JP2004176134A - 超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法 - Google Patents

超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法 Download PDF

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國男 船見
Mitsuharu Hirohashi
光治 広橋
Masafumi Noda
雅史 野田
Masaru Kobayashi
勝 小林
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Abstract

【課題】本発明は、アルミニウム及びアルミニウム合金材の結晶粒を超微細結晶粒とする実用的な技術を確立して耐力及び引張強さに秀れたアルミニウム及びアルミニウム合金材を提供することを目的とする。
【解決手段】アルミニウム若しくはアルミニウム合金製の塊状アルミニウム材を再結晶温度以下に加熱し、この再結晶温度以下に加熱した塊状アルミニウム材をx軸方向,y軸方向及びz軸方向から繰り返し温間鍛造することで該塊状アルミニウム材中の結晶粒を超微細結晶粒とするものである。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
非熱処理形合金であって、焼きなまし材(O材)である純Al,Al−Mn系,若しくは、Al−Mg系耐食合金の耐力は、20MPa以下、引張強さは36MPa以下である。これらのアルミニウム及びアルミニウム合金材の強化は、従来、Al−Mn系ではMgの適量添加やCuの微量添加、Al−Mg系ではMnの適量添加やCr,Znの微量添加等の合金化によって行われている。
【0003】
しかし、前記合金化による強化は、アルミニウムやアルミニウム合金材の溶製段階で行われており、その成分調整は当然ながら厄介である。
【0004】
ところで、金属材料における耐力及び引張強さは、結晶粒が微細になれば、結晶粒の大きさの−1/2乗に比例して強化されるという経験則(ホールペッチの関係)に従うとされる。
【0005】
従って、結晶粒の大きさが50μm程度と粗く、微細化する余地がある前記純Al,Al−Mn系若しくはAl−Mg系のアルミニウムやアルミニウム合金材は、結晶粒の微細化によって耐力及び引張強さの強化が期待できる。
【0006】
この結晶粒微細化は、合金元素の添加を必要としないため、リサイクル性及び環境面からも有効な手段である。
【0007】
このアルミニウムやアルミニウム合金材の結晶粒の微細化方法としては、室温で強加工(高荷重で鍛造する等)を加えることにより結晶粒を破壊し、続いて、焼きなましを施して該破壊により微細化された結晶粒を再度結晶粒として核生成,成長させる方法、所謂強加工−再結晶加熱法が行われている。この方法によれば、核生成,成長した結晶粒は、破壊前に比して微細なものとなる為、確かに耐力及び引張強さは向上するが、それでも結晶粒の大きさを約12μm程度までしか微細化することができず、耐力及び引張強さの大幅な向上は達成されていない。
【0008】
また、アルミニウムやアルミニウム合金材の結晶粒の微細化方法として、ECAP法(Equal−Channel Angular Pressing法、熱処理41巻2号 技術解説論文 著者:掘田善治)が提案されている。
【0009】
このECAP法は、屈曲した等断面のダイス溝穴にアルミニウムやアルミニウム合金材を繰り返し通すことで、屈曲部でアルミニウムやアルミニウム合金材に剪断変形を付与し、これにより結晶粒を微細化するものである。しかし、このECAP法には、ダイスの材質に高強度を必要とし、設備の大型化が厄介で実用性(生産性)が低いという問題点がある。
【0010】
本発明は、上記現状に鑑みて完成した発明で、アルミニウムやアルミニウム合金材の結晶粒を超微細結晶粒とする実用的な技術を確立して耐力及び引張強さに秀れたアルミニウム及びアルミニウム合金材を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0012】
アルミニウム若しくはアルミニウム合金製の塊状アルミニウム材を再結晶温度以下に加熱し、この再結晶温度以下に加熱した塊状アルミニウム材をx軸方向,y軸方向及びz軸方向から繰り返し温間鍛造することで該塊状アルミニウム材中の結晶粒を超微細結晶粒とすることを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法に係るものである。
【0013】
また、請求項1記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、塊状アルミニウム材は、展伸用のものであることを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法に係るものである。
【0014】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、塊状アルミニウム材は、純Al,Al−Mn系若しくはAl−Mg系の鋳造したものであることを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、温間鍛造は、x軸方向,y軸方向及びz軸方向から塊状アルミニウム材に圧縮加工ひずみを付与した後、該塊状アルミニウム材を加熱することで該塊状アルミニウム材を元の形状に復元することを繰り返して行うことを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法に係るものである。
【0016】
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、温間鍛造は、塊状アルミニウム材のx軸方向,y軸方向及びz軸方向の真ひずみの和を相当ひずみとして、全体としての相当ひずみが2.0以上となるように行うことを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法に係るものである。
【0017】
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、温間鍛造は、塊状アルミニウム材中の結晶粒径が1〜3μmの超微細結晶粒となるように行うことを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法に係るものである。
【0018】
また、請求項1〜6いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、塊状アルミニウム材を再結晶温度以下に加熱する際の加熱温度は、該塊状アルミニウム材の再結晶温度より73乃至127K低い温度であることを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法に係るものである。
【0019】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、温間鍛造することで該塊状アルミニウム材中の結晶粒を超微細結晶粒とした後、該塊状アルミニウム材を熱処理して該超微細結晶粒を整粒化することを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法に係るものである。
【0020】
【発明の作用及び効果】
本発明は繰り返した実験の結果、得られた作用効果を請求項としてまとめたもので、アルミニウム若しくはアルミニウム合金製の塊状アルミニウム材を再結晶温度以下に加熱し、この再結晶温度以下に加熱した塊状アルミニウム材をx軸方向,y軸方向及びz軸方向から繰り返し温間鍛造すると下記の作用が発揮されるものと推測される。
【0021】
塊状アルミニウム材は、50μm程度の大きさの結晶粒から構成されており、この結晶粒は1乃至2°程度の傾き(傾斜)を有する1乃至3μmの大きさの下部結晶粒組織(亜結晶粒組織とも呼ばれている)により構成されている。
【0022】
この下部結晶粒組織は、再結晶温度以下の温度で温間鍛造すると、該温間鍛造が原因のひずみによって該下部結晶粒組織が回転し、前記傾斜が大きくなる。
【0023】
この傾斜が大きくなった下部結晶粒組織は、もはや結晶粒を構成する下部結晶粒組織ではなく、独立した結晶粒の様に塊状アルミニウム材の耐力や引張強さに影響を及ぼすものとなる。
【0024】
即ち、下部結晶粒組織の傾斜が大きくなった塊状アルミニウム材は、該下部結晶粒組織が結晶粒であるといえ、結晶粒の大きさが1乃至3μmと超微細であるから、非常に高い耐力及び引張強さを発揮するものと考えられる。
【0025】
また、本発明は温間鍛造ができる設備があれば実施でき、非常に実用性が高い。
【0026】
以上、本発明によれば、簡単な方法でアルミニウム及びアルミニウム合金材を超微細結晶粒から成るものとすることができ、これにより耐力及び引張強さが非常に高いアルミニウム及びアルミニウム合金材がコスト安で得られることになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1〜11は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0028】
本実施例は、アルミニウム若しくはアルミニウム合金製の塊状アルミニウム材(以下、バルク材という。)を再結晶温度以下に加熱し、この再結晶温度以下に加熱したバルク材をx軸方向,y軸方向及びz軸方向の少なくとも合計三軸から繰り返し温間鍛造することで該バルク材中の結晶粒を超微細結晶粒とするものである。
【0029】
一般的に、室温で塑性加工を施した金属の冷間加工材は、一定時間の加熱焼きなましにより、図1に図示したように、ある温度で強度(引張強さ)が低下しはじめ、それより少し高い温度で軟化が終了する。一方、伸びは軟化開始温度から増加しはじめ、終了温度で最大となる。
【0030】
これが、図2に図示したような核生成・成長を伴う再結晶である。
【0031】
従って、一定時間の焼きなましによる再結晶では、温度としては開始温度と終了温度とがあり、温度幅がある。そして、この再結晶の終了温度が一般的には再結晶温度と称されている。
【0032】
ここで、再結晶温度以上の温度で行う塑性加工が熱間加工であり、この熱間加工では、金属は冷間加工材の再結晶現象と同じように核生成・成長を起こして軟化する。
【0033】
一方、再結晶温度未満の温度で加熱して行う塑性加工が温間加工であり、この温間加工では、核生成はなく、図3に図示したように金属結晶内部の1〜2°の傾きを持つ下部結晶粒組織が温間加工に伴う外部の塑性ひずみにより回転を起こしてさらに大きな傾きを持つ。そして、前記金属結晶内部の下部結晶粒組織が大きな傾きを持つことで、該下部結晶粒組織が分裂し、前記金属結晶は多数の超微細な結晶粒となると考えられる。
【0034】
本実施例は、前記金属結晶内部の傾きが大きくなった下部結晶粒組織の夫々が独立することで多数の超微細結晶粒になるという上述の仮説に基づき、具体的には以下に示す第一実験例及び第二実験例により実証したものである。
【0035】
第一実験例について説明する。
【0036】
第一実験例は、表1に示す組成のAl−Mg−Mn系のアルミニウム合金5083Alを用いて超微細結晶粒を有するアルミニウム合金材を製作し、各種評価を行ったものである。また、表2は、製作したアルミニウム合金材の機械的特性を示すものである。
【0037】
【表1】
Figure 2004176134
【0038】
【表2】
Figure 2004176134
【0039】
図4は、鍛造で直方体バルク材に圧縮ひずみを付与するときの多軸繰り返し温間鍛造(Multi−axial Alternative Warm Forging,略してMAF)と称される負荷方式を示す模式図である。
【0040】
図4中(a)は一軸鍛造、(b)は二軸鍛造で、共に従来から行われている展伸を目的とした負荷方式である。
【0041】
図4中(c)は三軸鍛造で、第一実験例において用いた負荷方式、即ち、直方体の三面に圧縮ひずみを付与し、三面加工毎に元の形状に戻す負荷方式である。
【0042】
この三軸鍛造は、各々が90°交叉するx軸方向,y軸方向及びz軸方向から行った。
【0043】
この三軸鍛造は、具体的には、平均結晶粒径70μmの5083Al鍛造立方体バルク材(一辺60mm)を523Kで3.6ks加熱保持後一回のひずみ20%で、先ず一面を鍛造し(ひずみ速度:6.7×10−3s−1)、次に90°回転させて別の面を鍛造し、図4(c)に図示したように各鍛造毎に試料を90°回転させ、毎回523Kに1.2ksの再加熱をして繰り返し鍛造を行い、加工終了後は直ちに水焼入れを行うものとした。
【0044】
尚、第一実験例における加熱温度523Kは、5083Alの再結晶温度の600Kよりはるかに低い温間域の温度である。
【0045】
この三軸繰り返し温間鍛造材から厚さ1mm,幅3mm,長さ5mmの平行部を有する引張試験片を採取し、室温引張試験に供した。
【0046】
図5は、この室温引張試験結果の応力−ひずみ線図で、縦軸の応力は公称応力σ(荷重/断面積)、横軸のひずみeは公称ひずみ(伸び)で示し、図5中のパラメータεは加工で付与した相当ひずみ(対数ひずみの和の絶対値)である(これらのひずみの詳細な定義については後述する。)。
【0047】
相当ひずみ1.2付与で、供試材の引張強さは264MPaから320MPaに,降伏応力は103MPaから200MPaに夫々著しく上昇した。また、これ以上は強度の上昇は緩やかで、相当ひずみ4.8付与で、引張強さは410MPa,降伏応力は325MPaとなり、供試材の夫々1.6倍,3.2倍まで向上していることがわかった。
【0048】
図6は、ビッカース硬さ及び引張試験における破断伸びと、加工で付与した相当ひずみとの関係である。
【0049】
相当ひずみ1.2付与までは硬さは著しく上昇し、供試材の1.3倍に達していることがわかった。その後、硬さは略一定値を維持し、最終的には供試材の1.5倍に達し、伸びは相当ひずみ1.2付与までは著しく低下するが最終的には9%を維持していることが確認された。
【0050】
また、三軸繰り返し温間鍛造で相当ひずみ2.4及び4.8を付与した鍛造材の透過電子顕微鏡(TEM)組織写真から、鍛造材中に多少の傾きをもつ下部結晶粒が形成され、この下部結晶粒の内部には転位が多く存在し、相当ひずみ2.4では結晶粒径は4μm程度であることが確認された。
【0051】
この段階における、鍛造材の機械的特性の向上は結晶粒の微細化と転位の増加によるものであり、更に加工量を増加させると、相当ひずみ4.8では結晶粒径は0.3μmとなり、図7に示すように80%以上が15°以上の高傾角を示した。また、組織がランダムな方位をとっているため破断伸びは著しい減少を示さない。
【0052】
また、三軸繰り返し温間鍛造材が、強い結晶配向を示さないのは、三面加工毎の繰り返し鍛造により剪断変形が供試材内部まで均一に、且つ、多量に生じたことが原因であることがわかった。
【0053】
三軸繰り返し温間鍛造材と種々の温度で1.8ks焼きなましを行った試料の応力−ひずみ線図を図5と同じように図8に示す。また、これらの試料のTEM写真から、焼きなまし温度が高くなるほど粒内転位は減少し、結晶粒は成長し、流動応力は低下することがわかった。
【0054】
また、焼きなまし温度と引張強さ及び全伸びとの関係を示す図9より、三軸繰り返し温間鍛造材では引張強さ410MPa,全伸び9%であるが、焼きなまし温度473Kから573Kの範囲では引張強さは50MPa低下し、全伸びは16%から30%へ大きく回復することがわかった。
【0055】
更に、焼きなまし温度473K未満では強度は僅かに低下するものの、機械的特性の変化は小さいことがわかった。これは、転位密度が減少しているにもかかわらず、結晶粒が大きく成長していないことによる。
【0056】
図10に焼きなましに伴う平均結晶粒径と硬さ(ビッカース硬さ:HV)の変化を示す。硬さも強度と同様に焼きなましの温度が高くなるにつれ低下し、573Kで供試材と同程度の値となった。
【0057】
また、強度の変化の最も大きかった473Kから573Kの範囲で、硬さはHV20低下し、結晶粒径は1.7μmから7.0μmまで大きくなった。
【0058】
このように、473K以上の温度での焼きなましにより、結晶粒径は連続的に粗大化し、対応して強度は低下し、全伸びは大きく回復することが確認された。
【0059】
また、狭い温度範囲であるが、423Kから500Kにおける焼きなましで、結晶粒径が1〜2μmで、350〜400MPaという高い強度と、10〜20%もの大きな全伸びが得られることが確認された。
【0060】
また、三面繰り返し温間鍛造材の焼きなまし材の降伏応力の結晶粒度依存性及び全伸びを、均一伸びと局部伸びとに分けた際の、該均一伸び及び局部伸びと、結晶粒径との関係を図11に示す。いずれの伸びも、前記結晶粒径が小さくなるにつれ降伏応力及び引張強さが向上する特性を示した。
【0061】
この図11から、降伏応力は大まかに結晶粒径の−1/2乗に比例するというホールペッチの関係に従い、これが1μm以下の超微細結晶粒組織に関しても成り立つことが示された。
【0062】
この際、均一伸びは結晶粒径3.5μm〜1μmの間で急激に変化しているが、大きな均一伸びは転移密度の減少と、結晶粒の成長によるものであり、1μm以下の結晶粒径でも8%程度の延性を確保できることが実証された。
【0063】
以上、第一実験例の結晶粒径の微細化により、前記アルミニウム若しくはアルミニウム合金材の耐力及び引張強さが強化されることが実証された。
【0064】
また、第一実験例の三軸繰り返し温間鍛造により、耐力及び引張強さに秀れたアルミニウム若しくはアルミニウム合金材が製作できることが実証された。しかも、上述した耐力及び引張強さに秀れるだけでなく、約10〜20%という大きな全伸びを持つことから、圧延等の加工も極めて容易であると推測された。
【0065】
尚、第一実験例においては、前記アルミニウム合金材を製作したが、アルミニウム材(純Al)を製作する際も同様である。
【0066】
次に、第二実験例について説明する。
【0067】
第二実験例は、ひずみ負荷方式による結晶粒の形態の変化について検討したものである。
【0068】
具体的には、平均結晶粒径64μmの1100Al鋳造立方体バルク材(一辺60mm)を473Kで3.6ks加熱保持後一回のひずみ20%で、先ず一面を鍛造し、図4(c)に図示したように各鍛造毎に試料を90°回転させ、毎回473Kに1.2ks再加熱をして繰り返し鍛造を行い、加工終了後は直ちに水焼入れを行うことで検討したものである。
【0069】
尚、加熱温度473Kは、1100Alの再結晶温度の600Kよりはるかに低い温度域の温度である。
【0070】
また、図4に図示した前記多軸繰り返し温間鍛造、即ち、一軸鍛造、二軸鍛造及び三軸鍛造の相違がもたらす1100Al内部のTEM組織の変化を相当ひずみ1.5付与近辺で求めた結果、前記TEM組織を写したTEM写真から、一軸鍛造材の結晶粒形状は伸長粒であり、二軸鍛造材では伸長粒は分断され、節状に新粒界が形成されていることがわかった。また、三軸鍛造材では伸長粒は交差し、さらに分断が多くなり、高傾角粒界と低傾角粒界とが混在することが確認された。
【0071】
また、高傾角粒界と低傾角粒界とが混在する場合には、前記結晶粒は夫々独立した状態となり、一つの結晶を形作る下部結晶粒が分裂して多数の超微細な結晶粒となるため、製作されたアルミニウムやアルミニウム合金材は超微細結晶粒組織を有するものとなる。
【0072】
数多く分断された三軸鍛造材の場合には、平均結晶粒径は相当ひずみ1.5近辺で1.0μm以下となり、相当ひずみ2.5近辺では0.6μmであった。
【0073】
従って、上記三軸繰り返し温間鍛造により、従来のアルミニウム若しくはアルミニウム合金材に比べ、結晶粒組織を微細化できることが実証された。
【0074】
以上の第一実験例及び第二実験例より、前記アルミニウム若しくはアルミニウム合金材の平均結晶粒径を、従来の略50μmから数十分の一以下に微細化して1.0μm以下とすることにより、該アルミニウム若しくはアルミニウム合金材の耐性及び引張強さを著しく強化できることが実証された。
【0075】
従って、第一実験例及び第二実験例によれば、本実施例は、安価な温間鍛造装置を用いるだけで、極めて低コスト且つ容易にアルミニウム若しくはアルミニウム合金材の強度を飛躍的に高めることができる極めて画期的な技術であることが確認された。
【0076】
ところで、本実施例において説明に使用したひずみの定義について、以下詳細に説明する。
【0077】
摩擦なしの均一圧縮で、初期直径d,高さhの円柱試片が直径d,高さhになったとする。
【0078】
圧縮(公称)ひずみ、一般的に言う圧縮率或いは圧下率eは、下記数1で表される。
【0079】
【数1】
Figure 2004176134
【0080】
このときの真(対数)ひずみは、下記数2で表される。
【0081】
【数2】
Figure 2004176134
【0082】
圧縮率と対数ひずみは、変形が小さい場合には殆ど同じであるが、圧縮率0.1以上になると両者の差が顕著となる。
【0083】
従って、この対数ひずみを使用するメリットは、前記圧縮率を用いて比較した場合にそれほど大きな差が出ない場合でも、特に、圧縮率が大きい場合には、その差をより分かりやすく明確にすることができる点である。
【0084】
ひずみは、弾性ひずみと塑性ひずみとに分けられるが、鍛造では塑性ひずみが1〜3に達するのに対し、弾性ひずみは0.001程度であるので、弾性ひずみを無視することが多い。
【0085】
そもそも材料は、多軸の応力に対応して材料が降伏して多軸のひずみが生ずるが、これを一軸の引張或いは圧縮の応力によって変形が生ずるものと仮定するのがミーゼスの降伏条件であり、この一軸の引張或いは圧縮の応力を相当応力として下記数3で表される。
【0086】
【数3】
Figure 2004176134
【0087】
但し、ここでは垂直応力(主応力)だけで示し剪断応力は省く、また、σは公称応力である。
【0088】
この相当応力に対応して降伏を起こした一軸のひずみが相当(有効)ひずみである。この相当ひずみは理論的に導かれたものではなく、実験的に求められたもので、ひずみ増分(瞬時瞬時のひずみ)の積分である。
【0089】
ここで、垂直ひずみ(主ひずみ)ε,ε,ε がε=cε,ε=cεと単調に比例して変形するとすると、下記数4で表される。
【0090】
【数4】
Figure 2004176134
【0091】
即ち、一軸応力に対応した一軸ひずみで、このように示すことによって材料の様々な応力状態に対して、応力−ひずみ関係を綺麗に整理することができる。
【0092】
この相当ひずみは、多軸の変形量の大小を表す際に用いられるが、該相当ひずみは、各軸方向の対数ひずみの和の絶対値をとることで以下のように求めることができる。
【0093】
即ち、下記数5で表される。
【0094】
【数5】
Figure 2004176134

【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の加工材の焼きなましによる引張強さと伸びとの関係を説明する説明図である。
【図2】本実施例の核生成・成長による再結晶の模式図である。
【図3】本実施例の下部結晶粒組織の模式図である。
【図4】本実施例における負荷方式を示す模式図である。
【図5】本実施例のMAF加工材の公称応力とひずみとの関係を示すグラフである。
【図6】本実施例のビッカース硬さ及び引張試験における破断伸びと、加工で付与した相当ひずみとの関係を示すグラフである。
【図7】本実施例のMAF加工材の方位解析結果を示すグラフである。
【図8】本実施例のMAF加工材の焼きなました場合における公称応力とひずみとの関係を示すグラフである。
【図9】本実施例の焼きなまし温度と引張強さ及び全伸びとの関係を示すグラフである。
【図10】本実施例の焼きなまし温度と平均結晶粒径及びビッカース硬さとの関係を示すグラフである。
【図11】本実施例の平均結晶粒径と降伏応力及び伸びとの関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. アルミニウム若しくはアルミニウム合金製の塊状アルミニウム材を再結晶温度以下に加熱し、この再結晶温度以下に加熱した塊状アルミニウム材をx軸方向,y軸方向及びz軸方向から繰り返し温間鍛造することで該塊状アルミニウム材中の結晶粒を超微細結晶粒とすることを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法。
  2. 請求項1記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、塊状アルミニウム材は、展伸用のものであることを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、塊状アルミニウム材は、純Al,Al−Mn系若しくはAl−Mg系の鋳造したものであることを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、温間鍛造は、x軸方向,y軸方向及びz軸方向から塊状アルミニウム材に圧縮加工ひずみを付与した後、該塊状アルミニウム材を加熱することで該塊状アルミニウム材を元の形状に復元することを繰り返して行うことを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、温間鍛造は、塊状アルミニウム材のx軸方向,y軸方向及びz軸方向の真ひずみの和を相当ひずみとして、全体としての相当ひずみが2.0以上となるように行うことを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、温間鍛造は、塊状アルミニウム材中の結晶粒径が1〜3μmの超微細結晶粒となるように行うことを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、塊状アルミニウム材を再結晶温度以下に加熱する際の加熱温度は、該塊状アルミニウム材の再結晶温度より73乃至127K低い温度であることを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法。
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載の超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法において、温間鍛造することで該塊状アルミニウム材中の結晶粒を超微細結晶粒とした後、該塊状アルミニウム材を熱処理して該超微細結晶粒を整粒化することを特徴とする超微細結晶粒を有するアルミニウム及びアルミニウム合金材の製造方法。
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