JP2022512800A - 高強度かつ高硬度アルミニウム合金のためのecae加工 - Google Patents

高強度かつ高硬度アルミニウム合金のためのecae加工 Download PDF

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Abstract

高強度アルミニウム合金を形成する方法が開示される。この方法は、アルミニウム材料の標準溶体化温度の約5℃超から初期融解温度の約5℃未満の温度範囲に溶体化し、後にクエンチされる加熱されたアルミニウム材料を形成することを含む。アルミニウム材料は、少なくとも0.2重量%の濃度の二次成分としてのマグネシウム及びケイ素のうちの少なくとも1つを含む。冷却されたアルミニウム材料は、等温条件及び非等温条件のうちの1つを使用するECAE加工に供される。等温条件は、約80℃~約200℃の同じ温度のビレット及びダイを有することを含む。非等温条件は、約80℃~約200℃の温度のビレットと、最高100℃の温度のダイとを有することを含む。次に、アルミニウム材料を、約100℃~約175℃の温度で時効させる。【選択図】図1

Description

本開示は、例えば、高い降伏強度を要するデバイスで使用され得る高強度かつ高硬度アルミニウム合金に関する。より具体的には、本開示は、高い降伏強度を有し、より強度の高い電子デバイスのケース又はエンクロージャを形成するために使用され得る高強度アルミニウム合金に関する。高強度アルミニウム合金、並びにポータブル電子デバイス用の高強度アルミニウムケース又はエンクロージャを形成する方法も記載される。
ラップトップコンピュータ、携帯電話、及びポータブル音楽デバイスなどの特定のポータブル電子デバイスのサイズ及び重量を減少させる一般的な傾向がある。デバイスを保持する外側ケース又はエンクロージャのサイズを減少させたいという、対応する要望がある。一例として、ある特定の携帯電話製造業者は、その電話ケースの厚さを、例えば、約8mm~約6mm減少させている。デバイスケースの厚さなどのサイズを減少させることにより、通常の使用中及び使用しない間の保管中の両方で、特にデバイスケースのたわみに起因する構造的な損傷のリスクの増大に、デバイスを曝し得る。ユーザは、通常の使用中及び使用間の保管中に、デバイスに機械的応力をかける方法でポータブル電子デバイスを取り扱う。例えば、ユーザがズボンの後ろポケットに携帯電話を入れて座ると、電話に機械的応力がかかり、それによりデバイスに割れ又は曲げを引き起こす可能性がある。したがって、弾性又は塑性たわみ、へこみ、及び任意の他の種類の損傷を最小限にするために、デバイスケースを形成するために使用される材料の強度を増加させる必要性がある。
これら及び他の必要性は、本開示の様々な態様及び構成によって対処される。
本開示の様々な態様は、高強度アルミニウム合金を形成する方法を含み、この方法は、アルミニウム材料を溶体化することであって、一次成分としてのアルミニウムと、少なくとも0.2重量%の濃度の二次成分としてのマグネシウム及びケイ素のうちの少なくとも1つと、を含む、アルミニウム材料を、アルミニウム材料の標準溶体化温度の約5℃超から初期融解温度の約5℃未満の範囲の温度に溶体化して、加熱されたアルミニウム材料を形成することと、加熱されたアルミニウム材料を水中で室温まで急速にクエンチして、冷却されたアルミニウム材料を形成することと、冷却されたアルミニウム材料を、等温条件及び非等温条件のうちの1つを使用して、等断面積側方押出(ECAE)プロセスに供し、第1の降伏強度を有するアルミニウム合金を形成することであって、等温条件は、約80℃~約200℃の同じ温度のビレット及びダイを有し、非等温条件は、約80℃~約200℃の温度のビレットと、最高100℃の温度のダイとを有する、ことと、アルミニウム合金を約100℃~約175℃の温度で約0.1~約100時間時効処理して、第2の降伏強度を有するアルミニウム合金を形成することであって、第2の降伏強度は第1の降伏強度よりも高い、ことと、を含む。
アルミニウム材料が析出硬化アルミニウム合金である、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
アルミニウム材料がアルミニウム合金6xxxである、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
アルミニウム合金6xxxがAA6061及びAA6063から選択される、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
溶体化温度が530℃~580℃である、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
溶体化温度が約560℃である、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
冷却されたアルミニウム材料を供する工程が等温条件を使用し、ビレット及びダイは約105℃~約175℃の同じ温度に加熱される、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
ビレット及びダイが約140℃の同じ温度に加熱される、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
冷却されたアルミニウム材料を供する工程が非等温条件を使用し、ビレットは約105℃~約175℃の温度に加熱され、ダイは最大80℃の温度である、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
ビレットが約140℃の温度に加熱され、ダイがほぼ室温である、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
時効工程の前に、圧延、押出、及び鍛造のうちの少なくとも1つから選択される熱機械プロセスにアルミニウム合金を供することを更に含む、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
時効工程の後に、圧延、押出、及び鍛造のうちの少なくとも1つから選択される熱機械プロセスにアルミニウム合金を供することを更に含む、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
冷却されたアルミニウム材料をECAEプロセスに供する工程が、少なくとも2回のECAEパスを含む、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
時効処理されたアルミニウム合金の第2の降伏強度が少なくとも250MPaである、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
時効工程が約140℃の温度で約4時間である、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金を形成する方法。
本開示の様々な態様は、一次成分としてのアルミニウムと、少なくとも0.2重量%の濃度の二次成分としてのマグネシウム及びケイ素のうちの少なくとも1つと、少なくとも90BHNのブリネル硬度と、少なくとも250MPaの降伏強度と、少なくとも275MPaの最終引張強度と、少なくとも11.5%の伸び率と、を含む、高強度アルミニウム合金材料を含む。
アルミニウム材料が、約0.3重量%~約3.0重量%のマグネシウムと、約0.2重量%~約2.0重量%のケイ素と、を含有する、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金。
ブリネル硬度が少なくとも95BHN、降伏強度が少なくとも275MPa、かつ最終引張強度少なくとも300MPaである、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金。
ブリネル硬度が少なくとも100BHN、降伏強度が少なくとも300MPa、最終引張強度少なくとも310MPa、伸び率が少なくとも15%である、上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金。
上記本明細書に記載の高強度アルミニウム合金で形成されている、デバイスケース。
複数の実施形態が開示されるが、当業者には、本発明の例示的実施形態を図示及び説明する以下の発明を実施するための形態から、本発明の更に他の実施形態が明らかになるであろう。したがって、図面及び発明を実施するための形態は、制限的なものではなく、本質的に例示とみなされるべきである。
本開示による高強度かつ高硬度アルミニウム合金を形成する方法の一実施形態を示すフローチャートである。
本開示による高強度かつ高硬度アルミニウム合金を形成する方法の別の実施形態を示すフローチャートである。
本開示による高強度かつ高硬度アルミニウム合金を形成する方法の別の実施形態を示すフローチャートである。
本開示による高強度かつ高硬度金属合金を形成する方法の別の実施形態を示すフローチャートである。
試料等断面積側方押出デバイスの概略図である。
析出溶質に対する520℃及び560℃の溶体化温度の影響を示す概略図である。
本開示によるアルミニウム合金について、低温(室温)及び105℃及び140℃での等温条件(同じ温度のビレット及びダイ)でのECAE前後のミクロ構造的特徴(析出及び転位/亜粒界)を示す概略図である。
本開示によるアルミニウム合金の非等温条件と比較した、等温条件下でのECAE後のミクロ構造的特徴を示す概略図である。
硬度に対する等温プロセス温度の影響(時効熱処理なし)を示すグラフである。
析出の動態に対するECAE構造の影響を示す示差走査熱量測定(DSC)のグラフである。
本開示によるアルミニウム合金における、時効温度105℃、140℃、175℃での時効時間をブリネル硬度と比較することによって、最適化された時効熱処理条件を示すグラフである。
本開示に従って加工されたアルミニウム合金について、等温プロセスに140℃でのピーク時効熱処理を加えた影響を示すグラフである(標準品T6と比較したときの増加パーセントとして示す)。
本開示に従って加工されたアルミニウム合金について、105℃等温(1205)、ビレットが105℃である非等温(1210)、140℃等温(1215)、及びビレットが140℃である非等温(1220)でのECEA加工を、得られた機械的特性と比較するグラフである(標準品T6と比較したときの増加パーセントとして示す)。
530℃から560℃への溶体化温度の増加の影響を示すグラフである。
高硬度かつ降伏強度を有するアルミニウム(Al)合金を形成する方法が本明細書において開示される。より具体的には、本明細書には、95ブリネル硬度数(BHN)を超える硬度と、250MPaを超える降伏強度とを有するアルミニウム合金を形成する方法が記載される。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、一次成分としてのアルミニウム、及び少なくとも1つの二次成分を含有する。例えば、アルミニウム合金は、少なくとも0.1重量%の濃度の二次成分としてのマグネシウム(Mg)及び/又はケイ素(Si)を含有することができ、残部がアルミニウムである。いくつかの例では、アルミニウムは、約90重量%を超える重量パーセントで存在してもよい。等断面積側方押出(ECAE)によって含む高強度アルミニウム合金を形成する方法も開示される。約250MPa~約600MPaの降伏強度及び約95~約160BHNのブリネル硬度(BH)を有する高強度アルミニウム合金を、特定の時効プロセスと組み合わせて、等温条件及び非等温条件のうちの1つを使用するECAEによるものを含む、高強度アルミニウム合金を形成する方法も開示される。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、一次成分としてのアルミニウム、並びに二次成分としてのマグネシウム及びケイ素を含有する組成を有するアルミニウム合金で行うことができる。例えば、アルミニウム合金は、少なくとも0.2重量%のマグネシウムの濃度を有してもよい。例えば、アルミニウム合金は、約0.2重量%~約2.0重量%、又は0.4重量%~約1.0重量%の範囲のマグネシウムの濃度と、約0.2重量%~約2.0重量%、又は0.4重量%~約1.5重量%の範囲のケイ素の濃度とを有し得る。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、Al 6xxx系合金のうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、ある濃度のアルミニウム合金は、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、及び/又はその他元素などの微量元素を有し得る。微量元素の濃度は、最大0.7重量%のFe、最大1.5重量%のCu、最大1.0重量%のMn、最大0.35重量%のCr、最大0.25重量%のZn、最大0.15重量%のTi、及び/又は、その他元素の合計が0.15重量%を超えない最大0.0.5重量%のその他元素であってよい。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、本明細書ではそれぞれAl6061及びAl6063とも称される、AA6061及びAA6063から選択される。いくつかの実施形態では、アルミニウム材料は、析出硬化アルミニウム合金である。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、約250MPa~約600MPa、約275MPa~約500MPa、又は約300MPa~約400MPaの降伏強度を有し得る。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、約275MPa~約600MPa、約300MPa~約500MPa、又は約310MPa~約400MPaの最終引張強度を有し得る。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、少なくとも約90BHN、少なくとも約95BHN、少なくとも約100BHN、少なくとも約105BHN、又は少なくとも約110BHNのブリネル硬度を有し得る。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金は、約160BHNのブリネル硬度上限を有し得る。
マグネシウム及びケイ素を有する高強度アルミニウム合金を形成する方法100を、図1に示す。方法100は、工程110において出発材料を溶体化することを含む。例えば、出発材料は、ビレットの形状に鋳造されたアルミニウム材料であってよい。アルミニウム材料は、方法100中にアルミニウムと合金化してアルミニウム合金を形成する、他の元素などの添加剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アルミニウム材料ビレットは、マグネシウム及びケイ素を有するアルミニウム合金の標準的な鋳造法を使用して形成され得る。溶体化は、均質化と同様に鋳造後にすぐに行われる必要はない。アルミニウム材料ビレットは、工程110において溶体化に供されてもよく、溶体化の温度及び時間は、具体的には特定の合金に対して調整され得る。温度及び時間は、二次成分がアルミニウム材料全体に分散されて溶体化されたアルミニウム材料を形成するように、換言すれば、マグネシウム及びケイ素を固溶体に入れ、例えば時効などの他の熱処理中に析出部位として利用可能であるように、十分であり得る。二次成分は、溶体化されたアルミニウム材料が実質的に均質であるように、アルミニウム材料全体にわたって分散され得る。本開示による溶体化温度は、加熱されたアルミニウム材料を形成するために、アルミニウム材料の標準溶体化温度の約5℃超から初期融解温度の約5℃未満の温度範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、溶体化に好適な温度は、約530℃~約580℃、約550℃~約570℃であってよく、又は約560℃であってもよい。いくつかの実施形態では、溶体化に好適な温度は、約530℃~約580℃であり得る。約580℃の上限は、初期融解によるものである。本開示による溶体化温度下限は、ASM(American Society for Metals)標準基準材料によるAl6063の標準的な520℃の溶体化温度よりも10℃高い。他のAl6xxx合金については、溶体化温度は、わずかに高く、例えば最大530℃であり得る。本開示による方法は、特定の合金材料に対する標準よりも少なくとも5℃又は少なくとも10℃高い温度で溶体化することを含む。特定の溶体化は、ビレットの構造的均一性及び以後の加工性を改善するために実施することができる。いくつかの実施形態では、溶体化は、均質に発生する析出をもたらし得、これにより、後続の加工中、より高い達成可能な強度、及び析出物のより良好な安定性に寄与し得る。いくつかの実施形態では、一次成分としてのアルミニウムと、少なくとも0.2重量%の濃度の二次成分としてのマグネシウム及びケイ素のうちの少なくとも1つとを含むアルミニウム材料を溶体化することは、約530℃~約580℃の温度で行われ、加熱されたアルミニウム材料を形成する。いくつかの実施形態では、溶体化温度は、約530℃~約560℃である。いくつかの実施形態では、溶体化温度は、530℃~560℃である。いくつかの実施形態では、溶体化温度は約560℃である。いくつかの実施形態では、溶体化温度は560℃である。溶体化の目的は、アルミニウム合金を形成するために、マグネシウム及び/若しくはケイ素、又はその他所望の微量元素などの添加元素をアルミニウム材料中に溶解させることである。溶体化は、ビレットの断面積などのサイズに基づいて、好適な持続時間にわたって行うことができる。例えば、溶体化は、ビレットの断面に応じて、約30分~約8時間、1時間~約6時間、又は約2時間~約4時間行うことができる。例として、溶体化は、約530℃~約580℃で最大8時間行うことができる。8時間よりも長い時間、例えば24時間は悪影響を及ぼす可能性はないが、8時間を超える時効時間に対して、ミクロ構造又は機械的特性における期待される利益は存在しない。
工程120に示されるように、溶体化に続いてクエンチを行ってもよい。標準的な金属鋳造に関しては、鋳片の熱処理は、多くの場合、鋳片の固相線温度(すなわち溶体化)付近で行われ、続いて鋳片をほぼ室温以下の温度まで急冷することによって、鋳片を急速に冷却する。この急速冷却により、いかなる元素も、室温におけるアルミニウム合金中のその元素の平衡濃度よりも高い濃度で鋳片中に溶解した状態に維持される。いくつかの実施形態では、溶体化され、加熱されたアルミニウムは、水(又は油)中で室温まで急速にクエンチされて、冷却されたアルミニウム材料を形成する。
いくつかの実施形態では、冷却されたアルミニウム材料を、工程130に示されるように、等断面積側方押出(ECAE)などの過酷な塑性変形に供することができる。例えば、アルミニウム合金ビレットをダイを備えるECAEデバイスに通して、正方形、長方形又は円形の断面を有するビレットとしてアルミニウム合金を押出することができる。ECAEプロセスは、押出成形される特定のアルミニウム合金の溶体化温度と比較して、比較的低温で行われ得る。例えば、マグネシウム及びケイ素を有するアルミニウム合金のECAEは、等温条件及び非等温条件のうちの1つを使用して実行され得る。等温条件を使用するいくつかの実施形態では、押出成形中、押出成形されるアルミニウム合金材料及び押出ダイは、アルミニウム合金材料全体にわたって一貫した温度を確保するために、押出プロセスが行われる温度に維持され得る。すなわち、押出成形プロセス中にアルミニウム合金材料が冷却されるのを防止するために、押出ダイを加熱してもよい。等温条件の使用とは、アルミニウムビレット及びECAEダイが、約80℃~約200℃、又は約105℃~約175℃、又は約125℃~約150℃の同じ温度であることを意味する。いくつかの実施形態では、ECAEプロセスは、ECAEデバイスを通過する1回のパス、2回のパス、3回のパス、又は4回以上の押出パスを含むことができる。形成されたアルミニウム合金は、第1の降伏強度YSを有する。
ECAEで加工されていない材料については、Al6063質別T6に対する標準時効熱処理は、175℃で8時間であってもよい。しかしながら、ECAEで加工された合金では、サブミクロンのECAE材料において析出がより速く起こるため、175℃、8時間の熱処理条件は好ましくない。
いくつかの実施形態では、本開示による時効は、工程140に示すように、ECAEプロセス後に任意選択的に実行されてもよい。いくつかの実施形態では、時効熱処理は、約100℃~約175℃の温度で、0.1時間~約100時間の持続時間にわたって行うことができる。時効熱処理温度は、約100℃、約105℃、約110℃、約120℃、約130℃、約140℃、約150℃、約160℃、約170℃、約175℃であってもよく、いくつかの実施形態では、時効処理熱処理温度は、約100℃~約175℃、約120℃~約160℃、又は約130℃~約150℃である。いくつかの実施形態では、時効熱処理温度は約140℃である。時効熱処理時間は、約0.1時間、約0.2時間、約0.3時間、約0.4時間、約0.5時間、約0.6時間、約0.7時間、約0.8時間、約0.9時間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約20時間、約40時間、約60時間、約80時間、又は約100時間であってもよく、いくつかの実施形態では、時効処理熱処理時間は、約0.1時間~約100時間、約1時間~約20時間、又は約6時間~約10時間である。いくつかの実施形態では、時効熱処理時間は約8時間である。
ECAE及び時効による過酷な塑性変形に続いて、アルミニウム合金は、アルミニウム合金の特性を更に調整するために、及び/又はアルミニウム合金の形状若しくはサイズを変更するために、任意選択的に、工程150での圧延などの熱機械プロセスによる更なる塑性変形を受けてもよい。熱機械プロセスは、圧延、押出、及び鍛造のうちの少なくとも1つから選択されてもよい。冷間加工(延伸など)を使用して、特定の形状を提供すること、又はアルミニウム合金ビレットを応力除去若しくは矯正することができる。アルミニウム合金が平板となる平板用途では、圧延を使用してアルミニウム合金を成形してもよい。
工程140の時効、及び任意選択的にアルミニウム合金を工程150のような熱機械プロセスに供した後、工程160のように、高強度アルミニウム合金が形成される。高強度アルミニウム合金は、第2の降伏強度YSを有し、第2の降伏強度YSは、第1の降伏強度YSよりも大きい。
図2は、高強度アルミニウム合金を形成する方法200のフロー図である。方法200は、工程210の溶体化することと、工程220の急速にクエンチすることと、工程230のようなECAE加工とを含む。工程210、220、及び230は、図1に関して本明細書に記載された工程110、120、及び130と同一又は同様であってもよい。任意選択的に、アルミニウム合金は、工程240のような熱機械プロセスに供される。熱機械プロセスは、圧延、押出、及び鍛造のうちの少なくとも1つから選択されてもよい。いくつかの実施形態では、時効は、工程250に示されるように、工程240のような熱機械プロセスに供した後に、任意選択的に実行されてもよい。いくつかの実施形態では、時効熱処理は、約100℃~約175℃の温度で、0.1時間~約100時間の持続時間にわたって行うことができる。工程250の時効後、工程260のように高強度アルミニウム合金が形成される。
図3は、高強度アルミニウム合金を形成する方法300のフロー図である。方法300は、工程310の溶体化することと、工程320の急速にクエンチすることと、工程330のようなECAE加工とを含む。工程310及び320は、図1に関して本明細書に記載された工程110及び120と同一又は同様であってもよい。工程330のECAE加工は、非等温条件を使用する。非等温条件を使用する実施形態では、押出ダイは、押出プロセス中にビレット温度に対してより低くあってもよい。非等温条件の使用とは、アルミニウムビレット及びECAEダイが異なる温度であり、アルミニウムビレットが約80℃~約200℃、又は約105℃~約175℃、又は約125℃~約150℃の温度であり、ダイが約100℃以下、又は約80℃、又は約60℃、又は約40℃、又は約25℃、又はほぼ室温であることを意味する。いくつかの実施形態では、ECAEプロセスは、ECAEデバイスを通過する1回のパス、2回以上のパス、又は4回以上の押出パスを含むことができる。いくつかの実施形態では、時効は、工程340に示されるように、工程330のようなECAE加工後に任意選択的に実行されてもよい。いくつかの実施形態では、工程340の時効熱処理は、約100℃~約175℃の温度で、0.1時間~約100時間の持続時間にわたって行うことができる。任意選択的に、アルミニウム合金は、工程350のような熱機械プロセスに供される。熱機械プロセスは、圧延、押出、及び鍛造のうちの少なくとも1つから選択されてもよい。工程340の時効、及び任意選択的にアルミニウム合金を工程350のような熱機械プロセスに供した後、工程360のように、高強度アルミニウム合金が形成される。
図4は、高強度アルミニウム合金を形成する方法400のフロー図である。方法400は、工程410の溶体化することと、工程420の急速にクエンチすることと、工程430のようなECAE加工とを含む。工程410、420、及び430は、図3に関して本明細書に記載された工程310、320、及び330と同一又は同様であってもよい。工程430のECAE加工は、非等温条件を使用し、工程330と同じ又は同様である。任意選択的に、アルミニウム合金は、工程450と同様に時効処理前に、工程440のような熱機械プロセスに供される。熱機械プロセスは、圧延、押出、及び鍛造のうちの少なくとも1つから選択されてもよい。いくつかの実施形態では、工程450の時効熱処理は、約100℃~約175℃の温度で、0.1時間~約100時間の持続時間にわたって行うことができる。工程450の時効後、工程460のように高強度アルミニウム合金が形成される。
図1~図4に示される方法は、1つ以上の追加の成分を有するアルミニウム合金に適用され得る。例えば、アルミニウム合金は、マグネシウム及びケイ素のうちの少なくとも1つを、約0.3重量%~約3.0重量%、0.5重量%~約2.0重量%、又は0.5重量%~約1.5重量%の範囲のマグネシウム濃度、及び約0.2重量%~約2.0重量%、又は0.4重量%~約1.5重量%の範囲のケイ素濃度で含有し得る。例えば、アルミニウム合金は、Al 6xxx系合金のうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、ある濃度のアルミニウム合金は、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、及び/又はその他元素などの微量元素を有し得る。微量元素の濃度は、最大0.7重量%のFe、最大1.5重量%のCu、最大1.0重量%のMn、最大0.35重量%のCr、最大0.25重量%のZn、最大0.15重量%のTi、及び/又は、その他元素の合計が0.15重量%を超えない最大0.0.5重量%のその他元素であってよい。いくつかの実施形態では、アルミニウム合金6xxxはAA6061及びAA6063から選択される。
いくつかの実施形態では、図1~図4の方法は、高降伏強度(すなわち、300MPa~600MPaの降伏強度)、低重量密度(すなわち、約2.8g/cm3)、及び複雑な形状への製造の相対的な容易さに起因して、ポータブル電子デバイスケースでの使用に好適なアルミニウム合金に適用することができる。
本明細書に記載されるように、これらのアルミニウム合金の機械的特性は、合金を過酷な塑性変形(SPD)に供することによって改善することができる。本明細書で使用されるとき、過酷な塑性変形は、材料のバルクピースの極度の変形を含む。いくつかの実施形態では、ECAEは、本明細書に記載の材料に適用されると、好適なレベルの所望の機械的特性をもたらす。
ECAEは、実質的に90°~140°の間に含まれる特定の角度で交わるほぼ等しい断面の2つのチャネルからなる押出成形技術である。ECAEデバイス500の例示的なECAEの概略を図5に示す。図5に示すように、例示的なECAEデバイス500は、一対の交差するチャネル504及び506を画定する金型アセンブリ502を含む。交差するチャネル504及び506は、断面が同一であるか、又は少なくとも実質的に同一であり、「実質的に同一」という用語は、チャネルがECAE装置の許容可能な寸法公差内で同一であることを示す。動作中、材料508は、チャネル504及び506を通って押出される。このような押出は、チャネルの交差面に位置する薄いゾーンにおいて、層に次々に起きる単純剪断によって材料508の塑性変形をもたらす。したがって、いくつかの実施形態では、チャネル504及び506は、十分な変形(すなわち、真剪断ひずみ)をもたらすために、約90°の角度で交差している。例えば、90°のツール角度は、各ECAEパス当たり約1.17である、真ひずみをもたらし得る。しかしながら、例えば90°よりも大きい角度などの代替のツール角度を使用し得ること(図示せず)が理解されるべきである。
ECAEがパス当たり高い変形をもたらすので、複数パスのECAEを組み合わせて使用して、各パス後のビレットの形状及び体積を変化させることなく、極度のレベルの変形に到達することができる。各パス間でビレットを回転又は反転させることにより、様々なひずみ経路を達成することができる。これにより、合金粒の結晶学的テクスチャの形成、及び粒、粒子、相、鋳造欠陥又は析出物などの様々な構造的特徴の形状を制御することができる。ECAEを使用して、(i)単純剪断、(ii)激しい変形、及び(iii)複数パスのECAEを使用して可能な様々なひずみ経路の利用の3つの主要な因子を制御することにより、結晶粒の微細化が可能である。ECAEは、スケーラブルな方法、均一な最終製品、及び最終製品としてモノリシックな材料片を形成する能力を提供する。
ECAEはスケーラブルなプロセスなので、ECAEを介して大きなビレットのセクション及びサイズを加工することができる。ECAEはまた、加工中にビレットの断面を制御して、断面の形状又はサイズの変化を防止することができるので、ビレットの断面全体にわたって均一な変形をもたらす。また、2つのチャネル間の交差面において、単純剪断が働く。
ECAEは、変形される材料の中間接合又は切断を伴わない。したがって、ビレットは、材料の本体内に接合界面を有しない。すなわち、製造された材料は、以前分離していた2つ以上の材料片が互いに接合された接合線又は接合界面を有しないモノリシックな材料片である。界面は、多くの場合有害である酸化に好ましい場所であるので、有害である可能性がある。例えば、接合線は、割れ又は層間剥離の根源になり得る。更に、接合線又は接合界面は、不均質な粒径及び析出の要因であり、特性の異方性をもたらす。
場合によっては、アルミニウム合金ビレットは、ECAE中に割れることがある。特定のアルミニウム合金では、アルミニウム合金中の構成成分の高い拡散速度が、加工結果に影響を及ぼすことがある。いくつかの実施形態では、ECAEを高温で行うことにより、ECAE中のアルミニウム合金ビレットの割れを回避することができる。例えば、アルミニウム合金ビレットが押出成形中に保持される温度を上昇させることにより、アルミニウム合金の加工性を向上させ、アルミニウム合金ビレットをより容易に押出成形することができる。しかしながら、アルミニウム合金の温度を上昇させると、一般的に、望ましくない結晶成長をもたらし、熱処理型アルミニウム合金内で、より高い温度が、析出物のサイズ及び分布に影響を及ぼす可能性がある。変更された析出のサイズ及び分布が、加工後のアルミニウム合金の強度に悪影響を及ぼす可能性がある。ECAE中に使用される温度及び時間が、加工されるアルミニウム合金のピーク硬度に対応する温度及び時間を上回る、すなわち、ピーク時効に対応する温度及び時間の条件を上回る場合に、こうした結果になり得る。したがって、アルミニウム合金のピーク時効温度にあまりにも近い温度の合金で、アルミニウム合金のECAEを行うことは、それによりビレットの表面状態が改善(すなわち、発生する欠陥の数が低減)され得る場合であっても、特定のアルミニウム合金の最終強度を増加させるための好適な技術ではない場合がある。
上記の考慮事項を念頭に置いて、特定の加工パラメータが、マグネシウム及び/又はケイ素を有するアルミニウム合金に対するECAEプロセスの結果を改善し得ることが見出された。これらのパラメータを、以下の実施例で更に概説する。
ECAE前の熱処理は、マグネシウム及びケイ素を有するAl合金を溶体化することを含む。典型的には、ECAEを実施する前に、アルミニウム合金中に安定なギニアプレストン(GP)ゾーンを生成し、熱的に安定な析出物を定着させると、加工性が向上し、それにより、例えば、ECAE中のビレットの割れの低減につながり得る。加工条件が注意深く制御されない限り、これらの合金はかなり不安定な配列の析出を有し、ECAE中の高い変形により合金が更により不安定になるので、これは、マグネシウム及びケイ素を有するアルミニウム合金のECAE加工には重要である。
マグネシウム及びケイ素を有するアルミニウム合金において、熱及び時間が析出に及ぼす影響が評価されている。マグネシウム及びケイ素を有するアルミニウム合金中の析出の配列は、複雑であり、温度及び時間に依存する。加工パラメータの重要な最適化により、本明細書ではAl6063T6とも互換的に称されるAl6063の標準質別T6と比較して、本開示によるアルミニウム合金材料が改善されたことが発見された。これらの最適化された加工パラメータとしては、溶体化温度、ECAE加工中のECAEビレットの温度及びECAEダイの温度、並びに時効温度及び時間が挙げられる。
まず、溶体化などの高温熱処理を使用して、マグネシウム及び/又はケイ素などの溶質をアルミニウム合金全体にわたって分配することによって、溶体中に入れる。図6は、より高い溶体化温度の影響を概略的に示す。溶体化温度560℃を有するこの合金材料450は、520℃の標準温度で溶体化された同様の材料425と比較して、より高密度のドット410によって表されるように、溶液中により多くのケイ素及びマグネシウムを形成する。高温熱処理に続いて、溶質を固溶状態に維持するために、クエンチとしても知られる、水(又は油)中での急速冷却が行われる。標準の520℃(例えば、Al6063T6の場合)から約530℃~約560℃まで温度を上昇させることにより、より多くのケイ素及びマグネシウムをクエンチ中に固溶体中にもたらし、その後の熱処理中の析出強化に利用可能なより多くの(Mg、Si)析出物を生成する。長時間比較的低温にあるときの、及び穏やかな高温での人工時効の初期間中の主な変化は、固溶体の格子内に溶質原子が再分布され、溶質内でかなり濃縮されたギニアプレストン(GP)ゾーンと呼ばれる集合体を形成することである。この溶質原子の局所的な偏析により、合金格子のひずみが生じる。このゾーンの強化効果は、転位がGPゾーンを切断するときの転位の動きとの更なる干渉の結果である。(自然時効として定義される)室温での時効時間に伴う強度の漸増は、GPゾーンのサイズの増加に起因する。
ほとんどのシステムにおいて、時効時間又は温度が増加すると、GPゾーンが、固溶体のものとは異なる、及び平衡相の構造とは異なる結晶構造を有する粒子に変換されるか又は置換される。これらは、「遷移」又は「準安定」又は「中間」析出物と呼ばれる。多くの合金において、最初の「遷移」析出物は、局所的な弾性ひずみを介してマトリックスを適応させることによって、特定の結晶学的面上でアルミニウムマトリックスとコヒーレントであるように、固溶体との特定の結晶学的配向関係を有する。これらの最初の「遷移」析出物のサイズ及び数が増えるにつれて、強度が増加し続ける。強化機構は、材料全体で転位が移動できる容易さによって提供される。転位の移動を妨げる任意の析出物は、合金に強度を加える。非常に小さく、アルミニウムマトリックスとコヒーレントである最初の遷移析出物において、転位は、析出物中を切断して剪断する。析出反応の更なる進行により、「遷移」相粒子の成長が生じ、界面結合の強度を超え、コヒーレンスが消失するまで、コヒーレントなひずみの増加を伴うが、これにより、最初のタイプの遷移析出物を次第に置き換える新たな準コヒーレントな遷移析出物の形成をもたらす。コヒーレンスが失われると、強化効果は、転位に、析出物を切断させるのではなく、析出物の周りを輪を描いて進ませるのに必要な応力によってもたらされる。長時間高温度の時効中の追加の熱処理は、析出物がより大きく、マトリックスとコヒーレントではなくなり、これは平衡析出物の形成と一致する。強度は、平衡相粒子の成長及び粒子間間隔の増加に伴って徐々に減少する。この最後の段階は、過時効に対応し、いくつかの実施形態では、主目的が最大強度を達成することである場合には好適ではない。より具体的には、マグネシウム及びケイ素含有Al合金の場合、析出シーケンスは、空孔周辺のSi原子及びMg原子のクラスタからGPゾーンが形成されることで始まり、続いて針形状を有するコヒーレントな遷移β’’析出物の形成、ロッド形状の準コヒーレントな遷移β’析出物の形成が続き、最終的に、より大きくコヒーレントではない平衡β-Mg2Si析出物が形成される。時効中のピーク強度(ピーク時効とも呼ばれる)は、剪断及び/又は屈曲による転位運動を減速させる析出物の微細なサイズに起因して、通常β’’~β’変換の間に生じる。
GPゾーンは格子内で均一に核生成し、様々な析出物が順次発生する。しかしながら、粒界、亜粒界、転位、及び格子ひずみの存在がゾーンの自由エネルギーを変化させ、析出物の形成及び重大な不均質核生成が生じ得る。例えば、溶体化及びクエンチ工程直後のECAE中に極度のレベルの塑性変形が導入されると、これらの影響が高まり得る。ECAEによって、不均質な核生成及び析出を促進し得る高レベルの亜粒界、粒界、及び転位が導入され、したがって、析出物の不均質な分布がもたらされる。GPゾーン又は析出物が転位を装飾して、転位の移動を抑制し、局所的な延性の低下をもたらす可能性がある。室温加工であっても、より速い核生成及び析出のためのエネルギーをもたらす、あるレベルの断熱加熱がECAE中に存在する。これらの相互作用は、各ECAEパス中に動的に発生し得る。
ECAEダイ温度及びビレット温度の影響を調べたものを、図7に概略的に示す。ECAE前のビレットの温度の上昇を示す概略図700は、低温、つまり室温条件のミクロ構造710、105℃のミクロ構造730、及び140℃のミクロ構造750を示す。等温条件においてダイが同じ温度で保持されたECAE後のビレットの温度の上昇を示す概略図705は、低温、つまり室温条件のミクロ構造720、105℃のミクロ構造740、及び140℃のミクロ構造760を示す。ECAE前のより高いビレット温度は、低温(例えば、室温)条件の析出物を実質的に欠いているミクロ構造710を、中程度の密度の析出物を有する105℃に加熱されたビレットでのミクロ構造730、より高密度の析出物を有する140℃に加熱されたビレットでのミクロ構造750と比較して、析出物、つまりドット702の増加によって概略図700に示されるように、MgSiの析出物をより多く提供することが発見された。概略図705に示すように、ECAE中に生成された転位704は、析出物702によってピン留めされる。転位704の増加は、元の粒(太線によって示される境界706を有する)内の亜粒(境界704を有する)の増加に寄与し、より高い強度をもたらす。概略図705に示されるように、ダイ温度が等温に維持されるとき、より高いビレット温度が、ECAE後により多くの転位及び亜粒を提供することが発見された。転位/亜粒704の増加は、低密度の転位/亜粒を有する低温(例えば、室温)条件のミクロ構造720を、中程度の密度の転位/亜粒を有する105℃等温のミクロ構造740、より高密度の転位/亜粒を有する140℃等温のミクロ構造760と比較して示される。より高密度の析出物(ビレット温度の上昇による)及び転位/亜粒(等温条件でダイ及びビレットの両方の温度の上昇による)のこれらの効果は、以下でより詳細に論じられる、ECAE後ピーク時効後であっても維持される。
図8は、非等温条件805と比較したときの、等温条件800の析出物702及び粒界806内の転位又は亜粒704に対する影響を概略的に示す。驚くべきことに、非等温条件、換言すれば、ビレット温度よりも低い、つまり冷たい温度のダイを有することにより、等温条件(同じビレット温度)と比較して、より高密度の析出物702及び転位又は亜粒704が得られることが判明した。概略図800は、ビレット及びECAEダイの両方が105℃で等温に保持されるミクロ構造810が、ビレット及びECAEダイの両方が140℃で等温に保持されるミクロ構造830と比較して、ECAE後により低密度の析出物702及び転位/亜粒704を有していることを示す。同様に、概略図805は、低温ダイを有するが105℃のビレットを有するミクロ構造820が、低温ダイを有するが140℃のビレットを有するミクロ構造840と比較して、ECAE後により低密度の析出物702及び転位又は亜粒704を有していることを示す。ミクロ構造810及び820を比較すると、ビレットが105℃で熱処理された非等温条件(低温ダイ)を有するミクロ構造820について、より高密度の転位/亜粒704が存在する。同様に、ミクロ構造830及び840を比較すると、ビレットが140℃であった非等温条件(低温ダイ)を有するミクロ構造840について、より高密度の転位/亜粒704が存在する。理論に束縛されるものではないが、少なくとも部分的には、より低い回復がより高い強度をもたらすため、ダイ温度がビレット温度よりも低いことによって、ECAE後に残存する転位が多くなる。これらの影響は、最高約150℃のビレット温度に限定されることが観察され、それを超えると有害な効果が生じる。
潜在的に有害な影響のいくつかは、以下のとおりである。局所的な延性の損失及び不均質な析出物の分布に起因するビレットの表面割れの傾向。この影響は、ビレットの上部表面において最も深刻である。別の影響として、使用することができるECAEのパス数を制限する場合がある。パス数が増えると、影響がより深刻になり、割れがより起こり易くなる。不均質核生成の影響に部分的に起因する、及び最終レベルの粒径微細化に影響を及ぼす、ECAEのパス数の制限に部分的に起因する、ECAE中の最大の達成可能な強度の減少。
いくつかの実施形態では、プロセスの最適化は、圧延、押出、及び鍛造のうちの少なくとも1つから選択される更なる熱機械プロセスの前又は後に実行され得る、ECAE後時効熱処理を含むことが見出された。約100℃~約175℃の温度で約0.1~約100時間の時効熱処理は、第2の降伏強度を有するアルミニウム合金を形成するのに安定な析出物の分布を提供し、このとき第2の降伏強度は第1の降伏強度(時効前の降伏強度)より大きく、時効処理アルミニウム合金の第2の降伏強度は少なくとも250MPaである。本発明によれば、以下の実施例に示されるように、様々なECAEプロセス条件間のECAE工程の直後に観察される強度又は硬度の相対的な差は、最適な時効熱処理(すなわちピーク時効)後でさえも持続することが発見された。ピーク強度に影響を及ぼすこれらの様々なECAEプロセス条件としては、特に、パス数、ビレットの負荷経路、等温加工中の温度、並びに、非等温加工中のダイ及びビレットの温度が挙げられる。これは、ECAEによって生成される転位又は亜粒などのミクロ構造的特徴の変化(前項に記載される)が、ECAEミクロ構造が析出及び結果として生じるピーク強度に影響を及ぼすため、時効中に重要であり続けることを意味する。
複数回のECAEパスを実施することが有利であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ECAEプロセス中に2回以上のパスが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、3回以上、又は4回以上のパスが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、多数回のECAEパスが、押出成形された材料の優れた強度及び延性をもたらす、より等軸の高傾角粒界及び転位を有するより均一で微細化されたミクロ構造をもたらす。
いくつかの実施形態では、アルミニウム合金がECAEを受けた後、かつ時効熱処理前又は後のいずれかに、圧延及び/又は鍛造などの追加の熱機械プロセスを使用して、アルミニウム合金を最終製品形状に機械加工する前に、アルミニウム合金を最終ビレット形状により近いものにすることができる。いくつかの実施形態では、追加の圧延又は鍛造工程は、合金材料のミクロ構造により多くの転位を導入することによって、更なる強度を加えることができる。
硬度を主に使用して、以下の実施例に示されるように材料の強度を評価した。材料の硬度は、標準的な試験条件下での表面くぼみに対するその抵抗である。これは、局所的塑性変形に対する材料の抵抗の尺度である。硬度インデンタを材料に押し込むことは、インデンタが型押しされる場所における材料の塑性変形(移動)を伴う。材料の塑性変形は、試験される材料の強度を超える量の力がインデンタに加えられた結果である。したがって、硬度試験インデンタの下で塑性変形される材料が少ないほど、材料の強度が高くなる。同時に、塑性変形が少ないと、より浅い硬度圧痕がもたらされ、これにより、より高い硬度数が得られる。これは全体的な関係を提供し、材料の硬度が高いほど、期待強度が高くなる。すなわち、硬度と降伏強度の両方は、塑性変形に対する金属の抵抗の指標である。したがって、これらはほぼ比例している。ブリネル硬度を測定するために使用されるブリネル硬度試験方法は、ASTM E10に従って定義されており、別の試験方法を使用して試験するには粗すぎる構造を有する、又は粗すぎる表面を有する試験材料、例えば鋳物及び鍛造物に有用である。以下に含まれる実施例では、ブリネル硬さ試験機(マサチューセッツ州ノーウッドに所在のInstron(登録商標)から入手可能)を使用した。試験機は、ASTM E10規格に記載されたように、固定直径(10mm)の超硬球に所定の荷重(500kgf)を加えて、この状態を、手順毎に所定の期間(10~15秒)保持する。
引張強度はまた、最も関心のあるプロセス条件について評価した(次の実施例及び図を参照)。引張強度は、通常、降伏強度(YS)及び最終引張強度(UTS)の2つのパラメータによって特徴付けられる。最終引張強度は、引張試験中の最大測定強度であり、明確に定義された点で生じる。降伏強度は、塑性変形が顕著になり、引張試験下で顕著になる応力の量である。工学的応力-ひずみ線図には、弾性ひずみが終わって塑性ひずみが始まる明確な点が通常存在しないため、一定量の塑性ひずみが発生したときの強度が、降伏強度として選択される。一般的な工学的構造設計では、降伏強度は、0.2%の塑性歪みが起こったときに選択される。0.2%降伏強度又は0.2%オフセット降伏強度は、試料の元の断面積から0.2%オフセットした位置で計算される。使用され得る等式はs=P/Aで、式中、sは降伏応力又は降伏強度であり、Pは荷重であり、Aは荷重が加わる面積である。降伏強度は、粒径及び相径及び分布などの他のミクロ構造因子に起因して、最終引張強度よりも敏感であることに留意されたい。
以下の非限定的な実施例は、本発明の様々な特徴及び特性を説明するものであり、これらに限定されるものではない。
実施例1:等温ECAE加工の最適化。図9は、硬度に対する等温プロセス温度の影響(時効なし)を示す。次に、1~4回のパス数でECAE加工されたサンプルをBHについて試験した。様々な加工パラメータを表すデータを図9に示す。図9は、初期つまり「受領時」の材料のデータ点905、及び、530℃で溶体化しクエンチした後の材料の硬度を表すデータ点910を有する、プロット900を示す。サンプルを、1回、2回、3回、及び4回のECAEパスに応じたBHについて試験した:プロット915は低温条件下でECAE加工を受けたもの、プロット920は105℃の等温条件下でECAE加工を受けたもの、プロット925は140℃の等温条件下でECAE加工を受けたものである。室温(低温)から105℃の等温条件、140℃の等温条件へと金型及びビレット温度を上昇させると、パス数に応じた硬度の増加が観察された。理論に束縛されるものではないが、より多くの転位及び亜粒の生成を促進するECAE前及びその間の動的析出は、図7の概略図に示されるように、より高い温度かつより多くのパスで可能性が高いと考えられる。
実施例2:示差走査熱量(DSC)測定によって実証されるECAE材料における析出の動態。ECAE前後の溶体化+クエンチしたAl6063サンプルの熱挙動を、Perkin Elmer DSC8000示差走査熱量計(DSC)を使用して評価し、その結果を図10に示す。DSCは、制御雰囲気中の温度及び時間に応じた材料内の特定の遷移に関連する熱流量を測定する技術である。金属及び合金における典型的な遷移としては、析出物の形成及び再溶解が挙げられる。DSCを使用して、析出事象を特定した。析出事象は、典型的には発熱性(系が熱を放出する)であり、DSCにおいて発熱ピークとして示され、一方溶解事象は吸熱性である(系は熱を受け取る)。DSCの操作を、20℃/分の加熱速度において純窒素雰囲気下で行った。約35~40mgのAl6063サンプルを、DSCチャンバ内の純アルミニウムパンのうちの1つの内部に配置し、他方のパンを空にして対照に使用した。全てのサンプルを、530℃の温度で数時間溶体化し、急速にクエンチした。ECAEサンプルを105℃で4回、等温加工した。図10に示されるように、プロット950は、マグネシウム及びケイ素含有Al6063中の析出の複雑な順序を示す。ピーク1(発熱)は、Guinier Preston(GP)ゾーンの形成に関連し、その溶解(吸熱ピーク1’)が続き、発熱ピーク2、3及び4(発熱)は、それぞれコヒーレントβ’’、準コヒーレントβ’及びコヒーレントではない平衡β析出物の析出に対応し、吸熱ピーク2’、3’及び4’はそれぞれβ’’、β’及びβの消失に対応する。ほとんどのピークは、同時に起こるβ’’の溶解及びβ’の形成に起因して、ピーク2’を除いて検出された。更に、ECAE加工されたAl6063については、ピーク2、3、3’及び4の低温へのシフトが存在することが発見された。このことにより、析出及び再溶解の動態が、サブミクロン粒/亜粒及び転位などの様々なミクロ構造的特徴の影響に起因して、ECAE加工された材料においてより速くなることが確認される。これはまた、ECAE加工された材料における時効処理を最適化する必要があることも意味する。ECAEのAl6063の時効のためのこのような最適化手順を、次の実施例に示す。
実施例3:ECAE材料に対する時効熱処理の最適化。図11は、時効熱処理温度最適化の例示である。最適化手順に従って、様々な時効温度及び時間を試し、各ECAEプロセスについて、ブリネル硬度を測定して最大硬度を評価することで、最適な時効を示す(「ピーク時効」とも呼ばれる)。時効熱処理最適化によって、標準材料と比較して、より低温及びより短時間でより高いピーク強度が得られることが発見された。プロット1065に示されるように、4回のECAEパス後、最高BHを達成するのに175℃で1時間のみが必要とされ、標準品のAl6063T6合金では、その温度では8時間の時効を要する(ASM標準品データによる)ことと比較される。加えて、175℃よりも実質的に低い時効温度が、ECAE加工された材料において、より高いピーク強度をもたらすことが見出された。例えば、プロット1055によって示されるように、140℃で2~4時間の時効は、室温で等温加工され、4回のECAEパスを有するサンプルに対する最適時効温度を示す。140℃での時効のピーク硬度は、プロット1055に示されるように約98HBであり、プロット1065に示される175℃での時効後に見られる94HBのピーク硬度よりも高い。見出されたように、約140℃の時効温度は、時効における温度及び時間の最良の選択肢を表す。例えばプロット1045に示されるように、105℃での時効もまた、高いピーク強度(175℃より高い)をもたらすが、10時間にわたる時効時間を必要とし、製造性において望ましくない。更に、いくつかのECAEプロセス条件は、ピーク強度及び最適なピーク時効処理に著しく影響を及ぼすことが発見された。異なる時効温度での1回パス対4回パスについて、ECAEのパス数を図11に示す。4回のECAEパス後のプロット1065、及び1回のECAEパス後のプロット1035によって示されるように、175℃の時効温度でのピーク時効に達するまでの時間が、1回のパスと比較して4回のパスにおいて短く、すなわち、4回パスで1時間に対して、1回パスで2時間である。また、達成可能な最大ピーク硬度は、4回パス(94BHN)に対して、1回パス(88BHN)で低い。驚くべきことに、パス数及び負荷経路に加えて、他のECAE加工パラメータは、次の実施例に記載されるように、ピーク強度及び最適な時効処理に著しい影響を有することが発見されたが、これらには、等温ECAE加工の温度(実施例4)及び非等温加工中のダイ及びビレットの温度(実施例5)を含む。実施例6は、ECAE前の溶体化温度の影響も示す。
実施例4.ピーク時効後の等温ECAE加工。等温ECAE加工(様々なECAEパス数にて)、続いて140℃での最適化時効の影響を、図12のAl6063T6合金材料と比較して示す。図12は、530℃で溶体化し、等温ECAE加工を行い、140℃で時効したサンプルのUTS、YS、BH、及び伸び率を含むデータのグラフ1100である。データは、標準品T6と比較して特性の増加率としてグラフ化される。参考として、標準品のAl6063T6質別の機械的特性は、UTS=245MPa、YS=219MPa、ブリネル硬度=73BHNであり、伸び率は15.2%である。1、2、3、及び4回のECAEパスの各データセットについて、棒の左から右へ、UTS、YS、BH、及び伸び率が示される。特に、グラフは、上記の最適化された条件に従って1、2、3、及び4回のECAEパスで加工することで、標準品のT6アルミニウム材料と比較して、全て、UTSの少なくとも20%の増加、YSの少なくとも25%の増加、BHの少なくとも35%の増加、及び伸び率の顕著な減少がないことが示される。
実施例5:ピーク時効後の等温対非等温ECAE。図13は、140℃での最適化された時効を後に行う、非等温加工条件と等温加工条件とを比較するための様々なECAE加工パラメータに関するデータのグラフ1200である。ECAE条件の各データセットについて、棒の左から右へ、YS、UTS、BH、及び伸びが、標準品T6と比較して特性の増加率として示される。参考として、標準品のAl6063T6質別の機械的特性は、UTS=245MPa、YS=219MPa、ブリネル硬度=73HBであり、伸び率は15.2%である。ECAE加工の条件は、105℃等温での4回パスECAE加工であるデータセット1205、低温(室温)ダイ及び105℃のビレットを使用する非等温4回パスECAE条件であるデータセット1210、140℃等温での4回パスECAE加工であるデータセット1215、並びに、低温(室温)ダイ及び140℃のビレットを使用する非等温4回パスECAE条件であるデータセット1220を含む。図13に示されるように、等温条件(ビレット及びダイ温度が同じ)と比較して、非等温条件(冷ダイ/加熱ビレット)は、標準的なT6条件に対してより高い強度の増加をもたらすが、伸びの低下を伴う。
実施例6:(ECAE前)高温溶体化の影響。図14は、等温ECAE加工の2つの例示的な温度、105℃と140℃に対する、530℃から560℃への溶体化温度上昇の影響を示すグラフである。それ以外については、全てのサンプルを、4回のECAEパス(等温)後のピーク時効によって加工した。示されるように、等温ECAE加工の各選択された温度(105℃又は140℃のいずれか)については、強度特性(YS、UTS、及びBH)は概して、より高い溶体化温度(530℃と比較して560℃)、かつ後続するより高い時効温度(105℃と比較して140℃)によって、伸びに大きく影響を及ぼすことなく改善される。
実施例7:サンプルデータを収集し、標準T6データと比較した。表1に示されるように、サンプルをUTS、YS、BH、及び伸びについて試験し、データを、測定値と、標準品T6データに対する増加率との2つの方法で表示した。溶体化温度は560℃であり、サンプルは、105℃又は140℃で1~4回のパスで、等温ECAE加工された。表はサンプル0~7の結果を示す。サンプル0は、標準品であるAl6063T6のデータを表す。サンプル1~4は、Al6063を560℃で溶体化し、105℃での等温ECAE加工を1回パス(サンプル1)、2回パス(サンプル2)、3回パス(サンプル3)、及び4回パス(サンプル4)したものを表す。サンプル5~7は、Al6063を560℃で溶体化し、140℃での等温ECAE加工を1回パス(サンプル5)、2回パス(サンプル6)、及び4回パス(サンプル7)したものを表す。

表1.
Figure 2022512800000002
実施例8:熱伝導率及び拡散率データ。ECAE加工を用いてAl6061及びAl6063サンプルについて、熱伝導率及び拡散率データを収集し、標準(非ECAE)材料と比較して、表2に示す。全てのサンプルを、530℃で3時間溶体化し、クエンチした。ECAEは、等温で4回パスを行い、その後140℃でのピーク時効を行った。
Figure 2022512800000003
表2のサンプル8~15について、熱伝導率及び拡散率データの要約を表3に示す。結果は、ECAE Al合金が、T6質別の標準Al合金よりもわずかに良好とは言えないまでも、類似した熱特性を呈することを示す。
Figure 2022512800000004
本発明の範囲から逸脱することなく、考察された例示的な実施形態に対して様々な修正及び付加を行うことができる。例えば、上に記載される実施形態は、特定の特徴に言及するものであるが、この発明の範囲はまた、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態及び上に記載される特徴の全てを含むわけではない実施形態を含む。

Claims (10)

  1. 高強度アルミニウム合金を形成する方法であって、
    アルミニウム材料を溶体化することであって、一次成分としてのアルミニウムと、少なくとも0.2重量%の濃度の二次成分としてのマグネシウム及びケイ素のうちの少なくとも1つと、を含む、前記アルミニウム材料を、前記アルミニウム材料の標準溶体化温度の約5℃超から初期融解温度の約5℃未満の範囲の温度に溶体化して、加熱されたアルミニウム材料を形成することと、
    前記加熱されたアルミニウム材料を水中で室温まで急速にクエンチして、冷却されたアルミニウム材料を形成することと、
    前記冷却されたアルミニウム材料を、等温条件及び非等温条件のうちの1つを使用して、等断面積側方押出(ECAE)プロセスに供し、第1の降伏強度を有するアルミニウム合金を形成することであって、
    前記等温条件は、約80℃~約200℃の同じ温度のビレット及びダイを有し、
    前記非等温条件は、約80℃~約200℃の温度のビレットと、最高100℃の温度のダイとを有する、ことと、
    前記アルミニウム合金を約100℃~約175℃の温度で約0.1~約100時間時効処理して、第2の降伏強度を有するアルミニウム合金を形成することであって、前記第2の降伏強度は前記第1の降伏強度よりも高い、ことと、を含む、方法。
  2. 前記アルミニウム材料がアルミニウム合金6xxxである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶体化温度が530℃~580℃である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記冷却されたアルミニウム材料を供する工程が等温条件を使用し、前記ビレット及び前記ダイは約105℃~約175℃の同じ温度に加熱される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記冷却されたアルミニウム材料を供する工程が非等温条件を使用し、前記ビレットは約105℃~約175℃の温度に加熱され、前記ダイは最大80℃の温度である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記時効工程の前に、圧延、押出、及び鍛造のうちの少なくとも1つから選択される熱機械プロセスに前記アルミニウム合金を供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記時効工程の後に、圧延、押出、及び鍛造のうちの少なくとも1つから選択される熱機械プロセスに前記アルミニウム合金を供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記冷却されたアルミニウム材料を前記ECAEプロセスに供する工程が、少なくとも2回のECAEパスを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 高強度アルミニウム合金材料であって、
    一次成分としてのアルミニウムと、少なくとも0.2重量%の濃度の二次成分としてのマグネシウム及びケイ素のうちの少なくとも1つと、
    少なくとも90BHNのブリネル硬度と、
    少なくとも250MPaの降伏強度と、
    少なくとも275MPaの最終引張強度と、
    少なくとも11.5%の伸び率と、を含む、高強度アルミニウム合金材料。
  10. 前記材料が、約0.3重量%~約3.0重量%のマグネシウムと、約0.2重量%~約2.0重量%のケイ素と、を含有する、請求項9に記載の高強度アルミニウム合金材料。
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