パネル31の下端に設けられている。前側インテグラルヒンジ34は、後側インテグラルヒンジ35よりも下方の位置に設けられている。そして、前側インテグラルヒンジ34と後側インテグラルヒンジ35との間には、外側パネル31の下端部に車両幅方向外側から見て曲線となる湾曲部36が設けられている。湾曲部36は、後側インテグラルヒンジ35の前端から前側インテグラルヒンジ34の後端まで前方へ向かうほど下降する方向に湾曲する形状を有する。外側パネル31は、図3に示すように、ロッカー2の車両幅方向外側にクリップ6で固定される。なお、図2にはロッカーモール3のみ記載してロッカー2を記載していないが、図3及び図5の断面図では、どのようにロッカーモール3がロッカー2に固定されているのか示すため、ロッカー2の一部も記載している。
前側折り返しパネル32は、外側パネル31と一体として、図4に2点鎖線で示す位置となるようにモールド加工され、組立時には図4に実線で示す位置となるように前側インテグラルヒンジ34で折り返される。つまり、型と型との間に樹脂を流し込んでロッカーモール3を成形する際は、前側折り返しパネル32が図4に2点鎖線で示す位置となるように開いた状態で成形される。そして、ロッカーモール3を型から外した後、前側折り返しパネル32が図4に実線で示す位置となるように、前側インテグラルヒンジ34で折り返された上で、図3に示すように前側折り返しパネル32がクリップ7でロッカー2に固定される。図4に示すように、前側インテグラルヒンジ34では、外側パネル31や前側折り返しパネル32よりも板厚が薄くなっている。なお、このように前側インテグラルヒンジ34で前側折り返しパネル32を折り返した状態でも、図3に示すように、外側パネル31の湾曲部36においては、前側折り返しパネル32は外側パネル31に接続しおらず、前側折り返しパネル32と外側パネル31との間に隙間が空いている。
後側折り返しパネル33は、外側パネル31と一体として、図5に2点鎖線で示す位置にとなるようにモールド加工され、組立時には図5に実線で示す位置となるように後側インテグラルヒンジ35で折り返される。つまり、型と型との間に樹脂を流し込んでロッカーモール3を成形する際は、後側折り返しパネル33が図5に2点鎖線で示す位置となるように開いた状態で成形される。そして、ロッカーモール3を型から外した後、後側折り返しパネル33が図5に実線で示す位置となるように、後側インテグラルヒンジ35で折り返された上で、後側折り返しパネル33がロッカー2にクリップ7で固定される。図5に示すように、後側インテグラルヒンジ35では、外側パネル31や後側折り返しパネル33よりも板厚が薄くなっている。
また、図2及び図6に示すように、車両側部構造10では、前側折り返しパネル32の一部が後側折り返しパネル33の一部と重ね合わされた状態で、前側折り返しパネル32がクリップ7で後側折り返しパネル33に固定される。
車両側部構造10は、このようにロッカーモール3の外側パネル31に前側インテグラルヒンジ34及び後側インテグラルヒンジ35が上下方向に異なる位置に設けられていることにより、前端と後端の高さが異なる湾曲部36を外側パネル31の下端部に設けることが可能となる。そのため、車両側部構造10は、ロッカーモールの下端全部に1つのインテグラルヒンジが設けられた車両側部構造と比較して、ロッカーモール3の意匠自由度を高めることができる。そして、車両側部構造10は、このように外側パネル31の下端部に湾曲部36を設けることにより、前側のホイールアーチを力強く見せるための意匠を実現することができる。
また、車両側部構造10は、このように外側パネル31、前側折り返しパネル32及び後側折り返しパネル33がそれぞれロッカー2に固定された上で、更に前側折り返しパネル32の一部が後側折り返しパネル33の一部と重ね合わされて前側折り返しパネル32がクリップ7で後側折り返しパネル33に固定されることにより、ロッカーモール3の剛性を向上させることができる。
<実施形態の補足>
本開示の車両側部構造は、上述した形態に限定されず、本開示の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。例えば、前側インテグラルヒンジ又は後側インテグラルヒンジが設けられていない部分の外側パネルの下端部の車両幅方向外側から見た形状は、湾曲部36とは異なる形状であってもよい。また、後側インテグラルヒンジが前側インテグラルヒンジよりも前後方向の長さが短い構造であってもよい。また、外側パネル、前側折り返しパネル及び後側折り返しパネルは、クリップ以外の手段によりロッカーに固定されていてもよい。
1 ホイールハウス、2 ロッカー、3 ロッカーモール、4 前側ドア、5 後側ドア、6,7 クリップ、10 車両側部構造、31 外側パネル、32 前側折り返しパネル、33 後側折り返しパネル、34 前側インテグラルヒンジ、35 後側インテグラルヒンジ、36 湾曲部。

Claims (3)

  1. 車両側面下部で前後のホイールハウスの間を前後方向に延びるロッカーと、
    前記ロッカーの車両幅方向外側及び下側を覆うように前記ロッカーに固定されたロッカーモールと、を備える車両側部構造であって、
    前記ロッカーモールは、
    前記ロッカーの車両幅方向外側に固定され、前後方向に延びる第1の直線で折り曲げ可能な前側インテグラルヒンジが前部の下端に設けられ、前後方向に延びる第2の直線で折り曲げ可能な後側インテグラルヒンジが後部の下端に設けられた外側パネルと、
    前記外側パネルと一体に接続され、前記前側インテグラルヒンジで折り返されて前記ロッカーに固定される前側折り返しパネルと、
    前記外側パネルと一体に接続され、前記後側インテグラルヒンジで折り返されて前記ロッカーに固定される後側折り返しパネルと、を備え、
    前記前側インテグラルヒンジが前記後側インテグラルヒンジとは上下方向に異なる位置に配置されていることを特徴とする車両側部構造。
  2. 請求項1に記載された車両側部構造であって、
    前記前側折り返しパネルの一部が前記後側折り返しパネルの一部と重ね合わされた状態で、前記前側折り返しパネルが前記後側折り返しパネルに固定されていることを特徴とする車両側部構造。
  3. 請求項1又は2に記載された車両側部構造であって、
    前記前側インテグラルヒンジと前記後側インテグラルヒンジとの間で、前記外側パネルの下端部が車両幅方向外側から見て曲線となるように形成されていることを特徴とする車両側部構造。
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