JP2022521847A - 構造用接着剤組成物の硬化性前駆体 - Google Patents
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Abstract
Description
a)カチオン自己重合性モノマーと、
b)温度T1で開始される、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤と、
c)カチオン自己重合性モノマーとは異なる硬化性モノマーと、
d)温度T2で開始され、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤とは異なる硬化性モノマーの硬化開始剤と、
e)チキソトロープ剤と、を含む、硬化性前駆体に関する。
a)カチオン自己重合性モノマーを含む重合性材料の自己重合反応生成物を含むポリマー材料と、
b)任意に、温度T1で開始される、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤の、いくらかの残留物と、
c)カチオン自己重合性モノマーとは異なる硬化性モノマーと、
d)温度T2で開始され、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤とは異なる硬化性モノマーの硬化開始剤と、
e)チキソトロープ剤と、を含み、
硬化性モノマーが実質的に未硬化である、構造用接着剤組成物の部分的に硬化した前駆体を目的とする。
a)上記のような硬化性前駆体又は部分的に硬化した前駆体を、2つの部品のうちの少なくとも1つの表面に適用する工程、
b)硬化性前駆体又は部分的に硬化した前駆体(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物が2つの部品の間に位置するように、2つの部品を接合する工程、
c)任意に、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤を開始させることによって、工程a)に従って硬化性前駆体を部分的に硬化させ、それにより、カチオン自己重合性モノマーの自己重合反応生成物から生じたポリマー材料を含む部分的に硬化した前駆体を形成する工程、及び/又は
d)カチオン硬化性モノマーの硬化開始剤を開始させることによって、工程a)又はc)の部分的に硬化した前駆体を実質的に完全に硬化させ、それにより、実質的に完全に硬化した(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物を得て、2つの部品を結合させる工程、を含む、2つの部品を結合させる方法が提供される。
a)カチオン自己重合性モノマーと、
b)温度T1で開始される、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤と、
c)カチオン自己重合性モノマーとは異なる硬化性モノマーと、
d)温度T2で開始され、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤とは異なる硬化性モノマーの硬化開始剤と、
e)チキソトロープ剤と、を含む、硬化性前駆体に関する。
R1は、共有結合又はアルキレン基であり、
各R2は、アルキレン基からなる群から独立して選択され、
R3は、直鎖又は分枝鎖アルキレン基であり、
Yは、二価結合基であり、
nは、ポリエーテルオリゴマーの計算された数平均分子量が、特に2000g/molを超えるように選択される整数である]を有する。
R1は、アルキレン基であり、
各R2は、2~6個の炭素原子を有するアルキレン基からなる群から独立して選択され、
nは、ポリエーテルオリゴマーの計算された数平均分子量が、特に2000~10,000g/molであるように選択される整数である]を有する。
a)0.1~20重量%、0.5~15重量%、0.5~10重量%、又は更には1~5重量%のカチオン自己重合性モノマーと、
b)10~80重量%、20~70重量%、又は更には20~60重量%の硬化性モノマーと、
c)0.01~10重量%、0.02~8重量%、0.05~5重量%、0.1~3重量%、又は更には0.2~2重量%のカチオン自己重合性モノマーの重合開始剤と、
d)0.1~20重量%、0.2~15重量%、0.2~10重量%、0.5~8重量%、又は更には1~6重量%の硬化性モノマーの硬化開始剤と、
e)0.05~20重量%、0.1~15重量%、0.5~10重量%、0.5~8重量%、1~6重量%、又は更には1~5重量%のチキソトロープ剤と、
f)0~60重量%、1~50重量%、1~40重量%、2~30重量%、5~30重量%、5~20重量%、又は更には8~15重量%の第2の硬化性モノマーと、
g)0~20重量%、0.2~15重量%、0.2~10重量%、0.5~8重量%、又は更には1~5重量%の熱可塑性樹脂と、
h)0~20重量%、0.05~15重量%、0.1~10重量%、0.5~8重量%、又は更には0.5~5重量%の硬化性モノマーの硬化促進剤と、
i)任意に、強靭化剤(toughening agent)と、を含む。
a)第1の部分が、
i.カチオン自己重合性モノマーと、
ii.硬化性モノマーの硬化開始剤と、を含み、
b)第2の部分が、
i.硬化性モノマーと、
ii.カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤と、を含み、
二剤型(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物は、第1の部分、第2の部分、又は両方の部分のいずれかにチキソトロープ剤を更に含み、第1の部分及び第2の部分は、2つの部分を組み合わせて構造用接着剤組成物を形成する前に分離状態を保たれている。
a)カチオン自己重合性モノマーを含む重合性材料の自己重合反応生成物を含むポリマー材料と、
b)任意に、温度T1で開始される、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤の、いくらかの残留物と、
c)カチオン自己重合性モノマーとは異なる硬化性モノマーと、
d)温度T2で開始され、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤とは異なる硬化性モノマーの硬化開始剤と、
e)チキソトロープ剤と、を含み、
硬化性モノマーが実質的に未硬化である、構造用接着剤組成物の部分的に硬化した前駆体を目的とする。
a)上記の構造用接着剤組成物の硬化性前駆体と、
b)構造用接着剤組成物の硬化性前駆体を押し出すのに好適な幾何学的形状の押出凹部を備えたアプリケータノズルを備える、適用デバイスと、を含む。
a)上記のような硬化性前駆体を提供する工程と、
b)カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤を開始させることによって、工程a)の硬化性前駆体を部分的に硬化させ、それにより、カチオン自己重合性モノマーの自己重合反応生成物から生じたポリマー材料を含む部分的に硬化した前駆体を形成する工程と、
c)硬化性モノマーの硬化開始剤を開始させることによって、工程b)の部分的に硬化した前駆体を実質的に完全に硬化させ、それにより、実質的に完全に硬化した(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物を得る工程と、を含む、製造方法を提供する。
a)上記のような硬化性前駆体又は部分的に硬化した前駆体を、2つの部品のうちの少なくとも1つの表面に適用する工程、
b)硬化性前駆体又は部分的に硬化した前駆体(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物が2つの部品の間に位置するように、2つの部品を接合する工程、
c)任意に、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤を開始させることによって、工程a)に従って硬化性前駆体を部分的に硬化させ、それにより、カチオン自己重合性モノマーの自己重合反応生成物から生じたポリマー材料を含む部分的に硬化した前駆体を形成する工程、及び/又は
d)カチオン硬化性モノマーの硬化開始剤を開始させることによって、工程a)又はc)の部分的に硬化した前駆体を実質的に完全に硬化させ、それにより、実質的に完全に硬化した(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物を得て、2つの部品を結合させる工程、を含む。
- 部分的に硬化した前駆体が、細長いフィルムの形態に成形され、
- 部分的に硬化した前駆体フィルムが、当該前駆体フィルムの第1の端部付近の第1の部分と、当該前駆体フィルムの第1の端部の反対側の第2の端部付近の第2の部分と、を有し、
- 第1の金属材料部品又は複合材料部品が、第1の本体部分と、当該第1の本体部分の第1の端部に隣接する当該第1の本体部分の縁に沿う第1のフランジ部分と、を有する第1の金属材料パネル又は複合材料パネルを含み、
- 第2の金属材料部品又は複合材料部品が、第2の本体部分と、当該第2の本体部分の第2の端部に隣接する当該第2の本体部分の縁に沿う第2のフランジ部分と、を有する第2の金属材料パネル又は複合材料パネルを含み、
方法が、
a)部分的に硬化した前駆体フィルムを当該第1の金属材料パネル又は複合材料パネル又は第2の金属材料パネル又は複合材料パネルに固着させ、それにより、固着及び折り畳み後に、部分的に硬化した前駆体フィルムが、
i.部分的に硬化した前駆体フィルムの第1の部分が、第2の金属材料パネル又は複合材料パネルの第2のフランジと第1の金属材料パネル又は複合材料パネルの第1の本体部分との間に設けられように、及び
ii.部分的に硬化した前駆体フィルムの第2の部分が、第1の金属材料パネル又は複合材料パネルの第1のフランジと第2の金属材料パネル又は複合材料パネルの第2の本体部分との間に設けられるように、折り畳まれている金属材料接合部又は複合材料接合部が得られる工程と、
b)カチオン硬化性モノマーの硬化開始剤を開始させることによって、部分的に硬化した前駆体を実質的に完全に硬化させ、それにより、実質的に完全に硬化した(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物を得て、金属材料接合部又は複合材料接合部を結合させる工程と、を含む。
a)カチオン自己重合性モノマーと、
b)温度T1で開始される、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤と、
c)カチオン自己重合性モノマーとは異なる硬化性モノマーと、
d)温度T2で開始され、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤とは異なる硬化性モノマーの硬化開始剤と、
e)チキソトロープ剤と、を含む、硬化性前駆体である。
R1は、共有結合又はアルキレン基であり、
各R2は、アルキレン基からなる群から独立して選択され、
R3は、直鎖又は分枝鎖アルキレン基であり、
Yは、二価結合基であり、
nは、ポリエーテルオリゴマーの計算された数平均分子量が、特に2000g/molを超えるように選択される整数である]を有する、項目1~19のいずれか一項に記載の硬化性前駆体である。
R1は、アルキレン基であり、
各R2は、2~6個の炭素原子を有するアルキレン基からなる群から独立して選択され、
nは、ポリエーテルオリゴマーの計算された数平均分子量が、特に2000~10,000g/molであるように選択される整数である]を有する、項目1~20のいずれか一項に記載の硬化性前駆体である。
a)0.1~20重量%、0.5~15重量%、0.5~10重量%、又は更には1~5重量%のカチオン自己重合性モノマーと、
b)10~80重量%、20~70重量%、又は更には20~60重量%の硬化性モノマーと、
c)0.01~10重量%、0.02~8重量%、0.05~5重量%、0.1~3重量%、又は更には0.2~2重量%のカチオン自己重合性モノマーの重合開始剤と、
d)0.1~20重量%、0.2~15重量%、0.2~10重量%、0.5~8重量%、又は更には1~6重量%の硬化性モノマーの硬化開始剤と、
e)0.05~20重量%、0.1~15重量%、0.5~10重量%、0.5~8重量%、1~6重量%、又は更には1~5重量%のチキソトロープ剤と、
f)0~60重量%、1~50重量%、1~40重量%、2~30重量%、5~30重量%、5~20重量%、又は更には8~15重量%の第2の硬化性モノマーと、
g)0~20重量%、0.2~15重量%、0.2~10重量%、0.5~8重量%、又は更には1~5重量%の熱可塑性樹脂と、
h)0~20重量%、0.05~15重量%、0.1~10重量%、0.5~8重量%、又は更には0.5~5重量%の硬化性モノマーの硬化促進剤と、
i)任意に、強靭化剤と、を含む、項目1~64のいずれか一項に記載の硬化性前駆体である。
a)第1の部分が、
i.カチオン自己重合性モノマーと、
ii.硬化性モノマーの硬化開始剤と、を含み、
b)第2の部分が、
i.硬化性モノマーと、
ii.カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤と、を含み、
二剤型(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物が、第1の部分、第2の部分、又は両方の部分のいずれかにチキソトロープ剤を更に含み、第1の部分及び第2の部分が、2つの部分を組み合わせて(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物を形成する前に分離状態を保たれている、項目1~67のいずれか一項に記載の硬化性前駆体である。
a)カチオン自己重合性モノマーを含む重合性材料の自己重合反応生成物を含むポリマー材料と、
b)任意に、温度T1で開始される、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤の、いくらかの残留物と、
c)カチオン自己重合性モノマーとは異なる硬化性モノマーと、
d)温度T2で開始され、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤とは異なる硬化性モノマーの硬化開始剤と、
e)チキソトロープ剤と、を含み、
硬化性モノマーが実質的に未硬化であり、特に、カチオン自己重合性モノマーを含む重合性材料の自己重合反応生成物を含むポリマー材料中に埋め込まれている、(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物の部分的に硬化した前駆体である。
a)項目1~68のいずれか一項に記載の(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物の硬化性前駆体と、
b)(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物の硬化性前駆体を押し出すのに好適な幾何学的形状の押出凹部を備えたアプリケータノズルを備える、適用デバイスと、を含む、パーツキットである。
a)項目1~68のいずれか一項に記載の硬化性前駆体を提供する工程と、
b)カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤を開始させることによって、工程a)の硬化性前駆体を部分的に硬化させ、それにより、カチオン自己重合性モノマーの自己重合反応生成物から生じたポリマー材料を含む部分的に硬化した前駆体を形成する工程と、
c)硬化性モノマーの硬化開始剤を開始させることによって、工程b)の部分的に硬化した前駆体を実質的に完全に硬化させ、それにより、実質的に完全に硬化した(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物を得る工程と、を含む、製造方法である。
a)項目1~81のいずれか一項に記載の硬化性前駆体又は部分的に硬化した前駆体を、2つの部品のうちの少なくとも1つの表面に適用する工程、
b)硬化性前駆体又は部分的に硬化した前駆体(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物が2つの部品の間に位置するように、2つの部品を接合する工程、
c)任意に、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤を開始させることによって、工程a)に従って硬化性前駆体を部分的に硬化させ、それにより、カチオン自己重合性モノマーの自己重合反応生成物から生じたポリマー材料を含む部分的に硬化した前駆体を形成する工程、及び/又は
d)カチオン硬化性モノマーの硬化開始剤を開始させることによって、工程a)又はc)の部分的に硬化した前駆体を実質的に完全に硬化させ、それにより、実質的に完全に硬化した(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物を得て、2つの部品を結合させる工程と、を含む、項目91に記載の2つの部品を結合させる方法である。
- 部分的に硬化した前駆体が、細長いフィルムの形態に成形され、
- 部分的に硬化した前駆体フィルムが、当該前駆体フィルムの第1の端部付近の第1の部分と、当該前駆体フィルムの第1の端部の反対側の第2の端部付近の第2の部分と、を有し、
- 第1の金属材料部品又は複合材料部品が、第1の本体部分と、当該第1の本体部分の第1の端部に隣接する当該第1の本体部分の縁に沿う第1のフランジ部分と、を有する第1の金属材料パネル又は複合材料パネルを含み、
- 第2の金属材料部品又は複合材料部品が、第2の本体部分と、当該第2の本体部分の第2の端部に隣接する当該第2の本体部分の縁に沿う第2のフランジ部分と、を有する第2の金属材料パネル又は複合材料パネルを含み、
当該方法が、
a)部分的に硬化した前駆体フィルムを当該第1の金属材料パネル又は複合材料パネル又は第2の金属材料パネル又は複合材料パネルに固着させ、それにより、固着及び折り畳み後に、部分的に硬化した前駆体フィルムが、
i.部分的に硬化した前駆体フィルムの第1の部分が、第2の金属材料パネル又は複合材料パネルの第2のフランジと第1の金属材料パネル又は複合材料パネルの第1の本体部分との間に設けられように、及び
ii.部分的に硬化した前駆体フィルムの第2の部分が、第1の金属材料パネル又は複合材料パネルの第1のフランジと第2の金属材料パネル又は複合材料パネルの第2の本体部分との間に設けられるように、折り畳まれている金属材料接合部又は複合材料接合部が得られる工程と、
b)カチオン硬化性モノマーの硬化開始剤を開始させることによって、部分的に硬化した前駆体を実質的に完全に硬化させ、それにより、実質的に完全に硬化した(ハイブリッド型)構造用接着剤組成物を得て、金属材料接合部又は複合材料接合部を結合させる工程と、を含む、項目93に記載の方法である。
試験用配合物の調製:
硬化性前駆体組成物は、2つの成分(B剤及びA剤)の押出混合物から調製される。A剤及びB剤の両方の調製を、以下に記載する。A剤及びB剤を適切な混合比でビーカー内に秤量し、均質な混合物が得られるまで3500rpmで0.5分間混合する。この工程が完了するとすぐに、混合は、第1の反応工程(B段階反応工程)を開始し、30~60分の範囲の時間内に部分的に硬化した前駆体が得られる。オープンタイム内で、得られたペーストを試験パネルの表面に適用して、以下に指定される方法で更に試験する。
OLS及びT型剥離サンプルの表面(鋼、グレードDX54+ZMB-RL1615)をn-ヘプタンで洗浄する。試験サンプルは、試験前に、周囲室温(23℃±2℃、50%の相対湿度±5%))で24時間放置し、OLS及びT型剥離強度を上記のように測定する。
重なり剪断強度は、10mm/分のクロスヘッド速度で動作するZwick Z050引張試験機(Zwick GmbH & Co.KG,Ulm,Germanyにより市販されている)を使用して、DIN EN 1465に従って測定される。重なり剪断強度試験アセンブリの調製のために、A剤とB剤との混合から生じるペーストを試験パネルの1つの表面上に重ね、スキージで除去して、300μmの厚さを有する画定された層を与える。次いで、サンプルを室温で12時間保管して、予備硬化前駆体への完全な変換を確実にする。その後、13mmの重なり接合部を形成する第2の鋼ストリップによってサンプルを被覆する。次いで、2つのバインダークリップを使用して重なり接合部を一緒にクランプし、試験アセンブリを、結合後に更に室温で4時間保管し、次いで、180℃で30分間、空気循環オーブンに入れる。翌日、サンプルを直接試験するか、又は老化を受けさせた後に試験する。実施例のそれぞれについて5つのサンプルを測定し、結果を平均して、MPaで報告する。
T型剥離強度は、100mm/分のクロスヘッド速度で動作するZwick Z050引張試験機(Zwick GmbH & Co.KG,Ulm,Germanyにより市販されている)を使用して、DIN EN ISO 11339に従って測定される。T型剥離強度試験アセンブリの調製のために、A剤とB剤との混合から生じたペーストを、ニードルキャップを有さない注射器内に配置し、T型剥離試験パネルの中央にビーズを押し出すことによって第1の表面に直接適用する。次いで、第2の試験パネル表面を、予め硬化された前駆体状態への変換を待つことなく、すぐに100mmの重なり接合部を形成する第1の試験パネル表面に結合させる。ガラスビーズを配合物に含めることにより、表面を共に押圧することによって、層の適切な厚さ(0.3mm)に達することを確実にする。絞り出し接着剤を除去した後、サンプルをクランプで固定し、最初に室温で12時間保管し、次いで、180℃で30分間空気循環オーブンに入れる。翌日、サンプルを直接試験するか、又は老化を受けさせた後に試験する。実施例のそれぞれについて3つのサンプルを測定し、結果を平均し、ニュートン(N)で報告する。
剪断貯蔵弾性率は、一定温度(35℃)でプレート-プレートレオメーター(ARES、Rheometric Scientific)上で測定される。
形状保持は、以下の手順に従って測定される。
形状保持率(%)=(B/[A/2]-100)
実施例では、以下の原材料及び使用済みの市販の接着テープを使用する。
ビスアジリジノポリエーテル(BAPE)は、約6200g/molの数平均分子量を有するカチオン自己重合性ビスアジリジノ官能性オリゴマーであり、これは、ドイツ特許第1544837号(Schmittら)に記載されるように、エチレンオキシドとテトラヒドロフランと(約1:4の比)の共重合によって得られる。
メチル-p-トルエンスルホネート(MPTS)は、Sigma-Aldrichから市販されているカチオン自己重合性モノマーの重合開始剤である。
トリス(2-エチルヘキシル)アンモニウムテトラフルオロボレート(ATFB)は、3M ESPE,Seefeld,Germanyから入手したカチオン自己重合性モノマーの重合開始剤である。
トリス(2-エチルヘキシル)アンモニウムトシレート(TAT)は、3M ESPE,Seefeld,Germanyから入手したカチオン自己重合性モノマーの重合開始剤である。
DEN431は、DOW Chemical Pacific,The Heeren,Singaporeから市販されているエポキシ樹脂である。
Epikote 828は、Hexion Specialty Chemicals GmbH,Iserlohn,Germanyから市販されているエポキシ樹脂である。
Eponex 1510は、Hexion Specialty Chemicals GmbH,Iserlohn,Germanyから市販されている水素化ビスフェノールエポキシ樹脂である。
Amicure CG1200は、Evonik,Allentown,PA,USAから市販されているエポキシド用ジシアンジアミド系潜在性硬化開始剤である。
Dyhard UR500は、AlzChem Trostberg,Germanyから市販されているエポキシド用硬化促進剤である。
PK-HAは、Gabriel Phenoxies Inc.,Rock Hill,SC,USAから市販されているフェノキシ樹脂である。
KaneAce MX 257は、Kaneka Belgium N.V.,Westerlo,Belgiumから市販されている強靭化剤である。
KaneAce MX 153は、Kaneka Belgium N.V.,Westerlo,Belgiumから市販されている強靭化剤である。
Aerosil R202は、Evonik,Essen、Germanyから市販されている、チキソトロープ剤の疎水性ヒュームドシリカ粒子である。
Garamite 1958は、は、BYK-Chemie,Wesel,Germanyから市販されている、チキソトロープ剤の、有機変性フィロケイ酸塩である。
Aerosil 200は、Evonik,Essen,Germanyから市販されているチキソトロープ剤の親水性ヒュームドシリカ粒子である。
Disparlon 6500は、King Industries Inc.,Norwalk CT,USAから市販されているチキソトロープ剤のポリアミドである。
Sil Cell 32は、Stauss Perlite GmbH,Austriaから市販されているケイ酸アルミニウムフィラーである。
Shieldex AC-5は、Grace GmbH,Germanyから市販されているシリカ系防錆剤である。
MinSil SF20は、3M Company,USAから入手した溶融シリカフィラーである。
Dynasylan GLYEOは、Evonik GmbH,Germanyから市販されているシラン系接着促進剤である。
Glass Beads Class IVは、3M Company,USAから得られた。
実施例1~6及び比較例C1の調製
本開示による例示的な二成分(A剤及びB剤)硬化性組成物は、表1の材料のリストからの成分を、高速ミキサー(Hauschild Engineering,Germanyから入手可能なDAC 150 FVZ Speedmixer)内で、均質な混合物が達成されるまで、3500rpmで0.5分間撹拌することによって調製する。表1において、全ての濃度は重量%で示す。比較例C1は、チキソトロープ剤を含まない。
KaneAce MX 257、KanAce MX 153、PK-HA、Eponex 1510 Epikote 828及びDEN 431を小型ビーカーに入れ、プラネタリー高速ミキサー(DAC150 FVZ)を用いて3500rpmで1分間、一緒に混合する。次いで、カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤を添加し、均質な混合物が得られるまで混合する。その後、チキソトロープ剤のSil Cell 32、Shieldex AC-5及びMinSil SF20を続いて添加し、3500rpmで1分間混合することにより混合物にブレンドする。次いで、Dynasylan GLYEOを添加し、続いてGlass Beadsを添加し、二成分硬化性組成物のB剤を得る。
Amicure CG1200及びDyhard UR500をビーカーに入れる。続いて、ビスアジリジノポリエーテル(BAPE)を混合物に添加し、次いでこれを、プラネタリー高速ミキサー(DAC150 FVZ)を用いて3500rpmで1分間、均質な混合物が得られるまで混合し、二成分硬化性組成物のA剤を得る。
全ての例示的な硬化性組成物(実施例1~実施例6)は、以下の形状:三角形、半円形、長方形、正方形、台形を有する三次元の長手方向ビーズに安定的に成形される。組成物は、好適な幾何学的形状の凹部を備えたカスタマイズされたスクィージーを使用して成形される。目視観察の際、例示的な硬化性組成物の形状は、部分硬化(B段階の反応)の際に実質的に変化しなかったことが明らかになった。
Claims (15)
- 構造用接着剤組成物の硬化性前駆体であって、
a)カチオン自己重合性モノマーと、
b)温度T1で開始される、前記カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤と、
c)前記カチオン自己重合性モノマーとは異なる硬化性モノマーと、
d)温度T2で開始され、前記カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤とは異なる前記硬化性モノマーの硬化開始剤と、
e)チキソトロープ剤と、を含む、硬化性前駆体。 - 前記温度T2がT1よりも高く、前記カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤が開始される前記温度T1が、前記硬化性モノマーの硬化開始剤の開始を引き起こすには不十分である、請求項1に記載の硬化性前駆体。
- 前記カチオン自己重合性モノマーが、特に20,000g/mol以下、15,000g/mol以下、12,000g/mol以下、10,000g/mol以下、又は更には8,000g/mol以下の数平均分子量を有するオリゴマーである、請求項1又は2に記載の硬化性前駆体。
- 前記カチオン自己重合性モノマーが、少なくとも1つの環状アミン、好ましくは2つの環状アミンを含む多官能性化合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載の硬化性前駆体。
- 前記カチオン自己重合性モノマーが、アジリジノ官能性ポリエーテルオリゴマー、特にN-アルキルアジリジノ官能性ポリエーテルオリゴマーである、請求項1~4のいずれか一項に記載の硬化性前駆体。
- 前記カチオン自己重合性モノマーとは異なる前記硬化性モノマーが、エポキシ基、特に、グリシジル基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の硬化性前駆体。
- 前記カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤が、プロトン化剤、アルキル化剤、及びこれらの任意の組み合わせ又は混合物からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の硬化性前駆体。
- 前記硬化性モノマーの硬化開始剤が、第一級アミン、第二級アミン、及びこれらの任意の組み合わせ又は混合物からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の硬化性前駆体。
- 前記チキソトロープ剤が、無機チキソトロープ剤及び有機チキソトロープ剤の群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の硬化性前駆体。
- 前記チキソトロープ剤が、無機チキソトロープ剤、特にシリコン系チキソトロープ剤及びアルミニウム系チキソトロープ剤の群から選択される、請求項9に記載の硬化性前駆体。
- 構造用接着剤組成物の部分的に硬化した前駆体であって、
b)カチオン自己重合性モノマーを含む重合性材料の自己重合反応生成物を含むポリマー材料と、
c)任意に、温度T1で開始される、前記カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤の、いくらかの残留物と、
d)前記カチオン自己重合性モノマーとは異なる硬化性モノマーと、
e)温度T2で開始され、前記カチオン自己重合性モノマーの重合開始剤とは異なる前記硬化性モノマーの硬化開始剤と、
f)チキソトロープ剤と、を含み、
前記硬化性モノマーが実質的に未硬化であり、特に、カチオン自己重合性モノマーを含む重合性材料の前記自己重合反応生成物を含む前記ポリマー材料中に埋め込まれている、構造用接着剤組成物の部分的に硬化した前駆体。 - 三次元物体の形態に成形された、請求項1~11のいずれか一項に記載の硬化性前駆体又は部分的に硬化した構造用接着剤組成物。
- 2つの部品を結合させる方法であって、
g)請求項1~12のいずれか一項に記載の硬化性前駆体又は部分的に硬化した前駆体を、前記2つの部品のうちの少なくとも1つの表面に適用する工程、
h)前記硬化性前駆体又は前記部分的に硬化した前駆体構造用接着剤組成物が、前記2つの部品の間に位置するように、前記2つの部品を接合する工程、
i)任意に、前記カチオン自己重合性モノマーの前記重合開始剤を開始させることによって、工程a)に従って前記硬化性前駆体を部分的に硬化させ、それにより、前記カチオン自己重合性モノマーの自己重合反応生成物から生じたポリマー材料を含む部分的に硬化した前駆体を形成する工程、及び/又は
j)前記カチオン硬化性モノマーの硬化開始剤を開始させることによって、工程a)又はc)の前記部分的に硬化した前駆体を実質的に完全に硬化させ、それにより、実質的に完全に硬化した構造用接着剤組成物を得て、前記2つの部品を結合させる工程、
を含む、方法。 - 前記2つの部品が、金属材料部品又は複合材料部品であり、前記方法が、金属材料部品又は複合材料部品のヘムフランジ結合のためのものである、請求項13に記載の2つの部品を結合させる方法。
- 請求項1~12のいずれか一項に記載の硬化性前駆体又は部分的に硬化した前駆体の、産業用途のための、特に建設用途及び輸送用途のための、より具体的には自動車産業用のホワイトボディ結合用途のための、及び航空機産業及び航空宇宙産業の構造結合作業のための使用。
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