主題は、法定要件を満たすように、本明細書の全体に具体的かつ詳しく説明される。本明細書の全体に記載された態様は、限定ではなく例示のためのものであり、説明それ自体には、必ずしも特許請求の範囲を限定しようとする意図がない。むしろ、請求された主題は、本明細書に記載されたものと同一であり、かつ他の現在の技術または将来の技術に係わっている様々な要素または要素の組み合わせを含むように、他の方式で実施され得る。本開示を読むとき、代替的な態様は、本開示の範囲から逸脱することなく、記載の態様に関する分野に従事している当業者に明らかになるであろう。特定の特徴および下位組み合わせは実用的であり、他の特徴および下位組み合わせを参照せずに採用され得ることが理解されよう。これは、請求項により考慮され、特許請求の範囲内に属する。
一般的に、本明細書に記載された主題は、特に舌革および舌革補強材を有する履物品に関し、それに関連する製造、機械および方法を含む。いくつかの態様において、舌革補強材は、舌革が他の履物品要素または着用者などから力または調整を受けるとき、舌革の形状および位置を保持するのに役立つ。たとえば、舌革補強材は、着用者が履物品に自分の足を挿入するとき、あるいは内側および/または外側クォータが舌革を内向きに圧迫するとき、舌革の形状および位置を保持するのに役立ち得る。本開示のいくつかの態様は、舌革補強材および襟エレベータを有する履物品に関する。
図面をより詳しく説明するに先立って、以下では本開示に使用され得る特定の用語について一部のさらなる説明をする。
単数形(「a」、「an」、「the」)、「少なくとも1つ」および「1つ以上」は、項目のうち少なくとも1つが存在することを示すように相互交換的に使用され得る。これらの用語が使用される場合、文脈上別段に明示しない限り、当該項目は複数存在し得る。本明細書において、パラメータ(たとえば、量または条件)のすべての数値は、添付の請求項を含む文脈に鑑み、別段に明示的または明確に示していない限り、「約」という用語が実際に数値の前にあるか否かを問わず、「約」によってすべての場合において変更されることであると、理解されたい。「約」とは、記述された数値が多少の不正確性(値の正確性への若干の近接、値におおよそあるいは合理的に近似、ほぼ)を許容することを示す。「約」によって提供される不正確性が、このような一般的な意味として当業界で別段に理解されない場合、本明細書で用いられる「約」は、このようなパラメータを測定および使用する通常の方法で生じ得る最小限の変動を示す。また、範囲の開示は、すべての値と当該範囲内のさらに分割された範囲とを具体的に開示するものと理解されたい。参照されたすべての参考文献は、その全文が本明細書に組み込まれる。
「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は包括的であり、したがって、記述された特徴、ステップ、動作、要素または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、ステップ、動作、要素もしくは構成要素の存在または付加を排除しない。ステップ、プロセスおよび動作の手順は、可能な場合変更され得、さらなるまたは代替的ステップが採用され得る。本明細書で用いられる「または」という用語は、リストに挙げられた関連項目の任意の1つおよびすべての組み合わせを含む。「のいずれか」という用語は、参照される項目「のうちいずれか1つ」を含む、参照される項目の任意の可能な組み合わせを含むものと理解される。「のいずれか」という用語は、参照される請求項「のうちいずれか1つ」を含む、添付の請求項のうち参照される請求項の任意の可能な組み合わせを含むものと理解される。
一貫性および便宜のために、図示の例に対応する本詳細な説明全体に、方向の形容詞が採用され得る。通常の当業者なら、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「上端」、「下端」などのような用語は、請求項によって定義されているように、本発明の範囲に対する限定を表すことなく、図面に関する説明として使用され得ることが認識されよう。
本詳細な説明全体および請求項に使用され得る「長手方向」という用語は、構成要素の長さを延ばす方向を指す。たとえば、靴の長手方向は、靴の前足部領域と踵領域との間で延びる。「前方」または「前」という用語は、踵領域から前足部領域への一般的な方向を指すために用いられ、「後方」または「後」という用語は、逆方向、すなわち前足部領域から踵領域への方向を指すために用いられる。場合によって、構成要素は長手方向軸だけでなく、その軸に沿う前後方の長手方向として識別され得る。長手方向または長手方向軸は、前後方向または前後方向軸と呼ばれ得る。
本詳細な説明全体および請求項に使用され得る「横方向」という用語は、構成要素の幅を延ばす方向を指す。たとえば、靴の横方向は、靴の外側と内側との間で延びる。横方向または横方向軸は、左右方向もしくは左右方向軸、または内外側方向もしくは内外側方向軸とも呼ばれ得る。
本詳細な説明全体および請求項に使用され得る「垂直」という用語は、一般的に左右方向および長手方向の両方に垂直な方向を指す。たとえば、ソールが地表面に平らに装着された場合に、垂直方向は地表面から上方に延び得る。これらの方向の形容詞はそれぞれ、ソールの個々の構成要素に適用され得ることが理解されよう。「上方」という用語は、構成要素の上端に向かう垂直方向を指し、靴の甲、締結領域、および/またはアッパーのスロートを含み得る。「下方」という用語は、構成要素の下端に向かう、上方向とは反対の垂直方向を指し、一般的に履物品のソール構造体の下端を指し得る。
靴などの履物品の「内部」は、靴を着用したときに着用者の足が占める空間の部分を指す。構成要素の「内側」は、組み立てられた履物品において構成要素または履物品の内部に向かって方向付けられた(または方向付けられる)構成要素の側面または表面を指す。構成要素の「外側」または「外部」は、組み立てられた靴において靴の内部から離れるように方向付けられた(または方向付けられる)構成要素の側面または表面を指す。場合によって、他の構成要素は、構成要素の内側と、組み立てられた履物品における内部との間にあり得る。同様に、他の構成要素は、構成要素の外側と、組み立てられた履物品の外部の空間との間にあり得る。また、「内向き」および「内向きに」という用語は、靴などの履物品または構成要素の内部へ向かう方向を指し、「外向き」および「外向きに」という用語は、靴などの履物品または構成要素の外部へ向かう方向を指す。また、「近位」という用語は、履物の構成要素の中心により近い方向を指すか、または利用者が履物品を着用することによって足が履物品に挿入されるときに足に向かってより近い方向を指す。同様に、「遠位」という用語は、履物の構成要素の中心から遠く離れている相対的位置を指すか、または利用者が履物品を着用することによって足が履物品に挿入されるときに足からより遠く離れている方向を指す。したがって、近位および遠位という用語は、一般的に反対の用語を提供して相対的空間位置を説明するためのものであると理解されよう。
本明細書の態様の説明および理解を助けるために、以下では図1および図2を参照して、舌革補強材を含み得る通常の履物品10の要素を説明する。図1は履物品10の外側を示し、図2は履物品の上端を示す。本開示で言及される多様な図面を説明する場合、類似の参照番号は、ずべての図を通して類似の構成要素を指す。
履物品10は、ソール構造体12とアッパー14とを含む少なくとも2つの主要要素を含む。履物品10を(足に意図どおり)着用する場合、ソール構造体12は通常、足底面(すなわち、足の下端)の近くに位置決めされる。ソール構造体12は、足の下端を保護し得、さらに、地面反力を減衰させ、エネルギーを吸収し、静止摩擦を提供し、回内および回外などの足の動きを制御し得る。アッパー14は、ソール構造体12に結合され、ソール構造体12と一緒に足受容空洞16を形成する。すなわち、ソール構造体12は、一般的に足の下端を取り巻くが、アッパー14は、足の背側部(すなわち、足の上端または足の甲)上に延び、それを少なくとも部分的に覆い、履物品10を足に固定させる。アッパー14は、履物品10を履く場合、足が足受容空洞16内に配置されるとき足が挿入される足挿入開口18を含む。
図1に示したように、履物品10は、前足部領域20、中足部領域22、踵領域24、および足首領域26を含み得る。前足部領域20、中足部領域22、および踵領域24は、ソール構造体12およびアッパー14を通じて延びる。足首領域26は、アッパー14の一部に位置する。前足部領域20は、一般に、中足骨を指骨と連結する足指および関節に対応する、履物品10の一部を含む。中足部領域22は、一般に、足のアーチ区域および足の甲に対応する履物品10の部分を含む。踵領域24は、踵骨を含む足の後方部分に対応する。足首領域26は、足首に対応する。前足部領域20、中足部領域22、踵領域24、および足首領域26は、履物品10の正確な区域を画定することを意図せずに、その代わりに本明細書の多様な態様の理解を助けるために履物品10の一般的な区域を示すことを意図する。また、履物品の一部は、これらの一般的な区域を用いて相対的な用語で説明され得る。たとえば、第1構造体は、第2構造体よりも踵の方にあると説明され得、この場合、第2構造体は足指の方にあり、前足部の方により近い。
履物品10はまた、内側28(図2で確認され、図1では隠されている)および外側30(図2で確認され、図1で見られる)を有する。内側28および外側30は、前足部領域20、中足部領域22、踵領域24、および足首領域26のそれぞれを通じて延び、履物品10の両側に対応し、当業者によって理解されるように、それぞれは履物品10の長手方向の中間線基準面29の反対側に位置する。たとえば、長手方向の中間線基準面29は、ソール構造体の最前方点、およびソール構造体の最後方点を通過し得る。よって、内側29は、外側30に対向するものと考えられる。通常、内側は、足の内側区域(すなわち、他の足に面する表面)に対応し、外側は、足の外側区域(すなわち、他の足から離れて他の足に面する表面)に対応する。別の態様において、履物品は、履物品10の緯線方向の中間線基準面31の反対側に位置する前部分33および後部分35を含む。緯線方向の中間線基準面31は、長手方向の中間線基準面29および地表面に垂直に延び、履物品10の最前方点と履物品10の最後方点との間に等間隔で配置される。また、これらの用語は、多様な構造体の相対的位置を説明するために使用され得る。たとえば、履物品の内側部分により近い第1構造体は、第2構造体(外側区域により近く、より外側にある)の内側にあるものと説明され得る。
履物品を説明する場合、「下位」および「上位」という相対的用語も用いられ得る。たとえば、上位部分は一般的に、ヒトの足が水平な地表面に平らに置かれており、ヒトが直立しているとき、ヒトの頭の方向へより近く方向付けられている上端部分に対応する一方、下位部分は、一般的に、ヒトの頭から離れて方向付けられ、かつ地表面により近い下端部分に対応する。
ソール構造体12は、多様な材料で構成され得、多様な要素を含み得る。たとえば、ソール構造体12は、ミッドソール32およびアウトソール34を含み得る。ミッドソール32は、歩行、ランニングまたはその他歩行活動中において、足と地面との間で圧縮されるとき、地面反力を減衰させる(つまり、クッションを提供する)圧縮可能なポリマーフォーム要素(たとえば、ポリウレタンまたはエチルビニルアセテート(EVA)フォーム)で形成され得る。さらなる態様において、ミッドソール32は、流体充填チャンバ、プレート、調節器、または力をさらに減衰させたり、安定性を向上させたり、足の動きに影響を与えたりする他の要素を含み得る。ミッドソール32は、単一のワンピース型ミッドソールであってもよく、または1つのユニットとして一体化された多数の構成要素であってもよい。いくつかの態様において、ミッドソール32は、ユニソールとしてアウトソール34と一体化され得る。アウトソール34は、ワンピース型であってもよく、またはいくつかのアウトソールの構成要素であってもよく、静止摩擦を与えるためにテキスチャ加工され得る耐摩耗性ゴム材料で形成され得、かつ/またはミッドソール32に固定されたトレッド(tread)またはクリート(cleat)などの静止摩擦要素を含み得る。アウトソール34は、ソールの全長および全幅にを延ばすか、または長さおよび/または幅にわたって部分的にのみ延び得る。
アッパー14はまた、多様な材料で構成され得、多様な特徴を含み得る。たとえば、アッパー14は、革、織地、またはその他の合成材料もしくは天然材料で構成され得る。また、アッパー14は、編織地、織物、編組物、不織布、積層体、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。アッパー14は、通気性、伸縮性、柔軟性、ウィッキング性(wicking)、耐水性などと関連した多様な材料特性を有し得る。
アッパー14は、通常、ソール構造体12と重なり、これに連結される一部を含み、かかる連結の接合部はバイトライン(biteline)と呼ばれ得る。また、アッパー14は、アッパー14からソール構造体12の足対向表面の少なくとも一部を横切って延びる材料パネルを含む「ストローベル(strobel)」を含み得、ストローベルは、ソール構造体12がアッパー14に取り付けられるときにアッパー14を靴型に保持するために使用され得る。言い換えれば、履物品10に一体化されたソール構造体12は足対向表面を含み、場合によっては、アッパー14は、バイトライン領域の近くから内向きに延びて足対向表面を少なくとも部分的に覆うパネル(ストローベルと呼ばれる)を含み得る。この場合、履物品を着用するときに、ストローベルは足の下に位置決めされる。ストローベルは、インソールまたはその他の材料層で覆われ得る。
アッパー14は、他の特徴を含む。たとえば、アッパー14は、足挿入開口18の少なくとも一部の周囲に周縁を形成する足首の襟36を含む。また、アッパー14は、多くの場合、足首の襟36から延びるスロート38を含み、細長い開口40の少なくとも1つ以上の側面に沿って周縁を形成する。舌革42は、細長い開口40に位置しており、細長い開口40のサイズは、様々な閉鎖システムを用いて調整することができる。たとえば、図1は、紐44を図示し、他の閉鎖システムは、弾性バンド、フックアンドループストラップ、ジッパー、バックルなどを含み得る。舌革42の位置、および閉鎖システムの連結部は、たとえば、履物品を着用するか脱ぐときに開口をより大きくすることと、履物品を足に固定するときに開口をより小さくすることとによって、足挿入開口および細長い開口のサイズを変更するように調整することができる。本開示の他の箇所で説明されているように、舌革42は、舌革が他の履物品要素または着用者などから力または調整を受けるとき、舌革の形状および位置を保持するのに役立ち得る舌革補強材を含み得る。
履物品10は、たとえばランニングまたは歩行時に着用可能な運動用靴を含み得、図1および図2に関して説明された要素を含む履物品10についての説明は、他のタイプのシューズ、たとえば、バスケットボールシューズ、テニスシューズ、アメリカンフットボールシューズ、サッカーシューズ、レジャーまたはカジュアルシューズ、ドレスシューズ、作業靴、サンダル、スリッパー、ブーツ、ハイキングシューズなどにも適用され得る。
図1および図2について説明したが、以下では図3A~図3Cおよび図4A~図4Cを参照して本開示のいくつかの他の態様について説明する。図3A、図3B、および図3Cのそれぞれは、ソール312に結合されたアッパー314を含む履物品310を示し、アッパー314は、踵領域324と、足首の襟336を有する足首領域326とを含む。足首の襟336は、降下状態(図3Cに示す)と直立状態(図3Aおよび図3Bに示す)との間で移動可能である。降下状態で、足首の襟336は、ソール312により近く位置決めされ、直立状態で、足首の襟336は、ソール312からより遠く位置決めされる。同様に、履物品410は、ソール412に結合されたアッパー414を含み、アッパー414は踵領域424と、足首の襟436を有する足首領域426とを含む。
また、履物品310は襟エレベータ350を含み、襟エレベータ350は、踵領域324および/または足首領域326近くにあるアッパー314に結合され、足首の襟336を降下状態から直立状態に移動させるように動作可能である。より具体的に、襟エレベータ350は、踵領域324に位置決めされ、足首領域326まで延びる部分を含む。前述したように、踵領域324と足首領域326との間に必ずしも正確な輪郭設定(delineation)があるわけではなく、その代わり、これらの領域に対する襟エレベータ350の位置決めを説明することは、襟エレベータ350が、より下位にある部分(ソールに近い部分)から、より上位にある部分(足首の襟336に近い部分)まで延びることを説明する1つの方式である。襟エレベータ350をアッパー314(踵領域324および/または足首領域326の近くにある)に結合する限り、このような結合の形態は多様であり得る。たとえば、襟エレベータ350は、踵領域324でアッパーに結合されるか、足首領域326で結合されるか、足首の襟336に結合されるか、あるいはこれらのあらゆるすべての組み合わせが可能である。襟エレベータ350は、足首の襟を降下状態から直立状態に移動させるように動作可能な、襟エレベータの1つのタイプに関する一例であり、本開示の他の箇所で説明されているように、襟エレベータは、図3A~図3Cに示したもの以外に1つ以上の代替の構造体を含み得る。たとえば、図4A~図4Cは、足首の襟436を降下状態(たとえば、図4C)から直立状態(たとえば、図4Aおよび図4B)に移動させるように動作可能であり、襟エレベータ350とは異なる構造の襟エレベータ450を備えた履物品410を示す。
例示の目的で、アッパー314およびアッパー414は、仮想の破線によって示され、襟エレベータは、アッパーに対して多様な位置に配置され得る。たとえば、襟エレベータは、踵領域、足首領域、足首の襟、またはこれらのあらゆるすべての組み合わせにおいて、外部層と内部ライニング(inner lining)との間に、少なくとも部分的に、場合によって完全に貼り付けられ得る。別の態様において、襟エレベータは少なくとも部分的に露出しており、アッパーの外側または外部表面に配置され得る。さらなる態様において、襟エレベータの少なくとも一部は、内部ライニングの内側の足対向表面上に配置され得る。別の態様において、襟エレベータは履物品の外部に配置され得、タブ、熱かしめ、接合剤、ステッチまたはその他の結合により足首の襟の踵部分に取り付けられ得る。
襟エレベータ(たとえば、襟エレベータ350および450)は、多様な要素を含み得る。一態様において、襟エレベータは、内側レバーアームと、外側レバーアームと、内側レバーアームを外側レバーアームに結合し、足首の襟の踵部分に位置する中央連結バンドと、を含む。さらなる態様において、それぞれのレバーアームは、基部に貼り付けられ、基部は、足首の襟が降下状態に移動する場合にレバーアームが変形されることによって、レバーアームに対して静止状態で維持される。基部は、履物品の一部、たとえばソールの一部またはアパーの一部であり得る。また、基部は、ソール、ソールそれ自体、またはこれらの任意の組み合わせに直接または間接的に貼り付けられた1つ以上の他のアンカー(anchor)であってもよい。米国特許第9,820,527号には、1つ以上の襟エレベータが記載されており、その一部は、変形可能部材(単数または複数)(基部を備えるか、または備えない)と呼ばれてもよく、米国特許第9,820,527号の開示全体は参照として本明細書に組み込まれる。本開示の一態様によれば、米国特許第9,820,527号に記載されている変形可能部材のうち少なくとも一部は、内側レバーアームと、外側レバーアームと、内側レバーアームを外側レバーアームに結合する中央連結バンドと、を含む。他の例において、米国特許第2018/0110292号および米国特許第2018/0289109号のそれぞれには、複数の他の襟エレベータが記載されており、その一部は、コントロールバー(基部を備えるか、または備えない)と呼ばれており、米国特許第2018/0110292号および米国特許第2018/0289109号の開示全体は、参照として本明細書に組み込まれる。本開示の一態様によれば、米国特許第2018/0110292号および米国特許第2018/0289109号に記載されているコントロールバーのうち少なくとも一部は、内側レバーアームと、外側レバーアームと、内側レバーアームを外側レバーアームに結合する中央連結バンドと、を含む。
図示された襟エレベータ350および450のそれぞれは、内側レバーアーム352および452の例をそれぞれ示す。また、図示された襟エレベータ350および450のそれぞれは、外側レバーアーム354および454の例をそれぞれ示し、中央連結バンド356および456の例をそれぞれ示す。また、レバーアーム352および354は、基部358に取り付けられ、レバーアーム452および454は、基部358とは異なる構造の基部458に取り付けられる。基部358は、ソール312の足対向表面に、またはその近くに貼り付けられ、基部358は、アウトソールの一部、ミッドソールの一部、インソールの一部、ストローベルの一部、これらのソール層のうち任意の層の間に積層された材料のプレートもしくはシート、またはこれらの任意の組み合わせであり得る。特に、基部358は、レバーアーム352および354が固定されている硬質の部分またはセクションを含み得る。図4A~図4Cは他の態様を示し、ここで基部458は、アッパーの一部(たとえば、ヒールカウンター(heel counter))、ミッドソール側壁の一部、またはこれらの任意の組み合わせに取り付けられ得、基部458は、基部358について説明されている方式で中底を通って延びることとは対照的に、履物品の裏面を巻き付ける。
内側レバーアーム、外側レバーアーム、および中央連結バンドは、単一の連続体であってもよく、よって、内側レバーアームと、外側レバーアームと、中央連結バンドとの間には、明確な境界が存在しなくてもよい。たとえば、内側および外側アーム、ならびに中央連結バンドは、成形されるか、鋳造されるか、3Dプリントされるか、そうでなければ単一の一体形成ユニットとして形成され得る。他の態様において、内側レバーアームおよび外側レバーアームは、機械的もしくは化学的結合、摩擦嵌め、被覆、または他の結合により中央連結バンドに連結される別々の、別個の、および個別の細長い部材であり得る。
襟エレベータの一部の構造的要素について一般的に説明したが、以下では襟エレベータの一部の動作態様について説明する。簡単に前述したように、襟エレベータは、足首の襟を降下状態から直立状態に移動させる。より具体的に、内側レバーアーム、外側レバーアーム、中央連結バンドまたはこれらの任意の組み合わせの少なくとも一部は、アッパーの一部に貼り付けられる。一態様において、中央連結バンドは、足首の襟の踵部分の近くに貼り付けられ得る。たとえば、本開示の他の箇所で説明されているように、中央連結バンドは、接着剤、連結タブ、熱かしめ、ステッチなどにより足首の襟の踵部分に取り付けられ得る。このように、足首の襟がソールにより近く降下状態に移動すると、内側レバーアームおよび外側レバーアームは、より圧縮された姿勢、またはより負荷のかかった姿勢に変形される。言い換えれば、襟エレベータは、加えられた力が足首の襟を直立状態から降下状態に移動させるとき、より圧縮されていない構成(たとえば、図3Aおよび図4A)から、より一層圧縮された構成(たとえば、図3Cおよび図4C)へと、弾性変形されることによって位置エネルギーを蓄積する。位置エネルギーは、加えられた力の除去時、襟エレベータをより圧縮されていない構成に戻し、襟エレベータがアッパーに貼り付けられるため、足首の襟も降下状態から直立状態に移動する。足首の襟が降下状態に移動すれば(直立状態に比して)、襟エレベータの圧縮が大きくなり得るが、直立状態において襟エレベータは、少なくとも部分的に変形された状態における位置エネルギーを依然として蓄積して(すなわち、予圧圧縮)、着用者の踵の周りで足首の襟の後方、すなわち踵部分の保持を可能にし得る。たとえば、襟エレベータが上部踵領域および/または上部足首領域に取り付けられている場合、アッパーの一部は、足首の襟が直立状態にあるときの予圧構成で襟エレベータを保持し得るか、または維持し得る。他の態様において、足首の襟が直立状態にあるときに、襟エレベータには負荷がかからないことがある。
一態様において、中央連結バンドの下のアッパーの部分325または425は、アッパーの他の部分よりも柔軟な1つ以上の織地の壁を含み得る。アッパーのより柔軟な領域は、たとえば少なくとも部分的にヒールカウンター領域にあり得る。特に、このようなアッパーのより柔軟な部分325または425は、足首の襟が降下状態に移動するときに容易に折り畳まれ得、襟エレベータがより圧縮されていない状態に戻るときに襟エレベータに一層小さな抵抗を提供し得る(履物品の他の部分または通常の履物品における、あまり柔軟でないアッパーに比して)。
いくつかの態様において、内側レバーアームと、外側レバーアームと、中央連結バンドとの組み合わせは、変形可能要素と呼ばれ得る。「変形可能要素」という用語は、弾性的に柔軟な部材を指し、弾性的に柔軟な部材は、屈折させることができるか、または圧縮することができるが、非屈折または非圧縮状態に向かって移動するための付勢を有する。変形可能要素は、内側レバーアームから外側レバーアームまで連続的に延びる単一の一体形成された変形可能要素を含み得る。他の態様において、内側レバーアームおよび外側レバーアームは、ヒールピース(heel piece)とも呼ばれ得る、中央連結バンドに連結される2つ以上の別個の個別的な変形可能要素であってもよい。
いくつかの態様において、変形可能要素は、基部に直接結合されるか、装着されるか、または取り付けられ得る。他の態様において、基部は、変形可能要素を所定の位置に係合させて維持する1つ以上のアンカーを含み得る。たとえば、アンカーは、レバーアームと基部との間の接合部(たとえば、359および459)に位置し得る。かかるアンカーは、ソール(たとえば、インソール、ミッドソール、アウトソール)の部分と一体形成され、かつ/または、結合され、かつ/または、その内部もしくは間もしくは外側に位置し得る。たとえば、アンカーは、ソールの間、上端または下に積層されるブロック、プレートまたはウェッジに配置され得る。場合によっては、ソール(たとえば、ミッドソール)の一部は、彫刻されるか、または切り取られて、アンカーに取り付けられるか、またはこれを収容し得る。別の態様において、内外側方向に延びる基部(たとえば、基部358)は、アンカーが抵抗嵌め、圧縮嵌め、スナップ嵌めによって、または連動メカニズム/構成を介して係合するアンカー状受容部を含む。他の例において、アンカーは、アッパーの部分と一体形成され、かつ/または、結合され、かつ/または、その内部、間もしくは外側に位置し得る。たとえば、アンカーはアッパー、ヒールカウンター、またはこれらの組み合わせに位置し得る。単一のアンカーは、履物品の全幅を延ばし得るか、または2つのアンカーは、履物品の両側上に(たとえば、内側および外側上に)位置決めされ得る。変形可能部材は、基部またはアンカーに斜めに取り付けられ得る。たとえば、変形可能部材は、基部に垂直な角度で取り付けられ、その後、後方を向いて湾曲したりまたは弧状になり得る。別の態様において、変形可能部材は、後方を向いて弧状になる前に、前方に傾いている角度で(すなわち、上方および前方に)、または後方に傾いている角度で(すなわち、上方および後方に)に取り付けられ得る。
変形可能部材と基部またはアンカーとの間の連結は、多様な方式で説明され得る。たとえば、一態様において、変形可能要素は、基部を中心に(たとえば、インソール、ミッドソールまたはアウトソールを中心に)枢動しない(すなわち、非枢動式である)。言い換えれば、変形可能要素は、基部に回転不可能に結合され得る。様々な態様において、変形可能要素と基部(またはアンカー)との間の係合には遊びがなく、これは、2つの構成要素間の相対的移動がほとんどまたは全くないことを意味する。
変形可能要素は、チューブ、ワイヤー、バネ、形状記憶構造または材料などのうち1つ以上を含み得る。また、変形可能要素は、1つ以上の材料、たとえば炭素鋼、ステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン(ニチノール)、ならびにその他の金属および合金(形状記憶またはその他)、ポリマー(形状記憶またはその他)、複合材料、フォーム材、グラファイト、炭素繊維、ガラス繊維、TPC-ET、シリコン、TPUおよびポリカーボネートを含むことができる。たとえば、変形可能要素は、チタンを含むか、またはチタンワイヤーであり得る。なお、1つ以上の変形可能要素は、第1材料、たとえばチタンからなり得、1つ以上の追加の変形可能要素は、第2材料、たとえばグラファイトからなり得る。
いくつかの態様において、変形可能要素は、単一の単片を含み得る。たとえば、変形可能要素の第1端部(たとえば、内側レバーアームの端部)は、内側アンカーに内蔵されるか取り付けられ得、変形可能要素の第2端部(たとえば、外側レバーアームの端部)は、外側アンカーに内蔵されるか取り付けられ得、変形可能要素の中間部分(たとえば、中央連結バンド)は、アッパーの踵部分または足首部分の周りで延びるか、いくつかの追加のヒールピース構造に内蔵され得る。
他の態様において、変形可能要素は、複数の別個の個別的な構成要素を含み得る。たとえば、変形可能要素は、2つの個別的構成要素を含み得、第1構成要素(たとえば、内側レバーアーム)は、内側アンカーに内蔵されるか取り付けられる第1端部と、ヒールピースまたは中央連結バンドの内側に内蔵されるか取り付けられる第2端部と、を有する。したがって、第2構成要素(たとえば、外側レバーアーム)は同様に、外側アンカーに内蔵されるか取り付けられる第1端部と、ヒールピースまたは中央連結バンドの外側に内蔵されるか取り付けられる第2端部と、を含み得る。複数の別個の個別的な構成要素は、たとえばテープラップ(tape wrap)、織成インケーシング(woven encasing)、オーバーモールド(たとえば、TPU)、熱収縮チューブなどのうち1つ以上によって一緒に固定することができ、これらの各々は、異なる安定性および強度を提供することができる。たとえば、変形可能要素は、カバー、スリーブ、オーバーモールドまたは熱収縮チューブに独立的に収納されるか、または一緒に収納される1つ以上のワイヤーを含み得る。変形可能要素の弾性変形を容易にするために、1つ以上のワイヤーはアーチ状になり、屈折し、揺動した後、初期/正常状態に戻ることができる。
変形可能要素は、その長さに沿って、かつ/またはその長さに沿う別個の点で、可変の機械的特性を有し得る。かかる変形は、変形可能要素(たとえば、ワイヤーまたは2つ以上のワイヤーの束)、変形可能要素(複数可)の全部または一部を取り囲む固定装置、あるいはこれらの任意の組み合わせによって提供され得る。たとえば、変形可能要素および/または固定装置は、その長さに沿って可変断面、可変密度、可変材料などを有し得る。よって、厚さまたは形状の変化により、あるいは、他に変形可能要素の厚さまたは形状が一定した場合には、変形可能要素をその長さに沿ってねじることにより、可変断面を提供することができる。
簡単に前述したように、変形可能要素は、カバー、スリーブ、オーバーモールド、またはその他の適宜な構造を含み得、これは、変形可能要素の他の要素(たとえば、ワイヤー、バネなど)を保護し得、変形可能要素の屈曲または圧縮を制御し、かつ/または案内し、かつ/または支持し、かつ/または別な方法でこれに影響を及ぼし得る。いくつかの態様において、カバーは、その製造材料、形状、幾何学形状などに基づき、変形可能要素から(たとえば、ワイヤー(複数可)またはバネから)カバーへ機械的曲げ/変形の力を伝達することによって機械的応力の分散を促進するように構成されて、変形可能要素の損傷または破損を防止するか、または少なくとも抑制し、そうでなければ、変形可能要素が受ける集中的で繰り返しの機械的応力によって、該損傷または該破損が生じ得る。たとえば、カバーは、応力の分散を促進して変形可能要素の動的屈曲に寄与するように、その長さに沿って変わる寸法(たとえば、漏斗様のテーパ状)を有し得る。変形可能要素が破損した場合、カバーは、少なくともある程度の付勢を依然として提供することによって、足首の襟を降下位置から直立位置に移動させるのに役立ち得る。また、カバーは、変形可能要素に追加のパッドおよび/または支持を提供し得、着用者が変形可能要素を感じることを防止するか、少なくとも抑制し得る。
簡単に前述したように、中央連結バンドは、ヒールピースとも呼ばれ得る。中央連結バンドは、内側および外側レバーアームと、単一の連続ユニットとして一体形成され得る。他の態様において、中央連結バンドは、内側レバーアームと外側レバーアームとの間で延び、これらの間の橋渡しとなる個別的なピースであり得る。特に、中央連結バンドは、アッパーへの結合を提供し得、足首の襟にフレームを提供して、足が挿入されるときに足首の襟が足受容開口内に折り畳まれることを防止し得る。
着用者によって着用される場合、襟エレベータ(たとえば、襟エレベータ350および450)を有する履物品は、着用者が履物品を操作するために自分の手を使用しなくても、着用者が着用し得る履物品である。たとえば、着用者の足指は、足挿入開口318または418を通じて挿入され得る一方、自分の足のアーチまたは踵は、足首の襟336または436をソール312または412に向かって下方へ圧迫するのに用いられる。このように、足首の襟336または436をソールにより近く降下状態に調整することにより、足挿入開口318または418のサイズが大きくなり得る。着用者の足が足受容空洞316または416に滑り入ると、襟エレベータ350または450は、足首の襟を降下状態(すなわち、図3Cおよび図4C)から直立状態(すなわち、図3Aおよび図4A)へ移動させて履物品を着用者の足に固定するのに役立つ。
特に、襟エレベータ350および450は、時間が経つにつれて上部踵領域および上部足首領域の構造的破壊の可能性を減少させ得、これは、直立状態に戻るように、または付勢されるように動作するフレームの提供による繰り返しのハンドフリー着用(hands-free donning)起因し得る。また、襟エレベータ350および450は、利用者が手を使用することおよび/もしくは紐を結ぶために屈むことなく、靴べらを使用することなく、またはフィット(fit)のための他のそのような調整機構、要素またはメカニズムを使用することなく、自分の靴を容易に着用する(すなわち、履く)ことを可能にし得る。さらに、履物品310および410は、足受容開口内に着用者の足を容易に受容したり容易に導いたりし、あるいは他の方式で足受容開口に対して着用者の足を収容し得る。このような簡単な着用の可能性は、特に足首の襟の上端線が足受容空洞に向かって内向きに折れないようにしながら大きな足挿入開口を提供するのに役立つ襟エレベータ350および450に起因し得る。
履物品310および410の動作は、多様な方式で説明され得る。たとえば、足首の襟336および436には、弾性があり得るか、たとえば足首の襟が降下状態に移動するとき、足挿入開口318および418の膨張を可能にするゴアリング要素(goring element)が含まれ得る。降下状態で、足挿入開口318および418は、少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約15%膨張し得る。かかる測定された膨張は、多様な方式で検出され得る。たとえば、足挿入開口の第1円周は、足首の襟が第1状態にあるときに測定され得、第2円周は、足首の襟が(第1状態に比して)ソールの近くにある第2状態にあるときに測定され得る。第1および第2状態においてソールから足首の襟までの距離は、垂直面(すなわち、水平基準面に対して垂直であり、地面接触表面が静止位置(at-rest position)に着座する平らな地表面を含む)で測定され得、距離は、足首の襟の上端線の縁の最後方点から、ソールの上端線の縁(たとえば、バイトラインでソールがアッパーに連結されるところ)までの距離として測定され得る。このように、第1状態における距離は、第2状態における距離よりも長く、一態様では、第2距離は、第1距離の75%以下である。前述の例に続いて、第1状態における距離の75%以下の距離を有する第2状態において、円周は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、または少なくとも約15%膨張し得る。さらなる例において、足挿入開口318および418の円周は、足首の襟が第1状態における距離の75%以下の距離を有する第2状態にあるとき、少なくとも約1.0インチ(約2.54cm)だけ膨張し得る。足挿入開口318および418の膨張量は、靴のスタイルおよびサイズによって異なり得る。他の態様において、降下状態におけるソール312および412の上の足首の襟336および436の高さは、直立状態における高さよりも約50%低いが、他のパラメータと同様に、これは、靴のスタイルおよびサイズによって異なり得る。
本開示の他の箇所で説明されているように、襟エレベータ350および450は、足首の襟336および436を降下状態から直立状態に移動させるときに復帰力を提供する。いくつかの態様において、復帰力は、約1重量ポンド~約15重量ポンドであり、これは、足首の襟の多様な位置で測定され得る。たとえば、前述のように、足首の襟は、ソールからの第1距離を有する第1状態と、ソールからの第2距離(第1状態における距離よりも短い)を有する第2状態と、を含み得る。一態様において、襟エレベータ350および450は、第1状態における距離の約85%以下の距離を有する第2状態で、約1重量ポンド~約15重量ポンドの復帰力を提供する。さらなる態様において、襟エレベータ350および450は、第1状態における距離の約75%以下の距離を有する第2状態で、約1重量ポンド~約15重量ポンドの復帰力を提供する。さらに、襟エレベータ350および450は、第1状態における距離の約50%以下の距離を有する第2状態で、約1重量ポンド~約15重量ポンドの復帰力を提供し得る。復帰力は、足首の襟の後部が第2状態から跳ね戻って着用者の踵の周りにぴったりとフィットするように十分に強いものであり得る。たとえば、足首の襟336および436は、降下状態における足首の襟とソールとの間の距離が、直立状態における距離の85%未満、または75%未満、または50%未満である場合、約1秒未満の間に降下状態から直立状態に上昇し得る。他の態様において、足首の襟336および436は、降下状態における足首の襟とソールとの間の距離が、直立状態における距離の85%未満、または75%未満、または50%未満である場合、約0.5秒未満の間に降下状態から直立状態に上昇し得る。そして、さらなる態様において、足首の襟336および436は、降下状態における足首の襟とソールとの間の距離が、直立状態における距離の85%未満、または75%未満、または50%未満である場合、約0.2秒未満の間に降下状態から直立状態に上昇し得る。跳ね戻り時間は、外力(たとえば、着用者の踵により加えられ得る摩擦)による相殺のない状態で測定される。
以下では、図5~図9、図10A~図10D、図11、および図12を参照して、ソール512に結合されたアッパー514を有する別の履物品510について説明する。アッパー514は、内側クォータ515を含み、内側クォータ515の部分は、図9、図10A~図10D、および図11で見られる。たとえば、内側クォータ515の外部は、図9の上面図で見られ、内側クォータ515の内部は、図11の断面図で見られる。また、図10A~図10Cでは、内側クォータ515が識別される。また、アッパー514は、外側クォータ517を含み、外側クォータ517の部分は、多様な他の図面で見られる。たとえば、外側クォータ517の外部は、図5の外側正面斜視図、図9の上面図で確認される。また、図10A~図10Cでも、外側クォータ517を識別される。
履物品510はまた、足首の襟536を有する踵領域524を含む。足首の襟536は、ソール512により近く位置決めされた降下状態(たとえば、図7)と、ソール512からより遠く位置決めされた直立状態(たとえば、図5)との間で移動可能である。また、履物品510は、踵領域524に結合され、足首の襟536を降下状態から直立状態に移動させるように動作可能な襟エレベータ550を含む。図5~図8に図示した襟エレベータ550は、襟エレベターの1つのタイプに関する一例であり、本開示の他の態様において、履物品510は、本明細書に開示された多様な他の襟エレベータのうちいずれかを含み得る。
履物品はまた、内側縁562と、外側縁564と、外向き表面566とを有する舌革560を含む。舌革の内側縁および外側縁の少なくとも一部は、通常の着用時の構成において隠され得るが、図面は、様々な方式で舌革縁を示している。たとえば、内側縁562は、図10A~図10Dおよび図11の断面図で識別される。図6において、外側クォータの一部は、外側縁564を見せるために切り出されており、外側縁564は、断面図10A~10Dでも識別される。また舌革560は、アッパー514の前足部つま革部分570によって隠され、図6において破線で示した最前方縁568を含む。一態様において、1つ以上のコネクタ572(たとえば、ステッチ、接合、一体形成など)は、最前方縁568の近くに位置決めされて、舌革560とアッパー512との間の結合を提供し得る。舌革560はまた、舌革560の最後方部分に沿って上端線の縁574を含む。
履物品510の舌革560は、舌革の1つのタイプに関する一例であり、他の態様において、舌革は、アッパーの前足部つま革部分と一体形成され得、よって、アッパーは、前足部つま革部分から舌革上端線の縁まで連続的に延びる。図8は、かかるタイプの舌革構成の一例を図示しており、ここで舌革560Bは、内側クォータ515Bおよび外側クォータ517Bから分離されたパネルであり得る前足部つま革部分570Bと一緒に連続的に延びる。文脈上、別な方法で反対の記載が明示されていないか、明らかに示されていない限り、舌革560に関するこの説明の一部は、舌革560Bに同様に適用可能である。たとえば、図10A~図10Dの断面図は、履物品510および履物品510Bの両方に同等に的確であり、適用可能である。舌革560と舌革560Bとの間の差異に関する例としては、最前方縁(たとえば、568)の存在と、最前方縁568から上端線の縁574まで測定された舌革長さとを含み得る。本開示の他の箇所で説明され得るように、舌革560Bの長さは、異なる技法を用いて決定され得る。
舌革560は、一般に1つ以上の材料層のパネルを含む。たとえば、舌革560は、編織、織物、編組、積層体、または不織布パネルを含み得る。たとえば、図10A~図10Dおよび図11は、舌革560および舌革560bの断面図を示し、舌革外部層576および舌革内部層578を識別する。舌革外部層576は、足受容空洞に面する内向き表面567を含む。また、舌革560は第1層および第2層を含み得、これらの間にはクッション層がある。単一層としと示されているが、層576および578のそれぞれは、代替的に複数の層を含み得る。本開示の他の箇所で説明されているように、舌革560は、履物品のスロートに位置決めされており、特に細長い開口を覆うのに役立つ。図示された多層の舌革は、舌革の1つのタイプに関する一例であり、他の態様において、舌革は単一の編織層、単一の織物層、単一の編組層、単一の不織材料層、単一の積層材料層などの単一の材料層を含み得る。
本開示の別の態様において、履物品510は、外側クォータ517に外向き表面566を取り付ける外側コネクタ580と、外向き表面566を内側クォータに取り付ける内側コネクタ582とを含む。たとえば、図10Aは、コネクタ580および582の例示的な位置のみならず、外向き表面566とクォータ515および517との間の境界面を示す断面図を示している。
本開示の一態様において、内側コネクタ582および外側コネクタ580は、舌革560と内側クォータ515と外側クォータ517との間に力を伝達し得る。たとえば、場合によっては、アッパー514は、内側クォータ515および外側クォータ517が、矢印EおよびFによって示す方向で足受容空洞に向かって内向き傾くまたは付勢される方式で造形され得る。このように内向きへの傾きまたは付勢は、アッパーの形状、アッパーを靴型合わせする方式、重力、またはこれらのあらゆるすべての組み合わせに起因して生じ得る。また、このような内向き傾斜は、内側および外側コネクタを通じて伝達される剪断力を舌革に加える。
他の場合、内側および外側クォータ515および517は、足首の襟536が押されて降下状態になる場合、たとえば着用者が足挿入開口に足をするっと入れる場合、内向きに折り畳まれ得る。たとえば、足首の襟536が押される場合、結果として、スロート縁538Aおよび538Bが引っ張られ得る。図9を参照すると、足首の襟536がXの近くで押される場合、スロート縁538Aおよび538Bは、矢印C、D、E、およびFで図示したように、後方および内向きに引っ張られ得る。その結果、内側および外側スロート縁538Aおよび538B(ならびに内側および外側クォータ)は、互いに向かって折り畳み得る。したがって、スロート縁およびクォータが互いに向かって内向きに折り畳まれると、内側および外側コネクタを通じて伝達される剪断力が舌革に加えられる。
本開示の一態様において、舌革560は、外側剪断力領域585および内側剪断力領域587を含む(たとえば、図10Bを参照)。剪断力領域は、クォータからの剪断力が向けられる、舌革560のそれぞれの部分を表す。一態様において、剪断力領域は、外向き表面566の少なくとも一部を含む。剪断力領域の位置は、コネクタのタイプおよびコネクタのサイズなどの多様な要因によって異なり得る。
一態様において、図10Cを参照すると、コネクタ580および582は、解除可能なファスナであり得、クォータ側コネクタ583Aおよび583Bと、解除可能に嵌合する舌革側コネクタ581Aおよび581Bと、を含む。たとえば、図12は、例示的な履物品を図示し、ここで解除可能なファスナは、フックアンドループコネクタであり、よって、舌革側コネクタ581A/Bは、フック部分またはループ部分のいずれか一方であり、クォータ側コネクタ583A/Bは、フック部分またはループ部分のいずれか他方である。特に解除可能かつ調整可能なファスナは、利用者が、解除可能なファスナの連結位置を調整することによって、履物品のフィットを調整し、カスタマイズすることを可能にし得る。フックアンドループコネクタは、解除可能なファスナの1つのタイプであり、コネクタは、他の公知の解除可能かつ調整可能なファスナを含み得る。代替的に、解除不可能なファスナ580および582は、舌革を内側および外側クォータに結合し得る。たとえば、ステッチ、溶接、接合、または他のタイプのコネクタによってクォータが舌革に連結され得る。さらなる例において、外側コネクタ580は、1つのタイプのコネクタであり得、内側コネクタ582は、他の種類のコネクタであり得る。たとえば、外側コネクタ580は、解除可能なコネクタを含み得、内側コネクタ582は、解除不可能なコネクタであり得るか、または逆もまた同様である。外側コネクタ580はステッチであり得、内側コネクタ582はフックアンドループであり得るか、または逆もまた同様である。外側コネクタ580は、クォータとの一体形成(たとえば、編織)を含み得、内側コネクタ582は、解除可能なファスナ(たとえば、フックアンドループ)であり得る。さらに別の態様において、内側コネクタおよび外側コネクタのうち少なくとも1つは省略され得、よって、舌革の側面のうち少なくとも1つは、それぞれのクォータから結合解除される。
再び図10Cを参照すれば、舌革側コネクタ581Aは、中間線基準面529の最も近くに位置決めされた最内側コネクタ縁584Aと、中間線基準面から最も遠くに位置決めされた最外側コネクタ縁586と、を含む。一態様において、クォータ側コネクタ583Aが舌革側コネクタ581Aに結合されるとき、剪断力の少なくとも一部は、最終的に舌革560に伝達される前に、最内側コネクタ縁584Aに伝達される。剪断力の他の一部は、舌革560に伝達される前に、最内側コネクタ縁584Aと最外側コネクタ縁586との間の舌革側コネクタ581Aの他の領域に伝達され得る。コネクタ581Aおよび583Bは、類似した方式で動作する。すなわち、クォータ側コネクタ583Bが舌革側コネクタ581Bに結合されるとき、剪断力の少なくとも一部は、最終的に舌革560に伝達される前に、最内側コネクタ縁584Bに伝達される。剪断力の他の一部は、舌革560に伝達される前に、最内側コネクタ縁584Bと最外側コネクタ縁586Bとの間の舌革側コネクタ581Bの他の領域に伝達され得る。
本開示の一態様において、履物品510は、舌革560を横切って外側に延びる舌革補強材590を含む。たとえば、図6は、外層576と内層578との間に積層された舌革補強材590を見せるために切り出された層576の一部を示す。一般的に、舌革補強材590は、1つ以上の舌革材料層と組み合わせられる追加の材料部分を含む。一態様において、舌革補強材590は、内向き表面567に固定的に取り付けられる。たとえば、舌革補強材590は、内向き表面に接着、接合、または溶接され得る。別の例において、舌革補強材590は、内向き表面567にステッチされ得る。特に、追加の材料部分は、舌革560に少なくとも若干の硬性を付加し、これは、舌革560が折り畳まれたり、折られたり、そうでなければ舌革に加えられる力(たとえば、クォータおよび/またはスロート縁からコネクタを介して伝達される剪断力)下で変形されることを阻害し得る。舌革補強材590は、様々な材料および構造を含み得る。一態様において、舌革補強材は、当業者によって選択され得る1つ以上の試験標準に基づいて外層576よりも硬い材料で構成される。舌革補強材材料の剛性を外層576と比較するために使用することができる1つの試験標準の一例としては、ASTM D1388が挙げられ、他の適宜な試験方法を使用することができる。別の態様において、舌革補強材は、編織パネル、織物パネル、メッシュパネルなどで構成される。また、舌革補強材は、ナイロン、TPU、またはその他の適宜なポリマーもしくは複合材などのプラスチックで構成され得る。舌革補強材は、革などの天然素材または合成織地であり得る。別の態様において、舌革補強材は双安定バネ要素であり得る。
舌革補強材は、内側縁592、外側縁594、上端縁596、および下端縁598を含む。また、舌革補強材590は、内側縁592から外側縁594まで延びる幅と、上端縁596から下端縁598まで延びる長さと、を含む。本発明の一態様において、舌革補強材590は、舌革の変形を抑制するサイズ、位置、またはこれらの組み合わせを含み、そうでなければ、クォータおよび/またはスロート縁からコネクタを介して伝達される剪断力によって舌革の変形が生じ得る。たとえば、図10Cに示したように、舌革補強材590の内側縁592は、舌革側コネクタ581Bの最内側縁584Bを超えて延びる。言い換えれば、最内側縁584Aおよび584Bは、距離を置いて離隔している。この距離は、基準面に沿って(たとえば、図9の基準線10-10に沿って)取った1つ以上の円弧の長さ(舌革が湾曲配置にある場合)の合計であり得る。同様に、舌革補強材590は、最内側縁間の距離と同一な基準面に沿って内側縁592から外側縁594まで測定された幅を含み、舌革補強材幅は、該距離よりも大きい。かかる方法論を用いて距離および幅を測定すると、一態様において幅および距離は、同一の半径を有する円弧(たとえば、600Aまたは600Bまたは600C)に沿って測定され、ここで基準線は、共通の円弧中心および各々の終点を通過する。
類似した態様において、そして平らな構成の舌革560を図示する図10Dを参照すると、舌革補強材は、内側縁592と外側縁594との間の幅595を含む。また、距離591は、外側コネクタ581Aの最内側縁584Aと内側コネクタ581Bの最内側縁584Bとの間で延びる。舌革補強材幅595は、コネクタ581A/Bの最内側縁間で延びる距離591よりも大きい。別の類似した態様においては、外側の舌革側コネクタ581Aの最内側縁584Aと舌革補強材590の外側縁594とが(図10Cおよび図10Dに示したように)互いに重なり、内側の舌革側コネクタ581Bの最内側縁584Bと舌革補強材590の内側縁592とが互いに重なる。
舌革補強材590と舌革側コネクタ581A/Bとの重なりは、舌革補強材幅を最内側縁584A/B間の距離よりも大きくすることで、少なくとも部分的に生成される。舌革側コネクタ581A/Bおよび舌革補強材590が、この重なり区域589Aおよび589Bにおいて舌革560に固定的に取り付けられる場合、舌革560は、剪断力をコネクタ581A/Bから舌革補強材590に伝達する媒体を提供する。たとえば、舌革側コネクタ581A/Bは、重なり区域で外向き表面566に取り付けられ得、舌革補強材590は、重なり区域内で内向き表面567に固定的に取り付けられ得る。多様な異なる結合が使用され得る。一態様において、舌革側コネクタ581A/Bおよび舌革補強材590は、重なり区域589A/Bにおいて舌革へ接合されるか、溶接されるか、ステッチされるか、熱硬化されるか、積層されるか、一体型に編織されるか、一体型に織成されるか、一体型に編組されるか、あるいは、これらのあらゆるすべてが組み合わせられ得る。本開示の一態様においては、舌革補強材がコネクタ581A/Bの最内側縁を超えて外向きに延びることによって、最内側縁584Aおよび584Bへ伝達される剪断力に起因し得る舌革の変形が、少なくとも部分的に抑制される。
他の態様で説明したように、剪断力は、最内側縁584A/Bに加えて、舌革側コネクタ581A/Bの多様な部分に伝達され得る。たとえば、剪断力は、舌革側コネクタ581A/Bの中央部分に伝えられ得る。一態様において、舌革側コネクタ581A/Bは、それぞれ最内側縁584A/Bと最外側縁586A/Bとの間に位置決めされた中間点588A(外側コネクタ中間点)および588B(内側コネクタ中間点)を含む。また、図10Dは、中間点588A/B間の距離599を図示し、舌革補強材幅595は、距離599よりも大きい。前述したように、参照矢印597Aおよび597Bで示す領域におけるこのような重なりは、舌革側コネクタ581A/Bおよび舌革補強材590が、重なり区域589A/Bのこのような部分で舌革560に固定的に取り付けられるとき、剪断力をコネクタ581A/Bから舌革560を通じて舌革補強材590に伝達する媒体を提供する。
本開示のいくつかの態様において、舌革補強材幅(たとえば、595)は、最内側縁584A/B間の距離よりも大きく、中間点588A/B間の距離よりも大きくてもよい。他の態様において、舌革補強材幅(たとえば、595)は、最内側縁584A/B間の距離よりも大きく、中間点588A/B間の距離よりも短くてもよい。さらなる態様において、舌革補強材幅(たとえば、595)は、最内側縁584A/B間の距離よりも大きく、中間点588A/B間の距離よりも大きく、最外側縁586A/B間の距離よりも大きくてもよい。幅595と他の距離との間(たとえば、最外側縁586A/B間、中間点588A/B間、および最内側縁584A/B間)の関係の構成は、多様な要因、たとえば、クォータによって加えられる剪断力の量、舌革の硬性または柔軟性、舌革側コネクタの硬性または柔軟性、舌革補強材の硬性または柔軟性、あるいはこれらのあらゆるすべての組み合わせに基づき得る。
本開示の別の態様において、舌革補強材590の位置決めはまた、クォータおよび舌革560から加えられる剪断力を相殺するのに寄与する。たとえば、場合によっては、舌革補強材590は、前足部つま革または最前方縁568側に片寄って位置決めされることとは対照的に、上端線の縁574に近く位置決めされる。かかるさらなる後方への位置決めは、クォータ515および517によって加えられるより大きな力の位置に基づいて構成され得る。たとえば、図9を参照すると、538A、538B、538C、538Dおよび538Eを含む、スロートの多様な部分が識別される。部分538Cおよび538Dは、スロート基部538Eにより近く、部分538Aおよび538Bは、スロート基部538Eからより離れている。このように、スロート基部538Eは、部分538Aおよび538Bよりも部分538Cおよび538Dへの内向きの動きに対してより大きな抵抗を提供する。また、部分538Aおよび538Bは、力C、D、E、およびFにより近い。このように、一般的に踵の方または後にある、舌革560の部分は、前方または前にある部分よりもクォータ515および517からより大きい剪断力を受ける。
図11を参照すると、長手方向の基準面および平らな地表面に対して垂直な、内側から外側への方向に延び、履物品510の最前方点と履物品510の最後方点との間の中間に位置決めされる緯線方向の基準面531が示されている。緯線方向の基準面531は、履物品510を前部分533と後部分535とに分割し、舌革560を上端舌革部561と下端舌革部563とに分割する。上端舌革部561は、舌革基準点565A(緯線方向の基準面531が舌革560と交差するところ)から上端線の縁574まで測定された長さ565を含む。長さ565は、外向き表面566の輪郭に沿う線に沿って測定される。図10Cおよび図10Dについて説明したように、舌革補強材590は幅595を有する部分を含み、幅は少なくとも最内側縁584A/B間の距離よりも大きく、中間点588A/B間の距離よりも大きくてもよく、最外側縁586A/B間の距離よりも大きくてもよい。本開示の一態様によれば、幅595を有する部分は、舌革基準点565A(緯線方向の基準面が舌革と交差するところ)と舌革上端線の縁574との間に位置決めされる。さらなる態様において、幅を有する舌革補強材の一部と舌革基準点565Aとの間の距離は、長さ565以上である。さらなる態様において、舌革補強材の一部は、上端縁596である。
本開示の他の箇所で示したように、舌革補強材590は、上端縁596から下端縁598まで延びる長さを含む。長さの寸法は、多様な要因に基づき得る。たとえば、他の箇所で説明したように、舌革補強材590の位置および幅は、上端線の縁574により近い剪断力に基づき得る。上端舌革部561において力の消散が十分に達成されるとき、場合によっては舌革補強材の長さが減り得る。特に、舌革補強材長さが短い場合、履物品を軽量化し、身体にぴったりフィットさせるのに役立ち得る。このように、本開示の一態様において、舌革補強材長さは舌革補強材幅よりも小さい。別の態様において、舌革補強材長のさは長さ565よりも小さい。
図5~図12において、履物品510は、舌革の内向き表面567に結合された舌革補強材590を含む。代替の態様において、舌革補強材は、舌革の外向き表面に結合され得る。たとえば、図13~図16を参照すると、履物品610は、外向き表面666に、そして舌革側コネクタ681Aの下に結合された舌革補強材690を含む。文脈上別段に明確に示されていない限り、または明らかに記述されていない限り、舌革補強材690は、舌革補強材590と同様な方式で動作し、舌革補強材590に関する説明は、舌革補強材690に同様に適用される。たとえば、舌革補強材590と同様に、舌革補強材690は、内側縁692および外側縁694を含む。本開示の一態様によれば、舌革補強材690は幅695を有する部分を含み、幅は少なくとも最内側縁684A/B間の距離よりも大きく、中間点688A/B間の距離よりも大きくてもよく、最外側縁686A/B間の距離よりも大きくてもよい。図16を参照すると、さらなる態様において、幅695(最内側縁684A/B間の距離以上である)を有する部分は、舌革基準点665A(緯線方向の基準面631と交差する)と舌革上端線の縁674との間に位置決めされる。別の態様において、幅を有する舌革補強材の一部と舌革基準点665Aとの間の距離は、長さ665の半分以上である。さらなる態様において、幅を有する舌革補強材の一部は、上端縁696である。
本発明は、構造に固有であり当業者によって実現される他の利点と共に、上述のすべての目標および目的を達成するようによく適合しているものであると、前述のところから分かるであろう。
特定の特徴および下位組み合わせは実用的であり、他の特徴および下位組み合わせを参照せずに採用され得ることが理解されよう。これは、請求項により考慮され、特許請求の範囲内に属する。
本発明の範囲を逸脱することなく、多数の可能な態様が本発明で作られ得るので、本発明に説明されるか、添付の図面に示されるすべての事項は、例示的のものとして解釈されるべきであり、限定的な意味では解釈されないことを理解されたい。
本開示のいくつかの態様は、図面に提供された例について説明されている。出願時の本出願の1つ以上の請求項または条項、あるいは1つ以上の関連出願に含まれる関連主題であり得る、本開示のさらなる態様が以下で説明されるが、請求項または条項は、この説明の下記に説明される主題のみに限定されるものではない。これらのさらなる態様は、図面によって図示している特徴、図面によって示していない特徴、およびこれらの任意の組み合わせを含み得る。これらのさらなる態様を説明する場合、例示の目的で図面によって示した要素が参照され得る。
本発明、および以下で列挙されている請求項に関連して使用される「条項のうちいずれか」という用語または前記用語の類似した変形は、請求項/条項の特徴が任意の組み合わせで組み合わせられ得るように解釈されることを意図する。たとえば、例示的な条項4は、条項1~条項3のうちいずれか1つの方法/装置を示してもよく、これは条項1および条項4の特徴が組合わせられ得、かつ/または、条項2および条項4の要素が組合わせられ得、かつ/または、条項3および条項4の要素が組合わせられ得、かつ/または、条項1、条項2、および条項4の要素が組合わせられ得、かつ/または、条項2、条項3、および条項4の要素が組合わせられ得、かつ/または、条項1、条項2、条項3、および条項4の要素が組合わせられ得、かつ/または、その他の変形があり得るものと解釈されることを意図する。さらに、「条項のうち任意の条項」という用語または前記用語の類似した変形は、上記に提供された例の一部により示されているように、「条項のうちいずれか1つ」、またはこのような用語のその他の変形を含むことを意図する。
以下の条項は、本発明にて考慮される態様である。
条項1.履物品であって、内側クォータと、外側クォータと、踵領域と、ソールにより近く位置決めされた降下状態とソールからより遠く位置決めされた直立状態との間で移動可能な足首の襟と、を備える、ソールに結合されたアッパーと;少なくとも踵領域に位置決めされ、足首の襟を降下状態から直立状態に移動させるように動作可能な襟エレベータと;外向き表面を有する舌革と;外向き表面を内側クォータに取り付ける内側コネクタであって、内側コネクタ中間点を含む内側コネクタと;外向き表面を外側クォータに取り付ける外側コネクタであって、内側コネクタ中間点から第1長さだけ離隔した外側コネクタ中間点を含む外側コネクタと;舌革に結合され、第2長さだけ互いに離隔した舌革補強材内側縁および舌革補強材外側縁を有する舌革補強材であって、第2長さは、第1長さ以上である、舌革補強材と;を備える、履物品。
条項2.襟エレベータは、加えられた力が足首の襟を直立状態から降下状態に移動させる場合、第1構成から第2構成に弾性変形されることによって位置エネルギーを蓄積し、位置エネルギーは、加えられた力の除去時、襟エレベータを第1構成に戻す、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項3.襟エレベータは、内側レバーアームと、外側レバーアームと、内側レバーアームを外側レバーアームに結合し、足首の襟の後方部分に位置する中央連結バンドと、を含む、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項4.舌革は、第1剛性を有する第1材料層を含み;舌革補強材は、第1剛性以上の第2剛性を有する第2材料層を含む、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項5.舌革は、外向き表面を有しかつ内向き表面を有する第1材料層を含み、内向き表面は、舌革補強材と外向き表面との間にある、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項6.舌革は、外向き表面を有しかつ内向き表面を有する第1材料層を含み、外向き表面は、舌革補強材と内向き表面との間にある、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項7.内側コネクタは、第1フックアンドループコネクタの第1部分を含み、第1フックアンドループコネクタの第2部分は、内側クォータに取り付けられ、外側コネクタは、第2フックアンドループコネクタの第1部分を含み、第2フックアンドループコネクタの第2部分は、外側クォータに取り付けられる、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項8.舌革は、履物品の緯線方向の中間線基準面に関係する舌革基準点を含み、第2長さを有する舌革補強材の一部は、舌革基準点と舌革の上端線の縁との間に位置決めされる、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項9.履物品であって、内側クォータと、外側クォータと、踵領域と、ソールにより近く位置決めされた降下状態とソールからより遠く位置決めされた直立状態との間で移動可能な足首の襟と、を備える、ソールに結合されたアッパーと;少なくとも踵領域に位置決めされ、足首の襟を降下状態から直立状態に移動させるように動作可能な襟エレベータと;上端線の縁と、外向き表面と、履物品の緯線方向の中間線基準面と交差する舌革基準点と、を有する舌革と;外向き表面を内側クォータに取り付ける内側コネクタと;内側コネクタから第1距離だけ離隔しており、外向き表面を外側クォータに取り付ける外側コネクタと;舌革に結合され、舌革補強材内側縁と、舌革補強材外側縁と、舌革補強材内側縁から舌革補強材外側縁までの舌革補強材幅と、を有する少なくとも一部を有する舌革補強材であって、舌革補強材幅は、第1距離よりも大きく、少なくとも一部は、舌革基準点と上端線の縁との間に位置決めされる、舌革補強材と;を備える、履物品。
条項10.舌革基準点と少なくとも一部との間の第2距離は、舌革基準点から上端線の縁まで延びる第3距離の半分以上である、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項11.襟エレベータは、加えられた力が足首の襟を直立状態から降下状態に移動させる場合、第1構成から第2構成に弾性変形されることによって位置エネルギーを蓄積し、位置エネルギーは、加えられた力の除去時、襟エレベータを第1構成に戻す、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項12.襟エレベータは、内側レバーアームと、外側レバーアームと、内側レバーアームを外側レバーアームに結合し、足首の襟の後方部分に位置する中央連結バンドと、を含む、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項13.内側コネクタは、第1フックアンドループコネクタの第1部分を含み、第1フックアンドループコネクタの第2部分は、内側クォータに取り付けられ、外側コネクタは、第2フックアンドループコネクタの第1部分を含み、第2フックアンドループコネクタの第2部分は、外側クォータに取り付けられる、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項14.舌革は、外向き表面を有しかつ内向き表面を有する第1材料層を含み、内向き表面は、舌革補強材と外向き表面との間にある、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項15.舌革は、外向き表面を有しかつ内向き表面を有する第1材料層を含み、外向き表面は、舌革補強材と内向き表面との間にある、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項16.履物品であって、内側クォータと、外側クォータと、踵領域と、ソールにより近く位置決めされた降下状態とソールからより遠く位置決めされた直立状態との間で移動可能な足首の襟と、を備える、ソールに結合されたアッパーと;少なくとも踵領域に位置決めされ、足首の襟を降下状態から直立状態に移動させるように動作可能な襟エレベータと;上端線の縁と、外向き表面と、履物品の緯線方向の中間線基準面と交差する舌革基準点と、を有する舌革と;外向き表面を内側クォータに取り付ける内側コネクタと;外向き表面を外側クォータに取り付ける外側コネクタと;舌革に結合され、舌革補強材内側縁から舌革補強材外側縁まで延びる舌革補強材幅を有し、舌革補強材上端縁から舌革補強材下端縁まで延びる舌革補強材長さを有する舌革補強材であって、舌革補強材幅は、舌革補強材長さよりも大きく、舌革補強材上端縁は、舌革基準点と上端線の縁との間にある、舌革補強材と;を備える、履物品。
条項17.舌革補強材下端縁は、舌革基準点と上端線の縁との間に位置決めされる、条項のいずれかに記載の装置。
条項18.舌革補強材幅は、内側コネクタが外側コネクタから離隔した距離よりも大きい、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項19.舌革補強材上端縁は、舌革補強材幅を備える、条項のうちいずれかに記載の装置。
条項20.舌革補強材下端縁は、舌革補強幅を備える、条項のうちいずれかに記載の装置。