JP2023002481A - 生ごみ処理機用消臭剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】生ごみ処理機による生ごみ処理の際に消臭効果を発揮する、生ごみ処理機用消臭剤を提供する。【解決手段】Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn、及びCuから選択される1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を含有するセルロース繊維を生ごみ処理機用消臭剤に用いる。【選択図】図1
Description
本発明は、生ごみ処理機用消臭剤に関する。より詳細には、特定の元素群から選択される1種以上の金属元素のイオン及び/又はナノ粒子を含有するセルロース繊維を含む生ごみ処理機用消臭剤に関する。
食材の残渣やペットの糞などからなる生ごみは、通常多くの水分を含んでおり、そのまま放置すると腐敗が進み悪臭が発生する。生ごみを減容、分解する装置として、家庭用又は業務用の生ごみ処理機が販売されており、これらの装置では、一般に、微生物を用いて生ごみを分解する方式(バイオ式)、熱で生ごみを乾燥させてごみを減量する方式(乾燥式)、又はこれらの両方を組み合わせる方式(ハイブリッド式)などにより、できるだけ短時間で生ごみを分解又は乾燥させ、悪臭の発生を抑える試みがされている。例えば、バイオ式の生ごみ処理装置は特許文献1に記載されており、乾燥式の生ごみ処理装置は特許文献2に記載されている。
これらの生ごみ処理装置は、できるだけ短時間で生ごみを分解又は乾燥させることに加え、一般には、装置自体に工夫を施すことにより、生ごみからの悪臭が外部に漏れづらい設計とされているが、それでもやはり生ごみの種類によっては処理中の臭いが気になる場合がある。生ごみ処理機で生ごみを処理している間の悪臭を低減させることが好ましいと言える。
生ごみなどに用いることができる消臭剤組成物として、例えば、特許文献3には、消臭有効成分を有する植物抽出物と消臭効果を有する香料などとを組み合わせて製造した液状のスプレー用の消臭剤組成物が開示されている。このような消臭剤組成物は、ごみ袋又はごみ箱内の生ごみや、シンク内の三角コーナーの生ごみなどに噴霧して使用することが想定されている。このような消臭剤組成物は、少量の生ごみから発生する一次的な悪臭を低減させる効果を有すると考えられる。しかし、生ごみ処理機のような、一般に多量の生ごみが投入され、微生物分解や熱乾燥が行われ、また、装置によっては、撹拌、水の噴射、水への浸透などが行われる環境においても十分な消臭効果を維持できるかは定かではない。
本発明は、生ごみ処理機による生ごみ処理の際に消臭効果を発揮する、生ごみ処理機用消臭剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn、及びCuから選択される1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を含有するセルロース繊維を生ごみ処理機内にセットすることにより、生ごみ処理機内の臭いを顕著に低減できることを見出した。本発明は、これらに限定されないが、以下を含む。
[1]Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn、及びCuから選択される1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を含有するセルロース繊維を含む、生ごみ処理機用消臭剤。
[2]前記セルロース繊維の少なくとも一部が表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を含有するセルロース繊維である、[1]に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
[3]微生物を用いて生ごみを分解する生ごみ処理機に用いるための[1]または[2]に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
[4]生ごみ処理機の内部に直接貼り付けるか、または容器に入れてから生ごみ処理機の内部に該容器を取り付けて用いるための[1]~[3]のいずれか一項に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
[5]シート状の形状である[1]~[4]のいずれか一項に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
[6][1]~[4]のいずれか一項に記載の生ごみ処理機用消臭剤をその内部に収納してなる生ごみ処理機の内部に取り付けて用いるための生ごみ処理機用消臭剤収納容器。
[1]Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn、及びCuから選択される1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を含有するセルロース繊維を含む、生ごみ処理機用消臭剤。
[2]前記セルロース繊維の少なくとも一部が表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を含有するセルロース繊維である、[1]に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
[3]微生物を用いて生ごみを分解する生ごみ処理機に用いるための[1]または[2]に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
[4]生ごみ処理機の内部に直接貼り付けるか、または容器に入れてから生ごみ処理機の内部に該容器を取り付けて用いるための[1]~[3]のいずれか一項に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
[5]シート状の形状である[1]~[4]のいずれか一項に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
[6][1]~[4]のいずれか一項に記載の生ごみ処理機用消臭剤をその内部に収納してなる生ごみ処理機の内部に取り付けて用いるための生ごみ処理機用消臭剤収納容器。
本発明の生ごみ処理機用消臭剤により、生ごみ処理機での処理時に発生し得る臭いを簡便に低減させることができる。例えば、好気性菌などの微生物を用いたバイオ式の生ごみ処理機では、一般に微生物を担持させた基材と投入された生ごみとを混合撹拌して、必要に応じて水分を供給するなどして、微生物により生ごみを分解させる。本発明の生ごみ処理機用消臭剤は、例えば、バイオ式の生ごみ処理機内のような多量の生ごみと水分とを有するような環境下においても、消臭効果を得ることができる。また、微生物による生ごみの分解に悪影響を与えずに使用することができる。
本発明の生ごみ処理機用消臭剤は、バイオ式の生ごみ処理機の他にも、乾燥式の生ごみ処理機に用いてもよく、これらの処理機内の生ごみからの臭い低減にも用いることができる。
本発明は、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn、及びCuから選択される1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を含有するセルロース繊維を含む、生ごみ処理機内に添加するための生ごみ処理機用消臭剤に関する。
<金属含有セルロース繊維>
本発明の生ごみ処理機用消臭剤に用いる「Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn、及びCuから選択される1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を含有するセルロース繊維」(以下、「金属含有セルロース繊維」とも呼ぶ。)は、セルロース繊維に上記の特定の元素群から選択される1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を担持させることにより製造することができる。上記の特定の元素群から選択される金属を担持させる際には、アニオン性の基を有するセルロース繊維を用いることが好ましく、アニオン性の基としてはカルボキシル基又はカルボキシレート基が特に好ましい。上記の特定の元素群から選択される金属は、セルロース繊維におけるアニオン性の基に結合しているか又はこれらを足場として製造されたものであることが好ましい。
本発明の生ごみ処理機用消臭剤に用いる「Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn、及びCuから選択される1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を含有するセルロース繊維」(以下、「金属含有セルロース繊維」とも呼ぶ。)は、セルロース繊維に上記の特定の元素群から選択される1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を担持させることにより製造することができる。上記の特定の元素群から選択される金属を担持させる際には、アニオン性の基を有するセルロース繊維を用いることが好ましく、アニオン性の基としてはカルボキシル基又はカルボキシレート基が特に好ましい。上記の特定の元素群から選択される金属は、セルロース繊維におけるアニオン性の基に結合しているか又はこれらを足場として製造されたものであることが好ましい。
<セルロース繊維の原料>
金属含有セルロース繊維を製造するための原料となるセルロース繊維の由来は特に限定されない。例えば、植物由来、動物由来、藻類由来、微生物由来等のセルロース繊維を用いることができる。中でも植物由来または微生物由来のセルロース繊維が好ましく、植物由来のセルロースが特に好ましい。植物由来のセルロース繊維としては、例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、又は農地残廃物由来のセルロース繊維や、パルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙パルプ等)を挙げることができ、動物由来のセルロース繊維としては、例えばホヤ類由来のセルロース繊維を挙げることができ、微生物由来のセルロース繊維としては、例えば酢酸菌(アセトバクター)由来のセルロース繊維を挙げることができる。これらの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属含有セルロース繊維を製造するための原料となるセルロース繊維の由来は特に限定されない。例えば、植物由来、動物由来、藻類由来、微生物由来等のセルロース繊維を用いることができる。中でも植物由来または微生物由来のセルロース繊維が好ましく、植物由来のセルロースが特に好ましい。植物由来のセルロース繊維としては、例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、又は農地残廃物由来のセルロース繊維や、パルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙パルプ等)を挙げることができ、動物由来のセルロース繊維としては、例えばホヤ類由来のセルロース繊維を挙げることができ、微生物由来のセルロース繊維としては、例えば酢酸菌(アセトバクター)由来のセルロース繊維を挙げることができる。これらの2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<セルロース繊維へのアニオン性の基の導入>
セルロースは、グルコース単位あたり3つのヒドロキシル基を有しており、各種の化学変性処理を行うことが可能である。本発明では、化学変性処理によりアニオン性の基を導入したセルロース繊維を用いることが好ましい。アニオン性の基としては、カルボキシル基(-COOH)又はカルボキシレート基(-COO-)が特に好ましい。また、セルロース繊維に導入したアニオン性の基に特定の金属イオンを結合させるか又はこれらの基を足場として特定の金属の粒子を担持させることにより、本発明の生ごみ処理機用消臭剤に用いる金属含有セルロース繊維を製造することが好ましい。
セルロースは、グルコース単位あたり3つのヒドロキシル基を有しており、各種の化学変性処理を行うことが可能である。本発明では、化学変性処理によりアニオン性の基を導入したセルロース繊維を用いることが好ましい。アニオン性の基としては、カルボキシル基(-COOH)又はカルボキシレート基(-COO-)が特に好ましい。また、セルロース繊維に導入したアニオン性の基に特定の金属イオンを結合させるか又はこれらの基を足場として特定の金属の粒子を担持させることにより、本発明の生ごみ処理機用消臭剤に用いる金属含有セルロース繊維を製造することが好ましい。
セルロース繊維にアニオン性の基を導入する方法については、例えば、セルロース繊維を酸化してセルロース繊維のヒドロキシル基の一部をカルボキシル基又はカルボキシレート基に変換する方法、セルロース繊維のヒドロキシル基の一部にカルボキシアルキル基(-O-RCOOH又は-O-RCOO-)(Rはアルキル基)をエーテル結合させる方法、セルロース繊維のヒドロキシル基の一部にリン酸または亜リン酸などのリン酸系の基をエステル結合させる方法、またはセルロース繊維のヒドロキシル基の一部に硫酸系の基をエステル結合させる方法が挙げられる。
<カルボキシル基及び/又はカルボキシレート基を含有するセルロース繊維>
セルロース繊維を酸化してヒドロキシル基の一部をカルボキシル基及び/又はカルボキシレート基に変換する方法としては、N-オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物若しくはこれらの混合物からなる群より選択される物質との存在下で酸化剤を用いて水中でセルロース繊維を酸化する方法、又はオゾンを含む気体をセルロース繊維と接触させる方法などが挙げられる。
セルロース繊維を酸化してヒドロキシル基の一部をカルボキシル基及び/又はカルボキシレート基に変換する方法としては、N-オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物若しくはこれらの混合物からなる群より選択される物質との存在下で酸化剤を用いて水中でセルロース繊維を酸化する方法、又はオゾンを含む気体をセルロース繊維と接触させる方法などが挙げられる。
N-オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物であり、例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン1-オキシル(TEMPO)やその誘導体が挙げられる。臭化物は、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属であり、例えば臭化ナトリウムが挙げられる。ヨウ化物は、水中で解離してイオン化可能なヨウ化アルカリ金属であり、例えば、ヨウ化ナトリウムが挙げられる。酸化剤としては、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸、それらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物などが挙げられ、中でも、安価で環境負荷が少ないことから、次亜ハロゲン酸又はその塩が好ましく、次亜塩素酸ナトリウムが特に好ましい。セルロース繊維を懸濁させた水性のスラリーに、上記のN-オキシル化合物と、臭化物及び/又はヨウ化物と、酸化剤とを混合することにより、セルロース繊維中のヒドロキシル基の一部を酸化してカルボキシル基又はカルボキシレート基に変換することができる。酸化反応は、例えば4~40℃程度、又は15~30℃程度の室温下でも進行させることができる。酸化反応時の反応液のpHは、8~12程度とすることが好ましく、10~11程度がさらに好ましい。反応時間は、通常は0.5~6時間、例えば0.5~4時間程度である。
オゾンを含む気体を用いてセルロース繊維を酸化する場合の、前記気体中のオゾンの濃度は50~250g/m3であることが好ましく、50~220g/m3であることがより好ましい。オゾンを含む気体とセルロース繊維とを接触させることにより、セルロース繊維中のヒドロキシル基の一部を酸化してカルボキシル基又はカルボキシレート基に変換することができる。オゾン処理後に得られる結果物に対しさらに、酸化剤を用いて追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理に用いる酸化剤としては、例えば、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物や、酸素、過酸化水素、過硫酸、過酢酸などが挙げられる。追酸化処理の方法としては例えば、これらの酸化剤を水又はアルコール等の極性有機溶媒中に溶解して酸化剤溶液を作成し、酸化剤溶液中にセルロース繊維を浸漬させる方法が挙げられる。
カルボキシル基またはカルボキシレート基を有するセルロース繊維におけるカルボキシル基及びカルボキシレート基の量は、後に金属イオン及び/又は金属粒子を含有させることを考慮すると、0.01~3.0mmol/gが好ましく、0.20~2.2mmol/gがより好ましい。セルロース繊維中のカルボキシル基又はカルボキシレート基の量は、酸化剤の添加量や反応時間などの酸化条件をコントロールすることで調整することができる。
上述の酸化反応を経たセルロース繊維中のカルボキシル基及びカルボキシレート基の量は、例えば、以下の方法により測定することができる:
セルロース繊維試料の0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)を測定する。次いで、セルロース繊維のカルボキシル基/カルボキシレート基量〔mmol/g〕を、下式を用いて算出する。
カルボキシル基/カルボキシレート基量〔mmol/g〕=a〔ml〕×0.05/セルロース繊維の質量〔g〕
<カルボキシアルキル基を含有するセルロース繊維>
セルロース繊維のヒドロキシル基の一部にカルボキシアルキル基(-O-RCOOH又は-O-RCOO-)(Rはアルキル基)をエーテル結合させる方法としては、セルロース繊維を最初にマーセル化剤で処理し、その後エーテル化剤で処理する方法が挙げられる。マーセル化剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属が挙げられる。エーテル化剤は、導入するカルボキシアルキル基の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、カルボキシメチル基を導入する場合には、これに限定されないが、モノクロロ酢酸ナトリウムを用いることができる。導入するカルボキシアルキル基としては、例えば、カルボキシメチル基(-CH3COOH)、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基等を挙げることができ、これらの中ではカルボキシメチル基が好ましい。マーセル化反応及びエーテル化反応における溶媒の種類は特に限定されない。マーセル化反応時の温度は、通常0~70℃の範囲内であり、好ましくは10~60℃の範囲内であり、反応時間は、通常15分~8時間、好ましくは30分~7時間である。エーテル化反応時の温度は、通常30~90℃の範囲内であり、好ましくは40~80℃の範囲内であり、反応時間は、通常30分~10時間であり、好ましくは1時間~4時間である。
セルロース繊維試料の0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.5とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)を測定する。次いで、セルロース繊維のカルボキシル基/カルボキシレート基量〔mmol/g〕を、下式を用いて算出する。
カルボキシル基/カルボキシレート基量〔mmol/g〕=a〔ml〕×0.05/セルロース繊維の質量〔g〕
<カルボキシアルキル基を含有するセルロース繊維>
セルロース繊維のヒドロキシル基の一部にカルボキシアルキル基(-O-RCOOH又は-O-RCOO-)(Rはアルキル基)をエーテル結合させる方法としては、セルロース繊維を最初にマーセル化剤で処理し、その後エーテル化剤で処理する方法が挙げられる。マーセル化剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属が挙げられる。エーテル化剤は、導入するカルボキシアルキル基の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、カルボキシメチル基を導入する場合には、これに限定されないが、モノクロロ酢酸ナトリウムを用いることができる。導入するカルボキシアルキル基としては、例えば、カルボキシメチル基(-CH3COOH)、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基、カルボキシブチル基等を挙げることができ、これらの中ではカルボキシメチル基が好ましい。マーセル化反応及びエーテル化反応における溶媒の種類は特に限定されない。マーセル化反応時の温度は、通常0~70℃の範囲内であり、好ましくは10~60℃の範囲内であり、反応時間は、通常15分~8時間、好ましくは30分~7時間である。エーテル化反応時の温度は、通常30~90℃の範囲内であり、好ましくは40~80℃の範囲内であり、反応時間は、通常30分~10時間であり、好ましくは1時間~4時間である。
例えばカルボキシメチル基をエーテル結合させたセルロース繊維における無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は、0.01~0.50が好ましく、0.05~0.40がより好ましく、0.10~0.30がさらに好ましい。カルボキシメチル基をエーテル結合させたセルロース繊維中のカルボキシメチル置換度は、例えば、以下の方法により測定することができる:
セルロース繊維試料(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えて得られた硝酸メタノール溶液100mLを加え、3時間振とうし、塩型のカルボキシメチル基を水素型に変換する。得られた水素型のカルボキシメチル基を有するセルロース繊維(絶乾)1.5~2.0gを精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。80%メタノール15mLで水素型のカルボキシメチル基を有するセルロース繊維を湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのH2SO4で過剰のNaOHを逆滴定する。カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算出する。
A=[(100×F’-(0.1NのH2SO4の量(mL))×F)×0.1]/(水素型のカルボキシメチル基を有するセルロース繊維の絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1-0.058×A)
F':0.1NのNaOHのファクター
F:0.1NのH2SO4のファクター。
セルロース繊維試料(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。メタノール1000mLに特級濃硝酸100mLを加えて得られた硝酸メタノール溶液100mLを加え、3時間振とうし、塩型のカルボキシメチル基を水素型に変換する。得られた水素型のカルボキシメチル基を有するセルロース繊維(絶乾)1.5~2.0gを精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。80%メタノール15mLで水素型のカルボキシメチル基を有するセルロース繊維を湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのH2SO4で過剰のNaOHを逆滴定する。カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算出する。
A=[(100×F’-(0.1NのH2SO4の量(mL))×F)×0.1]/(水素型のカルボキシメチル基を有するセルロース繊維の絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1-0.058×A)
F':0.1NのNaOHのファクター
F:0.1NのH2SO4のファクター。
<リン酸系の基を含有するセルロース繊維>
セルロース繊維のヒドロキシル基の一部にリン酸又は亜リン酸などのリン酸系の基をエステル結合させる方法としては、これらに限定されないが、例えば、セルロース繊維にリン酸基または亜リン酸基などのリン酸系の基を有する化合物の粉末又は水溶液を混合する方法や、セルロース繊維のスラリーにリン酸系の基を有する化合物の水溶液を添加する方法が挙げられる。この際、さらに塩基性化合物を反応系に加えてもよい。
セルロース繊維のヒドロキシル基の一部にリン酸又は亜リン酸などのリン酸系の基をエステル結合させる方法としては、これらに限定されないが、例えば、セルロース繊維にリン酸基または亜リン酸基などのリン酸系の基を有する化合物の粉末又は水溶液を混合する方法や、セルロース繊維のスラリーにリン酸系の基を有する化合物の水溶液を添加する方法が挙げられる。この際、さらに塩基性化合物を反応系に加えてもよい。
リン酸系の基を有する化合物としては、例えば、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウム、亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸水素アンモニウム、亜リン酸水素カリウム、亜リン酸二水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸リチウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸等が挙げられ、中でも、エステル化の効率が高く、かつ工業的に適用し易いという理由で、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩、亜リン酸、亜リン酸のナトリウム塩、亜リン酸のカリウム塩、亜リン酸のアンモニウム塩が好ましく、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸二水素ナトリウムがより好ましい。
塩基性化合物としては、塩基性を示す窒素含有化合物が好ましく、中でもアミノ基を有する化合物が好ましく、例えば、尿素、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンを挙げることができ、中でも、低コストで扱いやすいという理由から、尿素が好ましい。
リン酸系の基をエステル結合させたセルロース繊維におけるリン酸系の基の含有量は、0.1~3.5mmol/gが好ましい。
<硫酸系の基を有するセルロース繊維>
セルロース繊維のヒドロキシル基の一部に硫酸系の基をエステル結合させる方法としては、例えば、セルロース繊維に硫酸系の基を有する化合物の水溶液を接触させる方法が挙げられる。硫酸系の基を有する化合物としては、例えば、硫酸、スルファミン酸、クロロスルホン酸、三酸化硫黄、これらのエステルや塩が挙げられ、中でも、取り扱いのしやすさから、スルファミン酸を好ましく用いることができる。
<硫酸系の基を有するセルロース繊維>
セルロース繊維のヒドロキシル基の一部に硫酸系の基をエステル結合させる方法としては、例えば、セルロース繊維に硫酸系の基を有する化合物の水溶液を接触させる方法が挙げられる。硫酸系の基を有する化合物としては、例えば、硫酸、スルファミン酸、クロロスルホン酸、三酸化硫黄、これらのエステルや塩が挙げられ、中でも、取り扱いのしやすさから、スルファミン酸を好ましく用いることができる。
<セルロース繊維へ金属を含有させる方法>
上記の方法により得られたセルロース繊維に対し、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn、及びCuの群から選ばれる1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を含有させて、本発明の生ごみ処理機用消臭剤に用いる金属含有セルロース繊維を得る。金属元素の中でもAg及び/又はCuは消臭効果が高まるので好ましい。
上記の方法により得られたセルロース繊維に対し、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn、及びCuの群から選ばれる1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を含有させて、本発明の生ごみ処理機用消臭剤に用いる金属含有セルロース繊維を得る。金属元素の中でもAg及び/又はCuは消臭効果が高まるので好ましい。
セルロース繊維に金属を含有させる方法としては、これに限定されないが、例えば、セルロース繊維の分散液と金属化合物の水溶液とを混合する方法や、セルロース繊維を含む分散液を基材の上に塗布して膜を形成させ、この膜の上に金属化合物の水溶液を滴下して金属を膜の中に含浸させる方法が挙げられる。このとき、膜は基材上に固定されたままであってもよいし、基材から剥離された状態であってもよい。これらの方法により、金属化合物に由来する金属イオンが、アニオン性の基にイオン結合又は配位することにより、セルロース繊維に対して金属イオンが付加される。
金属化合物の水溶液としては、金属錯体(錯イオン)、金属ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、および酢酸塩などの金属化合物の水溶液を用いることができる。
金属化合物を接触させる際の混合液のpHは特に限定されないが、pHが低いとアニオン性の基に金属イオンが結合しにくくなるため、7~13の範囲であることが好ましく、8~12の範囲であることが特に好ましい。
金属化合物を接触させる際の混合液のpHは特に限定されないが、pHが低いとアニオン性の基に金属イオンが結合しにくくなるため、7~13の範囲であることが好ましく、8~12の範囲であることが特に好ましい。
上記のようにしてセルロース繊維に導入された金属イオンの一部を還元剤などの添加により還元することによって、セルロース繊維の表面上に金属の粒子を部分的に形成させてもよい。還元剤の添加により金属イオン含有セルロース繊維中の金属イオンの一部が還元される。このとき、生成した金属は、セルロース繊維の表面に担持される。同様に生成した近隣の金属同士が一体化し、粒子が形成される。また、セルロース繊維の近傍に存在するものの、セルロース繊維と結合せずに存在していた金属イオンも還元され、セルロース繊維表面の金属と一体化して金属粒子を形成する。
還元方法としては、例えば、水素による気相還元法、および水素化ホウ素ナトリウム水溶液などの還元剤を用いた液相還元法が挙げられる。具体的には、例えば、これに限定されないが、アニオン性の基を有するセルロース繊維を基材の上に塗布して膜を形成させ、この膜と水素や水素化ホウ素ナトリウム水溶液などの還元剤とを接触させる方法が挙げられる。このとき、膜は基材上に固定されたままであってもよいし、基材から剥離された状態であってもよい。また、膜は乾燥した状態であってもよいし、乾燥していない状態であってもよい。
還元によりセルロース繊維上に得られる金属粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡像から求めた場合に1~50nmの範囲にあることが好ましい。具体的に透過型電子顕微鏡像から平均粒子径を求める方法としては、セルロース繊維の透過型電子顕微鏡像を準備し、その像から、複数の金属粒子の一次粒子の円相当径を求め、これらの値を平均して求める方法が挙げられる。
セルロース繊維が金属を含有していることは、強酸を用いたセルロース繊維の抽出液をICP発光分光分析に供することにより確認できる。上記金属がイオンから還元されて金属粒子として存在している場合は、走査型電子顕微鏡像で金属粒子を確認することができる。例えば、ICP発光分光分析で金属を含有していることを確認でき、一方、走査型電子顕微鏡像では金属粒子の存在を確認できない場合には、金属はイオンの形でセルロース繊維に含有されていると判断することができる。また、走査型電子顕微鏡像に元素マッピングを組み合わせることにより、金属イオンの存在を確認することができる。
金属含有セルロース繊維における前記金属のイオン及び/又は粒子の含有量は、合計で10~100mg/gの範囲であることが好ましく、15~80mg/gの範囲であることがさらに好ましく、20~60mg/gの範囲であることが特に好ましい。合計で10mg/g以上であると、消臭機能が得られる。一方、合計で100mg/gを超えると、製造時に金属イオンが溶出し易くなり、排水処理の負荷が大きくなることがある。
<叩解>
金属含有セルロース繊維は、アニオン性の基を導入する前から金属を含有させた後の間の任意の時点で、1回以上の叩解処理を行ってもよい。叩解処理とは、繊維に機械的剪断力を与える処理をいう。叩解処理により、セルロース繊維の一部がフィブリル化し、表面積が増大し、金属を含有させた後の消臭効果をさらに高めることができる。
金属含有セルロース繊維は、アニオン性の基を導入する前から金属を含有させた後の間の任意の時点で、1回以上の叩解処理を行ってもよい。叩解処理とは、繊維に機械的剪断力を与える処理をいう。叩解処理により、セルロース繊維の一部がフィブリル化し、表面積が増大し、金属を含有させた後の消臭効果をさらに高めることができる。
叩解度合いの指標としては、カナダ標準ろ水度(CSF)を用いることができる。具体的には、ろ水度(CSF)は、30~600ml程度であると、適度なフィブリル化により消臭効果が向上し、また、生ごみ処理機内での歩留まりもよいので好ましい。
叩解に用いる装置は特に限定されず、例えば、回転軸を中心として金属または刃物とパルプ繊維を作用させるものや、パルプ繊維同士の摩擦によるものなどを挙げることができ、例えば、リファイナー、ビーター、ニーダー、ディスパーザー、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、各種ミル、石臼型磨砕機等の装置を挙げることができる。叩解に先立って、必要に応じ、例えば、高速せん断ミキサーのような混合、撹拌、乳化、分散に用いられる装置を用いて、予備処理を行ってもよい。
金属含有セルロース繊維は、繊維の少なくとも一部をナノファイバー化したものであってもよい。ナノファイバー化した部位では比表面積が増大し、消臭効果を向上させることができると考えられる。しかし、繊維をナノファイバー化することはコストアップにつながり、また、生ごみ処理機内での歩留まりが低下する可能性があるので、セルロース繊維はナノファイバー化せずに用いることが好ましい。ナノファイバー化とは、セルロース繊維を繊維径が100nm以下となるまで解繊することをいう。ナノファイバー化するための装置としては、叩解に用いるものと同様の装置を用いることができる。
<生ごみ処理機用消臭剤>
上記の金属含有セルロース繊維を用いて本発明の生ごみ処理機用消臭剤を得ることができる。
上記の金属含有セルロース繊維を用いて本発明の生ごみ処理機用消臭剤を得ることができる。
生ごみとは、一般に、野菜、肉、魚等の調理屑や、食べ残した食品、ペットの糞などの、一般に水分を多く含む主に有機物からなるごみを言う。本発明の生ごみ処理機用消臭剤は、生ごみに添加、混合したり、又は生ごみ処理機の内部に貼り付けるなどにより、生ごみから発生し得る臭いを低減させることができる。生ごみから発生し得る臭いには、例えば腐敗による悪臭や、また、そのごみ自体が有する臭い(臭いの強い食品や糞などによる臭い)が含まれる。また、本明細書において「消臭」というときは、臭いを完全に消すことだけではなく、臭いを低減させることも含む。
例えば、後述する実施例に記載するように、生ごみ処理機での生ごみ処理により臭いが発生した後に処理中の生ごみへと本発明の生ごみ処理機用消臭剤を直接添加・混合する場合、生ごみの種類や量などにもよるが、消臭剤を生ごみ処理機に添加した時点の臭気値を100%とした際、添加1時間後の臭気値が好ましくは80%以下となる。より好ましくは添加1時間後の臭気値は70%以下であり、さらに好ましくは60%以下であり、さらに好ましくは50%以下である。なお、ここで、「臭気値」とは、実施例に用いたような臭気計で得られる臭いの強さを数値で表したものである。例えば、実施例で用いたポータブル型ニオイセンサーXP-329III R(新コスモス電機株式会社製)では、「臭気値」は、臭いの強さを0~2000の数値で表したものとして得られる。
本発明の生ごみ処理機用消臭剤は、生ごみ処理機のような多量の生ごみを処理する装置内の生ごみに添加して用いるのに適しており、特に、生ごみを微生物により分解して液化して除去するような、水分の多い環境となりやすいバイオ式の生ごみ処理機に用いるのに適している。バイオ式の生ごみ処理機の微生物の種類は特に限定されず、生ごみ処理に通常用いられる微生物を用いればよい。そのような微生物は市販されている。また、生ごみに付着して処理機内に持ち込まれる微生物にも、生ごみの分解に一定程度寄与するものが含まれると考えられる。微生物は通常、生ごみから持ち込まれるものも考慮すれば、様々な種類の微生物からなる微生物群であり、微生物群には、例えば、これらに限定されないが、枯草菌、乳酸菌、放線菌、大腸菌などの細菌や、酵母、カビ、担子菌などの菌類など、複数の種類の微生物が含まれ得ると考えられる。
本発明の生ごみ処理機用消臭剤は、消臭成分である金属がセルロース繊維に結合しているため、セルロース繊維を含まず消臭成分のみの場合と比較して、水分が多い環境下でも消臭成分が流出しにくく、十分な消臭効果を発揮することができる。また、微生物による生ごみの分解に悪影響を与えない量で十分な消臭効果を発揮することができる。また、臭気の源である生ごみに直接添加及び混合することができ、効果的な消臭を行うことができる。あるいは、シート状に成形するなどして生ごみ処理機の内部に貼り付けたり、またはカートリッジのような容器に入れてから処理機の内部に取り付けるなどして用いることができ、この場合には消臭成分の流出をさらに低減させることができる。
本発明の生ごみ処理機用消臭剤は、上記のバイオ式の生ごみ処理機だけではなく、熱で生ごみを乾燥させて減量する乾燥式の生ごみ処理機にも用いることができる。
生ごみ処理機用消臭剤は、金属含有セルロース繊維のみからなっていてもよいし、必要に応じて金属含有セルロース繊維以外の材を含んでいてもよい。金属含有セルロース繊維のみからなる場合、水分を含む湿潤状態であってもよいし、乾燥した状態であってもよい。形態としては、湿潤または乾燥した粗大なパルプ状であってもよい。そのような粗大なパルプ状の繊維としては、例えば、これに限定されないが、平均繊維径が1~100μm程度、平均繊維長が0.01~10mm程度のものを挙げることができる。バイオ式の生ごみ処理機には通常、生ごみから出る水分を排水するための網状のスリットが設けられているが、生ごみ処理機用消臭剤が粗大なパルプ状である場合、パルプ同士が絡まり合うことなどにより、生ごみ処理機用消臭剤を生ごみに直接添加、混合した場合であっても、消臭剤がフィルターから抜け出ることを一定程度防止することができる。また、湿潤した粗大なパルプ状の金属含有セルロース繊維からなる生ごみ処理機用消臭剤としては、上述の製法で製造して適度に脱水した形態の金属含有セルロース繊維をそのまま用いることができるため、加工コストを削減できるという利点も得られる。湿潤したパルプ状の場合のように、生ごみ処理機用消臭剤が水分を含む場合には、生ごみ処理機用消臭剤の固形分(水分以外の量)は、5質量%以上であることが好ましく、7~95質量%程度であることがより好ましく、10~90質量%程度がさらに好ましい。
生ごみ処理機用消臭剤は、金属含有セルロース繊維のみからなっていてもよいし、必要に応じて金属含有セルロース繊維以外の材を含んでいてもよい。金属含有セルロース繊維のみからなる場合、水分を含む湿潤状態であってもよいし、乾燥した状態であってもよい。形態としては、湿潤または乾燥した粗大なパルプ状であってもよい。そのような粗大なパルプ状の繊維としては、例えば、これに限定されないが、平均繊維径が1~100μm程度、平均繊維長が0.01~10mm程度のものを挙げることができる。バイオ式の生ごみ処理機には通常、生ごみから出る水分を排水するための網状のスリットが設けられているが、生ごみ処理機用消臭剤が粗大なパルプ状である場合、パルプ同士が絡まり合うことなどにより、生ごみ処理機用消臭剤を生ごみに直接添加、混合した場合であっても、消臭剤がフィルターから抜け出ることを一定程度防止することができる。また、湿潤した粗大なパルプ状の金属含有セルロース繊維からなる生ごみ処理機用消臭剤としては、上述の製法で製造して適度に脱水した形態の金属含有セルロース繊維をそのまま用いることができるため、加工コストを削減できるという利点も得られる。湿潤したパルプ状の場合のように、生ごみ処理機用消臭剤が水分を含む場合には、生ごみ処理機用消臭剤の固形分(水分以外の量)は、5質量%以上であることが好ましく、7~95質量%程度であることがより好ましく、10~90質量%程度がさらに好ましい。
生ごみ処理機用消臭剤に金属含有セルロース繊維以外の材を含ませる場合、そのような材としては、例えば、これらに限定されないが、生ごみ分解用微生物の他、脱臭剤、芳香剤、保形材等を挙げることができる。生ごみ処理機用消臭剤に金属含有セルロース繊維以外の材を含ませる場合、生ごみ処理機用消臭剤の固形分における金属含有セルロース繊維(固形分)の割合は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
上述の通り、生ごみ処理機用消臭剤は、湿潤または乾燥した粗大なパルプ状であってもよいが、これに限られず、公知の方法を用いて、シート状、顆粒状などの各種形状に加工してもよい。
シート状に加工する場合には、例えば、上述した湿潤パルプ状の消臭剤、またはこれに金属含有セルロース繊維以外の材を混合したものを吐出し、圧力や熱を加えることにより脱水してシート化してもよいし、乾燥した状態のものを吐出して圧力を加えるなどしてシート化してもよい。また、通常の紙シートと同様に、抄紙することでシートを製造することもできる。抄紙には長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、円網式抄紙機等の公知の抄紙機を用いることができ、その抄紙条件も限定されない。湿潤パルプ状の消臭剤に混合することができる金属含有セルロース繊維以外の材は、特に限定されず、脱臭剤、芳香剤、保形材等を挙げることができる。また、上述のセルロース繊維の原料の欄で列挙したパルプ等のセルロース繊維を混合してもよい。これらの金属含有セルロース繊維以外の材は、乾燥質量基準で、混合物中で0~99質量%程度の割合で混合することができる。シート状に加工する場合には、パルプを乾燥質量基準で50~99質量%程度の割合で混合してもよく、より好ましくは60~99質量%程度であり、70~99質量%程度である。
シート状に加工した生ごみ処理機用消臭剤は、例えば、これに限定されないが、生ごみ処理機の内部、例えば蓋部の内側や内部の側壁に貼り付けるなどして用いることができる。この場合、シート状に加工した消臭剤の片面の一部又は全体に、公知の粘着剤などを用いて貼り付け用の粘着層を設けてもよい。粘着剤は、水分の多い状況下でも粘着力が低下しにくい耐水性のものを用いることが好ましい。
上述した湿潤または乾燥した粗大なパルプ状の生ごみ処理機用消臭剤あるいはシート状に加工した消臭剤を、生ごみ処理機の大きさに応じて設定された適度な大きさを有するカートリッジのような容器内に収納してから容器を生ごみ処理機の内部に取り付けてもよい。容器の取り付けには、貼り付ける、ねじなどで止める、生ごみ処理機内部に予め容器設置用の部材を取り付けておく、など、公知の方法を用いることができる。容器の材質は特に限定されない。容器は使用後に内部の消臭剤を入れ替え可能なように、生ごみ処理機から取り外し可能で、また、開閉可能な蓋を有するものであってもよい。あるいは、使用後の容器は処理機から取り外し、新たな消臭剤を含む容器を取り付けるように設計されていてもよい。容器は、内部の消臭剤が脱落しない程度のスリット又は網目状の開口部を有していてもよい。
本発明の生ごみ処理機用消臭剤を生ごみ処理機内に用いるタイミングは特に限定されない。例えば、これらに限定されないが、生ごみからの臭気を感知した際に逐次用いてもよいし、臭気発生の予防のために生ごみを処理機内に投入する際に用いてもよいし、生ごみを投入する前に生ごみ処理機の内部に予め貼り付けるなどしてもよい。
生ごみ処理機用消臭剤の使用量は、生ごみの種類や量、生ごみ処理機用消臭剤中の金属含有セルロース繊維の割合、消臭剤の形態、また、臭気の発生量または発生見込などに応じて適宜変更すればよく、特に限定されない。例えば、これに限定されないが、生ごみ1kgに対する生ごみ処理機用消臭剤の使用量は0.001~0.50kg程度であり、好ましくは0.01~0.30kg程度が目安となると考えられる。また、別の目安としては、例えば、これに限定されないが、生ごみ1kgに対する消臭剤中のAg、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn、及びCuから選択される1種以上の金属元素の含有量が0.005~1.00g程度であり、好ましくは0.01~0.50g程度であると考えられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<カルボキシレート基を含有するセルロース繊維の製造>
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)500g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)1.95g(絶乾1gのセルロースに対し0.025mmol)と臭化ナトリウム51.4g(絶乾1gのセルロースに対し1.0mmol)を溶解した水溶液50Lに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を次亜塩素酸ナトリウムがセルロースに対して5.5mmol/gになるように添加し、室温にて酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の生成物をガラスフィルターで濾過した後、十分な量の水での洗浄と濾過を2回繰り返すことにより、固形分が10質量%であり、水分を含む、カルボキシレート基を含有するセルロース繊維を得た。酸化反応に要した時間は120分、カルボキシル基量は、1.4mmol/gであった。
<カルボキシレート基を含有するセルロース繊維の製造>
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)500g(絶乾)をTEMPO(Sigma Aldrich社)1.95g(絶乾1gのセルロースに対し0.025mmol)と臭化ナトリウム51.4g(絶乾1gのセルロースに対し1.0mmol)を溶解した水溶液50Lに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を次亜塩素酸ナトリウムがセルロースに対して5.5mmol/gになるように添加し、室温にて酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の生成物をガラスフィルターで濾過した後、十分な量の水での洗浄と濾過を2回繰り返すことにより、固形分が10質量%であり、水分を含む、カルボキシレート基を含有するセルロース繊維を得た。酸化反応に要した時間は120分、カルボキシル基量は、1.4mmol/gであった。
<金属含有セルロース繊維の製造>
前記の製造で得られたセルロース繊維に水を加えて、固形分が2質量%の分散液を作成し、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを10.0に調整した後、CuCl2(和光純薬工業株式会社製)を上記のセルロース繊維に対して1.0mmol/gの濃度となるように撹拌しながら加え、さらに30分間撹拌することにより、上記のセルロース繊維にCuイオンを含有させた。次いで、十分な量の水での洗浄と濾過を2回繰り返すことにより、未反応の金属塩を除去し、固形分が13質量%であり、水分を含む、Cuイオン含有セルロース繊維を得た。上記のセルロース繊維に対するCuイオンの含有量は、43.2mg/gであった。
前記の製造で得られたセルロース繊維に水を加えて、固形分が2質量%の分散液を作成し、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを10.0に調整した後、CuCl2(和光純薬工業株式会社製)を上記のセルロース繊維に対して1.0mmol/gの濃度となるように撹拌しながら加え、さらに30分間撹拌することにより、上記のセルロース繊維にCuイオンを含有させた。次いで、十分な量の水での洗浄と濾過を2回繰り返すことにより、未反応の金属塩を除去し、固形分が13質量%であり、水分を含む、Cuイオン含有セルロース繊維を得た。上記のセルロース繊維に対するCuイオンの含有量は、43.2mg/gであった。
<生ごみ処理機内での消臭試験>
(実施例1)
バイオ式の生ごみ処理機(ケーアイ工業株式会社製、Gomi Magic(登録商標)ST-30)に、生ごみ分解用の菌を担持したバイオチップ(ケーアイ工業株式会社製)と、15kgの皮つきの玉ねぎ(カットしていないもの)を投入し、処理機を稼働させて生ごみ(玉ねぎ)の処理を開始した。玉ねぎの投入後3時間経過したときに、上記で得られた金属含有セルロース繊維(湿潤パルプの状態、固形分:約13質量%)1kg(Cuイオンの含有量5.62g)を処理機内に投入し、臭気計(新コスモス電機株式会社製、ポータブル型ニオイセンサーXP-329III R)を用いて、処理機内の臭気値を測定した。以降、玉ねぎを投入してから4、5、6、7、8、及び24時間後に同様にして臭気値を測定した。なお、上記の臭気計で得られる「臭気値」は、臭いの強さを0~2000の数値で表したものである。玉ねぎ投入後3時間経過したときの臭気値(すなわち、金属含有セルロース繊維投入時の臭気値)の測定値を100.0とした際の、玉ねぎ投入後4、5、6、7、8、及び24時間後(すなわち、金属含有セルロース繊維投入後1、2、3、4、5、及び21時間後)の各臭気値の割合(臭気値の相対値)を求めた。結果を図1のグラフに示す。図1において黒丸が実施例1の結果である。
(実施例1)
バイオ式の生ごみ処理機(ケーアイ工業株式会社製、Gomi Magic(登録商標)ST-30)に、生ごみ分解用の菌を担持したバイオチップ(ケーアイ工業株式会社製)と、15kgの皮つきの玉ねぎ(カットしていないもの)を投入し、処理機を稼働させて生ごみ(玉ねぎ)の処理を開始した。玉ねぎの投入後3時間経過したときに、上記で得られた金属含有セルロース繊維(湿潤パルプの状態、固形分:約13質量%)1kg(Cuイオンの含有量5.62g)を処理機内に投入し、臭気計(新コスモス電機株式会社製、ポータブル型ニオイセンサーXP-329III R)を用いて、処理機内の臭気値を測定した。以降、玉ねぎを投入してから4、5、6、7、8、及び24時間後に同様にして臭気値を測定した。なお、上記の臭気計で得られる「臭気値」は、臭いの強さを0~2000の数値で表したものである。玉ねぎ投入後3時間経過したときの臭気値(すなわち、金属含有セルロース繊維投入時の臭気値)の測定値を100.0とした際の、玉ねぎ投入後4、5、6、7、8、及び24時間後(すなわち、金属含有セルロース繊維投入後1、2、3、4、5、及び21時間後)の各臭気値の割合(臭気値の相対値)を求めた。結果を図1のグラフに示す。図1において黒丸が実施例1の結果である。
(比較例1)
金属含有セルロース繊維を投入しなかった以外は、実施例1と同様にして、玉ねぎを投入してから3、4、5、6、7、8、9、及び24時間後の臭気値を測定し、玉ねぎ投入後3時間経過したときの臭気値の測定値を100.0とした際の、玉ねぎ投入後4、5、6、7、8、9、及び24時間後の各臭気値の割合を求めた。結果を図1のグラフに示す。図1において白抜きの丸が比較例1の結果である。
金属含有セルロース繊維を投入しなかった以外は、実施例1と同様にして、玉ねぎを投入してから3、4、5、6、7、8、9、及び24時間後の臭気値を測定し、玉ねぎ投入後3時間経過したときの臭気値の測定値を100.0とした際の、玉ねぎ投入後4、5、6、7、8、9、及び24時間後の各臭気値の割合を求めた。結果を図1のグラフに示す。図1において白抜きの丸が比較例1の結果である。
図1より、生ごみ処理機内に金属含有セルロース繊維を投入することにより、金属含有セルロース繊維を投入しない場合に比べて、生ごみ処理機内の臭いが迅速に低減することがわかる。
(実施例2)
上記で得られた金属含有セルロース繊維と針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)とを離解し、乾燥質量比で8.6:91.4の割合となるように混合した後抄紙して坪量100g/m2程度のシート状の生ごみ処理機用消臭剤を製造した。このシートを57mm×17m程度の長方形に切り抜いてから折り畳み、装置内部と同じ材質で80mm×140mm×30mmの大きさの有孔カートリッジ2個にそれぞれ収納した。カートリッジに収納されたシート状の生ごみ処理機用消臭剤におけるCuイオンの含有量は、0.68gである。バイオ式の生ごみ処理機(ケーアイ工業株式会社製、Gomi Magic(登録商標)ST-30)の内部の側壁上方(ごみを投入した際にごみと直接に接触しないところ)に予め、カートリッジを取り付けるためのブラケットを溶接により設けた。生ごみ処理機に、生ごみ分解用の菌を担持したバイオチップ(ケーアイ工業株式会社製)と、15kgの皮つきの玉ねぎ(カットしていないもの)を投入し、処理機を稼働させて生ごみ(玉ねぎ)の処理を開始した。玉ねぎの投入後3時間経過したときに、生ごみ処理機用消臭剤を収納したカートリッジを生ごみ処理機の内部側壁のブラケット部に取り付け、臭気計(新コスモス電機株式会社製、ポータブル型ニオイセンサーXP-329III R)を用いて、実施例1と同様にして処理機内の臭気値を測定した。以降、玉ねぎを投入してから4、8、及び24時間後に同様にして臭気値を測定した。玉ねぎ投入後3時間経過したときの臭気値(すなわち、金属含有セルロース繊維投入時の臭気値)の測定値を100.0とした際の、玉ねぎ投入後4、8、及び24時間後(すなわち、金属含有セルロース繊維投入後1、5、及び21時間後)の各臭気値の割合(臭気値の相対値)を求めた。実施例2の結果を、比較例1の結果とともに図2のグラフに示す。図2において黒丸が実施例2の結果であり、白抜きの丸が比較例1の結果である。
上記で得られた金属含有セルロース繊維と針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)とを離解し、乾燥質量比で8.6:91.4の割合となるように混合した後抄紙して坪量100g/m2程度のシート状の生ごみ処理機用消臭剤を製造した。このシートを57mm×17m程度の長方形に切り抜いてから折り畳み、装置内部と同じ材質で80mm×140mm×30mmの大きさの有孔カートリッジ2個にそれぞれ収納した。カートリッジに収納されたシート状の生ごみ処理機用消臭剤におけるCuイオンの含有量は、0.68gである。バイオ式の生ごみ処理機(ケーアイ工業株式会社製、Gomi Magic(登録商標)ST-30)の内部の側壁上方(ごみを投入した際にごみと直接に接触しないところ)に予め、カートリッジを取り付けるためのブラケットを溶接により設けた。生ごみ処理機に、生ごみ分解用の菌を担持したバイオチップ(ケーアイ工業株式会社製)と、15kgの皮つきの玉ねぎ(カットしていないもの)を投入し、処理機を稼働させて生ごみ(玉ねぎ)の処理を開始した。玉ねぎの投入後3時間経過したときに、生ごみ処理機用消臭剤を収納したカートリッジを生ごみ処理機の内部側壁のブラケット部に取り付け、臭気計(新コスモス電機株式会社製、ポータブル型ニオイセンサーXP-329III R)を用いて、実施例1と同様にして処理機内の臭気値を測定した。以降、玉ねぎを投入してから4、8、及び24時間後に同様にして臭気値を測定した。玉ねぎ投入後3時間経過したときの臭気値(すなわち、金属含有セルロース繊維投入時の臭気値)の測定値を100.0とした際の、玉ねぎ投入後4、8、及び24時間後(すなわち、金属含有セルロース繊維投入後1、5、及び21時間後)の各臭気値の割合(臭気値の相対値)を求めた。実施例2の結果を、比較例1の結果とともに図2のグラフに示す。図2において黒丸が実施例2の結果であり、白抜きの丸が比較例1の結果である。
図2より、金属含有セルロース繊維を含むシート状の生ごみ処理機用消臭剤を収納したカートリッジを生ごみ処理機内に設置することにより、金属含有セルロース繊維を投入しない場合に比べて、生ごみ処理機内の臭いが迅速に低減することがわかる。
また、実施例2において、生ごみ処理機からの排水を玉ねぎを投入してから3、8、24時間後の時点で採取し、排水中のCuの含有量をJIS K 0102に従い発光分光分析法(ICP)により測定した。その結果、排水中のCuの含有量はいずれの時点においても0.08ppm以下であった。これは、環境省が定める銅の一般排水基準における3mg/L(3ppm)以下を十分に満たす値であった。
Claims (6)
- Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Mn、Fe、Ti、Al、Zn、及びCuから選択される1種以上の金属元素のイオン及び/又は粒子を含有するセルロース繊維を含む、生ごみ処理機用消臭剤。
- 前記セルロース繊維の少なくとも一部が表面にカルボキシル基又はカルボキシレート基を含有するセルロース繊維である、請求項1に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
- 微生物を用いて生ごみを分解する生ごみ処理機に用いるための請求項1または2に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
- 生ごみ処理機の内部に直接貼り付けるか、または容器に入れてから生ごみ処理機の内部に該容器を取り付けて用いるための請求項1または2に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
- シート状の形状である請求項1または2に記載の生ごみ処理機用消臭剤。
- 請求項1または2に記載の生ごみ処理機用消臭剤をその内部に収納してなる生ごみ処理機の内部に取り付けて用いるための生ごみ処理機用消臭剤収納容器。
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2022
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